2012年11月5日月曜日

2012/11/05

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乾燥食品のセシウム濃度を検証!想定を大きく上回る放射性物質検出の理由は?

 201211508:00 


■乾燥による放射性セシウム濃度の高まり
農作物を乾燥させれば、当然重量が軽くなる。水分がなくなるからだ。
このため、乾燥させた食品は放射性セシウム濃度が高まる。乾燥シイタケなどがその代表的な例だろう。
しかし、乾燥しただけでは説明できない濃度の高まりがあることが、このほど判明した。

2012
1029日、福島県農業総合センターが切干ダイコンを使用した試験研究結果を発表した。
放射性セシウム

この試験結果、乾燥させる場所によっては、想定以上の放射性セシウム濃度になることが確認されたのである。

同センターでは、切干ダイコンを乾燥機による乾燥と以下の場所で乾燥させることで、放射性セシウムの濃度の変化を確認したのである。
①松の木の樹幹地表
乾燥小屋地表
鉄筋ビルの軒下の壁際地表
乾燥小屋地表1m
乾燥小屋地表2m

この結果、乾燥機では検出されなかった1キログラム当たりの放射性セシウム濃度は以下のようになった。
1位:鉄筋ビルの軒下の壁際地表(3421ベクレル)
2
位:乾燥小屋地表(892ベクレル)
3
位:松の木の樹幹地表(220ベクレル)




高浜町で震災がれきを試験焼却 安全確認後、年明けにも受け入れ

2012115日午前706分)
拡大岩手県大槌町から搬入した木くずをごみピットに投入する職員たち=4日、福井県高浜町水明の町清掃センター岩手県大槌町から搬入した木くずをごみピットに投入する職員たち=4日、福井県高浜町水明の町清掃センター



 福井県高浜町は4日、岩手県大槌町からの受け入れを表明している震災がれきの試験焼却を、高浜町水明の町清掃センターで行った。安全性が確認されれば、年明けにも受け入れを始め、約700トンのがれきを処理する方針。
 試験焼却したがれきは、住宅廃材や流木などをチップ状にした木くず約3トン。26日に町に搬入しており、焼却後は同町下の町不燃物処分地に埋め立てる。
  この日は町職員がフレコンバッグと呼ばれる袋から木くずを出して異物がないかを確認。放射線量は周辺の空間放射線量とほぼ同じ毎時0・04マイクロシーベ ルトだった。放射性セシウム濃度は搬入前の測定では1キロ当たり13ベクレルで、町が基準とする100ベクレルよりも低かった。
 一般ごみ約17トンと交ぜて約850度以上で夕方までに焼却。焼却灰のセシウム濃度を測り、問題がなければ5日に不燃物処分地に埋める。
 清掃センターと処分地の敷地境界線で、試験焼却前後や埋め立て前後の空間放射線量を測定するほか、焼却灰や排ガス、処分地の放流水中のセシウム濃度を測定。結果が分かり次第、町ホームページなどで公表するとしている。

【福井】

高浜町、震災がれきを試験焼却 県内2例目

2012115

 高浜町は四日、同町水明の町清掃センターで、東日本大震災で発生した岩手県大槌町の木材がれき七百トンの受け入れに向けた試験焼却を実施した。
 県内では敦賀市に続き二例目。角材や柱材を砕いた木くず三トンを高浜町内の一般可燃ごみ十七トンと交ぜ、午前九時ごろから約八時間かけて燃やし た。五日に同町下の町不燃物処分地に埋め立てる。町によると、今回のがれきはJRコンテナとトラック一台を使い、十月二十六日に搬入した。がれきの放射性 セシウム濃度は一キログラム当たり十三ベクレルで、町が定めた基準の百ベクレル以下。焼却前に町職員が調べた空間放射線量は毎時〇・〇四マイクロシーベル トだった。町では埋め立て場への搬出前に、燃やした灰の放射性セシウム濃度や、焼却場周囲の空間放射線量をあらためて計測する。
 岩手県大槌町の震災がれきをめぐっては、敦賀市が十月に試験焼却。十一月一日に九百トンの本格受け入れを表明した。
 (帯田祥尚)
「震災がれき」高浜町でも試験焼却開始
(福井県)
東日本大震災で出た「震災がれき」の受け入れを表明している高浜町で4日、試験焼却が行われている。
試験焼却は岩手県大槌町から運ばれた木くずなど3トンを、一般のゴミ17トンに混ぜて焼却するもので、4日朝は町の清掃センターで、細かく砕かれた木くずの空間放射線量を測定し、大槌町で搬出時に計測した値と同じで異常がないことを確認し、焼却炉に入れていいた。
また町では、放射性セシウムの濃度は国の基準より厳しい1キログラムあたり100ベクレル以下としているが、大槌町から搬出する時点で13ベクレルだったという。
焼却灰は5日、町内に埋め立て処分することにしていて、来月初めまでに野瀬町長が最終判断し、年明けに敦賀市とともに本格的な受け入れを始める予定。
[ 11/4 12:40 福井放送]

ピースウィーク:放射能、死刑など51の企画−−国立で18日まで /東京

毎日新聞 20121103日 地方版
 国立市を中心に活動する複数の市民団体によるイベント「ピースウィークinくにたち2012」が市内の 公民館や喫茶店などで開かれている。市民による実行委員会が主催で今年で5回目。放射能や死刑制度に関する勉強会や、原発問題について考える映画上映会な ど51の企画が予定されている。18日まで。
 テーマは「3・11後をともに生きる」。国立市中1の同市公民館で開かれている「みんなのアピール展  デモ・グッズだって、アートだ!」では、市内で数カ月に1回行われる脱原発デモで使われた手作りの着ぐるみやプラカード、鳴り物などを展示。実行委のメン バーは「今こそ声を上げねば、という機運を伝えたい」と話す。
 同市富士見台1の喫茶店「cafeひょうたん島」では、有機農業をするために福島に移り住んだ女性と畑 を巡る環境が、福島第1原発事故の前後でどのように変化したかを切り取った写真を展示。イベントはホームページ (http://blog.goo.ne.jp/kunitachipw/)でも紹介している。問い合わせは実行委(042・573・4010)。【平林 由梨】
〔多摩版〕

放射性セシウム:加美町、汚染牧草を田代放牧場に集中保管へ 6日に町民説明会 /宮城

毎日新聞 20121104日 地方版
 加美町は、農家が利用を自粛し個別に保管している1キロ当たり8000ベクレル以下の放射性セシウム汚 染牧草を、同町宮崎地区にある休止中の町営田代放牧場に一時集中保管する方針を決めた。連絡文書を回覧し、6日に町民説明会を開催。10日から搬入を始め る。同町によると、汚染牧草の集中保管は県内で初めてという。
 保管の対象は、町内の約270農家の庭先などでラップに包まれロール状で保管されている11、12年産の牧草計4500トン。町によると、これら牧草の平均濃度は約800ベクレル。
 来春、各農家が牧草を刈り取っても汚染牧草のため保管場所がなくなる見込み。町は焼却する予定だったが、国との協議で焼却施設設置の見通しが立たず、集中保管に切り替えた。保管期間は国の最終処分場の設置まで。
 放牧場は700ヘクタールと広く、近隣には人家がない。保管時は牧草ロールの上下を遮水性ビニールシートで覆い、放射線量や土壌調査を定期的に行う。
 一方、町内で約100トン保管されている8000ベクレルを超える指定廃棄物扱いの牧草は、集中保管の対象外。
 説明会は「町やくらい文化センター」で、6日午後6時半から。【小原博人】

東電「福島本社」設立へ 賠償、除染を強化

2012.11.3 11:08 放射能漏れ
 東京電力が、福島第1原発事故の賠償に関する業務や除染作業を強化するため、福島県内に本社機能を設ける方針を固めたことが3日分かった。福島に 関連する業務を「福島本社」に移す。現在の態勢を増員し、4千人超が復興業務に当たる。来週にも発表する中期経営計画に盛り込む。
 東電の意思決定は、東京の本店で実施しているが、地元の自治体や住民には「意向が十分反映されていない」との不満がある。現地の態勢や権限を増強し、賠償や復興を全力で進める姿勢を打ち出す狙いもある。
  福島本社のトップは東京本店の副社長級とし、社内から選ぶ。現在約3500人の福島関連業務の担当者を新たに500人程度増やし、事故の賠償や放射性物質 の除染、復興支援を一体的に進めていく。現地に常駐する除染の担当者も、現行の100人から3倍の300人規模に拡大する。

社説:放射性廃棄物 処分政策に向き合う時

毎日新聞 20121105日 0231
 原発から出る高レベル放射性廃棄物をどこに処分するか。これまで延々と先送りしてきたテーマである。しかし、福島第1原発の事故を経て、もはや目をつぶり続けるわけにいかないことが浮き彫りになった。
 政府は9月中旬に公表したエネルギー・環境戦略で、30年代に原発ゼロをめざしつつ、使用済み核燃料の再処理路線も維持するという矛盾した政策を打ち出した。これに対し、私たちは再処理をやめるべきだと主張してきた。
 ただし、再処理をしようとしまいと、原発を動かす限り高レベル放射性廃棄物は出続ける。原発を止めても、すでに存在する高レベル放射性廃棄物を処分しなくてはならない。本来、これを真剣に検討しなければ原発政策も決められないはずだ。
 日本では高レベル放射性廃棄物を地下数百メートルの安定した地層に埋める政策を採用してきた。しかし、 放射能のレベルが十分に下がるまで数万年かかり、安全に管理できるのか不安に思う人は多い。原子力発電環境整備機構(NUMO)が最終処分地を公募してい るが、応じた自治体はない。NUMOの側にも真剣さが感じられない。
 こうした行き詰まりに対応するひとつの方策として参考になるのが、日本学術会議が提案する「総量管理」と「暫定保管」だ。「総量管理」は、高レベル放射性廃棄物の総量に上限を設けたり、増加分を厳格に抑制したりすることを意味する。
 増え続ける廃棄物に目を背けたまま、全国54基もの原発を稼働させてきた問題を思えば、この考え方を導 入する意味は大きい。政府が、「30年代に原発ゼロをめざす」政策を誠実に進めて行く気があるなら、廃棄物の側からもその覚悟を示すべきだ。それが、「口 先だけではないか」という国民の不信をぬぐうことにもつながる。
 「暫定保管」は、取り出しが可能な状態で数十〜数百年間保管するという考え方だ。ある種のモラトリアムで、結局は問題の先送りに過ぎないとの批判はあるだろう。
 一方で、従来の地層処分が本当に妥当なのか、廃棄物処分の技術的発展が今後ありうるかを真剣に検討する猶予期間と考えることもできる。ただし、その場合には、国民一人一人が自分の問題として継続的に考えていくための工夫が必要になる。
 学術会議は、これまでの原発政策が電力を消費する「受益圏」と、廃棄物や事故リスクを引き受ける「受苦圏」を生み出してきたと指摘している。「受苦圏」には経済利益を提供することで折り合いをつけてきたが、廃棄物の最終処分問題にはそれを超える知恵が求められている。

凸版印刷、放射性物質吸着紙の強度高める

2012/11/5 0:07
日本経済新聞 電子版
凸版印刷は、放射性物質を吸着する紙の新製品を開発した。引っ張った際の強度を高めた製品と、巻き取りやすくした製品の2種類。応用範囲を従来品よりも広げた。放射性物質の最終処分場や除染作業の下敷き、汚染土壌を一時保存する家庭用袋などの用途に売り込む。
 開発したのは放射性セシウムを吸着する性質を持つ鉱物「ゼオライト」入りの紙の新製品で、製品名は「FS―ZEO(エフエス・ゼオ)」。今年3月にサンプル出荷を…

  • 輸送船に移される低レベル放射性廃棄物が入ったコンテナ=3日、東京電力柏崎刈羽原発

低レベル廃棄物搬出へ
柏崎刈羽原発・輸送船に積み込み

東京電力は3日、柏崎刈羽原発で発生した低レベル放射性廃棄物を青森県六ケ所村の日本原燃に搬出する輸送船への積み込み作業を報道機関に公開した。早ければ4日午後に出航する。
 柏崎刈羽原発の低レベル放射性廃棄物搬出は初めて。廃棄物は放射線管理区域内で使ったバルブや塩化ビニールなどの不燃物で、容量約200リットルのドラム缶に入れて保管されている。保管量は9月末現在、3万3538本。貯蔵庫は4万5千本の容量がある。
 今回は、そのうちの1400本を輸送。日本原燃の埋設センター内の地下9メートルに埋める。
 低レベル放射性廃棄物は柏崎刈羽原発構内の処理建屋で放射線量測定や分別をした後、ドラム缶の中にモルタルを入れて固型化してある。
 積み込み作業は1031日に始まり、3日もドラム缶の入ったコンテナがクレーンで専用の輸送船に移された。
 東電は今後、順次搬出するとしている。
【社会】

東日本大震災:かれき、試験焼却で安全性強調 三条市が説明会 /新潟

毎日新聞 20121104日 地方版
 東日本大震災で発生した岩手県大槌町のがれきを10月中旬に試験焼却した三条市は2日夜、同市月岡で、焼却後初めて住民説明会を開いた。国定勇人市長が自ら出席し、放射性物質の測定結果などについて説明した。
 この日は、月岡3・4丁目区自治会の約240世帯が対象で約20人が参加した。説明会は非公開で開かれた。
 参加した住民らによると、国定市長が、試験焼却で発生した排ガスから放射性セシウムが検出されなかった結果などを説明した上で、がれき焼却の安全性を強調した。
 参加した60代男性は「本格的な受け入れに関する踏み込んだ話はなかった。市長はデータを基に安全だと言っていた」と話した。
 終了後、取材に応じた国定市長は「試験焼却の結果こそが多くの方々の不安を払拭(ふっしょく)する鍵。私の口からしっかり説明しなければいけない」と述べた。説明会は各地で5日まで開かれる。【山本愛】
低レベル放射性廃棄物の搬出を報道公開
(新潟県)
 東京電力は3日、低レベル放射性廃棄物を柏崎刈羽原発から搬出して輸送船に積み込む作業を報道公開した。
  柏崎刈羽原発から運び出されているのは、構内で使われなくなったバルブや配管などの低レベル放射性廃棄物。東京電力はモルタルで固形化した廃棄物のドラム 缶1400本を輸送用のコンテナに収納し、先月31日から搬出作業を進めている。作業員が周囲の空間放射線量に異常がないことを確認した後、コンテナは輸 送船に積み込まれた。
 柏崎刈羽原発から低レベル放射性廃棄物が運び出されるのは初めて。これらの廃棄物は青森県六ヶ所村にある日本原燃の施設に運ばれ管理される。
[ 11/3 17:10 テレビ新潟]

特集社説20121105日(月)

原発災害対策 再稼働ありきで進めるな

 原子力規制委員会が、原発で事故が起きた時に住民への放射線の影響を最小限に抑えるための「原子力災害対策指針」を決めた。
 避難に備える「重点区域」の目安を原発の半径30キロ圏に拡大することが柱だ。これまでは、原発で炉心溶融が起きて大量の放射性物質が放出され るような事故を想定せず、重点区域は10キロ圏までだった。東京電力福島第1原発で過酷事故が現実に起きたことで、ようやく安全神話から一歩抜け出たと言 える。
 今後、関係自治体は指針に基づき住民避難の具体的な方法を定めた新しい原子力防災計画を来年3月までに作る。計画策定は住民の生命を守るのが目 的だ。停止中の原発を再稼働させるための手続きではない。避難先や輸送手段を確保できず実効性ある対策が立てられないなら再稼働はありえない。場合によっ ては廃炉も視野に入れるべきだ。
 住民の生命を背負う原発周辺自治体と規制庁は、それくらいの緊張と責任感を持ち、起こりうる原発事故に向き合ってもらいたい。
 全国で原発30キロ圏に入る関係自治体は、現行の15道府県45市町村から21道府県135市町村、対象人口は72万人から延べ480万人へと激増する。伊方原発を抱える愛媛県も、2市町1万8千人から7市町約13万人に増える。
 何万もの人が刻々と進む事故の下、広範囲を逃げる計画だ。規制委、都道府県、市町村の綿密な協議と連携が欠かせない。だが、その前提となる今回の指針は、大まかな骨格を示しただけで中身は不完全だ。規制委発足後1カ月余りで急ごしらえしたためだ。
 特に、住民避難を判断する際の放射線量基準や、甲状腺被ばくを避けるための安定ヨウ素剤の事前配布を含めた投与基準は、自治体の原子力防災計画づくりの根本となる最重要方針であるにもかかわらず、12月まで先送りされた。
 多くの自治体から不安や苦悩の声が上がっている。規制委は速やかに詳細な基準を示さなければならない。だからといって、日程ありきで机上の防災 計画を乱立させるような事態を招いては本末転倒だ。自治体は丁寧に住民を交えた計画づくりを進め、起こりうる原発事故への啓発の機会にもするべきだろう。
 しかし、そうして原子力防災計画を立てても、ひとたび過酷事故が起きれば完璧な危険回避など不可能だ。福島原発事故では30キロ圏の外でも深刻 な汚染が起きている。地震列島で原発を動かし続ける限り、揺れや津波による破壊に放射能災害が加わる「原発震災」の可能性は消えない。
 福島事故後の新しい原発防災は「2030年代の原発ゼロ」が大前提であることを忘れてはならない。

ラジウム投棄 除染に国費 制度創設へ 「持ち主不明」条件

2012115日 朝刊

スーパーのフェンスに掲げられた除染についての掲示=東京都世田谷区で
昨年十月に東京都世田谷区八幡山のスーパー敷地などで、持ち主不明の放射性物質が相次いで見つかった問題で、原子力規制委員会は来年度から、除染 費用などを国費で負担する方針を固めた。ただ、「発生者責任の原則」があり、持ち主不明の不法投棄に限定する。世田谷区弦巻の民家で見つかった事例は、費 用を個人に請求しており、国費と個人負担の境目が不透明な印象がぬぐえない。 (小形佳奈)
 規制委は、除染費用などを国費で負担する新制度を創設する方針で、新年度予算の概算要求に五億六千五百万円を盛り込んだ。
 国費負担を想定しているのは、昨年十月の世田谷区八幡山のスーパーと今年一月の武蔵野市の民家の事例。それぞれ敷地でラジウム226を確認した。 ラジウム入りの瓶や汚染土壌を大量に除去し、社団法人「日本アイソトープ協会」(東京)がドラム缶に密封して保管している。費用はともに億単位だ。
 文部科学省放射線規制室によれば、両ケースは、ラジウムが土中で見つかり、地権者にラジウム使用歴がないため、不法投棄の可能性が高いという。
 規制委は、国費負担の理由を「地域住民の安心安全のため」と説明する。不法投棄の産業廃棄物を都道府県が除去する場合、費用を国が一部支援してお り、今回、同じ仕組みを導入する。規制委は自治体から給付金交付の申請を受けた後、外部機関で審査し給付対象と金額を決める方針。 
 ◆「放射能除染の原理とマニュアル」の著者で京都精華大の山田国広教授の話 誰がどういう経緯で埋めたのか分からないからスーパーの件で政府が肩 代わりするなら、弦巻の民家にも同様の措置があってしかるべきだ。周辺住民に不安を与えた上、放置するのがまずいなら、除染費用を国が負担する政治的配慮 はありうる。
 <ラジウム> 天然に存在する代表的な放射性元素。大部分を占めるラジウム226は、1898年にキュリー夫妻が見つけた。半減期は1600年。 腫瘍の治療など医療用の放射線源や発光塗料に広く使われた。有害性が明らかになり、放射線障害防止法で1958年から所有や利用に、国への届け出と許可が 必要になった。

【神奈川】

幸区の小学校で高線量か 学校、再計測なく土撤去

2012113

 川崎市幸区の西御幸小学校で10月末、放射線量が市の除染目安の毎時0・19マイクロシーベルトを超すホットスポットを同区の男性会社員(49) が見つけ、学校が再計測なしに現場の土を撤去していたことが分かった。福島第一原発事故の後、市は市民から高線量の通報を受けた場合、市でも計測してから 対処しており、手順が踏まれなかったことに戸惑いの声も出ている。 (山本哲正)
 市教育委員会指導課によると、会社員は十月二十九日、校門に近い校内の側溝近くの地面で、同〇・四二二マイクロシーベルトを計測した。
 同校はこの二週間前、別の市民からほぼ同じ場所で同〇・一マイクロシーベルト(地上一メートル)を計測したとの連絡を受けて市教委に相談。「〇・ 一マイクロシーベルトなら問題はないが、心配なら掃除しては」と助言を受けたが、今回は市教委と調整する前に土を現場から取り去った。撤去した土は元の状 態とは違うため線量は調べない方針。川崎区浮島町で一時保管するという。
 指導課は「『掃除したら』と言ってあったので問題ない」としている。市放射線安全推進室も「〇・四マイクロシーベルト超なら撤去対象になるだろう」としつつ、「速やかな除去はよいが、きちんと確認すべきではなかったか」と疑問を呈す。
 母親の立場から自主計測している同市の女性は「一時は除去した土の行方まで心配した。ホットスポットがあった現実を、せめて西御幸小の保護者には説明してほしい」と望み、こう付け加える。
 「あれだけの事故だから汚染はあって当たり前。これからもホットスポットは見つかると思うが、各校には冷静な対処を求めたい」
 福島第一原発事故から、間もなく一年八カ月。ホットスポットは今夏以降も市内で見つかっている。
 学校や公園などでは昨年六月、さらに十~十一月に市が一斉調査したが、各施設の調査箇所は十カ所未満がほとんど。原発事故で降り積もった放射性物質の一部を洗い流す雨水が集まりやすい地点の数に追いつかないのが実情だ。
 西御幸小のケースは会社員の自主的な計測だった。同校児童の保護者ではなく、計測に校長の了解も得ていなかった。指導課は、この了解を得ない計測 を問題視する。学校の安全のほか、放射能対策をうたう商品セールスを懸念する声もあり、外部の市民の調査については「校長の判断」としている。
 市民の自主測定では成果が出ている。昨夏には平間公園(中原区)などでホットスポットを見つけ、市が昨秋、初めてホットスポットを意識した一斉調査に乗り出すきっかけになった。
 放射線安全推進室は、公園や道路の高線量の通報を受けることは「非常に参考になる」として、測定器の無料貸し出しもしている。が、西御幸小のケースに、同室は「学校は誰もが自由に出入りする場所でなく、微妙だ」と評価を避けた。
 保護者には、市教委や学校側に「昨年の調査で対策済みとしているのでは」との印象を持ち、「新たな測定を求めるとにらまれないか」とちゅうちょする声もある。
 同校で測った会社員は「門に近いとはいえ、黙って測ったのはまずかった。ただ子どもたちのためには、放射性物質が濃縮された場所が新たに見つからないよう、しっかりした調査を今後もしてほしい」と話している。

中部電力(9502) 野村証券で「Neutral」→「Buy

20121159:19
 野村証券は112日に中部電力(9502)の投資判断を「Neutral」→「Buy」に、目標株価を1,030円→1,100円に引き上げた。
 原発停止を背景に他の大手電力会社では 20143月期まで無配が続く可能性が高い。 
 中部電力は従来は未定としていた20133月期の配当が50円と明示されたことで配当の不確実性が低下した。
 株価下落により予想配当利回りは5.7%(今下期と来上期予想の配当計50円)と他の電力大手の4.95.1%(同社よりも1年半先の20153月期予想配当30)を上回っており、割安感があると判断。
 なお、浜岡原発の停止が長期化し、再稼働のめどが全く立たなければ、全額取崩しもしくは電気料金の値上げとなり、来下期の減配は不可避だろう。
 201312月の津波対策工事完了後に、原子力規制委員会が浜岡の安全性を判断すると見られると解説。(W
 0917分現在、中部電力(9502)の株価は、5円高(0.57%高)883円。
記事入力 : 2012/11/05 09:02

新月城原発2号機、今月中にも試運転開始へ

来年上期には商業運転開始、設備容量100キロワット級

サムスン物産が慶尚北道慶州市に建設中の新月城原子力発電所2号機が、早ければ今月中に原子炉に核燃料を注入し、試運転を経て、来年上半期に商業運転を開始する。
  新月城原発2号機は設備容量100万キロワット級で、韓国で24番目の原子力発電所だ。大宇建設が施工したほぼ同じ規模の新月城1号機は、今年7月末に商 業運転を開始した。新月城12号機が正常稼動すれば、発電量は年間164億キロワット時に達する。これは大田市の1年間の電力消費量に匹敵する。
  昨年3月に福島で起きた原発事故以降、新月城原発2号機の建設は安全性の強化が最優先課題となっていた。サムスン物産によると、新月城2号機には原子炉で 電源供給なしに作動できる水素除去設備21基が導入されるという。故障が発生すると水素を化学反応させて水に変え、水素爆発を防ぐ装置だ。非常の際に外部 から原子炉に冷却水を注入する設備や、電源供給がストップした際に使用する移動型発電車両も完備されている。
 サムスン物産 の関係者は「安全性を高めるために建物の壁を厚くした結果、新月城12号機に使われたコンクリートは計72万立方メートルに達する。アラブ首長国連邦 (UAE)ドバイに建設した世界最高層のビル「ブルジュ・ハリファ」(160階、828メートル)に使われた量の2倍に当たる」と説明した。鉄筋も133000トンで、ソウル市内にある63ビルに使われた量の17倍だという。
鄭漢国(チョン・ハングク)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
反・脱原発市民団体のみなさま
在外邦人の脱原発ネットワーク「よそものネット」の飛幡祐規(たかはたゆうき)です。
9月にたちあげのお知らせを連絡いたしましたが、その後スイス、ドイツ、イギリス、イタリア、オランダ、フランスのグループで連携を進めておりま す。日本の脱原発集会・アクションと同日に行った10月13日のパリ、バスティーユ広場での集会には、マンチェスター在住の「子ども福島・世界ネットワー ク」の本田貴文さんもスピーチを行い、オランダ在住のIWJ通信員の鈴木樹里さんが中継を行いました。ドイツのメンバーもフランスのメスで行われたアク ションに参加しました。
本田さんと鈴木さんは10月30、31日、双葉町長と集団疎開裁判の柳原弁護士が赴いた国連人権理事会(ジュネーヴ)でのUPR (普遍的定期的審査)による日本国の人権審査におけるNGO情報会議にも同行し、IWJで中継を行いました。(福島の子どもの人権を守るよう勧告したのは オーストリア1国のみでしたが、国連の場における第一歩です)
さて、きたる11月11日には首都圏反原発連合などによる東京の100万人占拠をはじめ、ふたたび多数のアクションが日本で行われるため、それに 呼応し、よそものネットでもパリ、ロンドン、ベルン、フィレンツェでアクションを催します。10月につづき、IWJ でその様子を中継する予定です。
・スイス、あじさいの会主催
http://ajisaich.jimdo.com/
・ロンドン、Japanese Against Nuke (毎金曜に日本大使館前でアクションをしています)
https://www.facebook.com/JapaneseAgainstNuclearUk
・イタリア、雪の下の種のメンバーが11月10日、フィレンツェでのFirenze10+10でアクションの予定。
・フランス、パリではフランスの市民団体「脱原発パリSNP」と共催の月例集会2回目をバスティーユ広場で行います。
スピーチ(日本・福島の状況、フェッセンハイム原発、ベラルーシ26年後など)のあいまにかんしょ踊り、国会議事堂ミニチュア御輿の包囲、沖縄の歌、反原発ソングなど。
10月13日の報告など、最後にリンクします。

11.11
のアクションに大勢が参加し、大多数の市民の声が反映されない日本の状況がよい方向にいくことを願っています。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
たかはたゆうき
よそものネット(国際)
http://yosomono-net.jimdo.com/
よそものフランスのブログ(10月13日報告)
http://yosomononet.blog.fc2.com/blog-date-20121017.html
SNP (
脱原発パリ、わたしも入っているパリの市民団体でレゾーにも加入している)のレポート(フランス語)
http://www.sortirdunucleaire75.org/actions/2012-10-13_1er_rassemblement_prise_de_la_bastille.html
子ども福島世界ネットワーク、本田さんのレポート(英語)
http://www.save-children-from-radiation.org/2012/10/17/anti-nuclear-event-in-paris/
原発事故対策 細部まで詰めなければ 1105日(月)
原子力規制委員会が決めた原子力災害対策指針は、大枠を示すにとどまった。避難の判断基準など積み残した課題が多い。
 指針を基に関係自治体が来年3月までに地域防災計画を作ることになっている。福島の教訓を踏まえ、備えを考えるときだ。曖昧さを残して原発を動かすわけにはいかない。日程に縛られず、細部を詰める必要がある。
 事故に備える「重点区域」の目安を半径10キロ圏から30キロ圏に広げたのが柱だ。対象の自治体は15道府県45市町村から21道府県135市町村になり、人口は72万人から延べ480万人に増える。長野県内の自治体は含まれない。
 半径5キロ圏の住民は、メルトダウン(炉心溶融)などが起きたらすぐに避難するとした。甲状腺被ばくを避けるため、安定ヨウ素剤を服用する。30キロ圏は、周辺の放射線量の実測値などを基に政府や規制委が判断する。
 避難の基準のほか、輸送手段の確保やヨウ素剤の配布方法など具体的な中身は先送りしている。これまでいかに「安全神話」に寄り掛かり、対策を考えてこなかったか、あらためて実感させられる。
 原発によっては、県境をまたいで避難の在り方を考えなくてはならない。国による広域的な調整が求められる。災害弱者に対する避難の支援、観光地や高速道での対応など簡単にはいかない問題が多い。計画を作る自治体から戸惑いが聞かれるのも無理はない。
 規制委が先ごろ公表した放射性物質の拡散予測では、30キロ超でも避難を要する地点があった。重点区域とするかの判断も自治体任せでは済まない。規制委としての考え方を示すのが筋だ。
 規制委の田中俊一委員長は自治体に対し、今後1カ月をめどに示すモデルに沿って年内に計画案を作るよう求める考えだ。作業を支援する意向も表明したものの、短期間で実効性のあるものができるのか、心もとない。
 田中委員長は、原発再稼働の前提として計画を重視する考えもこれまでに示している。住民が納得できる計画を作らなくてはならない。与野党の溝が埋まらず、規制委の発足が遅れた経緯もある。国は期限にこだわることなく、柔軟に対応するべきだ。
 30キロ圏の外とはいえ、長野県内も無関係ではない。近隣の原発での事故について、放射性物質の飛散を想定しておく必要がある。避難してきた人たちの受け入れ態勢もポイントになる。規制委には広い視野での検討を求める。

【東電復興本社】形だけに終わらせるな(11月5日)
東京電力が来年1月にも県内に「福島復興本社」を設置する方針を固めた。福島第一原発事故に伴う賠償や除染などを担う機能と権限を東京の本社から 移管し、県民や自治体の意向を的確に反映できるようにするという。意欲は買うとしても、賠償や除染の遅れなどを実際に解消してみせなければ意味がない。
  現在、県内に常駐している東電社員は約3,500人。このうち福島原子力被災者支援対策本部の副本部長を務める常務執行役をはじめ1,400人余りが福島 市の福島支援室や県内4カ所にある補償相談センターなどで被災者対応や賠償の相談、除染などに当たっている。復興本社は、除染担当者を現在の3倍の300 人にするなど、約500人を増員し、全体で4,000人規模にするという。
 被災者ごとにきめ細かな対応が求められる賠償業務はもちろん、今後、 本格化するであろう除染作業には多くの人手が必要になるのは確実な見通しだ。人員を増やすのは当然で、副社長級をトップに据えて現場に権限を移すことも作 業の迅速化には欠かせまい。ただ、賠償にしても除染にしても多大な費用を伴う問題であり、国の意向が進捗[しんちょく]状況を大きく左右するのは現状を見 れば明らかだ。国との交渉は欠かせない。
 遅々として進まぬ除染の推進に向けては、環境省がようやく出先機関である福島環境再生事務所に権限を移 譲し、財政支援の対象となる除染方法について事務所段階で判断できるよう基準を明確化する作業に乗り出した。東電が復興本社に権限を移せば、県や市町村を 交えて現場段階で対策を講じるための形は整う。
 東電はあらゆる機会を捉え、被災者や県民の側に立って国に働き掛けをする役割を担うべきだ。国が応じない場合は身を削ってでも取り組むという強い姿勢が求められる。それは決して除染に限ったことではない。
 県内では、東電の姿が国の陰に隠れて見えない-との声をしばしば耳にする。逆に国に代わり、県民の不平・不満のなだめ役に回っているとみる人もいる。いずれにしても事故の収束作業は別として、県民のために働いているとの印象は希薄なようだ。
  原発事故を引き起こし、国に「お伺い」を立てなければ動けない面があるのかもしれないとしても、復興本社の設置を機に県民のための組織であることを鮮明に し、県や市町村と連携して復旧・復興を具体的に進めることが重要だ。形だけ整えて終わらせてはならない。(早川 正也)

