「住民の意見も必要」、原発事故後の健康問題で 国連報告者
- 2012年11月27日 17:32 発信地:東京
都
内の日本外国特派員協会(FCCJ)で会見する「達成可能な最高水準の心身の健康を享受する権利」(健康を享受する権利)に関する国連人権理事会特別報告
者アナンド・グローバー(Anand Grover)氏(2012年11月26日撮影)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI
国連人権理事会(UN Human Rights Council)の「健康を享受する権利」に関する特別報告者アナンド・グローバー(Anand Grover)氏は、福島県、宮城県などをめぐる12日間の視察を終えて記者会見に臨んだ。その中で同氏は、放射能汚染の恐怖にさらされて暮らす人びとに日本政府は直接もっと多くの情報を提供すべきだと語り、また「すべての地域社会が決定プロセスに参加すべきだ」と述べた。
東日本大震災で起きた福島第1原子力発電所の事故は「人災」であるという国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調、Fukushima Nuclear Accident Independent Investigation Commission)の見解をグローバー氏も踏襲した。
グローバー氏は、政府と同原発の事業者である東京電力(TEPCO)が限界線量に関する的確な情報を提供しなかったことで混乱と損害を拡大したと述べ、政府が避難区域の指定に当初使用した年間20ミリシーベルトという基準値は「そこまでの実効線量ならば安全である」というように伝わったと指摘した。
また現行の限界値と、チェルノブイリ(Chernobyl)原発事故の際の強制移住の基準値だった年間5ミリシーベルトには「一貫性」がないと述べ、これが「多くの地元住民の間に混乱を招き、政府発表のデータや方針に対する疑念が高まることにつながっている」と語った。
混乱をおさめ人びとを安心させる方法を尋ねられたグローバー氏は、政府が専門家に頼りすぎないことだとし、「個人的には、専門家が知っているのは状況の一部だと思う。地域社会の参加が欠かせない」と述べた。
同氏はまた、訪問中に「被害に遭った多くの人びと、特に障害者や若い母親、妊婦、子ども、お年寄りなどから、自分たちに影響が及ぶ決定に対して発言権が ないという言葉を耳にした」とも述べ、健康管理調査の策定や避難所の設計、汚染除去の実施などすべての意思決定プロセスにその影響が及ぶすべての人たち、 特に社会的弱者が十分に参加するよう日本政府に求めると表明した。
またグローバー氏は現在、福島県民および災害発生時に福島県を訪れていた人々に限られている健康管理調査の対象を広げ、放射線汚染区域全体において実施することも日本政府に要請した。
同氏は「残念ながら、調査範囲が狭い。これは、チェルノブイリ事故から限られた教訓しか活用されていない」と述べ、さらに「多くの疫学研究において、年 間100ミリシーベルトを下回る低線量放射線でもガンその他の疾患が発生する可能性があるという指摘がなされている。研究によれば、疾患の発症に下限とな る放射線基準値はない」と語り、日本政府に「慎重に慎重を重ねた対応をとること、また、包括的な調査を実施すること」を推奨した。 (c)AFP/Kyoko Hasegawa
滋賀知事が新党結成表明 「日本未来の党」、小沢氏合流へ
2012年11月27日 17:28
滋賀県の嘉田由紀子知事(62)は27日、大津市内で記者会見し、衆院選に向けた新党設立を目指す考えを表明した。名称は「日本未来の党」とし、
自身が代表を務める。全原発の廃炉を目指す「卒原発」などの基本政策への賛同者を募り、候補者を擁立する。国民の生活が第一の小沢一郎代表は同日、嘉田氏
の新党から合流要請があれば応じる意向を固めた。嘉田氏は、小沢氏との連携に「方向性としてあり得る」と意欲を示した。新党設立に向け、理念である「びわこ宣言」と基本政策「未来をつくる政治の結集軸」を発表。卒原発のほか、消費税増税前の徹底的な無駄排除、「脱官僚」などが柱。
滋賀知事が新党結成表明 「日本未来の党」、小沢氏合流へ
滋賀県の嘉田由紀子知事(62)は27日、大津市内で記者会見し、衆
院選に向けた新党設立を目指す考えを表明した。名称は「日本未来の党」とし、自身が代表を務める。全原発の廃炉を目指す「卒原発」などの基本政策への賛同
者を募り、候補者を擁立する。国民の生活が第一の小沢一郎代表は同日、嘉田氏の新党から合流要請があれば応じる意向を固めた。
嘉田氏は、小沢氏との連携に「方向性としてあり得る」と意欲を示した。新党設立に向け、理念である「びわこ宣言」と基本政策「未来をつくる政治の結集軸」を発表。卒原発のほか、消費税増税前の徹底的な無駄排除、「脱官僚」などが柱。
(2012/11/27 17:28 更新嘉田氏は、小沢氏との連携に「方向性としてあり得る」と意欲を示した。新党設立に向け、理念である「びわこ宣言」と基本政策「未来をつくる政治の結集軸」を発表。卒原発のほか、消費税増税前の徹底的な無駄排除、「脱官僚」などが柱。
民主、原発ゼロ「必ず実現」 政権公約発表
2012年11月27日17時34分
野田佳彦首相(民主党代表)は27日夕、党本部で記者会見し、衆院選マニフェスト(政権公約)を発表した。2030年代の原発稼働ゼロについて「あらゆる
政策資源を投入。必ず実現する」と明記した。環太平洋連携協定(TPP)については、日中韓自由貿易協定(FTA)などと「同時並行的に進め、政府が判断
する」と記述。政府が結論を出していないことを強調し、党内の反対論に配慮した。
14年4月と15年10月の消費税増税時に、低所得者対策を講じると打ち出した。
表題は「動かすのは決断。今と未来への責任」。
14年4月と15年10月の消費税増税時に、低所得者対策を講じると打ち出した。
表題は「動かすのは決断。今と未来への責任」。
最終処分場選定、見直しを=原子力委が提言案
内閣府原子力委員会(近藤駿介委員長)は27日の会合で、原発から出る高レベル放射性廃棄物の
最終処分場選定をめぐって、政府の取り組み姿勢や「原子力発電環境整備機構」(NUMO)の在り方を見直すよう求める提言案を示した。提言案は、処分場選
定に際して「最新の科学的知見の反映や国民との認識共有が不足していた」と指摘した。今後、パブリックコメント(意見公募)を実施し、政府への提言として
最終的にまとめる。
最終処分場の候補地は、電力会社などが資金を拠出するNUMOが受け入れ希望の自治体を募集しているが、2006年の高知県東洋町(07年取り下げ)以外は応募がない。
原子力委は、政府がNUMOと一体となって取り組み、必要な法制度の見直しなどを始めるべきだと指摘。受け入れ自治体の募集では、全国知事会に協力を依頼するなど国が前面に出るべきだと要求した。(2012/11/27-17:27)
最終処分場の候補地は、電力会社などが資金を拠出するNUMOが受け入れ希望の自治体を募集しているが、2006年の高知県東洋町(07年取り下げ)以外は応募がない。
原子力委は、政府がNUMOと一体となって取り組み、必要な法制度の見直しなどを始めるべきだと指摘。受け入れ自治体の募集では、全国知事会に協力を依頼するなど国が前面に出るべきだと要求した。(2012/11/27-17:27)
- 2012年11月27日17時22分
社民離党の阿部知子氏、日本未来の党へ合流の意向
社民党離党を表明した阿部知子氏(64)は27日、藤沢市で記者会見を開き、滋賀県の嘉田由紀子知事が結成を表明した新党「日本未来の党」に合流する意向を表明した。
阿部氏は衆院解散の前後から、国民の生活が第一やみどりの風に働きかけ、嘉田知事とも意見交換してきた。新党について「原発ゼロの選択肢を国民に示し、一人でも多く選挙を勝ち抜くことで、国民が選べる政治を取り戻したい」と話した。
滋賀県の嘉田知事が、「脱原発」を旗印にした新党「日本未来の党」の結成を正式に表明しました。
滋賀県・嘉田知事:「経済性だけで原子力政策を推進することは、国家としての品格を失い、地球倫理上も許されない」
代表を務める嘉田知事は、未来の党の基本政策として「びわこ宣言」を発表しました。全原発の廃炉を目指す「卒原発」や、消費税増税前に徹底的に無駄を排除 することなどが盛り込まれています。一方、「国民の生活が第一」の小沢代表は、未来の党に合流する方針を固めました。まもなく常任幹事会を開き、正式決定 する見通しです。また、「脱原発」の河村共同代表や亀井元金融担当大臣らも合流に意欲を示しています。さらに、「みどりの風」も合流を検討するなど、公示 日を1週間後に控え、第三極の動きが収れんされてきました。
阿部氏は衆院解散の前後から、国民の生活が第一やみどりの風に働きかけ、嘉田知事とも意見交換してきた。新党について「原発ゼロの選択肢を国民に示し、一人でも多く選挙を勝ち抜くことで、国民が選べる政治を取り戻したい」と話した。
「全原発の廃炉目指す」“嘉田新党”が旗揚げ(11/27 16:30)
滋賀県の嘉田知事が、「脱原発」を旗印にした新党「日本未来の党」の結成を正式に表明しました。
滋賀県・嘉田知事:「経済性だけで原子力政策を推進することは、国家としての品格を失い、地球倫理上も許されない」
代表を務める嘉田知事は、未来の党の基本政策として「びわこ宣言」を発表しました。全原発の廃炉を目指す「卒原発」や、消費税増税前に徹底的に無駄を排除 することなどが盛り込まれています。一方、「国民の生活が第一」の小沢代表は、未来の党に合流する方針を固めました。まもなく常任幹事会を開き、正式決定 する見通しです。また、「脱原発」の河村共同代表や亀井元金融担当大臣らも合流に意欲を示しています。さらに、「みどりの風」も合流を検討するなど、公示 日を1週間後に控え、第三極の動きが収れんされてきました。
「嘉田新党」結成表明 橋下氏に“失望” 「卒原発」の道を示す
2012.11.27
12月16日投開票の衆院選に向けて、滋賀県の嘉田由紀子知事は27日、大津市内で記者会見し、脱原発を旗印にした新党「日(にっ)本(ぽん)未
来の党」を結成すると発表した。原発依存を徐々になくす「卒原発」や脱官僚など6項目のマニフェストを掲げた。知事職のまま代表に就く。
脱原発で理念が一致する「国民の生活が第一」「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」などと合流に向けた協議を行っていることも明らかにした。
第三極勢力では、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への対応などをめぐり、生活や脱原発などと、日本維新の会やみんなの党は一線を画している。嘉田氏の新党を含む政党合流が進めば、第三極の新たな軸となりそうだ。
嘉田氏は記者会見で「いまのままでは選ぶ政党がないとの国民の声に応えるため立ち上げた。原発から卒業できる道を示さないといけない」と強い決意を示した。
嘉田氏はこれまで、東京電力福島第1原発事故を受け、「(次期衆院選の争点として)原発政策を議論してほしいと切に願っていた」と主張していた。新党結成の契機として維新と太陽の党との政策合意で「2030年代までの原発全廃」が盛り込まれなかったことをあげた。
嘉田氏は平成18年7月、滋賀県知事に初当選し、現在2期目。原発依存を徐々になくす「卒原発」が持論で、今月20日の会見では、維新代表代行の橋下徹大阪市長について「同じ方向を向いていた仲間を失った感じがする」と失望感を示していた。
新たな新党構想が脚光を浴びている。乱立、混乱、混迷の第三極の中で、にわかに浮上した中心人物が滋賀県の嘉田由紀子知事だった。
東京新聞によると、嘉田は埼玉県出身の62歳で、京都大大学院農学研究科博士課程を修了後、滋賀県職員、京都精華大教授を経て、2006年の 滋賀県知事選で「もったいない」を合言葉に、民主、自民が推した現職候補をはねのけ初当選し、現在2期目である。東日本大震災後は、原発依存度を計画的に 減らしていく「卒原発」を提唱してきた。
日本維新の会ばかりが注目され、このままでは埋没しかねない小沢の反応はどうか。「かりに呼びかけがあれば、政策、主張を検討したうえで対応
を決めていく」と語っているが、関係者によると、各候補者に(生活としての)パンフレットやビラの印刷を止めるよう指示が出たという。「減税日本・反
TPP、脱原発を実現する党(脱原発)」や「みどりの風」も合流を含む連携を検討中という。
嘉田新党を中心に3党連携(合流)が実現すれば、競合する選挙区がないうえ、バラバラで分かりにくかった「脱原発」組が一本化し、民主や自民、維新の会が掲げる玉虫色の「脱原発」と明確に主張を色分けできるメリットがある。
脱原発については、今年3月から毎週金曜日に官邸前で脱原発デモを続けてきた市民団体が、ツイッターで「生活」や「みどりの風」などを支持する呼びかけを行うという。
これに三屋裕子(スポーツプロデューサー)はこう語った。「13も14も政党ができて選ぶのに迷ってしまう。ある程度、絞ってもらうとありが たい。しかも『脱原発』のたった3文字では、直ぐ止めるのか、時間をかけて止めるのか、その間の代替エネルギーはどうするのか広く考えなければいけない。 民主党のように根拠もないのに『財源があります』に乗ってしまったのを繰り返すことにならないよう、よく吟味しないと」
脱原発で理念が一致する「国民の生活が第一」「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」などと合流に向けた協議を行っていることも明らかにした。
第三極勢力では、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への対応などをめぐり、生活や脱原発などと、日本維新の会やみんなの党は一線を画している。嘉田氏の新党を含む政党合流が進めば、第三極の新たな軸となりそうだ。
嘉田氏は記者会見で「いまのままでは選ぶ政党がないとの国民の声に応えるため立ち上げた。原発から卒業できる道を示さないといけない」と強い決意を示した。
嘉田氏はこれまで、東京電力福島第1原発事故を受け、「(次期衆院選の争点として)原発政策を議論してほしいと切に願っていた」と主張していた。新党結成の契機として維新と太陽の党との政策合意で「2030年代までの原発全廃」が盛り込まれなかったことをあげた。
