2012年11月8日木曜日

2012/11/08

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東日本大震災:北茨城沖マダラから新基準値を超すセシウム /茨城

毎日新聞 20121108日 地方版
 県は7日、北茨城市沖で水揚げされたマダラから新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。県は同日、県内全域でマダラの出荷自粛を要請した。
 県漁政課によると、北茨城市沖で5日に水揚げされたマダラの検査で、3検体から同110〜140ベクレルを検出した。北茨城市沖のマダラ漁は操業前で、今回は検査のため水揚げし、流通はしていないという。【酒井雅浩】

原子力機構など、水溶セシウムを除去する捕集材開発-カートリッジ製品化

掲載日 20121108
 日本原子力研究開発機構の環境機能高分子材料研究グループの瀬古典明グループリーダーらは、クラボウグループ の倉敷繊維加工(大阪市中央区、青山克己社長、06・6261・6721)と共同で、水に溶けている放射性セシウムだけを選んで吸着できる捕集材を開発 し、同捕集材を充てんしたカートリッジを製品化した。原子力機構が保有する金属イオンを吸着する技術を用いて実現した。福島第一原子力発電所の事故により 拡散した放射性セシウムの除去に役立つものと期待される。
 研究グループは、酸やアルカリ性に強く、軽量で加工性の高いポリエチレン製不織布素材に、同機構が開発した吸着技術で、セシウムと親和性の高いリンモリ ブデン酸基を導入した捕集材を開発した。試料には1リットル当たり80ベクレルのセシウムが検出された被災地の井戸水を採水。

マダラの出荷を全域で自粛要請

20121108
 県漁政課は7日、県全域でマダラの出荷を自粛するよう、茨城沿海地区漁業協同組合連合会と各漁協に要請した。5日に北茨城市沖でとれたマダラから、最大で1キロ当たり140ベクレルと、国の基準(1キロあたり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。
 漁政課によると、マダラは今年3月に北茨城市沖でとれたものから100ベクレルを超す放射性セシウムが検出され、県全域で出荷が自粛された。その後の検査で数値が下がっていき、各地域で自粛が順次解除され、10月26日に県全域で出荷が可能になったばかりだった。
 漁政課の担当者は「鍋物の季節で、まさに漁期。再び県全域で自粛になり、漁業者はショックが大きいのではないか」と話した。



放射能の拡散予測 「より公表詳細に」

20121108
 日本原子力発電東海第二原発で重大事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測について、県は、より詳細なデータを公表するよう、原子力規制庁に要請 した。事故に備える防災計画をつくるためには、より低い被曝(ひ・ばく)線量の範囲も把握する必要がある、とする地元東海村の意向を反映した。
 拡散予測は、原子力規制委員会が10月下旬に公表。1週間の総被曝線量が100ミリシーベルトに達する範囲のみが示された。
 県は、原子力規制委の事務局である原子力規制庁が原発立地自治体担当者を集めた2日の会議で、100ミリシーベルトより低い線量の範囲についても公表するよう求めた。

放射能汚染牧草まとめて管理へ 加美町

20121108
 加美町は、東京電力福島第一原発事故で放射性物質に汚染されて使えない牧草について、宮崎地区にある町有地の放牧場74ヘクタールを一時保管場所にして、まとめて管理することを決めた。県によると、一括管理は県内で初めて。10日から、ここに牧草を運び入れる。
 町議会が7日、関連費用約1900万円を盛り込んだ今年度一般会計補正予算案を可決した。
 飼料として使える牧草の放射性セシウムの国の基準は今年、1キロ当たり300ベクレル以下から100ベクレル以下に厳しくなった。町が一括管理するのは、100~8千ベクレルの牧草。
 本来なら、一般廃棄物として焼却したり牧草地に埋めたりすることも認められている範囲だが、放射性物質の濃度上昇を招く焼却処分は進ま ず、牧草地汚染を恐れる農家は埋め立てを嫌う。牧草は各農家に置かれていて、町は昨年産と今年産を合わせて約5900トンが町内にあると見ている。
 保管場所は民家から5キロ以上離れる。ビニールシートを敷いて牧草ロールを並べ、さらにシートで覆う。冬季は閉鎖する。保管期間は、国が最終処分場を稼働させるとした2014年度末までで、定期的に空間放射線量や土壌を調べる。(島田博)

原子力規制委:放射性物質拡散予測 全国初、規制庁が市町村に説明 質問、要望相次ぐ /新潟

毎日新聞 20121108日 地方版
 原子力規制庁は7日、新潟市で、県内市町村を対象に、原発事故時の放射性物質の拡散予測の説明会をした。市町村への説明は全国で初めて。市町村担当者からは拡散予測や原子力災害対策指針について質問や要望が相次いだ。
 同庁が事務局を務める原子力規制委員会は10月24日、自治体への説明が不十分なまま拡散予測を発表。 柏崎刈羽原発から40・2キロ地点でも避難が必要になり得るとの試算を示した。これに対し、避難の準備範囲を同30キロ圏内に想定してきた市町村が、同庁 に詳しい説明を求めていた。
 同庁の金子修一・原子力防災課長は冒頭、市町村への説明が遅れたことや、拡散予測に訂正があったことに ついて「情報に不行き届きがあった」などと謝罪した。その上で、試算結果や同委が10月末に示した原子力災害対策指針を説明。同指針を元に、県や市町村は 来年3月中旬までに地域防災計画の原子力災害対策編を改定するが、同指針にはSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の活用策や緊 急時の安定ヨウ素剤の服用基準など未検討の部分が残る。
 上越市は、原発からおおむね30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)▽甲状腺被ばく対策を重点的に進 める、おおむね50キロ圏内の放射性ヨウ素防護地域(PPA)▽PPA圏外−−の3地域を抱えている。同市の笠原浩史・防災計画課長は「事故時に市民を逃 がしたり、一方で、他市からの避難者を受け入れたりするのか、両立が難しい。さまざまな事象に対応できるような避難計画のあり方を示してほしい。拡散予測 は地形などの条件を入れて、もう少し精緻になるよう補完してほしい」と話した。
 長岡市の小嶋洋一・原子力安全対策室特命主幹は「避難時にどこの市町村に逃げるかやバスの確保など課題はいっぱいある。ヨウ素剤服用や避難所など、具体的な問題をどう解決するかが大切」と話した。【宮地佳那子】
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 ◆放射性物質の拡散予測図(柏崎刈羽)

 ◇図の見方

左の図は福島第1原発1〜3号機と同量の放射性物質(77万テラベクレル、テラは兆)が放出された場合。右の図は福島第1原発と同程度の炉心溶融が起き たとし、放射性物質の放出量は福島第1原発1〜3号機との出力比から算出した。三つの同心円は原発からの距離。点は、16方位ごとに、被ばく量が緊急時の 避難基準となる1週間で100ミリシーベルト(外部被ばくと内部被ばくの合計)に達すると試算された遠方の地点。

原子力規制委:放射性物質拡散予測訂正 長岡市長が対応批判 規制庁課長ら、訪問し陳謝 /新潟

毎日新聞 20121108日 地方版
 原子力規制庁の金子修一原子力防災課長らは7日、長岡市の森民夫市長を訪ね、原子力規制委員会が公表した原発事故の放射性物質拡散試算について「事前に説明できず、しかも訂正という事態を招きおわびしたい」と陳謝した。
 訂正後の試算では、柏崎刈羽原発で福島第1原発のような過酷事故が発生した場合、放射性物質が拡散する地点に原発から40・2キロの同市栃尾地域が含まれることになり地元に動揺が広がっている。
 森市長は「放射性物質のような住民に不安感を与える話は丁寧に説明してほしい」と規制庁の対応を批判。地形や風向きなどを考慮した精度の高い試算の作成や、原発の安全対策、防災計画策定における国の支援などを求めた。【湯浅聖一】

搬入前に被ばく調査 一時保管場周辺住民に 焼却灰問題で県

2012110810:20

 高濃度の放射性セシウムに汚染されたごみ焼却灰の保管問題をめぐり、県は7日までに、一時保管場所となる県の手賀沼終末処理場の周辺住民を対象 に、内部被ばく調査を実施する方針を固めた。県は同処理場内に一時保管施設の建設を進めており、今月中旬にも焼却灰の搬入がスタートする見通しで、搬入前 の調査実施を目指す。
 印西市は「搬入前に調べないと健康への影響が把握できない」として、地元自治会や住民の意見を踏まえ、内部被ばくなどの健康調査を含む計6項目の要望書を9月下旬、県に提出している。
 県防災危機管理部などによると、調査対象となるのは、印西市と我孫子市にまたがる同処理場の周辺住民。県は「内部被ばくの恐れはないが、できるだ け要望に応えたい」として、搬入前に調査を実施し、放射性物質による汚染が懸念された場合に影響の有無を判断する。全身測定装置「ホールボディーカウン ター」による内部被ばく調査を想定している。

放射線:「正しい知識を」福島2市村の小、中校で独自授業

毎日新聞 20121108日 1116分(最終更新 1108日 1210分)
福島市が作成した放射線教育指導資料。イラストも使われている=福島市置賜町の毎日新聞福島支局で、神保圭作撮影

原発事故のあった福島県の2市村が、子供たちの放射線への理解を深めようと、独自の教育指導計画を相次 いで作成した。福島市は2学期から計画に沿った授業を始め、飯舘村も今年度中の授業開始を目指している。福島市教委は「子供たちは低線量被ばくに長期間向 き合わなければならない。正しい知識を身につけ、判断力を養ってもらいたい」としている。
 文部科学省は事故後、子供に配る副教材として「放射線等に関する副読本」を作成、福島県教委も教員向け 指導資料を作った。だが、福島市は空間放射線量が比較的高く、「市の実態に即した放射線教育を進める必要がある」として、市が委嘱した放射線の専門家や小 中学校の教員ら10人が今年5月から8月にかけて、市独自の指導資料作りをしてきた。
 指導内容は学年ごとに異なり▽小学2年では放射線量が高い側溝付近では長時間過ごさない▽小学5年では藻類や魚類などに含まれる放射性カリウム40の量や、ガンマ線やベータ線など放射線の種類▽中学2年では内部被ばくと外部被ばくの違い−−などを学ぶ。
 市内には警戒区域などからの避難者も多く、どのように「心のケア」をしたらよいかも教える。作成に携 わった市立岡山小の佐藤哲校長は「知らない場所での生活はストレスが多く、避難先が変わって転校を繰り返したという児童もいる。心の変調に自分で気がつ き、コントロールすることも必要」と説明する。
 放射線授業は1年間に2時間、中学3年は理科の授業を含め計3時間を学ぶ。
 全村避難した飯舘村も今年8月、「放射線教育指導計画」を作成し、放射線の知識は「必ず身につけなけれ ばならない大切な力」と明記した。村教委の広瀬要人教育長は「子供たちが正しい知識を身につけ、いわれなき差別や風評被害を防ぐことにもつなげたい」と話 している。【神保圭作】
【福島市が作成した指導資料の主な内容】
学年     指導内容
小学2年  ・側溝や水たまりでは放射線量が
       高いなど、学校敷地内で線量に
       違いがあることを学ぶ
小学5年  ・自然界に存在して食材に含まれ
       る放射性物質の数値を比べる
      ・どんな時にストレスを感じるか
       話し合い、自分に合ったストレ
       ス解消法を見つける
中学2年  ・人体が放射線を受ける場合の影
       響を理解する。普段の生活で、
どう行動すれば被ばくを防ぐこ
       とができるかを考える

東日本大震災:福島第1原発事故 放射線の基礎知識学ぼう 福島で来月5日まで計4回、専門家ら解説 /福島

毎日新聞 20121108日 地方版
 放射線に関する基礎知識を学ぶ「ふるさと学びカレッジ・放射線のいまを知る」が14日、福島市松木町の市中央学習センターで始まる。12月5日までの計4回、専門家らが放射線の健康への影響や、市が実施する除染の取り組みを解説する。
 福島第1原発事故を受け、放射線に関する正しい知識を身につけてもらい復興への一助にしようと同センターが企画。初回の14日は「放射線とは〜放射線の基礎知識」と題して、元日本原子力研究開発機構職員の白石浩二さんが講演する。
 2回目の21日は「放射線と健康〜被ばくとその影響」(竹内真弓・竹内こどもクリニック院長)。3回目 の28日は「放射線と食品〜食の安全を求めて」(斎藤隆・JA新ふくしま営農部長)。最終日の12月5日は「市の現状と取り組み〜除染計画と進捗(しん ちょく)状況」と題して、荒井政章・福島市放射線総合対策課長が解説する。
 参加無料。いずれの回も午後2時〜同3時半。問い合わせは、同センター電話024・534・6631。【神保圭作】

モニタリングポスト、10%低く測定=鉛バッテリー放射線遮る―文科省

  • 2012118日  7:56 JST
 東京電力福島第1原発事故を受けて文部科学省が今年4月、福島県などに設置した放射線モニタリングポスト675台について同省は7日、装置の脇に置かれた鉛のバッテリーが地面からの放射線の一部を遮り、実際より約10%低く測定していたと発表した。
 週明けにもバッテリーを台座下や検出器の上に移す工事を始め、来年2月末までに終える予定。
 不具合があったのは富士電機と日立アロカメディカルが製造した「可搬型モニタリングポスト」。福島県に545台、周辺の宮城県や山形県などに計130台が設置され、測定結果を文科省のホームページなどで公表していた。
 住民らから「自分が測定した数値より低い」と問い合わせが相次ぎ、8月ごろから調査していた。同省はバッテリーの遮蔽(しゃへい)効果を想定していなかったという。 
[時事通信社]
2012118()

既存原発すべて不適合

放射性物質拡散予測 吉井議員が追及

衆院経産委

(写真)質問する吉井英勝議員=7日、衆院経済産業委


 日本共産党の吉井英勝議員は7日の衆院経済産業委員会で、原子力規制委員会が発表した放射性物質拡散予測によっても、旧原子力安全委員会が設けた 原発敷地境界での放射線量の基準値100ミリシーベルトをすべての原発が超えることを示し、「日本の全原発が審査指針に不適合になる」とただしました。
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は「一般論としてはご指摘のとおり」だと認め、「基準を満たさないものは動かさない」と述べました。
 吉井氏は、福島原発敷地境界では年間で956ミリシーベルトに達しており、今回の拡散予測でも、すべての原発で10キロ以遠の地点でも1週間累積で100ミリシーベルトを超えていることを指摘し、不適合となるのは明らかだと強調しました。
 田中委員長は「大変納得できる質問だ」と述べ、福島原発事故のような放出量を仮定しなければならないような原発の稼働は「困難だ」と表明するとともに、放射能放出量を防ぐためにどうすべきかバックフィット(遡及〈そきゅう〉適用)規定を含めて検討していると答えました。
 また吉井氏は大間原発(青森県)について、設置許可や工事認可が完了しているとして建設続行を認めた問題を追及。運転を認めると「2030年代稼 働ゼロ」とはならないと批判し、「大飯原発以外の全原発を行政指導で再稼働を差し止めている。行政指導で大間原発の建設再開を止めることはできる」とただ しました。
 枝野幸男経産相は、認可ずみの原発建設停止は「行政指導できる範囲を逸脱する」として立法措置が必要だと答弁しました。



グアテマラ沖でM7.4=48人死亡、多数が不明に


 【サンパウロ時事】米地質調査所によると、中米グアテマラ沖の太平洋で7日午前(日本時間8日未明)、マグニチュード(M)7.4の地震が起きた。 AFP通信によれば、被災地を視察したペレスモリナ大統領は、倒壊した建物のがれきの下敷きになるなどして48人が死亡したと明らかにした。今も多数が行 方不明になっているとされ、犠牲者数はさらに増える恐れがある。
 震源はメキシコ国境に近い町チャンペリコの南24キロで、深さは約41キロ。メ キシコやエルサルバドルなど近隣の中米各国でも揺れが感じられ、現地からのテレビ映像では、地震に驚いた市民が建物外に逃げ出す様子が映し出された。M5 レベルの余震も続き、130棟以上の家屋が地震で崩れたという。
 太平洋津波警報センターによれば、地震に伴って中米沿岸では約7センチの津波を観測したが、大きな被害の情報は寄せられていない。日本の気象庁は、日本への津波の影響はないとしている。(2012/11/08-11:43

中米グアテマラでM7.4 48人死亡

2012/11/8 10:00 (2012/11/8 11:46更新)
【ロサンゼルス=共同】米地質調査所(USGS)によると、中米グアテマラの太平洋沿岸で7日午前1035分(日本時間8日午前1時 35分)ごろ、マグニチュード(M)7.4の地震があり、AP通信によると、南西部のメキシコ国境付近などで倒壊した建物の下敷きになって48人が死亡し た。ペレスモリナ大統領は、155人が負傷したことを明らかにした。
 大統領はこれに先立つ記者会見で、約100人が行方不明だと述べた。在グアテマラ日本大使館によると、日本人が巻き込まれたとの情報はない。
 太平洋津波警報センター(米ハワイ)によると、隣国エルサルバドルの太平洋岸で高さ7センチの津波を観測した。日本の気象庁は、日本への津波の影響はないとしている。
 南西部サンペドロサカテペケスでは、建物約40棟が倒壊。各地で地滑りが起き、幹線道路が寸断されている。
 首都グアテマラ市のビル10階に入居する日本大使館では、大きな横揺れが数十秒続き、館員が建物の外に一時避難した。棚から物が落ちるほどのことはなかったという。
 震源地はグアテマラ市の西南西約163キロ、震源の深さは41.6キロ。エルサルバドルの首都サンサルバドル、メキシコの首都メキシコ市などでも強い揺れが感じられた。

死者は39人に 中米・グアテマラでM7.4の大地震(11/08 10:55)

