野生キノコ 基準超のセシウム
2012年11月03日県は2日、横瀬町で採れた野生キノコのコウタケから500ベクレル、鳩山町のアカモミタケから140ベクレルと国の基準値(1キロ当たり100ベ クレル)を上回る放射性セシウムが検出されたと発表した。10月30~31日に採れたもので、いずれも流通していない。県は鳩山町と埼玉中央農協に同町産 の野生キノコの出荷自粛を求めた。横瀬町にはすでに出荷制限の指示が出ている。自治体の販売自粛は4例目。
【埼玉】
鳩山町キノコも基準超 放射性セシウム
2012年11月3日県は二日、鳩山町で十月三十日に採れた野生キノコのアカモミタケから一キログラム当たり一四〇ベクレル、横瀬町で同三十一日に採れたコウタケから同五〇〇ベクレルの放射性セシウムが検出され、ともに国の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超えたと発表した。
県は、鳩山町と埼玉中央農業協同組合(東松山市)に町内の野生キノコ全種類の出荷・販売自粛を要請した。県内で今年産の野生キノコの出荷・販売制限が行われるのは四町になった。横瀬町については、既に国が出荷制限を指示している。 (前田朋子)
東日本大震災:福島第1原発事故 近海に1万ベクレルの魚
毎日新聞 2012年11月03日 東京朝刊東京電力は2日、10月10日に福島第1原発の港湾内で採取したマアナゴから、1キロ当たり1万5500ベクレルの放射性セシウム10+件を検出したと発表した。港湾内の魚類の検査結果が公表されたのは初めて。
東電によると、10月9〜16日に港湾内と沖合20キロ圏内から魚類を採取。港湾内ではこのほか、エゾイソアイナメから同4200ベクレルのセシウム10+件を検出。沖合約2キロではクロソイが同1470ベクレルだった。
これまでの最大は、今年8月に沖合約20キロのアイナメから検出された同2万5800ベクレル。
マダラ競り再開 出荷制限解除、「安全」確認 八戸
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漁は1日に再開し、底引き網船15隻がマダラ約4000箱、約50トンを水揚げした。販売前に県が行うサンプル検査で、放射性セシウムが不検出だったことを確認し、競りに掛けられた。
価格は7キロ入り1箱3300~2500円で、前年同期比で約3割安い。市場関係者は「安全性が広まれば価格も上がるだろう」と話した。
青森県太平洋沿岸のマダラからは6、8月に2度、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。8月27日に青森県の水産物で初めて国の出荷制限指示を受け、10月31日に解除された。
2012年11月03日土曜日
もち米7袋でセシウム基準値超え
2012年11月03日県は2日、郡山市の旧富久山町と大玉村の旧玉井村の農家2軒が生産したもち米「こがねもち」から基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。今年産米で基準値を超えたのは、1日の福島市の旧平田村のケースに続いて3、4例目。
郡山市の農家が生産した55袋のうち、全袋検査で高い放射線量を示したのは8袋。すべてもち米で、残りの47袋はコシヒカリだった。その後、8袋を詳細検査したところ、1袋から120ベクレルの放射性セシウムが検出された。
一方、大玉村では農家が自家用に生産したもち米6袋すべてを詳細検査。すべての袋から基準値を超える270~280ベクレルの放射性セシウムが検出された。もち米からの検出が続いた理由について県は「現段階で原因は不明」としている。
県は自治体や出荷業者に、旧富久山町と旧玉井村で生産された米の出荷自粛を要請した。今後、圃場(ほじょう)の調査をして、原因を調べる。
2012年11月3日0時29分
マアナゴからセシウム1万5千ベクレル 福島第一の港湾
港湾内では、他にエゾイソアイナメが1キロあたり4200ベクレル、クロソイ2匹がそれぞれ同2230ベクレル、同1760ベクレルと、いずれも食品基準の10倍を超える高い放射能レベルだった。
東電は8月、福島第一原発から北に約20キロ離れた沖合でとれたアイナメから、1キロあたり2万5800ベクレルの放射性セシウムが検出されたと公表。これを受け、調査範囲を拡大していた。
福島県のもち米、基準値超えるセシウム
- 2012/11/2 23:22
県は、生産された郡山市の旧富久山町と大玉村の旧玉井村の出荷自粛を要請。政府が5日にも出荷制限をする見通し。
基準値を超えた米袋は流通しておらず処分する。郡山市と大玉村は対象地域のコメ全量について、出荷や保管の状況を把握する「管理計画」をまとめる。〔共同〕
マダラ販売を再開/ハマ活気づく(2012/11/02
23:00)
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青森県太平洋海域での出荷制限の解除を受け八戸港に水揚げされたマダラが2日、八戸市第2魚市場で競りにかけられた。販売前の放射性物質検査で放射性セ
シウムは検出されず、水産関係者は「まずは一安心。消費者に安全な魚を食べてもらいたい」と安堵(あんど)の表情。8月以来となった販売に、ハマは活気づ
いた。 【写真説明】 競りにかけられるマダラ。久しぶりの販売にハマは活気づいた=2日午前7時50分ごろ、八戸市第2魚市場 |
郡山市などのコメで基準値超え=福島県の全袋検査
- 2012年
11月
2日
21:12
JST
県によると、郡山市旧富久山町地区の農家1戸が収穫したコメ167袋(1袋30キロ)の検査で、もち米1袋から120ベクレルを検出。また大玉村旧玉井 村地区の農家1戸が収穫したコメ167袋の検査で、もち米6袋から270〜280ベクレルを検出した。県は両地区で生産されたコメの出荷自粛を要請する。
[時事通信社]
今シーズン初!八戸港でマダラ水揚げ 制限解除で(11/02 18:19)
青森県沖で取れたマダラから基準を超える放射性セシウムが検出された問題で、国の出荷制限が2カ月ぶりに解除され、今シーズン初めて八戸港に水揚げされました。マダラは1日に水揚げされ、2日朝に放射性物質の検査が行われました。その結果、問題がないことが分かり、午前7時すぎから八戸市の市場で競りが始まりました。
仲買人:「お客さんが欲しがっているし、私たちも欲しかったので、出荷制限がなくなって良かったです」
八戸市沖で取れたマダラからは、国の基準を超える放射性セシウムが検出され、8月から出荷が制限されていました。その後の検査で、基準を超える検体がな かったため、今週、国が2カ月ぶりに制限を解除しました。八戸市は今後も検査を続け、問題がないことを確認してから出荷します。
露地原木ナメコ、鹿沼も出荷停止 県内6市町目
(11月2日
18:42)
政府の原子力災害対策本部は2日、鹿沼市産の露地栽培の原木ナメコについて、原子力災害対策特別措置法に基づき県に出荷停止を指示した。県は同市に対し、あらためて出荷自粛の徹底を求めた。
県の調査で国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を上回る120ベクレルの放射性セシウム20+ 件を検出していた。県内では既に佐野、日光、矢板、那須塩原、那須の5市町で露地栽培の原木ナメコが出荷停止となっており、鹿沼市で6市町目。
宇都宮のクリタケ基準値超セシウム 原木露地栽培
(11月2日
18:40)
県環境森林部は2日、宇都宮市で1、2の両日に採取した露地栽培の原木クリタケ各1検体から国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を上回る230ベクレルと140ベクレルの放射性セシウム20+ 件をそれぞれ検出したと発表した。県は同市に対し、露地栽培の原木クリタケの出荷自粛を要請した。
露地栽培の原木クリタケの出荷自粛は鹿沼、矢板、那須塩原などに続き15市町目。お知らせ・告知
農林水産省林野庁
木質ペレット及びストーブ燃焼灰の放射性セシウム濃度の調査結果及び木質ペレットの当面の指標値の設定等について
木質ペレット及びストーブ燃焼灰の放射性セシウム濃度の調査が実施され、全国各地で採取した木質ペレット41検体の放射性セシウム濃度は、検出下限 濃度(2Bq/kg)未満~78Bq/kgとなりました。ストーブ燃焼灰(31検体)の放射性セシウム濃度は、200~9,800Bq/kgとなりまし た。調査の結果に基づき、木質ペレットのストーブ燃焼灰が一般廃棄物として処理可能な放射性物質濃度8,000Bq/kgを超えないようにするため、木質 ペレットの当面の指標値が設定され、検査方法とともに関係者に通知されました。
【2012/11/2】
木質ペレット及びストーブ燃焼灰の放射性セシウム濃度の調査結果及び木質ペレットの当面の指標値の設定等について
木質ペレット及びストーブ燃焼灰の放射性セシウム濃度の調査が実施され、全国各地で採取した木質ペレット41検体の放射性セシウム濃度は、検出下限 濃度(2Bq/kg)未満~78Bq/kgとなりました。ストーブ燃焼灰(31検体)の放射性セシウム濃度は、200~9,800Bq/kgとなりまし た。調査の結果に基づき、木質ペレットのストーブ燃焼灰が一般廃棄物として処理可能な放射性物質濃度8,000Bq/kgを超えないようにするため、木質 ペレットの当面の指標値が設定され、検査方法とともに関係者に通知されました。
【2012/11/2】
セシウム入りハンバーグを食べてみた
東京都内に、セシウム入りハンバーグを食べられる飲食店があるというので行ってみた。その飲食店はランチタイムにセシウム入りハンバーグを使用したカレー丼を提供しており、店頭や店内にもハッキリと「セシウム入り」と書かれた張り紙がされている。
セシウム入りハンバーグは『あいうえお』という飲食店で食べることができ、『復興支援ハンバーグ』や『復興支援カレー丼』として提供されている。価格はどちらも650円で、店員のおばちゃんによると「ありがたいことに売れ切れることもあるんですよ」とのこと。
それにしても、どうして「セシウム入り」と記述しているのだろうか? そもそも本当にセシウムが入っているのだろうか? この件に関しておばちゃんは次のように語ってくれた。
「ハンバーグにセシウムは入っています。国は、セシウム量が基準値以下だとセシウムが入っていることを明示しなくていいとしているのです が、ハンバーグの加工業者さんが “それはおかしい” と思ったようで、基準値以下でも入っているなら入っていることをちゃんと明示するべきだと考えているようです。正直に作って卸しているんですね」(おばちゃん談)
基準値以下ではあるがメニューの張り紙にも「セシウム入り」と書いてあるし、おばちゃんも「セシウム入ってます」と言っているし、ハンバーグの加工業者さんも「セシウム入りです」としているわけで、なかなか衝撃的である。
そういえば、数日前に「セシウム濃度隠さない ハンバーグ 基準値以下でも表示」というニュースが記事になっていたのを思い出した。この記事中に登場する業者さん、やはりセシウム量の明示は周囲からの批判があったらしい。
「セシウム入り」と書かれていると食べたくないと感じる人が多くいると思うが、セシウム量を明示していなくても基準値以下のセシウムが入って販売されているものはあるだろうし、いろいろと複雑な思いがわいてくる人もいるはずだ。
ちなみに筆者(私)は『復興支援カレー丼』を食べてみたのだが、家庭的なカレールーでホッとさせる味を出しつつ、ふんわりとした食感とジューシィーな肉汁の味が絶妙で美味しかった。
Correspondent: Kuzo
震災廃棄物の試験焼却の詳細な経過と結果 |
11月2日 17時42分 |
三条市は2日、先に三条市清掃センターで行った震災廃棄物の試験焼却実施経過と結果報告の詳細をホームページに掲載、公開した。
飛灰等の放射性セシウム濃度検査、排ガス中の放射性セシウム濃度検査、飛灰中の重金属類の溶出量検
空間線量率、大気浮遊じん検査、清掃センター周辺土壌等の検査のそれぞれ結果と、飛灰及びスラグ保管コンテナの空間線量率を掲載。9ページのPDFをダウンロードできる。
「震災廃棄物の試験焼却実施経過及び結果報告(PDF)」http://www.city.sanjo.niigata.jp/c… |
大豆、ソバ、牧草 営農対策マップ作成へ 放射性セシウムで政府 (2012年11月02日)
政府は1日、東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う放射性セシウムに関する知見が不足している大豆、ソバ、牧草について、来年の営農対策に役立つマッ プを作成すると発表した。大豆などが圃場(ほじょう)の状態によって放射性セシウムをどう吸収するかを詳しく調べ、放射性セシウムの吸収を抑制する低減対 策や作物転換などに反映するのが狙いだ。【生物濃縮!?】野生鳥獣では過去最高の放射性セシウム検出!新潟県のクマ肉が760ベクレル!
■野生鳥獣過去最高760ベクレル
2012年10月29日、厚生労働省は「食品中の放射性物質の検査結果について(第509報)
(東京電力福島原子力発電所事故関連)
」で新潟県十日町市で捕獲されたツキノワグマから1キログラム当たり760ベクレルの放射性セシウムが検出されたことを発表した。
ツキノワグマ(参考画像)
ツキノワグマ(参考画像)
image
from Kabacchi食品中の放射性物質の検査結果について(第509報)
(東京電力福島原子力発電所事故関連)
760ベクレルは捕獲された野生鳥獣では過去最高の放射性セシウム濃度になる。
セシウムの生物濃縮に関しては、水俣病の有機水銀と比較し起こりにくいという意見もある。しかし、実際に生物濃縮は起こっているようである。
三重大学 生物資源学部准教授の勝川俊雄は水産物において、生物濃縮が起きていることを主張している。同氏は水産庁の公式見解の変化を紹介しているのである。
「生物濃縮しない」という見解から「生物濃縮しつづけるわけではない」という表現に変わっている。
地上の野生鳥獣も食物連鎖の中で「生物濃縮」が起きているのであろう。ここにきての「過去最高」の放射性セシウム汚染はそれを証明しているのではないだろうか。
【naka773】
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/「水産物についてのご質問と回答」の変遷 - 勝川俊雄 公式サイト
http://katukawa.com/?p=4715
マダラ去年並みの価格で取り引き
(青森県)
出荷制限解除を受けて1日八戸港に水揚げされたマダラのセリが2日行なわれた。販売前の放射性物質検査で放射性セシウムが検出されなかったためセリにかけられた。10キロで高値3千円、安値千円とほぼ去年並みで取り引きされ首都圏などに出荷された。
[
11/2 11:47 青森放送]
6袋が基準値超え 旧平田村のコシヒカリ
県は1日、平成24年産米の全袋検査で、福島市旧平田村の農家が生産したコシヒカリの玄米6袋(1袋30キロ)から、食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。
旧平田村は、全袋検査などの管理計画に基づくことを条件に作付けが認められた事前出荷制限区域のため、旧市町村単位の出荷自粛は求めない。
県によると、基準値を超えた6袋のセシウムは全て110ベクレルだった。
コメは福島市が処分する。
この農家の収穫量は140袋で、残りの134袋は全て基準値以下だった。
基準値を超えた6袋の他にも、比較的高い値が出た77袋について、県と市などは扱いを今後検討する。
残る57袋は出荷できるという。
県内では天日干ししたコメから比較的高いセシウムが検出されているが、この農家は機械乾燥だった。
県は土壌や作付け状況などを調べ、原因を究明する。
事前出荷制限区域は23年産米から100ベクレル超500ベクレル以下のセシウムが検出されるなどした地域。
全袋検査が義務付けられており、基準値を超えたコメは処分する。
基準値を超えたのは須賀川市旧西袋村に続いて二例目。
旧西袋村は県と市が管理計画を政府に提出し、出荷自粛が解除された。
旧平田村は、全袋検査などの管理計画に基づくことを条件に作付けが認められた事前出荷制限区域のため、旧市町村単位の出荷自粛は求めない。
県によると、基準値を超えた6袋のセシウムは全て110ベクレルだった。
コメは福島市が処分する。
この農家の収穫量は140袋で、残りの134袋は全て基準値以下だった。
基準値を超えた6袋の他にも、比較的高い値が出た77袋について、県と市などは扱いを今後検討する。
残る57袋は出荷できるという。
県内では天日干ししたコメから比較的高いセシウムが検出されているが、この農家は機械乾燥だった。
県は土壌や作付け状況などを調べ、原因を究明する。
事前出荷制限区域は23年産米から100ベクレル超500ベクレル以下のセシウムが検出されるなどした地域。
全袋検査が義務付けられており、基準値を超えたコメは処分する。
基準値を超えたのは須賀川市旧西袋村に続いて二例目。
旧西袋村は県と市が管理計画を政府に提出し、出荷自粛が解除された。
放射性セシウム:御殿場のキノコから検出 /静岡
毎日新聞 2012年11月02日 地方版県は1日、御殿場市で採取された野生のキノコから食品衛生法の基準値(1キロあたり100ベクレル)を 超える放射性セシウムを検出したと発表した。いずれも10月31日に採取され、キハツタケが230ベクレル▽ツバフウセンタケが200ベクレル▽アカモミ タケが340ベクレルだった。同時に検査したコガネタケは8・9ベクレルと基準値を下回った。【小玉沙織】
小坂町、今月中旬搬入再開
2012年11月02日◇首都圏焼却灰/3自治体と合意
小坂町が搬入を中断している首都圏の焼却灰について、町は今月中旬にも受け入れを再開する。埼玉県川口市など搬出元の3市で町が独自に調査した結果、焼却灰に含まれる放射性セシウムの濃度が基準を下回り、「安全性に問題はない」と判断。各自治体と搬入再開で合意した。
首都圏などの焼却灰を受け入れているのは、非鉄大手DOWAグループが町内で運営する最終処分場だ。昨年、焼却灰から国の基準を超える放射性セシウムが検出され、受け入れを中断。町が搬入再開を求めている川口市、千葉県市川、流山両市と再開に向けて事前協議を進めた。
川口市は今年度末までに3市で最大の1600トンの受け入れを求め、市川市は千トン、流山市は200トンの搬入を希望している。
町は10月中旬、3市に町職員を派遣して、焼却施設で焼却灰を採取。民間会社に委託してセシウム濃度を測定した。その結果、川口市の施設 で1キロあたり1260ベクレル、流山市で1770ベクレル、市川市で1010ベクレルを測定。「4千ベクレル以下に限る」とした受け入れ基準を下回っ た。 (加賀谷直人)
【茨城】
カワエビのセシウム半減 霞ケ浦湖畔 つくだ煮業者 あすから行方「あきんど祭」で紹介
2012年11月2日カワエビの放射性セシウム濃度の低減に取り組む戸田社長(右)=かすみがうら市で |
県や戸田さんによると、霞ケ浦のワカサギやシラウオは水面近くを泳ぐため、セシウムは一キログラム当たり二〇~三〇ベクレル台と基準値の一〇〇ベ クレルを大きく下回る。一方、カワエビは湖底近くにいるため四〇ベクレル台が中心。加工すると凝縮されて五〇ベクレルを超え、「基準値内だが、お客さんは 手を出しにくい数値」になる。
このため戸田さんは低減方法を試行錯誤。長野県の検査会社を通じて放射性物質を測定している。しかし、塩水や酸に入れるなどしたがうまくいかない。最後に百リットルの沸騰水に四二ベクレルのカワエビを入れて二分間煮てみたところ二〇ベクレルになった。
同じ方法で検査した県水産試験場は「数値が下がることは間違いない」と確認した。この結果について独立行政法人水産総合研究センター(横浜市)の 桑原隆治広報室長(47)は「煮れば成分と一緒にセシウムも抜けるとみられる。エビは身と殻の間にすき間があることなどから、塩水より真水の方が浸透しや すかった可能性もある。商品価値を維持できるなら有効な手段で、現場の価値ある工夫」と話す。
カワエビはヒゲや殻が硬いことから敬遠する人もいる。だが真水で煮ることで「柔らかい、サクサクした感じになった」と試食した県漁政課職員は話す。
戸田さんは小魚類が豊富にとれる霞ケ浦湖畔で創業百年近くになる老舗の三代目。地域の加工業者の売り上げが二割減となっているだけに「原発事故は 受け入れるしかなくなっているが、自分たちが試行錯誤することで活路を見いだしていきたい」と力説する。三、四日に行方市で開かれる「あきんど祭」で取り 組みを紹介する。
東日本大震災:福島第1原発事故 放射性セシウム、新米2例目の基準超え
毎日新聞 2012年11月02日 東京朝刊福島県は1日、福島市南部の旧平田村で収穫されたコシヒカリ6袋から食品衛生法の新基準(1キロ当たり 100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。市場には流通していない。県内の12年産米の基準超えは2例目となる。県 水田畑作課によると、コメの全袋検査で10月30日、農家1軒で収穫されたコシヒカリ83袋がスクリーニングレベル(同60ベクレル)を超えていた。
コメ6袋、基準値超える 福島市南部
2012年11月02日●旧平田村産、110ベクレル
県は1日、福島市南部の旧平田村の農家1戸が生産したコメ6袋から、基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。今年産米で基準値を超えたのは、先月末の須賀川市のケースに続いて2件目。
この農家が生産した140袋のうち、全袋検査で高い放射線量を示した83袋を詳細検査し、6袋で基準値を超えた。6袋は福島市が隔離・処分し、77袋については県が今後、出荷の是非など対応を検討する。基準値以下だった57袋は、すでに市場に出荷されているという。
旧平田村は、昨年産米で最大192ベクレルのコメが出たため、今年は除染の実施や農家ごとに管理計画の提出が義務づけられている。全袋検 査で基準値を下回ったコメについては順次、出荷できるため、旧市町村単位での出荷自粛の要請はかからない。県は今後、圃場(ほじょう)の調査をして、原因 を調べる。
震災がれきを本格受け入れ 敦賀市長表明 福井
2012.11.2
02:10
東日本大震災で発生した岩手県大槌町の「震災がれき」について、河瀬一治・敦賀市長は1日、定例記者会見で、「できるだけ早く本格的な受け入れを行いたい」と正式表明し、年明けにも計900トンを受け入れることを明らかにした。
市は25日、岩手県大槌町の木材チップ3トンを搬入し、翌26日に試験焼却。29日に焼却灰を埋め立てた。市は放射性セシウム濃度1キロあたり100ベク レル、空間線量率が周辺の値の3倍を超えないという国より厳しい独自基準で比較したところ、大きく下回る結果を得たとしている。
このため、河瀬市長は「放射線量やセシウム濃度などで、安全性を確認できた」と本格受け入れを表明。「これを契機に、焼却に余裕のある自治体は率先して応援し、被災地のがれきがなくなるように願っている」と述べた。
また、原子力規制委員会が原発事故時の放射性物質の拡散シミュレーションを立地自治体へ事前説明もなしに決めたことなどをあげ、「立地自治体が最も影響を 受けるにもかかわらず、立地の意見も聞かず、東京で机上だけで決めるやり方には、非常に不満がある」と不快感を示した。
東日本大震災で発生した岩手県大槌町の「震災がれき」について、河瀬一治・敦賀市長は1日、定例記者会見で、「できるだけ早く本格的な受け入れを行いたい」と正式表明し、年明けにも計900トンを受け入れることを明らかにした。
市は25日、岩手県大槌町の木材チップ3トンを搬入し、翌26日に試験焼却。29日に焼却灰を埋め立てた。市は放射性セシウム濃度1キロあたり100ベク レル、空間線量率が周辺の値の3倍を超えないという国より厳しい独自基準で比較したところ、大きく下回る結果を得たとしている。
このため、河瀬市長は「放射線量やセシウム濃度などで、安全性を確認できた」と本格受け入れを表明。「これを契機に、焼却に余裕のある自治体は率先して応援し、被災地のがれきがなくなるように願っている」と述べた。
また、原子力規制委員会が原発事故時の放射性物質の拡散シミュレーションを立地自治体へ事前説明もなしに決めたことなどをあげ、「立地自治体が最も影響を 受けるにもかかわらず、立地の意見も聞かず、東京で机上だけで決めるやり方には、非常に不満がある」と不快感を示した。
福島市のコメ基準値超え/全袋検査で110ベクレル
2012/11/01 21:09福島県は1日、コメの全袋検査で、福島市の農家が生産したコシヒカリの玄米6袋から、食品基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。福島県産米の基準値超えは今年2例目。
農家がある地域は、昨年のコメから100ベクレル超500ベクレル以下のセシウムを検出した「事前出荷制限区域」。生産量や保管状況を全て把握しているため出荷制限はせず、基準値を超えた袋のみを処分する。
県によると、この農家が生産した140袋の検査で分かった。
福島市のコメで基準値超え=今年産米で2例目
- 2012年
11月
1日
20:52
JST
県によると、福島市の旧平田村地区の農家1戸が今年収穫した玄米140袋(1袋30キロ)の検査で、83袋が1キロ当たり60ベクレルのスクリーニング
レベルを超え、詳細検査を行ったところ6袋からそれぞれ110ベクレルが検出された。残りは基準値を下回った。同地区は事前出荷制限区域に指定されてお
り、全袋検査で基準値以下だったコメは出荷できる。県は、今後、基準値を超えた原因を究明する。
[時事通信社]
[時事通信社]
鹿沼の原木ナメコ、セシウム基準値超え 県が出荷自粛要請
(11月1日
18:28)
県環境森林部は1日、鹿沼市で採取した露地栽培の原木ナメコから国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を上回る120ベクレルの放射性セシウム20+ 件を検出したと発表した。県は同市に対し、露地栽培の原木ナメコの出荷自粛を要請した。採取日は10月30日。
露地栽培の原木ナメコの出荷自粛は那須塩原、矢板、日光、佐野、那須の5市町に続き6市町目。震災がれきを本格受け入れ 敦賀市長表明、年明けから
(2012年11月1日午後5時43分)
福井県敦賀市の河瀬一治市長は1日の定例会見で、東日本大震災で発生した震災がれきの試験焼却で安全性が確認されたとして、本格受け入れすることを表明した。同市が受け入れを予定しているのは900トンで、来年1月中にも運び込まれる。
同市では、がれきの安全性を確認するため10月26日、岩手県大槌町で出た住宅の柱や倒木などの木くず約3トンを、一般ごみと混ぜて市清掃センターで焼 却。29日に焼却灰を取り出し放射性セシウム濃度を測定したところ、速報値では1キロ当たり10ベクレル未満であり、同市の赤崎最終処分場に埋め立てた。
会見で発表された確定値は、セシウム濃度は焼却前が1キロ当たり10ベクレル、セメントを混ぜて固化した焼却灰は同4・9ベクレルだった。同市の受け入れ 基準は焼却前で同100ベクレル以下、焼却後で同8千ベクレル以下としており、いずれも大きく下回った。また一般ごみのみの焼却灰のセシウム濃度は3ベク レルだった。
河瀬市長は「(セシウム濃度は)国の基準を下回り、放射線量も試験焼却前と変わらず安全性が確認できた。できる限り早く受 け入れができるよう取り組みたい」と述べた。同市によると、専用の鉄道輸送コンテナやトラックの準備が年末までかかるため、本格受け入れは1月からになる 見通し。
また、市内の小学校や公園など17地点で測定した試験焼却時の放射線量は、いずれも焼却前とほぼ同じだった。河瀬市長は「がれ き処理なくして被災地の復興はない。焼却炉に余裕がある自治体に受け入れが広がり、一日も早くがれきがなくなることを願っている」と話した。測定結果は同 市のホームページに掲載された。
県内では高浜町が4日に試験焼却を行う。
同市では、がれきの安全性を確認するため10月26日、岩手県大槌町で出た住宅の柱や倒木などの木くず約3トンを、一般ごみと混ぜて市清掃センターで焼 却。29日に焼却灰を取り出し放射性セシウム濃度を測定したところ、速報値では1キロ当たり10ベクレル未満であり、同市の赤崎最終処分場に埋め立てた。
会見で発表された確定値は、セシウム濃度は焼却前が1キロ当たり10ベクレル、セメントを混ぜて固化した焼却灰は同4・9ベクレルだった。同市の受け入れ 基準は焼却前で同100ベクレル以下、焼却後で同8千ベクレル以下としており、いずれも大きく下回った。また一般ごみのみの焼却灰のセシウム濃度は3ベク レルだった。
河瀬市長は「(セシウム濃度は)国の基準を下回り、放射線量も試験焼却前と変わらず安全性が確認できた。できる限り早く受 け入れができるよう取り組みたい」と述べた。同市によると、専用の鉄道輸送コンテナやトラックの準備が年末までかかるため、本格受け入れは1月からになる 見通し。
また、市内の小学校や公園など17地点で測定した試験焼却時の放射線量は、いずれも焼却前とほぼ同じだった。河瀬市長は「がれ き処理なくして被災地の復興はない。焼却炉に余裕がある自治体に受け入れが広がり、一日も早くがれきがなくなることを願っている」と話した。測定結果は同 市のホームページに掲載された。
県内では高浜町が4日に試験焼却を行う。
東日本大震災:八戸沖マダラから放射性セシウム 国の出荷制限、2カ月ぶり解除 漁協「再開、一番良いこと」 /青森
毎日新聞 2012年11月01日 地方版八戸市沖の近海で取れたマダラから国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超す放射性セシウム10+件が検出された問題で、国は31日、県に指示していた出荷制限を解除した。県が同日までに制限解除を申請していた。8月27日以来約2カ月ぶりの解除で、最盛期を迎える同市沖のマダラ漁は11月1日から操業が可能になった。【神崎修一】
この問題は、6月と8月の2度にわたり、同市沖のマダラから国の基準を上回る放射性セシウム10+件が検出され、8月27日に国が県に対し出荷制限を指示していた。県は、問題の海域でマダラのモニタリング検査を実施。国が目安とする50検体を上回る78検体を調べ、いずれも基準値を超えることはなかった。
県は今後、八戸港と泊漁港(六ケ所村)で週1回検査を続ける。さらに八戸港では、市が市場に導入する検査機器の準備が整う11月末まで、市に代わって県が水揚げごとの販売前検査をし、安全性を県内外にPRする。
◇準備整うまで出漁見合わせ−−はえ縄業者
マダラ漁を行う八戸市と階上町のはえ縄漁業者は31日、同市内で非公開の会合を開き、6隻すべての準備 が整うまで出漁を見合わせることを確認した。八戸鮫浦漁協の福嶋一雄組合長は「うれしいことだが、解除になったからといって、あすから漁を再開するという わけにはいかない。休業期間が長く、すぐに人が集まらない」と説明した。一方、小型底引き網漁船4隻が所属する八戸みなと漁協(同市)は1日から漁を再開する予定だ。河村喜久雄専務理事は「漁を再開できることは一番良いこと。どんな値段がつくのか、まだ不安材料はある」と述べた。
放射性セシウム:キノコ出荷制限解除、困難見通し−−知事 /山梨
毎日新聞 2012年11月01日 地方版鳴沢、富士河口湖、富士吉田の3市町村の野生キノコから国の基準を超える放射性セシウム10+件が検出された問題で横内正明知事は31日、3市町村産の野生キノコに対する国の出荷制限指示について今シーズンの解除は困難との見通しを示した。
国は出荷制限を指示した農産物について「1市町村当たり1カ月で3回の検査をしてすべて基準を下回る」 ことなどを制限解除の条件とする「考え方」を示している。横内知事は同日の定例記者会見で「野生キノコの時期は終わりつつあり、今年調査して解除すること は難しい」と述べた。【春増翔太】
マダラ漁制限解除に安堵と不安の声
八戸港に水揚げされたマダラから基準値を上回る放射性セシウムが検出された問題で、国から出ていた出荷制限が31日解除され、1日にも漁が再開される見通しになった。関係者からは安堵(あんど)と不安の声が上がった。
八戸港では、マダラを主な漁獲とする小型底引き網漁船4隻とはえ縄漁船6隻が8月から休漁状態だった。八戸みなと漁協の小型底引き網漁船4隻は天候をみて1日にも出漁する。同漁協の河村喜久雄専務理事は「不安はあるが、漁ができることが一番だ」と話す。
一方、八戸鮫浦漁協の福嶋一雄組合長は「はえ縄漁には、針にえさをつける人などが10人以上必要。それぞれ別の仕事を始めたりして人が集まらない。漁の再開がいつになるかわからない」と明かす。
県食品総合研究所(八戸市)は朝の競りの前に、八戸港に水揚げされるマダラの放射性物質の有無を確認し、安全性を確保する方針だ。
(2012年11月1日 読売新聞)
野生キノコからセシウム 埼玉・横瀬町の
2012.10.31 23:15福島第1原発事故を受けて行っている農産物の放射性物質検査で埼玉県は31日、横瀬町内で採取された野生キノコから基準値(1キログラム当たり 100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。同町産の野生キノコでは以前にも基準値を超えており、県はすでに出荷自粛を要請してい る。
県によると10月25~29日に秩父市周辺で採取した10検体のうち、横瀬町の山林で採取された野生のアカモミタケから160ベクレルが検出された。
冬の味覚マダラの出荷停止を解除 青森県沖
政府は31日、青森県沖のマダラの出荷停止指示を解除した。同県八戸市沖で捕獲されたマダラから国の新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウム10+ 件が検出されたのを受け、8月27日に県に指示していた。
厚生労働省によると、対象海域で10月下旬までに水揚げされたマダラを計78回検査した結果、平均で1キログラム当たり11・6ベクレルと新基準値を大きく下回り、政府は「極めて低い水準で安定的に推移している」と判断した。青森県は31日、今後もマダラについて原則週1回検査するとの計画書を政府に提出した。
野生キノコ 出荷停止解除への検査見送り
(山梨県)
富士北麓3市町村の野生キノコから基準を超える放射性物質が検出された問題で、県は出荷停止解除にむけた検査を見送った。出荷停止は来シーズンまで続くことになるが、県は「風評被害の防止に全力で取り組む」としている。
野生キノコをめぐっては富士吉田市、富士河口湖町、鳴沢村で採れたものから基準値を超える放射性セシウムが検出され、国が出荷停止を指示している。
出荷停止を解除するためには、市町村ごとに3カ所で採れた野生キノコ全てで、基準値を下回ることが条件になる。しかし県は「野生キノコはシーズン終盤で検 査に必要な量を採取できない」として、今シーズン中の検査を見送った。野生キノコの出荷停止は来シーズンまで続くことになる。
横内知事は「安全対策を徹底し風評被害が起きることがないよう全力で取り組んでいく」としていてる。
また県は「基準値を超えたキノコを食べたとしても直ちに健康への影響は出ない」とし、冷静な対応を呼びかけている。
野生キノコをめぐっては富士吉田市、富士河口湖町、鳴沢村で採れたものから基準値を超える放射性セシウムが検出され、国が出荷停止を指示している。
出荷停止を解除するためには、市町村ごとに3カ所で採れた野生キノコ全てで、基準値を下回ることが条件になる。しかし県は「野生キノコはシーズン終盤で検 査に必要な量を採取できない」として、今シーズン中の検査を見送った。野生キノコの出荷停止は来シーズンまで続くことになる。
横内知事は「安全対策を徹底し風評被害が起きることがないよう全力で取り組んでいく」としていてる。
また県は「基準値を超えたキノコを食べたとしても直ちに健康への影響は出ない」とし、冷静な対応を呼びかけている。
[
10/31 20:45 山梨放送]
青森のマダラ出荷再開へ 2カ月ぶり規制解除
6月と8月に1キロあたり120~130ベクレルが検出されていた。その後に県が調べた78検体はいずれも基準を下回り、ほとんどが50ベクレル以下だった。今後も週1回の検査を続けるという。
マダラは福島県沖のほか宮城県沖の一部が出荷停止になっている。青森県との間にある岩手県沖では基準超えは確認されていない。
放射性セシウム:県が7市町村の野生キノコ追加検査 放射性物質、基準下回る /山梨
鳴沢、富士吉田、富士河口湖の3市町村の野生キノコから国の基準を上回る放射性セシウム10+件が検出された問題で、県は29、30日に周辺7市町村の野生キノコの追加検査を実施した。いずれも基準を上回る放射性物質は検出されなかった。一方、3市町村に国から指示された出荷制限は長期的に続くとみられる。
県林業振興課によると、26〜29日に甲府市、都留市、笛吹市、身延町、西桂町、忍野村、山中湖村で採取した野生キノコ14品目を県衛生環境研究所で検査。山中湖村産のヌメリイグチから1キログラム当たり54ベクレルの放射性セシウム10+件が検出されるなどしたが、いずれも原子力災害対策特措法が示す基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を下回った。
ただし、3市町村産の野生キノコにかかった出荷制限が解除される見通しは立っていない。国の原子力災害対策本部は7月、放射性物質の検出に伴う農水産物の出荷制限について、「1市町村で3回検査をしてすべて基準値を下回る」などを解除の条件とする「考え方」を示した。
しかし、林野庁経営課によると、野生キノコに関しては昨年9月に福島県で初の出荷制限が指示されて以 来、今月30日までに東日本の9県88市町村で同様の指示があったが、いずれも解除されていない。野生キノコが取れる山林は、除染が進まず条件が変わらな いことに加え、データが少なく、「安全と言うためには『考え方』以上に慎重にならざるを得ず、解除は当分難しい」(同課)という。【春増翔太】
「やっと水揚げ」
国の出荷制限が10月31日に解除されたことを受け、八戸港に水揚げされたマダラの競りが2日朝、八戸市第2魚市場で約3か月ぶりに行われた=写真=。
中型底引き網漁船15隻が水揚げした約4000ケースが、県食品総合研究所(八戸市)で放射性物質検査をして安全確認してから、競りにかけられた。前日まで閑散としていた市場には、マダラが入った木箱や発泡スチロール箱が並び、仲買人たちで活気があふれた。
競りを見ていた船会社の男性は「やっとマダラを水揚げできて、ほっとした。スルメイカが例年の3分の1しか捕れないから、これから9~10月分の
燃料代分も取り返したい」と期待を込めた。一方、漁業者の男性は「また1匹でも基準を超す数値が出たらと思うと毎朝の検査結果が心配だ。国は、早く全量検
査ができる体制を作ってほしい」と訴えた。
(2012年11月3日 読売新聞)
汚染草木の処理、バイオマス発電が有効 環境省
- 2012/11/3 1:31
- 日本経済新聞 電子版
バイオマスガス化発電では、樹木の枝葉や牧草などを熱分解処理してガス化し、ガス…
JA 東電に放射性物質検査費用を請求
11月2日 21時35分
JA山梨中央会は、東京電力福島第一原発の事故を受けて農家が独自に実施した放射性物質の検査などにかかった260万円余りについて、東京電力に負担するよう求めました。JA山梨中央会が東京電力に求めたのは去年5月から今年3月までに県内の農家が独自に実施した放射性物質の検査にかかった費用など合わせておよそ266万円です。
2日、幹部らが甲府市にある東京電力山梨支店を訪れ、請求書を提出しました。
JA 山梨中央会はこれまで県産の農畜産物の価格が大幅に落ち込んだのは原発事故に伴う風評被害などの影響だとして、およそ3億6000万円の損害賠償を東京電 力に求めていましたが、東京電力が「因果関係があるとは言えない」として支払いに応じていないため、直接かかった費用の支払いを求めることにしました。
JA山梨中央会は「農家のためにも早急な対応をお願いしたい」と話しています。
一方、東京電力山梨支店は「提出された請求書を本店に渡し、中間指針などに照らしたうえで後日、回答したい」と話しています。
「核のゴミ」をテーマにサイエンスカフェを開催、文科省
2012年11月2日(金)
17時51分
東日本大震災:給食の放射性物質検査 県教委、県内全23市町で実施 /広島
毎日新聞 2012年11月02日 地方版東京電力福島第1原発事故を受け、県教委は、学校給食の放射性10+件物質のモニタリング検査を始めた。来年3月15日までに県内全23市町で実施する。
検査は文部科学省の委託事業。同省は今年4月、各都道県教委に対し、2市町村程度の学校給食を検査する ように通知した。県内では全市町の公立小中学校などの学校給食が対象で、10月29日の府中市から始まった。給食センターなどの調理場で集めた1週間分を まとめて検査機関に送り、放射性10+件セシウム134、同137を検査する。各市町で3回程度は実施するよう求めている。
県教委は「不安を抱いている保護者もいる。検査を実施することで不安を払拭(ふっしょく)できれば」と話している。【寺岡俊】
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2012年11月02日 14時05分
~安心・安全でおいしいお水をあなたのもとへお届けします~
■アクアセレクトの天然水に放射性物質は確認されませんでした■<天然水【アクアセレクト】宅配の株式会社Beautiful Lifeから、放射性物質検査結果報告 2012年11月2日
株式会社Beautiful Life
~安心・安全でおいしいお水をあなたのもとへお届けします~
国土交通省一級河川水質調査、日本一の「宮川」の源流、伊勢神宮ゆかりの天然水【アクアセレクト】宅配の株式会社Beautiful
Life(本社:名古屋市/URL:http://www.aquaselect.jp/)が、放射性物質最新検査結果報告
11月2日(金)伊勢神宮ゆかりの天然水【アクアセレクト】・ウォーターサーバー宅配の株式会社Beautiful