嘉田氏は平成18年7月、滋賀県知事に初当選し、現在2期目。原発依存を徐々になくす「卒原発」が持論で、今月20日の会見では、維新代表代行の橋下徹大阪市長について「同じ方向を向いていた仲間を失った感じがする」と失望感を示していた。
脱原発票にようやく受け皿「嘉田新党」維新と対抗第3極浮上
2012/11/27 17:20
新たな新党構想が脚光を浴びている。乱立、混乱、混迷の第三極の中で、にわかに浮上した中心人物が滋賀県の嘉田由紀子知事だった。
東京新聞によると、嘉田は埼玉県出身の62歳で、京都大大学院農学研究科博士課程を修了後、滋賀県職員、京都精華大教授を経て、2006年の 滋賀県知事選で「もったいない」を合言葉に、民主、自民が推した現職候補をはねのけ初当選し、現在2期目である。東日本大震災後は、原発依存度を計画的に 減らしていく「卒原発」を提唱してきた。
「生活」「減税」「みどりの風」合流の方向
その嘉田が「脱原発」を旗印に新党結成の意向を固め、24日(2012年11月)には「国民の生活が第一(生活)」の小沢代表と会談、合流を含めた連携について意見交換しており、嘉田は「いろいろな人と調整したうえで」27日午後に新党について正式発表するという。嘉田新党を中心に3党連携(合流)が実現すれば、競合する選挙区がないうえ、バラバラで分かりにくかった「脱原発」組が一本化し、民主や自民、維新の会が掲げる玉虫色の「脱原発」と明確に主張を色分けできるメリットがある。
脱原発については、今年3月から毎週金曜日に官邸前で脱原発デモを続けてきた市民団体が、ツイッターで「生活」や「みどりの風」などを支持する呼びかけを行うという。
小沢一郎にとって「渡りに船」
コメンテーターの杉尾秀哉(TBS解説室長)は懐疑的だ。「小沢さんにすれば、維新の方が圧倒的に目立っており、このままいったら埋没してしまう。新しい顔として嘉田さんに飛びついたのだろう。でも、本当に嘉田さんで『顔』になるんですかねえ」これに三屋裕子(スポーツプロデューサー)はこう語った。「13も14も政党ができて選ぶのに迷ってしまう。ある程度、絞ってもらうとありが たい。しかも『脱原発』のたった3文字では、直ぐ止めるのか、時間をかけて止めるのか、その間の代替エネルギーはどうするのか広く考えなければいけない。 民主党のように根拠もないのに『財源があります』に乗ってしまったのを繰り返すことにならないよう、よく吟味しないと」
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■ 毒殺疑惑、アラファト氏の遺体掘り起こし
「毒殺説」が持ち上がっている中東・パレスチナ自治政府のアラファト元議長の死因を究明するため、27日、墓から遺体が掘り起こされました。 アラファト氏は2004年10月、ヨルダン川の西岸、ラマラの議長府で軟禁中に体調を崩し、翌月、搬送先のフランスの病院で死去しました。 死因については肝臓障害やエイズなどの可能性が伝えられていましたが、今年になって中東のアルジャジーラテレビが「夫人から提供された遺品を専門機関が鑑定したところ、毒性の強い放射性物質ポロニウム210が検出された」と報じました。 このため、アラファト氏の夫人が「イスラエルによる毒殺の疑いがある」として、フランスの検察当局に死因の再調査を依頼しました。 AP通信によりますと、アラファト氏の遺体は27日、ラマラの墓から掘り起こされ、近くのモスクに運ばれました。 今後、遺骨や衣服などから採取されたサンプルが、フランス、スイス、ロシアに運ばれ、それぞれの国の法医学の専門家が死因を鑑定することになっています。(27日16:15) |
パレスチナ、故アラファト氏元議長が使用物を調査
故アラファト元議長の死因を調べているパレスチナの調査委員会は26日、ラマラにある故アラファト氏の旧居で、生前に使ったものなど、サンプルを収集しました。毒殺疑惑に関する一連の調査に利用するということです。
消息筋によると、フランス、スイスとロシアの専門家らは、故アラファト氏のオフィスで、日常的に使っていた物やベッドまわりの品々をサンプルとして集めました。専門家らはこれに先立ち、棺まわりの検査を行い、死因を解明するため、具体的な細部について調査しています。
故アラファト氏死因調査委員会のティラウィ委員長はこのほど、「今月27日にアラファト氏の棺を開け、その死因を調べる」と述べました。(ooeiei、山下)国際・交流へ
消息筋によると、フランス、スイスとロシアの専門家らは、故アラファト氏のオフィスで、日常的に使っていた物やベッドまわりの品々をサンプルとして集めました。専門家らはこれに先立ち、棺まわりの検査を行い、死因を解明するため、具体的な細部について調査しています。
故アラファト氏死因調査委員会のティラウィ委員長はこのほど、「今月27日にアラファト氏の棺を開け、その死因を調べる」と述べました。(ooeiei、山下)国際・交流へ
'12/11/27
「原発ゼロ必ず実現」 民主が政権公約発表
野田佳彦首相(民主党代表)は27日夕、党本部で記者会見し、衆院選マニフェスト(政権公約)を発表した。2030年代の原発稼働ゼロについて 「あらゆる政策資源を投入。必ず実現する」と明記した。環太平洋連携協定(TPP)については、日中韓自由貿易協定(FTA)などと「同時並行的に進め、 政府が判断する」と記述。政府が結論を出していないことを強調し、党内の反対論に配慮した。
14年4月と15年10月の消費税増税時に、低所得者対策を講じると打ち出した。
表題は「動かすのは決断。今と未来への責任」。重点項目として(1)社会保障改革(2)経済成長(3)エネルギー革命(4)現実的な外交・防衛政 策(5)政治改革―を挙げた。09年衆院選マニフェストの未達成をめぐり「野党時代の見通しの甘さを率直に認め、おしかりを受け止める」と陳謝。具体的な 数値目標や達成時期の表現は激減した。
社会保障改革に関し、09年の目玉政策だった最低保障年金制度は維持したものの「月額7万円」の支給額は削られた。
経済政策では「来年冒頭に大規模な補正予算を編成する」と打ち出し、経済対策重視の姿勢を鮮明にした。環境やエネルギー、医療、介護などの成長分野での産業育成を進め、20年までに400万人以上の新規雇用を創出する。
原発政策について(1)40年運転制限制を厳格に適用(2)原子力規制委員会の安全確認を得た原発のみ再稼働(3)原発の新設、増設をしない―との3原則を順守する。発送電分離の検討も盛り込んだ。
外交分野では、海上保安庁などの監視態勢を強化し「尖閣諸島をはじめとする領土・領海の守りを固める」と表記。日米同盟を深化させるとした。
政治改革に関し「世襲禁止」の徹底を主張。衆院議員定数の75削減に加え、参院議員定数を40程度減らす。企業・団体献金の禁止を維持した。'12/11/27
滋賀知事が新党結成表明 「卒原発」結集目指す
滋賀県の嘉田由紀子知事(62)は27日、大津市内で記者会見し、衆院選に向けた新党設立を目指す考えを表明した。名称は「日本未来の党」とし、自身が代表を務める。全原発の廃炉を目指す「卒原発」などの基本政策への賛同者を募り、候補者を擁立する。国民の生活が第一の小沢一郎代表は同日、嘉田氏の新党から合流要請があれば応じる意向を固めた。
嘉田氏は、小沢氏との連携に「基本政策に合意するのであれば方向性としてあり得る」と意欲を示した。新党設立に向け、理念である「びわこ宣言」と 基本政策「未来をつくる政治の結集軸」を発表。卒原発のほか、消費税増税前の徹底的な無駄排除、地域中心の行政を実現する「脱官僚」などが柱。
坂本龍一、稲盛和夫、菅原文太、鳥越俊太郎、茂木健一郎の各氏が賛同しているという。日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長の脱原発路線を支えた「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也氏が代表代行に就く。
生活は嘉田氏側から要請があれば、今夕にも党常任幹事会を開いて正式決定する。日本維新に対抗する「第三極」勢力として、衆院選で躍進を目指す。
「日本未来の党」 坂本龍一、菅原文太らが賛同
滋賀県の嘉田由紀子知事(62)は27日、大津市内で記者会見し、衆院選に向けた新党設立を目指す考えを表明した。
名称は「日本未来の党」とし、自身が代表を務める。全原発の廃炉を目指す「卒原発」などの基本政策への賛同者を募り、候補者を擁立する。
ミュージシャンの坂本龍一や俳優の菅原文太のほか稲盛和夫、鳥越俊太郎、茂木健一郎の各氏が賛同しているという。日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長の脱原発路線を支えた「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也氏が代表代行に就く。
名称は「日本未来の党」とし、自身が代表を務める。全原発の廃炉を目指す「卒原発」などの基本政策への賛同者を募り、候補者を擁立する。
ミュージシャンの坂本龍一や俳優の菅原文太のほか稲盛和夫、鳥越俊太郎、茂木健一郎の各氏が賛同しているという。日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長の脱原発路線を支えた「環境エネルギー政策研究所」所長の飯田哲也氏が代表代行に就く。
[ 2012年11月27日 17:05
嘉田由紀子滋賀知事が新党結成表明 「日本未来の党」 小沢氏が合流へ
滋賀県の嘉田由紀子知事(62)は27日、大津市内で記者会見し、衆院選に向けた新党設立を目指す考えを表明した。
名称は「日本未来の党」とし、自身が代表を務める。全原発の廃炉を目指す「卒原発」などの基本政策への賛同者を募り、候補者を擁立する。国民の生活が第一の小沢一郎代表は同日、嘉田氏の新党から合流要請があれば応じる意向を固めた。
嘉田氏は小沢氏との連携に「基本政策に合意するのであれば方向性としてあり得る」と意欲を示した。新党設立に向け、理念である「びわこ宣言」と基本政策 「未来をつくる政治の結集軸」を発表。卒原発のほか、消費税増税前の徹底的な無駄排除、地域中心の行政を実現する「脱官僚」などが柱。
生活は嘉田氏側から要請があれば、今夕にも党常任幹事会を開いて正式決定する。日本維新に対抗する「第三極」勢力として、衆院選で躍進を目指す。
「嘉田新党」をめぐっては「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(脱原発)の亀井静香幹事長が合流に意欲を表明。「みどりの風」も合流を検討している。嘉田氏は、民間人も参加した全国的な反原発の動きに発展させたい考えだ。
名称は「日本未来の党」とし、自身が代表を務める。全原発の廃炉を目指す「卒原発」などの基本政策への賛同者を募り、候補者を擁立する。国民の生活が第一の小沢一郎代表は同日、嘉田氏の新党から合流要請があれば応じる意向を固めた。
嘉田氏は小沢氏との連携に「基本政策に合意するのであれば方向性としてあり得る」と意欲を示した。新党設立に向け、理念である「びわこ宣言」と基本政策 「未来をつくる政治の結集軸」を発表。卒原発のほか、消費税増税前の徹底的な無駄排除、地域中心の行政を実現する「脱官僚」などが柱。
生活は嘉田氏側から要請があれば、今夕にも党常任幹事会を開いて正式決定する。日本維新に対抗する「第三極」勢力として、衆院選で躍進を目指す。
「嘉田新党」をめぐっては「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(脱原発)の亀井静香幹事長が合流に意欲を表明。「みどりの風」も合流を検討している。嘉田氏は、民間人も参加した全国的な反原発の動きに発展させたい考えだ。
[ 2012年11月27日 17:03
- 2012年11月27日17時3分
「海岸のそばに原発、間違いだ」 維新・石原代表
■石原慎太郎・日本維新の会代表
(震災の被災地で)改めて感じたことは、人災ですよ、人災。日本のような世界最大の火山帯にあるこの地政学的条件。これを勘案すれば、原発の立地を、私たちはもっと慎重に考えなくちゃいけなかった。
原発を冷やすために、海水を取る。それは結構でしょう。しかし、取りやすいために、海岸のすぐそばに原発をつくってきたということは、これ、基本的に私は間違いだと思う。
ということは、実はある考古学者、地質学者が、一千年前の貞観年間の東北を襲った大津波の記録を見ながら、これ、清少納言のお父さんが作った和歌にも出 ている。それにヒントを得て、仙台の奥まで行って、実は仙台が、今度被った以上の大きな津波が、奥の奥まで来たっていう地政学の調査をして、これを報告し ているのに、政府はそれを聞かなかった。(JR福島駅前での街頭演説で)
「脱原発」を旗印に「非維新」の第三極が結集する動き があるらしい。「反原発」とか「卒原発」 とか言い方はいろいろあるようだが、つまりは「原発なんて作らなきゃよかったんだ!再稼働もイヤ!とにかく今すぐ原発をなかったことにして!」という「民意」に迎合したグループである。
しかし、本当に脱原発は民意なのだろうか。確かに原発事故直後は集団ヒステリーが起きて、日本中が脱原発になっていた。私は当初から「脱・脱原発」 を主張していたが、それに対する反応はかなりヒステリックなものだった。
もっとも、こうした脱原発は所詮、感情に流され、「空気」に迎合したものでしかないとわかっていたので、「あいまいな日本の原発再稼働」 などにも書いたように、近い内に脱原発はしぼむと私は考えていた。案の定、原発事故直後に「世論は脱原発で一致している!」と偉そうに言っていた人たち が、事故から1年も経たない内に「反原発」をバカにするようになり、しまいには「脱原発」という看板まで捨てて、エネルギー安全保障と原発の技術革新につ いて語り始めた。
これまた「学生は世渡り上手のスキルを学べ」 で予想した通りのことが起きてしまったのである。さすがに脱原発万歳から脱原発嘲笑へと「転向」するのには10年はかかると予想していたのだが、実際には 1年で彼らは「転向」した。世渡り上手な「クズ」(失礼)というのは、本当に変わり身が早い。彼らは中身がカラッポだが、常に時代の多数派(ないしは彼ら が「先端」と思う流れ)に立つというスキルだけは高いので呆れながらも感心する。