中米のグアテマラで起きたマグニチュード7.4の大きな地震で、死者は39人に増えました。
 アメリカ地質 調査所によりますと、日本時間の8日午前1時半ごろ、グアテマラ西部沖でマグニチュード7.4の地震が発生しました。震源は太平洋沖にある町のチャンペリ コから約24キロの地点で、深さは約42キロです。AP通信によりますと、倒壊した建物の下敷きになるなどして39人が死亡しました。また、グアテマラの 一部地域では停電や電話もつながらない状況だということで、大統領が非常事態宣言を出しました。アメリカの太平洋津波警報センターは一時、津波の可能性を 指摘していましたが、警報は出しませんでした。また、気象庁は日本への津波の影響はないと発表しています。

グアテマラでM7.4の地震、30人死亡・100人行方不明

  • 2012118日  10:25 JST
 【メキシコ市】7日グアテマラ西部沖を震源とする地震が発生し、沿岸山間部で建物が倒壊するなどして少なくとも30人が死亡した。米地質調査研究所によ ると、震源地は首都グアテマラ市から約240キロ離れた都市チャンペリコ沖で地震の規模はマグニチュード(M)7.4。衝撃波はグアテマラ西部沿岸とメキ シコ南部のチアパス州に伝わり、960キロ離れたメキシコ市でも揺れが感じられた。
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AFP/Getty Images
地震でがれきに埋まった車
  今のところ津波の報告はない。
  
 グアテマラ災害対策当局の広報担当によると、少なくとも32の家屋が倒壊した。死者の大半は震源地近くのサンマルコス州沿岸山間部の住民らだが、約100人が行方不明で犠牲者の数は増える可能性があるという。
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グアテマラの地図と震源地
 
 ソーシャル・ネットワークなでど撮影された地震被災地の映像には倒壊した建物やがれきに埋もれた自動車など写っている。同州の道路は地震による土砂崩れで寸断されているもよう。
 グアテマラのペレスモリナ大統領は警戒警報を発令し、倒壊した建物からの避難と余震の警戒を呼び掛けている。
記者: Nicholas Casey  

グアテマラ沖地震の死者約40人に、メキシコ市でも揺れ


11月7日、中米グアテマラ沖でマグニチュード(M)7.4の地震が発生。写真は被災地向けに救援物資を運ぶ当局者(2012年 ロイター) [
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【グアテマラ市 7日 ロイター】 中米グアテマラ沖で現地時間7日午前10時35分(日本時間8日午前1時35分)ごろ、マグニチュード(M)7.4の地震が発生し、これまでに少なくとも39人が死亡した。隣国メキシコの首都メキシコ市などでも揺れが感じられた。  メキシコとの国境に近い山間部にあるサンマルコス県では、多くががれきの下敷きになって死亡。地震による地すべりで道路がふさがれ、救助作業が難航しているという。
 ヘリコプターで被災地に入ったペレス大統領は、家族らの情報から、行方不明者が約100人に上ると明らかにした。
 現地の赤十字社によると、サンマルコス市だけで家屋75棟が倒壊し、刑務所も被害を受けたため、受刑者約100人を別の刑務所に移送したという。
 当局は被災地に1万6000人分の救助物資を送り、兵士2000人以上を救助活動に動員。7万3000人が住む地域で停電になっている。
 米地質調査所(USGS)によると、震源地は首都グアテマラ市から西南西約163キロの太平洋で、震源の深さは約42キロ。同市でも強い揺れがあり、多くの人が建物の外に避難する姿が見られた。
 隣国エルサルバドルや、約1200キロも離れたメキシコ市でも揺れが感じられた。
 *内容を追加します。
2012/11/08 10:50

グアテマラで地震、39人死亡

201211810:08 JST
 【ロサンゼルス共同】米地質調査所によると、中米グアテマラの太平洋沿岸で日本時間8日午前1時35分ごろ、マグニチュード(M)7・4 の地震があった。AP通信などによると、ペレスモリナ大統領は、南西部のメキシコ国境付近などで倒壊した建物の下敷きになって39人が死亡、155人が負 傷したことを明らかにした。日本大使館によると、日本人が巻き込まれた情報はない。日本への津波の影響はないと気象庁はしている。

グアテマラでM7.4の地震 30人死亡、100人不明

2012.11.08 Thu posted at 09:24 JST
中米グアテマラでM7.4の地震=Guatemala Conred提供
(CNN) 中米グアテマラで7日、マグニチュード(M)7.4の強い地震があり、道路や建物の崩壊で少なくとも30人が死亡、多数の行方不明者が出ている。
ペレスモリナ大統領は、この地震で約100人が行方不明になり、15人が生き埋めになっているとの報告を受けたと述べ、死者はさらに増える可能性もあるとした。
震源は西部沿岸の町チャンペリコから約24キロの地点で、震源の深さは約42キロ。隣国のメキシコ市でも揺れを感じた。グアテマラを襲った地震としては、1976年に2万3000人の死者を出したM7.5の地震以来の規模となる。
震源に近いサンマルコスなど西部や太平洋沿岸の一帯で、道路や建物が損壊して車ががれきに押しつぶされたり、住宅や学校が倒壊するなどの被害が出ており、12万5000人が停電に見舞われている。
ペレスモリナ大統領は、学校が学期末を迎えて休みに入ったばかりだったことが幸いしたと語った。
政府は強い余震があることも予想されるとして、太平洋沿岸の全域に警戒警報を出し、高層ビルからの避難などを呼びかけている。

中米グアテマラでM7.4の地震、死者39人に

2012/11/08 09:52
 米地質調査所(USGS)によれば、中米のグアテマラで7日午前10時35分ごろ(日本時間8日午前1時35分ごろ)、マグニ チュード7.4の地震があった。現地の報道によれば、死者は39人にのぼり、行方不明者も多数いるようだ。震源は西部チャンペリコから南に24キロ、深さ は41.6キロ。グアテマラの北部と国境が接するメキシコでも揺れが感じられたという。
 グアテマラはメキシコの南部に位置する。国家元首はペレス・モリーナ氏。GDP(国内総生産)は11年で469億1000万ドル。主要産品は農業で、 コーヒー、砂糖、バナナなどが有名。日本からは自動車などを輸出しており、日本の外務省によれば、伊藤忠<8001.T>、住友商 事<8053.T>、三菱商事<8058.T>、ハザマ<1719.T>、徳倉建設<1892.NG> 、ペガサスミシン製造<6262.T>などが進出している。なお、日本による対グアテマラのODA(政府開発援助)は10年で米国、スペイン に次いで3番目に大きい。
 
(宮川子平)

中米グアテマラ沖でM7.3地震、39人死亡

  • 2012110809:14 発信地:グアテマラ市/グアテマラ
中米グアテマラのサンマルコス(San Marcos)で、地震で倒壊した建物の下敷きになった車(2012117日撮影)。(c)AFP

118AFP】メキシコ地震学サービス(Mexican Seismological Service)によると、中米グアテマラ沖で7日朝(日本時間8日未明)、マグニチュード(M7.3の地震があった。グアテマラのオットー・ペレスモリナ(Otto Perez Molina)大統領の発表によれば、サンマルコス(San Marcos)県で住宅131棟が損壊し、がれきの下敷きになるなどして少なくとも39人が死亡、155人が負傷した。停電も起きている模様だ。
 米地質調査所(US Geological SurveyUSGS)によると、地震はGMT(グリニッジ標準時)7日午後435分(日本時間8日午前135分)に発生した。震源はグアテマラ南部チャムペリコ(Champerico)の沖合い約24キロメートルで、震源の深さは41.6キロ。
 強い揺れは約250キロメートル離れた首都グアテマラ市(Guatemala City)や、隣国のメキシコ市(Mexico City)でも感じられ、住宅や学校、オフィスなどから人々が急いで避難する様子が見られた。(c)AFP

20121181158

グアテマラでM7.4の地震 48人死亡、多数不明



マグニチュード7・4の地震に見舞われた中米グアテマラ西部のサンマルコスで7日、がれきの中を歩く住人たち。震源から約130キロの山村の中心部では約30軒の家屋が倒壊した=AP
中米グアテマラの首都グアテマラ市から西に約240キロ離れたサンマルコスで7日、地震で壊れた家=AFP時事
地震のあったグアテマラ

【ロサンゼルス=藤えりか】米地質調査所(USGS)によると、中米グアテマラ西部沖で7日午前10時35分(日本時間8日午前1時35分)、マグニ チュード(M)7.4の地震があった。AP通信などによると、少なくとも48人が死亡。ほかにも多数が負傷、または行方不明になっているという。
 震源はメキシコ国境に近いグアテマラ西部チャンペリコの南24キロで、深さは41.6キロ。メキシコやエルサルバドルでも揺れが感じられたという。地元 報道によると、揺れは30秒続き、建物が崩れて複数の人が下敷きになっているほか、サンマルコスのほぼ全戸が停電。モリーナ大統領は軍隊約2千人を現地に 送り、救出にあたると発表した。
 在グアテマラ日本大使館によると、在留邦人は約360人で、被害があったとの情報は寄せられていない。現場付近は停電も起きて電話も使いづらくなり、土砂崩れも起きているという。

グアテマラ沖でM7.4


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米地質調査所によると、中米グアテマラ沖の太平洋で7日午前(日本時間8日未明)、マグニチュード(M)7.4の地震が起きた。写真は同国サンマルコスで、地震により損壊した家屋。 【AFP=時事】

グアテマラで地震、39人死亡 M7・4、負傷者155人

(2012/11/ 8 10:25)

 【ロサンゼルス共同】米地質調査所(USGS)によると、中米グアテマラの太平洋沿岸で7日午前10時35分(日本時間8日午前1時35分)ごろ、マグ ニチュード(M)7・4の地震があった。AP通信などによると、ペレスモリナ大統領は、南西部のメキシコ国境付近などで倒壊した建物の下敷きになって39 人が死亡、155人が負傷したことを明らかにした。在グアテマラ日本大使館によると、日本人が巻き込まれたとの情報はない。
 日本の気象庁は、日本への津波の影響はないとしている。
 南西部サンペドロサカテペケスでは、建物約40棟が倒壊。各地で地滑りが起き、幹線道路が寸断されている。

グアテマラで地震、39人死亡…不明者も多数

【リオデジャネイロ=浜砂雅一】米地質調査所(USGS)によると、中米グアテマラ南部沖で7日午前10時35分(日本時間8日午前1時35分)ごろ、マグニチュード(M)7・4の地震があった。
 AP通信などによると、同国南西部サンマルコス県で、倒壊した民家の下敷きになるなどして39人が死亡し、150人以上が負傷した。行方不明者も多数おり、犠牲者は増える恐れがある。また、土砂崩れで道路が寸断されるなどの被害も出ている。
 震源地は首都グアテマラ市の南西約163キロ・メートルの太平洋で、震源の深さは約42キロ・メートル。
 同国のペレスモリナ大統領は同日、救助と被災者支援のため、兵士約2000人を現地に派遣した。揺れは、隣国のメキシコ、エルサルバドルでも感じられたという。
20121181019分  読売新聞)

グアテマラ沖でM7.4の地震 39人死亡
 日本時間8日午前1時半頃、中米・グアテマラ沖でマグニチュード7.4の地震があった。
 アメリカ地質調査所によると、地震は日本時間8日午前1時35分、グアテマラの首都・グアテマラシティーから約160キロ離れた太平洋の沖合で発生した。地震の規模を示すマグニチュードは7.4、震源の深さは約41キロ。
 AP通信は、グアテマラ・ペレスモリナ大統領の話として、これまでに39人が死亡したと伝えている。特に、メキシコ国境に近いサンマルコスで多くの被害が出ているという。
 一方、気象庁は、この地震による日本への津波の影響はないとしている。(11/08 08:36)
グアテマラ地震の死者39人に   2012/11/8 08:24
グアテマラのペレスモリナ大統領が、地震による死者が39人に上ったと明らかに。AP通信。

グアテマラ沖の地震 死者30人に

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グアテマラ沖の地震 死者30人に

中米のグアテマラ沖で、日本時間の8日未明、マグニチュード7.4の地震があり、各地で建物が倒壊するなどの被害が相次ぎ、これまでに30人が死亡しました。
アメリカの地質調査所によりますと、中米のグアテマラ沖で、現地時間の7日午前10時35分ごろ(日本時間の8日午前1時35分ごろ)、マグニチュード7.4の地震がありました。
震源地は首都グアテマラシティーから160キロ余り離れた太平洋の沖合で、震源の深さは41キロ余りと推定されています。
グ アテマラの防災当局によりますと、メキシコとの国境に近いサンマルコスを中心に建物が倒壊するなどの被害が相次ぎ、これまでに30人が死亡したということ です。また、およそ30人の行方が分からなくなっているということで、建物が倒壊した現場などで救助作業が進められています。
サンマルコスで撮影 された映像には、建物の壁が崩れ落ちて、車が押し潰されたり、地滑りが起きたりした様子が映されていました。ハワイにある太平洋津波警報センターによりま すと、この地震で隣国のエルサルバドルの太平洋沿岸で7センチの津波が観測されましたが、今のところ津波による被害の情報は入っていません。

グアテマラ沖のM7.4地震で18人死亡、100人不明か


11月7日、中米グアテマラ沖でマグニチュード(M)7.4の地震が発生。写真はグアテマラ市でビル内から屋外に避難した人々(2012年 ロイター) [
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【グアテマラ市 7日 ロイター】 中米グアテマラ沖で現地時間7日午前10時35分(日本時間8日午前1時35分)ごろ、マグニチュード(M)7.4 の地震が発生した。首都グアテマラ市などが強い揺れに見舞われ、少なくとも18人が死亡。100人が行方不明になっているとみられる。  地元の消防局によると、死者が出たのはメキシコとの国境に近い山間部にある2つの町。一部地域では地すべりで道路が不通になっているほか、約40軒の家屋が激しく損壊したという。
 ペレス大統領は、行方不明者が約100人いると明らかにし、生存者の救出を優先すると語った。
 米地質調査所(USGS)によると、震源地はグアテマラ市から西南西約163キロの海底。隣国エルサルバドルやメキシコの首都メキシコ市などでも揺れが感じられた。
2012/11/08 7:27
グアテマラ地震で100人不明   2012/11/8 06:36
中米グアテマラのペレスモリナ大統領は、地震で約100人が行方不明になったと述べた。

中米でM7・4地震、3人死亡
グアテマラ

【ロサンゼルス共同】米地質調査所(USGS)によると、中米グアテマラの太平 洋沿岸で7日午前10時35分(日本時間8日午前1時35分)ごろ、マグニチュード(M)7・4の地震があった。スペイン通信によると、南西部のメキシコ 国境付近で3人が倒壊した建物の下敷きになって死亡した。
 南西部サンペドロサカテケペスでは建物約40棟が倒壊。
 太平洋津波警報センター(米ハワイ)によると、隣国エルサルバドルの太平洋岸で高さ7センチの津波が観測された。日本の気象庁は日本への津波の影響はないとしている。
 震源地は首都グアテマラ市の西南西約163キロ、震源の深さ41・6キロ。
【国際】

グアテマラ地震 日本へ津波の影響なし

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グアテマラ地震 日本へ津波の影響なし
日本時間の8日午前1時35分ごろ、中米のグアテマラで、太平洋側の沖合を震源とするマグニチュード7.4の大きな地震がありました。
ハワイにある太平洋津波警報センターによりますと、地震発生からおよそ1時間後の午前2時半すぎに、グアテマラの隣国、エルサルバドルの検潮所で、7センチの小さな津波を観測したということです。
気象庁は、周辺の海域で潮位のデータを監視した結果、大きな潮位の変化が観測されなかったことから、午前3時40分に、日本への津波の影響はないと発表しました。

グアテマラでM7.4の地震-少なくとも39人死亡、100人以上不明

  11月7日(ブルームバーグ):中米グアテマラの太平洋岸沖合で7日、マグニチュード(M)7.4の地震が発生し、少なくとも39人が死亡したほか、建物や家屋に被害が出た。
グアテマラの国立火山学・地震学・気象学・水文学研究所の地震学者、フランシスコ・バルデス氏によると、地震は現地時間午前1037分(日本時間8日午 前1時37分)に発生し、国内の大半の地域で揺れが30秒以上続いた。ペレスモリナ大統領は記者会見で、最大の被害が報告されているのはグアテマラ北西部 のサンマルコスで、住宅や建物が倒壊し、少なくとも3人が死亡したと述べた。
AP通信によると、サンマルコスへの視察を予定しているという同大統領は、死者が39人になったと発表。少なくとも100人が行方不明になっており、15人が落下した岩や倒壊した住宅や建物の下で生き埋めになっているもようだという。
原題:Guatemala 7.4-Magnitude Earthquake Kills at Least 39People (4)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:Rio de Janeiro Adam Williams awilliams111@bloomberg.net;メキシコ市 Nacha Cattan ncattan@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Joshua Goodman jgoodman19@bloomberg.net
更新日時: 2012/11/08 09:43 JST

