2012年11月2日金曜日

2012/11/02

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6袋が基準値超え 福島・旧平田村のコシヒカリ

福島県は1日、平成24年産米の全袋検査で、福島市旧平田村の農家が生産したコシヒカリの玄米6袋(1袋30キロ)から、食品衛生法の基準値(1 キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。旧平田村は、全袋検査などの管理計画に基づくことを条件に作付けが認められた 事前出荷制限区域のため、旧市町村単位の出荷自粛は求めない。
 県によると、基準値を超えた6袋のセシウムは全て110ベクレルだった。コメは福 島市が処分する。この農家の収穫量は140袋で、残りの134袋は全て基準値以下だった。基準値を超えた6袋の他にも、比較的高い値が出た77袋につい て、県と市などは扱いを今後検討する。残る57袋は出荷できるという。
 県内では天日干ししたコメから比較的高いセシウムが検出されているが、この農家は機械乾燥だった。県は土壌や作付け状況などを調べ、原因を究明する。
 事前出荷制限区域は23年産米から100ベクレル超500ベクレル以下のセシウムが検出されるなどした地域。全袋検査が義務付けられており、基準値を超えたコメは処分する。
 基準値を超えたのは須賀川市旧西袋村に続いて2例目。旧西袋村は県と市が管理計画を政府に提出し、出荷自粛が解除された。

【茨城】

カワエビのセシウム半減 霞ケ浦湖畔 つくだ煮業者 あすから行方「あきんど祭」で紹介

2012112

カワエビの放射性セシウム濃度の低減に取り組む戸田社長(右)=かすみがうら市で
東京電力福島第一原発事故の影響に苦しむ食品加工業者が多い中、かすみがうら市のつくだ煮加工販売業「出羽屋」の戸田広社長(78)は、材料のカ ワエビを沸騰させた真水で数分間煮ることでエビに含まれる放射性セシウム濃度を薄める研究に取り組んでいる。手軽で、食感を改善するきっかけにもなったと いう。 (井上靖史)
 県や戸田さんによると、霞ケ浦のワカサギやシラウオは水面近くを泳ぐため、セシウムは一キログラム当たり二〇~三〇ベクレル台と基準値の一〇〇ベ クレルを大きく下回る。一方、カワエビは湖底近くにいるため四〇ベクレル台が中心。加工すると凝縮されて五〇ベクレルを超え、「基準値内だが、お客さんは 手を出しにくい数値」になる。
 このため戸田さんは低減方法を試行錯誤。長野県の検査会社を通じて放射性物質を測定している。しかし、塩水や酸に入れるなどしたがうまくいかない。最後に百リットルの沸騰水に四二ベクレルのカワエビを入れて二分間煮てみたところ二〇ベクレルになった。
 同じ方法で検査した県水産試験場は「数値が下がることは間違いない」と確認した。この結果について独立行政法人水産総合研究センター(横浜市)の 桑原隆治広報室長(47)は「煮れば成分と一緒にセシウムも抜けるとみられる。エビは身と殻の間にすき間があることなどから、塩水より真水の方が浸透しや すかった可能性もある。商品価値を維持できるなら有効な手段で、現場の価値ある工夫」と話す。
 カワエビはヒゲや殻が硬いことから敬遠する人もいる。だが真水で煮ることで「柔らかい、サクサクした感じになった」と試食した県漁政課職員は話す。
 戸田さんは小魚類が豊富にとれる霞ケ浦湖畔で創業百年近くになる老舗の三代目。地域の加工業者の売り上げが二割減となっているだけに「原発事故は 受け入れるしかなくなっているが、自分たちが試行錯誤することで活路を見いだしていきたい」と力説する。三、四日に行方市で開かれる「あきんど祭」で取り 組みを紹介する。

東日本大震災:福島第1原発事故 放射性セシウム、新米2例目の基準超え

毎日新聞 20121102日 東京朝刊
 福島県は1日、福島市南部の旧平田村で収穫されたコシヒカリ6袋から食品衛生法の新基準(1キロ当たり 100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。市場には流通していない。県内の12年産米の基準超えは2例目となる。県 水田畑作課によると、コメの全袋検査で10月30日、農家1軒で収穫されたコシヒカリ83袋がスクリーニングレベル(同60ベクレル)を超えていた。

コメ6袋、基準値超える 福島市南部

20121102
●旧平田村産、110ベクレル
 県は1日、福島市南部の旧平田村の農家1戸が生産したコメ6袋から、基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。今年産米で基準値を超えたのは、先月末の須賀川市のケースに続いて2件目。
 この農家が生産した140袋のうち、全袋検査で高い放射線量を示した83袋を詳細検査し、6袋で基準値を超えた。6袋は福島市が隔離・処分し、77袋については県が今後、出荷の是非など対応を検討する。基準値以下だった57袋は、すでに市場に出荷されているという。
 旧平田村は、昨年産米で最大192ベクレルのコメが出たため、今年は除染の実施や農家ごとに管理計画の提出が義務づけられている。全袋検 査で基準値を下回ったコメについては順次、出荷できるため、旧市町村単位での出荷自粛の要請はかからない。県は今後、圃場(ほじょう)の調査をして、原因 を調べる。

震災がれきを本格受け入れ 敦賀市長表明 福井

2012.11.2 02:10
 東日本大震災で発生した岩手県大槌町の「震災がれき」について、河瀬一治・敦賀市長は1日、定例記者会見で、「できるだけ早く本格的な受け入れを行いたい」と正式表明し、年明けにも計900トンを受け入れることを明らかにした。
  市は25日、岩手県大槌町の木材チップ3トンを搬入し、翌26日に試験焼却。29日に焼却灰を埋め立てた。市は放射性セシウム濃度1キロあたり100ベク レル、空間線量率が周辺の値の3倍を超えないという国より厳しい独自基準で比較したところ、大きく下回る結果を得たとしている。
 このため、河瀬市長は「放射線量やセシウム濃度などで、安全性を確認できた」と本格受け入れを表明。「これを契機に、焼却に余裕のある自治体は率先して応援し、被災地のがれきがなくなるように願っている」と述べた。
  また、原子力規制委員会が原発事故時の放射性物質の拡散シミュレーションを立地自治体へ事前説明もなしに決めたことなどをあげ、「立地自治体が最も影響を 受けるにもかかわらず、立地の意見も聞かず、東京で机上だけで決めるやり方には、非常に不満がある」と不快感を示した。

福島市のコメ基準値超え/全袋検査で110ベクレル

2012/11/01 21:09
 福島県は1日、コメの全袋検査で、福島市の農家が生産したコシヒカリの玄米6袋から、食品基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。福島県産米の基準値超えは今年2例目。
 農家がある地域は、昨年のコメから100ベクレル超500ベクレル以下のセシウムを検出した「事前出荷制限区域」。生産量や保管状況を全て把握しているため出荷制限はせず、基準値を超えた袋のみを処分する。
 県によると、この農家が生産した140袋の検査で分かった。

福島市のコメで基準値超え=今年産米で2例目

  • 2012111日  20:52 JST
福島県は1日、2012年産米の全袋検査で、福島市で生産されたコメから食品の放射性セシウムの新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える110 ベクレルが検出されたと発表した。今年産米の検査で基準値を超えるコメが見つかったのは、同県須賀川市に続き2例目。基準値を超えたコメは隔離、処分す る。
 県によると、福島市の旧平田村地区の農家1戸が今年収穫した玄米140袋(1袋30キロ)の検査で、83袋が1キロ当たり60ベクレルのスクリーニング レベルを超え、詳細検査を行ったところ6袋からそれぞれ110ベクレルが検出された。残りは基準値を下回った。同地区は事前出荷制限区域に指定されてお り、全袋検査で基準値以下だったコメは出荷できる。県は、今後、基準値を超えた原因を究明する。 
[時事通信社]
マダラ出荷規制解除で漁船が出漁
(青森県)
青森県の太平洋沖でとれるマダラの出荷規制が31日解除された。八戸港からは1日朝沖合い底引き漁船が次々に出漁した。スルメイカともにマダラも水揚げする。水揚げされたマダラは放射性セシウムの出荷前検査をし安全性を確認したうえでセリにかけられる。
[ 11/1 18:30 青森放送

鹿沼の原木ナメコ、セシウム基準値超え 県が出荷自粛要請 

(11118:28)

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県環境森林部は1日、鹿沼市で採取した露地栽培の原木ナメコから国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を上回る120ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。県は同市に対し、露地栽培の原木ナメコの出荷自粛を要請した。採取日は1030日。  露地栽培の原木ナメコの出荷自粛は那須塩原、矢板、日光、佐野、那須の5市町に続き6市町目。

震災がれきを本格受け入れ 敦賀市長表明、年明けから

2012111日午後543分)
 福井県敦賀市の河瀬一治市長は1日の定例会見で、東日本大震災で発生した震災がれきの試験焼却で安全性が確認されたとして、本格受け入れすることを表明した。同市が受け入れを予定しているのは900トンで、来年1月中にも運び込まれる。
  同市では、がれきの安全性を確認するため10月26日、岩手県大槌町で出た住宅の柱や倒木などの木くず約3トンを、一般ごみと混ぜて市清掃センターで焼 却。29日に焼却灰を取り出し放射性セシウム濃度を測定したところ、速報値では1キロ当たり10ベクレル未満であり、同市の赤崎最終処分場に埋め立てた。
  会見で発表された確定値は、セシウム濃度は焼却前が1キロ当たり10ベクレル、セメントを混ぜて固化した焼却灰は同4・9ベクレルだった。同市の受け入れ 基準は焼却前で同100ベクレル以下、焼却後で同8千ベクレル以下としており、いずれも大きく下回った。また一般ごみのみの焼却灰のセシウム濃度は3ベク レルだった。
 河瀬市長は「(セシウム濃度は)国の基準を下回り、放射線量も試験焼却前と変わらず安全性が確認できた。できる限り早く受 け入れができるよう取り組みたい」と述べた。同市によると、専用の鉄道輸送コンテナやトラックの準備が年末までかかるため、本格受け入れは1月からになる 見通し。
 また、市内の小学校や公園など17地点で測定した試験焼却時の放射線量は、いずれも焼却前とほぼ同じだった。河瀬市長は「がれ き処理なくして被災地の復興はない。焼却炉に余裕がある自治体に受け入れが広がり、一日も早くがれきがなくなることを願っている」と話した。測定結果は同 市のホームページに掲載された。
 県内では高浜町が4日に試験焼却を行う。

除染水処理で溝 相馬市「より慎重に」環境省「簡易で十分」


除染水の浄化装置を使って放射性物質濃度を下げる担当者


福島第1原発事故の除染で出る放射性物質を含んだ水の処理をめぐり、環境省と福 島県相馬市の見解が分かれている。同省は「放射線量がある程度低ければ排出して構わない」との立場。市は「放射性物質濃度を極力下げないと市民が不安が る」と異を唱える。除染水の排出基準がなく、両者が一致点を見いだせずにいる。
 相馬市は放射線量の比較的高い玉野地区を中心に住宅の除 染を行っている。対象は約150軒でうち約100軒(10月26日現在)を終えた。屋根などを水で洗い流して排水を回収する。水は1軒200~300リッ トル必要で、放射性物質濃度は1リットル当たり300~400ベクレルに上る。
 環境省は水の処理について「不純物を沈殿させ、水周辺の空間放射線量が低くなれば上澄みを排出して問題ない」(水・大気環境局)と簡易な処理で十分との考えを示し、市に伝えている。
  市は慎重で、水をもみ殻とイオン交換物質に通して浄化する装置を独自に整備し、濃度を水道水の濃度基準に当たる10ベクレル以下に下げて地元の川に流して いる。立谷秀清市長は「排水は河川で拡散するので、ここまでしなくても安全だろうが、市民の安心感を得ることを優先した」と説明する。
 浄化装置 の整備費は約400万円。国は「過度な処理」と見なし、今のところ国費で賄う考えはない。このため、市は除染費全体をやりくりして整備費を工面した。「国 は10ベクレル以下にしなくてもいいと言うが、住民感情は異なる。国の責任で予算化してほしい」(民生部)と要望する。
 除染は原発事故がもたら した新しい課題で、除染水の排出基準はまだ設けられていない。環境省は「基準を作れば、検査などで除染作業が遅滞する可能性がある」と策定に消極的だ。市 は「基準と処理方法を明確にしてほしい」と言う。基準がないために両者が自己判断し、歩み寄りにくい状況になっている。


20121102日金曜日

放射性廃棄物輸送、悪天候のため順延 柏崎刈羽原発 新潟

2012.11.2 02:10
 東京電力は1日、柏崎刈羽原子力発電所の低レベル放射性廃棄物を、日本原燃の埋設センター(青森県六ケ所村)に運ぶ同原発初の輸送計画について悪 天候のため予定より遅れる、と発表した。強風の影響で1日の積み込み作業が中断し、輸送船の出発が当初の今週末から来週半ばにずれ込む見通し。
 計画では、10月31日から200リットルのドラム缶1400本を入れた専用の鋼製コンテナ175個を、専用の輸送船に積み込む作業を始め、今月3日に構内船着き場を離岸し、5日に到着する予定だった。

Android書籍アプリ☆電子書籍リリース記念キャンペーン☆ 『いま家族でできる!「除染」マニュアル』が配信開始!

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目 次
・はじめに 本書を読まれるみなさんへ
1章 なぜ除染が必要なのか
・2011年3月11日以降のこと
・「正しく認識すること」の難しさ
・放射能、放射線、放射性物質の違い
・放射能や放射性物質は、なぜ身体に悪いのか?
・放射線・放射性物質が身体に影響を与える仕組み
・被爆とは?
第2章 除染作業をするまえに
・除染の方法と対策
・除染の第一歩 ホットスポットを確認する
・時空間の想定
第3章 さあ、除染作業をはじめよう!
・まず、念頭におくこと
・除染リーダーを決めよう
・衣服や整備
・作業後の洗浄
第4章 除染方法あれこれ
・地面の除染
・植物の除染
・家の除染
・乗り物の除染
・ペットの除染
・協力しあうことが大切
第5章 Q&A 教えて桧垣先生
・原発からかなり離れた地域に住んでいるのですが、除染は必要ですか?
・放射能、放射線、放射性物質の違いを解りやすく教えてください。
・放射線が自然界に存在するというのは本当ですか?
・内部被曝と外部被曝の違いは?
・人間の身体に、放射性物質を排出する作用があるというのは、本当ですか?
・ホットスポットになりやすい場所とはどんなところですか?
・私たちはこれからずっと放射性物質に怯えながら暮らさなくてはいけないのでしょうか?・除染作業には、特別な衣服が必要ですか?
・作業の際につけた衣服は使い捨てたほうがよいですか?
・除染作業後、身体の洗浄はどうしたらよいですか?
・土埃の放射性物質が問題になっていますが?
・半減期って、何ですか?
付録
・「除染」作業にあると便利なグッズのご案内
著者情報
桧垣正吾(ひがき・しょうご)
東京大学助教
1976年 大分県別府市生まれ
2006年 東京大学大学院理学系研究科化学
専攻博士課程修了、博士(理学)
同年 東京大学アイソトープ総合センター助手
2007年より現職

福島 新米の全袋検査や出荷に遅れ

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福島県内でことし収穫されたすべてのコメについて、出荷する前に放射性物質を調べる「全袋検査」で、測定機器や人員が足りないことから検査やその後の出荷に遅れが出ていることがNHKの取材で分かり、新米の出荷を急ぎたい農家から態勢の充実を求める声が出ています。
原発事故を受けて福島県は、ことし収穫されるおよそ1200万袋のすべてのコメを対象に、出荷する前に放射性物質を調べる「全袋検査」を実施しています。
検査は、各市町村や農協が地域ごとにつくる36の協議会が行っていますが、NHKがそのすべてに取材したところ、会津地方の一部と郡山市、いわき市を担当する5つの協議会は、今の時点では、検査は年内には完了しない可能性があると答えました。
その理由については測定機器や人員が足りないことを挙げ、検査が終わっていないコメは出荷できずに倉庫に積み上がっている状態だということです。
また、県内の各農協によりますと、検査に時間がかかっているため、ほとんどの農協では原発事故の前と比べて、出荷の開始が最大で1か月近く遅れ、その後の出荷量も少ない状態が続いているということです。
コメは年を越すと「新米」として売ることができなくなることから農家からは検査態勢の充実を求める声が出ています。
こ のうち、会津美里町のコメ農家で、インターネットで注文を受け付けた新米の発送が大幅に遅れているという新國文英さん(59)は、「安全性は確保してほし いが、新米は12月までなので遅れた分だけ販売量は減ってしまう。現場が困らない仕組みを考えてほしい」と対応に苦慮していました。
これについて福島県は「各地区で行われている全袋検査の全体状況を把握したうえで対応策を検討したい」と話しています。
食品の放射性物質濃度 厚木市

市民持込分の測定を開始

2012112日号
食品を測定する市職員
 厚木市は11月2日から市民と自治会等の市内に拠点のある団体(事業者除く)を対象に、持ち込み食品の放射性物質濃度測定を開始した。
 同市はこれまで、小中学校の学校給食用食材の放射性物質濃度測定のほか、保育所、スポーツ施設のプール、公共施設の空間放射線量などを測定している。市民が持ち込む食品に関しては昨年から検討をスタート。有識者の意見などを取り入れ、今年10月に導入を決めた。
 測定は同市船子にある南部学校給食センターでATOMTEX社製のAT1320Aを使用して行う。対象となるのは、スーパーなどの小売店で購入した食品 類や、家庭で採取した野菜などで、一世帯1日1食品まで。食品等は細かく刻み、1kg(液状は1リットル)以上をポリ袋などに密封して持参する。約1時間 で結果が分かり、基準値を超えた場合は保健所に連絡するという。
 測定は事前予約制。市生活環境課によると、1015日の予約開始から一週間で4件の申込みがあったという。同課では「市民の方からの要望もあった。測定を始めることで、より安心や安全につながれば」と話している。



元作業員東電を申告、元請け告発 第一原発被ばく事故 安全法違反容疑で

東京電力福島第一原発事故直後、高い放射線量の下で違法に復旧作業に従事させられたとして東電に対し是正勧告を求める申告、元請け企業「関電工」 (本社・東京都)を刑事告発する考えを明らかにしていた、いわき市の元男性作業員(46)は1日までに労働安全衛生法違反の疑いで両社を富岡労基署に訴え た。申請は10月30日付。男性と支援する日本労働弁護団は1日、厚生労働省で記者会見し、過酷な条件の下で作業に就いた実態を赤裸々に語った。弁護団に よると、作業員の被ばく事故で東電側の責任を追及するのは初めて。
 元男性作業員や弁護団によると、男性は二次下請け企業の社員だった。男性は昨 年3月24日、同僚2人と共に元請け企業「関電工」の社員2人と一次下請け企業の社員1人の合わせて6人で、福島第一原発3号機タービン建屋の地下で電源 ケーブル敷設作業に当たった。現場監督の関電工社員から高線量の汚染水の水たまりでの作業を指示された。関電工の2人と一次下請け企業の一人の計三人は水 たまり内で作業に就き、最大で220ミリシーベルトの被ばくを受けた。男性は作業を拒否した。男性は30~40分間の作業で11ミリシーベルト被ばくした という。
 弁護団は監督を務めた関電工の社員が現場の放射線量や汚染水の状況を慎重に確認しなかった点を挙げ、「作業継続の指示は、事業者が作業 員の被ばく線量を可能な限り低く抑えるように求めている労働安全衛生法に違反している」と説明した。作業を発注した東電も「違反行為を防ぐために必要な措 置を講じておらず同法に違反する」とした。
 記者会見に臨んだ元男性作業員は「告発が原発事故の収束作業に当たる全作業員の安全確保に向けた取り 組みの契機になってほしい」と訴えた理由を説明した。弁護団の水口洋介、山添拓両弁護士は「多重下請けで安全対策がおろそかになっているのが現状だ。東電 と関電工の責任を追及して、労働環境が改善するよう対応を求めたい」と語った。

東日本大震災:福島第1原発事故 「高線量下、対策怠る」 孫請け元作業員、労基署に申告

毎日新聞 20121102日 東京朝刊
 東京電力福島第1原発事故の収束作業に従事した福島県いわき市の元原発労働者の男性(46)が1日記者 会見し、東電と作業を請け負った関電工(東京都港区)を労働安全衛生法違反に当たるとして福島県・富岡労働基準監督署に申し立てたことを明らかにした。男 性は「高い放射線量下で安全措置がおろそかな状態で働かされた。少しでも安全な働き方を考えてもらえれば」と訴えた。

 ◇東電などに是正求める

男性はいわき市の電器メンテナンスの会社に所属。東電が発注し、関電工が元請けとなった仕事の2次下請けだった。昨年3月24日に3号機のタービン建屋内で、電源ケーブル敷設作業に当たった。
 申告書や男性によると、作業前に「線量が若干高いが作業に支障はない」との説明を受け、被ばく線量計を毎時20ミリシーベルトに設定して作業に入った。だが、実際には建屋地下には高濃度の汚染水がたまり、数分で線量計のアラームが鳴り始めた。
 東電の作業グループは地下の空間線量を測定し、「線量が毎時400ミリシーベルトを超えている」と現場 から撤収したにもかかわらず、男性らの作業は続行された。男性は長靴を履いておらず、たまり水に危険を感じたことから地下の作業を拒否。最終的に作業は全 体で40〜60分行われ、関電工と1次下請けの3人は地下での作業を行い、1回の作業で173〜180ミリシーベルトを、男性は11・15ミリシーベルト を被ばくした。
 申告書では、関電工が高線量の場所にとどまって作業を続けさせるなど安全対策を怠ったこと、東電は違反 行為を防止する措置を怠ったことが労働安全衛生法違反に当たるなどとして、線量管理のあり方の是正などを求めている。男性は「今年3月以降は会社から仕事 もなく実質的に解雇された。原発の末端で働く者は危険な状態で働いていても訴える機会もなく、使い捨てられる」と述べた。
 関電工は「詳細を知らないが、労基署の判断に従いたい」とコメントした。東電広報部は「復旧作業にあたり高線量の被ばくをした労働者には申し訳なく思っている。労基署の求めがあれば真摯(しんし)に対応したい」と話している。【東海林智】

原発作業員が訴える“違法な安全管理”

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 東京電力の社員は撤退したのになぜ雇われた自分たちには撤退の指示がなかったのか?福島第一原発の事故直後、高い放射線量の中で作業にあたった作業員の1人が会見し、労働安全衛生法に違反する違法な作業だったと訴えました。
 この映像が撮られた翌日の3月24日。事故から2週間がたっていましたが、爆発や火災が相次いだ現場では高い放射線との戦いが続いていました。そして・・・
 「協力企業の作業員3名に約170ミリシーベルト以上の線量を確認。うち2名は両足の皮膚に汚染を確認したため、現在病院に搬送中」(東京電力の会見、去年3月24日)
 3号機のタービン建屋の地下で電源ケーブルを敷設する作業をしていた作業員3人が極めて高い放射性物質を含む「汚染水」に足をつけ、被ばくしたのです。
 3人は病院に運ばれ、最大で238ミリシーベルトの被ばくをしたことが明らかになりました。このときに被ばくした3人とともに、現場で作業にあたっていた男性が、1日、事故後初めてカメラの前に立ちました。
 「(当時の状況は) やばいやばいという感じ。崩れてくるんじゃないかとか、中で爆発が起きるんじゃないかとか」(3人とともに作業をしていた男性)
  男性によりますと当時、東京電力の社員による作業班も近くにいましたが、3号機の地下で毎時400ミリシーベルトという高い放射線量を計測したため、現場 から撤退したといいます。しかし、男性の作業班には撤退の指示がなく、危険を感じた男性は汚染水につかる作業は拒否。それでも11ミリシーベルトを超す被 ばくをしました。
 「東電の社員の方は『とんでもない線量がある。400ミリシーベルト(毎時)を超えている』と。もう一声でチームの リーダーが 『撤収』という形で足早にその場を立ち去った。(私たちの班は)言ってることに聞く耳を持たず、そのまま作業は継続されました」(高線量被ばくした3人と 作業をしていた男性)
 男性は、関電工が「被ばくを最小限に抑えるような措置をせず、安全管理を怠っていた」として労働安全衛生法違反で告発するよう福島県の労働基準監督署に申し立てました。また東京電力に対しても、福島第一原発で働く全ての労働者の安全対策を徹底させるよう求めました。
  「危険作業はルールを守ってやらないと、これからの人も大変なことになる。私ら、いちばん下の末端の人たちはなかなか口を大きく開けて、問題を言うことが できないので、これを機会に下の人間がモノを言えて、安全に仕事ができるようになればいい」(高線量被ばくした3人と作業をしていた男性)
0116:28

高線量下の作業「違法」 福島第1元作業員、是正申し立て

2012/11/1 20:02
東京電力福島第1原発事故の収束作業を巡り、高い放射線量の中で作業をさせたのは違法として、元作業員の男性(46)が、元請け業者の関 電工と東京電力に是正措置を取るよう福島労働局富岡労働基準監督署に申し立てたことが1日、分かった。代理人の弁護士が明らかにした。申告は1030日 付。
 弁護団によると、男性は福島県いわき市の設備メンテナンス会社の従業員だった昨年3月24日、3号機タービン建屋内で関電工の社員らとともに電源ケーブルの敷設作業にあたった。
 建屋の地下にたまり水があり、毎時20ミリシーベルト以上で設定した警報付き線量計(APD)が作動したが、関電工の社員ら3人は地下に 入って作業。男性は地下に入ることを拒否した。同じ建屋にいた東電のチームは地下で毎時400ミリシーベルトの線量を計測して撤収したが、男性らには撤収 を指示しなかったという。
 作業時間は40分程度で、男性の被曝(ひばく)線量は11ミリシーベルト。地下に入った3人の中には被曝線量が200ミリシーベルトを超えた人もおり、そのうち2人は作業後に緊急搬送された。
 弁護団は放射線業務の被曝線量の上限が年50ミリシーベルトであることなどから、関電工の対応が労働安全衛生法に違反するとし、労基署に処罰するよう告発。東電も労災防止の対応をしなかったとして、是正措置を求めている。
 関電工の話 申告内容を把握していないが、たまり水の存在は事前に分からず、空間線量が高いことも作業終了後に判明した。
 東京電力の話 詳細を把握しておらずコメントは差し控えたい。労基署から要請があれば真摯に対応する。

福島第1原発内、高線量下で作業 東電、関電工に是正申告

 東京電力福島第1原発事故直後に復旧に当たった元作業員の男性(46)=福島県いわき市=が1日までに、放射線量が高いのに管理を適切にしなかっ たのは労働安全衛生法違反として、東電と作業を請け負った関電工(東京)に是正を求め、富岡労働基準監督署(福島県)に申告した。
 関電工に対する申告は刑事罰を求める告発に当たる。
 申告書によると、男性は昨年3月24日、第1原発3号機の建屋内で、計6人で電源ケーブルの敷設作業をした。内訳は関電工の社員2人、1次下請けの社員1人、2次下請けの社員が男性を含む3人。
 建屋地下に入ると、線量計が 20ミリシーベルトを超えたことを知らせる警報音が鳴ったが、関電工の社員が「誤作動の可能性がある」として作業の継続を指示した。
 地下で汚染されたたまり水を発見し、男性を含む2次下請けの3人は「高線量被ばくの危険がある」として作業を拒否。関電工と1次下請けの計3人はたまり水に入り作業を続けた。
 (共同通信)
2012/11/01 19:20

元原発作業員 関電工を告発

111181

元原発作業員 関電工を告発

東京電力福島第一原子力発電所で、事故直後に対応に当たった元作業員が、放射線量が高い現場と知りながら作業を続けるよう指示されたと主張して、作業を請け負った関電工を労働安全衛生法違反の疑いで労働基準監督署に刑事告発しました。
告発したのは、福島第一原発で去年3月から4月にかけて作業に当たった福島県いわき市に住む46歳の元作業員の男性です。
1日会見した男性や代理人の弁護士によりますと、男性は、東京に本社がある関電工の下請け企業の社員として、事故直後の去年3月24日、関電工の社員ら5人と共に、福島第一原発の3号機の原子炉タービン建屋で、地下に電源ケーブルを敷く作業に当たったということです。
建屋の地下には水たまりがあり、同じ場所にいた東京電力の作業員は、空間の放射線量が1時間あたり400ミリシーベルトと計測されたため作業をせずに撤退しましたが、男性らは関電工の作業員から一緒に作業を続けるよう指示されたと主張しています。
男性は地下で働くことを拒否し、主に1階で1時間ほど作業しましたが、およそ11ミリシーベルト被ばくしたということです。
このため、男性は、放射線量が高い現場と知りながら作業を続けるよう指示されたと主張して、関電工を労働安全衛生法違反の疑いで労働基準監督署に刑事告発しました。
また、作業を発注した東京電力についても、作業員の安全を確保する必要な措置を怠ったとして労働基準監督署に是正を指導するよう求めました。
男性は「福島第一原発で働く作業員が、私のように危険な目に遭うことなく安全に仕事ができるよう改善してほしい」と話しています。
今回の告発について、関電工は「作業が終わったあとで、東京電力の作業グループから空間の放射線量が高いことを知らされ、一緒に撤退したと認識しており、作業を行った時点では線量が高いとは認識していなかった。労働基準監督署の調査には真摯に対応したい」と話しています。
また、東京電力は「詳細が分からないのでコメントできないが、引き続き安全対策を徹底したい」と話しています。

ワカサギ釣り:今年は大ぶり 福島・檜原湖で解禁

毎日新聞 20121101日 2246分(最終更新 1101日 2257分)
温室のようにビニールを張ったドーム船内の溝から湖面に糸を垂らし、ワカサギを釣り上げる釣り人ら=福島県北塩原村の檜原湖で、乾達撮影

福島県北塩原村の檜原湖(ひばらこ)で1日、ワカサギ釣りが解禁された。釣り客はイカダにビニールハウスを乗せた格好のドーム船内で釣りを楽しんだ。体長は例年より大きめの12センチ前後で、1日で300匹近く釣った人もいた。
 湖は福島第1原発から約90キロ離れているが、昨年の漁期にワカサギから暫定規制値(1キロ当たり 500ベクレル)をやや下回る放射性セシウムが検出された。例年約7万人が訪れるワカサギ釣り客は3割減り、今年は基準値が同100ベクレルと厳しくなっ た。檜原漁協組合長の遠藤栄久さん(64)は「心配した」というが、8月の検査では同31ベクレルだった。遠藤さんは「2週間ごとに検査を続けるが、この まま行ってほしい」と話す。
 同県郡山市から来た五十嵐三雄さん(63)は「甘みがあっておいしく、近所に配ると喜ばれた。今は放射能を気にしないか確認しないと」と話していた。
 湖面が凍結する来年1月下旬からは穴釣りも楽しめる。【乾達】

原発に頼らない未来語る上映会 11月5日、春日で

20121102
 地域での脱原発やリサイクル運動を進めている環境活動家、 田中優さんの講演会 「原発に頼らない未来のためにできること」 を収録したDVDの上映会が、 11月5日午後6時半から春日住民センター (丹波市春日町黒井) で行われる。 憲法たんば (0795・73・3869) などの主催。
 福島の原子力発電所の事故と影響、 放射性物質から身を守るためにできること、 自然エネルギーの可能性などを語る。
 来年1月24日午後6時半から篠山市民センター (黒岡) で田中さんの講演会 「原発に頼らない社会へ」 を開催することが決定し、 その事前企画。 参加無料。
 

破砕帯

 破砕帯 地震の揺れなどで岩盤に生じた亀裂。岩石が砕かれるため岩盤の強度が落ち、地層が動き やすくなる場合がある。現行の原発の耐震設計審査指針では、12万~13万年前以降に動いた形跡があれば破砕帯も活断層と見なされ、その上に安全上重要な 施設は設置できない。東日本大震災の後、大飯原発や日本原子力発電敦賀原発、北陸電力志賀原発などで破砕帯が動く可能性が浮上。従来の審査が不十分だった との指摘が出ている。(2012/11/02-08:31

関西電力大飯原発

 関西電力大飯原発 福井県おおい町にある関電最大の原発。1979年運転開始の1号機から93 年開始の4号機まで加圧水型軽水炉が4基あり、総出力は471万キロワット。東京電力福島第1原発事故の後、「原発ゼロ」の状態が2カ月間続いたが、政府 は夏場の電力需給への懸念などを理由に7月、大飯3、4号機を再稼働させた。(2012/11/02-08:37

憲法の精神、置き去り 公布あす66年

20121102
浪江町から避難した柴田明範さんは日に10種類の薬を飲み続けている=二本松市内の仮設住宅
●原発事故被災地から考える
 日本国憲法が公布されてから3日で66年を迎える。東京電力福島第一原発の事故のあと、個人を尊重し、個人の権利を保障する憲法の精神が、置き去りにされてはいないか。福島から憲法を考える。
●描いていた将来像崩れ
 生まれ育った故郷に戻って暮らしたい。原発事故後、避難生活を送る大浦悦子さん(69)はそう願う。「潮風を受けたい。故郷だからね、大熊に帰りたい」
 大熊町から約100キロ離れた会津若松市の仮設住宅で、独り暮らし。震災から1年7カ月がすぎた。町は警戒区域に指定されたまま、自由に行き来できない状態が続いている。
 大浦さんには、大切な場所がある。第一原発から3・5キロの高台にある30アールの畑だ。津波で自宅が流されたあと、家族6人で再起を図ろうとした土地だ。近くに先祖が眠る墓もある。
 大浦さんは今年8月、新聞報道を見て驚いた。自分の土地が、国の中間貯蔵施設の候補地に挙げられていたからだ。施設の建設が決まれば、長く戻ることはできない。「地権者の私たちには、計画があることさえ知らされていない。説明もない。順番が逆」と憤る。
   ◇
 本格的な柿の収穫期がやって来るが、伊達市梁川町の林哲也さん(74)の表情は晴れない。「草を刈るのも、肥やしをやるのも、力が入んねえんだ」
 ニット製造をしていたが14年前、「自分のペースでできる」農業を始めた。トマトやエンドウ豆などの野菜を育て、90年以上の歴史を持つ特産の「あんぽ柿」作りに力を入れてきた。
 首都圏の市場に出荷するなど経営が軌道に乗り、震災前年に過去最高の売り上げを記録。これからと思っていた矢先、放射性物質で土地が汚された。
 「後継ぎの長男とケンカしながら楽しくやるつもりだったんだ」。あんぽ柿は先月、2年連続での出荷自粛が決まった。描いていた将来像が崩れた。「産業がこのままなくなるんじゃないかって不安がある。目の前は真っ暗なのね」
●故郷追い出された難民
 原発事故で浪江町から二本松市の仮設住宅へ避難してから、柴田明範さん(46)は、精神安定剤が手放せない。
 仮設住宅に入った直後の昨年7月。めまいに突然襲われ、救急車で病院に運ばれた。気分が落ち込みやすくなり、夜中に目が覚める。今は心療内科に通う。
 はっきりした原因は分からない。ただ、「こんな根無し草みたいな生活していたら誰だっておかしくなる」。
 原発から約30キロの浪江町津島地区の自宅にはまだ、約500万円のローンが残る。東電から精神的損害の賠償として受け取る月10万円の うち、9万円はローンの支払いに消える。9人の大家族は柴田さんを含む5人が働いていたが、原発事故で全員が職を失った。今は三男がアルバイトに出ている だけ。賠償はあるが、収入は激減した。
 高線量の自宅にいつ戻れるか分からず、将来に向けて蓄えをする余裕もない。「おれらは避難民じゃなくて、故郷を追い出された難民だ」。柴田さんの口調は強くなる。
 東電からの賠償は日々の生活費に消え、体調を崩す人が増えている。仮設住宅では6月、元気だった60代の男性が心臓発作で突然亡くなった。
●必要な情報提供されず
 昨年3月12日夜。浪江町津島地区には、住民約5千人が原発の爆発を知って逃げてきた。浪江町川添地区から避難した女性(47)は、この場所に大量の放射能が降り注いでいることを知るよしもなかった。
 事態の異常さに気づいたのは、翌日に二本松市の県男女共生センターを訪れたときだ。双葉厚生病院からヘリで搬送された父(当時77)に会いに駆けつけた。白い防護服姿の自衛隊員が、普段着姿の住民の外部被曝(ひばく)量を調べていた。
 「私たちは何も教えてもらえないまま、ただ被曝させられていたんだ」。当時のことを思い返すたび、みじめな気持ちになる。政府が繰り返した「ただちに健康に影響はない」という言葉がむなしく聞こえた。
 国、県、東電は住民が必要とする情報を提供しているのか――。昨秋、県の甲状腺検査を受けた高校2年の長女(17)に、小さな嚢(のう)胞が見つかった。検査結果に「問題はありません」とだけあった。医学的な根拠を県立医大に尋ねたが、同じ言葉が返ってきた。
 将来、自分や子どもの体に異変が起きたら、国や県はどう責任を取るつもりなのか。「原発事故との因果関係を認めてもらえないんだろうけど、こっちには反論するための情報もない」

原子力災害対策指針

20121102

時間かけ防災計画づくりを
 原子力規制委員会は、原発事故時の防災対策の枠組みとなる新たな原子力災害対策指針を決めた。
 避難に備える「原子力災害対策重点区域」の目安を、現行の原発の半径10キロ圏から30キロ圏に拡大。関係自治体は15道府県45市町村から21道府県135市町村になり、対象人口も72万人から延べ480万人に増える。
 「原発で大事故は起こらない」との安全神話から脱却し、日本でも本格的な原子力防災態勢を整える上での重要な一歩となる。
 委員会が指針決定までに費やした時間はわずか1カ月余り。議論不足や抽象的な内容を批判する声もある。東京電力福島第1原発事故後に高まっている周辺住 民の不安に向き合い「原発再稼働のための拙速な取り組み」と批判されないよう、時間をかけて自治体や市民との議論を深める必要がある。
不安の声が出て当然
 新たな指針は、メルトダウン(炉心溶融)に至るような大事故が発生した場合への備えが不十分だったことが、被害を拡大させたとの反省に立ってまとめられた。
 指針を受け、関係自治体は具体的な住民避難の方法である地域防災計画を来年3月までに策定することになっている。
 だが指針には抽象的な表現も多く、原発敷地以外での放射線量など避難の判断基準や緊急被ばく医療の在り方、ヨウ素剤を事前に配布するかどうかなど先送りされた部分も少なくない。
 これでは「実際の計画策定には不十分だ」との不安の声が関係自治体から出ても当然だ。市民や自治体の意見を聞く努力も十分だったとは言えない。市民団体などからは「原発再稼働に向けた指針ではないか」との批判も聞かれる。
大飯原発停止考慮に
 指針決定の前に規制委が示した放射性物質拡散予測が専門機関任せで検証が不十分なまま公表され、多くの誤りがあったことも市民の不信を増大させた。
 周辺住民が抱えるさまざまな不安に応えるだけの、実効ある防災計画の確立なしに、原発の再稼働などあり得ない。また、これができない原発には廃炉の道しかないだろう。
 今回の指針決定以前に、不透明な形で再稼働された関西電力の大飯原発34号機についてもこの際、停止させることも考慮に値する。
 防災計画の不備によってどのような形で被害が拡大したのかの検証も進んでいないし、高齢者や病院など災害弱者への対応をどうするかなど、課題は山積している。
 その中でなぜ、これほどまでに急いで指針を決定しなければならなかったのかについての説明は不十分だ。
 計画策定を地方自治体任せにすることなく、市民を含めた意見交換の場などを設け、じっくりと時間をかけて今後の具体的な防災計画づくりに貢献することが、規制委の大きな責任である。

【栃木】

復興へ 選択の秋

2012112

 一日に告示された知事選は、三選を目指す無所属現職の福田富一氏(59)=自民、公明推薦=と、元県議で共産新人の野村節子氏(59)が届け出を 済ませ街頭で第一声を上げた。早速、原発問題や指定廃棄物の最終処分場問題をめぐり、熱のこもった主張を展開。東日本大震災後の方向性を問う舌戦の幕が開 けた。(神田要一、磯谷佳宏)

◆風評被害払拭する 福田富一氏(59)

<公約>県民とともに、チームとちぎの力で震災を乗り越え老いも若きも、障害のある人もない人も共に輝き人が笑顔で集う日本一元気な栃木県を目指す。
 「県北は原発事故による放射性廃棄物が各地に分散している。そういったことが風評被害に結び付いている側面もある」
 三選へのスタートの地に、放射線の影響が今も残る県北部の大田原市を選んだ福田氏。告示直前まで対応に当たった指定廃棄物の最終処分場問題を自ら切り出し「風評被害の払拭(ふっしょく)と併せ、処分場も県内にどこか一つは造らなければならない」と強調した。
 震災後の選挙を意識し、防災や減災対策の説明に多くの時間を割いた。「(完成から)五十年以上になる橋は、十五メートル以上に限ると(県内に)約 二百八十もある。あと十年で架け替える」。強度の高い施設を整備していくだけでなく、被災者への資金面の支援策も充実させるとした。
 このほか、県の平均寿命は男女とも全国下位にあると紹介し「健康長寿の栃木県を目指していくのは大きな課題」。平均寿命の下位から脱した長野県を引き合いに、食事の減塩や、体を動かすことを提唱。「みんなが元気に百歳を迎えられるように」と呼び掛けた。
 応援に駆けつけた自民党県連の茂木敏充会長、上野通子、三原じゅん子両参院議員らを前に「32・28%という四年前の投票率を上回る」とも宣言した。

