2012年11月21日水曜日

2012/11/21

 

福島市民がベラルーシ視察へ 放射能対策など学ぶ

2012.11.21 12:57
 旧ソ連(現ウクライナ)で1986年4月に起きたチェルノブイリ原発事故により被害を受けた隣国ベラルーシで放射線対策の取り組みを学ぼうと、福島市の視察団34人が21日、同国に向け、成田空港から出発した。27日に帰国予定。
 事故対策本部の視察をはじめ、健康管理、農業対策について関係者から話を聞く。また、チェルノブイリから北50~60キロにあるホイニキ地区の住民との意見交換会も開く。
 視察団は瀬戸孝則市長や公募で選ばれた学生や小学校教諭、看護師など市民15人が含まれている。団員の岩崎幹彦さん(67)は「福島の安全安心のため、ベラルーシから多くを学びたい」と語った。

島根県:原発事故時の40万人避難計画発表

毎日新聞 2012年11月21日 12時07分
 島根県は21日、中国電力島根原発(松江市)で重大事故が発生した場合の広域避難計画を発表した。原発 から30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)にある松江、安来、出雲、雲南4市の住民約39万6000人を島根、広島、岡山3県の61市町村に避難させ ることを盛り込んだ。県によると、県外にも避難先を指定した計画は全国で初めてという。
 普段身近に接している人と生活できるように、公民館単位など地区ごとに避難先の市町村を指定した。原発から5キロ圏内で、事故の際すぐに避難させる予防防護措置区域(PAZ)内の住民は原則、マイカーなどで直接避難。学校にいる児童・生徒らはバスなどで集団避難する。
 また、避難先でも災害が発生した場合などを想定し、鳥取県の9町村にも約1万5000人分の避難先を予備として確保した。
 昨年3月の東京電力福島第1原発事故を受け、島根県は中国地方の各県に避難時の協力を要請。松江市など4市が避難先の自治体と交渉を続けていた。【曽根田和久】

原子力規制委、有識者と意見交換-大飯停止求める指摘も  (11/21 12:56更新)

 
原子力規制委員会は21日、定例会合を開き、発足後2カ月が経過した規制委の活動について、政府の東京電力福島第1原発事故調査・検証委員会で委員長代理 を務めた作家の柳田邦男氏ら有識者5人と意見交換した。有識者から「規制委なら事故を防げたか」との問い掛けが相次いだほか、関西電力大飯原発(福井県) の断層調査で運転停止を求める意見も出された。
 脱原発や自然エネルギー導入を訴えるNPO法人「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長は「今の委員がいたら指揮命令系統の混乱やメルトダウン(炉心溶融)などを防げたか」と注文をつけた。

原子力規制委、外部有識者と初の意見交換会ヘルプ

原子力規制委員会は21日、規制委業務の進め方を検証するための外部有識者との意見交換会を初めて開いた。
 有識者側は、東京電力福島第一原子力発電所の事故検証の継続を求めたり、原発事故を想定した放射性物質の拡散予測を巡る規制委の対応を批判したり、様々な注文をつけた。
意見交換会は、発足2か月の規制委について有識者5人から意見を聞き、執行体制の見直しや職員の意識改革に反映するのが狙い。
 福島第一原発事故で政府の事故調査・検証委員会の委員を務めた作家の柳田邦男氏は「事故調は解散したが、未解明な点が残っている。規制委に引き継いでほしい」と要望した。
 NPO法人「気候ネットワーク」代表の浅岡美恵弁護士は、規制委が拡散予測の解析を外部委託していた点に触れ、「業務の丸投げは規制委に能力がな いから。自ら評価できる体制が必要だ」と訴えた。国の原子力政策に批判的な研究者の飯田哲也氏は「今の規制委の体制で事故を防げたか。自分たちにそう問い かけてほしい」と規制委の強化を求めた。
(2012年11月21日12時56分  読売新聞)

原子力規制委、慎重派と会合

2012/11/21 12:37

 原子力規制委員会は21日午前、原子力に慎重な意見を持つ有識者らとの意見交換会を開いた。飯田哲也・環境エネルギー政策研究所長ら5人を招いた。規制委が独立性や透明性を確保する方法などについて意見を聞き、今後の活動に生かす。
 飯田氏のほか東京電力福島第1原子力発電所の事故調査委員会や市民団体の関係者が出席した。
 まず規制委の田中俊一委員長が発足後の取り組みを説明。続いて有識者から事故を防げなかった原子力規制行政への批判や、子供の被曝(ひばく)を防ぐ必要性などについて意見を聞いた。
 原発内の活断層問題について、飯田氏は「大飯原発はなぜ動かしながら調査するのか」と運転停止を要請。浅岡美恵気候ネットワーク代表は「(活断層の有無で)委員の意見が分かれた場合はどうするか、基本姿勢が問われている」と指摘した。
 政府事故調の委員を務めた作家の柳田邦男氏は「事故調を引き継ぐ組織が必要だ」と述べ、規制委が検証を続けるよう求めた。民間事故調を指揮した船橋洋一・日本再建イニシアティブ理事長は「霞が関文化といかに戦うかに尽きる」と語った。
ページ更新時間:2012年11月21日(水) 12時30分
■ 原子力規制委、批判的な有識者と意見交換

原子力規制委員会は発足からおよそ2か月経ち、これまでの取り組みを改善するため、原発政策に批判的な有識者と意見交換しました。

 原子力規制委員会のこれまでの取り組みや姿勢について意見を聞き、今後の活動に役立てようと開かれた会議には、作家の柳田邦男さんら、原発政策に批判的な5人の有識者が参加しました。