原子力規制委:大飯原発の活断層判断先送り-7日に再会合

  11月5日(ブルームバーグ): 原子力規制委員会は、関西電力の大飯原子力発電所(福井県おおい町)敷地内の断層が活断層かどうかの判断を先送りにした。現地調査後の4日に開かれた評価会合で、現地で確認された「地層のずれ」の評価を巡って見解が分かれたため、7日に会合を再度開き、関西電力 にも反論の機会を与えてさらに議論する。
調査団は2日に大飯原発を南北方向に貫く「F-6破砕帯」と呼ばれる断層について現地調査を実施。評価会合では敷地内に溝(トレンチ)を掘って確認した地 層や、ボーリング調査で採取した地層の資料の写真を基に協議した。解釈が分かれたのは敷地内北側の浜で掘られたトレンチの壁の一部に見つかった地層のず れ。
5人の調査団員のうち、渡辺満久東洋大学教授は明らかな活断層との立場をとる一方で、岡田篤正立命館大学教授は地滑りの跡だと主張した。地層が動いた時期 については、調査団の全員が125000年前以降ということで意見が一致した。再度、現地調査すべきだとの声や、地滑りの専門家を加えるべきだとの声も 上がった。
原発の耐震安全性の審査基準である耐震設計審査指針では、後期更新世(約13万-12万年前)以降の活動が否定できない断層を活断層とみなしている。国が安全審査に用いる手引きでは、原子炉など耐震安全上重要な施設を活断層の上に設置することを認めていない。
渡辺氏は大飯原発では「最重要施設の直下に活断層が存在する」、「F-6意外にも活断層が敷地内に存在する」との考えを強く主張。再調査を行い慎重な判断 をすべきだとの意見については「のんきな学術調査ではない。ないことを裏付ける調査は不要。原発をすぐに停止し、すべてを調べ直す覚悟で調査すべきだ」と 持論を展開した。
判断は「非常に難しい」
会合終了後に会見した島崎邦彦・原子力規制委員会委員長代理は、二分した見解を今後どうやって最終的な判断にまとめるのかについて、「きょうの議論でもわ かる通り、非常に難しい」との懸念を示した。追加の現地調査実施については「まだ決めていない」としたうえで、「日程を合わせることが難しい」と語った。
国内で唯一運転をしている大飯原発の安全性をめぐっては、渡辺氏は以前から疑問を呈していた。周辺の活断層が動く際にF-6破砕帯が連動して動く可能性が 否定できず、その同破砕帯の真上に緊急時に冷却用の海水を原子炉に送る非常用取水路にダメージを与える恐れがあると指摘していた。
原子力規制委の前身である原子力安全・保安院は7月、関西電力に対して大飯原発の同破砕帯の追加調査を指示。関電は1031日、後期更新世以降の活動を示唆するものはないとする調査の中間報告を発表していた。関電は年内に最終報告書をまとめる。
規制委の田中俊一委員長は9月末の会見で破砕帯調査で活断層の有無を調べ、結果が「グレーや黒なら止めていただく」と運転停止を求める方針を示していた。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 岡田雄至 yokada6@bloomberg.net;東京 Tsuyoshi Inajima tinajima@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Alexander Kwiatkowski akwiatkowsk2@bloomberg.net
更新日時: 2012/11/05 08:27 JST

【放送芸能】

今を生きる人間ドラマ 原発題材の舞台 演出家に聞く

2012115日 朝刊

 原子力発電所を題材にした舞台が相次いで上演される。劇団俳優座「いのちの渚」と、劇団昴「石棺-チェルノブイリの黙示録」。反原発を声高に訴えたり原発の是非を問うものでなく、ていねいに人間ドラマを描く。舞台の鍵を握る演出家に話を聞いた。 (山岸利行)

◆個人の自立、提示したい

劇団俳優座「いのちの渚」は、ジャーナリストとして原子炉の構造的欠陥についても指摘してきた吉原公一郎さんが二十年ほど前に書いた戯曲を改稿し た。原子力発電所に勤める夫が不審死。妻は夫が発電所の不正を内部告発しようとしていたことを知り、夫が持っていたその関連書類の処置を迫られる。会社に 返すべきか、それとも事実を公表すべきか。
 「細かい描写はドキュメンタリーにはかなわない。『こうだった』と事実を提示するのは報道の仕事。演劇の役割は人間ドラマをしっかり見せることだ と思う」と演出の落合真奈美。作品では、夫が家族に隠してまで、なぜ内部告発しようとしていたのかを知るため、夫の死をきっかけに妻が立ち上がる姿が描か れる。
 「その人に今何が起きているかが大切。そして、次のステップにどう進むべきかを、しっかり考える。そうした個人の自立が提示できれば」と落合。
 東京電力福島第一原発事故以後、「『原発反対』と言っていれば済むムードになっているのでは」と世の中を観察しつつ、「情報をうのみにして時代の流れに追随するのではなく、個人がそれぞれの生活の中で考えてちゃんと答えを出していく、そうした人間を描きたい」という。
      ×
 「いのちの渚」は七~十八日、東京・六本木の俳優座劇場。神山寛、小笠原良知、中吉卓郎らの出演。五千二百五十円、四千二百円。劇団俳優座=(電)03・3405・4743。

◆日本の現状を照射する

劇団昴「石棺」は、旧ソ連時代に起きたチェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)が題材。共産党機関紙プラウダの記者だったウラジーミル・グーバレフさんが現場を取材し、事故後二カ月で書き上げた。
 舞台は放射線安全対策研究所。4号炉で事故が発生、被ばく者が次々と隔離病室に運び込まれる。医師らによる懸命な治療が続く中、物理学者は被ばくしてもなお「原子炉は現代科学の粋、奇跡」という。時間が経過するにつれて人々は事の重大さを知ることになって…。
 日本初演(87年)の舞台を見た翻訳・演出の青井陽治は「激しい怒りに裏打ちされた作品という印象だった」と振り返る。今回の上演にあたっては 「福島第一原発事故を抱える日本だからこそ、ちゃんと向き合わなければならない。パニックの中で、運び込まれた一人一人が発する言葉に重みがある。そこに 表された人の営みを提示できたら」と話す。
 作品はジャーナリストの克明な目で書き上げられ、発表されたが、これは旧ソ連のゴルバチョフ書記長(当時)が情報公開を推進していたからだといわ れる。「日本ではさまざまな情報が隠蔽(いんぺい)されて、旧ソ連の方が開放的だったのでは」と青井。「チェルノブイリが題材ですが、舞台は今の日本を照 射している。今日を生きる人間のドラマです」
      ×
 「石棺」は八~十四日、東京・高円寺の座・高円寺2。山口嘉三、一柳みる、金尾哲夫らの出演。五千円。劇団昴=(電)03・6907・9220。

大飯原発調査 活断層見方強まる 結論は持ち越し

2012115日 朝刊

 関西電力大飯(おおい)原発(福井県おおい町)の敷地内にある「F-6断層(破砕帯)」が活断層かどうか現地調査した原子力規制委員会の調査チー ムは四日、都内で会合を開いた。チームは、北側の試掘溝(トレンチ)で見つかった岩盤のずれと割れ目の二つに注目し、F-6断層が活断層であるとの見方を 強めたが、結論は七日の次回会合以降に持ち越した。 
 会合では、規制委の島崎邦彦委員長代理を除く四人がそれぞれの見解を示した。渡辺満久・東洋大学教授は、岩盤のずれができたのは、上部の地層との関係などから十二万~十三万年前以降だとし、「活断層で、原発の運転をすぐに停止して調査すべきだ」と主張。
 立命館大の岡田篤正教授は、一方の岩盤の割れ目について、割れ方や石の入り込み方から「二回動いている」と指摘。ただし、「活断層と考えるには、断層の状態が異様。(山肌がずれ落ちる)地滑りが原因ではないか」とも述べ、活断層の証拠にはなりにくいとの見方を示した。
 問題提起を受け、議論に入り、岩盤のずれと割れ目ができた年代は、すぐ上が九万五千年前の地層であることから、原発の設計上考慮すべき十二万~十三万年前以降との見方では一致した。ただ、これらが断層活動によってできたのか、地滑りによるものなのかは議論が分かれた。
 議論が平行線になったため、島崎氏が会合を打ち切った。七日の会合では関電から説明を求めた上で、再び議論する。調査チームが活断層である可能性が高いと判断すれば規制委は関電に再稼働した3、4号機の運転中止を求めることになる。

「脱原発の都知事を」市民ら擁立模索 住民投票実現目指す

2012115日 朝刊

都知事選の候補者擁立に向けて話し合う参加者ら=4日、東京都千代田区で
東京都の石原慎太郎前知事の辞職に伴う都知事選に、脱原発のグループが候補者を擁立する動きを水面下で進めている。参加者の多くは、昨年三月の東 京電力福島第一原発事故をきっかけに、政治にかかわろうと活動する人たち。千代田区内で四日、会合を開き、参加した約五十人が候補者擁立に向けて話し合っ た。 (都政取材班)
 「原発についてわれわれ都民の意見を聞いてくれる人を選びたい。恥ずかしい話ですが、前回の都知事選はだれに投票したか覚えていない。今回は当事者として候補者選びにも取り組む」。会合に参加した目黒区の会社員遠藤淳一さん(48)はこう話す。
 遠藤さんは、原発の是非を問う都民投票条例の制定のため今年一月から署名集めに参加。「署名が集まっていないと聞き、何かしなくちゃと飛び込んだ」。目黒区内の全駅前にある商店街を回り、協力を求めた。
 三十二万筆の有効署名が集まったが、六月の都議会で否決された。遠藤さんは、その後立ち上がった市民グループ「『原発』都民投票の会」に参加。政治的中立を掲げる会とは別に、個人として候補者選びにかかわる。
 前回の都知事選は、原発事故の約一カ月後に行われ、石原氏が四選。遠藤さんは「あの時は、強いリーダーシップのある石原さんでいいという雰囲気で、原発をどうこうする思いはなかった」と後悔する。それが、突然の辞職で「再びチャンスが回ってきた」という。
 脱原発のグループが都知事選にかかわるのは、東京電力の主要株主の都が東電に脱原発を迫ったり、原発の是非を問う住民投票の実現を目指したりするほか、衆院選の前哨戦として世論の流れを変えたいという考えから。
 四日の会合では、貧困問題に携わる団体の幹部や、市民派の弁護士らの名前が挙がった。会の名称を「私が東京を変える」とし、週内にも候補者を絞り込む方針だ。
 呼び掛け人の市民団体「みんなで決めよう『原発』国民投票」事務局長の今井一氏(58)は「これまで一部の知識人や政治家が候補者を選んできたが、われわれ市民の手で決めるべきだ」と意義を語った。

大飯原発の破砕帯、判断至らず 規制委、7日再び会合

2012115日午前710分)
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は4日、関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷 地内にある「F―6断層(破砕帯)」が活断層かどうかを評価する会合を開いた。敷地北側の海沿いにあるトレンチ(試掘溝)で見つかった亀裂が、活断層の条 件の一つとなる13万~12万年前以降にずれたとの認識で一致したが、ずれの原因が地滑りである可能性も指摘され、活断層との判断には至らなかった。7日 に再び会合を開き、検討を続ける。
 現地調査団の島崎邦彦委員長代理(東京大名誉教授)は終了後、記者団に「地滑りなら、ごく限られた地域なので特に大きな問題にはならない」と表明。7日の会合では反論を含めて関電から意見を聞く考えを示した。
  敷地北側の試掘溝の亀裂について関電は、ずれている地層は13万~12万年前より古く、小規模な地滑りが原因としている。これに対し、活断層が専門の渡辺 満久東洋大教授は「13万~12万年前ごろの地形がずれており、敷地内に活断層があることは確実だ。すぐに運転を停止して調査するべきだ」と主張。広内大 助信州大准教授も「地滑りで説明するのは難しい」とした。
 一方で、破砕帯内の岩石などの分析が専門の重松紀生・産業技術総合研究所主任 研究員は「地滑りの専門家らも入れ、もう少し調査をして判断すべきだ」と指摘。元日本活断層学会会長の岡田篤正立命館大教授は「地層はずれており活断層に みられる特徴もあるが、局所的な地滑りの可能性がある。さらに調査が必要で、先走って結論を出すのは危険だ」と訴えた。
 規制委の評価会合を受け関電は4日、「引き続き調査を着実に実施し、審査には真摯(しんし)に対応したい。次回の有識者会合で当社の考えをしっかりと説明していく」とコメントした。
 F―6断層は敷地中央をほぼ南北に走り、3、4号機の冷却に用いる重要設備「非常用取水路」の真下を通っているとみられる。国は活断層の上に重要設備をつくることを認めておらず、活断層の疑いが強まれば、規制委は稼働中の3、4号機の運転停止を関電に求める方針。



活断層評価、結論出ず=調査の専門家、7日に再会合―大飯原発破砕帯・規制委

  • 2012115日  6:38 JST
関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内にある岩盤の亀裂(破砕帯)に活断層の疑いが指摘されている問題で、原子力規制委員会は4日、2日に実施し た初の現地調査の結果を検討する会合を東京都内で開いた。破砕帯が、活断層とみなされる約12万〜13万年前以降に動いた可能性が高いことでは一致した が、その原因が地震活動によるものかどうかで意見が分かれ、結論は出なかった。規制委は7日に再度会合を開き、関電からも意見を聞くことを決めた。
 会合では、調査団のメンバーで以前から危険性を指摘してきた渡辺満久東洋大教授が「敷地内に活断層があるのは確実」と断言。一方、重松紀生産業技術総合研究所主任研究員や岡田篤正立命館大教授は、現時点では結論が出せず、さらに調査が必要と指摘した。
 終了後、取材に応じた元地震予知連会長の島崎邦彦委員長代理は、破砕帯を含む地層が動いた時期が約12万年前より新しいとの認識で一致したと述べた上 で、「活断層ではなく、仮に地滑りであれば(影響は)ごく小さな範囲なので大きな問題にはならない」と説明。「今の段階では、活断層と地滑りのどちらかに 絞ることはできない」とした。
 規制委が破砕帯を活断層と判断すれば、全国で唯一稼働中の大飯原発は運転停止を迫られる事態になる。 
[時事通信社]

ネット会議:原発・原爆、学び伝え 福島・南相馬と長崎の高校生交流

毎日新聞 20121105日 東京朝刊
 東京電力福島第1原発事故に見舞われた福島県南相馬市の県立原町高と、原爆を投下された長崎市の私立活 水(かっすい)高の生徒が4日、インターネット会議システムを使って、原発事故や原爆の被害をどう伝えていくかについて意見交換した。原町高生は被災地か らの情報発信を報告、活水高生は核兵器廃絶活動や平和学習について紹介した。【高橋秀郎】
 国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎市)が開催している長崎国際平和映画フォーラム2012の特別企画として行われた。
 原町高生はチェルノブイリ原発事故と福島をテーマにした地元在住の詩人、若松丈太郎さんの18年前の詩 「神隠しされた街」を朗読。原発から10キロの浪江町から避難している沼能(ぬまのう)奈津子さん(3年)は「避難生活がどうなるのか見通しが立ちませ ん」と報告した。高山風優香(ふゆか)さん(3年)は「どれくらい被ばくしているのか。将来の赤ちゃんがどうなるのか。全てが不安ですが、前に進むしかな い」と語った。
 活水高生は、広島と長崎で被爆した故山口彊(つとむ)さんの手記「二重被爆−原子雲の下に生命を伏せて」と同校の「平和宣言」を朗読。司会の宮本佳奈さん(2年)は「手を取り合ってこれからの世代に伝えていきましょう」と結んだ。
 長崎市の被爆者で福島の高校生と交流している広瀬方人(まさひと)さんは「放射能被害を起こさない運動をしてきたのに、再び不安にさらされる人を出してしまった。おわびしたい気持ちだ」と語った。
 南相馬の会場を訪れた若松さんは「福島の問題は進行中です。長崎から学ぶことはたくさんあります。若いみなさんの支援をいただきたい」と語った。

被災地支援へオリジナルキャラ商品 真岡の橋爪さん

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【真岡】東日本大震災と原発事故で被災した福島県の子どもたちを支援しようと、荒町4丁目、エ レクトーン講師橋爪弘子さん(52)はこのほど、考案したオリジナルキャラクター「ギャルケロ星人」を使ったチャリティー活動を始めた。グッズ販売の収益 をふるさと楢葉町の小中学生に届ける取り組み。橋爪さんは「福島の現状に目を向けてもらい、子どもたちの心に少しでもゆとりが生まれるような支援をしてい きたい」と協力を呼び掛ける。  同町は8月に立ち入りが自由にできる避難指示解除準備区域となり、橋爪さんも機会をみては一時帰郷しているが「町はいまも廃虚のよう。とても住め るような状況ではない」と話す。子どもたちのこれからの生活を憂えた橋爪さんは「やれることをやろう」と一念発起。以前創作した本の中で描いたキャラク ターを商標登録し、活動に乗り出した。
 ギャルケロはつけまつげを付けた“ギャル”とカエルを組み合わせた「サリンサ星」の生物という。宇宙から地球を見守るギャルケロが描かれたTシャ ツ(価格2800円)やワッペン(1千円)など現在8種類のグッズを予約販売中で、収益は楢葉町教育委員会を通じ、いわき市内に移った同町の小中学校3校 で活用してもらう。
 活動の和はネットを通じて徐々に広がっているといい、下籠谷の焼き肉店前には巨大な人形がお目見えした。詳しくはフェイスブックの「サリンサ星」。問い合わせは橋爪さん電話090・6478・7066(携帯)。

大飯、活断層の判断先送り 原子力規制委、7日に再検討 (1/2ページ)

2012.11.5 05:00
関西電力大飯原発。左から4号機、3号機、2号機、1号機=4日、福井県おおい町
関西電力大飯原発。左から4号機、3号機、2号機、1号機=4日、福井県おおい町【拡大】
 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内をほぼ南北に走る「F-6断層(破砕帯)」について、原子力規制委員会 (田中俊一委員長)の現地調査団は4日、都内で開いた会合で検討したが、活断層との判断には至らなかった。地滑りの可能性を指摘する意見もあり、7日に再 び会合を開いて議論する。
 F-6断層は稼働中の3、4号機(出力各118万キロワット)の冷却に用いる重要設備「非常用取水路」の真下を 走っているとみられる。会合では、調査団が撮影した試掘溝の壁面やボーリングで採取した試料の写真などを基に意見を交わした。国は活断層の上に重要設備を つくることを認めておらず、活断層の疑いが強まれば規制委は3、4号機の運転停止を求める方針だ。
 実際に大飯原発が稼働停止となれば、政府や関電は今冬の電力需給対策の練り直しを迫られる。停電回避に向けて電力融通や火力発電所の検査先送り、数値目標付き節電目標導入といった対応が必要となり、経済産業省も「本格的な冬の訪れまで時間がない」と懸念する。
 関電は3、4号機が停止すれば、夜間の余剰電力を使う揚水発電も減少し、2013年2月時点の供給予備率(最大需要に対する供給余力)がマイナス13.4%に低下するとの見通しを示している。
 電力の不足分を補うため政府が有力な対策と見込むのが、関電と周波数が同じ中部、北陸、中国、四国、九州の5電力か らの電力融通だ。ただ、九州電力なども原発の稼働停止で電力需給にあまり余裕がない。政府の試算では、5社の供給予備率が安定供給に最低限必要な3%に低 下するまで融通しても関電の予備率はプラスにならず、13年1月時点でマイナス1.7%と43万キロワットの電力が不足する。
 関電は代替電源として、13年1月に定期検査入りを予定する海南火力発電所3号機(和歌山県)の稼働を続けるとみられる。だが同発電所の出力は60万キロワットで、電力融通分と合わせても予備率は3%に達しない。
  そのため、今冬の北海道で導入する数値目標付き節電目標の検討が避けられそうにない。さらに西日本の各電力が関電に融通する場合、電力需給にある程度の余 裕を持たせるため、関電と同様の対応が必要になる可能性があり、政府が2日に決定したばかりの今冬の電力需給対策は抜本的な見直しを迫られる。
 関電は「今後も審査には真摯(しんし)に対応する」としている。ただ、調査団による評価には「短期間でどこまで本当のことが分かるのか」(幹部)といった疑念を抱えているのも実情だ。

【ビジネスアイコラム】政権に原発ゼロの覚悟はあるか (1/2ページ)

2012.11.5 05:00
 産経新聞の九州・山口版で9月末から企画「九州から原発が消えてよいのか?」を長期連載している。タイトル通り、原 子力発電の重要性を九州産業界などの声を集めながら分析しているが、地域版のみの掲載なので九州、山口県以外の在住の人にはネット「MSN産経ニュース」 でぜひ読んでほしい。
 そこで連載開始以来、九州・山口の読者から一貫して寄せられる声が「現在の民主党政権に“原発ゼロ”の覚悟が本当にあるのか」という疑問である。
 思いだしてほしい。政権交代を果たした民主党の鳩山由紀夫首相(当時)が国連総会で「温室効果ガスを2020年に1990年比で25%削減する」と唐突に表明してから、まだ3年しか経過していない。この鳩山発言は、「原発依存」を国際公約したものだった。
 だが、昨年3月の福島第1原発事故以降、民主党政権の迷走は止まらない。同じ政権の菅直人元首相が、突如として「脱原発依存」を打ち出して鳩山発言を全否定。現在の野田体制になってもこの姿勢に変化はない。
 しかも迷走はとどまるところを知らない。野田政権は「革新的エネルギー・環境戦略」で2030年代に「原発ゼロ」を打ち出したものの、肝心の電源構成がいまだに分からないまま。エネルギー政策と呼べる代物ではないし、電源構成を明示できねばそれはもう政策とはいえない。
無策ぶりは九州にいるとよく分かる。自動車、鉄鋼など特定産業への依存率が高く、安価で安定的な電力供給が欠かせな い地域だからだ。だが戦略発表後、関係者の口をついて出るのは「肝心の電力コストがどうなるのかさっぱり分からない。事業計画も立たない」という本音ばか りだ。現実に電気料金が2倍に跳ね上がるといった試算は出ているものの、肝心の政府試算はない。
 深刻度は増す一方だ。九電の燃料調達費の増加で今年上半期の九州・山口・沖縄地区の貿易収支は3955億円と記録的赤字を計上した。九電が連日十数億円の赤字を垂れ流した状態で火力発電所をフル稼働させた結果がこの数字である。
  「とにかく一日も早く原発を動かさないと九州だけでなく日本経済が大変なことになる。原発を止めることによる燃料コスト増加はざっと年間で3兆円。放って おけばすぐに10兆円単位になる。民主党政権がどんな覚悟を持ってこの“原発ゼロ”政策を続けるのか、正直、許せない気持ちだ」
 今年3月 に九電会長を退いた松尾新吾相談役は、事あるごとに講演などの場で窮状を訴えている。全国の原発でも最も強固な岩盤に建ち、歴史上、津波の記録もない玄海 原発を備える九電が“倒産”する事態すら絵空事ではない。避けられない電力料金の大幅値上げ、さらには電気事業法の存亡まで視野に入れての本当の意味での 覚悟があるのか。そこを問いたい。(産経新聞西部代表 鶴田東洋彦)

大飯原発の断層 7日に再度評価へ

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大飯原発の断層 7日に再度評価へ

国内で唯一運転している福井県の大飯原子力発電所の断層を巡って、国の原子力規制委員会は現地調査 をもとに活断層かどうか評価する会議を4日に開きましたが、「地層のずれ」について、活断層によるものかどうか専門家の間で見解が分かれ、結論は出ません でした。規制委員会は7日に改めて評価するための会議を開き、議論することになりました。
国の原子力規制委員会は、大飯原発の敷地を走る「F-6破砕帯」という断層が活断層かどうかを検証するため、島崎邦彦委員と専門家の合わせて5人が、今月2日、現地調査を行い、4日、調査結果を評価する会議を開きました。
こ の中で、敷地の北側の「トレンチ調査」の現場にある「地層のずれ」に議論が集中し、東洋大学の渡辺満久教授が「上にある堆積物の分析などから活断層がある のは明らかだ」と主張したのに対し、立命館大学の岡田篤正教授は「『地層のずれ』は地滑りでもできるので、活断層とすぐに判断できない」と指摘し、専門家 で見解が分かれました。
そして島崎委員が「活断層だと考えても矛盾はないが地滑りの可能性もある」と述べて、7日に改めて評価するための会議を開き、議論することになりました。
専 門家の見解が分かれたことについて、東北大学の遠田晋次教授は「活断層かどうかは地層の断面の情報をもとに推察するしかなく、限られた情報で判断するので 難しい。岩盤や地層などの専門によって視点が違うので、いろいろな解釈が出てくるのは避けられない」と分析しています。
7日の会議では関西電力から説明を聞くことにしていますが、規制委員会は活断層だと判断した場合には大飯原発の運転停止を求める考えを示していて、どのような科学的な根拠をもとに判断するのか注目されます。

これまでの経緯

「断層」の一種、「破砕帯」は地層や岩盤にある細かく砕かれた岩石が帯状に延びたもので、構造上、周辺に比べて弱く、近くにある別の断層が動くと一緒に動くおそれもあり、活断層の可能性もあると指摘されています。
関西電力は、福井県の大飯原子力発電所の敷地にある破砕帯10本のうち、最も長いおよそ900メートルの「F-6破砕帯」について、3号機と4号機の建設前の昭和60年に「活断層ではない」という評価をまとめ、国もその評価を「妥当だ」としていました。
ところが、去年3月の巨大地震で各地で断層の活動が以前より活発になり、専門家から原発の破砕帯についても調査の必要性が指摘されました。
大飯原発を巡っては、ことし6月、一部の専門家から建設前に描かれた破砕帯のスケッチ図について「上の地層がずれているように見えるので活断層である可能性が否定できない」という指摘が出ました。
また、7月の保安院の専門家の会議では、大飯原発のF-6破砕帯を巡り「活断層ではないと思う」という意見が出た一方で、関西電力の資料に不備が多く、活断層を否定するデータが不十分だという意見が相次ぎました。
こうした結果、保安院は、大飯原発を含む全国6か所の原発について、電力会社などに追加の再調査を指示し、この問題を引き継いだ原子力規制委員会が現地調査を行うことになりました。
原子力規制委員会は今月2日、地震学が専門の島崎邦彦委員と活断層や地質学などの学会から推薦された専門家4人が大飯原発で現地調査を行いました。
調査はおよそ8時間にわたり、問題となっている破砕帯が活断層かどうかを調べるため、敷地の北側に掘られたトレンチ調査の現場で地質の様子を確かめたり、ボーリング調査で抜き取られた筒状の地層の固さや性状などを確認しました。
一方、関西電力は先月31日、「現時点では活断層とはみられない」とする中間報告をまとめています。

大飯原発:「活断層ある」「地滑り否定できず」判断割れ

毎日新聞 20121104日 2150分(最終更新 1105日 0238分)
大飯原発敷地内の破砕帯に関する現地調査の評価会合で、岡田篤正立命館大教授(左)と意見が食い違い議論しあう渡辺満久東洋大教授=環境省で2012年11月4日、宮間俊樹撮影
大飯原発敷地内の破砕帯に関する現地調査の評価会合で、岡田篤正立命館大教授(左)と意見が食い違い議論しあう渡辺満久東洋大教授=環境省で2012年11月4日、宮間俊樹撮影
関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内を通る断層「F−6破砕帯」に活断層の疑いが指摘されている問題 で、現地調査した原子力規制委員会の調査団(5人)は4日、東京都内で結果を検討した。敷地北端の調査溝で新たに見つかった地層のずれを、「活断層」とみ るか「地滑り」とみるかで意見が分かれ、結論は出なかった。7日に再び会合を開き、関電の意見を聞いたうえで議論する。会合では、2日の現地調査を踏ま え、新たに見つかった地層のずれが、国の耐震設計審査指針で活断層とみなされる12万〜13万年前以降に動いた可能性が高いことでは意見が一致した。ただ し、動いた原因が地震に伴う活動か、地滑りかで委員の見解が真っ二つに分かれた。また、このずれが、2、3号機の間をほぼ南北に走るF−6破砕帯と関係す るかについても、意見が対立したままだった。

 ◇7日に再議論へ

以前から危険性を指摘してきた渡辺満久・東洋大教授は「敷地内に活断層があるのは確実」と指摘。これに 対し、重松紀生・産業技術総合研究所主任研究員と、岡田篤正・立命館大教授は「現時点では活断層があるとみなすことはできない」として、さらに調査が必要 との見解を示した。
 会合後、島崎邦彦委員長代理(前地震予知連絡会会長)は報道陣に「今の段階で活断層か地滑りか、絞ることはできなかった。地滑りなら起こるのは限定的なので、F−6破砕帯とのつながりはなく、問題にならない」との認識を示した。
台場浜のトレンチ下部の地層
問題のずれは、敷地北端の台場浜付近の関電が掘った調査溝(トレンチ)で見つかったが、関電は10月31日の中間報告で「地滑り」と主張している。
 F−6破砕帯の真上には、非常時に原子炉の冷却用海水を送る重要施設「非常用取水路」が通っているとみ られる。国が安全審査で使う手引では、活断層の上に重要施設を造ることを認めていない。大飯原発は、全国で唯一稼働しているが、規制委は活断層と判明した 場合、関電に運転停止を求める方針だ。
 大飯原発の破砕帯問題は、東日本大震災後、動かないと考えられてきた福島県内の断層が動いて地震が起きた例をきっかけに、旧経済産業省原子力安全・保安院が全原発を対象に再点検し、浮上した。【岡田英、畠山哲郎】

 ◇破砕帯◇

 地下にかかる圧力によって地層がずれる断層活動の痕跡の一種で、ずれた断層面に沿って押しつぶされて砕けた岩石が帯状の層となって表れたもの。厚さ数センチ〜数メートルの場合が多く、大きな断層は大規模な破砕帯を伴うことが多い。

113日大阪扇町公園で「命を切り捨てる原発NO!非正規NO!橋下NO!」をテーマに大阪団結まつりが開催された。
多数の模擬店テントやミニ広場の中、メインステージで『子ども全交獅子』が始り、
福島原発告訴団から・沖縄オスプレイ配備反対撤回米兵暴行糾弾・福島避難者・朝鮮高等学校無償化を求める訴え・入れ墨調査拒否処分撤回させる会と当該の訴え・大飯原発を止めよう・韓国コルテック争議団の訴えの発言があった。
ライブはテーマごとに順番に行われた。
戦争を許さず平和な世界を
「月桃の花」歌舞団 エイサー 「制服向上委員会」ダッ!ダッ!脱原発
俺たちは人間だ
「ヨン・ヨンソク」韓国民衆歌謡
ぶっとばせ!橋下の首切り、民営化
「ジョニーH」TATOOお前こそ(スチュワーデスのコスプレで) 「寸劇」アテンションプリーズ・橋下 「月桃の花」歌舞団ミニミュージカル・パラレルワールド
大飯を止めよう原発廃炉へ
「アンブレラ」 「天真爛漫」 「制服向上委員会」「橋本美香」
最後は争議団が全員登壇して「団結がんばろう」を轟かせた。(ジョニーH)
平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会のおおた幸世(大田幸世)さんのブログ→ http://blog.goo.ne.jp/yukiyoohta/e/8d3616061446df2b5ee9d43a1e4ae08e
団結まつりに参加しました    天気の恵まれた「まつり日和」だった。扇町公園で模擬店を楽しみながら、舞台での訴えを聞いていた。屋外の机を囲み、話し合う姿も多く見受けられた。  多くの方面からの参加者があった。福島原発告訴団の人。朝鮮学校無償化を求める朝鮮学校の当事者の方、多くの争議団の方・・。そして、韓国からの労働争議を闘っておられる方。  かけつけたアーチスト達が舞台を充実させていた。天真爛漫、アンプレラ、「月桃の花」歌舞団、制服向上委員会、ジョニーH、そして韓国を代表する民衆歌手ヨン・ヨンソクさん。   手作りのまつりに、こんなにもさまざまな人たちが同じ場所に集い、命を切り捨てる原発を止めようと考え、非正規という雇用形態を変えようし、大阪市の橋下市長にNO!と言い切る。年齢幅も広く元気になる1日だった