◆即時原発ゼロ強調 野村節子氏(59)

<公約>地元の仕事と雇用を増やし、くらし、福祉にあたたかい県政の実現。原発ゼロの実現を求め、消費税増税やTPPなど国の悪政にはきっぱり反対。
 「原発再稼働を容認し即時原発ゼロが言えない知事では、県民の命も、地域経済も守れない」。宇都宮市の東武宇都宮駅前で、第一声に臨んだ野村氏は選挙カーの上から、福田氏を痛烈に批判し対決色を鮮明にした。
 「原発事故が再び栃木県を襲うようなことがあってはならない。県民は大きな不安を抱いている」と指摘。「東海第二原発からわずか三十二キロにある県として、即時原発ゼロを発信していきたい」とトーンを上げると聴衆から拍手が飛んだ。
 ホットスポットや、学校給食の安全確保に向けた食品などの調査を徹底していく方針を掲げた。「農業や観光への原発事故の影響を最小限に抑え、除染は放射線量の高い、低いにかかわらず進めていきたい」と訴えた。
 加えて、環境省に対して「住民合意のない矢板市への指定廃棄物最終処分場の選定は『白紙撤回』させ、一からやり直しを求める」と強調。処分場問題でも、福田氏の姿勢とは一線を画す立場を前面に出した。
 「国と東電の責任ある対応を求め、県も市や町を親身に支援する」。会場には共産党の塩川鉄也衆院議員らも激励に訪れる中、野村氏は「安心して住み続けられる栃木にしたい」と語気を強めた。

電気値上げ 家計にツケを回すな

2012112

 関西、九州電力が値上げの検討に入った。北海道電力なども追随する見通しだ。原発に代わる火力発電の燃料費増が理由という。世界最高値で買ってツケを消費者に回す商慣習は改めねばならない。
 原発を再稼働しないと財務体質が悪化する-。八木誠関電社長は赤字を計上した中間決算を念頭に値上げ理由をこう説明した。東京電力の福島第一原発事故を境に一時は全原発が運転を停止し、再稼働できたのは関電大飯原発の二基にとどまる。
 電力供給の約半分を原発に頼っていた関電は、火力発電用液化天然ガス(LNG)などの燃料費が前年より六割膨らみ、他社からの電力購入費も増えた。北陸と沖縄を除く八社の中間決算の赤字額は計六千七百億円に上る。
 しかし、燃料費が増えたからといって、家庭や企業などが簡単に値上げを受け入れるだろうか。
 九月、枝野幸男経済産業相が産ガス国と消費国による東京での「産消対話」で産ガス国にLNG値決め方式の見直しを求めた。この発言こそ、LNG輸入が抱える問題点を的確に言い表している。
 日本は一九七〇年代の石油危機を機に、LNG価格を原油価格に連動させる方式でカタールなどと長期輸入契約を結んできた。天然ガス液化施設などに投じた資金の早期回収を求める産ガス国と、安定確保に期待する日本。そこで互いに折り合ったのが原油連動だ。
 ところが、LNGの需給状況を直接反映せず、原油価格が上がればLNGも上昇するので、日本は高値づかみから逃れられない。
 九月は百万BTU(英国熱量単位)十七ドルの日本に対し、欧州は十二ドル。自由取引とは無縁の原油連動方式と、市場で価格が決まる欧州との決定的な違いでもある。
 年間一兆五千億円を産ガス国に支払っている東電を例にとると、欧州価格ならば四千億円も節約でき、値上げ幅の圧縮が可能だ。
 今や米国を中心に地中の岩盤からガス・原油を採取するシェール革命が世界規模で起きている。
 日本も中部電力と大阪ガスが米国からの共同調達を、東アフリカなどでは商社が外資と組んで開発計画を推進中だ。十ドル前後で調達できるとされ、これを「武器」にすれば、遠くない時期に、既存の産ガス国との交渉で値下げを迫れるようになる。
 政府も安いLNGの流通を目指し、アジア市場の設立を主導すべきだろう。燃料費増による安易なツケ回しに終止符を打つときだ。

原発の建設是非 国民投票実施へ 来年、ブルガリア

2012112日 朝刊

 【ベルリン=宮本隆彦】ブルガリアで国内二カ所目となる原子力発電所建設の是非を問う国民投票が来年一月二十七日に実施されることが決まった。議会の決定を受け、プレブネリエフ大統領が十月三十一日に日程を発表した。
 ブルガリアでは、ルーマニア国境と重なるドナウ川沿いの北部コズロデュイ原発で二基の原子炉が稼働中。政府は三月、同じ北部ベレネでの原発建設計画について、「費用が掛かりすぎる」と中止した。
 しかし国民の間では「原発は電気料金を抑制する」との認識から、原発への支持が強い。このため野党の社会党は建設中止に反対する立場から国民投票を要求。議会は十月二十四日に賛成多数で実施を決めた。
 国民投票の成立には、投票率が二〇〇九年の前回総選挙の60%を上回る必要があり、成立は難しいとの見方もある。
 リトアニアでは十月十四日、日立製作所が事実上受注したビサギナス原発の建設をめぐって国民投票があり、建設反対が六割を超えた。
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原発事故、1万人が追及 東電幹部らを2次告訴・告発へ


【本田雅和】福島第一原発事故をめぐり、東京電力幹部や政府関係者らの刑事責任の追及を求めている「福島原発告訴団」が15日、福島地検に1万人超で第2次の集団告訴・告発をする。賛同者を全国各地で集め、「民意」として捜査を迫る考えだ。
 告訴団は、事故当時に福島県内に住んでいた1324人の告訴・告発状をとりまとめ、6月に第1次分として福島地検に提出。東電の経営陣や政府官僚、学者 ら計33人について、安全対策を怠ったり間違った情報を流したりした結果、住民を被曝(ひばく)させた業務上過失致死傷などの疑いがあると訴えた。福島地 検は8月にこれらを受理し、東京地検とともに捜査を始めている。
 第2次の告訴・告発への参加者は、団長の武藤類子さん(59)らが全国を回って募ってきた。「未曽有の被害を出した原発を推進し、被曝を拡大させた人た ちの刑事責任を問うことこそ民意だと示してほしい」と訴え、約1万850人が集まった。北海道から沖縄県まで全国に及ぶという。

東日本大震災:福島第1原発事故 透析で避難、賠償を 患者団体、東電に請求

毎日新聞 20121102日 東京朝刊
 東京電力福島第1原発事故による賠償を巡り、患者団体の福島県腎臓病協議会(会員約1700人)は1 日、東電福島地域支援室に「避難区域内外問わず、患者への損害賠償を支払うべきだ」とする請求書を手渡した。避難区域外でも、かかりつけの病院で人工透析 が受けられず、県外避難などを強いられた透析患者が少なくない。
 腎臓の機能が低下した患者の多くは2日に1度程度、人工透析を受け、透析を続けられないと生命の危険がある。福島県いわき市では看護師らが避難し、病院が閉鎖されるなどしたため、透析治療が続けられなくなった患者ら約600人が東京などへ集団避難した。
 同市は避難区域ではなく、現行の賠償の枠組みでは「自主避難」扱いとなる。文部科学省の原子力損害賠償 紛争審査会が1人8万円の支払いを定めているだけで、同協議会の吾妻政光会長は「命の危険にさらされた患者にとって受け入れられる額ではない」としてい る。また、避難しなかった患者も、治療回数が減ったり、透析時間が短くなるなどしたという。【泉谷由梨子】

この国と原発:第7部・メディアの葛藤/9 マスコミOB・東電、訪中ツアー 本人の負担は5万円

毎日新聞 20121102日 東京朝刊
 東日本大震災で東京電力福島第1原発が止まった昨年3月11日、同社の勝俣恒久会長(72)と鼓(つづ み)紀男副社長(66)=いずれも当時=は、毎日新聞を含むメディア関係者らとのツアーで中国・北京にいた。「週刊文春」3月31日号の記事をきっかけに 「東電による接待旅行だったのでは」との疑問の声が上がった。実際はどうだったのか。
 ツアーの実質的な主宰者は石原萌記(ほうき)・日本出版協会理事長(87)。社会党右派出身で、左翼陣 営に対抗して自由主義を掲げ、1950年代から文化人の組織化や日米交流などの活動をしていた人物だ。その活動を当時の東電社長、木川田(きがわだ)一隆 氏が支援し、後に経団連会長となる平岩外四(がいし)氏が総務課長として連絡役を務めた。
 「日本の政財界、マスコミ界と中国の指導者層が定期的に交流する機会を作りたいと考え、平岩先生の協力 を仰いだのです」。石原氏によれば、親しい元中国人留学生から「日中交流事業をしたい」との要望があり、平岩氏に相談。01年にこのツアー「愛華(あい か)訪中団」が始まった。毎年1回、10〜20人前後が参加した。「人選は全て私の判断」と石原氏は言う。

湯の街 風評のち薄日 老舗旅館ようやく再開 福島・土湯


営業再開で宿泊客を出迎える佐久間さん(左から2人目)=1日

 東日本大震災と福島第1原発事故で休業した福島市の土湯温泉の老舗旅館「向瀧 (むかいたき)旅館」が1日、営業を1年8カ月ぶりに再開した。同温泉の旅館は原発事故の風評被害で全体の3分の1以上が休廃業し、関係者は名門旅館の再 起を温泉街復活の兆しと期待する。ただ利用客の低迷は続き、経営環境は依然厳しい。
 「待ちに待っていたよ」「活気が戻るね」。再開初日、常連客が次々に訪れ、出迎えたおかみの佐久間郁子さん(57)に言葉を掛けた。この日の宿泊客は約150人で50室全てが埋まった。
 旅館は創業90年。震災の揺れで大規模半壊し、休業した。ことし6~10月に修復工事し、再開にこぎ着けた。
 佐久間さんは「昔から愛用してもらっているお客さまのために再開した」と話す。地元業界は「休廃業した旅館の中では初の営業再開で、温泉街に人が戻る機運が高まる」と当て込む。
 土湯温泉は飯坂、高湯温泉と並ぶ福島市の3大温泉の一つ。ほかの二つに比べて原発事故に伴う利用客の減少が著しい=表=。旅館16軒中6軒が休廃業した。
 関係者の話では、主に首都圏の団体客目当てに営業したのが裏目に出て、風評被害の打撃を受けたという。飯坂温泉は復旧作業員の宿泊先としての需要があり、高湯温泉は個人客中心で目減りを最小限に食い止めている。
 土湯温泉観光協会の池田和也事務局長は「客足が戻ったとは言えないが、放射線量が低い安全性をアピールして温泉街全体の復活につなげたい」と語っている。



20121102日金曜日
国内電力各社、相次ぎ料金値上げへ
12/11/02
 北海道・東北・四国・九州の4電力は、電力料金値上げの検討に着手したことを明らかにした。4社の社長が第2四半期決算の発表時に表明し たもので、実施に踏み切れば国内10電力のうち6電力が料金値上げとなる見通し。さらに値上げ実施済みの東京電力、値上げ検討を公式表明した関西電力な ど、製造業が集積している多くの地域で電力コストが上昇することで、日本のものづくりは岐路にさしかかることになりそうだ。
 北電・東北電・関電・四電・九電はそれぞれ値上げ幅や実施時期を明らかにしていないが、家庭向けは10%、企業向けはそれ以上の上げ幅になるとみられる。実施時期も規制部門の申請を年度内に行い、来年4月をめどに料金を引き上げる公算が強い。
 一方、中部・北陸・四国・沖縄の4電力は、原子力発電の比率が低いため(沖電管内は原発なし)、値上げは見送る方針。
 関電大飯原発を除く国内の原発は、いずれも再稼働のめどが立っていない。このため火力発電や他社からの融通に依存せざるを得ず、火力発電の燃料費高騰、 他社からの電力買い入れで発電コストが急増している。第2四半期連結決算も、東電が3000億円に迫る四半期損失を計上したのをはじめ、関電・九電が 1000億円以上、北電・東北電・四電も数百億円の四半期最終赤字を計上している。
 このため各社とも経営状態が急速に悪化。今後、安定的に電力を供給するには採算改善が不可欠として、値上げの検討を開始したもの。各社ともコスト削減を進めているが追いつかないのが実情で、料金値上げは不可避の情勢となりつつある。
 ただ、溶接接合・切断などでは多大な電力を要することから、料金値上げは重大な影響を及ぼすことが確実。電力コストの安い地域で生産活動を行う動きが強 まるほか、海外への製造拠点移管も一層加速すると思われる。溶接接合・切断需要も縮小していくことが懸念され、各社も戦略の転換を迫られる可能性が高い。

「原発避難計画、両県一体で」 鳥取、島根知事

2012/11/2 6:05
鳥取県の平井伸治知事は同県の境港、米子両市長と1日、島根県庁を訪れ島根県の溝口善兵衛知事らと中国電力島根原子力発電所(松江市)で の事故を想定した広域避難計画などを巡って意見交換した。平井知事は「両県一体となって進めるべきだ」とし、鳥取県で島根県側からの避難者1万5000人 分の受け入れ先を用意していることなどを明らかにした。
 平井知事は交通渋滞対策や要援護者の輸送などで困難な課題が多いとし、両県が共同でシミュレーションをすることを提案。また、国に自衛隊の活用などを働き掛けていく必要があるとした。
 溝口知事は「(避難ルート確保や渋滞対策など)共同でやっていく必要がある」として平井知事の提案に理解を示した。島根原発から約9キロに 位置する県庁に隣接しているオフサイトセンターに関しては、放射線を遮蔽できるような改修や、食料などの備蓄設備の整備をする考えを明らかにした。

規制委 大飯原発で断層を初めて現地調査

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規制委 大飯原発で断層を初めて現地調査

国内で唯一運転中の福井県の大飯原子力発電所で、国の原子力規制委員会は、原発の敷地を走る断層が活断層かどうかを検証する初めての現地調査を2日、行います。調査の結果によっては大飯原発は運転ができなくなることから、規制委員会の判断が注目されます。
大飯原発には、2号機と3号機の間の地下に長さおよそ900メートルの「F-6破砕帯」と呼ばれる断層があり、原子力規制委員会の島崎邦彦委員や学会から推薦された専門家4人が調査に参加します。
島崎委員らは2日の調査で、関西電力が行った地面を掘って断面を見るトレンチ調査などの現場を訪れ、「破砕帯」を調べたうえで、4日の会議で活断層かどうかを評価することにしています。
規 制委員会は、去年3月の巨大地震を受けて、電力会社などが破砕帯を調べている大飯原発を含む全国6か所で現地調査を行う計画で、今回が初めての調査となり ます。国の耐震設計の指針では、活断層の真上に原発の重要な設備を設置することを認めておらず、調査の結果によっては国内で唯一運転している大飯原発は運 転ができなくなります。
これに対し関西電力は先月31日、「F-6破砕帯」について「現時点では活断層とはみられない」とする中間報告をまとめていますが、断層を想定どおり確認できておらず、疑問が残る結果になっていて、規制委員会の判断が注目されます。

高島市検討委が原子力防災対策素案

高島市の原子力災害対策計画検討委の第3回会合が1日、市高島支所で開かれ、市地域防災計画の素案が示された。市内や近隣で震度4以上の地震が発 生した場合、福井県内の原発の状況について情報収集することや、来春、国が設置するモニタリングポストについて、マキノ観光会館や今津西・東両小、朽木支 所の4か所を候補地とすることなどが盛り込まれた。
 素案によると、放射性物質の到達が予想される事態になった場合、まず市長が防災無線を通じて「屋内退避」を住民に指示。退避期間はとりあえず2日 間以内とし、その後5日間は、市南部など、県が示す43キロ圏外にある広域避難所に移動することを基本とした。住民や防災業務にあたった職員、消防団の健 康管理のため、事故発生当初に行動記録票を配り、被曝(ひばく)量も管理する。
 体調の悪化や関連死を防ぐため、避難所生活が1か月以上続く場合は、県に対し、仮設住宅の建設や公営住宅の入居あっせんを要請するとした。
2012112日  読売新聞)

原発の命運握る「破砕帯」 規制委、大飯きょう調査


 国内で唯一稼働している関西電力大飯原子力発電所(おおい町)で2日、重要施設を横切る断層「破砕帯」が活断層かどうか確かめる原子力規制委員会 の現地調査が行われる。調査団には危険性を訴える専門家も参加。「問題なし」とする関電の主張が覆される可能性もある。活断層と判断された場合、規制委は 運転停止を求める方針で、原発の命運を決める調査結果に注目が集まる。(島田喜行)
◇海水管トンネル
 問題の破砕帯は、2棟の原子炉建屋の間を南北に走る「F―6破砕帯」(長さ900メートル)。3、4号機に冷却用の海水を引き込む「海水管トンネル」を横切る。断層が動くと、トンネルが損傷する恐れがある。
 関電は3、4号機の増設を目指し、1982~83年に建屋南側で地面を掘るトレンチ調査を行った。その結果、活動した痕跡がなかったとして「活断層ではない」と結論づけ、国も追認した。
 だが、活断層の専門家で、東洋大の渡辺満久教授が今年6月、調査時のスケッチに、地震時にもできる粘土層や段差が描かれていると指摘。周辺の活断層と連動する恐れがあると訴えた。
 一方、7月に原子力安全・保安院(当時)が開いた専門家会合では「活断層ではない」との意見が大勢を占めたものの、「資料が足りない」として、関電に追加調査を指示した。
◇4日にも判断
 関電は8月から、敷地内の10地点でトレンチ調査などを実施。10月末の中間報告では、破砕帯の断層面が粘土質ではなく、固着していることを根拠に活動性を否定した。
 規制委はこうした関電の調査結果を検証する。調査団は渡辺教授を含む5人で構成。2日の現地調査に続き、4日に評価会合を開く。委員の間では、 「12万~13万年前以降の活動歴」という活断層の判断基準を「40万年前」に拡大すべきとの意見が出ており、厳しく評価される可能性もある。
◇他の原発でも
 破砕帯のうち、地盤が両側から引っ張られて生じた「正断層」は安全と考えられてきた。だが、東日本大震災の1か月後に正断層型の地震が発生。関電美浜原発(美浜町)などでは原子炉直下に正断層があるため、保安院が各電力事業者に追加調査を指示した。
 追加調査は大飯原発以外に、専門家が「活断層にしか見えない」と指摘した日本原子力発電敦賀原発(敦賀市)を含む全国5か所で進められており、規制委はそれらに対する現地調査も順次行う。
2012112日  読売新聞)

知事選現新一騎打ち 福田県政8年の実績問う

知事選が1日、告示された。現職で3選を目指す福田富一氏(59)(無所属=自民、公明推薦)と共産党の新人で前県議の野村節子氏(59)が立候 補を届け出て、18日の投票に向け、17日間の選挙戦が始まった。2008年の前回と同じ構図で、2期8年間の福田県政への評価が問われる。原発や指定廃 棄物最終処分場の建設など、国政レベルの課題に対する姿勢も有権者の判断材料になりそうだ。
 福田氏は午前8時半、宇都宮市の二荒山神社で必勝を祈願し、大田原市に移動して第一声を上げた。「被災した3区の復興なくして栃木の復興はない」 と、福田氏がスタート地点に選んだ同市の会場には、自民党県連会長の茂木敏充衆院議員ら同党の国会議員3人と県議に加え、みんなの党の県議も応援に駆け付 けた。
 茂木氏は「県民を大切にする丁寧で着実な政治を展開してきた。3期目も頑張ってもらいたい」とエール。福田氏は応援議員と握手して結束をアピールした。
 その後は鹿沼、足利、小山の3市を回った後、午後6時半からは宇都宮市の二荒山神社前に戻り、仕事帰りの会社員らに、「(市長選で3選を目指す)佐藤栄一市長とともに、宇都宮の街づくりを進めていきたい」などと声を張り上げた。
 野村氏は午前10時、宇都宮市の東武宇都宮百貨店前で第一声を上げた。応援には共産党の塩川鉄也衆院議員や、同党が次期衆院選栃木1区で擁立する候補予定者らが駆けつけ、マイクを握った。
 塩川氏は「野村さんは、5月に真岡市や益子町で竜巻の大きな被害が出た時、現地に足を運んで被災者の声を市や町に届けてきた。県民の暮らし第一で、全力で頑張ってきた野村さんをぜひ知事に押し上げてもらいたい」と呼びかけた。
 集まった市民らと握手を交わした野村氏はその後、支援者とともに車に乗り込み、同市内6か所で遊説。スーパーの前などで買い物客らに「原発ゼロを」「温かい県政への転換を」などと訴えて握手を求めたり、政策を記したパンフレットを手渡したりした。
2012112日  読売新聞)

現新一騎打ち・各候補が第一声 知事選告示

(11205:00更新)
任期満了に伴う知事選は1日告示され、3選を目指す無所属現職の福田富一氏(59)=自民、公明推薦=と、新人で共産党公認の前県議野村節子氏 (59)の2人が立候補を届け出た。福田氏は大田原市、野村氏は宇都宮市で第一声を放ち、18日の投開票日まで17日間の選挙戦がスタートした。財政健全 化や東日本大震災からの復旧・復興策などに取り組んだ福田県政2期8年の評価が問われる。投票率が前回2008年の3228%を上回るかどうかも焦点 だ。
 民主党、みんなの党は自主投票で、前回と同じ現職と共産新人の対決。矢板市の指定廃棄物処分場問題や放射能対策、経済・雇用、教育・子育てなど、県政の重要課題について論戦が展開される。
 福田氏は宇都宮市の二荒山神社で必勝祈願を行った後、午前10時半すぎから大田原市内で第一声。「(県政には)多くの課題があるが、県民、市町と力を合わせ、チームとちぎのトップとして引き続き県政を担いたい」として、防災・減災や健康づくりなどの公約をアピールした。
 野村氏は、午前10時から東武宇都宮駅北口で第一声を放った。
 共産党が掲げる「原発即時ゼロ」をアピールするとともに、「財政健全化を口実に保育や福祉の補助金をばっさりと削った。ないのはお金でなく福祉の心だ」と福田県政を痛烈に批判。「冷たい県政から、暮らしと福祉に温かい県政に転換を図る」と、社会保障政策を重点に訴えた。

関電大飯原発 きょう断層調査 原子力規制委

2012.11.2 05:00
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は、敷地内断層が活断層である疑いが出ている関西電力大飯原発(福井県)を2日 に現地調査する。規制委による現地調査は発足後初。断層は安全上重要な施設の直下を走っているとみられ、活断層の疑いが強まれば安全基準を満たさなくな り、規制委は7月に再稼働した3、4号機の運転停止を関電に求める。規制委の現地調査団は1、2号機と3、4号機の間を走る「F-6断層(破砕帯)」が活 断層かどうかを調べるため現地で試掘溝などを観察する。

原発避難 山陰2県合同実験

<知事会談合意 弓ヶ浜半島大渋滞の恐れ>
溝口知事(手前左)に想定実験を持ちかける平井知事(右)(県庁で)
 溝口知事は1日、県庁で平井伸治・鳥取県知事らと会談し、島根原発(松江市鹿島町)で重大事故が起きた場合、避難しようとする松江市民の車で弓ヶ 浜半島(鳥取県境港、米子市)の道路が大渋滞する可能性があるとして、両県が合同で想定実験を行うことに合意した。弓ヶ浜半島は防災対策の重点区域である 30キロ圏に含まれ、空港など重要施設も多い。両県で歩調を合わせて、避難計画づくりに生かしていく。(矢沢慎一)
 会談には、両知事のほか、鳥取県の野坂康夫・米子市長と中村勝治・境港市長が出席。同原発を巡る課題を約1時間、話し合った。
 松江市北部や旧美保関町、旧八束町などの市民は、境水道大橋や江島大橋を渡って、弓ヶ浜半島経由のルートで避難することが予想されており、平井知事が「両県が別々に(想定実験を)行うと、整合性がとれなくなる」と述べ、合同で行うことを持ちかけた。
 弓ヶ浜半島には境港や米子空港などの重要施設もあり、溝口知事も「共同で行う必要がある」と応じ、両県警も交えて想定実験を行うことで一致。時期などは未定だが、どのぐらいの車両が通過し、渋滞が起きるのかなど、コンピューター上で実験するという。
 また、島根県のオフサイトセンター(県原子力防災センター)が島根原発の30キロ圏内にあるため、事故発生時には30キロ圏の外に移転させることを県が検討していることについて、平井知事は、代替地を鳥取県内で準備する意志があることも伝えた。
 また、10月31日に決定した原子力災害対策指針で、国が複数の道府県の調整を行う必要性が示されていることで、平井知事は「山陰は避難計画で両 県が協力できる関係だ」と述べ、原子力規制委員会と両県で、避難計画づくりや再稼働の判断を行う原子力防災の協議会を作ることを提案。溝口知事も前向きな 姿勢を示した。
2012112日  読売新聞)

知事選告示 課題に直面する有権者の声

(112)
 知事選が告示された1日、3選を目指す現職福田富一氏(59)と共産党新人野村節子氏(59) の舌戦が始まった。放射能対策、経済活性化、福祉…。公約は暮らしに直結するだけに、足を止めて街頭演説に聞き入る県民も。有権者は県政に何を期待してい るのか。課題に直面している現場で「1票」に託す思いを聞いた。
 【矢板処分場】 
 環境省が放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場候補地として提示した矢板市塩田。同所、農業根本副武さん(69)は「矢板のような環境のいい所に、なぜ処分場を建設するのか。知事には県内に処分場を1カ所だけ造ることに固執せず、現地を見て判断してほしい」と訴える。
 同市長井、りんご生産農家加藤隆重さん(66)は「候補地になっただけで客足が相当落ちている。もし処分場ができたら、致命的なダメージ」と声を 落とし、「現場で地域住民の生の声を聞いてほしい。処分場問題を住民目線で判断してくれる候補者を選びたい」と活発な論戦を期待する。
 指定廃棄物を一時保管する県県央浄化センター(上三川町多功)に近接する下野市の日生団地。3月まで自治会長を務めた山本勝彦さん(62)は「矢 板市民が反対する気持ちは十分分かる」とした上で、民主党が候補者を擁立しなかったことに「処分場問題にどう取り組むのか政権与党の考えを聞きたかった。 政権与党の体をなしていない」と憤る。
   【除染】
 塩原温泉の玄関口に位置する那須塩原市関谷の農産物販売所「アグリパル塩原」。東京電力福島第1原発事故前に比べ、客足は2割減のままと風評被害は続く。
 熊田孝一事務局長(58)は「除染問題にどう取り組むのか見極めたい。県内には福島県より線量が高い地域がある。福島県内で認められた除染の『高 線量メニュー』を県内でも適用できるように国に働きかけてほしい」と注文。「除染問題はまだまだ続く。現場をしっかり理解し、放射能に苦しむ住民の気持ち に立った人に投票したい」と切望した。

「あの日の思い」絵本に

20121102
「子どもたちの3・11」(NPO法人元気になろう福島編)
●震災・原発体験 小学生つづる
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島県の小学生たちが、体験や思いをつづった作文や詩が絵本にまとまった。「ふるさとはフクシマ 子どもたちの3・11」(文研出版)として、10月30日に出版された。
 福島市のNPO「元気になろう福島」が震災後、原発に近い大熊町や、南相馬市、いわき市など七つの小学校の協力を得て昨年4月~今年3月、120人の子どもたちの作品を収集。そのうち15人分に、プロの絵本作家が挿絵をつけた。
 「その時もうみんなとバラバラになるとは思ってもいませんでした。夜になりお父さんが仕事から帰ってきて『原発が爆発したから逃げるぞ』と言いました。」(南相馬市の石神第二小6年だった菅野莉奈さん)
 体育の授業中に地震に襲われ、ランドセルも持たず下校。飯舘村の祖母の家に避難し、事故でさらに避難を続けたつらさを書いた。
 「ブランコゆれた、気のせいか 風が笑って過ぎてった 子どもの声はもう聞けない」(郡山市の赤木小6年だった金子健くん)
 短い詩に、原発事故で友達が避難していった寂しさをつづった。
 「一人でも多く元気が出るように。新しい未来を作る仲間がどんどん増えますように」(新地町の福田小4年だった荒美祐さん)
 津波で身内を亡くし悲しむ曽祖母を励まそうと、靴をはくのを手伝ったり体を支えてあげたりしたことを紹介。前を向く気持ちを書いた。
 「何で避難所や郡山に避難しなくちゃいけなくなったんだろうと考えていた。そしたら、日本には、原発というものがあるからだと分かった。私は友達にも会いたいし、自分の家にも帰りたい。」(郡山市の赤木小4年だった高野葉月さん)
 大熊町からの避難が続くなか募るふるさとへの思いをつづっている。
 NPO事務局長の本田紀生さん(58)は「作文や詩にすることで、子どもたちの気持ちの整理になればと思った」と話す。
 翻訳家や国際機関の協力のもと、英、仏、独、中国語に翻訳し、海外で出版する計画もあるという。
 絵本は書店で1470円、NPOから送る場合は送料込みで1500円。売り上げの3割を、被災した子どもたちの活動を支える基金に充て る。問い合わせは同NPOへ電話(024・563・7166)かメール(honda@genkifukushima.jp)で。(大月規義)

被曝労働者の実態考えて

きょう、市民館で講演会
2012112日号
 「原発労働者の被曝から見えてくるもの」と題して報道写真家・樋口健二さんの講演会がきょう2日、多摩市民館で開催される。午後6時から。主催は「地域から平和を考える会」。
  樋口さんは四日市ぜんそくなどの公害、原子力発電所の被曝労働、環境汚染の問題を追い続けているフリーカメラマン。『闇に消される原発被曝者』『原発崩 壊』の著書で知られる。今回の講演会では、福島第一原発の事故を受け、現在も過酷な状況で事故対応にあたっている労働者の実態に迫る。会場は市民館3階の 大会議室。資料代500円。
 区役所1階アトリウムでは樋口さんの写真展も開催している。6日まで開催。問い合わせは同会の鈴木さん(【携帯電話】090・4822・0327)。



電力値上げ 抑制の切り札は再稼働だ

2012.11.2 03:25 1/2ページ)[主張
 電力会社が相次ぎ電力料金値上げの検討に入った。原子力発電所の停止で火力発電所の燃料費がかさんでいるためだ。
 料金値上げは、国民生活や産業などに打撃を与える。電力会社の徹底したリストラが前提とならなければならない。
 だが、それだけで値上げを抑制するのは無理だ。電力をできるだけ安価に、かつ安定的に供給するには、安全性が確認された原発を有力電源として活用することが欠かせない。
 今なすべきは、原発再稼働に向けた手順を早期に確立し、円滑な運転再開につなげることだ。それが政府の責務である。
 関西、九州の両電力は、値上げの時期や幅を今後、検討する。北海道と東北、四国の3電力も、原発再稼働の見通しをにらみつつ最終判断する。来春にも実施される値上げの幅は家庭用で1割、産業用で2割程度が有力という。
 国内では現在、関電の大飯原発2基だけが稼働中だ。電力需要の3割を賄ってきた原発の運転停止に伴い、各社とも火力発電所をフル稼働させ、液化天然ガス(LNG)などの輸入が急増している。このコスト増を料金に転嫁する値上げだ、と各社は説明する。
 電力料金値上げは日本経済に甚大な影響を及ぼす。とりわけ円高に苦しむ輸出産業のさらなる競争力低下を招き、価格の転嫁が難しい中小企業への痛手も大きい。
 電力会社が遊休資産の売却や人件費の切り込みで、上げ幅をなるべく圧縮するのは当然である。認可が必要な家庭用については、政府も厳しく審査する構えだ。
 しかし、関電などでは、燃料費と他社からの電力購入費が一昨年に比べて2倍に増え、コスト全体の半分を占めているという。
 8%に満たない人件費の削減では、合理化にもおのずと限界がある。必要以上に人件費や修繕費を減らせば、技術者の確保や電力の供給にも支障が生じかねない。
 今年度上半期の貿易収支は過去最大の赤字を記録した。専ら火力発電向け燃料の輸入増による。
 原発の運転停止が長引けば、それだけ国富の流出を招き、国力の低下は避けられない。そうなれば台頭する中国との相対的力関係など、安全保障にも影を落とす。
 電力各社の値上げ検討は、そうした猶予ならざる状況を改めて示した。政府は原発再稼働を一刻も早く主導すべきだ。

「原発労働者」知って、実態追う報道写真家の作品展開催/川崎

2012111



 フリーの報道写真家として約40年にわたり、原子力発電所における被ばく労働の実態などを追い続ける樋口健二さん(75)の作品を集めた写真展「原発労 働者の被ばくから見えてくるもの」が、川崎市多摩区の同区役所アトリウムで開かれている。地元住民でつくる市民団体「地域から平和を考える会」の主催。6 日まで。
 樋口さんは、四日市ぜんそくをはじめとする公害問題のほか、原発における被ばく労働、環境汚染などをテーマに写真を撮り続けている。昨年には、原発が人 間や環境にもたらす危険性などを訴えた写真集「原発崩壊」で、「第17回平和・協同ジャーナリスト基金賞」大賞を受賞している。
 会場には、防護服で身を固め、充満する放射性物質を吸い込まないようマスクを着けて作業をする労働者や、体に付着した放射能の有無を調べる装置を使い、外部被ばくをチェックする労働者の様子など、約50点の作品が並び、訪れた人たちが熱心に見ていた。
 同会の鈴木久子さん(62)は「原発内部や労働者の実態を知る機会はあまりない。原発労働者の問題を共に考えていきたい」と話している。
 2日午後6時半からは、川崎市多摩市民館3階大会議室で、樋口さんの講演会も行われる。資料代として500円が必要。問い合わせは、鈴木さん電話090(4822)0327。

原発事故時のマイカー避難 島根、鳥取両県など一致

2012.11.2 02:10
 ■合同シミュレーションを
 中国電力島根原発(松江市)を巡る安全対策などについての意見交換が1日、鳥取県から島根県庁に溝口善 兵衛知事を訪れた平井伸治知事、野坂康夫・米子市長、中村勝治・境港市長の4者で行われ、事故など災害時の避難にマイカー使用を想定したシミュレーション に合同で取り組むことで一致した。
                   ◇
 4者の会合は初めてで、原子力規制委員会発足 など最近の動きを踏まえての開催。マイカー使用を前提として避難時間を推計するシミュレーションについて、平井知事は「別々にやっていては後で整合性が問 題になる」と合同調査を提案。溝口知事は「両県警とも連携してやっていく必要がある」と理解を示した。
 平井知事はさらに、要援護者の避難 では自衛隊出動などにからんで国との連携が必要と指摘。国を加え両県の副知事をトップに据えた広域防災協議会設置への合意を求めた。また、モニタリング調 査のデータベース化やオフサイトセンターの代替機能受け入れについては、島根県に協力する意向を示した。
 平井知事は、周辺自治体として原子力安全協定の見直しを中電に申し入れていく考えを強調。意見交換の後、両市長とともに広島市の中電本社に向かい、現行の協定に基づき立地自治体並みに協定を改定する協議会を設けるよう、苅田知英社長らに申し入れた。

知事選告示 福田県政8年の評価争点 栃木

2012.11.2 02:08
 任期満了に伴う知事選は1日、告示され、無所属現職で3選を目指す福田富一氏(59)=自民、公明推薦=と共産新人の元県議、野村節子氏(59) の2人が立候補した。福田氏は盤石の組織で支援態勢を組み、2期8年の実績を掲げ、原発事故による風評被害からの復興など県政の継続を訴える。野村氏は福 田県政を「県民に冷たい」と批判、「県財政再建で切り捨てられた」として福祉の充実などを主張。福田県政8年の評価が主な争点となり、投票率も注目され る。投開票は18日。
 候補者擁立を模索したが果たせなかった民主、みんなは自主投票。明確な争点には乏しいが、原発事故による放射性物質 を含む指定廃棄物の最終処分場問題では、福田氏は県北地域の風評被害も踏まえ、「県内のどこかに造らねばならない」との認識を示し、野村氏は候補地に選定 された矢板市の住民の合意がないとして「白紙撤回」を主張した。
 福田氏は午前10時半から、大田原市美原で出陣式を行い、茂木敏充自民県連会長や国会議員、衆院栃木3区内の県議、市町長、市町議らが応援に駆けつけ、約700人が集まった。
 石坂真一選対本部長は、福田氏が初めて宇都宮市以外で選挙戦をスタートする理由を「震災と原発事故で、風評被害など大きな被害を受けた3区の復興がなければ、県の復興はないからだ」と述べた。
 3区を皮切りに県内全5区で出陣式を行った。
  野村氏は午前10時から東武宇都宮駅北口で街頭演説を行い、第一声を上げた。塩川鉄也衆院議員(北関東比例)や荒川恒男・宇都宮市議ら共産党関係者が応援 に参加。消費増税反対や原発ゼロ推進などを強調し、「国政の問題であっても県政から発信する知事が必要。中立では県民の声は代弁できない」と福田県政を批 判した。
 その後は、二荒山神社(宇都宮市馬場通り)や同市郊外部などでも街頭演説をこなし、支持を訴えた。

2012/11/02 上関原発計画の白紙撤回を求め損害賠償請求の不当性を訴える院内集会(衆院議員会館)

上関原発計画の白紙撤回を求め
損害賠償請求の不当性を訴える院内集会

2012
112() 15:0016:30衆議院第2議員会館1階 多目的会議室
   国会周辺図http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm <事前申し込み不要。14:30から会館入口で入館証を配布します。>
 政府が914日に策定した「革新的・エネルギー環境戦略」の中で、
2030
年代に脱原発を目指すことが位置づけられ、原発の新設・増設は
行わないという方針が示されました。また、枝野経済産業大臣が、具
体名をあげて、上関原発計画は「進めさせない」と発言していること
から、脱原発を求める人々の中でも、上関原発計画は、もう進められ
ないだろう、大丈夫だろうという認識が広がっているかもしれません。
しかし、現実は、とても気を緩められるような状況ではありません。
 中国電力は、政府が「革新的・エネルギー戦略」を発表した直後、
上関町内で、政府の「戦略」について、「将来に禍根を残しかねない
政策」であり、「極めて遺憾」だというチラシを個別に配布しました。
中国電力は、そのチラシの中で、「安全性の確保を大前提に、今後も
原子力発電を一定の比率で維持していくことが必要」だとして、「現
時点において、電力の安定供給に資する上関原子力発電所の重要性に
何ら変わりなく、当社では、上関原子力発電所の建設を断念すること
は考えていません。」と断言しています。
 電力事業者が、政府の政策や主務大臣の発言を全く無視して原発を
推進しようとしていること自体、極めて異常であり、理解しがたいも
のであるとともに、私たちとしては、断じて許し難いものです。
 さらに、中国電力は、上関原発建設のための公有水面埋立免許が、
今年106日に期限切れになる直前に、山口県に免許の延長を申請し
ました。その理由を、中国電力は、「現状を維持する」ためだと説
明しています。しかし、上関原発計画には、30年にわたって地域の
深刻な対立を招いてきたものであり、この期に及んで「現状を維持」
しようとすること自体、重大な問題だといえます。
 もう一つ、上関原発計画にかかわる中国電力の動きとして、あら
ためて注目していただきたいことは、埋立工事に抗議した地元祝島
の住民および自然保護を訴える市民個人に対して、総額4,800万円も
の損害賠償を求め、裁判を起こしていることです。これは、大きな
力を持つ開発事業者等が、市民の異議申し立てを威圧することを目
的としておこす、いわゆるSLAPP(スラップ)訴訟の典型です。
 この院内集会では、上関原発計画に30年にわたって反対を貫いて
きた祝島の住民であり、損害賠償の被告にされてしまった清水敏保
さんや、シーカヤックで抗議に加わり、同じく被告にされた岡田和
樹さん、被告の弁護団にも参加していただき、あらためて、上関原
発問題性や、この損害賠償裁判の問題性を説明していただきます。
 ぜひ、この問題を、国会議員や報道関係者、首都圏のみなさんに
もあらためて知っていただき、一日も早く、原発計画を白紙撤回さ
せ、損害賠償裁判についても、中国電力に取り下げさせる運動に
ご支援、ご協力を頂きたいと思います。
問い合わせ:上関どうするネット http://kaminoseki.blogspot.jp/   担当 菅波 完 sugenami@nifty.com  Tel 070-5074-5985
<テント日誌 10/30(火)――経産省前テントひろば 416日目>
    11・11  経産省~文科省の桜田通りを埋め尽くそう
        ~テントひろばも行動を計画中~ 


10月30日(火) 曇り後晴れ
 前日の夜は、月曜定例の関電支社前行動の人たちがテントに戻ってきてから一気に賑やかに
なった。そして久し振りに夜を徹しての話となった。
 福島県健康管理調査の結果推移について、チェルノブイリとの対比について、山下俊一たちの
あまりに酷さとデタラメさについて、国際原子力マフィアとの結託について・・・  主として福島の子
どもたちの被曝とそれを強要する力にどう立ち向かうか、をめぐってであったが、12月の郡山での
IAEA国際会議に対する行動の重要性を改めて確認することになった。
 他方では選挙についても話は尽きなかった。とりわけ12月の都知事選に対して、脱原発統一
候補を立てられるのかどうか、脱原発の全勢力が連携した選挙戦をなしうるのかどうかが、関心
の的であった。