Life(本社:名古屋市/URL:http://www.aquaselect.jp/)が、定期実施している、放射性物質検査結果報告分析試験の結果を更新・発表致しました。
■【検査の結果、アクアセレクトの天然水に放射性物質は確認されませんでした。】
http://www.aquaselect.jp/radiation/20121102114816.html
※アクアセレクトの天然水は定期的に分析試験を行っております。
■アクアセレクトでは地球環境に配慮し、ボトルの回収・再利用に勤めております。
1.【安心・安全:ボトル洗浄・殺菌】
ボトルは各ご家庭から返却された後、キズ・汚れ・臭いのチェック→選別、電解水洗浄・電解水殺菌を施し、製品と同じお水でともあらいをしたのち、再び飲料 水の充填を行います。(電解水は洗浄力・殺菌力にたけ、取り扱いも安全で、人・環境に優しい、”洗剤の代替品”となります。洗浄に洗剤は使用せず、電解水 を使用することで、元々が「みず」の電解水ですので、排すい時もPH調整が簡単で環境負荷がかかりません。)
2.【安心・安全:ボトル素材】
ボトルの材質には、安全確認のされていない「ビスフェノールA」を原料としたポリカーボネートなどの硬質容器は使用しておりません。アクアセレクトのリ ターナブルボトルは市販のペットボトルなど、飲料容器として一般に広く利用されているPET(ポリエチレンテレフタラート)をいち早く導入しております。
3.【災害時の備蓄・備えとして】災害時の備蓄・備えとしての需要が高まっています。ぜひこの機会に、非常時にも役立つ、水の確保・備蓄水としてもご利用ください。
アクアセレクトは、飲料水として乳幼児をはじめ、あらゆる方々に安心してご利用いただけます。安心・安全な天然水をお楽しみ下さい。
これから冬に向け、温かい飲み物の準備にも、ぜひアクアセレクトをご利用ください。
■【検査の結果、アクアセレクトの天然水に放射性物質は確認されませんでした。】
http://www.aquaselect.jp/radiation/20121102114816.html
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ボトルは各ご家庭から返却された後、キズ・汚れ・臭いのチェック→選別、電解水洗浄・電解水殺菌を施し、製品と同じお水でともあらいをしたのち、再び飲料 水の充填を行います。(電解水は洗浄力・殺菌力にたけ、取り扱いも安全で、人・環境に優しい、”洗剤の代替品”となります。洗浄に洗剤は使用せず、電解水 を使用することで、元々が「みず」の電解水ですので、排すい時もPH調整が簡単で環境負荷がかかりません。)
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放射性物質:栽培キノコ検査、基準値を下回る−−富士吉田市など /山梨
毎日新聞 2012年11月02日 地方版県は1日、富士吉田市と富士河口湖町で原木栽培しているキノコ3検体について放射性10+件物質の検査を行った結果、いずれも国の基準値を下回ったと発表した。
県林業振興課によると、富士吉田市のナメコから1キロ当たり19ベクレル、富士河口湖町のナメコから同22ベクレル、シイタケから同19ベクレルの放射性10+件セシウムを検出。いずれも基準値(同100ベクレル)を下回った。
これまで県は10市町村の栽培キノコについて検査し、いずれも不検出か基準値以下という。【水脇友輔】
津軽の首長 東通原発視察
2012年11月02日東北電力東通原発で安全対策を聞く津軽地方の町村長ら。中には初めて原発を視察する首長も=東通村 |
原子力規制委員会が10月に公表した東通原発事故時の放射性物質拡散予測では、国際的な避難基準に達する地域は、最大でも12~13キロ 圏にとどまった。一方で、避難基準は下回るものの、放射性物質が東風「やませ」に乗り、津軽半島方向へ広がる図も示され、津軽地方の首長からは「他人事 (ひ・と・ごと)ではない」との懸念の声が出ていた。
参加したのは、外ケ浜、蓬田、鰺ケ沢、深浦、西目屋、藤崎、板柳、鶴田、中泊、大間、風間浦、田子、南部の13町村長と今別町の副町長。 津軽地方や県南の遠方の首長が大半を占めた。呼び掛け人となり、初めて原発を訪れた関和典・西目屋村長は、「町村長にはそれぞれ守らなければいけない地域 がある。首長の関心は高い」と明かす。
一行は、津波対策で新たに設置された非常用電源や建設中の防潮堤、原子炉建屋の水密扉を見て回った。東北電力側は、「非常用電源設備があ れば、外部電源を喪失した状態でも原子炉を冷やせる」「非常用電源の燃料は敷地内に備蓄しており、15日間は冷却できる」と安全対策を説明した。
外ケ浜町の森内町長は「やませは東通から外ケ浜に吹いている。東通で何かあれば、原発の近隣町村より影響が出るかもしれない」と心配し、初めて原発を視察したという。「何も見ないで、ただ反対とは言わない。安全対策はよくわかり、評価はできる」と話した。
視察後、関村長は、「原発の再稼働や建設再開について、しっかり判断しなければいけない課題が山積しており、今後も勉強していきたい」と 表明。ただ、再稼働や原発建設への考え方は「参加した町村長の間でも色々ある。県内経済や雇用に与える影響も考えないといけない」などと議論の難しさを指 摘した。
(別宮潤一)
除染水処理で溝 相馬市「より慎重に」環境省「簡易で十分」
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相馬市は放射線量の比較的高い玉野地区を中心に住宅の除 染を行っている。対象は約150軒でうち約100軒(10月26日現在)を終えた。屋根などを水で洗い流して排水を回収する。水は1軒200~300リッ トル必要で、放射性物質濃度は1リットル当たり300~400ベクレルに上る。
環境省は水の処理について「不純物を沈殿させ、水周辺の空間放射線量が低くなれば上澄みを排出して問題ない」(水・大気環境局)と簡易な処理で十分との考えを示し、市に伝えている。
市は慎重で、水をもみ殻とイオン交換物質に通して浄化する装置を独自に整備し、濃度を水道水の濃度基準に当たる10ベクレル以下に下げて地元の川に流して いる。立谷秀清市長は「排水は河川で拡散するので、ここまでしなくても安全だろうが、市民の安心感を得ることを優先した」と説明する。
浄化装置 の整備費は約400万円。国は「過度な処理」と見なし、今のところ国費で賄う考えはない。このため、市は除染費全体をやりくりして整備費を工面した。「国 は10ベクレル以下にしなくてもいいと言うが、住民感情は異なる。国の責任で予算化してほしい」(民生部)と要望する。
除染は原発事故がもたら した新しい課題で、除染水の排出基準はまだ設けられていない。環境省は「基準を作れば、検査などで除染作業が遅滞する可能性がある」と策定に消極的だ。市 は「基準と処理方法を明確にしてほしい」と言う。基準がないために両者が自己判断し、歩み寄りにくい状況になっている。
2012年11月02日金曜日
宮古の漁具10日試験搬入・・・金沢市
東日本大震災で被災した岩手県宮古市の漁具、漁網の受け入れを検討している金沢市は、10日に試験搬入を行うことを決めた。市環境政策課によると、2日までに岩手県と搬入について調整し、最終処分予定地の戸室新保埋め立て場の地元2町会(清水町、戸室新保)からも試験搬入への理解を得たことで、山野之義市長が決めたという。
6日午前に宮古市で漁具、漁網約5トン分をフレコンバッグと呼ばれる防水性の袋に詰めて空間放射線量を測定し、コンテナ3台に積み込み、盛岡市の貨物ターミナル駅から搬出。10日午前、金沢市の貨物ターミナル駅に到着し、再び空間放射線量を測定したうえで3台のトラックで戸室新保埋め立て場に運び込む。
埋め立て作業は、地元住民、金沢市議、「市廃棄物総合対策審議会」委員らのほか、一般にも公開する。埋め立て作業後は、埋め立て場近くの「戸室リサイクルプラザ」で、同審議会の委員らが搬入について議論する。
また、同プラザでは、搬入した袋の一部を広げ、放射線量を測定したり、漁具、漁網の状態を確認できるようにしたりする。佐久間悟課長は「具体的な作業手順を確認する初の機会。いろいろな意見をもらいながら、理解が得られるよう努めたい」と話している。
見学希望者は、10日午前8時~同9時、同プラザで受け付ける。問い合わせは同課((電)076・220・2304)。
(2012年11月3日 読売新聞)
石川のニュース 【11月3日02時45分更新】
漁具試験搬入を一般公開 金沢市
石川県内初となる試験搬入は6日午前、宮古市の二次仮置き場で漁具・漁網を裁断し、 18袋に詰め込む。コンテナ3台に乗せて放射線量を測定、トラックでJR盛岡貨物駅に 運搬する。JR金沢貨物ターミナル駅に到着後に再び放射線量を測定、トラックで戸室新 保埋立場に運び込む。
戸室新保埋立場では市廃棄物総合対策審議会委員や地元住民、一般市民らの立ち会いで 包材の一部を広げ、放射線量を測定、埋め立てる状況を公開する。市民による線量測定も 認める方針である。
見学希望者は10日午前8~9時、戸室リサイクルプラザ玄関前で受け付ける。公開時 間は8時半~10時。10時からの市廃棄物総合対策審議会の傍聴も同時に受け付ける。
震災がれき 10日に試験搬入へ
(石川県)
震災がれきの受け入れを検討してきた金沢市は、岩手県宮古市の災害廃棄物の漁具や漁網を10日に、市内の戸室新保埋立場へ試験搬入することを決めた。
こ れは、2日、金沢市の山野市長が市の幹部職員と協議し決定したもの。試験搬入する漁具や漁網約5トンは6日午前に宮古市にあるがれきの仮置き場で袋に詰め られる。放射線量を測定した後、3台のコンテナに載せ、トラックやJR貨物を利用して金沢まで運び、10日朝、埋立場に搬入される。作業は地元住民らが立 会って搬入された漁具や漁網の一部について放射線量を測定するほか、埋め立ての状況を確認するという。
こ れは、2日、金沢市の山野市長が市の幹部職員と協議し決定したもの。試験搬入する漁具や漁網約5トンは6日午前に宮古市にあるがれきの仮置き場で袋に詰め られる。放射線量を測定した後、3台のコンテナに載せ、トラックやJR貨物を利用して金沢まで運び、10日朝、埋立場に搬入される。作業は地元住民らが立 会って搬入された漁具や漁網の一部について放射線量を測定するほか、埋め立ての状況を確認するという。
[
11/2 20:12 テレビ金沢]
【神奈川】
幸区の小学校で高線量か 学校、再計測なく土撤去
2012年11月3日川崎市幸区の西御幸小学校で10月末、放射線量が市の除染目安の毎時0・19マイクロシーベルトを超すホットスポットを同区の男性会社員(49) が見つけ、学校が再計測なしに現場の土を撤去していたことが分かった。福島第一原発事故の後、市は市民から高線量の通報を受けた場合、市でも計測してから 対処しており、手順が踏まれなかったことに戸惑いの声も出ている。 (山本哲正)
市教育委員会指導課によると、会社員は十月二十九日、校門に近い校内の側溝近くの地面で、同〇・四二二マイクロシーベルトを計測した。
同校はこの二週間前、別の市民からほぼ同じ場所で同〇・一マイクロシーベルト(地上一メートル)を計測したとの連絡を受けて市教委に相談。「〇・ 一マイクロシーベルトなら問題はないが、心配なら掃除しては」と助言を受けたが、今回は市教委と調整する前に土を現場から取り去った。撤去した土は元の状 態とは違うため線量は調べない方針。川崎区浮島町で一時保管するという。
指導課は「『掃除したら』と言ってあったので問題ない」としている。市放射線安全推進室も「〇・四マイクロシーベルト超なら撤去対象になるだろう」としつつ、「速やかな除去はよいが、きちんと確認すべきではなかったか」と疑問を呈す。
母親の立場から自主計測している同市の女性は「一時は除去した土の行方まで心配した。ホットスポットがあった現実を、せめて西御幸小の保護者には説明してほしい」と望み、こう付け加える。
「あれだけの事故だから汚染はあって当たり前。これからもホットスポットは見つかると思うが、各校には冷静な対処を求めたい」
福島第一原発事故から、間もなく一年八カ月。ホットスポットは今夏以降も市内で見つかっている。
学校や公園などでは昨年六月、さらに十~十一月に市が一斉調査したが、各施設の調査箇所は十カ所未満がほとんど。原発事故で降り積もった放射性物質の一部を洗い流す雨水が集まりやすい地点の数に追いつかないのが実情だ。
西御幸小のケースは会社員の自主的な計測だった。同校児童の保護者ではなく、計測に校長の了解も得ていなかった。指導課は、この了解を得ない計測 を問題視する。学校の安全のほか、放射能対策をうたう商品セールスを懸念する声もあり、外部の市民の調査については「校長の判断」としている。
市民の自主測定では成果が出ている。昨夏には平間公園(中原区)などでホットスポットを見つけ、市が昨秋、初めてホットスポットを意識した一斉調査に乗り出すきっかけになった。
放射線安全推進室は、公園や道路の高線量の通報を受けることは「非常に参考になる」として、測定器の無料貸し出しもしている。が、西御幸小のケースに、同室は「学校は誰もが自由に出入りする場所でなく、微妙だ」と評価を避けた。
保護者には、市教委や学校側に「昨年の調査で対策済みとしているのでは」との印象を持ち、「新たな測定を求めるとにらまれないか」とちゅうちょする声もある。
同校で測った会社員は「門に近いとはいえ、黙って測ったのはまずかった。ただ子どもたちのためには、放射性物質が濃縮された場所が新たに見つからないよう、しっかりした調査を今後もしてほしい」と話している。
避難生活影響か、震災関連死1121人…福島
復興庁が2日発表した震災関連死の統計(9月30日現在)で、福島県で震災関連死に認定された死者は1121人に上り、全体(2303人)の48%を占めることがわかった。東京電力福島第一原発事故による避難生活の影響とみられ、復興庁は同県とともに、原因究明と対策に乗り出す考えだ。
市町村別では南相馬市が336人と最多で、浪江町192人、富岡町119人、いわき市100人、双葉町73人、楢葉町67人、大熊町66人と続く。震災から1年たった今年3月11日から9月30日までに全国で認定された計40人のうち、県内は9割弱の35人に上った。
認定者数が最多となったことについて、南相馬市は「地震・津波の被災より原発事故による影響が大きい」(社会福祉課)と分析。原発事故後、市内の医療機関や特別養護老人ホームなどが閉鎖したため、関東など遠方の避難先に向かったり、避難先を何回も移ることを強いられたりした高齢者が多く、同課は「この時の身体への負担で衰弱し亡くなった人が多い」とみている。
平野復興相も2日の記者会見で、「移動距離が長いこと、医師や看護師も避難して不足したことがあったと推察される」と指摘。「福島県に特化した対策の強化
を図らなければならない」と述べた。県避難者支援課は「国と対策を詰めたい。高齢者へのきめ細かな巡回などを続けたい」としている。震災関連死は、避難生活での疲労や持病悪化が原因で亡くなった場合などに、自治体の審査を経て認定される。
(2012年11月3日 読売新聞)
2012年11月3日(土)
世論も国会も無視の暴挙
規制委人事
2国会続けて原子力規制委員会人事の同意を見送ることは、再稼働など原発推進ありきで世論も国会も無視する暴挙です。規制委員会をめぐっては先の通常国会に政府が田中俊一委員長など4委員の人事案を提出。しかし、原発推進論者をすえた人事に対する批判の高まりに民主党内からも異論があがり、国会での同意にあたり「造反」を恐れた民主党執行部が採決を見送りました。
それにもかかわらず首相は、国会が閉会中だとして、次の国会で事後承認を受けるという「例外規定」を使って同意なしの任命を強行(9月11日)。そして今度は、「原子力緊急事態宣言がされている」として、今国会での事後承認さえ先送りしてしまいました。
国会同意は、規制委員会の民主的運営と、原発の推進機関から独立した原子力安全規制を行う上で、重要な担保になります。それをないがしろにすることは許されません。
政府は昨年12月、事故から1年もたたずに福島第1原発事故の「収束宣言」をしました。一方で、原発の「緊急事態」を理由に国会同意から逃げ、もう一方では「収束」をいって国会同意もない規制委が再稼働を進めるということは言語道断です。
野田首相は、2030年代に「原発稼働ゼロを可能にする」と繰り返していますが、規制委人事を見ても原発にしがみつく姿勢は隠せません。(藤川良太)
2012年11月3日(土)
“原発即ゼロこそ現実的”
官邸前行動30回目 声上げ続ける
首都圏反原発連合(反原連)が呼びかけている首相官邸前抗議行動が2日、官邸前と霞が関一帯で行われました。今回で30回目。1万人の参加者(主 催者発表)は「原発いらない」「いますぐなくせ」とコールしました。野田佳彦首相が“即時原発ゼロは無責任”、自民党の安倍晋三総裁が“原発ゼロは実現不 可能な夢”と国会で発言したことに、怒りの声が上がりました。
東京都葛飾区の女性(50)は「原発は2基しか動いていない。一体どっちが『夢』を見ているんですか。電気は足りている現実を見るべきです」と話します。
世田谷区の自営業の男性(36)は「首相や総裁の立場にいる人は利権や権力を維持したいから、原発の危険性を認めたくないんでしょうね。僕にとっては原発をすぐになくすことが現実的。この行動は、人間として必要なことだと思っています」と語りました。
日本共産党の志位和夫委員長と笠井亮衆院議員も参加しました。本紙が100人の参加者に聞いたところ、2割が初参加でした。
志位委員長参加
官邸前
「猛暑の夏、再稼働なしで乗り切れたのは、関西電力が認めたじゃありませんか。一番コストが高いのも原発です。いつまでも先延ばしする政治は許されません。原発をなくすまで頑張ります」と行動への連帯を誓うと、「期待しているぞ!」と声援が上がりました。
2012年11月3日(土)
規制委が大飯初調査
渡辺教授 活断層疑い高まる
委員長代理 必要なら再調査も
関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内で活断層の可能性が指摘されている破砕帯(岩盤の亀裂)について、原子力規制委員会は2日、発足後初 めての現地調査を行いました。調査団には、規制委の島崎邦彦委員長代理や破砕帯の危険性を指摘した、渡辺満久東洋大学教授(変動地形学)を含め有識者5人 が参加しました。調査団は4日、今回の調査をもとに、破砕帯が動く危険性があるかどうかを検討する会議を開きます。調査終了後に会見した渡辺教授は、今回の調査で 活断層の疑いが以前より強まったとする見解を示しており、検討結果次第で、全国の原発で唯一稼働中の3、4号機が停止を迫られることになります。
問題の破砕帯は、2、3号機の間を南北に走る、長さ約900メートルの「F―6破砕帯」です。破砕帯の真上には、原子炉で発生した蒸気の冷却ができなくなった場合に海水を取り込んで冷やす機能を持つ非常用取水路があり、破砕帯が動けば壊れる恐れがあります。
調査団は、F―6破砕帯が延びているとされている敷地北側の台場浜で掘削された幅40メートル、深さ6メートルのトレンチ内に降りて調査。関電が 地滑りでできたとしている、すべり面などが表れている壁面を丹念に見たほか、ボーリングで取り出しコアサンプル(柱状試料)などを確認しました。
F―6破砕帯をめぐっては、1987年の3、4号機の増設許可時や、2010年の耐震バックチェックの際、関電は「破砕帯は新しいものではない」などとして、危険性は無いと主張。国もそれを「妥当」としてきました。
しかし、渡辺教授は今年6月、周辺の活断層が動く際に、F―6破砕帯が連動して動く可能性が否定できず、重要施設の非常用取水路に影響を与えると指摘。関電が10年の安全審査の時に国に提出した資料の不備も明らかになっていました。
政府は3、4号機の再稼働を強行しましたが、旧経済産業省原子力安全・保安院が7月に開いた専門家による意見聴取会で、破砕帯の活動性について判 断するためには現地での直接確認が必要とする意見が相次ぎました。保安院から追加調査を指示された関電は、トレンチを掘ったり、ボーリングを行って調査し ており、規制委による現地調査が行われる直前の先月31日に、調査の中間報告として、「活断層ではない」とする見解をあらためて示しました。
調査終了後の調査団メンバーによる会見で、渡辺教授は、「(破砕帯が)確実に地層を切っているのを確認したので(活断層の疑いの)レベルが上がっ た」と強調しました。さらに、原発敷地北側の台場浜のトレンチで、関電が従来言ってきた場所ではなくほかの場所に破砕帯が確認されたことを明らかにし、 F―6破砕帯の位置の修正が必要だと指摘しました。
規制委の島崎邦彦委員長代理は、「(4日の会合での検討の結果)必要であれば再調査を求める可能性がある」と述べました。
2012年11月
3日
10:00
11日に原発ゼロ京都アクション各地で
「11・11行動」に呼応する京都の「原発ゼロアクション」が11日、府内各地で取り組まれます。関西電力京都支店前全国いっせいでは、午後2時からスタンディングアピール、2時半から京都駅前(タワー前)街頭演説会、3時15分からビックカメラ前集合・関電支店前包囲パレード(3時半)が行われます。
このほか、集会・パレードが各地で予定されています。京都市内5カ所をはじめ、京丹後、舞鶴、綾部、福知山、亀岡、向日、長岡京、城陽、京田辺の各市で集会・パレード(デモ)などを実施します。(日本共産党府原発ゼロ推進本部調べ、地図参照)。(「週刊しんぶん京都民報」2012年11月4日付掲載)
東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/緑の党 Greens Japan)です。 [転送・転載歓迎/重複失礼] ついに昨日11月2日、市民の力によって、大飯原発の断層現地調査を行 わせるに至りました。満田夏花さん(FoE Japan)のメールを転送します。 なお、くしくも同じ11月2日、野田政権は、原子力規制委員会人事について の国会同意を見送る手続き(東京電力福島第一原発事故で「原子力緊急 事態宣言」が発令中であることを衆参両院に通知)を閣議決定しました。 あり得ない暴挙です。規制委員会の正当性がますます崩壊していることを 指摘しないわけにはいきません。 ----------------------------------------------------- みなさま(連投・重複失礼します) FoE Japanの満田です。いみじくも本日の規制委前行動で杉原さんが指摘したよ うに、美浜の会とグリーン・アクションが、東洋大の渡辺教授に大飯原発の破砕 帯の資料を持ち込んでからこれまで、市民、国会議員、独立系メディアの努力に より、ついに昨日、大飯原発の断層調査が実現したことは、実はすごい成果だと 思っています。これは市民運動のすばらしい成果です。(マスメディアは、あた かも規制委員会のイニシアティブのように報じていますが) 各メディアの報道は、以下の通りです。4日の行方が気にかかりますね。注目し ていきましょう。 大飯原発:破砕帯の再調査も 「活断層否定できぬ」(毎日) http://mainichi.jp/select/news/20121103k0000m040101000c.html 大飯原発、活断層の可能性指摘 規制委、追加調査も示唆 http://www.47news.jp/CN/201211/CN2012110201002066.html 大飯原発の断層調査、様々な意見 規制委、4日に再検討(朝日新聞) http://www.asahi.com/business/update/1102/TKY201211020123.html 大飯の断層「必要なら再調査」 規制委員長代理 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS02035_S2A101C1000000/ なお、田中俊一委員長は、「悩ましいのは今稼働しているものを法的に止める権 利がない」と発言していますが、改正原子炉等規制法には、下記のように書かれ ています。(厳密には、施行前ということなのかもしれませんが、それでも理論 上には、規制委が新基準に基づき、再稼働の安全審査を行うので再稼働を待てと いうことができているので、同じことが大飯原発の停止についてもいえるはずだ と思います) 改正原子炉等規制法 第四十三条の三の二十三 原子力規制委員会は、発電用原子炉施設の位置、構 造若しくは設備が第四十三条の三の六第一項第四号の基準に適合していないと認 めるとき、発電用原子炉施設が第四十三条の三の十四の技術上の基準に適合して いないと認めるとき、又は発電用原子炉施設の保全、発電用原子炉の運転若しく は核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物の運搬、貯蔵若しくは廃 棄に関する措置が前条第一項の規定に基づく原子力規制委員会規則の規定に違反 していると認めるときは、その発電用原子炉設置者に対し、当該発電用原子炉施 設の使用の停止、改造、修理又は移転、発電用原子炉の運転の方法の指定その他 保安のために必要な措置を命ずることができる。大飯原発破砕帯+規制委の停止権限
大飯原発、活断層の可能性指摘 規制委
2012年11月3日 09時05分調査チームは4日に都内で開く会合で、調査結果を議論する。活断層かどうかを確認するには、断層が動いた年代を特定しなければならず、鉱物の詳しい分析や再調査が必要になり、結論が延びる可能性がある。
チームは、関電が掘った試掘溝の壁面や掘削(ボーリング)で出た土などを調べた。関電は先月末に示した中間報告で、海近くの溝ではF-6断層が見つからないとしていたが、同じ断層の延長とみられる断面を発見した。
チームの1人で、活断層の可能性を指摘してきた渡辺満久・東洋大教授(変動地形学)は「活動性は否定できない。活断層があるという疑いのレベルは、今までより上がった」と述べた。
山頂の溝では、断層が動いた際に岩と岩がこすれてできる粘土を確認。粘土が40万年前より新しい年代にできたと確認されれば、活断層の疑いが濃厚となる。 鉱物が専門の重松紀生・産業技術総合研究所主任研究員は「どのような粘土かを見て、活断層かどうか総合的に判断していくべきだ」と語った。
規制委の島崎邦彦委員長代理は「必要なら再調査という可能性もある。今後の方針は4日の議論で決まる」と述べ、慎重に判断する考えを示した。
F-6断層上には、冷却に使う海水を引き込むための重要な取水路がある。活断層と判断されれば、原発の耐震設計審査指針に反し、規制委は運転停止を求める。
◆規制委の判断尊重 首相
野田佳彦首相は2日、内閣記者会のインタビューで、原子力規制委員会が実施した関西電力大飯原発の敷地内の断層に関する現地調査で、断層が活断層と判断さ れ、規制委が運転停止を求めれば認める考えを示した。首相は「規制委員会で判断が出れば、当然政府は尊重する」と述べた。
(中日新聞)
'12/11/3
活断層と原子力規制委 リスク評価は最大限に
原発の安全性をチェックする「番人」として、力量と本気度が試されそうだ。原子力規制委員会は、敷地内に活断層が隠れている疑いなどが浮上した原発6カ所の現地調査に着手した。その第1弾が、国内で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県)である。
1、2号機と、3、4号機の間をほぼ南北に走る「破砕帯」という小さな断層が調査の対象だ。近くの活断層と連動して地盤をずらす危険性が、再稼働させる前から指摘されていた。
規制委は、警告を発してきた専門家も調査団のメンバーに迎え入れた。客観的で正確な調査を目指す意気込みが伝わる。その姿勢は評価したい。
調査ではボーリングで採取した試料を調べた。4日に開く会合で結果を検討するが、早速、活断層ではないかと疑う指摘が出た。判断が注目される。
一方、関西電力は先手を打って独自調査に基づく中間報告を規制委に提出した。「活断層があると示唆する結果は得られていない」。規制委の動きをけん制するかのようだ。
田中俊一委員長は、今回の調査について「(疑いが)黒や濃いグレーの時には(運転を)止めてもらう」と明言している。その方針を貫いてもらいたい。調査結果も国民にも分かりやすく開示すべきである。
ただ、大飯原発は暫定的な安全基準で再稼働した経緯がある。今回の調査がたとえ「白」であっても、このまま運転を続けていいのだろうか。
なぜなら規制委が先月末、原子力災害対策の新たな指針を打ち出したからだ。福島第1原発事故を教訓に、災害対策重点区域を30キロ圏内に拡大。事故が起きた際、住民の被曝(ひばく)を最小限に食い止める対応策を自治体に義務付けた。
このような備えが整って初めて、再稼働の議論ができるのだろう。大飯がこの手順を踏まずに稼働を続ければ、規制委の指針そのものに矛盾が生じよう。
これまで国や電力会社は、活断層や破砕帯のリスクを低く見積もってきたきらいがある。
いまの原発耐震指針では、設計上考慮する活断層は「13万~12万年前以降に活動した断層」としている。主に想定してきたのは長さ数十キロに及び、自ら地震を起こすような巨大な活断層である。小さな破砕帯は重視してこなかった。
ところが、国際原子力機関(IAEA)の指針では、「地震を起こす断層につられて動き、地盤をずらす断層も注意が必要」などと、重視している。今回、大飯原発の調査で破砕帯に目が向けられたのは、国際的な常識でもあるのだろう。
福島の事故を体験した今、リスクは最大限に見積もることこそ安全への新たな常識である。
規制委の現地調査を、6カ所だけで終わらせるべきではない。約2千の活断層がある国内に54基もの原発を有しているのだ。全原発を対象に広げ周辺の点検を徹底する必要がある。
島根原発も例外ではない。沖合には三つの活断層がある。加えて原発近くの宍道断層のリスクを指摘する声もある。
電力会社が主体となる調査だけでは十分とはいえない。第三者機関なども活用しながら、規制委には徹底した監視機能を求めたい。
8日に静岡県「重点区域」案 原発事故対策
(2012/11/
3 08:24)
原子力規制委員会(田中俊一委員長)は2日、原発事故に備えて事前対策を整え
る「原子力災害対策重点区域」の目安を原発の半径30キロ圏に拡大したことに伴い、関係する26道府県の担当者ら約60人を集めて説明会を開いた。自治体
は年内を目標に計画案を策定し、規制委と調整しながら来年3月までに正式な計画を決める。
静岡県原子力安全対策課の植田達志専門監は会合後、規制委の原子力災害対策指針や放射性物質の拡散予測解析結果を踏まえ、県として原子力災害対策重点区域の線引き案をまとめ、8日に開く市町原子力防災対策研究会で提示する考えを明らかにした。
植田専門監は連絡会議で、原発から30キロ圏が目安とされた緊急防護措置区域(UPZ)などの科学的根拠の説明を受けたほか、「最大で30キロという目安 を内陸側に適用しても問題ないとの回答も得た」と説明。現時点では2案あるUPZの線引き案を一本化し、市町に示すという。
市町にとって負担の重い地域防災計画の改定、策定作業については「時期は年度内が目標だが、内容的には自治体が納得できた部分を計画に盛り込むなど地域事情に配慮し、柔軟に対応する姿勢が示された」としている。
静岡県原子力安全対策課の植田達志専門監は会合後、規制委の原子力災害対策指針や放射性物質の拡散予測解析結果を踏まえ、県として原子力災害対策重点区域の線引き案をまとめ、8日に開く市町原子力防災対策研究会で提示する考えを明らかにした。
植田専門監は連絡会議で、原発から30キロ圏が目安とされた緊急防護措置区域(UPZ)などの科学的根拠の説明を受けたほか、「最大で30キロという目安 を内陸側に適用しても問題ないとの回答も得た」と説明。現時点では2案あるUPZの線引き案を一本化し、市町に示すという。
市町にとって負担の重い地域防災計画の改定、策定作業については「時期は年度内が目標だが、内容的には自治体が納得できた部分を計画に盛り込むなど地域事情に配慮し、柔軟に対応する姿勢が示された」としている。
県内自主避難も補助 子ども、妊婦世帯支援 県の民間住宅借り上げ
県は2日までに、東京電力福島第一原発事故に伴う避難者に家賃を補助する民間賃貸住宅借り上げ制度について、県内の自主避難世帯にも適用する方針 を固めた。対象は11月1日までに避難区域以外の地域から自主避難し、子どもか妊婦がいる世帯。ただ、自主避難の明確な認定基準はなく、引っ越しなどとど う区別して適用するかが課題となる。自主避難世帯の住宅の借り上げ制度は、避難区域以外の地域から自主的に避難し、昨年3月11日時点で18歳 以下の子ども、申請時点で妊婦がいる世帯に限る。避難区域の住民と同様に、4人以下の家族は月6万円、5人以上は月9万円まで補助する。契約した段階から 支払い、さかのぼらない。期間は平成26年3月末まで。
県は県内の支援対象を300世帯程度と推計している。県外に自主避難し、子どもや妊婦がいる世帯が県内に戻る場合も認める。原発事故当時の住所と同じ市町村内への自主避難は対象外。費用は国の災害救助費で全額負担するよう求める。
ただ、通常の引っ越しなどと区別するのは難しいという。県は避難を目的とした転居であるかなど、個別に確認する方針だ。
一方、県の要請を踏まえ、現在は23県が実施する借り上げ住宅の新規受け付けは12月28日で終了する。県外への避難が減っているためで、県は県内への定住を促す。
子どもを含む家族で郡山市から会津若松市に自主避難している主婦(38)は「歓迎するが、子どもがいない世帯などと対応が違うため複雑な思いもある」と 語った。「県内自主避難の権利を求める会」の関係者は「線量が下がらず、今後の自主避難を考えている人もいる。対応の幅を広げてほしい」と求めた。
(
福島第一・第二原発 新たな異常なし
11月3日 8時6分
福島市にある東京電力福島地域支援室の担当者によりますと、福島第一原子力発電所と福島第二原子力発電所は、午前7時45分現在、地震による新たな異常の連絡は入っていないということです。また、周辺の放射線を測定するモニタリングポストの数値にも変化は見られないということです。
福島原発・争議に動き始めた下請け労働者たち
2012年11月3日被ばく隠しに賃金のピンハネ-。東京電力福島原発事故の収束作業現場で働く下請け労働者の窮状は、「こちら特報部」でも再三、指摘してきた。事故 から間もなく一年八カ月。一人の作業員は先月末、高い放射線量下での作業を強いられたと、東電のグループ企業を労働基準監督署に申し立てた。一方、労働契 約のずさんさから争議に発展するケースも出始めている。憤りが渦巻く現場を探った。 (上田千秋)
危険手当ゼロ(フクシマ原発)原発作業員の「ピンハネ給料明細」
福島第一原発内の休憩所で休む作業員たち。「息苦しい防護服と全面マスクを着けて30分も仕事をすると、ぐったりして何もやる気が起きない」(作業員A氏)
いまだに事故収束への道筋が見えない、福島第一原発―。現場で働く作業員たちは、賃金の面でも過酷な状況を強いられている。東京電力の三次下請け企業で働いている40代の作業員A氏は、現在、福島第一原発で汚染された瓦礫の撤去などをしている。大量被爆する可能性もある危険な仕事だ。そのA氏が怒りをぶちまける。
「本当に許せません。私は日当1万3000円で働いていますが、他の 企業の仲間から話を聞くと、元請けは作業員一人当たり一日5万円を一次下請けに払っているというのです。つまり一次、二次、三次と仕事が流れるうちに、3 万円以上もピンハネされていたんですよ。多少の手数料は必要でしょうが、7割も給料が引かれるなんて納得できない。今年9月、社長に『ちゃんと給料を払っ てください』と言うと、こう言って脅されました。『ピンハネなんてどこでもやっている。イヤなら辞めろ。その代わり作業員が一人欠ける損害賠償として、 100万円払ってもらうからな!』と。こう言われては、労働者は我慢するしかありません」
また新潟県の柏崎刈羽原発などで働いていた30代の二次下請け企業のB氏は、震災後に福島入りした作業員だ。彼も汚染水の処理など危険な仕事に従事しているが、支給金額には憤りを感じるという。
「放射線量の高い作業現場で働くため危険手当も出るという話だったの で、福島に来ました。でも危険手当など、一度ももらったことがありません。手当がなければ、日当は柏崎刈羽と変わらない1万5000円。これでは、何のた めに危険な作業現場で働いているのか分からない。今後も手当が払われないようなら、法的手段に訴えることも考えています」
C氏が、二次下請け企業「大和エンジニアリングサービス」と交わした契約書。第4条には〝緘口令(かんこうれい)〟の記述が
「敷地外作業」が「汚染水処理」
C氏が雇用先の「前田工業」を通じて受け取った給料明細。高線量での労働を補償する危険手当の記載はないこうした不満は、本誌にだけ寄せられているわけではない。ピンハネや手当の不払いは、日常的に行われているという。それをうかがわせるような書類がある。左上に掲載した、給料明細書や契約書などだ。この書類を入手した、共産党いわき市議の渡辺博之氏が解説する。
「これは長崎県の建設会社から福島第一原発へ、昨年7月に派遣された40代の作業員Cさんのものです。Cさんは建設会社から『作業は原発敷地外』と言われていましたが、実際には原子炉建家内の汚染水処理などをさせられました」
原子炉建屋の汚染水近くでは、100ミリシーベルト以上の線量がある場所もある。
それだけ高い線量下での作業にもかかわらず、C氏は給料や危険手当をピンハネされてしまう。一次下請けが通常支給する危険手当は、原発事故当日の 昨年3月11日から3月31日までは作業装備に関係なく一日約1万5000円、4月から現在に至るまでは防護服に全面マスクの作業で一日約7000円だ。 渡辺氏によると、元請けによっては一日10万円近く出している企業もあるという。
「一次下請けは日当1万6000円に危険手当も付けていたのに、二次下請け企業で働いていたCさんが受け取った日当は1万1000円で手当も付いていなかった。つまり差額5000円と手当を、不当に引かれていたんです」(渡辺氏)
C氏が二次下請けの『大和エンジニアリングサービス』と交わした契約書の第4条には〈知り得た情報(書面・あるいは口頭・目視など形態に係わりな く)は、厳に秘密を保持〉〈各種報道機関からの取材は、業務情報の如何に関わらず一切受けないものとする〉という作業員への〝口封じ〟とも取れる条文があ る。またC氏の昨年7月の給料明細には、危険手当が支払われた記録はまったくない。
C氏がピンハネや、危険手当の額について大和エンジニアリングサービスの中嶋徳彦社長に説明を求めると、「業者間の暗黙の了解事項だから話せな い」と答えたという。C氏はこうした状況を不服とし、今年7月に危険手当の支給と派遣労働環境の改善を求めて労働基準監督署に訴えている。本誌も中嶋社長 に取材を申し込んだが、「現在係争中のことなので一切答えられません」の一点張りだった。
「東電はこれまで手当や賃金の支給については各企業の判断に任せると いう態度をとってきましたが、中間搾取のトラブルは多発しています。今年3月にいわき市議会でこの問題を指摘すると、東電の担当者はこう答えました。『危 険手当は、これからも必要な経費としていく。それがしっかりと作業員に渡るように各企業にお願いし、引き続き努力していきたい』と。東電はこう明言した以 上、現場任せにせず、規定の給料や手当の支給を徹底させるべきです」(渡辺氏)
ピンハネの常態化を黙認してきた、東電の責任は非常に重い。あらためて東電に問題点を指摘した。
「それぞれの工事や環境に応じて、元請けや下請けの企業には給料と割 り増しした手当をお支払いしています。各企業には契約通りの金額を作業員に渡すよう、お願いしているところです。ピンハネがあるという話は当社も聞いてお り、9月20日から全作業員にアンケート調査を実施し、10月下旬にはその結果をまとめる予定です」(広報課)
原発事故から1年半以上が経つのに、東電は作業員の賃金の実態を把握していないのだ。冒頭で紹介した作業員A氏は、怒気を含んでこう話す。
「作業員の中には制限被曝量に達し仕事がなくなるのを恐れ、線量計を 付けずに作業している人も大勢います。それなのに雇用する企業は、作業員を安く働かせることしか考えていない。東電も元請けや下請けと〝なあなあの関係〟 で、本気で労働環境を改善するとはとても思えません」
作業員の頑張りなしに、フクシマの復興はあり得ない。東電は、こうした作業員の言葉をどう受け止めるのだろうか。
「フライデー」2012年11月9日号より
浜岡オフサイトセンター 静岡空港付近に移転へ
(2012/11/
3 07:50)
県は、中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の事故対策の拠点施設「オフサイトセンター」を静岡空港付近に移転させるための具体的な手続きに入る。川勝平太知事が2日、関連費用を盛り込む補正予算案を県議会12月定例会に提出することを明らかにした。
県原子力安全対策課によると、当初は建物の設計などを行い、2014年度に建設、15年度中の移転・供用開始を目指す。建設にかかる費用の全額を国の交付金で賄う。
浜岡原発のオフサイトセンターには現在、原発から約2・3キロ離れた県浜岡原子力防災センター(同市池新田)が指定されている。国は、東京電力福島第1原 発事故で原発から約5キロのオフサイトセンターが放射線量の上昇などで機能しなかった教訓を踏まえ、15年9月までに半径5〜30キロ圏に移転するよう求 めていた。静岡空港は浜岡原発の北約20キロに位置している。
県原子力安全対策課によると、当初は建物の設計などを行い、2014年度に建設、15年度中の移転・供用開始を目指す。建設にかかる費用の全額を国の交付金で賄う。
浜岡原発のオフサイトセンターには現在、原発から約2・3キロ離れた県浜岡原子力防災センター(同市池新田)が指定されている。国は、東京電力福島第1原 発事故で原発から約5キロのオフサイトセンターが放射線量の上昇などで機能しなかった教訓を踏まえ、15年9月までに半径5〜30キロ圏に移転するよう求 めていた。静岡空港は浜岡原発の北約20キロに位置している。
【栃木】
2012とちぎ知事選 候補者ってどんな人?