「明確な活断層だ」「まだ断定できない」…大飯原発会合詳報 

2012.11.5 01:18
原子力規制委員会の会合に出席した東洋大の渡辺満久教授(右)と立命館大の岡田篤正教授。激しい議論を展開した=4日、環境省(鈴木健児撮影)
原子力規制委員会の会合に出席した東洋大の渡辺満久教授(右)と立命館大の岡田篤正教授。激しい議論を展開した=4日、環境省(鈴木健児撮影)【拡大】

 関西電力大飯原発(福井県)の敷地内断層について4日、議論した原子力規制委員会の専門家調査団。「明確な活断層だ」「まだ断定できない」。同じ地層でも見解は分かれた。3時間近く議論が続いた会合での調査団メンバーの主なやりとりを再現した。
  《冒頭、調査団が2日の現地調査で撮影した試(し)掘(くつ)溝(こう)壁面の写真などが示された。渡辺満(みつ)久(ひさ)・東洋大教授が調査終了後、 「F-6断層(破砕帯)」の延長とみられる断層を確認したと明らかにした場所だ。概要説明の後、メンバーが意見を述べた》
 広内大助・信州大准教授「関西電力は断層は地滑りによるものと説明しているが、地滑りと断定するのは難しい。トレンチ(溝)の上が見えないので、奥へ掘り下げて確認する必要がある」
 《関電の地滑り跡との説明に懐疑的な見方を示す。さらに、沖合の海底を調べた音波探査データについて指摘した》
 「何も断層は見られないとなっているが、筋状の構造が見える。これをみて何もないと判断するのは難しい。断層の可能性もあると思っている」
 重松紀生・産業技術総合研究所主任研究員「破砕帯だけで判断しろというのはむちゃな要求だと思っていた。断層粘土だけで判断するのはかなり難しい」
 《重松氏は、活断層かどうか判断するには、地下の層にどのように力が加わっているか調べ、破砕帯を構成する物質を分析する必要があると強調した》
 渡辺氏 「これは活断層であると判断した。大飯原発の最重要施設の直下に活断層は存在する。F-6以外にも活断層が存在する。これらが見落とされ、現在になって問題が顕在化した。これまで確認できないことを『活動していない』とごまかしてきた」
 《断層の危険性を指摘し続けてきた渡辺氏が主張するように活断層だとすれば、大飯原発が運転停止に追い込まれるのは必至だ》
 「あえて言うと、『結論はまだ早い』『慎重に』という意見はいらない。これはのんきな学術調査ではない。原発ををすぐに停止し、調べ直すのはその後でやるべきだ」
  岡田篤正立命館大教授「学術的に冷静な対応が必要だ。全体として、まだこれを活断層ということができない。状況証拠、調査中のものもある。場合によって は、地滑りの専門家ら学会の幅広い識者を含めて分析すべきだ。私はあえて『ずれ』と言っている。断層運動と即断はできない。むしろこのような構造は地滑り 的に見える。局所的な現象だけで、先走って結論づけるのは非常に危険だ」
 《活断層かどうかの判断をめぐり見解が分かれた。一方、地層のずれが生じた時期については、4人の見解がほぼ一致した》
 広内氏「12万5千年くらい前と考えると、その判断がおかしいとは思わない」
 《断層の活動時期が13万~12万年前の「後期更新世」以降のものが「活断層」とみなされてきた。団長役を務めた原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理が内容を整理した》
 島崎氏 「(地層のずれは)12万5千年前以降のものとみられる。それが活断層によるものと考えても矛盾はないが、地滑りの可能性がある。それは一致した結論である」

大飯断層、結論先送り…将来動くかは判断できず

関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)で、原子力規制委員会の専門家らが現地調査した結果、地層の動いた痕跡が見つかり、活断層の疑いがあることがわかった。
 4日開かれた専門家らの評価会合で報告された。かねて活断層の可能性が指摘されていた破砕帯(断層)の「F―6」より 東にある。将来も動く活断層かどうかは専門家の見解が分かれ、判断できなかった。規制委は7日に関電を呼んで再び会合を開き、同社による調査結果などを詳 しく説明させる。
 問題の痕跡は、島崎邦彦・委員長代理(66)ら専門家が2日に現地調査した際、海岸近くの地層調査用の溝(トレンチ)で発見した。地層の様子か ら、原発の耐震設計審査指針で活断層の判断基準としている「12万~13万年前以降」にできたとの見方で、専門家らの意見が一致した。
 関電は、このトレンチで活断層は見られないとしていたが、渡辺満久・東洋大教授(56)は4日、今回の痕跡を「明らかな活断層」と断言した。渡辺 教授は、従来「F―6」とされていた位置が誤っており、今回の場所が「F―6」の一部だと推測。そこから陸側へ長く延び、原発の重要設備「非常用取水路」 の真下を横切っていると主張した。
 しかし、今回の痕跡について、岡田篤正・立命館大教授(70)は「地滑りによっても生じる。(活断層と)即断はできない」と述べた。局所的な地滑 りならば取水路には影響しない。一方、従来「F―6」とされた場所については、現地調査で断層が認められず、議論されなかった。
20121150025分  読売新聞)

大飯原発:断層、再調査も…運転継続の行方見えず

毎日新聞 20121105日 0024分(最終更新 1105日 0107分)
焦点となった地層の場所
焦点となった地層の場所
「先走って(活断層との)結論を出すのは危険」「明らかに活断層。すぐ原発を止めて調べるべきだ」。関 西電力大飯原発の活断層問題に関する4日の原子力規制委員会の会合では、活断層かどうかの判断をめぐり、調査団メンバーの見解は分かれ、現地の再調査を求 める声が続出した。7日に再び会合を開くが、意見が集約されるのは難しく、運転継続の可否は見えない。
 原発周辺は建設時の開発で本来の地層がほぼ存在せず、施設もあるため掘削などの調査が困難だ。このため 関電は、原発の北側約200メートルにある「台場浜」付近に深さ約5メートルの溝(トレンチ)を掘り、新たな断層を公開。2日に島崎邦彦委員長代理と、有 識者4人が現地調査した。焦点は、台場浜周辺の地層のずれが、(1)活断層か、地震活動に関係ない地滑りか(2)いつ動いたか−−の2点だ。
 渡辺満久・東洋大教授は「断層は原子炉建屋の方向に延び、局所的なずれではない」として、地滑り説を否 定した。これに対し、岡田篤正・立命館大教授は「地層のずれは、地滑りでも起きる。周辺を幅広く調査する必要があり、先走るのは危険」と反論した。重松紀 生・産業技術総合研究所主任研究員は「地質や地滑りの専門家を入れて判断すべきだ」と提案し、調査が長期化する可能性も出てきた。
 一方、地層のずれは、9.5万年前とされる火山灰を含む地層下にあり、年代の分かっている周辺地層との 関係から、「12.5万年前以降」との見解で一致した。原発施設の耐震基準を定めた「耐震設計審査指針」では、12万〜13万年前より後に動いた断層を活 断層としており、年代的には一致する。規制委は数十万年前以降への拡大を検討しており、他原発の再稼働判断へも影響する恐れがある。
 活断層は、過去に繰り返し動いた痕跡があり、今後も活動する恐れがあるものを指す。揺れは、活断層の長さに比例して強くなるため、この地層のずれがどこまで延長しているかも重要なポイントになる。
 岡田教授は「大勢の人に囲まれ、冷静に判断できない。情報公開も結構だが、数時間で結論を出すのは無理」と訴えた。【岡田英、西川拓】
大飯原発断層調査 活断層かどうかの判断は7日の会合に持ち越し
福井県の大飯原発の敷地内にある断層を調べた原子力規制委員会の調査団の会合が4日、開かれたが、この断層が活断層かどうかの結論はまとまらず、117日の会合に先送りとなった。
規制委員会の調査団は2日、大飯原発敷地内の「F-6破砕帯」と呼ばれる断層を現地調査した。
4
日は、その調査結果を検討する会合が開かれ、東洋大学の渡辺教授は、この破砕帯について、活断層と断定し、その上には、原子炉を冷却するための海水をくみ上げる配管が通っているため、渡辺教授は、直ちに大飯原発を停止してから、再調査を行うべきとの考えを示した。
渡辺教授は「大飯原子力発電所の敷地内に活断層があることは確実であると、わたしは判断いたします。すぐに停止して、全てを調べ直す覚悟で、調査をすべきであると思います」と述べた。
一方、ほかの専門家は、地層のずれが地滑りによってできた可能性があると指摘するなど、意見はまとまらなかった。
立命館大学・岡田教授は「これを地下深部まで続く断層運動と即断できない。むしろこのような構造は、地滑り的なものに見える」と述べた。
このため、活断層かどうかの判断は、117日の次回会合まで持ち越された。
また、関西電力に対しては、議論の対象になった箇所をあらためて調査し、次回の会合で説明するよう求めるという。
原子力規制委・島崎委員長代理は「活断層か地滑りか、どちらかに絞ることができなかったという状況。相手(関西電力)の言い分も聞いたうえでの判断としたい」と述べた。
(11/05 00:23

大飯原発:「きちんと判断を」…傍聴席から切実な声

毎日新聞 20121105日 0015分(最終更新 1105日 0107分)
 関西電力大飯原発(福井県おおい町)敷地内の断層(破砕帯)が活断層かどうか、評価が分かれた4日の原 子力規制委員会の調査団の会合。結論は先送りされたが、規制委は「活断層の可能性がクロや濃いグレーなら運転停止を求める」方針で、全国で唯一、稼働中の 原発が止まる可能性を秘めながら、緊迫した議論が今後も続く。
 会合には傍聴者や報道陣計約100人が詰めかけた。進行役を務めた島崎邦彦・委員長代理を除く4人が順番に見解を話した。
 「重要施設の直下に活断層がある。原発をすぐに停止し、全てを調べ直す必要がある」。そう指摘したの は、渡辺満久・東洋大教授だった。渡辺氏はこれまでも原発敷地内の活断層の危険性を指摘してきており、関係者から「今回の認定作業のキーパーソン」と見ら れている。広内大助・信州大准教授も、活断層の可能性を指摘した。
 一方、日本活断層学会の元会長で岡田篤正・立命館大教授は、渡辺氏が活断層だと指摘した「ずれ」を、 「ずれはいろんな現象で起こる。これを断層現象と即断できない。むしろ地滑り的に見える」と慎重に検討するよう繰り返し訴えた。重松紀生・産業技術総合研 究所主任研究員も「全体の構造がはっきりしない段階で、議論していても、判断は主観的なものになってしまう。もう少し調査し判断すべきではないか」と主張 した。
 現地調査した専門家の意見が分かれる事態に、会合の終了間際には傍聴席から「きちんと判断してください」との声も上がった。
 島崎委員長代理は「ずれの原因は活断層によるものか、地滑りの可能性が考えられる。今日はそれ以上の議論は無理だ」と判断を示せず、規制委の田中俊一委員長は終了後の報道陣の質問に答えず、会場を後にした。【畠山哲郎、須田桃子】

 ◇運転停止指示、法的根拠なく

規制委の田中俊一委員長は「(活断層の可能性について)クロや濃いグレーなら運転停止を求める」との見 解を示しており、大飯原発の断層が活断層と認定されれば、運転停止を指示する。しかし、規制委が電力会社に運転停止を求める法的根拠はなく、超法規的な 「行政指導」に頼らざるを得ない。昨年5月、東海地震が懸念される中部電力浜岡原発で、菅直人首相(当時)が運転停止を要請したのも、これに該当する。た だ、発動した場合、運転継続を求める電力会社から訴訟を起こされる可能性がある。【中西拓司】

「断層」か「地滑り」か? 議論長期化も、大飯原発

2012.11.4 22:59
関西電力大飯原発の(手前から)1号機、2号機、3号機、4号機。右下は2日に原子力規制委員会の現地調査団が調査した場所=4日午後、福井県おおい町で共同通信社ヘリから
関西電力大飯原発の(手前から)1号機、2号機、3号機、4号機。右下は2日に原子力規制委員会の現地調査団が調査した場所=4日午後、福井県おおい町で共同通信社ヘリから【拡大】

 関西電力大飯原発(福井県)の敷地内を走る「F-6断層(破砕帯)」が活断層か否かについて議論した4日の評価会合 では、現地調査で新たに確認された地層のずれが、断層が動いた形跡か、地滑りの痕跡かで議論が二分。「資料が足りない」などの意見が相次ぎ、結論は次回以 降へ持ち越しとなったが、専門家でも意見が分かれる難解なテーマに、議論は長期化する可能性も出てきた。
 評価会合で最大の焦点となったの は、原発の海側で行った調査で新たに見つかった地層のずれだ。関電が今回の調査で試掘溝を掘ったところ、F-6断層があるとみられていた場所とは異なる、 試掘溝の東端部分で新たに地層がずれているのが見つかったのだ。このずれの上にある地層は12万5千年前に堆積したものとみられるが、ずれに合わせて変形 していた。
 ずれが断層であれば、12万5千年前よりも新しい時代に、断層が動いたことになる。国の指針では、13万~12万年前以降に動いた断層を活断層としており、指針に照らせば、今回見つかったずれは活断層となり、大飯原発は停止させなければならなくなる。
 「横ずれに伴う典型的な構図。断層面だ」
 東洋大の渡辺満(みつ)久(ひさ)教授はそう断言し、大飯原発の即刻停止を求めた。渡辺教授は、最初にF-6断層が活断層である可能性を指摘した人物だ。
 一方で、立命館大の岡田篤正教授は「これまで多くの活断層を見てきたが、こういう構造はあまりない。違和感を覚える」と話す。岡田教授は日本活断層学会の元会長で日本を代表する活断層の専門家だ。「海側と山側でもずれ方が違う。むしろ地滑りに見える」との立場だ。
 地層のずれについては関西電力も見解を示しておらず、他のメンバーからも明確な意見が聞かれないため、原子力規制委員会として調査団に加わった島崎邦彦委員長代理は「今日はこれ以上結論を出すのは無理。事業者の意見も聞くべきだろう」と述べ、結論は持ち越しとなった。
 7日の次回会合では関電から見解を聞く予定だが、ずれの正体が断層か地滑りによるものかを判断する材料は乏しい。そもそも今回見つかったずれがF-6断層かどうかも不明だ。追加調査の必要性を訴える指摘も多く、結論はさらに先延ばしになる可能性もある。(原子力取材班)

復興相が警戒区域の住宅視察 原発立地の福島県大熊町

このニュースの写真

福島県大熊町から同県いわき市に避難している住民と意見交換する平野復興相=4日午後

激しい議論の応酬、マイク奪い合いも 大飯原発会合

2012.11.4 23:02
関西電力大飯原発。左から4号機、3号機、2号機、1号機。2号機と3号機の間を南北に「F-6断層」が走る(写真上が北)=4日午後、福井県おおい町で共同通信社ヘリから
関西電力大飯原発。左から4号機、3号機、2号機、1号機。2号機と3号機の間を南北に「F-6断層」が走る(写真上が北)=4日午後、福井県おおい町で共同通信社ヘリから【拡大】

 活断層なのか地滑りなのか-。結論が持ち越された原子力規制委員会の専門家調査団の会合では、意見の食い違うメンバー同士で激しい応酬があった。
 会場となった環境省の会議室には、約100人が傍聴に詰めかけ、議論の行く末を見守った。
 メンバーからは「短時間に結論を出すのは無理だ」などと、調査のあり方に疑問を示す発言があった。これに激しくかみついたのが、活断層の危険性を主張し続けてきた渡辺満久東洋大学教授だ。
  「(活断層では)ないことを理屈付ける調査は不要。原発をすぐに停止すべきだ」と、追加調査を求める他のメンバーを厳しい口調で牽制した。これに対し、日 本活断層学会元会長で立命館大学の岡田篤正教授は、「先走って結論づけるのは危険だ」と訴えた。2人はマイクを奪い合うようにして激しく議論した。
 こうした議論について、立地自治体の福井県安全環境部の桜本宏企画幹は記者団の取材に「(会議は)あやふやで危うい議論だった」と不信感を示し、「誰にでもわかる議論を重ね、グレーとか濃いグレーではなく、明快な結論を出してほしい」と述べた。

せめぎ合う理学と工学 原発が問う活断層の定義
編集委員 滝順一

1/2ページ)
2012/10/29
日本経済新聞 朝刊
原子力規制委員会は11月2日に関西電力・大飯原子力発電所(福井県)に現地調査団を派遣し敷地内の地層を調べる。敷地内にある「F―6断層」が活断層であるかどうかを確かめるのが目的だ。仮に活断層だと判定されたら大飯原発は稼働継続が難しくなる。…

「活断層」に議論紛糾、統一見解難しく 大飯原発調査

2012/11/4 22:34
4日開かれた関西電力大飯原子力発電所(福井県)に関する原子力規制委員会の評価会合は、現地調査で見つかった断層を巡り議論が紛糾した。短時間の調査で結論を求める手法に不満も出ており、活断層で専門家の統一見解を得るのは難しいことを改めて浮き彫りにした。
画像の拡大
関西電力大飯原発。右下は2日に原子力規制委員会の現地調査団が調査した場所(4日、福井県おおい町)=共同
 活断層に関する判定は国内で唯一稼働している大飯原発の停止につながりかねない重い判断を伴う。問題となったのは、東洋大の渡辺満久教授が危険性を強調してきた「F―6断層」ではなく、2日の調査で新たに海岸付近で見つかった断層。専門家の見解は割れた。
 今回は地震の主要4学会が推薦した専門家が現地調査した。判断には地質学や岩石学など様々な分野の知識が必要となる。調査にあたった産業技術総合研究所の重松紀生主任研究員は「地滑りの専門家も入れて判断すべきだ」と限界を認めた。
 1日で原発の敷地内6カ所を回る調査手法への批判も上がり、立命館大の岡田篤正教授は「1~2時間で結論を出せというのは私の能力を超え る」と苦言を呈した。7日の再会合に出席する関電は活断層に慎重な見方を示す見通し。規制委による意見集約がさらに難航する可能性もある。

警戒区域内の住宅“国として対策検討”

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警戒区域内の住宅“国として対策検討”

平野復興大臣は、原発事故で警戒区域に指定されている福島県大熊町を視察したあと、記者団に対し、無人となっている住宅が雨漏りなどによって相当劣化しているとして、国として対策を検討する考えを示しました。
平野復興大臣は、原発事故を受けて、現在も立ち入りが制限される警戒区域に指定されている福島県大熊町を訪れ、地震で住宅の屋根が壊れ、雨漏りによって床にカビが生えている状況などを視察しました。
このあと、平野復興大臣は、福島県いわき市に設けられている大熊町の連絡事務所を訪れ、仮設住宅で暮らす住民と会談し「もとの生活に近づけるよう国は尽力してほしい」と求められたのに対し「一日も早く安心して暮らせるよう将来に向けた道筋を示したい」と応じました。
会 談のあと、平野復興大臣は記者団に対し「警戒区域の住宅の劣化が相当な勢いで進んでいることが分かった。除染をし、行政サービスを確保すれば帰っていただ けると考えていたが、あれだけ住宅が傷んでいると住民の帰還や復興の計画も見直す必要がある」と述べ、警戒区域にある住宅について、国として対策を検討す る考えを示しました。
11/9「被ばく労働を考えるネットワーク」設立集会のお知らせ
 福島第一原発ではこれまでにない高被曝環境で収束作業が行われており、労働
者はわずか1年の間に、全国の原発での3年分に相当する被曝をしています。ま
た、多量の放射性物質が広範囲に撒き散らされた地域での除染作業は、従来の原
発労働とも異なる特異な被曝労働環境になっています。これまで被曝労働問題に
取り組む労働団体は決して多くありませんでしたが、今こそ、原発労働者や除染
労働者を始めとするさまざまな被曝環境にある労働者を支援し、その問題に取り
組む主体が求められています。
 そのような問題意識のもと、さまざまな労働団体や社会運動団体に関わる者た
ちが協力し、被曝労働に関する運動を協働して進める取り組みを昨年より開始
し、この度「被ばく労働を考えるネットワーク」の設立に至りました。
 下記の内容で設立集会を開催致しますので、ぜひご参加のほどをお願い致します。
【日時】 2012119日(金)18:3020:30
【場所】 江東区亀戸文化センター(カメリアプラザ)5階
     第1、2会議室
 東京都江東区亀戸2-19-1JR総武線、東武亀戸線「亀戸駅」下車徒歩2分)
 ※集会案内のチラシは下記のウエッブサイトをご覧ください。
 http://www.hibakurodo.net
【呼びかけ人】
天野恵一(福島原発事故緊急会議)/石丸小四郎(福島県双葉地区原発反対同
盟)/指宿昭一(日本労働弁護団)/岩下雅裕(立川自衛隊監視テント村)/宇
都宮健児(反貧困ネットワーク代表)/遠藤一郎(全労協脱原発プロジェク
ト)/小倉利丸(JCA-NET代表・福島原発事故緊急会議情報共同デスク)/桂武
(全国一般いわき自由労働組合)/鎌田慧(作家)/川本浩之(よこはまシティ
ユニオン書記次長)/北島教行(フリーター全般労働組合)/小番伊佐夫(三一
書房労働組合)/斉藤征二(原発下請労組「全日本運輸一般労働組合原子力発電
所分会」元分会長)/斎藤竜太(医師、神奈川労災職業病センター理事長)/佐
々木敏彦(原発核燃とめようかい)/佐藤隆(全国一般ふくしま連帯ユニオ
ン)/嶋橋美智子(『息子はなぜ白血病で死んだのか』著者)/新孝一(福島原
発事故緊急会議被曝労働問題プロジェクト)/須田光照(全国一般東京東部労
組)/田宮高紀(全統一労働組合)/中村光男(全国日雇労働組合協議会)/中
村泰子(たんぽぽ舎)/なすび(山谷労働者福祉会館)/西野方庸(関西労働者
安全センター)/樋口健二(写真家)/平井玄(福島原発事故緊急会議被曝労働
問題プロジェクト)/平野敏夫(東京労働安全衛生センター代表理事)/福島和
夫(原発核燃とめようかい)/藤田祐幸(長崎県立大学シーボルト校)/古澤俊
雄(全国一般東京東部労組)/宗形修一(全国一般ふくしま連帯ユニオン)/柳
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以上

活断層評価、7日に再会合=調査の専門家、意見分かれる―大飯原発問題・規制委

20121104
 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内にある岩盤の亀裂(破砕帯)に活断層の疑いが指摘されている問題で、原子力規制委員会は4日、2日に 実施した初の現地調査の結果について検討する会合を東京都内で開いた。調査に参加した外部の専門家らが意見を述べたが、活断層かどうかは評価が分かれ、規 制委は7日に再度会合を開くことを決めた。
 調査団のメンバーで、早くからこの問題に取り組んできた渡辺満久東洋大教授は「敷地内に活断層があるのは確実」と断言した。一方、重松紀生産業技術総合研究所主任研究員や岡田篤正立命館大教授は、現時点では結論が出せず、さらに調査が必要と指摘した。
 規制委が破砕帯を活断層と判断すれば、全国で唯一稼働している同原発3、4号機が運転停止を迫られる事態に発展する。 
 問題の破砕帯「F―6」の上には、原発の重要な施設の3、4号機非常用取水路がある。原子炉で発生した蒸気を冷却できなくなった場合に、海水を取り込んで冷やすための設備で、地震によって破砕帯が動けば機能を失う恐れがある。
 関電は10月末の中間報告で「現時点で活断層であることを示すデータはない」としている。
[時事通信社]
記事提供:時事通信社
20121142113

大飯原発の断層問題、結論持ち越し 7日に再び議論



大飯原発敷地内の断層をめぐり議論された評価会合=4日午後、東京・霞が関の環境省、林敏行撮影

関西電力大飯原発(福井県)の敷地内の断層が活断層ではないかとの指摘が出ている問題で、原子力規制委員会は4日、外部の専門家を交えた現地調査の結果 を検討する評価会合を開いた。12万~13万年前以降に地層が動いた痕跡があり、活断層の可能性が否定できないとした。ただ、別の原因を指摘する意見もあ り、結論は出なかった。7日に会合を開いて改めて議論し、関電にも意見を聞く。
 問題の断層は、2号機と3号機の間を南北に走る「F―6」と呼ばれる断層。非常用ディーゼル発電機を冷やすために海水を取り込む重要施設「非常用取水 路」が真上に横切る。国の耐震審査の手引は、活断層の真上に重要施設を造ることを認めていない。活断層と認められれば、全国で唯一稼働中の大飯原発3、4 号機の停止につながる。
 規制委は2日、地震学が専門の島崎邦彦委員長代理と4人の専門家による現地調査を実施。原発敷地内で関電が掘った2カ所の溝などで断層の様子や地層の試料などを調べた。

電力融通、火力検査先送り、節電目標…大飯原発停止で迫られる3つの対応 (1/2ページ)

2012.11.4 21:15
大飯発電所敷地内破砕帯の現地調査報告中央左から島崎邦彦委員、田中委員長、岡田篤正立命館大教授、渡辺満久東洋大教授、重松紀生産総研主任研究員、廣内大助信州大准教授=4日午後、東京・霞ヶ関の環境省(鈴木健児撮影)
大飯発電所敷地内破砕帯の現地調査報告中央左から島崎邦彦委員、田中委員長、岡田篤正立命館大教授、渡辺満久東洋大教授、重松紀生産総研主任研究員、廣内大助信州大准教授=4日午後、東京・霞ヶ関の環境省(鈴木健児撮影)【拡大】

 原子力規制委員会の専門家調査団は4日、関西電力大飯原発(福井県)の敷地内を走る断層が活断層であるかどうかにつ いて結論を持ち越した。だが、一部の委員から「すぐに運転を停止して調査すべきだ」との意見も出るなど、先行きは予断を許さない。実際に大飯3、4号機が 稼働停止となれば、政府や関電は今冬の電力需給対策の練り直しが必至。大規模停電を回避するには「電力融通」「火力発電所の検査先送り」「数値目標付き節 電目標」という対応を迫られる。
 関電は大飯3、4号機が停止すれば、夜間の余剰電力を使う揚水発電の発電量も減少し、来年2月時点の供給予備率(最大需要に対する供給余力)がマイナス13・4%に低下するとの見通しを示している。
 電力の不足分を補うため、政府が有力な対策と見込むのが電力会社間での電力融通だ。中部、北陸、中国、四国、九州の5電力は、関電と電気の周波数が同じで、本州との融通能力が限られる北海道電力よりも対応余地が大きい。
 ただ、他電力も原発の稼働停止で電力需給に余裕はない。政府の試算では、5社の供給予備率が安定供給に最低限必要とされる3%になるまで融通しても、関電の予備率は来年1月時点でマイナス1・7%にしかならず、43万キロワットの電力が不足する。
 関電も、原発の代替電源である火力発電所の稼働を高めるため、来年1月11日から定期検査入りを予定している海南火 力発電所3号機(和歌山県)の稼働を続けるとみられる。だが、同3号機の出力は60万キロワットと、大飯原発3、4号機合計の約4分の1にすぎず、電力融 通による積み増し分と合わせても予備率は3%に達しない。
 このため、数値目標付き節電目標の実施が避けられそうにない。さらに関電に電力 を融通する西日本の各電力も、電力需給にある程度の余裕を持たせるため、関電と同様の対応が必要になる可能性があり、政府が2日に決定したばかりの今冬の 電力需給対策は抜本的な見直しを迫られる。
 冬場の対策を練り直すとなれば、再び電力需給を検証し、関係閣僚によるエネルギー・環境会議で 決定する手続きが必要だ。対策を決めても企業などが実行に移すにはある程度の時間がかかることは避けられず、経産省幹部は「時間が少なくなればなるほど、 対応は困難になる」と懸念している。

大飯断層、結論先送り…将来動くかは判断できず

関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)で、原子力規制委員会の専門家らが現地調査した結果、地層の動いた痕跡が見つかり、活断層の疑いがあることがわかった。
 4日開かれた専門家らの評価会合で報告された。かねて活断層の可能性が指摘されていた破砕帯(断層)の「F―6」より 東にある。将来も動く活断層かどうかは専門家の見解が分かれ、判断できなかった。規制委は7日に関電を呼んで再び会合を開き、同社による調査結果などを詳 しく説明させる。
 問題の痕跡は、島崎邦彦・委員長代理(66)ら専門家が2日に現地調査した際、海岸近くの地層調査用の溝(トレンチ)で発見した。地層の様子か ら、原発の耐震設計審査指針で活断層の判断基準としている「12万~13万年前以降」にできたとの見方で、専門家らの意見が一致した。
 関電は、このトレンチで活断層は見られないとしていたが、渡辺満久・東洋大教授(56)は4日、今回の痕跡を「明らかな活断層」と断言した。渡辺 教授は、従来「F―6」とされていた位置が誤っており、今回の場所が「F―6」の一部だと推測。そこから陸側へ長く延び、原発の重要設備「非常用取水路」 の真下を横切っていると主張した。
 しかし、今回の痕跡について、岡田篤正・立命館大教授(70)は「地滑りによっても生じる。(活断層と)即断はできない」と述べた。局所的な地滑 りならば取水路には影響しない。一方、従来「F―6」とされた場所については、現地調査で断層が認められず、議論されなかった。
20121150025分  読売新聞)
大飯原発断層調査 活断層かどうか結論先送り 関電に聞き取りへ
福井県の大飯原発の敷地内にある断層を調べた原子力規制委員会の調査団の会合が開かれた。この断層が活断層かどうかの結論は、結局まとまらず、117日の会合に先送りとなった。
規制委員会の調査団は2日、大飯原発敷地内の「F-6破砕帯」と呼ばれる断層を現地調査した。
4
日の会合では、調査団のメンバーで、東洋大学の渡辺教授が、この破砕帯について、活断層と断定し、その上には、原子炉を冷却するための海水をくみ上げる配管が通っているため、直ちに大飯原発を停止して、再調査を行うべきとの考えを示した。
一方、会合では、地層のずれが地滑りによりできた可能性があるとの意見も出たため、結論は持ち越され、117日に行われる次の会合では、関西電力から話を聞くことも決まった。
原子力規制委・島崎委員長代理は「活断層か地滑りか、どちらかに絞ることができなかったという状況。相手(関西電力)の言い分も聞いたうえでの判断としたい」と話した。
(11/04 21:05
大飯原発の破砕帯評価 7日に再会合
(福井県)
大飯原発の敷地内を走る破砕帯が活断層かどうかをめぐり、原子力規制委員会は現地調査の結果をもとに4日、評価会合を開いたが、委員の間で意見がまとまらず結論は先送りされた。
評価会合は2日に調査団が行った現地調査の結果をもとに、規制委員会の田中委員長も出席して行われた。
大飯原発の敷地内を走る破砕帯の一部について「明らかに活断層の判定基準である12万5000年前以降に動いたとみられる」という点では、全員が一致したものの、それが「地滑りである」という意見と「活断層だ」と主張する委員の間で意見がまとまらなかった。
このため4日は結論を先送りし、7日水曜日に再び評価会合を開いて、関西電力の出席も求め意見を聞く方針。
なお、おおい町の時岡町長は会合のあとコメントを発表し「公平公正に調査されることが住民の安心・安全に直結する。しっかり調査していただきたい」としている。
[ 11/4 20:12 福井放送]