グアテマラ沖 M7.4の地震

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グアテマラ沖 M7.4の地震

中米のグアテマラ沖で、日本時間の8日午前1時35分ごろ、、マグニチュード7.4の地震があり、現地の防災当局によりますと、少なくとも1人が死亡したという情報があるということです。
ハワイにある太平洋津波警報センターによりますと、太平洋沿岸の広い範囲で壊滅的な被害をもたらす津波の心配はないということです。
アメリカの地質調査所によりますと、中米のグアテマラ沖で、現地時間の7日午前10時35分ごろ(日本時間のきょう午前1時35分ごろ)、マグニチュード7.4の地震がありました。
震源地は首都グアテマラシティーから160キロ余り離れた太平洋の沖合で、震源の深さは41キロ余りと推定されています。
グアテマラの防災当局によりますと、この地震で少なくとも1人が死亡したという情報があるということです。
震源地から120キロ余り離れた町の消防当局は、インターネットのツイッターに「建物が倒壊し、8人がけがをして、近くの病院に搬送された」というメッセージを投稿しています。
また、地元のラジオ局は、メキシコとの国境に近いサンマルコスで「複数の住宅が倒壊し、住民が下敷きになったり、テレビなどが通りに散らばったりしている」と伝えています。
ハワイにある太平洋津波警報センターによりますと、この地震で、隣国のエルサルバドルの太平洋沿岸で7センチの津波が観測されたということですが、太平洋沿岸の広い範囲で壊滅的な被害をもたらす津波の心配はないということです。

日本大使館や日本人学校では

震源地から160キロ余り離れた、首都のグアテマラシティーにある日本大使館の職員は、NHKの取材に「大きな揺れを30秒程度感じたが、棚などから物が落ちるようなことはなかった」と話しています。
日本大使館は15階建てのビルの10階に入居しており、建物自体には今のところ被害は確認できないということですが、安全のため、一時、建物から職員を避難させる措置をとったということです。
また、グアテマラにはおよそ360人の日本人が住んでいるということですが、今のところ、日本人が被害に遭ったという情報は入っていないということです。
現地のテレビ局は、メキシコとの国境に近いサンマルコスの被害の様子を伝え始めていて、通りに面したレンガ造りの住宅の壁が大きく崩れている映像が繰り返し放送されているということです。
グ アテマラシティーにある日本人学校の佐藤紀文教員は、NHKの電話取材に対し、「小さな横揺れが10秒から20秒続いたが、物が落ちるようなことはなかっ た。揺れがおさまったあと、安全を確認して、児童・生徒を一時的に建物の外に避難させた。全員無事で、学校の周辺はいつもどおりで落ち着いている」と話し ていました。
グアテマラでM7・5   2012/11/8 01:55
中米グアテマラで、マグニチュード7・5の地震があった。被害状況は不明。

中米グアテマラでM7・5  首都などで強い揺れ
20121108() 0200分  共同通信社

【ロサンゼルス共同】米地質調査所(USGS)によると、中米グアテマラ沖で7日午前10時35分(日本時間8日午前1時35分)ごろ、マグニチュード(M)7・5の地震があった。震源の深さは33キロ。被害状況は不明。
ロイター通信によると、首都のグアテマラ市や隣国エルサルバドルの首都サンサルバドル、メキシコの首都メキシコ市などで強い揺れが感じられたという。

原子力規制委、関電に大飯断層の追加調査を指示-大飯原発断層問題の結論先送り、長期化も


関西電力大飯原発敷地内の断層をめぐり、議論が行われた原子力規制委員会の第2回評価会合=7日午後、東京都港区
関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内にある岩盤の亀裂(破砕帯)に活断層の疑いが指摘されている問題で、原子力規制委員会の専門家調査団は7 日、東京都内で2回目の評価会合を開いた。破砕帯が活断層かどうか結論は出ず、調査団メンバーで規制委の島崎邦彦委員長代理は、関電に追加で試掘溝を掘る などの調査を指示。メンバーが再び現地調査を行うことも決めた。  島崎氏は「限られたデータで議論するから決着がつかない。重要なポイントが出た時点でまた会合を持ちたい」と述べた。
 追加調査は()敷地北側の試掘溝で見つかった問題の「F-6破砕帯」とみられる亀裂周辺を掘り、活断層か地滑りかの証拠を探す()この破砕帯に沿っ て南方向に掘り進み、どこまで続いているか確認する()原子炉建屋の約200メートル南に試掘溝を掘り、F-6破砕帯の正確な位置を確認する-の3点。 事務局の原子力規制庁は()()の工事期間を計1~2カ月としているが、見通しは不透明だ。
 関電の過去の調査が不十分なため、F-6破砕帯は位置がはっきりしない。()()の調査で活断層の疑いが否定された場合でも、原子炉建屋により近い()の調査で破砕帯の位置を確定させ、影響があるかどうか調べる。



【解説】  活   断   層

過去に動いた形跡があり、将来も活動する可能性がある断層。地球の表面を覆う板状の岩石の層(プレート)が動き、地下の岩盤に力が加わることで生じる。 原発の耐震設計審査指針では現在、12万~13万年前以降に動いたものを活断層と定義し、真上には安全上重要な施設を建てない前提となっている。活断層か どうかは、過去に動いた年代の特定や、地層のずれが断層運動によるものかどうかなどがポイントとなる。

福島復興本社 福島、郡山などに拠点

201211081113分配信
東電の中期経営計画では、福島第一原発事故への対応を「会社の原点」と位置付けた上で、4千人以上の態勢で本県の支援に当たる「福島復興本社」を来年1月に設置する方針が盛り込まれた。
福島復興本社は同社で初めて、本店以外で決裁権を持つ。
下部組織として「福島本部(仮称)」と福島、郡山、いわき、南相馬、会津若松の各市に拠点を整備し、賠償、地域支援、除染の各業務に当たる。
本社の設置場所は今後、検討する。
廃炉に向けた体制づくりでは、高い放射線量下での作業を模擬体験し、汚染した機器・装置のメンテナンスを行う「モックアップセンター/機器装置メンテナンスセンター(仮称)」を設置する。
平成25年度中に基本設計を行う。
除染、廃炉に必要な知識を備えた人材育成を目指すほか、米国、ウクライナ、イギリスなどが参加する廃炉作業推進のための常設チームを設置する。
また、地域振興策として、浜通りに世界最先端の石炭火力発電所の建設を検討するほか、現在は原発事故の廃炉作業の拠点となっている「Jヴィレッジ」のサッカー施設としての復活を目指すことも明記した。

第一原発を特定施設に指定 原子力規制委

201211081119分配信
原子力規制委員会(田中俊一委員長=福島市出身)は7日、東京電力福島第一原発に対する監視を強化するため、改正原子炉等規制法に基づき同原発(1〜6号機)を「特定原子力施設」に指定した。
事故で溶け落ちた燃料を取り出すなど廃炉が完了するまでの安全を確保するのが狙いで、同日の規制委の定例会合で東電に求める対策も決めた。
東電は12月7日までに実施計画を規制委に提出する。
規制委は東電に求める対策に、1〜3号機の溶融した燃料の速やかな取り出しや電源の確保、1〜4号機の使用済み燃料プールからの燃料取り出し、遮蔽(しゃへい)能力が高い構造物による放射性液体廃棄物の管理、作業者の被ばく線量の低減などを挙げた。
有識者や自治体の意見を反映し、敷地外の広域的な放射線モニタリングの実施や廃炉作業の進み具合の継続的な情報公開なども加えた。

大飯原発、活断層か追加調査へ 原子力規制委

朝日新聞デジタル朝日新聞デジタル:記事一覧 2012118()034分配信
 関西電力大飯原発(福井県)の敷地内の断層に活断層の疑いが指摘されている問題で、原子力規制委員会は7日、専門家による評価会合を 開いたが、活断層かどうかの判断がつかず追加調査をすることにした。調査にどのくらいかかるか見通しはたっておらず、最終判断が出るまでには時間がかかる 可能性が出てきた。
 問題の断層の上には重要施設「非常用取水路」があり、規制委は活断層と判断すれば、全国で唯一稼働中の大飯原発3、4号機を止めるとしている。

静岡維新の会:発足へ 原発県民投票・鈴木元代表ら /静岡

毎日新聞 20121108日 地方版
 県議会会派みんなの党・無所属クラブの柏木健県議(磐田市選出)らが7日、大阪市中央区の日本維新の会 (代表・橋下徹大阪市長)本部を訪れ、同党との協定を締結し地方組織「静岡維新の会」を設立することが決まった。代表には柏木県議が就任する。協定を結ぶ のは中部地方で初めて。次期衆院選をにらみ県内でも「第三極」の動きが活発化しそうだ。 本部を訪れたのは柏木県議▽中部電力浜岡原発(御前崎市)の再稼 働をめぐる住民投票を求め署名活動を行い、10月末に解散した市民団体「原発県民投票静岡」代表で、前磐田市長の鈴木望氏▽元参院議員の海野徹氏(静岡選 挙区)の3人。同日午後、同党の今井豊副代表に「静岡県版『維新八策』」を手渡し、静岡維新の会設立で合意した。静岡市内に事務所を設置する見通し。
 協定は、国政選挙で日本維新の会の公認候補を全面支援するよう求めているほか、地方選挙への候補擁立や協定に関する疑義が生じた場合などに維新の決定に従うとの条項が設けられている。
 静岡版の維新八策では、浜岡原発の廃炉や全国モデルとしての地域振興と新エネルギーの導入促進などを掲げた。締結後、柏木県議と鈴木氏は取材に「9日に正式発表する」と述べた。
 鈴木氏は市民団体解散時に「第三極がまとまれば『脱原発』を実現できるのではないか。そのために捨て石になるつもりでがんばってみたい」と話していた。【樋口淳也、山本佳孝】

「エネ条例」県に請求へ

20121108
◆松江の住民ら署名集め計画/原発頼らぬ政策を◆
 中国電力島根原発がある松江市の住民が7日、原発に頼らないエネルギー政策などを示す「エネルギー基本条例」(仮称)の制定を、県に直接請求するための署名集めをすると発表した。近く市民団体を作り、年明けからの実施を目指すという。
 国の中海・宍道湖淡水化事業の反対運動に携わった保母武彦・島根大名誉教授らが呼びかけ人で、詳細は今後詰める。条例は県のエネルギー政策の基本方針を決めるものと位置づけ、条文には省エネルギー社会の作り方なども盛り込むことを想定しているという。
 保母名誉教授は「全国では稼働の是非を問う住民投票条例の制定を求める直接請求が多いが、もう一歩進んでエネルギー問題そのものを広く問いかけたい。新設の島根原発3号機の稼働の是非を判断する際にも、県民の総意で決めた条例が必要」と話している。
 地方自治法で決められた手続きでは、都道府県に直接請求する場合、2カ月間に県内の有権者(9月2日現在、58万7716人)の50分の1の署名(1万1754人)を集めて提出する。署名数が有効と認められれば、知事が20日以内に議会を開いて条例制定の賛否を問う。
 全国の原発を巡っては、東日本大震災による東京電力福島第一原発の放射能漏れ事故後、静岡県で8月に、中部電力浜岡原発の再稼働の是非を問う住民投票条例の制定を目指す直接請求が成立(県議会で否決)するなどしている。
 保母名誉教授は、中海・宍道湖淡水化事業に反対し、1996年には中海干拓事業の中止を目指して県に干拓の是非を問う住民投票条例の制定を直接請求。一連の反対運動の結果が中止につながった。(藤家秀一)

東電首脳が福島の被災自治体訪問  「責任持って」と首長

2012118日午前1058分)
 福島県南相馬市の桜井勝延市長(右)から要望書を受け取る東京電力の石崎芳行副社長=8日午前、南相馬市役所  福島県南相馬市の桜井勝延市長(右)から要望書を受け取る東京電力の石崎芳行副社長=8日午前、南相馬市役所
 東京電力が来年1月に発足させる福島本社の代表に決まった石崎芳行副社長や下河辺和彦会長、広瀬直己社長が8日、福島第1原発事故で被災した福島県の自治体をそれぞれ訪問し、7日に発表した中期経営計画や、原発事故の収束に向けた取り組みを説明した。
 石崎副社長は、南相馬市役所で桜井勝延市長に面会。桜井市長は「除染の問題や、(避難先から自宅に)戻ることへの不安がある。自分たちがここに住み続けていいのだと市民に確信を持たせることがわれわれの務めなので、責任を持ってやってほしい」と話した。
 終了後、石崎副社長は取材に「復興のために精いっぱいやりたい」と話した。

東日本大震災:福島第1原発事故 汚染牧草の一時保管経費、加美町議会が可決 近く搬入 /宮城

毎日新聞 20121108日 地方版
 加美町は7日、農家が保管する1キロあたり8000ベクレル以下の放射性セシウム汚染牧草ロールの一時 集中保管経費約1900万円の補正予算案を臨時町議会に提案し、全会一致で可決された。町は10日午前9時に宮崎地区の町営田代放牧場(74万平方メート ル)への搬入を始め、降雪期の中断をはさみ来春まで続ける。
 搬入対象は農家約270軒が庭先などでラップして保管中の4万9000ロール(計5880トン)。搬入の順番は同町の和牛生産組合などで詰める。保管期間は国が最終処分場を設置し処分するまでで、指定廃棄物の8000ベクレル超の牧草ロールは搬入対象外。
 猪股洋文町長と同町の放射能問題アドバイザーの田村裕和東北大大学院理学研究科教授は6日夜、同町やく らい文化センターで開いた住民説明会で、出席した約150人に集中保管の理由や安全性に関する見解を提示。出席者の一部から慎重意見が出されたが、大多数 は承認の姿勢を見せた。【小原博人】

規制庁に要望・質問次々

20121108
 柏崎刈羽原発で重大事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測について、原子力規制庁の担当者が7日、県庁で、市町村の防災担当者に説明した。市町 村側から「どのぐらいの放射線量になれば避難させるかの基準を示してほしい」との要望や、内部被曝(ひ・ばく)を防ぐ「安定ヨウ素剤」の服用基準などへの 質問が相次いだ。
     ◇
 規制庁は原子力規制委員会の事務局で、拡散予測について市町村に説明会を開くのは全国で初めて。
 冒頭、金子修一・同庁原子力防災課長が、予測を訂正したことや自治体への説明が足りなかったことを謝罪。予測の前提を説明し、規制委がまとめた原子力災害対策指針の検討課題を挙げた。
 自治体側からは「精密なシミュレーションを」との要望のほか、避難すべき線量の基準が示されないので「具体的な避難計画が作れない」との 声が上がった。ヨウ素剤を住民に服用させる手順や体制を整えてほしいとの意見も出た。金子課長は避難基準は「最優先の課題」として検討すると答え、ヨウ素 剤の服用基準については「示せるように考えていきたい」と語った。
 上越市の場合、UPZ(緊急時防護措置準備区域)、PPA(プルーム防護措置実施地域)、PPA圏外に分かれている。同市の担当者は「避 難者の受け入れ側にも回るのか、市民の避難に集中していいのか。両立は難しい」。UPZ内には1万8千人がいるといい、「三つのエリアのうち、どの立ち位 置になるのか線引きしてもらえれば計画が立てやすくなる」と話していた。(水野梓)
となりの原発

再稼働容認判断 おわび

20121108

【自立分散型エネ社会へ 長期戦】
 電力不足を理由に7月に再稼働された福井県の大飯原発3、4号機。再稼働を事実上容認した滋賀県を含む関西広域連合は10月、今夏の電力 需給について「再稼働なしでも電力は足りた」とする検証結果を出した。「卒原発」を掲げる嘉田由紀子知事は再稼働をめぐる一連の議論から、どんな教訓を得 たのか。改めて尋ねた。
【議論から得た教訓 嘉田知事に聞く】
 判断に対してはおわび申し上げる。あの時点で再稼働をせずにやれるというデータを出せず力不足だった。電力会社や国は他社融通や節電で乗り切れる可能性があったにもかかわらず、需要を大きく、供給を小さく見せた。そのことを反省してほしい。
 ただ、大飯原発が暫定的な安全基準で動いていることまで認めているわけではない。ここで止めろと小さな声を上げても世の中の流れにはなり にくい。むしろ、県民の不安を解消するため、原発事故に対する多重防護体制の構築を早く進めることが現実的な政策責任者としての方向だ。
 ――10月17日、福井県内に原発を持つ関西電力など3事業者との原子力安全協定の締結に向けた協議が約7カ月ぶりに再開された。
 9月28日に関電の豊松秀己副社長と会った際に、当初求めていた原発立地県並みの協定にこだわらない意向を伝えると、副社長は「知事が折 れてくれるので、具体的に話を進めたい」と言った。譲歩しなければ、協議再開はなかった。協定が結べず、県議会や県民に説明がつかない時には0点か100 点かではなくて、80点を取り、85点、90点とステップを踏んだ方がいいと判断した。
 ――安全協定の協議と並行し、嘉田知事は原子力規制委員会設置法の付則に盛り込まれた、国と電力事業者、自治体、住民が原発に関する情報を共有する連携協力体制(日本版地域情報委員会)の整備を国に要望している。
 自治体が事業者との二者関係で協定を結ぶことが、そもそも制度としてしっかりしていない。協定だけに拘泥するよりは、代替案を動かしながら、折れるところは折れるといった現実的な対応をする方が、多重防護体制を少しでも早くつくれるとみている。
 ――立地自治体並みの協定を求めないとすると、原発の新増設の際の事前了解やトラブルを起こして停止した原発の再稼働時の事前了解といった重要な権限を得られなくなる可能性がある。
 それは、国との関係でやりたい。地域情報委員会の権限の中に、どこまで法的に入れられるかにかかってくるだろう。今は立地自治体と原発事業者がやり取りをし、その背景に寄付などのお金が動く。これは不健全で、筋道を通していきたい。
 ――10月21日にあった広域連合の首長会合では、今冬の節電目標の設定とともに、西日本全体で電力を融通するなど中長期的な電力安定供給の枠組みの必要性が話題になった。
 今夏、ある事業者から「県が電力を供給してくれるのか」と迫られたが、「供給する」とは言えなかった。この無念さを抱え、どうやって自立 分散型のエネルギー社会をつくっていくのか、ここから長期戦になる。いまだに国のエネルギー政策の中に自治体が全く位置づけされておらず、権限がない。や るとしたら国政を変えるしかないのでは、とみている。(聞き手・千種辰弥)