2012年11月3日県政のかじ取り役を選ぶ知事選に立候補したのは、3選を目指す無所属現職の福田富一氏(59)=自民、公明推薦=と、元県議で共産新人の野村節子 氏(59)の2人。街頭では真剣な表情でマイクを握り支持を訴えているが、どんな人なのかも関心の一つ。プロフィルや普段の顔を紹介する。 (神田要一、 磯谷佳宏)
(届け出順)
◆「出前の政治」を30年 福田 富一(ふくだ とみかず)氏(59) 無現<2>=自公
リーマン・ショック、東日本大震災、原発事故、竜巻被害-。「平穏だった」一期目に比べ、二期目はトップの決断を次々に求められた。厳しい財政を立て直すため、職員の給与も削減。「私たちが率先垂範することで、県民も冷静に受け止めてくれたのではないか」
三十年間、自ら現場に足を運ぶ「出前の政治」を掲げてきた。「自分の目で見て、話を直接聴き、必要なら写真にも撮る。それを行政につなぐことが政治家のありよう」。市長のときも、知事になってからもこのスタイルを貫く。
さまざまな団体から招待状が届くと「相手の顔が浮かぶから」と顔を出す。障害者のイベントに招かれれば、寝る時間を削って手話のあいさつを覚える。「やりすぎてしまうこと」が長所でもあり、短所でもある。
最大の癒やしは、愛犬の「ももちゃん」。二男一女の父。宇都宮市在住。
◆女性運動から政界へ 野村 節子(のむら せつこ)氏(59) 共新
二〇〇七年、県議選に初当選。「一期でどれほど県政を把握できたかは分からないが、県民が主人公になりきれていないのは痛切に感じた」。今回、立候補を決めた根底には、いまだに一掃されない県政への不満がある。
女性運動に長年、携わり、参院選栃木選挙区に立候補したのが一九九二年。「子どもの命を守るとか、母と子の幸せをどう築き上げていくかは政治と不可分に結び付いていた」。結果は落選だったが、初めて政治の世界へ足を踏み入れた。
大阪市に生まれ、七二年に母親の郷里である宇都宮市に移り住んだ。その後は画家を目指して武蔵野美術大別科へ進学。現在も、季節の花や野菜を絵手紙に描くことが、一服の清涼剤になっている。
自身の性格を「真実一路」と分析する。好きな言葉は「生命(いのち)を生みだす母親は、生命を育て、生命を守ることをのぞみます」という日本母親大会のスローガン。女性の目線で県政を変えたいと願う。夫、一男一女と猫一匹。宇都宮市在住。
関電との相違どう判断 大飯原発調査
2012年11月3日敷地内の「F-6断層(破砕帯)」は動くのか-。関西電力大飯(おおい)原発(福井県)で二日、原子力規制委員会による初めての現地調査が終わっ た。調査チームは、関電の再調査の中間報告とは食い違う断層を二カ所で確認した。規制委はどこまで科学的かつ明快に判断できるのか。大飯の調査は規制委の 信頼性を占う試金石でもあるだけに注目される。 (原発取材班)
景況感、原発停止で大震災後最低 4~6月期、敦賀会議所が調査
(2012年11月3日午前7時05分)
福井県の敦賀商工会議所が会員企業を対象にした敦賀市内の景気動向調査結果によると、景況判断指数(BSI)は4~6月期実績見込みでマイナス24・4(前年同期比2ポイント減)と昨年3月の東日本大震災以降では最低だった。7~9月期予測も下がっており、同会議所は「原発20+ 件長期停止の影響による売り上げ減、景気の先行き不安が大きな原因」とみている。
建設や製造、小売、飲食業など500社を対象に7月9~20日に調査し、53%に当たる268社から回答があった。
4~6月期実績のBSIは、前回調査の昨年10~12月期実績マイナス17・9に比べ6・5ポイントの大幅減。日本原電敦賀原発20+ 件1、2号機の定期検査が今年3月までに実質終了したことや原発20+ 件作業員の大量流出も背景にあるとみられ、業種別は建設業マイナス34、サービス業マイナス31・9の順に不況だった。
7~9月期予測は28・9(前年同期比6・4ポイント減)で、前回調査の1~3月期予測に比べても3・5ポイント減となった。
市内の景気について「さらに悪化する」「底入れの兆しもあるものの、先行きは予断を許さない」と答えたのはそれぞれ47・6%に上った。
経営上の問題は「売り上げ(受注)不振」が31・6%で最も多く、「収益低下」は27・3%、「過当競争」は16・5%と続いた。いずれも小売業や建設業が目立った。
雇用面では「労働力が過剰」としたのは全体の17・2%に当たる46社あり、対策は14社が「特に何もしていない」とする一方、13社が「給与・賞与の削減」、7社は「役員・従業員の削減」で対応しているとした。
資金繰りが「悪化」としたのは全体の約3割の82社に上り、対応は▽自己資金の使用▽金融機関からの調達▽既存借り入れの返済要件緩和―の順に多かった。
建設や製造、小売、飲食業など500社を対象に7月9~20日に調査し、53%に当たる268社から回答があった。
4~6月期実績のBSIは、前回調査の昨年10~12月期実績マイナス17・9に比べ6・5ポイントの大幅減。日本原電敦賀原発20+ 件1、2号機の定期検査が今年3月までに実質終了したことや原発20+ 件作業員の大量流出も背景にあるとみられ、業種別は建設業マイナス34、サービス業マイナス31・9の順に不況だった。
7~9月期予測は28・9(前年同期比6・4ポイント減)で、前回調査の1~3月期予測に比べても3・5ポイント減となった。
市内の景気について「さらに悪化する」「底入れの兆しもあるものの、先行きは予断を許さない」と答えたのはそれぞれ47・6%に上った。
経営上の問題は「売り上げ(受注)不振」が31・6%で最も多く、「収益低下」は27・3%、「過当競争」は16・5%と続いた。いずれも小売業や建設業が目立った。
雇用面では「労働力が過剰」としたのは全体の17・2%に当たる46社あり、対策は14社が「特に何もしていない」とする一方、13社が「給与・賞与の削減」、7社は「役員・従業員の削減」で対応しているとした。
資金繰りが「悪化」としたのは全体の約3割の82社に上り、対応は▽自己資金の使用▽金融機関からの調達▽既存借り入れの返済要件緩和―の順に多かった。
日比谷公園の脱原発デモ使用拒否 主催者、都に反発
(11/03 06:55)
脱原発20+ 件を訴え、東京都千代田区の日比谷公園を出発点とするデモ行進について、公園を管理する東京都が使用を拒んでいたことが2日分かった。主催者は「憲法が保障する集会や表現の自由を阻害している」と反発する。
反原連は日比谷公園で3、7月にもデモ行進を行い、都に公園使用の届け出を行って認められた。今回も申請したが、都は使用を認めなかった。<北海道新聞11月3日朝刊掲載>福島原発事故で健康対策を=慰安婦、死刑制度でも勧告-対日人権審査
【ジュネーブ時事】国連人権理事会の作業部会は2日、日本の人権政策に対する各国の勧告を取り
まとめた。東京電力福島第1原発事故を受け、放射性物質による健康被害対策を求める勧告が初めて盛り込まれた。中国や韓国、北朝鮮などが旧日本軍の従軍慰
安婦問題を取り上げたほか、死刑制度廃止も改めて提言された。(2012/11/03-06:11)
東日本大震災:福島第1原発事故 汚染水被ばく、別の作業員も−−昨年3月
毎日新聞 2012年11月03日 東京朝刊東京電力福島第1原発10+件3 号機で昨年3月24日、作業員3人が高濃度の汚染水につかって170ミリシーベルト以上被ばくした問題で、東電は2日、3人と同じ班にいた別の男性作業員 も同じ日に水につかり56ミリシーベルト被ばくしていたことを明らかにした。この線量になるまでの時間は不明という。東電はこれまで3人以外で汚染水につ かった作業員がいたことを説明していなかった。
尾野昌之原子力・立地本部長代理は「当初は170ミリシーベルト以上被ばくした3人について説明していた。隠していたわけではない」と話した。【鳥井真平】
法定外税の拡大/住民意思に基づき活用せよ
福島第1原発の事故に見舞われた福島県が、東京電力から徴収してきた核燃料税を打ち切る方向で検討を始めた。そこには、もう原発由来の税収など当てにしないという決意のほどがにじんで見える。つくづく租税とは、住民意思の表れだということが分かる。
地方税法に定める税以外で、自治体が条例で独自に新設する税を法定外税という。
宮城、福島など11道県が取り入れている核燃料税はその代表格。東北では6県全てが導入している産業廃棄物税、青森県の核燃料物質等取扱税がある。
2010年度の決算ベースで法定外税を導入しているのは全国で延べ56自治体。総徴収額は516億円に上るが、地方税収全体に占める割合は、わずか0.15%にすぎない。
課税自主権の活用が進んでいるとは言い難い現状を踏まえ、総務省の研究会は先日、自治体が法定外税を新設する際に国の関与を縮小するよう求める最終報告案を取りまとめた。
現行の地方税法では、法定外税を導入しようとする自治体は、国と協議して同意を得なければならない。税制を通じて地域の自主性を高めることが法定外税を導入した目的だったが、実際には自治体の裁量権に枠がはめられていた。
研究会は(1)国と自治体が協議する仕組みは残しながらも、国の同意は必要としない(2)課税額が大きすぎたり、国の経済政策に重大な影響を与えたりする場合に限って同意を必要とする-の2案を併記した。どちらにしても実現すれば、国の関与は大幅に縮小する。
ここまで国がお膳立てしても、宮城県内のある首長は「徴税の手間が増えるだけ」と、課税自主権の行使に後ろ向きだ。「財政に余裕があるわけではないが、そうかといってこれまで同様に自主財源と国からの補助金、交付税交付金を受け取っていれば何の支障もない」と話す。
「お金は欲しいが、責任は取りたくない」という首長の本音が透けて見える。
研究会が報告案に込めたメッセージは、国への依存体質を改め、積極的に課税自主権を行使するぐらいの気構えがなければ、地方分権の進展など到底おぼつかないという叱咤(しった)にほかならない。
制度を単なる絵に描いた餅にしてしまうか、魂を吹き込めるかは、自治体のやる気次第だ。
もうひとつ忘れてならないのは、法定外税を新設する際の住民への説明だ。
例えば核燃料税などは、地域住民に負担を強いない企業への課税ということもあって、どこかに「取れるところから取る」という安易な発想はなかっただろうか。
自分たちが負担した税は自分たちの地域にどう還元されるのか、税負担の公平性や妥当性はどうか、などと話し合う中から自治への参加意識も育まれる。
租税とは、すぐれて住民自治でもある。「米びつ」を大きくする工夫はその第一歩だ。
2012年11月03日土曜日
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震災関連死、仙台237人、石巻223人 66歳以上が9割
復興庁は2日、東日本大震災の避難生活で体調を崩すなどして亡くなり、9月末ま でに「震災関連死」と認定された1都9県の2303人の詳細を公表した。市町村別では南相馬市が336人で最も多く、仙台市の237人、宮城県石巻市の 223人、福島県浪江町の192人と続いた。約9割の2070人が66歳以上だった。死亡時期は、震災から「1週間以内」が423人で、「1週 間超~1カ月以内」が651人、「1カ月超~3カ月以内」が581人。3カ月を超えてから亡くなった648人のうち福島県は500人だった。東京電力福島 第1原発事故で長期避難を強いられる住民が多かったことが影響したとみられる。
都県別は福島が1121人、宮城812人、岩手323人、茨城37人。千葉、長野が各3人、山形、埼玉、東京、神奈川は各1人だった。
復興庁は福島県の関連死対策を強化するため、県と合同の対策チーム設置を決めている。
2012年11月03日土曜日
「原子力の課題、認識深める」 青森14町村長が東通原発視察
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参加したのは、外ケ浜町、蓬田村、鶴田町など原発が立地していない地域と大間町を含めた14町村の首長ら。福島第1原発事故を受けた安全強化対策の一環として、東北電力が整備している防潮堤や大容量電源装置、同社の活断層調査の現場などを見て回った。
視察後、関村長は「県内全域から集まった若い作業員も多く、原発に関する経済と雇用への影響は大きいと思った。今後も原子力の課題について認識を深め合っていきたい」と話した。
有志らは2日、電源開発が建設中の大間原発も視察する予定。
2012年11月03日土曜日
原子力規制委が断層調査 大飯停止なら供給予備率マイナス9% (1/2ページ)
原子力規制委員会の現地調査団は2日、関西電力大飯原発(福井県)で敷地内断層を調査し、試掘溝の中を確認した。4
日には都内で評価会合を開き調査結果を議論する。活断層の疑いが強まれば、稼働中の3、4号機の運転停止を関電に求める方針。政府は、大飯原発が停止すれ
ば、今冬の関電管内の供給予備率(最大需要に対する供給余力)は、他社から融通を受けてもマイナス9.1%になると試算しており、規制委の判断が注目され
る。
調査の対象は、1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北に走る「F-6断層(破砕帯)」で、3、4号機の冷却に用いる非常用取水路の真下を走るとみられる。近くの活断層と連動し、地盤をずらして設備に損傷を与える危険性が指摘されている。
藤村修官房長官は2日の記者会見で、大飯原発が稼働停止した場合の電力需給の試算を公表した。有識者からなる需給検証委員会がまとめたもので、来年1月の 関電管内の予備率は現在、安定供給に最低限必要な3%を上回る5.2%と見込んでいるが、大飯原発が稼働停止すれば一気に危機的な水準に落ち込む。
検証委の資料によると、大飯原発が稼働停止した場合、直接影響で236万キロワット、夜間の余剰電力を使う揚水発電が活用できなくなることで198万キロワットの供給力が失われる。調査の対象は、1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北に走る「F-6断層(破砕帯)」で、3、4号機の冷却に用いる非常用取水路の真下を走るとみられる。近くの活断層と連動し、地盤をずらして設備に損傷を与える危険性が指摘されている。
藤村修官房長官は2日の記者会見で、大飯原発が稼働停止した場合の電力需給の試算を公表した。有識者からなる需給検証委員会がまとめたもので、来年1月の 関電管内の予備率は現在、安定供給に最低限必要な3%を上回る5.2%と見込んでいるが、大飯原発が稼働停止すれば一気に危機的な水準に落ち込む。
北陸、中国、四国の3電力から5%の予備率を超える分について融通を受けることにより、46万キロワットの供給力の積み増しが期待できるほか、事前の契約 に基づく大口需要家の需要抑制で27万キロワット分を捻出できるとしているが、これらを合わせても稼働停止の穴は埋めきれず、最終的に228万キロワット の電力が不足する。
仮に不足分を、同じ周波数帯の西日本6電力(中部を含む)で融通し合うと、来年1月時点の各社平均の予備率は5.3%から0.5%に低下すると予測されており、最低限必要な3%を維持できない。
関電は、大飯原発を停止させる場合、定期検査で来年1月11日から稼働停止する予定の海南火力発電所3号機(和歌山県)の継続運転で対応するとみられる。
だが、同火力の出力は60万キロワットで完全には穴を埋めきれない。供給面での対応には限界があり、大飯原発が止まれば国民生活や経済活動への影響が避けられない。
官邸前の脱原発デモ 公園使用認められず、即時抗告
首相官邸前で毎週金曜日に行われている脱原発抗議行動の主催団体、首都圏反原発連合は2日、今月11日に予定しているデモで東京・日比谷公園の使用が東 京都に認められなかったとして、都に対し使用許可を仮に義務付けるよう東京地裁に申し立て、却下されたと明らかにした。申し立ては10月30日付。団体側 は即時抗告した。申立書によると、団体は11日に国会や霞が関で脱原発を訴えるデモや抗議行動を企画。日比谷公園を集合場所として、9 月に公園事務所に使用申請したが「公園管理上の支障がある」などとして拒否された。団体は今年3月と7月にもデモを実施し、その際には同様の申請をして認 められた。
[ 2012年11月3日 06:00
原子力規制庁「拡散予測」訂正で陳謝
道府県の原子力防災担当者が集まった連絡会議が2日、都内で開かれ、原子力規制委員会の事務局である原子力規制庁の担当者が、原子力災害対策指針や原発事故時に放射性物質が拡散する範囲を予測したシミュレーションについて説明した。県はそれらを踏まえ、来年3月までに新たな地域防災計画の策定を目指す。年内にも検討部会を開き、計画作りを急ぎたい考えだ。
会議の冒頭、原子力規制庁の黒木慶英原子力地域安全総括官が、シミュレーションの一部に誤りがあったことに触れ、「重点的に対策をとるべき地域の指定に役立ててほしいという思いで行ったが、逆に一部の関係自治体には多大な迷惑と不安を与えた」と陳謝した。
シミュレーションについては、原子力規制委が先月24日に公表したが、29日に6原発で訂正があったと発表。東海第二発電所(東海村)は、7日間の積算被曝(ひばく)線量が100ミリ・シーベルトに達する最も遠い地点が、南南西13キロのひたちなか市から同市の南西13キロに訂正された。
会議は非公開で、指針やシミュレーション、原子力規制庁の組織に関する説明があったほか、地域防災計画策定のためのマニュアルが11月中にも作られることが示されたという。出席した県原子力安全対策課の黒沢一男副参事は会議後、防災対策の重点区域(UPZ=緊急時防護措置準備区域)の目安が30キロ圏とされる一方、 シミュレーションの拡散地点の最大が13キロだったことについて、「どちらを採用すればいいのか明確にしてほしい」と述べた。防災計画作りでは、「どの基 準で誰が何をやるのかを書き込み、具体的なものにしたい」と話した。
(2012年11月3日 読売新聞)
過去の活動示す粘土層 規制委「破砕帯」で確認
原子力規制委員会が2日に関西電力大飯原子力発電所(おおい町)で行った現地調査。問題となった断層「F―6破砕帯」が活断層かどうかの結論は出 なかったが、活断層にもある「軟らかい粘土層」が新たに見つかるなど、関電が先月末に規制委に提出した中間報告との食い違いが鮮明になった。規制委の評価 会合は4日に開かれる予定で、調査団の判断が注目される。(島田喜行、布江田嘉一、藤戸健志)
調査団は、午前10時から、関電の担当者に説明を求めながら、断層面を掘り出した溝(トレンチ)や、深い穴を掘って採取した地層試料などを丹念に観察した。
関電が「確認できなかった」としていた粘土層は、1、2号機北側のトレンチで見つかった。調査後の会見では、メンバー5人全員が、断層活動によって生じたと認めた。
ただ、活動した年代については、立命館大の岡田篤正教授は「まだこれから資料を寄せ集めて考えるべき」、信州大の廣内大助准教授は「いつ動いたのかや、どう連続するのかについてはもう少し調べる必要がある」などと明言を避けた。
現地調査で得られた資料を精査し、今後判断するという。
一方、敷地北部の海岸に近い斜面で掘られたトレンチでは、関電が「F―6破砕帯は確認できなかった」としていたが、東洋大の渡辺満久教授が「関電 が従来示していた位置とは違うが、はっきりした破砕帯があった。F―6破砕帯の延長と考えられる」と指摘。「地層の年代ははっきりしないが、過去に動いた ことは確認できた」と付け加えた。
◇「大飯運転停止 国に申し入れを」
京都府の市民団体のメンバーら3人が2日、県庁を訪れ、関西電力大飯原発3、4号機(おおい町)の運転停止を国に申し入れるよう求める声明文を提出した。
声明文は、関西広域連合が「大飯原発の再稼働がなくても今夏の電力は足りた」とする検証結果を公表したことなどをきっかけに10月、市民団体がまとめた。全国167の市民団体と607人の個人が賛同したという。
メンバーの一人で、南丹市に住む児玉正人さん(69)は「冬は、原発事故時に放射性物質が北風で広く拡散するうえ、積雪で避難が難しくなる。電力が安定供給できる今、積極的に原発を動かす理由はない」と話した。
◇原発事故時の避難 近隣住民優先的に
首相官邸で2日に開かれた全国知事会議で、西川知事は、原発事故時の住民避難に触れ「被害のリスクや大きさなどを考えると、発電所に近い地域が大事だ」と述べ、原発近くの避難対策について自衛隊や海上保安庁などとの協議を優先的に進め、その後に周辺地域の住民らの避難を考えるべきとの考えを示した。
これに対し、野田首相は「万が一の事故を想定し、各省庁の垣根を越えた防災体制を築き上げることが重要だ。原子力規制委員会が策定する指針に基づき、地域防災対策の充実に取り組む」と答えた。
また、西川知事は、政府と原子力規制委員会のどちらが原発の再稼働の最終判断をするかがはっきりしていない現状について「再稼働の判断基準や手続きをあいまいなまま放置せず、政府として決断して」と、野田首相に苦言を呈した。
(2012年11月3日 読売新聞)
防災相「静岡空港に整備」 基幹的防災拠点
下地防災相は2日、川勝知事と内閣府で会談し、災害時に活動拠点となる「基幹的広域防災拠点」を静岡空港に整備する意向を伝えた。下地防災相は「来年3月には静岡空港を拠点に認定して、正式な手続きに入りたい」と述べた。知事は中部電力浜岡原発が事故を起こした際の対応拠点となる「オフサイトセンター」を敷地内に整備する考えを明らかにした。
国の基幹的広域防災拠点は、首都圏に2か所、関西圏に1か所が指定されているが、東海地震などが想定される中部圏では整備されていない。県は静岡空港の西側に隣接する県有地20ヘクタールを候補地として、国に整備を働きかけていた。今年9月の県総合防災訓練では、静岡空港が拠点機能を果たせるかの検証が行われ、物資の受け入れや重症患者を航空機で被災地外に搬送する訓練などが行われた。10月には下地防災相が静岡空港を視察した。
中部圏の基幹的広域防災拠点として、静岡空港の整備が正式に決まるのは、2013年度末となる見通しだが、下地防災相は「正式決定してからの予算要求となると、1年間が無駄になる」と述べ、来年3月までには整備の方向性を決定するとの意向を示した。
また、下地防災相は、静岡空港の周辺には東海道新幹線が走っていることを指摘し、「使い勝手が非常にいい。日本にとっても大事(な拠点)で、防災以外にも使えるのではないか」と述べ、さらなる可能性を検討する意向を示した。
知事は「大臣のスピード感を持った決断や行動力を感じている」と謝意を示した。
また、知事は会談で、基幹的広域防災拠点の敷地内に浜岡原発の「オフサイトセンター」を整備する考えを示した。県は、オフサイトセンターの設計費などを盛り込んだ補正予算案を県議会12月定例会に提出する方針だ。
オフサイトセンターの立地に関しては、従来は「原発から20キロ圏内」とされてきたが、東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえ、「原発から5キロ以上30キロ未満」と改められた。浜岡原発と静岡空港の距離は約20キロ。現在のオフサイトセンターは同原発から2・3キロにあり、現在地からの移転が急務となっている。
(2012年11月3日 読売新聞)
大飯原発の断層調査、様々な意見 規制委、4日に再検討
大飯原発の敷地内を走る断層(破砕帯)を調査する原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理とメンバーら=2日午前10時11分、福井県おおい町、高橋正徳撮影 |
大飯原発の敷地内を走る断層(破砕帯)を調査する原子力規制委員会のメンバーや関西電力社員ら=2日午前10時3分、福井県おおい町、高橋正徳撮影 |
原子力規制委員会が現地調査を行った大飯原発。中央手前に見える地面が露出した場所などで断層を見た=2日、福井県おおい町、朝日新聞社ヘリから、水野義則撮影 |
大飯原発の活断層調査 |
現地調査には島崎氏のほか、外部から4人の専門家が参加。関電が実施している掘削地点2カ所で、断層を直接観察した。
島崎氏は調査後、「日曜日(4日)に私の判断をお伝えする」と述べるにとどめた。
緊張感のない仕事
2012年11月3日何ともお粗末でした。原子力規制委員会が公表した全国十六の原子力発電所で重大事故が起きた場合の放射能拡散予測マップは、公表から一週間足らずで訂正されました。規制委は「緊張感がなかった」と頭を下げました。
ミス公表以前から予測の精度は疑問視されていました。地形や風速の変化などが考慮されていないからです。規制委は「目安」としていましたが、ミスの言い訳にはなりません。
福島原発事故から一年半以上。国の対応に先んじて、すでに独自の調査を実施した自治体もあります。
たとえば、敦賀原発の大事故を想定した岐阜県の調査では最悪の場合、百キロ以上離れた場所で年間被ばく線量が二〇ミリシーベルト超となる恐れがあるとしています。これ以前には滋賀県が光化学スモッグ調査システムを利用した予測をしています。
規制委は十月三十一日に原発事故時に避難準備が必要な防災重点地区を原発三十キロ圏に拡大した「指針」を決めました。対象の人口は四百八十万人に 増え、自治体も三倍になりました。実効性のある防災計画をつくるためにも精度の高い情報は欠かせません。守るのは住民の命。緊張感のない仕事は許されませ ん。
(名古屋本社編集局次長・榎本衆)
【福井】
原発と共存の住民が複雑な思い
2012年11月3日活断層が認められれば全国で運転中の原発が再びゼロになる可能性も-。原子力規制委員会による断層調査が二日に実施された関西電力大飯原発(おおい町)。周辺は平穏だったが、長年原発と共存してきた住民らは複雑な思いで見守った。
大飯原発の正門前には「特別警備実施中」の札が立ち、十人ほどの警備員が作業車を一台ずつ止めて、入門許可証を点検していた。
六月末に大飯原発3、4号機の再稼働をめぐって三百人規模の反対活動があったため、関電は正門の警備を強化中で、厳重ぶりが目立つ。この日は市民グループが来ることもなく混乱はなかった。
周辺住民の思いは交錯している。町中心部に住む二十代の主婦は、幼い息子に手をやりながら「もっと早くに調べてほしかったのが正直な気持ち。危険がないかちゃんと確認してほしい」と訴えた。
原発近くの地域で作業員向けの民宿を営む中谷弘三さん(60)は「活断層が見つかって原発が止まると、生活が不安」と漏らす。再稼働後も月の半分は開店休業の状態。「国が原発を動かしたり止めたりするのは勝手だが、地元の生活は落ち着かない」とこぼした。
隣接する小浜市の長谷川秀光さん(28)は大飯原発で配管修繕の下請け作業をしている。「仕事がなくなるので、調査で何も問題が出なければいいけど…」と気をもんだ。
一方、原発敷地内には九十人近い報道陣が詰め掛けた。調査団への取材をめぐり、原子力規制庁職員が「取材に応じるかどうかは個々の気持ち次第」などと答えたことに報道陣が反発して騒然とする場面も。国会議員三人も訪れ報道陣とともに調査の行方を見守った。
(帯田祥尚、増井のぞみ)
県内自主避難に家賃補助 県方針
東京電力福島第一原発事
故を受け、県内で自主避難生活を送っている住民に対し、県は2日、新たに家賃補助を行う方針を固めた。放射線量が比較的低い地域に移った住民のうち、妊婦
や18歳以下の子供がいる世帯が対象。避難生活が長期化していることや、既に補助を受けている県外避難者とのバランスを考慮した。
県関係者によると、県内の自主避難者に対する家賃補助制度は、今月分の家賃から適用される見通し。1日時点でアパートなどを借りて避難生活を送っていることが条件で、「借り上げ住宅(みなし仮設住宅)」に近い形となる。
県は震災後、津波の被災者や原発事故による避難指示区域の住民らに対して、みなし仮設住宅制度を導入。4人家族6万円、5人以上9万円までの物件について、家賃を全額補助している。
それ以外の地域の住民でも、新潟や山形県に自主避難した場合、県は同様の家賃補助を実施。受け入れ先の自治体がいったん避難者に家賃を補助し、後から県に請求する仕組みだ。一方、県内で別の地域に自主避難した住民は対象から外れていた。「避難指示が出た地域の住民の支援を優先するのが原則」(県幹部)との理由から だ。これに対し、県内の自主避難者のグループなどが「自分たちも避難したくて避難したわけではない。不公平だ」などと訴え、補助対象に加えるよう県に要望 していた。
県も、自主避難の長期化に加え、避難指示区域の住民の住宅確保に一定のめどがたったことから、補助対象を拡大する方向で検討してきた。ただ、財政上の問題もあり、妊婦や18歳以下の子供がいる家庭に限定することにした。
(2012年11月3日 読売新聞)
透析患者団体が東電に賠償請求
2012年11月03日透析の患者団体「県腎臓病協議会」(二本松市)は1日、原発事故で精神的、身体的な被害があったとして、東京電力に損害賠償を請求した。患者1人あたり120万~40万円の支払いを求めている。
同協議会は「避難する間に透析の時間や回数が減り苦痛を受けた」と説明。県内約5千人の透析患者について、居住地ごとに五つにわけ、それ ぞれ一律の賠償をするよう求めている。同会の吾妻政光会長は「弱者への特別な配慮を求めたい」と話している。これに対し東電は「しっかり対応、検討させて 頂きたい」としている。
透析は機能が悪化した患者の腎臓に代わり、血液から老廃物や余分な水分を除く治療法。定期的に受け続けないと体調が悪化し、命にかかわる。原発事故後、被災地で病院が閉鎖したため、県外避難を強いられた患者が少なくない。
告発の原発作業員、朝日新聞に語る
2012年11月03日●「被曝労働の実態 改善して」
福島第一原発事故の収束作業で被曝(ひばく)させられたと、東京電力の責任を問い、元請け会社の関電工を告発した作業員(46)=いわき 市在住=が、朝日新聞の取材に応じた。作業員は「被曝労働の実態を明らかにして、今後の作業環境を改善してほしい」と訴えた。支援する弁護団は「何次にも わたる下請け構造が無責任体制の根源にある」と批判している。
●湯気立つ水面「あり得ない」
階段下の地下室をヘッドライトが照らした。うっすら湯気の立つ水面が見えた。「あり得ない」。たまり水は、高濃度の放射性物質で汚染された水だ。家で待つ子どもの顔が脳裏に浮かび、身体が震えた――。
原発事故からまもない昨年3月24日午前のことだった。福島第一原発3号機。原子炉タービン建屋に関電工社員らと6人で入った。地下室の電源盤にケーブルをつなぐ作業にとりかかった。
作業を開始して数分後、線量計の警告音が次々と鳴りだした。設定は毎時20ミリシーベルト。動揺する作業員に、関電工の社員は「故障もあるし、誤作動もある」となだめた。
地下への階段に身を乗り出すと、線量が高くなり、コンクリートの壁に隠れると低くなった。
茨城県内の高校を中退し、さまざまな職業を経験。6年前から原発の電気設備会社の従業員として働いていた。
「線量も確認せず、たまり水に触れてはならない」。常識のはずが、同僚作業員は水深15センチほどの水に足をつけて作業していた。くるぶしまでつかった水は「生温かかった」という。
階段を地下まで降りて、ケーブルを手すりに縛り付けるよう指示されたが、断った。それでも小一時間の作業で、線量計の値は11ミリシーベルト。たまり水に入った関電工の社員2人は173~180ミリシーベルトを浴びて、福島市の県立医大に緊急搬送された。
その後、広野火力発電所や新潟県の柏崎刈羽原発、青森県六ケ所村の施設など、被曝量の低い仕事にまわされた。だが、今年3月16日以降、仕事が来なくなった。事実上の解雇状態だ。今は土木作業や除染作業で妻子を養う。
「被曝事故は起きたのではなく、起こされた。我々は高線量を浴びさせられて使い捨てか」。そう悔しがる。
原発収束作業にたずさわる末端作業員の立場は不安定だ。被曝線量の上限に達すれば、作業員として働くことができなくなる。
「あのときは長靴も履いていなかった。指示に従って地下に降り、そのまま作業を続けていたら死んでいたかもしれない。これから何年後かに自分の健康がどうなるかも分からない」。あの体験で生じた不安はいまも消えない。
●背景に下請け多重構造
作業員の告発に、東電は「現場作業者の作業環境と放射線の安全管理については引き続き徹底していきたい」とコメントした。
しかし、原発作業員の被曝線量のずさんな管理や被曝事故時の無責任な体制などが、次々と明るみに出ているのはなぜか。
背景にあるのは複雑な下請け関係だ。今回の事故では現場にいた東電の作業チームは毎時400ミリシーベルトの放射線量を知ってすぐに撤収。一方、作業員のチームはそのまま作業を継続していた。
下請けの多重構造が、末端作業員の労働安全や健康管理の責任をあいまいにしている――。日本労働弁護団の水口洋介弁護士らはそう指摘する。
労働安全衛生法31条は、直接の雇用関係がなくても、特定事業で発注者が労働者の災害防止措置をとるよう義務づける。ただ、法令の指定は 建設業や造船業などに限られ、原発事業の位置づけは明確ではない。これが「責任追及の壁」になっているとし、弁護団は法の不備の是正も求める。
「私はたまたま、いろんな人の助けがあって訴えることができたけれど、ほとんどの労働者は職を失うから口を閉ざすしかない」。作業員はそう語った。
今後は事故収束だけでなく廃炉作業でも、高線量下で働く原発作業員の力が必要だ。それも廃炉まで何十年と続く。「こんなことをやっていたら、作業に従事する人が本当に集まらなくなる」。予期せぬ被曝をさせられてしまった作業員の警告だ。(本田雅和)
原子力発電所の地元自治体トップらが枝野経産相と面会
原子力発電所の地元自治体のトップらが、枝野経済産業相と面会し、原発停止にともなう支援を要請した。
福井・敦賀市の河瀬市長は「原発の長期停止が立地地域の経済、産業に大きな影響を与えている」と述べた。
「全国原子力発電所所在市町村協議会」の河瀬会長(福井・敦賀市長)は2日、経産省を訪れ、枝野経産相に原発停止にともなう実態の調査や、損失補償、雇用確保などの支援策を求めた。
これに対し、枝野経産相は「中期的な対策と足元の対策が重要で、できることから着実に進めたい」と述べた。
(11/02 20:39
有識者への寄付金などを公表
11月3日 4時34分
原子力発電所の運転再開の判断の前提となる新たな安全基準を検討する外部の有識者6人について、原子力規制委員会は電力会社などからの寄付金や報酬の総額をホームページで公表しました。すべて自己申告制で、最も多い人で総額2714万円となっています。
原子力規制委員会は、外部の有識者から意見を聞く際、透明性や中立性を確保するため、電力会社などからの寄付金や報酬について自己申告を求め公表する方針を定めています。
この方針に基づいて先月、立ち上げた運転再開の判断の前提となる新たな安全基準を検討する会議の有識者について寄付の状況などを調べ、ホームページで公表しました。
そ れによりますと、この3年間に6人のうち4人が、電力会社やメーカーから寄付金や共同研究などの報酬を受け取り、総額は、最も多い人で2714万円、最も 少ない人でおよそ300万円でした。規制委員会の内規では、個別の原発を審査する場合などを除き、寄付金や研究費を受け取ることを認めていて、その代わ り、自己申告するよう求めています。
ただ、自己申告の内容については、個別にチェックはしないということです。
値上げする電力会社の経営努力は十分か
- 2012/11/3付
値上げは家計や企業の負担を増やし、経済を停滞させかねない。電力会社は影響の大きさを認識し、最大限の経営効率化に取り組んでもらいたい。安全が確保できた原発については政府が再稼働させる道筋をつけることも必要だ。
原発を持つ電力会社9社の2012年4~9月期連結決算は、北陸電力を除いた8社が最終赤字になった。原発が再稼働せず、燃料費負担の増大が続けば、債務超過への転落も現実味を増す。
電力を安定供給するには、値上げ申請はやむをえない部分もある。だが経済への影響を考えれば、値上げ幅はできるだけ抑えたい。政府の認可が必要な家庭用料金については厳格に査定すべきだ。
東京電力が5月に申請した家庭向け料金の引き上げを機に政府は、人件費の水準や、盛り込む費用の内訳など料金原価の計算ルールを見直した。関電などの申請も、これに沿っているかどうか見極める必要がある。
電力会社は値上げを繰り返さないためにも、抜本的な経営改革に踏み込まなければならない。設備投資の先送りなどのコスト削減策を示しているが、十分とはいえない。国際的に割高な液化天然ガス(LNG)の購入費の引き下げや資材調達の工夫など、見直しの余地はまだある。
政府は電力小売りの全面自由化など、競争を促す電力市場改革も急ぐべきだ。「地域独占」に守られてきた電力会社に、高コスト体質からの脱皮を迫る必要がある。
それでも火力依存が続けば、燃料費は経営努力を上回るペースで増える。日本エネルギー経済研究所の試算では、燃料費の追加負担は20年までに24兆円となる。国富が流出するうえ、電気料金の上昇が日本企業の国際競争力を弱め、国内の空洞化が進みかねない。
こうした影響を避けるには原発の利用を考えざるをえない。政府がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」は、安全が確認できた原発は再稼働 させるとしている。原子力規制委員会が発足し、再稼働の前提となる新しい安全基準作りも始まった。規制委には作業を滞りなく進めるよう求めたい
大飯原発、活断層の可能性指摘 規制委、追加調査も示唆
2012年11月02日19時50分
原子力規制委員会(田中俊一委員長)は2日、現地調査団を派遣して、関西電力大飯原発(福井県)の敷地内をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」を調査
した。延長部分とみられる断層が新たに確認され、調査団の専門家は活断層の可能性を指摘。団長役の島崎邦彦委員長代理は「必要であれば(関電に)再調査を
求める可能性も選択肢の一つ」と追加調査を示唆した。
調査団は敷地内に掘られた試掘溝で地層を見たほか、ボーリングで採取した試料も確認。
調査団の渡辺満久東洋大教授は、関電が「断層はない」とする敷地北側の試掘溝内でF―6断層の北部延長とみられる断層を確認したと明らかにした。
調査団は敷地内に掘られた試掘溝で地層を見たほか、ボーリングで採取した試料も確認。
調査団の渡辺満久東洋大教授は、関電が「断層はない」とする敷地北側の試掘溝内でF―6断層の北部延長とみられる断層を確認したと明らかにした。
【写真】関西電力大飯原発の敷地内断層の調査で、ボーリング調査のサンプルを確認する原子力規制委員会の調査団ら=2日午後、福井県おおい町
東電「福島本社」設立で調整へ
11月3日 2時14分
東京電力は、原発事故に伴う賠償や除染への対応に万全を期すため、こうした業務を担当する本社機能を全面的に福島県内に移し、新たに「福島本社」と位置づけて、現地の体制を4000人を超える規模とする方針を固め、調整を進めることにしています。東京電力は、福島第一原発の事故による被害者への賠償や除染、それに最長で40年と見込まれている原発の廃炉の実施が最も重要な経営課題となっています。
こ れらについて東京電力は、東京の本店で重要な決定などを行ってきましたが、地元の自治体や住民の意向が十分に反映されていないといった指摘が多いことか ら、こうした本社機能を全面的に福島県に移し、「福島本社」と位置づけて新たな拠点を設立する方針を固め、調整を進めることにしています。
東京電力は「福島本社」には東京本店の副社長級の幹部をトップとして数百人規模を東京から異動させ、これまで賠償の実務に当たってきた社員などを含めて福島県内で4000人を超える規模の人員を配置するとしています。
東京電力としては今後、こうした内容について福島県などとの調整を進めて、来週中にも発表する新たな経営方針に盛り込みたいとしています。
規制委、大飯原発で破砕帯調査 報道陣80人、現場緊迫 福井
2012.11.3
02:05
島崎邦彦・原子力規制委員長代理ら調査団5人が2日、関西電力大飯原子力発電所(おおい町)で実施した破砕帯「F-6断層」の現地調査。調査団は 降雨の中、レンチという溝などで念入りに地層を見て、岩石の種類などを確認したが、活断層の疑いが強い場合は稼働中の3、4号機が停止する可能性もあるだ けに、上空には報道各社のヘリコプターが旋回し、報道陣80人が周辺を取り囲むなど現場は異様な雰囲気に包まれた。
調査団の島崎委員長代理は冒頭、「天候が分からないが、よろしくお願いします」とあいさつ。関電の豊松秀己副社長は「指示があれば、あらゆることに対応していく」と述べた。
調査団は午前10時、大飯2、3号機の間の山に掘られた溝(縦15メートル、横40メートル、深さ5メートル)に移動。ヘラで斜面を削るなどして地層を確認した。
一方、現地調査前に報道陣が調査団への取材を要望すると、規制委の広報官が「判断に影響を与えないように、外部からの圧力から守るのが役目です」とこたえたため、報道陣が反発。広報官は「要望だけは伝える」と述べた。
また、調査中、民主党の橋本勉ら衆議院議員3人が来訪。政治からの独立を掲げる規制委側は「『国民の代表として調査を見届ける』というので、許可した」と理由を述べた。
島崎邦彦・原子力規制委員長代理ら調査団5人が2日、関西電力大飯原子力発電所(おおい町)で実施した破砕帯「F-6断層」の現地調査。調査団は 降雨の中、レンチという溝などで念入りに地層を見て、岩石の種類などを確認したが、活断層の疑いが強い場合は稼働中の3、4号機が停止する可能性もあるだ けに、上空には報道各社のヘリコプターが旋回し、報道陣80人が周辺を取り囲むなど現場は異様な雰囲気に包まれた。
調査団の島崎委員長代理は冒頭、「天候が分からないが、よろしくお願いします」とあいさつ。関電の豊松秀己副社長は「指示があれば、あらゆることに対応していく」と述べた。
調査団は午前10時、大飯2、3号機の間の山に掘られた溝(縦15メートル、横40メートル、深さ5メートル)に移動。ヘラで斜面を削るなどして地層を確認した。
一方、現地調査前に報道陣が調査団への取材を要望すると、規制委の広報官が「判断に影響を与えないように、外部からの圧力から守るのが役目です」とこたえたため、報道陣が反発。広報官は「要望だけは伝える」と述べた。
また、調査中、民主党の橋本勉ら衆議院議員3人が来訪。政治からの独立を掲げる規制委側は「『国民の代表として調査を見届ける』というので、許可した」と理由を述べた。
県内市町村研究会、避難計画指針を策定 原発事故時の風向き考慮 新潟
2012.11.3
02:03
県内全30市町村でつくる原子力安全対策に関する研究会は2日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の事故時に自治体がとるべき行動指針「避難計画(暫 定版)案」をまとめた。風向きに応じた避難方法を取ることを柱に、人数や移動手段、避難先の収容数を考慮し、旅館やホテルも避難先の選択肢としたほか、自 家用車による避難を前提とするよう定めた。各市町村は指針を踏まえて地域防災計画を策定し、原子力規制委員会へ年度内に提出する。市町村レベルの指針策定 は全国で初めて。
指針は県地域防災計画や国の法令を基に、原発から50キロ圏内を中心に県内の市町村を4つの区域に分類。事故時の風向きごとに各自治体の避難先を調整した。ただ風向きによっては避難先の収容数が足りず、県外の受け入れ先を探すよう県に要請する必要があるとしている。
この日の会合では、風向きごとの10パターンの避難対象人口の試算。西風の場合、長岡市を中心に19万9500人に達し、最大規模になるとしている。
原子力規制委員会によると、原発から30キロ圏の人口は43万5433人。事故時にただちに避難することが必要な5キロ圏の柏崎市は1万6600人、刈羽 村は全域で4900人。その避難先について、柏崎市と刈羽村は新潟・村上、湯沢・魚沼、糸魚川・妙高としたが、糸魚川・妙高では受け入れ能力が不足する可 能性もあるとした。
研究会代表幹事の森民夫・長岡市長は「パニックにならないように30市町村が連携し危険を回避することが大事」と話し、防災計画を策定していくに当たり、意識を共有していくことが重要との認識を示した。
また、東電と結ぶ安全協定の基本方針を示し、原則30キロ圏内の市町村が現地確認などができる場を設置することなどを盛り込むことで一致した。同協定は東電との紳士協定になるため、国に法的位置付けを求めることも確認した。
県内全30市町村でつくる原子力安全対策に関する研究会は2日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の事故時に自治体がとるべき行動指針「避難計画(暫 定版)案」をまとめた。風向きに応じた避難方法を取ることを柱に、人数や移動手段、避難先の収容数を考慮し、旅館やホテルも避難先の選択肢としたほか、自 家用車による避難を前提とするよう定めた。各市町村は指針を踏まえて地域防災計画を策定し、原子力規制委員会へ年度内に提出する。市町村レベルの指針策定 は全国で初めて。
指針は県地域防災計画や国の法令を基に、原発から50キロ圏内を中心に県内の市町村を4つの区域に分類。事故時の風向きごとに各自治体の避難先を調整した。ただ風向きによっては避難先の収容数が足りず、県外の受け入れ先を探すよう県に要請する必要があるとしている。
この日の会合では、風向きごとの10パターンの避難対象人口の試算。西風の場合、長岡市を中心に19万9500人に達し、最大規模になるとしている。
原子力規制委員会によると、原発から30キロ圏の人口は43万5433人。事故時にただちに避難することが必要な5キロ圏の柏崎市は1万6600人、刈羽 村は全域で4900人。その避難先について、柏崎市と刈羽村は新潟・村上、湯沢・魚沼、糸魚川・妙高としたが、糸魚川・妙高では受け入れ能力が不足する可 能性もあるとした。
研究会代表幹事の森民夫・長岡市長は「パニックにならないように30市町村が連携し危険を回避することが大事」と話し、防災計画を策定していくに当たり、意識を共有していくことが重要との認識を示した。
また、東電と結ぶ安全協定の基本方針を示し、原則30キロ圏内の市町村が現地確認などができる場を設置することなどを盛り込むことで一致した。同協定は東電との紳士協定になるため、国に法的位置付けを求めることも確認した。
東電、福島に「復興本社」 賠償・除染へ4000人
13・14年度経営方針、持ち株会社化も明記
- 2012/11/3 2:06
- 日本経済新聞 電子版
来週に発表する。東電と政府の原子力損害賠償支援機構は5月、総合特…
福島第一で大量被曝もう1人 東電、指摘受け一転発表
東電と元請けの関電工は地下の汚染水に入ったのは3人だけと公表してきたが、地下に入ることを拒んだ作業員が1日に記者会見し、3人とは別に地下に入った作業員がいると明らかにしたことを受け、従来の説明を改めた。
この被曝事故では、ケーブルの設置作業に当たった関電工2人、1次下請け1人、2次下請け3人の計6人のチームのうち、まず関電工と1次の計3人が地下 に入り、線量計の警報を無視して作業した。180ミリシーベルト前後の非常に高い線量の被曝をし、作業後に手当てを受けた。
規制委専門家、6人中4人が寄付金や報酬
- 2012/11/3 1:32
4人のうち大阪大大学院の山口彰教授は関西電力関連会社の原子力エンジニアリングから、名古屋大の山本章夫教授も同社などから、年間50万 円以上の報酬や謝礼を受け取った。寄付金や研究費は、山本教授が原発メーカーの三菱重工業などから少なくとも計2714万円、山口教授は日本原子力発電な どから計1010万円を得ていた。
阿部豊筑波大教授は東京電力技術開発研究所などから計約500万円、日本原子力研究開発機構の杉山智之研究主幹も原子燃料工業から計約300万円を受け取った。
規制委は、対象が限定されない原発の安全基準などの策定に関わる専門家は、報酬や寄付金などを公開するよう求めているが、メンバーから除外する規定は設けていない。原子力機構の渡辺憲夫研究主席と明治大の勝田忠広専任准教授は受け取っていなかった。〔共同〕
大飯原発の断層を調査 活断層なら運転中止も
関西電力・大飯原発の敷地内を走る断層が活断層である可能性が指摘されている問題で、原子力規制委員会 は2日、発足後初めて現地調査を行いました。4日に評価会合を開き、調査結果について議論する方針です。活断層と判断されれば、関西電力に運転停止を求め る方針で、国内で唯一稼働している原発が運転停止を迫られることになります。
規制委、原発立地自治体と防災会議
動画を他のプレイヤーで見る原発事故に備えた新たな防災指針がまとまったのを受け、原子力規制委員会は原発が立地する自治体の防災担当者らを集め、地域の防災計画づくりに向けて会議を開きました。
この会議は、原子力防災について国と地方の連携を強化しようと、原子力規制委員会が開催したもので、原発が立地する自治体など、26道府県の防災担当者が参加しました。
原子力規制庁の職員が先月31日にまとめられた、新たな防災指針について説明すると、自治体からは、「国は、どれだけサポートしてくれるのか。県境を越える避難の際は、国が調整役をはたして欲しい」などといった意見が出たということです。
各自治体は、来年の3月までに地域の防災計画を作ることになりますが、指針の改訂で初めて防災計画を作る自治体も多く、規制委員会は、今月中に、防災計画づくりのひな形などを作成したいとしています。(02日19:27)
大飯原発の再調査要請も 規制委、活断層か判断へ
- 2012/11/3 0:40
山頂付近のトレンチで見つかった「F-6破砕帯」(中央)を調べる原子力規制委員会の現地調査団(2日、福井県おおい町の関西電力大飯原発)=代表撮影
島崎氏は記者団に対し「情報が十分かどうか議論する必要がある」と指摘。「活断層の定義も踏まえ、総合的に判断したい」と述べた。調査団の メンバーで、活断層の可能性を指摘してきた東洋大の渡辺満久教授は「(見つかった断層は)活断層かどうかは現時点では分からないが、今までより疑いのレベ ルは上がった」との見解を示した。他のメンバーは現時点で活断層と判断する明確な理由はないと指摘した。
調査団は現地調査を踏まえ4日に評価会合を開く。活断層の有無を協議し、関電に追加調査を求める見通し。そのうえで活断層かどうかの判断を近く示す。
調査団が2日に調べたのは2号機と3号機の間を走る「F―6断層」。細かく砕かれた岩石などでできた断層で、原発の冷却に用いる非常用取水 路の真下を通っている。朝から夕方まで約8時間、関電が事前に掘り出した断層面の見える穴や岩盤などを視察。これまで見つからなかった新たな断層を海側で 確認した。
焦点は見つかった断層の年代だ。古い断層と規制委が判定すれば問題はない。だが、新しい年代に生成した活断層と判定すれば、規制委は大飯原発に運転停止を求める。
関電は「活断層を示唆するものはない」とする中間報告を10月末に規制委に提出した。これは12万~13万年前以降に動いた地層を活断層と する現在の耐震指針に基づいた判断。規制委は活断層の定義を「40万年前以降」に拡大する方針で、新定義を適用すれば、対象外だった断層が新たに活断層と 判定される可能性もある。地層の年代の推定は極めて難しく、専門家の間でも意見は割れる。
野田佳彦首相は2日、内閣記者会とのインタビューで「規制委員会の判断が出るなら、当然政府は尊重する」と述べた。
規制委は今後、東北電力東通原発(青森県)、北陸電力志賀原発(石川県)、日本原子力発電敦賀原発、関電美浜原発、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(いずれも福井県)の5原発でも断層調査を行う。
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■ 大飯原発、規制委が現地で断層調査
関西電力・大飯原発の重要施設の下を走るのは「活断層」なのでしょうか。2日、原子力規制委員会の調査団が現地調査に入りました。調査の対象となったの
は、敷地内を南北に走る「F6断層」です。これが「活断層」であるという疑いが強まれば、国内で唯一稼働している「大飯原発3、4号機」が運転停止となる
可能性があります。
「調査団のメンバーが、地下およそ10メートル深く掘り下げられたトレンチと呼ばれる溝を降りて、断層が安全上問題がないのかどうか、入念に調べています」(記者) 今年7月に再稼働した関西電力・大飯原発。国内で唯一稼働する原発に2日、原子力規制委員会の調査が入りました。2号機と3号機の間を南北に走る「F6破砕帯」と呼ばれる断層。これが活断層かどうかを見極めるためです。調査は4か所で行われました。 ここでいう活断層とは、「12万から13万年前以降に動いた断層」。調査団は、その跡があるかどうかを調べていきます。1号機と2号機のすぐ裏手にある山頂付近。硬い岩の塊が、中央を境に左右に2分しています。これが「F6断層」です。 「やわらかい。あまり安定していないかなという雰囲気」(東洋大学 変動地形学 渡辺満久 教授) 調査団の1人である東洋大学の渡辺満久教授は、3、4号機が再稼働する前から、「F6断層」が「活断層である可能性が捨てきれない」として、再調査の必要 性を指摘していました。渡辺教授が指摘するのは、およそ30年前、関西電力が大飯原発を建設する際に行った調査の断層図です。 南東側のスケッチには目立った問題は見られないものの、北西側のスケッチには岩盤と地層にズレが見られるというのです。 国は、こうした渡辺教授の指摘を受け、今年7月、関西電力に対して、断層の状態を再調査するよう指示。関西電力は先月31日、「活断層と示す結果は得られなかった」とする中間報告を提出しました。 調査に先立ち、原子力規制委員会の田中委員長は・・・ 「断層が横切って動く(活断層)であれば、これは指針上まずいわけで、(原発を)止めていただくというような判断をせざるを得ない」(原子力規制委員会 田中俊一 委員長、先月31日) 「F6断層」の上には、緊急時に原子炉を冷やすための海水用パイプが通っています。委員会は、「活断層の可能性が高い」と判定した場合、稼働中の3、4号機について、「止めてもらう判断をせざるを得ない」としています。 2日の調査後・・・ 「(動いた)その時代がいつかで、活断層かどうかという話になる。その結果が出ないと活断層とか危ないとかは判断できない」(信州大学 広内大助 准教授) 「もし必要なら、再調査ということが出てくることも可能性の一つとして考えられる」(原子力規制委員会 島崎邦彦 委員長代理) 委員会は、4日の会合で調査結果について評価する方針ですが、島崎委員長代理は、「関電に再調査を求める可能性も選択肢の1つ」と述べています。(02日23:51)
原子力規制委が活断層調査
/ 大飯原発で発足後初
原子力規制委員会(田中俊一委員長)の現地調査団は2日午前、関西電力大飯原発(福井県)で敷地内断層の調査を始めた。9月に発足した規制委による初の
調査で、4日には都内で評価会合を開き調査結果を議論する。活断層の疑いが強まれば、稼働中の3、4号機の運転停止を関電に求める方針。
野田政権は6月、敷地内断層の再調査をしないまま大飯3、4号機の安全性は確認できたとして再稼働を決めた。規制委の調査で活断層と判定されれば、政府の判断の是非も問われる。 調査団は島崎邦彦委員長代理(東京大名誉教授、地震学)ら専門家5人。 2012年11月02日 11時11分 |
報酬や寄付金、最高2714万円 規制委の4人、直近3~4年間に
2012年11月2日 23時42分原子力規制委員会(田中俊一委員長)は2日、原発の新たな安全基準検討チームの専門家6人について、電力会社などからの報酬や寄付金などの受け取り状況を公表した。4人が直近3~4年間にそれぞれ300万~2714万円を得ていた。
事務局の原子力規制庁は「ルールに従って選定しており、問題ない」としているが、こうした専門家の判断には電力会社などの意向が働きかねず安全規制の骨抜きにつながる恐れがある。
4人のうち名古屋大の山本章夫教授は関西電力関連会社の原子力エンジニアリングなどから年間50万円以上、原発メーカーの三菱重工業などから少なくとも計2714万円を得ていた。
'12/11/3
活断層の可能性指摘 大飯原発、規制委が初確認
原子力規制委員会(委員長)の調査団は2日、関西電力大飯原発(福井県)の敷地内をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」を調査、延長部分とみ られる断層が新たに確認され、調査団の専門家は活断層の可能性を指摘した。団長役の委員長代理(東京大名誉教授)は追加調査を示唆した。9月に発足した規制委による初の調査。4日に都内で開く会合で結果を評価する。活断層の疑いが強まれば、稼働中の3、4号機の運転停止を関電に求める方針。
島崎氏は「必要であれば(関電に)再調査を求める可能性も選択肢の一つ」と述べた。
F―6断層は、3、4号機の冷却に用いる重要設備「非常用取水路」の真下を走っているとみられる。近くの活断層と連動し、地盤をずらして設備に損傷を与える危険性が指摘されている。