「活断層」判断なら運転停止要請も…大飯原発、規制委の法的根拠あいまい

2012.11.4 20:45
関西電力大飯原発の敷地内断層について開かれた原子力規制委の会合=4日午後、環境省(鈴木健児撮影)
関西電力大飯原発の敷地内断層について開かれた原子力規制委の会合=4日午後、環境省(鈴木健児撮影)【拡大】

 原子力規制委員会の専門家調査団は今後、大飯原発の「F-6断層(破砕帯)」が活断層だと判断すれば運転停止を求める構えだが、規制委に停止の権限を明確に認めた法令はなく、法的根拠はあいまいだ。 
  規制委の田中俊一委員長は、大飯原発について「黒か濃いグレーなら止めてもらう」と明言している。これは、原発の耐震設計審査指針の手引で、活断層の真上 に重要施設を設置することを認めていないことを根拠にした発言とみられる。ただ、建設後に活断層が見つかることを想定していないため、手引には運転停止を 命令する規定がない。
 国内の原発は定期検査などで停止しており、運転停止が要請されたのは中部電力浜岡原発(静岡県)だけだ。浜岡原発は 昨年5月に菅直人首相(当時)が中電に全停止を要請し停止したが、首相にも運転停止を指示する権限はない。原子炉等規制法(炉規法)は、「急迫した危険」 があれば停止命令を出せるとしている。だが、「急迫」の定義もあいまいで、規制委は炉規法の準用や法的根拠を持たない行政指導での対処を検討している。
 一方で、再稼働判断については政府や規制委、地元自治体とで「押し付け合い」の状況が続き、明確な決定機関は定まっていない。法的根拠がなくても政府や規制委が原発を停止するのは可能だが、再稼働を決定するのは誰もいない-という特異な状態となっている。

福島第1原発周辺、帰還計画見直しへ 復興相

2012/11/4 20:25
平野達男復興相は4日、住民が避難している東京電力福島第1原子力発電所の周辺自治体について「住宅の傷みが想像以上に進んでいる。帰還 計画を見直す必要がある」と述べた。除染や道路などインフラの復旧が済めばすぐに住民を帰せるとみていたが、新たな課題が浮かんできた。
 平野氏は同日、福島第1原発近くの福島県大熊町を視察した。同町には地震の際に屋根が損傷した住宅が多く、雨漏りで住宅内部まで腐食する例 も増えている。平野氏は「家屋の取り壊しに時間がかかるし、帰る気をなくす人も出てくる。発想を変えて街づくりを考えなければいけない」と主張した。
 住宅の傷みは同原発周辺の双葉町や富岡町などでも似た状況だ。原子力災害からの復興全体が遅れる可能性もある。

大飯原発活断層、判断持ち越し 原子力規制委の調査団、7日に再会合

2012.11.4 18:22
関西電力大飯原発の敷地内断層について開かれた原子力規制委の会合=4日午後、環境省(鈴木健児撮影)
関西電力大飯原発の敷地内断層について開かれた原子力規制委の会合=4日午後、環境省(鈴木健児撮影)
 国内で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県)の敷地内を走る「F-6断層(破砕帯)」について、原子力規制委員会の専門家調査団は4日、都 内で調査結果を検討する会議を開いたが、活断層かどうかの判断を持ち越した。破砕帯が地滑りした可能性もあり、関電に新たな資料を求めた上で、7日に再度 会合を開いて議論する。現地で追加調査すべきとの意見もあり、7日の会合でも結論が出るかは不透明だ。
 断層の危険性を指摘してきた調査団メンバーの渡辺満久東洋大教授は「活断層があることは確実だ。すぐに運転を停止すべきだ」と主張したが、団長役の島崎邦彦委員長代理は「地滑りの可能性があり、専門家や事業者の意見を聴いた方がいい」と議論をまとめた。
 会合ではそれぞれのメンバーが、2日の現地調査で撮影した写真などをもとに議論。原発敷地内に関電が新たに掘った試掘溝(しくつこう)で地層にずれがあったが、ずれが活断層なのか、水を含んだ際などにできる地滑りなのかは判断がつかなかった。
 地層の年代について、メンバーは13万~12万年前以降に動いた可能性が高いということで一致。島崎委員長代理は「おそらく12万5千年前のころだ」と指摘したが、関電は「二十数万年前」と主張している。
 F-6断層は3、4号機の冷却に用いる「非常用取水路」の真下を走っているとみられる。国は活断層の上に重要設備を建設することを認めていない。地滑りなら問題ないが、活断層の疑いが高ければ規制委は原発の運転停止を求める。
 調査団は大飯原発の評価後、日本原子力発電敦賀、関電美浜、日本原子力研究開発機構もんじゅ(いずれも福井県)、東北電力東通(青森県)、北陸電力志賀(石川県)の5原発で調査を予定している。

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関西電力大飯原発の敷地内断層について開かれた原子力規制委の会合=4日午後、環境省
関西電力大飯原発。左から4号機、3号機、2号機、1号機。2号機と3号機の間を南北に「F-6断層」が走る(写真上が北)=4日午後、福井県おおい町で共同通信社ヘリから

大飯止まれば関西経済に打撃 電力需給と関電経営の前提崩れる (1/2ページ)

2012.11.4 20:09
 ところが、大飯3、4号機が停止した場合、夜間にダム湖の水を電力でくみ上げ、日中放水して発電する揚水による発電にも影響するため供給力が13・4%も不足すると試算。他社から融通を受けても9・1%の不足になるとされる。
 原発の新安全基準が策定されていない現時点で、規制委には運転停止を命令できる法的根拠はない。ただ野田佳彦首相は「規制委の判断が出るなら、当然政府は尊重する」との立場で、活断層と判断されれば、大飯3、4号機が停止を迫られる公算が大きい。
  関電関係者は「規制委の指摘を踏まえ、調査を継続する。意見を求められれば活断層でないとした調査を説明する」と強調する。関電は今冬、数値目標を設定せ ずに節電を要請する方針を打ち出す。原発を代替する火力発電の燃料費が経営を圧迫、電力の安定供給にも影響が出るとして、来春に電気料金を値上げする方向 で準備も進めている。
 しかし大飯3、4号機が停止した場合、関電は、節電目標の設定や電気料金の値上げ幅の拡大、さらに大規模停電を避けるため逼迫(ひっぱく)時にはエリアごとに順番で強制的に停電させる計画停電も夏に続き検討する必要性が浮上する。
 円高や景気低迷、中国リスクなどに直面し、業績不振が相次ぐ関西の製造業にとって将来的な負担増につながり、産業の空洞化に拍車をかける結果を招きかねない。

大飯原発、活断層の判断先送り 7日に再会合
原子力規制委

2012/11/4 18:50
原子力規制委員会は4日、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)の敷地内の地層調査に関する評価会合を開いた。調査に参加した専門 家から、敷地内で見つかった断層を活断層と認める意見が出た一方、地滑りが原因との見方もあった。規制委は判断を先送りするとともに7日に再会合を開き、 関電の担当者も交えて協議する。
関西電力大飯原発。右下は2日に原子力規制委員会の現地調査団が調査した場所(4日、福井県おおい町)=共同
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関西電力大飯原発。右下は2日に原子力規制委員会の現地調査団が調査した場所(4日、福井県おおい町)=共同
 規制委の島崎邦彦委員長代理は「活断層と考えても矛盾はないが、地滑りの可能性もある」とし、さらに分析が必要との認識を示した。
 規制委は2日に現地を調査した。調査団のうち活断層の疑いに言及してきた東洋大の渡辺満久教授は4日の会合で「新しく見つかった断層は走向 も傾斜も同じ。敷地内に活断層があることは確実だ」と主張。立命館大の岡田篤正教授は「局所だけみて結論を先走るのは危険だ。地滑りの可能性もある」と反 論した。他の2人は追加データの必要や詳細な分析を求めた。断層ができた時期を巡り12万~13万年前より後の可能性が高いとの見解では一致した。
 規制委は活断層との疑いが強まれば、稼働中の大飯3、4号機の停止を関電に求める方針だ。

デモで公園使用認めず 東京地裁、脱原発団体の申し立て却下

2012/11/4 19:28
首相官邸前で毎週金曜日に行われている脱原発抗議行動の主催団体、首都圏反原発連合は、今月11日に予定しているデモで東京・日比谷公園 の使用が東京都に認められなかったとして、都に対し使用許可を仮に義務付けるよう東京地裁に申し立て、却下されたと明らかにした。申し立ては1030日 付。団体側は即時抗告した。
 申立書によると、団体はデモや抗議行動の集合場所として、9月に公園事務所に日比谷公園の使用を申請したが「管理上の支障がある」と拒否された。今年3月と7月にデモを実施した際は認められた。〔共同〕

「原発、消費税は小異ではない」=第三極結集をけん制―自民幹事長

  • 2012114日  19:06 JST
 自民党の石破茂幹事長は4日、都内の早稲田大学で講演し、石原慎太郎前東京都知事が「小異を捨てて大同に就く」として第三極勢力の結集を目指していることについて、「原発、消費税(での見解の違い)が小異だと思わない。かなり大きな相違点だ」とけん制した。
 また、日本維新の会代表の橋下徹大阪市長が石原新党の母体となるたちあがれ日本と距離を置き、石原氏個人と連携する姿勢を示していることに関し、「それ はないのではないか。格好いい石原氏は必要だが、シニアな人はいらない(と言っているようなものだ)」と批判。「たちあがれ日本は政策的にわが党と似てい る。本来なら自民党に帰ってきてもらいたい」とも語った。 
[時事通信社]

大飯で断層調査始まる 規制委、原発敷地内で初

2012/11/2
日本経済新聞 夕刊
原子力規制委員会は2日、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)で地質調査を始めた。敷地内の地層の割れ目などを調べ、活断層の有 無を確認する。活断層の疑いが濃いと判断した場合は関電に稼働中の3、4号機の運転停止を求める方針だ。国内で稼働する原発が再びゼロになる可能性もあ り、規制委の調査結果に注目が集まる。
 規制委が原発の敷地内で断層調査をするのは初めて。調査団は島崎邦彦委員長代理のほか、地震学の…
平野復興相、福島第1原発のある福島・大熊町を就任以来初視察
平野復興相は4日、福島第1原発のある福島・大熊町を大臣就任以来、初めて視察した。
高台にある特別養護老人施設からは、福島第1原発を見ることができる。
大熊町は、現在も警戒区域となっており、町役場や住民は、近隣の地域に避難している。
今回の平野復興相の視察は、今後、放射線量が下がり、生活基盤が復旧した際に、住宅などの建物がそのまま使える状態にあるかどうかを確認するのが主な目的で、被災者の住宅や特別養護老人施設など13カ所を回った。
平野復興相は「ある程度除染をして、放射線を下げれば戻れるということを、何となく暗黙の条件にしてましたけど、これだけ住宅の劣化が著しいと、別の発想で考えなくてはいけない」と述べた。
平野復興相は、家屋が予想以上に劣化しているとして、今後、何らかの対策を行う必要性があることを強調した。
(11/04 19:08

大飯原発、活断層の判断先送り 規制委、7日に再検討

 関西電力大飯原発の敷地内断層について開かれた原子力規制委の会合後、記者の質問に答える島崎邦彦委員長代理=4日午後、環境省
【関連動画】
 関西電力大飯原発(福井県)の敷地内をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」について、原子力規制委員会(田 中俊一委員長)の現地調査団は4日、都内で開いた会合で検討したが、活断層との判断には至らなかった。地滑りの可能性を指摘する意見もあり、7日に再び会 合を開いて議論する。
 敷地内の地層にずれがあるとの認識で一致したが、調査団の渡辺満久・東洋大教授は「敷地内に活断層があることは 確実だ。すぐに運転を停止して調査するべきだ」と主張。重松紀生・産業技術総合研究所主任研究員は「地滑りなどの専門家も入れて、もう少し調査をした上で 判断すべきだ」と述べた。
2012/11/04 17:59   【共同通信

有識者会議の結論は… 大飯原発はどうなる?(11/04 17:36)

大飯原発の断層調査を行った原子力規制委員会は4日、調査結果について評価する会合を開きました。このなかで、調査団の1人 は、「敷地北側の溝で新たな活断層が確認された」と発言しました。原子力規制委員会が活断層と認定すれば、原子炉の稼働停止を関西電力に求める方針です。
 (松井康真記者報告)
 (Q.会議のポイントは?)
  午後4時半ごろ、会議が終わりました。リーダー的存在の島崎委員を除く4人のメンバーの意見ですが、東洋大学の渡辺教授が新たな活断層があると明言しまし た。1人が「そこは直接見なかったが、写真で見る限り、その理論に矛盾はない」と同調しました。しかし、残りの2人の委員は「調査が足りなくて、現時点で は言えない」と慎重論です。これを受けて、島崎委員が「活断層によるものと考えても矛盾はないが、地すべりの可能性がある」と、4日の段階でまとめまし た。結果的に結論を先送りした形になっています。
 (Q.今後の動きは?)
 原発を止めるかどうかですが、4日の結果を受けて関西電力の新たな説明を求めます。そして、7日に改めて4日のメンバー全員で再検討することになりました。ただし、この日までに新たな調査がされるということはありません。
大飯原発断層調査 規制委調査団、活断層かどうかの結論先送り
福井県の大飯原発の敷地内にある断層を調べた原子力規制委員会の調査団の会合が開かれたが、この断層が活断層かどうかの結論はまとまらず、次の会合に先送りとなった。
規制委員会の調査団は、112日、大飯原発敷地内の「F-6破砕帯」と呼ばれる断層を現地調査した。
4
日は、その調査結果を検討する会議が開かれ、調査団のメンバーで東洋大学の渡辺教授は、この破砕帯について、12万~13万年前以降に動いた活断層と断定した。
この破砕帯には、原子炉を冷却するための海水をくみ上げる配管が通っているため、渡辺教授は、直ちに大飯原発を停止してから、再調査を行うべきとの考えを示した。
渡辺教授は「大飯原子力発電所の敷地内には、活断層があることは確実と、わたしは判断する。すぐに停止して、全てを調べ直す覚悟で調査すべきである」と述べた。
一方で、4日の会合では、調査した一部の断層について、活断層の疑いがあるとの意見でほぼ一致したが、これがF-6破砕帯とつながるかどうかなどで意見が分かれ、結論は、7日の次の会合に持ち越された。
(11/04 18:03

大飯原発、活断層かどうか見解示されず

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 関西電力・大飯原発の敷地内を走る断層が活断層かどうかについて、現地調査を行った原子力規制委員会の調査団による会合が開かれましたが、メンバーの意見がわかれたため、活断層かどうかの見解は示されませんでした。
 福井県にある関西電力の大飯原発をめぐっては、敷地内を走る断層が活断層である可能性が指摘されていて、2日、原子力規制委員会の調査団が現地調査を行いました。
 敷地内には南北に断層が走っていることが確認されていますが、4日の会合では、調査を行った東洋大学の渡辺満久教授から断層について「活断層であることは確実」との意見が出されました。
 しかし、別の専門家から「地滑りの可能性もある」という意見も出されたため、4日の会合では、活断層かどうかの見解は示されませんでした。
 「活断層によるもの、あるいは地滑りの可能性が考えられる。このことに関しては皆さんが一致された」(原子力規制委員会 島崎邦彦委員長代理)
 原子力規制委員会では、7日に再び調査団による会合を開き、議論を行うことにしています。(0417:23

原子力災害対策重点区域

原発事故に備えて事前に対策をとる地域。放射線量を測定するモニタリングポストを設置するほか、事故や避難に関する情報を住民に確実に伝えるための防災 無線などを整備する。従来は原発の半径10キロ圏を目安としていたが、原子力規制委員会が新たに策定した指針では30キロ圏に拡大。周辺自治体は規制委が 試算した原発事故時の放射性物質の拡散予測も参考に、地域の事情に応じ区域の範囲を決める。
2012114日掲載)

3割 避難先めど立たず 原発30キロ圏自治体 防災計画難航か 糸島市は「確保不十分」

原発事故時の避難や屋内退避に備える「原子力災害対策重点区域」が原発から半径30キロ圏に拡大されたのに伴い、新たに区域に入る20道府県83市町村 (福島県を除く)のうち、3割超の29自治体が避難先を確保する見通しが立っていないことが3日、共同通信社のアンケートで分かった。甲状腺被ばくを避け るための安定ヨウ素剤の住民への配布方法も9割が対応を決めていない。原子力規制委員会が10月末に決定した原子力災害対策指針による自治体の防災計画づ くりは難航が必至だ。 
 九州で新たに30キロ圏に入るのは福岡、佐賀、長崎、鹿児島4県の10市2町=表参照。30キロ圏の人口は約49万人に増える。
 アンケート結果によると、緊急時の避難先について「確保した」と答えたのは佐賀県伊万里市や長崎県佐世保市、鹿児島県姶良市など全国で12自治体。「ま だ確保していないが、できる見通しがある」は28自治体。「確保の見通しが立っていない」は同県の出水市や日置市など29自治体で最多。「確保したが不十 分だ」は福岡県糸島市、長崎県壱岐市など10自治体だった。
 指針では重点区域の目安を半径10キロ圏から30キロ圏に拡大。しかし全域や周辺自治体が区域に含まれ、近隣に逃げ場がない自治体も多い。福井県越前市は「ほぼ全域が30キロ圏内で全市民が市外への避難となる」と答えた。
 県境をまたぐ広域避難も想定され、静岡県島田市は「他市、他県との調整が必要」と回答した。
 規制委が今後方針を検討する安定ヨウ素剤に関する対応は「決めていない」が74自治体に達した。各家庭に「事前配布する」は北海道赤井川村だけで、8自治体は「事前配布しない」と回答した。
 来年3月が策定期限の防災計画を「策定済み」と答えたのは佐賀県伊万里市だけ。「策定中(見直し中も含める)」は52自治体、「これから策定する」は鹿児島県出水市など30自治体だった。
 策定で困難と考える点(複数回答)は「避難先、避難経路の確保や避難手段(バスなど)の手配」が最多の72自治体。「ヨウ素剤の配布や使い方の指示」が28自治体と続いた。
原子力規制委、活断層との判断には至らず   2012/11/4 17:08
原子力規制委の大飯原発断層調査団は、活断層との判断には至らず、7日に再び会合を開き検討継続。

大飯原発の断層 評価巡り再協議へ

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大飯原発の断層 評価巡り再協議へ

国内で唯一運転している福井県の大飯原子力発電所の断層について、国の原子力規制委員会は、2日の現地調査を基に活断層かどうかを評価する会議を開きましたが、活断層かどうかを判断できなかったとして、評価する会議を今月7日に改めて開き、議論することになりました。
国の原子力規制委員会は、大飯原発の敷地を走る「F-6破砕帯」という断層が活断層かどうかを検証するため、島崎邦彦委員と学会から推薦された専門家の合わせて5人が2日、現地調査を行い、4日、調査結果を評価する会議を開きました。
議論では、変動地形学が専門で東洋大学の渡辺満久教授が「上にある堆積物の年代の分析などから断層は、12万年前から13万年前以降に動いた活断層であると判断した。『まだ早い』とか『慎重に』という意見はいらないと思う」と主張しました。
こ れに対し、日本活断層学会の元会長で立命館大学の岡田篤正教授が「『地層のずれ』は地滑りでも起きるので、活断層による『断層運動』とは即座に判断できな い。やや広い目で見ないと全体像は分からないし、特定の要素だけで先走って結論づけるのは危険だ」と訴え、専門家で評価が分かれました。
このあと、島崎委員は「おそらく12万5000年前ころにできたとみられる地層がずれていて、原因は『活断層』か『地滑り』の可能性が考えられるが、それ以上の判断は無理そうである」と述べて、評価する会議を今月7日に改めて開き、議論することを決めました。
今月7日の会議では、関西電力から改めて説明を聞くことにしています。
国の指針では、活断層の真上に原発の重要な設備を設置することを認めておらず、「F-6破砕帯」が活断層だと判断された場合、規制委員会は大飯原発の運転停止を求める考えを示しています。
規制委員会は、大飯原発のほかに、石川県の志賀原発や青森県の東通原発など5か所の原発でも断層の現地調査を行う計画で、次回の大飯原発の評価の会議で、どのような科学的な根拠を基に判断を示すのかが注目されます。

島崎委員“再度の現地調査ありうる”

会議のあと記者団の取材に応じた、島崎委員は、次回、7日の会合で結論を出すのかどうかの質問に対し、「それは開いてみてからだ。即座に決めることも科学的に時間をかけて決めることも、両方の考え方がある」と述べました。
そのうえで追加調査の可能性について、島崎委員は「日程からいうと難しいが、個別に調査をすることはあるかもしれない」と述べ、規制委員会として現地調査を再度行うこともありうるという考えを示しました。

おおい町長“しっかりと調査を”

大飯原発の断層を巡り国の原子力規制委員会が今月7日に改めて議論することになったことについて、おおい町の時岡忍町長は「大飯原発が 立地する町としては、公平公正に調査されることが住民の安全・安心に直結するので、しっかりと調査してもらいたい」とするコメントを発表しました。
「活断層確実」と規制委調査団の渡辺教授   2012/11/4 16:44
原子力規制委調査団の渡辺東洋大教授は「(大飯原発)敷地内に活断層があることは確実」と主張。

韓国の新月城原発2号機 来年5月ごろ商業運転開始

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[ⓒ
聯合ニュース]
  【慶州聯合ニュース】韓国の慶尚北道・慶州に建設中の新月城原子力発電所2号機で、原子炉に核燃料を装てんする作業が今月中に開始される見通しだ。施工会社のサムスン物産が4日、明らかにした。

  
 同社によると今月中に原子力安全委員会の承認を受けられるよう準備を進めている。7カ月間の試運転を経て、来年5月ごろの商業運転を目指している。

  
 同原発は出力100万キロワット級の加圧軽水炉型。23基目となる同規模の新月城1号機は今年7月末に商業運転をスタートしている。昨年3月の東日本大震災による福島第一原発での事故以降、設備の補強工事が進められ安全性が強化された。

  
 原子炉では燃料ペレット、燃料被覆管、原子炉容器、原子炉建屋内壁の鉄板(12ミリ)、外壁の鉄筋コンクリート(120センチ)の計五つの保護壁が設置された。マグニチュード6.5規模の直下型地震に耐えられるという。

  
 原子炉内部への電源供給が停止しても作動する水素制御装置21個が設置されたほか、地震や津波による電源喪失に備え、移動型発電車両も用意された。また、非常時以外にも原子炉冷却システムと使用済み核燃料貯蔵プールに冷却水を注入できる。

  
 新月城2号機の設計寿命は40年で、それ以降は10年ごとに安全性評価を実施し、延長の是非を決定する。

政治家・官僚・財界人が国を思わず権力闘争に明け暮れる姿 参考になった (0

[更新日]20121104
私物国家―日本の黒幕の系図 (知恵の森文庫)
20110516日 読了
ジャンル :ノンフィクションキーワード :

著者:広瀬隆  出版社:光文社 価格:¥ 680
広瀬隆ふたたび! 私たちは何度でも彼の声を振り返り、何度でも彼の言葉に耳を傾ける必要があると思います。彼を反芻することは、とりもなおさず今いちど、真の私たちの生き方とこの国の行く末を考えることになる気がします。
松岡正剛は「フクシマの原発事故にかぎらず、事故のほとんどは人災である。それを誰も言い逃れすることは許されない」と言って大震災・原発・事故・陸奥と 東北をテーマにした60冊の本を俯瞰した『311を読む 千夜千冊番外録』の中で、30年以上前から原発の恐怖と危険性を訴えてきた広瀬隆の『福島原発メルトダウン』(朝日新聞出版20115)の紹介タイト ルを「広瀬隆が鳴らす警鐘を聞くべきだった」としていることはとても印象的でした。
この本の系列に『億万長者はハリウッドを殺す』や 『腐食の連鎖―薬害と原発にひそむ人脈』や『赤い楯 ロスチャイルドの謎』などがあり、私などは机上の空論ではない個別具体的な独占金融資本論として非常に興味深く読んでいますが、どうやら巷ではトンデモ本 扱いされている向きも否めない様子です。
たとえば、今ぱっと任意に頁を開いてみると、
「竹下登が一族に入り込んだ竹中工務店は、戦前・戦中に、満洲・中国・インドネシア半島に続々と海外侵略の拠点を築きあげ、大日本帝国の軍隊を内部から動 かした軍閥産業のひとつであった。そのため、満洲竹中工務店の社長だった竹中錬一は、戦時中の総理大臣・米内光正の三女・和子と結婚した。」(単行本 215)ともかくどの頁を開いても金太郎飴のように、誰かが誰かを利用して、富と権力の勢力増長を目論んで、娘はそのための生贄同然、政界・財界はまるで近親相姦のごとく戦国時代を思わせる政略結婚、これが今も続いているのだといいます。
そして彼らは国家を私物化する。
事実は小説より奇なりといいますが、彼の書くものは原発ものにしろ権力論にしろ、一見絵空事のようなもしかしたらフィクションではないかと目を疑うような アプローチや展開で、それこそ奇をてらった妄想ではないかとさえ思えるほどの奇想天外さで、いつも驚かされっぱなしなのですが、それはまったく逆で、推理 とか予測とか想像などいっさい入り込む余地のないほど、徹底した資料に基づくデータ主義を貫き通して、禁欲的なまでに書かれています。
まだこの本のすごさの1/1000も書けていません。

内閣不信任案 出れば賛成 生活第一の小沢代表










国民の生活が第一の小沢一郎代表は4日のNHK日曜討論で「(現政権は)国民に信を問う時期にきている」とした。   また、野田内閣に対し内閣不信任決議案が出るようなことがあれば「賛成する」とした。
  小沢代表は、内閣不信任案については「どういう理由で、誰がメインになって提出していくかが大事。党利党略でやるものでない」とも語った。
  また、党の政策として「脱原発、消費増税反対、行政機構を根本から変えること」を柱に総選挙に臨む。特に「原発問題に関し国民の関心は高い」と 語った。小沢代表らは脱原発への情報収集の一環として先月にドイツを視察。選挙ではその成果も脱原発アピールに反映させていく。(編集担当:森高龍二)

大飯原発:福井から原発止める 原告団発足会「思い結集し裁判を」 /福井

毎日新聞 20121104日 地方版
 関西電力大飯原発3、4号機(おおい町)の運転差し止めを求める市民でつくる原告団「福井から原発を止 める裁判の会」の発足会が3日、福井市の真宗大谷派福井東別院で開かれた。原告団に参加しているのは、108人(3日現在)。原告側弁護団には福井や金沢 の10人を中心とする約70人の弁護士が参加し、30日に福井地裁に提訴する。
 弁護団によると、原告側は「原発の稼働で事故の起こる可能性が発生することで、生命や財産の安全が妨げ られる」などと訴え、人格権の侵害にあたると主張する方針。会場では、弁護団長を務める佐藤辰弥弁護士が「福島の事故を二度と繰り返してはならないという 思いを結集して、裁判を進めたい」とあいさつした。また、原告団の世話人の1人、木下建一郎さん(34)は「放射性廃棄物を先の世代に押しつけるべきでは ない。必死になって止めようとしないと、原発は止まらない」と呼びかけた。
 また、発足会では、06年の北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の運転差し止め訴訟の判決で、裁判 長として運転停止を命じた井戸謙一弁護士を招き、記念講演会を開催。井戸弁護士は「事故による放射能汚染は将来の国民に対する権利の侵害。将来の国民の権 利を守るために私たちは不断の努力をしなければならない」と訴えた。【山衛守剛】

福祉、子育て…原発の不安、カフェで培う知と対話 「スペースナナ」2周年/横浜

2012114
 市民の手で立ち上げたコミュニティーカフェ「スペースナナ」(横浜市青葉区あざみ野)が12月に2周年を迎える。世代や性別、障害の有無などを超えて人々が集う“居場所”からは、さまざまな企画が生まれ、情報発信の場に成長してきた。節目を機にNPO法人も設立する。
 あざみ野駅から徒歩6分。おしゃれなカフェ風の外観の建物がスペースナナだ。市の商店街空き店舗活用事業の補助を受けて、2010年12月にオープン し、教育や福祉、子育てなどをテーマに地域で活動してきた約20人のメンバーが、それぞれの得意分野を生かして運営してきた。
 83平方メートルのフロアを、可動壁でスタジオとギャラリーに分割したシンプルなつくり。講座やイベントの参加者らが気軽に交流できるため、会話の中から新しい企画や発想が生み出されてきた。
 いま、カフェで震災や原発問題に関する企画にかかわる都筑区の会社員三浦厳さん(44)も、「このカフェでの出会いで変わった」一人だ。
 昨年4月、カフェのデコレーションフォト講座に初めて参加した。しかし、講師の青木真紀さん(39)との会話ではどうしても、直前に起きた東日本大震災 が話題になった。子どもへの影響、水や食料の安全性などへの不安を話し合ううち、「原発や放射能の本当のことを知りたい」と、翌月には専門家を招いた講演 会を企画。その後も月1回程度、原発問題関連の展示や勉強会を精力的に開催している。
 それまで社会問題に無関心だったという三浦さんだが、「さまざまな問題意識を持つ人と出会い、自分も原発から憲法、教育まで考えることがどんどん増えて きた。インターネットで情報収集するのとはまた違う、生の人間の輪の力も再認識させられた」と、カフェでの出会いに感謝する。
 オープンから2周年を迎える12月には、NPO法人を設立する予定で、準備を進めている。カフェの立ち上げメンバーの一人で、NPO法人の共同代表に就 任予定の柴田暁子さん(63)=青葉区=は「さまざまな人の思いを形にできる場所を目指してやってきた。今後は地域との連携も深めて発展させたい」と意気 込んでいる。
 営業時間は午前11時~午後6時。月・火曜日定休。問い合わせは電話045(482)6717。イベントなどの開催予定はホームページhttp://spacenana.com