地中で地震観測、原発への活用議論
柏崎で国際ワークショップ

地中深くで観測する地震動を原発の安全性確保につなげる方策などを議論する国際ワークショップが7日、柏崎市の新潟工科大学で始まった。9日まで8カ国約60人の研究者や専門家が、技術的な課題や活用策などを議論する。
 独立行政法人・原子力安全基盤機構(JNES)と国際原子力機関(IAEA)などの主催。ワークショップでは、JNESが2月に新潟工科大の敷地 内に設置した地下3千メートルにある震度計の観測技術や実績などを基に、活用の方向性などについて意見を交わす。JNESは大地震の初期微動(P波)を原 発に伝え、揺れが地上に到達する前に原子炉を緊急停止させるシステムを報告する。
【政治・行政】

  • 地震観測と原発の安全性確保について話した国際ワークショップ=7日、柏崎市

日本に襲いかかる「原発ゼロ」の代償――リチャード・カッツ 本誌特約(在ニューヨーク)(1) - 12/11/08 | 10:45


 野田佳彦首相は原子力発電に関する態度を一度ならず転換した。民主党は不器用な素人集団であるという批判が正しいことを証明しようとしているかのようだ。
 野田首相は、内閣の小委員会が採択し、自らも承認していた「原発ゼロ」を信じられないほどあいまいな発言に塗り替えてしまった。民主党は「原発ゼロ」あるいは「原発ほぼゼロ」を掲げながら、現政府や将来の政府がその達成に必要となる目標や方策を明確にはしていない。
 エネルギー政策が混乱状態に陥る中、企業は国内と海外、どちらで事業を拡大すべきか決められずにいる。結果、原発支持の経済界にも原発を信頼しなくなった大半の有権者にもそっぽを向かれてしまった。
 原発支持の自由民主党と 近く政権を交代するから民主党のスタンスはどうでもいい、とするのは正しくない。もし自民党と公明党が衆議院で十分な議席を得ることができなければ、民主 党か、反原発の日本維新の会のいずれかと手を結ばざるをえなくなる。そして、新政権は、国民の多くがもはや原発やその運営事業者を信じていない、という事 実に対処しなければならない。
 不信感は企業間にも広がっており、ロイター通信が8月27日に行った調査によれば、大企業400社の20%が「原発ゼロ」を、40%が「原発15%」を支持した。新たな原発建設は言うまでもなく、既存原発の再稼働の大半も困難だろう。
原発に起因する死亡は石炭発電より少ない
 悲劇なのは、福島第一原発の惨事は防ぐことができたということだ(カーネギー国際平和基金「なぜフクシマは防ぐことが可能だったか」より)。
  1970年に完成した福島第一原発には確かに設計上の欠陥があったが、こうした欠陥は修正することもできた。99年に仏原発で起きた洪水などの経験を生か して安全性を向上させたほかの原発と同じように、継続的に改良する必要があった。同報告書によれば、より高い防波堤がなくても、予備の発電機と電気的ス イッチング装置を完全防水にするなど「最新の安全策に沿った設計の改良が行われていたら、福島原発は津波に耐えることができていた」。
  反原発活動家たちは「原発ゼロ」は将来的に大惨事が起きるリスクを減らすと主張している。が、「原発ゼロ」の代償は今日における死者の急増につながりかね ない。世界保健機関(WHO)は、チェルノブイリ原発事故による早死にの総数は40年で約9000件に上ると推定している。この件数は、日本での発電に使 われている石油と石炭に起因する毎年の死亡数とほぼ同じである。
 医学誌『ランセット』は先頃、欧州での研究結果を掲載。各燃料が電力1 テラワット時(TWh)を発電するのに起こった死亡と重病の数を計算した結果、石炭に起因する数は、原子力の471倍に上った。われわれが同じ方法で日本 での死亡数を計算したところ、09年に死亡した8966人(推定)のうち、原子力に起因する死亡は14人で、大半(6566人)は石炭に起因していた。に もかかわらず、日本政府は多くの死亡を引き起こしかねない石炭火力発電所をより建設しやすくする方針を決めている。
 さらに「原発ゼロ」の場合、経済的コストも膨らみかねない。野田政権は7月、4機関に予測を依頼し、ある政府関連機関は経済的な影響は無視できる程度と結論づけたが、その信憑性は原油価格の上昇による影響はないと言うのと同じだ。
原発規制の国際基準が国民信頼回復の一歩に
 一方、別の調査によると、「原発ゼロ」の場合10~30年の年間成長率のべー スラインは0・88%から0・48%にほぼ半減するとされる。これが正しければ、30年に国内総生産(GDP)の喪失は46兆円に達し、30年までの消費 税増税による全歳入を上回る。これら両極端の見方の間に正解があるかもしれないが、経済成長が受ける悪影響は深刻で、企業利益や賃金だけでなく、増加する 高齢者の健康と社会保障に対する資金拠出能力にも問題を引き起こす可能性がある。社会保障給付の減少は死亡の増大につながることになる。
  福島原発事後を契機に、国際的なベストプラクティスに日本が従えるような規制改正や諸改革が進むことになれば、原発のリスクは、地球温暖化に伴う今後のコ ストだけでなく、化石燃料がもたらす健康上のコストを大きく下回るようになる。脱原発という選択は、火事のリスクを引き下げる修理に必要な3000ドルは 払わず、火災保険に2万5000ドルを支払うようなものだ。
 一方、日本の原子力にかかわる改革が進まなければ、原発はなくすべき、という考えに落ち着く公算が大きい。政治的には原発政策の改革は可能だと信じたいが、日本国民はそうは考えていない。
 回答になりうる考えが一つある。原子力を利用するすべての国で統一された規制を定め、安全勧告に従わせる権限を国際原子力機関(IAEA)に与えてはどうだろうか。もし実現できれば、国民の信頼を得るにも大きな前進になるだろう。
(週刊東洋経済2012113日号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

Richard Katz
The  Oriental Economist Report 編集長。ニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズ等にも寄稿する知日派ジャーナリス ト。経済学修士(ニューヨーク大学)。当コラムへのご意見は英語でrbkatz@orientaleconomist.comまで。

東電、賠償・除染など原発事故収束費用に10兆円-支援見直し要請

掲載日 20121108
 東京電力は7日、新経営陣による初の経営方針を発表し、電力自由化への対応を進めると同時に、政府に対し新たな支援の枠組みを検討するよう求めた。
 賠償や除染、廃炉など原子力発電所事故収束に伴う費用が総額10兆円規模に膨らむ可能性がある一方、現行の枠組みのまま、自由化市場で競争するのは困難 だとした。5月に定めた「総合特別事業計画」も、来春をめどに改訂するよう政府に要請する。(3、14、26面に関連記事)
 政府の電力システム改革を先取りし、電力小売市場の全面自由化や発送電分離などへの準備に取り組む。同時に発表した71項目の「改革集中実施アクショ ン・プラン」でも、燃料・火力、送配電、小売の社内カンパニー新設や、カンパニーごとの収益向上策、全面自由化に向けた組織変更、情報システムの再構築な どを盛り込んだ。

高校野球:原町、来春以降単独に 連合チーム「相双福島」解消か−−県高野連 /福島

毎日新聞 20121108日 地方版
 県高校野球連盟は7日、理事会を開き、福島第1原発事故の影響で部員が不足し、今秋まで連合チーム「相 双福島」を組んでいた双葉、原町、相馬農の3校のうち、部員が9人の原町について、来春以降の公式戦は単独出場とする方針を決めた。今後の双葉と相馬農が 連合を組むか分からず「相双福島」が解消される可能性もある。【深津誠】
 相双福島は、原発事故による特例措置で、昨秋から3校の選手11人の連合チームとして始まった。いわき市に間借りしている双葉が毎週末、南相馬市の原町に通い、長期休暇は合宿で練習を重ねてきた。相双地区大会を勝ち抜き、県大会に3回出場した。
 今春、原町には新入生が入部したため、3年生が抜けた今秋も9人となり、単独チームは作れた。だが、今秋は、選手らも「一緒にやってきて、心は一つのチームになれた」と連合の継続を希望し、認められた。
 現在、チームは原町9人▽双葉5人▽相馬農5人−−の計19人。相双地区の小高工以外の4校は、原発事故などで部員が不足し、他の部活動から選手を借りるなど10人前後で続けている。このため、相双福島だけ特別扱いするのは難しいと判断した。
 来春には、部員数も変わるため、早期に方針を出す必要があった。理事会では「震災の直接的な影響を受けた今の2年生が引退するまで認めては」との意見もあった。だが、従来通りの「9人以上は単独で」との規定に沿った形にした。
 双葉は、福島第1原発に近いため新入部員に期待しにくい一方、相馬農は4人入部すると単独出場の可能性 もある。今後、どのような形で相双福島を維持するのかは不透明だ。双葉の田中巨人監督は「理事会で選手や指導者の思いを伝えたかったので悔しい。選手が気 持ちを維持できるか。転校を考える選手もいるのでは」と不安を語った。高野連の宗像治理事長は「選手の気持ちを考えると残念だが、来春には各校の人数も大 きく変わる。苦渋の決断だった」と話した。

東日本大震災:福島第1原発事故 「心の思い声に出して」 11日、福島で人権宣言シンポ /福島

毎日新聞 20121108日 地方版
 福島第1原発事故の被災者らが生活の実態を語り合うシンポジウム「福島の現在と未来を考える」(福島人 権宣言を考える会主催)が11日午後1時半から、福島市上町の福島テルサ4階で開かれる。同会は「福島人権宣言」として、避難の自己決定権や放射線に関す る情報の知る権利について、被災者に訴える活動を進めている。
 避難者の損害賠償請求を支援している野村吉太郎弁護士が基調講演。石田葉月・福島大准教授や避難者らによるパネルディスカッションを行う。会場の参加者にも生活の現状を語ってもらう。同会は「被災者には心にためている思いを声に出してほしい」としている。【神保圭作】

東日本大震災:震災と原発事故、20年度に避難者ゼロ 県総合計画、12月議会提案へ /福島

毎日新聞 20121108日 地方版
 震災と原発事故の避難者を20年度までにゼロとする新しい県総合計画の素案が大筋でまとまった。県は、 諮問する審議会からの答申後、12月県議会に提出する方針。総合計画は、今後の指針などを示す県の最上位の計画。現行計画は10〜14年度だったが、震災 による情勢変化のため、今年2月から13〜20年度計画を練っていた。
 素案では、仮設住宅や借り上げ住宅(みなし仮設)の入居者と県外避難者計15万9128人(10月1日 現在)をゼロにすると明記。津波で家を流されたり、放射線量が高いため元の居住地に戻れず、災害公営住宅に入居したり、新しく家を購入した場合などは、こ の数には入れない。
 審議会の見直し作業では当初、避難者について「減少を目指す」との表現にとどめていたが、「県民に向かって明確な目標を打ち出すべきだ」との意見があり、変更した。
 原発事故による避難者の帰還前提となる国の避難区域の除染などについては毎年度の計画達成率を100%とし、支援を強化する。
 ほかの目標では、太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電量を計421万キロワット(09年度水準) から20年度までに740万キロワット以上とする内容を盛り込んだ。震災と昨年の新潟・福島豪雨で運休しているJR常磐、只見の両線区間計90・9キロは 同年度までに全線復旧することを明記した。
 県復興・総合計画課の松崎浩司課長は「県民に安心してもらうためにも、復興を成し遂げる強い意思を打ち出した」と話した。【蓬田正志】

東日本大震災:福島第1原発事故 東京電力の復興本社代表、石崎氏決意 「復興は会社の最優先課題」 /福島

毎日新聞 20121108日 地方版
 東京電力が7日に発表した中期経営計画で、県内に来年1月設立する福島復興本社(仮称)の代表に就任する石崎芳行副社長が福島市で会見を開き、「復興は会社の最優先課題。第二の古里である福島に残りの人生をささげる」と決意を述べた。
 同日発表した計画では、復興本社の下に復興本部(仮称)を設置。県内各地の事業所と連携し、除染や賠償を迅速に行うという。
 原発事故による避難区域の財物賠償では、家財や法人の償却資産について12月中に先行して受け付けを開 始する。不動産は未登記物件の取り扱いなどを国や関係自治体と早急に協議する。今年1月以降の自主避難者の賠償については実施を明記し、12月から受け付 け、支払いを始める。
 07〜10年に福島第2原発所長を務めた石崎副社長は「日常生活を奪ってしまったことは大変つらく申し訳ない」と述べた。だが、佐藤雄平知事らが求めている県内の原発全基廃炉については「国のエネルギー政策がはっきりしない中で扱いは未定」と明言を避けた。【蓬田正志】

東電の13―14年度経営計画、1000億円追加削減-収益悪化に歯止め

掲載日 20121108日 0600
 東京電力は7日、2013―14年度に取り組む「改革集中実施アクション・プラン」を発表した。「福島復興本 社」や原子力改革プランの策定など原子力事故への対応強化に加え、さらなる合理化による「サバイバルのためのコスト削減」を柱の一つに据えた。5月に策定 した「総合特別事業計画」の削減目標額に年1000億円を上積み。内外へ改革に取り組む姿勢を強く訴えると同時に、原発再稼働の遅れによる収益悪化を少し でも食い止めようという狙いがある。(1面参照)
 「ビジネス形態からしてドメスティック。内向きの管理ばかりで競争がなかった」。東電社外取締役を務める数土 文夫JFEホールディングス相談役は7日の会見の席で、東電の高コスト体質にこう切り込んだ。数土氏の意見などを反映し、アクション・プランでは競争調達 拡大の前倒しや管理会計の導入によるコスト管理の徹底などが盛り込まれた。

会見する東電の広瀬社長
 総合計画のコスト削減目標は年平均3365億円。広瀬直己社長は「設備のリスク限度の変更などギリギリまで踏 み込む。今までが甘かったと言われても仕方ない」と頭を下げ、1000億円の上積みへ努力する姿勢をみせた。すでに12年度でも修繕費を中心に「これは本 当に必要なのか、来期に回しても良いのではないか、徹底して見直す」(広瀬社長)ことで削減総額を4000億円以上に積み増す。
 現場でも具体的に動きだしている。品川火力発電所(東京都品川区)では設備の予兆管理の範囲をポンプやモー ターなど故障頻度が少ない機器まで広げ、「もう少し延ばせないかどうか検証し始めた」(植松豊秋副所長)ところ。さらに、タービンの羽根など高価な重要部 品についても「メーカーの方は交換したがるが、当社の方でいかに長持ちさせるかを工夫する。非破壊検査装置で独自に調べ、本社のエンジニアリングセンター とも相談した上で、延ばせるものは長く使っていく」ことをさらに徹底する。
 今年度の設備投資についても当初計画の7552億円から800億円程度絞り込む。「火力発電所建設工事の工程や範囲を見直す。送配電設備でも工事の厳選がキーになる。しっかりと見極める」(住吉克之執行役員)ことなどで必達を目指す。
 総合計画には13年4月から順次、柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市)を再稼働すると明記しているが、その大幅な遅 れは避けられない。発電コストの安い原発により、13年度の決算では燃料費を大幅に削減し、営業・経常・当期損益とも黒字転換を計画する。だが、原子力規 制委員会が新しい安全基準を定める来年7月までの再稼働は不可能。東電は来春までに総合計画の見直しを政府に求めざるを得ない状況に追い込まれた。
 収益改善へ即効性のある電気料金の追加引き上げは世論の反発が大きく、選択肢とはなり得ない。残るは「できる 限りの合理化を聖域なきレベル感で、また発想を転換するような考え方で実施していく」(広瀬社長)より手はない。新経営陣にとっては、さらなる人件費の削 減も含め、身を切る改革への本気度が試されるプランとなった。

原子力規制委、関電・大飯原発活断層の有無-評価を保留

掲載日 20121108日 0600
 原子力規制委員会は7日、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)の敷地内に存在する破砕帯(断層の一 種)が活断層と指摘されている問題で、有識者による2回目の評価会合を開いた。前回会合でも活断層か単なる地すべりの跡なのか結論が出なかったが、今回も 保留となった。規制委では有識者による現地調査を改めて行うとともに、関電による再掘削調査も求めていく。
 規制委では破砕帯が活断層だと断定されれば、国内で唯一稼働している大飯原発3、4号機の運転停止を関電に求める。関電独自の調査では活断層を否定している。