調査団の東洋大教授は、関電が断層はないとしていた敷地北側の試掘溝内で、F―6断層の延長とみられる断層を確認したと明らかにした。断層がある地層の年代が分からず「今のところは(活断層であることを)否定できないという段階だ」としている。
南側の別の試掘溝では断層活動でできた粘土も見つかっており、調査団からは「地層が切れていた。年代を詰めないといけない」(立命館大教授)や 「地層を変位(ずれ)させる構造はあった。時代がいつなのか調べないと、活断層かは分からない」(信州大准教授)との声が上がった。
規制委は、原発の安全審査で「13万~12万年前以降に活動」としている活断層の定義を「40万年前以降」に拡大する方針を示しており、これまで考慮されなかった断層も活断層と認定される可能性がある。
調査団は5人。試掘溝の中で、へらで表面を削ったり写真を撮ったりしながら、岩の硬さや種類を確認。ボーリングで採取した試料も調べた。
野田佳彦首相は、共同通信などのインタビューで「規制委員会の判断が出るなら、当然政府は尊重する」と述べた。
規制委による断層調査は今後、東北電力東通(青森県)、北陸電力志賀(石川県)、日本原子力発電敦賀、関電美浜、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(いずれも福井県)の5原発でも実施される。
大飯原発断層、関電に追加調査要求も…規制委
関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)の敷地内にある破砕帯(断層)について、原子力規制委員会の島崎邦彦・規制委員長代理(66)らは2日の現地調査後、記者会見した。問題の破砕帯「F―6」について、活断層の疑いを指摘してきた渡辺満久・東洋大教授(56)(変動地形学)は記者会見で、かねて考えられてきたの とは違う場所で断層が動いた形跡を確認したことを明らかにし、「今までと比較して(活動性の疑いの)レベルが上がったと思う」と語った。
規制委は、調査結果に関する評価会合を4日に都内で開く。活断層と判断した場合、国の基準に反するとして運転停止を求める方針。
反原発デモでの日比谷公園使用認めず…東京地裁
首相官邸前で反原発デモを続ける「首都圏反原発連合」が11日に予定しているデモ行進を巡り、東京都側が日比谷公園の使用を許可しなかったのは不当として、団体側が都に使用を認めるよう求めた申し立てについて、東京地裁(川神裕裁判長)は2日、却下する決定をした。
団体側は同日、即時抗告した。団体側は10月26日、デモの集合地点とするため、同公園を管理する都側に使用を申請したが不許可となり、処分取り消しを求めて提訴。デモが近いため、「表現の自由を行使する機会が失われる」などと緊急的に使用を認めるよう求めていた。
しかし、地裁は、デモ当日に公園内でイベントが予定されていることや、数千人のデモ参加者が予想されることなどから、「収容能力を超えており、都側が公園管理上の支障を理由に不許可としたのは適法だ」と結論づけた。
(2012年11月2日23時49分 読売新聞)
原発事故備え26道府県に説明
防災計画で原子力規制委
原子力規制委員会(田中俊一委員長)は2日、原発事故に備えて事前対策を整える
「原子力災害対策重点区域」の目安を原発の半径30キロ圏に拡大したことに伴い、関係する26道府県の担当者ら約60人を集めて説明会を開いた。自治体は
年内を目標に計画案を策定し、規制委と調整しながら来年3月までに正式な計画を決める。規制委の事務局の原子力規制庁が、重点区域の目安を盛り込んだ原子力災害対策指針や、区域設定の参考に提示した放射性物質の拡散予測について説明。自治体からは「区域設定で、拡散予測はどこまで参考にしたらいいのか」などと、戸惑いの声も多く出た。
【社会・科学】 2012/11/02 19:57
原子力の平和利用を韓国は恐れず
ランコフ・アンドレイ |
2.11.2012, 17:56
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Photo:
EPA
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最近、韓国のウォルソン原発一号機が事故停止したことは、原子力エネルギーの反対派・推進派双方に一連の議論を呼んだ。この議論は世界全体で行われているものであるが、韓国で行われている議論は固有の事情を反映している。
一方から見れば、韓国は狭い国土に多くの国民が住んでいる国だ。1平方kmあたりの人口は500人を越える。このことが何を意味するか。もしも深刻な原発 事故が起これば、100万人、いや1000万人単位の人々が生命の危険にさらされ、一国の存亡に関わる事態になってしまう、ということだ。事故が起きれ ば、それはチェルノブィリやフクシマの比ではない大惨事になる。また一方から見れば、原子力エネルギーは価格の点で非常に優位に立っている。原子力による発電は極めて安価なのだ。2011年、韓国では、原発による電気 のキロワット時あたりの平均価格は39ウォン、すなわち約3セントだった。一方、火力発電による電気はほぼこの2倍、67ウォン。また輸入液体燃料による で電気は220ウォンを越える。風力、太陽光などの「再生可能エネルギー」の価格については言うまでもないであろう。こうしたクリーンな発電設備は外国人 観光客に対しては格好の見世物となり、エコロジーの問題に無関心でないことを誇るシンボルとなるが、経済的な意味のほどは現状、低く評価せざるを得ない。 原発による発電は、韓国の総発電量の31%を占めている。また、価格の安定性ということも重要だ。原発による電気の価格はここ10年間不変である。一方そ の間、火力発電による電気は10年間で2倍、液体燃料による発電は2.5倍に値上がりした。
たしかに、原子力エネルギー反対派が言うことにも一理ある。すなわち、原発に関するこうしたデータは、たとえば使用済み核燃料の再処理にかかる費用を上乗 せされていない。こうした説にもある種の真実がある。しかし、そうした費用を考慮に入れてもなお、原子力エネルギーは最安値の地位を守る。そして、他の 国々は知らず、韓国にとって、エネルギーの価格は極めて重要な指標となるのだ。というのも、韓国には自前のエネルギー資源がなく、韓国の経済成長はひとえ に、製造業の効率性、安くて品質のいい製品を生産することにかけての韓国人労働者・エンジニアの有能さということにかかっているのだから。そして我々の生 きるこの時代、あらゆる商品の価格は、電気料金に大きく左右される。だから、より高価なエネルギーに移行することは、必然的に、韓国製品の世界市場におけ る競争力が低下することを意味するのだ。
つまり、早い話が、最近起こったウォルソン原発の事故は、韓国の原発プログラムの重要性に疑義をさしはさむには至らなかった。ここにはその他の理由もあ る。これまで韓国の原発は、全体としてさしたる問題なく稼動し、事故の恐怖の兆候が現れることもなかった。加えて、韓国におけるエコロジーの気運は、他の 多くの国々と比べてずっと、影響力が小さい。つまり、早い話が、原発はこれからも韓国のエネルギー戦略において主要な役割を演じるであろう、ということが 言える。
報酬や寄付金、最高2714万円 規制委の4人、直近3〜4年間に |
2012年11月02日(金) 22時58分 共同通信社 |
原子力規制委員会(田中俊一委員長)は2日、原発の新たな安全基準検討チームの委員6人について、電力会社などからの報酬や寄付金などの受け取り状況を公 表した。4人が直近3〜4年間にそれぞれ300万〜2714万円を得ていた。専門家の判断には電力会社などの意向が働きかねず、疑問の声が上がっている。 大阪大大学院の山口彰教授は関電関連の原子力エンジニアリングから、名古屋大の山本章夫教授も同社などから、年間50万円以上の報酬や謝礼。 寄付金や研究費は、山本教授が原発メーカーの三菱重工業などから少なくとも計2714万円、山口教授は日本原子力発電などから計1010万円。 |
拡散シミュレーションに誤り多数、規制庁が謝罪
原子力規制庁は2日、自治体の防災担当者を集めた会議を都内で開き、先月決定した「原子力災害対策指針」の概要や、原発事故を想定した放射性物質の拡散シミュレーション結果について説明した。 地域防災計画を来年3月までに策定する自治体からは、国の財政的な支援を求める声などが相次いだ。
会議には、原発立地自治体を中心に26道府県の担当者約60人が参加。規制庁の黒木・原子力地域安全総括官は冒頭、先月24日に発表した拡散シミュレーションの中で誤りが多数見つかった点に触れ、「多大なご迷惑と不安を与えた」と謝罪した。
新指針で、防災対策の重点区域とされた原発から半径30キロ圏内の自治体からは「シミュレーション結果をどう受け止めればいいのか」「30キロ圏外の防災対策についても、国の財政的支援をお願いしたい」といった不安の声や要望が上がった。
(2012年11月2日22時45分 読売新聞)
大飯原発:破砕帯の再調査も 「活断層否定できぬ」
毎日新聞 2012年11月02日 21時43分(最終更新 11月03日 02時46分)関西電力大飯原発10+件(福 井県)の敷地内の断層(破砕帯)が活断層の疑いがあると指摘されている問題で、原子力規制委員会は2日、初の現地調査を終えた。島崎邦彦委員長代理(前地 震予知連絡会会長)は調査後、報道陣に「必要なら再調査も可能性の一つ」と語り、追加調査を示唆した。4日に東京都内で開く会合で結果を評価する。
規制委が現地で断層を調査するのは初めて。田中俊一委員長は「(活断層の可能性について)クロや濃いグレーなら運転停止を求める」との見解を示している。同原発10+件は全国で唯一稼働しているが、活断層と判断すれば関電に運転停止を求める。
島崎氏と外部専門家4人による調査団はこの日、2、3号機の間をほぼ南北に走る「F−6破砕帯」を調べ た。午前中は、敷地北端の「台場浜」付近に関電が掘った深さ約5メートルの溝(トレンチ)=図中のA=に入って、地層の断面を確認。午後は1、2号機北側 の山中のトレンチ=同B=で、F−6破砕帯を直接見て確認した。長さを確認したりするため、延長部分と想定される場所=同C=も調べた。このほか、掘削 (ボーリング)で取り出した地層の土などもチェックした=同D=。
台場浜付近のトレンチでは、関電があると想定していた場所にF−6破砕帯がないことが判明。調査団メン バーで、活断層の危険性を早くから指摘していた渡辺満久・東洋大教授は「関電の想定とは別の場所に破砕帯があった」と指摘し、関電が10月31日に提出し た中間報告を問題視。そのうえで「活断層かははっきりしないが、否定できない」と述べた。
島崎氏は2日の会見で、「一番大事なのは大飯原発10+件の安全性。その基本に立ち返って議論する。日曜日(4日)に私の判断を伝える」と語った。【岡田英、畠山哲郎、松野和生】
大飯の断層「必要なら再調査」 規制委員長代理
- 2012/11/2 17:46
規制委が原発の敷地内で断層調査をするのは初めて。4日に会合を開き、大飯原発の敷地内に活断層があるかどうかを評価する。活断層の疑いが濃いと判断すれば、関電に運転中の3、4号機の停止を要請する方針だ。
2日の調査では、2号機と3号機の間を通る「F―6断層」と呼ばれる破砕帯を調査。原発北側の試掘場で、関電の資料では指摘していない破砕 帯が見つかった。調査団のメンバーで、活断層がある可能性を指摘してきた東洋大の渡辺満久教授は「活断層かどうかははっきりいえないが、疑いのレベルは上 がった」との認識を示した。
活断層か否か「ズレ」「浸食」判断困難 大飯原発で現地調査
2012.11.2
22:12 (1/3ページ)
台場浜のトレンチを調べる原子力規制委員会の調査団ら=2日、福井県おおい町の関西電力大飯原発(代表撮影)
原子力規制委員会の専門家調査団は2日、国内の原発で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県おおい町)で、敷地内を走る軟弱な断層(破砕帯) が活断層かどうか判断するため調査した。調査終了後、規制委の島崎邦彦委員長代理は「必要があれば、再調査の可能性もある」と追加調査について言及。4日 に東京で開く調査結果の会合で結論を持ち越す可能性も示唆した。
断層の危険性を指摘してきた渡辺満(みつ)久(ひさ)東洋大教授は 「100万年も前でない地層がずれていた。(活断層の疑いの)レベルが上がった」と説明。その他のメンバーは「地層が変位している構造はあったが、時代が いつか分からないと活断層といえない」などと明確な判断を避けた。
調査したのは1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北方向に走る「F-6 断層」(約900メートル)と呼ばれる破砕帯。近くの活断層と連動し、地盤をずらして設備に損傷を与える危険性が指摘されていた。調査団は、深さ約5メー トルの溝に入り、壁面の地層を観察するなどして活動性や連続性を調べた。
規制委による初の現地調査。活断層の疑いが強まれば、3、4号機の運転停止を関電に求める方針で、国内の稼働原発は再びゼロになる。関電は中間報告で活断層を否定している。
◇
大飯原発の断層調査が行われることになったのは、今年6月ごろ、一部の専門家から敷地内を走る断層の一種「破砕帯」 が、動く可能性があると指摘されたからだ。“証拠”は3、4号機の建設時に描かれたスケッチ。しかし、スケッチだけでは判断がつかず、現地調査が行われる ことになった。ただ、断層の評価は難しく、現地調査でも断定できるほどの確証が得られるかは不透明だ。
最初にこの問題を指摘したのが、原子力規制委員会の調査団にも加わっている東洋大の渡辺満久教授。関西電力が昭和60年に国に提出した「F-6断層」と呼ばれる破砕帯のスケッチに、断層がずれて動いたように見える段差が含まれていたのだ。
指摘を受け、当時の原子力規制当局だった経済産業省原子力安全・保安院は、専門家から意見を聞く会合を開催。複数の専門家が「活動性はないと思う」と評価 したが、「現状の資料では不十分」との指摘もあり、保安院は現地調査が必要と判断。7月18日に関電に調査を指示した。規制委も先月、専門家5人による調 査団を結成。現地調査を決めた。
一方、関電は「断層が動いたとは考えていない」との姿勢を崩していない。渡辺教授が指摘したスケッチは、F-6断層を横切るように約10メートル 掘り下げた溝の中で描かれたが、北西側断面のスケッチで見られた段差は、数メートル離れた反対側の南東側断面のスケッチでは見られなかったからだ。
また、断層が動いていれば、段差の上の地層の石などが同じ方向にそろって傾くはずだが、そうした様子もみられないという。関電の担当者は「ずれたように見えるのは、あくまでも地層が浸食されて削れた痕跡だ」と主張する。
スケッチと同じ場所をもう一度調査することができればどちらか判断しやすい。だが、溝はすでに埋められ、上には同原発の事務棟が建設されている。
そこで、この日の現地調査ではF-6断層が延びる別の場所を中心に計8カ所で、活動性を調べることにした。ただ、活断層の評価は専門家の間でも分かれるほど難しく、4日の評価会合で統一見解が得られるかは不透明だ。(原子力取材班)
原子力規制委、大飯原発で初の現地調査
(福井県)
大飯原発(福井・おおい町)の敷地内を走る断層が活断層かを確認するため、原子力規制委員会の調査団が2日、初めて原発の敷地内に入り、現
地調査を行った。調査では、専門家が断層を目で見て確認し、表面を削るなどして比較的新しい時代に動いた形跡があるかが調べられた。
2日の調査では、大飯原発の2号機と3号機の間を走るF-6断層と呼ばれる断層に沿って掘られたトレンチという穴の中に入って、活断層の判定基準となる
12万年から13万年前以降に活動した形跡があるかどうかが調べられた。
F-6断層は、一部の専門家から活断層である可能性が指摘され、「関西電力」は国の指示で再調査を行っているが、先月31日、「現時点で活断層であるこ
とを示す証拠は確認できない」とする中間報告を提出している。しかし、2日の調査で、活断層である可能性が認められれば、規制委員会は大飯原発の運転停止
を求める方針。また、大飯原発の他にも、敦賀原発(福井・敦賀市)など5か所の原発について活断層に影響される可能性を指摘。今後、現地調査を行うとして
いる。
調査団のメンバーの中には、活断層の可能性を指摘する専門家も含まれている。現地調査をした東洋大学・渡辺満久教授は「やわらかい。あまり安定はしてい
ないかなという雰囲気」と述べた。また、調査後の会見では「今までと比較して確実に地層を切っているのを確認したので、そういう意味で(疑いの)レベルは
上がったと思う」と語った。原子力規制委員会は、調査結果を基に活断層かどうかを判断する会議を4日に行うとしている。
こうした動きに、地元住民からは「しっかり調べて原発あかんもんならやめてほしい」「不安の方が大きい。原発の町としてきた町やからね」と言った声が上
がっている。
[
11/2 21:34 NEWS24]
規制委、初の現地調査=専門家ら大飯原発で―断層問題・福井
2012年11月02日関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内で岩盤の亀裂(破砕帯)が活断層と連動し、重要施設に影響を与える可能性が指摘されている問題で、原 子力規制委員会の専門家調査団は2日午前、初の現地調査を始めた。同日中に敷地内の8カ所を見て回る予定で、破砕帯が動くかどうかの判断材料にする。
調査団は午前中、原発北側の海辺などで、関電が断層調査のため掘った溝などを調べた。午後には3号機原子炉付近のボーリング状況や、建設時の試掘溝などを視察する。
調査に先立ち、関電幹部らと面会した規制委の島崎邦彦委員長代理は「天候がどうなるか分からないが、よろしくお願いします」とあいさつ。同社の豊松秀己副社長は「大飯原発のためお越しいただき、ありがとうございます」と応じた。
問題の破砕帯「F―6」は3、4号機の非常用取水路の下を通っている。
非常用取水路は原子炉で発生した蒸気の冷却ができなくなった場合に、海水を取り込んで冷やすための施設。普段は使われないが、地震で破砕帯が動けば機能を 失う恐れがある。調査の結果次第では、全国の原発で唯一稼働中の3、4号機が停止を迫られる事態に発展する。関電は中間報告で、F―6は活断層ではないと している。
調査団は島崎委員長代理のほか、岡田篤正立命館大教授、渡辺満久東洋大教授、重松紀生産業技術総合研究所主任研究員、広内大助信州大准教授の計5人。破砕帯の地層の硬さなどを確かめ、今後も動く可能性があるかを見極める。
現地調査で得た情報や分析結果は、4日に開かれる規制委の評価会合で議論される。判断材料が足りない場合は、現地調査が再度行われる可能性もある。
規制委は今後、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)や北陸電力志賀原発(石川県志賀町)、東北電力東通原発(青森県東通村)などでも現地調査を予定している。
[時事通信社]
枝野大臣「立地地域とは経済対策など協議」
(福井県)
政府が「原発ゼロ」を掲げ、原発が立地する地域への影響が出始める中、経済産業省の枝野大臣は「立地地域と経済対策などを個別に協議する場を設ける」との考えを示した。
これは2日、枝野大臣が全国の原発が立地する自治体との面談で述べたもの。
面談で敦賀市の河瀬市長は「原発の長期停止や建設工事の延期などで地元経済は冷え込み、まちづくりにも多大な影響を及ぼしている」と訴えた。
これに対し枝野大臣は「きょうをキックオフとして皆さんとの意見交換をより綿密に進めさせていただきたい」と述べ、それぞれの地域と中長期的な経済対策などについて個別に協議の場を設ける考えを示した。
これは2日、枝野大臣が全国の原発が立地する自治体との面談で述べたもの。
面談で敦賀市の河瀬市長は「原発の長期停止や建設工事の延期などで地元経済は冷え込み、まちづくりにも多大な影響を及ぼしている」と訴えた。
これに対し枝野大臣は「きょうをキックオフとして皆さんとの意見交換をより綿密に進めさせていただきたい」と述べ、それぞれの地域と中長期的な経済対策などについて個別に協議の場を設ける考えを示した。
[
11/2 20:56 福井放送]
原子力規制委、必要があれば大飯原発の断層再調査も原子力規制委員会は、敷地内を走る断層が活断層の疑いがある関西電力の大飯原発の現場を調査し、必要があれば追加の調査もする可能性を明らかにした。
福井県にある大飯原発では「破砕帯」と呼ばれる断層が活断層の疑いがあり、原子力規制委員会の調査団は、初めて現地調査を行った。
山頂にある破砕帯の調査では、調査団の東洋大学・渡辺教授が、破砕帯が古くない時代に動いた可能性があることを示唆した。
東洋大・渡辺教授は「柔らかい。あまり安定していないかと」と述べた。
調査団は4日、今回の調査内容を評価する会合を開く予定だが、島崎委員長代理は調査終了後、必要なら追加の調査をする可能性を明らかにした。
原子力規制委・島崎委員長代理は「現場に来てみないとわからないことがたくさんありました。必要があれば、再調査をする可能性もある」と述べた。
破砕帯が活断層と判断されれば、大飯原発は停止を求められる可能性があり、規制委員会の判断が注目される。
(11/02 21:36)
原子力規制委が大飯原発の活断層調査
原子力規制委員会(田中俊一委員長)の現地調査団は2日夕、関西電力大飯原発10+ 件(福
井県)の1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」が活断層かどうかを確認する調査を終了した。4日に都内で開く会合で調査結
果を評価する。団長役の島崎邦彦委員長代理は記者会見で「(会合で)再調査という話が出ることも可能性の一つだ」と述べ、関電に追加調査を求める可能性を
示唆した。
調査団の渡辺満久東洋大教授は、関電が断層はないとしていた敷地北側の試掘溝内で、F―6断層の北部延長とみられる破砕帯を確認したことを明らかにした。現時点では破砕帯がある地層の年代が分からないため、渡辺教授は「今のところは(活断層であることを)否定できないという段階だ」としている。
F―6断層は3、4号機の冷却に用いる重要設備「非常用取水路」の真下を走っているとみられており、近くの活断層と連動し、地盤をずらして設備に損傷を与える危険性が指摘されている。
調査団はこの日、敷地内に掘られた試掘溝に入り地層を見たほか、ボーリングで採取した試料も確認した。
規制委は、F―6断層が活断層と判断されれば、関電に運転停止を要請する方針。野田佳彦首相は、共同通信などのインタビューで「規制委員会の判断が出るなら、当然政府は尊重する」と述べた。
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■ 原発立地自治体、経産相に支援要請
原発再稼働への道筋が不透明な中で、原発を抱える全国の市町村が枝野経済産業大臣と会談し、経済的な支援を強く求めました。
「原子力発電所の長期停止、建設工事の延期等々、立地地域の経済産業に大きな影響を与えている」(河瀬一治 敦賀市長) 原発を抱える市町村の代表者は地域の実情に応じた振興策や、財政支援を要請しました。 また、市町村側は政府が新しいエネルギー戦略を決定する際に、立地自治体の声を聞く機会を設けなかった点や、説明不足を強く批判。 枝野大臣は、「地域経済に大きな影響を与えているのは認識している。今後は連繋と意見交換を綿密にしたい」と述べました。 ただ、市町村側は「政府への不満や、不信感は依然としてある」と不信感をあらわにしています。(02日18:26)
大飯原発破砕帯 規制委員会が現地調査
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拡散予測公表ミスで自治体に謝罪
11月2日 21時19分
国の原子力規制委員会は、原子力発電所周辺の道府県の防災担当者を集めた会議を開き、原発事故が起きた際の放射性物質の拡散予測の公表を巡り、わずか5日で訂正するなど対応に不手際があったことを改めて謝罪しました。この会議は、原子力災害に備えた国の新たな防災指針が先月31日決まったことから、原子力規制委員会が、関係する自治体に詳しい内容を説明するため開いたもので、原発の立地自治体など26の道府県の防災担当者が出席しました。
は じめに、福島第一原発と同じような事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測について、事前の説明が不足したり、公表わずか5日での訂正したりしたことにつ いて、黒木慶英原子力地域安全総括官が「重点的な対策をすべき地域の指定に役立ててもらうために公表したが、一部の自治体に多大な迷惑と誤解を与えた」と 謝罪しました。
このあと会議は非公開で行われ、規制委員会によりますと、防災指針や拡散予測の詳しい内容を説明し、自治体側からは「拡散予測はどの程度重視すべきものなのか」などといった戸惑いの声もあったということです。
新潟県の担当者は「拡散予測については、住民にどう理解してもらえるかが課題で、国にも直接、住民に説明してほしいと求めた」と話しました。
ケーブル誤切断で発煙 東電福島第1原発
東京電力は2日、福島第1原発で1~4号機に電力を供給している電源ケーブルを作業員が誤って一部切断し、煙が出たと発表した。火災には至らな
かったが、1号機原子炉格納容器などに窒素を注入する装置が約10分間止まった。原子炉冷却システムは別系統だったため、影響はなかった。
東電によると、2日午前9時半ごろ、作業員が樹脂製の管に切れ込みを入れてケーブルを通そうとしたところ、誤って電源ケーブルが通っている別の管を切断。白煙が上がった。
通電を別系統に切り替え、煙は約1時間後に収まった。東電は「ケーブルが通っている管には印をつけていた。なぜ間違えたのか確認する」としている。
(共同通信)
東電によると、2日午前9時半ごろ、作業員が樹脂製の管に切れ込みを入れてケーブルを通そうとしたところ、誤って電源ケーブルが通っている別の管を切断。白煙が上がった。
通電を別系統に切り替え、煙は約1時間後に収まった。東電は「ケーブルが通っている管には印をつけていた。なぜ間違えたのか確認する」としている。
(共同通信)
2012/11/02
21:00
電源ケーブルから煙 一部装置が停止
(福島県)
けさ、福島第一原発で、電源ケーブルを傷つけたために一部の装置が停止するトラブルがあった。
きょう午前9時半前、福島第一原発で、電源系統の異常を知らせる警報が鳴った。
東京電力が確認したところ、屋外にある電源ケーブルの一部が傷つき、煙が上がっていたことから消防に通報した。
電気を止めるとボヤは直ぐにおさまったが、この影響で、水素爆発を防ぐために1号機から3号機の原子炉などへ窒素を送っていた装置が一時的に止まった。
東京電力は、予備の装置に切り替えて修理を行っている。
ボヤの原因は、廃炉作業に伴う電源の切り替え工事中に作業員が誤って電源ケーブルを傷つけたためとしている。
きょう午前9時半前、福島第一原発で、電源系統の異常を知らせる警報が鳴った。
東京電力が確認したところ、屋外にある電源ケーブルの一部が傷つき、煙が上がっていたことから消防に通報した。
電気を止めるとボヤは直ぐにおさまったが、この影響で、水素爆発を防ぐために1号機から3号機の原子炉などへ窒素を送っていた装置が一時的に止まった。
東京電力は、予備の装置に切り替えて修理を行っている。
ボヤの原因は、廃炉作業に伴う電源の切り替え工事中に作業員が誤って電源ケーブルを傷つけたためとしている。
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11/2 20:25 福島中央テレビ]
たんぽぽ舎です。【TMM:No1637】 2012年11月2日(金) 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします 転送歓迎 ━━━━━━━ ★1.「原発ゼロ懐疑論」への懐疑 Newsweek、東洋経済などにみる、原発推進側にみる偏向(中村徹) ★2.11月9日(金)、「被ばく労働者に安全と権利を! 被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」への参加を (新孝一/被ばく労働を考えるネットワーク準備会) ★3.新聞・雑誌から ◇「脱原発」で候補擁立か 宇都宮弁護士、湯浅氏の名も(11/1毎日新聞) ◇ぼくらの3・11 絵本に 福島の小学生、震災・原発体験つづる (10月31日 朝日新聞より) ★4.<テント日誌10/28(日)―経産前省テントひろば414日目> 規制庁の拡散シミュレーションについて~テントの徹夜談議~(K.M) ━━━━━━━ ◇Ust番組「フクロウFoEチャンネル(FFTV)」http://goo.gl/27svW 11月3日(土)21:00~22:00 第12回 福島市渡利・大波の現状と除染の限界 11月7日(水)20:00~20:30 週刊FFTV(今日の原子力規制委員会/今週 のトピック/ニュースクリップ/画伯の今日の一枚/今日のプラカード他) 21:00~22:00 第13回 どうみる大飯原発断層(破砕帯)調査 ━━━━━━━ ┏┓ ┗■1.「原発ゼロ懐疑論」への懐疑 │ Newsweek、東洋経済などにみる、原発推進側にみる偏向 └────(中村徹(保育士)) 最近、本屋さんに行くと、原発推進側の視点による本や雑誌が目につくよう になりました。 例えば、『Newsweek』日本版・2012年10月31日号の特集『脱原発のコスト』、 『週刊東洋経済』臨時増刊号『「原発ゼロ」は正しいのか』などです。もちろ ん、そういう類の本・雑誌は、震災直後にもあったのですが、ちょっと遠慮し ている雰囲気もありました。原発事故から1年半以上が過ぎ、もう遠慮もなく なったということでしょうか。いやそれ以上に、原発ゼロに対する、経済界の 不安があるのだと思います。共通するテーマは、「原発ゼロ懐疑論」のようで す。 『Newsweek』も『週間東洋経済』も、経済界と密接に関係しているので、こ のタイミングで同じような特集が組まれているということは、日本経済新聞も 含め、経済界の「御用マスコミ」となっている一面は否定できないと思います。 『Newsweek』は昨年『原発はいらない』という別冊を出し、『週刊東洋経 済』も昨年、4月23日号『迷走する巨大企業の正体 東京電力』、6月11日号 『暴走する国策エネルギー 原子力』など、必ずしも原発推進側だけではない 報道をしていたのですが、結局は経済界の言いなりになってしまうのでしょう か。 私はまだ、その「原発ゼロ懐疑論」的雑誌を全て読んだわけではないのです が、ざっと目を通した印象で言うと、いくつかの傾向があると思いました。 まず、最近の反原発・脱原発運動について、「感情的」と決めつけているこ とです。そう決めつけることで、原発ゼロという民意は、冷静な判断によって なされたものではないこと、一時的な感情論に過ぎないという印象を与えるこ とができます。でも、それは事実でしょうか? 私は感情論とは別に、冷静な 判断として、原発に反対しています。いつ起きるかわからない地震や津波に対 する安全性だけではなく、そもそも被ばく労働なしには成立しないシステム、 数万年(百万年?)単位の管理が必要な高レベル放射性廃棄物、それらを全て 総合して、本当に原発が経済的と断言できる人に、私はまだ会ったことがあり ません。冷静に考えて、原発は必要ないからゼロを求めています。感情的な部 分があるとするならば、その民意を無視して原発を再稼働することに対してな どです。もちろん、福島で故郷・家族・仕事を失った方々は、もっと辛い思い があると思います。 「原発ゼロ懐疑論」に見られるもう一つの傾向は、「原発をゼロにするまで の成長戦略が描けていない」と言っている点です。これも詭弁だと思います。 では、原発があれば経済成長するのでしょうか?日本経済は、福島原発事故以 前から、ずっと低迷していました。「100年に一度の不況」みたいな言い方を していたのも震災前のことです。それを「経済が低迷しているのは原発が止ま っているせいだ」とすり替えようとしているのが経済界です。じゃあ、経済界 の描く成長戦略って何でしょうか?それに失敗し続けているから、今の不況が あるのではないですか? あと、「原発ゼロ懐疑論」からはちょっと離れるかも知れませんが、原発の 必要性について、最近は「安全保障」という言葉が出てくるようになっていま す。でも、これはフェアではないと思います。だって、日本の原子力は、「平 和利用」を前提としている筈なのだから。もし「安全保障」が関係するならば、 それは別の議論が必要だと思います。 以上のように、原発推進側の言い分は、かなり偏向していると思います。 もはや、なりふり構わずという感じです。逆に言えば、反原発運動が、 それだけの脅威を与えているということだと思います。 ┏┓ ┗■2.11月9日(金)、「被ばく労働者に安全と権利を! │ 被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」への参加を └────(新孝一/被ばく労働を考えるネットワーク準備会) 【日時】2012年11月9日(金)18時20分開場/18時30分開始 【場所】江東区亀戸文化センター(カメリアプラザ)5階 第1、2会議室 東京都江東区亀戸2-19-1(JR総武線、東武亀戸線 亀戸駅 下車徒歩2分) 関電工の下請け労働者が、東電と関電工にたいする是正を富岡労基署に申し 入れました。他にも収束作業や除染作業に従事している労働者が、声を上げ 始めています。私たち「被ばく労働を考えるネットワーク準備会」は、 被ばく労働を強いられている人びと、地域の人びととの出会いを求めて、 福島現地のNGO、労働団体と協力して、11月25日にいわきで労働・健康・ 生活相談会を行なう予定です。 そして、その前段集会をかねて、11月9日(金)に、「被ばく労働者に安全 と権利を! 被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」をもちます (開場6時20分。江東区亀戸文化センター(JR亀戸駅すぐ)) 私たちはこれまで、労働運動、労働安全衛生センター、寄せ場・下層労働者 や非正規・フリーター層の運動、そして反原発運動のみならず、さまざまな社 会運動に関わってきた人びとが、少しずつ合流するかたちで、被ばく労働問題 に関する運動体を作り出すべく準備を重ねてきました。そして、現地での相談 活動の継続を一つの柱に、本格的な活動を開始したいと思います。 9日当日は、「ネットワーク」に参加しているいわき自由労組、神奈川労災 職業病センターの方の発言を受けて討論の予定です。ぜひお集まりください。 そして、「ネットワーク」への参加と賛同もよろしくお願いします。 詳細はホームページをご覧ください http://hibakurodo.net/ ┏┓ ┗■3.新聞・雑誌から └──── ◆「脱原発」で候補擁立か 宇都宮弁護士、湯浅氏の名も (11月1日 毎日新聞より) 石原慎太郎氏(80)が31日付で辞職したことで事実上スタートした東京都知 事選(11月29日告示、12月16日投票)に、脱原発を訴えるグループの間で立候 補者を擁立する動きが出ている。支持母体をどう組織するかなど課題も多いが、 官邸前デモに発展した脱原発のうねりが都知事選の争点の一つになる可能性が 浮上している。 擁立を模索しているのは、脱原発を訴えている市民団体や労組。民主党の一 部議員にも動きがある。関係者によると、候補者としては「脱原発基本法案」 の作成に関わった前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(65)や元内閣府参与 で「反貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠氏(43)らの名前が挙がっている という。4日に有志が候補者擁立に向けた集会を千代田区内で開く。(中略) 脱原発への賛同はツイッターなどのソーシャルメディアで広がっているが、 組織化されていない。支持をどれだけ広げられるかは未知数だ。 ◆ぼくらの3・11 絵本に 福島の小学生、震災・原発体験つづる(10月31日 朝日新聞より) 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島県の小学生たち が、体験や思いをつづった作文や詩が絵本にまとまった。 『ふるさとはフクシマ 子どもたちの3・11』(文研出版)として、30日に 出版された。 福島市のNPO「元気になろう福島」が、大熊町や、南相馬市、いわき市など 7つの小学校の協力を得て120人の子どもたちの作品を収集。15人分にプロの 絵本作家が挿絵をつけた。 その時もうみんなとバラバラになるとは思ってもいませんでした。夜になり お父さんが仕事から帰ってきて「原発が爆発したから逃げるぞ」と言いました。 (南相馬市の石神第2小6年だった菅野莉奈さん)(中略) 絵本は売り上げの3割を、被災した子どもたちの活動を支える基金に充てる。 問い合わせは同NPOへ 電話(024-563-7166)かメール(honda@genkifukushima.jp)で。 ┏┓ ┗■4.<テント日誌10/28(日)―経産前省テントひろば414日目> │ 規制庁の拡散シミュレーションについて ~テントの徹夜談議~ └────(K.M) 10月28日(日) 晴のち雨 雨降りしきる夜長の徹夜談義 しっとりと雨が降る夜、テントの中では飛び込んできた渕上村長を交えて熱 い会話が夜を徹して続いた。 テントの当番制についての討論に続いて、私は平和のピアニスト池邊さんと クラシック音楽談義、同じ時期に大阪の直ぐ隣街に住んでいられたことや共通 の知合いが居たことなど、大阪の音大ローカルな話がはずんだ、原発に反対す る運動のあり方も議論した。大声のために仮眠していた人も起こされて合流し 更に話が進む。 規制庁の拡散シミュレーションや防災訓練、テントの秩序、ルールとマナー、 在宅親ケア、親のおくり方、などなどと。ルールについては、人に迷惑をかけ るから守るべきでルールがあるから守るべきなのではない、人権を守るべきな のも憲法があるからではない、などなどと議論が尽きなかった。 規制庁の拡散シミュレーションについて 規制庁が10月24日に発表した各原発からの拡散シミュレーション結果の 図がテレビでも新聞でも大々的に報道された。 http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/20121024.html (5、6番目のファイル) が、これは信用できない。年間で捉えて季節別・月別・日変化などを考慮しな いのでは到達距離を過小評価する。このことを確認したくて、規制庁の防災課 に電話してみてそればかりでは無いことが分かった。地形を考慮していないプ ルーム式を使うことに目をつぶるとしても、風向風速のデータの使い方がおか しい。 特定の方向への到達距離を求めるために、毎時の気象データ(風向、風速、 大気安定度、降雨量)を使用するが、風向をその特定方向に一定としておきな がら、風速と大気安定度と降雨量のみ毎時の値を使用して計算している。風 向・風速のベクトルを分離してしまってとても説得力がない架空の計算を基本 にして推定しているのだ。 案の定という訳ではないが、29日には6原発の拡散予測の誤りを規制庁が 発表した。規制されるべき北陸電力からの指摘で判明したそうだ。 http://www.nsr.go.jp/kaiken/20121029haihusiryo.html 各原発で事故が起こった場合にどれだけの地域に影響するかを推定するため の計算であるが、次のことをきっちり確認する必要がある。 1 原発からの放射性物質の発生量をどれだけと仮定するか 2 どのようなモデルで拡散(と到達)をシミュレートするか 3 その結果をどう評価するか、どれだけの量がどれだけの頻度で到達したら 到達したと見なすか 以上の観点から、今回の拡散予測結果は全く信用できない。どうも、防災指 針で30km圏まで考慮すれば良いと決めつけたいがためのシミュレーション のようだ。枝野経産相が本年4月2日に参院予算委員会で述べた「日本全国に 福島(原発)の事故は直接、間接の影響を及ぼしている。そういう意味では 『日本全国』が地元だ」を忘れてはいけない。 拡散シミュレーションの専門家の追及を期待したい。 なお、原子力災害対策指針に関する緊急署名が集められ、個人署名3227筆、 呼びかけ・賛同団体:182団体で、30日に提出され、今も追加署名を募集 している、是非ご協力を(締切11月12日)。 http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/1030-6668.html (K.M) ────────── 【編集部より】 メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。 「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、タイトル及び内容を400字 以内で、またその他投稿に関しては400~800文字以内でタイトル及び内容を お送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。 なお、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の 都合上すべてを掲載できない場合があります。予めご了承ください。 ────────── ◆このメールマガジンのバックナンバーは、ホームページをご参照下さい。 ◆電子メール(Eメール)送ります たんぽぽ舎では、「地震と原発事故情報」を発信しています。 ご希望の方はご自身のEメールアドレスと氏名をたんぽぽ舎あてに件名を 「メルマガ希望」として送ってください。 登録できしだい発信致します(無料)。 たんぽぽ舎のアドレス: nonukes@tanpoposya.net ◆携帯への送信は、1回の容量が多いためか配信されない例があります。 ────────── たんぽぽ舎 たんぽぽ舎は、月曜~土曜 13:00~20:00のオープンです。 日曜・休日は、お休みです。 〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797 HP http://www.tanpoposya.net/
新潟、全市町村が暫定避難計画=原発事故想定、最大20万人
新潟県の全30市町村でつくる「市町村による原子力安全対策に関する研究会」は2日、東京電力柏崎刈羽原発(同県柏崎市、刈羽村)での事故を想定した暫
定的な避難計画をまとめた。放射性物質の拡散シミュレーションを基に、10の避難パターンを想定。避難対象人口は最も多いケースで19万9500人に上る
と試算している。
研究会代表幹事の長岡市によると、原発立地自治体以外での避難計画の策定は全国で初めて。
避難計画では、風向きなど に応じて放射性物質が拡散するシミュレーションを実施。10の避難パターンごとに、避難地域や交通手段、経路を示した。交通手段は自家用車を前提とした。 東電福島第1原発事故の経験から、避難先として民間の宿泊施設も検討対象に加えた。(2012/11/02-20:43)
研究会代表幹事の長岡市によると、原発立地自治体以外での避難計画の策定は全国で初めて。
避難計画では、風向きなど に応じて放射性物質が拡散するシミュレーションを実施。10の避難パターンごとに、避難地域や交通手段、経路を示した。交通手段は自家用車を前提とした。 東電福島第1原発事故の経験から、避難先として民間の宿泊施設も検討対象に加えた。(2012/11/02-20:43)
規制委が大飯原発で初の断層調査 4日評価会合「追加調査も」
(2012年11月2日午後8時23分)
大飯原発敷地内のトレンチで地層の様子を確認する原子力規制委員会の調査団=2日午前11時8分、おおい町大島の同原発(原子力規制委員会提供)
原子力規制委員会は2日、関西電力大飯原発20+ 件(福
井県おおい町)の敷地内を通る「F―6断層(破砕帯)」が活断層かどうかを確認するため、調査団を派遣して現地調査を行った。4日に都内で会合を開き、調
査結果を評価する。調査後、島崎邦彦委員長代理(東京大名誉教授、地震学)は記者団に対し、関電に追加調査を求める可能性を示唆した。活動性の有無に関し
ては現時点で見解を示さなかった。
規制委による現地調査は初めて。調査団は島崎委員長代理を中心に、この断層の危険性を指摘してきた渡辺満久東洋大教授(変動地形学)ら、過去の断層調査に関与していない専門家の5人で構成している。
F―6断層は1、2号機と3、4号機の間の地下をほぼ南北に縦断しており、周辺の活断層と連動して地表がずれる可能性が指摘されている。
耐震設計審査指針では、安全上重要な施設を活断層の真上に設置することを認めていない。F―6断層は、非常用ディーゼル発電機などの冷却に使う海水を取り込む重要施設の海水路トンネルの真下を横切っており、活動性が認められた場合は運転停止を迫られる可能性もある。
調査団は、関電が調査中の計6地点を視察した。海岸付近と1、2号機背面山頂付近に掘られた地下5メートル程度のトレンチ(試掘溝)に入り、地層面の状況を確認。3号機付近などでのボーリング調査で採取した試料や海岸部の地表も調べた。
島崎氏は終了後、記者団に「限られた試料について現在判断しようとしているが、足りないということになれば、追加調査を求める可能性も選択肢の一つ」と述 べ、4日の会合で対応を判断する考えを示した。他のメンバーからも「かなり限られた情報しかない。どこまで何ができるかというと難しいところもある」(重 松紀生産業技術総合研究所主任研究員)とデータ不足を指摘する意見が出た。
一方、渡辺教授は、関電の調査では断層はないとされた敷地北 側のトレンチ内で、F―6断層の延長とみられる破砕帯を確認したことを明らかにした。現時点では破砕帯がある地層の年代が分からないため「今のところは (活断層であることを)否定できないという段階だ」としている。
F―6破砕帯をめぐっては関電が10月末、旧原子力安全・保安院の指示による調査で「13万~12万年前以降の活動を示唆するものはない」とする中間報告を提出した。活動年代の分析を進め、年末に最終報告をまとめる方針。
規制委による現地調査は初めて。調査団は島崎委員長代理を中心に、この断層の危険性を指摘してきた渡辺満久東洋大教授(変動地形学)ら、過去の断層調査に関与していない専門家の5人で構成している。
F―6断層は1、2号機と3、4号機の間の地下をほぼ南北に縦断しており、周辺の活断層と連動して地表がずれる可能性が指摘されている。
耐震設計審査指針では、安全上重要な施設を活断層の真上に設置することを認めていない。F―6断層は、非常用ディーゼル発電機などの冷却に使う海水を取り込む重要施設の海水路トンネルの真下を横切っており、活動性が認められた場合は運転停止を迫られる可能性もある。
調査団は、関電が調査中の計6地点を視察した。海岸付近と1、2号機背面山頂付近に掘られた地下5メートル程度のトレンチ(試掘溝)に入り、地層面の状況を確認。3号機付近などでのボーリング調査で採取した試料や海岸部の地表も調べた。
島崎氏は終了後、記者団に「限られた試料について現在判断しようとしているが、足りないということになれば、追加調査を求める可能性も選択肢の一つ」と述 べ、4日の会合で対応を判断する考えを示した。他のメンバーからも「かなり限られた情報しかない。どこまで何ができるかというと難しいところもある」(重 松紀生産業技術総合研究所主任研究員)とデータ不足を指摘する意見が出た。
一方、渡辺教授は、関電の調査では断層はないとされた敷地北 側のトレンチ内で、F―6断層の延長とみられる破砕帯を確認したことを明らかにした。現時点では破砕帯がある地層の年代が分からないため「今のところは (活断層であることを)否定できないという段階だ」としている。
F―6破砕帯をめぐっては関電が10月末、旧原子力安全・保安院の指示による調査で「13万~12万年前以降の活動を示唆するものはない」とする中間報告を提出した。活動年代の分析を進め、年末に最終報告をまとめる方針。
大飯原発、再調査も=4日に分析、議論-断層問題・規制委
関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内にある岩盤の亀裂(破砕帯)で活断層の可能性が指摘されている問題で、原子力規制委員会は2日夕、現地調査 を終えた。調査団のメンバー5人は取材に応じ、規制委の島崎邦彦委員長代理は4日に開かれる評価会合で調査結果を分析し、議論する考えを示した上で、「再 調査も可能性の一つとして出てくることが考えられる」と述べた。
規制委が破砕帯を活断層と判断すれば、全国で唯一稼働している同原発が運転停止を迫られる事態に発展する。
島崎代理は問題の破砕帯「F-6」の評価について、「心証は日曜日(4日)にお伝えしたい」と明言を避けた。
一方、調査団のメンバーで早くから危険性を指摘してきた渡辺満久東洋大教授は、原発北側の海辺で、関電が調査で確認できなかったとするF-6の延長部分とみられる断層が見つかったと指摘。活断層の可能性について「今までよりレベルは上がったと思っている」と話した。
ただ、渡辺教授を含め調査団のメンバーはいずれも活断層の有無について断定的な見方を示しておらず、結論が出るまで時間がかかる可能性もある。(2012/11/02-19:44)
新防災指針、担当者に説明=26道府県が参加-規制委
原発事故時の住民避難の在り方などを定めた原子力災害対策指針(防災指針)の策定を受け、原子力規制委員会は2日、原子力施設がある26道府県の防災担当者を集めて会合を開き、新指針の説明や、各自治体の地域防災計画策定に向けた意見交換を行った。
黒木慶英原子力地域安全総括官は冒頭で、10月24日に公表した放射性物質の拡散予測の誤りを謝罪。「計画策定に少しでも役立ててもらいたいと公表したが、逆に多大なご迷惑、ご不安を与えてしまった」と述べた。
原子力規制庁によると、出席した自治体の担当者からは、防災計画の策定に使うマニュアル類の整備状況や拡散予測の評価、住民への説明の仕方などについて質問が出た。
特に、防災計画策定の目安となる30キロ圏の外側の自治体からは、国の予算措置を受けられるよう要望する声が上がったという。(2012/11/02-19:52)
市町村の研究会 原発事故の行動指針案示す
(新潟県)
県内30市町村でつくる研究会は2日、柏崎刈羽原発で事故が起きた際に
自治体がとるべき行動の指針をとりまとめた。指針では、避難に使うバスの手配など具体的な行動が、原発からの距離に応じて示された。また、風向き次第でお
よそ20万人が避難対象となる試算も明らかになっている。
2日に長岡市で開かれた「原子力安全対策に関する研究会」。福島第一原発の事故を受けて、現実に即した避難計画をつくろうと、県内30市町村すべてが参加している。今回は、柏崎刈羽原発で事故が起きた際にどのような行動をとるべきか、指針が策定された。
指針は、県内の市町村を原発から半径5キロ、30キロ、50キロ、それよりも外側と、距離に応じて4つのエリアにわけ、それぞれの行動を具体的に示してい る。たとえば、重大事故が起きた場合、5キロ圏にある柏崎市や刈羽村は、避難用のバスを使いすぐに避難を始める。風向きにもよるが、30キロ圏にある長岡 市や小千谷市、上越市などは屋内に退避。それより外は避難者を受け入れる。
10パターンの風向きをシミュレーションし、避難者の数や受け入れ先の収容人数などを整理した。避難者数が最大となるのは西風が吹いた場合で、長岡市の市街地が対象となり、およそ20万人が避難すると試算されている。
この指針をもとにそれぞれの市町村で防災計画を作成するが、課題も浮かび上がっている。市長らからは、「いざというときには輸送の経路も問題になる」「地 震の場合、平時の場合、もしくは降雪期、そうでない場合とある。当然わけて分析しないといけない」などの声が聞かれた。
原発が立地している地域以外の市町村が具体的な行動指針を策定するのは、全国でも初めてだ。代表幹事の長岡市長は、こうした指針は本来なら国が出すべきだと批判した。
このほか、締結を目指している東京電力との安全協定について、平常時から「連絡会」を設置すること、原発の異常時には原則30キロ圏の市町村が現地確認と意見交換ができるように求めていくことで一致した。
2日に長岡市で開かれた「原子力安全対策に関する研究会」。福島第一原発の事故を受けて、現実に即した避難計画をつくろうと、県内30市町村すべてが参加している。今回は、柏崎刈羽原発で事故が起きた際にどのような行動をとるべきか、指針が策定された。
指針は、県内の市町村を原発から半径5キロ、30キロ、50キロ、それよりも外側と、距離に応じて4つのエリアにわけ、それぞれの行動を具体的に示してい る。たとえば、重大事故が起きた場合、5キロ圏にある柏崎市や刈羽村は、避難用のバスを使いすぐに避難を始める。風向きにもよるが、30キロ圏にある長岡 市や小千谷市、上越市などは屋内に退避。それより外は避難者を受け入れる。
10パターンの風向きをシミュレーションし、避難者の数や受け入れ先の収容人数などを整理した。避難者数が最大となるのは西風が吹いた場合で、長岡市の市街地が対象となり、およそ20万人が避難すると試算されている。
この指針をもとにそれぞれの市町村で防災計画を作成するが、課題も浮かび上がっている。市長らからは、「いざというときには輸送の経路も問題になる」「地 震の場合、平時の場合、もしくは降雪期、そうでない場合とある。当然わけて分析しないといけない」などの声が聞かれた。
原発が立地している地域以外の市町村が具体的な行動指針を策定するのは、全国でも初めてだ。代表幹事の長岡市長は、こうした指針は本来なら国が出すべきだと批判した。
このほか、締結を目指している東京電力との安全協定について、平常時から「連絡会」を設置すること、原発の異常時には原則30キロ圏の市町村が現地確認と意見交換ができるように求めていくことで一致した。
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11/2 18:40 テレビ新潟]
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■原子力規制委員会 大飯原発の断層調査
再稼働している原発の今後を左右するのでしょうか。
関西電力・大飯原発の敷地内にある断層が活断層かどうかを見極めるため、原子力規制委員会が初の現地調査を行いました。 調査が行われたのは、大飯原発2号機と3号機の間を走る「Fー6破砕帯」と呼ばれる断層で、この断層の上には原子炉を冷やすための海水が通るパイプがあります。 専門家らでつくる委員会の調査団は2日、調査用に10メートル近く掘られた溝に入り、10万年以上前の地層に活断層とみられる跡があるかどうか、土を削り取って目視で調べました。 関西電力は、これまでの独自の調査で「活断層ではない」としていますが、委員会は活断層の可能性が高いと判定した場合には、再稼働している3,4号機について「止めてもらう判断をせざるをえない」との見解を示しています。 「現場に来てみないとわからないことがたくさんあった。たくさんの情報を得ることができたと思っている」(原子力規制委員会 島崎邦彦委員長代理) 原子力規制委員会は4日、東京で開かれる会合で、今回の調査結果について評価する方針です。 (11/02 19:08) |
大飯原発で新たに断層確認か~規制委初の調査
投稿者: ourplanet 投稿日時: 金, 11/02/2012 - 08:23提供:原子力規制委員会
原子力規制委員会は2日、関西電力の大飯原子力発電所(福井県おおい町)の敷地内に活断層があるかどうかを確認する初の現地調査を実施した。大飯原発は7 月に3、4号機が再稼働し、現在、唯一運転している原発だが、規制委が活断層と判断した場合、運転停止を求める方針を示している。
問題となっている破砕帯「F―6」。2号機と3号機の原子炉建屋の間を南北に走り、3、4号機の原子炉冷却に必要な海水を取り込む設備を横切っている。関西電力は、活断層で出はないと否定してきた。
島崎邦彦委員長代理は調査後、記者会見で追加調査をする可能性に触れた。4日に東京都内で開く会合で結果を評価する。また、これまで活断層が存在する可能 性に言及してきた東洋大学の渡辺満久教授は、海岸沿いのトレンチ部分において、関西電力があるとしてきた「F―6」の破砕帯がなく、別の位置に破砕帯が あったと指摘。活断層であるかどうかは判断できないとしながらも、「否定出来ない」と話した。
規制委の田中俊一委員長は、活断層の存在ついて、「クロや濃いグレーなら運転停止を求める」との見解を示している。同原発は全国で唯一稼働しているが、活断層と判断すれば稼働中の3、4号機の運転停止を求める可能性がある。
現地調査後の記者会見 一問一答
Q、調査の感想は?