第2部(5)「脱原発」ドイツの失敗 料金上昇 ツケは国民に

2012.11.4 12:38 1/4ページ)[エネルギー

 民主党政権が打ち出した2030年代の「原発ゼロ」。だが、その裏には「電気料金2倍」との試算が隠されており、実際にはそれ以上の値上げとなる 公算が大きい。しかもこれが引き金になり、産業の「真空化」が起きかねない。この脱原発派にとって「不都合な真実」について前回説明した。
 だが、実はこれだけでは済まない。「原発ゼロ」の実現には、さらなるコストが見込まれるからだ。
 まず「原発ゼロ」をうたうならば全国の原発をそのまま放置することはできない。その解体・廃炉には1基当たり300億~700億円が必要だとされる。
 廃炉に伴い、放射性物質に汚染された原子炉の処分場も必要となる。使用済み核燃料の最終処分場の問題も逃れることはできない。これらの処分場設置にもっとも反対するのは、おそらく「原発ゼロ」を唱えた人々ではないだろうか。
 電力会社にとって原発ゼロは「死」を意味する。原発と関連施設は、電力会社のバランスシート上で「資産」として大きなウエートを占めるからだ。原発ゼロになれば、これらの資産価値はほぼゼロ。それどころか、廃炉を見込んで減損処理しなければならない。
 つまり、政府が「原発ゼロ」を正式に打ち出した瞬間に債務超過に陥る電力会社も出る可能性もあるのだ。そうなると、電力会社はもはや市場での資金調達が困難となり、政府が資本投入しなければならなくなる。もちろん原資は国民の税金となる。
高水準省エネの正体
 政府が9月に打ち出した原発ゼロシナリオ「革新的エネルギー・環境戦略」には、もう一つ「不都合な真実」が隠されている。
 シナリオのたたき台となった経済産業相名の資料「エネルギー・環境戦略策定に当たっての検討事項について」には、「省エネルギーの課題と克服策」として「経済的負担が重くなってでも相当高水準の省エネを実施する必要がある」と明記されているのだ。
 では「高水準の省エネ」の正体とは何か。これも具体的に記されている。
 「新車販売に占める次世代自動車の割合7割、うち電気自動車6割」「省エネ性能に劣る設備・機器の販売禁止」「省エネ性能に劣る空調機器の改修義務化」「省エネ性能の劣る住宅・ビルの新規賃貸制限」「中心市街地へのガソリン車乗り入れ禁止」-など。
 これら省エネ設備をすべて国産でまかなうならば、あるいは省エネビジネスが景気回復の起爆剤になる可能性もないことはない。
  だが、太陽光パネルはすでに中国製などに押されている。電気料金大幅値上げにより、今よりもさらに高コスト体質になった国内産業に外国企業と対等に戦える 余力があるかどうかは疑わしい。他国で生産された省エネ設備を導入するならば、「高水準の省エネ」を実現するための負担は企業、そして国民にすべてツケ回 される。
 しかも資料では、原発ゼロ達成時の日本の貿易収支は毎年9・7兆円の赤字。財政赤字に加え、巨額の貿易赤字を抱えた日本が立ちゆけるはずがない。
脱原発ドイツは…
 脱原発論者は「杞憂にすぎない」と言うかもしれないが、実は先例がある。
 脱原発を打ち出し、再生可能エネルギーへの転換を進めるドイツだ。一部メディアはこの姿勢を賞賛するが、負の側面はあまり伝えられない。ドイツの電気料金は過去10年間で1・8倍も跳ね上がっているのだ。
  ドイツは2000(平成12)年、世界に先駆けて再生可能エネルギーの買い取り制度を導入、制度を当て込んで太陽光発電への参入事業者が相次いだ。事業者 に高値で支払われる電力料金は、一般国民の電気料金に上乗せされ、2013年には標準家庭当たりの年間電気料金は現在の920ユーロ(約9万4000円) から990ユーロ(約10万1千円)に跳ね上がる。
 慌てたドイツ政府は買い取り価格の段階的な引き下げを実施。10月11日、アルトマイアー環境相はついに将来的に買い取り制度そのものの廃止を表明した。
 そもそもドイツは17基の原発を保有する世界9位の「原発大国」だ。2022(平成34)年までに全廃する計画だというが、現在も半数近くが稼働し、電力供給量の2割を担っている。
 そのドイツが大量購入しているのは、フランスの原発が供給する電力だ。フランスは「欧州の電力供給国」と化すことが安全保障上も国益に資すると考えており、原発ゼロにする考えは毛頭ない。
 政府はこのような事実を知らないのか。知っていて知らぬふりをしているのか。原発再稼働で迷走を続け、「原発ゼロ」政策の推進役を担った枝野幸男経済産業相は10月26日の閣議後記者会見で「原発ゼロによる値上げへの理解は得られると思う」と断言した。
 その枝野氏が「お手本」とするドイツでは、脱原発の電気料金上昇が低所得者層の生活と産業界を直撃しており、買取制度のあり方が来秋の連邦議会(下院)選挙の争点になるのは確実な情勢となっている。
 枝野氏は「原発ゼロ」がもたらす災禍をどう考えているのか。知らないならば、あまりに勉強不足だといえる。知らないふりをしているならばより罪深い。いずれにせよ、エネルギー担当相の資格はない。
 民主党政権が目先の人気取りで「原発ゼロ」を推し進めるならば、2030年代の日本の惨状は目に見えている。その頃に政治責任を取る民主党の政治家は何人生き残っているというのか。ツケはすべて国民に回されることになる。
別の1人が56ミリシーベルト被ばく 汚染水作業問題
東京電力福島第1原発3号機で昨年3月24日、作業員3人が高濃度汚染水に入り、170ミリシーベ ルト以上被ばくした問題で、3人とは別の作業員1人が汚染水に入り、56ミリシーベルト被ばくしていたことが3日、分かった。東電は、汚染水に入った作業 員が当初から4人と認識しながら、この作業員が汚染水に入っていたことを公表していなかった。東電は「当初は、被ばく線量が100ミリシーベルトを超えた 人を対象に説明していた。隠していたわけではない」としている。
 東電によると、この日は3号機タービン建屋内で電源ケーブルを設置する作業が行われていた。元請け会社の関電工2人、1次下請け会社1人、2次下請け会 社3人の計6人が従事。このうち、関電工と1次下請けの作業員計3人が地下で汚染水に入り、2人が福島医大に運ばれた。
 残りの2次下請け会社の3人は1階にいたとされていたが、1人が作業終盤に地下に下り、長靴で汚染水に入ったという。作業時間は5~10分程度。この作業員について東電は「健康に問題はない」としている。
(2012年11月4日 福島民友ニュース)

大間原発、“見切り発車”の建設再開 Jパワー、政府それぞれの思惑

2012.11.4 12:00 1/6ページ)[ドラマ・企業攻防
建設工事を再開した大間原発=青森県大間町
建設工事を再開した大間原発=青森県大間町
 Jパワー(電源開発)が、東日本大震災を受けて中断していた大間原発(青森県大間町)の建設工事を再開した。枝野幸男経済産業相の「建設継続容 認」発言からわずか半月。原子力規制委員会による新たな原発の安全基準も固まっておらず、建設再開には疑問の声も上がる。建設再開を急いだ裏には政府、J パワーそれぞれの思惑があった。
■新戦略が転機に
 「大間原発の工事を本日再開したとの報告だと、理解していいですね?」。10月1日、青森県の三村申吾知事は、県庁を訪れたJパワーの北村雅良社長に身を乗り出して念を押した。
 青森県は独自の安全確認手続きを昨年末に終了し、すでに建設再開を容認していた。だが、国内で反原発デモが勢いを増す中、Jパワーは「唐突に建設再開を打ち出せば、政府や世論の反感を買う恐れがあった」(幹部)ため、建設再開を決断できずにいた。
 建設中断の長期化で、地元は焦りを強めていた。大手ゼネコンは作業員を引き上げ、下請けに入っていた地元の建設業者は仕事を失った。作業員に昼食を届けていた弁当屋は1日150個あった注文が数個に激減した。
 賑やいだ夜の街は閑散としてつぶれる商店も出るなど、地元の景気は「悲惨な状態」(大間町商工会の幹部)に陥っていただけに、三村知事をはじめ地元はJパワーの決断を歓迎した。
 膠着(こうちゃく)状態を打破する転機となったのが、政府が9月14日に策定した革新的エネルギー・環境戦略だった。
  2030(平成42)年代の原発稼働ゼロを打ち出した新戦略は、大間原発の建設再開には逆風だ。だが、使用済み核燃料を再処理し、取り出したプルトニウム やウランを原発の燃料として再利用する「核燃料サイクル」については「諸外国と緊密に協議し、連携して進める」と継続を決めた。日本は米国との原子力協定 で非核保有国として唯一、再処理を認められており、継続しなければ日米同盟も大きく後退しかねないとの判断からだった。
■特別な役割
 
 大間はただの原発ではない。再処理で取り出したプルトニウムと ウランの混合酸化物(MOX)燃料を世界で初めて全炉心で使用する。すでに国内に蓄えられた29トンのプルトニウムを着実に消費するうえでも「特別な役 割」(政府関係者)を担う。核燃料サイクルの堅持と結びつけることで、「大間原発の建設再開に大義名分ができた」(同)のだ。
 「すでに設置許可を与えており変更しない」。枝野幸男経済産業相は翌15日、新戦略を説明するために訪れた青森で、工事再開を認める意向を明確に示した。
  ただ、原発の稼働には規制委が来春にも策定する新基準をクリアすることが条件となる。田中俊一委員長は「(建設再開は)新基準を待った方が無駄がない」と クギを刺していた。にもかかわらず、Jパワーが政府方針から間を置かずに建設再開を“見切り発車”したのは、建設設備の劣化という極めて技術的な問題も あった。
 「3・11」から時間が止まった工事現場は、さび止めなどの応急処置を施してはいたが、敷設した放水路は一部が野ざらしのまま。冬になって津軽海峡から吹き付ける厳しい潮風を受ければ、鉄骨状態にある原子炉建屋などにも影響が出かねない状況にある。
 
■高いハードル
  北村社長は工事再開にあたり、「早期再開の要請を受けていたのに、地域経済や雇用に影響を与えてしまった」と地元経済への配慮を理由を挙げた。だが、その 脳裏には、厳しい冬を迎える前に本格的な工事再開をしなければ、建設継続にも支障が出るとの危機感があったのは明らかだ。
 とはいえ、大間原発の運転実現までには高いハードルが幾重にも待ち構える。
 規制委の安全基準が想定より厳しくなれば、工費が膨らむリスクは否定できない。また、規制委の安全判断は周辺自治体の防災計画策定が前提となるが、対象とみられる半径30キロ圏内に入る北海道函館市は、建設再開に反対して策定を拒否している。
 さらに、工事中断が長期化してしまったため、「ゼネコン作業員が仕事の多い被災地に移動してしまい、容易に人員確保が進まず、きちんと工程表を作れない」(Jパワー関係者)という問題も浮上している。
  工事の中断で、大間原発の完成は、当初予定の平成26年11月から、少なくとも28年半ば以降にずれ込む見通しだ。新戦略の通り、2030年代に原発の稼 働を止める事態になれば、稼働期間は25年にも満たないことになる。政府の原発政策が定まらない限り、大間の先行きに不安が消えることはない。
                       

大間原発 電源開発工事の再開めぐり町に抗議殺到

 電源開発(Jパワー)による大間原発の建設工事再開をめぐり、地元の青森県大間 町に抗議の電話や電子メールが殺到している。脱原発の立場から理性的に町の姿勢を批判する内容もあるが、多くは事実誤認に基づいていたり、国の原子力行政 への怒りをぶつけたりしている。応対した職員が一方的に罵倒されるケースも後を絶たず、町は対応に苦慮している。
 同町企画経営課には、Jパワーが工事再開を発表した10月1日以降、主に首都圏や北海道函館市などから「少なくとも毎日10件以上」(担当者)の抗議の電話やメール、郵便が寄せられている。
 町がなぜ原発を容認するかを冷静に質問する人もいる半面、「町が大間原発の工事を再開するなんてどうかしている」といった事実誤認も少なくない。
 電話に出た職員に罵声を浴びせ、「原発交付金に依存しきった『麻薬中毒』め」などと言い放つ人や、特産の一本釣りマグロをめぐって「放射能マグロはいらない」と悪い風評をあおる内容も目立つ。長い人では電話で2時間もしゃべり続けるという。
 担当者は「町は原発容認の立場だが、町が工事再開を決めたわけではない。丁寧に声を聞くように心掛けているが、精神的に大変」と訴える。
 同町と隣接するむつ市でも、大間原発に関する批判が寄せられているという。同市には使用済み核燃料中間貯蔵施設が建設中だが、原発は立地していない。広報広聴課の担当者は「手軽に話せる自治体以外、意見をぶつけるところがないのかも」と肩を落とす。
 Jパワーは政府の新エネルギー戦略決定を受け、事前に地元自治体の了承を求めることなく、工事再開を宣言した。同社の大間原子力建設所によると、再開直後に数件の批判の電話があったが、「最近はあまりない」(大間現地本部総務・広報グループ)という。



20121104日日曜日

県原子力防災訓練:原発事故防災重点地域30キロ圏で初の避難訓練 野辺地町目ノ越、住民40人参加 /青森

毎日新聞 20121104日 地方版
初めての避難訓練に参加し、1次集合場所に集まる住民=野辺地町目ノ越集会所で
初めての避難訓練に参加し、1次集合場所に集まる住民=野辺地町目ノ越集会所で
今年度の県原子力防災訓練が3日、青森市や東通村など県内各地であった。原発事故の際の防災重点地域が、原発から30キロ圏(以前は8〜10キロ圏)に広がったのを受け、県内で初めて六ケ所村や野辺地町など30キロ圏で住民避難訓練が行われた。
 東北電力東通原発1号機(東通村)が地震で緊急停止。全電源喪失で冷却機能を失い、放射性物質が漏れ出す恐れが生じた−−との想定。県内55機関約700人が参加し、このうち地域住民は約200人。
 原発事故の際の防災重点地域の拡大は、国の原子力規制委員会が10月に「原子力災害対策指針」で決め た。東通原発から約30キロにある野辺地町目ノ越地区では、住民約40人のほぼ全員が参加。午前10時20分から2回、防災無線や広報車が避難を呼びか け、住民は30キロ圏外にある1次集合場所の目ノ越集会所に自家用車で次々に集まった。約20分後には全員が集合したが、自治会長の向井敏秋さん(63) によると、天候が悪く「無線がよく聞こえなかった」と訴える住民もいたという。
 母敬子さん(59)、長男翔くん(7)と集会所を訪れた同地区の看護助手、野坂裕子さん(30)は東北 町の病院に勤務しており、「休日なので一緒に避難できたが、平日なら家族みんなが、ちゃんと逃げられるかどうか」と不安げ。また、会社員の木村昭弘さん (50)は「東通原発は遠いので、事故の危険性はあまり意識していなかった。こういう機会をもっと増やしてほしい」と話した。
 町によると、正式な避難場所は同原発から45キロにある町中央公民館だが、住民をどう避難させるかは、 年度内に策定する「地域防災計画」で決める。向井さんは「30キロの外まで被害が出た福島の事故を考えると、目ノ越地区も危ない。無線が聞こえないなどの 課題も見つかったので、住民同士声を掛けあって避難できるようにしたい」と話した。【酒造唯】

大飯原発運転差し止めへ原告団発足 福井で108人、30日提訴

2012114日午前1130分)
拡大 大飯原発運転差し止めを求める民事訴訟の原告団発足式で決意を述べる佐藤弁護団長=3日、福井市内大飯原発運転差し止めを求める民事訴訟の原告団発足式で決意を述べる佐藤弁護団長=3日、福井市内



 今年7月に再稼働した関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを求める民事訴訟の準備をしている福井県内住民らが3日、福井市内で原告団の発足式を行った。原告団は30日に関電を相手に福井地裁に提訴する。
 原告団は県内を中心に京都、滋賀、石川など県外も含めて108人(3日現在)で構成。発足式を機に訴訟準備会を「福井から原発を止める裁判の会」に改称した。
 弁護団事務局によると、東京電力福島第1原発事故の原因究明が不十分なままの再稼働は事故の危険性があるなどとし、住民の人格権と環境権が妨げられていると主張する。同原発敷地内の破砕帯について、専門家が活断層の可能性を指摘している点も取り上げる。
 弁護団長に就任した佐藤辰弥弁護士は「裁判は簡単ではないが、福島を二度と繰り返さないという思いを結集したい。福島で起きた現実を訴えることで裁判所を動かしていけると確信している」と決意を述べた。
 原告団世話人の一人、木下建一郎さん(34)=福井市=は「デモに参加しても声を上げても、裁判を起こしても原発が止まらないという思いはもうたくさん。一つ一つの活動に参加し、全体の中で原発を止める運動にしていきたい」と原告に加わった理由を述べた。
  発足式では、北陸電力志賀原発2号機(石川県)の運転を差し止める判決を言い渡した元裁判官の井戸謙一弁護士が記念講演した。井戸氏は「3・11以降、従 来の原発訴訟で住民側の訴えを退けてきた司法の判断は甘かったと感じている裁判官は多い。裁判官のいい判断を導くのは最終的には(脱原発を求める)国民の 意識だ」と激励した。
 福島の事故後、原発差し止め訴訟は全国で相次いでいる。福井地裁への提訴は1985年の高速増殖炉「もんじゅ」差し止め訴訟以来。大飯原発をめぐっては京都や滋賀、大阪の弁護士も運転差し止めを求める訴訟を京都地裁に起こす準備を進めている。

東日本大震災:福島第1原発事故 「原因から地震排除」 国会調査委の田中三彦さん、講演で国や東電批判 /宮城

毎日新聞 20121104日 地方版
原発再稼働の問題点について具体的に語った田中三彦さん=仙台市青葉区で
原発再稼働の問題点について具体的に語った田中三彦さん=仙台市青葉区で
東京電力福島第1原発事故をめぐる国会の事故調査委員会で事故原因調査を担当した田中三彦さんの講演が 3日、仙台市青葉区で開かれた。福島第1原発事故について「原因が究明されていないのに、原因から地震の揺れを排除しようとしている」と国や東京電力の姿 勢を批判したうえで、東北電力女川原発について「“被災原発”として、東日本大震災の後遺症の調査が全く不十分。再稼働を論ずることすら時期尚早」と訴え た。【藤田文亮】

 ◇女川原発「震災後遺症ある」

講演は「女川原発の再稼働を許さない!みやぎ秋の集い」の一部。田中さんは元原子炉設計技師で、「福島原発事故の実態と女川原発再稼働の問題点」と題した講演に、約300人が聴き入った。
 田中さんは、福島の事故について、原発の運転日誌や運転員の証言の精査から、電源喪失時間が事故当日の 午後3時35〜36分で、高さ10メートルを超える大津波の到達はその後の同37分であることが写真などから分かった、と報告。「つまり、津波の前に電源 が失われており、事故の本当の原因が地震の揺れだった可能性を示している」と強調し、「国や東京電力は、全国の原発に影響が広がるのを嫌がり、事故原因を 津波だけのせいにしようとしている」と論難した。
 女川原発についても、「震災で相当の後遺症を負っているはず」と指摘。新潟県中越沖地震(07年)で損 傷した東京電力柏崎刈羽原発ではいまだに耐震安全性の確認が済んでいないとしたうえで、「女川原発は、津波被害からは紙一重で免れたが、大きな揺れを体験 した被災原発。ボルト1本までの調べる必要がある。ストレステスト程度では安全性の確認にはほど遠い」と主張した。

手探りの原子力規制委 国と地域、連携が足りない

2012114日午前940分)
 原子力規制委員会は原発事故時の防災対策の枠組みとなる「原子力災害対策指針」を決定した。東京電力福島第1原発事故を教訓にした安全規制の再出発点となる。関係自治体は来年3月までに地域防災計画を策定する。住民の安全確保に一層の役割と責任が求められよう。
 しかし事故後、政府の原子力政策はふらつき、「2030年代までに原発ゼロを可能とする」新戦略を描きながら、工程表は検討項目を羅列しただけだ。地元は国に振り回され続けている。規制委の指針も地域の実情に沿う有効策とは言い難い。原子力政策は漂流したままである。
 ■責任の所在が不明■
 課題は山積している。原発の再稼働判断をめぐり、政府と規制委がなすり合いをしているように、責任の主体が明確でない。政府・省庁と規制当局の関係もはっきりしない。立地自治体の混乱や戸惑いもこれに起因する。規制委員の同意を含め、国会で議論の積み重ねもない。
  さらに広域災害時の立地自治体と周辺自治体連携、県域を越えた防災体制。そこに国がどう関与するかも不明確だ。立地、周辺自治体と電力事業者の安全協定を めぐる混乱も起きている。国の権限と責任、果たすべき役割が明示されないまま、地域の安全対策を自治体に押しつけても、十分機能するはずはない。原発の安 全確保に一元的責任のある国の主体性なき怠慢である。
 原子力行政全体の枠組みをどうするのか。原子力規制委設置法要綱で「政府は国、地 方公共団体、住民、原子力事業者、関係行政機関の情報共有のため必要な措置を講ずる」として「より緊密な連携協力体制の整備」を明記している。そうである なら、政府、規制委、地域がじっくり協議する場をつくり、安全確保義務がある電力側も積極的に公の場に出るべきだ。規制委は十分に地域の意見を吸い上げな がら実効性を確保する努力が不可欠である。
 ■本当に住民目線か■
 規制委は来年7月に原発の安全基準を策定する。再稼 働に当たっては「科学的、技術的見地からの安全規制を行う」として「稼働判断や地元への説得、合意形成は電力事業者かエネルギー政策担当省庁で」と立場を 明確にした。独立性と透明性は重要だが、原発を抱える自治体には政府、省庁、規制委も同じ「国」。そのことを肝に銘じてもらいたい。
 原 発の耐震設計指針では活断層の定義を13万~12万年前以降に動いた断層としている。規制委は政府の地震調査研究推進本部の見解を基に40万年前以降に拡 大する方針だ。6原発での断層調査へ関西電力大飯原発からスタートさせたが、広げた規制の「大風呂敷」をどう畳むのか。実績づくりを急ぎ、中途半端な判断 になればかえって信頼を失うだろう。
 放射性物質拡散予測についても説明不足が目立つ。指針では重点区域の目安を30キロ圏に拡大した が、予測では40キロ圏でも高線量が出た。田中俊一委員長は「30キロ圏で十分」との認識を示した。住民目線に立てばなぜ十分なのか分からず、責任ある立 場の見解とは思えない。県が主張するように、防護範囲の科学的、合理的根拠や避難の判断基準などを明示する必要がある。
 ■県も主体性発揮を■
 福島原発事故が示すように、住民不安は尽きず、リアリティーのない規制行政では十分な役割を果たせない。自治体で詳細な避難対策を立てるには困難が伴う。ノウハウのない自治体もある。国は計画策定にもっと関与し、財政支援も行うべきだ。
 課題と向き合い、緊張感を持って乗り越えてきた「古参」の立地自治体と「新参」の周辺自治体には溝がある。だが立場の違いを超えて広域連携が必要なのは当然のこと。県は真の連携強化へ主体性を発揮すべきではないか。調整役の国と地域が十分対話しながら道筋をつけたい。
 規制・防災は国際基準に沿うが、米国では避難訓練の住民参加は「必要なし」としてきた。日本は住民本位である。こうした「地域発」で培ってきた安全思想を生かし、実効性ある対策を立てるのでなければ廃炉しかなくなる。(北島 三男)

交流:原発と原爆、どう向き合う 南相馬と長崎の高校生、きょうネット会議 /福島

毎日新聞 20121104日 地方版
 「四万五千の人びとが二時間のあいだに消えた。サッカーゲームが終わって球技場から立ち去ったのではな い」−−。福島第1原発事故で被災した南相馬市と被爆地・長崎市の高校生が4日、インターネット会議システムを使い、原発と原爆に関する朗読と意見交換を 行い交流する。南相馬側の県立原町高校は放送部の5人が参加し、地元在住の詩人、若松丈太郎さんの作品「神隠しされた街」を朗読する。【高橋秀郎】
 長崎市で開かれている「長崎国際平和映画フォーラム2012」(国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館主 催)の特別企画。長崎側は私立活水高の平和学習部と放送部の8人が参加し、広島と長崎で被爆した故山口彊(つとむ)さんの手記からメッセージを発信する。 記録映画「二重被曝(ひばく)」「フクシマ2011」を製作した稲塚秀孝監督が、両校の活動に共感し、働きかけて実現した。
 若松さんの詩は94年発表の作品。86年のチェルノブイリ原発事故と古里・福島を結びつけた内容は、昨年の原発事故を予言したとして注目された。朗読を担当する1年生の伏見里穂さん(15)は、「若松さんの思いをくみ取って表現したい」と意気込んでいる。
 避難生活などの体験から意見交換に臨む3年生の高山風優香(ふゆか)さん(18)は「福島の事故を伝えていくため、戦争や原爆の歴史を伝えようと、どんな強い意志を持ち活動しているのか聞きたい。事故にどう向き合えばいいか考えたい」。
 南相馬側では若松さん、長崎側では福島の高校生と交流している被爆者の広瀬方人(まさひと)さんも出演する予定。
 同祈念館は一般の来場を呼びかけている。南相馬市の会場は、原町区の市民情報交流センター・マルチメディアホール。午後1時開催。問い合わせは、同祈念館(095・814・0055)。

国際的専門家と除染や健康、食品で対話

201211041015分配信
環境省の「福島原発事故による長期影響地域の生活回復のための県民と国際的な専門家との対話集会」は3日、福島市のコラッセふくしまで開かれ、安心して生活できる環境づくりに向けた除染や健康管理、モニタリング調査の在り方に意見を交わした。
国際放射線防護委員会(ICRP)、福島医大の協力で、約50人が参加した。
ICRPのジャック・ロシャール第四委員会長が専門家と住民の対話の重要性を強調。
福島民報社の早川正也報道部長が除染や廃棄物処理の現況を報告した。
大熊町の蜂須賀礼子さんが「子どもたちの健康管理のため、国や専門家が考え方を示すべき」と求めた。
県医師会の土屋繁之常任理事が原発事故当時の医療現場の様子を説明し、環境省の森谷賢福島除染推進チーム長が除染の進捗(しんちょく)状況を報告した。
専門家と県内各団体の代表との意見交換も行われた。
県民側から「食品のモニタリング結果を判断する知識が得られない」「母親の疑問をケアする必要がある」「住民の学習会を積極的に開くべき」などの意見が相次いだ。
ICRP主委員会のクレア・カズンズ委員長が「住民が何を心配しているか理解できた。
不安をなくす情報を提供したい」と述べた。

憲法のつどい:村上・東海村長と曽我・茨城大教授、「平和憲法と脱原発社会」テーマに対談 120人参加 /茨城

毎日新聞 20121104日 地方版
 「文化の日」の3日、水戸市文京の茨城大で「憲法のつどい」が開かれ、村上達也・東海村長と曽我日出夫・茨城大教授(数学)が「平和憲法と脱原発社会」をテーマに対談した。約120人が参加した。
 文化の日は、46年に日本国憲法が公布された記念日にあたり、憲法を尊重する市民で作る実行委員会が主催。実行委は約7年前から憲法の学習会を開いており、東京電力福島第1原発事故以降は、平和憲法の理念から原発のあり方について学習を続けている。
 対談で村上村長は、電源3法交付金などを挙げ、「『カネの暴風』で原発依存の体制が構築された」と指 摘。村が策定を進める原子力の最先端研究などを活用した町づくり計画「原子力センター構想」に触れ、「文化・社会的価値を大事にする町づくりをしたい。地 域主権として原発問題を解決していかなければならない」と述べた。曽我教授は「自分で判断できる能力を高めることが自立した町づくりの出発点。憲法はそれ を示している」と訴えた。【杣谷健太】

原発の活断層調査 疑いある中での稼働が問題2012114日 

関西電力大飯原発(福井県)の敷地内にある断層に関して、地震の際に動く恐れがある活断層かどうかを調べる原子力規制委員会の現地調査が行われた。評価会合を4日に開き、調査結果を議論するが、追加調査の可能性もある。
 調査後の会見では活断層について断定的な意見は出なかったが、そもそも大飯原発は関西の夏の電力不足による混乱を回避することを理由に、政府が暫定的な安全基準を基に再稼働を決めた。活断層の疑いという新たなリスクがあるならば、即刻停止するのが筋だ。
 敷地内の断層は3、4号機の冷却に用いる非常用取水路の真下を通るとみられる。近くの断層と連動し地盤をずらし、設備に損傷を与える危険性も指摘される。調査確認に万全を期してもらいたい。
 規制委の田中俊一委員長は、活断層の疑いが「黒か、濃いグレー」の時に関電に運転停止を求める考えだが、それでも生ぬるい。
 政府や東京電力は、福島第1原発を襲った大津波を「想定外」と言い張ってきた。その教訓に学ぶなら「黒か、濃いグレー」なら稼働停止ですら悠長だ。いま だ原発事故で16万人超が避難生活を強いられている。フクシマの教訓に学ぶべきは、地震国日本は原発と共生できないということだ。
 この断層が、活断層かどうかを示す“直接証拠”は、関電が1980年代に実施した掘削調査図だが、敷地造成工事で周辺の地層は既に削り取られている。新たな証拠なしには、活断層かどうかの判断は難しいといわれる。
 ここは住民の不安解消にこそ、最大限注力すべきだ。間違っても電力会社の経営的思惑や他の原発への問題波及の回避といった政治的思惑で稼働を続けてはならない。夏の電力需要ピークは過ぎたのに、新たな安全基準が策定されぬ中、稼働を続けるのは道理が通らない。
 規制委が、福島の原発事故を受けて新たに決めた原子力災害対策指針は、災害対策重点区域を現行10キロ圏から30キロ圏まで広げた。
 対象自治体の新指針を受けた地域防災計画の策定はこれからだ。
 仮に政府の立場に立ったとしても防災計画が不備のままの原発稼働などあってはならない。住民の安全を犠牲に、経済効率性を追求していると批判されても仕方ない。
 大飯原発の安全性を誰も保証できまい。ならば即刻止めるべきだ。
201211410:00

17日に「原発ゼロ京都アピール」講演会

植田和弘植田氏
和田武和田氏
京都から原発ゼロのアピール運動を呼びかけている京都ゆかりの著名な学者・専門家9氏が主催する「原発ゼロ・『京都アピール』講演会」が17日午後2時から、京都市左京区の京都大学北部構内理学部6号館401号室で行われます。
 あいさつと問題提起を安斎育郎・立命館大学名誉教授(放射線防護学、平和学)が行い、植田和弘・京都大学経済学研究科教授、和田武・日本環境学会会長 (自然エネルギー市民の会代表)の2氏が講演します。テーマは植田氏が「日本のエネルギー政策」、和田氏が「再生可能エネルギーの可能性」です。
 京都大学職員組合、「原発ゼロアクション in KYOTO」が後援します。
 連絡先は事務局genpa2u@gmail.com。(「週刊しんぶん京都民報」201211月4日付掲載)

東電、福島に本社機能 賠償・除染業務4000人超

 東京電力が、福島第1原発事故の賠償に関する業務や除染作業を強化するため、福 島県内に本社機能を設ける方針を固めたことが3日分かった。福島に関連する業務を「福島本社」に移す。現在の態勢を増員し、4千人超が復興業務に当たる。 来週にも発表する中期経営計画に盛り込む。
 東電の意思決定は、東京の本店で実施しているが、地元の自治体や住民には「意向が十分反映されていない」との不満がある。現地の態勢や権限を増強し、賠償や復興を全力で進める姿勢を打ち出す狙いもある。
  福島本社のトップは東京本店の副社長級とし、社内から選ぶ。現在約3500人の福島関連業務の担当者を新たに500人程度増やし、事故の賠償や放射性物質 の除染、復興支援を一体的に進めていく。現地に常駐する除染の担当者も、現行の100人から3倍の300人規模に拡大する。
 復興支援を強化するため、東電の全社員が年数回は現地に赴き、ボランティアの立場でなく業務として、住宅の片付けなどに携わる。
 このほか、中期計画には「発送電分離」などの電力システム改革を先取りする形で、将来の持ち株会社化も視野に入れた内容を盛り込む方向。燃料費の増加で赤字が続いていることに対応し、新たに年1千億円程度のコスト削減も打ち出す見通しだ。



20121104日日曜日
'12/11/4

活断層かどうか議論 大飯原発の断層、規制委が会合

国内で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県)の断層を調べた原子力規制委員会(委員長)の現地調査団は4日午後、都内で会合を開き、敷地内をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」が活断層かどうかを議論する。活断層の疑いが強まれば、規制委は稼働中の3、4号機の運転停止を関電に求める方針。
 F―6断層は、3、4号機の冷却に用いる重要設備「非常用取水路」の真下を走っているとみられる。国は活断層の上に重要設備をつくることを認めていない。
 調査団は2日、現地で試掘溝やボーリングで採取した試料などを確認。調査団の東洋大教授は、関電が「断層はない」としていた敷地北側の試掘溝内で、F―6断層の延長とみられる断層を確認したと明らかにしていた。
 調査団長役の委員長代理(東京大名誉教授)は2日の調査終了後「必要であれば(関電に)再調査を求める可能性も選択肢の一つ」と述べていた。

原発県民投票、全県で署名活動終了
「決める会」、13日までに本提出

東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非を問う県民投票の実施を目指す市民団体「みんなで決める会」は3日、県議補選と知事選のため一時中断していた新潟市西蒲区での署名集めを終了した。
 決める会は6月23日から全県で署名を始め、西蒲区以外から集めた6万7356人分の署名を各市区町村選挙管理委員会に仮提出している。約2カ月間中断した今回の西蒲区分を合わせ、全県分を13日までに各選管に本提出する。
 決める会によると、西蒲区では2日現在、少なくとも2千人分が集まった。今後、受任者(署名収集者)が個別で集めた署名分が回収される。
 共同代表の1人(34)=村上市=は「全県での署名を終え、ほっとしている。今後は県議会に県民の思いを伝えたい」と話した。
 署名は本提出された後、各選管で審査、縦覧後、有効署名数が確定する。県民投票条例の制定を知事に請求するには、県内有権者の50分の1に当たる約4万人分の有効署名が必要。50分の1を上回るのは確実とみられ、決める会は12月中に直接請求する予定だ。
【社会】

イノシシが野生鳥獣「放射能汚染」記録更新!-福島捕獲のイノシシ1300ベクレル!