世論調査だけを見ると、まだまだ脱原発や再稼働反対が多 いように見える。しかし実際には、「原発がなくなれば理想だけど、現実には難しいよなあ」という程度の世論に落ち着きつつある(原発事故前に民主党とそれ を支持する圧倒的多数の国民が進めていた積極的原発活用に反対していた「消極的原発活用派」の私としては歓迎したい流れ)。その証拠に、大飯原発がいざ再 稼働すれば、世論はあっさりとそれを受け入れてしまった(年季の入った「反原発」な人たちは除く)。
結局、国民は再稼働に伴う責任を取りたくないから脱原発というポーズを保持しているだけなのである。それなのに、国民と一緒になって再稼働反対を唱える政治家が少なくないことに驚く。
政治家が国民からのオーダーを額面通りに受け取り、それをそのまま実行するだけなら、はっきり言って政治家など不要だ。電子署名付きのネット投票か何かで、直接民主制ですべての政策を決定すればいい。
しかし、そうした直接民主制では、国民のずる賢いタテマエがそのまま通ってしまうので、無責任な政策がどんどん実行される。結果的に衆愚政治(ひとりひとりの国民は賢明だが、ずる賢いタテマエが集まると愚かな意思決定になる)となり、国家機能は麻痺するだろう。
そ こで、見識を持った政治家が間に入り、国民の真意を汲みながら、時にはオーダーと対立するようなソリューションを提供していくのが正しい議会政治の役割で ある。昔の政治家なら、そういったことが当たり前にできた。一方、最近の政治家はマニュアル接客しかできず、まるで気が利かないから困る。
東 京都心から電車で北東に45分ほどに位置し、典型的なベッドタウンである千葉県の柏市。もう忘れた読者もいるかもしれないが、福島第一原発事故後の3月 21日に、放射性物質を含んだ雨が降ったために形成された放射能のホットスポットとして、昨春以来繰り返し報道されてきた街である。若いファミリー層を中 心として、柏市を離れる「避難家族」も少なくなく、高度成長期以来ほぼ一貫して増加を続けてきた柏市の人口は、2011年には減少に転じてしまっている。
一方で柏市は、カブの生産が全国1位であるなど、園芸を中心とした近郊農業の盛んな地域でもある。そして、柏産の農産物は千葉県内でも消費者への直接販売の取引の割合が多い、いわゆる「地産地消」がかなり根付きはじめていた街でもあった(注1)。
わたしは、2005年からストブレに参加しているが、微力ながら柏の地産地消に貢献してきたと自負しているストブレのメンバーたちは、当時ネット上で「風評被害」をめぐってなされていた、消費者と生産者の間の非難の応酬に心を痛めていた。
こ んなくだらない罵り合いを、せめて、自分たちの愛する柏でだけは起こさせたくない。まずは、消費者と生産者、飲食店と流通業者、利害も意見も異なる人たち でひとつのテーブルを囲んで、いま心配していることを話し合って歩み寄る。そして、科学的な裏付けを持ちながら放射能問題に向き合い、「顔の見える」信頼 関係の回復に向かっていく。そんな協働的な問題解決が、生産者と消費者の距離が近く、住民の街への愛着が強いこの柏でならば、きっとできるはずだ。
そんな思いで立ち上げた円卓会議には、農家4名、消費者3名、流通業者2名、飲食店2名、そして、全国的にもいち早く安価に市民が放射能測定できる施設を柏市内で立ち上げたベクミル(注2)が、参加することになった。
紆余曲 折の末たどり着いたのが、まず農地土壌の測定により圃場中でもっとも放射能濃度の高いと考えられるポイントを特定し、そこで生育した農産物の放射能測定を することで個別農場・品目ごとに安全性を確認することを基本線に、土壌放射能濃度以外のリスク要因もあわせてチェックする測定メソッド(注3)。その測定 方式を軸とするきめ細かな安全確認と情報発信のプロジェクト(http://www.kyasai.jp/)に、わたしたちは、幅広い柏市民に「信頼できるジモトのMy農家をつくることを提案」したいという思いを込めて、「My農家を作ろう」と名付けた(注4)。
その上、柏市にお いては、福島第一原発の警戒区域でもそうそうないような57.5μSv/hという空間線量が、2011年10月下旬に住宅地にある空き地で計測され、破損 した側溝から流れ込んだ雨水中の放射性物質が一か所に濃縮した結果だと説明されたことも、「柏の農地にも超濃縮ホットスポットはあるのではないか」という 消費者の連想へとつながってしまっていたのだ。
こうした状況に対処するためのわたしたちの測定方式が、独特な手法に見えるとすればそれは、従来の放射線防護学が依拠している標準的な思想とは、かけ離れた目的意識に基づいているからだ。
圃 場の特徴によって、「外れ値」的に汚染された農産物が生じうることは、放射線防護学の専門家も十分に認識している。しかし、消費者が市場から「外れ値」の 野菜だけを購入し続けることはありえない。放射線防護学の標準的な考え方では、この市場希釈という過程を前提にするために、地域の代表的な圃場で生産され た農産物を、集荷後に抽出して精密に測定すれば十分な安全性の確認ということになる。
この考え 方の科学的な合理性は、十分に理解できる。しかし、こうした発想からの測定体制では、福島や柏のような地域の「風評被害」を払拭するには十分ではないと、 わたしたちには思われた。スーパーマーケットなどの購入現場では、消費者に食品の産地を選ぶ幅広い選択肢が与えられている。その状況下では、食品経由の内 部被曝を気にする消費者が、「外れ」があるかもしれないと思われている産地のものを、あえて選ぶ必然性はどこにもないからだ。
工 業製品にたとえれば、1000台に1台不具合があるかもしれない(というイメージを持たれている)会社のエアコンを購入する消費者はいない。ホットスポッ トと呼ばれている柏で、安全確認以上の安心感を醸成して地元野菜を「選んでもらう」には、工業製品では当然のそうした感覚をベースにして品質管理に取り組 むことが、どうしても必要なのではないか。しかし、マーケティングの論理から出てくるこうしたニーズに対しての答えは、残念ながら既存の科学にはなかった のだ。
まず、個別農家の「顔」が見えることをゴールに置く以上、農場ごとの測定と情報公開 というラインが、外すことのできない大原則となった。その上で、消費者目線で納得感のあるサンプリング方法として、「農地の土壌から押さえる」ことを選択 した。土壌には作物の通常数百〜数千倍の放射能濃度がある。そのため、土壌測定に関してはあまり精度の高い検出限界値をとる必要がなく、比較的短時間の測 定で、圃場中のどこに相対的に多くの放射性物質が蓄積されているかというスクリーニングが可能になる。これが、この測定方式のコスト面での利点であるが、 このメソッドを採用した狙いや、結果的に生じた利点はそれに留まらない。
第一に、「土壌から押 さえる」方式を採用することで、集荷済みの野菜からのサンプリングではなく、消費者や飲食店シェフなどの測定ボランティアが農地に訪れての放射能測定と、 土壌放射能濃度以外のリスク要因もあわせてチェックすることが必須となる。それは、さまざまな産地と生産者を組み合わせて市場から調達する大手業者には、 真似することが難しい安心感を提供し得る。そして同時に、消費者や飲食店にとっては地域の農業の魅力を知る機会であり、農家にとっては顧客のニーズと感覚 を知ることで、結果として放射能測定自体が、農と食にまつわる地域の資源と価値を相互に発見していく格好の機会ともなった。
一 例をあげれば、4月上旬の測定会でとても興味深いことがあった。このとき、測定対象だったホウレン草はシーズンが終わりかけていた。大きくなりすぎたホウ レン草をタダで持っていっていいよーと言った農家さんに、驚きの声を上げたのは、測定に参加していたフレンチレストランのシェフだ。
シェ フによれば、フランスのホウレンソウは日本のものよりだいぶ大きい。市場に出回らず、ずっと探していたポタージュに向く大きく肉厚なホウレン草を、柏の足 元で見つけたシェフは、笑顔が隠せない様子だった。新しい価値はいつでも、異なる立場と目線の人たちが出会うことで発見され、創出される。放射能測定とい うネガティブなきっかけでさえ、地域を循環する新しい価値創出の機会になりうるわけである。
第 二に、農家にとってこの方式が、自らの農地のコンディションを知り、放射能関連の安全性に関して強い責任感と自信を持った生産をする、強い動機づけになっ たことも大きい。簡易型のNaIシンチレーション検出器を持ち込む「My農家」方式では、圃場の大きさと分散具合によっては、一軒の農家で30検体以上の 土壌を測定することになる。
これはどんなに効率を上げても4時間以上はかかる仕事量だが、数時 間の測定を経て漸次農地のコンディションが明らかになっていくうちに、俄然農家の眼が変わっていき、終わるときには「ここまで徹底的に測定してよかった」 と例外なく口を揃える。かしわで(地域最大級の農産物直売所で、円卓会議のメンバー)や市農政課主催のセミナーに繰り返し出席することで、放射能被害は決 して回復不可能なカタストロフィではなく、科学的な理屈付けで立ち向かうことのできる公害に過ぎない、と2012年の段階にはすでに理解していた柏の意識 の高い農家にとって、きめ細かな圃場の汚染状況を知ることは、「セシウムレス」な営農実践への第一歩であるからだ。
土 地の傾斜や、放射性物質が吹きだまりやすい人口構造物(ビニールハウスやブロック塀、舗装道路など)の位置によって、わずか50m四方程度の圃場でも3〜 4倍もの土壌放射能濃度のバラつきがあることも珍しくないのだが、大抵の場合、農家自身がそのバラつきの理由に思い当ることがあるのには、いつも驚かされ た。
震災時のビニールハウスの破損状況や耕うん状況・施肥状況などの営農履歴に加え、素人目に はわからないわずかな高低による雨水の流れこみ方や、微地形による風の吹き方など、経験に基づいて把握している圃場のクセと、各ポイントの土壌と生産物の 測定データを突き合わせて状況を理解するさまは、農地という複雑系を相手に、微細なノウハウを蓄積して最適化された営農をする「科学者」そのもの。農業者 のそのプロフェッショナルな姿は、測定に参加する消費者に対して何よりの安心感を与えるものでもあった。
そ して、「My農家」方式を採用した最大のメリットは、きわめて狭い範囲で汚染範囲を特定することができるということだ。円卓会議の測定では、この「圃場の 中でもっとも汚染度の高いスポットを特定して、そこで育った作物を放射能測定する」というプロセスで、後述する自主基準値の20bq/kgを上回る放射能 が、実際に農産物から検出されることを数回経験した。
圃 場中のリスクの高い濃縮ホットスポットを発見して、そこを「狙い撃ち」していくこのやり方は、確かに第一義的には、消費者に納得感のあるサンプリング方式 として採用されたものだ。ただしこれは、しばしば懸念されるように、消費者や飲食店・小売業者のみにメリットがあり、農家側には一方的に酷なやり方という わけではない。土壌と農産物の放射能濃度を突き合わせて把握していくことで、農産物から一定水準以上の放射能が検出された場合でも、その汚染範囲を細かく 特定していくことが可能だからだ。
実際に、これまで円卓会議が直面した事例では、一定程度以上 汚染されていた葉菜が、震災当時破損していたビニールハウスの角から半径3m程度の範囲や、土質が違うと思われる露地栽培の一畝だけにとどまっていたり、 ある特定の株のローズマリーの葉だけが自主基準値を越えていたりというように、非常に限定された汚染範囲を特定することができている。
相 対的に高い土壌放射能濃度と、土壌中の交換性カリウムの過少や地形的特徴、農地の隅で起こりがちな耕うんの不足などが複雑に組み合わさった結果と考えられ る、自主基準値越えの農産物が発生した要因を、科学的に特定することは非常に困難ではあるが、汚染範囲を特定できるだけでも非常に大きなメリットとなる。 農家にとっては、出荷自粛・廃棄処分とする農産物の量を、最小限で済ませることができるからだ。
「汚 染食品がサンプリングをすり抜けている」ことが消費者側から懸念される行政の検査で、基準値以上に汚染された箇所の農産物を「たまたま引き当ててしまっ た」場合には、その農家の生産物全体の出荷はおろか、地域全体の当該品目の一定期間の出荷差し止めが起こり、その後には長期間にわたる大きな「風評被害」 が続いてしまう。それと比較すると、きめ細かく汚染範囲を特定していく「My農家」方式は、生産者側にも十分メリットのあるやり方であると言える。
も ちろん、行政機関の測定によって基準値越えの検出があった場合には、食品安全法に基づく手続きを踏まなければならないため、地域全体の出荷の差し止めをせ ざるを得ないわけだが、こうしたごく限定された範囲の汚染の特定と出荷自粛という、消費者・生産者双方にとって合理的なメリットのある措置をとれる「My 農家」方式は、民間ならではの身軽さを生かしたものだと評価することができるだろう(注5)。
(震災の被災地で)改めて感じたことは、人災ですよ、人災。日本のような世界最大の火山帯にあるこの地政学的条件。これを勘案すれば、原発の立地を、私たちはもっと慎重に考えなくちゃいけなかった。
原発を冷やすために、海水を取る。それは結構でしょう。しかし、取りやすいために、海岸のすぐそばに原発をつくってきたということは、これ、基本的に私は間違いだと思う。
ということは、実はある考古学者、地質学者が、一千年前の貞観年間の東北を襲った大津波の記録を見ながら、これ、清少納言のお父さんが作った和歌にも出 ている。それにヒントを得て、仙台の奥まで行って、実は仙台が、今度被った以上の大きな津波が、奥の奥まで来たっていう地政学の調査をして、これを報告し ているのに、政府はそれを聞かなかった。(JR福島駅前での街頭演説で)
「脱原発」とは何だったのか
2012年11月27日 10:05最近の政治家は気が利かない。国民からの「脱原発」オーダーを額面通り受け取っているようだが、オーダーの真意を汲むのが政治家の仕事である。オーダーをなぞるだけなら政治家など要らない。
「脱原発」を旗印に「非維新」の第三極が結集する動き があるらしい。「反原発」とか「卒原発」 とか言い方はいろいろあるようだが、つまりは「原発なんて作らなきゃよかったんだ!再稼働もイヤ!とにかく今すぐ原発をなかったことにして!」という「民意」に迎合したグループである。