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
現場に来てみないと分からないことがたくさんありました。たくさんの情報を得る事ができた。
A、岡田篤正(立命館大学 グローバルイノベーション研究機構 教授)
報告書を見ただけではなかなか分からない。現場で見て、ああこういうことだって、いろんなデータを詰め合わせてこれから考えるべきだと思う。
A、廣内大助(信州大学 教育学部 准教授)
断層に関して、色んな耕造を見学することが出来た。一定の解釈では説明出来ない部分も実際にあると感じた。もう少し必要な調査、こういうのがいるんじゃないかと、提案していきたい。
A、重松紀正(産業技術総合研究所 活断層地震研究センター 主任研究員)
私自身、大飯原発に来るのがはじめてで、今まで書類でしか見ていなかった。実際どういうふうなものか、見ることができてよかった。一日という非常に短い時 間しかとれなくて、かなり限られた情報しかない。どこまで何が出来るか、難しいところもある。今日見た限りのことを元にできる範囲のことをやろうと考えて おります。
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
F6の位置も含めて、少し修正が必要だとなと。具体的なものを見ることができたので、これからしっかり議論しようと思います。
Q、今後、関西電力に追加調査の指示を出すのか?
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
日曜に会合を開き、今回見てきたことの評価をする段取りになっています。その段階で、もし必要であれば、再調査というものが出て来るのも可能性の1つとして考えられる。
Q、関西電力は中間報告で、F6破砕帯は見つからなかったとしているが、大場浜のトレンチを見ていて、破砕帯は見つかったのか?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
今までのバックチェックに現れていた、関電さんが示してたF6というものは、はっきりしたものは観察できなかったと思いますが、そうでない場所にはっきりとした破砕帯はあったと思います。
Q、別の場所というのは台場浜に?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
そうです。
Q、破砕帯の場所が違う場所で見つかったと。F6の破砕帯が見つかったと捉えてもいいのでしょうか?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
位置的には、今まで関電の資料で示されていたF6ではない。だけど、はっきりした破砕帯があって、カイセイソウを変異させていることは確認出来た。時代はよく分かりません。
Q、F6と考えてよいのか?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
私はF6の延長上で考えればいいと思います。
Q、今日見られた破砕帯、活動性はどう見るか?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
地層の時代がまだ分からない。100万年も前ではない。海のたまった地層が、断層でずれていた。変異した事は間違いないと思います。
Q、火山灰が見つかっているが、活断層の可能性があるということになるかか?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
今は否定できない。まだはっきりと申し上げられません。
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
基本的には、今新しい規制を制定しようとしている。そのことをふまえて総合的に判断する。今問われているのは、どのような安全性があるのかということが根 本的であって、何万年という数字の定義ではない。重要なのは、大飯原発の安全性であって、それを踏まえた上で、基本に立ち返って議論をする。
Q、電力会社の調査の後ではなく、前に注文を出した方がいいのでは?
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
そういう意味では、限られた資料について、判断をしようとしていますが、それで足りないということであれば、追加調査をこのような形で求めるのも1つ、日曜にどのような議論をするのかで決まる。
Q、山頂付近のトレンチ調査で、粘土のようなものが見つかったというお話を聞いた。実際にあったのか?それは断層活動によるものか?
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
どちらもYESだと思います。
A、岡田篤正(立命館大学 グローバルイノベーション研究機構 教授)
あると言えばある。幅も場所で違ってくるし、断層というのは岩石で出来てたから、何億年、長い年月で出来た。年代を限られるかどうか、最終活動時期がいつなのか?最も新しい時期、どの程度動いているか、これから資料を集めて考えるべき。
A、廣内大助(信州大学 教育学部 准教授)
山頂のトレンチで出たものが、断層であることは間違いない。いつ動いたのか。どう連続するのか、僕自身は、もう少し調べる必要があると思っている。
A、重松紀正(産業技術総合研究所 活断層地震研究センター主任研究員)
山頂で出て来たものは、明らかに断層。粘土を確認したのも事実です。どういう粘土鉱物が入っているのかを見て、今後総合的に判断すべき事。
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
断層運動で出来た粘土を確認しました。
Q、現地調査を行い、活断層の疑いがあるということを、これまでの見解よりも強くお持ちになったか?
A、岡田篤正(立命館大学 グローバルイノベーション研究機構 教授)
現時点では、直接の答えはできない。新しい地層も、年代を言わないといけない。上部の方の地層では、切れているものは無かったが、下部にはそれがあった。年代をこれからつめないといけない。
A、廣内大助(信州大学 教育学部 准教授)
地層を変異させるような耕造を認めている。時代がいつになるかによって、それが「活」とか「活」じゃないとか、という話になる。その結果が出ないと、活断層とか、危ないとかそういうことは分からない。
A、重松紀正(産業技術総合研究所 活断層地震研究センター主任研究員)
F6で、問題になっている断層のルートは見た。はっきり地層を切っているというところは、ほとんど無かった。ボーリングといっても、基盤の中の構造を見ている。すぐに判断できることではなくて、今日集めたデータで総合的に判断するしかないと思います。
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
今までと比較してということでしたら、確実に地層を切っているのを確認したので、そういう意味では(活断層の疑いの)レベルが上がったと思っている。
Q、11月4日に決断を出せるかどうか?
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
それは分かりません。
大飯原発で“緊迫の調査” 「活断層」なら停止も
こちらは、現在国内で唯一稼働している福井県の大飯原発です。しかし、2号機と3号機の間には断層が 走っていて、これが地震の際、地盤をずらして設備に損傷を与える危険がある「活断層」である可能性が否定できないことから、原子力規制委員会はきょう、初 めて現地調査を行いました活断層の疑いが強いと判断されれば、関西電力に原発の停止を求める方針で、調査の結果が注目されています。
'12/11/2
原子力規制委が活断層調査 「判断を尊重」と首相
原子力規制委員会(委員長)の現地調査団は2日、関西電力大飯原発(福井県)で敷地内断層を調査し、試掘溝の中を確認した。9月に発足した規制委 による初の調査で、4日には都内で評価会合を開き調査結果を議論する。活断層の疑いが強まれば、稼働中の3、4号機の運転停止を関電に求める方針。野田政権は6月、敷地内断層の再調査をしないまま、大飯3、4号機の安全性は確認できたとして再稼働を決めた。規制委の調査で活断層と判定されれば、政府の判断の是非も問われる。
野田佳彦首相は、共同通信などのインタビューで「規制委員会の判断が出るなら、当然政府は尊重する」と述べた。
調査団は委員長代理(東京大名誉教授、地震学)を中心に、関係学会から推薦を受けて選ばれた東洋大教授(変動地形学)ら専門家5人で構成。午前9 時すぎから原発構内の施設で関電の追加調査結果の説明を受けた。関電の副社長が「原発は重要な基幹電源なので、ご指示いただければあらゆることに対応す る」とあいさつ。島崎氏は「天候がどうなるか分からないが、よろしくお願いします」と述べた。
調査の対象は、1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」で、3、4号機の冷却に用いる非常用取水路の真下を走るとみられる。近くの活断層と連動し、地盤をずらして設備に損傷を与える危険性が指摘されている。
調査団は、雨が降り、約80人の報道陣が見守る中、海側にある縦約15メートル、横約40メートル、深さ約5メートルの試掘溝の中に入り、へらで表面を削ったり、写真を撮ったりしながら、岩の硬さや種類を確認。ボーリングで採取した試料も調べた。
規制委による断層調査は今後、東北電力東通原発(青森県)、北陸電力志賀原発(石川県)、日本原子力発電敦賀原発、関電美浜原発、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(いずれも福井県)の5原発でも実施される。
大飯原発断層“必要あれば再調査も”
11月2日 18時10分
国内で唯一運転中の福井県の大飯原子力発電所で、国の原子力規制委員会は、敷地にある断層が活断層 かどうかを検証する初めての現地調査を行いました。規制委員会の島崎邦彦委員は調査のあと、「必要があれば再調査の可能性もある」と述べて、今後、改めて 追加の調査をすることもありうるという考えを示しました。大飯原発を訪れたのは、原子力規制委員会の島崎邦彦委員と学会から推薦された専門家の合わせて5人 で、まず、関西電力からこれまでの調査について説明を受けました。このあと、敷地の北側で、地面の断面を見る「トレンチ調査」の現場を訪れ、「F-6破砕 帯」という断層が活断層かどうかを検証するため、地層を削るなどして調べました。
また、午後からは、「ボーリング調査」で抜き取った筒状の地層を手で触れて、破砕帯と思われる付近の性質や硬さなどを調べていました。2日の調査を基に、破砕帯を評価する会議が4日、東京で開かれることになっています。
規制委員会の島崎邦彦委員は調査のあと「現場に来てみないと分からないことがたくさんあったが、あさっての会合で評価する段取りになっている。必要があれば再調査の可能性もある」と述べて、今後、改めて追加の調査をすることもありうるという考えを示しました。
ま た、ほかの専門家からは「1日という非常に短い時間だったので限られた情報しかない」とか「これから新たに資料を集めて破砕帯がいつどの程度動いているか を考えるべきだ」といった意見が相次ぎました。4人の専門家からのうち、これまで活断層の疑いが否定できないと指摘してきた変動地形学が専門の東洋大学の 渡辺満久教授は「トレンチ調査の1か所で断層運動で出来た粘土を確認した。地層の年代がよく分からないのではっきり言えないが、地層がずれて変異したのは 間違いないと思う」と述べました。
規制委員会は、去年3月の巨大地震を受けて、電力会社などが破砕帯を調べている大飯原発を含む全国6か所で現地調査を行う計画で、今回が初めての調査となりました。
国内で唯一運転している大飯原発では、破砕帯の上に原子炉を冷やすために使う海水を取り込む安全上重要な配管があり、規制委員会は、結果によっては運転の停止を求める考えを示しています。
これに対し、関西電力は、先月31日、「現時点では、破砕帯は活断層とはみられない」とする中間報告をまとめていますが、破砕帯を想定どおりに確認できておらず疑問が残る結果になっていて、規制委員会の判断が注目されます。
規制委判断を尊重=大飯活断層問題―野田首相
- 2012年
11月
2日
18:02
JST
規制委の田中俊一委員長は、原発の重要施設に影響を与える活断層が判明した場合は、運転停止を求める考えを表明している。
[時事通信社]
[時事通信社]
三菱重工に36億円請求 原発停止で米電力会社
AP通信によると、運転停止に伴う損失額は9月末までに約3億1700万ドルに達した。(共同)
新潟 50キロ圏も避難準備すべき
11月2日 17時12分
原子力災害に備えた防災対策について検討してきた新潟県内の市町村で作る研究会は、国が防災を重点 的に行う範囲の目安としている、原発から半径30キロを超えた50キロの範囲の自治体についても、状況によっては住民の避難などが素早く行えるよう準備を すべきだとする指針をまとめました。指針は、福島第一原発の事故を受けて原子力災害に備えた対策を独自に検討しようと、新潟県内のすべての市町村で研究会を作り、議論を続けていたもので、2日に開いた会議でまとめました。
それによりますと、各自治体が地域防災計画で指定する防災を重点的に行う範囲については、国が先月31日に決定した新たな防災指針の原発から半径30キロを目安にするとしています。
一 方で、原子力規制委員会が公表した原発事故が起きた際の放射性物質の拡散予測では、原発から40キロの長岡市内で、国際的な避難基準の放射線量に達すると されたことなどから、半径50キロの範囲に含まれる自治体についても、状況に応じて住民の避難などが素早く行えるよう準備をすべきだとしています。
新潟県内の市町村はこの指針を基に、来年3月までに原子力災害に備えた地域防災計画などを策定することになります。
原発から30キロ以上離れた魚沼市の中川太一副市長は「どの段階で避難するのかなど判断基準が定まっていないので、国には早急に基準を示してほしい」と話しています。
原発事故時の指針策定
県内全30市町村でつくる「原子力安全対策に関する研究会」が2日午前、長岡市 役所で開かれ、東京電力柏崎刈羽原発の重大事故時に自治体が取るべき行動を明示した独自の行動指針を取りまとめた。各市町村では原発からの距離に応じ、風 向きを考慮した避難方法を取ることや、避難者の受け入れ策を検討することとした。東電との締結を目指している安全協定については、東電に原発異常時、原則 30キロ圏の市町村が現地確認と意見交換の場を求める方針を事務局が説明した。原子力規制庁によると、原発立地地域以外の市町村が主体となって指針を策定するのは全国初めて。今後は指針を各市町村で地域防災計画などに反映させるとともに、県に広域調整を求める。
【政治・行政】
原発停止で支援要請=立地市町村
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「全国原子力発電所所在市町村協議会」の河瀬会長(敦賀市長)=写真右端=らは2日、経産省に枝野経産相を訪ね「原発の長期停止が立地地域の経済産業に大きな影響を与えている」と訴え、支援策を講じるよう求めた。 【時事通信社】
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原発事故:県外避難先「国が調整すべき」 敦賀市長、県の方針を支持 /福井
毎日新聞 2012年11月02日 地方版敦賀市の河瀬一治市長は1日の定例記者会見で、原発10+件事故時の県外避難について「国が前面に出て調整すべきだ」と述べ、県外の避難先確保は国の役割と主張している県の方針を支持した。
原子力規制委員会が先月31日に示した原子力災害対策指針は、防災対策を重点的に行う区域の目安を原発10+件の30キロ圏内とし、同市は全域が含まれる。滋賀県や京都府が、事故時に福井県からの避難者受け入れに前向きな姿勢を示す一方で、福井県は現状では避難先を県内に限定している。
河瀬市長は、県外の避難先確保について「自治体同士でやると、不都合が出てくる。県の姿勢は問題ない」と述べた。【柳楽未来】
島根原発:事故時の対応協議 溝口知事・鳥取知事ら、協議会設置など /島根
毎日新聞 2012年11月02日 地方版鳥取県の平井伸治知事は1日、同県米子、境港の両市長と島根県庁を訪れ、中国電力島根原発10+件(松江市)の事故時の対応について溝口善兵衛知事と意見交換した。平井知事は両県で広域防災体制に関する協議会を設置することを改めて提案。溝口知事は「(原発10+件周辺の県内)4市とよく話をしたい」と述べるにとどまった。
国の新しい原子力災害対策指針では、原発10+件30 キロ圏に複数の県が含まれる場合は、国が主体的に関与して各県の意見調整を行う必要性に言及している。平井知事はこの点に触れ、両県の副知事が参加する協 議会の設置が必要との認識を示した。また、避難時の道路混雑状況の推計や放射線モニタリングデータの集計とデータベース化を両県共同で実施することも提案 した。
両知事は4月に会談した際、両県と周辺6市長を交えた協議会の設置について基本合意していた。平井知事は終了後、「(両県の)中枢の人間が交渉力を持ち、まとめ上げることが必要」と説明。早ければ11月中の設置を求める考えを示した。【曽根田和久】
<大飯原発>規制委が破砕帯調査…活断層なら停止も
毎日新聞:記事一覧
2012年11月2日(金)11時05分配信
掘った溝の中で地層を調べる原子力規制委員会の調査団ら=福井県おおい町の大飯原発で2012年11月2日午前10時20分、畠山哲郎撮影毎日新聞
全国で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内を走る断層(破砕帯)に活断層の可能性が指摘されている問題で、 原子力規制委員会は2日午前、現地調査を始めた。終日、実施する。規制委が現場で断層調査するのは発足後初めて。4日には東京都内で会合を開き、調査結果 を評価する。活断層と判断すれば、運転停止を求める方針。
【図で見る】大飯原発周辺にある主な破砕帯(断層)と調査地点
調査団は、地震学が専門の島崎邦彦委員長代理(前地震予知連絡会会長)のほか、活断層による危険性を警告してきた渡辺満久(みつひさ)・東洋大教授ら外部専門家4人で構成する計5人。
問題になっているのは、1、2号機と稼働中の3、4号機の間をほぼ南北に走る「F−6破砕帯」。真上を、緊急時に原子炉の冷却用海水を取り込む重要施設「非常用取水路」が通っているとみられる。
調査団は2日午前、F−6破砕帯の位置などを調べる目的で関電が敷地北端の「台場浜」地区に掘ったトレンチと呼ばれる溝(縦37メートル、横14メート ル、深さ5メートル)に入った。午後には1、2号機北側の山にある別のトレンチでF−6破砕帯を直接見るほか、長さを確認したりするため、延長部分と想定 される場所も調べる。
調査のポイントは破砕帯の活動時期だ。現行の原発の耐震設計審査指針では、後期更新世(13万〜12万年前)より新しい時期に動いた断層を活断層とみなす。一方で島崎氏は、数十万年前までさかのぼって活動していれば活断層とみなすよう提案している。
国が安全審査に用いている手引では、原子炉や非常用取水路のような重要施設を活断層の上に建てることを認めていない。また、田中俊一委員長は、9月の記者会見で「(活断層の可能性が)クロか濃いグレーなら(運転を)止めてもらうことをお願いする」と明言している。
しかし、手引自体には運転停止命令を出せる法的な強制力がなく、規制委は来年7月までに手続きに法的根拠を持たせるため、原子炉等規制法に基づいた安全基準の策定を進めている。この基準に適合しないと稼働できない。
今回の調査は、東日本大震災が引き金となって、昨年4月に福島県で動かないとされた断層が動いて地震が発生したのを受け、規制委の前身である経済産業省原 子力安全・保安院が全原発の敷地内にある断層の総点検を始めた。これを受け、関電が7月に提出した資料が不十分であることなどから「活断層の可能性を否定 できない」と再調査を指示した。関電は10月31日、「活断層ではないとする従来の評価を覆すデータは見つかっていない」とする中間報告を規制委に提出し た。年内に最終報告する予定だ。【岡田英、畠山哲郎、松野和生
◇破砕帯◇
地下にかかる圧力によって地層がずれる断層活動 の痕跡の一種で、ずれた断層面に沿って押しつぶされて砕けた岩石が帯状の層となって表れたもの。厚さ数センチ〜数メートルの場合が多く、大きな断層は大規 模な破砕帯を伴うことが多い。大飯原発のほか、東北電力東通、日本原子力発電敦賀、北陸電力志賀、関西電力美浜の4原発と日本原子力研究開発機構の高速増 殖原型炉もんじゅでも、敷地内の破砕帯が活断層かどうかの再調査が行われている。
◇大飯原発の破砕帯を調べる有識者◇
島崎邦彦・原子力規制委員会委員長代理 東京大名誉教授。日本地震学会、地震予知連絡会の会長を歴任
岡田篤正・立命館大グローバル・イノベーション研究機構教授 日本活断層学会の初代会長を務め、阪神大震災後に主要な活断層調査を先導
重松紀生・産業技術総合研究所活断層・地震研究センター主任研究員 英リバプール大研究員などを経て現職。断層のずれによって形成される特殊な岩石が専門
広内大助・信州大教育学部准教授 愛知工業大地域防災研究センター研究員などを経て現職。変動地形学が専門で本州中部の活断層調査経験が豊富
渡辺満久・東洋大社会学部教授 日本活断層学会監事。敦賀原発など複数の原発周辺の活断層調査の不備を早くから指摘している
特集ワイド:原発の呪縛・日本よ! 社会学者・吉見俊哉さん
毎日新聞 2012年11月02日 東京夕刊<この国はどこへ行こうとしているのか>
◇「平和利用」の夢、覚ませ−−社会学者・吉見俊哉さん(55)
研究室のテーブルに積み上げられた本の山に、浦沢直樹さんの漫画「PLUTO(プルートウ)」があるのを見つけた。故手塚治虫さんの「鉄腕アトム」の一話を原作とした作品だ。社会学者の頭脳の中で、サブカルチャーと原子力はどう交錯するのか。記者の目が留まったことに気付いたのか、こう説明してくれた。「言うまでもなくアトムは原子力で動く未 来のロボットですが、そこには『コントロール可能な原子力』という象徴性があった。実はドラえもんもそうです。昭和20年代に始まったアトムからドラえも んを経て現代の浦沢さんに至るまで、こうした作品群は、戦後の日本社会が破壊的な力を蓄えた原子力を内部に抱え込んでいった現実を図らずも映し出していま す」
昨年の初夏から秋、東日本大震災の被災地を大学教授のグループで3回訪れた。がれきの荒野となった沿岸部の惨状は、写真でしか目にしていない敗戦直後の焼け野原とあまりにも似ていた。福島県ではいわき市から北上し、一般人が東京電力福島第1原発10+件に近づけるギリギリの地点に立った。「地中海や瀬戸内海沿岸のように海と緩やかな丘が調和した風景と、放射能汚染とのコントラスト。この激しいギャップをどう受け止めていいのか分からず、戸惑いました」
衝撃は一つの疑問へと収れんしていった。広島、長崎を経験したはずのこの国が、1999年のJCO臨界事故などに続いて今また「被ばく」に苦しむ、この「連続性」をもたらしたものは何なのか。
答えを探すために執筆したのが、今年8月に出した「夢の原子力」だった。吉見さんはあるページを開き、 1枚の白黒写真を示した。写っているのは、55年に東京・日比谷公園で催された「原子力平和利用博覧会」の入場を待つ長蛇の列だ。「原子炉や原子力船、原 子力飛行機などの模型が展示され、原子力を利用すれば豊かでバラ色の生活が可能になると国民にアピールする場だったんです」
全国の主要都市を巡回し、約260万人が来場した。それぞれの主催は読売をはじめとする新聞社。<原子 力はこわいもので戦争だけに使うものだと思っていましたが、農業、工業、医学にも使えると知ってびっくりした>。当時、新聞に掲載された「読者の声」をた どると、原子力への拒否反応が和らいだことが明確に分かるという。
福島県に集中…“震災関連死”2303人に 復興庁(11/02 15:02)
東日本大震災の避難生活で体調を崩すなどして亡くなった「震災関連死」が、9月末までに2303人に上り、そのうち約半数が福島県内だったことが復興庁のまとめで明らかになりました。平野復興大臣:「福島県に半分近くの方が集中している。これは、福島県全体の避難者の数が多いということとの関連があるかもしれないが、いずれにせよ福島県に集中している」
復興庁によりますと、今年9月末までに震災関連死と認定された人は、1都9県で2303人に上り、福島県内では1121人となりました。平野大臣は、福島 県で震災関連死が多いことについて、原発事故の影響で住み慣れない町での避難生活が長期化していることなどを理由に挙げました。このため、福島県と共同で 原因を調査し、対策を強化していく考えを示しました。
ことば:関西電力大飯原発
毎日新聞 2012年11月02日 東京夕刊◇関西電力大飯原発
福井県おおい町に1〜4号機が立地する。1、2号機は1979年、3号機は91年、4号機は93年に運転開始。いずれも加圧水型(PWR)で、東京電力福島第1原発10+件の沸騰水型(BWR)とは炉型が異なる。4基の総出力は471万キロワットで、関電の3原発10+件では最大規模。今年7月に3、4号機(いずれも118万キロワット)が再稼働した。現在、国内で運転している原発10+件はこの2基だけ。「原発は止めろ、値上げはいやだ」と駄々をこねる人々
2012年11月02日(金)14時54分
関西電力、九州電力、北海道電力、東北電力、四国電力は、あいついで電気料金の値上げを表明した。原発20+ 件の停止によってLNG(液化天然ガス)の輸入が急増したことが最大の原因だ。すでに値上げの方針を表明した東京電力と合わせて、10電力のうち6社が値上げすることになる。
関西電力が29日に発表した今年4~9月期の中間決算は、最終損益が1167億円の赤字で、原発20+ 件の停止にともなうコスト増は2700億円。九州電力は1650億円の最終赤字で、このまま赤字がふくらむと、2014年3月期には債務超過になるという。北海道電力は泊原発を再稼働しないと、今年の冬に電力不足に陥るおそれがある。北陸と沖縄を除く8社の中間決算の赤字額は合計6700億円にのぼる。
原発20+ 件を止めたことによるLNGなどの燃料費増は、政府の見通しによれば昨年2.3兆円、今年は3.1兆円である。全国の電力会社の売り上げの合計は約15兆円だから、その2割が原発の停止で吹っ飛ぶことになる。短期的にはやりくりで値上げ幅を抑えるにしても、長期的には電気料金が2割上がることは避けられない。産業用の料金も利用者に転嫁されるので、1人あたり年間2万5000円の負担増。消費税の1.5%に相当する。
既に値上げを正式表明した関西電力や九州電力と同様、北電は原発比率が4割と高い。原発への過度の依存が経営を急速に悪化させたばかりでなく、電力の安定供給も危うくしたと言える。[中略]電力会社は原発20+ 件頼みの経営体質を変えなければならない。
これは言いがかりである。値上げが必要になったのは北電が「原発20+ 件頼み」だったからではなく、政府が唐突に原発を止めたからで、これは電力会社の責任ではない。経営体質をどう変えようと、これまでに輸入したLNGの損失は変えられない。
昨年12月のLNG価格(100万BTUあたり)は、アメリカの2ドル以下に対して、日本は18ドル以上と9倍にのぼる。LNGのほとんど長期契約で調達されているので、スポット市場に出ている量は少ない。そこに原発20+ 件を止められて他にオプションのない日本の電力会社が殺到したため足元を見られ、高値でLNGを買わされたのだ。
北海道新聞は「原子力規制委員会が新しい安全基準を決めるまで再稼働は許さない」というが、新基準が決まるには1年以上かかるとみられている。新
基準ができるまでは、旧基準を適用するのが法治国家のルールである。地方紙の論理を適用するなら、建築基準法を改正するときは、新基準が決まるまで旧基準
の家に住んではいけないのだろうか。
かつて原発20+ 件停
止をあおった急先鋒は、こういう地方紙だった。その責任に口をぬぐって「電力会社が悪いから値上げは認めない」と主張するのはご都合主義である。こういう
わがままは、55年体制で社会党が「増税には反対だが福祉は充実しろ」と主張したのと同じだ。幸いなことに、ネットメディアによって真っ先に淘汰されるの
も、こうした「万年野党」である。
原発事故:退避・避難7日が限度 高島市が4類型想定、市外でも1カ月 /滋賀
毎日新聞 2012年11月02日 地方版高島市は1日、福井県の3原発10+件で 4類型の事故を想定した住民避難計画の概要を示した。屋内退避2日の後、避難所5日、さらに市外避難では1カ月を限度とし、それを超える場合は仮設住宅へ の移転などを県に要請する内容。避難所に入る住民には、被ばく線量評価のため行動記録票を渡して記入を指示する独自案も盛り込んだ。福島原発10+件事故を教訓にした。
同日の第3回原子力災害対策検討委(委員長、高橋知之京都大原子炉実験所准教授)で市原子力防災計画素案と住民避難計画概要を示し、公開した。
想定は大飯、美浜、敦賀の3原発10+件の単独事故と大飯、美浜同時事故の4類型。緊急防護措置区域(UPZ)30キロ圏にとどまらず、県独自の予測による最大43キロの県版UPZ内の防護対策を掲げた。
国際原子力機関(IAEA)の避難基準を基に(1)プルーム(放射性雲)通過による被ばく防止の屋内退 避(2)高線量が続く場合は最寄りの広域避難所、次いでUPZ圏外の同避難所(3)市外の避難施設−−の順とし、目安として(1)は2日、(2)はバスに よる移動時間も含め計5日、(3)は1カ月を限度とした。(2)では徒歩を基本としながら遠方住民にはバイク、車の利用も認める考えだ。【塚原和俊】
原発事故時、最大20万人避難 新潟の全市町村が計画
- 2012/11/2 13:50
暫定版の避難計画によると、小中学校や公共施設に加えて、新潟県旅館ホテル組合に加盟する民間の宿泊施設を避難先として想定している。避難の交通手段はバスや自家用車を使う。
シミュレーションは風向きに応じて10種類の拡散パターンを想定。原発からの方角と距離に応じて人口を調べ、避難すべき人数を試算した。西 風が吹いた場合、長岡市中心部が避難エリアに含まれ、避難対象人口は最大19万9500人に達するという。原発事故時に北風が吹いた場合、糸魚川・妙高方 面で避難施設の収容能力が不足することも分かった。
会合後に記者会見した長岡市の森民夫市長は「これだけ詳しい避難計画の骨子は全国でもほかにない。今後は各市町村が持ち帰って具体的な計画策定を考えていくことになる」と説明した。長岡市は地域防災計画を今年度中につくる予定。
大飯断層 規制委が調査
2012年11月2日 夕刊大飯原発の試掘溝を調べる原子力規制委員会調査団の島崎邦彦委員長代理(左手前)ら=2日午前10時15分、福井県おおい町の大飯原発で |
調査チームは時折強い雨が降る中、調査に踏み切った。断層が露出している北側の海岸「台場浜」周辺やほかの溝、掘削(ボーリング)調査をした際に掘り出された土を見て、断層が動く可能性を判断する。
現地調査はこの日で終わり、四日に都内で会合を開き、活断層かどうかを議論する。
大飯原発では、1、2号機と、国内で唯一再稼働した3、4号機の間をF-6断層が南北に走っている。この断層が近くの活断層と連動し、地表がずれて設備を損傷させる恐れが指摘されている。
断層上には、海から冷却水を引き込む重要な取水路がある。活断層と判断されれば、原発の耐震設計審査指針に反し、規制委は運転停止を求める見通し。
調査チームは、島崎氏のほか、活断層の可能性を指摘した渡辺満久・東洋大教授ら地震や地質の学会から推薦された有識者四人の計五人で構成。
規制委の田中俊一委員長は「重要施設の下に活断層があるという状況は問題がある。クロまたは濃いグレーの場合、原発を止めてもらう判断をする」と明言している。
大飯原発の断層、原子力規制委が現地調査開始
原子力規制委員会は2日午前、関西電力の大飯原子力発電所(福井県おおい町)の敷地内の破砕帯(断層)が、将来動く恐れのある活断層かどうかを確認する初めての現地調査を開始した。
同日中に現地調査を終え、4日に都内で調査結果に関する評価会合を開く。大飯原発は7月に3、4号機が再稼働し、国内17か所の原発で唯一運転している。規制委は最終的に活断層と判断した場合、国の耐震設計審査指針に反するとして、運転停止を求める方針だ。
問題の破砕帯「F―6」は、2号機と3号機の原子炉建屋の間を南北に走り、3、4号機の原子炉冷却に必要な海水を取り込む重要設備「非常用取水
路」の真下を横切る。1987年の3、4号機の増設許可以来、活断層ではないとされてきた。しかし、東日本大震災後、旧原子力安全・保安院は、原発の活断層評価を見直す中で、判断材料が不十分として、関電に再調査を指示していた。
(2012年11月2日11時28分 読売新聞)
大飯原発で活断層調査始まる 規制委調査団
2012.11.2
10:00
原子力規制委員会の専門家調査団は2日、国内の原発で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県おおい町)で、敷地内を走る軟弱な断層(破砕帯)が活断層かどうか判断するため調査を始めた。4日に東京で会合を開き、調査結果を評価する。
調査しているのは1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北方向に走る「F-6断層」と呼ばれる破砕帯。規制委の島崎邦彦委員長代理を中心に、Fー6断層の危険性を指摘してきた渡辺満久・東洋大教授ら計5人の専門家がこの日早朝から現地に入った。
調査団は、関電が掘った深さ数メートルの溝に入り、その壁面に表れた地層を観察するなどして、断層の活動性や連続性を調査。調査地点は、海岸付近の地表から山頂付近まで6カ所で、終日かけて回る。
関電によると、これまでの調査で破砕帯が活断層でないという従来の評価を覆す結果はなく、周辺の断層との連動性を示すデータもないという。
旧原子力安全・保安院から再調査を求められていた関電は10月31日、規制委に対し「活断層があると示唆する結果は得られていない」とする中間報告を提出した。追加調査をした後、年内に最終報告をまとめる。
原発の耐震設計審査指針では、13万~12万年前以降に活動した形跡があれば活断層と判定されるが、島崎委員長代理は40万年前以降も含め、活断層の定義を大幅に拡大する方針を示している。
原子力規制委員会の専門家調査団は2日、国内の原発で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県おおい町)で、敷地内を走る軟弱な断層(破砕帯)が活断層かどうか判断するため調査を始めた。4日に東京で会合を開き、調査結果を評価する。
調査しているのは1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北方向に走る「F-6断層」と呼ばれる破砕帯。規制委の島崎邦彦委員長代理を中心に、Fー6断層の危険性を指摘してきた渡辺満久・東洋大教授ら計5人の専門家がこの日早朝から現地に入った。
調査団は、関電が掘った深さ数メートルの溝に入り、その壁面に表れた地層を観察するなどして、断層の活動性や連続性を調査。調査地点は、海岸付近の地表から山頂付近まで6カ所で、終日かけて回る。
関電によると、これまでの調査で破砕帯が活断層でないという従来の評価を覆す結果はなく、周辺の断層との連動性を示すデータもないという。
旧原子力安全・保安院から再調査を求められていた関電は10月31日、規制委に対し「活断層があると示唆する結果は得られていない」とする中間報告を提出した。追加調査をした後、年内に最終報告をまとめる。
原発の耐震設計審査指針では、13万~12万年前以降に活動した形跡があれば活断層と判定されるが、島崎委員長代理は40万年前以降も含め、活断層の定義を大幅に拡大する方針を示している。
福島の震災関連死 対策チーム設置へ
11月2日 13時0分
平野復興大臣は記者会見で、東日本大震災のいわゆる震災関連死が、原発事故で被害を受けた福島県で減少傾向がみられないとして、地元自治体などとともに新たに対策チームを設け、原因の分析や防止策を検討していく考えを示しました。この中で、平野復興大臣は、長引く避難生活による体調の悪化などで亡くなった震災関連死について、 「震災の発生から1年間の推移を見ると、福島県以外では、時間の経過とともに減少しているが、福島県は減っていない。加えて福島県は、震災の発生1年から 1年半の間にも、35人が亡くなっている」と述べました。
そのうえで、平野復興大臣は「医師や看護師も避難してしまっていたなどの原因が考えられ るが、福島県に特化した原因調査を行う必要がある。原因を明らかにし、避難先への訪問を増やすなど、対策を強化したい」と述べ、福島県などとともに、新た に対策チームを設け、原因の分析や防止策を検討する考えを示しました。
復興庁が2日に発表した、ことし9月末までの震災関連死は、1都9県で合わせて2303人で、福島県が1121人と全体の半数近くを占め、宮城県が812人、岩手県が323人などとなっています。
地層に触り撮影も=風雨の中、初の調査-大飯原発・規制委
原子力規制委員会による初の現地調査は、時折降る強い雨と冷たい風の中で始まった。2日午前、福井県おおい町の関西電力大飯原発。調査団の専門家ら5人はまず、原発敷地北側の海辺を訪れ、写真を撮ったり、直接地層に触ったりしながら確認作業を進めた。
専門家らは薄いグレーの作業着などに身を包み、白いヘルメットをかぶって調査に臨んだ。関電が断層調査のため地面に掘った深さ数メートルの溝の底に降り、赤茶色の地層や黒ずんだ断面を調べた。
調査団には関電の担当者が同行。専門家らは担当者に質問したり、地層を軽く削ったりしていた。(2012/11/02-11:48)
専門家らは薄いグレーの作業着などに身を包み、白いヘルメットをかぶって調査に臨んだ。関電が断層調査のため地面に掘った深さ数メートルの溝の底に降り、赤茶色の地層や黒ずんだ断面を調べた。
調査団には関電の担当者が同行。専門家らは担当者に質問したり、地層を軽く削ったりしていた。(2012/11/02-11:48)
2012年11月
2日
12:00
10日に「即時原発ゼロの提言」笠井・講演会
原発ゼロを掲げる「11・11全国いっせい行動」に連帯して、日本共産党京都府委員会(渡辺和俊委員長)は10日午後1時半から、京都市上京区の KBS京都ホールで、笠井亮衆院議員(党原発・エネルギー問題対策委員会責任者)を迎えて「『即時原発ゼロ提言』を語る」講演会を開きます。「提言」作成の責任者でもある笠井氏が、「なぜ、即時原発ゼロか」「即時原発ゼロは可能か」などについて、「提言」に基づき1時間にわたり詳しく説明。質疑応答も約1時間予定されています。また、原発ゼロの運動を進める各界・市民団体代表らの発言も予定されています。
参加無料。保育あり。問い合わせ先は同党府委員会TEL075・211・5371。(「週刊しんぶん京都民報」2012年11月4日付掲載)
大飯原発「破砕帯」が「活断層」か判断する原子力規制委現地調査
関西電力大飯原発の敷地内を走る「破砕帯」と呼ばれる断層が、地震の際に動く「活断層」かどうか判断する、原子力規制委員会の現地調査が2日朝から始まった。
地図で見てみると、建設当初から関西電力が確認していたとしている破砕帯は、2号機と3号機の間に伸びている。
しかし、関西電力が、2012年8月から再調査した結果、4カ所に破砕帯を確認した。
再調査で、破砕帯が従来の主張とは異なる位置にあったことがわかるなど、関西電力の調査がずさんではないかとの懸念も浮上している。
さらに、冷却用の海水をくみ上げるための配管もあり、この破砕帯が活断層だった場合の危険性が指摘されている。
規制委員会の調査団が、どのような判断をするのか注目される。
調査団は、午前9時に敷地内に入った。
現地調査は、「F-6」と呼ばれる破砕帯が、地震の際に動く活断層かどうかを調べるため、原子力規制委員会の委員や専門家が、関西電力が行っている調査の現場を視察し、地層の確認を行っている。
F-6破砕帯については、これまで関西電力の調査結果をもとに、旧原子力安全・保安院が「活断層ではない」との評価を下し、2012年夏、3号機と4号機の再稼働を認めた。
2日の調査には、活断層のおそれを指摘し続けてきた専門家も含まれていて、活断層の可能性が否定できないと判断された場合、大飯原発の運転継続に影響が出ることが予想されている。
(11/02 12:04
元作業員東電を申告、元請け告発 第一原発被ばく事故 安全法違反容疑で
東京電力福島第一原発事故直後、高い放射線量の下で違法に復旧作業に従事させられたとして東電に対し是正勧告を求める申告、元請け企業「関電工」 (本社・東京都)を刑事告発する考えを明らかにしていた、いわき市の元男性作業員(46)は1日までに労働安全衛生法違反の疑いで両社を富岡労基署に訴え た。申請は10月30日付。男性と支援する日本労働弁護団は1日、厚生労働省で記者会見し、過酷な条件の下で作業に就いた実態を赤裸々に語った。弁護団に よると、作業員の被ばく事故で東電側の責任を追及するのは初めて。元男性作業員や弁護団によると、男性は二次下請け企業の社員だった。男性は昨 年3月24日、同僚2人と共に元請け企業「関電工」の社員2人と一次下請け企業の社員1人の合わせて6人で、福島第一原発3号機タービン建屋の地下で電源 ケーブル敷設作業に当たった。現場監督の関電工社員から高線量の汚染水の水たまりでの作業を指示された。関電工の2人と一次下請け企業の一人の計三人は水 たまり内で作業に就き、最大で220ミリシーベルトの被ばくを受けた。男性は作業を拒否した。男性は30~40分間の作業で11ミリシーベルト被ばくした という。
弁護団は監督を務めた関電工の社員が現場の放射線量や汚染水の状況を慎重に確認しなかった点を挙げ、「作業継続の指示は、事業者が作業 員の被ばく線量を可能な限り低く抑えるように求めている労働安全衛生法に違反している」と説明した。作業を発注した東電も「違反行為を防ぐために必要な措 置を講じておらず同法に違反する」とした。
記者会見に臨んだ元男性作業員は「告発が原発事故の収束作業に当たる全作業員の安全確保に向けた取り 組みの契機になってほしい」と訴えた理由を説明した。弁護団の水口洋介、山添拓両弁護士は「多重下請けで安全対策がおろそかになっているのが現状だ。東電 と関電工の責任を追及して、労働環境が改善するよう対応を求めたい」と語った。
(
新潟、全市町村が原発避難計画
- 2012/11/2 12:03
代表幹事の長岡市によると、市町村レベルで避難計画を策定するのは全国で初めて。
事故時の風向きごとに各自治体の避難先の希望を調整し、新潟県が定める地域防災計画や国の法令を基に、事故の際に各自治体に求められる行動をより具体的に示した。
柏崎刈羽原発から50キロ圏内を対象に人口分布を把握し、各市町村がどの地区に避難したいかを調査。人数や移動手段、避難先の収容数を考慮し、旅館やホテルも避難先の選択肢としたほか、自家用車による避難を前提とするよう定めた。
ただ、風向きによっては、避難先の収容数が足りず、他県の受け入れ先を探すよう新潟県に要請する必要が出るなど、課題を残した。各自治体は今回の計画などを基に地域防災計画案を策定し、年内に原子力規制委員会に提出する。〔共同〕
活断層あれば稼働停止も…大飯原発の断層調査(11/02 11:48)
国内で唯一稼働している福井県の大飯原発について、原子力規制委員会が、敷地内を走る断層の現地調査を初めて行っています。 調査が行われているのは、2号機と3号機との間を南北に走る長さ約900メートルの断層です。最近、40万年以内に動いたことが確認され、活断層と認定さ れれば、大飯原発は稼働停止となる可能性もあります。(松井康真記者報告)
あいにくの雨のなか、2日午前10時から調査は始 まりました。5人の調査団は、まず建屋の北側に調査用に掘られたトレンチと呼ばれる溝の中に入りました。調査のリーダーである島崎委員長代理が、自らコテ のようなものを使って地層を削り取るシーンもありました。また、調査団のなかには、早くから「大飯原発の敷地内に活断層がないとは言えない」と指摘してい た専門家も含まれています。調査は午後5時まで行われます。
(Q.この調査の結果はいつ出る?)