 201211514:00 


■野生鳥獣のセシウム汚染が進む
2012112日、厚生労働省は「食品中の放射性物質の検査結果について(第513報) (東京電力福島原子力発電所事故関連) 」で福島県二本松市で1013日に捕獲されたイノシシから1キログラム当たり1300ベクレル放射性セシウムが検出されたことを発表した。

イノシシ肉(参考画像)
セシウム
image from titanium22食品中の放射性物質の検査結果について(第513報)
セシウム

福島市で捕獲された別の1頭からも900ベクレルの放射性セシウムが検出されている。
また、ツキノワグマも福島市で捕獲された1頭から1100ベクレルの放射性セシウムが検出されるなど、野生鳥獣の放射性セシウム汚染が進んでいる状況が分かる。
■野生鳥獣セシウム汚染記録更新!
今回の1300ベクレルは、1029日に同省から発表された、新潟県十日町市で捕獲されたツキノワグマの760ベクレルを超え、野生鳥獣では最も高濃度の放射性セシウムとなる。
野生鳥獣放射性セシウム検出ランキング
1位:イノシシ(1300ベクレル)福島県二本松市
2
位:ツキノワグマ(1100ベクレル)福島県福島市
3
位:イノシシ(900ベクレル)福島県福島市

福島第一原発港湾内のマアナゴから15500ベクレルの放射性セシウム検出!

 201211512:00 


■港湾内から15500ベクレルのマアナゴ
2012112日、東京電力は福島第一原発港湾内で採取したマアナゴから1キログラム当たり15500ベクレル放射性セシウムが検出されたことを発表した。
セシウム
image from Kusakabeこのマアナゴの採取日は1010日。この他、1016日までに採取した港湾、および沖合20㎞圏内の魚類からも高濃度の放射性セシウムが検出されている。
エゾイソアイナメからは同4200ベクレル、クロソイからは同1470ベクレルが検出された。
■過去最高はアイナメの25800ベクレル
東京電力が採取した魚類では821日に沖合20㎞で採取したアイナメの1キログラム当たり25800ベクレルとなっている。
今回のマアナゴの15500ベクレルはこれには及ばないものの異常な高さであることは変わりはない。
厚生労働省が発表している水産物の放射性セシウム濃度で比較すれば2位にランクインする。
1位:福島県飯舘村ヤマメ(18700ベクレル)-2012/3/28
2
位:福島県いわき市イカナゴ稚魚(14400ベクレル)-2011/4/19
3
位:福島県いわき市イカナゴ稚魚(12500ベクレル)-2011/4/13
4
位:福島県南相馬市アユ(4400ベクレル)-2011/6/23
5
位:福島県いわき市ヒラメ(4500ベクレル)-2011/11/16
6
位:福島県南相馬市アユ(3300ベクレル)-2011/6/23
7
位:福島県いわき市シロメバル(3200ベクレル)-2011/7/6
7
位:福島県いわき市イカナゴ稚魚(3200ベクレル)-2011/4/27
9
位:福島県いわき市アイナメ(3000ベクレル)-2011/7/20
10
位:福島県いわき市イカナゴ稚魚(2900ベクレル)-2011/5/5
10
位:福島県南相馬市アユ2900ベクレル)-2011/6/2(参考:|緊急情報|厚生労働省)

これまでに放出された膨大な放射性物質の生物濃縮はこれから始まるのかもしれない。
naka773

外部リンク
東京電力ホームページ
http://www.tepco.co.jp/index-j.html
|緊急情報|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000029prx.html

東日本大震災:がれき3トン、試験焼却−−高浜 /福井

毎日新聞 20121105日 地方版
 高浜町は4日、岩手県大槌町から出た震災がれき3トンを試験焼却した。焼却灰を5日、町内の処分場に埋 め立てる。灰などの放射性セシウム濃度や施設周辺の放射線量を調べ、問題がなければ本格焼却を始める。同町は来年末までに700トンを受け入れる予定。 900トンを受け入れ予定の敦賀市は先月26日に試験焼却を行った。
 町職員らが、町清掃センターに搬入したがれき(木くず)の内容を確かめ、放射線量を測定。1時間あたり 0・04マイクロシーベルトと確認後、一般ごみ17トンと混ぜて焼却炉に入れた。がれき1キロあたりの放射性セシウム濃度は13ベクレルで、町の受け入れ 基準(100ベクレル以下)を下回っている。
 町の担当者は「測定データを確認し、来月初めごろには本格実施を判断したい」と話した。現場には反対住民7人が集まったが混乱はなかった。【松野和生】

除染「危険手当」、作業員へ渡らず? 環境省が調査へ

2012.11.5 14:24
 東京電力福島第1原発事故を受け、福島県の11市町村で国が直轄で行っている除染作業をめぐり、作業員へ支払われる危険手当「特殊勤務手当」が実 際には支払われず「ピンハネ」されている実態が疑われることが5日、分かった。環境省はゼネコンなど元請けへ適切に支払うよう周知するとともに、実態を調 査する。
 環境省は除染事業をゼネコンなど元請けへ発注する際、被曝の危険性や精神的不安に対し支給される特殊勤務手当(放射線量などに応じ3300円、5千円、6千600円、1万円の4種類)を作業員へ支払うよう契約で定めている。
 ところが、環境省へ作業員や下請け業者らから「受け取っていない」「ピンハネされている」といった訴えが寄せられるなどしたため、元請けから提出された賃金台帳などを再チェックすることにした。環境省は「周知を再度徹底するとともに、実態を調査したい」としている。
 国の直轄除染は、今年1月から公共施設などで先行的に始まり、ゼネコン11社などへ18件(計35億円)を発注。7月からは田村市を皮切りに楢葉町、飯舘、川内両村の4市町村で本格的な除染が行われている。

放射能、風評被害から再起 販路開拓へ法人設立 苦境の県内シイタケ農家

2012110510:32

原木でかさを出すシイタケをチェックする濱屋さん=市原市鶴舞の山林
 原発事故の放射能汚染による出荷停止措置や、風評被害で苦境に立たされる県内の原木シイタケ生産者が農事組合法人を立ち上げた。近く独自ルートで の販売を開始するほか、入手困難な原木の共同調達など山積する課題に力を合わせて取り組む。高齢化や後継者不足にも追い打ちをかけ廃業が相次ぐなか、生産 者のプライドをかけ再起を目指す。
 「移動して刺激を与えると、ほら」。市原市鶴舞の山林で、濱屋郁生さん(68)は原木に芽生えた小さなシイタケのかさを笑顔で指差す。先月末、同市など2市1町の原木シイタケ生産者6人で生産、販売・経営を行う農事組合法人「森のめぐみ千葉」を設立。代表理事を務める。
 県内一部産地では福島第1原発の事故以降、県の検査で原木シイタケから基準値を超える放射性物質が検出され、各市町村単位で出荷停止措置が相次いだ。基準値が下がり、現在も9市で出荷停止措置が取られている。
 市原市産など、県検査では基準値以下でも「千葉県産」として市場や消費者に敬遠される。価格も下落。風評被害だ。さらに大手スーパーの厳格な独自基準で販売ルートを閉ざされた生産者が続出。濱屋さんも売り上げが3割減った。
 また、植菌した「ほだ木」や原木の主生産地は福島。放射能汚染の影響で現在出荷はストップし、県内含め他産地からの入手が難しい状況にある。
 市原市内の原木シイタケ生産者は、高齢化と後継者不足でピーク時の10分の1に減少。生産できない現状を機に廃業する農家がおり、歯止めは利きそうにない。それは県内全体の傾向でもある。
 「このままでは皆沈んでしまう」。県内生産者22人とともに今年1月「千葉県原木しいたけ協議会」を設立し、東京電力との損害賠償請求交渉に当たってきた濱屋さんは危機感を強める。

喫煙者の死亡率と平均寿命に対する調査結果、放射線影響研究所疫学部より

読了時間:約 213  20121105日 PM03:13
喫煙と平均寿命の有望な研究結果!
公益財団法人 放射線影響研究所疫学部から、「日本の喫煙者の死亡率と平均寿命に対する喫煙の影響:有望なコホート研究」結果が発表された。

(写真は公益財団法人 放射線影響研究所)
同研究は、Sakata R, McGale P, Grant EJ, Ozasa K, Peto R, Darby SCによる研究結果であり、同研究所は、日米両国政府が共同で管理運営する公益法人として197541日に発足、平和目的のため、原爆放射線の健康影 響について調査、日米の協力の元研究が続けられている。
調査結果の概要
調査結果として、非喫煙者と比べて喫煙者は平均寿命が短い事が判明した。男性に関しては平均寿命が8年、女性の場合は10年平均寿命が短い結果となった。
また、35歳前に禁煙をしている層では、喫煙と寿命の関係は証明されず喫煙によるリスクを回避している結果となった。
調査の詳細と対象
この調査は、喫煙している男性27,311人と喫煙している女性40,662人に対して実施、1963年から92年に得られた結果を分析した。
1920年から1945年(中央値1933年)に生まれた者は、それ以前の調査より喫煙本数が増加しており、男性の平均で一日23本、女性は一日 17本の喫煙をしていた。このグループは男女ともに、平均寿命より短い結果となり、男性で8年(95%信頼区間1.97から2.48)、女性では10年 (1.98から3.44)の減少となった。
また 男女とも35歳前で喫煙をやめた層は、喫煙リスクが出ておらず、45歳で止めた層に関してもリスクを有る程度回避している結果となった。
コホート研究
特定の集団を一定期間追跡調査し、その結果を元に分析を行い影響を調べる分析疫学の1手法である観測的研究である。または、要因対象研究(factor-control study)とも呼ばれる。
▼外部リンク
研究結果レポート
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23100333

石原慎太郎の「原発も消費税もささいなこと」発言は、政界再編を呼ぶラブコールである


田原総一朗
2012110513:39
石原慎太郎さんが都知事を辞任した。ついに「石原新党」が誕生するようだ。石原新党は「たちあがれ日本」を母体に、「第三極」の結集を目指す、と言われている。だが、石原さんは、野党に甘んじるような男ではない、と僕は断言する。
石原さんは、1968年、参議院選挙に全国区で出馬し、史上初の300万票を獲得してトップ当選。その後、衆議院議員に転じて8期務めた。その間、 環境庁長官、運輸大臣を歴任する。ところが、任期途中で衆議院議員を辞職、東京都知事となって4期も務めている。そんな華々しい経歴を持つ石原さんが、た だ国政復帰を目的として、おめおめと野党で大人しくしているわけがない。彼は、自民党や民主党を割って政界再編を目論んでいる。そして目指すはズバリ、 「首相の椅子」だと僕は見ている。
では、なぜ「今」なのか。理由は大きく2つある。夏の段階で石原さんは、「新党は考えていない」と発言した。これは、ごまかしではなく、本当のことだろう。なぜなら、長男の伸晃さんが自民党総裁選に出ることが予想されていたからだ。
石原さんは、ああ見えて大変な子煩悩だ。伸晃さんが自民党総裁になるのに、自分が新党を作って、困らせるわけにはいかない。そう考えたに違いない。 ところが、その伸晃さんが、自民党総裁選で落選した。ならば、もう遠慮は必要ない、いや、むしろ息子を総裁にしなかった自民党を壊すくらいの気持ちを持っ ても不思議はない。
そして、2つめの理由は、石原さんは根っからの「作家」だということだ。彼は、ずっと政治家ではあったが、その行動は「作家」そのものなのだ。いつも、世間を挑発し、面白がっている。まだ大学生で『太陽の季節』を書いたころから、石原さんはまったく変わっていないのだ。
たとえば、今年4月、わざわざワシントンで尖閣諸島を買うという爆弾発言をした。挑発に乗った野田首相が「いや、国が買う」と言って、大騒ぎになっ た。石原さんにとっては、面白くて仕方ないだろう。そして今度は、国政復帰、新党騒動だ。今度もまた政界は大騒ぎ、またまた面白くて仕方ないはずだ。「暴 走老人・石原」の行動は、「作家」として見れば、とてもわかりやすいのだ。
さて、これからどう展開するのか。まず石原新党が「維新の会」と組むのは必至だろう。10月末、橋下徹さんは福岡からお忍びで東京を訪れた。石原さ んに会うためだ。そこで何が話されたかは、想像に難くない。この連合に「みんなの党」もつく。原発や消費税についての意見の相違は「ささいなこと」だと石 原さんは語ったが、これは「維新の会」のラブコールを受け入れるよ、という表明である。みんなの党の江田憲司さんは「ささいではない」と発言したが、政党 同士が組むうえでは「ささいなこと」なのだ。なぜなら原発の問題は、すでに日本全体が「脱原発」に向かっており、実現時期に違いがあるだけだ。問題は新エ ネルギーであって、決裂する要因にはならない。もうひとつの「ささいなこと」である「消費税」は、すでに国会で可決された。これもまた、当面の決裂要因に は、なりようがないのだ。
総選挙で自民党・公明党がどこまで議席を伸ばすかによるが、石原さんは条件をつけて自民党に切り込んでいくだろう。 そして、自民党も分裂し、民主党もまた分裂して、政界再編が起きる。そのとき「作家・石原慎太郎」は、会心の笑みを浮かべるに違いない。

原発部品保証書の偽造発覚 2基を運転停止に=韓国

201211051623
[ⓒ
聯合ニュース]
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  【ソウル聯合ニュース】韓国知識経済部は5日、原発の部品供給業者8社が外国機関の発行する品質保証書を偽造し、原発事業者の韓国水力原子力に部品を納入していたことが分かり、光州地検に捜査を依頼したと発表した。

  
 これに伴い、韓国水力原子力は問題の部品の大半が使用された霊光原発5・6号機(全羅南道)の運転を同日から停止し、該当部品を交換する。

  
 偽造保証書で納入された部品は、ヒューズやスイッチなどの消耗品。2003年から今年にかけ、237品目・7682個の部品が納入され、このうち136品目・5233個が実際に原発に使用された。部品供給価格は総額8億2000万ウォン(約6000万円)に達する。

  
 全体の98.2%が霊光原発5・6号機に使用され、霊光原発3・4号機と蔚珍原発3号機(慶尚北道)にも数十個ずつ使われた。

  
 原発では、安全性の高い部品(Q等級製品)が手に入らない場合、技術評価と性能試験を経た一般産業用部品の使用が認められるが、8社は偽造した品質保証書で納入手続きを踏んでいたという。

  
 韓国水力原子力は霊光原発5・6号機の部品を交換後、安全性を綿密に確認した上で原子力安全委員会に再稼動の承認を求める方針。運転停止期間は、ひとまず年末までと見込んでいる。

  
 霊光原発3・4号機、蔚珍原発3号機は交換対象の部品が少なく、運転中に取り換えられるため、運転を継続する。

  
 今冬の電力需要が過去最高を記録すると見込まれるなか、電力不足に対する懸念が高まっている。

  
 慶尚北道の月城原発1号機(設備容量67万9000キロワット)が先月29日に故障で発電を止めており、それぞれ100万キロワット級の霊光原発2基も停止すれば、電力供給能力は260万キロワット以上減少する見通しだ。
県内の自主避難世帯の一部 県が家賃補助へ
(福島県)
原発事故のあと、県内で自主避難をしている世帯の一部に対し、県は家賃補助の支援を行うことを決めた。
県によると、対象は去年3月11日の原発事故以降、今月1日までに、避難区域以外の地域から県内に自主避難した世帯のうち、18歳以下の子どもか妊婦がいる世帯となる。
補助額は、4人以下の家族は月6万円、5人以上の家族は月9万円となっている。
受付は今月15日から来月28日までに避難元の市町村で行い、家賃負担は入居の申し出を市町村が受付した日からとなるが、さかのぼっての支払いはしないという。
県では対象をおよそ300世帯と推計している。
[ 11/5 16:03 福島中央テレビ]

ポーランド国営ベンチャーキャピタル、原発建設支援か

2012/11/05 16:00
 ポーランドのブザノフスキ財務相は、国営電力PGEが 15-16年に同国初の原子力発電所第1号機(発電出力300万キロワット)の建設に着手する計画を進めていることに関し、数週間前にトゥスク首相が設立 を発表したばかりの国営ベンチャーキャピタル「ポーランド投資基金」が第1号機の建設費用を支援する可能性があることを明らかにした。ワルシャワ・ビジネ ス・ジャーナル(電子版)が2日に伝えた。
 ただ、同相は同基金が正式に第1号機の建設費用を融資するかどうかの最終決定は15年以降になるとの認識を示した。PGEは原子炉2基(発電出力は計 600万キロワット)を建設する計画で、第1号機は20年に稼働する予定。第1号機の建設費用は少なくとも350億ズロチ(約8750億円)で、最大で 600億ズロチ(約1.5兆円)になる可能性もあるとみられている。
 
(増谷栄一)

韓国、原発2機を停止 部品の保証書偽造が発覚

2012.11.05 Mon posted at 15:55 JST
(CNN) 韓国政府は5日、同国の原発に部品を供給する業者が保証書を偽造していたとして、同部品を使用している南西部の原発2機の停止を発表した。韓国の聯合ニュースが伝えた。
洪錫禹(ホン・ソクウ)知識経済相は、同原発からの放射能漏れの恐れはないと語った。問題の部品は、原子炉本体に使用されておらず、ヒューズや電源スイッチなど「通常」の部品だという。
同相によると、部品業者8社は2003年から、230品目を超える計7682個の部品について、60件の保証書を偽造していた。部品の納入額は8億2000万ウォン(約6000万円)に上るという。
「福岡で福島を考える会」~プルサーマル裁判・石丸原告団長ら講演
社会
201211515:22
 「福岡で福島を考える会」の第1回会合が11月2日、福岡市城南区で開かれた。福島第1原発の事故から1年8カ月、福島原発の被害や「脱原発」に ついて「まだまだ自分の問題よりも遠い問題として、日増しに関心が薄れてきているのを危惧して開いた」(吉良文江代表発起人)もの。「3・11」前から玄 海プルサーマル裁判に関わるなど、原発に反対してきた吉良さんら城南区の近所の主婦3人が発起人となってよびかけた。
 「第1回考える会」では、九州電力玄海原子力発電所のプルサーマル運転差し止めや運転差し止めなどを求めている「玄海プルサーマル裁判の会」の石丸初美原告団長、福島から福岡への避難者宇野朗子さんが講演した。
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 石丸さんは、原発の危険性や「核のゴミ」の問題、被ばく労働なしに成り立たない非人道性を詳しく述べたうえで、文部科学省の小中高校生向け放射線 副読本を取り上げて、「政府は原発の安全神話から『放射能は安全』に切り替えている」と批判。「政府がやってくれるわけではないので気付いた人がやらなけ ればいけない。小さな力でも束ねると、大きな力になる」と訴えた。
 宇野さんは、自分の避難の体験を語りながら、現地と被災者の状況を報告し、「福島ではまず健康の不安を抱えている」「自主避難者への公的支援は皆 無です」と不安を語った。東電幹部らの原発事故の刑事責任を問う原発告訴団2次告訴が1万人を超えたと紹介し、「無責任社会に終止符を打ちたい」と述べ た。また、6月に成立した「子ども被災者支援法」について、基本方針策定に向けて被災者らの声を聞く段階だが国民に隠れて策定作業が進められようとしてい るとして、「避難している人の人権だけでなく、避難できずに苦しんでいる人の避難できる前提条件を整備し、避難しないで暮らし続ける人々が健康で暮らせる ために、国の具体的支援を実現させたい」と呼びかけた。 
 「考える会」終了後、吉良さんは「原発反対がメインではなく、どうすれば私たちの暮らしが人間らしく尊厳を持って生きられるようになるかという視点ですすめていきたい」と、今後の抱負を語った。
【山本 弘之

除染「危険手当」、作業員へ渡らず? 環境省が調査へ

2012.11.5 15:22
 東京電力福島第1原発事故を受け、福島県の11市町村で国が直轄で行っている除染作業をめぐり、作業員へ支払われる 危険手当「特殊勤務手当」が実際には支払われず「ピンハネ」されている実態が疑われることが5日、分かった。環境省はゼネコンなど元請けへ適切に支払うよ う周知するとともに、実態を調査する。
 環境省は除染事業をゼネコンなど元請けへ発注する際、被曝の危険性や精神的不安に対し支給される特殊勤務手当(放射線量などに応じ3300円、5千円、6千600円、1万円の4種類)を作業員へ支払うよう契約で定めている。
 ところが、環境省へ作業員や下請け業者らから「受け取っていない」「ピンハネされている」といった訴えが寄せられるなどしたため、元請けから提出された賃金台帳などを再チェックすることにした。環境省は「周知を再度徹底するとともに、実態を調査したい」としている。
 国の直轄除染は、今年1月から公共施設などで先行的に始まり、ゼネコン11社などへ18件(計35億円)を発注。7月からは田村市を皮切りに楢葉町、飯舘、川内両村の4市町村で本格的な除染が行われている。

ニコニコ記事配信に東浩紀による福島第一原発観光地化計画、松尾スズキら31組参加

2012/11/05 15:17
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動画サービス「niconico」内の記事コンテンツ配信機能「ブロマガ」の第2弾参加者が発表された。
ブロマガは、公式動画配信プラットフォーム「ニコニコチャンネル」内で展開されている機能。配信記事ごとに無料もしくは有料の設定が可能となってお り、有料の場合の課金方法や料金も配信者側が設定可能だ。また、記事を投稿する際にメールマガジンを自動生成して登録者に送信する機能や、ePUB形式の 配信機能も備えている。
今回参加が発表されたのは、株式会社ゲンロン代表の東浩紀を中心に展開する「福島第一原発観光地化計画」をはじめ、松尾スズキ、辻仁成、DDTプロ レスリング、愛川欽也、アイドリング!!!、青山テルマ、喜屋武ちあき、SOPHIA、竹達彩奈、中川淳一郎(NEWSポストセブン)、西野亮廣(キング コング)、日本維新の会、田中康夫、まぐまぐ編集部もっさん、孫崎享ら31組。各チャンネル詳細はブロマガのオフィシャルサイトで確認しよう。

東日本大震災:福島第1原発事故 「除染手当不払い」 環境省、指摘受け注意喚起

毎日新聞 20121105日 東京夕刊
 東京電力福島第1原発事故の除染で、旧警戒区域と旧計画的避難区域(11市町村)に入って作業に関わった作業員に支払われる「特殊勤務手当」が適正に支払われていないとの指摘があり、環境省が元請けのゼネコンに適正な支給を求める通知を出していたことが5日、分かった。
 環境省によると、除染に関わる作業員には、特殊勤務手当として、作業に関わった時期などに応じて1日に 3300〜1万円が国の負担で支給される。このことは、元請けのゼネコンと契約を結ぶ際の仕様書で規定されている。しかし、適正に支払われていない可能性 を指摘する声が環境省に届いているため、10月30日付で、注意を喚起する文書を送付した。
 除染関連の作業については、労働基準法に基づき、誰に対していくら支払ったかを示す「賃金台帳」を、作業完了後に環境省に提出するよう決められている。環境省によると、これまでに提出された賃金台帳では、不払いの事例は見つからなかったという。
 環境省は「今までの範囲では把握していないが、不払いはあってはならないことなので、調査を進める」としている。
 特殊勤務手当に関しては環境省の事故対策窓口で相談を受け付けている。連絡先は東京が03・6741・4535、福島は024・523・5391。【藤野基文、比嘉洋】

韓国 原発の部品を品質証明偽造し納入

115157

韓国 原発の部品を品質証明偽造し納入

韓国の5か所の原子力発電所で使われている部品およそ5000個について、業者が10年間にわたって、品質を保証する証明書を偽造して納入していたことが分かり、韓国政府は、このうち2基の原発について運転の停止を命じ、部品を交換すると発表しました。
これは、韓国の知識経済省が5日、記者会見を開いて明らかにしたもので、2003年からことしまで の10年間にわたり、8社の納入業者が提出した原発関連の部品の品質証明書が偽造され、品質が保証されていない、合わせて5233個の部品が、5か所の原 子力発電所で実際に使われているということです。
問題の部品は、スイッチなど、原子炉の重要な場所に使われるものではないため、韓国政府では、こうした部品が原因で放射性物質が外部に漏れるなどの影響は出ていないとしています。
韓国政府は、検察庁に対して納入業者への捜査を要請するとともに、問題の部品の多くが使われている南西部チョルラ南道のヨングァン原子力発電所の5号機と6号機については、5日から運転の停止を命じ、年末までに部品を交換するとしています。
韓国では例年、寒さが厳しくなる年末年始にかけて電力需要が高まるため、知識経済省では「2基の運転停止で、この冬は過去に例を見ない電力不足も予想される」としていて、緊急の節電計画を立てて、家庭や企業に協力を呼びかけることにしています。

環境省、除染手当の支給徹底通知  ゼネコンなどに

2012115日午後118分)
 環境省は福島県内の警戒区域などで進める国直轄の除染事業に関し、受注したゼネコンなどに、特殊勤務手当の支給実績を確認できる 書類提出の徹底を求める通知を出したことが5日、分かった。東京電力福島第1原発事故を受けて除染に当たる作業員への手当が、適切に支払われていない恐れ があるとしている。
 長浜博行環境相は5日、訪問先の福島市で取材に応じ、この問題に関連し「調査を指示している」と述べた。
 除染に関する特殊勤務手当は、危険が伴う作業に対し、通常の労賃とは別に、現場の避難指示区域の種別に応じて支払われることが定められた。制度変更で現在は一律1日1万円が支給される。

【九州から原発が消えてよいのか】

第2部(6)第1次産業にも打撃 「日本でキノコ作れない」

2012.11.5 14:15 1/3ページ)
福岡県大木町の「きのこの里」で栽培されたシメジ。LED照明や空調管理の電気が欠かせない(安部光翁撮影)
福岡県大木町の「きのこの里」で栽培されたシメジ。LED照明や空調管理の電気が欠かせない(安部光翁撮影)
 激しい雨と風がたたきつけ電気が止まった牛舎で、70頭の乳牛がおびえたような鳴き声を上げた。耕運機用の石油発動機につなげた搾乳機を順番に牛たちに着け、乳を搾る。乳牛は1日2回搾乳しなければ、乳房が炎症を起こす可能性があるからだ。
 普段ならば搾った生乳はすぐにバルククーラーで冷蔵保存するが、停電のため使えない。「捨てるための搾乳」-。それは辛くてむなしい作業だった。
 平成3年9月、九州を直撃した大型台風19号は死者・行方不明者24人を出し、九州全域の36%にあたる210万戸が停電した。
 熊本県菊陽町で酪農を営む大塚昇氏の農場も2日間電気が途絶えた。小さな農業用発動機では搾乳機を動かすので精いっぱい。バルククーラーの稼働はあきらめるしかなかった。
 搾った生乳は、夏場は常温で2~3時間放置しただけで雑菌が増殖してしまうため廃棄するしかない。2日間で約20万円の損害。大塚氏は「これが続いたら持ちこたえられんと不安だった」と当時を振り返る。
  あれから21年。農場の規模は2倍以上になった。停電時の損害は1日で20万円を超える。夏場になると台風への恐怖はつきないが、今夏からは新たな不安材 料が加わった。「計画停電」だ。今夏は何とか回避されたが、このまま九州電力の玄海、川内両原発が停止したままだと来夏も再び不安な日々を送ることにな る。
 「私ら酪農家にとっても電力の安定供給は何よりも大事。とにかく平成3年のような目にはもう遭いたくない。停電だけは勘弁してほしい。ましてや天災でもないのに…」
■電気代500万円増
 九州は、農林水産業の出荷額が全国の2割を占める「日本の食糧供給基地」でもある。
 豊かな自 然の恵みではあるが、酪農だけでなく、温度湿度管理が重要なハウス栽培にも電力は不可欠。福岡県八女市や鹿児島県南九州市では茶の栽培が盛んだが、これも 葉の結露を防ぐために送風機が必要となる。つまり九電の原発全停止が招いた電力不安、そして電気料金値上げは第1次産業にも多大な打撃を与えるのだ。
  キノコも九州の名産品の一つ。安全かつ安価で市場に供給されるようになったのは、屋内での菌床栽培の技術が確立されたからだが、実はこれにも大量の電力が 必要となる。菌糸の増殖・成長のために24時間厳密に温度管理し、適度に照明を当てなければならない。その電気代は生産コストの1割を占める。
  福岡県大木町の農事組合法人「きのこの里」では、プラスチックのビンにシメジやエリンギなどの菌糸を植え付け、室温20度で10週間かけて培養する。その 後、15度の部屋に移し、ビンの中で3週間で発芽・生育させる。ほんの数度の温度の狂いで菌糸は死滅してしまうため、空調は欠かせないという。
 電気料金は年間5千万円。来年4月から10%値上げされるならば500万円の負担増となる。採算ラインぎりぎりで経営している現状を考えればかなり厳しい数字だといえる。
 もちろん節電努力を続けてきた。一昨年には、栽培時の照明を蛍光灯からLED灯に交換した。
■国産支える電気
 昨年3月、東京電力福島第1原発事故を契機に、民主党の菅直人前首相、野田佳彦首相は原発再稼働の政治決断を先送 りにし、九電の玄海、川内の原発全6基は昨年12月から止まったまま。その結果、電気料金の10%値上げはほぼ既定路線となり、このまま原発を再稼働でき なければさらなる値上げも予想される。
 そこで「きのこの里」の水落重喜理事長は今夏、交換したばかりのLED灯のうち5%を、4倍近く節 電できる新型LED灯に変えた。費用は320万円。水落氏は「すべて新型LED灯に交換したいが、6千万円もかかるのですぐには無理。かといって増大する 電気代を価格転嫁したら外国産に負けて売れなくなる」と頭を抱える。
 キノコ類は自給率8割を超える農作物の「優等生」だ。理由は、キノコ栽培業者が絶え間なく技術革新を続け、生産効率を上げ、人件費がはるかに安い中国や韓国など外国産とほぼ同じ小売価格に抑えてきたからにほかならない。
 そしてそれを可能にしてきたのは、厳密な温度管理や照明管理を可能とする「電気」だった。電力の供給不安と料金値上げは、このような経営努力を踏みにじる。水落氏はぼやいた。
 「10%なら経営陣の報酬カットなどで何とか踏ん張れるかな。私も酒を水に変えるよ。でもそれ以上の値上げになったら『日本でキノコを作るのはやめなさい』と言われているに等しいよね…」

韓国、2基を緊急停止 原発部品の保証書偽造

2012115日 夕刊

 【ソウル=辻渕智之】韓国知識経済省は五日、韓国の原発に国内業者七社と米国の業者一社が輸入部品を納入する際、外国の検査機関による品質保証書を偽造、添付していたと発表した。偽造は二〇〇三年から十年間で六十件に上り、対象部品は約七千六百個。
 同省は部品を全面交換するため、大部分が使われた韓国南西部・全羅南道の霊光(ヨングァン)原発5、6号機を五日から緊急で運転停止にした。
 発表によると、偽造保証書で納入された部品は、原子炉建屋以外の補助設備で使われた電気回路のヒューズや継電器、ダイオードなど。納入部品の規模は八億ウォン(約五千九百万円)以上。検査費用を浮かすための不正とみられ、知経省は検察に捜査を要請した。
 韓国では南部・釜山の古里(コリ)原発で二月に起きた全電源喪失事故が一カ月隠ぺいされたほか、業者が職員と共謀して中古部品を新品と偽って納入した不正も発覚。地元住民や関連団体が安全性に不信感を高めている。