【はじめましてもんじゅ君 ネット生まれのキャラクター】不安な時こそ情報が必要 地方紙もネットでニュース読み比べ 47NEWSインタビュー

 もんじゅ君
ツイッターで脱原発をゆるやかに訴え続けて注目されているキャラクター「もんじゅ君」。福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」がモチー フだが、「もんじゅ」を運営する独立行政法人日本原子力研究開発機構とは「一切関係ない」とし、誰なのかも明らかにしていない。ツイッターのフォロワー数 は約10万人、原発の仕組みを解説した本も出版するなど活躍中のもんじゅ君に聞いた。  -東京電力福島第1原発事故後の昨年5月からもんじゅ君が始めたツイートが人気ですね。
 「はい、ありがたいことですだよ。ボクが主にやってきたのはネット上のニュースを要約、ソースを示してつぶやくというシンプルなもの。それがこんなに多くの人にフォローされているのは、政府や東電さんの情報公開の仕方が分かりにくかったという裏返しと思っていますだよ」
 -今年の夏はソーシャルメディアなどを通じて脱原発を呼び掛けるデモや集会が広がりました。
 「坂本龍一さんの脱原発音楽フェスティバル『NO NUKES 2012』や、作家の大江健三郎さんらが呼び掛けた『さようなら原発10万人集 会』など、いろんなイベントにおよばれしましただよ。音楽ライブなどを通じてエネルギー問題に関心の高い若い人がたくさんいるって身(炉)を持って感じま した」
 -その夏が終わり冬の電力需給が話し合われています。どう感じますか?
 「夏も冬も電力が足りないって、いつも足りないと強調して原発が必要だって訴えているように感じますだよ。節電で企業活動に支障が出るから原発を 動かしたいというお話もあるかもしれません。でも事故のリスクと節電で生じる損失を比べたらどっちが大きいんだろうって思うんですだよ。万が一、動かすに しても原子炉の古さや活断層の有無などを評価して、なるべくマシなものを動かすようにしなきゃダメだと思います。『今年だけは許してね』と動かすなら、翌 シーズンには原発がなくても乗り切れるよう発電の設備容量を増やしておかないと、会社の経営をさぼっていることになるんじゃないでしょうか」
 「もんじゅは廃止する」と記載されていた政府の新たなエネルギー・環境戦略の素案
-「早くお仕事を辞めたい」と言っているもんじゅ君ですが、政府がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」は当初、2030年代には原発をゼロにして、もんじゅ君は廃炉とする素案だったのに、閣議決定はせず、もんじゅ君は研究用の仕事を続けることになりましたね。  「ボク、ようやくご隠居(廃炉)できると思ったのに…しょんぼりしてますだよ。原発も夏のパブリックコメントでは8割を超える人が『原発いらな い』って声を上げているのに、政府は国民の声を反映させるつもりがないような気がしちゃうの。日本は民主主義の国なのに、なんでこんなに大勢の声が無視さ れちゃうんだろ…」
 -原発を見直すきっかけになった福島第1原発について政府は昨年「事故収束」をいったん宣言しました。
 「うん、あれは本当に腹が立ちましただよ。16万人もの方が福島から避難したままで、避難した人も残った人もいろんな苦労をしている中で、口先だ けで『収束しました、終わりました』と言うのは福島の人に失礼ですだよ。それに一方で収束したって言いながら、原子力規制委員会をつくるときには『緊急事 態宣言中だから』って国会の承認なしで発足させちゃった。これじゃ原発を動かしたい気持ちが先にあるって思われても仕方ないですだよ」
脱原発を訴え、首相官邸周辺に集まった大勢の人たち=7月6日夜、東京・永田町で共同通信社ヘリから
-関西電力大飯原発の再稼働前には専門家が断層調査の必要性を指摘したり、原発なしで乗り切る工夫の余地があるのではないかという報道もありました。
 「おおい君(大飯原発)には免震棟も、ベントの装置もなくとっても危ない。再稼働する時に『安全対策を施した』みたいなニュースを流していたけど、実際 の対策は稼働前でなくて、稼働後。すごく不思議ですだよ。ボクがある福井県のように原発交付金を必要としている自治体の原発から動かそうというのがみえみ え。だからその代わりに廃炉作業を進めたり、それまで原発関連企業で働いていた人たちの雇用を保障する原資にする『脱原発交付金』みたいなものがあっても いいかもしれませんですだね」
 -原発のあるところ、ないところの新聞社が一緒にサイトをつくっているのが47ニュースです。読者の皆さんにメッセージをお願いします。
 「こんな大きな原発事故では不安になったり、自分の考えに自信がなくなって当たり前だと思うの。そういう時に支えになるのは情報。ネットニュース は、いろんな新聞社などの記事を簡単に比較できるでしょ。同じトピックについて複数のメディアが書いているのを読めば、それぞれの立場の違いも分かる。ボ クはひとつの出来事を共同通信さんや時事通信さん、全国紙の記事で比べたり、47ニュースのようなサイトで地方紙のニュースをチェックしてますだよ。原発 については立地自治体の動きにも注目だから、地方紙の記事が読めるのは便利ですだよね。ボクもネットの世界でつぶやいているけど信じられる情報を探してい きましょう」
 (47NEWS)
2012/11/08 10:26
2012118()

大飯原発 破砕帯

活断層 追加調査へ

規制委再会合 「関電の調査は問題」




 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内の破砕帯(岩盤の亀裂)が活断層ではないかと指摘されている問題で、原子力規制委員会は7日、専門家 を交えた現地調査の結果を検討する2回目の評価会合を開きました。活断層かどうかを決着させるデータがないとして判断を先送りし、調査メンバーによる現地 の再調査や、別な場所で新たにトレンチ(溝)を掘ることなどを関電に求めるとしました。

 問題の破砕帯は、2号機と3号機の間を南北に走る「F―6」と呼ばれる破砕帯。真上には、原子炉で発生した蒸気の冷却ができなくなった場合に海水を取り込んで冷やす機能を持つ重要施設「非常用取水路」が横切っています。破砕帯が動けば壊れる恐れがあります。
 会合では、関電から前回4日の第1回会合で問題となった大飯原発の北側のトレンチの壁面でF―6破砕帯とは別に見られた地層のずれについて説明を 受けました。専門家は、このずれについて、耐震審査指針で活断層とみなされる12万~13万年前以降に動いた可能性が否定できないことでは一致。しかし、 動いた原因が「地滑り的に見える」とする専門家もあり、前回の会合では、活断層かどうかの結論には至りませんでした。
 この日、関電が地層のずれは「地滑り」だと説明したのに対し、専門家から、関電の調査が問題だとする意見が相次ぎました。
 渡辺満久東洋大学教授は、関電がF―6破砕帯と見ているものと別の破砕帯の可能性があると指摘。重松紀生・産業技術総合研究所主任研究員は 「F―6破砕帯がどう連続しているのか、イメージできない」「3次元のデータが不足している」として、関電に十分な調査を求めました。
 広内大助信州大学准教授も、関電の説明は「苦しい」などとして、問題のトレンチをさらに掘り下げて観察したいと述べました。
 これらの意見を受けて、島崎邦彦規制委委員長代理は「この問題は(関電が実施した以前の)トレンチ調査の不備で始まった。限られたデータで議論す るから決着がつかない。5人の委員が一致して結論を出すのが望ましい」と述べ、以前のトレンチに近い場所でトレンチを掘ってほしいと関電に求めました。
 早くから危険性を指摘してきた渡辺教授は、活断層の可能性が否定できない点ではメンバー全員が一致しているとして、大飯原発の運転を停止したうえで調査するよう求めました。
2012118()

大飯原発調査

活断層否定なかった

渡辺東洋大教授 「スピード判断を」




 7日に再度開かれた原子力規制委員会の関西電力大飯原発敷地内の破砕帯調査団の評価会合では、活断層かどうかの結論が先送りされました。しかし、 活断層の可能性を指摘した調査メンバーの渡辺満久東洋大学教授は、「4日の議論では、活断層の可能性を否定した人はいない」として、ただちに大飯原発3、 4号機の運転停止を求めました。
 評価委会合では、原発北側のトレンチ(溝)で見つかった地層のずれが活断層かどうか、問題になっているため、規制委の島崎邦彦委員長代理は、関電に対して、原発の南側に百数十メートル規模のトレンチを掘ってもらって「決着をつけたい」と述べました。
 渡辺教授は「大飯原発が稼働している状況で、活断層の面から危険性があるのか、ないのかをスピード感を持って判断するのが、この委員会の任務と 思っている」と指摘。「グレー(灰色)は認めないのか。シロかクロか、決着つけるのか」と島崎氏にただすと、島崎氏は「シロ、クロはやや情緒的。5人の委 員が一致して結論を出すのが望ましい」としました。
 渡辺氏がさらに「(原発を)動かしたままで調査が可能か」と問うと、島崎氏は「動かす、動かさないはここの議題ではない」と返答を避けました。
 また、この日の会合でもう一つ焦点になったのは、これまで関電が敷地内を南北に走るF―6破砕帯としてきたものが実際にはどう連続しているのかわ からないといった疑問が複数の専門家から出されたことです。旧経済産業省原子力安全・保安院の指示で行われた調査で、関電がこれまでF―6破砕帯としてい た場所に破砕帯が見つからないためで、関電まかせの調査の不十分さが浮き彫りになった形です。
 規制委は今後、大飯原発以外に、日本原電敦賀原発(福井県敦賀市)、東北電力東通原発(青森県東通村)、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)、関電 美浜原発(福井県美浜町)、日本原子力研究開発機構「もんじゅ」(福井県敦賀市)の5カ所の現地調査を予定しています。電力会社まかせの調査にもとづい て、調査チームがいつまでに、どう判断するのか。今回の結論先送りは、規制委の調査のあり方に課題を投げかけています。
2012118()

「反原発1000000人大占拠」のプログラム

11日午後3時から国会周辺などで




 首都圏反原発連合(反原連)が11日に行う「11・11反原発1000000人大占拠」のプログラムの詳細が7日、わかりました。午後3時から国会周辺ならびに各省庁前での抗議・占拠行動となります。内容は次の通りです。(時間はいずれも午後)
【首相官邸前抗議エリア】3時から7時
【国会前抗議エリア】3時から7時
【東京電力前抗議エリア】3時から5時
【外務省前抗議エリア】3時から7時
【文部科学省前抗議エリア】3時から7時
【財務省前抗議エリア】3時から7時
【厚生労働省前抗議エリア】3時から5時
【Jパワー前抗議エリア】3時から4時
【経済産業省前抗議エリア】4時から7時

【国会正門前大集会】

5時から7時。スピーチエリアで国会議員、著名人などのスピーチ、コールが行われます。
 国会正門前にファミリーブロックが、国会図書館前にミュージックエリアが設置されます。
 午後1時から計画されていた「国会&霞が関周辺デモ」は、日比谷公園の使用が許可されなかったため、中止になりました。
 反原連は、長時間の行動になるため、防寒対策など体調管理を呼びかけています。

新安全基準、策定早く

公明新聞:2012118日付
質問する佐藤氏=7日 衆院経産委質問する佐藤氏=7日 衆院経産委
原発停止の法的根拠求める
衆院経産委で佐藤氏
7日の衆院経済産業委員会で公明党の佐藤茂樹氏は、関西電力大飯原発の敷地内にある破砕帯に活断層の 疑いが指摘されている問題を取り上げ、仮に活断層と判断されても、現状では原子力規制委員会が事業者に原発の運転停止を求める法的強制力がないことを指 摘。停止命令の法的根拠となる原子炉等規制法に基づく新安全基準を早急に策定するよう求めた。
また佐藤氏は、同委員会が先月公表した原発 事故時の放射性物質の拡散予測データが3回にわたって訂正されたことに言及。「関係自治体に拡散予測の性格や訂正の経緯などを丁寧に説明すべきだ」と主 張。田中俊一・同委員長は、「丁寧に説明し、地域防災計画の策定に協力できるようにしたい」と答えた。

韓水原、安全より『電力難』を言い訳に原発固守


偽造部品が入った原発もそのまま稼動

ソン・ジフン記者 2012.11.07 17:31
頻繁な故障と故障隠蔽、偽造部品供給事態まで、原発の安全は非常事態になっ ているが、当の韓水原と政府当局は「危険はない」と言い払ったり『電力難』 を言い訳に原発の重要性を強調するばかりだ。
115日、知識経済部はこの10年間、古里、霊光、蔚珍、月城原発に品質保証書 が偽造された部品が大量に供給されていた事実を明らかにした。特に偽造部品 が多く使われていた霊光5号機は頻繁な故障事故が発生して問題になった所だ。
しかし知識経済部長官は「今回摘発された部品は放射能漏れに関係する原発の 核心安全設備には使用できない部品」とし原発の安全とは無関係だと強調した。 「未検証品は、すべて原子炉格納建屋の外にある補助設備で使われていたので 安全だ」という主張だ。韓国水力原子力も「検証書が偽造されたのだから製品 の性能には問題はなく、これらの製品は外で使われる消耗品なので原発事故の 危険はない」と主張した。
しかも一部のマスコミは偽造部品事態が発生すると、今年の冬に切迫している 電力難が歴代最悪だと報道し、原発の安全についての点検よりも原発の稼動の 不可避性を強調している。環境運動連合は論評で「電気が足りないから数千個 の偽造された部品を締めても原発稼動を強行しろというのか」とし、「不安な 原発問題を電力難で隠すな」と主張した。

▲電力難の報道画面[出処:KBS ニュース キャプチャー]
今年になってから、頻繁な故障事故と事故隠し、納品不正事件が続々と表れ、 原発の安全性に対する国民的な疑問が増幅されているが、韓水原と知識経済部 は原発の稼動を続ける立場を固守している。今回の品質保証書偽造事件でも、 韓水原は「霊光34号機と蔚珍3号機は実際に使われた未検証の部品数は多くな いので、運転中でも交換作業ができる」とし、運行を続けることにした。知識 経済部も霊光56号機の稼動中断で年末には200KWの予備電力がなくなったと し、韓電、電力取引所、発電子会社などの電力関連の機関長を緊急招集して、 非常電力需給対策会議を開き冬季の電力難についての総合対策作りを始めた。
しかし環境連とエネルギー正義行動などの環境団体は、『電力難』を言い訳に 原発の危険性を見過ごすなという立場だ。環境連はむしろ「電力難は核発電所 の拡大が呼び起こした電力政策の失敗の結果」と主張した。「核廃棄物と核発電所 の廃炉費用、事故対応費用がきちんと反映されておらず、低く算定された原発単価 は安い電気料金を維持する口実に利用」されているという。
環境連はまた「止めずに稼動する核発電所で生産される電気を消費するために 安い深夜電力料金と軽負荷料金制が作られ、歪んだ電気料金算定体系により、 1次エネルギーより安い料金が維持され、産業界の電気熱の需要は急増し、工場 では廃熱がそのまま捨てられている」と明らかにした。
環境連は「核発電所は最低電力消費を担当する基底発電用」とし「核発電所が なければ、まるで電気が使えないというような威嚇をするな」と主張した。
エネルギー正義行動のイ・ホンソク代表も117日朝、SBSラジオ『キム・ソウォ ンのSBS展望台』に出演し「現在のさまざまな問題がある発電所を実際に全て止 めて全体的に調査をするべきだが、冬季の電力問題のためにやむを得ないとい う雰囲気を作っている」と主張した。彼は続いて「問題の発電所、またその他 の発電所にも全体的な安全点検をやり直せ」と話した。
イ代表は続いて「福島の後、全世界は脱核に向かっているのだから、核発電所 を減らす問題にまで進まなければならない」と主張した。彼は「積極的な政界 次元での議論と解決策を要求しなければならない」として、大統領選挙政局で 候補たちがエネルギー政策に脱核の議題を反映するよう要求した。
原文(チャムセサン)
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静岡維新の会設立/日本維新と合意

20121108
柏木県議(左から2人目)らが、日本維新の会の今井豊副代表と会談した=大阪市中央区
市民団体「原発県民投票静岡」の元共同代表で磐田市長だった鈴木望氏(63)と、柏木健県議(44)=磐田市選挙区、みんなの党・無所属クラブ= が7日、大阪市内で日本維新の会の今井豊副代表と会談し、静岡維新の会を設立することで合意した。ただ、現状では所属議員は柏木氏だけで、第三極勢力を結 集できるかどうかが鍵となる。
 ◆第三極勢力 結集できるか鍵 
 日本維新の会の協力団体としては、京都、岡山に続いて3番目。
 この日午後4時半から、日本維新の会の本部で開かれた会談で、今井副代表は「地方から大きなうねりを作るということで、お互い励んでいき たい」と話すと、柏木県議は「維新の風を吹かせたい。国政だけでなく、地方選挙でも静岡から仲間を出したい」と応え、協定書に調印した。
 協定は、(1)日本維新の会の政策「維新八策」に賛同する(2)公務員改革、教育改革を進める(3)議会改革(議員定数2割削減、議員報酬3割削減)を推進する(4)日本維新の会の公認候補を全面的に支援する――など15項目から成っている。
 静岡維新の会の代表には柏木県議が就任。企業・団体献金の禁止や、中部電力浜岡原発の廃炉などを軸とする静岡版の維新八策を作り、9日に記者会見して公表するという。
 今回の協定は、県内に足がかりのない日本維新の会と、第三極の勢力を結集したい柏木県議や鈴木元代表の思惑が一致した。しかし、鈴木元代 表と親しい河村たかし名古屋市長が代表を務める減税日本や、みんなの党などと連携できるかどうか、見通しは得られていない情勢だ。(古賀大己)

九電副社長が県や玄海町におわび行脚
 九州電力が玄海原発の放射性物質拡散予測の気象データ説明を誤って原子力規制委員会に伝えていた問題で、同社の山元春義副社長は7日、佐賀県や東松浦郡 玄海町を“おわび行脚”した。謝罪に対して牟田香副知事は「極めて遺憾」と不快感を示し、社内チェック体制の強化を求めた。
 県庁で、山元副社長は「県民にいろいろと迷惑、心配をかけ、申し訳ありません」と深々と頭を下げた。牟田副知事は、九電がこれまでもストレステストなど のデータ入力ミスを繰り返し、謝罪に訪れていることに触れ、「(再発防止を)今までお願いしてきたものをどれだけ受け止めているのか、疑わざるを得ない」 と抗議した。
 さらに「安全性の説明に関し、基礎データに誤りがあれば全然話しにならない。新たなステージに入ったと十分肝に銘じて社内のチェック体制を再検討し、本 当に再び(ミスが)起きないように注意してほしい」と厳しく批判した。山元副社長は「非常に反省している。誤解がないように努めたい」と述べた。
山元副社長は岸本英雄玄海町長にも謝罪、川内原発が立地する鹿児島県と薩摩川内市も回った。
20121108日更新