原子力規制委員会は4日、場所を東 京に移して今回の調査を評価します。関西電力は「活断層ではない」と主張していますが、規制委員会の田中委員長は「黒かグレーなら原発を止めてもらう」と 話をしています。電力の需給に関係なく、単に科学的にどうかということで判断するということです。今後の日本の原発政策に影響を及ぼす大事な調査となりま す。
福島:原発事故で国道6号が不通 国道349号、交通量が急増 近所に行くのも命がけ
2012年11月02日山間の集落が悲鳴を上げている。原発10+件事 故の影響で、いわきや県中方面から南相馬方面へ向かう復興関連の大型車両などが、阿武隈山系の国道に「迂回(うかい)路」として殺到しているためだ。特 に、復興支援として一部避難者を除いて高速道路の無料化措置が終わった今年4月以降、通行量は急増。沿道の集落は24時間、疾駆する車両の騒音と粉じんに 悩まされ、お年寄りや子どもは横断できず立ち尽くす。住民は「これでは“酷道”だ」と嘆いている。【栗田慎一、三村泰揮】
◇住民「これでは“酷道”だ」
中央車線のない細いくねくね道が続く、田村市船引町新舘の国道349号。木材や建設資材、燃料などを積んだ大型車両に加え、事業用の車などがひっきりなしに往来する。「近所に行くのも命がけになっちまった」。新舘で生まれ育った面川アサエさん(87)が1日、目の前を走る大型車両をやりすごしながらつぶやいた。
面川さんによると、朝6時前には349号に大型車が殺到し始める。新聞配達もしている面川さんは、配達時間を1時間前倒しし、5時半までに終えるようにした。「車にはねられたら犬死にだ。放射能だけでなく、原発10+件事故はとんでもない副産物をもたらした」
県警によると、原発10+件事故後、迂回路として阿武隈山系の国道の通行車両が急増した。迂回路は複数あるが、田村市内の349号は主なルートが重複し、混雑が激しい。
最も通行量の多い迂回路は、いわき市の国道49号から349号に入って北上、田村市、二本松市、川俣町から県道12号に入り、南相馬方面へ向かうルート。いわき市内の399号を北上し、川内村を通過、田村市で288号、349号へ入り北上するルートもある。
これらルートでは死亡事故が頻発。今年6月にワゴン車が大型トレーラーと正面衝突し、葛尾村のお年寄り 4人が死亡した事故も、南相馬市から避難先の三春町に戻る途中の349号だった。また、田村市を訪れた中国人女性が9月、349号を横断中に乗用車にはね られ死亡している。
県警は、事故が起きると、県トラック協会などを通じて注意喚起の書類を配るなど防止策に努めているが、ある県警幹部は「警察の取り組みには限界もある」と指摘する。「浜通りと中通りを結ぶ道路は、県内の他地域と比べて整備が遅れていた。そこに原発10+件事故が起き、避難車両が殺到して渋滞を招いた。それが今は迂回路の問題を引き起こしている」
東電に透析患者の賠償請求 県腎臓病協議会
県腎臓病協議会は1日、東京電力に対し、県内の人工透析患者約5000人に福島第一原発事故による精神的、身体的賠償として地域別に1人当たり40万〜120万円の支払いを求める請求書を提出した。
原発事故後、広域避難や物資の不足で、本来必要な人工透析を受けることができないケースがあり、身体的、精神的に損害を受けたとしている。
その上で警戒区域などに指定された地域は1人120万円、相双は同100万円、いわきは同80万円、県北・県中・県南・会津は同40万円の賠償を求めている。
協議会によると、県内の人工透析患者は約5千人。
協議会員は約1700人だが、全ての患者を対象とするよう求めている。
吾妻政光会長が福島市の東電福島地域支援室を訪れ、福島補償相談センターの大野理副所長に請求書を手渡した。
吾妻会長は「原発事故で、患者は不慣れな環境での透析を強いられた。
この気持ちをくんでほしい」と求めた。
大野副所長は「中身をしっかりと把握し、今後の対応を検討したい」と述べた。
原発事故後、広域避難や物資の不足で、本来必要な人工透析を受けることができないケースがあり、身体的、精神的に損害を受けたとしている。
その上で警戒区域などに指定された地域は1人120万円、相双は同100万円、いわきは同80万円、県北・県中・県南・会津は同40万円の賠償を求めている。
協議会によると、県内の人工透析患者は約5千人。
協議会員は約1700人だが、全ての患者を対象とするよう求めている。
吾妻政光会長が福島市の東電福島地域支援室を訪れ、福島補償相談センターの大野理副所長に請求書を手渡した。
吾妻会長は「原発事故で、患者は不慣れな環境での透析を強いられた。
この気持ちをくんでほしい」と求めた。
大野副所長は「中身をしっかりと把握し、今後の対応を検討したい」と述べた。
東京電力が、
福島第1原発事故の賠償に関する業務や除染作業を強化するため、福島県内に本社機能を設ける方針を固めたことが3日分かった。福島に関連する業務を「福島
本社」に移す。現在の態勢を増員し、4千人超が復興業務に当たる。来週にも発表する中期経営計画に盛り込む。
東電の意思決定は、東京の本店で実施しているが、地元の自治体や住民には「意向が十分反映されていない」との不満がある。現地の態勢や権限を増強し、賠償や復興を全力で進める姿勢を打ち出す狙いもある。
福島本社のトップは東京本店の副社長級とし、社内から選ぶ。
(共同通信社)('12/11/03
東電の意思決定は、東京の本店で実施しているが、地元の自治体や住民には「意向が十分反映されていない」との不満がある。現地の態勢や権限を増強し、賠償や復興を全力で進める姿勢を打ち出す狙いもある。
福島本社のトップは東京本店の副社長級とし、社内から選ぶ。
(共同通信社)('12/11/03
規制委が活動年代拡大なら評価困難 大飯原発破砕帯調査で専門家ら
(2012年11月3日午前11時43分)
大飯原発敷地内のトレンチで地層面の状況を確認する原子力規制委員会の調査団=2日午前10時13分、福井県おおい町大島の大飯原発
ボーリング調査の試料を確認する原子力規制委員会の島崎委員長代理(右)
ボーリング調査の試料を確認する原子力規制委員会の島崎委員長代理(右)
原子力規制委員会は2日、関西電力大飯原発20+ 件敷
地内(福井県おおい町)の破砕帯(断層)をじかに調査。規制委の島崎邦彦委員長代理は「たくさんの情報が得られた」と感想を述べる一方、追加調査の可能性
も示唆し、4日の評価会合で結論が出るかどうかは微妙だ。評価次第では運転停止につながる可能性があるが、専門家からは断層の活動性の有無や年代を正確に
特定する難しさを指摘する声も上がっている。
「F―6断層」の現地調査は、約6時間をかけて入念に行われた。敷地北側の海岸沿いのトレ ンチ(試掘溝)では、関電が延長部分は認められないとしている壁面の地質分布を確認。地滑り跡とされる部分を中心に、周囲を工具で削って硬さなどを調べ た。1、2号機背面の山頂付近のトレンチではF―6断層が確認されており、年代特定につながる土石類がないかを観察した。
関電が3、4号機建設の安全審査で掘ったトレンチ跡では、ボーリング調査で採取した試料が調査団に示された。渡辺満久東洋大教授が当時の資料から活断層の可能性を指摘するきっかけとなった地点でもあり、試料中に見つかった破砕部近辺の様子を慎重に調べた。
4日の会合では、活断層かどうかを判断するための活動年代が論議の対象になる可能性がある。耐震設計審査指針では13万~12万年前以降に動いた断層を活断層とみなすとしてきたが、島崎氏は10月下旬、年代の定義を40万年前以降に見直す意向を表明しているからだ。
ただ、2日の調査後、島崎氏は「重要なのは大飯原発20+ 件の安全性。基本に立ち返って議論するのがわれわれの立場だ」とも述べ、年代定義にこだわらずに破砕帯が与える影響を見極める姿勢を示した。規制委事務局の原子力規制庁担当者は「明確な定義がないまま調査に着手する形になった」と評価基準のあいまいさを認める。
今後の議論で年代定義が拡大されれば、関電の調査は前提が覆るだけでなく、耐震安全性の再評価を迫られる可能性が出てくる。関電の担当者は40万年前以降 の定義について「意識したこともない」とし「年代が古くなるほど活動した跡が残っている可能性は低く、評価しにくくなる」と疑問を口にする。
断層の活動年代をめぐり、明確な評価の難しさを指摘するのは福井大教育地域科学部の山本博文教授(地質学)。破砕面の上部の地層の年代と変形の有無による 判別が「最も信頼の置ける評価方法」とする一方、「該当する古い地層を特定するのは非常に困難。40万年前となれば評価は至難の業」との見方を示した。
規制庁の担当者は「はっきりした証拠が示せれば、関電の最終報告を待たずに結論を出すこともあり得る」とするが、現時点で明確な評価が出るかは不明。最終的に“灰色”と判断された場合にも難しい対応を迫られることになる。
「F―6断層」の現地調査は、約6時間をかけて入念に行われた。敷地北側の海岸沿いのトレ ンチ(試掘溝)では、関電が延長部分は認められないとしている壁面の地質分布を確認。地滑り跡とされる部分を中心に、周囲を工具で削って硬さなどを調べ た。1、2号機背面の山頂付近のトレンチではF―6断層が確認されており、年代特定につながる土石類がないかを観察した。
関電が3、4号機建設の安全審査で掘ったトレンチ跡では、ボーリング調査で採取した試料が調査団に示された。渡辺満久東洋大教授が当時の資料から活断層の可能性を指摘するきっかけとなった地点でもあり、試料中に見つかった破砕部近辺の様子を慎重に調べた。
4日の会合では、活断層かどうかを判断するための活動年代が論議の対象になる可能性がある。耐震設計審査指針では13万~12万年前以降に動いた断層を活断層とみなすとしてきたが、島崎氏は10月下旬、年代の定義を40万年前以降に見直す意向を表明しているからだ。
ただ、2日の調査後、島崎氏は「重要なのは大飯原発20+ 件の安全性。基本に立ち返って議論するのがわれわれの立場だ」とも述べ、年代定義にこだわらずに破砕帯が与える影響を見極める姿勢を示した。規制委事務局の原子力規制庁担当者は「明確な定義がないまま調査に着手する形になった」と評価基準のあいまいさを認める。
今後の議論で年代定義が拡大されれば、関電の調査は前提が覆るだけでなく、耐震安全性の再評価を迫られる可能性が出てくる。関電の担当者は40万年前以降 の定義について「意識したこともない」とし「年代が古くなるほど活動した跡が残っている可能性は低く、評価しにくくなる」と疑問を口にする。
断層の活動年代をめぐり、明確な評価の難しさを指摘するのは福井大教育地域科学部の山本博文教授(地質学)。破砕面の上部の地層の年代と変形の有無による 判別が「最も信頼の置ける評価方法」とする一方、「該当する古い地層を特定するのは非常に困難。40万年前となれば評価は至難の業」との見方を示した。
規制庁の担当者は「はっきりした証拠が示せれば、関電の最終報告を待たずに結論を出すこともあり得る」とするが、現時点で明確な評価が出るかは不明。最終的に“灰色”と判断された場合にも難しい対応を迫られることになる。
東電が福島に本社機能 2012/11/3
10:42
ファミリーマートが移動販売開始 川内
ファミリーマートの移動販売が2日、川内村で始まった。村役場駐車場で毎週火・金曜日の午前11時半から午後1時半まで、移動販売車で日用品や弁当、菓子類などを販売する。
年内は続ける予定。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興支援策。
販売初日から昼食などを買い求める村民の姿が見られた。
県内自主避難に家賃補助 県方針
東京電力福島第一原発事
故を受け、県内で自主避難生活を送っている住民に対し、県は2日、新たに家賃補助を行う方針を固めた。放射線量が比較的低い地域に移った住民のうち、妊婦
や18歳以下の子供がいる世帯が対象。避難生活が長期化していることや、既に補助を受けている県外避難者とのバランスを考慮した。
県関係者によると、県内の自主避難者に対する家賃補助制度は、今月分の家賃から適用される見通し。1日時点でアパートなどを借りて避難生活を送っていることが条件で、「借り上げ住宅(みなし仮設住宅)」に近い形となる。
県は震災後、津波の被災者や原発事故による避難指示区域の住民らに対して、みなし仮設住宅制度を導入。4人家族6万円、5人以上9万円までの物件について、家賃を全額補助している。
それ以外の地域の住民でも、新潟や山形県に自主避難した場合、県は同様の家賃補助を実施。受け入れ先の自治体がいったん避難者に家賃を補助し、後から県に請求する仕組みだ。一方、県内で別の地域に自主避難した住民は対象から外れていた。「避難指示が出た地域の住民の支援を優先するのが原則」(県幹部)との理由から だ。これに対し、県内の自主避難者のグループなどが「自分たちも避難したくて避難したわけではない。不公平だ」などと訴え、補助対象に加えるよう県に要望 していた。
県も、自主避難の長期化に加え、避難指示区域の住民の住宅確保に一定のめどがたったことから、補助対象を拡大する方向で検討してきた。ただ、財政上の問題もあり、妊婦や18歳以下の子供がいる家庭に限定することにした。
(2012年11月3日 読売新聞)
透析患者団体が東電に賠償請求
2012年11月03日透析の患者団体「県腎臓病協議会」(二本松市)は1日、原発事故で精神的、身体的な被害があったとして、東京電力に損害賠償を請求した。患者1人あたり120万~40万円の支払いを求めている。
同協議会は「避難する間に透析の時間や回数が減り苦痛を受けた」と説明。県内約5千人の透析患者について、居住地ごとに五つにわけ、それ ぞれ一律の賠償をするよう求めている。同会の吾妻政光会長は「弱者への特別な配慮を求めたい」と話している。これに対し東電は「しっかり対応、検討させて 頂きたい」としている。
透析は機能が悪化した患者の腎臓に代わり、血液から老廃物や余分な水分を除く治療法。定期的に受け続けないと体調が悪化し、命にかかわる。原発事故後、被災地で病院が閉鎖したため、県外避難を強いられた患者が少なくない。
告発の原発作業員、朝日新聞に語る
2012年11月03日●「被曝労働の実態 改善して」
福島第一原発事故の収束作業で被曝(ひばく)させられたと、東京電力の責任を問い、元請け会社の関電工を告発した作業員(46)=いわき 市在住=が、朝日新聞の取材に応じた。作業員は「被曝労働の実態を明らかにして、今後の作業環境を改善してほしい」と訴えた。支援する弁護団は「何次にも わたる下請け構造が無責任体制の根源にある」と批判している。
●湯気立つ水面「あり得ない」
階段下の地下室をヘッドライトが照らした。うっすら湯気の立つ水面が見えた。「あり得ない」。たまり水は、高濃度の放射性物質で汚染された水だ。家で待つ子どもの顔が脳裏に浮かび、身体が震えた――。
原発事故からまもない昨年3月24日午前のことだった。福島第一原発3号機。原子炉タービン建屋に関電工社員らと6人で入った。地下室の電源盤にケーブルをつなぐ作業にとりかかった。
作業を開始して数分後、線量計の警告音が次々と鳴りだした。設定は毎時20ミリシーベルト。動揺する作業員に、関電工の社員は「故障もあるし、誤作動もある」となだめた。
地下への階段に身を乗り出すと、線量が高くなり、コンクリートの壁に隠れると低くなった。
茨城県内の高校を中退し、さまざまな職業を経験。6年前から原発の電気設備会社の従業員として働いていた。
「線量も確認せず、たまり水に触れてはならない」。常識のはずが、同僚作業員は水深15センチほどの水に足をつけて作業していた。くるぶしまでつかった水は「生温かかった」という。
階段を地下まで降りて、ケーブルを手すりに縛り付けるよう指示されたが、断った。それでも小一時間の作業で、線量計の値は11ミリシーベルト。たまり水に入った関電工の社員2人は173~180ミリシーベルトを浴びて、福島市の県立医大に緊急搬送された。
その後、広野火力発電所や新潟県の柏崎刈羽原発、青森県六ケ所村の施設など、被曝量の低い仕事にまわされた。だが、今年3月16日以降、仕事が来なくなった。事実上の解雇状態だ。今は土木作業や除染作業で妻子を養う。
「被曝事故は起きたのではなく、起こされた。我々は高線量を浴びさせられて使い捨てか」。そう悔しがる。
原発収束作業にたずさわる末端作業員の立場は不安定だ。被曝線量の上限に達すれば、作業員として働くことができなくなる。
「あのときは長靴も履いていなかった。指示に従って地下に降り、そのまま作業を続けていたら死んでいたかもしれない。これから何年後かに自分の健康がどうなるかも分からない」。あの体験で生じた不安はいまも消えない。
●背景に下請け多重構造
作業員の告発に、東電は「現場作業者の作業環境と放射線の安全管理については引き続き徹底していきたい」とコメントした。
しかし、原発作業員の被曝線量のずさんな管理や被曝事故時の無責任な体制などが、次々と明るみに出ているのはなぜか。
背景にあるのは複雑な下請け関係だ。今回の事故では現場にいた東電の作業チームは毎時400ミリシーベルトの放射線量を知ってすぐに撤収。一方、作業員のチームはそのまま作業を継続していた。
下請けの多重構造が、末端作業員の労働安全や健康管理の責任をあいまいにしている――。日本労働弁護団の水口洋介弁護士らはそう指摘する。
労働安全衛生法31条は、直接の雇用関係がなくても、特定事業で発注者が労働者の災害防止措置をとるよう義務づける。ただ、法令の指定は 建設業や造船業などに限られ、原発事業の位置づけは明確ではない。これが「責任追及の壁」になっているとし、弁護団は法の不備の是正も求める。
「私はたまたま、いろんな人の助けがあって訴えることができたけれど、ほとんどの労働者は職を失うから口を閉ざすしかない」。作業員はそう語った。
今後は事故収束だけでなく廃炉作業でも、高線量下で働く原発作業員の力が必要だ。それも廃炉まで何十年と続く。「こんなことをやっていたら、作業に従事する人が本当に集まらなくなる」。予期せぬ被曝をさせられてしまった作業員の警告だ。(本田雅和)
原子力発電所の地元自治体トップらが枝野経産相と面会
原子力発電所の地元自治体のトップらが、枝野経済産業相と面会し、原発停止にともなう支援を要請した。
福井・敦賀市の河瀬市長は「原発の長期停止が立地地域の経済、産業に大きな影響を与えている」と述べた。
「全国原子力発電所所在市町村協議会」の河瀬会長(福井・敦賀市長)は2日、経産省を訪れ、枝野経産相に原発停止にともなう実態の調査や、損失補償、雇用確保などの支援策を求めた。
これに対し、枝野経産相は「中期的な対策と足元の対策が重要で、できることから着実に進めたい」と述べた。
(11/02 20:39
有識者への寄付金などを公表
11月3日 4時34分
原子力発電所の運転再開の判断の前提となる新たな安全基準を検討する外部の有識者6人について、原子力規制委員会は電力会社などからの寄付金や報酬の総額をホームページで公表しました。すべて自己申告制で、最も多い人で総額2714万円となっています。
原子力規制委員会は、外部の有識者から意見を聞く際、透明性や中立性を確保するため、電力会社などからの寄付金や報酬について自己申告を求め公表する方針を定めています。
この方針に基づいて先月、立ち上げた運転再開の判断の前提となる新たな安全基準を検討する会議の有識者について寄付の状況などを調べ、ホームページで公表しました。
そ れによりますと、この3年間に6人のうち4人が、電力会社やメーカーから寄付金や共同研究などの報酬を受け取り、総額は、最も多い人で2714万円、最も 少ない人でおよそ300万円でした。規制委員会の内規では、個別の原発を審査する場合などを除き、寄付金や研究費を受け取ることを認めていて、その代わ り、自己申告するよう求めています。
ただ、自己申告の内容については、個別にチェックはしないということです。
値上げする電力会社の経営努力は十分か
- 2012/11/3付
値上げは家計や企業の負担を増やし、経済を停滞させかねない。電力会社は影響の大きさを認識し、最大限の経営効率化に取り組んでもらいたい。安全が確保できた原発については政府が再稼働させる道筋をつけることも必要だ。
原発を持つ電力会社9社の2012年4~9月期連結決算は、北陸電力を除いた8社が最終赤字になった。原発が再稼働せず、燃料費負担の増大が続けば、債務超過への転落も現実味を増す。
電力を安定供給するには、値上げ申請はやむをえない部分もある。だが経済への影響を考えれば、値上げ幅はできるだけ抑えたい。政府の認可が必要な家庭用料金については厳格に査定すべきだ。
東京電力が5月に申請した家庭向け料金の引き上げを機に政府は、人件費の水準や、盛り込む費用の内訳など料金原価の計算ルールを見直した。関電などの申請も、これに沿っているかどうか見極める必要がある。
電力会社は値上げを繰り返さないためにも、抜本的な経営改革に踏み込まなければならない。設備投資の先送りなどのコスト削減策を示しているが、十分とはいえない。国際的に割高な液化天然ガス(LNG)の購入費の引き下げや資材調達の工夫など、見直しの余地はまだある。
政府は電力小売りの全面自由化など、競争を促す電力市場改革も急ぐべきだ。「地域独占」に守られてきた電力会社に、高コスト体質からの脱皮を迫る必要がある。
それでも火力依存が続けば、燃料費は経営努力を上回るペースで増える。日本エネルギー経済研究所の試算では、燃料費の追加負担は20年までに24兆円となる。国富が流出するうえ、電気料金の上昇が日本企業の国際競争力を弱め、国内の空洞化が進みかねない。
こうした影響を避けるには原発の利用を考えざるをえない。政府がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」は、安全が確認できた原発は再稼働 させるとしている。原子力規制委員会が発足し、再稼働の前提となる新しい安全基準作りも始まった。規制委には作業を滞りなく進めるよう求めたい
大飯原発、活断層の可能性指摘 規制委、追加調査も示唆
2012年11月02日19時50分
原子力規制委員会(田中俊一委員長)は2日、現地調査団を派遣して、関西電力大飯原発(福井県)の敷地内をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」を調査
した。延長部分とみられる断層が新たに確認され、調査団の専門家は活断層の可能性を指摘。団長役の島崎邦彦委員長代理は「必要であれば(関電に)再調査を
求める可能性も選択肢の一つ」と追加調査を示唆した。
調査団は敷地内に掘られた試掘溝で地層を見たほか、ボーリングで採取した試料も確認。
調査団の渡辺満久東洋大教授は、関電が「断層はない」とする敷地北側の試掘溝内でF―6断層の北部延長とみられる断層を確認したと明らかにした。
調査団は敷地内に掘られた試掘溝で地層を見たほか、ボーリングで採取した試料も確認。
調査団の渡辺満久東洋大教授は、関電が「断層はない」とする敷地北側の試掘溝内でF―6断層の北部延長とみられる断層を確認したと明らかにした。
【写真】関西電力大飯原発の敷地内断層の調査で、ボーリング調査のサンプルを確認する原子力規制委員会の調査団ら=2日午後、福井県おおい町
東電「福島本社」設立で調整へ
11月3日 2時14分
東京電力は、原発事故に伴う賠償や除染への対応に万全を期すため、こうした業務を担当する本社機能を全面的に福島県内に移し、新たに「福島本社」と位置づけて、現地の体制を4000人を超える規模とする方針を固め、調整を進めることにしています。東京電力は、福島第一原発の事故による被害者への賠償や除染、それに最長で40年と見込まれている原発の廃炉の実施が最も重要な経営課題となっています。
こ れらについて東京電力は、東京の本店で重要な決定などを行ってきましたが、地元の自治体や住民の意向が十分に反映されていないといった指摘が多いことか ら、こうした本社機能を全面的に福島県に移し、「福島本社」と位置づけて新たな拠点を設立する方針を固め、調整を進めることにしています。
東京電力は「福島本社」には東京本店の副社長級の幹部をトップとして数百人規模を東京から異動させ、これまで賠償の実務に当たってきた社員などを含めて福島県内で4000人を超える規模の人員を配置するとしています。
東京電力としては今後、こうした内容について福島県などとの調整を進めて、来週中にも発表する新たな経営方針に盛り込みたいとしています。
規制委、大飯原発で破砕帯調査 報道陣80人、現場緊迫 福井
2012.11.3
02:05
島崎邦彦・原子力規制委員長代理ら調査団5人が2日、関西電力大飯原子力発電所(おおい町)で実施した破砕帯「F-6断層」の現地調査。調査団は 降雨の中、レンチという溝などで念入りに地層を見て、岩石の種類などを確認したが、活断層の疑いが強い場合は稼働中の3、4号機が停止する可能性もあるだ けに、上空には報道各社のヘリコプターが旋回し、報道陣80人が周辺を取り囲むなど現場は異様な雰囲気に包まれた。
調査団の島崎委員長代理は冒頭、「天候が分からないが、よろしくお願いします」とあいさつ。関電の豊松秀己副社長は「指示があれば、あらゆることに対応していく」と述べた。
調査団は午前10時、大飯2、3号機の間の山に掘られた溝(縦15メートル、横40メートル、深さ5メートル)に移動。ヘラで斜面を削るなどして地層を確認した。
一方、現地調査前に報道陣が調査団への取材を要望すると、規制委の広報官が「判断に影響を与えないように、外部からの圧力から守るのが役目です」とこたえたため、報道陣が反発。広報官は「要望だけは伝える」と述べた。
また、調査中、民主党の橋本勉ら衆議院議員3人が来訪。政治からの独立を掲げる規制委側は「『国民の代表として調査を見届ける』というので、許可した」と理由を述べた。
島崎邦彦・原子力規制委員長代理ら調査団5人が2日、関西電力大飯原子力発電所(おおい町)で実施した破砕帯「F-6断層」の現地調査。調査団は 降雨の中、レンチという溝などで念入りに地層を見て、岩石の種類などを確認したが、活断層の疑いが強い場合は稼働中の3、4号機が停止する可能性もあるだ けに、上空には報道各社のヘリコプターが旋回し、報道陣80人が周辺を取り囲むなど現場は異様な雰囲気に包まれた。
調査団の島崎委員長代理は冒頭、「天候が分からないが、よろしくお願いします」とあいさつ。関電の豊松秀己副社長は「指示があれば、あらゆることに対応していく」と述べた。
調査団は午前10時、大飯2、3号機の間の山に掘られた溝(縦15メートル、横40メートル、深さ5メートル)に移動。ヘラで斜面を削るなどして地層を確認した。
一方、現地調査前に報道陣が調査団への取材を要望すると、規制委の広報官が「判断に影響を与えないように、外部からの圧力から守るのが役目です」とこたえたため、報道陣が反発。広報官は「要望だけは伝える」と述べた。
また、調査中、民主党の橋本勉ら衆議院議員3人が来訪。政治からの独立を掲げる規制委側は「『国民の代表として調査を見届ける』というので、許可した」と理由を述べた。
県内市町村研究会、避難計画指針を策定 原発事故時の風向き考慮 新潟
2012.11.3
02:03
県内全30市町村でつくる原子力安全対策に関する研究会は2日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の事故時に自治体がとるべき行動指針「避難計画(暫 定版)案」をまとめた。風向きに応じた避難方法を取ることを柱に、人数や移動手段、避難先の収容数を考慮し、旅館やホテルも避難先の選択肢としたほか、自 家用車による避難を前提とするよう定めた。各市町村は指針を踏まえて地域防災計画を策定し、原子力規制委員会へ年度内に提出する。市町村レベルの指針策定 は全国で初めて。
指針は県地域防災計画や国の法令を基に、原発から50キロ圏内を中心に県内の市町村を4つの区域に分類。事故時の風向きごとに各自治体の避難先を調整した。ただ風向きによっては避難先の収容数が足りず、県外の受け入れ先を探すよう県に要請する必要があるとしている。
この日の会合では、風向きごとの10パターンの避難対象人口の試算。西風の場合、長岡市を中心に19万9500人に達し、最大規模になるとしている。
原子力規制委員会によると、原発から30キロ圏の人口は43万5433人。事故時にただちに避難することが必要な5キロ圏の柏崎市は1万6600人、刈羽 村は全域で4900人。その避難先について、柏崎市と刈羽村は新潟・村上、湯沢・魚沼、糸魚川・妙高としたが、糸魚川・妙高では受け入れ能力が不足する可 能性もあるとした。
研究会代表幹事の森民夫・長岡市長は「パニックにならないように30市町村が連携し危険を回避することが大事」と話し、防災計画を策定していくに当たり、意識を共有していくことが重要との認識を示した。
また、東電と結ぶ安全協定の基本方針を示し、原則30キロ圏内の市町村が現地確認などができる場を設置することなどを盛り込むことで一致した。同協定は東電との紳士協定になるため、国に法的位置付けを求めることも確認した。
県内全30市町村でつくる原子力安全対策に関する研究会は2日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の事故時に自治体がとるべき行動指針「避難計画(暫 定版)案」をまとめた。風向きに応じた避難方法を取ることを柱に、人数や移動手段、避難先の収容数を考慮し、旅館やホテルも避難先の選択肢としたほか、自 家用車による避難を前提とするよう定めた。各市町村は指針を踏まえて地域防災計画を策定し、原子力規制委員会へ年度内に提出する。市町村レベルの指針策定 は全国で初めて。
指針は県地域防災計画や国の法令を基に、原発から50キロ圏内を中心に県内の市町村を4つの区域に分類。事故時の風向きごとに各自治体の避難先を調整した。ただ風向きによっては避難先の収容数が足りず、県外の受け入れ先を探すよう県に要請する必要があるとしている。
この日の会合では、風向きごとの10パターンの避難対象人口の試算。西風の場合、長岡市を中心に19万9500人に達し、最大規模になるとしている。
原子力規制委員会によると、原発から30キロ圏の人口は43万5433人。事故時にただちに避難することが必要な5キロ圏の柏崎市は1万6600人、刈羽 村は全域で4900人。その避難先について、柏崎市と刈羽村は新潟・村上、湯沢・魚沼、糸魚川・妙高としたが、糸魚川・妙高では受け入れ能力が不足する可 能性もあるとした。
研究会代表幹事の森民夫・長岡市長は「パニックにならないように30市町村が連携し危険を回避することが大事」と話し、防災計画を策定していくに当たり、意識を共有していくことが重要との認識を示した。
また、東電と結ぶ安全協定の基本方針を示し、原則30キロ圏内の市町村が現地確認などができる場を設置することなどを盛り込むことで一致した。同協定は東電との紳士協定になるため、国に法的位置付けを求めることも確認した。
東電、福島に「復興本社」 賠償・除染へ4000人
13・14年度経営方針、持ち株会社化も明記
- 2012/11/3 2:06
- 日本経済新聞 電子版
来週に発表する。東電と政府の原子力損害賠償支援機構は5月、総合特…
福島第一で大量被曝もう1人 東電、指摘受け一転発表
東電と元請けの関電工は地下の汚染水に入ったのは3人だけと公表してきたが、地下に入ることを拒んだ作業員が1日に記者会見し、3人とは別に地下に入った作業員がいると明らかにしたことを受け、従来の説明を改めた。
この被曝事故では、ケーブルの設置作業に当たった関電工2人、1次下請け1人、2次下請け3人の計6人のチームのうち、まず関電工と1次の計3人が地下 に入り、線量計の警報を無視して作業した。180ミリシーベルト前後の非常に高い線量の被曝をし、作業後に手当てを受けた。
規制委専門家、6人中4人が寄付金や報酬
- 2012/11/3 1:32
4人のうち大阪大大学院の山口彰教授は関西電力関連会社の原子力エンジニアリングから、名古屋大の山本章夫教授も同社などから、年間50万 円以上の報酬や謝礼を受け取った。寄付金や研究費は、山本教授が原発メーカーの三菱重工業などから少なくとも計2714万円、山口教授は日本原子力発電な どから計1010万円を得ていた。
阿部豊筑波大教授は東京電力技術開発研究所などから計約500万円、日本原子力研究開発機構の杉山智之研究主幹も原子燃料工業から計約300万円を受け取った。
規制委は、対象が限定されない原発の安全基準などの策定に関わる専門家は、報酬や寄付金などを公開するよう求めているが、メンバーから除外する規定は設けていない。原子力機構の渡辺憲夫研究主席と明治大の勝田忠広専任准教授は受け取っていなかった。〔共同〕
大飯原発の断層を調査 活断層なら運転中止も
関西電力・大飯原発の敷地内を走る断層が活断層である可能性が指摘されている問題で、原子力規制委員会 は2日、発足後初めて現地調査を行いました。4日に評価会合を開き、調査結果について議論する方針です。活断層と判断されれば、関西電力に運転停止を求め る方針で、国内で唯一稼働している原発が運転停止を迫られることになります。
規制委、原発立地自治体と防災会議
動画を他のプレイヤーで見る原発事故に備えた新たな防災指針がまとまったのを受け、原子力規制委員会は原発が立地する自治体の防災担当者らを集め、地域の防災計画づくりに向けて会議を開きました。
この会議は、原子力防災について国と地方の連携を強化しようと、原子力規制委員会が開催したもので、原発が立地する自治体など、26道府県の防災担当者が参加しました。
原子力規制庁の職員が先月31日にまとめられた、新たな防災指針について説明すると、自治体からは、「国は、どれだけサポートしてくれるのか。県境を越える避難の際は、国が調整役をはたして欲しい」などといった意見が出たということです。
各自治体は、来年の3月までに地域の防災計画を作ることになりますが、指針の改訂で初めて防災計画を作る自治体も多く、規制委員会は、今月中に、防災計画づくりのひな形などを作成したいとしています。(02日19:27)
大飯原発の再調査要請も 規制委、活断層か判断へ
- 2012/11/3 0:40
山頂付近のトレンチで見つかった「F-6破砕帯」(中央)を調べる原子力規制委員会の現地調査団(2日、福井県おおい町の関西電力大飯原発)=代表撮影
島崎氏は記者団に対し「情報が十分かどうか議論する必要がある」と指摘。「活断層の定義も踏まえ、総合的に判断したい」と述べた。調査団の メンバーで、活断層の可能性を指摘してきた東洋大の渡辺満久教授は「(見つかった断層は)活断層かどうかは現時点では分からないが、今までより疑いのレベ ルは上がった」との見解を示した。他のメンバーは現時点で活断層と判断する明確な理由はないと指摘した。
調査団は現地調査を踏まえ4日に評価会合を開く。活断層の有無を協議し、関電に追加調査を求める見通し。そのうえで活断層かどうかの判断を近く示す。
調査団が2日に調べたのは2号機と3号機の間を走る「F―6断層」。細かく砕かれた岩石などでできた断層で、原発の冷却に用いる非常用取水 路の真下を通っている。朝から夕方まで約8時間、関電が事前に掘り出した断層面の見える穴や岩盤などを視察。これまで見つからなかった新たな断層を海側で 確認した。
焦点は見つかった断層の年代だ。古い断層と規制委が判定すれば問題はない。だが、新しい年代に生成した活断層と判定すれば、規制委は大飯原発に運転停止を求める。
関電は「活断層を示唆するものはない」とする中間報告を10月末に規制委に提出した。これは12万~13万年前以降に動いた地層を活断層と する現在の耐震指針に基づいた判断。規制委は活断層の定義を「40万年前以降」に拡大する方針で、新定義を適用すれば、対象外だった断層が新たに活断層と 判定される可能性もある。地層の年代の推定は極めて難しく、専門家の間でも意見は割れる。
野田佳彦首相は2日、内閣記者会とのインタビューで「規制委員会の判断が出るなら、当然政府は尊重する」と述べた。
規制委は今後、東北電力東通原発(青森県)、北陸電力志賀原発(石川県)、日本原子力発電敦賀原発、関電美浜原発、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(いずれも福井県)の5原発でも断層調査を行う。
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■ 大飯原発、規制委が現地で断層調査
関西電力・大飯原発の重要施設の下を走るのは「活断層」なのでしょうか。2日、原子力規制委員会の調査団が現地調査に入りました。調査の対象となったの
は、敷地内を南北に走る「F6断層」です。これが「活断層」であるという疑いが強まれば、国内で唯一稼働している「大飯原発3、4号機」が運転停止となる
可能性があります。
「調査団のメンバーが、地下およそ10メートル深く掘り下げられたトレンチと呼ばれる溝を降りて、断層が安全上問題がないのかどうか、入念に調べています」(記者) 今年7月に再稼働した関西電力・大飯原発。国内で唯一稼働する原発に2日、原子力規制委員会の調査が入りました。2号機と3号機の間を南北に走る「F6破砕帯」と呼ばれる断層。これが活断層かどうかを見極めるためです。調査は4か所で行われました。 ここでいう活断層とは、「12万から13万年前以降に動いた断層」。調査団は、その跡があるかどうかを調べていきます。1号機と2号機のすぐ裏手にある山頂付近。硬い岩の塊が、中央を境に左右に2分しています。これが「F6断層」です。 「やわらかい。あまり安定していないかなという雰囲気」(東洋大学 変動地形学 渡辺満久 教授) 調査団の1人である東洋大学の渡辺満久教授は、3、4号機が再稼働する前から、「F6断層」が「活断層である可能性が捨てきれない」として、再調査の必要 性を指摘していました。渡辺教授が指摘するのは、およそ30年前、関西電力が大飯原発を建設する際に行った調査の断層図です。 南東側のスケッチには目立った問題は見られないものの、北西側のスケッチには岩盤と地層にズレが見られるというのです。 国は、こうした渡辺教授の指摘を受け、今年7月、関西電力に対して、断層の状態を再調査するよう指示。関西電力は先月31日、「活断層と示す結果は得られなかった」とする中間報告を提出しました。 調査に先立ち、原子力規制委員会の田中委員長は・・・ 「断層が横切って動く(活断層)であれば、これは指針上まずいわけで、(原発を)止めていただくというような判断をせざるを得ない」(原子力規制委員会 田中俊一 委員長、先月31日) 「F6断層」の上には、緊急時に原子炉を冷やすための海水用パイプが通っています。委員会は、「活断層の可能性が高い」と判定した場合、稼働中の3、4号機について、「止めてもらう判断をせざるを得ない」としています。 2日の調査後・・・ 「(動いた)その時代がいつかで、活断層かどうかという話になる。その結果が出ないと活断層とか危ないとかは判断できない」(信州大学 広内大助 准教授) 「もし必要なら、再調査ということが出てくることも可能性の一つとして考えられる」(原子力規制委員会 島崎邦彦 委員長代理) 委員会は、4日の会合で調査結果について評価する方針ですが、島崎委員長代理は、「関電に再調査を求める可能性も選択肢の1つ」と述べています。(02日23:51)
原子力規制委が活断層調査
/ 大飯原発で発足後初
原子力規制委員会(田中俊一委員長)の現地調査団は2日午前、関西電力大飯原発(福井県)で敷地内断層の調査を始めた。9月に発足した規制委による初の
調査で、4日には都内で評価会合を開き調査結果を議論する。活断層の疑いが強まれば、稼働中の3、4号機の運転停止を関電に求める方針。
野田政権は6月、敷地内断層の再調査をしないまま大飯3、4号機の安全性は確認できたとして再稼働を決めた。規制委の調査で活断層と判定されれば、政府の判断の是非も問われる。 調査団は島崎邦彦委員長代理(東京大名誉教授、地震学)ら専門家5人。 2012年11月02日 11時11分 |
報酬や寄付金、最高2714万円 規制委の4人、直近3~4年間に
2012年11月2日 23時42分原子力規制委員会(田中俊一委員長)は2日、原発の新たな安全基準検討チームの専門家6人について、電力会社などからの報酬や寄付金などの受け取り状況を公表した。4人が直近3~4年間にそれぞれ300万~2714万円を得ていた。
事務局の原子力規制庁は「ルールに従って選定しており、問題ない」としているが、こうした専門家の判断には電力会社などの意向が働きかねず安全規制の骨抜きにつながる恐れがある。
4人のうち名古屋大の山本章夫教授は関西電力関連会社の原子力エンジニアリングなどから年間50万円以上、原発メーカーの三菱重工業などから少なくとも計2714万円を得ていた。
'12/11/3
活断層の可能性指摘 大飯原発、規制委が初確認
原子力規制委員会(委員長)の調査団は2日、関西電力大飯原発(福井県)の敷地内をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」を調査、延長部分とみ られる断層が新たに確認され、調査団の専門家は活断層の可能性を指摘した。団長役の委員長代理(東京大名誉教授)は追加調査を示唆した。9月に発足した規制委による初の調査。4日に都内で開く会合で結果を評価する。活断層の疑いが強まれば、稼働中の3、4号機の運転停止を関電に求める方針。
島崎氏は「必要であれば(関電に)再調査を求める可能性も選択肢の一つ」と述べた。
F―6断層は、3、4号機の冷却に用いる重要設備「非常用取水路」の真下を走っているとみられる。近くの活断層と連動し、地盤をずらして設備に損傷を与える危険性が指摘されている。
調査団の東洋大教授は、関電が断層はないとしていた敷地北側の試掘溝内で、F―6断層の延長とみられる断層を確認したと明らかにした。断層がある地層の年代が分からず「今のところは(活断層であることを)否定できないという段階だ」としている。
南側の別の試掘溝では断層活動でできた粘土も見つかっており、調査団からは「地層が切れていた。年代を詰めないといけない」(立命館大教授)や 「地層を変位(ずれ)させる構造はあった。時代がいつなのか調べないと、活断層かは分からない」(信州大准教授)との声が上がった。
規制委は、原発の安全審査で「13万~12万年前以降に活動」としている活断層の定義を「40万年前以降」に拡大する方針を示しており、これまで考慮されなかった断層も活断層と認定される可能性がある。
調査団は5人。試掘溝の中で、へらで表面を削ったり写真を撮ったりしながら、岩の硬さや種類を確認。ボーリングで採取した試料も調べた。
野田佳彦首相は、共同通信などのインタビューで「規制委員会の判断が出るなら、当然政府は尊重する」と述べた。
規制委による断層調査は今後、東北電力東通(青森県)、北陸電力志賀(石川県)、日本原子力発電敦賀、関電美浜、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(いずれも福井県)の5原発でも実施される。
大飯原発断層、関電に追加調査要求も…規制委
関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)の敷地内にある破砕帯(断層)について、原子力規制委員会の島崎邦彦・規制委員長代理(66)らは2日の現地調査後、記者会見した。問題の破砕帯「F―6」について、活断層の疑いを指摘してきた渡辺満久・東洋大教授(56)(変動地形学)は記者会見で、かねて考えられてきたの とは違う場所で断層が動いた形跡を確認したことを明らかにし、「今までと比較して(活動性の疑いの)レベルが上がったと思う」と語った。
規制委は、調査結果に関する評価会合を4日に都内で開く。活断層と判断した場合、国の基準に反するとして運転停止を求める方針。
反原発デモでの日比谷公園使用認めず…東京地裁
首相官邸前で反原発デモを続ける「首都圏反原発連合」が11日に予定しているデモ行進を巡り、東京都側が日比谷公園の使用を許可しなかったのは不当として、団体側が都に使用を認めるよう求めた申し立てについて、東京地裁(川神裕裁判長)は2日、却下する決定をした。
団体側は同日、即時抗告した。団体側は10月26日、デモの集合地点とするため、同公園を管理する都側に使用を申請したが不許可となり、処分取り消しを求めて提訴。デモが近いため、「表現の自由を行使する機会が失われる」などと緊急的に使用を認めるよう求めていた。
しかし、地裁は、デモ当日に公園内でイベントが予定されていることや、数千人のデモ参加者が予想されることなどから、「収容能力を超えており、都側が公園管理上の支障を理由に不許可としたのは適法だ」と結論づけた。
(2012年11月2日23時49分 読売新聞)
原発事故備え26道府県に説明
防災計画で原子力規制委
原子力規制委員会(田中俊一委員長)は2日、原発事故に備えて事前対策を整える
「原子力災害対策重点区域」の目安を原発の半径30キロ圏に拡大したことに伴い、関係する26道府県の担当者ら約60人を集めて説明会を開いた。自治体は
年内を目標に計画案を策定し、規制委と調整しながら来年3月までに正式な計画を決める。規制委の事務局の原子力規制庁が、重点区域の目安を盛り込んだ原子力災害対策指針や、区域設定の参考に提示した放射性物質の拡散予測について説明。自治体からは「区域設定で、拡散予測はどこまで参考にしたらいいのか」などと、戸惑いの声も多く出た。
【社会・科学】 2012/11/02 19:57
原子力の平和利用を韓国は恐れず
ランコフ・アンドレイ |
2.11.2012, 17:56
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Photo:
EPA
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最近、韓国のウォルソン原発一号機が事故停止したことは、原子力エネルギーの反対派・推進派双方に一連の議論を呼んだ。この議論は世界全体で行われているものであるが、韓国で行われている議論は固有の事情を反映している。
一方から見れば、韓国は狭い国土に多くの国民が住んでいる国だ。1平方kmあたりの人口は500人を越える。このことが何を意味するか。もしも深刻な原発 事故が起これば、100万人、いや1000万人単位の人々が生命の危険にさらされ、一国の存亡に関わる事態になってしまう、ということだ。事故が起きれ ば、それはチェルノブィリやフクシマの比ではない大惨事になる。また一方から見れば、原子力エネルギーは価格の点で非常に優位に立っている。原子力による発電は極めて安価なのだ。2011年、韓国では、原発による電気 のキロワット時あたりの平均価格は39ウォン、すなわち約3セントだった。一方、火力発電による電気はほぼこの2倍、67ウォン。また輸入液体燃料による で電気は220ウォンを越える。風力、太陽光などの「再生可能エネルギー」の価格については言うまでもないであろう。こうしたクリーンな発電設備は外国人 観光客に対しては格好の見世物となり、エコロジーの問題に無関心でないことを誇るシンボルとなるが、経済的な意味のほどは現状、低く評価せざるを得ない。 原発による発電は、韓国の総発電量の31%を占めている。また、価格の安定性ということも重要だ。原発による電気の価格はここ10年間不変である。一方そ の間、火力発電による電気は10年間で2倍、液体燃料による発電は2.5倍に値上がりした。
たしかに、原子力エネルギー反対派が言うことにも一理ある。すなわち、原発に関するこうしたデータは、たとえば使用済み核燃料の再処理にかかる費用を上乗 せされていない。こうした説にもある種の真実がある。しかし、そうした費用を考慮に入れてもなお、原子力エネルギーは最安値の地位を守る。そして、他の 国々は知らず、韓国にとって、エネルギーの価格は極めて重要な指標となるのだ。というのも、韓国には自前のエネルギー資源がなく、韓国の経済成長はひとえ に、製造業の効率性、安くて品質のいい製品を生産することにかけての韓国人労働者・エンジニアの有能さということにかかっているのだから。そして我々の生 きるこの時代、あらゆる商品の価格は、電気料金に大きく左右される。だから、より高価なエネルギーに移行することは、必然的に、韓国製品の世界市場におけ る競争力が低下することを意味するのだ。
つまり、早い話が、最近起こったウォルソン原発の事故は、韓国の原発プログラムの重要性に疑義をさしはさむには至らなかった。ここにはその他の理由もあ る。これまで韓国の原発は、全体としてさしたる問題なく稼動し、事故の恐怖の兆候が現れることもなかった。加えて、韓国におけるエコロジーの気運は、他の 多くの国々と比べてずっと、影響力が小さい。つまり、早い話が、原発はこれからも韓国のエネルギー戦略において主要な役割を演じるであろう、ということが 言える。
報酬や寄付金、最高2714万円 規制委の4人、直近3〜4年間に |
2012年11月02日(金) 22時58分 共同通信社 |
原子力規制委員会(田中俊一委員長)は2日、原発の新たな安全基準検討チームの委員6人について、電力会社などからの報酬や寄付金などの受け取り状況を公 表した。4人が直近3〜4年間にそれぞれ300万〜2714万円を得ていた。専門家の判断には電力会社などの意向が働きかねず、疑問の声が上がっている。 大阪大大学院の山口彰教授は関電関連の原子力エンジニアリングから、名古屋大の山本章夫教授も同社などから、年間50万円以上の報酬や謝礼。 寄付金や研究費は、山本教授が原発メーカーの三菱重工業などから少なくとも計2714万円、山口教授は日本原子力発電などから計1010万円。 |
拡散シミュレーションに誤り多数、規制庁が謝罪
原子力規制庁は2日、自治体の防災担当者を集めた会議を都内で開き、先月決定した「原子力災害対策指針」の概要や、原発事故を想定した放射性物質の拡散シミュレーション結果について説明した。 地域防災計画を来年3月までに策定する自治体からは、国の財政的な支援を求める声などが相次いだ。
会議には、原発立地自治体を中心に26道府県の担当者約60人が参加。規制庁の黒木・原子力地域安全総括官は冒頭、先月24日に発表した拡散シミュレーションの中で誤りが多数見つかった点に触れ、「多大なご迷惑と不安を与えた」と謝罪した。
新指針で、防災対策の重点区域とされた原発から半径30キロ圏内の自治体からは「シミュレーション結果をどう受け止めればいいのか」「30キロ圏外の防災対策についても、国の財政的支援をお願いしたい」といった不安の声や要望が上がった。
(2012年11月2日22時45分 読売新聞)
大飯原発:破砕帯の再調査も 「活断層否定できぬ」
毎日新聞 2012年11月02日 21時43分(最終更新 11月03日 02時46分)関西電力大飯原発10+件(福 井県)の敷地内の断層(破砕帯)が活断層の疑いがあると指摘されている問題で、原子力規制委員会は2日、初の現地調査を終えた。島崎邦彦委員長代理(前地 震予知連絡会会長)は調査後、報道陣に「必要なら再調査も可能性の一つ」と語り、追加調査を示唆した。4日に東京都内で開く会合で結果を評価する。
規制委が現地で断層を調査するのは初めて。田中俊一委員長は「(活断層の可能性について)クロや濃いグレーなら運転停止を求める」との見解を示している。同原発10+件は全国で唯一稼働しているが、活断層と判断すれば関電に運転停止を求める。
島崎氏と外部専門家4人による調査団はこの日、2、3号機の間をほぼ南北に走る「F−6破砕帯」を調べ た。午前中は、敷地北端の「台場浜」付近に関電が掘った深さ約5メートルの溝(トレンチ)=図中のA=に入って、地層の断面を確認。午後は1、2号機北側 の山中のトレンチ=同B=で、F−6破砕帯を直接見て確認した。長さを確認したりするため、延長部分と想定される場所=同C=も調べた。このほか、掘削 (ボーリング)で取り出した地層の土などもチェックした=同D=。
台場浜付近のトレンチでは、関電があると想定していた場所にF−6破砕帯がないことが判明。調査団メン バーで、活断層の危険性を早くから指摘していた渡辺満久・東洋大教授は「関電の想定とは別の場所に破砕帯があった」と指摘し、関電が10月31日に提出し た中間報告を問題視。そのうえで「活断層かははっきりしないが、否定できない」と述べた。
島崎氏は2日の会見で、「一番大事なのは大飯原発10+件の安全性。その基本に立ち返って議論する。日曜日(4日)に私の判断を伝える」と語った。【岡田英、畠山哲郎、松野和生】
大飯の断層「必要なら再調査」 規制委員長代理
- 2012/11/2 17:46
規制委が原発の敷地内で断層調査をするのは初めて。4日に会合を開き、大飯原発の敷地内に活断層があるかどうかを評価する。活断層の疑いが濃いと判断すれば、関電に運転中の3、4号機の停止を要請する方針だ。