住宅、雨漏りと湿気で傷む 大熊の現状ルポ

東京電力福島第一原発事故に伴う警戒区域設定から約1年7カ月が経過した大熊町。住宅は劣化が著しく、田畑は雑草が生い茂る。過ぎゆく時間の重さ を感じさせた。町民の95%が暮らす地域が帰還困難区域に指定される見通しで、町は「5年間は帰還しない」方針を決断した。住民が帰るまで家や商店、田畑 をどう維持すれば良いのか-。町の現状をルポした。(本社報道部・鈴木 信弘)
 町は静寂に包まれていた。青々とした秋晴れの空から地上に視線を移すと、無人と化して劣化が進む住宅、雑草が人の背丈ほど伸びた田畑が目に入る。
  第一原発から4キロほどに位置する旭台地区。帰還困難区域で、町が分譲した家屋が並ぶ。外観上は大きな被害のない住宅に足を踏み入れた。中は外観とは裏腹 に、雨漏りと湿気の影響で天井が抜け落ちていた。壁や柱の染みも目立つ。「想像していた以上に、傷みが激しい。帰還に向けて対策が必要だ」。初めて大熊町 の住宅を視察した平野達男復興相が険しい表情を見せた。
 別の住宅では瓦が崩れ落ち、家具は散乱したまま。野生化した動物が入ったり、窃盗被害に遭ったりした住宅も少なくないという。同行した渡辺利綱町長は「帰還まで、家が持つか心配だ」とつぶやいた。
 町の主力産業だったナシの畑、水田は荒れている。秋本圭吾町企画調整課長によると、ナシは1年以上も放っておくと樹木に虫が入り、使い物にならないという。「再開するには、一からやり直しだ」
 町が帰還を目指す5年後まで、住民の帰りを待つ古里をどう守っていくのか-。重い課題が横たわっていた。
( カテゴリー:主要
雑草が生い茂る田畑。奥にはライスセンターが見える

大飯原発いまごろ「活断層説」「地滑り説」何だったんだ!野田首相の安全宣言

2012/11/ 5 15:14
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「今ごろになって活断層とか地滑りとか、何を言ってんの、おかしいでしょ」
   「安全を確認した」(野田首相)と再稼働に踏み切った福井・大飯原発の敷地内を走る断層が、活断層ではないかと指摘されている問題で、司会のみのもんたは順序が滅茶苦茶だと怒り露わにする。

原子力規制委員会の原則「疑わしきは止める」

   原子力規制委員会は4日(201211月)、4人の専門家による現地調査の結果を検討し、活断層の有無について答えを出す会合が開かれたが、断層について活断層説と地滑り説が出て結論は先送りされた。
今ごろ…
   断層があるのは運転休止中の12号機と再稼働した34号機の間を南北に走るF6破砕帯だ。この断層の上を緊急時に非常用ディーゼル発電機 を冷やす海水を取り込むパイプが横切っている。重要施設で、活断層の可能性が「黒か濃いグレーなら原子炉を止めてもらう」(規制委の田中俊一委員長)こと になっている。
   現地調査の結果、活断層説を主張するのは東洋大の渡辺満久教授で、「断層は1213万年以降に動いた活断層で、大飯原発最重要施設の直下に 活断層が存在するというのが私の結論。これは(結論を出すのが)早いとか慎重にという意見はいらないと思う。のんきな学術調査ではありませんので」と断言 する。
   一方、地滑りを疑うのは立命館大の岡田篤正教授である。地層が動いたことは認めているが、「このズレは地滑りでも起こるし、これを地下深部まで続く断層運動とは即断できない。われわれは冷静に科学的に見て行きたいので、短期間に結論を出せというのはムリ」という。
   信州大の広内大助教授は「地滑りとは断定できない。追加調査が必要だ」、産業技術総合研究所の重松紀生主任研究員も「さらに調査が必要」との意見だった。

家を建ててから地盤調査するようなもの―順序が逆だ

   柿崎明二(共同通信編集委員)が「疑わしきは禁じるべきだという教訓が出た。(福島原発も)大丈夫と言って大丈夫ではなかった。地滑りだと断 定している人がいない一方で、活断層だと断定している人がいる。明らかに黒とはいえないにしても、疑わしいなら稼働を止めるべきでしょう」
   池田健三郎(経済評論家)「家を建ててから地盤調査をするみたいな話。通常ですと考えられない順番ですが、疑わしき状態でこれから調べようでは、本当に大丈夫かという不安は拭えない。周辺住民にどう理解してもらうか深刻だと思う」
   追加調査を待たずに7日に結論が出るとは思えないが、地元住民はそれまで針のむしろの上で生活。経済が立ちゆかないと国に再稼働を求めたおおい町の時岡忍町長はいま何を考えているのか。

[現場から] 原発事故 銘柄力低下に賠償を 福島の産地 (20121105日)




 東京電力福島第1原子力発電所の事故に伴う損害賠償の対象に、農産物のブランド価値の喪失を加えるよう求める声が高まっている。福島県では、干し柿の一 種「あんぽ柿」が2年続けて出荷できないことでブランド力が低下し、復活には相当の労力と時間が必要との懸念が強い。村ぐるみで避難を余儀なくされた飯舘 村の「飯舘牛」なども同様だ。賠償対象の目安となる政府の指針への追加が急務となっている。
電力10社、収支状況改善は原発の再稼働頼み
201211511:00
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 電力10(東京電力、中部電力、関西電力、北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力)2013年度中間決算は、原発の停止で燃料費負担が増大し、8社が赤字決算となった。
  現在、国内の原子力発電所は関西電力大飯原発の2基以外は停止中。電力10社の決算を見ると、原発の代替電源である火力発電のために調達するLNG、重油 などの燃料費が10社合計で約35000億円と、前年同期の1.4倍に積み上がっており、それが収益を圧迫している。水力発電の比率が高く燃料費の増加 を抑えられた北陸電力、原発を持たない沖縄電力を除く8社が最終赤字を計上し、その純損失の合計額は6737億円にのぼる。
 原発への依 存度が4割前後の関西電力と九州電力の純損失は合わせて全体の約4割を占めており、この2社は電気料金の値上げの時期や幅など具体的な検討を開始したと表 明している。依存度約4割の北海道電力や、東北電力、四国電力も値上げ検討を示唆。その一方で依存度15%の中部電力は「現行の料金体系を1日でも長く維 持したい」、8%の中国電力は「できる限り現行水準を保ちたい」と社長がコメントしており、原発への依存度によって電気料金の値上げに対するスタンスが分 かれている。
 すでに公的管理下に置かれ料金値上げを実施済みの東京電力は2994億円の最終赤字を計上したが、前年同期の6272億円 と比べるとほぼ半減した。通期予想の最終赤字幅は1600億円程度から450億円程度に圧縮され上方修正している。料金値上げの効果に加えて退職年金制度 の見直しなどの合理化効果や資産の売却が進むためとしている。原子力損害賠償支援機構資金交付金として特別利益5450 億円、原子力損害賠償費として特別損失2350億円の計上を見込んでいる。
 その他の電力会社の通期見通しの最終赤字幅は、東北電力が 1000億円と東電の倍以上で、中部電力は600億円。黒字決算だった北陸電力も通期では70億円の最終赤字を見込んでいる。通期黒字は沖縄電力の47億 円だけ。ただし半数の5社は「未定」として通期見通しを公表していない。原発の再稼働が認められれば収支状況が大きく変わってくるからというのが、その主 な理由だという。東電を除く各社の通期の業績は原発の再稼働次第という面があり、逆に活断層の問題で大飯原発が再停止に追い込まれれば、関電はさらに苦し くなり、値上げ幅が拡大しそうだ。

偽造部品供給で霊光原発2基が稼働停止=韓国

201211051154
[ⓒ
中央日報日本語版]
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  未検証部品が大量に使用された霊光5・6号機の稼働が年末まで停止する。

  
5日の韓国メディアによると、洪錫禹(ホン・ソクウ)知識経済部長官は5日午前、緊急記者会見を開き、原発部品供給会社が品質保証書を偽造して部品を供給してきたことが確認されたと述べ、光州(クァンジュ)地検に関連会社に対する捜査依頼をした、と明らかにした。

  
洪長官は、ある原発部品供給会社が03年から今年まで10年間にわたり237品目・7682製品を、外国機関が発給する品質保証書を偽造しながら韓国水力原子力に供給してきた、と明らかにした。

  
未検証部品は霊光3・4・5・6号機と蔚珍3号機に納品されて使用され、主に霊光5・6号機に集中的に納品されたという。これを受け、韓国水力原子力は霊光5・6号機に対する徹底的な安全検証が必要だとみて、今日から稼働を停止することにした。

  
霊光5・6号機は部品交換が終わる今年末まで稼働が中断される予定。
内閣不信任案 出れば賛成 生活第一の小沢代表
201211511:00
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 国民の生活が第一の小沢一郎代表は4日のNHK日曜討論で「(現政権は)国民に信を問う時期にきている」とした。
 また、野田内閣に対し内閣不信任決議案が出るようなことがあれば「賛成する」とした。
 小沢代表は、内閣不信任案については「どういう理由で、誰がメインになって提出していくかが大事。党利党略でやるものでない」とも語った。
 また、党の政策として「脱原発、消費増税反対、行政機構を根本から変えること」を柱に総選挙に臨む。特に「原発問題に関し国民の関心は高い」と語った。小沢代表らは脱原発への情報収集の一環として先月にドイツを視察。選挙ではその成果も脱原発アピールに反映させていく。

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   東京電力は、福島第一原発事故で避難している人への賠償や除染作業などに力を入れるため、20131月にも「復興本社」(仮称)を、福島県内に設置する。2012115日の週にも発表する1314年度の経営方針に盛り込む。
   全社員の1割超にあたる4000人以上を福島に移す計画で、これまで東京本店と福島の双方で当たっていた原発事故の処理や除染、賠償や避難に関連する業務について一元管理し、福島で独自に、かつ迅速に決められるようにする。「復興支援」を一体で進める。

福島県内自主避難に家賃補助  子ども、妊婦世帯対象

2012115日午後022分)
 福島県は5日、東京電力福島第1原発事故後、県内で自主避難を続ける住民のうち、18歳以下の子どもや妊婦のいる世帯に、借り上げ住宅の家賃補助を始めると明らかにした。
 対象は昨年3月11日以降今月1日までに、避難区域外から自主的に県内の別の地域に避難した世帯。2014年3月末まで、1世帯につき4人以下は月6万円、5人以上は月9万円まで補助する。
 福島県外に避難した場合、災害救助法に基づく家賃補助を受けられるが、県内にとどまり避難する場合は対象外だった。

韓国で原発部品の品質保証書偽造

[20121105日 12:35]
【ソウル共同】韓国知識経済省は5日、韓国の原発に部品を納入する同国の8業者が品質保証書60件を偽造していたとして、8業者が納入した部品を使用している原子炉2基を同日から年末まで運転停止すると発表した。
 保証書が偽造されていたのはヒューズやスイッチなど237品目、計7682個。8業者は海外の機関が発行する品質保証書を過去10年間にわたり偽造していた。知識経済省などは、業者への捜査を検察に依頼した。
 運転停止の対象は南西部全羅南道霊光の霊光原発5号機と6号機(いずれも出力100万キロワット)。

来月、原発映画と福島県民の講演会 帯広

11/05 13:01
「東京原発」の上映について話し合った1回目の実行委と、映画のチラシ(中央)
「東京原発」の上映について話し合った1回目の実行委と、映画のチラシ(中央)
 【帯広】原発問題を考え、地域に発信しようと帯広市の有志が市民団体を立ち上げた。活動第1弾として原発問題をコミ カルに描いた映画「東京原発」の上映と、福島県民を招いた講演会を計画。実行委員長の会社経営曽根一さん(61)は「親しみやすい映画を通じ、原発問題へ の理解を深めてほしい」と実行委への参加を呼びかけている。
 固有の団体名は定めず、催しに応じてその都度実行委などを設ける考え方で、今回は「東京原発上映会実行委員会」とする。
 12月14日に帯広市民文化ホール(西5南11)で、「東京原発」を午後1時と午後7時の2回上映。福島原発20キロ圏内の南相馬市原町の住民を招き、現地での暮らしを講演してもらう予定もある。
 10月25日の第1回会合には10人が参加。チケットやチラシの制作、PRなど役割分担を話し合った。参加者は曽根さんのほか薬局経営者、団体職員、福 祉団体関係者、歯科医師などさまざま。弁護士斉藤道俊さん(54)は「子孫に禍根を残す可能性のある原発事故の問題について、多くの人に関心を持ってほし い」と話す。会社経営河村知明さん(35)は「原発事故を福島だけの問題と考えず、十勝でも何ができるかいろいろな人と話し合い、活動したい」と話す。
 第2回実行委は11月5日午後7時から、とかち館で。直接会場へ。(岡高史)

交流:長崎・福島の高校生ら、被爆と被災テーマにネット会議で /長崎

毎日新聞 20121105日 地方版
 被爆地・長崎の活水高校生8人と、東日本大震災の被災地・福島県南相馬市の同県立原町高校生5人が4日、インターネット会議システムを通じて交流した。長崎国際平和映画フォーラムの一環で、被爆体験記や原発事故をテーマにした詩の朗読などを通じて意見交換した。
 福島の女子生徒の一人が「私が産む赤ちゃんがどうなるかわからない。でも不安がってはいられない。不安を抱えつつ精いっぱい生き抜くことが被災地の若者の使命」と発言すると、会場からすすり泣きが聞こえた。長崎からは、心を寄せようとする声が相次いだ。
 福島市の高校生と交流する被爆者の広瀬方人さん(82)は「原発事故をテーマにした詩をどんな思いで読んだのかと思うと胸がいっぱいになった。被爆した私たちは福島を忘れない。放射能は目に見えず不安だろうがその思いを伝えてほしい」。
 活水高2年の宮本佳奈さん(16)は「福島の高校生たちは強い心を持っていると感じた。少しでも心の支えになれたら」と話した。【下原知広】
〔長崎版〕

政権に原発ゼロの覚悟はあるか 燃料コスト増加は不可避

2012.11.5 12:29 1/2ページ)
 産経新聞の九州・山口版で9月末から企画「九州から原発が消えてよいのか?」を長期連載している。タイトル通り、原子力発電の重要性を九州産業界 などの声を集めながら分析しているが、地域版のみの掲載なので九州、山口県以外の在住の人にはネット「MSN産経ニュース」でぜひ読んでほしい。
 そこで連載開始以来、九州・山口の読者から一貫して寄せられる声が「現在の民主党政権に“原発ゼロ”の覚悟が本当にあるのか」という疑問である。
 思いだしてほしい。政権交代を果たした民主党の鳩山由紀夫首相(当時)が国連総会で「温室効果ガスを2020年に1990年比で25%削減する」と唐突に表明してから、まだ3年しか経過していない。この鳩山発言は、「原発依存」を国際公約したものだった。
 だが、昨年3月の福島第1原発事故以降、民主党政権の迷走は止まらない。同じ政権の菅直人元首相が、突如として「脱原発依存」を打ち出して鳩山発言を全否定。現在の野田体制になってもこの姿勢に変化はない。
 しかも迷走はとどまるところを知らない。野田政権は「革新的エネルギー・環境戦略」で2030年代に「原発ゼロ」を打ち出したものの、肝心の電源構成がいまだに分からないまま。エネルギー政策と呼べる代物ではないし、電源構成を明示できねばそれはもう政策とはいえない。
  無策ぶりは九州にいるとよく分かる。自動車、鉄鋼など特定産業への依存率が高く、安価で安定的な電力供給が欠かせない地域だからだ。だが戦略発表後、関係 者の口をついて出るのは「肝心の電力コストがどうなるのかさっぱり分からない。事業計画も立たない」という本音ばかりだ。現実に電気料金が2倍に跳ね上が るといった試算は出ているものの、肝心の政府試算はない。
 深刻度は増す一方だ。九電の燃料調達費の増加で今年上半期の九州・山口・沖縄地区の貿易収支は3955億円と記録的赤字を計上した。九電が連日十数億円の赤字を垂れ流した状態で火力発電所をフル稼働させた結果がこの数字である。
  「とにかく一日も早く原発を動かさないと九州だけでなく日本経済が大変なことになる。原発を止めることによる燃料コスト増加はざっと年間で3兆円。放って おけばすぐに10兆円単位になる。民主党政権がどんな覚悟を持ってこの“原発ゼロ”政策を続けるのか、正直、許せない気持ちだ」
 今年3月 に九電会長を退いた松尾新吾相談役は、事あるごとに講演などの場で窮状を訴えている。全国の原発でも最も強固な岩盤に建ち、歴史上、津波の記録もない玄海 原発を備える九電が“倒産”する事態すら絵空事ではない。避けられない電力料金の大幅値上げ、さらには電気事業法の存亡まで視野に入れての本当の意味での 覚悟があるのか。そこを問いたい。(産経新聞西部代表 鶴田東洋彦)(フジサンケイビジネスアイ

原発部品の証明書を偽造=2基を運転停止に-韓国

 【ソウル時事】韓国知識経済省は5日、原子力発電所の部品供給業者が、外国機関の発給する品質保証書を偽造し部品を供給していたことが分かり、検察に捜 査を要請したと発表した。これに伴い、同国南西部の全羅南道霊光郡にある霊光原発5、6号機の運転を同日停止することを決めた。
 原子力当局の調査の結果、部品供給業者8社が過去10年間に海外の品質検査機関の保証書60件を偽造していたことが判明。偽の証明書に基づき、スイッチやヒューズなど237品目の約7680個の部品が納品されていた。(2012/11/05-12:14

菅直人『東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと』


紙屋高雪
2012110501:01
原発事故に備えて防災計画を自治体につくらせるべく、原子力規制委員会が防災指針をしめした。福島原発級の事故が起きたとして、30キロ前後がヤバ い、と。んで、平均的な風とかそういうものでのシミュレーションを出して、それでうちの町が入ったとか入ってねえとか、いやあれ間違いでしたとか言って る。
さらに、そういう想定にもとづいて、避難訓練とかやっちゃったりして、参加した人が「こんなに車がスイスイ走れるわけねーだろ」とかボヤいている。



何なんだこれは。



ストレートにいうと、原発事故がなんで福島級で打ち止めみたいな話になってんだ
シミュレーションで、うちは入ったとか入らないとか、法律的な準備からいうとたしかにそれは大ごとなんだろうけどさあ。原発事故ってそういうもんじゃないだろ。
お前らはナニか、原子炉に人格があって、「おれ今から事故るけど、やっぱ、防災指針のとおりに事故って、放射性物質も指針にそって拡散しないとな」 とか考慮してくれるとでも思ってるのかよ。それとも事故りそうな原子炉を前にして「いろいろ事情もおありでしょうけど、申し訳ないんですが、事故るならこ の指針どおりに事故ってくれませんか」とか申し入れるのか。



前にも書いたけど、「専門家」どもは、いちおう30キロで備えるっていうのは、IAEAが世界中の過去の事故データからはじきだした確率の範囲内で、それがたまたま福島原発事故の範囲にぴったり合っちゃったんだなあ、とか言ってるわけだ。



だけど、実際にはこんな感じだろ?「事故なんか起きるわけない」→JCO事故→「うわっ。じゃあ事故があるとして、備えておくのは5キロくらいで」→福島原発事故→「うわっ。じゃあ30キロで」。
泥縄とはまさにこのこと。



だけど、福島原発以上のひどい事故っておきうるだろ?そんときに、30キロがどうのこうのとか、事実上ふっとぶわけだよ。
たとえば玄海原発の炉が一つボカーンっていっただけで、福岡市で急性死が出るレベルの放射能が出てくるわけだから(まあ何も避難手だてをとらないとして、だけど)、普通、なだれをうって逃げるだろ。そうなると、道路は大渋滞。避難場所とかくそもないんだよ。
f:id:kamiyakenkyujo:20120204231527j:image:w360
いまの福岡県の計画って、たとえば玄海原発で福島原発級の事故が起きて、1万5000人の糸島市民が福岡市に避難することになっている。*1そ もそも佐賀県民の避難をまるで勘定に入れてないという、このレベルでいっても頭に何かわいてんのかと思うほどの、いさぎよいお役所仕事っぷりだけど、福島 原発級にとどまる保障なんかどこにもない。そういうときに福岡市でどこに受け入れましょうかね、なんて悠長な話じゃなくなるだろ。いや、そういうレベルの 事故もありうるから、想定がまるでムダとは言わないけど。



きのう、太宰府市の議員に話をきいたけど、行政サイドの中には「避難民受け入れに体育館新しくつくる」とかいう話が出ているらしい。ハコモノを便乗してつくってるだけだろ。



それともまた「確率」の話をするのか。事故前みたいに。そんな事故はまず起こりません、リスクゼロガーとか。



東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと (幻冬舎新書)この問題を考える際に、福島原発事故のさいに、「原発から250キロ圏、5000万人避難」のシナリオまで考えられた、という事実はもっと強調されていい。
それを考えるうえで、この本、菅直人の『東電福島原発事故総理大臣として考えたこと』(幻冬舎新書)はその問題意識をぼくらに叩き込んでくれる。



このシナリオがつくられたことは、すでにマスコミでも報じられているし、民間事故調などがこの事実をクローズアップしてとりあげたので、よく知られている。
ただ、総理大臣であった菅のこの回顧録は、自分の事故対応の中心問題意識がこの最悪シナリオをどう食い止め、たたかうか、ということでガッツリしめ られていた、というふうに書かれているので、単にそういうシナリオがあった、という話じゃなくて、この悪夢との闘争をしてきた物語としてぼくらに迫ってく るわけである。



本書は、原発事故の発生からその対応をめぐる1週間を中心にした回顧録で、それを経て自分がなぜ「脱原発」に転じたかを書いている。
冒頭の「序章」は「覚悟」というタイトルがついていて、これが全体をつらぬくテーマである。さっきも書いたように、もし最悪の事態が重なったらどう なるんだということを原子力委員会の委員長に技術的な試算をさせ、250キロ圏、5000万人避難という予測が出された、とする。この5000万人シナリ オが現実になると、東日本が長期間住めなくなり、そうすると小松左京の『日本沈没』そのものじゃねーか、と菅がふるえあがった。
菅はこのシナリオについて、



そしてこれは空想の話ではない。紙一重で現実となった話なのだ。(p.25



と評している。紙一重、という点について、菅は次のように立ち入っている。



もしベントが遅れた格納容器が、ゴム風船が割れるように全体が崩壊する爆発を起こしていたら最悪のシナリオは避けられなかった。
しかし格納容器は全体としては崩壊せず、二号炉ではサプレッションチャンバーに穴が開いたと推定されている。原子炉が、いわば紙風船にガスを入れた時に、弱い継ぎ目に穴が開いて内部のガスが漏れるような状態になったと思われるのだ。
その結果、一挙に致死量の放射性物質が出ることにはならず、また圧力が低下したので外部からの注水が可能になった。
破滅を免れることができたのは、現場の努力も大きかったが、最後は幸運な偶然が重なった結果だと思う。
四号炉の使用済み核燃料プールに水があったこともその一つだ。工事の遅れで事故当時、四号機の原子炉が水で満たされており、衝撃など何かの理由でそ の水が核燃料プールに流れ込んだとされている。もしプールの水が沸騰してなくなっていれば、最悪のシナリオは避けられなかった。まさに神の御加護があった のだ。(p.36-37



さっきも述べたように、この「5000万人シナリオ」が紙一重で現実のものになろうとした、その危機意識のなかで、菅直人は総理大臣として事故対応にあたった、というドラマの構成になっているわけである。
菅が事故直後に福島原発を視察したこと、東電の撤退を一喝したこと、東電に乗り込んでわめきちらしたことなどが、このドラマの主題から説明される。 このあたりは国会事故調や政府事故調、そして国会やマスコミで議論され論争となっている点であり、菅の本書はまさに底のことに対する菅の反論(言い訳)そ のものであると言ってよい。



この書評記事は、そこにはあんまりふみこむつもりはない。



ただ、「5000万人避難、日本沈没」というシナリオを避けるためという問題意識から自分はやれるだけのことはやった、という筋書きは、一定の説得力がある。
共産党の吉井英勝は国会で「事故直後に首相が視察に行っちゃったのはどうなの」という批判をしているが、 本書を読むと、事故直後の原発視察も、東電からは何の手応えのある情報も返ってこず、自分が何を信じて判断をくだしたらよいかわからない様が描かれてい る。だから、視察をして現場を確かめたかった、行ってみるとけっこう感覚がつかめたし、吉田所長の言動は信頼していいものだとつかめたのは大きな収穫だっ た、といっているのは、まあ人情としてわかる。



それでもなお、議論はあるだろう。しかし、ぼくはそこにあまり今は問題関心はない。
一国の首相だった人間、それも、原発事故対応の最高責任者が、5000万人シナリオが紙一重の現実だったと証言して、それを基調として回顧録を書いているという、このことを重視したい。
それなのに、なんで防災指針はあいかわらず、「福島原発事故級」しか想定しないのか。思い切って250キロ圏での事故想定をすべきじゃないのか。少なくともシミュレーションをやれよ。



ところで、本書の後半、「脱原発」の主張の展開の部分は、違和感が強い。
「なお共産党は社民党とは違い、従来、原子力の平和利用推進の立場だった」という一文をだしぬけに説明もなく書いているくせに、自分の過去や現在の民主党の方針があたかも脱原発かそれに近いニュアンスに彩られているかのような粉飾をするのは、いかがなものかと思ってしまう。
まあ、それも今はとりあえず、いいや。そいつもふくめて、読んで議論してみれくれ。



さっき言ったとおり、一つのストーリーとして構成されているので、非常にわかりやすくて面白いことは事実である。それに憤激するも感激するもあなた の自由なので、一読する価値はあると思う。事故調の事故経過・検証説明が膨大でとても読み切れないという人にとっては、本書でまず時間軸を頭にいれて、そ れから挑んでみるのもいいんじゃないだろうか。
*1http://www.47news.jp/CN/201209/CN2012090701001877.html

エレベーター事故をスルーするノーリスク教の信者達


自由人
2012110423:43
2012110401 先週、シンドラー社製エレベーターの誤作動による痛ましい死亡事故が発生した。同社製エレベーターでは2006年にも誤作動による死亡事故が発生しており、その安全性が再びクローズアップされ大きく取り上げられた。
 事故の原因がエレベーターの構造的問題だったのか、それとも保守点検等の問題だったのかは定かではないが、今のところ「制御回路の不具合だった可能性がある」とだけ伝えられている。

 エレベーターは全国に70万台以上あるそうだが、そのエレベーターが1日に上下稼働する回数は少なく見積もっても数千万回に達し、1年間では数百 億回にまで達するだろう。今回の事故が前回の死亡事故から6年経過していることを考えると、エレベーターの誤作動による死亡事故発生率は数千億分の1以下ということになる。しかしながら、それはあくまでも死亡にまで至る確率であり、誤作動による怪我や、単なる誤作動ならケタ違いに有るのだろうと思う。
 特に都市圏に住んでいる人なら、ビジネスやショッピング等で毎日のようにエレベーターを利用していると思うが、まさかエレベーターが、乗り降り中 に突然動き出すなどとは誰も思っていない。一度、実際に誤作動事故にでも遭遇しない限り、リスクのある乗り物(機械)だとは意識することもできない。それ が大部分の人々の認識だろうと思う。
 前置きはこの辺で置いておくとして、今回、なぜこの問題を取り上げたのかと言うと(察しのよい人なら既にお気付きのことだと思うが)「リスク」問題を考えるためである。無論、原発のリスク問題との対比だが、誰もこの問題を論じていないようなので、少し述べておこうと思う。
 先にも述べた通り、日本国中の人々は、《エレベーターは安全な乗り物》だと思っている。実際、エレベーターの落下事故というのは未だに起こったことがないらしく、かなり安全性の高い乗り物であることは間違いない。
 そんなエレベーターが数年ぶりに死亡事故を引き起こし、リスクが有る乗り物だということが再判明した。マスコミは当然の如く、この問題を大々的に取り上げた。しかし、人々はなぜか「エレベーターは危険だ!」とは言わない。「リスクが有ってはいけない」ということで、あれほど「原発反対!」を訴えかけていた人々の誰一人として、「脱エレベーター!」とは叫ばない。それはなぜだろうか?
(答え)自分自身には直接的に関係のない問題だから。
 「脱自動車」も「脱飛行機」もこれと同じ理屈であり、自分自身には被害が及ばない(と思っている)リスクについては、無問題と処す。それが、ノーリスク教の信者達の特徴でもある。
(ここで述べた「ノーリスク教の信者達」とは、原発事故に直接関係がなく、脱原発を訴えている人々のことを指す)
 彼らにとっては初めから「リスク」などはどうでもよく、自分自身に火の粉が飛んでくる可能性が無いと思えれば、それでノープロブレムとなる。
 彼らが語るところの「リスク論」はただの詭弁であり、本当のところは、「自分自身に被害が及ぶことはいけない」という意味での狭義のリスク論に過ぎない。つまり、主語は「国民」ではなく「自分」なのだ。
 彼らだけでなく、国民の多く(ほぼ全員)も、エレベーター等のリスク問題には非常に冷静であり、そのうち、技術が進歩して安全なエレベーターが出来上がると信じており、それまでの間に自分自身が事故に遭うなどとも思っていない。
 被害の大小に違いが有るとはいえ、今回のエレベーターのリスク問題は、基本的には原発問題と同じであると思えるのだが、なぜ人々は原発問題には冷静になれないのだろうか?
 ドイツ等の一部の国を除いて、諸外国の人々は原発問題にも至って冷静であり、日本の原発事故をプラスに捉えている国も多い。「プラス」と書くと語 弊や誤解があるかもしれないが、あれだけの巨大な地震でも壊れなかった(事故の直接的原因は津波による電源トラブル)日本の原発を高く評価している国は多 い。その証拠にアメリカでは、34年ぶりに原発を新設することになり、中国は100基以上の原発を増設予定だ。
 かつて、悪名高い『日独伊三国(軍事)同盟』というものがあったが、これになぞらえて『日独伊三国(脱原発)同盟』と揶揄している識者もおられるが、まさに言い得て妙である。
 この道を選択することは、経済敗戦への道となる可能性が極めて高いと思われるが、性懲りも無く日本の左翼系マスコミは再び国民に同じ道を歩まそうとしている。
【参考文献】
脱原発のウソと犯罪(中川八洋著)
 エレベーターが危険だからといって、階段を利用する人は稀だと思うが、原発が危険だから、自然エネルギーを利用しようという人々は多い。
 リスクが有るという理由で、全国のエレベーターが使用禁止になり、階段を利用しなければならなくなると、人々の労力やストレスは甚大なものとなるだろ う。階段を上り下りすることで転んで怪我をする(または死亡する)ケースは、おそらくエレベーターを利用している時以上に増加するはずだ。階段を利用する ことで骨折したというような話はそこらじゅうに有る。同じように、自然エネルギーを利用することによって起こる事故も有り、その事故発生率は原発を利用す る以上に高くなる可能性も大いに有る。しかし、そういったリスクには全く無頓着というのも、ノーリスク教の信者達の特徴である。
 エレベーターにも階段にもリスクは付き物だが、「リスクが有ってはいけない」ということであれば、どちらも利用できないことになり、終いには、建物は1階建ての平屋しかいけないということになってしまう。
 少々、オーバーな話だが、東京スカイツリーやあべのハルカスなど、上へ上へと目指してきた日本の建造物も全て無駄になり利用できないということになってしまう。こうなってしまうと、まさに経済版『下山の思想』である。
 今回のエレベーター事故の場合、製造元のシンドラー社が原因究明と改善に努めるべきであることは言うまでもないことだが、エレベーターと同様、原発も技術の進歩によってリスクを限りなくゼロに近付けていくことは可能なことである。
 この世にリスクがゼロというようなものは無い。そのリスクを限りなくゼロに近付けていくという努力を放棄することが善であるなら、エレベーター事故が起こっても、その原因を究明すること自体が意味の無いものになってしまう。
 「原発とエレベーターを同じ次元で語ること自体、馬鹿げている」と言う人がいるかもしれない。ある意味、その通りだ。しかし、そんな馬鹿げた比較をしなければ、脱原発という発想が、およそ現実味のない空論(SF)であることに気が付かない人がいるということである。「2030年に原発ゼロを目指す」というのは、「2030年にエレベーターゼロを目指す」というのと、同じようなものである。
 「脱原発」と「脱エレベーター」、この全く違うように見える2つの言葉が、本質的にはほとんど同じもの(実現不可能)であるとするならば、この国で大勢を占めている言論が如何に間違ったものであるかが解るはずである。