 この日の夜にはテントの会議があった。主たるものは間近に迫ってきた11・10と11・11の行
動についてであった。11月10日の「再稼働阻止全国ネットワーク」結成集会について、前半の分
散会についてはテントは第3会場(全水道会館)での運営を担当することになっている。なんとか
全員が心ゆく発言ができ、充実感のある集まりを心がけたい。
 11日の首都圏反原連が呼びかけている「100万人大占拠」について、テントも呼びかけ団体に
名を連ねているが、午後3時~5時の各エリアでの行動は各団体・グループの創意を生かした行
動であるだけに、「100万人大占拠」に相応しいテントとしての創意を発揮した行動に取り組みた
い。テントを拠点にしながら、経産省~文科省の桜田通りを埋め尽くすようなイメージで、定番の
大かんしょ踊り、牛みこしの練り歩き等が語られている。3時~5時はテント近辺への参加を呼び
かけたい。

 今週のテントTV・あおぞら放送の番組もほぼ固まったようだ。今週は国会議員が3名も出演す
るようである。そして福島からは、大熊町から会津の仮設住宅に避難中の木幡ますみさん(大熊
町の明日を考える女性の会代表)、今週も内容豊富になりそうである。      ( Y・T )

★☆★☆★☆★☆ あおぞらUST放送
                <テントひろばから~/Tent Color>
                     日本で海外で脱原発 ★☆★☆★☆★☆

2012年11月2日(金曜日)16時~

視聴アドレス: http://www.ustream.tv/channel/tentcolor

1.「国会議員に原発を問う」
「原発への見解アンケート」にもとづいて、大山昌宏と相原しの(国民の生活が第一)・阿部知子
(社民党)さんらに意見をお聞きします。

2.「福島から世界へ」
「大熊町の明日を考える女性の会」代表の小幡ますみさんに、避難先の大熊町の人たちの状況や会の活動についてお話をうかがいます。

3.「反原発でいこう」
11月9日に正式発足する「被ばく労働を考えるネットワーク」の活動紹介。

4.「世界の原発ニュース」
ニューヨークでの嵐で警戒が発令された原発など、各国の原発でどんな動きがあったか短くご報告。

5.「テントひろば 通りすがり」
テントに立ち寄った人たちに一言インタビュー。 

事故調提言、達成を検証 福島原発

2012/11/2 0:21
日本経済新聞 電子版
政府や国会などが設置した東京電力福島原子力発電所の事故調査委員会の提言について、政府の達成度を検証する有識者会議を11月中にも設 置する。各事故調の最終報告を受け9月に原子力規制委員会が発足したが、危機対応などの提言の多くはまだ実現していない。具体的な実施状況をまとめて国会 などに報告し、早期の実現を目指す。
 有識者会議は内閣官房に設置し、原子力規制委や関係省庁も参加する。各事故調の委員や福島県など…

電力会社8社が赤字 脱原発で冬の北海道で死者が出る

2012.11.02
全国の電力会社10社の49月期連結決算が1031日に発表された。原子力発電所を保有するのはそのうち9社だが、8社が最終赤字となった。そのうち 北海道電力、東北電力、四国電力は電気料金の値上げを年内に決断する見通し。原発事故がない地域にも、値上げの動きが広がっている。

10社の燃料費の総額は48000億円。東日本大震災前の同時期は28000億円であり、約71%増加した。原発の再稼働を判断する内閣府の原子力委員会は、新たな安全基準づくりに時間がかかるとして、再稼働は来年以降になる見通しだ。

今後も電力会社の燃料費が増加すれば、家庭や企業への負担は重くなる一方である。消費税の増税と相まって、景気を押し下げる要因になりかねない。

さらに、冬季の電力不足がもたらす影響も懸念されている。

1日付日経新聞は、「余力は火力1基分」との見出しで、北海道の事例を紹介。総出力が207万キロワットの泊原発13号機が停止したままの北海道電力 は、来年2月の余剰電力が33万キロワットになると予想されている。これは火力発電所1基分だが、火力発電所はトラブルが多い。どこかが停止すれば、停電 になる可能性がある。

これに対し、政府は北海道内に2010年比で7%以上の節電を要請する予定だ。しかし、冬の北海道は、1日中暖房を使うため、電力需要が一日中高い。ま た、道路や駐車場、鉄道のレール、屋根に積もった雪を溶かす設備を動かすためにも電力が使われている。万が一、電力が不足してしまうと、生活や経済活動に 予想以上の影響が出る可能性がある。

「脱原発」をうたう勢力は、「原発稼働なしでも電力は足りていた」と、原発の廃止を正当化しようとする。しかし、今年の夏には、全国で8000人以上の人 が熱中症で運ばれ、死者も出た。北海道経済同友会の坂本真一代表は、「冬の電力不足は一歩間違えば命の問題になる」と電力不足を危惧している。

このように原発の停止が日本社会全体に及ぼす影響は大きい。本欄でもたびたび指摘しているが、今回の福島原発の事故で放射能が原因で死んだ人は一人もいな い。人命に関わる「極寒期の電力不足」を避けるため、電力供給に余裕を持つためにも、日本全国の原発を早期に再稼働すべきである。()

【参考記事】
20121025日付本欄 【新聞読み比べ】放射性物質拡散予測マップ いたずらに不安を煽るな
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5064

20121022日付本欄 原発停止で電力五社が来春から値上げ
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5030


日本の原発作業員:勇敢さと謙虚さ

2012.11.02(金)
(英エコノミスト誌 20121027日号)
「フクシマ50」――原発事故の最前線に立った男たち
福島原発「前日からの顕著な悪化なし」、IAEA専門家
英エコノミスト誌が「フクシマ50」と呼ばれた男たちの話を聞いた(写真は2011314日に撮影された福島第一原子力発電所)〔AFPBB News
友人たちによれば、2011年の災害当時、福島第一原子力発電所の責任者だった吉田昌郎氏は、まるで硫黄島にいるような感じだったと話しているという。硫黄島は、1945年に日本軍が死守しようと雄々しく戦ったが、結局、米軍の手に落ちた北太平洋の島だ。
 吉田氏の部下だった吉澤厚文氏と福良昌敏氏は、当時の苦闘をそれほど生々しく描写しない。
 彼らは事故後初めてのインタビューで、昨年311日の地震と津波後の数時間、数日間に、原発から放出される放射線レベルの急上昇に命懸けで立ち向かった「フクシマ50」と呼ばれる男たちの責任感について語った。
 彼らはとりわけ、作業員の家族も多く暮らす地元社会を守りたいという強い思いに突き動かされたという。

カメラから顔を隠した作業員の心情

だが、英雄的な奮闘にもかかわらず、フクシマ50はいまだに、敗け戦から帰還した兵士が経験するような複雑な感情に苦しんでいる。今も後ろめたさや汚辱感を引きずっているのだ。
 そうした心情は、10月初旬に野田佳彦首相が彼らを招いて感謝の念を伝えた時にもはっきりと分かった。懇談は事故から丸18カ月が経過した後のこと。野田首相が言うように、日本を救ってくれた人たちを称えるにしては随分と長い時間待ったものだ。
 作業員たちは311日の後の殺気立った日々がどのようなものだったかを首相に伝えた。彼らを死に追いやる恐れのあった爆発、寒さと暗闇の中で行った電力復旧作業に伴う感電のリスク、放射線を帯びた瓦礫、ビスケットと水以外に食べるものも飲むものもなかった環境――。
 しかし印象的だったのは、出席者8人のうち6人がカメラから顔を隠したことだ。彼らは英雄気分に浸るどころか、自分の身元を必死に隠そうとしたのだ。
 福島第一原発を所有する東京電力は長い間、こうした作業員への取材要請をすべて拒否してきた。だが、機能不全に陥った東電は今や国有化され、政府は初めて、幹部2人に本誌(英エコノミスト)の取材を受けるよう指示した。
 日本のように集団志向の強い文化では、ヒロイズムは微妙なテーマだ。徹底的に批判されている東電の社員に話を聞くとなれば、なおのことだ。10万人を超える住民が原発周辺の村や町からの避難を余儀なくされ、もしかしたら永遠に戻れない可能性もある。
 吉澤氏は、現場で非常事態の対応に当たった東電幹部の1人だ。当時はあまりに多くのこと――地震、余震、津波、3回の爆発、放射線測定値の上昇など――が起きていたため、危険を顧みる余裕などほとんどなかったと話す。

「死ぬということは諦めるということ」

福良氏も同意見だ。「ひどい状況だった」「けれども、私は死ぬつもりはなかった。全員が最善を尽くした。死ぬことは諦めることを意味した」
 だが、そうした義務感は、ドラマの中の非常に人間的な面を覆い隠す。現場にいた作業員の5人に4人は地元出身だった。彼らは自分の家族が津波で流 されたかもしれないという不安を抱きながら働いていた。また、放射線レベルの上昇が自分たちの町を危険にさらしていることも理解しており、それを必死に食 い止めようとしていた。
福島第1原発「10年で廃炉に」、東芝が計画案 共同通信
作業員たちは、地域社会を守ろうと必死に戦った(写真は201141日に福島第一原発の免震重要棟で行われた災害対策本部会議の様子)〔AFPBB News
 作業員は何年にもわたって一緒に働いてきた間柄で、互いをよく知っていた。それが彼らの原動力となっていた。
 吉澤氏によると、地震と津波の直後の大きな関心事は、原子炉の近くで働く2000人を含む6000人の作業員の安全を確保することだったという。初日の夜、しばらくの間は、すべての原子炉が冷却されているように思われた(結局、それは間違いだった)。
 これで多少の時間が稼げると見られた。しかし、1号機の原子炉建屋で水素爆発が起きると、連鎖的に恐ろしいことが起こり、原子炉を冷却するために水を注入する作業員の能力が至るところで妨げられた。
 月曜日と火曜日(314日と15日)にさらに2つの爆発が起きると、大半の作業員を避難させろという圧力が強まった。

「ここに骨をうずめるのかもしれない」

吉澤氏によれば、これがまさに、責任者だった吉田氏(その後、原発事故とは無関係と言われる種類のがんで入院している)が最も難しい判断を迫られ た時だったという。必要な作業を行うために必要な人員を十分残しながら、できるだけ多くの作業員を危険から守らなければならなかったのだ。
 インタビューに応じた2人は、現場の指揮官たちには、原発から立ち去るという考えは微塵もなかったと主張する。一時、福島第一原発から少し離れた 事務所に移動した吉澤氏は、危機がピークに達すると現場に戻った。「もしかしたら、もう現場を去ることはないかもしれない、日本の言い回しにある通り、あ の場所に『骨をうずめる』ことになるかもしれないと思った」
 2人はそれぞれ違う方法で今も続く感情の葛藤を表現する。作業員たちは地元の町や村を守るために負け戦を戦っていたと話した時、吉澤氏は感極まって言葉に詰まった。
 そして、こう付け加えた。「けれど、日本社会では多くの人が我々のことを加害者と見ているんです」
 そうした見方は特に福島から避難した人の間で強いが、日本全体にも当てはまる。1945年の敗戦後に日本兵が帰還した時も、彼らは同じような負い目を感じていた。

個人の責任感と会社の責任感

福良氏はヒロイズムについて語る気はない。それを言えば、汚辱感についても同じだ。現場の人間のほとんどが東電で働いているため、彼らは自らの責任感を会社のそれと切り離すことができないのだという。
 これは称賛に値する日本人の特質のように聞こえるが、必ずしもすべての東電幹部に共有されているわけではない。実際、東電は政府からの圧力を受け、10月になってようやく、福島第一原発で直面していたリスクを実際より軽く見せていたことを認めたのだ。
 

下請け原発労働者が声あげる~「言葉にできないほど」危険な環境

福島原発災害が発生して18カ月。下請け多重構造で働く末端の原発労働者が、身の危険を案じて相談に来る件数が増えつつある。日本労働弁護団原発労働プロジェクトチームの弁護士によると、相談に来る労働者はほとんど将来の雇用を心配して声をあげることをためらうという。しかし、Aさんは違った。
関電工の2次下請けの会社で期限の定めがない契約として7年近く働いていたAさん(46・写真)は、10月30日に東京電力と関電工が労働安全衛生法などを違反したとして、富岡労働基準監督署に是正を申し入れた。
おって11月1日に厚生労働省記者クラブで弁護団とともに報告したAさんからは、「言葉にできないほど」危険な環境で「自殺行為」とも思われる作業をしなければならない現実が明らかになった。
記者会見当日、大きなマスクを着用し、紺色の帽子を深くかぶって顔を隠したAさんは「自分が声をあげることによって、これからも危険な現場で働かなければならない同僚にとって、少しでも安全性が改善すれば」という思いを吐き出した。
震災以前も、電気関係のメンテナンスを仕事としていたAさんは、各地の原発を回った。年間被ばく量は多い年でも3.14ミリシーベルト、近年では0.55ミリシーベルトなのにもかかわらず、2011年3月24日電源ケーブルの敷設作業に当たった時は、40分から1時間の間で11ミリシーベルトも被ばくした。作業場所であった3号機タービン建屋内地下一階の空間線量は毎時400ミリシーベルトを示していたという。
関電工は前日に空間線量を測定し、基準値以内だったために作業を自社従業員と2次下請けのAさんらに発注したというが、実際、地下一階には汚染水のたまり水があり、作業すべき「配電盤はその中にあった」とAさんは言う。
「海水が抜けなくて水たまりがあるとは聞いていたが、汚染水とは聞いていない」Aさんは、当時を思い出していった。そのため、作業に入ったチームの3人は、そばにあった長靴と短靴を履いて作業場に向かった。短靴を履いていたAさんは、線量の高い汚染水に入ることを拒否したが、長靴を履いていたリーダーは代わりにたまり水を通って作業に当たっている。この時、現場に入っていた6名の作業員のうち、3名がこのたまり水にくるぶしまで浸かって作業したために被ばくし、そのうち関電工の2名は放射線障害の疑いがあるとして緊急搬送されている。
今年3月16日の六ヶ所村での雪かきなど、線量の低い現場での作業を最後に、Aさんへの仕事はぴたりと来なくなった。事実上の解雇だった。
Aさんの5年間の被ばく量は、合計してもおよそ26ミリシーベルトと限界値よりも大幅に低いが、作業員の被ばく線量が基準値を越してしまうことを恐れて、関係各社は限界に達する前に雇用を打ち切ったり採用しなかったりすると、弁護士の一人は推測する。
仕事を打ち切られたAさんは、以後、土木作業のアルバイトや除染作業に従事した。
弁護団は、同時期に東電柏崎からの応援作業チームは撤収したにも関わらず、関電工のチームに対しては撤収するように指示をしなかったことを指摘。今後、「重層的下請け構造にある原発事業においては、発注者である東京電力に直接に下請け労働者の安全確保に責任を負わせるべきである」として原発事業も港湾や建設現場と同様、労働安全衛生法15条の特定事業に該当するよう政令改訂を迫っている。
「今後の課題は、東電や政府が作業員の雇用と生活保障のために、どういった対策を講じるか」だと弁護団は言う。
自発的にホールボディーカウンターでの検査を依頼しなければ、会社は検査日さえもAさんに伝え忘れるところだったという不始末もあった。
「末端労働者は声を大にしてモノが言えない。私が声をあげることで労働環境が改善されればと思った」とAさんは、今回、是正申告を決めた理由を話した。
福島原発事故以前に、すでにこういった問題は存在していたが、3月11日以降はより深刻になってきた。「この問題は、今後、運動と世論で改善していくべきだ」と弁護団の水口洋介氏は言う。(松元ちえ)

避難対象31000人超も 高島検討委 2原発事故想定

 高島市原子力災害対策計画検討委員会の第3回会合が1日、市役所高島支所で開かれた。市は隣接する福井県の3原発で単独事故が起きた場合と、大飯と美浜の2基同時の事故の計4パターンを想定した住民避難計画の2次素案を提示した。
■市外受け入れ課題
 うち同時事故発生時の市内の避難対象者は3万1千人超と推計。一方、滋賀県版UPZ(緊急防護措置区域)圏外の広域避難所の最大収容人数は約8千人で、市外に出るしかない2万3千人超の避難先確保が課題として浮き彫りになった。
 2次素案は国の防災指針と県による放射性物質拡散予測の結果を踏まえて想定。この想定を基に、避難対象地域を(1)大飯、美浜、敦賀の各原発から30キロ圏内(2)放射性ヨウ素による甲状腺内部被ばく等価線量が100ミリシーベルト以上500ミリシーベルト未満とした。
 避難方法は2段階を取り、県版UPZ圏内の避難所の滞在期間は移動時間も含め2日、また圏外避難所の滞在期間は3日間をめどとする。さらに、市外への避難な必要な場合は鉄道やバスのほか琵琶湖上の船舶や自衛隊のヘリも活用する。
 一方、2基同時事故発生時の避難対象者数に対し、UPZ圏外の広域避難所が不足している点について、市は「現在、県を通じ避難先を調整中」とした。
 また、同日合わせて提示した地域防災計画2次素案で、防災対策の重点地域をマキノ、今津両町は全域、新旭町や朽木も一部地区を除く全域などとした。被ばく線量評価のため住民行動記録票も作成する。
 次回委員会は12月の予定。
たんぽぽ舎です。【TMM:No16352012111()地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
                                                                       転送歓迎
━━━━━━━
★1.11月2日(金)第30回官邸前抗議に参加しよう
   再稼働阻止こそ原発ゼロ実現への近道
   経産省前テントひろばを通る道順をお薦めします (柳田 真)
★2.新聞・雑誌から
  ◆脱原発は国民のため 小沢代表、独で手応え
  ◆拡散予測の誤り 規制委員長謝罪
  ◆原発頼み 赤字拡大 利用者に負担転嫁 電力会社、経営転換及び腰
  ◆建屋地下 東電チームは撤退「高線量下の作業違法」
★3.<テント日誌10/27(土)―経産省前テントひろば413日目>
     「再稼働阻止全国ネットワーク」結成集会へ 白熱する討論
     監視テント大阪 102728()()   (S・S)、(Q記)
━━━━━━━
11/10(土)「再稼働阻止全国ネットワーク結成集会」にご参加を! 
       13時から「分散会」 18時から「全体会」
       主催:再稼働阻止全国ネットワーク準備会
             ※12時半から受付開始(たんぽぽ舎-ダイナミックビル5階)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.11月2日(金)第30回官邸前抗議に参加しよう
 |  再稼働阻止こそ原発ゼロ実現への近道
 |  経産省前テントひろばを通る道順をお薦めします (柳田 真)
 └──── 
○11月2日(金)は3月から始まった首相官邸前行動
(首都圏反原発連合有志主催 今は有志の2字なし)が30回目を迎える日です。
たんぽぽ舎は反原連13団体の一つとして、1回目からずっと参加してきました。
そして毎回、たんぽぽ舎のビラ(反原発デモや学習会の日程案内ほかを掲載)を
5000枚~25000枚配布しつづけてきました。受け取りも非常によく、ご
苦労様の言葉もいただきます。明日の第30回行動にも参加します。多くの皆さ
ん、いっしょに参加しましょう。
○なお、道順としては経産省前テントひろばを通って、財務省横の坂道(または
外務省横の坂道)を上がっていくコースをお薦めします。このコースですと少し
歩きますが、地下鉄付近での警官のイヤガラセにもあわないし、又、テントひろ
ばでは多くの情報と出会えて楽しいコースです。
○たんぽぽ舎は午後1:004:00たんぽぽ舎でビラ折りやプラカードづくりの作業
をし、4:00出発~5:00テント到着、みんなと合流し、5:30に1班~5班にわかれ
て官邸前、国会議事堂へ出発。8:00終了時にビラを配布し8:30にテントひろばに
戻って来て、約10分の終了集会(1班~5班からの報告、当日の行動の全体像
がわかる)をして解散です。そのあと有志でおいしい飲食交流会へも毎回行って
います。
┏┓
┗■2.新聞・雑誌から
 |  ◆脱原発は国民のため 小沢代表、独で手応え
 |  ◆拡散予測の誤り 規制委員長謝罪
 |  ◆原発頼み 赤字拡大 利用者に負担転嫁 電力会社、経営転換及び腰
 |  ◆建屋地下 東電チームは撤退「高線量下の作業違法」
 └──── 
◆脱原発は国民のため 小沢代表、独で手応え
「国民の生活が第一」の小沢一郎代表はこのほど、二〇二二年までの脱原発を決
めているドイツを視察した。「生活」は次期衆院選の公約の柱に「十年後の原発
ゼロ」を揚げる方針で現在、工程表を作成中。視察の成果を行程表に反映させる
考えだ。
(十年後の脱原発という)われわれの主張は間違っていなかった。これが国民の
ためだと確信するに至った」。小沢代表は二十五日夜、都内のホテルで開いた結
党記念パーティで、ドイツ視察の成果をアピールした。十年後の原発ゼロ方針は
「二〇三〇年代に原発稼働ゼロを目指す」野田政権の方針よりも積極的だが、財
界などからは非現実的との批判が強い。訪独は、そういった批判に対して理論武
装をし、衆院選で行われるエネルギー政策の論争で主導権を握る狙いがあった。
 ―中略―  (10/27 東京新聞)
◆拡散予測の誤り 規制委員長謝罪
 原子力規制委員会が公表した全国16原発の事故時の放射能拡散予測図に誤りが
あった問題で、規制委の田中俊一委員長は31日の定例会で「国民のみなさんに陳
謝したい」と謝罪した。田中委員長は「国民のみなさんにかかわる情報の正確さ
は(規制委の)信頼に関わる」と述べ、根本原因を究明して再発防止策をまとめ
る。
 田中委員長は定例後の会見で予測について、地形などが考慮されていないこと
から「うんと役立つとは思っていない。あくまで(緊急対策をとる際の)判断の
尺度」と述べた。(朝日新聞111日より転載)
◆原発頼み 赤字拡大 利用者に負担転嫁
 電力会社、経営転換及び腰
 「原発頼み」の経営を続けてきた電力会社があえいでいる。今のところ再稼働
のめどは立たず、かといって「脱原発」経営へと舵をきることに各社とも及び腰
だ。電気料金値上げの動きは、原発事故を起こした東京電力から全国に波及し、
利用者の負担は増す一方だ。 ―中略― (朝日新聞111日より抜粋)
◆建屋地下 東電チームは撤退「高線量下の作業違法」
福島第一元作業員 労基署に申し立て 東電と元請けを訴え
東京電力福島第一原発事故の収束作業で、東電と作業を請け負った関電工(東京
都港区)が、高い放射線量の中で被ばくを最小限に抑えるよう必要な措置をせず、
作業を続けさせたのは労働安全衛生法違反に当たるとして、福島県いわき市の元
作業員男性(四六)が、両社を同県富岡労働基準監督署に申し立てた。    
      ―中略―        (東京新聞111日より抜粋)
┏┓
┗■3.<テント日誌10/27(土)―経産省前テントひろば413日目>
 |  「再稼働阻止全国ネットワーク」結成集会へ 白熱する討論
 |  監視テント大阪 102728()()
 └──── (S・S)、(Q記)1027日(土)今日は一日薄曇りの天気
 夕方近くにテントに到着。919日から1ヶ月間のハンガーストライキを貫徹し
た福崎裕夫さんからの伝言が届いていた。テントへの差し入れとしてハローイン
用に眼・鼻・口をくりぬいたカボチャを送ったとのこと。日曜日に到着するとい
うことで楽しみが一つ増えた。
 今日は夕方各地で、イベントが多くテントからも大勢かけつけている模様。そ
のうちの一つ「再稼働阻止全国ネットワーク」結成へ向けて~東京から何ができ
るか~の集いがたんぽぽ舎で開かれた。40名程の参加であったが、テーマと問
題提起は◇規制委の動向と今後の課題:小川正治(プラント技術者の会)◇再稼
働をめぐる情勢―30キロ圏自治体の動向:布施哲也(反原発自治体議員・市民連
盟)◇1110()全国ネット結成集会の意義・目的:八木健彦(経産省前テン
トひろば)であり、運動をめぐって、どういう活動をするかをめぐって、遅くま
で議論が白熱した。  (S・S)
○監視テント大阪 102728()()
  26日に、在特会内部相互のネットに、極めて険悪な、監視テント大阪への襲撃
の挑発が行われたが、監視テント常駐組は動ずる事はなかった。26日の恒例の関
電前抗議行動、天満署「コロビ公妨」弾劾、橋下の恐怖政治糾弾などの強固な集
団の意思の熱い風の余熱は翌日にも残り、27日は、午前、午後とも、「在特」へ
の警戒体制の話題などなく、平穏そのものだった。 夕刻過ぎ、婦人が二人、テ
ントの中で親しく話をしていらしたが、お一人が、我々の眼前で、府警に電話を
し、市民の安全を守らねばならないと優しく、10分以上、関西弁で訴え、お帰り
になる。それは如何なものかといういとまもなかった。残った方は、貧困層の救
対事業の甘さを訴えられ、市政への批判が多方面に及んでとどまる所を知らない。
 28日は、反戦・反貧困・反核運動の大阪集会があり、御堂筋通りの朝、右翼の
街宣車が、目につく。そのうちの一台二名が、話があると訪ねて来る。慇懃温厚
な口ぶりだが、やんわり撤去を勧告される。その後、アベックが、トラメガでが
なりたてながらくる。「在特会」である。韓国との国交断絶請願デモのついでに、
11時頃、20人近くの集団、団体、「在特会が現れるも、警官隊とこちらの対
峙で淀屋橋の上から入れ替わり、立ち替わり、なにやら罵声を飛ばしている。な
んと長い一時間半であったことか。 「はちようび」のNさんともう二人、ジャ
ンベなどで、ナンセンスなヘイト・スピーチに対抗する。緊急発信に呼応してく
れた人々も、30人をこえようとしていた。彼らのデモを待ち受けるうち、
反戦集会の人々も通りかかり、また、防衛にきてくれたが、警官隊のものものし
い隊列に出てしまった人々もいなくはない。ジャンベ隊は、10人近くなり(ジャ
ンベだけではないが)夕刻近くになって、しっかりした盛り上がりになった。そ
して、どうも空に、閃光が走るな~と空を見上げること度々だったが、ついに、
雷雲が至近距離になり、雷鳴が頻発し、そして、豪雨が襲ってきた。そそくさと
撤退する警察隊。雨が上がる頃には、こちら勢力も、30人程になり、警官隊が
消えたあとで、「在特会」から出されたという男が、小型のトラメガでがなりな
がら、テント前に来ようとする。何度も4-5人の圧力で排除されてもなお、軽自
動車で、クラクションを鳴らしながら、巡回する。4回ほど巡回して消えた。昼
間にも同じことをしていた。一息ついたと思った頃、また別の男が3人現われ、
挙動不審な男に近づいたこちらの仲間の携帯を奪い、また別の救援にかけつけた
ひとの上着をもぎとる。双方奪回した頃、警官が10人ほど現れる。何を狂ったの
か、110番をしたのは、暴行を働いた方だった。警官が冷静になるように、天満
署方向に連れてゆき、また戻ってくる。我々は愛想を尽かして、テントに戻った。
怪我は、なかった。
 こうして、瓦礫焼却反対運動は、矮小化され、なりゆきまかせの平穏無事が良
いかのような反動化に拍車がかかろうとする。大阪市のみならず、関西一円から
放射能が、拡散漏洩されようとしているのに。ちなみに、高浜の瓦礫焼却は114日にされるという。福島の原発事故をここまで忘れることができるとは! 夜更
け過ぎまで、若者たちはテントに残っていた。    (Q記)
──────────
【編集部より】
 メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
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検証 泊原発 防災訓練
 先週、北海道・泊原発の重大事故を想定した防災訓練が行われた。7000人が参加した全国最大規模の訓練で、どのような課題が浮かび上がってきたのか。
 1日の『デイリープラネット』「プラネット・View」は、「検証 泊原発 防災訓練」をテーマに、訓練を現場で取材した社会部原発取材班・川崎正明記者が解説する。(動画配信のみ)(11/01 22:16)
2012111223

福島原発作業員、関電工を告発 高線量現場で作業継続


東京電力福島第一原発で昨年春にあった事故で被曝(ひばく)した作業員の一人(46)が1日、東京都内で記者会見し、東電グループ会社の関電工が安全対 策を十分とっていなかったとして、労働安全衛生法違反で処罰するよう富岡労働基準監督署(福島県いわき市に移転中)に告発したことを明らかにした。東電に 再発防止の指導を求める申告もした。
 作業員と日本労働弁護団によると、この作業員は昨年3月24日、原発3号機でケーブルを引く作業を6人チームで行った。関電工の2次下請け会社に所属していたが、チームにいた関電工の社員2人から具体的な指示を受けたという。
 作業前に「少々線量が高いが支障はない」と説明されたが、汚染水につかった他の3人が180ミリシーベルト前後を被曝。20ミリシーベルトに設定した電 子型線量計の警報音がなっていたが、関電工社員は「誤作動もある」などとして作業の継続を指示したという。作業員は水につかって作業するよう求められた が、危険を感じて拒否し、被曝量は11ミリシーベルトだった。

防護措置が不十分…第一原発元作業員、刑事告発

東京電力福島第一原発事故の復旧作業に当たった福島県の男性(46)が、を防ぐ十分な措置を取らずに作業をさせられたとして、元請けの「関電工」(東京)を労働安全衛生法違反で富岡労働基準監督署に刑事告発した。
 告発は先月30日付。男性が1日、記者会見して明らかにした。
 男性の弁護士によると、男性は2次下請け会社に勤務していた昨年3月24日、同原発3号機で復旧作業に従事した。現場には放射性物質を含む水たま りがあったが、関電工の社員は作業続行を指示したといい、同法違反に当たるとしている。男性は指示を拒否したが、他の関電工社員ら3人は水たまりに入って 作業を行い、最大180ミリ・シーベルト被曝した。
20121112109分  読売新聞)

原子力災害対策指針 課題先送り、見直すべきだ

2012111日午前906分)
 原子力規制委員会が原発事故時の住民避難など防災対策の枠組みとなる原子力災害対策指 針を正式決定した。来年3月までに地域防災計画を策定する関係自治体からは、果たして実効性ある避難対策が打てるか不安と懸念が広がる。先に公表した放射 性物質の拡散予測は広範囲にわたり、規制委から具体的な対策は示されず、地域に丸投げしている。十分に練り直し、指針の肉付けをすべきである。
 東京電力福島第1原発事故を受けた新指針では、想定が甘かった反省を踏まえ、住民避難に備える「原子力災害対策重点区域」の目安を原発の半径8~10キロ圏から、30キロ圏にまで拡大。5キロ圏を重大事故発生と同時に即時避難する区域として新たに定めた。
 規制委が30キロ圏に拡大した根拠の一つである拡散予測は、各原発が一度に過酷事故を起こしたと仮定している。地域からは「現実感に乏しい」との指摘も出ている。しかし、事故の最大化は防災の有効化につながる。その意味で、関係自治体は正面から受け止める必要がある。
 とはいえ、課題はあまりに多い。重点区域の拡大で福井県では対象自治体が6市町から12市町に。全国では15道府県45市町村から21道府県135市町村に拡大。対象人口は約480万人と、従来想定の7倍に達する。
  田中俊一委員長は会合で「自治体は住民の立場で計画をつくってほしい。自治体とキャッチボールしながら形にしたい」と述べた。いかにも上から目線の官僚的 発言である。抽象的で大まかな骨格を示すだけでなく「規制委こそ住民の立場で役に立つ指針をつくれ」と言いたい。拡散予測が誤り訂正したことで、より混乱 が生じている。
 放射線量など避難する際の判断基準や緊急被ばく医療も明確でない。高齢者や病人ら災害弱者の避難は福島事故でも深刻な問 題となった。どの時点で避難させるのか、判断は国の責任だ。避難に向けた輸送手段や周辺の受け入れ先確保、さらに広域的な避難ともなれば、県境を越えた自 治体間の調整が必要になる。主導的な役割を国が果たしていくべきである。
 先送りの課題では甲状腺被ばくを避ける安定ヨウ素剤の配布方法 もある。まず被ばくしているかどうか、迅速なスクリーニングが不可欠だが、それも明確でない。10月上旬に示した指針原案ではヨウ素剤の家庭への事前配布 が「有効」としていたはずだ。最終案は「今後検討」として見送った。これも福島事故の反省材料だった。ヨウ素剤は「劇薬」でマイナス面もあり、国に判断を 求める自治体の声に配慮したのだろうが、スピード感をもって対処すべきだ。
 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の活用方法も「今後の検討」としたように、指針は地域防災計画を具体化させる重要な「根拠」が欠けている。現場感覚が希薄ではないか。

国会代表質問 公明・井上幹事長、野田内閣の予算編成着手を批判

国会は1031日に続いて、衆議院で代表質問が行われ、公明党の井上幹事長は、野田内閣が2013年度の予算編成に着手していることを批判し、年内の解散・総選挙を求めた。
これに対し、野田首相は予算編成の準備を進めたうえで、条件が整えば解散を判断する考えを強調した。
公明党の井上幹事長は「平成25年度予算の編成に着手しようとしている。もはや政権の延命、時間稼ぎと断じざるを得ません」、「総理、あなたが今唯一できること、すべきこと。それは1日も早く解散し、総選挙を行うことです」と述べた。
野 田首相は「条件が整えば、きちっと自分で判断をしていきたいと考えております。政治不況を起こさぬためにも、特例公債法の1日も早い成立、間断のない経済 対策の実施、着実な予算編成準備が必要と考えます」と述べ、特例公債法案の成立などの条件が整えば、解散について判断していく考えを強調した。
また、2013年度予算編成の着手について理解を求めたうえで、2012年度の補正予算の編成についても「知恵を借りたい」と協力を求めた。
また、1日の本会議では、橋下大阪市長が率いる日本維新の会が、初めて国会で質問に立った。
日本維新の会の松野国会議員団代表は「この日本を覆う閉塞(へいそく)感を克服し、国民の希望を取り戻すためには、日本再生のためのグレートリセットが必要であります」と述べた。
日本維新の会の松野国会議員団代表は、国会議員定数の削減や道州制の実現を訴えるとともに、焦点の特例公債法案について、「法案を人質に取って解散に追い込むやり方は取らない」として、賛成する考えを表明した。
松野国会議員団代表は「日本維新の会は、特例公債法案に賛成します」と述べた。
野田首相は「特例公債法案へのご協力の意思表明をしていただいたことを感謝申し上げます」と語った。
さらに野田首相は、議員定数の削減について、「各党が真剣に議論し、今国会で結論を得るよう、切にお願いする」と語った。
一方、みんなの党の渡辺代表は、特例公債法案に関連して、2012年度予算を減額する補正を行うべきだと迫った。
み んなの党の渡辺代表は「まず、減額補正をやるべきです。(政府は)『特例公債法が成立しないと、11月末には財源が枯渇する、国民生活や地域に影響を及ぼ し、大混乱が起きる』などとあおっている。『ハルマゲドンが来るぞ』と言って、自作自演をするのと同じですよ」と述べた。
野田首相は「定率繰り入れを停止して、歳出予算を減額すれば、将来の国債償還への備えが不足することから、適切ではないと考えております」と述べたうえ、財源が枯渇した場合に財務省証券を発行してしのぐ案についても、「法律に照らして許容されない」との立場を表明した。
また、共産党の志位委員長が「即時原発ゼロ」を訴え、社民党の阿部政審会長も「大飯原発の停止」を求めたのに対し、野田首相は「原発ゼロの政治判断には、現実的には十分な時間が必要ではないか」と述べ、当面原発の利用を続けていく考えをあらためて示した。
(11/01 20:15

電力各社決算コメント、関電に続き九電が値上げ検討(1) - 12/11/01 | 18:38


(この夏、電力会社は節電を呼び掛けた〈関西電力本社〉)

 電力会社10社の2012年9月中間期決算が10月31日に出揃った。原子力発電所の停止に伴う火力発電用の燃料費増加や購入電力料の増加により6社が営業赤字となり、8社が最終赤字となった。関西、九州、北海道、四国の最終赤字は過去最大規模。最終赤字となった8社のうち中部と中国を除く6社が中間配当を見送った。
 今通期については、東北、東京、中部、北陸、沖縄の5社が会社予想を公表。それ以外は未定とした。今通期で営業益、純損益ともに黒字を見込んでいるのは沖縄のみ。上期最終黒字の北陸も通期では70億円の赤字予想とした。
 決算発表において焦点となったのが、各社の電力料金改定(値上げ)に対するスタンス。関西と九州は、値上げの時期や幅など具体的な検討を開始したと表明した。
  九州電力の瓜生道明社長は、「原発の長期停止により上期で1500億円の赤字となった。再稼働がないままだと極めて厳しい財務状況になり、電力の安定供給 に大きな支障をきたす」と述べ、2014年度にも債務超過に陥るリスクにまで言及した。値上げ申請の前提として、現在推進中の1200億円の経営合理化策 をさらに上積みするとともに、資産売却でも聖域なくリストアップしているという。期末配当については、値上げを検討する以上、「一般論として難しい」と 語った。
値上げ検討を示唆したのが北海道、東北、四国の3社だ。
 北海道電力の川合克彦社長は、「泊原発の再稼働時期が見通せない。この状態が長引けば、電力供給や経営基盤に悪影響が及ぶため、料金値上げを考えていかなければならない」と発言した。
  東北電力の海輪誠社長は、「今の苦しい財務状況が長く続き、資金調達が滞るなど電力供給に支障をきたす事態が想定された場合には、料金改定を含めたあらゆ る選択肢を検討する」と述べた。北海道と同様、まだ検討を開始してはいないものの、決算内容から見て、検討を示唆するものだ。
 四国電力の千葉昭社長は、「厳しい状況が続いており、効率化の状況などを見極めながら、料金改定を具体的に検討するか近いうちに判断したい」と語り、今月中にも具体的検討に入る可能性を示した。
 一方、その他の会社は現行の料金体系を維持する意向を表明。
 中国電力の苅田知英社長は、「こうした状況が続けば収支が大変だが、コスト削減に勉め、できる限り、現行の料金体系を維持したい」と語った。
 中部電力の水野明久社長も、「現行の料金体系を1日でも長く維持していきたい」と語り、2年連続の赤字は厳しいとはいえ、コストダウンで対応する姿勢を強調した。
 また、北陸電力の久和進社長は、「値上げの産業界への影響は大。現行水準の維持に努めたい」と述べた。そして、「志賀原発が再稼働すれば値上げの必要はない。安全強化策などしっかり対応していく」と、早期の原発再稼働に期待を示した。
 電力各社でこうした対応の差が出るのは、原発依存度の違いによるところが大きい。発電設備の構成比で見た原発の比率は、九州や関西、北海道が4割前後であるのに対し、中国は8%、中部も15%にとどまる。沖縄は原発ゼロだ。
 今後、値上げを申請するにしても、原価見通しなどの審査に4カ月程度かかり、申請どおりになるかも不透明。人件費を含め、大幅なコストダウンが前提条件となるため、電力会社としても、労働組合との交渉など厳しい対応が必要となる。
(中村 稔 撮影:尾形文繁 =東洋経済オンライン)
被ばく措置取らず…福島第一元作業員が告発
 福島第一原発の事故直後の去年3月、緊急作業を請け負った「関電工」が被ばくを抑えるための必要な措置を取らなかったのは労働安全衛生法違反にあたるとして、関電工の指示の下、現場で作業にあたった46歳の元作業員の男性が、福島県の富岡労働基準監督署に告発した。
 男性は、3号機のタービン建屋の地下で作業を行ったが、線量計が高い値を計測して他の作業班が撤退したのに、関電工の作業班は作業を止めなかったとしている。
 また、男性は、「東京電力」についても、労働災害を防ぐ措置を取らなかったとして、労基署に安全管理の徹底などを求める申し立てをした。(11/01 18:39)

首相“着実な予算編成が必要”

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首相“着実な予算編成が必要”