志賀原発 廃炉を申し入れ

20121108
2人の広報担当者(手前)が申し入れに応じた=北陸電力本店
社共県議ら北電に
 北陸電力志賀原発(石川県志賀町)を巡り、社民、共産両党の県議らは7日、北電本店(富山市)を訪れ、廃炉などを求める申し入れを行っ た。安全協定の締結協議に関する議論も交わされた。北電側は「ご意見として承る」とする一方、「原発が重要電源である認識は変わらない」と従来どおりの考 えを示した。
 申し入れには、田尻繁(社民)、火爪弘子(共産)の両県議、土井由三・旧小杉町長らが参加。北電側はエネルギー広報チームの上嶋宏行統括 課長らが対応した。北電側による断層調査の現状や津波対策の説明があった後、意見交換があった。面会時間は約1時間で報道陣に公開された。
 意見交換では、志賀原発「30キロ圏内」の周辺自治体が「立地自治体並み」を求める安全協定の締結協議が、数カ月間進んでいない現状が問 われた。北電側は、富山県、氷見市との協議については「検討している。軽々しく答えられる中身ではない」。石川県七尾市、羽咋市、中能登町との協議は「お 答えを返して止まっている認識」とした。
 その後、田尻県議が「再稼働を目指すのにいつまでも検討するのか」と指摘すると、北電側は「再稼働と安全協定はリンクしない」と発言。田尻県議が「県議会で問題にしてもいいか」と応酬する一幕もあった。
 また、志賀1号機の原子炉建屋直下を走る「S―1断層」の調査に関し、1号機の設置当時(1980年代)に調査をした会社と同じ会社に、今回の断層調査を委託したことを火爪県議が問題視。北電側は「実績を踏まえてお願いしたということ」と説明した。
 ほかに、「原発抜き」で北電は電力の安定供給ができており、原発から撤退すべきだとの意見も出た。北電側は「原発は引き続きベース電源として重要」などと従来の主張を述べた。(下山祐治)

大飯原発の断層、追加調査要請へ

20121108
海岸近くの台場浜の試掘溝で「F-6断層」を調べる原子力規制委員会の調査団=2日、おおい町の大飯原発
原子力規制委員会は関西電力大飯原発の「F―6断層」の現地調査から2回目となる7日の評価会でも、活断層か否かを判断せず、関電に追加調査を求 めることになった。地元では、白黒をはっきりさせない規制委の姿勢にいらだちが募る一方、県内の他の原発にからむ断層についても慎重な調査を求める声が上 がった。
 大飯原発が立地するおおい町大島地区で民宿を営む男性(65)は「こんなあやふやな状態では生活設計が立てられない。原発を止めても、燃料や使用済み燃料がそのままでは危険な状態が続く。国は原発をどうしたいのか、早くはっきり示すべきだ」と訴えた。
 おおい町議会の中塚寛議長は「政府は安全性が確認でき、大飯3、4号機を重要な電源と位置づけて再稼働を判断した」と述べた。その上で、 規制委が関電に再調査への協力を求めたことについては「今後も公平公正に、学術的・科学的に調査を進め、安全性の追求に努めてほしい」と話した。
 県安全環境部の石塚博英部長も「いつまでもだらだらということでは困るが、規制委が権威をもって、(今後の結論が)なぜそうなるのか説明しなくてはならない」と淡々と話した。一方で、現時点では原子炉を停止させる必要はないとの見方を強調した。(堀川敬部、高橋玲央)
 「社内が非常にピリピリしている。うちは苦しい立場だ」。7日、日本原子力発電の担当者は、大飯原発の断層問題の行方に神経をとがらせた。
 若狭湾の沿岸地域には、複数の活断層が存在する。その一つが敦賀原発の敷地内をほぼ南北に走る浦底断層だ。4月の国の現地調査で、2号機の原子炉直下を通る破砕帯(断層)が浦底断層と連動して動く可能性が指摘され、日本原電は5月から追加調査を始めた。
 日本原電によると、敦賀原発内の断層は約160本。2号機の原子炉直下や近接地には「D―1」「H―3a」の二つが走る。追加調査で地質と地盤が動いた年代を分析している。
 1号機の原子炉付近も「D―5」「D―6」の二つの断層があり、深さ30~50メートルの穴を掘って調査。3、4号機の建設予定地近くの斜面も試掘している。11月末にも調査を終える予定で、原子力規制委員会が現地調査する方針だ。
 一方、敦賀半島の西にある活断層「白木―丹生断層」は、高速増殖原型炉「もんじゅ」から西に約500メートル、美浜原発から東に約1キロ しか離れていない。それぞれ9本の断層が確認され、日本原子力研究開発機構によると、もんじゅでは1本の断層が原子炉のほぼ真下を走っている。
 原子力機構と関西電力は来年3月をめどに、追加調査の報告書をまとめる方針。(室矢英樹)

【静岡】

「静岡維新の会」設立 県内版八策も

2012118

 橋下徹大阪市長率いる日本維新の会の地方組織として、静岡県議らが七日、「静岡維新の会」を設立した。次期衆院選に擁立する候補者を支援する県単 位の組織で、中部地方では初。同会は浜岡原発(御前崎市)の廃炉を柱とする「静岡版維新八策」を日本維新に提出し、静岡県の懸案施策の実現を目指す方針を 強調した。
 柏木健県議(磐田市選挙区)と日本維新側が同日、大阪市内で協定を締結した。柏木氏が代表で、副代表は大石裕之元県議。浜岡原発の再稼働の是非を 問う住民投票条例制定を求めた市民団体元代表の鈴木望前磐田市長と、ともに元民主党参院議員(静岡選挙区)の海野徹、土田博和両氏が相談役に就いた。
 次期衆院選の具体的な候補者は決まっていない。
 締結式では、日本維新の会副代表の今井豊府議が「東海地区では初めての会となる。静岡県内での連携協定は静岡維新の会のみとする」と宣言。「次期 衆参選挙ではわれわれが擁立する候補者を全面的に支援してもらいたい」と求め「統一地方選では候補者を出して過半数を目指してほしい」と述べた。
 静岡版維新八策は、維新八策への賛同、浜岡原発の廃炉と新エネルギーの導入促進、議会改革(県民投票の活用など)を盛り込んだ。柏木氏は「維新八策を基本に静岡版維新八策を作った。地方選では候補者を出し、静岡から維新の風を吹かせたい」と話した。
 維新は衆院選に向け、東京、名古屋、大阪の三大都市圏や、都道府県の中心地にある各「1区」での擁立を目指している。

福島第1原発廃炉作業員不足根強い懸念 福島・地元首長ら

 東京電力が7日決めた新たな経営方針は「福島第1原発事故の責任を全うする」と うたう一方、廃炉や賠償の費用が膨らむことから「一企業のみでは到底対応しきれない」と国の全面支援を強く求めた。とりわけ世代を超える長い取り組みとな る廃炉には、作業員確保への懸念が根強い。
 東電は当面の廃炉費用として約1兆円を見込んでいるが、新経営方針は「最終処分までの全費用は巨額に上る可能性がある」とした。
 下河辺和彦会長は福島県庁での記者会見で「国家的な一大難事に取り組む姿勢を国もしっかり示さないと、廃炉作業や被災者支援に正面から取り組めない」と述べた。広瀬直己社長も東京での記者会見で「東電1社では無理なこともある」と理解を求めた。
 東電は5月、今後10年間の経営方針を示した総合特別事業計画を策定したばかりだが、新経営方針は「(策定時と)事業環境の変化が生じている」と計画の合理性を事実上否定した。
 ただ、住民帰還のため早期の廃炉や除染を切望する地元首長らは「原子力政策を進めてきた政府にも責任がある」(渡辺利綱大熊町長)と東電の主張に理解も示す。
 開き直ったかのような東電の姿勢は、廃炉作業員をめぐる問題でも同じだ。来年1月に設置する福島復興本社(仮称)の代表に就く石崎芳行副社長は福島市での記者会見で「作業員の手当ては東電単独ではできない」と強調した。
 従事登録作業員については、政府と東電の廃炉工程表で約2万4000人としていたが、実際は約8000人にとどまることが判明した。
 福島県は東電と国に6日、「廃炉作業の信頼性と進行に重大な影響を与える」と抗議した。下河辺会長は経営方針報告の席上、佐藤雄平知事に「大変なご心配をおかけした」と陳謝した。
 信頼性に乏しい数字を盛り込み、先々の見通しも甘い数々の計画。第1原発での作業経験がある福島県富岡町の70代男性は廃炉作業員の「水増し」を例に「かっこよく見せたいのだろう」と東電の体質を指摘した。



20121108日木曜日

賠償や除染10兆円超 東電、国に追加支援要請 中期計画


佐藤知事(左)に経営方針を説明する下河辺東京電力会長=7日午後5時35分ごろ、福島県庁


東京電力は7日、2013~14年度の中期経営計画を発表した。福島第1原発事 故を受けた賠償、除染などの費用が総額10兆円を突破するとの見方を示し「一企業の努力では到底対応しきれない規模となる」と主張。廃炉作業も含めて、国 に対して費用負担などの新たな支援枠組みを検討するよう求めた。
 東電は国との協議を踏まえ、経営再建策を盛り込んだ総合特別事業計画を来春にも見直す。広瀬直己社長は本店で記者会見し「除染費用などが膨らんでいくと負担は無理だ。財務基盤をしっかりしないと福島に対する責任を果たせない」と訴えた。
 ただ、巨額の公的資金注入を受けている東電への追加支援は、政府内でも異論がある。東電に対する世論の厳しい視線もあり、今後の調整は難航しそうだ。
  中期計画では、賠償と除染費用を合計すると、賠償などに充てる最大5兆円の交付国債の発行枠を突破する可能性を指摘。除染に伴う廃棄物の中間貯蔵施設の設 置などで「同程度の費用が追加で必要になるとの見方もある」との考えを示した。東電が1兆円弱を引き当てた廃炉関連費用も「さらに巨額に上る可能性があ る」としている。
 「福島原発事故への対応こそが会社の原点」とも強調。来年1月をめどに福島県内に「福島復興本社(仮称)」を設け、賠償業務や 除染作業の体制を強化する。石崎芳行常務が7日付で副社長に昇格し、福島本社の代表に就く予定。県内の人員は500人程度増やして4千人以上にする。除染 や廃炉の学術研究拠点を福島県沿岸に誘致することも検討する。
 また被災地の雇用回復のため、福島県沿岸などで石炭火力発電所の新設を検討する。
 国の電力改革を先取りする形で、燃料・火力部門、送配電部門、小売り部門の独立性を高めた「社内カンパニー」に13年から順次移行し、持ち株会社化を視野に分社化を進める。有識者による調達委員会の設置や、年間1千億円程度の追加コスト削減策も打ち出した。


20121108日木曜日
記事入力 : 2012/11/08 08:33

【社説】安い電気料金では電力危機の根本解決できず

韓国政府がトルコから出力15万キロワットの発電船4隻を借り受け、公共機関に対して電力需要のピーク時間帯に非常用発電機の運転を 義務付けることを検討している。原発部品の品質保証書偽造が発覚したことで、問題の部品が使用されている霊光原発56号機(合計出力200万キロワッ ト)の運転が停止され、今冬に深刻な電力不足が予想されるためだ。
 最近は夏よりも冬の電力需要の方が多い。昨年8月の電力 供給予備率は7.5%だったが、今年1月には5.5%に落ち込んだ。来年1月に寒波が来た場合の最大電力需要は8000万キロワットに達すると見込まれる が、韓国国内にある発電所の発電能力は計8200万キロワットしかない。万が一、そのときまでに霊光原発56号機が運転を再開できず、今月20日に設計 寿命を迎えて運転を停止する月城原発1号機(出力70万キロワット)も運転を延長できなければ、絶対的に電力が足りなくなる。
 こうした事態に至ったのは、政府が電力消費量の増加スピードを予測できず、発電所の建設に力を入れていなかったためだ。韓国国内の電力供給予備率は2003年が17.1%、06年が10.5%、09年が7.9%、昨年が5.5%と低下を続けている。
  政府は、あらゆる非常手段を用いて冬の電力不足を防ぐ必要がある。トルコの発電船や工場・ビルの非常発電機は大型発電所に比べ電力生産効率がかなり落ちる が、それによる追加の費用負担は政府の補助金で賄わざるを得ない。霊光原発56号機の部品交換作業は、2基同時に行うよりも片方ずつ集中的に行い、1基 でも先に運転を再開するのが望ましい。だが、大停電を防ぐことよりさらに重要なのは、原発の安全だ。電力供給を優先するあまり、無理に原発を動かすような ことがあってはならない。
 韓国の産業用電力料金は、09年基準で経済協力開発機構(OECD)平均の55%、欧州連合 (EU)平均の42%と非常に安い。そのため、産業部門の1人当たり電力消費量は09年基準で年間4092キロワット時と、日本(2122キロワット時) やドイツ(2466キロワット時)、英国(1587キロワット時)をはるかに上回る。日本のソフトバンクなどが電気を大量に消費するデータセンターを韓国 に設置しているのも、韓国の電気料金が安いためだ。
 米国ニューヨークにある102階建てのエンパイア・ステート・ビルは、 09年から窓ガラス6500枚の改修、ラジエーターの断熱改修といった大々的な改修を行い、年間エネルギー消費を消費量換算で38%、費用換算で440万 ドル(約35000万円)、それぞれ削減した。一方、ソウル大学は10年に都市ガスボイラーによる冷暖房をやめ、システムエアコン4000台を設置し た。これにより、年間電力消費量は09年の13100万キロワット時から昨年には15000万キロワット時に増加し、産業部門を除くとソウルで最も電 力消費量の多い建物群となった。電気料金を上げれば、古いビルがエネルギーコストの削減に向け改修を急ぐに違いない。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

「静岡維新の会」設立 県版八策、浜岡廃炉掲げる

(2012/11/ 8 07:46)
 県議会会派みんなの党・無所属クラブに所属する柏木健県議=磐田市=は7日、大阪市の日本維新の会事務所を訪ね、今井豊副代表と維新傘下入りを協議し、合意した。
 柏木県議は、市民団体の代表として浜岡原発県民投票条例制定を目指した前磐田市長の鈴木望氏とともに「静岡維新の会」を設立したと表明。浜岡原発廃炉などを掲げた「静岡県版『維新八策』」を提示し、日本維新の会と連携協定を締結した。
 日本維新の会は協定を京都府と岡山県の連携団体と締結している。中部地域では初。大阪事務所には両氏のほか元参院議員海野徹氏、元県議の大石裕之氏、維新政治塾生で元政党事務所職員の白浜史教氏の計5人が訪れた。
 静岡維新の会は、次期衆院選で党が擁立する公認候補の支援母体になる。
 今井副代表は柏木氏らに対し、維新八策への賛同や公務員制度、議会、教育改革や、他の政党所属者が党籍を抜けること、市町議会選挙の候補擁立などを要請した。
 柏木氏が提示した静岡県版維新八策には、静岡県版教育基本条例制定や第一次産業の輸出産業化などが盛り込まれている。
組織体制は説明なく
 日本維新の会と県内県議らが7日に締結した連携協定。静岡維新の会代表の柏木健県議は「静岡県から維新の風を吹かせたい」と意欲を示した。ただ、具体的政策や組織体制について説明はなく、柏木氏らは報道陣を振り切るように事務所を後にした。
 鈴木望氏は静岡新聞社の取材に、10月から維新側と協議を重ね、協定締結に至ったと説明したが、自身は相談役的な立場と明言した。
 海野徹氏も取材に、県内の政治状況の説明で参加したとして「第三極が結集できるような静岡ならではの体制を構築していく。維新の会には参加しない」と述べた。
 源馬謙太郎県議=浜松市東区=ら県内関係の維新塾生との連携も不明確で、次期衆院選の支援戦略などが当面の課題となる。
 大阪事務所にはこの日、長崎、奈良の両県県議らも訪れた。協定締結は静岡だけだが、両県とも、前向きに協議を進めるという。

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あいまい責任 つけ国民に

2012118日 朝刊

 東京電力は、福島第一原発事故の対応費用について、一企業の努力では対応できないと、国に追加支援の検討を求めた。だが、引き続き大手金融機関を はじめとする株主には負担は求めない姿勢を見せている。国も責任の範囲を決められずに賠償の仕組みの見直しを先送りしており、当初から懸念されていた通 り、責任の所在があいまいなまま国民の負担だけが増える懸念が強まっている。
 東電の下河辺和彦会長は七日の記者会見で、株主で融資を受けている大手金融機関などには債権放棄などの負担を「要請しない」と言明した。
 中期経営計画は、追加で必要となる費用は試算していないにもかかわらず、現在の二倍の「十兆円の場合」などと危機感をあおる乱暴な表現が目立つ。 この「十兆円」を東電が負担する場合、「財源確保のため、電力自由化に背を向け、現行の地域独占を維持する」などと、国に挑戦的な言葉すら並べた。
 東電が強い態度をとる背景には、国が責任を負いたがらず、予定されていた賠償の仕組みの見直しを先送りしたことが背景にある。
 現在は暫定制度で、国が肩代わりした賠償費用を東電一社に負担させる形になっており、福島第一原発が安全だと認めてきた国の責任は棚上げされてい る。国は八月に見直すはずだったが、どこまで責任を負うべきか決められず先送りした。下河辺会長は「国と政権には、しっかり正面から取り組んでいただきた い」と注文した。
 ただ、東電と国が責任を押し付け合ったところで、東電の株主や金融機関の債権は守られ、電気料金を支払う契約者と税金を納める国民にツケが回る構図は変わらない。
 学習院大の八田達夫特別客員教授は「今の仕組みでは賠償などの費用と国民負担が際限なく増えてしまうので、東電を破綻処理し、国が責任を持って賠償の範囲を決めるべきだ」と指摘した。