除染特勤手当、作業員から「支払われていない」




特集 福島原発
 東京電力福島第一原発周辺で実施されている国直轄の除染事業を巡って、環境省は受注した事業者が現場作業員に支給する「特殊勤務手当」(1日あたり最高1万円)について、適切に支払われているかどうかの調査を始めた。
 同省の除染事業の契約では、現場作業員に特殊勤務手当を支払うことになっており、その費用も含めて予算を計上してい る。手当は通常の日当に上乗せされ、額は線量の強さや原発との距離に応じて決められている。事業者は除染が終わり次第、手当の支払い状況も含めて同省に報 告書を提出することになっている。
 現場作業員から「手当が支払われていない」との声も出ており、同省は10月30日付で、事業者に手当の支給を徹底するように通知。同省によると既に終了した事業で不正は見つかっていないが、提出された報告書の再チェックも実施する。
20121151324分  読売新聞)

除染手当、支給実態を調査=自治体など不払いを指摘-環境省

 東京電力福島第1原発事故を受け国が進める福島県内の特別地域(11市町村)内の除染に関連 し、現場作業員に本来支払われる特殊勤務手当が適正に支給されているかどうかについて、環境省が調査を始めたことが5日、分かった。地元自治体などから 「ピンハネされているのではないか」など、不払いを指摘する声が相次いでおり、同省は同日までに、元請けのゼネコン各社に適正な支払いを求める通知を出し た。
 環境省によると、作業員には通常の賃金とは別に、国の負担で放射線量などに応じ1日最大1万円の特殊勤務手当が支給される。特別地域内の除染を請け負うゼネコン各社と契約する際に、作業員へ手当を支払うことを定めているという。(2012/11/05-11:28

住宅の劣化対策検討 平野復興相大熊訪れ方針 避難区域

政府は東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域で、風雨などの影響により一部の住宅の劣化が激しいことを受け、住宅の劣化対策などを検討する。今 後、国が策定する帰還計画、避難地域復興再生計画にも住宅の状態に合わせた帰還方法、帰還後のまちづくりの在り方を盛り込む。4日、警戒区域の大熊町を訪 れた平野達男復興相が明らかにした。
 平野氏は警戒区域設定から約1年7カ月が経過した町で、住宅の状態などを視察した。平野氏は記者団に「劣化 が進む住宅の対策を考えなければならない」とし、土地家屋鑑定士ら専門家の意見を踏まえて対策を検討する考えを示した。長期間の無人化が劣化を進めるとの 指摘もあり、一時帰宅の頻度の増加、滞在時間の延長なども視野に入れる。
 また、平野氏は「除染や生活基盤整備を実施し、行政サービスを回復すれ ば帰れると考えていたが、これだけ住宅の劣化が進んでいるとなれば、帰還計画や避難地域復興再生計画の考え方を見直す必要がある」と述べた。コミュニ ティーの中で住宅が劣化した住民とそうでない住民がいる場合、帰還手順をどのようにすれば良いか-などを検討する。
 平野氏はこの日、居住制限区域の大川原地区、帰還困難区域の旭台地区の被災住宅、オフサイトセンター、県立水産種苗研究所など12カ所を視察した。町内の住宅やオフサイトセンターを視察したのは初めて。バスの車窓からは中間貯蔵施設の建設候補地も視察した。
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被災した住宅の劣化状況を確認する平野復興相(左から2人目)

柏崎刈羽で大事故起きたら…

20121103
 東京電力柏崎刈羽原発で大事故が起きたら最大で約20万人が避難を強いられる、との試算が2日、県内の全30市町村でつくる「原子力安全研究会」 で示された。研究会は、この試算を含め、風向きに応じた10パターンの試算・予測図や避難手順を盛った行動指針をまとめた。各市町村は指針をもとに、互い に連携したり、県に課題解決を求めたりしながら、避難計画や避難者の受け入れ方針を定める。
     ◇
 指針は、原発からの距離に応じて各市町村の役割をあらかじめ定め、連携を図れるようにした。
 具体的には、おおむね原発から5キロ圏(予防的防護措置準備区域、PAZ)の人はすぐ避難。5~30キロ圏(緊急時防護措置準備区域、 UPZ)は屋内退避をしつつ避難のタイミングをはかり、30~50キロ圏(プルーム防護措置実施地域、PPA)や50キロ以上(PPA超)は避難者の受け 入れ態勢を整える――という政府や県の分類にならった。
 指針は、主に日本海側の風が内陸に吹くと想定し、南南西から北東の風まで10パターンの広域避難を考えた。各パターンごとに「避難者数」と、学校や体育館の公的施設に旅館などをあわせた避難先の「収容可能人数」を割り出した。
 各パターンごとに市町村から避難を希望する方向を聞き取った結果、「新潟・村上方面」「湯沢・魚沼方面」「糸魚川・妙高方面」の3方面に分かれた。
 避難者数が最も多くなるのは真西の風が吹いた時で、19万9500人。原発のある柏崎市のPAZ内の人は3方面に避難。同市のUPZ内は 山間部が多く避難想定はない。刈羽村と長岡市の人は新潟・村上方面へ逃げる形にした。その方面のPPA、PPA超の市町村は受け入れ態勢を整える。
 指針には避難の際、自家用車の相乗りを住民にすすめたり、助けが必要な人の名簿を普段から集めておいたりすることも盛った。
 会合後、研究会の代表幹事を務める森民夫・長岡市長は記者会見で「これだけ詳しい計画を作っているのは他にない」と述べ、「本来、国が示すべきだ」と訴えた。
     ◇
 指針ができて、各市町村の防災計画作りや受け入れ方針の取りまとめに弾みがつくが、県の対応を待たねばならない課題も多い。研究会は指針に県への要望事項も盛った。
 原発事故時に、住民は市町村の境を越えて、どこに逃げればいいのか。市町村の組み合わせは、県が調整する。それが進んでいないので、指針で「新潟・村上方向」といった避難の方向を決めても、具体的な避難先を決められない。
 昨年3月の福島第一原発事故では風向きと同じ方向に住民が逃げたケースがあった。そうした事態を避けるため、放射性物質を観測するモニタリングポストの整備や、測定情報を共有する機材も必要だ。
 速やかに、安全に、多くの住民が市町村の境を越えて避難できるようにするためには、県がいち早く「宿題」を解決する必要がある。(角野貴之)

脱原発など訴え 福島青年大集会

原発や雇用などについて考える福島青年大集会は4日、福島市の街なか広場をメーン会場に開かれ、脱原発などを訴えた。
 主催者発表で約 1,000人が参加した。高校生や小さい子どもを持つ親、農業従事者らがステージに立ち、脱原発や安定した雇用の確保、環太平洋連携協定(TPP)交渉へ の参加反対などをアピールした。原発ゼロ、雇用と暮らしの保障、消費税増税中止に加え、「福島から、青年の本当の願いを発信し続ける」とする大会アピール を採択した。参加者はJR福島駅前などを行進し、「原発再稼働反対」「農業守れ」などと気勢を上げた。
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脱原発などを訴えた集会

【新潟人】原発 学生ら招き意見交換

20121103
意見交換会で学生たちに語りかける品田さん。緊張を解くため学生らをファーストネームで呼ぶことにしている=柏崎市の柏崎刈羽原発サービスホール
〈「地球感」理事長・品田史夫さん(39)〉
 「柏崎刈羽原発が東京に電気を送ってるなんて知らなかった」「原発がなければ電力不足になるのでは」。高校生や大学生が、原発について意見や疑問を語り、模造紙に書いていく。理事長を務める「地球感」が9月に柏崎市で開いた意見交換会でのことだ。
 参加したのは東京都や柏崎市の高校生、大学生計18人。意見交換会前、柏崎刈羽原発に連れて行って防潮堤や免震重要棟を見てもらい、合計出力が世界最大であることや、誘致の際、地元は賛成、反対に分かれたことを伝えた。
 ほとんどの学生は、こうした事実に驚くという。「東京はもちろん、地元にいても原発のことを知らない人が多いんです」。自身も柏崎市で育った。高校生のころは「大きな原発があって、その電力は全部東京に行く、ぐらいしかわからなかった」と振り返る。
 2001年、刈羽村で柏崎刈羽原発のプルサーマル計画を問う住民投票があった。ニュースで、村のお年寄りが「よくわからないけど、隣のお 父さんがあぶねえって言うから反対した」と語るのを見て、思った。賛成、反対はどちらでもいい。ただし、よくわからないまま大事な決断をしてもいいのだろ うか――。もっと原発のことを知るべきだ、と考えるようになった。
 02年、会員だった柏崎青年会議所内で、子どもを対象に、エネルギー問題や環境問題を考える機会をつくりたいと提案した。「学校からいやがられる」という声が上がったが、市内や刈羽村の中学や高校と交渉して約80人の生徒を集め、意見交換会を開いた。
 参加した生徒から「こんな大事なことを考えないなんてダメだった」と言われ、手応えを感じた。翌年も開催。05年には地球感を立ち上げ、東京と市内の高校生、大学生を招くようになった。
 07年の中越沖地震で柏崎刈羽原発から微量の放射性物質を含んだ水が漏れ、観光や漁業に風評被害が出た。昨年の福島第一原発事故では大量 の放射性物質が放出され、今も多くの人が避難している。「改めて原発はハイリスク、ハイリターンだと感じた」。将来、原発をどうすべきか、も意見交換会の 重要なテーマの一つだ。
 意見交換会に招くことができるのは20人ほど。「小さな活動だけれど、原発のことを知った子どもたちが、親や友達に伝えてくれる。いつか大きな輪になることを期待しています」(富田洸平)
     ◇
しなだ・ふみお
1973年生まれ。92年に柏崎工業高を卒業後、2年間東京の専門学校で発電や送電、配電の仕組みを勉強する。21歳のときに帰郷し、父が 経営する品田電業社に入社。東京電力柏崎刈羽原発内で4年間、圧力容器の中にある機器の保守点検をし「実地で原発について学んだ」。05年に子どもたちに 原発を含めたエネルギー問題を考えてもらおうとNPO法人「地球感」を立ち上げ、理事長を務めている。

震災関連死2303人 今ごろ「対策チーム」とは・・・

公明新聞:2012115日付
半数が福島県 “傷ついた命”にもっと寄り添え
東日本大震災をきっかけに体調を崩すなどして亡くなった「震災関連死」の認定者数が、9月末までに全国で2303人に上ることを平野達男復興相が明らかにした。
阪神大震災の919人を大幅に上回る。“傷ついた命”を守る対策の総動員が必要だ。

2303
人のうち、約半数の1121人を福島県民が占める。背景に東京電力福島第1原発事故の影響があることは明らかだ。
事故直後から政府の誤情報に振り回されて避難先の移動を余儀なくされたことや、一向に進まない除染や賠償問題でストレスがたまっていることが大きいとみられる。
「人災としてのフクシマ」という構図が、ここでもくっきりと浮かび上がっている。
復興相は「深刻に受け止める」として、県と合同で検証・対策チームを設置する考えを示したが、「遅すぎる」感は否めない。遺族らからも「今ごろ、ようやく対策とは」との声が上がっている。
そもそも復興庁は今年8月、関連死の原因調査結果を報告書にまとめ、避難生活の充実に向けた法整備や被災者の心のケア、生活再建策などを盛り込んだ対策を打ち出していたはずだ。
その際、福島県の状況にも触れ、原発事故による長距離・複数回の避難などが関連死を招いたとして支援策の強化をうたっていたのではなかったか。それがここに来て、再び「検証・対策」とはどういうことなのか。首をひねらざるを得ない。
報告書をまとめるのもチームをつくるのもいいが、行動が伴わなければ、所詮は「絵に描いた餅」にすぎないことを知るべきだ。
重要なことは、徹して被災者に寄り添うことである。今この瞬間にも、多くの被災者が避難生活に疲れ、死と隣り合わせにいることに思いをめぐらせ、政府はもっと真剣に、もっとスピーディーに、実効性ある支援を実行に移してもらいたい。
遺族に災害弔慰金が支給される関連死認定のあり方も問題だ。
厚生労働省は、中越地震の際の「6カ月以上経過した場合は関連死と推定しない」とする認定基準を審査の参考とするよう被災自治体に求めているが、避難が長期に及ぶ東日本大震災の被災者に「6カ月以内」はあるまい。
国会審議などで公明党が主張してきたように、ここは「広く認定する」のが妥当だろう。柔軟かつ迅速な対応で、“後に残された人々”にも救いの手を差し伸べたい。

20121105()

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《原発ゼロの冬に》大口顧客の協力前提

20121103


節電への理解と協力を呼びかけ、頭を下げる北電の川合克彦社長=札幌市中央区
■節電目標7%・計画停電回避
 道内の今冬の節電目標が2日、電力需要が過去最大だった2010年度に比べて7%以上と決まった。野田政権は、風評被害による観光への影 響も考慮し、地域ごとに順番に電気を止める「計画停電」は万一に備えた準備を含めて見送った。代わりに深刻な電力不足に陥った場合、大口利用者に電力使用 を抑えてもらう対策を打ち出した。
■緊急時、1300件に調整打診
 節電の要請期間は12月10~28日の午後4~9時、来年1月7日~3月1日の午前8~午後9時、来年3月4~8日の午後4~9時。土日祝日と年末年始は対象外だ。この前後の12月初めと3月中旬以降も、数値目標なしでの節電を求める。
 北電の電力需給見通しによると、厳冬期で需要が増加する来年2月も供給予備率は5・8%(予備力33万キロワット)で、安定供給の目安となる3%を上回る。泊原発の再稼働が見込めないため、火力発電所のフル稼働で賄うつもりだ。
 ただ、頻発する発電所トラブルが今冬も起きると、電力不足が深刻さを増す。
 昨年度のトラブルによる供給減は最大で96万キロワットで、政府は同じ事態が今冬も起きると想定し、節電目標を7%以上と定めた。達成で きると予備力は25万キロワットほど積み増しされて、容量60万キロワットの北本(きたほん)連系線による本州からの電力融通などを合わせると電力不足は 回避できそうだという。
 しかし、供給力の落ち込みは10年度には最大137万キロワットに達した。この場合、7%の節電と北本連系線の電力融通を考慮しても、33万キロワット以上の需要削減が迫られるという。政府がこの対策として打ち出したのが「計画停電回避緊急調整プログラム」だ。
 契約電力が500キロワット以上の大口利用者に、電力料金を割り引く代わりに、予備率が1%以下に低下した場合に約2時間後に電力使用を抑えてもらう。対象は約1300件で、冬場の需要期までに国と道、北電が協力してこうした契約を結ぶよう働きかける。
 ほかにも節電した分を高値で買い取る「ネガワット入札」も導入し、二重三重の対策で電力不足へ備える態勢を作る、としている。
 だが、大口利用者の契約電力をすべて足し合わせても約100万キロワット。プログラムが発動されると工場や大型商業施設は生産の一時停止 や臨時休業を迫られるため、契約に難色を示されることも予想される。抑制幅は個別に協議して決め、北電は夏の計画停電で対象外だった病院や警察にも「小幅 でも協力をお願いしたい」と呼びかける方針だが、33万キロワット分を確保できるかは不透明だ。
 この日、札幌市の本社で会見した北電の川合克彦社長は「夏に引き続き節電へのご協力を頂きたい」と頭を下げた。緊急調整プログラムによる 33万キロワット分の確保については、「楽にできる数字でないことは確かだが、やらなければならない。趣旨をよく説明し、ご理解頂くしかないと思ってい る」と話した。
 また、北電は2日、節電に関する問い合わせ用フリーダイヤル(0120・009・428)を設けた。来年3月8日(土日祝日、年末年始を除く)までの午前9時~午後5時に受け付ける。
(綱島洋一、渕沢貴子)

原発事故想定、京丹波町初の訓練 340人が参加

訓練で、バスに乗り込み避難する住民たち(京丹波町仏主)
訓練で、バスに乗り込み避難する住民たち(京丹波町仏主)
 原発事故を想定した京都府京丹波町初の住民避難訓練が4日、同町大朴などで行われた。地震が発生し、大飯原発(福井県おおい町)で「放射能流出を伴う事故が起きた」との想定で、住民の避難誘導やスクリーニングなどを実施した。
 同町が今年3月に暫定的に策定した原子力災害住民避難計画に基づき、同原発から30キロ圏内の上粟野、仏主で緊急避難、細谷、下粟野、西河内で2次避難を行った。5地区の住民や町役場の職員ら約340人が参加した。
 訓練は午前6時にスタート。地震発生を受け、役場では即座に対策本部を設置した。各地区の住民をバスや車で山村開発センターみずほまで避難させた。避難所では、被ばく線量を測るスクリーニングや除染訓練に取り組んだ。
 訓練後は意見交換会が開かれ、住民からは「線量計を設置してほしい」「避難後はどこに行けばいいのか」など要望や質問が上がった。
201211051029

焦点 被ばく記録へ住民手帳 福島・浪江町が全員に交付


浪江町が発行した放射線健康管理手帳。内部被ばく検査の結果を記録できる


福島県浪江町は福島第1原発事故で避難生活を続ける全町民に「放射線健康管理手 帳」を発行した。広島、長崎両県の原爆被害者に交付されている被爆者健康手帳を参考にし、内部被ばく検査や健康診断の結果を記録し、東京電力や政府への賠 償、住民の健康に対する保証の根拠にする。町は原爆被害者への支援制度と同じサポートを政府に求めているが、原発避難区域で倣う町村は少なく、手帳交付制 度は広がりを欠いている。(浦響子)

健康保証・賠償の根拠、他町村は差別懸念
<永続的に更新へ>
 放射線健康管理手帳はA5判で42ページ。町民の名前や浪江町の住所、避難先の住所が記されている。町の仮設診療所で実施している内部被ばく検査や甲状腺検査、健康診断の受診結果を書き込め、被ばく線量や健康状態が一目で分かる。
 発行対象は原発事故当時町に住民登録があった2万1000人。事故後に誕生したり、今後生まれたりする子も入る。1冊で約10年使え、いっぱいになったら更新し、永続的に制度を続ける。
 浪江町は全域が避難区域に指定され、町民は県内市町村を含めて全国45都道府県の約620市町村に分かれて避難している。事故直後の政府と東電の連絡欠如のせいで、町は町内で最も高線量だった津島地区に役場機能を移し、多くの町民が無用な被ばくをした。
 馬場有町長は「どう避難して被ばくしたのかを記録に残すことで、手帳は町民の履歴書になる。政府と東電の責任を明確にし、町民の不安を和らげたい」と話す。
<広島と意見交換>
 町は6月、手帳発行に先立ち、政府に要望書を提出し、被爆者健康手帳と同様に、原発事故被害者の恒久的な医療費無料化の法整備を求めた。
 8月には馬場町長が広島市を訪れて松井一実市長と手帳交付制度の仕組みについて意見交換した。その後埼玉県加須市の双葉町仮役場で広島市と浪江町、双葉町の担当者が会議を開き、制度運用のノウハウを教わった。
 広島市原爆被害対策部調査課の大杉薫課長は「われわれの経験や被爆者への支援制度を話すことで協力したい」と話す。「原爆は放射線だけでなく、高熱線で甚大な被害をもたらした。原発事故とは被害の形が違っているところもある」と相違点も挙げる。
<双葉町のみ呼応>
 浪江町の取り組みに対し、周辺町村の動きは鈍い。手帳発行に際し、町は避難区域に指定された双葉郡の他の7町村と川俣町、飯舘村に同調を呼び掛けたが、応じたのは双葉町だけだった。
 飯舘村は「手帳を持っていることで被ばく者とみなされ、差別を受けかねない」と消極姿勢の理由を語る。
 浪江町健康保険課の紺野則夫課長は「自治体によって温度差があるのは仕方がない。1町だから、全町村だからというのに関係なく、国は責任を果たすべきだし、今後も法整備を要望する」と述べている。
<被 爆者健康手帳>被爆者援護法に基づき交付される手帳。広島、長崎両県での原爆による直接被爆者や原爆投下直後に爆心地近くに入った人らが対象。医療費が国 費で賄われ、原爆に起因する病気やけがが生じた場合に特別手当が支払われる。広島市によると、3月時点での交付者は全国で21万830人。


20121105日月曜日

関西電力が反落、大飯原発の地層判断先送りで












関西電力 <9503> が反落。原子力規制委員会が福井県の大飯原発の敷地内の馳走調査を行ったが、活断層かどうかの判断で専門家の意見が2分し、判断を先送りしたことが嫌気された。   活断層と判断されれば、稼働中の同原発34号機が停止となり、代替発電によるコスト増が懸念される。(編集担当:山田一)
2012115()

主張

11・11全国行動

「原発ゼロ」で包囲しよう




 東京電力福島原発事故から1年8カ月にあたる11日、全国でいっせいに「原発ゼロ」の行動が行われます。「原発ゼロ」をめぐる対決が浮き彫りになるなか、国民の力で政府に決断を迫る大きな意義をもつ行動になっています。

「即時ゼロ」か、固執か

「原発ゼロ」を求める国民世論は、大きくすすんできました。政府のパブリックコメント(意見公募)でも「即時ゼロ」が8割を占め、野田佳彦首相も 「原発に依存しない社会を一日も早く実現したいという思いは、多くの国民に共有されるに至っております」と認めざるを得なくなっています。
 日本共産党は、国民のこうした願いにこたえて「『即時原発ゼロ』の実現を」の新しい「提言」を発表し、「即時原発ゼロ」の必要性とそれが可能であ ることを明らかにしました。志位和夫委員長は、国会の代表質問(1日)で野田首相にたいし、「即時原発ゼロ」の政治決断を求めました。
 ところが野田首相は、「現実的には十分な時間が必要」だと「即時原発ゼロ」に背を向けています。その一方で原発を「重要電源」だとして、再稼働や 核燃料サイクルは続ける意思を示しました。野田政権は、「2030年代稼働ゼロを可能とするよう」といいますが、実際には大間原発(青森県)などの建設を すすめています。
 国民世論に逆らって原発に固執し続けるのか、「即時原発ゼロ」を決断するのか、その対決はいよいよ鮮明です。
 全労連、全日本民医連、新婦人などで構成する「原発をなくす全国連絡会」は「いますぐ原発ゼロへ 11・11全国いっせい行動」をよびかけまし た。東京では、首都圏反原発連合のよびかけで「原発をなくす全国連絡会」などが協力して、「11・11反原発大占拠」が行われます。また、「原発をなくす 全国連絡会」と「ふくしま復興共同センター」のよびかけで11日当日付の新聞に「原発ゼロ」の全面意見広告を掲載する運動もすすめられています。
 よびかけにこたえて、全国でも集会やデモをはじめ、多彩に「いますぐ原発ゼロへ」の行動が計画されています。東京や大阪など、新しい運動とのこれまでにない共同も広がっています。
 この半年間、「再稼働反対」、「原発をなくせ」の運動は、空前の規模に発展しました。毎週金曜日の官邸前行動は毎回数万から20万人もの市民が参 加し、全国100カ所をこえて粘り強くとりくまれています。草の根のデモも毎週のように各地で行われています。若い世代や子育て世代をはじめ、これまで政 治とは距離があった人たちも、立ちあがり声をあげています。
 政府の「2030年代に稼働ゼロ」というものにさえ異議を唱え、原発再稼働を求めている経団連にたいしても、市民の直接抗議が行われるようになりました。

決断への大きな圧力に

こうした声と行動を総結集し、11日に全国いっせいに行動を広げることは、「原発ゼロの日本」の決断へ大きな圧力になることは間違いありません。「原発ゼロ」にむけて巨大なページを開くべきときです。これまでの行動を上回る規模で大成功させましょう。
 日本共産党は、「11・11全国行動」を成功させるため、全国で力を尽くす決意です。
2012115()

責任ある対案(志位委員長)か、国民不在の党略(民自公など)か

NHK「日曜討論」でくっきり




 直面する日本の政治課題に責任ある対案と展望を示し、行動しているのはどの党か―。4日に放送されたNHK「日曜討論」の各党党首へのインタ ビューは、14の政党代表が勢ぞろい。解散・総選挙の時期など政局談議に終始する民自公各党や「第三極」勢力と、デフレ不況対策など行きづまり打開の対案 を示した日本共産党の志位和夫委員長との違いが鮮明になりました。(志位氏発言詳細)
 民自公などには解散・総選挙の時期について質問が集中。民主党の輿石東幹事長が「(年内解散は)日程的に難しい」と逃げれば、自民党の安倍晋三総 裁や公明党の山口那津男代表は、消費税増税法案を成立させたとして、国民生活そっちのけで、解散の「約束」履行を野田佳彦首相に求める党利党略ぶり。赤字 国債を発行する法案などを処理し、「信を問える環境をつくる」(輿石氏)ことに応じるか否かに議論は終始しました。
 これに対し、志位氏は、赤字国債発行法案などでの“党略的扱い”を厳しく戒め、「国政の基本問題を堂々と議論し、争点を明らかにすべきだ」と主張し、速やかな解散・総選挙を求めました。
 とくに違いがでたのが経済・景気対策。輿石氏が「一日も早く経済を立て直す」と言いながら何も具体的対策を示さなかったのに対し志位氏は、「今の 『デフレ不況』から抜け出すうえで、ただちにやるべきことが二つある」として、消費税大増税の実施を中止することと、電機・情報産業での13万人リストラ など大企業による雇用破壊をやめさせることを具体的に提起。そのうえで、富裕層・大企業の応分の負担と国民所得を増やす経済対策で、消費税に頼らず社会保 障充実・財政危機打開をはかる共産党の「経済提言」の方向でデフレ不況の「打開をはかりたい」とのべました。
 尖閣諸島の問題でも、安倍氏が「中国と交渉することはありえない。1ミリたりとも譲歩すべきではない」とかたくなな態度を示したのに対し、志位氏はこの間の外交活動を紹介しながら「冷静な外交交渉」を堂々と説きました。
 「第三極」を名乗る勢力も、相互の連携に質問が集中し、国政の基本問題を語る党はほとんどなし。「生活」の小沢一郎氏が「消費税増税反対」などを 政策の柱として並べたものの具体的内容は語らず、「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表は「自主的憲法」制定と集団的自衛権の容認を主張しました。「日本維新 の会」の松野頼久国会議員団代表は衆院定数の半減という暴論を主張しただけでした。
2012115()

全国から青年大集合

福島 原発ゼロ 政治変えよう

(写真)青年の要求をアピールしながらパレードする福島青年大集会の参加者たち=4日、福島市


 「福島のいまを知り、日本のこれからを考えよう」と、「もやもやふっとばしまスカッ!! 福島青年大集会2012」(同実行委員会主催)が4日、 福島市で開かれ、北海道から九州まで約1000人が参加しました。「再稼働を許さず、ただちに原発ゼロを」「若者に雇用と暮らしの保障を」。福島と全国の 連帯の力で、「青年を苦しめる政治を変えよう」との熱気に包まれました。
 福島の青年の実態を告発するリレートークでは、東京電力福島第1原発事故の放射能汚染による避難生活で各地を転々とした女子高校生が「なぜ福島県 民だけがこんな思いをしなければならないのでしょうか。原発問題の当事者は私たち子どもです」と痛切な思いを語りました。3歳と1歳の娘を持つ福島市の女 性は、放射能汚染で「子どもたちの外遊びや食べ物はどうするか、仲間と話し合い、医療費の減免や健康管理手帳の交付を要求し、県と交渉しています。子ども たちの未来が希望に満ちたものになるよう、福島を取り戻す日まで、地球上から原発がなくなる日まで頑張ります」と話しました。
 運動交流では、震災を理由にした雇い止めを撤回させたソニー労働組合仙台支部の小高洋さんが「私たちは、あきらめず勇気をもって声をあげることで変わるという確信を持ちました。この国に真の復興を。手を取り合い、ともに歩んでいきましょう」と訴えました。
 福井県で原発に反対するピースライブを開き、毎週金曜日に官邸前抗議行動に呼応し県庁前で抗議行動をしている福井ピースアクション実行委員会の河合良信さんらは「原発のない未来をつくれるよう、みんなでつながって、できることをやっていきましょう」と呼びかけました。
 首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフさん、日本共産党の紙智子参院議員、ふくしま復興共同センターの斎藤富春代表委員、反貧困ネットワークふくしまの渡邊純代表が連帯のあいさつをしました。
 集会アピールを採択したあと、市内をサウンドデモで「原発ゼロへ声をあげよう」などと訴えました。
 デモや集会への参加は初めてだという東京都江東区の男性(29)は「ずっと福島の声を生で聞きたいと思っていました。会場は熱気があって、原発反対や再稼働反対の思いを強くしました」と話しました。
2012115()

「敷地内に別の活断層」

大飯原発・評価会合 渡辺教授が指摘




 関西電力大飯原発(福井県おおい町)敷地内の破砕帯調査を行った原子力規制委員会の調査チームが4日に開いた評価会合で、東洋大学の渡辺満久教授(変動地形学)は、これまで問題とされた「F―6破砕帯」とは別の活断層があると指摘しました。
 渡辺氏は、原発の北側に位置する海岸近くの台場浜トレンチ(溝)で見られる地質構造や、同南西側で1、2号機の背面にある山頂付近のトレンチ(溝)の現場などを確認。北側でF―6破砕帯と並行して走り、南西側でF―6につながる活断層があるとしました。
 渡辺氏は「原発の重要施設の直下に活断層はある。これらが見落とされたのは事業者の不適切な調査と、国のずさんな審査にある」と批判。「追加調査するというなら、大飯原発の運転をすぐに停止し、原子炉直下にある破砕帯を含め、すべてを調べ直すべきだ」と主張しました。
 一方、日本活断層学会元会長の岡田篤正立命館大学教授は「地層のずれは地滑りでも起きる。局所的な現象だけで、先走って判断するのは危険」と反論し、「じっくり考えさせてほしい」と繰り返しました。
 調査チームのメンバーで原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理は、問題の破砕帯のずれについては12万~13万年前で共通の認識だとし、ずれの原因については意見が分かれたため、「もう一度集まって、より掘り下げたい。事業者の説明も聞いて、考えたい」と述べました。



【震災関連死】原発事故の悲劇は続く
201211050826
 東日本大震災をきっかけに体調を崩して亡くなった「震災関連死」の認定者が9月末までに2303人に達したことを平野復興相が明らかにした。
 大震災では助かった命がこれほどまでに失われている。深刻な事態であり、検証が必要だ。
 東日本の広範囲に及ぶ認定者のうち、約半数(1121人)を福島県が占めている。福島第1原発事故が要因であることは疑いようがない。
 被災地ではこれから長く厳しい冬に向かう。これ以上関連死が増えないよう、国や自治体にはきめ細かな見守りや心のケアが求められる。
 大震災では1万8千人以上が死亡、行方不明となった。震災関連死を含めると、2万人以上が犠牲になったことになる。避難を強いられている人は今なお30万人以上いる。体力の弱い高齢者を中心に、今後も犠牲者が増える可能性は高いとみてよい。
 復興庁が、3月末時点で認定された岩手、宮城、福島3県の1263人について調査したところ、年齢層別では「60歳以上」が95%を占めた。
 死亡原因は、「避難所などでの生活の肉体・精神的疲労」「避難所などへの移動中の肉体・精神的疲労」「病院の機能停止」の順で多い。
 「避難所などへ移動中の疲労」は福島県に集中している。原発事故で避難区域が順次拡大し、多くの避難者が繰り返し移動を強いられたためとみられている。
 「原発事故のストレス」や「自殺」も福島県の多さが目立っている。震災関連死の中に、いかに「原発事故関連死」と位置付けられる原因が多いか。この現実と、原発事故の罪深さをあらためて実感させられる。
 だが、「地震国」に生きる私たちにとって、震災関連死の問題は決して人ごとではない。南海地震が近い将来起こるとされ、高齢化の著しい本県に とってはなおさらだ。たとえ津波や地震から生き延びたとしても、避難生活の中で命を、健康をどう守っていくのか。東日本大震災の教訓を最大限生かすことが 求められよう。
 震災関連死の防止へ、関係省庁の検討会が今夏まとめた報告書は、避難所での生活環境を充実させるための法整備を求めている。災害対応を少しでもスムーズにするためには、平時の準備が問われる。先延ばしにする余裕はない。



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