国会は、衆議院本会議で野田総理大臣の所信表明演説に対する2日目の代表質問が行われ、公明党の井上幹事長は、年内に衆議院を解散して来年度予算案の編成は新たな政権の下で行うべきだという考えを示しました。
これに対し、野田総理大臣は「『政治不況』を起こさないためにも、着実な予算編成の準備が必要だ」と述べました。
この中で、公明党の井上幹事長は「『近いうちに国民に信を問う』とした『近いうち』とは、少なくと も『年内』が常識だ。これ以上、民主党による『政治不況』によって国民の生活が壊されるのを見過ごすわけにはいかない。国民の民意を得た新しい政権が、経 済対策や予算編成を実行に移すべきだ」とただしました。
これに対し、野田総理大臣は「とりわけ急がなければならないテーマとして、赤字国債発行法案、1票の格差、定数削減の問題、それに、社会保障制度改革国民会議を挙げている。条件が整えば、きちっと自分で判断したい」と述べました。
そ のうえで、野田総理大臣は「予算編成は、内閣の責任として、それぞれの時期に必要な手順と準備を進めることが必要だ。『政治不況』を起こさないためにも、 赤字国債発行法案の1日も早い成立と、間断のない経済対策の実施、それに、着実な予算編成の準備が必要だ」と述べました。
共産党の志位委員長は「被災地の復興のためと言って、所得税や住民税の増税を求めておきながら、関係のない大企業にばく大な補助金をばらまき、被災地が切実に求める施策を切り捨てるのは理不尽だ。復興予算の流用を直ちにストップすべきだ」と指摘しました。
こ れに対し、野田総理大臣は「復興予算がさまざまな指摘や批判を受けているのは事実で、『被災地の復興に最優先で使ってほしい』という声に真摯(しんし)に 耳を傾けなければならない。被災地が真に必要とする予算はしっかり手当てし、それ以外は厳しく絞り込んでいく」と述べました。
社民党の阿部政策審議会長は「大飯原発の再稼働は、いわば暫定安全基準に基づくものであり、運転を停止させるべきだ。原子力規制委員会は、今後の原発の再稼働などについて、『最終判断には関与しない』としており、一体、誰が最後に責任を取るのか」と質問しました。
こ れに対し、野田総理大臣は「大飯原発は、地震や津波に襲われても、炉心損傷に至らない十分な安全性が確保されていることを確認した。原発の安全性は、原子 力規制委員会が独立した立場から評価するが、政府として安全性が確認された原発は、重要電源として活用することを決定しており、しっかりと責任を果たして いきたい」と述べました。
みんなの党の渡辺代表は「デフレ状態が続くのは、政府・日銀が一体的な行動をとっておらず、日銀法に問題があるからだ。政府が日銀に目標を示し、目標達成に関する義務違反があれば、日銀総裁を解任できるように日銀法を改正すべきだ」と述べました。
これに対し、野田総理大臣は「総裁の解任など、政府の関与をこれまで以上に強める日銀法の改正は、日銀の独立性の観点から慎重に考える必要がある。日銀には、デフレからの早期脱却に向け、役割を果たすことを強く期待する」と述べました。
日本維新の会の松野国会議員団代表は、赤字国債発行法案に賛成する考えを表明する一方、衆議院の定数削減について、「不十分だが、せめて45議席の削減くらいはすべきで、身を切る姿勢を見せなければ、国民の納得は得られない」と述べました。
こ れに対し、野田総理大臣は「違憲・違法の状態にある1票の格差の是正は、喫緊の課題だが、政治家の身を切るという意味で、定数削減も国民の強い要請だ。違 憲状態からの脱却が最優先課題であることは言うまでもないが、党利党略を超えて、定数削減という国民の要請にいかに応えるか、各党が真剣に議論し、臨時国 会で結論を得てほしい」と述べました。

公明“言い訳に終始”

公明党の井上幹事長は記者団に対し、「これまでと同じ答弁の繰り返しで、政権を担っているという気迫や責任感が極めて乏しい。答弁の大半が言い訳や正当化に終始していて、現状を打開しようという積極的な答えがまったくなく、極めて遺憾だ」と述べました。
そ のうえで、井上氏は「野田総理大臣は、衆議院の解散について『条件が整えば』などと言っているが、条件を整えるための与党側の積極的な動きがほとんど見ら れない。『野党が協力すべきだ』と言うだけでは状況は打開できず、『近いうちに国民に信を問う』ということを具体的に決断し、実現するときが迫っている」 と述べました。

共産“民主党政権は崩壊状態”

共産党の志位委員長は記者会見で、「私がただした問題について、ことごとく答弁を回避していた。民主党政権が崩壊状態にあり、政権担当能力をまったく失っているという思いがした」と述べました。
また、志位氏は今後の国会審議について、「まずは予算委員会をやって、政府の政治姿勢を徹底的に明らかにすることが最優先だ。そのうえで個々の委員会の審議が可能になる」と述べました。

みんな“丁寧だが中身ない”

みんなの党の渡辺代表は記者団に対し、「以前に比べて丁寧な印象を受けたが、中身のない答弁だった。経済対策は、本来、補正予算案を組 んで本格的にやるべきだが、それをやるのかやらないのかも、きょうの答弁では分からなかった。野田総理大臣は、『臨時国会で補正予算案を出す』と宣言して 国会を召集すべきだった」と述べました。

維新“既成政党も評価すべきところは評価”

日本維新の会の松野国会議員団代表は記者団に対し、「与党だから、野党だからということに関係なく、永田町の外の人が『なるほど』と思 える演説をした。赤字国債発行法案に賛成すると申し上げたところは与党側は喜んでくれたと思うが、自民党についても戦後復興から高度経済成長に導いた実績 は評価した。既成政党はダメだと批判するつもりはなく、評価すべきところは評価して、自分たちの存在感を示したい」と述べました。

バングラデシュ原発計画 福島の人間にできること【いわき発】

2012/11/ 1 18:25
   国際協力NGOセンター(JANIC)は、日本の国際協力NGOの最大のネットワーク団体だ。シャプラニール副代表の大橋正明さん(恵泉女学園大学教授)が代表を務める。東京・増上寺で102728日、シャプラニールフェスティバルが開かれた。

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   日曜日(28日)、会場で「原発・福島・バングラデシュとわれわれ」と題する大橋さんのミニ講演を聴いた(=写真)。



   日本のNGOの歴史、JANICの震災対応活動、シャプラのいわき市での支援活動などに触れたあと、シャプラが40年にわたって活動を展開しているバングラデシュの原発計画問題を取り上げた。こちらが本題だ。



   東日本大震災の前後から、ロシアがバングラデシュの原発建設を支援する話がしばしば報道されるようになった。大橋さんは今年3月、福島の経験と原発問題についてバングラデシュで講演した。反応は弱かった。



   あまりにも悪すぎる現地の電力事情(計画的な地域停電の日々)と、原子力に対する理解の浅さがその背景にあるのではないかと、大橋さんは考える。



   先進国では既に原発を建設できるような状況にはない。そこで、途上国への「原発輸出」を競うようになった。途上国の事情と先進国の思惑とが絡み合う――大橋さんの話を聴いて、ことは単純ではないことを知る。



   福島の人間にできることははっきりしている。「福島の経験」を発信し続けることだ。国内へ、国外へ、そうしてバングラの市民と情報を共有するしかない、という大橋さんの話が胸にしみた。
(タカじい)
1118】武藤類子さんが福岡市で講演 「原発の無い玄海町を考える会」
イベント情報
201211117:32
fukusima_kokuso_dantyo.jpg  脱原発を訴える市民グループなどが中心となって結成する「原発の無い玄海町を考える会」は、1118日(日)午後6時から、福岡市中央区のふくふくプラ ザ(福岡市市民福祉プラザ)の1階ホールで記念講演などを行なう。同会は原発立地自治体である佐賀県玄海町の町民と連携を深め、九州電力・玄海原発の再稼 働の阻止へとつなげることが目的。
 今回、記念講演を行なうのは、福島原発告訴団団長の武藤類子さん。「私たちはいま、静かに怒りを燃やす〝東北の鬼〟です」。2011年9月19 日、東京・明治公園で行なわれた「さようなら原発集会」で6万人の聴衆に深い感動を与えた武藤さんが原発事故の責任追及への想いを語る。
 また、記念講演後、3人の地方議員をパネラーに迎え、武藤さんとパネルディスカッションを行なう。今回、参加するのは福岡市議会の荒木龍昇市議(早良区・無所属)と寺島浩幸市議(西区・みんなの党)、糸島市議会の江頭晶子市議(社民党)。
 参加料は1人500円。ただし、玄海町民は無料となっている。
■「原発の無い玄海町を考える会」記念講演
<日 時>
11
18日(日) 午後6時~午後9時
<会 場>
ふくふくプラザ(福岡市市民福祉プラザ)1階ホール
(福岡市中央区荒戸3-3−39
<入場料>
500
円(玄海町民は無料)
<お問い合せ>
九州住民ネットワーク(担当:原)
TEL
090-5286-5853
E-mail
hara@kbe.biglobe.ne.jp



原発防災対策策定向け「両県トップ会談」
(島根県)
原子力規制委員会が「防災重点区域」を30キロ圏へ拡大する方針を示した事を受け、平井知事と溝口知事が会談。平井知事が防災計画策定に向け両県共同の協議会設置を提案した。溝口知事は一定の理解を示しつつ、県内の関係自治体と協議した上で回答する方針。
[ 11/1 16:55 日本海テレビ]

6袋が基準値超え 旧平田村のコシヒカリ

201211020910分配信
県は1日、平成24年産米の全袋検査で、福島市旧平田村の農家が生産したコシヒカリの玄米6袋(1袋30キロ)から、食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。
旧平田村は、全袋検査などの管理計画に基づくことを条件に作付けが認められた事前出荷制限区域のため、旧市町村単位の出荷自粛は求めない。
県によると、基準値を超えた6袋のセシウムは全て110ベクレルだった。
コメは福島市が処分する。
この農家の収穫量は140袋で、残りの134袋は全て基準値以下だった。
基準値を超えた6袋の他にも、比較的高い値が出た77袋について、県と市などは扱いを今後検討する。
残る57袋は出荷できるという。
県内では天日干ししたコメから比較的高いセシウムが検出されているが、この農家は機械乾燥だった。
県は土壌や作付け状況などを調べ、原因を究明する。
事前出荷制限区域は23年産米から100ベクレル超500ベクレル以下のセシウムが検出されるなどした地域。
全袋検査が義務付けられており、基準値を超えたコメは処分する。
基準値を超えたのは須賀川市旧西袋村に続いて二例目。
旧西袋村は県と市が管理計画を政府に提出し、出荷自粛が解除された。

放射性セシウム:御殿場のキノコから検出 /静岡

毎日新聞 20121102日 地方版
 県は1日、御殿場市で採取された野生のキノコから食品衛生法の基準値(1キロあたり100ベクレル)を 超える放射性セシウムを検出したと発表した。いずれも10月31日に採取され、キハツタケが230ベクレル▽ツバフウセンタケが200ベクレル▽アカモミ タケが340ベクレルだった。同時に検査したコガネタケは8・9ベクレルと基準値を下回った。【小玉沙織】

小坂町、今月中旬搬入再開

20121102
◇首都圏焼却灰/3自治体と合意
 小坂町が搬入を中断している首都圏の焼却灰について、町は今月中旬にも受け入れを再開する。埼玉県川口市など搬出元の3市で町が独自に調査した結果、焼却灰に含まれる放射性セシウムの濃度が基準を下回り、「安全性に問題はない」と判断。各自治体と搬入再開で合意した。
 首都圏などの焼却灰を受け入れているのは、非鉄大手DOWAグループが町内で運営する最終処分場だ。昨年、焼却灰から国の基準を超える放射性セシウムが検出され、受け入れを中断。町が搬入再開を求めている川口市、千葉県市川、流山両市と再開に向けて事前協議を進めた。
 川口市は今年度末までに3市で最大の1600トンの受け入れを求め、市川市は千トン、流山市は200トンの搬入を希望している。
 町は10月中旬、3市に町職員を派遣して、焼却施設で焼却灰を採取。民間会社に委託してセシウム濃度を測定した。その結果、川口市の施設 で1キロあたり1260ベクレル、流山市で1770ベクレル、市川市で1010ベクレルを測定。「4千ベクレル以下に限る」とした受け入れ基準を下回っ た。 (加賀谷直人)
マダラ去年並みの価格で取り引き
(青森県)
出荷制限解除を受けて1日八戸港に水揚げされたマダラのセリが2日行なわれた。販売前の放射性物質検査で放射性セシウムが検出されなかったためセリにかけられた。10キロで高値3千円、安値千円とほぼ去年並みで取り引きされ首都圏などに出荷された。
[ 11/2 11:47 青森放送]

青森県内の首長有志が東通原発を視察(2012/11/02 11:03


 原子力施設が立地していない町村を中心とした青森県内の首長有志が1日、東通村の東北電力東通原発を視察した。放射性物質の拡散による被害の深刻さが浮 き彫りになった東京電力福島第1原発事故を受け、県内の立地地域以外でも「人ごとではない」と原子力政策に強い関心を寄せる首長は多い。今後、同原発の再 稼働をめぐり県から意見を求められる立場にもあり、呼び掛け人の関和典西目屋村長は「勉強を続けたい」としている。
【写真説明】
東北電力東通原発を視察する青森県内の町村長有志=1日、東通村

津軽の首長 東通原発視察 

20121102
東北電力東通原発で安全対策を聞く津軽地方の町村長ら。中には初めて原発を視察する首長も=東通村
100キロ以上離れた地域にも放射性物質の影響が出た東京電力福島第一原発の事故をうけ、津軽地方を中心とする県内町村長13人が1日、東通村の 東北電力東通原発を視察した。多くが原発の視察は初めてで、「モノを言うにはまず現場を見てから」(森内勇・外ケ浜町長)と安全対策をチェックした。
 原子力規制委員会が10月に公表した東通原発事故時の放射性物質拡散予測では、国際的な避難基準に達する地域は、最大でも12~13キロ 圏にとどまった。一方で、避難基準は下回るものの、放射性物質が東風「やませ」に乗り、津軽半島方向へ広がる図も示され、津軽地方の首長からは「他人事 (ひ・と・ごと)ではない」との懸念の声が出ていた。
 参加したのは、外ケ浜、蓬田、鰺ケ沢、深浦、西目屋、藤崎、板柳、鶴田、中泊、大間、風間浦、田子、南部の13町村長と今別町の副町長。 津軽地方や県南の遠方の首長が大半を占めた。呼び掛け人となり、初めて原発を訪れた関和典・西目屋村長は、「町村長にはそれぞれ守らなければいけない地域 がある。首長の関心は高い」と明かす。
 一行は、津波対策で新たに設置された非常用電源や建設中の防潮堤、原子炉建屋の水密扉を見て回った。東北電力側は、「非常用電源設備があ れば、外部電源を喪失した状態でも原子炉を冷やせる」「非常用電源の燃料は敷地内に備蓄しており、15日間は冷却できる」と安全対策を説明した。
 外ケ浜町の森内町長は「やませは東通から外ケ浜に吹いている。東通で何かあれば、原発の近隣町村より影響が出るかもしれない」と心配し、初めて原発を視察したという。「何も見ないで、ただ反対とは言わない。安全対策はよくわかり、評価はできる」と話した。
 視察後、関村長は、「原発の再稼働や建設再開について、しっかり判断しなければいけない課題が山積しており、今後も勉強していきたい」と 表明。ただ、再稼働や原発建設への考え方は「参加した町村長の間でも色々ある。県内経済や雇用に与える影響も考えないといけない」などと議論の難しさを指 摘した。
(別宮潤一)

【神奈川】

焼却灰 続く市の一時保管 拡張しないと来年3月でいっぱい

2012112

囲われているうち、陸に近い部分が川崎市の管理型処分場=川崎区で(市提供)
川崎市は、家庭などから出る一般ごみを焼却して出る「飛灰(ひばい)」を、昨年七月から一時保管している。福島第一原発事故の影響で放射性物質濃 度が高いためだが、一時保管場所を拡張しない場合は来年三月でいっぱいになる計算。市には対応への苦慮がみてとれる。 (山本哲正)
 全国的に注目を集めた下水汚泥焼却灰は横浜市など県内でも一時保管されているが、焼却灰の一時保管は全国でも異例。きっかけは昨年六月、国から焼却灰の主灰と飛灰の濃度測定をするよう通知を受けたことだった。
 同七月の調査で、焼却炉の底から回収される主灰の濃度は、一キログラム当たり三〇〇ベクレル未満だった。国の指針は「八〇〇〇ベクレル以下ならそ のまま管理型処分場に処分」。「『放射性物質が溶出しない』ということだった」(市環境局)ことも合わせ、市は従来通り管理型処分場で処分することにし た。
 一方、集じんなどで捕まえる飛灰は、同二五三〇ベクレル。基準は下回ったが、これまでの処分が海面埋め立てのため、ためらった。
 海面埋め立てにも種類がある。
 横浜市は隅から順に埋め立てている。対して川崎市は薄く散布して全域を徐々に埋め立てる方式で、現状では水中に投入する状態。どう影響が出るか分からないため、国の基準を下回っても一時保管することにした。
 飛灰の濃度は、国が今年三月に示した海面埋め立て指針の基準値も下回ったが、「不安を与えないよう安心な状態にし、市民に説明、理解してもらって から処分したい」(市環境局)と一時保管を継続。九月段階で濃度は同三〇〇~七〇〇ベクレルと当初の三分の一以下に下がっているが、市民から信頼される処 分方法を慎重に探っている状況だ。
 この問題に関心を持つ市民らが三日設立する「ごみねっと川崎」の女性メンバー(55)は「海面埋め立てをしない姿勢はいい」と市の対応を評価。「現状では埋め立ててほしくない」とし、処分方法を話し合うテーブルに市民もつきたいとした上で言う。
 「『ごみは自区内処理』といっても、問題の放射性物質は東電施設から飛んできた。市民としては東電に返したい」
 毎日約二十五トン増える飛灰。本年度の関連費は約六億円に上る。市は東日本大震災対策本部の放射性物質対策検討特別部会で情報を集め、対応を検討している。
 市民の反響が大きかった被災地のがれき受け入れとは対照的に、一時保管に市民からの支持も反対も届いていないという。が、市の内部には「税金の使い道としてこのままでよいか」と市民の無言からくるプレッシャーも漂い、動きを速めつつある。

新潟県長岡市で放射線量が7倍に急上昇!-ヤフーの「防災速報」からツイッターに急速拡散中!

 201211211:00 


■新潟で放射線量が急上昇?
2012111日、ヤフーの防災速報が会員に対し「防災速報」のメールを配信した。
放射線量


新潟県長岡市宮内町の放射線量が毎時0.107マイクロシーベルトを計時したことを伝えるものである。

放射線量

これは比較対象としている201255日から1031日までの平均放射線量0.015マイクロシーベルト7倍以上の数値となる。


放射線量

放射線量

2012 11111:04 放射線量 新潟県長岡市宮内町 5倍に上昇】 ▼直近1時間の放射線量: 0.107μSv/時 ▼比較対象の放射線量: 0.015μSv/時 ※20120505日~20121031日の平均値 今後の情報に注意してください。
これ、気になって今TL見にきたんです…なにこれ…RT @rdsahara: 今、デスクに戻ったら、こんなお知らせが、Yahooの防災速報から届いてた。TLは…?… 放射線量(1035分)5倍に上昇 新潟県長岡市宮内町 http://yahoo.jp/tBMz70 #防災速報
新潟県長岡市、今がれき焼却を始めた様子。防災速報アプリから急激に放射線量が上がったと警報が。一気に7倍!【日時】11/01 10:35【計測地点】新潟県長岡市宮内町【直近1時間の放射線量】0.107μSv/時【比較対象の放射線量】0.015μSv/時 ※5/510/31の平均値
元が低いので線量的には、たいした事はないが、原因(機器トラブル含め)が知りたい。 放射線量(1035分)5倍に上昇 新潟県長岡市宮内町 http://yahoo.jp/tBMz70 #防災速報
今携帯の「防災情報」の通知で新潟県長岡市宮内町の放射線量が5倍に上昇という通知が来たのだけど、何があった?柏崎刈羽?フクイチの風?
急に上昇したのなぜ? 放射線量(1035分)5倍に上昇 新潟県長岡市宮内町 http://yahoo.jp/tBMz70 #防災速報
なにごと??? 放射線量(1035分)5倍に上昇 新潟県長岡市宮内町 http://yahoo.jp/tBMz70 #防災速報
こんなお知らせ初めてきた。 放射線量(1035分)5倍に上昇 新潟県長岡市宮内町 http://yahoo.jp/tBMz70 #防災速報

放射線量

2012112()

福島原発事故 高濃度下で作業指示

元作業員 東電・関電工の違法を告発

「故意に被ばくさせられたも同然だ」。東京電力福島第1原子力発電所事故の緊急作業で被ばくした元下請け作業員の男性(46)が1日、東電と作業 を請け負った関電工(東京都港区)を労働安全衛生法違反、電離放射線障害防止規則違反で、処罰と作業員への線量管理、放射線防護策の徹底などの是正を求め るよう、福島県いわき市の富岡労働基準監督署に告発しました。
 申告書は2011年3月24日、3号機原子炉タービン建屋地下への電源ケーブル敷設作業などで男性が20ミリシーベルトを被ばくしたのは、現場で 指揮した関電工の担当者が鳴り続ける線量計の警報音を「誤作動だ」として無視、事前に確認していない高い濃度の汚染水につかっての作業を5回にわたって指 示したためだとしています。
 同時刻に別の作業チームは現場の空間線量を400ミリシーベルトと測定、直ちに作業を中止し撤退していました。
 男性は伊藤達夫同監督署長に「照明を復活させるだけならあの高汚染水のなかでの作業継続は避けるべきだった」と告発しました。
 伊藤署長は「申告内容を確認し、改めて聞き取りなど適切な対応をしたい」と応じました。
 日本共産党の渡辺博之いわき市議、いわき市労働組合総連合役員が同席しました。
 関電工の話 勧告を受け、安全管理に配慮している。労基署の判断に従って対応したい。
 東京電力の話 詳細を把握していないが、労基署から求めがあれば真摯(しんし)に対応したい。

安全な作業を願って

東電・関電工告発の思い

「作業員が危険な目にあわないで収束、廃炉に向けた作業を安全にできるようにしてほしい」。東電福島第1原子力発電所事故の緊急作業で被ばくした 元作業員の男性(46)は1日、労働安全衛生法違反、電離放射線障害防止規則違反で東電と作業を請け負った関電工を告発した思いをこう語りました。
 厚生労働省で記者会見した男性は、2011年3月24日の高濃度に汚染された水がたまった3号機原子炉タービン建屋でのケーブル敷設作業での被ばく事件について詳細に告発しました。
 男性はタービン建屋の照明灯再点灯のためのケーブル敷設に従事。毎時400ミリシーベルトの空間線量を計測した別の作業チームが「駆け足で撤収しているのに、汚染水につかる作業を継続するのは“自殺行為”に近い」と批判しました。
 男性は、作業終了後に関電工の担当者からケーブルの固定作業に地下に入るよう指示されましたが拒否。しかし1階から地下室をのぞくだけで線量計の警報がなり、結局、11ミリシーベルトを被ばくした、と語りました。
 関電工の担当者が作業の危険性を知っていたと思うか、との質問に男性は、事故前から福島第1原発でメンテナンス作業を共にしてきた経緯から「そうだと思う」と答え、関電工が危険性を承知しながらの作業指示だったことを指摘しました。
 男性は本紙のこれまでの取材に昨年12月、今年3月に受けた被ばく検査で「セシウム137、同134の内部被ばくがある」との通告を受けていることを明かしています。
 会見で男性は、所属会社(2次下請け)や関電工は、定期的な被ばく検査、健康管理については放置状態だったと告発しました。
 弁護団の水口洋介弁護士は、東電、関電工の労働安全衛生法違反、電離放射線障害防止規則違反に当たり、両社には発注者、元請けとして被ばくの実態や線量管理の詳細な事実の解明などで責任を果たさせたいと強調しました。

ヤフー、緊急メールで「線量5倍」誤報

2012/11/ 2 10:43
   ヤフーは2012111日午前、PCやスマートフォン(多機能携帯電話)から登録した人に配信される「防災速報」で「放射線量 新潟県長岡市宮内町 5倍に上昇」と誤った情報を配信し、午後になって速報を取り消した。放射線測定機器の故障が原因。
   メールは1038分頃配信され、新潟県長岡市宮内町で通常観測される放射線量が毎時0.015マイクロシーベルトなのに対して、 0.107マイクロシーベルトが観測されたという内容だ。
   1450分頃になって、「機器故障による誤報のおわび」と題したメールが配信され、誤報の理由を
「地球環境スキャンニングプロジェクトに確認しましたところ、放射線測定機器の故障が原因であることがわかりました」
などと説明している。
   東京電力柏崎刈羽原子力発電所から長岡市までの直線距離は、約25キロ。

【静岡】

《経済》 ディスク・テックがγ線カメラで光分野参入

2012112

◆放射線量を広域に測定

放射線量の高い場所が特定できる「放射線量計測γ線カメラ」=浜松市中区で
検査装置の開発設計・製作を手掛けるディスク・テック(浜松市中区)は、光技術による計測装置の開発を本格化している。放射線量の分布を画像化す る「放射線量計測γ(ガンマ)線カメラ」を来年度から生産する。自治体向けに受注の実績を伸ばし、主力事業の一つに育てていく計画だ。
 同社は一九九八年に設立し、光ディスクの検査装置の開発に取り組んできた。音楽や映像のネット配信が主流になり、光ディスクの需要が減る中、光計測技術を応用した医療機器検査装置など、新分野への参入に力を注いでいる。
 γ線カメラは、放射能汚染された、がれきの山などを撮影して画像化し、画面の中で放射線が強い場所を色分けして示す装置。昨年九月から、光産業創成大学院大と連携して開発。年内に被災地でデータを集めて最終調整し、来年度から本格的に発売する。
 光電子増倍管を組み込んだ検出器を縦に十個並べて、装置を横に振って画像を撮影。無線で離れた場所から制御できる。長谷川正仁社長は「かざした場 所の放射線量しか測定できないガイガーカウンターに比べて、γ線カメラは放射線のホットスポットの場所が特定できるため、効率的に除染ができるようにな る」と特長を説明する。
 価格は、大手メーカーによる同様製品の半額の約一千五百万円。まず、被災地のがれきを受け入れる自治体への販売を目指し、初年度の販売目標は五台。今後、原発事故の被災地のほか、原発の増設を計画しているアジア市場での受注に向け、五年後には二百台に増やす計画。
 長谷川社長は「光計測機器を新分野にカスタマイズし、社会に役立つ製品を作っていきたい」と意欲的だ。
(白山泉)

原子力規制委、大飯原発で初の活断層調査
 大飯原発(福井・おおい町)の敷地内を走る断層が活断層かどうかを確認するため、原子力規制委員会の調査団が2日、初めて原発の敷地内に入り、現地調査を行っている。調査の結果、活断層の可能性があると判断されれば、規制委員会は原発の運転停止を求める方針。
 調査団は2日午前9時から原発敷地内に入り、実際に断層を目視で確認する調査を行っている。一部の調査は報道陣にも公開で行われ、調査団は岩盤に見える亀裂に注目していた。
 2日の調査では、大飯原発の2号機と3号機の間を走るF-6断層と呼ばれる断層に沿って掘られた、トレンチという穴の中に入って、活断層の判定基準となる12万年から13万年前以降に活動した形跡があるかどうかを調べる。
  F-6断層は、一部の専門家から、活断層である可能性が指摘され、「関西電力」は国の指示で再調査を行っているが、先月31日、「現時点で活断層であるこ とを示す証拠は確認できない」とする中間報告を提出している。しかし、2日の調査で、活断層である可能性が認められれば、規制委員会は大飯原発の運転停止 を求める方針。
 調査は2日夕方まで行われ、4日には、調査結果をもとに活断層かどうかを判断する会議が行われる。現在、全国で唯一稼働している大飯原発の運転が継続されるのかどうか、2日の調査結果が注目されている。(11/02 12:25)




規制委、初の現地調査=専門家ら大飯原発で-断層問題・福井


 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内で岩盤の亀裂(破砕帯)が活断層と連動し、重要施設に影響を与える可能性が指摘されている問題で、原子力規 制委員会の専門家調査団は2日午前、初の現地調査を始めた。同日中に敷地内の8カ所を見て回る予定で、破砕帯が動くかどうかの判断材料にする。
 調査団は午前中、原発北側の海辺などで、関電が断層調査のため掘った溝などを調べた。午後には3号機原子炉付近のボーリング状況や、建設時の試掘溝などを視察する。
 調査に先立ち、関電幹部らと面会した規制委の島崎邦彦委員長代理は「天候がどうなるか分からないが、よろしくお願いします」とあいさつ。同社の豊松秀己副社長は「大飯原発のためお越しいただき、ありがとうございます」と応じた。
 問題の破砕帯「F-6」は3、4号機の非常用取水路の下を通っている。
  非常用取水路は原子炉で発生した蒸気の冷却ができなくなった場合に、海水を取り込んで冷やすための施設。普段は使われないが、地震で破砕帯が動けば機能を 失う恐れがある。調査の結果次第では、全国の原発で唯一稼働中の3、4号機が停止を迫られる事態に発展する。関電は中間報告で、F-6は活断層ではないと している。
 調査団は島崎委員長代理のほか、岡田篤正立命館大教授、渡辺満久東洋大教授、重松紀生産業技術総合研究所主任研究員、広内大助信州大准教授の計5人。破砕帯の地層の硬さなどを確かめ、今後も動く可能性があるかを見極める。(2012/11/02-12:32

ページ更新時間:20121102() 1232






■原子力規制委員会 大飯原発の“断層”調査


 福井県の関西電力・大飯原発の敷地内にある断層が活断層かどうかを見極めるため、原子力規制委員会が現地調査を始めました。
 調査が行われているのは、福井県おおい町にある大飯原発1,2号機と3,4号機の間を南北に走るFー6破砕帯です。
 専門家らでつくる委員会の調査チームは2日朝、10メートル近く掘られた溝に入り、活断層の疑いがあるとされる地層を目視で調べました。
 破砕帯の上には原子炉を冷やすための海水が通るパイプがあり、委員会は活断層の可能性が高いと判定した場合には、再稼働している3,4号機について「止めてもらう判断をせざるをえない」との見解を示しています。
 一方、関西電力は独自の調査で「活断層ではない」としています。
 原子力規制委員会は4日の会合で、今回の調査結果について評価する方針です。
(11/02 12:31)

活断層あれば稼働停止も…大飯原発の断層調査(11/02 11:48)

国内で唯一稼働している福井県の大飯原発について、原子力規制委員会が、敷地内を走る断層の現地調査を初めて行っています。 調査が行われているのは、2号機と3号機との間を南北に走る長さ約900メートルの断層です。最近、40万年以内に動いたことが確認され、活断層と認定さ れれば、大飯原発は稼働停止となる可能性もあります。
 (松井康真記者報告)
 あいにくの雨のなか、2日午前10時から調査は始 まりました。5人の調査団はまず、建屋の北側に調査用に掘られたトレンチと呼ばれる溝の中に入りました。調査のリーダーである島崎委員長代理が、自らコテ のようなものを使って地層を削り取るシーンもありました。また、調査団のなかには、早くから「大飯原発の敷地内に活断層がないとは言えない」と指摘してい た専門家も含まれています。調査は午後5時まで行われます。
 (Q.この調査の結果はいつ出るのか?) 
 原子力規制委員会は4日、場所 を東京に移して今回の調査を評価します。関西電力は「活断層ではない」と主張していますが、規制委員会の田中委員長は「黒かグレーなら原発を止めてもら う」と話をしています。電力の需給に関係なく、単に科学的にどうかということで判断するというわけです。今後の日本の原発政策に影響を及ぼす大事な調査と なります。

復興庁、震災関連死の詳細公表
最多は南相馬の336人

復興庁は2日、東日本大震災の避難生活で体調を崩すなどして亡くなり、9月末ま でに「震災関連死」と認定された1都9県の2303人の詳細を公表した。市町村別では福島県南相馬市が336人で最も多く、仙台市の237人、宮城県石巻 市の223人、福島県浪江町の192人と続いた。約9割の2070人が66歳以上だった。
 死亡時期は、震災から「1週間以内」が423人で、「1週間超~1カ月以内」が651人、「1カ月超~3カ月以内」が581人。3カ月を超えてから亡く なった648人のうち福島県は500人だった。東京電力福島第1原発事故で長期避難を強いられる住民が多かったことが影響したとみられる。
【社会・科学】

福島:原発事故で国道6号が不通 国道349号、交通量が急増 近所に行くのも命がけ

20121102
 山間の集落が悲鳴を上げている。原発事故の影響で、いわきや県中方面から南相馬方面へ向かう復興関連の 大型車両などが、阿武隈山系の国道に「迂回(うかい)路」として殺到しているためだ。特に、復興支援として一部避難者を除いて高速道路の無料化措置が終 わった今年4月以降、通行量は急増。沿道の集落は24時間、疾駆する車両の騒音と粉じんに悩まされ、お年寄りや子どもは横断できず立ち尽くす。住民は「こ れでは“酷道”だ」と嘆いている。【栗田慎一、三村泰揮】

 ◇住民「これでは“酷道”だ」

中央車線のない細いくねくね道が続く、田村市船引町新舘の国道349号。木材や建設資材、燃料などを積んだ大型車両に加え、事業用の車などがひっきりなしに往来する。
 「近所に行くのも命がけになっちまった」。新舘で生まれ育った面川アサエさん(87)が1日、目の前を走る大型車両をやりすごしながらつぶやいた。
 面川さんによると、朝6時前には349号に大型車が殺到し始める。新聞配達もしている面川さんは、配達時間を1時間前倒しし、5時半までに終えるようにした。「車にはねられたら犬死にだ。放射能だけでなく、原発事故はとんでもない副産物をもたらした」
 県警によると、原発事故後、迂回路として阿武隈山系の国道の通行車両が急増した。迂回路は複数あるが、田村市内の349号は主なルートが重複し、混雑が激しい。
 最も通行量の多い迂回路は、いわき市の国道49号から349号に入って北上、田村市、二本松市、川俣町から県道12号に入り、南相馬方面へ向かうルート。いわき市内の399号を北上し、川内村を通過、田村市で288号、349号へ入り北上するルートもある。
 これらルートでは死亡事故が頻発。今年6月にワゴン車が大型トレーラーと正面衝突し、葛尾村のお年寄り 4人が死亡した事故も、南相馬市から避難先の三春町に戻る途中の349号だった。また、田村市を訪れた中国人女性が9月、349号を横断中に乗用車にはね られ死亡している。
 県警は、事故が起きると、県トラック協会などを通じて注意喚起の書類を配るなど防止策に努めているが、 ある県警幹部は「警察の取り組みには限界もある」と指摘する。「浜通りと中通りを結ぶ道路は、県内の他地域と比べて整備が遅れていた。そこに原発事故が起 き、避難車両が殺到して渋滞を招いた。それが今は迂回路の問題を引き起こしている」

 ◇7割超「迂回路に利用」−−田村署アンケ

田村署は1日、国道349号を通行中のドライバー85人に行ったアンケート(9月実施)の結果を発表し た。回答者の7割超が、原発事故で通行規制中の国道6号などからの迂回路として利用していることが判明した。また、登下校中の子どもやお年寄りの横断にヒ ヤリとしたり、ごみの投げ捨てなどモラルの悪化や、過積載が原因とみられる道路の破損が目立つとの回答も寄せられた。
 原発事故後、警察が迂回路の交通状況について本格的な調査を行ったのは初めて。
 同署によると、避難区域の住民を除き高速道路の無料化が終了した今年4月以降、国道349号の通行量が 急増した。震災前は約9割だった自家用車の通行は震災後、6割弱に減少する一方、事業車は1割から4割超に増えた。出発地や目的地も、半数程度が田村市内 だったのが、震災後は8割近くが市外。その多くが迂回路として通行している。
 同署は、国道事務所など関係機関と連携し、カーブミラーや幅員減少の表示設置を進めると共に、速度違反や過積載の取り締まり強化も検討している。
 同署幹部は「管内の交通関連事故は震災前とほぼ同じだが、いつ深刻な事故が起きてもおかしくない状況だ」と警告している。

大飯原発 規制委が断層を初調査

112128

大飯原発 規制委が断層を初調査

国内で唯一運転中の福井県の大飯原子力発電所で、国の原子力規制委員会は、敷地にある断層が活断層かどうかを検証する初めての現地調査を行っています。
大飯原発を訪れたのは、原子力規制委員会の島崎邦彦委員と学会から推薦された専門家の合わせて5人で、まず、関西電力からこれまでの調査について説明を受けました。
このあと、敷地の北側で、地面の断面を見る「トレンチ調査」などの現場を訪れ、「F-6破砕帯」という断層が活断層かどうかを検証するため、地層に触れるなどして調べました。調査は午後も行われ、4日に断層を評価する会議が開かれることになっています。
規制委員会は、去年3月の巨大地震を受けて、電力会社などが断層を調べている大飯原発を含む全国6か所で現地調査を行う計画で、今回が初めての調査となります。
国内で唯一運転している大飯原発では、断層の上に原子炉を冷やすために使う海水を取り入れる安全上重要な配管があり、規制委員会は、結果によっては運転の停止を求める考えを示しています。
これに対し、関西電力は31日、「現時点では、断層は活断層とはみられない」とする中間報告をまとめていますが、断層を想定どおり確認できておらず、疑問が残る結果になっていて、規制委員会の判断が注目されます。

新潟、全市町村が原発避難計画

2012/11/2 12:03
東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県の全30市町村が参加する「市町村による原子力安全対策に関する研究会」は2日、原発事故を想定した避難計画を取りまとめるため、会合を開いた。
 代表幹事の長岡市によると、市町村レベルで避難計画を策定するのは全国で初めて。
 事故時の風向きごとに各自治体の避難先の希望を調整し、新潟県が定める地域防災計画や国の法令を基に、事故の際に各自治体に求められる行動をより具体的に示した。
 柏崎刈羽原発から50キロ圏内を対象に人口分布を把握し、各市町村がどの地区に避難したいかを調査。人数や移動手段、避難先の収容数を考慮し、旅館やホテルも避難先の選択肢としたほか、自家用車による避難を前提とするよう定めた。
 ただ、風向きによっては、避難先の収容数が足りず、他県の受け入れ先を探すよう新潟県に要請する必要が出るなど、課題を残した。各自治体は今回の計画などを基に地域防災計画案を策定し、年内に原子力規制委員会に提出する。〔共同〕

原子力規制委が活断層調査 大飯原発で発足後初

 関西電力側(手前)から大飯原発の敷地内断層について説明を受ける原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理(奥左から2人目)ら現地調査団=2日午前、福井県おおい町
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)の現地調査団は2日午前、関西電力大飯原発(福井県)で敷地内断層の調査を 始めた。9月に発足した規制委による初の調査で、4日には都内で評価会合を開き調査結果を議論する。活断層の疑いが強まれば、稼働中の3、4号機の運転停 止を関電に求める方針。
 野田政権は6月、敷地内断層の再調査をしないまま大飯3、4号機の安全性は確認できたとして再稼働を決めた。規制委の調査で活断層と判定されれば、政府の判断の是非も問われる。
 調査団は島崎邦彦委員長代理(東京大名誉教授、地震学)ら専門家5人。
2012/11/02 11:05   【共同通信】
大飯原発「破砕帯」が「活断層」か判断する原子力規制委現地調査

関西電力大飯原発の敷地内を走る「破砕帯」と呼ばれる断層が、地震の際に動く「活断層」かどうか判断する、原子力規制委員会の現地調査が2日朝から始まった。
地図で見てみると、建設当初から関西電力が確認していたとしている破砕帯は、2号機と3号機の間に伸びている。
しかし、関西電力が、20128月から再調査した結果、4カ所に破砕帯を確認した。
再調査で、破砕帯が従来の主張とは異なる位置にあったことがわかるなど、関西電力の調査がずさんではないかとの懸念も浮上している。
さらに、冷却用の海水をくみ上げるための配管もあり、この破砕帯が活断層だった場合の危険性が指摘されている。
規制委員会の調査団が、どのような判断をするのか注目される。
調査団は、午前9時に敷地内に入った。
現地調査は、「F-6」と呼ばれる破砕帯が、地震の際に動く活断層かどうかを調べるため、原子力規制委員会の委員や専門家が、関西電力が行っている調査の現場を視察し、地層の確認を行っている。
F-6
破砕帯については、これまで関西電力の調査結果をもとに、旧原子力安全・保安院が「活断層ではない」との評価を下し、2012年夏、3号機と4号機の再稼働を認めた。
2
日の調査には、活断層のおそれを指摘し続けてきた専門家も含まれていて、活断層の可能性が否定できないと判断された場合、大飯原発の運転継続に影響が出ることが予想されている。
(11/02 12:04 福井テレビ)

東電に透析患者の賠償請求 県腎臓病協議会

201211020937分配信
県腎臓病協議会は1日、東京電力に対し、県内の人工透析患者約5000人に福島第一原発事故による精神的、身体的賠償として地域別に1人当たり40万〜120万円の支払いを求める請求書を提出した。
原発事故後、広域避難や物資の不足で、本来必要な人工透析を受けることができないケースがあり、身体的、精神的に損害を受けたとしている。
その上で警戒区域などに指定された地域は1人120万円、相双は同100万円、いわきは同80万円、県北・県中・県南・会津は同40万円の賠償を求めている。
協議会によると、県内の人工透析患者は約5千人。
協議会員は約1700人だが、全ての患者を対象とするよう求めている。
吾妻政光会長が福島市の東電福島地域支援室を訪れ、福島補償相談センターの大野理副所長に請求書を手渡した。
吾妻会長は「原発事故で、患者は不慣れな環境での透析を強いられた。
この気持ちをくんでほしい」と求めた。
大野副所長は「中身をしっかりと把握し、今後の対応を検討したい」と述べた。

支援強化を要望 県商工会連合会

201211020922分配信
県商工会連合会の知事を囲む商工会代表者会議は1日、石川町の八幡屋で開かれ、轡田倉治県連会長が佐藤雄平知事に対し、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から復興・再生を目指す中小企業への支援強化などを要望した。
要望には、原発事故に伴う損害賠償、風評被害の早期払拭(ふっしょく)への支援強化、東北、磐越両自動車道の無料化措置実施のための活動、豪雨被害を受けたJR只見線の早期復旧に向けた対応などを盛り込んだ。
会議には県内89の商工会の会長ら約100人が出席した。
轡田会長は「一刻も早い原発事故の完全収束と大規模かつ効果的な除染を求める」とあいさつした。
佐藤知事が「福島の復興へ向けた取り組み」と題して講演した。
佐藤知事は震災、原発事故、豪雨、台風の被害が続いた昨年の状況を「県政史上なかったのではないか」とした上で、高校生ら若者が災害に負けず頑張った姿を紹介した。
また、中間貯蔵施設設置、県民の健康管理など課題に触れた上で、再生可能エネルギーの利用拡充、医療産業や観光、農業の振興に取り組む姿勢を強調し「皆さんと二人三脚で地域経済をつくるため頑張っていく」と述べた。
席上、県連役員功労者や各商工会役員功労者への感謝状贈呈・表彰式を行い、轡田会長が県連理事を務めた塩屋昌則遠野町商工会長(71)らをたたえた。
201211212:00