東電、国に追加支援要求

2012118日 朝刊

中期経営計画などについて記者会見する東京電力の下河辺会長(左端)ら=7日午後、東京・内幸町の東京電力本店で
東京電力は七日、二〇一三~一四年度の中期経営計画を公表した。福島第一原発事故に伴う被災者への賠償や廃炉、放射能を取り除く除染作業などの費用が想定した五兆円を上回り、十兆円を超える可能性があるとして、政府に新たな財政支援を求める考えを明らかにした。
 社外取締役を中心に作成した中期経営計画「再生への経営方針」は、除染や廃炉などの費用負担が青天井に膨らみ、「一企業のみの努力では到底対応できない」と明記した。
 現在、国や自治体が立て替えている除染費用は数兆~十数兆円規模に上るとの試算がある。だが、東電は五月に政府と共同で作った総合特別事業計画で、除染作業の見通しが立たないことを理由に費用を算定していなかった。
 下河辺和彦会長は記者会見で「将来を考えた場合、国にさらなる財政的な配慮を求めざるをえない」と話し、来春をめどに総合特別事業計画を見直して、新たな支援の枠組みを求める考えを示した。
 すでに東電は七月に政府から一兆円の資本注入のほか、賠償費用として約一兆三千七百億円の支援を受けている。この資金は東電がいずれ国に返済する 仕組みで、現在は五兆円まで支援を受けることができる。ただ、東電は返済の原資に電気料金の収入を見込んでおり、政府の支援額が膨らむほど返済のために電 気料金が値上げされる恐れがある。また、中期経営計画で福島県内に四千人規模の復興本社や、廃炉に向けた研究拠点の設置を決めたことなども正式に発表し た。

規制委 大飯断層追加調査へ

2012118日 朝刊

 関西電力大飯(おおい)原発(福井県おおい町)の敷地内にある「F-6断層(破砕帯)」が活断層かどうかを調べている原子力規制委員会の調査チー ムは七日、都内で二回目の会合を開いたが、結論は出なかった。五人のメンバーが納得するデータが必要として、規制委は新たな試掘溝(トレンチ)を掘るよう 関電に指示した。
 初会合では、原子炉北側の海岸近くの溝で確認されたV字形の割れ目やずれが、活断層なのか、関電が主張するような地滑りなのかが焦点となった。
 特にV字形の割れ目は、溝が十分に掘られていなかったため、周辺の様子がよく分からなかった。この日の会合では、割れ目の下や横を一メートルほど 掘って再確認する必要があるとの認識で一致した。トレンチを掘った後に、メンバーが再び現地調査し、重要な判断材料が見つかれば、三回目の会合を開く。
 F-6断層の位置が想定される場所と違う疑念も出てきているため、規制委は原子炉建屋の南側にも最大で長さ三百メートル程度の溝を掘ることも指示した。原発に近く、地下には配管などがあり、原発を止めて掘る必要が出てくる可能性もある。
 チームのまとめ役でもある規制委の島崎邦彦委員長代理は「過去の調査の不備が原因。(メンバーの)五人が一致することが望ましい。そうならないのはデータが限られているからだ」と述べた。
 ただ、追加調査をすることに対し、活断層の可能性を強く指摘してきたメンバーの渡辺満久東洋大教授は「大飯原発は動いており、スピード感を持って判断すべきだ。ずるずるやるのは心配だ」と異議を唱えた。

大飯断層調査に不安抱える地元民 「命は大事だが生活も大事」

2012118日午前707分)
 関西電力大飯原発(福井県おおい町)敷地内の破砕帯(破砕帯)が活断層かどうかは再調 査すると決まり、地元おおい町からは「活断層でないことを祈るだけ」との声が上がった。活断層と判断されれば大飯原発が停止に追い込まれて地域経済は大き な影響を受けるだけに、地元は不安を抱えながら結論を待ち続けることになる。
 町観光協会の山本治男事務局長は「安全な暮らしが一番で、 調査に時間がかかるのは仕方ない。明確な判断をしてほしい」としながらも「もし活断層で原発が停止になれば、たちまち住民の働く場所がなくなり、町の経済 がだめになる。ただただ活断層でないことを祈るばかり」と不安をにじませた。
 大島漁協の屋敷憲治総務課長は「一つ課題をクリアすると、 また次の問題が出てくる。原発を停止するために問題が小出しにされている印象だ」と話した。「仮に停止となれば、経済損失の責任を誰が取るのか。100% の安全はなく、どこかで線引きは必要。命は大事だが生活も大事で、両者はてんびんにかける話ではない」と訴えた。
 中塚寛町会議長は「安全・安心のため、公平公正に調査を続けてもらいたい」と、今後の調査を見守る姿勢を示す一方、「大飯原発は国が安全性を確認し、重要な電源として6月に再稼働を決めた。仮に止めるということになれば整合性がとれない」と指摘した。
 時岡忍町長は「住民の安全・安心のために誰もが納得できるような評価が示されるよう、現地も含めしっかりと調査していただきたい」とあらためてコメントした。

大飯原発断層再調査、工程見えず 原子力規制委調査団は意見交錯

2012118日午前705分)
拡大 大飯原発「F―6断層」のイメージ大飯原発「F―6断層」のイメージ



 原子力規制委員会の現地調査団は7日、関西電力大飯原発(福井県おおい町)敷地内の破 砕帯(断層)が活断層かどうかを再協議したが結論は出ず、敷地北側の台場浜付近のトレンチ(試掘溝)を深掘りし、南側でも新たなトレンチ調査をすると決め た。「F―6断層(破砕帯)」がどこを走っているのかという根本的な問題も再浮上。調査団内では「悠長なことを言っている場合ではない」(渡辺満久東洋大 教授)、「さらに調査をして慎重に判断するべきだ」(岡田篤正立命館大教授)と意見が交錯しており、いつ結論が出るかは結局、再調査待ちとなった。
 この日の会合では、台場浜近くのトレンチで新たに見つかった地層のずれの原因が活断層か地滑りかが焦点になるとみられたが、関電は地滑りと説明。調査団メンバーから具体的な反論は出なかった。一方で複数の専門家がトレンチやボーリングによる再度の現地調査を求めた。
  関電は説明で、F―6断層が想定より東側を走り、900メートルとしていた長さも600メートルと修正した。「F―6がどう延びているのかは重要」(重松 紀生産業技術総合研究所主任研究員)との意見を受け、連続性を確認するため敷地南側でも新たなトレンチ調査をすると決めた。
 これに対し 渡辺教授は「追加調査をするために関電を呼んだのか」と強く反発。「大飯3、4号機は稼働している。スピード感をもって判断するのが使命ではないのか」と 結論を出すよう迫ったが、規制委の島崎邦彦委員長代理(東京大名誉教授)は「5人が一致して結論を出すことが重要。データがあれば学術的に難しい問題では ない」と退けた。
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 北側の地層のずれが活断層か地滑り跡かで見解は割れているが、島崎氏は新たなトレ ンチ調査を求めた敷地南側の地点に関し、断層の活動年代の判別につながる上部の地層が付近に残っていると言及した。地滑りではない地層のずれが見つかれ ば、活断層かどうかで一致した結論が得られる可能性がある。
 「1カ所でもきれいな露頭(地層の断面)が出れば、結論が出せる」として、 追加調査には意義があると指摘するのは山本博文福井大教授(地質学)。ただ「掘ってみないとデータが出るかは分からない。そこで断層が動いていないとなれ ば、どこまで調査すればいいのかという問題になる」とし、調査の長期化もあり得るとの見方だ。
 また「F―6断層が実際にどうつながっているかを見直して考えることは重要」と述べ、断層の連続性を把握するためにも追加調査は有効だとした。
  ■  ■  ■
  関電は今後、調査計画をつくり、規制委の承認を得た上で、県に自然公園法の許可申請を行う方針。一連の手続きや調査にどの程度の時間がかかるかは未定だ。 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「全員が活断層と認めないと活断層でないかのような議論になっていて、おかしい。調査が長期化するなら運転を止めるべ きだ」と“安全側”で判断するのが大原則と訴える。
 県の石塚博英安全環境部長は「意味なく時間をかけるのはよくないが、予断を持たずに 客観的データと科学的根拠に基づいて、誰にでも理解できるような調査、審議を行うことが重要」と指摘。必要なデータが何かを示すなど規制委が自ら考えて判 断し、明確に説明すべきだと述べた。

「低炭素」めざす中国、原発推進を再確認  本社コラムニスト 脇祐三

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2012/11/8 7:00
日本経済新聞 電子版
中国の新しい指導部を選ぶ共産党大会を前に、中国政府が中期のエネルギー政策の概要を決めた。「低炭素化」に力点を置き、安全性重視を強調しつつ原子力発電の推進を再確認する内容だ。
 「あと10年もたつと、住民の反対運動などで原発建設は簡単でなくなる。それまでに可能な限り多くの原発をつくる」。昨年3月に日本の福島第1原発の事故が起きるまで、中国共産党内にはこんな声もあったと中国ウオッチャーは言う。だが、福…
[放射線拡散予測] またも信じ難いミスだ
( 11/8 付 )
原子力規制委員会は、原子力発電所で過酷事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測について、九州電力の川内原発(薩摩川内市)と玄海原発(佐賀県玄海町)で、再び誤りがあったと発表した。見過ごせない重大ミスである。
 拡散予測のミスはこれで3度目だ。原発再稼働に向けて厳しく監視すべき規制委のチェック体制の甘さは、お粗末というほかない。
 決定的ともいえる今回の予測ミスは鹿児島県の指摘で判明した。九電が規制委に提供した風向きに関するデータに風上と風下を取り違える誤りがあり、拡散方向が180度逆になってしまった。信じがたい初歩的ミスだ。
 予測が訂正されれば、積算被ばく線量が1週間で100ミリシーベルトに達する対象地域から外れる自治体がある一方で、新たに放射線被ばくの危険にさらされる地域が出るなど混乱は避けられそうにない。
 拡散予測のシミュレーションは10月24日に発表され、その日のうちに対象地域に誤りがあり、29日には6原発について拡散予測の方位が若干ずれていることが分かって修正された。それに続く今回の大幅訂正である。
 規制委が示す拡散予測は、地元自治体が防災計画を立てるうえで重要な資料となる。それが立て続けに間違っていたとなると、原発を抱える県と周辺の市町村が憤るのも無理はない。規制委は徹底的にミスを検証して、地元への説明を尽くさなければならない。
 ミスの原因を生んだ責任は、風が吹いてくる方向と吹いていく方向を取り違えた九電にあるのは明白だ。「北風」を北に向けて吹く風と信じて疑わない特異な解釈がまかり通る企業風土があるとしたら、即刻改める必要がある。
 九電は、過去にも耐震安全性評価データの入力、ストレステスト(耐性検査)データの転記などでも数々のミスを繰り返している。問題発覚のたびに社内の解 析データを扱う際は複数部門でチェックする態勢をとっているというが、ほとんど機能していないのは今回のミスからも推察できる。再発防止策を徹底すべき だ。
 むろん、規制委の責任も免れない。九電のデータ解析を原子力安全基盤機構に委ねたとはいえ、自らデータの誤りを見抜けないようでは、電力会社を指導監督する組織として存在意義に疑問符を付けられてもやむを得まい。
 重要なのは旧原子力安全・保安院時代から電力会社の提供する1次情報に頼ってきた体質を改め、解析・検証できる組織になることだ。専門性や独自性を持つ強力な規制委と規制庁に期待したい。


ページ更新時間:20121108() 1943






■ 原発事故の拡散予測にまた誤り見つかる



 原発事故が起きた際の放射性物質の拡散予測のデータに誤りがあった問題で、原子力規制庁は8日、2つの原発について、修正したデータを公表する予定でしたがさらに別の誤りが見つかったとして公表を見送りました。
 拡散予測をめぐっては先月、6か所の原発でデータを訂正したほか、6日も、2つの原発の風向きを正反対に入力するなど、相次いで誤りが見つかっていました。
 原子力規制庁は、試算結果を再確認したうえで来週以降に公表するとしています。(0818:29

拡散予測:玄海、川内両原発の地図修正、公表を延期

毎日新聞 20121108日 1935
 原発ごとの放射性物質の拡散予測地図にミスが相次いでいる問題で、原子力規制委員会は8日、修正した九 州電力玄海(佐賀県)と川内(鹿児島県)両原発の地図の公表を来週に延期することを明らかにした。気象情報に関するデータ処理のミスが7日に見つかり、九 電分だけでなくすべての地図を総点検する。新たなミスが見つかる可能性について、規制委事務局の原子力規制庁幹部は「現時点では不明」としている。
 規制委は6日、この2原発の予測地図について、風上と風下が正反対になっていたミスを発表。8日に修正 した地図を公表する予定だった。しかし規制庁によると、地図作製を委託されていた独立行政法人・原子力安全基盤機構が公表予定の地図を点検したところ、7 日夜になって、気象情報のデータ処理の手法を間違えていたことが分かった。
 このため、規制委は、九電以外の残り14原発についても同様のミスがないか、再度点検することを決めた。規制庁幹部は「これ以上のミスは許されないが、仮に見つかっても大きな誤差はないだろう」と語った。【中西拓司】

全原発で見直しへ…放射性物質の拡散予測(11/08 18:22)

原発の放射性物質の拡散予測にミスが見つかった問題で、原子力規制委員会は、すでに公表した全国16カ所すべての原発の予測を見直すと発表しました。
  佐賀県の玄海原発と鹿児島県の川内原発の拡散予測図では、風向きのデータを180度逆に入力していたことが分かり、8日に改めて正しい予測図が公表される 予定でした。しかし、観測できなかった時間帯のデータをゼロとするか空欄とするかなど、全国16の原発で統一された書式になっていなかったことが分かりま した。事務局である原子力規制庁は「結果的に大きな差はないと思うが、来週以降に改めてすべての原発の正しい拡散予測図を公開する」としています。

拡散予測の総点検指示=データに入力ミス-規制委

 全国の原発で放射性物質が大量に放出された場合を想定した拡散予測に訂正が相次いだ問題で、原子力規制委員会は8日、新たにデータの入力ミスが判明したとして、10月に公表した予測を総点検するよう原子力安全基盤機構に指示した。(2012/11/08-19:17

玄海・川内原発の拡散予測地図、発表を延期

原子力規制委員会が原発事故時の放射性物質拡散シミュレーションを3度訂正した問題で、規制委事務局の原子力規制庁は、8日にも予定していた九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)と原発(鹿児島県薩摩川内市)の正確な拡散予測地図の発表を延期した。
 データ入力に新たな誤りが見つかったためという。
 規制庁によると、作業を委託されている独立行政法人「原子力安全基盤機構」(東京)による再計算の過程で、風向きが観測されなかった地点のデータ 入力方法を誤った。結果に大きな影響はないとみられるが、同庁は九州の2原発に加え、ほかの14原発分も再点検し、来週以降に発表する。
 一方、規制委は今回の拡散シミュレーションより精度の高い別のコンピューターシステムで新たな拡散予測を行うことを決めた。風向きの変化なども反映できるといい、今月中にモデルの原発を選んで実施する。
20121181919分  読売新聞)
'12/11/8

放射性物質拡散予測の総点検指示 相次ぐミスで規制委

原子力規制委員会が公表した原発事故時の放射性物質の拡散予測に誤りが相次いだ問題で、規制委は8日、全原発のデータを総点検するよう作業を担当する独立行政法人「原子力安全基盤機構(JNES)」に指示したことを明らかにした。
 また8日にも予定していた九州電力の玄海原発(佐賀県)と川内原発(鹿児島県)の正しい予測地図の公表は延期した。今後の公表時期は未定。
 JNESは8日、これまでに公表されていない新たな誤りが見つかったことも公表した。
 規制庁によると、JNESが7日、訂正作業の状況を報告した際「データの入力に不安がある」と説明したため、総点検を指示した。
放射性物質拡散予測でさらに誤り   2012/11/8 18:03
原発事故時の放射性物質の拡散予測で新たな誤りが見つかった、と原子力安全基盤機構。

拡散予測 全国の原発再確認指示

118175

拡散予測 全国の原発再確認指示

原発事故が起きた際の放射性物質の拡散予測で、誤りが相次いで見つかった鹿児島県と佐賀県の2つの原発でさらに別の誤りが見つかり、国の原子力規制委員会は試算をした独立行政法人に指示し、全国すべての原発について試算結果を再確認することになりました。
放射性物質の拡散予測を巡っては、公表した先月24日に一部の原発で自治体名を訂正したほか、その後、6か所の原発で方角や距離のデータを訂正し、さらに6日、鹿児島県の川内原発と佐賀県にある玄海原発で風向きを正反対に入力する誤りが見つかりました。
規制委員会は8日、川内原発と玄海原発について訂正後の試算結果を公表する予定でしたが、試算をした独立行政法人の「原子力安全基盤機構」がさらに別の誤りを見つけたということです。
新たな誤りは「放射性物質が拡散しない」と評価した方角の地点の雨量などを間違って入力していたもので、試算結果には大きく影響しないとしています。
このため、規制委員会は「原子力安全基盤機構」に指示し、全国すべての原発についてほかにも問題はないか試算結果を再確認するとともに、川内原発と玄海原発について訂正後の試算結果の公表を来週以降に先送りしました。
これについて規制委員会は「たび重なる誤りで混乱を招き申し訳ありません。今回は徹底的に誤りを洗い出し改めて説明したい」と話しています。

拡散予測でまた間違い 訂正版の公表を延期 原子力規制委

2012.11.8 14:17
 原子力規制委員会が公表した放射性物質拡散予測シミュレーションで訂正が相次いでいる問題で、規制委は8日、九州電力の玄海原発(佐賀県)と川内 原発(鹿児島県)の訂正版のシミュレーション図を作成中に、新たにデータの入力ミスが見つかり、同日予定していた訂正版の公表を延期すると発表した。
 規制委は、入力ミスをした原子力安全基盤機構(JNES)に対し、全原発で同様のミスがないかの総点検を指示した。訂正版の公表時期は未定という。規制委原子力防災課によると、気象データが得られていない部分で、データの入力方法にミスがあったという。
  シミュレーションをめぐっては、公表した10月24日深夜に最初の訂正を行い、29日には6原発でマップにずれが生じる大幅な訂正を実施した。今月6日に は九電の2原発で入力した風向き情報が真逆になっていることが判明。3度目の訂正を行い、JNESが両原発の訂正版のシミュレーションを作成していた。