しかし、本当に脱原発は民意なのだろうか。確かに原発事故直後は集団ヒステリーが起きて、日本中が脱原発になっていた。私は当初から「脱・脱原発」 を主張していたが、それに対する反応はかなりヒステリックなものだった。
もっとも、こうした脱原発は所詮、感情に流され、「空気」に迎合したものでしかないとわかっていたので、「あいまいな日本の原発再稼働」 などにも書いたように、近い内に脱原発はしぼむと私は考えていた。案の定、原発事故直後に「世論は脱原発で一致している!」と偉そうに言っていた人たち が、事故から1年も経たない内に「反原発」をバカにするようになり、しまいには「脱原発」という看板まで捨てて、エネルギー安全保障と原発の技術革新につ いて語り始めた。
これまた「学生は世渡り上手のスキルを学べ」 で予想した通りのことが起きてしまったのである。さすがに脱原発万歳から脱原発嘲笑へと「転向」するのには10年はかかると予想していたのだが、実際には 1年で彼らは「転向」した。世渡り上手な「クズ」(失礼)というのは、本当に変わり身が早い。彼らは中身がカラッポだが、常に時代の多数派(ないしは彼ら が「先端」と思う流れ)に立つというスキルだけは高いので呆れながらも感心する。
世論調査だけを見ると、まだまだ脱原発や再稼働反対が多 いように見える。しかし実際には、「原発がなくなれば理想だけど、現実には難しいよなあ」という程度の世論に落ち着きつつある(原発事故前に民主党とそれ を支持する圧倒的多数の国民が進めていた積極的原発活用に反対していた「消極的原発活用派」の私としては歓迎したい流れ)。その証拠に、大飯原発がいざ再 稼働すれば、世論はあっさりとそれを受け入れてしまった(年季の入った「反原発」な人たちは除く)。
結局、国民は再稼働に伴う責任を取りたくないから脱原発というポーズを保持しているだけなのである。それなのに、国民と一緒になって再稼働反対を唱える政治家が少なくないことに驚く。
政治家が国民からのオーダーを額面通りに受け取り、それをそのまま実行するだけなら、はっきり言って政治家など不要だ。電子署名付きのネット投票か何かで、直接民主制ですべての政策を決定すればいい。
しかし、そうした直接民主制では、国民のずる賢いタテマエがそのまま通ってしまうので、無責任な政策がどんどん実行される。結果的に衆愚政治(ひとりひとりの国民は賢明だが、ずる賢いタテマエが集まると愚かな意思決定になる)となり、国家機能は麻痺するだろう。
そ こで、見識を持った政治家が間に入り、国民の真意を汲みながら、時にはオーダーと対立するようなソリューションを提供していくのが正しい議会政治の役割で ある。昔の政治家なら、そういったことが当たり前にできた。一方、最近の政治家はマニュアル接客しかできず、まるで気が利かないから困る。
「My農家を作ろう」方式の放射能測定がもたらしたもの - 五十嵐泰正 1/3
「安全・安心の柏産柏消」円卓会議の発足から「独自」の測定メソッドへ
これから2回にわたって、千葉県柏市において展開されてきた、「安全・安心の柏産柏消」円卓会議による協働的な放射能測定の取り組みの一端を紹介しつつ、その活動の中で事務局長を務めたわたしが考えてきた、いくつかの社会的な論点を検討していきたい。東 京都心から電車で北東に45分ほどに位置し、典型的なベッドタウンである千葉県の柏市。もう忘れた読者もいるかもしれないが、福島第一原発事故後の3月 21日に、放射性物質を含んだ雨が降ったために形成された放射能のホットスポットとして、昨春以来繰り返し報道されてきた街である。若いファミリー層を中 心として、柏市を離れる「避難家族」も少なくなく、高度成長期以来ほぼ一貫して増加を続けてきた柏市の人口は、2011年には減少に転じてしまっている。
一方で柏市は、カブの生産が全国1位であるなど、園芸を中心とした近郊農業の盛んな地域でもある。そして、柏産の農産物は千葉県内でも消費者への直接販売の取引の割合が多い、いわゆる「地産地消」がかなり根付きはじめていた街でもあった(注1)。
(注 1)「柏市都市農業活性化計画」によれば、もっとも売り上げが多い出荷先として、消費者への直接販売をあげた農業者は、千葉県の10%に対して、柏市では 23%と2倍以上にのぼり、調査時点の05年時点ですでに地産地消の取組みが進んでいることがわかるが、この流れはその後さらに拡大傾向にあった。し かしその流れは、原発事故以降、確実に逆風に晒され、市内の大手直売所は、最大で前年比40%、年間を通して前年比30%もの売り上げ減に直面することに なった。そうした中で、2009年から地域の意欲的な若手農業者に声をかけて月1回のジモトワカゾー野菜市を開催し、農家とレストランのマッチングを目的 とした農場訪問会などを企画してきた、まちづくり団体のストリートブレイカーズ(以下、ストブレ)の声がけで2011年7月に発足したのが、「安全・安心 の柏産柏消」円卓会議である。
わたしは、2005年からストブレに参加しているが、微力ながら柏の地産地消に貢献してきたと自負しているストブレのメンバーたちは、当時ネット上で「風評被害」をめぐってなされていた、消費者と生産者の間の非難の応酬に心を痛めていた。
こ んなくだらない罵り合いを、せめて、自分たちの愛する柏でだけは起こさせたくない。まずは、消費者と生産者、飲食店と流通業者、利害も意見も異なる人たち でひとつのテーブルを囲んで、いま心配していることを話し合って歩み寄る。そして、科学的な裏付けを持ちながら放射能問題に向き合い、「顔の見える」信頼 関係の回復に向かっていく。そんな協働的な問題解決が、生産者と消費者の距離が近く、住民の街への愛着が強いこの柏でならば、きっとできるはずだ。
そんな思いで立ち上げた円卓会議には、農家4名、消費者3名、流通業者2名、飲食店2名、そして、全国的にもいち早く安価に市民が放射能測定できる施設を柏市内で立ち上げたベクミル(注2)が、参加することになった。
(注2) 放 射能測定器レンタルスペース・ベクミルの運営主体は、㈱ベクレルセンター。ベクレルセンター代表の高松素弘は、のちに「市民目線で放射能問題について分 析・行動する」ことを目的としたNPO法人ベクまるを立ち上げ、現在ではベクまるとして円卓会議に参加する形になっている。と はいえ、「とりあえず顔を合わせた」円卓会議の最初の何回かは、重苦しい空気に包まれ、参加者相互の立場の違いを確認し、信頼関係を築くことだけに注力せ ざるを得なかった。その経緯の詳細は、近刊を参照して欲しいが、2011年秋の消費者アンケート調査で明らかになった「もともと地元農産物を積極的に購買 していた層こそが、事故後は買い控えをしている」「買い控え層には、専門家にバックアップされた市民による安全確認・情報発信が有効」という結果を受け て、消費者と生産者の協働による放射能測定メソッドの確立を模索してゆくことになった。
紆余曲 折の末たどり着いたのが、まず農地土壌の測定により圃場中でもっとも放射能濃度の高いと考えられるポイントを特定し、そこで生育した農産物の放射能測定を することで個別農場・品目ごとに安全性を確認することを基本線に、土壌放射能濃度以外のリスク要因もあわせてチェックする測定メソッド(注3)。その測定 方式を軸とするきめ細かな安全確認と情報発信のプロジェクト(http://www.kyasai.jp/)に、わたしたちは、幅広い柏市民に「信頼できるジモトのMy農家をつくることを提案」したいという思いを込めて、「My農家を作ろう」と名付けた(注4)。
(注3) 原則として、土壌から農産物への放射能セシウムの移行は、作物ごとにほぼ一定の移行係数に基づいて起こり、農産物の放射能濃度は土壌の放射能濃度の大小に比例するが、ある特殊な条件下においては、移行係数の跳ね上がるケースがあることが知られている。すなわち、
1)土壌中の交換性カリウムの量(カリウムとセシウムは原子の組成が似ており、植物の生育に不可欠なカリウムが、土壌中に吸収可能な形で十分に存在していないと、農作物は「間違って」セシウムを吸いやすくなってしまうと考えられている)、
2)流入した汚染度の高い水を直接作物が吸ってしまう状況(土からではなく、セシウムが溶け込んだ水からの直接吸収では、非常に多くのセシウムが吸い上げられてしまう)、
3)圃場の土質(土質(粘土質、砂質など)によって、土の粒とセシウムとがっちり吸着するかどうか、すなわち植物がセシウムを吸収しやすくなるかどうかがが変わってくる)、
4)土壌のpH(農地は基本的にアルカリ性に土を作るが、酸性の土壌ではセシウムが遊離しやすくなるため、ブルーベリーのように酸性土壌を好む作物の場合は特に注意が必要)、
と いったリスク要因の組み合わせである。「My農家」方式の測定では、地形的・人為的にこうしたリスク要因が発生しやすい圃場の4隅を含む5点の土壌放射能 測定で、もっとも放射能濃度が高かったポイントで生育した農産物の放射能測定を行うことを基本線としているが、土壌の触診や農家への営農履歴のヒアリング によって、上記のようなリスク要因が考えられる場合には、適宜当該ポイントの農産物を検体として追加して、安全確認を行っている。
(注4) この測定メソッドは、2012年3月末のSYNODOS JOURNALでも具体的に紹介されているhttp://synodos.livedoor.biz/archives/1913579.html。この記事は、「My農家」方式による最初期の測定の取材に基づいているが、その後マイナーチェンジされた最新版の測定方式の詳細は、http://www.kyasai.jp/home/ruleを参照していただきたい。こ の方式は、第一義的には、「汚染農産物がサンプリング調査をすり抜けている」という、消費者の不安を解消することを目的として採用したものである。前述の アンケート調査を行った2011年秋当時、福島県知事が「安全宣言」を出した後に、当時の暫定基準値500bq/kgを越えるコメが相次いで発見され、消 費者の農産物への不安と、既存の検査体制に対する不信が高まっていたからだ。
その上、柏市にお いては、福島第一原発の警戒区域でもそうそうないような57.5μSv/hという空間線量が、2011年10月下旬に住宅地にある空き地で計測され、破損 した側溝から流れ込んだ雨水中の放射性物質が一か所に濃縮した結果だと説明されたことも、「柏の農地にも超濃縮ホットスポットはあるのではないか」という 消費者の連想へとつながってしまっていたのだ。
こうした状況に対処するためのわたしたちの測定方式が、独特な手法に見えるとすればそれは、従来の放射線防護学が依拠している標準的な思想とは、かけ離れた目的意識に基づいているからだ。
圃 場の特徴によって、「外れ値」的に汚染された農産物が生じうることは、放射線防護学の専門家も十分に認識している。しかし、消費者が市場から「外れ値」の 野菜だけを購入し続けることはありえない。放射線防護学の標準的な考え方では、この市場希釈という過程を前提にするために、地域の代表的な圃場で生産され た農産物を、集荷後に抽出して精密に測定すれば十分な安全性の確認ということになる。
この考え 方の科学的な合理性は、十分に理解できる。しかし、こうした発想からの測定体制では、福島や柏のような地域の「風評被害」を払拭するには十分ではないと、 わたしたちには思われた。スーパーマーケットなどの購入現場では、消費者に食品の産地を選ぶ幅広い選択肢が与えられている。その状況下では、食品経由の内 部被曝を気にする消費者が、「外れ」があるかもしれないと思われている産地のものを、あえて選ぶ必然性はどこにもないからだ。
工 業製品にたとえれば、1000台に1台不具合があるかもしれない(というイメージを持たれている)会社のエアコンを購入する消費者はいない。ホットスポッ トと呼ばれている柏で、安全確認以上の安心感を醸成して地元野菜を「選んでもらう」には、工業製品では当然のそうした感覚をベースにして品質管理に取り組 むことが、どうしても必要なのではないか。しかし、マーケティングの論理から出てくるこうしたニーズに対しての答えは、残念ながら既存の科学にはなかった のだ。
きめ細かな測定メソッドの意義
放射線防護学の標準的な思想から考えれば、一見無駄だと思えるような「My農家」方式を、農家も含めた 円卓会議のメンバーが採用することに合意したのは、この名称にも込められている通り、多様な主体による協働的な放射能問題の克服の先に、「顔の見える関 係」の構築という長期的なゴールを見据えていたからだ。その背景と、この方式を導入した結果として、わたしたちが得ることになったものを、少し詳しく見て いきたい。まず、個別農家の「顔」が見えることをゴールに置く以上、農場ごとの測定と情報公開 というラインが、外すことのできない大原則となった。その上で、消費者目線で納得感のあるサンプリング方法として、「農地の土壌から押さえる」ことを選択 した。土壌には作物の通常数百〜数千倍の放射能濃度がある。そのため、土壌測定に関してはあまり精度の高い検出限界値をとる必要がなく、比較的短時間の測 定で、圃場中のどこに相対的に多くの放射性物質が蓄積されているかというスクリーニングが可能になる。これが、この測定方式のコスト面での利点であるが、 このメソッドを採用した狙いや、結果的に生じた利点はそれに留まらない。
第一に、「土壌から押 さえる」方式を採用することで、集荷済みの野菜からのサンプリングではなく、消費者や飲食店シェフなどの測定ボランティアが農地に訪れての放射能測定と、 土壌放射能濃度以外のリスク要因もあわせてチェックすることが必須となる。それは、さまざまな産地と生産者を組み合わせて市場から調達する大手業者には、 真似することが難しい安心感を提供し得る。そして同時に、消費者や飲食店にとっては地域の農業の魅力を知る機会であり、農家にとっては顧客のニーズと感覚 を知ることで、結果として放射能測定自体が、農と食にまつわる地域の資源と価値を相互に発見していく格好の機会ともなった。
一 例をあげれば、4月上旬の測定会でとても興味深いことがあった。このとき、測定対象だったホウレン草はシーズンが終わりかけていた。大きくなりすぎたホウ レン草をタダで持っていっていいよーと言った農家さんに、驚きの声を上げたのは、測定に参加していたフレンチレストランのシェフだ。