10日に「即時原発ゼロの提言」笠井・講演会

原発ゼロを掲げる「1111全国いっせい行動」に連帯して、日本共産党京都府委員会(渡辺和俊委員長)は10日午後1時半から、京都市上京区の KBS京都ホールで、笠井亮衆院議員(党原発・エネルギー問題対策委員会責任者)を迎えて「『即時原発ゼロ提言』を語る」講演会を開きます。
 「提言」作成の責任者でもある笠井氏が、「なぜ、即時原発ゼロか」「即時原発ゼロは可能か」などについて、「提言」に基づき1時間にわたり詳しく説明。質疑応答も約1時間予定されています。また、原発ゼロの運動を進める各界・市民団体代表らの発言も予定されています。
 参加無料。保育あり。問い合わせ先は同党府委員会TEL075・211・5371。(「週刊しんぶん京都民報」201211月4日付掲載)

<大飯原発>規制委が活断層調査…敷地内で初

毎日新聞毎日新聞:記事一覧 2012112()1105分配信
大飯原発の破砕帯を調査する原子力規制委員会の調査団ら=福井県おおい町で2012年11月2日午前10時、本社ヘリから幾島健太郎撮影
大飯原発の破砕帯を調査する原子力規制委員会の調査団ら=福井県おおい町で2012年11月2日午前10時、本社ヘリから幾島健太郎撮影
毎日新聞
 全国で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内を走る断層(破砕帯)に活断層の可能性が指摘されている問題で、 原子力規制委員会は2日午前、現地調査を始めた。終日、実施する。規制委が現場で断層調査するのは初めて。4日には東京都内で会合を開き、調査結果を評価 する。活断層と判断すれば、運転停止を求める方針。【岡田英、畠山哲郎、松野和生】
【図で見る】全国の原発敷地内にある断層の検討状況
 調査団は、地震学が専門の島崎邦彦委員長代理(前地震予知連絡会会長)のほか、活断層による危険性を警告してきた渡辺満久(みつひさ)・東洋大教授ら外部専門家4人で構成する計5人。
 問題になっているのは、1、2号機と稼働中の3、4号機の間をほぼ南北に走る「F−6破砕帯」。真上を、緊急時に原子炉の冷却用海水を取り込む重要施設「非常用取水路」が通っているとみられる。
  調査団は2日午前、F−6破砕帯の位置などを調べる目的で関電が敷地北端の「台場浜」地区に掘ったトレンチと呼ばれる溝(縦37メートル、横14メート ル、深さ5メートル)に入った。午後には1、2号機北側の山にある別のトレンチでF−6破砕帯を直接見るほか、長さを確認したりするため、延長部分と想定 される場所も調べる。
 調査のポイントは破砕帯の活動時期だ。現行の原発の耐震設計審査指針では、後期更新世(13万〜12万年前)より新しい時期に動いた断層を活断層とみなす。一方で島崎氏は、数十万年前までさかのぼって活動していれば活断層とみなすよう提案している。
  国の安全審査に用いる手引では、原子炉や非常用取水路のような重要施設を活断層の上に建てることを認めていない。また、原子炉等規制法で、「急迫した危険 がある場合」に原発の運転停止命令を出すことができる、と定めている。田中俊一委員長は、9月の記者会見で「(活断層の可能性が)クロか濃いグレーなら (運転を)止めてもらうことをお願いする」と明言している。
 しかし、手引自体に停止命令を出せる法的な強制力がなく、急迫した状態かを見極めるのは事実上不可能だ。そこで、規制委は来年7月までに手続きに法的根拠を持たせるため、原子炉等規制法に基づいた安全基準の策定を進めている。この基準に適合しないと稼働できない。
  今回の調査は東日本大震災を受け、規制委の前身である経済産業省原子力安全・保安院が全原発の敷地内にある断層の総点検を始めたのがきっかけ。関電が7月 に提出した資料が不十分であることなどから「活断層の可能性を否定できない」と再調査を指示。関電は10月31日、「活断層ではないとする従来評価を覆す データは見つかっていない」とする中間報告を規制委に提出した。年内に最終報告する予定だ。
 ◇破砕帯◇
 地下にかかる圧力 によって地層がずれる断層活動の痕跡の一種で、ずれた断層面に沿って押しつぶされて砕けた岩石が帯状の層となって表れたもの。厚さ数センチ〜数メートルの 場合が多く、大きな断層は大規模な破砕帯を伴うことが多い。大飯原発のほか、東北電力東通、日本原子力発電敦賀、北陸電力志賀、関西電力美浜の4原発と日 本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅでも、敷地内の破砕帯が活断層かどうかの再調査が行われている。
 ◇大飯原発の破砕帯を調べる有識者◇
島崎邦彦・原子力規制委員会委員長代理 東京大名誉教授。日本地震学会、地震予知連絡会の会長を歴任
岡田篤正・立命館大グローバル・イノベーション研究機構教授 日本活断層学会の初代会長を務め、阪神大震災後に主要な活断層調査を先導
重松紀生・産業技術総合研究所活断層・地震研究センター主任研究員 英リバプール大研究員などを経て現職。断層のずれによって形成される特殊な岩石が専門
廣内大助・信州大教育学部准教授 愛知工業大地域防災研究センター研究員などを経て現職。変動地形学が専門で本州中部の活断層調査経験が豊富
渡辺満久・東洋大社会学部教授 日本活断層学会監事。敦賀原発など複数の原発周辺の活断層調査の不備を早くから指摘している

地層に触り撮影も=風雨の中、初の調査-大飯原発・規制委

 原子力規制委員会による初の現地調査は、時折降る強い雨と冷たい風の中で始まった。2日午前、福井県おおい町の関西電力大飯原発。調査団の専門家ら5人はまず、原発敷地北側の海辺を訪れ、写真を撮ったり、直接地層に触ったりしながら確認作業を進めた。
 専門家らは薄いグレーの作業着などに身を包み、白いヘルメットをかぶって調査に臨んだ。関電が断層調査のため地面に掘った深さ数メートルの溝の底に降り、赤茶色の地層や黒ずんだ断面を調べた。
 調査団には関電の担当者が同行。専門家らは担当者に質問したり、地層を軽く削ったりしていた。(2012/11/02-11:48

「政治もマスコミも“福島”を収束させようとしている」――南相馬市長が語る復興の現実 (1/3)

福島第一原発のすぐ北に位置する南相馬市。いまだ23000人以上が避難生活を送っ ている同市だが、桜井勝延市長は日本外国特派員協会で行った会見で「政治も日本のマスコミも、事故が収束したかのような報道の中で、“福島”を収束させよ うと思っているかのように感じる」と語った。

[堀内彰宏,Business Media ]
 福島第一原発がある福島県双葉郡のすぐ北に位置する南相馬市。震災と津波、原発事故で大きな被害を受け、震災発生直後の2011326日、桜井勝延市長がYouTubeへの動画投稿を通じて、生活物資が足りない窮状を世界に訴えたことが反響を呼んだ。
 震災から1年半、日本では税金や領土問題など、震災以外のニュースが大きく報じられるようになり、相対的に被災地の状況が伝えられなくなってい る。こうした中、桜井市長は日本外国特派員協会で行った記者会見で、いまだに多くの住民が避難している現状を訴え、復興に向けての課題を述べた。その内容 を詳しくお伝えする。
南相馬市長の桜井勝延氏

南相馬市ではいまだに23000人以上が避難生活を送る

桜井 2011311日に起こった東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が、南相馬市を含めて福島原発周 辺にもたらした影響が今どうなっているのかをしっかりと伝えていく責務があるので、今日こういう場に立たせていただくことに本当に感謝したいと思います。 世界各国のみなさんが日本に支援していただいて、今も支援し続けていただいていることに改めて感謝申し上げます。
 日本のメディアはともすると、福島第一原発事故が収束しつつあるかのように報道しているかのように思えます。確かに、南相馬市民71000人が 一時期1万人を割り込むまで避難を余儀なくされましたが、今は45500人の市民が戻って市内で生活しています。ただ、南相馬市が65%以上戻っている のに比べて、76000人と同じ人口を抱えていた双葉郡の8町村で今戻れている人口は2000人にも満たない状況です。
出典:福島県公式Webサイト
同じ30キロ圏内の南相馬市と双葉郡で、なぜこんなに違うのか。それは南相馬市には国から連絡をまったく受けなかったために避難しなかった市役所があって、一方、双葉郡では国主導で役所を避難させた町村が多かったからです。
 南相馬市は不幸にして国から連絡が来なかったのですが、市民は避難させました。6万人以上が避難したのですが、役所としては「(残った)1万人を支えないといけない」という思いから、役所機能は避難させませんでした
 双葉郡は役場ごと避難しました。3000人の川内村で戻っているのは750人、5800人の広野町で戻っているのは500人弱です。一方、南相馬市は45000人、ほかから移り住んできた人も含めると、今5万人弱が住んでいます。
 南相馬市は3.11以降、1日も役所機能を休んだことがありません。双葉郡の8町村の役所はすでに市外に避難していますので、もとの役場機能を復活できていません。最近、川内村と広野町が役場機能を復活させているのですが、南相馬市との違いは歴然としています。
 放射線量を比べれば、当時も現在も南相馬市よりは広野町や川内村の方が低いんです。役場機能、政治機能が維持されることと維持されないことの差がどれほど大きいかお分かりになると思います。
 先ほど「原発事故が収束したかのような報道がされている」と申し上げましたが、現実は「まったく変わっていない」と感じている人が多くいることを承知していただきたいと思います。
 野田佳彦首相は20111216日に原発事故の収束を宣言しました(参照リンク)。 しかし、南相馬市や双葉郡の現実を考えると、南相馬市で23000人を超える人たち、双葉郡では74000人を超える人たちが現在も避難生活を余儀な くされています。家族が一緒に生活できる環境がほぼありません。それは南相馬市に戻っている市民も、避難している双葉郡の市民も同様です。
 野田首相が大飯原発の再稼働を決めた日、私は仮設住宅の住民と懇談会をしていました。避難している市民は私に「我々は捨てられたのか」と言いました。なぜかというと、野田総理大臣は就任直後に「福島の再生なくして日本の再生なし」と言いました(参照リンク)。避難させられている住民からすると、「自分たちは捨てられたんだ」という感覚を持ったんだと思います。自分たちの仕事が奪われ、家族がバラバラにされている現実がある一方で、電力不足という名のもと、原発が再稼働されていることに対する怒りだと思います。
 少し視点を変えて、なぜここでお話をさせていただくか、述べさせていただきます。
 312日の原発事故以降、日本のマスコミは南相馬市を含めて30キロ圏外へと去っていきました。一方で、住民の多くが残されていた現実がありま した。私がYouTube324日に世界中に発信して以降、世界中のメディアが私のところにやってきました。日本のメディアが我々のところに戻ってき たのは6月下旬、そして7月の南相馬市で牛肉からセシウムが発見されたという報道以降です。
 南相馬市は震度6弱の地震と20メートルを超える津波で4100ヘクタールを失いました。636人が津波で命をなくしました。原発事故で避難を余儀なくされたことで350人が命を落としました(参照リンク)。
 この亡くなられた方々の家族や知人、友人がどれほど心を痛めているか伝わっているか。私は伝わっていないんじゃないかと思っています。彼らの心が癒やされているわけではないし、避難生活を余議なくされている人たちの心の内はより深刻です。
 命があることと命がないことの差がどれほど大きいかを述べたいと思います。津波で亡くなられた方の中には、幼い子どもたちから年配の方々までい らっしゃいます。南相馬市は加えて原発事故で350人もの方々が命をなくされているんです。津波を経験せずに、原発事故で放射能汚染だけされた方々にとっ ては、放射能汚染されたことで世界がすべて失われたかのように感じている市民も多くいます。
 確かに除染は大切ですし、生活環境を取り戻すことは何よりも重要です。命がある人にとって精神的な苦痛は大変だと思いますが、行動でき、話すこと はできます。この生きている人たちが、希望を持って生活できるようにすることが我々の使命です。我々政治をあずかる者にとっては、彼らに希望と仕事を与 え、幸せな生活を送らせるようにすることが使命だと思います。



「“福島”を収束させようと思っているかのように感じる」

桜井 日本の国のレベルの政治の話をすれば、今の民主党政権も、可能性として言われている自民党(政権)の話に ついても、この現実に本当に寄り添った形で政治展開されているかどうか、私は疑問に思います。彼ら(被災者)に希望を与えるのが政治の務めであるという認 識から、「今の政治を変えないといけない」と強く思っています。
 今の政治も日本のマスコミも、事故が収束したかのような報道の中で、“福島”を収束させようと思っているかのように感じています。
 この悲劇から日本は立ち直らなければなりません。政治はこの悲劇を幸福な方向に転換する責務があると思っています。今、この悲劇的な現実を正確に報道するのではなくて、回帰的な原発再稼働の方向に大きくかじを切っているように思います。
 野田首相が就任直後に言ったように、今必要なのは福島の再生であり、日本の再生です。今、福島を再生することが責務ですし、我々はその現実の中にいて、正確に伝わっていない現実があると思っています。
 福島のこの悲劇を日本の再生に変える絶好のチャンスでした。20113月には、永田町も霞が関もパニックに陥っていました。それから霞が関は再生したかのように感じていますが、被災地福島は再生されていません。このギャップを埋めるのが政治の役割だと思っています。
 日本の政治とマスコミを含めたシステムを変えていかなければならないと感じています。ところが現実は過去に戻りつつある、過去のシステムに戻りつつあると感じています。あの悲劇を乗り越えて世界を変える、政治的な絶好のチャンスを逃したと思っています。
 野田首相はオールジャパンという言葉をよく使います。私は自民党であれ、共産党であれ、公明党であれ、民主党であれ、力を合わせてこの危機を乗り越えるべきだと党首の方々にしきりに訴えてきました。
 ところが現実はどうでしょうか。政権を批判し、非難し、自分たちが政権をとることにのみ必死になっているように感じています。日本のマスコミが報道しなかったにも関わらず、当時、世界中のマスコミが私のところに来て、現実を報道していただきました。
 日本の政治を変えるということは、マスコミも含めたシステムを変えることだと思っています。当時から今までの日本のメディアを考えると、私たち被災地に寄り添った姿というのはいまだかつてみえておりません。
 私はその原因が2つあると申し上げてきました。1つは日本のメディアが使命感を持っていないこと。もう1つは多くの電気事業者からコマーシャル料 をもらってきていること。今の被災地の現実を世界のメディアの方々にしっかりと伝えて、世界から日本を変えていただかないと、今の日本の中から変える力は 小さいのではないかと感じています。
 南相馬市の住民も含めて多くの国民は、原発との共生を望んでいません。子どもたちや孫たちの世代に負の遺産を残していくことを望んでいません。日本の政治は被災地の姿をしっかりととらえて、過去に遺恨を残さない政治を作り上げていかなければならないと感じています。
 南相馬市長として、全国の首長に「脱原発をめざす首長会議」 を呼びかけました。自民党支持者から選ばれた首長であれ、民主党支持者から選ばれた首長であれ、住民から選ばれた首長は住民の命を守る責務があります。首 長の多くは我々の考え方に賛同してくれています。住民から直接選ばれた首長として、住民を守る、住民の生活を支える責務があるからです。
 ご存じの通り、日本は議院内閣制です。議席を数多く取った政権が政権与党が首相を選ぶシステムです。本来であれば、この悲劇を乗り越えていくために、強いリーダーシップを持った首相が選ばれなければならないと感じています。
 南相馬市は原発と共存しないことを決めて、産業も原発と共存しない脱原発、そして再生可能エネルギーを中心とする産業再生を目指しています。地震 と津波と原発事故で、農民の多くは農業を営む意欲を失いつつあります。農民に希望を与えていくこと、仕事を営むこと、これを我々が与えていかなければなり ません。農業を営む意欲がなくなった人たちが、農地を手放したがっています。我々は農地のままでなくとも、太陽光エネルギー発電所であれ、再生エネルギー の基地であれ、さまざまな用途にできると感じています。
 一方、日本の霞が関はもとのままであることを望んでいます。現実に即した政治が必要だと感じています。南相馬市は、再生可能エネルギー基地に変えていくためのさまざまな政策を展開していきます。
 もちろん除染も含めて、生活環境の改善には努力していきます。市民に生活を営む意欲を動機づけていく、営もうとする気力を与えていくのが政治の務 めだと思っています。原発事故を乗り越えて、市民に生活する意欲を持たせることが我々の使命です。福島に住む人たちが意欲を持ってもとの生活以上の生活を 営もうとする意欲を与えていく、心を再生することが何よりも重要だと思っています。人に必要なのは自分が何のために命を与えられているかを実感できて、家 族を構成し、幸せを目指すことだと思っています。
 南相馬市は再生エネルギー産業への転換と、原発の廃炉を目指した産業、ロボット産業などの育成を含めて、新しい産業に挑戦していこうとしていま す。彼らの過去の生活を奪ったこの現実から、自分たちの生活を取り戻させようとする気力をもう一度立て直すことが我々の使命です。
 日本人は過去から今まで、さまざまな知恵を集めてきた国民だと思っています。この危機を乗り越えられる国民だと思っています。そのためにこの悲劇 的な現実をしっかりととらえて、この現実を変革して、彼らに希望を持たせる政治を展開することが何よりも世界に発信する上で必要なことだと思っています。
 自民党の安倍晋三総裁が総裁選当選直後、私のところにおいでになりました。彼は被災地に寄り添っていくということを発言しました(参照リンク)。その舌も乾かないうちに米倉弘昌経団連会長との話し合いの中で、原発については再稼働ありきの発言をしています(参照リンク)。
 民主党政権が物足りないのであれば、自民党が政権を獲得した折にはもっとすばらしい政治を展開し、新しい産業に切り替えるのが、国民に対する希望 あるメッセージだと思っています。石原慎太郎前東京都知事は福島第一原発事故直後に「この技術を失ってはならない」という発言をしました。日本の指導者と 言われる政治家たちがなぜこの現実をしっかり見ようとしないのか。私には現場を預かる首長として、この現実をしっかり伝える責務があり、再生させる責務が あります。
 福島の現実を見て、ドイツは変わりました。世界中の多くが脱原発に向けた産業シフトをしていこうとしています。被災地で今、悲劇的な生活を送られ ている市民の多くの気持ち、そして一般の国民が毎週金曜日に官邸をとり囲んだ運動を考えると、日本の国民は理知的だと考えています。この国民の多くの気持 ちを政治がしっかり反映していかなければならないと感じています。
 日本の再生は福島の再生なくしてはありません。多くのみなさまにこの現実をしっかり伝えて、世界中のみなさんとともに、日本をそして地球をしっか り後世に伝えていくのが我々の責務だと思っています。被災地の首長としてみなさまに世界に現実を伝えていただいて、地球人として日本人として、この地球を 後世にしっかり残していく責務を持っていることを申し上げます。

多くの人に現実を共有してもらいたい

――野田首相は脱原発すると発言したと聞いていますし、前内閣府特命担当大臣(原子力行政担当)の細野豪志氏も経済産業大臣の枝野 幸男氏も同じようなことを言っています。桜井さんは回帰的とおっしゃいましたが、私は基本的に日本政府は原発を完全にあきらめる方針を固めたと解釈してい るのですが、これは正しい理解でしょうか。
桜井 政府はエネルギー基本計画策定にあたり、全国で意見聴取会をしました。結果として、70%以上の方々が原発をゼロにすることを望んでいました。しかし、残念ながら閣議決定されない結果に終わりました。
 脱原発を決めた政権が法律に書きこむような形がとれれば最善だと思っていますが、政権が変われば、大きく逆戻りする可能性が強いのではないかと感じていますし、明記されない現実について非常に憂慮しています。
――原発事故で避難を余儀なくされたことで350人がお亡くなりになったというお話をされたのですが、具体的にどういう亡くなり方をされたのか説明していただけますか。
桜井 原発事故で原発から30キロ圏内に入ったところは、ほぼ医療は壊滅しました。南相馬市の地域医療もベッド 数ゼロにまで追い込まれました。患者は市外各地への病院に搬送させられました。介護施設の入所者は入所できなくなり、全国各地へと避難をさせられました。 その多くの過程で患者が亡くなりました。また、避難先で今までかかっていなかった病気を発病して亡くなられた方もいます。医者や弁護士の認定を受けた患者 としての死亡者数が350人にのぼっているということです。
――原発事故での避難によって南相馬市だけで350人が亡くなったということですが、避難という選択肢は本当に取るべき正しい選択なのでしょうか。
桜井 ご指摘の通り、20キロ、30キロに線を引いて避難させたことによって、多くの患者が亡くなりました。この現実を踏まえて、特定避難勧奨地点から計画的避難区域になった飯舘村は、我々の教訓を糧に特別養護老人ホームを避難させないことを決めました。
 弱った患者たちが、よく分からないまま避難させられました。あの深刻な状態の中で、春先の冷たい気温の中、移動させられてのダメージがどれほど大 きかったか。放射能によって死んだわけではないと思いますが、放射能事故によって避難させられて亡くなる原因になってしまった。これは日本にとっても世界 にとっても大きな教訓としなければならない現実だと思っています。
 医療の現場も同じです。コンクリートに遮蔽された建物がどれほど放射線を遮断できるかということも含めて、今、避難させないといけない人と、避難させてはならない人とをしっかり分けないと、犠牲者が増える結果になると思っています。
――原子力規制委員会が、安定ヨウ素剤の使用については原子力規制委員会が決めるべきだと言っていますが、これについてどう思いますか。
桜井 安定ヨウ素剤は、南相馬市が大混乱になる中、配ることができませんでした。一部にしか備えていませんでしたし、配る方法も分かりませんでした。これによって、多くの方々が内部被ばくしたのも事実だと思います。
 今回の原子力規制委員会が配ることも含めて決定する方向ということは、リスクに対する備えとしてはあってしかるべきだと思いますが、現場でどのよ うな方法で配布し、どのように服用するかはまだ学んでいません。これをしっかり伝えることが必要だと思っています。放射能に対する教育と同じように、ヨウ 素剤の服用の仕方も、我々にしっかり教えていただく努力が必要だと思っています。
――今行われている除染活動で課題になっていることや政府への要望があれば教えてください。
桜井 昨日も復興庁と環境省にお願いしてきました。本格除染のスピードが上がっていませんが、その原因は仮置き場の見通しがなかなかつかないことにあります。
 そこには「国が探している中間貯蔵施設の見通しも立っていないのに、なぜ我々のところに仮置き場を設置しないといけないのか。いつまで置かれるの か」という不安がいっぱいで、仮置き場さえも認めたがらないことに加えて、現場での技術が生かされない現実があります。新しいより効果的な方法も残念なが ら財政的措置がされないために採用されない現実があります。これを現実に即した形で対応してほしいと申し上げています。
――ドイツは原発事故後、脱原発政策にかじをきったわけですが、日本とドイツの行動の違いを首長はどう受け止めていますか。
桜井 日本人は過去から現在に至るまで理知的な民族だと思っていますが、現実的に経済の利害関係だけを追ってみ ると、「国民の利益」という政治家が言う言葉と逆行して、企業の利益や現実的にもうかる産業にいかにシフトしていくかということから逃れられていない、つ まり日本の原子力ムラが現存しているような現実があるのだろうと思います。先ほども申し上げましたように、国民はもうすでにそういう世界から離れようとし ているんじゃないかと思っています。
 一方、ドイツ人は非常に合理的な決定をする民族ではないかと思っています。それは多分ドイツの歴史、ゲルマン民族の歴史も含めて自分たちの民族に いかに永続的な繁栄をもたらすかという手段として、迅速な決定が必要だったという、民族が通ってきた歴史的な過程によるものと思います。
 日本は江戸時代を考えると、非常に理知的で環境にやさしい生活を営むことを当たり前としてきた民族だと思っています。近代国家になって、欧米に追 い付くことのみを先行して志向し、その結果として多少の成功を得ましたが、言葉は正確ではありませんがそれにおぼれた瞬間があったのではないかと思いま す。質素さや、精神的な豊かさを求めることを常としていた過去を振り返るだけの時間があれば、もっと賢明な判断ができるのではないかと思います。
――思想家の東浩紀さんが「福島第一原発観光地化計画」 を提案されています。被災地を観光地化して震災について考える場にすれば、関心が高められ、建設的な討論が行われるための土壌が生まれるのではないかとい うことす。一方でそれは不謹慎ではないかとの声もあるのですが、被災地を観光化することについて、どのようにお考えか教えてください。
桜井 私は416日に警戒区域の解除に応じました。津波、原発事故の被災地では初めてです。その目的は住民に自由に立ち入りしてもらうことと同時に、多くの方々に現実を知ってもらうことが必要だと思っていたからです。
 防犯上の不安など、さまざまな問題がありますが、現実を現実として見ていただいて、それをツアーにするかの問題は別として、多くの人に現実を共有 してもらい、力を貸していただきたいという思いでいっぱいですので、来ていただいて現実を見ていただくことには何のためらいもありません。
――先日、国際赤十字赤新月社連盟が福島の原発事故によって避難を余儀なくされている状況は、人道上の危機だと指摘していました。 市長は人権の侵害ということについて、どのようにお考えですか。また、基本的人権の尊重や健康的な最低限度の生活を保障した憲法に背いているということ で、司法の場に訴えることは考えていますか。
桜井 ご指摘のように憲法に違反するのではないか、人権に侵害しているのではないかという指摘があります。私も そのように感じている一人です。それを司法の場に持ち込むかどうかという問題を指摘する人もいますが、裁判で戦うことと政治を変えることのどちらを優先す べきか考えている最中で、判断できていません。ただ、指摘があったように、現状、生活できる権利を奪われていることは間違いないとは思っています。
――数週間前から報じられていることですが、復興予算が復興や防災とはまったく関係ないところに使われているというニュースについてどう思われますか。
桜井 復興予算が現地に使われていない現実を指摘されたのは、まったく不幸なことだと思っています。日本の再生 のために、被災地にしっかり財政出動して立て直すことが何よりも重要です。例えば官庁の立て直しなどに予算を使うことがなぜ同じような復興予算になるのか ということは疑問に思うところですし、被災地がしっかり復興するように適切な執行を望むところです。
――将来的に南相馬市が人口や文化的な活動、経済活動や社会的な性質について元の姿のようになることは考えられますか。
桜井 元通りには再生しないと思います。この現実からして、ありえないと思っています。しかし、質的には新しい 街作りができるだろうと思っています。南相馬市が抱えた現実というのは悲劇です。ただ、ここから立ち直るという新たな形での街作りに対するエネルギーもあ りますので、同じ形ではないにしても質的には新しい街になるだろうと確信をしています。
<テント日誌 10/31(水)――経産前省テントひろば 417日目>
     時ならぬダンプカーが登場して
     大震災・原発災害と復旧・復興について考える
 宣伝カーから降りてきた人が「これから少し騒がしくなりますが」と挨拶にこられた。テントの
前に座りながら見守っていると、大型のダンプカー27台が次々と経産省前にやってきた。復興事業
に携わる道路建設業の皆さんであり、脱原発の申し入れをしにきたのである。経産省前に行ってそ
の訴えに耳を傾ける。
 
いつも経産省前には播磨屋本店の大型宣伝車が停まっている。車には鬼面人を驚かすとでも言う
ような憂国のメッセージが書かれている。三台も連ねられた大型宣伝車も今日は何処かに姿を消し
たようだ。何故、播磨屋という菓子屋さんがこういう活動をしているのか不思議に思いながらいつも見
ているのだが、目にした人はどんな感想をもつのだろうか。ダンプカ―はこれとは別の迫力があった。

 
復興事業の現場ではゼネコンの独占的な支配があり、現場の労働者や事業者には低賃金労働が
押し付けられている、という訴えがなされている。瓦礫処理や除染作業などでゼネコンの独占と低賃
金のおしつけが横行しているのである。これは、福島第一原発の事故現場の実態でもある。
 それらの実態を訴える労働者のみなさんの声を耳にしながら思うことは、復興予算の流用などと
して報道されたことだ。復興予算の行政(官僚)機構などによるひどい使われ方がある一方で、復
興現場には必要なカネが回らず、その上で旧態依然とした大企業による独占的利益確保と小企業や
労働者の苦境は続いているのだ。    (中略)
 私たちが原発震災に対応しようとするのは被災地の人々の具体的課題に対応することと、原発再
稼働の動きに対応するという、つまりは緊急の課題としても重層的に関わろうとしている。政府や
官僚が緊急の課題と言う側面でも対応をできず、あるいは誤った対応しかできないことに異議申し
立てをしようとしているのが私たちの現在である。
 こういう中で政府は官僚、あるいは経済界の中枢の人々、それに連なる人々との復旧や復興のビ
ジョンや構想が何故こんなことになるのか、ということが出てくる。これは政府や官僚たち、ある
いはそれに連なる人々は大震災や原発震災を自然災害と見て、これを社会的災害と見る認識が薄い
か小さいのではないか。
 自然災害と見る限り、復興や復旧は地域的・場所的なものと見られ、時間の中で風化して行くこ
とは免れない。大震災や原発震災が自然災害である側面はあるが、同時にそれは社会的災害である
という側面がある。
 つまり、人間が社会をつくり、歴史としてそれを存続させてきた中にある矛盾の現れであり、そ
の解決なしには復旧も復興もないということだ。この点は原発震災の場合は分かりやすいが、政府
や官僚という現在の社会の中枢を占める人々はこの社会の矛盾、歴史的な矛盾ということを認めた
がらない。
 それは現在の社会の転換や変革につながることへの拒否感があるためではないか。既得権益とい
う言葉があるが、これは現在の社会に利益を感じていて転換や変革につながることを否定したい気
持ちを現わす。善悪を超えた社会の保守の傾向をさすといってもいいが、この人たちは大震災も原
発震災も自然災害とみることが強いのだ。    (中略)
 大震災や原発震災は人類の究極的な問題を提示し、この課題として受け止めなければ復旧や復興
のビジョンも構想も出てこないのである。未来から視線でいいが、原発ゼロの社会が人類史の究極の
問題を提示していることであれば、その所を明瞭にすることで復旧や復興に緊急の課題という側面と
同時的に存在させなければならない。
 
私たちが今の政党や政治家たちに失望をしているのはこの永続的課題というところに視線を持とう
としないためだ。政党も政治家もそのビジョンや構想が貧しいのはそのためである。大型のダンプ
カーが去ったあとテント前でこんな妄想めいたことに耽っていた。短くなってきた秋日和であるが
が心地よかった。                            (M/O)
映画:炭鉱記録「三池」再上映 原発事故きっかけに−−あすから、東中野 /東京
毎日新聞 20121102日 地方版
 かつて日本の繁栄を支えた炭鉱労働を描いた映画「三池 終わらない炭鉱(やま)の物語」(06年)が 3〜9日、中野区東中野4のポレポレ東中野で再上映される。再上映は昨年の福島第1原発事故がきっかけ。監督の映像ジャーナリスト、熊谷博子さん(61) は「3・11の後、映画が違って見えてきた。炭鉱と原発の構造があまりに似ていて驚いた」と話す。
 「三池」は97年に閉山した福岡県大牟田市の三井三池炭鉱を舞台に、多数の元炭鉱マンにインタビューし たドキュメンタリー。60年の労働争議「三池争議」、63年の大爆発事故、そして炭鉱労働が肺を侵す病気「じん肺」を正面から取り上げている。三池争議で は、ストライキを打ち抜いた側、条件闘争して就労した側双方のキーマンにインタビューし、新事実も明らかにした。
 06年の公開時にはポレポレ東中野でロングランとなり、約1万人が鑑賞した。熊谷さんは再上映にあたって「福島第1原発の建屋が吹っ飛んだ時の白煙が、三池炭鉱爆発の黒煙と重なって見えた。事故原因を隠す姿勢も当時と変わらない」と話す。
 再上映期間中はほぼ連日、ゲストと熊谷さんの対談「福島 終わらない原発の物語」がある。6日は写真家の本橋成一さん、7日はルポライターの鎌田慧さんを招く。問い合わせはポレポレ東中野(03・3371・0088)。【青島顕】

大飯原発の断層、原子力規制委が現地調査開始

大飯原発敷地内に掘られたトレンチで破砕帯を調べる原子力規制委員会の専門家ら=吉野拓也撮影
 原子力規制委員会は2日、関西電力の大飯原子力発電所(福井県おおい町)の敷地内の破砕帯(断層)が、将来動く可能性のある活断層かどうかを確認する初めての現地調査を開始した。
 規制委は同日中に現地調査を終え、4日に都内で調査結果に関する評価会合を開く。大飯原発は7月に3、4号機が再稼働し、国内17原発で唯一運転している。規制委は最終的に活断層と判断した場合、国の耐震設計審査指針に反するとして、運転停止を求める方針だ。
 問題の破砕帯「F―6」は、2号機と3号機の原子炉建屋の間を南北に走り、3、4号機の原子炉冷却に必要な海水を取り込む重要設備「非常用取水 路」の真下を横切る。1987年の設置許可以来、活断層ではないとされてきたが、東日本大震災後に旧原子力安全・保安院が全原発の活断層評価を見直す中 で、地質調査などの判断材料が不十分との指摘が専門家から出た。保安院は再稼働の安全判断とは切り離し、7月、関電に再調査を指示した。
20121121128分  読売新聞)

大飯の断層現地調査始まる 海岸の地層確認

20121121116
トレンチを調べる原子力規制委員会調査団の島崎邦彦委員長代理(左手前)ら=2日午前10時15分、福井県おおい町の関西電力大飯原発で
関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内にある「F―6断層」(破砕帯)が活断層かどうかを判断する原子力規制委員会の調査チームが2日午 前、現地調査を始めた。9月に発足した規制委による初の調査で、規制委の島崎邦彦委員長代理ら5人は北側の試掘溝(トレンチ)の中に入り、地層の壁を削っ て土や岩を手に取り、様子を確かめた。
 調査チームは時折強い雨が降る中、調査に踏み切った。断層が露出している海岸の台場浜周辺やほかの溝、掘削(ボーリング)調査をした際に掘り出された土を見て、断層が動く可能性を判断する。
 現地調査はこの日で終わり、4日に都内で会合を開き、断層が動くかどうか議論する。
 大飯原発では、1、2号機と、国内で唯一再稼働した3、4号機の間をF―6断層が南北に走っている。この断層が近くの活断層と連動し、地表がずれて設備を損傷させる恐れが指摘されている。
 断層の上には、海から非常用冷却水を引き込む重要な取水路がある。活断層と断定されれば、原発の耐震設計審査指針に反し、規制委は運転停止や廃炉を求める見通し。
 調査チームは、島崎氏のほか、活断層の可能性を指摘した渡辺満久・東洋大教授ら地震や地質の学会から推薦された有識者4人の計5人で構成された。
 規制委の田中俊一委員長は「重要施設の下に活断層があるという状況は問題がある。クロまたは濃いグレーの場合、原発を止めてもらう判断をする」と明言している。
 (中日新聞)

原発事故の行動指針案、概要判明
市町村の役割明示

県内全30市町村でつくる「原子力安全対策に関する研究会」が作成を進めている 東京電力柏崎刈羽原発の事故時に各自治体が取るべき行動の指針案の概要が1日、分かった。事故の規模や原発からの距離に応じて住民避難に使うバスの手配な どの具体例を明示。風向きによって10パターンの避難対象人口をまとめた。西からの風で長岡市の市街地の大半が含まれるケースが19万9500人と最大規 模になると試算した。
 原子力規制庁によると、原発立地地域以外の市町村が主体となって指針を策定するのは全国初という。
【社会】

安全協定改定を中電に申し入れ 県と米子、境港市

20121102
国の原子力災害対策指針で原子力災害対策重点区域が原発の半径30キロ圏に拡大し、鳥取県境港市と米子市の弓浜部が中国電力島根原発(島根県松江 市鹿島町)の緊急防護措置区域(UPZ、30キロ圏)に位置付けられたことを受け、鳥取県と両市は1日、中電との間で結ぶ「島根原発に係る鳥取県民の安全 確保等に関する協定」を、立地自治体並みの内容に改定するよう申し入れた。
安全協定改定の申し入れ書面を苅田社長(左)に手渡す平井知事(中央)=1日、広島市中区の中国電力本社
昨年12月に締結された同協定では、国の原子力災害対策の見直しに伴い、4者のいずれかが改定を提起した場合、協議会を設けて改定協議を行うとさ れている。中電が島根原発の立地する島根県、松江市と結ぶ協定には、増設計画などの事前了解や立ち入り調査などの権限があるのに対し、鳥取県側と結ぶ協定 では事前報告や現地確認の権限に抑えられており、4項目で差異がある。  平井伸治知事と野坂康夫米子市長、中村勝治境港市長が同日、広島市中区の中国電力本社を訪ね、苅田知英社長と面談。平井知事は「UPZに入り、法的位置付けができた」と述べ、島根県、松江市並みの協定内容への改定を要請した。
 これに対し、苅田社長は「誠意を持って協議させていただきたい」と答え、協定に基づき協議会を開催することで合意した。協議会は早ければ11月中 にも開かれる。複数回の協議を経て、鳥取県などが原子力災害対策指針に従い地域防災計画を見直す期限となる来年3月までに、結論を出す見通し。

独自に避難指示も/高島市災害対策検討委

20121102
【防災計画素案示す】
 福井県内での原発事故を想定した高島市の原子力災害対策計画検討委員会(委員長=高橋知之・京都大准教授)の第3回会議が1日開かれ、事務局から地域防災計画の素案が示された。市独自の判断で住民に対し、屋内退避などの指示を出す場合もあるとした。
 市では、福井県内の4原発のうち高浜を除く3カ所でそれぞれ事故が起きたケースのほか、高島市に近い大飯、美浜両原発で事故が同時発生するケースの計4パターンで想定。
 素案では「退避および避難計画」の項目で市の基本方針を示し、国や県から通報がなくても、放射性物質が集まる放射性プルーム(放射性雲)が、短時間で市内に到達すると推定される場合、市長が住民に対し、屋内退避や避難準備を指示できるとした。
 避難場所については自宅などの屋内を基本とし、避難所への移動、市外への遠方避難といった段階を踏み、期間は屋内退避が2日間、避難所では5日間を目安としている。事務局では12月に予定する次回会議で、避難についてさらに詳しい案を提示する予定。

ぼくらの3・11 絵本に

[]大月規義  [掲載]20121031
拡大画像を見る
「子どもたちの3・11」(NPO法人元気になろう福島編)

著者:元気になろう福島  出版社:文研出版 価格:¥ 1,470
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島県の小学生たちが、体験や思いをつづった作文や詩が絵本にまとまった。「ふるさとはフクシマ 子どもたちの3・11」(文研出版)として、30日に出版された。
 福島市のNPO「元気になろう福島」が大熊町や、南相馬市、いわき市など七つの小学校の協力を得て120人の子どもたちの作品を収集。15人分にプロの絵本作家が挿絵をつけた。
 その時もうみんなとバラバラになるとは思ってもいませんでした。夜になりお父さんが仕事から帰ってきて「原発が爆発したから逃げるぞ」と言いました。(南相馬市の石神第二小6年だった菅野莉奈さん)
 体育の授業中に地震に襲われ、ランドセルも持たず下校。飯舘村の祖母の家に避難し、事故でさらに避難を続けたつらさを書いた。
 ブランコゆれた、気のせいか 風が笑って過ぎてった 子どもの声はもう聞けない(郡山市の赤木小6年だった金子健くん)
 短い詩に、原発事故で友達が避難していった寂しさをつづった。
 一人でも多く元気が出るように。新しい未来を作る仲間がどんどん増えますように(新地町の福田小4年だった荒美祐さん)
 津波で身内を亡くし悲しむ曽祖母を励まそうと、体を支えてあげたりしたことを紹介。前を向く気持ちを書いた。
 絵本は売り上げの3割を、被災した子どもたちの活動を支える基金に充てる。問い合わせは同NPOへ電話(024・563・7166)かメール(honda@genkifukushima.jp)で。