2日の調査では、2号機と3号機の間を通る「F―6断層」と呼ばれる破砕帯を調査。原発北側の試掘場で、関電の資料では指摘していない破砕 帯が見つかった。調査団のメンバーで、活断層がある可能性を指摘してきた東洋大の渡辺満久教授は「活断層かどうかははっきりいえないが、疑いのレベルは上 がった」との認識を示した。
活断層か否か「ズレ」「浸食」判断困難 大飯原発で現地調査
2012.11.2
22:12 (1/3ページ)
台場浜のトレンチを調べる原子力規制委員会の調査団ら=2日、福井県おおい町の関西電力大飯原発(代表撮影)
原子力規制委員会の専門家調査団は2日、国内の原発で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県おおい町)で、敷地内を走る軟弱な断層(破砕帯) が活断層かどうか判断するため調査した。調査終了後、規制委の島崎邦彦委員長代理は「必要があれば、再調査の可能性もある」と追加調査について言及。4日 に東京で開く調査結果の会合で結論を持ち越す可能性も示唆した。
断層の危険性を指摘してきた渡辺満(みつ)久(ひさ)東洋大教授は 「100万年も前でない地層がずれていた。(活断層の疑いの)レベルが上がった」と説明。その他のメンバーは「地層が変位している構造はあったが、時代が いつか分からないと活断層といえない」などと明確な判断を避けた。
調査したのは1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北方向に走る「F-6 断層」(約900メートル)と呼ばれる破砕帯。近くの活断層と連動し、地盤をずらして設備に損傷を与える危険性が指摘されていた。調査団は、深さ約5メー トルの溝に入り、壁面の地層を観察するなどして活動性や連続性を調べた。
規制委による初の現地調査。活断層の疑いが強まれば、3、4号機の運転停止を関電に求める方針で、国内の稼働原発は再びゼロになる。関電は中間報告で活断層を否定している。
◇
大飯原発の断層調査が行われることになったのは、今年6月ごろ、一部の専門家から敷地内を走る断層の一種「破砕帯」 が、動く可能性があると指摘されたからだ。“証拠”は3、4号機の建設時に描かれたスケッチ。しかし、スケッチだけでは判断がつかず、現地調査が行われる ことになった。ただ、断層の評価は難しく、現地調査でも断定できるほどの確証が得られるかは不透明だ。
最初にこの問題を指摘したのが、原子力規制委員会の調査団にも加わっている東洋大の渡辺満久教授。関西電力が昭和60年に国に提出した「F-6断層」と呼ばれる破砕帯のスケッチに、断層がずれて動いたように見える段差が含まれていたのだ。
指摘を受け、当時の原子力規制当局だった経済産業省原子力安全・保安院は、専門家から意見を聞く会合を開催。複数の専門家が「活動性はないと思う」と評価 したが、「現状の資料では不十分」との指摘もあり、保安院は現地調査が必要と判断。7月18日に関電に調査を指示した。規制委も先月、専門家5人による調 査団を結成。現地調査を決めた。
一方、関電は「断層が動いたとは考えていない」との姿勢を崩していない。渡辺教授が指摘したスケッチは、F-6断層を横切るように約10メートル 掘り下げた溝の中で描かれたが、北西側断面のスケッチで見られた段差は、数メートル離れた反対側の南東側断面のスケッチでは見られなかったからだ。
また、断層が動いていれば、段差の上の地層の石などが同じ方向にそろって傾くはずだが、そうした様子もみられないという。関電の担当者は「ずれたように見えるのは、あくまでも地層が浸食されて削れた痕跡だ」と主張する。
スケッチと同じ場所をもう一度調査することができればどちらか判断しやすい。だが、溝はすでに埋められ、上には同原発の事務棟が建設されている。
そこで、この日の現地調査ではF-6断層が延びる別の場所を中心に計8カ所で、活動性を調べることにした。ただ、活断層の評価は専門家の間でも分かれるほど難しく、4日の評価会合で統一見解が得られるかは不透明だ。(原子力取材班)
原子力規制委、大飯原発で初の現地調査
(福井県)
大飯原発(福井・おおい町)の敷地内を走る断層が活断層かを確認するため、原子力規制委員会の調査団が2日、初めて原発の敷地内に入り、現
地調査を行った。調査では、専門家が断層を目で見て確認し、表面を削るなどして比較的新しい時代に動いた形跡があるかが調べられた。
2日の調査では、大飯原発の2号機と3号機の間を走るF-6断層と呼ばれる断層に沿って掘られたトレンチという穴の中に入って、活断層の判定基準となる
12万年から13万年前以降に活動した形跡があるかどうかが調べられた。
F-6断層は、一部の専門家から活断層である可能性が指摘され、「関西電力」は国の指示で再調査を行っているが、先月31日、「現時点で活断層であるこ
とを示す証拠は確認できない」とする中間報告を提出している。しかし、2日の調査で、活断層である可能性が認められれば、規制委員会は大飯原発の運転停止
を求める方針。また、大飯原発の他にも、敦賀原発(福井・敦賀市)など5か所の原発について活断層に影響される可能性を指摘。今後、現地調査を行うとして
いる。
調査団のメンバーの中には、活断層の可能性を指摘する専門家も含まれている。現地調査をした東洋大学・渡辺満久教授は「やわらかい。あまり安定はしてい
ないかなという雰囲気」と述べた。また、調査後の会見では「今までと比較して確実に地層を切っているのを確認したので、そういう意味で(疑いの)レベルは
上がったと思う」と語った。原子力規制委員会は、調査結果を基に活断層かどうかを判断する会議を4日に行うとしている。
こうした動きに、地元住民からは「しっかり調べて原発あかんもんならやめてほしい」「不安の方が大きい。原発の町としてきた町やからね」と言った声が上
がっている。
[
11/2 21:34 NEWS24]
規制委、初の現地調査=専門家ら大飯原発で―断層問題・福井
2012年11月02日関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内で岩盤の亀裂(破砕帯)が活断層と連動し、重要施設に影響を与える可能性が指摘されている問題で、原 子力規制委員会の専門家調査団は2日午前、初の現地調査を始めた。同日中に敷地内の8カ所を見て回る予定で、破砕帯が動くかどうかの判断材料にする。
調査団は午前中、原発北側の海辺などで、関電が断層調査のため掘った溝などを調べた。午後には3号機原子炉付近のボーリング状況や、建設時の試掘溝などを視察する。
調査に先立ち、関電幹部らと面会した規制委の島崎邦彦委員長代理は「天候がどうなるか分からないが、よろしくお願いします」とあいさつ。同社の豊松秀己副社長は「大飯原発のためお越しいただき、ありがとうございます」と応じた。
問題の破砕帯「F―6」は3、4号機の非常用取水路の下を通っている。
非常用取水路は原子炉で発生した蒸気の冷却ができなくなった場合に、海水を取り込んで冷やすための施設。普段は使われないが、地震で破砕帯が動けば機能を 失う恐れがある。調査の結果次第では、全国の原発で唯一稼働中の3、4号機が停止を迫られる事態に発展する。関電は中間報告で、F―6は活断層ではないと している。
調査団は島崎委員長代理のほか、岡田篤正立命館大教授、渡辺満久東洋大教授、重松紀生産業技術総合研究所主任研究員、広内大助信州大准教授の計5人。破砕帯の地層の硬さなどを確かめ、今後も動く可能性があるかを見極める。
現地調査で得た情報や分析結果は、4日に開かれる規制委の評価会合で議論される。判断材料が足りない場合は、現地調査が再度行われる可能性もある。
規制委は今後、日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)や北陸電力志賀原発(石川県志賀町)、東北電力東通原発(青森県東通村)などでも現地調査を予定している。
[時事通信社]
枝野大臣「立地地域とは経済対策など協議」
(福井県)
政府が「原発ゼロ」を掲げ、原発が立地する地域への影響が出始める中、経済産業省の枝野大臣は「立地地域と経済対策などを個別に協議する場を設ける」との考えを示した。
これは2日、枝野大臣が全国の原発が立地する自治体との面談で述べたもの。
面談で敦賀市の河瀬市長は「原発の長期停止や建設工事の延期などで地元経済は冷え込み、まちづくりにも多大な影響を及ぼしている」と訴えた。
これに対し枝野大臣は「きょうをキックオフとして皆さんとの意見交換をより綿密に進めさせていただきたい」と述べ、それぞれの地域と中長期的な経済対策などについて個別に協議の場を設ける考えを示した。
これは2日、枝野大臣が全国の原発が立地する自治体との面談で述べたもの。
面談で敦賀市の河瀬市長は「原発の長期停止や建設工事の延期などで地元経済は冷え込み、まちづくりにも多大な影響を及ぼしている」と訴えた。
これに対し枝野大臣は「きょうをキックオフとして皆さんとの意見交換をより綿密に進めさせていただきたい」と述べ、それぞれの地域と中長期的な経済対策などについて個別に協議の場を設ける考えを示した。
[
11/2 20:56 福井放送]
原子力規制委、必要があれば大飯原発の断層再調査も原子力規制委員会は、敷地内を走る断層が活断層の疑いがある関西電力の大飯原発の現場を調査し、必要があれば追加の調査もする可能性を明らかにした。
福井県にある大飯原発では「破砕帯」と呼ばれる断層が活断層の疑いがあり、原子力規制委員会の調査団は、初めて現地調査を行った。
山頂にある破砕帯の調査では、調査団の東洋大学・渡辺教授が、破砕帯が古くない時代に動いた可能性があることを示唆した。
東洋大・渡辺教授は「柔らかい。あまり安定していないかと」と述べた。
調査団は4日、今回の調査内容を評価する会合を開く予定だが、島崎委員長代理は調査終了後、必要なら追加の調査をする可能性を明らかにした。
原子力規制委・島崎委員長代理は「現場に来てみないとわからないことがたくさんありました。必要があれば、再調査をする可能性もある」と述べた。
破砕帯が活断層と判断されれば、大飯原発は停止を求められる可能性があり、規制委員会の判断が注目される。
(11/02 21:36)
原子力規制委が大飯原発の活断層調査
原子力規制委員会(田中俊一委員長)の現地調査団は2日夕、関西電力大飯原発10+ 件(福
井県)の1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」が活断層かどうかを確認する調査を終了した。4日に都内で開く会合で調査結
果を評価する。団長役の島崎邦彦委員長代理は記者会見で「(会合で)再調査という話が出ることも可能性の一つだ」と述べ、関電に追加調査を求める可能性を
示唆した。
調査団の渡辺満久東洋大教授は、関電が断層はないとしていた敷地北側の試掘溝内で、F―6断層の北部延長とみられる破砕帯を確認したことを明らかにした。現時点では破砕帯がある地層の年代が分からないため、渡辺教授は「今のところは(活断層であることを)否定できないという段階だ」としている。
F―6断層は3、4号機の冷却に用いる重要設備「非常用取水路」の真下を走っているとみられており、近くの活断層と連動し、地盤をずらして設備に損傷を与える危険性が指摘されている。
調査団はこの日、敷地内に掘られた試掘溝に入り地層を見たほか、ボーリングで採取した試料も確認した。
規制委は、F―6断層が活断層と判断されれば、関電に運転停止を要請する方針。野田佳彦首相は、共同通信などのインタビューで「規制委員会の判断が出るなら、当然政府は尊重する」と述べた。
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■ 原発立地自治体、経産相に支援要請
原発再稼働への道筋が不透明な中で、原発を抱える全国の市町村が枝野経済産業大臣と会談し、経済的な支援を強く求めました。
「原子力発電所の長期停止、建設工事の延期等々、立地地域の経済産業に大きな影響を与えている」(河瀬一治 敦賀市長) 原発を抱える市町村の代表者は地域の実情に応じた振興策や、財政支援を要請しました。 また、市町村側は政府が新しいエネルギー戦略を決定する際に、立地自治体の声を聞く機会を設けなかった点や、説明不足を強く批判。 枝野大臣は、「地域経済に大きな影響を与えているのは認識している。今後は連繋と意見交換を綿密にしたい」と述べました。 ただ、市町村側は「政府への不満や、不信感は依然としてある」と不信感をあらわにしています。(02日18:26)
大飯原発破砕帯 規制委員会が現地調査
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拡散予測公表ミスで自治体に謝罪
11月2日 21時19分
国の原子力規制委員会は、原子力発電所周辺の道府県の防災担当者を集めた会議を開き、原発事故が起きた際の放射性物質の拡散予測の公表を巡り、わずか5日で訂正するなど対応に不手際があったことを改めて謝罪しました。この会議は、原子力災害に備えた国の新たな防災指針が先月31日決まったことから、原子力規制委員会が、関係する自治体に詳しい内容を説明するため開いたもので、原発の立地自治体など26の道府県の防災担当者が出席しました。
は じめに、福島第一原発と同じような事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測について、事前の説明が不足したり、公表わずか5日での訂正したりしたことにつ いて、黒木慶英原子力地域安全総括官が「重点的な対策をすべき地域の指定に役立ててもらうために公表したが、一部の自治体に多大な迷惑と誤解を与えた」と 謝罪しました。
このあと会議は非公開で行われ、規制委員会によりますと、防災指針や拡散予測の詳しい内容を説明し、自治体側からは「拡散予測はどの程度重視すべきものなのか」などといった戸惑いの声もあったということです。
新潟県の担当者は「拡散予測については、住民にどう理解してもらえるかが課題で、国にも直接、住民に説明してほしいと求めた」と話しました。
ケーブル誤切断で発煙 東電福島第1原発
東京電力は2日、福島第1原発で1~4号機に電力を供給している電源ケーブルを作業員が誤って一部切断し、煙が出たと発表した。火災には至らな
かったが、1号機原子炉格納容器などに窒素を注入する装置が約10分間止まった。原子炉冷却システムは別系統だったため、影響はなかった。
東電によると、2日午前9時半ごろ、作業員が樹脂製の管に切れ込みを入れてケーブルを通そうとしたところ、誤って電源ケーブルが通っている別の管を切断。白煙が上がった。
通電を別系統に切り替え、煙は約1時間後に収まった。東電は「ケーブルが通っている管には印をつけていた。なぜ間違えたのか確認する」としている。
(共同通信)
東電によると、2日午前9時半ごろ、作業員が樹脂製の管に切れ込みを入れてケーブルを通そうとしたところ、誤って電源ケーブルが通っている別の管を切断。白煙が上がった。
通電を別系統に切り替え、煙は約1時間後に収まった。東電は「ケーブルが通っている管には印をつけていた。なぜ間違えたのか確認する」としている。
(共同通信)
2012/11/02
21:00
電源ケーブルから煙 一部装置が停止
(福島県)
けさ、福島第一原発で、電源ケーブルを傷つけたために一部の装置が停止するトラブルがあった。
きょう午前9時半前、福島第一原発で、電源系統の異常を知らせる警報が鳴った。
東京電力が確認したところ、屋外にある電源ケーブルの一部が傷つき、煙が上がっていたことから消防に通報した。
電気を止めるとボヤは直ぐにおさまったが、この影響で、水素爆発を防ぐために1号機から3号機の原子炉などへ窒素を送っていた装置が一時的に止まった。
東京電力は、予備の装置に切り替えて修理を行っている。
ボヤの原因は、廃炉作業に伴う電源の切り替え工事中に作業員が誤って電源ケーブルを傷つけたためとしている。
きょう午前9時半前、福島第一原発で、電源系統の異常を知らせる警報が鳴った。
東京電力が確認したところ、屋外にある電源ケーブルの一部が傷つき、煙が上がっていたことから消防に通報した。
電気を止めるとボヤは直ぐにおさまったが、この影響で、水素爆発を防ぐために1号機から3号機の原子炉などへ窒素を送っていた装置が一時的に止まった。
東京電力は、予備の装置に切り替えて修理を行っている。
ボヤの原因は、廃炉作業に伴う電源の切り替え工事中に作業員が誤って電源ケーブルを傷つけたためとしている。
[
11/2 20:25 福島中央テレビ]
たんぽぽ舎です。【TMM:No1637】 2012年11月2日(金) 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします 転送歓迎 ━━━━━━━ ★1.「原発ゼロ懐疑論」への懐疑 Newsweek、東洋経済などにみる、原発推進側にみる偏向(中村徹) ★2.11月9日(金)、「被ばく労働者に安全と権利を! 被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」への参加を (新孝一/被ばく労働を考えるネットワーク準備会) ★3.新聞・雑誌から ◇「脱原発」で候補擁立か 宇都宮弁護士、湯浅氏の名も(11/1毎日新聞) ◇ぼくらの3・11 絵本に 福島の小学生、震災・原発体験つづる (10月31日 朝日新聞より) ★4.<テント日誌10/28(日)―経産前省テントひろば414日目> 規制庁の拡散シミュレーションについて~テントの徹夜談議~(K.M) ━━━━━━━ ◇Ust番組「フクロウFoEチャンネル(FFTV)」http://goo.gl/27svW 11月3日(土)21:00~22:00 第12回 福島市渡利・大波の現状と除染の限界 11月7日(水)20:00~20:30 週刊FFTV(今日の原子力規制委員会/今週 のトピック/ニュースクリップ/画伯の今日の一枚/今日のプラカード他) 21:00~22:00 第13回 どうみる大飯原発断層(破砕帯)調査 ━━━━━━━ ┏┓ ┗■1.「原発ゼロ懐疑論」への懐疑 │ Newsweek、東洋経済などにみる、原発推進側にみる偏向 └────(中村徹(保育士)) 最近、本屋さんに行くと、原発推進側の視点による本や雑誌が目につくよう になりました。 例えば、『Newsweek』日本版・2012年10月31日号の特集『脱原発のコスト』、 『週刊東洋経済』臨時増刊号『「原発ゼロ」は正しいのか』などです。もちろ ん、そういう類の本・雑誌は、震災直後にもあったのですが、ちょっと遠慮し ている雰囲気もありました。原発事故から1年半以上が過ぎ、もう遠慮もなく なったということでしょうか。いやそれ以上に、原発ゼロに対する、経済界の 不安があるのだと思います。共通するテーマは、「原発ゼロ懐疑論」のようで す。 『Newsweek』も『週間東洋経済』も、経済界と密接に関係しているので、こ のタイミングで同じような特集が組まれているということは、日本経済新聞も 含め、経済界の「御用マスコミ」となっている一面は否定できないと思います。 『Newsweek』は昨年『原発はいらない』という別冊を出し、『週刊東洋経 済』も昨年、4月23日号『迷走する巨大企業の正体 東京電力』、6月11日号 『暴走する国策エネルギー 原子力』など、必ずしも原発推進側だけではない 報道をしていたのですが、結局は経済界の言いなりになってしまうのでしょう か。 私はまだ、その「原発ゼロ懐疑論」的雑誌を全て読んだわけではないのです が、ざっと目を通した印象で言うと、いくつかの傾向があると思いました。 まず、最近の反原発・脱原発運動について、「感情的」と決めつけているこ とです。そう決めつけることで、原発ゼロという民意は、冷静な判断によって なされたものではないこと、一時的な感情論に過ぎないという印象を与えるこ とができます。でも、それは事実でしょうか? 私は感情論とは別に、冷静な 判断として、原発に反対しています。いつ起きるかわからない地震や津波に対 する安全性だけではなく、そもそも被ばく労働なしには成立しないシステム、 数万年(百万年?)単位の管理が必要な高レベル放射性廃棄物、それらを全て 総合して、本当に原発が経済的と断言できる人に、私はまだ会ったことがあり ません。冷静に考えて、原発は必要ないからゼロを求めています。感情的な部 分があるとするならば、その民意を無視して原発を再稼働することに対してな どです。もちろん、福島で故郷・家族・仕事を失った方々は、もっと辛い思い があると思います。 「原発ゼロ懐疑論」に見られるもう一つの傾向は、「原発をゼロにするまで の成長戦略が描けていない」と言っている点です。これも詭弁だと思います。 では、原発があれば経済成長するのでしょうか?日本経済は、福島原発事故以 前から、ずっと低迷していました。「100年に一度の不況」みたいな言い方を していたのも震災前のことです。それを「経済が低迷しているのは原発が止ま っているせいだ」とすり替えようとしているのが経済界です。じゃあ、経済界 の描く成長戦略って何でしょうか?それに失敗し続けているから、今の不況が あるのではないですか? あと、「原発ゼロ懐疑論」からはちょっと離れるかも知れませんが、原発の 必要性について、最近は「安全保障」という言葉が出てくるようになっていま す。でも、これはフェアではないと思います。だって、日本の原子力は、「平 和利用」を前提としている筈なのだから。もし「安全保障」が関係するならば、 それは別の議論が必要だと思います。 以上のように、原発推進側の言い分は、かなり偏向していると思います。 もはや、なりふり構わずという感じです。逆に言えば、反原発運動が、 それだけの脅威を与えているということだと思います。 ┏┓ ┗■2.11月9日(金)、「被ばく労働者に安全と権利を! │ 被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」への参加を └────(新孝一/被ばく労働を考えるネットワーク準備会) 【日時】2012年11月9日(金)18時20分開場/18時30分開始 【場所】江東区亀戸文化センター(カメリアプラザ)5階 第1、2会議室 東京都江東区亀戸2-19-1(JR総武線、東武亀戸線 亀戸駅 下車徒歩2分) 関電工の下請け労働者が、東電と関電工にたいする是正を富岡労基署に申し 入れました。他にも収束作業や除染作業に従事している労働者が、声を上げ 始めています。私たち「被ばく労働を考えるネットワーク準備会」は、 被ばく労働を強いられている人びと、地域の人びととの出会いを求めて、 福島現地のNGO、労働団体と協力して、11月25日にいわきで労働・健康・ 生活相談会を行なう予定です。 そして、その前段集会をかねて、11月9日(金)に、「被ばく労働者に安全 と権利を! 被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」をもちます (開場6時20分。江東区亀戸文化センター(JR亀戸駅すぐ)) 私たちはこれまで、労働運動、労働安全衛生センター、寄せ場・下層労働者 や非正規・フリーター層の運動、そして反原発運動のみならず、さまざまな社 会運動に関わってきた人びとが、少しずつ合流するかたちで、被ばく労働問題 に関する運動体を作り出すべく準備を重ねてきました。そして、現地での相談 活動の継続を一つの柱に、本格的な活動を開始したいと思います。 9日当日は、「ネットワーク」に参加しているいわき自由労組、神奈川労災 職業病センターの方の発言を受けて討論の予定です。ぜひお集まりください。 そして、「ネットワーク」への参加と賛同もよろしくお願いします。 詳細はホームページをご覧ください http://hibakurodo.net/ ┏┓ ┗■3.新聞・雑誌から └──── ◆「脱原発」で候補擁立か 宇都宮弁護士、湯浅氏の名も (11月1日 毎日新聞より) 石原慎太郎氏(80)が31日付で辞職したことで事実上スタートした東京都知 事選(11月29日告示、12月16日投票)に、脱原発を訴えるグループの間で立候 補者を擁立する動きが出ている。支持母体をどう組織するかなど課題も多いが、 官邸前デモに発展した脱原発のうねりが都知事選の争点の一つになる可能性が 浮上している。 擁立を模索しているのは、脱原発を訴えている市民団体や労組。民主党の一 部議員にも動きがある。関係者によると、候補者としては「脱原発基本法案」 の作成に関わった前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(65)や元内閣府参与 で「反貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠氏(43)らの名前が挙がっている という。4日に有志が候補者擁立に向けた集会を千代田区内で開く。(中略) 脱原発への賛同はツイッターなどのソーシャルメディアで広がっているが、 組織化されていない。支持をどれだけ広げられるかは未知数だ。 ◆ぼくらの3・11 絵本に 福島の小学生、震災・原発体験つづる(10月31日 朝日新聞より) 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島県の小学生たち が、体験や思いをつづった作文や詩が絵本にまとまった。 『ふるさとはフクシマ 子どもたちの3・11』(文研出版)として、30日に 出版された。 福島市のNPO「元気になろう福島」が、大熊町や、南相馬市、いわき市など 7つの小学校の協力を得て120人の子どもたちの作品を収集。15人分にプロの 絵本作家が挿絵をつけた。 その時もうみんなとバラバラになるとは思ってもいませんでした。夜になり お父さんが仕事から帰ってきて「原発が爆発したから逃げるぞ」と言いました。 (南相馬市の石神第2小6年だった菅野莉奈さん)(中略) 絵本は売り上げの3割を、被災した子どもたちの活動を支える基金に充てる。 問い合わせは同NPOへ 電話(024-563-7166)かメール(honda@genkifukushima.jp)で。 ┏┓ ┗■4.<テント日誌10/28(日)―経産前省テントひろば414日目> │ 規制庁の拡散シミュレーションについて ~テントの徹夜談議~ └────(K.M) 10月28日(日) 晴のち雨 雨降りしきる夜長の徹夜談義 しっとりと雨が降る夜、テントの中では飛び込んできた渕上村長を交えて熱 い会話が夜を徹して続いた。 テントの当番制についての討論に続いて、私は平和のピアニスト池邊さんと クラシック音楽談義、同じ時期に大阪の直ぐ隣街に住んでいられたことや共通 の知合いが居たことなど、大阪の音大ローカルな話がはずんだ、原発に反対す る運動のあり方も議論した。大声のために仮眠していた人も起こされて合流し 更に話が進む。 規制庁の拡散シミュレーションや防災訓練、テントの秩序、ルールとマナー、 在宅親ケア、親のおくり方、などなどと。ルールについては、人に迷惑をかけ るから守るべきでルールがあるから守るべきなのではない、人権を守るべきな のも憲法があるからではない、などなどと議論が尽きなかった。 規制庁の拡散シミュレーションについて 規制庁が10月24日に発表した各原発からの拡散シミュレーション結果の 図がテレビでも新聞でも大々的に報道された。 http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/20121024.html (5、6番目のファイル) が、これは信用できない。年間で捉えて季節別・月別・日変化などを考慮しな いのでは到達距離を過小評価する。このことを確認したくて、規制庁の防災課 に電話してみてそればかりでは無いことが分かった。地形を考慮していないプ ルーム式を使うことに目をつぶるとしても、風向風速のデータの使い方がおか しい。 特定の方向への到達距離を求めるために、毎時の気象データ(風向、風速、 大気安定度、降雨量)を使用するが、風向をその特定方向に一定としておきな がら、風速と大気安定度と降雨量のみ毎時の値を使用して計算している。風 向・風速のベクトルを分離してしまってとても説得力がない架空の計算を基本 にして推定しているのだ。 案の定という訳ではないが、29日には6原発の拡散予測の誤りを規制庁が 発表した。規制されるべき北陸電力からの指摘で判明したそうだ。 http://www.nsr.go.jp/kaiken/20121029haihusiryo.html 各原発で事故が起こった場合にどれだけの地域に影響するかを推定するため の計算であるが、次のことをきっちり確認する必要がある。 1 原発からの放射性物質の発生量をどれだけと仮定するか 2 どのようなモデルで拡散(と到達)をシミュレートするか 3 その結果をどう評価するか、どれだけの量がどれだけの頻度で到達したら 到達したと見なすか 以上の観点から、今回の拡散予測結果は全く信用できない。どうも、防災指 針で30km圏まで考慮すれば良いと決めつけたいがためのシミュレーション のようだ。枝野経産相が本年4月2日に参院予算委員会で述べた「日本全国に 福島(原発)の事故は直接、間接の影響を及ぼしている。そういう意味では 『日本全国』が地元だ」を忘れてはいけない。 拡散シミュレーションの専門家の追及を期待したい。 なお、原子力災害対策指針に関する緊急署名が集められ、個人署名3227筆、 呼びかけ・賛同団体:182団体で、30日に提出され、今も追加署名を募集 している、是非ご協力を(締切11月12日)。 http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/1030-6668.html (K.M) ────────── 【編集部より】 メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。 「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、タイトル及び内容を400字 以内で、またその他投稿に関しては400~800文字以内でタイトル及び内容を お送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。 なお、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の 都合上すべてを掲載できない場合があります。予めご了承ください。 ────────── ◆このメールマガジンのバックナンバーは、ホームページをご参照下さい。 ◆電子メール(Eメール)送ります たんぽぽ舎では、「地震と原発事故情報」を発信しています。 ご希望の方はご自身のEメールアドレスと氏名をたんぽぽ舎あてに件名を 「メルマガ希望」として送ってください。 登録できしだい発信致します(無料)。 たんぽぽ舎のアドレス: nonukes@tanpoposya.net ◆携帯への送信は、1回の容量が多いためか配信されない例があります。 ────────── たんぽぽ舎 たんぽぽ舎は、月曜~土曜 13:00~20:00のオープンです。 日曜・休日は、お休みです。 〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797 HP http://www.tanpoposya.net/
新潟、全市町村が暫定避難計画=原発事故想定、最大20万人
新潟県の全30市町村でつくる「市町村による原子力安全対策に関する研究会」は2日、東京電力柏崎刈羽原発(同県柏崎市、刈羽村)での事故を想定した暫
定的な避難計画をまとめた。放射性物質の拡散シミュレーションを基に、10の避難パターンを想定。避難対象人口は最も多いケースで19万9500人に上る
と試算している。
研究会代表幹事の長岡市によると、原発立地自治体以外での避難計画の策定は全国で初めて。
避難計画では、風向きなど に応じて放射性物質が拡散するシミュレーションを実施。10の避難パターンごとに、避難地域や交通手段、経路を示した。交通手段は自家用車を前提とした。 東電福島第1原発事故の経験から、避難先として民間の宿泊施設も検討対象に加えた。(2012/11/02-20:43)
研究会代表幹事の長岡市によると、原発立地自治体以外での避難計画の策定は全国で初めて。
避難計画では、風向きなど に応じて放射性物質が拡散するシミュレーションを実施。10の避難パターンごとに、避難地域や交通手段、経路を示した。交通手段は自家用車を前提とした。 東電福島第1原発事故の経験から、避難先として民間の宿泊施設も検討対象に加えた。(2012/11/02-20:43)
規制委が大飯原発で初の断層調査 4日評価会合「追加調査も」
(2012年11月2日午後8時23分)
大飯原発敷地内のトレンチで地層の様子を確認する原子力規制委員会の調査団=2日午前11時8分、おおい町大島の同原発(原子力規制委員会提供)
原子力規制委員会は2日、関西電力大飯原発20+ 件(福
井県おおい町)の敷地内を通る「F―6断層(破砕帯)」が活断層かどうかを確認するため、調査団を派遣して現地調査を行った。4日に都内で会合を開き、調
査結果を評価する。調査後、島崎邦彦委員長代理(東京大名誉教授、地震学)は記者団に対し、関電に追加調査を求める可能性を示唆した。活動性の有無に関し
ては現時点で見解を示さなかった。
規制委による現地調査は初めて。調査団は島崎委員長代理を中心に、この断層の危険性を指摘してきた渡辺満久東洋大教授(変動地形学)ら、過去の断層調査に関与していない専門家の5人で構成している。
F―6断層は1、2号機と3、4号機の間の地下をほぼ南北に縦断しており、周辺の活断層と連動して地表がずれる可能性が指摘されている。
耐震設計審査指針では、安全上重要な施設を活断層の真上に設置することを認めていない。F―6断層は、非常用ディーゼル発電機などの冷却に使う海水を取り込む重要施設の海水路トンネルの真下を横切っており、活動性が認められた場合は運転停止を迫られる可能性もある。
調査団は、関電が調査中の計6地点を視察した。海岸付近と1、2号機背面山頂付近に掘られた地下5メートル程度のトレンチ(試掘溝)に入り、地層面の状況を確認。3号機付近などでのボーリング調査で採取した試料や海岸部の地表も調べた。
島崎氏は終了後、記者団に「限られた試料について現在判断しようとしているが、足りないということになれば、追加調査を求める可能性も選択肢の一つ」と述 べ、4日の会合で対応を判断する考えを示した。他のメンバーからも「かなり限られた情報しかない。どこまで何ができるかというと難しいところもある」(重 松紀生産業技術総合研究所主任研究員)とデータ不足を指摘する意見が出た。
一方、渡辺教授は、関電の調査では断層はないとされた敷地北 側のトレンチ内で、F―6断層の延長とみられる破砕帯を確認したことを明らかにした。現時点では破砕帯がある地層の年代が分からないため「今のところは (活断層であることを)否定できないという段階だ」としている。
F―6破砕帯をめぐっては関電が10月末、旧原子力安全・保安院の指示による調査で「13万~12万年前以降の活動を示唆するものはない」とする中間報告を提出した。活動年代の分析を進め、年末に最終報告をまとめる方針。
規制委による現地調査は初めて。調査団は島崎委員長代理を中心に、この断層の危険性を指摘してきた渡辺満久東洋大教授(変動地形学)ら、過去の断層調査に関与していない専門家の5人で構成している。
F―6断層は1、2号機と3、4号機の間の地下をほぼ南北に縦断しており、周辺の活断層と連動して地表がずれる可能性が指摘されている。
耐震設計審査指針では、安全上重要な施設を活断層の真上に設置することを認めていない。F―6断層は、非常用ディーゼル発電機などの冷却に使う海水を取り込む重要施設の海水路トンネルの真下を横切っており、活動性が認められた場合は運転停止を迫られる可能性もある。
調査団は、関電が調査中の計6地点を視察した。海岸付近と1、2号機背面山頂付近に掘られた地下5メートル程度のトレンチ(試掘溝)に入り、地層面の状況を確認。3号機付近などでのボーリング調査で採取した試料や海岸部の地表も調べた。
島崎氏は終了後、記者団に「限られた試料について現在判断しようとしているが、足りないということになれば、追加調査を求める可能性も選択肢の一つ」と述 べ、4日の会合で対応を判断する考えを示した。他のメンバーからも「かなり限られた情報しかない。どこまで何ができるかというと難しいところもある」(重 松紀生産業技術総合研究所主任研究員)とデータ不足を指摘する意見が出た。
一方、渡辺教授は、関電の調査では断層はないとされた敷地北 側のトレンチ内で、F―6断層の延長とみられる破砕帯を確認したことを明らかにした。現時点では破砕帯がある地層の年代が分からないため「今のところは (活断層であることを)否定できないという段階だ」としている。
F―6破砕帯をめぐっては関電が10月末、旧原子力安全・保安院の指示による調査で「13万~12万年前以降の活動を示唆するものはない」とする中間報告を提出した。活動年代の分析を進め、年末に最終報告をまとめる方針。
大飯原発、再調査も=4日に分析、議論-断層問題・規制委
関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内にある岩盤の亀裂(破砕帯)で活断層の可能性が指摘されている問題で、原子力規制委員会は2日夕、現地調査 を終えた。調査団のメンバー5人は取材に応じ、規制委の島崎邦彦委員長代理は4日に開かれる評価会合で調査結果を分析し、議論する考えを示した上で、「再 調査も可能性の一つとして出てくることが考えられる」と述べた。
規制委が破砕帯を活断層と判断すれば、全国で唯一稼働している同原発が運転停止を迫られる事態に発展する。
島崎代理は問題の破砕帯「F-6」の評価について、「心証は日曜日(4日)にお伝えしたい」と明言を避けた。
一方、調査団のメンバーで早くから危険性を指摘してきた渡辺満久東洋大教授は、原発北側の海辺で、関電が調査で確認できなかったとするF-6の延長部分とみられる断層が見つかったと指摘。活断層の可能性について「今までよりレベルは上がったと思っている」と話した。
ただ、渡辺教授を含め調査団のメンバーはいずれも活断層の有無について断定的な見方を示しておらず、結論が出るまで時間がかかる可能性もある。(2012/11/02-19:44)
新防災指針、担当者に説明=26道府県が参加-規制委
原発事故時の住民避難の在り方などを定めた原子力災害対策指針(防災指針)の策定を受け、原子力規制委員会は2日、原子力施設がある26道府県の防災担当者を集めて会合を開き、新指針の説明や、各自治体の地域防災計画策定に向けた意見交換を行った。
黒木慶英原子力地域安全総括官は冒頭で、10月24日に公表した放射性物質の拡散予測の誤りを謝罪。「計画策定に少しでも役立ててもらいたいと公表したが、逆に多大なご迷惑、ご不安を与えてしまった」と述べた。
原子力規制庁によると、出席した自治体の担当者からは、防災計画の策定に使うマニュアル類の整備状況や拡散予測の評価、住民への説明の仕方などについて質問が出た。
特に、防災計画策定の目安となる30キロ圏の外側の自治体からは、国の予算措置を受けられるよう要望する声が上がったという。(2012/11/02-19:52)
市町村の研究会 原発事故の行動指針案示す
(新潟県)
県内30市町村でつくる研究会は2日、柏崎刈羽原発で事故が起きた際に
自治体がとるべき行動の指針をとりまとめた。指針では、避難に使うバスの手配など具体的な行動が、原発からの距離に応じて示された。また、風向き次第でお
よそ20万人が避難対象となる試算も明らかになっている。
2日に長岡市で開かれた「原子力安全対策に関する研究会」。福島第一原発の事故を受けて、現実に即した避難計画をつくろうと、県内30市町村すべてが参加している。今回は、柏崎刈羽原発で事故が起きた際にどのような行動をとるべきか、指針が策定された。
指針は、県内の市町村を原発から半径5キロ、30キロ、50キロ、それよりも外側と、距離に応じて4つのエリアにわけ、それぞれの行動を具体的に示してい る。たとえば、重大事故が起きた場合、5キロ圏にある柏崎市や刈羽村は、避難用のバスを使いすぐに避難を始める。風向きにもよるが、30キロ圏にある長岡 市や小千谷市、上越市などは屋内に退避。それより外は避難者を受け入れる。
10パターンの風向きをシミュレーションし、避難者の数や受け入れ先の収容人数などを整理した。避難者数が最大となるのは西風が吹いた場合で、長岡市の市街地が対象となり、およそ20万人が避難すると試算されている。
この指針をもとにそれぞれの市町村で防災計画を作成するが、課題も浮かび上がっている。市長らからは、「いざというときには輸送の経路も問題になる」「地 震の場合、平時の場合、もしくは降雪期、そうでない場合とある。当然わけて分析しないといけない」などの声が聞かれた。
原発が立地している地域以外の市町村が具体的な行動指針を策定するのは、全国でも初めてだ。代表幹事の長岡市長は、こうした指針は本来なら国が出すべきだと批判した。
このほか、締結を目指している東京電力との安全協定について、平常時から「連絡会」を設置すること、原発の異常時には原則30キロ圏の市町村が現地確認と意見交換ができるように求めていくことで一致した。
2日に長岡市で開かれた「原子力安全対策に関する研究会」。福島第一原発の事故を受けて、現実に即した避難計画をつくろうと、県内30市町村すべてが参加している。今回は、柏崎刈羽原発で事故が起きた際にどのような行動をとるべきか、指針が策定された。
指針は、県内の市町村を原発から半径5キロ、30キロ、50キロ、それよりも外側と、距離に応じて4つのエリアにわけ、それぞれの行動を具体的に示してい る。たとえば、重大事故が起きた場合、5キロ圏にある柏崎市や刈羽村は、避難用のバスを使いすぐに避難を始める。風向きにもよるが、30キロ圏にある長岡 市や小千谷市、上越市などは屋内に退避。それより外は避難者を受け入れる。
10パターンの風向きをシミュレーションし、避難者の数や受け入れ先の収容人数などを整理した。避難者数が最大となるのは西風が吹いた場合で、長岡市の市街地が対象となり、およそ20万人が避難すると試算されている。
この指針をもとにそれぞれの市町村で防災計画を作成するが、課題も浮かび上がっている。市長らからは、「いざというときには輸送の経路も問題になる」「地 震の場合、平時の場合、もしくは降雪期、そうでない場合とある。当然わけて分析しないといけない」などの声が聞かれた。
原発が立地している地域以外の市町村が具体的な行動指針を策定するのは、全国でも初めてだ。代表幹事の長岡市長は、こうした指針は本来なら国が出すべきだと批判した。
このほか、締結を目指している東京電力との安全協定について、平常時から「連絡会」を設置すること、原発の異常時には原則30キロ圏の市町村が現地確認と意見交換ができるように求めていくことで一致した。
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11/2 18:40 テレビ新潟]
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■原子力規制委員会 大飯原発の断層調査
再稼働している原発の今後を左右するのでしょうか。
関西電力・大飯原発の敷地内にある断層が活断層かどうかを見極めるため、原子力規制委員会が初の現地調査を行いました。 調査が行われたのは、大飯原発2号機と3号機の間を走る「Fー6破砕帯」と呼ばれる断層で、この断層の上には原子炉を冷やすための海水が通るパイプがあります。 専門家らでつくる委員会の調査団は2日、調査用に10メートル近く掘られた溝に入り、10万年以上前の地層に活断層とみられる跡があるかどうか、土を削り取って目視で調べました。 関西電力は、これまでの独自の調査で「活断層ではない」としていますが、委員会は活断層の可能性が高いと判定した場合には、再稼働している3,4号機について「止めてもらう判断をせざるをえない」との見解を示しています。 「現場に来てみないとわからないことがたくさんあった。たくさんの情報を得ることができたと思っている」(原子力規制委員会 島崎邦彦委員長代理) 原子力規制委員会は4日、東京で開かれる会合で、今回の調査結果について評価する方針です。 (11/02 19:08) |
大飯原発で新たに断層確認か~規制委初の調査
投稿者: ourplanet 投稿日時: 金, 11/02/2012 - 08:23提供:原子力規制委員会
原子力規制委員会は2日、関西電力の大飯原子力発電所(福井県おおい町)の敷地内に活断層があるかどうかを確認する初の現地調査を実施した。大飯原発は7 月に3、4号機が再稼働し、現在、唯一運転している原発だが、規制委が活断層と判断した場合、運転停止を求める方針を示している。
問題となっている破砕帯「F―6」。2号機と3号機の原子炉建屋の間を南北に走り、3、4号機の原子炉冷却に必要な海水を取り込む設備を横切っている。関西電力は、活断層で出はないと否定してきた。
島崎邦彦委員長代理は調査後、記者会見で追加調査をする可能性に触れた。4日に東京都内で開く会合で結果を評価する。また、これまで活断層が存在する可能 性に言及してきた東洋大学の渡辺満久教授は、海岸沿いのトレンチ部分において、関西電力があるとしてきた「F―6」の破砕帯がなく、別の位置に破砕帯が あったと指摘。活断層であるかどうかは判断できないとしながらも、「否定出来ない」と話した。
規制委の田中俊一委員長は、活断層の存在ついて、「クロや濃いグレーなら運転停止を求める」との見解を示している。同原発は全国で唯一稼働しているが、活断層と判断すれば稼働中の3、4号機の運転停止を求める可能性がある。
現地調査後の記者会見 一問一答
Q、調査の感想は?
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
現場に来てみないと分からないことがたくさんありました。たくさんの情報を得る事ができた。
A、岡田篤正(立命館大学 グローバルイノベーション研究機構 教授)
報告書を見ただけではなかなか分からない。現場で見て、ああこういうことだって、いろんなデータを詰め合わせてこれから考えるべきだと思う。
A、廣内大助(信州大学 教育学部 准教授)
断層に関して、色んな耕造を見学することが出来た。一定の解釈では説明出来ない部分も実際にあると感じた。もう少し必要な調査、こういうのがいるんじゃないかと、提案していきたい。
A、重松紀正(産業技術総合研究所 活断層地震研究センター 主任研究員)
私自身、大飯原発に来るのがはじめてで、今まで書類でしか見ていなかった。実際どういうふうなものか、見ることができてよかった。一日という非常に短い時 間しかとれなくて、かなり限られた情報しかない。どこまで何が出来るか、難しいところもある。今日見た限りのことを元にできる範囲のことをやろうと考えて おります。
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
F6の位置も含めて、少し修正が必要だとなと。具体的なものを見ることができたので、これからしっかり議論しようと思います。
Q、今後、関西電力に追加調査の指示を出すのか?
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
日曜に会合を開き、今回見てきたことの評価をする段取りになっています。その段階で、もし必要であれば、再調査というものが出て来るのも可能性の1つとして考えられる。
Q、関西電力は中間報告で、F6破砕帯は見つからなかったとしているが、大場浜のトレンチを見ていて、破砕帯は見つかったのか?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
今までのバックチェックに現れていた、関電さんが示してたF6というものは、はっきりしたものは観察できなかったと思いますが、そうでない場所にはっきりとした破砕帯はあったと思います。
Q、別の場所というのは台場浜に?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
そうです。
Q、破砕帯の場所が違う場所で見つかったと。F6の破砕帯が見つかったと捉えてもいいのでしょうか?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
位置的には、今まで関電の資料で示されていたF6ではない。だけど、はっきりした破砕帯があって、カイセイソウを変異させていることは確認出来た。時代はよく分かりません。
Q、F6と考えてよいのか?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
私はF6の延長上で考えればいいと思います。
Q、今日見られた破砕帯、活動性はどう見るか?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
地層の時代がまだ分からない。100万年も前ではない。海のたまった地層が、断層でずれていた。変異した事は間違いないと思います。
Q、火山灰が見つかっているが、活断層の可能性があるということになるかか?
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
今は否定できない。まだはっきりと申し上げられません。
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
基本的には、今新しい規制を制定しようとしている。そのことをふまえて総合的に判断する。今問われているのは、どのような安全性があるのかということが根 本的であって、何万年という数字の定義ではない。重要なのは、大飯原発の安全性であって、それを踏まえた上で、基本に立ち返って議論をする。
Q、電力会社の調査の後ではなく、前に注文を出した方がいいのでは?
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
そういう意味では、限られた資料について、判断をしようとしていますが、それで足りないということであれば、追加調査をこのような形で求めるのも1つ、日曜にどのような議論をするのかで決まる。
Q、山頂付近のトレンチ調査で、粘土のようなものが見つかったというお話を聞いた。実際にあったのか?それは断層活動によるものか?
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
どちらもYESだと思います。
A、岡田篤正(立命館大学 グローバルイノベーション研究機構 教授)
あると言えばある。幅も場所で違ってくるし、断層というのは岩石で出来てたから、何億年、長い年月で出来た。年代を限られるかどうか、最終活動時期がいつなのか?最も新しい時期、どの程度動いているか、これから資料を集めて考えるべき。
A、廣内大助(信州大学 教育学部 准教授)
山頂のトレンチで出たものが、断層であることは間違いない。いつ動いたのか。どう連続するのか、僕自身は、もう少し調べる必要があると思っている。
A、重松紀正(産業技術総合研究所 活断層地震研究センター主任研究員)
山頂で出て来たものは、明らかに断層。粘土を確認したのも事実です。どういう粘土鉱物が入っているのかを見て、今後総合的に判断すべき事。
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
断層運動で出来た粘土を確認しました。
Q、現地調査を行い、活断層の疑いがあるということを、これまでの見解よりも強くお持ちになったか?
A、岡田篤正(立命館大学 グローバルイノベーション研究機構 教授)
現時点では、直接の答えはできない。新しい地層も、年代を言わないといけない。上部の方の地層では、切れているものは無かったが、下部にはそれがあった。年代をこれからつめないといけない。
A、廣内大助(信州大学 教育学部 准教授)
地層を変異させるような耕造を認めている。時代がいつになるかによって、それが「活」とか「活」じゃないとか、という話になる。その結果が出ないと、活断層とか、危ないとかそういうことは分からない。
A、重松紀正(産業技術総合研究所 活断層地震研究センター主任研究員)
F6で、問題になっている断層のルートは見た。はっきり地層を切っているというところは、ほとんど無かった。ボーリングといっても、基盤の中の構造を見ている。すぐに判断できることではなくて、今日集めたデータで総合的に判断するしかないと思います。
A、渡辺満久(東洋大学 社会学部教授 変動地形学)
今までと比較してということでしたら、確実に地層を切っているのを確認したので、そういう意味では(活断層の疑いの)レベルが上がったと思っている。
Q、11月4日に決断を出せるかどうか?