シェ フによれば、フランスのホウレンソウは日本のものよりだいぶ大きい。市場に出回らず、ずっと探していたポタージュに向く大きく肉厚なホウレン草を、柏の足 元で見つけたシェフは、笑顔が隠せない様子だった。新しい価値はいつでも、異なる立場と目線の人たちが出会うことで発見され、創出される。放射能測定とい うネガティブなきっかけでさえ、地域を循環する新しい価値創出の機会になりうるわけである。
第 二に、農家にとってこの方式が、自らの農地のコンディションを知り、放射能関連の安全性に関して強い責任感と自信を持った生産をする、強い動機づけになっ たことも大きい。簡易型のNaIシンチレーション検出器を持ち込む「My農家」方式では、圃場の大きさと分散具合によっては、一軒の農家で30検体以上の 土壌を測定することになる。
これはどんなに効率を上げても4時間以上はかかる仕事量だが、数時 間の測定を経て漸次農地のコンディションが明らかになっていくうちに、俄然農家の眼が変わっていき、終わるときには「ここまで徹底的に測定してよかった」 と例外なく口を揃える。かしわで(地域最大級の農産物直売所で、円卓会議のメンバー)や市農政課主催のセミナーに繰り返し出席することで、放射能被害は決 して回復不可能なカタストロフィではなく、科学的な理屈付けで立ち向かうことのできる公害に過ぎない、と2012年の段階にはすでに理解していた柏の意識 の高い農家にとって、きめ細かな圃場の汚染状況を知ることは、「セシウムレス」な営農実践への第一歩であるからだ。
土 地の傾斜や、放射性物質が吹きだまりやすい人口構造物(ビニールハウスやブロック塀、舗装道路など)の位置によって、わずか50m四方程度の圃場でも3〜 4倍もの土壌放射能濃度のバラつきがあることも珍しくないのだが、大抵の場合、農家自身がそのバラつきの理由に思い当ることがあるのには、いつも驚かされ た。
震災時のビニールハウスの破損状況や耕うん状況・施肥状況などの営農履歴に加え、素人目に はわからないわずかな高低による雨水の流れこみ方や、微地形による風の吹き方など、経験に基づいて把握している圃場のクセと、各ポイントの土壌と生産物の 測定データを突き合わせて状況を理解するさまは、農地という複雑系を相手に、微細なノウハウを蓄積して最適化された営農をする「科学者」そのもの。農業者 のそのプロフェッショナルな姿は、測定に参加する消費者に対して何よりの安心感を与えるものでもあった。
そ して、「My農家」方式を採用した最大のメリットは、きわめて狭い範囲で汚染範囲を特定することができるということだ。円卓会議の測定では、この「圃場の 中でもっとも汚染度の高いスポットを特定して、そこで育った作物を放射能測定する」というプロセスで、後述する自主基準値の20bq/kgを上回る放射能 が、実際に農産物から検出されることを数回経験した。
圃 場中のリスクの高い濃縮ホットスポットを発見して、そこを「狙い撃ち」していくこのやり方は、確かに第一義的には、消費者に納得感のあるサンプリング方式 として採用されたものだ。ただしこれは、しばしば懸念されるように、消費者や飲食店・小売業者のみにメリットがあり、農家側には一方的に酷なやり方という わけではない。土壌と農産物の放射能濃度を突き合わせて把握していくことで、農産物から一定水準以上の放射能が検出された場合でも、その汚染範囲を細かく 特定していくことが可能だからだ。
実際に、これまで円卓会議が直面した事例では、一定程度以上 汚染されていた葉菜が、震災当時破損していたビニールハウスの角から半径3m程度の範囲や、土質が違うと思われる露地栽培の一畝だけにとどまっていたり、 ある特定の株のローズマリーの葉だけが自主基準値を越えていたりというように、非常に限定された汚染範囲を特定することができている。
相 対的に高い土壌放射能濃度と、土壌中の交換性カリウムの過少や地形的特徴、農地の隅で起こりがちな耕うんの不足などが複雑に組み合わさった結果と考えられ る、自主基準値越えの農産物が発生した要因を、科学的に特定することは非常に困難ではあるが、汚染範囲を特定できるだけでも非常に大きなメリットとなる。 農家にとっては、出荷自粛・廃棄処分とする農産物の量を、最小限で済ませることができるからだ。
「汚 染食品がサンプリングをすり抜けている」ことが消費者側から懸念される行政の検査で、基準値以上に汚染された箇所の農産物を「たまたま引き当ててしまっ た」場合には、その農家の生産物全体の出荷はおろか、地域全体の当該品目の一定期間の出荷差し止めが起こり、その後には長期間にわたる大きな「風評被害」 が続いてしまう。それと比較すると、きめ細かく汚染範囲を特定していく「My農家」方式は、生産者側にも十分メリットのあるやり方であると言える。
も ちろん、行政機関の測定によって基準値越えの検出があった場合には、食品安全法に基づく手続きを踏まなければならないため、地域全体の出荷の差し止めをせ ざるを得ないわけだが、こうしたごく限定された範囲の汚染の特定と出荷自粛という、消費者・生産者双方にとって合理的なメリットのある措置をとれる「My 農家」方式は、民間ならではの身軽さを生かしたものだと評価することができるだろう(注5)。
(注5) な お、「My農家」方式の測定で、2012年4月以降の新基準値である100bq/kgを越える農産物が見つかった場合には、柏市農政課に報告して、以後は 行政的な措置に委ねることを内規として決定しているが、現在までのところ、自主基準値20bq/kg越えはあっても、100bq/kgを越える測定結果は 経験していない。
「社会」で決めるということ
測定メソッドとともに、円卓会議が避けて通ることができなかったのは、自主基準値の設定 である。3月中旬に行われた円卓会議の「My農家を作ろう」サイトのプレスリリースは、国の100bq/kgへの食品基準値の変更のちょうど直前だったと いうタイミングの一致もあり、4月に数多く受けたマスメディアの取材の関心は、やはり20bq/kgという自主基準値に集中した。きめ細かい農地からの測 定メソッドや、地域の多様な主体の協働という円卓会議のプロジェクトの本質への理解なしに、20ベクレルという数字だけが独り歩きすることを警戒するわた したちは、いくつかの取材の申し出を断らざるを得なかったほどだ。
が、円卓会議の自主基準値へ の見解は、行政との対決などといったインパクトの強いストーリーを作ろうとしがちな、多くのメディアの取材者たちにとっては肩すかしだったようだ。円卓会 議は、この20bq/kgという数字を決して適当に打ち出したわけではないが、何らか医学的な判断根拠を伴った「これなら安心」という意味も、ましてや、 政府の基準値を不安視することからの対抗意識も、ことさらに込めているわけではないからだ。
この20bq/kgという自主基準値は、数か月にわたる熟議を経て、立場の違う多様な主体が異なる利害をすり合わせて決定したものであり、そうしたプロセスの結果出てきた数字であるということのみに、何物にも代えがたい意味があるものだとわたしたち円卓会議のメンバーは考えている。
広 く知られてきたように、現時点での科学から見た低線量被曝の影響についての正解は、最終的には「よくわからない」。人類は、広範囲にわたる放射線被害につ いての経験を、幸いなことに、まだ十分に蓄積していないからだ。そして、科学者の標準的な見解は、人体に対しての実効線量がどの数値を越えると明確に影響 が顕れるという「しきい値」のない、線形モデルを採用している。
そこで提唱されるのが、よく知 られている国際放射線防護委員会・ICRPのALARA(As Low As Reasonably Achievable:合理的に達成可能な限り低く)原則だ。どこからが危険だと明確に言えない以上、どの基準値をとるか=許容できる範囲をどこと定める かは、防護をすることの医学的メリットと、防護をすることによる社会的・経済的ディメリットを天秤にかけて、「社会で決める」しかない。
この原則は、まっとうな科学者ならほぼ全員が合意している ―― すなわち、放射線防護基準は結局のところ、科学の領域ではなく社会の領域のマターだと科学者自身が認め、以前から社会の側にボールを投げかけていたわけだ。
円 卓会議では、このALARA原則を第一回の会議の添付資料として配布して確認し、この思想を愚直に実践していこうと当初より意識していた。社会で決めると いうのは、消費者としての市民のみが集まって、放射線防護のメリットのみを最大化した「ゼロベクレル」を目指していくことではない。利害の異なる多様な主 体で構成されているのが社会であることを前提に、一定の放射線防護を実践することでディメリットが発生する可能性のある人々(農家など)の声にも耳を傾 け、放射線防護を行うために発生するコストも勘案(円卓会議の場合は、おもに測定業者・ベクミルの見解)した上で、時間をかけて決定していくということ だ。
農家にとっては、圃場のコンディションを把握しながら厳しく品質管理をすることで、現在の 柏の状況において、決してこれ以上の放射能濃度は出さないという目標にすることができる数値であること。かなり放射能を気にする消費者にとっても、まあこ のぐらいなら妥協あるいは「我慢」できるかという数値であること。
実際に地元野菜を店頭に置く 小売業者にとっては、商品棚から自由に商品を選ぶことができる消費者に対して、他産地との比較の中で見劣りしない形で提供できる数値であること。そして、 測定業者(ベクミル)にとっても、数多くのサンプル数を測ることを前提として、技術的・コスト的に達成可能な検出下限値をクリアできること。利害の異なる すべての円卓会議参加者の立場を尊重し、みんながここでやってみようと折り合えることにこだわったわたしたちは、この20bq/kgという数値を決めるの に、3回の会議を必要とした。
柏というホットスポット化した地域において、正式な手続きは踏ん でいないまでも、多様な利害の人々を集めたある種のコンセンサス会議的な場を作り、そこでの熟議を経て、測定メソッドと自主基準値を曲がりなりにも「社会 的」に決定したというプロセスに、わたしたちは胸を張っていいと思っている。
もちろん、円卓会 議という「社会」で決めた基準値を、柏市民は誰しも受け入れるべきだなどと思っているわけではない。一定の条件下で社会的に合意された基準値を受け入れ て、購買行動の参照点にするかどうかは個人の自由な選択であり、押し付けるべきものではないというのは当然の大前提だ。
そ れでもわたしは、多様な市民がそれぞれの利害関心を調整することで、放射線防護を「社会化」するこうした試みが、全国的に広まることを願っている。いまだ もって、食品安全委員会における専門家の議論を経て国が出してくる基準に対して、高すぎる、いや低すぎるというネット上の言い合いばかりが目立ち、 ALARA原則の思想を地道に実践する各地のこうした試みがあまり伝わってこないのは、とても残念なことだ。
た だし、各地でこうした試みが行われたときに設定される基準値は、20bq/kgより高い場合も、低い場合もありうるだろう。この数字はあくまで、2012 年3月の時点の柏の汚染度における野菜の基準値として折り合って合意されたものであり、決して普遍的なものとも、絶対的なものとも考えていない。むしろ、 最低限のベースとしての国の基準のほかに、さまざまな地域において、その時点での除染などの対策の進展や対象品目ごとに異なるリスク、それにマーケティン グ上の必要性などを織り込んで、それぞれの実情に応じた基準値の合意形成を図っていくほうが、本来あるべき科学と社会の関係性に近いのではないだろうか。
☆ ☆ ☆
シンポジウム「みんなで決める安心のカタチ」
やはり「第三極」なんかではなかったことを自白しちゃった石原氏
◆日本経済新聞
維新、選挙後に民自と連携も 石原氏「第二極つくる」
2012/11/26 19:48
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS26028_W2A121C1PP8000/
日本維新の会の石原慎太郎代表は26日、日本経済新聞などのインタビューに応じ、衆院選後の政権の枠組みに関連し「肝心なことを決めることに過半数がいる なら協力する」と述べ、民主、自民両党などと連携する可能性に言及した。「自公両党に過半数を取らせたら結局同じことだ。強力な第二極をつくる」とも語っ た。
みんなの党との選挙区調整の難航に関しては「残念だ。どう折り合いをつけるかはリーダーの決断だ」と強調。維新の橋下徹代表代行が「じゃんけんによる候補者調整」を提案したことに関して「私が言った。それくらいのつもりじゃないと折り合いがつかない」と説明した。
国民の生活が第一や「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」などが脱原発や反消費増税を旗印に合流を検討していることについては「それはそれでいい」と述べつつ、政策が維新と一致しないとの認識を示した。
外交問題では、自民党公約の国防軍設置について「今の自衛隊は国防軍じゃないか。国防のためにある。もう少し実力をつけるような措置を取らないといけな い」と指摘。環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加については「自由貿易は結構だ。ただ、品目によっては問題がある」と言及した。
◆読売新聞
石原氏「首相出すつもり」…他党との連立協議で
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2012/news1/20121126-OYT1T01191.htm
日本維新の会代表の石原慎太郎前東京都知事は26日、都内で読売新聞などのインタビューに応じ、衆院選で自民、公明両党を過半数割れに追い込む考えを強調した。
石原氏は「自公に過半数を取らせたら結局、同じことだ。強力な第2極を作らなければいけない」と述べた。その上で「(維新の会から)首相を出すつもりでいる」と語り、他党との連立協議で主導権を握ることにも意欲を示した。
(後略)
(2012年11月26日21時08分 読売新聞)
選挙後は自民でも民主でも、第一党と連携するって自白しちゃいました。どこが「第三極」(^^;?