大飯原発の調査着手、活断層の有無確認 規制委

2012/11/2 9:57
原子力規制委員会は2日、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)で地質調査を始めた。敷地内の地層の割れ目などを調べ、活断層の有 無を確認する。活断層の疑いが濃いと判断した場合は関電に稼働中の3、4号機の運転停止を求める方針だ。国内で稼働する原発が再びゼロになる可能性もあ り、規制委の調査結果に注目が集まる。
関西電力大飯原発の敷地内断層の調査で、試掘溝を調べる原子力規制委員会の調査団ら(2日、福井県おおい町)=共同
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関西電力大飯原発の敷地内断層の調査で、試掘溝を調べる原子力規制委員会の調査団ら(2日、福井県おおい町)=共同
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規制委が原発の敷地内で断層調査をするのは初めて。調査団は島崎邦彦委員長代理のほか、地震学の専門家ら計5人だ。関電の豊松秀己副社長兼 原子力事業本部長は調査団に「(東京電力)福島第1原発の事故以降、全社あげて安全対策を徹底してきた。調査には全面的に協力させていただく」と述べた。
 大飯原発で調査するのは、2号機と3号機の間を通る「F―6断層」。細かく砕かれた岩石などでできた層が一定の方向に延びており、旧経済産業省原子力安全・保安院の専門家会合では「活断層の可能性を完全には否定できない」との指摘が出ていた。
 関電は1031日、F―6断層の独自調査に関する中間報告を規制委に提出。「活断層を示す明確な理由はなかった」と主張した。一方、島崎 氏は「活断層は点ではなく面だ。周辺を調べれば分かる可能性はある」と述べ、専門家の視点で改めて判断する考えを示した。午前中は原発北側の地層を調査。 午後は原発敷地内の地層を調べる。
 調査団は4日に会合を開き、調査結果を評価する。評価をもとに、規制委が稼働を続けるかどうかの是非を判断する。
 規制委の田中俊一委員長は「(活断層の可能性が)黒か濃いグレーなら稼働を止めてもらう」と強調。電力需給などを考えず、安全かどうかだけで判断し、必要なら運転の停止を求める考えだ。
 ただ、現状では原発の建設後に活断層が見つかることは想定していないため、規制委に停止を命令する法的権限はない。原子炉等規制法では「急 迫した危険がある場合」は停止命令を出せると定めているが、地震がいつ起きるかは分からず、急迫した危険にあたるかどうかの判断は難しい。規制委は「行政 指導で停止を要請する」(田中氏)ことも検討するという。
2012112()

TPP 原発 総選挙

JA全中と紙党農林・漁民局長懇談

総選挙“TPP阻止が重要課題” 専務理事

(写真)JA全中の冨士専務(右)と懇談する(左から)紙、有坂の両氏=1日、東京都内


 日本共産党の紙智子農林・漁民局長(参院議員)、有坂哲夫同次長は1日、全国農業協同組合中央会(JA全中)を訪ね、冨士重夫専務理事と懇談しました。
 紙氏は、第26回JA全国大会の成功を祝すとともに、日本共産党の「即時原発ゼロ」提言、領土問題の資料、「しんぶん赤旗」号外などの資料を手渡 しました。そのうえで、環太平洋連携協定(TPP)をめぐる国会論戦と運動の課題とともに、総選挙で期待に応えられる結果を出すために、要求で一致する団 体に対する政策紹介などで協力をお願いしていることを説明しました。
 冨士氏は、大会での志位委員長のあいさつに感謝するとともに、TPP参加反対の集会を15日に開くこと、情勢を見ながら国民世論を広げる取り組みを強める必要があることを強調。総選挙については、TPP参加阻止が最も重要な課題であると述べました。
 懇談では、再生・自然エネルギーの開発を農村の復興・発展に役立たせることの重要性、市場任せの米価・農産物価格対策ではなく価格と需給の安定対 策、作物の特徴にあった所得補償政策の確立、東日本大震災の復旧では生業(なりわい)と集落の再生を優先させること、などをめぐって意見がかわされまし た。
2012112()

志位委員長の代表質問 衆院本会議




 日本共産党の志位和夫委員長が1日、衆院本会議で行った代表質問は次の通りです。

(写真)代表質問をする志位和夫委員長=1日、衆院本会議
私は、日本共産党を代表して野田総理に質問します。  野田内閣が、消費税大増税をはじめ、国政のあらゆる問題で、民意に背き、公約を裏切ってきた責任はきわめて重大であり、不信任に値します。参議院での問責決議可決という事態を重く受け止めるべきであります。
 日本共産党は、国政の基本問題について国民の前で議論し、争点を明確にしたうえで、すみやかな解散・総選挙で国民の審判を仰ぐことを、強く要求するものです。
 そうした立場から以下、質問を行います。

大震災からの復興問題――復興予算流用をやめ、住宅と生業再建への公的支援を

大企業に莫大な補助金、被災地の施策は切り捨て――あまりに理不尽ではないか

まず東日本大震災からの復興問題についてです。
 「震災復興」を口実として、被災地と関係ない事業に復興予算が流用されていることが明らかとなり、国民の厳しい批判が広がっています。「国内立地 補助金」の名目で、被災地とは関係のないトヨタ、キヤノン、三菱電機、京セラ、東芝など、大企業が2356億円もの補助金を復興予算から受け取っていま す。
 その一方で、被災地の中小企業の再建を支援する「グループ補助金」は、申請した事業者の6割がふるい落とされています。国が、医療・介護の負担減免措置を9月末で打ち切ったことも大問題になっています。
 国民に「被災地復興のため」といって25年にわたる所得税・住民税の増税を求めておきながら、被災地と関係ない大企業に莫大(ばくだい)な補助金をばらまき、被災地が切実に求めている施策を切り捨てる。総理、これはあまりに理不尽だと考えませんか。

「復興基本法」を改め、住宅と生業の再建に公的支援を

なぜこのような流用がまかり通るのか。
 その大本には、昨年6月に「復興基本法」が制定されたときに、民主・自民・公明3党の談合で法案が書き換えられ、「被災地域の復興」という当初案 を「東日本大震災からの復興」と書き換えて被災地域という限定を外したうえで、当初案になかった「活力ある日本の再生」という文言を目的に追加したという 問題があります。
 これを受けて11月に編成された第3次補正予算で、「国内立地補助金」をはじめ、被災地と関係ない予算が多数計上されたのであります。復興予算の流用の第一の責任が政府にあることは明らかですが、一体になってすすめた自民党、公明党などにもきびしい反省が求められます。
 政府は、国民の強い批判を真摯(しんし)に受け止め、復興予算の流用をただちにストップすべきです。そして、この流用の大本となった「復興基本法」を改めるべきであります。
 さらに、「個人財産の形成になる」などといって、住宅、商店、工場、医療機関などの復旧を支援しないという態度を根本から改め、住宅と生業(なりわい)の再建に必要な公的支援を行うことを復興の基本原則にすえることを強く求めます。総理の答弁を求めます。

消費税大増税と日本経済――増税実施を中止し、リストラの違法行為をやめさせよ

大不況のさなかの大増税など論外――実施の中止を要求する

つぎに消費税大増税と日本経済について質問します。
 増税法案が強行されましたが、国民との矛盾はいよいよ深刻になっています。9月、国税庁が発表した2011年の民間平均給与は、ピークだった 1997年と比較して年間58万円、12%も落ち込みました。国民の所得が減り、消費が落ち込み、内需が冷え込む、「デフレ不況」の悪循環が進行していま す。消費税は中小企業にとって、もともと苛酷な税制ですが、デフレ下で価格への転嫁はいっそう困難になっています。
 こんな大不況のもとで、消費税大増税を強行したらどうなるか。8月に発表された帝国データバンクの調査では、税率引き上げ後に「国内消費が縮小す る」と考えている企業は、9割近くにのぼっています。総理は、日本経済への甚大な打撃をどう認識しているのですか。大不況のさなかの大増税など論外であ り、実施を中止すべきではありませんか。答弁を求めます。

電機・情報産業の大リストラでの違法行為を根絶し、社会的責任を果たさせよ

電機・情報産業の大企業――パナソニック、ソニー、NEC、IBMなどが、13万人もの首切り・リストラを強行していることは、きわめて重大です。
 この大リストラは、繰り返しの面談による退職強要によって強行されています。NECでは、1人の労働者に11回も面談し、退職を強要したという訴 えが寄せられました。会話が外に漏れないように通気口を鉄板でふさいだ面談室で、繰り返し、繰り返し、退職を迫りました。疲れ果てた男性は病気になりまし たが、退職強要は続きました。11回目の面談で、上役に「残れると思った? 残れないよ」と追い詰められた男性は、思わず涙があふれ、「病気にまでさせて おいて、さらに追い打ちをかけるんですか。もう自殺するしかない」と叫んだとのことです。
 労働者をここまで追い詰める退職強要が横行しているのです。繰り返しの面談による退職強要は、違法行為です。総理、ただちに違法行為の実態をつかみ、それを根絶するために、断固たる措置をとるべきではありませんか。
 日本IBMでは、ある日突然、正当な理由なく解雇を通告し、そのまま労働者を職場から締め出す「ロックアウト解雇」というやり方がとられていま す。ある男性の労働者は、ある日、終業時刻のわずか15分前に、人事担当者からいきなり解雇通告が読み上げられ、「今日の終業時刻までに私物をまとめて帰 れ。明日からは出社禁止だ」とつげられ、同僚がまだ仕事を続けるなか、上司の監視を受けながら私物の整理をさせられ、それ以来、一歩も職場に入れない状態 となりました。解雇通知書には、「業績不良」が理由として書かれていましたが、その根拠を会社に求めても、何の説明もされていません。
 労働者に考える暇さえ与えず、有無をいわせず解雇に追い込む。これは明らかに解雇権の乱用であり、絶対に認められるものではありません。総理は、このような非道な解雇が許されると考えますか。
 生きた人間を人間扱いせず、力ずくで解雇に追い込む、このような恐るべき無法の横行を放置していて、日本経済の再生はないと考えますが、いかがですか。
 電機・情報産業の大企業の内部留保は26兆円にも及びます。雇用や地域経済に責任を負わない身勝手なリストラにさいしては、政府が乗り出してリス トラをやめさせ、企業に社会的責任を果たさせる――これはヨーロッパでは当たり前に行われていることです。政府は、そうした姿勢でのぞむべきではありませ んか。総理の答弁を求めます。

「消費税に頼らない別の道がある」――「経済提言」についての見解を問う

日本共産党は、2月に「経済提言」を発表し、消費税増税に反対するとともに、「消費税に頼らない別の道がある」ことを提案しています。
 一つは、無駄遣いの一掃と、「応能負担」の原則――負担能力に応じた負担の原則に立った税制改革を進めることです。行き過ぎた富裕層減税のため に、所得1億円を超えると所得税の負担率が下がるという逆転現象が生じています。行き過ぎた大企業優遇税制のために、法人税の実質負担率が、中小企業が 26%に対して、大企業が19%という逆転現象が生じています。これらの異常な不公平税制をただし、まず富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革を行 うべきだと考えますが、いかがですか。
 二つは、国民の所得を増やす経済政策への転換です。大企業にため込まれている260兆円におよぶ内部留保を、賃上げ、非正規社員の正社員化、中小 企業への適正な単価の保障などによって、社会に還元するための、社会的ルールをつくるべきです。それは、日本経済を内需主導の健全な成長の軌道にのせ、税 金の自然増収をもたらし、社会保障充実と財政危機打開の道を開くものともなるでしょう。
 わが党の「経済提言」についての総理の見解を問うものです。

「即時原発ゼロ」の実現を――原発推進政策の転換を求める

口先で「原発ゼロ」といいながら、原発にいつまでもしがみつく姿勢ではないか

つぎに原発問題について質問します。
 この間、「原発ゼロの日本」を願う世論と運動が広がり、政府も、「過半の国民は原発に依存しない社会の実現を望んでいる」と認めざるをえなくなりました。
 ところが、政府は、原発の再稼働を推進し、青森県・大間原発の建設を再開し、使用済み核燃料の再処理を続けるとしています。「2030年代に原発稼働ゼロを可能にする」という、きわめて不十分な方針すら、日本経団連やアメリカに批判されると、閣議決定を見送りました。
 結局、政府の姿勢は、口先では、「原発ゼロ」といいながら、原発推進政策を続けるというものではありませんか。

「即時原発ゼロ」は可能――原発への未練を断ち切り政治決断を

日本共産党は、9月、「『即時原発ゼロ』の実現を」と題する「提言」を発表し、総理に届けました。
 これは、福島原発事故の被害が拡大し続けていること、原発稼働を続ける限り処理方法のない「核のゴミ」が増え続けること、原発再稼働の条件も必要 性も存在しないこと、政府が行ったパブリックコメント(意見公募)でも8割が「即時原発ゼロ」を求めたことなどを踏まえ、「すべての原発からただちに撤退 する政治決断をおこない、『即時原発ゼロ』の実現をはかること」を提起したものです。
 さらに、「提言」では、政府が無責任な「収束宣言」を撤回し、福島の被災者支援と復興に総力をあげて取り組むことを提起しています。
 総理に、わが党の「提言」についての見解を問うものです。
 「即時原発ゼロ」は可能です。政府は、「電力不足になる」という脅しで大飯原発の再稼働を強行しましたが、関西電力は、再稼働をしなくても“猛暑 の夏”を乗り切れたことを認めたではありませんか。政府は、「原発ゼロで電力料金が2倍になる」などと脅していますが、政府が根拠とした試算でさえ、「原 発ゼロ」でも全原発を稼働させても、電気料金はほとんど変わらないという結果が出ているではありませんか。
 再生可能エネルギーの導入可能量は、全原発の発電能力の約40倍であり、この大きな可能性を現実にする本格的な取り組みを開始すべきです。そのた めにも、原発への未練をきっぱり断ち切り、「即時原発ゼロ」の政治決断を行うことを強く求めるものです。総理の見解を求めます。

尖閣諸島問題――冷静な外交交渉による解決を

尖閣諸島をめぐって、日中の緊張と対立が深刻になっています。
 私は、9月、「外交交渉による尖閣諸島問題の解決を」と題する「提言」を発表し、日本政府および中国政府に、わが党の立場を提起しました。

日本の領有の歴史的、国際法上の正当性について

日本共産党は、尖閣諸島について、日本の領有は歴史的にも国際法上も正当であるという突っ込んだ見解を明らかにしています。
 第一に、日本は、1895年1月に、尖閣諸島の領有を宣言しましたが、これは「無主の地」の「先占」――持ち主のない土地を先に占有するという、国際法上まったく正当な行為でした。
 第二に、中国側は、尖閣諸島の領有権を主張していますが、その最大の問題点は、中国が1895年から1970年までの75年間、一度も日本の領有に対して異議も抗議も行っていないということにあります。
 第三に、尖閣諸島に関する中国側の主張の中心点は、「日本が日清戦争に乗じてかすめ取った」というものです。しかし、日清戦争によって日本が不当 に奪取したのは、台湾とその付属島嶼(とうしょ)および澎湖(ほうこ)列島であり、尖閣諸島はそのなかに含まれておらず、中国側の主張は成り立ちません。 日本による尖閣諸島の領有は、日清戦争による台湾・澎湖の割譲という侵略主義、領土拡張主義とは性格がまったく異なる、正当な行為でした。
 以上の諸点について、政府の見解を問うものです。

領土に関わる紛争問題の存在を認め、冷静な外交交渉による解決を

問題は、歴代日本政府が、中国政府に対して、日本の領有の正当性について理を尽くして説いたことが、ただの一度もないということです。
 1972年の日中国交正常化、78年の日中平和友好条約締結のさいに、日本政府は、尖閣諸島の領有問題について、事実上「棚上げ」にするという立場をとりました。これはだらしない外交態度だったといわなければなりません。
 にもかかわらず、その後、日本政府は、「領土問題は存在しない」という立場だけを、かたくなに繰り返してきました。そのことによって、日本は、中 国に対して領有の正当性の主張もできず、中国の非難に対して反論もできない――主張も反論もできないという自縄自縛(じじょうじばく)に陥ってきました。 そのことは、先日の党首会談で、総理も、「これまでは思考停止になっていたことは反省しなければならない」と認めた通りです。
 私は、「領土問題は存在しない」という立場をあらため、領土に関わる紛争問題が存在することを正面から認め、冷静で理性的な外交交渉によって、日 本の領有の正当性を堂々と主張し、解決をはかる立場に立つことを提起するものです。この提案は、尖閣問題での「外交不在」から「外交攻勢」に転じることを 求めるものです。
 同時に、物理的対応の強化や、軍事的対応論は、理性的な解決の道を閉ざす危険な道であり、日中双方がきびしく自制することが必要であります。冷静な外交交渉による解決に徹する必要があります。
 さらに、尖閣問題で、日本が領有の正当性を説得力をもって主張するためには、過去の侵略戦争に対する真剣な反省が不可欠です。総理は、日清戦争に 始まる「50年戦争」が、領土拡張を目的とした侵略戦争であったことを認めますか。それを認めてこそ、台湾・澎湖のように侵略で不当に奪取した領域と、尖 閣のように正当な手続きで領有した領土とを、はっきり区別し、日本の領有の正当性を堂々と主張することができるということを、強調したいのであります。
 以上の諸点について、総理の見解を求めます。

「こんなアメリカいいなり政治でいいのか」――TPP、米軍基地問題について

TPP問題――総理のいう「守るべきもの」とは何か

最後に、「こんなアメリカいいなりの政治でいいのか」と多くの国民が感じている二つの問題について質問します。
 一つは、TPP(環太平洋連携協定)参加問題です。この問題について、総理は、所信表明演説で「守るべきものは守りながら…推進する」とのべました。それではうかがいます。総理のいう「守るべきもの」とは何か。具体的に答弁されたい。
 TPPは、「例外なき関税撤廃」を原則としており、これに参加すれば日本農業は壊滅的打撃を受けます。また、「非関税障壁の撤廃」を原則としてお り、医療を壊し、雇用を壊し、食の安全を危険にさらし、日本の主権を丸ごとアメリカに売り渡すことになることは、すでに明らかです。日本共産党は、TPP 交渉参加を断念することを、強く求めるものです。

米兵暴行事件――「米軍基地があるかぎり、悲惨な事件はなくならない」

いま一つは、米軍基地問題です。米海兵隊のオスプレイ配備強行と、米兵による集団女性暴行事件に対して、激しい怒りの声が噴き出しています。
 沖縄における米兵犯罪は、本土復帰以降、警察が発表しているだけでも5790件、このうち性的暴行事件は127件にのぼります。しかも、これらは氷山の一角であり、被害者が声をあげられず、泣き寝入りを強いられたケースも多数あります。
 「米軍基地がある限り、悲惨な事件はなくならない」――沖縄ではこうした声が高まっています。沖縄県議会が全会一致で採択した抗議決議には、「県 民の我慢の限界をはるかに越え、県民からは米軍基地の全面撤去を求める声も出始めている」と明記されました。全会一致の県議会決議に「米軍基地の全面撤 去」という言葉が明記されたのは初めてのことであります。総理は沖縄のこの声をどう受け止めますか。

オスプレイ配備――日米合意さえ無視した横暴勝手を野放しにするのか

オスプレイ配備にかかわって、日米両政府が、「飛行は人口密集地を避けること」などの「安全対策」なるものに合意したにもかかわらず、それすら無 視した飛行が行われていることはきわめて重大です。沖縄では、人口密集地・住宅地上空での飛行が常態化しています。伊江島では重いコンクリートブロックを つり下げ、集落上空を飛んでいたことが目撃証言で分かっています。総理は、日米合意さえ踏みにじられているという認識はありますか。米軍の横暴勝手を野放 しにするつもりですか。しかとお答えいただきたい。
 ことは沖縄だけの問題ではありません。七つの低空飛行訓練ルートなど、日本全土でオスプレイの低空飛行訓練が計画されていることに対して、全国 26都道府県の139自治体で配備や訓練に反対する意見書・決議が可決されています。「沖縄県民のみならず、日本国民の命を危険にさらす」――総理は、全 国の自治体のこうした声にどう答えますか。
 日米両政府は、日米安全保障条約を盾にオスプレイの配備を押し付けようとしています。しかし、そうすればするほど“それならば日米安保をなくせ”という声は高まらざるをえないでしょう。
 日本共産党は、オスプレイ配備の撤回、普天間基地の無条件撤去を求めます。米軍基地の全面撤去を求めるとともに、アメリカいいなりの根源にある日米安保条約を廃棄して、日米友好条約にかえることを強く要求します。総理の見解を求めて質問を終わります。
2012112()

主張

衆院代表質問

打開の展望開く改革の提言




 首相の所信表明演説も代表質問も衆院だけという異常な国会の、各党の代表質問を聞きました。
 公約違反の消費税増税にも参院での問責決議にも反省がない野田佳彦首相に対し、日本共産党の志位和夫委員長が迫ったのは、堂々とした論戦で争点を 鮮明にし、衆院を解散、総選挙で審判を仰ぐことです。アメリカいいなりと財界本位の「二つの害悪」を特徴とする日本の政治が崩壊的な危機に直面し、民主も 自民・公明も「維新」などの党も、打開の展望が示せません。未来の展望を開く各分野の提言を示して迫った、本物の改革の党の論戦が光を放ちました。

「二つの害悪」正してこそ

野田首相は、消費税増税を「第一歩」に「明日への責任」を果たすと、政権の延命しか念頭にない態度をあらわにしています。自民党総裁に復帰した安 倍晋三氏は、野田首相に年内解散を求めるだけで、集団的自衛権の行使による日米同盟の強化や憲法改正を含めた戦後体制の見直しなど異常なタカ派ぶりを浮き 彫りにしました。
 志位委員長がとりあげた、東日本大震災からの復興や原発問題、「デフレ不況」が深刻の度を増す経済の立て直し、領土問題や米軍基地問題など、どの 問題も国政の基本にかかわります。アメリカいいなり、財界本位の枠組みを続けたのでは打開できません。志位委員長は、経済、原発、領土、外交などの改革提 言を野田首相に突きつけ、その認識を迫りました。
 消費税増税法が成立させられましたが、深刻化する不況の中で増税が強行されれば、暮らしも経済も壊滅的な打撃を受けることは目に見えています。消 費税増税を中止するとともに、消費税増税に頼らない、負担能力に応じた税制改革と国民の所得を増やす経済対策への転換が不可欠です。財界いいなりの政治で は不可能です。
 原発からの撤退が国民世論になっているにもかかわらず、野田政権は推進政策を転換していません。志位委員長は「即時原発ゼロ」への転換を迫り、日本共産党の提言にもとづいて「即時ゼロ」が可能であることを明らかにしました。問われるのは政府の決断です。
 尖閣など領土問題の外交による解決の提案、アメリカいいなりを改めて環太平洋連携協定(TPP)参加を断念し、米軍基地があるがゆえの基地犯罪を根絶する基地の全面撤去と日米安保条約の廃棄など、志位委員長の質問は根本的な解決方向を浮き彫りにしました。
 見過ごせないのはこれらの提言に対する野田首相の答弁です。野田首相は、消費税増税と社会保障の「一体改革」は前に進める、「即時原発ゼロ」は現 実的でなく時間がかかる、日米安保条約は必要―など、まったく反省がありません。アメリカいいなり、財界本位の枠組みを変える意思は皆無です。

政権を担う資格がない

「二つの害悪」に指一本ふれようとしない野田首相は、志位委員長が喫緊の問題としてとりあげた、震災復興予算の流用をやめる問題や、電機・情報産業での大企業の違法なリストラをやめさせ社会的責任を果たさせる問題でも、直ちに改めるとは答弁しません。
 野田政権にもはや政権担当能力はありません。日本の政治の行き詰まりの打開には、一日も早く解散・総選挙を実現し、本物の改革の党を躍進させるしかありません。
2012112()

前途ひらく道 ここに

代表質問 志位委員長ただす




 1日の衆院本会議で国政の焦点課題について対案を示して解決を迫った日本共産党の志位和夫委員長。消費税、原発、尖閣問題、米軍基地問題など日本の前途を開く展望はここに―。

(写真)徐々に人口が減りつつある田老地区のグリーンピア三陸みやこの大規模仮設住宅=岩手県宮古市
復興予算

「流用」―民自公に責任 住宅・生業再建へ支援を

「国民には25年にわたる所得税・住民税の増税を求めておきながら、大企業にはばく大な補助金をばらまき、被災地の施策は切り捨てる。あまりに理不尽だ」。復興予算の流用問題で、志位氏は怒りを込めて追及しました。
 「国内立地補助金」の名目でトヨタ、キヤノン、三菱電機、京セラ、東芝など被災地と関係ない大企業に2356億円もの補助金がばらまかれる一方、被災地の中小企業の再建を支援する「グループ補助金」は申請事業者の6割がふるい落とされています。
 志位氏は流用の大本には、民自公3党の談合によって復興基本法案に「活力ある日本の再生を図る」との文言が追加され、第3次補正予算で無関係の予算が多数計上されたことを指摘。「第一の責任は政府にあるが、一体となって進めた自公も反省が求められる」と批判しました。
 志位氏は復興予算の流用をただちにストップし、復興基本法を改めるべきだと要求。さらに、住宅と生業(なりわい)の再建に必要な公的支援を行うことを復興の基本原則にすえるよう求めました。
 ところが、首相は「産業空洞化が復興の妨げになるとの懸念から国内立地補助金を措置した」と反省もなく流用を正当化。復興基本法についても「法改 正よりも、各事業の内容や必要性を個別に判断する」と拒否し、今後の復興支援も「暮らしや産業、雇用の再生が重要課題」と述べるにとどまりました。

電機大リストラ

非道な解雇許されない 社会的責任果たさせよ

志位氏は、パナソニックなど電機大手が13万人もの首切り・リストラを強行している問題を取り上げ、違法行為をやめさせ、社会的責任を果たさせることを求めました。
 NECが1人の労働者に11回もの面談を行い、病気になっても退職強要を続け、「もう自殺するしかない」と叫ぶほど追い詰めている実態を告発。 「繰り返しの面談による退職強要は違法行為です。ただちに違法行為の実態をつかみ、根絶のために断固たる措置をとるべきだ」と指摘しました。
 日本IBMでは突然、正当な理由なく解雇を通告し、そのまま労働者を職場から閉め出す「ロックアウト解雇」が行われていると指摘。終業時間のわず か15分前に解雇通告を受け、「明日から出社禁止だ」と言われ、上司の監視の下、私物の整理をさせられて追い出されてから一歩も職場に入れない状態となっ ていることを糾弾。「これは明らかに解雇権の乱用であり絶対に認められない。このような非道な解雇が許されると考えるのか」と述べ、「政府が乗り出してリ ストラをやめさせ、企業に社会的責任を果たさせるべきだ」と求めました。
 野田首相は、非道な退職強要や解雇についてはまったく触れず、「必要に応じて、企業に雇用の維持や再就職援助を要請し、関係法令や裁判例に基づく 啓発指導などを実施している」と人ごとのような答弁。「個別の事案に応じて離職者の受け皿確保に取り組む」などと、無法なリストラを野放しにする姿勢を示 しました。

消費税

大不況下の増税は論外 頼らない別の道がある

志位氏は、民自公が密室談合で強行した消費税増税について、「大不況のさなかの大増税など論外であり、実施を中止すべきだ」と求めました。
 志位氏は、2011年の民間平均給与が、ピークだった1997年と比較して年間58万円、12%も落ち込んでいるとした国税庁のデータを提示し、 国民所得が減少し、消費が落ち込み内需が冷え込む「デフレ不況」の悪循環が進行していると指摘。「こんな大不況のもとで大増税を強行したらどうなるのか認 識しているのか」とただしました。
 その上で志位氏は、消費税に頼らない別の道があるとして日本共産党の「経済提言」を紹介しました。行き過ぎた富裕層・大企業優遇税制によって所得 1億円を超えると所得税の負担率が下がり、法人税の実質負担率が中小企業より大企業が下がるという逆転現象が起きていると指摘。富裕層と大企業に応分の負 担を求める税制改革と国民の所得を増やす経済改革を同時並行で進めるとの党の「提言」を示し、これらを行えば、消費税に頼らなくても社会保障を充実し、財 政危機を打開できると強調しました。
 首相は、消費税増税が及ぼす経済への影響については答えず、無責任な姿勢に終始。所得税の負担率の逆転現象については認め、証券優遇税制は元に戻すとしたものの、大企業の優遇税制については見直す考えはないと述べました。

原発

「即時ゼロ」は可能 固執やめて政治決断を

(写真)「すべての原発をなくせ」と声をあげる人たち=首相官邸前
原発問題で志位氏は、政府が原発再稼働の推進、大間原発の建設再開、使用済み核燃料の再処理を継続した揚げ句、「2030年代に原発稼働ゼロを可 能にする」という不十分な方針も日本経団連やアメリカに批判されると閣議決定を見送ったことをあげ、「口先で『原発ゼロ』といいながら、原発推進政策を続 けるものだ」と批判しました。  そのうえで志位氏は、福島原発事故の被害が拡大し続けていることや、処理できない「核のゴミ」が増え続けることなどをあげ、「『即時原発ゼロ』の 実現」を求める日本共産党の「提言」への見解をただしました。志位氏が「原発への未練を断ち切る政治決断を行うべきだ」と強調したのに対し、首相は「(原 発は)重要電源として活用」と改めて表明。「即時原発ゼロは現実的には十分な時間が必要だ」などと“即時ゼロ”の国民の願いに背を向けました。
 志位氏は、政府がいう「電力不足になる」「電気料金が2倍になる」という脅しが何の根拠もないことを告発し、「『即時原発ゼロ』は可能だ」と迫りました。
 首相は「大飯原発の再稼働があった」ので、「今夏の厳しい電力需給を乗り切ることができた」などと答弁。「原発なし」でも猛暑の夏を乗り切れた事実をねじ曲げて、原発再稼働を正当化しました。

(写真)尖閣諸島魚釣島。奥は北小島、南小島=2004年11
尖閣問題

歴史・国際法上も正当 冷静な外交交渉で解決

日中間の緊張と対立が深刻になっている尖閣諸島問題で志位氏は、日中両政府への自らの「提言」申し入れや米国政府との意見交換など、この間の行動を踏まえ「冷静な外交交渉による解決を」と迫りました。
 志位氏は、日本の領有が「無主の地」の「先占」であることや日清戦争による侵略主義、領土拡張主義とは性格がまったく異なる点を示し、「歴史的にも国際法上も正当である」と強調しました。
 その上で志位氏は「歴代日本政府は、日本の領有の正当性を理を尽くして説いたことが一度もない」と指摘。首相自ら「思考停止」と認めたこともあ げ、「領土に関わる紛争問題が存在することを正面から認め、冷静で理性的な外交交渉によって、日本の領有の正当性を堂々と主張し解決を図るべきだ」と提起 しました。
 これに対し首相は「領有の正当性についてはご指摘の通り」と認めたものの、「領有権の問題は存在していない」という立場に固執。“思考停止”のまま、日中間の「大局を見失うことなく、冷静に対応していく」と述べるにとどまりました。
 さらに志位氏は「領有の正当性について説得力をもって主張するためには、過去の侵略戦争にたいする真剣な反省が不可欠だ」と強調。日清戦争に始まる「50年戦争」が侵略戦争であったことを認めてこそ、領有の正当性を堂々と主張できると首相に迫りました。
 野田首相は「歴史的な事象の評価は専門家等が議論する」と述べ、日清戦争が侵略戦争であるかどうかについて答えませんでした。

TPP

交渉参加断念せよ

「『こんな米国いいなりの政治でいいのか』と多くの国民が感じている」と切り出した志位氏。環太平洋連携協定(TPP)と米軍基地問題について首相の姿勢をただしました。
 志位氏は、野田氏が所信表明演説で「守るべきものを守りながらTPPを推進する」と表明していることに言及。TPPが「例外なき関税撤廃」と「非 関税障壁の撤廃」を原則としていることをあげ、「首相のいう『守るべきもの』とは何か」とただしました。首相は「日本の医療制度、伝統文化、美しい農村は 断固として守り抜く」といいながら例外品目はあげられず、TPP交渉参加に固執しました。
 志位氏は、TPPへの参加は日本農業に壊滅的打撃を与え、医療、雇用、食の安全など日本の主権を丸ごと米国に売り渡すことになると強調。交渉参加断念を求めました。

暴行事件・オスプレイ

基地ある限り事件なくならない 安保廃棄し、日米友好条約に

米軍基地に関する質問では、沖縄県民の怒りにどういう姿勢で向き合うか、その対照が浮き彫りになりました。
 なかでも米海兵隊のMV22オスプレイの普天間基地(宜野湾市)への配備問題では志位氏が、「人口密集地を避ける」とした日米合意を無視して人口 密集地・住宅上空における同機の飛行が常態化していることを告発したのに対し、首相は「(オスプレイの飛行について)米国は合意を順守し、安全性に最大限 配慮している」と強弁するなど、県民、国民の怒りや批判の声に真っ向から対立しました。
 また志位氏は、オスプレイの配備強行と米兵による集団女性暴行事件に対し沖縄で激しい怒りが広がっていることを紹介。「米軍基地がある限り悲惨な 事件はなくならない」との声が高まり、「米軍基地の全面撤去を」と県議会決議で初めて明記された沖縄の声をどう受け止めるのか、首相を追及しました。
 首相は沖縄県議会の抗議決議を「重く受け止める」と述べたものの、「オール沖縄」で反対の声があがる普天間基地の県内移設、名護市辺野古への新基地建設に固執しました。
 志位氏は、オスプレイの配備の撤回、普天間基地の無条件撤去を求めるとともに、「米国いいなり政治の根源にある日米安保条約を廃棄し、日米友好条約にかえることを強く求める」と主張しました。
 首相は「日米安保のもと米軍の抑止力をもって日本の安全を確保することが適切だ」「オスプレイの配備は大きな意味がある」と主張しました。
2012112()

11・11反原発大占拠へ

新宿 青年ら路上ライブ

(写真)路上ライブを行い「1111反原発1000000人大占拠」への参加を呼びかける人たち=1日、東京・新宿駅東口


 政府へ原発ゼロの決断を迫る「11・11反原発1000000人大占拠」(国会周辺、首都圏反原発連合主催)を大勢の参加者で成功させようと、1 日夜、明るい革新日本をめざす中央青年学生連絡会議(日本民主青年同盟や全労連青年部などで構成)は東京・新宿駅前で脱原発カウントダウン路上ライブを行 いました。
 たくさんの人が行き交う交差点横でレゲエのリズムに乗せて「NO NUKES(反原子力) 原発いらない 11・11 集まろう」と呼びかけると、通りかかった若者たちが立ち止まり、たちまち人だかりができました。
 ツイッターに「新宿駅前で脱原発のラップしてる!」「ラップでデモとか初めて」と様子をつぶやく人も。
 「原発反対」のコールにじっと耳を傾けていた男性(31)は、「官邸前の行動は、ニュースで見たことがあります。僕の実家も福島県の川内村にあ り、家族は栃木県に避難しました。こうやって、堂々と原発反対の行動をする姿を見ると、勇気をもらいます」と、ビラを受け取りました。
 息子が生まれたばかりという男性(31)は「子どもを迎えるにあたって、一刻も早く原発のない社会を実現したいと思いました。みなさん一緒に頑張りましょう」とマイクを握り、呼びかけました。
2012112()

志位委員長が代表質問 衆院

消費税、原発、領土、米軍基地 対案示し解決迫る




 日本共産党の志位和夫委員長は1日の衆院本会議で代表質問に立ちました。復興予算の流用問題や13万人に及ぶ電機リストラなど国民の暮らしと雇用 にかかわる焦眉の課題で対策を求めるとともに、消費税大増税から原発、尖閣諸島問題、アメリカいいなり政治まで国政の重大な課題について解決の道を示す提 言を示し、野田佳彦首相に見解を求めました。首相は開き直りの答弁に終始し、「民主党政権が政治的崩壊状態にある」(志位氏の質問後の記者会見)ことを示 しました。 (代表質問)

(写真)代表質問をする志位和夫委員長。左上は野田佳彦首相=1日、衆院本会議
消費税大増税と日本経済をめぐり志位氏は、2011年の民間平均給与がピークの1997年から年間58万円も落ち込み、内需が冷え込む「デフレ不 況」の悪循環が進行するなか、税率引き上げで国内消費がさらに縮小すると9割の企業が答えている調査実態を突き付け、「大不況のさなかの大増税は論外」と 強調。その上で、「消費税に頼らない別の道」を示した党の「経済提言」を示し首相の見解を問いました。  首相は、デフレ脱却策は具体的に示さず、消費税引き上げだけは固執する姿勢を見せました。
 原発問題では、福島原発事故の被害拡大や処理方法のない「核のゴミ」が増え続けることなど必要性をあげて「即時原発ゼロ」の実現を迫る党の「提 言」を紹介した志位氏と、それに背を向ける首相の対照的な姿勢が浮き彫りになりました。志位氏が大飯原発(福井県)の再稼働をめぐり「電力不足になる」と いう政府の脅しが破綻したことなどを示し、「即時原発ゼロ」の政治決断を迫ったのに対し、首相は「現実的には十分な時間が必要ではないかと考える」と原発 推進に固執する態度を際立たせました。
 尖閣問題で志位氏は、「領土問題は存在しない」と繰り返して自縄自縛に陥っている「外交不在」から、冷静で理性的な外交交渉で日本の領有の正当性 を堂々と主張する「外交攻勢」に転じることを要求。日清戦争に始まる「50年戦争」が侵略戦争であったと認識しているかを問いました。
 首相は、“思考停止”のまま領土問題を認めることは「わが国の立場と相いれない」と答弁。日清戦争への認識も答えませんでした。
 重大な答弁が出たのはオスプレイ問題。志位氏が「日米合意」さえ守らず傍若無人に飛行するオスプレイの実態を示し、「米軍の横暴勝手を野放しにするつもりか」と迫ったのに対し、首相は「米軍は日米合意を順守し、安全性に最大限配慮している」と答弁しました。
 志位氏は、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加を断念することを強く要求。米軍基地の全面撤去を求めるとともに、安保条約を廃棄し日米友好条約にかえるなどアメリカいいなり政治からの脱却の道を示しました。

震災復興/電機リストラ 政府として対策直ちに

志位和夫委員長は、東日本大震災の復興予算が被災地とはまったく関係ない大企業の立地補助金などに流用される一方、中小企業への「グループ補助金」の申請では6割がふるい落とされるなど「あまりに理不尽だと考えないか」と迫りました。
 志位氏は、その大本に民自公3党が談合して復興基本法案から「被災地域」という限定を外し、「活力ある日本の再生」を目的に追加したことがあると指摘。「第一の責任は政府にあるが、一体になって進めた自公にも反省が求められる」と述べました。
 首相は、立地補助金は「日本全体のサプライチェーン(供給網)の維持・強化のため」と大企業支援への流用を正当化しました。
 志位氏は、電機・情報産業の大企業が13万人もの首切り・リストラを強行しようとしている問題で、面談11回にのぼる違法な退職強要(NEC)、 ある日突然、正当な理由も示さず解雇を通告し、そのまま労働者を職場から締め出す「ロックアウト解雇」(日本IBM)などの無法なやり方を生々しく告発。 違法・非道な解雇は許されないと強調しました。
 首相は無法をただす姿勢はいっさいみせず、「関係法令や裁判例に基づく啓発指導などを実施している」と述べるにとどまりました。

【九州から原発が消えてよいのか】

第2部(3)「民主党の無責任さに腹が立つ」 鋳物メーカー、月電気代40万円アップ

2012.11.2 10:48 1/2ページ)
 数十の中小製造業者が集結する福岡県須恵町の新(しん)原(ばる)工業団地。その一角にある鋳物メーカー「楠原製作所」の工場では、従業員たちが汗をぬぐいながら黙々と作業を続けた。
 1600度に熱せられた「るつぼ型」の電気炉の中に鉄スクラップを放り込むと、どろどろに溶けてオレンジ色の光を放ち出す。それを型に流し込んでゆっくりと冷やした後、グラインダーで丁寧に削り、精緻な波形模様のマンホールに仕上げていく-。
 昭和39年創業。従業員22人の小所帯だが、その技術力は高く、主力のマンホール以外にも、安川電機(北九州市)に供給する産業用ロボット部品も生産する。まさに九州のモノ作りを代表する町工場だといえる。
 だが、楠原康徳社長(54)の表情はさえない。政府のエネルギー政策の混迷により、原発再稼働の目処が立たず、年間4000億円もの赤字を垂れ流す九州電力は来春から10%の電気料金値上げに踏み切るからだ。
 「今でもぎりぎりのコストでやっているんだ。値上げなんてされたらとても持ちこたえられん。でも電気は九電から買うしかない。結局、最後は受け入れるしかないんよね…」
  鋳物メーカーにとって欠かせないのは、放電熱で金属を溶かす電気炉だ。当然、大量の電力が必要となる。容量1トンのるつぼ型電気炉2基を所有する楠原製作 所の電気料金は、月350~400万円にのぼり、製造コストの10~12%を占める。単純計算では10%の値上げで月40万円の負担増になる。楠原氏は苦 渋の表情を浮かべた。
 「従業員は何とか守りたい。いや守らなくてはいかん。でも10%値上げされたら1~2人に辞めてもらわないと立ちゆかなくなるかもしれない…」
原発動かさねば…
 楠原氏が父の跡を継いで社長に就いたのは12年前。そのころから上下水道工事が年々減少し、マンホールの売り上げは半減した。ロボット部品も平成20年9月のリーマンショック後、注文が激減している。
 そんな苦境を何とか乗り越えようと楠原氏は必死の経営努力を続けてきた。新卒採用を抑制し、単純なパーツは韓国に製造委託。10年前から夏場の休みを火・水曜に振り替え、代わりに電気料金を安く契約できる土日に操業してきた。
 だが、電気料金が10%に値上げされれば、そんな経営努力は水の泡となる。
  しかも値上げの理由が納得できない。東京電力福島第1原発事故は確かに大きな災禍を招いたが、九電の玄海、川内の両原発は立地条件も違えば、原子炉の仕組 みも違う。トラブルを起こしたわけでもない。単に政府の無策により再稼働のゴーサインが出ず、高コストの火力発電を続けざるを得ないのだ。再生可能エネル ギーを高値で電力会社に買い取らせる制度も結局は一般の電気利用者に負担を押しつけることになる。楠原氏はこう断じる。
 「法人税減免などの救済策もないならば俺らの業界はもたない。少なくとも安全な原発は動かさんとどうにもならんって…」
15%値上げで利益消失
 実際、4月に平均15%値上げに踏み切った東京電力管内で鋳物メーカーは軒並み苦境に立たされている。日本鋳造協会によると、ほぼすべてが中小零細企業なので収益率は2%と低く、15%の値上げにより経常利益の大半は失われる計算になるという。
 「キューポラのある街」で有名な埼玉県川口市では、値上げ前、川口商工会議所を中心に反対運動を展開したが、最後は泣く泣く値上げを受け入れた。同商議所関係者は「価格競争が激しい中で価格転嫁はできない。あちこちの鋳物メーカーが人員削減を始めています」と明かす。
 九電の10%値上げは原発3基の稼働を前提にしたものだ。このまま全6基が動かなければさらなる値上げは避けられない。川口市の悲劇は九州に確実に飛び火しつつある。
 楠原氏は、生産量の半分を韓国に移すことも検討し始めた。その場合、従業員の半数は仕事がなくなる。楠原氏はやり場のない憤りをぶちまけた。
 「正常な競争で製品が売れなくなり解雇せざるを得なくなったり、会社が倒産するならば、それは俺の力不足だ。あきらめもつく。でも民主党政権の無責任でバカなやり方のしわ寄せを受けてそんなことにならないといけないのか? 本当に腹が立つ!」