A、島崎邦彦(原子力規制委員会 委員長代理)
それは分かりません。
大飯原発で“緊迫の調査” 「活断層」なら停止も
こちらは、現在国内で唯一稼働している福井県の大飯原発です。しかし、2号機と3号機の間には断層が 走っていて、これが地震の際、地盤をずらして設備に損傷を与える危険がある「活断層」である可能性が否定できないことから、原子力規制委員会はきょう、初 めて現地調査を行いました活断層の疑いが強いと判断されれば、関西電力に原発の停止を求める方針で、調査の結果が注目されています。
'12/11/2
原子力規制委が活断層調査 「判断を尊重」と首相
原子力規制委員会(委員長)の現地調査団は2日、関西電力大飯原発(福井県)で敷地内断層を調査し、試掘溝の中を確認した。9月に発足した規制委 による初の調査で、4日には都内で評価会合を開き調査結果を議論する。活断層の疑いが強まれば、稼働中の3、4号機の運転停止を関電に求める方針。野田政権は6月、敷地内断層の再調査をしないまま、大飯3、4号機の安全性は確認できたとして再稼働を決めた。規制委の調査で活断層と判定されれば、政府の判断の是非も問われる。
野田佳彦首相は、共同通信などのインタビューで「規制委員会の判断が出るなら、当然政府は尊重する」と述べた。
調査団は委員長代理(東京大名誉教授、地震学)を中心に、関係学会から推薦を受けて選ばれた東洋大教授(変動地形学)ら専門家5人で構成。午前9 時すぎから原発構内の施設で関電の追加調査結果の説明を受けた。関電の副社長が「原発は重要な基幹電源なので、ご指示いただければあらゆることに対応す る」とあいさつ。島崎氏は「天候がどうなるか分からないが、よろしくお願いします」と述べた。
調査の対象は、1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北に走る「F―6断層(破砕帯)」で、3、4号機の冷却に用いる非常用取水路の真下を走るとみられる。近くの活断層と連動し、地盤をずらして設備に損傷を与える危険性が指摘されている。
調査団は、雨が降り、約80人の報道陣が見守る中、海側にある縦約15メートル、横約40メートル、深さ約5メートルの試掘溝の中に入り、へらで表面を削ったり、写真を撮ったりしながら、岩の硬さや種類を確認。ボーリングで採取した試料も調べた。
規制委による断層調査は今後、東北電力東通原発(青森県)、北陸電力志賀原発(石川県)、日本原子力発電敦賀原発、関電美浜原発、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(いずれも福井県)の5原発でも実施される。
大飯原発断層“必要あれば再調査も”
11月2日 18時10分
国内で唯一運転中の福井県の大飯原子力発電所で、国の原子力規制委員会は、敷地にある断層が活断層 かどうかを検証する初めての現地調査を行いました。規制委員会の島崎邦彦委員は調査のあと、「必要があれば再調査の可能性もある」と述べて、今後、改めて 追加の調査をすることもありうるという考えを示しました。大飯原発を訪れたのは、原子力規制委員会の島崎邦彦委員と学会から推薦された専門家の合わせて5人 で、まず、関西電力からこれまでの調査について説明を受けました。このあと、敷地の北側で、地面の断面を見る「トレンチ調査」の現場を訪れ、「F-6破砕 帯」という断層が活断層かどうかを検証するため、地層を削るなどして調べました。
また、午後からは、「ボーリング調査」で抜き取った筒状の地層を手で触れて、破砕帯と思われる付近の性質や硬さなどを調べていました。2日の調査を基に、破砕帯を評価する会議が4日、東京で開かれることになっています。
規制委員会の島崎邦彦委員は調査のあと「現場に来てみないと分からないことがたくさんあったが、あさっての会合で評価する段取りになっている。必要があれば再調査の可能性もある」と述べて、今後、改めて追加の調査をすることもありうるという考えを示しました。
ま た、ほかの専門家からは「1日という非常に短い時間だったので限られた情報しかない」とか「これから新たに資料を集めて破砕帯がいつどの程度動いているか を考えるべきだ」といった意見が相次ぎました。4人の専門家からのうち、これまで活断層の疑いが否定できないと指摘してきた変動地形学が専門の東洋大学の 渡辺満久教授は「トレンチ調査の1か所で断層運動で出来た粘土を確認した。地層の年代がよく分からないのではっきり言えないが、地層がずれて変異したのは 間違いないと思う」と述べました。
規制委員会は、去年3月の巨大地震を受けて、電力会社などが破砕帯を調べている大飯原発を含む全国6か所で現地調査を行う計画で、今回が初めての調査となりました。
国内で唯一運転している大飯原発では、破砕帯の上に原子炉を冷やすために使う海水を取り込む安全上重要な配管があり、規制委員会は、結果によっては運転の停止を求める考えを示しています。
これに対し、関西電力は、先月31日、「現時点では、破砕帯は活断層とはみられない」とする中間報告をまとめていますが、破砕帯を想定どおりに確認できておらず疑問が残る結果になっていて、規制委員会の判断が注目されます。
規制委判断を尊重=大飯活断層問題―野田首相
- 2012年
11月
2日
18:02
JST
規制委の田中俊一委員長は、原発の重要施設に影響を与える活断層が判明した場合は、運転停止を求める考えを表明している。
[時事通信社]
[時事通信社]
三菱重工に36億円請求 原発停止で米電力会社
AP通信によると、運転停止に伴う損失額は9月末までに約3億1700万ドルに達した。(共同)
新潟 50キロ圏も避難準備すべき
11月2日 17時12分
原子力災害に備えた防災対策について検討してきた新潟県内の市町村で作る研究会は、国が防災を重点 的に行う範囲の目安としている、原発から半径30キロを超えた50キロの範囲の自治体についても、状況によっては住民の避難などが素早く行えるよう準備を すべきだとする指針をまとめました。指針は、福島第一原発の事故を受けて原子力災害に備えた対策を独自に検討しようと、新潟県内のすべての市町村で研究会を作り、議論を続けていたもので、2日に開いた会議でまとめました。
それによりますと、各自治体が地域防災計画で指定する防災を重点的に行う範囲については、国が先月31日に決定した新たな防災指針の原発から半径30キロを目安にするとしています。
一 方で、原子力規制委員会が公表した原発事故が起きた際の放射性物質の拡散予測では、原発から40キロの長岡市内で、国際的な避難基準の放射線量に達すると されたことなどから、半径50キロの範囲に含まれる自治体についても、状況に応じて住民の避難などが素早く行えるよう準備をすべきだとしています。
新潟県内の市町村はこの指針を基に、来年3月までに原子力災害に備えた地域防災計画などを策定することになります。
原発から30キロ以上離れた魚沼市の中川太一副市長は「どの段階で避難するのかなど判断基準が定まっていないので、国には早急に基準を示してほしい」と話しています。
原発事故時の指針策定
県内全30市町村でつくる「原子力安全対策に関する研究会」が2日午前、長岡市 役所で開かれ、東京電力柏崎刈羽原発の重大事故時に自治体が取るべき行動を明示した独自の行動指針を取りまとめた。各市町村では原発からの距離に応じ、風 向きを考慮した避難方法を取ることや、避難者の受け入れ策を検討することとした。東電との締結を目指している安全協定については、東電に原発異常時、原則 30キロ圏の市町村が現地確認と意見交換の場を求める方針を事務局が説明した。原子力規制庁によると、原発立地地域以外の市町村が主体となって指針を策定するのは全国初めて。今後は指針を各市町村で地域防災計画などに反映させるとともに、県に広域調整を求める。
【政治・行政】
原発停止で支援要請=立地市町村
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「全国原子力発電所所在市町村協議会」の河瀬会長(敦賀市長)=写真右端=らは2日、経産省に枝野経産相を訪ね「原発の長期停止が立地地域の経済産業に大きな影響を与えている」と訴え、支援策を講じるよう求めた。 【時事通信社】
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原発事故:県外避難先「国が調整すべき」 敦賀市長、県の方針を支持 /福井
毎日新聞 2012年11月02日 地方版敦賀市の河瀬一治市長は1日の定例記者会見で、原発10+件事故時の県外避難について「国が前面に出て調整すべきだ」と述べ、県外の避難先確保は国の役割と主張している県の方針を支持した。
原子力規制委員会が先月31日に示した原子力災害対策指針は、防災対策を重点的に行う区域の目安を原発10+件の30キロ圏内とし、同市は全域が含まれる。滋賀県や京都府が、事故時に福井県からの避難者受け入れに前向きな姿勢を示す一方で、福井県は現状では避難先を県内に限定している。
河瀬市長は、県外の避難先確保について「自治体同士でやると、不都合が出てくる。県の姿勢は問題ない」と述べた。【柳楽未来】
島根原発:事故時の対応協議 溝口知事・鳥取知事ら、協議会設置など /島根
毎日新聞 2012年11月02日 地方版鳥取県の平井伸治知事は1日、同県米子、境港の両市長と島根県庁を訪れ、中国電力島根原発10+件(松江市)の事故時の対応について溝口善兵衛知事と意見交換した。平井知事は両県で広域防災体制に関する協議会を設置することを改めて提案。溝口知事は「(原発10+件周辺の県内)4市とよく話をしたい」と述べるにとどまった。
国の新しい原子力災害対策指針では、原発10+件30 キロ圏に複数の県が含まれる場合は、国が主体的に関与して各県の意見調整を行う必要性に言及している。平井知事はこの点に触れ、両県の副知事が参加する協 議会の設置が必要との認識を示した。また、避難時の道路混雑状況の推計や放射線モニタリングデータの集計とデータベース化を両県共同で実施することも提案 した。
両知事は4月に会談した際、両県と周辺6市長を交えた協議会の設置について基本合意していた。平井知事は終了後、「(両県の)中枢の人間が交渉力を持ち、まとめ上げることが必要」と説明。早ければ11月中の設置を求める考えを示した。【曽根田和久】
<大飯原発>規制委が破砕帯調査…活断層なら停止も
毎日新聞:記事一覧
2012年11月2日(金)11時05分配信
掘った溝の中で地層を調べる原子力規制委員会の調査団ら=福井県おおい町の大飯原発で2012年11月2日午前10時20分、畠山哲郎撮影毎日新聞
全国で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内を走る断層(破砕帯)に活断層の可能性が指摘されている問題で、 原子力規制委員会は2日午前、現地調査を始めた。終日、実施する。規制委が現場で断層調査するのは発足後初めて。4日には東京都内で会合を開き、調査結果 を評価する。活断層と判断すれば、運転停止を求める方針。
【図で見る】大飯原発周辺にある主な破砕帯(断層)と調査地点
調査団は、地震学が専門の島崎邦彦委員長代理(前地震予知連絡会会長)のほか、活断層による危険性を警告してきた渡辺満久(みつひさ)・東洋大教授ら外部専門家4人で構成する計5人。
問題になっているのは、1、2号機と稼働中の3、4号機の間をほぼ南北に走る「F−6破砕帯」。真上を、緊急時に原子炉の冷却用海水を取り込む重要施設「非常用取水路」が通っているとみられる。
調査団は2日午前、F−6破砕帯の位置などを調べる目的で関電が敷地北端の「台場浜」地区に掘ったトレンチと呼ばれる溝(縦37メートル、横14メート ル、深さ5メートル)に入った。午後には1、2号機北側の山にある別のトレンチでF−6破砕帯を直接見るほか、長さを確認したりするため、延長部分と想定 される場所も調べる。
調査のポイントは破砕帯の活動時期だ。現行の原発の耐震設計審査指針では、後期更新世(13万〜12万年前)より新しい時期に動いた断層を活断層とみなす。一方で島崎氏は、数十万年前までさかのぼって活動していれば活断層とみなすよう提案している。
国が安全審査に用いている手引では、原子炉や非常用取水路のような重要施設を活断層の上に建てることを認めていない。また、田中俊一委員長は、9月の記者会見で「(活断層の可能性が)クロか濃いグレーなら(運転を)止めてもらうことをお願いする」と明言している。
しかし、手引自体には運転停止命令を出せる法的な強制力がなく、規制委は来年7月までに手続きに法的根拠を持たせるため、原子炉等規制法に基づいた安全基準の策定を進めている。この基準に適合しないと稼働できない。
今回の調査は、東日本大震災が引き金となって、昨年4月に福島県で動かないとされた断層が動いて地震が発生したのを受け、規制委の前身である経済産業省原 子力安全・保安院が全原発の敷地内にある断層の総点検を始めた。これを受け、関電が7月に提出した資料が不十分であることなどから「活断層の可能性を否定 できない」と再調査を指示した。関電は10月31日、「活断層ではないとする従来の評価を覆すデータは見つかっていない」とする中間報告を規制委に提出し た。年内に最終報告する予定だ。【岡田英、畠山哲郎、松野和生
◇破砕帯◇
地下にかかる圧力によって地層がずれる断層活動 の痕跡の一種で、ずれた断層面に沿って押しつぶされて砕けた岩石が帯状の層となって表れたもの。厚さ数センチ〜数メートルの場合が多く、大きな断層は大規 模な破砕帯を伴うことが多い。大飯原発のほか、東北電力東通、日本原子力発電敦賀、北陸電力志賀、関西電力美浜の4原発と日本原子力研究開発機構の高速増 殖原型炉もんじゅでも、敷地内の破砕帯が活断層かどうかの再調査が行われている。
◇大飯原発の破砕帯を調べる有識者◇
島崎邦彦・原子力規制委員会委員長代理 東京大名誉教授。日本地震学会、地震予知連絡会の会長を歴任
岡田篤正・立命館大グローバル・イノベーション研究機構教授 日本活断層学会の初代会長を務め、阪神大震災後に主要な活断層調査を先導
重松紀生・産業技術総合研究所活断層・地震研究センター主任研究員 英リバプール大研究員などを経て現職。断層のずれによって形成される特殊な岩石が専門
広内大助・信州大教育学部准教授 愛知工業大地域防災研究センター研究員などを経て現職。変動地形学が専門で本州中部の活断層調査経験が豊富
渡辺満久・東洋大社会学部教授 日本活断層学会監事。敦賀原発など複数の原発周辺の活断層調査の不備を早くから指摘している
特集ワイド:原発の呪縛・日本よ! 社会学者・吉見俊哉さん
毎日新聞 2012年11月02日 東京夕刊<この国はどこへ行こうとしているのか>
◇「平和利用」の夢、覚ませ−−社会学者・吉見俊哉さん(55)
研究室のテーブルに積み上げられた本の山に、浦沢直樹さんの漫画「PLUTO(プルートウ)」があるのを見つけた。故手塚治虫さんの「鉄腕アトム」の一話を原作とした作品だ。社会学者の頭脳の中で、サブカルチャーと原子力はどう交錯するのか。記者の目が留まったことに気付いたのか、こう説明してくれた。「言うまでもなくアトムは原子力で動く未 来のロボットですが、そこには『コントロール可能な原子力』という象徴性があった。実はドラえもんもそうです。昭和20年代に始まったアトムからドラえも んを経て現代の浦沢さんに至るまで、こうした作品群は、戦後の日本社会が破壊的な力を蓄えた原子力を内部に抱え込んでいった現実を図らずも映し出していま す」
昨年の初夏から秋、東日本大震災の被災地を大学教授のグループで3回訪れた。がれきの荒野となった沿岸部の惨状は、写真でしか目にしていない敗戦直後の焼け野原とあまりにも似ていた。福島県ではいわき市から北上し、一般人が東京電力福島第1原発10+件に近づけるギリギリの地点に立った。「地中海や瀬戸内海沿岸のように海と緩やかな丘が調和した風景と、放射能汚染とのコントラスト。この激しいギャップをどう受け止めていいのか分からず、戸惑いました」
衝撃は一つの疑問へと収れんしていった。広島、長崎を経験したはずのこの国が、1999年のJCO臨界事故などに続いて今また「被ばく」に苦しむ、この「連続性」をもたらしたものは何なのか。
答えを探すために執筆したのが、今年8月に出した「夢の原子力」だった。吉見さんはあるページを開き、 1枚の白黒写真を示した。写っているのは、55年に東京・日比谷公園で催された「原子力平和利用博覧会」の入場を待つ長蛇の列だ。「原子炉や原子力船、原 子力飛行機などの模型が展示され、原子力を利用すれば豊かでバラ色の生活が可能になると国民にアピールする場だったんです」
全国の主要都市を巡回し、約260万人が来場した。それぞれの主催は読売をはじめとする新聞社。<原子 力はこわいもので戦争だけに使うものだと思っていましたが、農業、工業、医学にも使えると知ってびっくりした>。当時、新聞に掲載された「読者の声」をた どると、原子力への拒否反応が和らいだことが明確に分かるという。
福島県に集中…“震災関連死”2303人に 復興庁(11/02 15:02)
東日本大震災の避難生活で体調を崩すなどして亡くなった「震災関連死」が、9月末までに2303人に上り、そのうち約半数が福島県内だったことが復興庁のまとめで明らかになりました。平野復興大臣:「福島県に半分近くの方が集中している。これは、福島県全体の避難者の数が多いということとの関連があるかもしれないが、いずれにせよ福島県に集中している」
復興庁によりますと、今年9月末までに震災関連死と認定された人は、1都9県で2303人に上り、福島県内では1121人となりました。平野大臣は、福島 県で震災関連死が多いことについて、原発事故の影響で住み慣れない町での避難生活が長期化していることなどを理由に挙げました。このため、福島県と共同で 原因を調査し、対策を強化していく考えを示しました。
ことば:関西電力大飯原発
毎日新聞 2012年11月02日 東京夕刊◇関西電力大飯原発
福井県おおい町に1〜4号機が立地する。1、2号機は1979年、3号機は91年、4号機は93年に運転開始。いずれも加圧水型(PWR)で、東京電力福島第1原発10+件の沸騰水型(BWR)とは炉型が異なる。4基の総出力は471万キロワットで、関電の3原発10+件では最大規模。今年7月に3、4号機(いずれも118万キロワット)が再稼働した。現在、国内で運転している原発10+件はこの2基だけ。「原発は止めろ、値上げはいやだ」と駄々をこねる人々
2012年11月02日(金)14時54分
関西電力、九州電力、北海道電力、東北電力、四国電力は、あいついで電気料金の値上げを表明した。原発20+ 件の停止によってLNG(液化天然ガス)の輸入が急増したことが最大の原因だ。すでに値上げの方針を表明した東京電力と合わせて、10電力のうち6社が値上げすることになる。
関西電力が29日に発表した今年4~9月期の中間決算は、最終損益が1167億円の赤字で、原発20+ 件の停止にともなうコスト増は2700億円。九州電力は1650億円の最終赤字で、このまま赤字がふくらむと、2014年3月期には債務超過になるという。北海道電力は泊原発を再稼働しないと、今年の冬に電力不足に陥るおそれがある。北陸と沖縄を除く8社の中間決算の赤字額は合計6700億円にのぼる。
原発20+ 件を止めたことによるLNGなどの燃料費増は、政府の見通しによれば昨年2.3兆円、今年は3.1兆円である。全国の電力会社の売り上げの合計は約15兆円だから、その2割が原発の停止で吹っ飛ぶことになる。短期的にはやりくりで値上げ幅を抑えるにしても、長期的には電気料金が2割上がることは避けられない。産業用の料金も利用者に転嫁されるので、1人あたり年間2万5000円の負担増。消費税の1.5%に相当する。
既に値上げを正式表明した関西電力や九州電力と同様、北電は原発比率が4割と高い。原発への過度の依存が経営を急速に悪化させたばかりでなく、電力の安定供給も危うくしたと言える。[中略]電力会社は原発20+ 件頼みの経営体質を変えなければならない。
これは言いがかりである。値上げが必要になったのは北電が「原発20+ 件頼み」だったからではなく、政府が唐突に原発を止めたからで、これは電力会社の責任ではない。経営体質をどう変えようと、これまでに輸入したLNGの損失は変えられない。
昨年12月のLNG価格(100万BTUあたり)は、アメリカの2ドル以下に対して、日本は18ドル以上と9倍にのぼる。LNGのほとんど長期契約で調達されているので、スポット市場に出ている量は少ない。そこに原発20+ 件を止められて他にオプションのない日本の電力会社が殺到したため足元を見られ、高値でLNGを買わされたのだ。
北海道新聞は「原子力規制委員会が新しい安全基準を決めるまで再稼働は許さない」というが、新基準が決まるには1年以上かかるとみられている。新
基準ができるまでは、旧基準を適用するのが法治国家のルールである。地方紙の論理を適用するなら、建築基準法を改正するときは、新基準が決まるまで旧基準
の家に住んではいけないのだろうか。
かつて原発20+ 件停
止をあおった急先鋒は、こういう地方紙だった。その責任に口をぬぐって「電力会社が悪いから値上げは認めない」と主張するのはご都合主義である。こういう
わがままは、55年体制で社会党が「増税には反対だが福祉は充実しろ」と主張したのと同じだ。幸いなことに、ネットメディアによって真っ先に淘汰されるの
も、こうした「万年野党」である。
原発事故:退避・避難7日が限度 高島市が4類型想定、市外でも1カ月 /滋賀
毎日新聞 2012年11月02日 地方版高島市は1日、福井県の3原発10+件で 4類型の事故を想定した住民避難計画の概要を示した。屋内退避2日の後、避難所5日、さらに市外避難では1カ月を限度とし、それを超える場合は仮設住宅へ の移転などを県に要請する内容。避難所に入る住民には、被ばく線量評価のため行動記録票を渡して記入を指示する独自案も盛り込んだ。福島原発10+件事故を教訓にした。
同日の第3回原子力災害対策検討委(委員長、高橋知之京都大原子炉実験所准教授)で市原子力防災計画素案と住民避難計画概要を示し、公開した。
想定は大飯、美浜、敦賀の3原発10+件の単独事故と大飯、美浜同時事故の4類型。緊急防護措置区域(UPZ)30キロ圏にとどまらず、県独自の予測による最大43キロの県版UPZ内の防護対策を掲げた。
国際原子力機関(IAEA)の避難基準を基に(1)プルーム(放射性雲)通過による被ばく防止の屋内退 避(2)高線量が続く場合は最寄りの広域避難所、次いでUPZ圏外の同避難所(3)市外の避難施設−−の順とし、目安として(1)は2日、(2)はバスに よる移動時間も含め計5日、(3)は1カ月を限度とした。(2)では徒歩を基本としながら遠方住民にはバイク、車の利用も認める考えだ。【塚原和俊】
原発事故時、最大20万人避難 新潟の全市町村が計画
- 2012/11/2 13:50
暫定版の避難計画によると、小中学校や公共施設に加えて、新潟県旅館ホテル組合に加盟する民間の宿泊施設を避難先として想定している。避難の交通手段はバスや自家用車を使う。
シミュレーションは風向きに応じて10種類の拡散パターンを想定。原発からの方角と距離に応じて人口を調べ、避難すべき人数を試算した。西 風が吹いた場合、長岡市中心部が避難エリアに含まれ、避難対象人口は最大19万9500人に達するという。原発事故時に北風が吹いた場合、糸魚川・妙高方 面で避難施設の収容能力が不足することも分かった。
会合後に記者会見した長岡市の森民夫市長は「これだけ詳しい避難計画の骨子は全国でもほかにない。今後は各市町村が持ち帰って具体的な計画策定を考えていくことになる」と説明した。長岡市は地域防災計画を今年度中につくる予定。
大飯断層 規制委が調査
2012年11月2日 夕刊大飯原発の試掘溝を調べる原子力規制委員会調査団の島崎邦彦委員長代理(左手前)ら=2日午前10時15分、福井県おおい町の大飯原発で |
調査チームは時折強い雨が降る中、調査に踏み切った。断層が露出している北側の海岸「台場浜」周辺やほかの溝、掘削(ボーリング)調査をした際に掘り出された土を見て、断層が動く可能性を判断する。
現地調査はこの日で終わり、四日に都内で会合を開き、活断層かどうかを議論する。
大飯原発では、1、2号機と、国内で唯一再稼働した3、4号機の間をF-6断層が南北に走っている。この断層が近くの活断層と連動し、地表がずれて設備を損傷させる恐れが指摘されている。
断層上には、海から冷却水を引き込む重要な取水路がある。活断層と判断されれば、原発の耐震設計審査指針に反し、規制委は運転停止を求める見通し。
調査チームは、島崎氏のほか、活断層の可能性を指摘した渡辺満久・東洋大教授ら地震や地質の学会から推薦された有識者四人の計五人で構成。
規制委の田中俊一委員長は「重要施設の下に活断層があるという状況は問題がある。クロまたは濃いグレーの場合、原発を止めてもらう判断をする」と明言している。
大飯原発の断層、原子力規制委が現地調査開始
原子力規制委員会は2日午前、関西電力の大飯原子力発電所(福井県おおい町)の敷地内の破砕帯(断層)が、将来動く恐れのある活断層かどうかを確認する初めての現地調査を開始した。
同日中に現地調査を終え、4日に都内で調査結果に関する評価会合を開く。大飯原発は7月に3、4号機が再稼働し、国内17か所の原発で唯一運転している。規制委は最終的に活断層と判断した場合、国の耐震設計審査指針に反するとして、運転停止を求める方針だ。
問題の破砕帯「F―6」は、2号機と3号機の原子炉建屋の間を南北に走り、3、4号機の原子炉冷却に必要な海水を取り込む重要設備「非常用取水
路」の真下を横切る。1987年の3、4号機の増設許可以来、活断層ではないとされてきた。しかし、東日本大震災後、旧原子力安全・保安院は、原発の活断層評価を見直す中で、判断材料が不十分として、関電に再調査を指示していた。
(2012年11月2日11時28分 読売新聞)
大飯原発で活断層調査始まる 規制委調査団
2012.11.2
10:00
原子力規制委員会の専門家調査団は2日、国内の原発で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県おおい町)で、敷地内を走る軟弱な断層(破砕帯)が活断層かどうか判断するため調査を始めた。4日に東京で会合を開き、調査結果を評価する。
調査しているのは1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北方向に走る「F-6断層」と呼ばれる破砕帯。規制委の島崎邦彦委員長代理を中心に、Fー6断層の危険性を指摘してきた渡辺満久・東洋大教授ら計5人の専門家がこの日早朝から現地に入った。
調査団は、関電が掘った深さ数メートルの溝に入り、その壁面に表れた地層を観察するなどして、断層の活動性や連続性を調査。調査地点は、海岸付近の地表から山頂付近まで6カ所で、終日かけて回る。
関電によると、これまでの調査で破砕帯が活断層でないという従来の評価を覆す結果はなく、周辺の断層との連動性を示すデータもないという。
旧原子力安全・保安院から再調査を求められていた関電は10月31日、規制委に対し「活断層があると示唆する結果は得られていない」とする中間報告を提出した。追加調査をした後、年内に最終報告をまとめる。
原発の耐震設計審査指針では、13万~12万年前以降に活動した形跡があれば活断層と判定されるが、島崎委員長代理は40万年前以降も含め、活断層の定義を大幅に拡大する方針を示している。
原子力規制委員会の専門家調査団は2日、国内の原発で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県おおい町)で、敷地内を走る軟弱な断層(破砕帯)が活断層かどうか判断するため調査を始めた。4日に東京で会合を開き、調査結果を評価する。
調査しているのは1、2号機と3、4号機の間をほぼ南北方向に走る「F-6断層」と呼ばれる破砕帯。規制委の島崎邦彦委員長代理を中心に、Fー6断層の危険性を指摘してきた渡辺満久・東洋大教授ら計5人の専門家がこの日早朝から現地に入った。
調査団は、関電が掘った深さ数メートルの溝に入り、その壁面に表れた地層を観察するなどして、断層の活動性や連続性を調査。調査地点は、海岸付近の地表から山頂付近まで6カ所で、終日かけて回る。
関電によると、これまでの調査で破砕帯が活断層でないという従来の評価を覆す結果はなく、周辺の断層との連動性を示すデータもないという。
旧原子力安全・保安院から再調査を求められていた関電は10月31日、規制委に対し「活断層があると示唆する結果は得られていない」とする中間報告を提出した。追加調査をした後、年内に最終報告をまとめる。
原発の耐震設計審査指針では、13万~12万年前以降に活動した形跡があれば活断層と判定されるが、島崎委員長代理は40万年前以降も含め、活断層の定義を大幅に拡大する方針を示している。
福島の震災関連死 対策チーム設置へ
11月2日 13時0分
平野復興大臣は記者会見で、東日本大震災のいわゆる震災関連死が、原発事故で被害を受けた福島県で減少傾向がみられないとして、地元自治体などとともに新たに対策チームを設け、原因の分析や防止策を検討していく考えを示しました。この中で、平野復興大臣は、長引く避難生活による体調の悪化などで亡くなった震災関連死について、 「震災の発生から1年間の推移を見ると、福島県以外では、時間の経過とともに減少しているが、福島県は減っていない。加えて福島県は、震災の発生1年から 1年半の間にも、35人が亡くなっている」と述べました。
そのうえで、平野復興大臣は「医師や看護師も避難してしまっていたなどの原因が考えられ るが、福島県に特化した原因調査を行う必要がある。原因を明らかにし、避難先への訪問を増やすなど、対策を強化したい」と述べ、福島県などとともに、新た に対策チームを設け、原因の分析や防止策を検討する考えを示しました。
復興庁が2日に発表した、ことし9月末までの震災関連死は、1都9県で合わせて2303人で、福島県が1121人と全体の半数近くを占め、宮城県が812人、岩手県が323人などとなっています。
地層に触り撮影も=風雨の中、初の調査-大飯原発・規制委
原子力規制委員会による初の現地調査は、時折降る強い雨と冷たい風の中で始まった。2日午前、福井県おおい町の関西電力大飯原発。調査団の専門家ら5人はまず、原発敷地北側の海辺を訪れ、写真を撮ったり、直接地層に触ったりしながら確認作業を進めた。
専門家らは薄いグレーの作業着などに身を包み、白いヘルメットをかぶって調査に臨んだ。関電が断層調査のため地面に掘った深さ数メートルの溝の底に降り、赤茶色の地層や黒ずんだ断面を調べた。
調査団には関電の担当者が同行。専門家らは担当者に質問したり、地層を軽く削ったりしていた。(2012/11/02-11:48)
専門家らは薄いグレーの作業着などに身を包み、白いヘルメットをかぶって調査に臨んだ。関電が断層調査のため地面に掘った深さ数メートルの溝の底に降り、赤茶色の地層や黒ずんだ断面を調べた。
調査団には関電の担当者が同行。専門家らは担当者に質問したり、地層を軽く削ったりしていた。(2012/11/02-11:48)
2012年11月
2日
12:00
10日に「即時原発ゼロの提言」笠井・講演会
原発ゼロを掲げる「11・11全国いっせい行動」に連帯して、日本共産党京都府委員会(渡辺和俊委員長)は10日午後1時半から、京都市上京区の KBS京都ホールで、笠井亮衆院議員(党原発・エネルギー問題対策委員会責任者)を迎えて「『即時原発ゼロ提言』を語る」講演会を開きます。「提言」作成の責任者でもある笠井氏が、「なぜ、即時原発ゼロか」「即時原発ゼロは可能か」などについて、「提言」に基づき1時間にわたり詳しく説明。質疑応答も約1時間予定されています。また、原発ゼロの運動を進める各界・市民団体代表らの発言も予定されています。
参加無料。保育あり。問い合わせ先は同党府委員会TEL075・211・5371。(「週刊しんぶん京都民報」2012年11月4日付掲載)
大飯原発「破砕帯」が「活断層」か判断する原子力規制委現地調査
関西電力大飯原発の敷地内を走る「破砕帯」と呼ばれる断層が、地震の際に動く「活断層」かどうか判断する、原子力規制委員会の現地調査が2日朝から始まった。
地図で見てみると、建設当初から関西電力が確認していたとしている破砕帯は、2号機と3号機の間に伸びている。
しかし、関西電力が、2012年8月から再調査した結果、4カ所に破砕帯を確認した。
再調査で、破砕帯が従来の主張とは異なる位置にあったことがわかるなど、関西電力の調査がずさんではないかとの懸念も浮上している。
さらに、冷却用の海水をくみ上げるための配管もあり、この破砕帯が活断層だった場合の危険性が指摘されている。
規制委員会の調査団が、どのような判断をするのか注目される。
調査団は、午前9時に敷地内に入った。
現地調査は、「F-6」と呼ばれる破砕帯が、地震の際に動く活断層かどうかを調べるため、原子力規制委員会の委員や専門家が、関西電力が行っている調査の現場を視察し、地層の確認を行っている。
F-6破砕帯については、これまで関西電力の調査結果をもとに、旧原子力安全・保安院が「活断層ではない」との評価を下し、2012年夏、3号機と4号機の再稼働を認めた。
2日の調査には、活断層のおそれを指摘し続けてきた専門家も含まれていて、活断層の可能性が否定できないと判断された場合、大飯原発の運転継続に影響が出ることが予想されている。
(11/02 12:04
元作業員東電を申告、元請け告発 第一原発被ばく事故 安全法違反容疑で
東京電力福島第一原発事故直後、高い放射線量の下で違法に復旧作業に従事させられたとして東電に対し是正勧告を求める申告、元請け企業「関電工」 (本社・東京都)を刑事告発する考えを明らかにしていた、いわき市の元男性作業員(46)は1日までに労働安全衛生法違反の疑いで両社を富岡労基署に訴え た。申請は10月30日付。男性と支援する日本労働弁護団は1日、厚生労働省で記者会見し、過酷な条件の下で作業に就いた実態を赤裸々に語った。弁護団に よると、作業員の被ばく事故で東電側の責任を追及するのは初めて。元男性作業員や弁護団によると、男性は二次下請け企業の社員だった。男性は昨 年3月24日、同僚2人と共に元請け企業「関電工」の社員2人と一次下請け企業の社員1人の合わせて6人で、福島第一原発3号機タービン建屋の地下で電源 ケーブル敷設作業に当たった。現場監督の関電工社員から高線量の汚染水の水たまりでの作業を指示された。関電工の2人と一次下請け企業の一人の計三人は水 たまり内で作業に就き、最大で220ミリシーベルトの被ばくを受けた。男性は作業を拒否した。男性は30~40分間の作業で11ミリシーベルト被ばくした という。
弁護団は監督を務めた関電工の社員が現場の放射線量や汚染水の状況を慎重に確認しなかった点を挙げ、「作業継続の指示は、事業者が作業 員の被ばく線量を可能な限り低く抑えるように求めている労働安全衛生法に違反している」と説明した。作業を発注した東電も「違反行為を防ぐために必要な措 置を講じておらず同法に違反する」とした。
記者会見に臨んだ元男性作業員は「告発が原発事故の収束作業に当たる全作業員の安全確保に向けた取り 組みの契機になってほしい」と訴えた理由を説明した。弁護団の水口洋介、山添拓両弁護士は「多重下請けで安全対策がおろそかになっているのが現状だ。東電 と関電工の責任を追及して、労働環境が改善するよう対応を求めたい」と語った。
(
新潟、全市町村が原発避難計画
- 2012/11/2 12:03
代表幹事の長岡市によると、市町村レベルで避難計画を策定するのは全国で初めて。
事故時の風向きごとに各自治体の避難先の希望を調整し、新潟県が定める地域防災計画や国の法令を基に、事故の際に各自治体に求められる行動をより具体的に示した。
柏崎刈羽原発から50キロ圏内を対象に人口分布を把握し、各市町村がどの地区に避難したいかを調査。人数や移動手段、避難先の収容数を考慮し、旅館やホテルも避難先の選択肢としたほか、自家用車による避難を前提とするよう定めた。
ただ、風向きによっては、避難先の収容数が足りず、他県の受け入れ先を探すよう新潟県に要請する必要が出るなど、課題を残した。各自治体は今回の計画などを基に地域防災計画案を策定し、年内に原子力規制委員会に提出する。〔共同〕
活断層あれば稼働停止も…大飯原発の断層調査(11/02 11:48)
国内で唯一稼働している福井県の大飯原発について、原子力規制委員会が、敷地内を走る断層の現地調査を初めて行っています。 調査が行われているのは、2号機と3号機との間を南北に走る長さ約900メートルの断層です。最近、40万年以内に動いたことが確認され、活断層と認定さ れれば、大飯原発は稼働停止となる可能性もあります。(松井康真記者報告)
あいにくの雨のなか、2日午前10時から調査は始 まりました。5人の調査団は、まず建屋の北側に調査用に掘られたトレンチと呼ばれる溝の中に入りました。調査のリーダーである島崎委員長代理が、自らコテ のようなものを使って地層を削り取るシーンもありました。また、調査団のなかには、早くから「大飯原発の敷地内に活断層がないとは言えない」と指摘してい た専門家も含まれています。調査は午後5時まで行われます。
(Q.この調査の結果はいつ出る?)
原子力規制委員会は4日、場所を東 京に移して今回の調査を評価します。関西電力は「活断層ではない」と主張していますが、規制委員会の田中委員長は「黒かグレーなら原発を止めてもらう」と 話をしています。電力の需給に関係なく、単に科学的にどうかということで判断するということです。今後の日本の原発政策に影響を及ぼす大事な調査となりま す。
福島:原発事故で国道6号が不通 国道349号、交通量が急増 近所に行くのも命がけ
2012年11月02日山間の集落が悲鳴を上げている。原発10+件事 故の影響で、いわきや県中方面から南相馬方面へ向かう復興関連の大型車両などが、阿武隈山系の国道に「迂回(うかい)路」として殺到しているためだ。特 に、復興支援として一部避難者を除いて高速道路の無料化措置が終わった今年4月以降、通行量は急増。沿道の集落は24時間、疾駆する車両の騒音と粉じんに 悩まされ、お年寄りや子どもは横断できず立ち尽くす。住民は「これでは“酷道”だ」と嘆いている。【栗田慎一、三村泰揮】
◇住民「これでは“酷道”だ」
中央車線のない細いくねくね道が続く、田村市船引町新舘の国道349号。木材や建設資材、燃料などを積んだ大型車両に加え、事業用の車などがひっきりなしに往来する。「近所に行くのも命がけになっちまった」。新舘で生まれ育った面川アサエさん(87)が1日、目の前を走る大型車両をやりすごしながらつぶやいた。
面川さんによると、朝6時前には349号に大型車が殺到し始める。新聞配達もしている面川さんは、配達時間を1時間前倒しし、5時半までに終えるようにした。「車にはねられたら犬死にだ。放射能だけでなく、原発10+件事故はとんでもない副産物をもたらした」
県警によると、原発10+件事故後、迂回路として阿武隈山系の国道の通行車両が急増した。迂回路は複数あるが、田村市内の349号は主なルートが重複し、混雑が激しい。
最も通行量の多い迂回路は、いわき市の国道49号から349号に入って北上、田村市、二本松市、川俣町から県道12号に入り、南相馬方面へ向かうルート。いわき市内の399号を北上し、川内村を通過、田村市で288号、349号へ入り北上するルートもある。
これらルートでは死亡事故が頻発。今年6月にワゴン車が大型トレーラーと正面衝突し、葛尾村のお年寄り 4人が死亡した事故も、南相馬市から避難先の三春町に戻る途中の349号だった。また、田村市を訪れた中国人女性が9月、349号を横断中に乗用車にはね られ死亡している。
県警は、事故が起きると、県トラック協会などを通じて注意喚起の書類を配るなど防止策に努めているが、ある県警幹部は「警察の取り組みには限界もある」と指摘する。「浜通りと中通りを結ぶ道路は、県内の他地域と比べて整備が遅れていた。そこに原発10+件事故が起き、避難車両が殺到して渋滞を招いた。それが今は迂回路の問題を引き起こしている」
東電に透析患者の賠償請求 県腎臓病協議会
県腎臓病協議会は1日、東京電力に対し、県内の人工透析患者約5000人に福島第一原発事故による精神的、身体的賠償として地域別に1人当たり40万〜120万円の支払いを求める請求書を提出した。
原発事故後、広域避難や物資の不足で、本来必要な人工透析を受けることができないケースがあり、身体的、精神的に損害を受けたとしている。
その上で警戒区域などに指定された地域は1人120万円、相双は同100万円、いわきは同80万円、県北・県中・県南・会津は同40万円の賠償を求めている。
協議会によると、県内の人工透析患者は約5千人。
協議会員は約1700人だが、全ての患者を対象とするよう求めている。
吾妻政光会長が福島市の東電福島地域支援室を訪れ、福島補償相談センターの大野理副所長に請求書を手渡した。
吾妻会長は「原発事故で、患者は不慣れな環境での透析を強いられた。
この気持ちをくんでほしい」と求めた。
大野副所長は「中身をしっかりと把握し、今後の対応を検討したい」と述べた。
原発事故後、広域避難や物資の不足で、本来必要な人工透析を受けることができないケースがあり、身体的、精神的に損害を受けたとしている。
その上で警戒区域などに指定された地域は1人120万円、相双は同100万円、いわきは同80万円、県北・県中・県南・会津は同40万円の賠償を求めている。
協議会によると、県内の人工透析患者は約5千人。
協議会員は約1700人だが、全ての患者を対象とするよう求めている。
吾妻政光会長が福島市の東電福島地域支援室を訪れ、福島補償相談センターの大野理副所長に請求書を手渡した。
吾妻会長は「原発事故で、患者は不慣れな環境での透析を強いられた。
この気持ちをくんでほしい」と求めた。
大野副所長は「中身をしっかりと把握し、今後の対応を検討したい」と述べた。
東京電力が、
福島第1原発事故の賠償に関する業務や除染作業を強化するため、福島県内に本社機能を設ける方針を固めたことが3日分かった。福島に関連する業務を「福島
本社」に移す。現在の態勢を増員し、4千人超が復興業務に当たる。来週にも発表する中期経営計画に盛り込む。
東電の意思決定は、東京の本店で実施しているが、地元の自治体や住民には「意向が十分反映されていない」との不満がある。現地の態勢や権限を増強し、賠償や復興を全力で進める姿勢を打ち出す狙いもある。
福島本社のトップは東京本店の副社長級とし、社内から選ぶ。
(共同通信社)('12/11/03
東電の意思決定は、東京の本店で実施しているが、地元の自治体や住民には「意向が十分反映されていない」との不満がある。現地の態勢や権限を増強し、賠償や復興を全力で進める姿勢を打ち出す狙いもある。
福島本社のトップは東京本店の副社長級とし、社内から選ぶ。
(共同通信社)('12/11/03
規制委が活動年代拡大なら評価困難 大飯原発破砕帯調査で専門家ら
(2012年11月3日午前11時43分)
大飯原発敷地内のトレンチで地層面の状況を確認する原子力規制委員会の調査団=2日午前10時13分、福井県おおい町大島の大飯原発
ボーリング調査の試料を確認する原子力規制委員会の島崎委員長代理(右)
ボーリング調査の試料を確認する原子力規制委員会の島崎委員長代理(右)
原子力規制委員会は2日、関西電力大飯原発20+ 件敷
地内(福井県おおい町)の破砕帯(断層)をじかに調査。規制委の島崎邦彦委員長代理は「たくさんの情報が得られた」と感想を述べる一方、追加調査の可能性
も示唆し、4日の評価会合で結論が出るかどうかは微妙だ。評価次第では運転停止につながる可能性があるが、専門家からは断層の活動性の有無や年代を正確に
特定する難しさを指摘する声も上がっている。
「F―6断層」の現地調査は、約6時間をかけて入念に行われた。敷地北側の海岸沿いのトレ ンチ(試掘溝)では、関電が延長部分は認められないとしている壁面の地質分布を確認。地滑り跡とされる部分を中心に、周囲を工具で削って硬さなどを調べ た。1、2号機背面の山頂付近のトレンチではF―6断層が確認されており、年代特定につながる土石類がないかを観察した。
関電が3、4号機建設の安全審査で掘ったトレンチ跡では、ボーリング調査で採取した試料が調査団に示された。渡辺満久東洋大教授が当時の資料から活断層の可能性を指摘するきっかけとなった地点でもあり、試料中に見つかった破砕部近辺の様子を慎重に調べた。
4日の会合では、活断層かどうかを判断するための活動年代が論議の対象になる可能性がある。耐震設計審査指針では13万~12万年前以降に動いた断層を活断層とみなすとしてきたが、島崎氏は10月下旬、年代の定義を40万年前以降に見直す意向を表明しているからだ。
ただ、2日の調査後、島崎氏は「重要なのは大飯原発20+ 件の安全性。基本に立ち返って議論するのがわれわれの立場だ」とも述べ、年代定義にこだわらずに破砕帯が与える影響を見極める姿勢を示した。規制委事務局の原子力規制庁担当者は「明確な定義がないまま調査に着手する形になった」と評価基準のあいまいさを認める。
今後の議論で年代定義が拡大されれば、関電の調査は前提が覆るだけでなく、耐震安全性の再評価を迫られる可能性が出てくる。関電の担当者は40万年前以降 の定義について「意識したこともない」とし「年代が古くなるほど活動した跡が残っている可能性は低く、評価しにくくなる」と疑問を口にする。
断層の活動年代をめぐり、明確な評価の難しさを指摘するのは福井大教育地域科学部の山本博文教授(地質学)。破砕面の上部の地層の年代と変形の有無による 判別が「最も信頼の置ける評価方法」とする一方、「該当する古い地層を特定するのは非常に困難。40万年前となれば評価は至難の業」との見方を示した。
規制庁の担当者は「はっきりした証拠が示せれば、関電の最終報告を待たずに結論を出すこともあり得る」とするが、現時点で明確な評価が出るかは不明。最終的に“灰色”と判断された場合にも難しい対応を迫られることになる。
「F―6断層」の現地調査は、約6時間をかけて入念に行われた。敷地北側の海岸沿いのトレ ンチ(試掘溝)では、関電が延長部分は認められないとしている壁面の地質分布を確認。地滑り跡とされる部分を中心に、周囲を工具で削って硬さなどを調べ た。1、2号機背面の山頂付近のトレンチではF―6断層が確認されており、年代特定につながる土石類がないかを観察した。
関電が3、4号機建設の安全審査で掘ったトレンチ跡では、ボーリング調査で採取した試料が調査団に示された。渡辺満久東洋大教授が当時の資料から活断層の可能性を指摘するきっかけとなった地点でもあり、試料中に見つかった破砕部近辺の様子を慎重に調べた。
4日の会合では、活断層かどうかを判断するための活動年代が論議の対象になる可能性がある。耐震設計審査指針では13万~12万年前以降に動いた断層を活断層とみなすとしてきたが、島崎氏は10月下旬、年代の定義を40万年前以降に見直す意向を表明しているからだ。
ただ、2日の調査後、島崎氏は「重要なのは大飯原発20+ 件の安全性。基本に立ち返って議論するのがわれわれの立場だ」とも述べ、年代定義にこだわらずに破砕帯が与える影響を見極める姿勢を示した。規制委事務局の原子力規制庁担当者は「明確な定義がないまま調査に着手する形になった」と評価基準のあいまいさを認める。
今後の議論で年代定義が拡大されれば、関電の調査は前提が覆るだけでなく、耐震安全性の再評価を迫られる可能性が出てくる。関電の担当者は40万年前以降 の定義について「意識したこともない」とし「年代が古くなるほど活動した跡が残っている可能性は低く、評価しにくくなる」と疑問を口にする。
断層の活動年代をめぐり、明確な評価の難しさを指摘するのは福井大教育地域科学部の山本博文教授(地質学)。破砕面の上部の地層の年代と変形の有無による 判別が「最も信頼の置ける評価方法」とする一方、「該当する古い地層を特定するのは非常に困難。40万年前となれば評価は至難の業」との見方を示した。
規制庁の担当者は「はっきりした証拠が示せれば、関電の最終報告を待たずに結論を出すこともあり得る」とするが、現時点で明確な評価が出るかは不明。最終的に“灰色”と判断された場合にも難しい対応を迫られることになる。
東電が福島に本社機能 2012/11/3
10:42
ファミリーマートが移動販売開始 川内
ファミリーマートの移動販売が2日、川内村で始まった。村役場駐車場で毎週火・金曜日の午前11時半から午後1時半まで、移動販売車で日用品や弁当、菓子類などを販売する。
年内は続ける予定。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興支援策。
販売初日から昼食などを買い求める村民の姿が見られた。
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