昨日ツイートで「今は既存政党と闘うフリしてるけど、選挙後はキャスティングボート握ってアベちゃんと仲良しになるんだもん。」とつぶやいたのですが、そのまんまでしたね。
こちらとこちらのエントリ-で見たように、自民、民主、日本王政復古党(別名日本維新の怪)はほとんど主張は変わりません。原発推進、TPP参加、消費税増税、壊憲、アメリカ財界追従、という路線です。同じ穴の狢で、彼らの対立はタダの「派閥の権勢争い」のようなものです。
これでもまだ
「民主党はダメだったけど自民党に戻すのもねえ。今度は新しい勢力に期待するしかないんじゃないですか?橋下さんとか。ねえ。」
と考えますか?
日本王政復古党(別名日本維新の怪)が力を握れば、自公政治、それを引き継いだ第二自民党(別名民主党)政治を継承する「古くからの悪政」が更に過激にパワーアップするでしょう。
「新しい」どころか「結局何も変わらない、むしろ悪くなった」ことが骨身に染みることになるでしょう。
「新しい」というのは「第三極」という言葉を乱発するマスコミと橋下氏らが共同して作った幻想であり、自民・民主以外の新しい政治を望む人々の票を、結局これまでの自民主的な古い政治にまたぞろ回収する「罠」なんだと強く訴えたいです。
ほんとに有権者をバカにしてますね。
ところでマスコミは、国民の生活が第一や反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党などがあらたに連携しようとしている動きを「第三極の二分化」なんて言ってるようです。
でも私は、彼らが何をどう主張してるかを見ることが肝心だと思います。
私は彼らにあまり賛同することは出来ません。
詳しくはkojitakenさんが書いてらっしゃいます
◆kojitakenの日記
2012-11-23 おいこら亀井静香と河村たかし、「脱原発」を僭称するな(激怒)
亀井静香氏は、自身のHPで「新自由主義からの脱却」を謳っていますが、減税日本の河村氏は小さな政府志向のバリバリの新自由主義者です。理念、政策は正反対なのにどうして合流できるのでしょう?これが「野合」でなくてなんでしょうか。
また、亀井氏は地下原発推進議連の顧問をやめた形跡はないとのこと。そして何より亀井氏も河村氏もつい最近まで、ゴリゴリの原発推進派である石原氏に連携を呼びかけていたのです。
党名に「脱原発」なんて掲げられても、私には「なんちゃって脱原発」「にわか脱原発」としか思えません。
そういえば、国民の生活が第一の小沢氏も民主党を原発推進路線に決定づけ、トリウム原発推進していたと聞きます。
自民、民主、日本王政復古党に比べればまだマシかも知れませんが、このような「野合」がどのような運命をたどるのかは、寄せ集めだった民主党が政権交代で政権を握った後、たちまち第二自民に舵を切り、空中分解したことを見れば予想が付くと思います。
私は「第二民主党」に多くの期待を寄せることはできません。
今朝もテレビから「第三極」「第三極」という呪文が繰り返し流れていたのが非常に虚しく感じられます。
定まらない第三極 県関係議員は・・・
(2012年11月27日 16時57分)
衆議院選挙の公示まで1週間となった27日も第三極をめぐる動きが止まりません。
「今のままでは選ぶ政党がない本当の第三極をつくってほしいという声にこたえ新しい党をつくります。未来の党」(滋賀県・嘉田由紀子知事)
滋賀県の嘉田由紀子知事は、午後開いた会見で、原発依存からの脱却を掲げた政治団体の結成を発表しました。
名称は『未来の党』です。
同じく脱原発を掲げる『国民の生活が第一』や『減税日本』、『反TPP・脱原発を実現する党』、『みどりの風』など、『日本維新の会』と距離を置いてきた第三極の各党はこぞって合流や連携を検討。
維新とは一線を画す第三極結集の動きが始まっています。
このうち『国民の生活が第一』も今夜、合流、連携を視野に緊急の役員会を開催、党の副代表で、県連代表の広野ただし参議院議員も出席して対応を協議しています。
一方、みんなの党の渡辺代表は…
「今日までに決めろということなんでしょ。それは事実上、不可能だと思うんですよ。私たちは合流でない、別の道を選んで、維新は維新、みんなはみんな、よきライバルであり、よき友であると」(みんなの党・渡辺代表)
このように述べて、維新との合流はないことを明言しました。
当初は第三極結集の核になるとみられていた2党ですが、維新と太陽の党との合流で風向きが大きく変わりました。
みんなの党・組織委員長の柴田巧参議院議員は「維新のみなさんは太陽の党と一緒になってから変質されたかなと思っている。政策最重視と考えているので合流断念はやむを得ないと思う」とコメントしています。
少数政党乱立の衆院選、戦いの構図をめぐってギリギリの攻防がつづきます。
「嘉田新党」と合流目指す=河村氏【12衆院選】
「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」共同代表の河村たかし名古屋市長は27日の記者会見で、嘉田由紀子滋賀県知事が新党「日本未来の党」結成を 表明したことに関し、「時間もないので嘉田さんたちと一緒に同じ政党名でやっていきたい」と述べ、合流を目指す意向を表明した。 (2012/11 /27-16:52)
滋賀県・嘉田知事 新党結成を表明
11月27日 16時2分
滋賀県の嘉田知事は、27日午後、記者会見し、来月の衆議院選挙に向けて、みずからが代表を務める新党「日本未来の党」を結成することを正式に表明しました。
衆議院選挙の公示を来月4日に控え、滋賀県の嘉田知事は、脱原発を訴える勢力の結集を図りたいとして、新党結成の最終的な検討に入っていました。
そ して、27日午後、嘉田知事は大津市で記者会見し、「『今のままでは選ぶ政党がない。本当の第三極を作ってほしい』という声に応え、新しい党を作ります。 未来を開く新しい政治を始め、希望を見いだしたい」と述べ、みずからが代表を務める新党「日本未来の党」を結成することを正式に表明しました。
また、嘉田知事は衆議院選挙に向けて、「ほかの党との連携については、すべての党に呼びかけたい」と述べました。
さらに、嘉田知事は「知事は知事として公職をまっとうする」と述べ、滋賀県知事はこのまま続ける考えを示しました。
新党は、段階的に原発からの脱却を目指す「卒原発」や、消費増税の前に徹底してむだをなくす「脱増税」など、6つの政策を柱として掲げる方針です。
嘉田知事の新党結成をきっかけに、いわゆる第3極の結集を巡る動きが来月4日の公示を前に、さらに活発化する見通しです。
そ して、27日午後、嘉田知事は大津市で記者会見し、「『今のままでは選ぶ政党がない。本当の第三極を作ってほしい』という声に応え、新しい党を作ります。 未来を開く新しい政治を始め、希望を見いだしたい」と述べ、みずからが代表を務める新党「日本未来の党」を結成することを正式に表明しました。
また、嘉田知事は衆議院選挙に向けて、「ほかの党との連携については、すべての党に呼びかけたい」と述べました。
さらに、嘉田知事は「知事は知事として公職をまっとうする」と述べ、滋賀県知事はこのまま続ける考えを示しました。
新党は、段階的に原発からの脱却を目指す「卒原発」や、消費増税の前に徹底してむだをなくす「脱増税」など、6つの政策を柱として掲げる方針です。
嘉田知事の新党結成をきっかけに、いわゆる第3極の結集を巡る動きが来月4日の公示を前に、さらに活発化する見通しです。
復活「漁師のかき小屋」カキ食べ放題…岩手・大船渡
岩手県大船渡市のカキ養殖業者が共同で開く「漁師のかき小屋」で、観光客の人気を集めていた地元産カキの食べ放題が、12月から1年9か月ぶりに復活する。津波で被害を受けたカキの生産が少しずつ回復し、再開を決めた。2010年2月に始まった小屋は、新鮮なカキを殻つきのまま鉄板で蒸し焼きにする「焼きカキ」が40分間食べ放題で、県内外から多くの観光客が訪 れていた。しかし、震災で小屋は津波被害を免れたものの養殖棚が壊滅的被害を受け、食べ放題を中止。これまでは焼きそばなどを提供してきた。
養殖業者の船本敬史さん(52)によると、現在も大船渡産カキは震災前の10分の1以下にまで減少し、元に戻るにはあと2、3年かかるという。それでも「何とか再開にこぎ着けた。大船渡のおいしいカキを食べてほしい」と意気込む。
21日には関係者を集めて試食会を開き=写真、安田信介撮影=、カキを入れたラーメンなど新メニューも披露された。焼きカキを食べた大船渡水産振興センターの宮田小百合さん(44)は「身がたっぷりでおいしい」と話した。
食べ放題は平日限定だが、12月1、2日は再開記念として特別に実施する。料金は中学生以上3000円、小学生1500円で予約が必要。予約は、かき小屋事務局(0192・26・4788)へ。
(2012年11月27日 読売新聞)
嘉田・滋賀県知事、新党結成を表明
滋賀県の嘉田由紀子知事は、琵琶湖を望む会場で記者会見し、新党設立に向けた「びわこ宣言」を発表、衆院選に向けた新党の名称を発表しました。
「私たちは、国民の皆さんの、今のままでは選ぶ政党がない、本当の第三極をつくって欲しいという声に応え、新しい党をつくります。私たちの名前は、未来の党、正式には『日本未来の党』でございます」(滋賀県 嘉田由紀子 知事)
また、会見で嘉田知事は、日本の未来の関心を取り戻すための6項目として「卒原発」などをあげ、「合意をできるみなさんに呼びかけていく」としました。
同じく、脱原発を掲げる国民の生活が第一や減税日本・反TPP・脱原発を実現する党、みどりの風などの合流や連携については触れませんでしたが、6項目の 結集軸についての賛同者については首長から声をかけていただいているとしながらも、賛同者すべての確認ができていないとして、具体的な名前はあげませんで した。(27日16:04)
【衆院選】
橋下さんに〝失望〟したので…「嘉田新党」結成表明
2012.11.27 16:26
[大阪の行政・維新]
12月16日投開票の衆院選に向けて、滋賀県の嘉田由紀子知事は27日、大津市内で記者会
見し、脱原発を旗印にした新党「日本(にっぽん)未来の党」を結成すると発表した。原発依存を徐々になくす「卒原発」や脱官僚など6項目のマニフェストを
掲げた。知事職のまま代表に就く。
第三極勢力では、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への対応などをめぐり、生活や脱原発などと、日本維新の会やみんなの党は一線を画している。嘉田氏の新党を含む政党合流が進めば、第三極の新たな軸となりそうだ。
嘉田氏は記者会見で「いまのままでは選ぶ政党がないとの国民の声に応えるため立ち上げた。原発から卒業できる道を示さないといけない」と強い決意を示した。
嘉田氏はこれまで、東京電力福島第1原発事故を受け、「(次期衆院選の争点として)原発政策を議論してほしいと切に願っていた」と主張していた。新党結成の契機として維新と太陽の党との政策合意で「2030年代までの原発全廃」が盛り込まれなかったことをあげた。
嘉田氏は平成18年7月、滋賀県知事に初当選し、現在2期目。原発依存を徐々になくす「卒原発」が持論で、今月20日の会見では、維新代表代行の橋下徹大阪市長について「同じ方向を向いていた仲間を失った感じがする」と失望感を示していた。
「脱原発」を旗印とする新党結成を検討している滋賀県の嘉田由紀子知事は26日午後、県庁内で記者団に「27日午後に記者会見し、方向が見えるようにし たい」と述べ、新党の理念や基本政策を同日中に表明する方向で調整していることを明らかにした。消費増税や原発再稼働に反対する勢力を糾合し、「第三極」 結集を目指す国民の生活が第一の小沢一郎代表らとの連携が焦点となる。 嘉田氏は知事を辞職せず、自らは来月16日投開票の衆院選に出馬しない意向で、記者団に「知事としての仕事を全うするため、国政に対し意見を言っていきたい」と述べた。新党の名称は「日本未来の党」を軸に調整している。
一方、小沢氏は26日の会見で、嘉田氏について「主張はわれわれの方向とあまり変わりはない」と連携に意欲を示した。小沢氏の周辺には、嘉田氏を党首に担いだ新党に移行する構想がある。
生活は、「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(共同代表・河村たかし名古屋市長、山田正彦元農林水産相)との合流を検討中。河村氏も同日の会見 で「小異を捨てて大同に就くのが大事だ」と強調した。小沢氏は、「みどりの風」(共同代表・谷岡郁子参院議員ら)にも共闘を呼び掛けている。
また、社民党に離党届を提出した阿部知子前衆院議員は同日、「嘉田新党」が発足すれば合流する意向を示した。
小沢氏の持論は、複数の政党が緩やかに連携する「オリーブの木」構想だ。新党への一本化ができない場合でも、他党との協力を模索する意向とみられ、会見では「一つの党で選挙を行うか、いろいろな要素がある」と述べた。
これに関連し、「みどりの風」の谷岡氏は記者団に「何らかの連携、協力は模索したいが、即合流までは考えてない」とし、比例代表名簿の統一などが検討対象になるとの認識を示した。
ただ、統一名簿作成には、新たな政党か政治団体をつくる必要がある。政党が異なれば小選挙区との重複立候補もできないことから、実現へのハードルは高いとみられる。