原子力規制委:放射性物質拡散予測訂正 長岡市長が対応批判 規制庁課長ら、訪問し陳謝 /新潟

毎日新聞 20121108日 地方版
 原子力規制庁の金子修一原子力防災課長らは7日、長岡市の森民夫市長を訪ね、原子力規制委員会が公表した原発事故の放射性物質拡散試算について「事前に説明できず、しかも訂正という事態を招きおわびしたい」と陳謝した。
 訂正後の試算では、柏崎刈羽原発で福島第1原発のような過酷事故が発生した場合、放射性物質が拡散する地点に原発から40・2キロの同市栃尾地域が含まれることになり地元に動揺が広がっている。
 森市長は「放射性物質のような住民に不安感を与える話は丁寧に説明してほしい」と規制庁の対応を批判。地形や風向きなどを考慮した精度の高い試算の作成や、原発の安全対策、防災計画策定における国の支援などを求めた。【湯浅聖一】

放射能の拡散予測 「より公表詳細に」

20121108
 日本原子力発電東海第二原発で重大事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測について、県は、より詳細なデータを公表するよう、原子力規制庁に要請 した。事故に備える防災計画をつくるためには、より低い被曝(ひ・ばく)線量の範囲も把握する必要がある、とする地元東海村の意向を反映した。
 拡散予測は、原子力規制委員会が10月下旬に公表。1週間の総被曝線量が100ミリシーベルトに達する範囲のみが示された。
 県は、原子力規制委の事務局である原子力規制庁が原発立地自治体担当者を集めた2日の会議で、100ミリシーベルトより低い線量の範囲についても公表するよう求めた。

反原発:11日の1万人規模デモ中止…都が公園使用厳格化

毎日新聞 20121108日 1835
 反原発を訴えている市民団体が、11日に東京都千代田区の国会周辺で予定していたデモが中止になった。 都がこれまでの対応を一転させて日比谷公園の使用ルールを厳格化し、デモの集合場所が確保されなかったからだ。官邸前などの抗議行動は予定通り実施される が、都の対応に批判も上がっている。
 中止されたのは「首都圏反原発連合」(反原連)が企画した1万人規模のデモ。反原連は3月と7月に日比谷公園の一角からデモ隊を出発させており、今回も9月に、公園を管理する都に一時使用を届け出た。
 しかし都は「届け出制ではなく、許可が必要になった」と説明。許可の条件として園内の日比谷公会堂か大音楽堂(野音)を利用するよう求めた。両施設の利用には4時間で約8万〜25万円かかる。
 反原連はルール変更に抗議する一方、先月末に許可を求めて申請。しかし11日は両施設が予約で埋まっていたことなどから、都は「一般来園者の安全が確保できない」として不許可とした。裁判所への申し立ても退けられ、デモの中止が決まった。
 都公園課によると、デモの出発地を約1・5キロ離れた芝公園などに変更するよう勧めたが、反原連側は「家族連れやお年寄りに負担がかかる」として日比谷公園にこだわったという。
 鹿田哲也公園課長は毎日新聞の取材に「これまでは現場の判断で届け出制になっていたが、本来は条例に基 づく許可が必要」と説明。約2万7000人(主催者調べ)が参加した7月のデモを機にルールを厳格化したという。ただ100人ほどの規模であれば、許可は いらないという。
 反原連の代理人を務めた小島延夫弁護士は施設利用がデモの条件になったことについて「お金がなければ、 大きなデモができないことになる。集会の自由が失われかねない」と批判。「『デモ』とは何か」の著者である五野井郁夫・高千穂大准教授(政治学)は「長い 間、デモの出発地として使われてきた日比谷公園は戦後民主主義の象徴。都のデモ制限は、それを否定することになる」と指摘している。【川崎桂吾】

20121181854

原発再稼働「請い願っている」 松宮経産副大臣が発言



【諸星晃一】松宮勲経済産業副大臣は8日、関西電力大飯原発3、4号機以外のすべての原発が止まっている現状について「原子力規制委員会が一日も早く全国各地の停止している原発の再稼働を決めるよう、請い願っている」と述べた。
 札幌市内であった経済界など地元団体との意見交換会で語った。規制委は政府から独立した立場から原発の再稼働の安全基準を来夏にも取りまとめることにし ている。枝野幸男経済産業相らはこれまで、規制委が所管する原発の安全性の判断についての発言は避けており、規制委に早期の再稼働を促す発言が出るのは異 例だ。
 松宮氏はまた「この状態が来年、再来年と続くととんでもないことになる。電力会社の存続が無理になる」としたうえで、「私個人としてはこういうこと(原 発停止)が再来しないよう願う」とも話した。松宮氏は旧通商産業省(現経産省)出身で、大飯原発など原発が立地する衆院福井3区が地元。

大飯原発の断層、追加調査要請へ

20121108

海岸近くの台場浜の試掘溝で「F-6断層」を調べる原子力規制委員会の調査団=2日、おおい町の大飯原発
原子力規制委員会は関西電力大飯原発の「F―6断層」の現地調査から2回目となる7日の評価会でも、活断層か否かを判断せず、関電に追加調査を求 めることになった。地元では、白黒をはっきりさせない規制委の姿勢にいらだちが募る一方、県内の他の原発にからむ断層についても慎重な調査を求める声が上 がった。
 大飯原発が立地するおおい町大島地区で民宿を営む男性(65)は「こんなあやふやな状態では生活設計が立てられない。原発を止めても、燃料や使用済み燃料がそのままでは危険な状態が続く。国は原発をどうしたいのか、早くはっきり示すべきだ」と訴えた。
 おおい町議会の中塚寛議長は「政府は安全性が確認でき、大飯3、4号機を重要な電源と位置づけて再稼働を判断した」と述べた。その上で、 規制委が関電に再調査への協力を求めたことについては「今後も公平公正に、学術的・科学的に調査を進め、安全性の追求に努めてほしい」と話した。
 県安全環境部の石塚博英部長も「いつまでもだらだらということでは困るが、規制委が権威をもって、(今後の結論が)なぜそうなるのか説明しなくてはならない」と淡々と話した。一方で、現時点では原子炉を停止させる必要はないとの見方を強調した。(堀川敬部、高橋玲央)
 「社内が非常にピリピリしている。うちは苦しい立場だ」。7日、日本原子力発電の担当者は、大飯原発の断層問題の行方に神経をとがらせた。
 若狭湾の沿岸地域には、複数の活断層が存在する。その一つが敦賀原発の敷地内をほぼ南北に走る浦底断層だ。4月の国の現地調査で、2号機の原子炉直下を通る破砕帯(断層)が浦底断層と連動して動く可能性が指摘され、日本原電は5月から追加調査を始めた。
 日本原電によると、敦賀原発内の断層は約160本。2号機の原子炉直下や近接地には「D―1」「H―3a」の二つが走る。追加調査で地質と地盤が動いた年代を分析している。
 1号機の原子炉付近も「D―5」「D―6」の二つの断層があり、深さ30~50メートルの穴を掘って調査。3、4号機の建設予定地近くの斜面も試掘している。11月末にも調査を終える予定で、原子力規制委員会が現地調査する方針だ。
 一方、敦賀半島の西にある活断層「白木―丹生断層」は、高速増殖原型炉「もんじゅ」から西に約500メートル、美浜原発から東に約1キロ しか離れていない。それぞれ9本の断層が確認され、日本原子力研究開発機構によると、もんじゅでは1本の断層が原子炉のほぼ真下を走っている。
 原子力機構と関西電力は来年3月をめどに、追加調査の報告書をまとめる方針。(室矢英樹)

黒い雨:放射能汚染の実態 県保険医協会・本田会長が講演 佐世保で15日、長崎で17日 /長崎

毎日新聞 20121108日 地方版
 県保険医協会は、原爆の放射性降下物の調査に取り組む本田孝也会長の講演会「黒い雨の謎を追って−低線量被ばくの人体影響」を開く。15日午後7時から佐世保市三浦町のアルカスSASEBO▽17日午後2時半から長崎市魚の町の市民会館−−の2カ所で、いずれも無料。
 本田会長は長崎市中里町で診療所を営み、昨年から「原爆の黒い雨に遭い、脱毛した」との証言が多く残る 同市・間の瀬地区で調査を開始。その中で、放射線影響研究所の職員らが作成していた黒い雨の人体影響に関するリポートを掘り起こし、放影研は広島、長崎で 黒い雨に遭遇した約1万5000人分のデータを保有していることを明らかにした。
 講演ではこうした経過に加え、米軍の測定データから見えてくる長崎原爆の放射能10+汚染の実態などについて解説する。問い合わせは同協会(095・825・3829)。【樋口岳大】

放射能汚染牧草まとめて管理へ 加美町

20121108
 加美町は、東京電力福島第一原発事故で放射性物質に汚染されて使えない牧草について、宮崎地区にある町有地の放牧場74ヘクタールを一時保管場所にして、まとめて管理することを決めた。県によると、一括管理は県内で初めて。10日から、ここに牧草を運び入れる。
 町議会が7日、関連費用約1900万円を盛り込んだ今年度一般会計補正予算案を可決した。
 飼料として使える牧草の放射性セシウムの国の基準は今年、1キロ当たり300ベクレル以下から100ベクレル以下に厳しくなった。町が一括管理するのは、100~8千ベクレルの牧草。
 本来なら、一般廃棄物として焼却したり牧草地に埋めたりすることも認められている範囲だが、放射性物質の濃度上昇を招く焼却処分は進ま ず、牧草地汚染を恐れる農家は埋め立てを嫌う。牧草は各農家に置かれていて、町は昨年産と今年産を合わせて約5900トンが町内にあると見ている。
 保管場所は民家から5キロ以上離れる。ビニールシートを敷いて牧草ロールを並べ、さらにシートで覆う。冬季は閉鎖する。保管期間は、国が最終処分場を稼働させるとした2014年度末までで、定期的に空間放射線量や土壌を調べる。(島田博)

保管の汚泥 半分は基準値以下

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原発事故のあと、福島県内で、処分できずに施設などに保管されたままになっている汚泥や焼却灰13万トンのうちおよそ半分の7万トンは放射性物質の数値が国の基準を下回り本来なら一般のごみとして処分できるものであることが分かりました。
原発事故のあと、家庭で出るごみの焼却灰や下水処理に伴う汚泥について、▽放射性セシウムの数値が 1キロ当たり8000ベクレルを超えるものは「指定廃棄物」として国が最終処分場などに運んで処分する一方、▽8000ベクレル以下は一般のごみとして各 自治体が埋め立てなどの処分を行うことになりました。
福島県内では、現在、およそ13万3000トンの汚泥と焼却灰が処理できずに施設などで保管 されたままになっていますが、NHKが調べた結果、このうち、半分のおよそ7万トンは放射性セシウムの数値が国の基準を下回り、本来なら一般のごみとして 処分できるものであることがわかりました。処分していない理由について、自治体の多くは、住民から不安を訴える声が出ていることを挙げています。
このうち、郡山市の下水処理施設では、汚泥を処分場に運ばず、1トンずつ袋に入れて施設内で保管していてすでに8000個以上にたまり、スペースが足りずに新たな保管場所の造成工事を行う事態になっています。
環 境省福島環境再生事務所の除染推進チームの馬場康弘次長は「基準値以下の汚泥や焼却灰が行き場を失っているのは事実だが、法律上は自治体が処分する仕組み になっている。国としても住民などに安全性について説明を行い、自治体が抱える廃棄物がなくなるようできるかぎり支援したい」と話しています。

施設側“再利用できるのに保管は残念”

福島県郡山市の下水処理施設の敷地内には国の基準以下の汚泥が7000トン余り袋に入れた状態で保管されています。
その数は8000個を超え、1日に100個のペースで増え続けています。
このままでは来年春にはスペースがなくなることから、現在、新たな保管場所の造成工事が進められています。
これまで汚泥は埋め立ての処分のほか、セメントや肥料の原料としても再利用されていましたが、放射性物質の影響を懸念してどの業者も引き取りを控えているということです。
施 設を管理する県中流域下水道建設事務所の柳沼利行所長は「セメントの原料としても再利用できるものが保管しなければならず残念だ。このままたまり続けると 保管場所を確保し続けなければならない。放射線量がどの程度低ければ安心してもらえるのか環境省と対策を相談したい」と話しています。施設の近くに住む 80歳の男性は「放射性物質は目に見えずどこから飛んでくるかも分からないから不安です。汚泥は臭いもひどく、早急に撤去してもらいたい」と話していま す。

東日本大震災:福島第1原発事故 放射線の基礎知識学ぼう 福島で来月5日まで計4回、専門家ら解説 /福島

毎日新聞 20121108日 地方版
 放射線に関する基礎知識を学ぶ「ふるさと学びカレッジ・放射線10+のいまを知る」が14日、福島市松木町の市中央学習センターで始まる。12月5日までの計4回、専門家らが放射線10+の健康への影響や、市が実施する除染の取り組みを解説する。
 福島第1原発事故を受け、放射線に関する正しい知識を身につけてもらい復興への一助にしようと同センターが企画。初回の14日は「放射線とは〜放射線の基礎知識」と題して、元日本原子力研究開発機構職員の白石浩二さんが講演する。
 2回目の21日は「放射線と健康〜被ばくとその影響」(竹内真弓・竹内こどもクリニック院長)。3回目の28日は「放射線10+と食品〜食の安全を求めて」(斎藤隆・JA新ふくしま営農部長)。最終日の12月5日は「市の現状と取り組み〜除染計画と進捗(しんちょく)状況」と題して、荒井政章・福島市放射線総合対策課長が解説する。
 参加無料。いずれの回も午後2時〜同3時半。問い合わせは、同センター電話024・534・6631。【神保圭作】

東日本大震災:福島第1原発事故 「心の思い声に出して」 11日、福島で人権宣言シンポ /福島

毎日新聞 20121108日 地方版
 福島第1原発事故の被災者らが生活の実態を語り合うシンポジウム「福島の現在と未来を考える」(福島人権宣言を考える会主催)が11日午後1時半から、福島市上町の福島テルサ4階で開かれる。同会は「福島人権宣言」として、避難の自己決定権や放射線10+に関する情報の知る権利について、被災者に訴える活動を進めている。
 避難者の損害賠償請求を支援している野村吉太郎弁護士が基調講演。石田葉月・福島大准教授や避難者らによるパネルディスカッションを行う。会場の参加者にも生活の現状を語ってもらう。同会は「被災者には心にためている思いを声に出してほしい」としている。【神保圭作】

東日本大震災:福島第1原発事故 放射線、正しく知って 福島市と飯舘村、小・中校で独自授業

毎日新聞 20121108日 東京夕刊

 ◇側溝付近で長時間、過ごさない 内部被ばく、外部被ばく違いは

原発事故のあった福島県の2市村が、子供たちの放射線10+へ の理解を深めようと、独自の教育指導計画を相次いで作成した。福島市は2学期から計画に沿った授業を始め、飯舘村も今年度中の授業開始を目指している。福 島市教委は「子供たちは低線量被ばくに長期間向き合わなければならない。正しい知識を身につけ、判断力を養ってもらいたい」としている。【神保圭作】
 文部科学省は事故後、子供に配る副教材として「放射線等に関する副読本」を作成、福島県教委も教員向け指導資料を作った。だが、福島市は空間放射線10+量が比較的高く、「市の実態に即した放射線10+教育を進める必要がある」として、市が委嘱した放射線の専門家や小中学校の教員ら10人が今年5月から8月にかけて、市独自の指導資料作りをしてきた。
 指導内容は学年ごとに異なり▽小学2年では放射線量が高い側溝付近では長時間過ごさない▽小学5年では藻類や魚類などに含まれる放射性カリウム40の量や、ガンマ線やベータ線など放射線の種類▽中学2年では内部被ばくと外部被ばくの違い−−などを学ぶ。

低線量被曝でも白血病 米追跡調査、チェルノブイリの作業員11万人対象

2012.11.8 20:04
チェルノブイリ原発事故で溶けた核燃料やコンクリート、鋼鉄が混じり合った「象の足」と呼ばれる塊(右)の近くで放射線測定をする作業員=1996年4月(ロイター)
チェルノブイリ原発事故で溶けた核燃料やコンクリート、鋼鉄が混じり合った「象の足」と呼ばれる塊(右)の近くで放射線測定をする作業員=1996年4月(ロイター)【拡大】
 チェルノブイリ原発事故の収束作業などに関わって低線量の放射線を浴びた作業員約11万人を20年間にわたって追跡 調査した結果、血液がんの一種である白血病の発症リスクが高まることを確かめたと、米国立がん研究所や米カリフォルニア大サンフランシスコ校の研究チーム が米専門誌に8日発表した。
 実際の発症者の多くは進行が緩やかな慢性リンパ性白血病だったが、中には急性白血病の人もいた。調査対象者の 被曝(ひばく)線量は積算で100ミリシーベルト未満の人がほとんど。高い放射線量で急性白血病のリスクが高まることは知られていたが、低線量による影響 が無視できないことを示した形だ。
 チームは1986年に起きたチェルノブイリ事故で作業した約11万人の健康状態を2006年まで追跡調査。137人が白血病になり、うち79人が慢性リンパ性白血病だった。チームは白血病の発症は16%が被曝による影響と考えられると結論付けた。(共同)

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