原子力規制委 急いては理解深まらない

201211210:47 カテゴリー:コラム > 社説
 急(せ)いては事を仕損じる。そんな言葉がある。原子力規制委員会はどうだろう。
 ちょっと急ぎすぎではないかと感じられる場面がある。それが無用の誤解や混乱を生む。放射性物質の拡散予測の公表と、その後の訂正はまさにそうだった。
 東京電力福島第1原子力発電所と同様の事故が全国の原発で起きたら、放射性物質はどのように拡散するか。原子力規制委が先月、その試算結果を公表した。
 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の場合はどうか。試算では、原発から20キロ以上離れた福岡県糸島市の一部で、国際基準で避難が必要とされる事故後1週間の積算被ばく量が100ミリシーベルトに達した。
 ところが、その5日後、結果に誤りがあったと修正が発表された。糸島市は要避難距離から外れ、長崎県松浦市の一部で新たに避難が必要になった。
 無用の混乱を起こしただけだ。そもそも、この試算にどれほど意味があるか。
 一定の前提条件の下ではじき出した一つの想定例であり、あくまでも目安として参考にする程度と規制当局は言う。
 大事故発生時の気象条件などにより、状況は大きく変わる。専門家や関係者には自明であっても、一般には違う。これがただ一つの答えだと思うかもしれない。知識や認識の差に注意を払うべきだ。
 規制委が決めた原子力災害対策指針についても、少し性急さが感じられる。
 原発が立地する地域の関係自治体との意思疎通は十分にできているだろうか。
 新たな指針では前提が百八十度変わった。原発周辺地域が広く放射性物質に汚染されるような深刻な事故は起き得る。だから万が一に備えるべきだとして事前対策を練っておく地域を大幅拡大した。
 従来の8~10キロ圏から30キロ圏に広げられ、玄海原発では糸島市のほか、長崎県平戸、壱岐、佐世保各市も、その一部が災害対策重点区域に入った。九電川内原発(鹿児島県薩摩川内市)では鹿児島市もごく一部だが、重点区域に加わった。
 しかも、かたちばかりの防災計画では役に立たない。東電福島第1原発事故では、住民は政府や東電、地元自治体から満足な情報提供を受けないまま避難を余儀なくされ、現場は混乱を極めた。これを教訓に新たな防災指針では、住民の視点に立った防災計画づくりを求める。
 では、どうやって具体的な計画をつくるのか。防災指針だけでは分からないことも多い。規制委は残る検討課題を早急に詰めて指針を肉付けしていくという。
 決めたことをどんどん公表していくのは良いのだが、何か実績作りを急いでいるようにも見える。政府は、田中俊一委員長ら5人の委員任命について国会の同意を得られず、法律の例外規定を使って、9月の規制委発足にこぎ着けた。
 だから、実績を出させて既成事実化しようとしているのではないか。そんな意地悪な考えも浮かぶ。大事なのは関係自治体と住民の理解を深めていくことだ。手法を誤ると逆効果にもなりかねない。
2012/11/02付 西日本新聞朝刊=

原発内の高線量下で作業 いわきの男性が労基署に申告

 東京電力福島第1原発事故直後に復旧に当たった元作業員の男性(46)=いわき市=が1日までに、放射線量が高いのに管理を適切にしなかったのは労働安全衛生法違反として、東電と作業を請け負った関電工(東京)に是正を求め、富岡労働基準監督署に申告した。
 関電工に対する申告は刑事罰を求める告発に当たる。
 男性は1日、厚生労働省内で記者会見し、「末端の人間はなかなか問題だと口に出すことができない。今も続く廃炉作業が安全にできるようになればいい」と話した。
 申告書によると、男性は昨年3月24日、第1原発3号機のタービン建屋内で、電源ケーブルの敷設作業をした。作業をしたのは関電工の社員2人、1次下請けが1人、2次下請けが男性を含む3人の計6人。
 建屋地下で、線量計が20ミリシーベルトを超えたことを知らせる警報音が鳴った。関電工の社員は「誤作動の可能性がある」として作業継続を指示した。
 地下で汚染されたたまり水を発見し、男性を含む2次下請けの3人は「危険だ」と作業を拒否。関電工と1次下請けの計3人はたまり水に入り作業を続け、うち関電工の2人は緊急搬送された。
 途中、東電に所属する防護服姿の別のグループが来たが、毎時400ミリシーベルト以上の線量を計測して撤収したという。東電によると、たまり水に入った3人の外部被ばく線量は173~180ミリシーベルトだった。
 東電は「非常事態で作業員が高線量の被ばくをしたことは申し訳なく思っている。労基署から是正を求められれば誠実に対応したい」と説明。
 関電工は「社員2人が高線量の被ばくをした後、作業中の安全には十分に留意している。男性の申告については把握していないが、真摯(しんし)に対応していきたい」としている。



20121102日金曜日

安全協定の改定 中電に申し入れ

20121102
中国電力の苅田知英社長(左端)に安全協定の改定を申し入れる平井伸治知事(左から2人目)ら=広島市中区
島根原発(松江市)を運営する中国電力と昨年12月に締結した安全協定について、平井伸治知事らは1日、中電本社(広島市中区)を訪れ、協定を 「立地自治体並み」に改定することを申し入れた。中電側は、両者の実務者で作る協議会を設置することに同意。県は、来年3月までの改定を目指す。
 この日、申し入れをしたのは、平井知事、中村勝治・境港市長、野坂康夫・米子市長。平井知事は、10月31日に新たに示された国の原子力 災害対策の指針で、境港、米子両市が、島根原発から30キロ圏の防災対策の重点区域に入ったことを説明。「私たちは、従来とは違う立場になり、(県民に対 して)責任を果たしていかなくてはいけない。安全協定の改定をお願いしたい」と求めた。
 境港市の中村市長も「市内全域が30キロ圏に入る当市では、住民の関心や不安も大きい。ぜひ、立地並みの協定をお願いしたい」などと続けた。
 これに対し、中電の苅田知英社長は「当社としても誠意を持って協議をさせて頂きたい」と応じた一方、改定の中身については、「立地と同等ということだが、現在、様々な議論がある。協議会の開催に異論はないが、私たちの意見も率直に言っていきたい」と慎重な姿勢を示した。
 会談後、平井知事は「(改定は)そう簡単ではない。扉は開けてみないと分からず、両市と団結してやっていきたい」と話した。
 県と米子、境港両市は昨年12月、原発の周辺自治体として初めて、事故発生時の補償や異常時の直接連絡などを盛り込んだ協定を中電と締 結。ただ、立地自治体には認められている原子炉増設時の事前了解や、原発への立ち入り調査については、強制力のない事前の報告や現地確認などにとどまって いる。(佐藤常敬)
20121121021

大飯原発の断層調査始まる 専門家が現地入り



大飯原発の敷地内を走る断層(破砕帯)を調査する原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理とメンバーら=2日午前10時11分、福井県おおい町、高橋正徳撮影
大飯原発の敷地内を走る断層(破砕帯)を調査する原子力規制委員会のメンバーや関西電力社員ら=2日午前10時3分、福井県おおい町、高橋正徳撮影
大飯原発の活断層調査現場


【小坪遊】関西電力大飯原発(福井県)の敷地内にある断層に活断層の疑いが指摘されている問題で、原子力規制委員会は2日、現地調査を始めた。関電が調 査のために掘削した現場を直接確認した。調査で活断層と判断すれば、規制委は唯一稼働中の大飯原発を止めるよう関電に求める。
 島崎邦彦委員長代理のほか専門家らでつくる調査メンバーは2日午前、大勢の報道陣が見守る中、大飯原発に入った。午前は関電が問題の断層を確認するために掘った、原発敷地北側の溝を直接確認した。午後はボーリング調査で採取した地層をみる。
 問題の断層は、緊急時に原子炉を冷やすための海水を取り込む重要施設「非常用取水路」の直下に走る。10月23日の事前会合では、関電の調査手法や、判 断への指摘が相次いだ。一方、関電は31日、現時点では活断層を示唆する証拠は得られていないとする自らの調査結果の中間報告を公表した。規制委は、関電 の調査の実施状況の確認のため現地調査をすることにした。

原発誘致をめぐる三陟市長リコール否決

キム・テス三陟市長リコール投票25.9%で否決

ソン・ジフン記者 2012.11.01 12:07
新規原子力発電所の立地選定をめくって行われたキム・テス三陟市長に対する リコール投票が否決された。1031日に行われたリコール投票には、三陟市の 有権者6705人のうち15698人、25.9%が参加した。リコール投票は全有権者 の1/3以上が参加し、過半数の賛成で可決される。投票率がこれに満たなければ 開票せず否決される。リコール投票の否決で、キム・テス市長は業務に復帰で きることになった。
▲キム・テス市長
[出処:三陟市ホームページ]
しかしリコール運動本部は「キム・テス市長が公務員とその家族まで動員して 投票を妨害し、投票参加市民を監視するなど官権選挙がなされた」と主張した。
リコール運動本部のイ・グァンウ企画広報室長はチャムセサンとの通話で、 「キム・テス市長側は幹部公務員とその夫人も動員し、投票所周辺で投票しに 来る人々をいちいちチェックした」と主張した。イ・グァンウ室長はまた、 「政府系団体や村長たちも動員され、キム・テス市長本人も『投票すれば不利益 を与える』と住民を脅迫した」と伝えた。
三陟支庁の公務員がリコール投票要求署名をした市民に署名の撤回を要請し、 選管委番号で投票不参加を促すファックスが各邑面の事務所に発送された。 選挙管理委員会が保管する投票要求署名簿を閲覧し、署名リストが流出した。
リコール運動本部は今回の投票を「投票の原則が守られない公開投票で、官権 選挙」だと批判し、キム・テス市長の不信任と原発誘致反対運動をさらに拡張 すると明らかにした。イ・グァンウ室長は「投票結果には承服できない。戦い 続ける」と話した。運動本部は投票結果への法的対応は考えていない。
▲運動本部の投票督励活動[出処:リコール投票運動本部]
一方、済州に続いて三陟でもリコール投票が否決され、投票方式の限界を指摘 する声も上がっている。イ・グァンウ室長は「現行のリコール投票は選挙法が 保障する投票の原則を守れない」と主張した。現行の投票方式では投票に参加 するだけで賛否を示す負担を甘受しなければならない。地域社会での縁を口実 に、投票不参加を強要することが可能だ。
さまざまな妨害にもかかわらず、三陟の投票率は済州リコール投票率の11%より 二倍以上高かった。新規原発反対の世論が反映された結果だ。しかし現行方式 では、いくら世論が高くてもリコールの可決は難しい構造だと運動本部側は説 明する。イ・グァンウ室長は「リコール法の改正が至急だ」と話した。
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田() 著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。

大飯原発で活断層調査始まる 規制委調査団

2012.11.2 10:00
 原子力規制委員会の専門家調査団は2日、国内の原発で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県おおい町)で、敷地内を走る軟弱な断層(破砕帯)が活断層かどうか判断するため調査を始めた。4日に東京で会合を開き、調査結果を評価する。
 調査しているのは1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北方向に走る「F-6断層」と呼ばれる破砕帯。規制委の島崎邦彦委員長代理を中心に、Fー6断層の危険性を指摘してきた渡辺満久・東洋大教授ら計5人の専門家がこの日早朝から現地に入った。
 調査団は、関電が掘った深さ数メートルの溝に入り、その壁面に表れた地層を観察するなどして、断層の活動性や連続性を調査。調査地点は、海岸付近の地表から山頂付近まで6カ所で、終日かけて回る。
 関電によると、これまでの調査で破砕帯が活断層でないという従来の評価を覆す結果はなく、周辺の断層との連動性を示すデータもないという。
 旧原子力安全・保安院から再調査を求められていた関電は10月31日、規制委に対し「活断層があると示唆する結果は得られていない」とする中間報告を提出した。追加調査をした後、年内に最終報告をまとめる。
 原発の耐震設計審査指針では、13万~12万年前以降に活動した形跡があれば活断層と判定されるが、島崎委員長代理は40万年前以降も含め、活断層の定義を大幅に拡大する方針を示している。

原子力ムラ揶揄痛烈、コント動画「絶対!!原子力戦隊スイシンジャー」上映会開催/相模原

2012112
 原発を推進してきた原子力ムラを痛烈に皮肉ったコント動画「絶対!!原子力戦隊スイシンジャー」の上映会が10月31日、相模原市緑区のカフェこたつで 催された。インターネットでも視聴でき、脱原発派の間で評判のコントだが、上映後のトークでは笑えない現実も明らかに。「原発をネタにすることがタブー視 されなくなれば」。演じた芸人の一人は真顔でこぼした。
 コントが笑い飛ばすのは、原発を推進してきた原子力ムラの「非常識」だ。正義の味方「東電レッド」「経産相ブルー」「マスコミホワイト」が、黒装束の 「怪人反原発男」を必殺技「原発マネー」でやっつける-といった趣向で、東京電力福島第1原発事故に至った原子力政策を揶揄(やゆ)している。
 演じる若手コント集団「尾米タケル之一座」の座長、中洋人さん(34)は「原発事故を目の当たりにし、目を覚まさなければ、と思った」と話す。
 原子力ムラの実態を調べるとツッコミどころが満載だった。コントを動画サイトに投稿すると視聴回数は3作品で30万回超。脱原発を訴えるイベントやデモにも声が掛かる。
 「でも」と中さん。「大学の学園祭に引っ張りだこと思いきや、さっぱり。見てくれるのは意識を持っている人。本当に届けたいのは、無関心な人なのに」。同じ動画でも、かわいらしい子猫の動画の方がよほど見られている。
 この夏、首相官邸前をデモの人波が埋めた。それでも関西電力大飯原発は再稼働した。「もっと多くの人を動かさなければ。でも、大手メディアが取り上げて くれない。ネットだけでは限界がある」。世を映すメディアの変わらぬ現実。続くアルバイト暮らし。「少なくとも、この問題がタブーになっている現状は、お かしい」
 この夜、上映会に足を運んだのは約20人。企画した内田弘美さん=相模原市緑区城山=が「お金にならないことに取り組む人がいることを知ってほしかっ た」と話すと、中さんは「世間の逆を行ったら、お金もうけできると思ったんですが」。最後まで自虐ネタで笑いを誘っていた。
 一座では、ホームページ(www.okometakeru.com)で作品を収録したDVD(1500円、送料別)を販売しているほか、出演依頼を受け付けている。

「共同体制強化を」

20121102
◆鳥取知事/原発防災で知事らに◆
 中国電力島根原発(松江市)をめぐり、鳥取県の平井伸治知事と、原発から30キロ圏の野坂康夫・米子市長、中村勝治・境港市長が1日、島根県庁で溝口善兵衛知事と意見交換した。
 平井知事は、原子力規制委員会が決めた原子力災害対策の指針で、原発防災の重点区域が30キロに拡大されたことに触れて「共同体制を強化 してはどうか」と述べ、副知事級をトップに原子力規制庁も加えた広域防災の協議会の設置を提案した。溝口知事は「(島根の)4市とも、よく話をしていきた い」と応じた。
 両知事は、今年度中に予定している自家用車での避難を想定した渋滞や所要時間のシミュレーションを、条件や手法をそろえて共同で実施することを確認した。被曝(ひ・ばく)医療体制や放射性物質による汚染を調べるスクリーニングでの協力も検討課題に挙げた。(斉藤智子)

道内電気料金 値上げか「泊」かは乱暴(11月2日)

北海道電力の川合克彦社長が、電気料金を値上げするかどうか、本年度内にも判断すると表明した。
 泊原発の長期停止に伴い火力発電所の燃料費が急増し、業績が悪化したためだ。
 確かに、北電の経営状況は厳しい。9月の中間連結決算は過去最大の486億円の赤字を計上した。
 だが、景気が低迷する現在、新たな負担が家庭や企業経営に与える打撃は深刻だ。
 電力会社は地域独占の企業である。燃料調達費の抑制、人件費削減を含む合理化を徹底した上で、正確なコストを公表するのが前提だ。安易な値上げは認められない。
 既に値上げを正式表明した関西電力や九州電力と同様、北電は原発比率が4割と高い。
 原発への過度の依存が経営を急速に悪化させたばかりでなく、電力の安定供給も危うくしたと言える。
 川合社長は「再稼働に移れるか、料金改定を行うか、そのどちらかが必要になる」と述べた。値上げするしないは、泊の再稼働の時期しだいで決まるというのである。
 これでは電気料金を人質に再稼働を迫るようなものだろう。
 原子力規制委員会が原発の新たな安全基準を策定するのは来年夏になる見込みだ。
 川合社長は、基準の骨子が事前に示されれば、その内容によって対応可能かどうかも判断するという。
 これもおかしい。あらかじめ審査の合格が見通せるような基準であれば、基準の名に値しない。
 電力会社の意向に左右されず、ひたすら安全性を追求するのが規制委の役割のはずだ。
 原発の再稼働を急ぐ電力各社の姿勢からは、福島第1原発事故への反省がうかがえない。
 今後、原子力規制委の審査によって、老朽化した原発や地震に弱い原発は再稼働できないどころか、廃炉を迫られる可能性がある。
 電力会社は原発頼みの経営体質を変えなければならない。
 風力発電など再生可能エネルギー導入を推進するため、北電には送電網の拡充を含む設備投資が求められる。合理化努力に加え、こうした電源多様化の方策も示さなければ、値上げに理解は得られまい。
 電力会社がかたくなな態度を続ける背景には、脱原発の方針をめぐり政府の腰が定まらないことがある。
 政府は国民的議論を経て、「2030年代に原発ゼロ」を目指す新戦略をまとめたが、具体化の作業は中断している。
 政府は、あらゆる政策資源を投入するという約束を守り、新戦略実現の道筋を早急に示すべきだ。

福島市のコメ基準値超え 全袋検査で110ベクレル

 福島県は1日、コメの全袋検査で、福島市の農家が生産したコシヒカリの玄米6袋から、食品基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。福島県産米の基準値超えは今年2例目。
 農家がある地域は、昨年のコメから100ベクレル超500ベクレル以下のセシウムを検出した「事前出荷制限区域」。生産量や保管状況を全て把握しているため出荷制限はせず、基準値を超えた袋のみを処分する。
 県によると、この農家が生産した140袋の検査で分かった。
2012/11/01 21:09   【共同通信】

政府、北海道の節電目標7% 他地域は数値見送り

 政府は1日、今冬の北海道電力管内の節電目標を2010年度比で7%以上とする電力需給対策を固めた。停止中の 泊原発(北海道泊村)が再稼働する見通しが立たず、電力需給が厳しくなると見込んだため。北海道以外の全国(沖縄を除く)では数値目標の設定を見送り、自 主的な節電を求める。関係閣僚会議を2日に開き、決定する。
 北海道で数値目標を設けるのは12月10日から来年3月8日まで。平日だけが対象で、時間帯は午前8時~午後9時が基本だが、12月10日~28日と来年3月4日~8日は午後4時~午後9時としている。
2012/11/01 21:13   【共同通信】



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■ 原子力規制委、大飯原発の断層調査



 福井県の関西電力・大飯原発の敷地内にある断層が活断層かどうかを見極めるため、原子力規制委員会が現地調査を始めました。
 調査が行われているのは、福井県おおい町にある大飯原発1、2号機と3、4号機の間を南北に走るF-6破砕帯です。専門家らでつくる委員会の調査チームは、2日朝、10メートル近く掘られた溝に入り、活断層の疑いがあるとされる地層を目視で調べました。
 破砕帯の上には原子炉を冷やすための海水が通るパイプがあり、委員会は、活断層の可能性が高いと判定した場合には、再稼働している3、4号機について「止めてもらう判断をせざるをえない」との見解を示しています。
 一方、関西電力は独自の調査で「活断層ではない」としています。原子力規制委員会は4日の会合で今回の調査結果について評価する方針です。(0211:40
大飯原発に活断層は?原子力規制委現地調査
活断層の可能性が指摘されている大飯原発の断層について、国の原子力規制委が現地調査を始めた。大飯原発を巡ってはことし7月、旧原子力安全 保安院が「敷地内を走る断層が活断層である可能性を完全に否定できない」として関電に調査を指示していた。関電は地層の分析を行い、一昨日改めて「活断層 ではない」と報告している。原子力規制委は4日に報告書をまとめ、活断層の可能性が高ければ運転停止を求める方針。
[ 11/2 12:03 読売テレビ]

規制委、初の現地調査=断層問題・福井


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関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内で岩盤の亀裂(破砕帯)が活断層と連動し、重要施設に影響を与える可能性が指摘されている問題で、原子力規制委員会の専門家調査団は2日午前、初の現地調査を始めた。 【時事通信社】
20121121312

北電管内で今冬7%以上の節電要請、1210日から=政府決定



[東京 2日 ロイター] 政府は2日、今冬に北海道電力<9509.T>管内で7%以上の節電要請を行うなど電力需給対策を決定した。 12月10日から来年3月8日までの平日が対象。観光業など経済への影響も考慮し計画停電を回避できるよう、大口需要家への節電要請や自家発電設備の購入 に対する補助金などの対策を実施する。
 同日午前、関係閣僚出席による「電力需給に関する検討会合」と「エネルギー・環境会議」の合同会合を開いて決定した。枝野幸男経済産業相は閣議後会見で 「冬の北海道で計画停電を含め停電が発生することは道民の生命、安全に直結する。過去最大級の電源脱落が発生するリスクにも備え、計画停電を回避するため の緊急調整プログラムを新たに準備する」と説明した。
 北電管内は、最大需要に対する供給予備率が1月に6.7%、2月に5.8%と想定する。ただ、火力発電設備のトラブルが急に発生するリスクを考慮する必 要があるとして節電要請に数値目標をつけた。計画停電回避に向けて、契約電力500キロワット以上の産業用、業務用の大口需要家に、大規模電源が脱落した 場合は需要削減要請を受け入れるよう協力を要請する。
 北海道以外では、沖縄県を除く各地域で数値目標を伴わない節電要請を行う。対象期間は12月3日から3月29日までの平日。
 (ロイターニュース、浜田健太郎)



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■ 北海道電力管内7%以上節電目標、決定



 政府は、この冬、北海道電力の管内で2010年の冬に比べて7%以上の節電目標を設けることを、2日朝の関係閣僚会議で正式に決定しました。
 節電を求めるのは、火力発電所のトラブルが起きた場合などに停電に陥る恐れがあるためとしており、期間は年末年始を除く12月10日から来年3月8日までの平日です。
 一方で、計画停電は見送る代わりに、緊急時には大口の利用者に電力を融通してもらうなどの対応を求める方針です。
 また、沖縄を除く地域でも自主的な節電を求めるものの、具体的な目標値は盛り込まない方針です。(0211:24

政府、北電管内に7%以上の節電要請を決定
 政府は2日朝、電力需給に関する関係閣僚会議を開き、この冬の需給対策を決定した。「北海道電力」管内に7%以上の節電を要請する。
 対策では、北海道電力について、他の電力会社からの電力融通量が少ないことなど北海道の特殊性を考慮し、12月10日から来年3月8日までの平日(12月31日、来年1月2~4日を除く)、管内に10年の冬と比べて7%以上の節電を要請する。
 さらに、計画停電を回避するため、「計画停電回避緊急調整プログラム」を準備し、電力需給が逼迫(ひっぱく)した場合に、大口の電気需要家に対して臨時休業などの対応で需要の大幅抑制を求める。
 また、他の地域に対しては具体的な節電の数値目標は設定しないが、政府がこれまでに定着したと見込んでいる節電分を「定着節電値」として示し、節電を促す。
 全国の節電要請期間は、12月3日から来年3月29日までの平日(12月31日、来年1月2~4日を除く)となっている。(11/02 13:15)
政府、冬の電力需給対策決定 北海道は7%以上の節電目標設定

政府は、この冬の電力需給対策を決めた。北海道電力の管内では、7%以上の節電目標を設定する。
藤村官房長官は「冬場の北海道電力管内で停電が発生することは、道民の生命・安全に直結するため、(こうした事態を回避すべく)万全の対策を講じていくことが必要」と述べた。
政府は2日朝、関係閣僚会議を開いて、この冬の電力需給対策を協議し、北海道電力管内について、火力発電所などの故障で電力不足に陥る可能性があるとして、1210日から38日までの年末年始を除く平日で、2010年と比べて、7%の節電目標を設定することを決めた。
一方、北海道以外の地域については、沖縄を除き、数値目標を設けない自主的な節電を求める。
(11/02 12:49

北海道に7%の節電要請…政府の電力供給対策(11/02 11:56)

政府は北海道に対し、一昨年に比べ、7%以上の節電要請することを決定しました。
 北海道の電力の供給余力は、この冬、最低限必要な3%を上回る5.8%と見込まれています。ただ、大型の火力発電所などがトラブルを起こす可能性があるため、政府は7%以上の節電を要請することにしました。期間は1210日から来年38日までの平日です。

政府 冬の節電対策を正式決定

112128

政府 冬の節電対策を正式決定

政府は2日、この冬、電力不足が懸念されるとして、北海道電力の管内に7%以上の節電を要請するなどとした節電対策を正式に決定しました。
政府は、2日、国会内で関係閣僚による会議を開き、冬場に電力使用が増加することなどから電力不足が懸念されている北海道電力管内を含めた全国の節電対策を正式に決定しました。
そ れによりますと、北海道電力の管内については火力発電所で大きなトラブルが起きた場合は電力不足に陥る可能性があるとして、企業や家庭に対して震災前の平 成22年度の冬と比べ7%以上の節電を要請します。節電を求める期間は、来月12月10日から来年3月8日までのいずれも平日で、大半の期間が午前8時か ら午後9時までで、このうち12月10日から12月28日までと、来年3月4日から8日までは、午後4時から午後9時までとなっています。
一方、この夏の節電対策では準備を求めた計画停電についてはこの冬は準備は求めず、電力需給がひっ迫した場合には、工場など大口の利用者に一段の節電を求めることで計画停電を回避するとしています。
このほか、沖縄を除く全国の電力会社管内に対しては、12月3日から来年3月29日にかけて、数値目標は掲げずに無理のない範囲で節電を求めることにしています。

“冬の電力需給に万全期す”

枝野経済産業大臣は「北海道はほかの電力会社からの融通に制約があることや、寒冷地のため電力不足が国民生活に甚大な影響をもたらす特 殊性があることなどのリスクを踏まえる必要がある。地方自治体とも協力してこの冬の電力需給に万全を期していく。国民の皆さんには大変ご不便をおかけする が、節電への協力をお願いしたい」と述べました。






政府、冬の電力需給策を決定 / 北海道は節電7%
 政府は2日、今冬の電力需給対策を、関係閣僚会議を開いて決定した。北海道電力の管内では、火力発電所の故障などで電力不足に陥る恐れがあるとして、 2010年度比で7%以上の節電目標を設定。北海道以外の地域(沖縄を除く)では数値目標は設けず、自主的な節電を求める。
 計画停電の準備要請は見送った。
 北海道は、停止中の泊原発(泊村)が再稼働する見通しが立っておらず、本州からの電力融通にも制約がある。火力発電所が1基でも故障すれば影響は大きいとして、節電の数値目標を掲げることにした。
北海道で数値目標を掲げるのは、12月10日から来年3月8日まで。
201211021127

北海道、7%の節電=今冬、緊急時は休業要請-政府

 政府は2日、関係閣僚による「エネルギー・環境会議」と「電力需給に関する検討会合」を合同で開き、北海道に2010年度比7%以上の節電目標を設けるなど今冬の電力需給対策を決定した。
 北海道の節電目標の期間は12月10日~来年3月8日の平日。12月28日までと3月4日以降は午後4~9時、それ以外は午前8時~午後9時が対象となる。
  観光や経済への影響を考慮し、計画停電の準備はしない。大型火力発電所の故障などによる電力不足を防ぐため、契約電力500キロワット以上の約1100に 上る企業や工場に緊急時の協力を要請。合意した企業などには、予備率(供給余力)が1%以下となった場合、臨時休業や操業の停止による電力使用の大幅な抑 制を求める。(2012/11/02-11:21

冬の電力需給策:北海道7%節電…政府が正式決定

毎日新聞 20121102日 1157分(最終更新 1102日 1216分)
 政府は2日、今冬の電力需給対策を検討する関係閣僚会合を開き、北海道電力管内で12月10日から来年 3月8日まで、厳冬だった10年度冬と比べて7%以上の節電を求める方針を正式決定した。北海道以外の8電力会社(沖縄を除く)管内は数値目標を設けず、 12月3日から3月29日まで、自主的な節電を求める。
 北海道電管内の7%節電は平日の午後4〜9時が対象、1月7日〜3月1日は午前8時〜午後9時に要請する。年末年始(12月31日〜1月4日)は対象外。
 火力発電所のトラブルなどで需給が逼迫(ひっぱく)し、予備率が1%を切った時点で、工場などの大口利用者(契約電力500キロワット以上)に一時操業停止や臨時休業を求める「緊急調整プログラム」を導入する。【種市房子】

北海道の節電目標7%を正式決定 政府、今冬の電力需給対策

2012.11.2 11:40
 政府は2日午前、今冬の電力需給対策を関係閣僚会議で決定した。来月から沖縄を除く全国での節電を要請、特に北海道は火力発電所のトラブルなどで 電力不足に陥る懸念があることから、平成22年度比で7%以上の節電目標を設定した。各地域とも早期の原発再稼働が見込めないことから、今夏に引き続き節 電要請による需要抑制で停電を回避する方針だ。
 全国の節電期間は、12月3日から来年3月29日までの平日が対象。北海道の節電目標については、12月10日から3月8日の平日午後4時~9時で適用される、また、厳寒期の1月7日~3月1日は、要請開始時間を朝8時に早める。
  地域経済への影響を配慮し、道内でも農業や観光業など生産活動ついては、自主目標での節電を求めるにとどめた。ただ、北海道は本州からの電力融通に制限が あり、火力発電所が予定外の稼働停止となれば一気に需給逼迫に陥るため、供給予備率が3%を下回った場合には農業などにも7%以上の節電を要請する。
 藤村修官房長官は「冬の北海道で停電が発生すれば生命と安全に関わるので、政府として万全の対策をとる」と述べた。

<節電>北海道は平日7% 今冬目標、政府原案が判明

毎日新聞毎日新聞:記事一覧 2012112()230分配信
 政府の今冬の電力需給対策案の全容が1日、判明した。停止中の泊(とまり)原発(北海道泊村)再稼働の見通しが立たず、電力需給逼迫 (ひっぱく)が懸念される北海道電力管内は12月上旬から3月上旬の平日に、厳寒だった10年度冬と比べて7%以上の節電を求める。地域ごとに順番に電気 を止める計画停電は経済や生活への影響が大きいため回避する。火力発電所の大規模故障などに備え、北海道電には、深刻な電力不足が予想される際は工場など 大口利用者(契約電力500キロワット以上)に臨時休業してもらうなどして需要を大幅に抑える「緊急調整プログラム」を導入するように求める。
 北海道以外の8電力会社(沖縄を除く)管内は数値目標を設けず、自主的な節電を促す。2日の関係閣僚会議で正式決定する。
  節電対策は、沖縄以外の9電力で12月3日から3月29日まで実施(土日祝日と12月31日〜1月4日を除く)。北海道電管内では12月10〜28日と1 月7日〜3月8日の平日に7%以上の節電を求める。時間帯は1月7日〜3月1日が午前8時〜午後9時、それ以外は午後4〜9時。ライフラインである病院や 鉄道などは数値目標の対象外とする。北海道電以外の管内は午前9時(九州は午前8時)〜午後9時に数値目標無しの自主的な節電を求める。【種市房子、久田 宏】

今冬の節電、北海道で7%以上 関係閣僚会議で決定

2012/11/2 10:44
政府は2日、関係閣僚による「電力需給に関する検討会合」と「エネルギー・環境会議」の合同会合を開き、今冬の電力需給対策を正式に決め た。厳冬下で計画停電に陥るのを回避するため、北海道電力管内に2010年度比7%以上の節電を要請した。沖縄を除く全国に対しても、震災後に家庭や企業 で定着した節電を、今冬も実施してもらうよう呼びかける。
 北海道電管内では、1210日から来年3月8日までの平日に、数値目標を伴う節電を要請した。ただ、農業や観光など、電力の使用量を抑え ることで活動に支障が出る産業は、需給が厳しいとき以外は、自主的な目標を設定してもよいと強調。必ずしも7%以上の節電を実施しなくてもよいことにし た。
 火力発電所の突然の停止に備え「計画停電回避緊急調整プログラム」も決めた。北海道電が、あらかじめ大口需要家と契約。仮に火力発電所などでトラブルが発生したときは、生産調整や一時休業などで電力使用を抑制してもらい、厳冬下で停電に陥ることを防ぐ。
20121121016

北海道電管内の節電7%を正式決定 12月10日から


野田政権は2日、関係閣僚による「エネルギー・環境会議」を開き、この冬に北海道電力管内で2010~11年の冬に比べて7%以上の節電目標を設けることを正式に決めた。
 北海道で節電を要請する期間は12月10~28日の午後4~9時、来年1月7日~3月1日の午前8~午後9時、来年3月4~8日の午後4~9時で、いず れも平日。地域ごとに順番に停電する「計画停電」を避けるため、北海道電力は「計画停電回避緊急調整プログラム」を導入する。大口利用者を対象に料金を割 り引くかわりに、急に電気が足りなくなった場合に使用を控えてもらう契約を結ぶ。追加で節電した分を高値で買い取る「ネガワット入札」も行う。
 藤村修官房長官は会議で「停電は北海道民の生命に直接かかわる。こうした事態を回避すべく、万全の対策を講じる」と述べた。
 沖縄を除くほかの地域は数値目標は設けないが、12月から来年3月までの平日(年末年始をのぞく)の節電を呼びかける。

北海道、7%の節電=今冬の電力需給対策―政府

  • 2012112日  9:12 JST
政府は2日、関係閣僚による「エネルギー・環境会議」と「電力需給に関する検討会合」を合同で開き、北海道に2010年度比7%以上の節電目標を設けるなど今冬の電力需給対策を決定した。
 冬場の北海道は、暖房などで1日を通じ電力需要が高い。本州からの電力融通量は限られるため、大型火力発電所がトラブルで停止した場合、電力不足に陥る恐れがある。
 北海道電力の予備率(供給余力)は、安定供給に最低限必要な3%を上回る5.8%を確保できる見通しだが、政府はこうした北海道の事情を考慮し、節電目標を設けて停電回避に万全を期す。 
[時事通信社]
201211291

北海道、節電12月10日から 政府方針、目標7%以上



野田政権は2日の関係閣僚会合で、今冬の電力不足が懸念される北海道電力管内の節電目標について、2010~11年の冬に比べて7%以上とすることを正 式に決める。電力不足が生じた場合、電力使用量を減らした大口需要家の料金を割引する「計画停電回避緊急調整プログラム」も実施する。
 エネルギー・環境会議(議長=前原誠司国家戦略相)は北海道電力管内の予備率(余裕度)を5.8%と試算したが、他の電力会社からの電力融通に制約があるため、今夏と同じ7%以上が必要と判断した。
 要請期間は今年12月10日~28日の16時~21時、来年1月7日~3月1日の8時~21時、来年3月4日~8日の16時~21時で、いずれも平日が 対象。予備率が1%を切った場合は、産業・業務用で契約電力500キロワット以上の需要家に対し、生産活動の一時停止や臨時休業などを求め、管内で合計 33万キロワット以上の需要削減を目指す。

北海道は7%節電で設定 農業と観光は自主目標 冬の電力需給対策

2012.11.2 08:22
 北海道での節電目標の導入を柱とする政府の今冬の電力需給対策の全容が1日、分かった。火力発電所のトラブル時の大 規模停電が危惧される北海道には、平成22年度比で7%以上の節電目標を設定する。ただ、北海道の地域性に配慮し、農業や観光業などは「実質的な影響が生 じない範囲で自主的な目標の設定」を求める。2日朝に開く関係閣僚のエネルギー・環境会議で正式決定する。
 沖縄を除く全国の節電期間は、12月3日から来年3月29日までの平日が対象。北海道以外の地域は数値目標を設定しなかった。
  北海道の7%の節電は、12月10日から3月8日の平日の午後4時~9時までが対象。厳冬となる1月7日~3月1日は、要請開始時間を朝8時に早める。暖 房などで一日を通じ電力需要が発生するため、「指定時間帯以外も可能な範囲」で全時間帯の節電を求める。なお、年末年始は節電期間から外す。
 農業などの生産活動には自主目標の設定を求めるが、供給予備率が3%を下回った場合には7%以上の節電を要請する。また、病院や鉄道などの重要施設にも制限緩和措置を講じる。
  厳冬となる北海道での計画停電を含む停電は「生命、安全に直結する」と同時に、「観光業などの経済活動に悪影響を与える」と指摘。道内の全ての大口需要家 (契約電力500キロワット以上)を対象に「計画停電回避緊急調整プログラム」に参加させ、発電所の故障などに備え、30万キロワットの需要抑制などがで きるようにする。

緊急時に電力需要抑制を 今冬の北海道、政府要請へ

2012/11/2 2:00
日本経済新聞 電子版
政府は2日、電力需給の関係閣僚会議を開き、今冬の節電対策をまとめる。焦点だった北海道電力の管内では2010年度比「7%以上」の数 値目標を掲げた節電を要請する。火力発電所のトラブルで電力需給が逼迫したとき、あらかじめ契約した企業に需要抑制を求める「緊急調整プログラム」も導入 する。厳冬下の計画停電を避けるための対策をそろえる。
 節電を求める期間は1210日~来年3月8日の平日で、年末年始は除く。時…

政府、道内に節電を要請 1210日から

2012/11/2 2:00
日本経済新聞 電子版
政府は今冬の北海道内の企業や家庭への節電要請の概要を固めた。1210日からピーク時に2010年度比で7%以上の節電を要請する。 計画停電は準備するだけでも観光などに与える影響が大きいとして見送る。需給逼迫時には大量に電力を使う企業に使用を抑えてもらう「計画停電回避緊急調整 プログラム」を発動させ、突発的な停電の回避を目指す。
 数値目標を定める節電期間は1210日~来年3月8日の平日で、午前8時~…



政府、北海道の節電目標7% / 他地域は数値見送り
 政府は1日、今冬の北海道電力管内の節電目標を2010年度比で7%以上とする電力需給対策を固めた。停止中の泊原発(北海道泊村)が再稼働する見通し が立たず、電力需給が厳しくなると見込んだため。北海道以外の全国(沖縄を除く)では数値目標の設定を見送り、自主的な節電を求める。関係閣僚会議を2日 に開き、決定する。
北海道で数値目標を設けるのは12月10日から来年3月8日まで。平日だけが対象で、時間帯は午前8時~午後9時が基本だが、12月10日~28日と来年3月4日~8日は午後4時~午後9時としている。
201211012113

北海道に7%節電を要請へ=12月上旬~3月上旬-政府

 政府は2日、関係閣僚会議を開き、今冬の電力需給対策を決定する。北海道に対しては2010年度比7%以上の節電目標を設ける。沖縄を除くすべての電力会社管内では、12月3日~来年3月29日の平日、数値目標を伴わない節電を要請する。
 北海道は12月10日~来年3月8日の平日、7%以上の節電目標を設定する。時間帯は12月28日までと、3月4日以降は午後4~9時の5時間。それ以外の期間は午前8時~午後9時となる。計画停電の準備はしない。(2012/11/01-21:05
北海道電力管内の節電目標は7%   2012/11/1 18:04
政府は、今冬の北海道電力管内の節電目標を2010年度比で7%以上とする方針を固めた。