関西電力は26日、電気料金の値上げ認可を政府に申請した。上げ幅は家庭用で平均11・88%、認可が不要な企業用は同19・23%。申請通りに認めら
れれば、標準家庭の料金は月599円(8・8%)引き上げられる。いずれも2013年4月の実施を目指す。関電にとって、料金原価の見直しを伴う本格的な
値上げは第2次石油危機後の1980年以来33年ぶりとなる。
値上げの根拠となる電気料金の原価は、現在稼働中の大飯原発3、4号機(福井県おおい町)に加え、高浜原発3、4号機(同県高浜町)が13年7月に再稼働すると想定して算出した。
関電は、原発停止に伴う火力発電用の燃料費負担が経営を圧迫し、13年3月期の連結純損益が過去最大となる2650億円の赤字となる見通し。値上げで業績悪化に歯止めをかけたい考えだが、上げ幅は政府の査定で圧縮される可能性がある。
関電の八木誠社長は同日夕、大阪市の本社で記者会見し、「値上げで顧客の生活や産業活動に多大なご負担をおかけし大変申し訳ない」と陳謝。その上で「現行の料金では財務基盤がさらに悪化し、電力の安定供給に支障を来す」と述べ、値上げへの理解を求めた。
関電は約18%の人件費削減など経営合理化を実施し、電気料金の原価を13~15年度の各年度に平均1553億円圧縮する計画。また、高浜3、4号機の 再稼働で年1700億円程度の燃料費削減を見込む。それでも毎年度3641億円の収入が不足するため、値上げで不足分を補う考えだ。
関電は、契約電力500キロワット以上の大口企業には近く戸別訪問を開始し、他の小口企業には12月上旬に文書を郵送し、値上げを説明する。
九州電力も火力発電の燃料費増加で業績が悪化しているため、27日に家庭用で8%台の料金引き上げを政府に申請する予定。北海道、東北、四国の電力3社も今後、値上げする可能性がある。東京電力に続く値上げの動きが広がりそうだ。
値上げは、原子力発電所の再稼働が遅れているために増えた火力発電用の燃料費や他社からの電力購入コストによるもの。今回の価格改定の原価算定期間 (13-15年度)の燃料費・購入電力料は、年平均6169億円と前回の改定時(08年)と比べ約40%増える見通しとなった。同社はこの期間に年 1100億円規模のコスト削減を実施する方針だが、それでも生じる不足分1516億円を埋めるために値上げを申請した。
九電は原価算定の前提条件として、保有する6基の原子炉のうち4基を来年7月以降に順次再稼働する計画を織り込んだ。具体的には、川内原発1、2号機を13年7月、玄海原発4号機を13年12月、玄海3号機を14年1月に再稼働することを予定している。
同社の瓜生道明社長は記者団に対し、残りの玄海1、2号機については、この原価算定期間中に運転開始から40年を迎えるために再稼働計画には盛り込まなかったことを明らかにした。
九電はこれまで発表していなかった今期(2013年3月期)の業績予想も発表。純損益は3650億円の赤字になるとの見通しを示した。前期は1749億円の赤字だった。中間配当に続いて期末配当を見送ることも発表した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 岡田雄至 yokada6@bloomberg.net;東証 Tsuyoshi Inajima tinajima@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Alexander Kwiatkowski akwiatkowsk2@bloomberg.net
更新日時: 2012/11/27 16:02 JST
【エルサレム時事】故アラファト前パレスチナ自治政府議長の死因をめぐり浮上した放射性物質ポロニウム210による毒殺説の解明に向け、パレスチナの死 因究明委員会は27日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラにあるアラファト氏の墓で遺体の掘り起こしを行った。パレスチナのメディアが伝えた。 遺体から採取した検体をフランス、スイス、ロシアの専門家が調査する。結果判明には1カ月半から3カ月程度かかるとみられるが、2004年の死去から8年 が経過しており、ポロニウムの検出は難しいとの見方もある。今回の調査で毒殺説の真相が明らかになるかは不透明だ。(2012/11/27-15:54)
故アラファト前パレスチナ自治政府議長の死亡原因の解明に向けて、27日にヨルダン川西岸のラマラに埋葬されているアラファト氏の棺が開かれました。
フランスとスイス、ロシアから派遣された調査チームは棺を開けた後、アラファト氏の遺体からサンプルを採取し検査が行われます。
これに対して、パレスチナ住民の多くはアラファト氏の死亡原因を解明するべきだと考えていますが、一部の住民は「埋葬からすでに8年経っており、再び棺を開けることはアラファト氏への冒涜ではないか」と考えています。
アラファト氏の妹は記者の取材を受け、調査に反対する考えを示し、「パレスチナ人は前を向かなければならない」と述べました。(万、中原)国際・交流へ
「原発から卒業できる道を示す」
脱原発で理念が一致する「国民の生活が第一」「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」などと合流に向けた協議を行っていることも明らかにした。第三極勢力では、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への対応などをめぐり、生活や脱原発などと、日本維新の会やみんなの党は一線を画している。嘉田氏の新党を含む政党合流が進めば、第三極の新たな軸となりそうだ。
嘉田氏は記者会見で「いまのままでは選ぶ政党がないとの国民の声に応えるため立ち上げた。原発から卒業できる道を示さないといけない」と強い決意を示した。
嘉田氏はこれまで、東京電力福島第1原発事故を受け、「(次期衆院選の争点として)原発政策を議論してほしいと切に願っていた」と主張していた。新党結成の契機として維新と太陽の党との政策合意で「2030年代までの原発全廃」が盛り込まれなかったことをあげた。
嘉田氏は平成18年7月、滋賀県知事に初当選し、現在2期目。原発依存を徐々になくす「卒原発」が持論で、今月20日の会見では、維新代表代行の橋下徹大阪市長について「同じ方向を向いていた仲間を失った感じがする」と失望感を示していた。
平成24年11月27日
嘉田滋賀県知事、きょう新党構想を表明-脱原発の受け皿目指す、小沢氏との連携が焦点
「脱原発」を旗印とする新党結成を検討している滋賀県の嘉田由紀子知事は26日午後、県庁内で記者団に「27日午後に記者会見し、方向が見えるようにし たい」と述べ、新党の理念や基本政策を同日中に表明する方向で調整していることを明らかにした。消費増税や原発再稼働に反対する勢力を糾合し、「第三極」 結集を目指す国民の生活が第一の小沢一郎代表らとの連携が焦点となる。 嘉田氏は知事を辞職せず、自らは来月16日投開票の衆院選に出馬しない意向で、記者団に「知事としての仕事を全うするため、国政に対し意見を言っていきたい」と述べた。新党の名称は「日本未来の党」を軸に調整している。
一方、小沢氏は26日の会見で、嘉田氏について「主張はわれわれの方向とあまり変わりはない」と連携に意欲を示した。小沢氏の周辺には、嘉田氏を党首に担いだ新党に移行する構想がある。
生活は、「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(共同代表・河村たかし名古屋市長、山田正彦元農林水産相)との合流を検討中。河村氏も同日の会見 で「小異を捨てて大同に就くのが大事だ」と強調した。小沢氏は、「みどりの風」(共同代表・谷岡郁子参院議員ら)にも共闘を呼び掛けている。
また、社民党に離党届を提出した阿部知子前衆院議員は同日、「嘉田新党」が発足すれば合流する意向を示した。
小沢氏の持論は、複数の政党が緩やかに連携する「オリーブの木」構想だ。新党への一本化ができない場合でも、他党との協力を模索する意向とみられ、会見では「一つの党で選挙を行うか、いろいろな要素がある」と述べた。
これに関連し、「みどりの風」の谷岡氏は記者団に「何らかの連携、協力は模索したいが、即合流までは考えてない」とし、比例代表名簿の統一などが検討対象になるとの認識を示した。
ただ、統一名簿作成には、新たな政党か政治団体をつくる必要がある。政党が異なれば小選挙区との重複立候補もできないことから、実現へのハードルは高いとみられる。
平成24年11月27日
関電が標準家庭599円値上げ、企業は19・23%-来年4月から33年ぶり、高浜原発の再稼働想定
記者会見で頭を下げる関西電力の八木誠社長=26日午後、大阪市北区の同社本社 |
関電は、原発停止に伴う火力発電用の燃料費負担が経営を圧迫し、13年3月期の連結純損益が過去最大となる2650億円の赤字となる見通し。値上げで業績悪化に歯止めをかけたい考えだが、上げ幅は政府の査定で圧縮される可能性がある。
関電の八木誠社長は同日夕、大阪市の本社で記者会見し、「値上げで顧客の生活や産業活動に多大なご負担をおかけし大変申し訳ない」と陳謝。その上で「現行の料金では財務基盤がさらに悪化し、電力の安定供給に支障を来す」と述べ、値上げへの理解を求めた。
関電は約18%の人件費削減など経営合理化を実施し、電気料金の原価を13~15年度の各年度に平均1553億円圧縮する計画。また、高浜3、4号機の 再稼働で年1700億円程度の燃料費削減を見込む。それでも毎年度3641億円の収入が不足するため、値上げで不足分を補う考えだ。
関電は、契約電力500キロワット以上の大口企業には近く戸別訪問を開始し、他の小口企業には12月上旬に文書を郵送し、値上げを説明する。
九州電力も火力発電の燃料費増加で業績が悪化しているため、27日に家庭用で8%台の料金引き上げを政府に申請する予定。北海道、東北、四国の電力3社も今後、値上げする可能性がある。東京電力に続く値上げの動きが広がりそうだ。
八 木 社 長 会 見 骨 子一、値上げで顧客の生活や産業活動に多大な負担をかけることを深くおわび 一、現行の料金では財務基盤がさらに悪化し、電力の安定供給に支障 一、徹底した経営効率化を前提に値上げ 一、13~15の各年度に料金原価を平均1553億円圧縮 一、高浜原発3、4号機の再稼働を想定 一、値上げ申請幅に遊びなし。東電の査定ポイントは網羅 一、希望退職見送り、採用抑制で1000人削減 |
九電:企業向けは4月から14.22%値上げへ-7月から原発再開
11月27日(ブルームバーグ):九州電力 は27日、4月1日から家庭向け電気料金を8.51%値上げする料金の改定案を経済産業省に申請した。同社は、政府の認可のいらない企業向けの料金を14.22%引き上げる方針も申請に合わせて発表した。値上げは、原子力発電所の再稼働が遅れているために増えた火力発電用の燃料費や他社からの電力購入コストによるもの。今回の価格改定の原価算定期間 (13-15年度)の燃料費・購入電力料は、年平均6169億円と前回の改定時(08年)と比べ約40%増える見通しとなった。同社はこの期間に年 1100億円規模のコスト削減を実施する方針だが、それでも生じる不足分1516億円を埋めるために値上げを申請した。
九電は原価算定の前提条件として、保有する6基の原子炉のうち4基を来年7月以降に順次再稼働する計画を織り込んだ。具体的には、川内原発1、2号機を13年7月、玄海原発4号機を13年12月、玄海3号機を14年1月に再稼働することを予定している。
同社の瓜生道明社長は記者団に対し、残りの玄海1、2号機については、この原価算定期間中に運転開始から40年を迎えるために再稼働計画には盛り込まなかったことを明らかにした。
九電はこれまで発表していなかった今期(2013年3月期)の業績予想も発表。純損益は3650億円の赤字になるとの見通しを示した。前期は1749億円の赤字だった。中間配当に続いて期末配当を見送ることも発表した。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 岡田雄至 yokada6@bloomberg.net;東証 Tsuyoshi Inajima tinajima@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Alexander Kwiatkowski akwiatkowsk2@bloomberg.net
更新日時: 2012/11/27 16:02 JST
アラファト氏遺体掘り起こし=ポロニウム毒殺説で調査-パレスチナ
【エルサレム時事】故アラファト前パレスチナ自治政府議長の死因をめぐり浮上した放射性物質ポロニウム210による毒殺説の解明に向け、パレスチナの死 因究明委員会は27日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラにあるアラファト氏の墓で遺体の掘り起こしを行った。パレスチナのメディアが伝えた。 遺体から採取した検体をフランス、スイス、ロシアの専門家が調査する。結果判明には1カ月半から3カ月程度かかるとみられるが、2004年の死去から8年 が経過しており、ポロニウムの検出は難しいとの見方もある。今回の調査で毒殺説の真相が明らかになるかは不透明だ。(2012/11/27-15:54)