北電管内に7%超節電要請へ

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北電管内に7%超節電要請へ

政府は、この冬、北海道電力の管内では火力発電所で大きなトラブルが起きれば電力不足の可能性があるとして、7%以上の節電を求めるなどとした冬の節電対策の原案をまとめました。
政府は、先月、この冬の電力需給を検証してきた委員会が、北海道電力管内では火力発電所で大きなトラブルが起きた場合、電力不足に陥るなどとした報告書をまとめたことを受け、節電対策の原案をまとめました。
それによりますと、この冬、北海道電力管内に対しては、企業や家庭で震災前の平成22年度の冬と比べて7%以上という数値目標を掲げて節電を求めるとしています。
節電を求める期間は、来月・12月10日から来年3月8日までのいずれも平日で、大半の期間が午前8時から午後9時までですが、12月10日から12月28日までと、来年3月4日から8日までは午後4時から午後9時までとなっています。
一方、この夏の節電対策では準備を求めていた計画停電は、この冬については節電対策で電力需給に一定の余力が見込まれるとして準備は求めないとしています。
このほか、沖縄を除く全国の電力会社管内に対しては、12月3日から来年3月29日までの期間、数値目標は掲げずに無理のない範囲で節電を求めることにしています。
政府は近く関係閣僚会議を開いて、こうした内容を正式に決定することにしています。

冬の計画停電準備見送り…北海道の節電目標7%

政府は、今冬の電力需給の逼迫(ひっぱく)が懸念される北海道内について、今夏のような計画停電の準備を見送る方針を固めた。節電目標は2010 年度比で「7%」とする方向で最終調整している。北海道以外の電力会社管内では、数値目標のない節電要請をする方向だ。2日にも関係閣僚会議を開いて正式 決定する。
 北海道は本州以南と異なり、暖房や融雪機器の使用が増える冬に電力需要のピークを迎える。政府の需給検証委員会で示された見通しでは、最も寒くな る来年2月の最大需要が563万キロ・ワットになるのに対し、供給力は596万キロ・ワットで、安定供給に最低限必要とされる3%を上回る供給予備率5・ 8%を確保していた。
 計画停電の準備をすることについて、経済界を中心に、風評被害を招きかねないといった反発の声が出ていた。道民生活や経済活動への影響に配慮した結果、事前にグループ分けをしてスケジュールを公表するなどの計画停電準備は回避されることとなった。
 泊原子力発電所1~3号機(北海道泊村、計207万キロ・ワット)の停止が続く中、フル稼働を続ける火力発電所では緊急停止などのトラブルが相次 いでいる。この停止リスクについてどこまで織り込むのか、検証委などで議論した結果、昨年度最大だった96万キロ・ワット程度の出力減が生じた場合でも予 備率3%を確保でき、生活への影響を最小限に抑えられる目標として、7%を算出したとみられる。需給見通しには、今冬に予想される定着節電分約3・3%が 既に織り込まれており、道民が求められる追加的な節電は3・7%程度になる見込みだ。
 検証委の報告書によると、過去15年間では出力減が最大137万キロ・ワットになった例もあり、その場合は7%の節電を実施するなどしても30万 キロ・ワット弱の不足が生じる。政府は計画停電の準備を回避する代わりに、電力需給の逼迫時に工場など大口需要家の電力使用を抑制できる「需給調整契約」 の件数積み上げを求め、非常時に30万キロ・ワット程度を抑制できる体制を目指す。
2012111日  読売新聞)

北海道に7%以上の節電要請へ…計画停電は回避


 政府は北海道電力管内に対し、今冬の節電目標を2010年度比で7%以上とする方向で最終調整に入った。
 経済活動や生活への影響を考慮し、計画停電は回避する。北海道以外の電力会社管内では、数値目標のない節電要請をする方向だ。2日にも関係閣僚会議を開いて正式決定する。
 政府の有識者会議の試算では、北海道電力は今冬、最大電力需要に対する供給余力を5・8%(2月)確保する見込みで、安定供給に必要な3%以上の 余力は確保される。泊原子力発電所は現在停止中だが、苫東厚真火力発電所など大型火力の稼働率を引き上げて、昨冬の実績値並みの供給力を確保したためだ。
 ただ、冬の火力発電は、配管の凍結など故障のリスクがある。本州からの電力融通にもトラブルが重なれば、供給力が10%超失われる恐れがある。このため、有識者会議は10月30日、「万が一のリスクにも対応できるよう、適切な節電目標を設定すべきだ」と提言していた。
20121111426分  読売新聞)

ニュース交差点:省エネ 北海道、節電目標7%以上

毎日小学生新聞 20121101
 は1030、ののを7%とするでをめました。については、へのがきく、などによるがえることもされるためわないです。さのしいでは、ったをのでかすなどするため、にがピークをえるのがです。の8ではしたができるしです。

北海道、節電だけで冬を越せるか(真相深層)
余力は火力1基分 需要分散は困難

2012/11/1 3:30 (2012/11/1 7:50更新)
日本経済新聞 電子版
冬の電力需給を見極める政府の需給検証委員会の議論が続いている。焦点は寒冷な北海道。北海道電力の泊原子力発電所(北海道泊村)は運転 停止が続いており、地元経済界は電力不足に危機感を強める。政府は一昨年比で7%以上の節電を道内に要請する見通しだが、節電だけでこの冬を越せるのだろ うか。
 寒さが厳しい冬の北海道では、暖房に使う電力需要が1日中続く。冬のピーク時の電力需要は夏を約15%(約70万キロワット)…

節電:県が「冬の節電」 健康イベントも−−あすから /徳島

毎日新聞 20121031日 地方版
 冬の電力需給のひっ迫に対応するため、県は11月1日から来年3月31日まで、節電や省エネに取り組む「徳島冬のエコスタイル」を実施する。従来より実施期間を1カ月前倒しするほか、新たに「健康」の視点を加えたイベント開催やPR活動を通じて、県民にも節電への協力を呼び掛ける。
 飯泉嘉門知事は記者会見で、四国電力が今冬の電力需給に余力があるとの見通しを示したものの、一定の節電効果を見込んでいることを指摘し、「引き続き冬の節電の取り組みが必要」と強調した。
 具体的には、暖房温度を20度(県庁舎は19度)に設定してもらうほか、重ね着などのウォームビズを推進する。また12月上旬に徳島市でフォーラムを開き、野菜を使った、体の温まるレシピを紹介したり、体を動かすスポーツイベントを開催して、家庭での暖房使用を抑える。
 飯泉知事は「県民総ぐるみで節電をはじめとする省エネ、省資源の取り組みを定着させたい」と呼び掛けた。【阿部弘賢】
冬の電力需給対策 北海道の節電目標は2段構えで最終調整

政府は112日にも、冬の電力需給対策を決定する方針だが、北海道については、節電目標は当初7%とし、必要に応じて10%に引き上げる2段構えで最終調整に入ったことが、FNNの取材でわかった。
極寒の夜にピークを迎える北海道の電力需給をめぐっては、大型火力発電所が2基停止すると、需要に供給が追いつかなくなると試算されていて、政府の需給検証委員会は「万一のリスクを織り込んだ一段の対策が求められる」との報告書をまとめた。
一方、冬の北海道は、観光産業が最盛期を迎えるため、厳しすぎる節電目標には、経済界などから難色を示す声も上がっている。
このため政府は、2010年に比べて、7%の数値目標を設定したうえ、万一の場合は、10%に引き上げる2段構えの案で最終調整をしていて、112日にも関係閣僚会合を開き、冬の電力需給対策を決定する方針。
(10/31 15:07

北海道の停電回避へ知恵絞れ

2012/10/31
政府が週内にも決める冬の電力対策で、北海道の節電目標をどの程度にするかが焦点になっている。北海道電力泊原子力発電所の再稼働が見込めず、道内の電力需給は綱渡りが予想されるからだ。
 寒さが厳しい北海道で不測の停電が起きたり、計画停電を実施したりすれば住民の命にかかわる。停電の回避へ、一定の節電目標はやむを得な い。電気の無駄遣いを極力減らし、自家発電を増やすなどして、無理のない節電をどこまで浸透できるか。政府はその対策づくりで知恵を絞るべきだ。
 政府の有識者会議の試算によると、東北地方以南では今冬の電力供給はピーク時の需要を3~9%上回り、節電目標は回避できそうだ。北海道でも余力が5.8%あるものの、この地域に特有の事情から供給に不安が残るとした。
 北海道と本州を結ぶ送電線は60万キロワットの能力しかなく、本州からの融通は限られる。震災後、北電は古い火力発電所を急きょ稼働させたが、トラブルで止まると電気が0.4%不足するという。
 地元経済界は泊原発の再稼働を求めている。だが原子力規制委員会は新たな安全基準づくりなどを再稼働の条件に挙げ、それらは来年3月以降になる。規制委の判断を尊重し、失墜した原子力安全行政への信頼を取り戻すため、泊だけを例外扱いにはできない。
 一方で停電は何としても避けたい。石油やガスを燃やす暖房はファン方式が増え、停電すれば動かない。道路の融雪もできず、生活や経済への悪影響は大きい。
 政府が節電目標を決めるにあたっては、まず無理のない節電の徹底を求めることが重要だ。事務所や家庭で暖房の適正温度を守り、照明を絞るなどすれば、節電の余地はまだある。企業でも、操業時間の短縮や自家発電設備を増設できるところがあるだろう。
 これらの努力を最大限積み重ねれば、需給をどの程度改善できるのか。政府や電力会社が客観的なデータを示し、節電目標に理解を得ることが欠かせない。

北海道は数値目標掲げて節電要請を

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ことしの冬の電力需給の検証を行ってきた政府の委員会は、冬場の電力使用が増える北海道電力の管内について、火力発電所でトラブルが起こる可能性を考慮して、具体的な数値目標を掲げた節電要請を行うべきだとする報告書をまとめました。
今月12日から冬の電力需給を検証してきた政府の委員会は、冬場の電力使用が多い北海道電力の管内で電力が不足する可能性があるかどうかについて集中的に議論を交わし、30日、報告書をとりまとめました。
そ れによりますと、北海道電力の管内では、原発を稼働させなくても火力発電所などによって需要に対して5.8%の供給の余力を確保できるとしています。た だ、管内で最大の火力発電所がトラブルで発電できなくなると、12.4ポイント供給力が減り、ほかの電力会社からの融通が受けられなかった場合、電力が不 足するおそれがあるなどと指摘しています。
そのうえで、報告書では、ことしの冬、北海道電力管内に対しては、こうした火力発電所のトラブルを十分、考慮したうえで、数値目標を掲げる形で節電を要請するべきだとしています。
これを受けて、政府は、週内にも関係閣僚による会議を開き、北海道電力管内に対する節電要請で何%の数値目標を掲げるべきか詰めの調整を行うことにしています。

北海道の節電、カギは家庭 冬も数値目標設定

2012/10/30 23:36
日本経済新聞 電子版
有識者からなる政府の電力需給検証委員会は30日、今冬の道内について「政府は万一のリスクにも対応できるよう適切な節電目標を設定すべ きだ」との報告書に合意した。道内では今夏に一昨年比7%以上の節電が求められ、冬は全国で唯一、数値目標を定める節電対象地域となる方向だ。厳冬下で節 電を達成するには、電力使用量の大きい家庭の対応がカギになる。
 検証委によると最も需給が逼迫する来年2月に、北海道電力では供給能…
需給検証委、政府に北電管内の適切な節電目標設定を求める報告書

政府は30日、この冬の電力需給見通しを検討する需給検証委員会を開き、北海道については、適切な節電目標を設定するよう求める報告書をとりまとめた。
報告書では、この冬の各電力管内の需給の見通しは、いずれも予備率3%以上を確保できる見通しだとしたうえで、「予断を許さない状況」との見解を示した。
しかし、冬の電力がひっ迫する北海道電力管内については、適切な節電目標を設定するべきだと政府に求めた。
一方、関西電力管内では、大飯34号機が停止した場合、ほかの電力会社から融通を受けても9.1%電力が不足するとの試算が出された。
この報告書を受け、政府は、北海道の節電目標を7%を軸に設定する方向で、11月初旬に冬の需給計画を決定する考え。
(10/30 18:44)

北海道に節電目標を=今冬の電力需給対策で―政府検証委

  • 20121030日  22:12 JST
 今冬の電力需給見通しを検討してきた政府の「需給検証委員会」(委員長・白真勲内閣府副大臣)は30日、北海道は「万一のリスクに対応できるよう、適切な節電目標を設定すべきだ」と政府に要請する報告書を取りまとめた。
 政府は関係閣僚による「エネルギー・環境会議」と「電力需給に関する検討会合」の合同会議を11月2日にも開き、今冬の需給対策を決定する。北海道に2010年比7%以上の節電目標を設ける方向で調整している。
 報告書は、全ての電力会社が今冬、安定供給に最低限必要な3%以上の予備率(供給余力)を確保できるとの見通しを示した。
 北海道は本州からの電力融通量が限られる上、一日中暖房を使用する必要がある寒冷地の事情を踏まえる必要があると指摘。本州からの送電設備や大型火力発 電所がトラブルで停止しないよう対策を求めるとともに、万一の場合を想定して「適切な節電目標」を設定し、地元自治体や経済界の協力を得るべきだと強調し た。 
[時事通信社]

節電目標:今冬の北海道電力管内 7%以上で検討…政府

毎日新聞 20121030日 2201
 政府は30日、今冬の北海道電力管内の節電目標を7%以上とする方向で検討を始めた。今週中にも関係閣僚会議を開き、数値目標を正式決定する。計画停電については、道内経済への影響が大きいとして回避する方向だ。
 政府の有識者会議「需給検証委員会」は同日、最終報告書をまとめ、火力発電所の稼働停止の可能性などに触れて「万一のリスクに対応できるよう節電目標を設定すべきだ」と結論づけた。
 道内の今冬の最大需要に対する予備率は5・8%あり、「安定供給が可能」とされる3%を上回る。しか し、道内最大の苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所4号機(70万キロワット)や電力融通用に本州と北海道の間に敷設した海底ケーブル(60万キロワッ ト)は故障する可能性もあり、トラブルが重なれば一気に予備率がマイナスとなり、電力需給が逼迫(ひっぱく)する恐れがある。
 経産省は当初、10年度に137万キロワットの供給力が失われた火力発電所トラブルが起きたことを念頭に、今冬は道内で10年度冬比で10%の節電目標が必要との方針だった。しかし、道内の産業界から大幅な節電に抵抗感が広がったことから、政府は苫東厚真が停止した場合を想定し、節電目標を7%に引き下げることも視野に入れ調整を進めている。
 需給検証委員会は、北海道電以外の8電力管内では安定した電力供給が確保できる見通しを示しており、政府は節電の数値目標は設けない方針。【種市房子、鈴木梢】

 ◇予断を許さない状況続く

政府は、今冬の電力需給を検証した結果、北海道電力管内にのみ節電目標を設け、計画停電を回避する方針だ。しかし、厳寒の冬は短時間の停電でも生命の危険や路面凍結など大きな事故につながりかねず、予断を許さない状況が続きそうだ。
 北海道では冬に電力需要のピークを迎えるのが特徴。冬の1日の最大需要は夏に比べて15%増え、電力使 用量は25%も伸びる。特に、家庭では暖房需要が高まることから、使用電力は夏の6割増に上り、需要全体の4割を占める。北海道電は、冬に気温が1度下が るごとに4万キロワット需要が増すと試算する。
電力は融雪にも欠かせない。積雪期は凍結した道路を電熱などで溶かすロードヒーティングを稼働させている。ロードヒーティングは道内に道路や店舗前 など約8万カ所ある。北海道経済産業局の試算では、道内すべてのロードヒーティングが稼働した場合の総使用電力は約100万キロワット。道は計画停電が実 施された場合、「路面凍結による転倒多発や交通事故の増加など最大限のリスク想定が必要」と危機感を強める。
 観光業界には電力不足による風評被害への懸念が広がっている。来年2月の「さっぽろ雪祭り」は冬最大の 観光の目玉で、すでにツアー募集が始まっている。道内のホテル・旅館業者は「年末年始の予約受け付けはもう済んでいる。仮に計画停電の可能性を理由にキャ ンセルが出た場合、道や北海道電は補償問題を考えているのか」と神経をとがらせる。【鈴木梢、大場あい、円谷美晶】
北海道のみ節電目標設定へ
(北海道)
冬の電力需給をめぐって政府はこの夏と同様に、冬の節電目標を設定する方向で検討していることがわかりました。
北海道電力 は、この冬の電力需給の余力を示す予備率は、需要のピークとなる2月で5.8パーセントになるとしていて、安定供給に必要とされる3パーセントを超えてい ます。しかし、泊原発の再稼働の見通しが立たないことや、火力発電所のトラブルを考慮し、政府は節電目標を設定する方向で調整に入りました。きょうまで開 かれた検証委員会の報告を受けて、具体的な数値目標を近く発表する見通しです。
これに関連して、札幌市の上田市長は、来月半ばにも市独自の節電目標を設定したい意向を示しました。
(札幌市・上田文雄市長)「政府の節電要請内容をふまえた対策を取りまとめて12月からスタートできる準備を進めていきたいと考えている」
なお、札幌市は、この夏の節電の結果を取りまとめ、9月の削減率が13.3パーセントと7月と8月に続いて10.2パーセントの当初の目標を達成したことを公表しました。
[ 10/30 20:24 札幌テレビ]

政府、今冬も節電要請を 需給検証委が報告書

2012/10/30 21:04
政府は30日、電力の専門家らによる需給検証委員会を開き、今冬の対策を巡り報告書をまとめた。今冬は全国で3%以上の供給予備率を確保 できる見込みで、瞬間的な需要の変動に対応できる供給力を維持できると分析した。ただ、これは震災後に家庭や企業で広がった節電の再実行が前提で、今冬も 政府は全国で電力需要の抑制を求めるべきだと結論づけた。
 同委は全国(沖縄除く)の電力会社が出した今冬の電力需給の見通しを、有識者が独立した立場から再検証した。報告書を踏まえ政府は週内にも 関係閣僚会議を開き、今冬の需給対策を決める。政府は北海道電力管内の節電目標について、2010年度比7%以上を軸に調整している。
 今冬の需給を全国でみると、来年1月の供給力は一昨年前に比べ1000万キロワット減の1億6551万キロワットを見込む。電力各社は火力 発電所の出力増に取り組むが、原子力発電所の停止が足かせとなる。一方で需要は一昨年に比べ300万キロワット減の1億5587万キロワットになる。震災 後に全国で節電が広がったことで、供給が需要を下回ることはない見込みだ。
 ただ、需要減は今まで定着した節電の実施が前提だ。東京電力管内は一昨年比5.0%、関西は同5.6%、九州は同4.5%程度の節電が企業や家庭でなされると見込む。北海道以外は数値目標を掲げないものの、政府は従来通りの節電の継続を呼びかける方針だ。
 報告書は北海道について、発電所のトラブルによる停止が発生した場合のリスクを織り込む必要があると強調した。厳冬下での計画停電を回避するため、政府は数値目標付きの節電を北海道に対して要請する。

政府の需給委員会、北海道電力管内に7%の節電要請を調整

2012.10.30 18:38
 政府は30日、有識者による電力需給の検証委員会を開き、今冬の電力不足が懸念される北海道電力管内で「適切な節電目標の設定」を求めた報告書案を議論した。報告書案で数値目標は示していないが、政府は2010年度比7%の目標を設ける方向で調整している。
 沖縄を除く電力9社の供給余力を示す予備率の予測は、いずれも来年1、2月に最低限必要とされる3%以上を確保できるとの見通しを示した。
 北海道電管内は来年2月に5・8%の予備率を確保する見込みだが、火力発電所などの故障による影響の大きさや、本州からの電力融通に制約があることを踏まえ「リスクを織り込んだ一段の対策が求められる」と指摘した。

道内節電目標設定へ 政府、7%軸に最終調整

10/30 16:30
 今冬の道内の電力需給について、政府は30日、火力発電所の計画外停止による需給逼迫(ひっぱく)のリスクなどに備 え、節電の数値目標を設定することで最終調整に入った。数値としては、厳冬の一昨年比7%前後とする案などが浮上している。計画停電の準備については、観 光などへの風評被害の恐れが大きいとして回避する方向で検討している。
 政府によると、道内の来年2月の電力需給見通しは、最大供給力596万キロワット、最大需要563万キロワットで、電力供給の余力を示す予備率は5・ 8%。通常は3%を超えると数値目標は設けないが、火力発電所が故障すると電力が不足する可能性があるため、道内から数値目標の設定を求める声が強まり、 検討してきた。<北海道新聞10月30日夕刊掲載>

北海道節電、7%軸=停電回避へ追加要請も-政府

 政府は30日、今冬の北海道の電力需給対策として、2010年度比で7%以上を軸に節電目標を設定する方向で最終調整に入った。また火力などの発電設備 がトラブルで緊急停止した際には、企業や工場に操業や営業の中止などによる追加の節電を呼び掛け、計画停電の回避を目指す。
 政府は11月2日にも関係閣僚による「エネルギー・環境会議」を開き、節電の数値目標を含む今冬の需給対策を決定する。
 北海道では今夏も7%の節電目標を設定しており、家庭では無理をせずに実施できるとの見方がある。ただ、観光など産業への打撃を回避するため、企業には事業活動に影響しない範囲で節電を求める。(2012/10/30-12:56
今冬の北海道、節電目標7%設定へ   2012/10/30 10:18
今冬に北海道で2010年度比7%の節電目標を設定する方向で、政府が最終調整に入った。
県、11月から「冬のエコ」 3月末まで、健康の視点追加    2012/10/30 10:22
 徳島県は11月1日から3月末まで、暖房温度を下げるなどして節電や省エネに取り組む「徳島冬のエコスタイル」を実施する。四国電力は今冬の需給見通しについて5%の節電効果を見込んだ上で供給余力があると予測しており、県は引き続き県民に節電への協力を呼び掛ける。
 今冬は昨年までの取り組みに「健康」の視点を追加。12月初旬に「ホットで健やか!『攻めの省エネ』推進フォーラム」を徳島市で開き、野菜を使った 「あったかレシピ」の試食会や、家庭でできる省エネを考えるセミナーなどを催す。また体力づくりと省エネ対策を兼ね、各地で開催するマラソンなどのスポー ツ大会を積極的にPRし戸外での活動を促進する。
 今回は無理なく節電してもらうため、暖房の設定温度は従来の19度から20度に変更し、県民や企業に協力を呼び掛ける。県庁など県関係庁舎は従来通り19度を維持する。
 現時点で県は節電の数値目標を設けない方針。ただ、国の電力需給の検証委員会が近く公表する需給対策の結論次第では、四電が節電を要請することも考えられ、飯泉嘉門知事は「(数値目標は)国の検証を見極めて対応したい」と話している。

徳島県、冬の節電対策を1カ月前倒し 11月から3月末まで

2012/10/30 0:21
徳島県は29日、節電を中心とする省エネ対策「徳島冬のエコスタイル」を前年より1カ月前倒しして11月1日から始めると発表した。期間 は来年3月末まで。四国電力の今冬の見通しでは電力供給が需要を上回っているが、一定の節電効果を織り込んでいると県では判断、前倒しで省エネに取り組む ことにした。
 初の取り組みとして休日にスポーツイベントを開催し、県民に休日の外出を促すことで、家庭での暖房使用の減少につなげる。健康づくりと省エネの両立が狙い。エネルギーを効率的に使った野菜料理のレシピを紹介するセミナーも開く。
 期間を通じた施策では、昨年に続き暖房時の温度について県庁舎で温度19度を徹底する。県民には健康を配慮してこれより1度高い20度の徹底を呼びかける。不要なOA機器の電源オフの徹底についても県庁舎で実施し県民にも呼びかける。
» 201210291100分 更新

エネルギー管理:今すぐ始めよう!冬の節電対策 -北海道特別編-

今年の冬は北海道の電力不足が心配されているが、火力発電 所や本州連係線など複数のトラブルが同時に発生しない限り深刻な状況になることはないと想定されている。とはいえ効果的な節電対策を実施して、電力不足の リスクを可能な限り低減すると同時に、電気料金の削減を図りたい。

[石田雅也,スマートジャパン]
 全国を通じて夏と冬の節電対策で大きく違う点は、電力使用量がピークになる時間帯である。特に寒さが厳しい北海道では、夕方16時から夜20時にかけて暖房に使う電力が増加する。
hokuden2.jpg 1 夏と冬の最大電力の変動。出典:北海道電力
非常に寒かった2年前の2010年度の冬の最大電力を見ると、18時~20時あたりにピークが来ている(図1)。オフィスや工場の営業・操業時間が延びて、家庭や店舗における暖房の増加と重なる時間帯だ。
hokuden1.jpg 2 夏と冬の電力使用量の配分(1日あたり)。出典:北海道電力
北海道の冬の節電対策の第1は、18時~20時の電力をいかに少なくするかである。オフィスや工場の営業・操業時間を早めて18時までに終了でき れば、ピーク電力を抑制する効果は大きい。それが難しい場合でも、18時以降は室温を確認しながら暖房を弱めるなどの対策を実施したいところだ。
 北海道の冬の電力使用量を用途別に見ると、家庭用と融雪用、業務用と産業用で、ほぼ半分ずつを占めている(図2)。このうち鉄道や道路などの融雪に使う電力を削減することは難しいため、家庭と企業の双方で節電対策に取り組むことが重要になる。

自家発電や需給調整でピークシフトを

そこで注目したいのが自家発電による供給力の増強だ。特にガスコージェネレーションシステムを導入すると、発電と同時に熱を作り出して暖房や給湯にも利用できる。夜間の電力使用量を削減するうえで極めて効果的である。
hokuden5.jpg 3 自家発電によるピークシフト。出典:北海道電力
さらに自家発電を活用したピークシフトを実施できると、18時~20時の電力使用量を抑制することが可能だ。例えば工場などで深夜に自家発電設備 を動かして電力や熱を作り、それをピークの時間帯に振り向ける(図3)。あるいは家庭でも蓄電池とガスコージェネレーションのエネファームを組み合わせて 使えば同様のことが可能になる。
 実際に自家発電設備を導入するとなると、初期コストがかかるほか、運用の手間も考えなくてはならない。それでも電気料金を削減できることでコストの回収は可能であり、何と言っても地域全体の電力不足を回避するために貢献できる点は大きい。
 以上のような対策を数多くの企業や家庭が実施することで、電力不足のリスクは確実に下がっていく。さらに企業を対象にした需給調整契約を北海道電力が促進中だ。いくつかの契約形態が用意されていて、そのうちの1つが「計画調整契約」と呼ばれるものである(図4)。
 あらかじめ日時を決めて電力使用量を抑制する契約を北海道電力と結ぶことにより、電気料金の割引を受けることができる。北海道電力は今年の夏と同 程度の契約件数を見込んでいるが、ぜひ大幅に増えることを期待したい。このほかにも、電力不足のおそれがある場合に使用量の削減に協力する「随時調整契 約」などがある。
hokuden4.jpg 4 計画調整契約による需要削減量の見込み。出典:北海道電力

需給見通しには余裕がある

北海道全体で節電対策に取り組めば、たとえ原子力発電所が稼働しなくても、今年の冬に電力不足になる可能性はゼロに近いと言ってよいだろう。とい うのも、北海道電力の需給見通しは需要を大きめに見込みながら、供給面では複数のトラブルが同時に発生するリスクを想定しているからだ。
 需要の見込みに関しては例年以上に寒かった2010年度の実績をベースに、節電、景気、気象の3つの要因から算出している(図5)。このうち節電率は需要に対してわずか3%の低さになっているが、実際にはもっと高くなるだろう。
hokuden3.jpg 5 北海道電力による電力需要の想定値(単位:万kW)。出典:北海道電力
さらに気象条件は2010年度より良くなる見通しを立てながらも、最終的な想定値(H1)では安全を見て2010年度と同等の需要を想定した。加えて過去5年間の平均も加味して需要を1.1%上積みしている。
 こうして1月~3月の最大電力を563kWと想定した。1年前の2011年度の最大電力と比べて5kW少ないレベルである。比率にして約 0.9%の減少だ。一方で供給力は2月に596kWに低下して、需要に対する予備率が5.8%まで下がると予想している(図6)。
hokuden6.jpg 6 北海道電力による12月~3月の需給予測。出典:北海道電力
予備率が3%を切ると停電の危険性が高まるが、5.8%だと余裕がある。九州では2月の予備率が3.1%まで低下すると予測されており、北海道の ほうが心配ないように思える。ただし火力発電所などのトラブルが発生した場合のバックアップが他の地域よりも少ないことから、電力不足のリスクが高いとみ られているわけだ。
 万一の場合を想定して可能な限りの対策をとることは重要である。実際の需給状況には余裕があるものの、きめ細かく節電対策を実施することでリスクをゼロに近づけることができる。そのうえで北海道の電力が安定して供給されることを願いたい。

冬の道内電力 政府の危機感が足りぬ(10月29日)

この冬、北海道で節電の数値目標や計画停電の準備が必要かどうか―。政府の電力需給検証委員会がいまだに検討を続けている。
 結論が出る11月は既に初冬であり、北海道の冬の厳しさに対する危機意識が感じられない。一日も早く方針を示すべきだ。
 道民の命と健康を脅かす冬の停電は、万が一にもあってはならない。新たな安全基準も地域防災計画もない現状で、泊原発の再稼働の是非を論じるのは無理だ。
 であれば、答えはおのずと明らかだろう。
 節電は不可欠であり、広く浸透させるためには適正な数値目標があっていい。計画停電は避けなければならないが、不測の事態に備え、準備はしておく必要がある。
 北海道電力の電力需給見通しによれば、厳冬の来年2月に5・8%の供給予備率を確保できそうだ。
 ただし、これは主力の火力発電所が故障なしでフル稼働することが前提だ。北電は、発電所の故障リスクを織り込むよう求めている。
 火発などの停止により、2011年度は平均31万キロワットの供給力が減少した。最大出力の苫東厚真火発4号機が止まれば70万キロワットが失われる。このあたりまでは何とかしのげる。
 ところが、検証委の議論の過程では、複数のトラブルが重なり137万キロワット分が停止した例も示された。冬の全期間を通じて、北本連系による本州からの送電を受けても追いつかないレベルである。
 ここまで極端な場合を想定するなら、すぐに計画停電の準備に着手しなければ間に合わないではないか。
 何の対策も示さぬまま、こうした数字が独り歩きすれば、いたずらに不安をあおるだけだ。
 道と北電も、政府の指示待ちで時間を空費してはならない。
 道と北海道経済産業局は9月から、経済団体、医療・福祉関係者などからなる電力需給連絡会を開き、節電対策を話し合っている。
 夏は、工場向けの産業用が13%、オフィスビルなどの業務用が11%と目標の7%を上回る節電を達成した。経済界からは、これ以上の節電は困難との声が上がっている。
 ここでも課題ははっきりしている。冬の電力需要の4割を占め、夏の節電が5%にとどまった家庭への啓発だ。建設的な議論のために、北電は家電製品別の電力消費量といった具体的なデータを提示すべきだ。
 政府や電力会社に頼まれたから、節電するのではない。
 暮らしを再点検し、無駄を省いて貴重なエネルギーを分かち合うのは、私たち道民のためなのだ。覚悟を決めて、冬の準備を急ぎたい。
大飯原発破砕帯 規制委員会が現地調査
(福井県)
大飯原発の敷地内を走る「破砕帯」をめぐって、2日、原子力規制委員会の調査団による現地調査が始まっている。
現地調査は発電所の敷地を南北に走る「F-6」破砕帯について、活断層の可能性があるとの指摘を受けて行われているもの。
地震学などが専門の5人は調査用に掘られた「トレンチ」と呼ばれる溝の中に入って、破砕帯が過去に活動した形跡がないか、念入りにチェックしていた。
なお、原子力規制委員会の田中委員長は活断層であれば、原子炉の停止を求める可能性を示していて、調査団は2日の現地調査を踏まえて、4日の評価会議で活断層かどうかを判断する方針。
[ 11/2 13:39 福井放送]

原子力規制委が活断層調査 / 大飯原発で発足後初
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)の現地調査団は2日午前、関西電力大飯原発(福井県)で敷地内断層の調査を始めた。9月に発足した規制委による初の 調査で、4日には都内で評価会合を開き調査結果を議論する。活断層の疑いが強まれば、稼働中の3、4号機の運転停止を関電に求める方針。
 野田政権は6月、敷地内断層の再調査をしないまま大飯3、4号機の安全性は確認できたとして再稼働を決めた。規制委の調査で活断層と判定されれば、政府の判断の是非も問われる。
調査団は島崎邦彦委員長代理(東京大名誉教授、地震学)ら専門家5人。
201211021111

大飯断層 規制委が調査

2012112日 夕刊

大飯原発の試掘溝を調べる原子力規制委員会調査団の島崎邦彦委員長代理(左手前)ら=2日午前10時15分、福井県おおい町の大飯原発で
関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内にある「F-6断層」(破砕帯)が活断層かどうかを判断する原子力規制委員会の調査チームが二日午 前、現地調査を始めた。九月に発足した規制委による初の調査で、規制委の島崎邦彦委員長代理ら五人は北側の試掘溝(トレンチ)の中に入り、地層の壁を削っ て土や岩を手に取り、様子を確かめた。
 調査チームは時折強い雨が降る中、調査に踏み切った。断層が露出している北側の海岸「台場浜」周辺やほかの溝、掘削(ボーリング)調査をした際に掘り出された土を見て、断層が動く可能性を判断する。
 現地調査はこの日で終わり、四日に都内で会合を開き、活断層かどうかを議論する。
 大飯原発では、1、2号機と、国内で唯一再稼働した3、4号機の間をF-6断層が南北に走っている。この断層が近くの活断層と連動し、地表がずれて設備を損傷させる恐れが指摘されている。
 断層上には、海から冷却水を引き込む重要な取水路がある。活断層と判断されれば、原発の耐震設計審査指針に反し、規制委は運転停止を求める見通し。
 調査チームは、島崎氏のほか、活断層の可能性を指摘した渡辺満久・東洋大教授ら地震や地質の学会から推薦された有識者四人の計五人で構成。
 規制委の田中俊一委員長は「重要施設の下に活断層があるという状況は問題がある。クロまたは濃いグレーの場合、原発を止めてもらう判断をする」と明言している。

大飯原発の断層、原子力規制委が現地調査開始

大飯原発敷地内に掘られたトレンチで破砕帯を調べる原子力規制委員会の専門家ら=吉野拓也撮影
 原子力規制委員会は2日午前、関西電力の大飯原子力発電所(福井県おおい町)の敷地内の破砕帯(断層)が、将来動く恐れのある活断層かどうかを確認する初めての現地調査を開始した。
 同日中に現地調査を終え、4日に都内で調査結果に関する評価会合を開く。大飯原発は7月に3、4号機が再稼働し、国内17か所の原発で唯一運転している。規制委は最終的に活断層と判断した場合、国の耐震設計審査指針に反するとして、運転停止を求める方針だ。
 問題の破砕帯「F―6」は、2号機と3号機の原子炉建屋の間を南北に走り、3、4号機の原子炉冷却に必要な海水を取り込む重要設備「非常用取水 路」の真下を横切る。1987年の3、4号機の増設許可以来、活断層ではないとされてきた。しかし、東日本大震災後、旧原子力安全・保安院は、原発の活断 層評価を見直す中で、判断材料が不十分として、関電に再調査を指示していた。
20121121128分  読売新聞)

原発事故時、最大20万人避難 新潟の全市町村が計画

2012/11/2 13:50
東京電力柏崎刈羽原子力発電所がある新潟県の全30市町村で構成する「市町村による原子力安全対策に関する研究会」は2日、原発事故を想 定した避難計画の暫定版をとりまとめた。独自に行った放射性物質の拡散シミュレーションの結果、最大で20万人近くが避難を迫られる。原発立地自治体以外 で避難計画の概要をまとめた市町村は全国初という。
 暫定版の避難計画によると、小中学校や公共施設に加えて、新潟県旅館ホテル組合に加盟する民間の宿泊施設を避難先として想定している。避難の交通手段はバスや自家用車を使う。
 シミュレーションは風向きに応じて10種類の拡散パターンを想定。原発からの方角と距離に応じて人口を調べ、避難すべき人数を試算した。西 風が吹いた場合、長岡市中心部が避難エリアに含まれ、避難対象人口は最大199500人に達するという。原発事故時に北風が吹いた場合、糸魚川・妙高方 面で避難施設の収容能力が不足することも分かった。
 会合後に記者会見した長岡市の森民夫市長は「これだけ詳しい避難計画の骨子は全国でもほかにない。今後は各市町村が持ち帰って具体的な計画策定を考えていくことになる」と説明した。長岡市は地域防災計画を今年度中につくる予定。

福島の震災関連死 対策チーム設置へ

112130

平野復興大臣は記者会見で、東日本大震災のいわゆる震災関連死が、原発事故で被害を受けた福島県で減少傾向がみられないとして、地元自治体などとともに新たに対策チームを設け、原因の分析や防止策を検討していく考えを示しました。
この中で、平野復興大臣は、長引く避難生活による体調の悪化などで亡くなった震災関連死について、 「震災の発生から1年間の推移を見ると、福島県以外では、時間の経過とともに減少しているが、福島県は減っていない。加えて福島県は、震災の発生1年から 1年半の間にも、35人が亡くなっている」と述べました。
そのうえで、平野復興大臣は「医師や看護師も避難してしまっていたなどの原因が考えられ るが、福島県に特化した原因調査を行う必要がある。原因を明らかにし、避難先への訪問を増やすなど、対策を強化したい」と述べ、福島県などとともに、新た に対策チームを設け、原因の分析や防止策を検討する考えを示しました。
復興庁が2日に発表した、ことし9月末までの震災関連死は、1都9県で合わせて2303人で、福島県が1121人と全体の半数近くを占め、宮城県が812人、岩手県が323人などとなっています。

復興庁、震災関連死の詳細公表  最多は南相馬の336人

2012112日午後004分)
 復興庁は2日、東日本大震災の避難生活で体調を崩すなどして亡くなり、9月末までに「震災関連死」と認定された1都9県の 2303人の詳細を公表した。市町村別では福島県南相馬市が336人で最も多く、仙台市の237人、宮城県石巻市の223人、福島県浪江町の192人と続 いた。約9割の2070人が66歳以上だった。
 死亡時期は、震災から「1週間以内」が423人で、「1週間超~1カ月以内」が651人、 「1カ月超~3カ月以内」が581人。3カ月を超えてから亡くなった648人のうち福島県は500人だった。東京電力福島第1原発事故で長期避難を強いら れる住民が多かったことが影響したとみられる。
2012112131

規制委人事、国会事後同意見送り 閣議決定


野田内閣は2日、原子力規制委員会の田中俊一委員長と委員4人の人事について、臨時国会での事後同意を見送る手続きを閣議決定した。閣議後、東京電力福 島第一原発事故で原子力緊急事態宣言が発令中であることを衆参両院に通知。宣言が出ていれば事後同意が必要とならない「例外規定」を適用した。
 藤村修官房長官は記者会見で「一瞬たりとも規制機関の空白は許されない。国会の状況を考えると(事後同意の)不承認のリスクはゼロとはいえない。解散と いうこともまったく否定できない」と理由を述べた。長浜博行環境相も記者会見で「原子力の安全性を担保する規制委委員の空席という事態は何としても避ける べきだ」と強調した。

原子力規制委人事 同意手続き見送り

1121251

政府は、2日の閣議で、原子力規制委員会の人事について、与野党の対立から国会で同意を得る見通しが立たないとして、法律の例外規定を使って継続する方針を決めて、直ちに衆・参両院に通知し、今の国会でも同意手続きは見送られることになりました。
政府は、原発事故を受けて、原子力の安全規制を一元的に担う組織としてことし9月に発足させた原子力規制委員会の人事について先の通常国会で国会の同意が得られず、野田総理大臣が法律の例外規定を使って任命したことから、今の国会での同意を目指していました。
し かし、衆議院の解散などを巡る与野党の対立から同意を得られる見通しが立たないとして、政府は2日の閣議で、「緊急を要する場合は、当面、国会の同意を必 要としない」という別の例外規定を使って、政府の権限で人事を継続する方針を決めました。そして、政府は直ちに衆・参両院の議長にこうした方針を通知し、 今の国会でも同意手続きは見送られることになりました。
これに関連して、藤村官房長官は記者会見で、「原子力の規制行政の空白は、一瞬たりとも許 されない。今の国会は参議院の審議の先行きが読めず、衆議院の解散も否定できない状況もあって、人事が不承認となるリスクがゼロとは言えないことから、リ スクを回避する措置をとった」と述べました。

環境省“苦渋の選択”

長浜環境大臣は記者会見で、「国会で事後の承認を求めていくというプロセスの大切さは十分理解しているが、原子力の安全性を担保する規 制委員会が空席になる事態は何としても避けなければならない。現在の国会の状況では、同意人事が採決に至らない可能性もあり、苦渋の選択をした」と述べま した。

原子力規制委人事国会同意見送り  閣議で決定「不承認を回避」

2012112日午後006分)
 閣議に臨む野田首相(手前左)ら=2日午前、国会  閣議に臨む野田首相(手前左)ら=2日午前、国会
 政府は2日の閣議で、国会閉会中に首相権限で例外的に任命した原子力規制委員会の田中俊一委員長らの人事について、臨時国会でも 同意を見送るため、規制委設置法の例外規定を適用することを決定した。政府は東京電力福島第1原発事故で「原子力緊急事態宣言」が出ていることを衆参両院 に通知。宣言解除まで同意が先送りできる。
 野党から国会軽視との批判が出ており、反発が強まるのは必至だ。
 藤村修官房長官は午前の記者会見で、国会同意を見送った理由について「一瞬たりとも規制機関の空白は許されない。国会の状況を考えると不承認となるリスクを回避した」と述べた。



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