パレスチナ、アラファト氏の遺体検査へ
フランスとスイス、ロシアから派遣された調査チームは棺を開けた後、アラファト氏の遺体からサンプルを採取し検査が行われます。
これに対して、パレスチナ住民の多くはアラファト氏の死亡原因を解明するべきだと考えていますが、一部の住民は「埋葬からすでに8年経っており、再び棺を開けることはアラファト氏への冒涜ではないか」と考えています。
アラファト氏の妹は記者の取材を受け、調査に反対する考えを示し、「パレスチナ人は前を向かなければならない」と述べました。(万、中原)国際・交流へ
今日 アラファト氏の遺体掘り起し
27.11.2012, 10:33
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Photo: EPA
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フランスとスイスの専門家らは今日27日、ノーベル平和賞受賞者でパレスチナ自治政府の指導者であった故ヤセル・アラファト氏の遺体を掘り起こした。
アラファト氏の死因を調査しているパレスチナの委員会の長を務めるタウフィク・ティラヴィ氏は先に「遺体掘
り起こしの際、マスコミの代表者らは同席しない。なおロシアの専門家達が、掘り起し作業を見守る。その後、彼らはフランス及びスイスの専門家らと共に、ア
ラファト氏の正確な死因を特定するため遺体の鑑定を行う」と伝えていた。
アラファト氏の墓を開け、遺体を掘り起こすという決定は、彼の未亡人の要請によるもので、アラファト氏は、実は放射性物質ポロニウム210による中毒で亡くなったのではないかとの疑惑がある。
これまでの公式発表では、アラファト氏は、2004年11月11日、フランスで重度の脳卒中で亡くなったとされていた。
インターファクス
アラファト氏遺体、毒殺説で調査
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写真は故アラファト前パレスチナ自治政府議長。浮上した毒殺説の解明に向け、ヨルダン川西岸の同氏の墓で遺体の掘り起こしを行う。遺体から採取した検体をフランス、スイス、ロシアの専門家が調査するという。 【EPA=時事】
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アラファト氏の遺体掘り起こし 2012/11/27 14:32
毒殺説の真偽を解明するため、土葬されているアラファト氏の遺体が掘り起こされたとAP通信。
2012-11-27 07:34
小沢氏、滋賀知事の新党合流へ
国民の生活が第一の小沢一郎代表は27日、滋賀県の嘉田由紀子知事(62)が脱原発依存を掲げて結成表明する新党から合流要請があれば応じる意向を固め
た。嘉田氏は午後に会見し結成を表明。その後に要請する見通しで、生活は今夕にも党常任幹事会を開いて正式決定する。日本維新の会(石原慎太郎代表)に対
抗する「第三極」勢力として、衆院選で躍進を目指す。
共同通信社
「日本未来の党」結成表明=「卒原発」掲げる―嘉田滋賀知事【12衆院選】
滋賀県の嘉田由紀子知事は27日午後、大津市内で記者会見し、「卒原発」を掲げる新党「日本未来の党」を結成する意向を表明した。
[時事通信社]
[時事通信社]
脱原発依存を明記=新党改革が公約発表【12衆院選】
新党改革の舛添要一代表は27日、国会内で記者会見し、衆院選の公約を発表した。公約では「原発に依存しない社会の構築」を明記。環太平洋連携協定(TPP)交渉参加や、デフレ状況下での消費増税には反対した。
また、インフレターゲット(目標)の導入を提唱。衆院選挙制度改革では、中選挙区制に改める方針を示した。
[時事通信社]
また、インフレターゲット(目標)の導入を提唱。衆院選挙制度改革では、中選挙区制に改める方針を示した。
[時事通信社]
九電が家庭向け料金8.5%値上げへ、通期3650億円の最終赤字に
【東京 27日 ロイター】 九州電力<9508.T>は27日、家庭向けの電気料金を来年4月1日から平均8.51%値上げすると国に認可申請した。認可不要の企業向けは同14.22%値上げする意向だ。 長期停止中の原子力発電所は来年7月から順次再稼動すると想定するが、未定としていた2013年3月期の連結業績予想は当期損益が3650億円の赤字(前期実績は1663億円の赤字)との見通しも併せて公表した。申請通りに値上げ求められた場合、標準家庭向けの月額料金は7021円(300キロワット時使用)と現行比378円高となる。九電の瓜生道明社長は経済 産業省に値上げの認可申請を行った後、報道陣に対し、「苦渋の決断。内部留保を取り崩しながら対応してきたが、これ以上の燃料費増大については対処できな い状況になった。会社が破たんしてしまえば地域の皆さんに負担を与える。電力の安定供給のための最後の手段」と釈明した。
今回の値上げ申請に当たっての原価算定期間は2013─15年度の3年間。この間、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)が来年7月に、玄海原発4 号機(佐賀県玄海町)が同12月、同3号機が14年1月にそれぞれ再稼動すると想定し、3年間の原子力利用率は55%とした。
原発の長期停止に伴い、火力発電を中心とする燃料費と他社から購入する電力料が13年3月期は一昨年比で5300億円、昨年比で2200億円それぞれ増 加して収支を圧迫。瓜生社長は「燃料費の増大は修繕費、人件費をゼロにしても追いつかない状態になっている」と説明した上で、原発の再稼動が実現しなかっ た場合の再値上げについて「そうなった場合は何らかの判断をせざるを得ない」と可能性を示唆した。
*情報を追加して再送します。
2012/11/27 15:54
平成24年11月27日
衆院選に向け政策論争が活発化、内政課題で各党比較-「脱原発」勢力結集も、「TPP」賛否が混在
◇ 自民除き脱原発依存
自民党が原発再稼働を前提としている以外、各党は「脱原発依存」の方向性ではおおむね一致している。このうち、原発全廃の期限を「2022年」と明示し た国民の生活が第一は、新党「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」との合流による新党旗揚げを検討しており、みどりの風や新党結成を探る滋賀県の嘉 田由紀子知事との連携も視野に入れる。 民主党も目標年限を示しているものの、「30年代」と生活や新党日本より緩やか。自民党と連携する公明党は「可能な限り速やかに」と時期は明確にしてい ない。日本維新の会は当初「30年代に原発全廃」と打ち出したが、29日発表の公約では方向性を示すにとどまる見通し。みんなの党は東京電力福島第1原発 事故を機に高コスト化した原発を、市場原理で淘汰(とうた)する考え。こうした中、事故発生前から原発の危険性を訴えていた共産党や、反原発の「老舗」である社民党は、いずれも「即時原発ゼロ」を訴え、「新興勢力」との差別化を図っている。
◇ 消費増税、維新が異彩
消費税では、税率引き上げを含む社会保障と税の一体改革で合意を交わした民主、自民、公明3党と与党の一角を占める国民新党に対し、他党が反対する構 図。民自公3党は選挙後も合意を順守する姿勢だが、低所得者対策では民主党が給付付き税額控除を主張するのに対し、自公は軽減税率導入で足並みをそろえ る。 維新を除く他の9党は、将来的な税率引き上げは排除していない生活や歳出削減の先行を主張するみんなも含めて増税反対で一致しており、選挙後に消費増税廃止法案提出を目指す動きもある。異彩を放つのが維新だ。税率を11%まで引き上げ、うち5%を地方消費税に充て、残り6%は現行の地方交付税に代わる財政調整の仕組みとして創設する地方共有税に充てると主張している。ただ、社会保障財源について明快な説明はない。
◇ TPP、民主に異論
野田佳彦首相(民主党代表)はTPP交渉参加に意欲を示し、賛否が混在して明確な方針を打ち出せない自民党に対し「決める政治」を誇示する狙いがあるが、足元の事情は民主党も同じ。首相は街頭演説ではTPPに触れず、党内の反対派を刺激しないよう努めている。 交渉参加を明確にしているのは実質、みんなだけで、維新も党内に慎重論を抱える。自公は賛否を示しておらず、公明党は是非を判断するため国会に調査会や 特別委員会を設置するよう求めている。生活や共産党などは、農業が壊滅的打撃を受けるとして交渉参加に強く反対している。民主と自民、党首討論めぐり綱引き-実現は不透明
野田佳彦首相(民主党代表)と自民党の安倍晋三総裁による公開討論をめぐり、両党が激しい綱引きを演じている。民主党が新聞社論説委員などを進行役とす る両党共催形式を提案しているのに対し、自民党はインターネット動画サイト「ニコニコ動画」での開催を主張。双方とも自党に有利な「土俵」を選ぼうと必死 で、来月4日の衆院選公示前に実現できるか不透明になってきた。 「与党と野党第1党の党首討論は政権選択に資する。両党主催の党首討論を提案する」。首相は26日昼、党職員を通じ、安倍氏宛ての申し入れ書を自民党本部に届けた。「開催会場は都内ホテル」「進行は主要新聞社論説委員など中立な方」と、討論形式も明示した。
一方、安倍氏はその約3時間後、民主党本部に回答書を返送。「エブリタイムOK」とした25日のテレビ番組での首相発言を取り上げ、「発言を受けてニコニコ動画での党首討論に参加する日程を設けた。29日午後8時から(会場で)首相のお越しをお待ちしたい」と挑発した。
もともと討論会を発案したのは民主党だ。同党幹部は、14日の国会での党首討論を「首相の圧勝だった」とみており、「党首の資質争いに持ち込む」ことを狙う。
これに対し、自民党は当初「討論会を開いても民主党を利するだけ」(幹部)と慎重だったが、「逃げたと言われるのはしゃくだ」(同)と姿勢を転換。安倍氏は24日夜、記者団を自宅前に突然呼び出し、「ニコニコ動画の場で討論を行うのが一番適切だ」と逆提案した。
ニコニコ動画は討論の生中継中、視聴者のコメントが画面に流れ、右寄りの書き込みが多いとされる。民主党は「偏った動画サイトで、投稿を許すやり方には 政治的意図がある」(安住氏)と批判するが、自民党は「ネットは誰でも参加可能で、世界に開かれている」(回答書)と反論しており、合意は難しい状況だ。
東日本大震災:がれき受け入れ、住民が金沢市長に要望 賛同の上、風評被害対策など /石川
毎日新聞 2012年11月27日 地方版
金沢市の戸室新保埋立場で年内にも岩手県宮古市の震災がれき(漁具・漁網)の埋め立て処分が始まることを受け、同埋立場周辺の住民たちが26日、山野之義市長に対し、がれき受け入れに賛同の意向を示した上で、風評被害対策などを求める要望書を提出した。
提出したのは、同埋立場周辺の3町会の代表。要望書では、周辺の公民館や県道で放射線量を表示する測定機の設置▽がれきの搬入記録のほか、水質や放射線量の毎月の測定結果の町会側への報告▽3町会への放射線測定器の配備−−などを求めた。
俵校下町会連合会の岡嶋平吉会長は「地元には反対意見もあったことを踏まえ、十分に配慮してほしい」と要請。山野市長は「要望には真摯(しんし)に対応したい」と答えた。【宮本翔平】
提出したのは、同埋立場周辺の3町会の代表。要望書では、周辺の公民館や県道で放射線量を表示する測定機の設置▽がれきの搬入記録のほか、水質や放射線量の毎月の測定結果の町会側への報告▽3町会への放射線測定器の配備−−などを求めた。
俵校下町会連合会の岡嶋平吉会長は「地元には反対意見もあったことを踏まえ、十分に配慮してほしい」と要請。山野市長は「要望には真摯(しんし)に対応したい」と答えた。【宮本翔平】
小沢氏、滋賀知事の新党合流へ 今夕にも決定2012年11月27日
国民の生活が第一の小沢一郎代表は27日、滋賀県の嘉田由紀子知事(62)が脱原
発依存を掲げて結成表明する新党から合流要請があれば応じる意向を固めた。嘉田氏は午後に会見し結成を表明。その後に要請する見通しで、生活は今夕にも党
常任幹事会を開いて正式決定する。日本維新の会(石原慎太郎代表)に対抗する「第三極」勢力として、衆院選で躍進を目指す。
「嘉田新党」をめぐっては「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(脱原発)の亀井静香幹事長が合流に意欲を表明。「みどりの風」も合流を検討している。嘉田氏は、民間人も参加した全国的な反原発の動きに発展させたい考えだ。
(共同通信)
「嘉田新党」をめぐっては「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(脱原発)の亀井静香幹事長が合流に意欲を表明。「みどりの風」も合流を検討している。嘉田氏は、民間人も参加した全国的な反原発の動きに発展させたい考えだ。
(共同通信)
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