 会議では、「被災者となりうる人の意見を反映させる仕組みが必要だ」との意見や、「独立を担保するために事業者に負けない専門性が必要だ」などの指摘があがりました。

 「なぜ事故が起こり、今後、事故を防ぐためにどうするかということは経済的な議論とは全く独立して純粋に追求しなければいけない」(作家 柳田邦男さん)

 「これまでの官僚主義をどう変えるのか。良いことも悪いことも、この人の責任の下でやっているんだという、そういう文化に原子力規制行政だけでも変えていったほうがいい」(環境エネルギー政策研究所 飯田哲也 所長)

 原子力規制庁は今後、有識者を講師として招き、研修なども行う方針です。(21日11:44)

「信頼回復、大飯停止で」=「脱原発」識者らと意見交換―規制委


 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は21日の定例会合で、東京電力福島第1原発事故の民間事故調査委員会を主導した財団法人理事長の船橋洋一氏や、 「脱原発」を訴えるNPO法人環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏らと意見交換を行った。飯田氏は活断層調査が進む関西電力大飯原発を例に「動かしなが ら調査が進むのは不自然。ルールに基づいて停止の判断をすれば、信頼につながる」と訴えた。
 出席したのは船橋、飯田両氏のほか、政府事故調査委員を務めた作家の柳田邦男氏や、NPO法人気候ネットワーク(京都市)代表で弁護士の浅岡美恵氏ら。
 田中委員長は冒頭、「独りよがりにならないよう、忌憚(きたん)のない意見をいただける方をお招きした」と述べ、9月の発足から規制委が進めてきた安全基準の策定状況などを説明した。
 これに対し、飯田氏は「規制委の組織で福島事故を防げたか、進展防止ができたかを絶えずチェックしてほしい」と提言。「信頼回復は抽象論ではいかない。きちんとした調査をして、大飯を止めるという判断をすれば信頼につながる」と述べた。 
[時事通信社]

原子力規制委職員は高い専門性必要
11月21日 12時21分

原子力規制委職員は高い専門性必要
去年3月の原発事故を受けて原子力の安全規制組織を見直すため発足した、国の原子力規制委員会の在り方について、外部の有識者から意見を聞く初めての会合が開かれ、「安全規制機関として独立性を確保するためには、職員に高い専門性が必要だ」といった指摘が相次ぎました。
この会合は、原子力規制委員会が組織運営の在り方などを継続的に見直すため初めて開いたもので、去年3月の原発事故で民間の事故調査委員会を立ち上げた船橋洋一さんや、政府の事故調査・検証委員会の委員を務めた柳田邦男さんなど5人が出席しました。
はじめに規制委員会の田中俊一委員長が、発足して2か月間の取り組みについて説明し、「規制組織として独り善がりにならないよう、きたんのない意見を頂きたい」と述べました。
これに対して、有識者からは「いわゆる『原子力村』の中では批判や問題提起を許さない空気があった。安全規制機関として政治や事業者からの独立性を確保するためには、何よりも職員に高い専門性が必要だ」といった指摘が相次ぎました。
また、来年7月までに、原発の運転再開の判断の前提になる新たな安全基準を策定する方針について、「短い期間で完全な安全基準を作れるとは思えない。法律上の形式や日程を優先する官僚主義から脱するよう、委員会が主導権を握るべきだ」という意見も出されました。
原子力規制委員会では、今後も継続的に有識者から意見を聞き、組織運営の見直しに役立てたいとしています。

原発、現状の事故想定でいいのか 規制庁の説明に自治体

(11/20 22:13)
岐阜、滋賀、京都の3府県と関西広域連合の防災担当者らを対象に、原発事故時の「原子力災害対策指針」や放射性物質 の拡散予測について原子力規制庁が説明する会合が20日、京都市内で開かれた。参加者からは、現状の事故想定でいいのかといった質問や正確なデータ提示を 求める声が出た。
 和歌山県は「拡散予測は東京電力福島第1原発事故を想定しているが、それを超える事故を想定した予測はしないのか」と質問したが、規制庁の中本室長は必要ないとの見方を示した。
 会合は福井県内の原発から半径30キロ圏内に一部が含まれる3府県が主催した。

ヨウ素防護地域示せず 原発事故想定説明会 規制庁「検討中」

原子力規制庁の幹部から説明を受ける京都府と滋賀、岐阜両県の職員(京都市上京区)
原子力規制庁の幹部から説明を受ける京都府と滋賀、岐阜両県の職員(京都市上京区)
原発事故を想定した対策や放射性物質の拡散シミュレーションに対する原子力規制庁の説明会が20日、京都市上京区のホテルで開かれた。 京都府のほか、滋賀、岐阜両県の職員が出席し、放射性ヨウ素防護地域(PPA)の範囲などについて質問したが、「検討中」などの回答が多く、十分な説明に はならなかった。
 原子力規制委員会が10月、原発事故に備える対策を重点的に取る区域を原発の半径30キロを目安とすることを定めた指針や、原発ごとの拡散シミュレーションを公表。これを受け、福井県の若狭湾に立地する原発の半径30キロ圏に入る3府県が合同で説明を求めた。
  指針に盛り込まれる予定の安定ヨウ素剤の服用を対策の中心とするPPAの範囲について、出席者から「いつごろ示されるのか」と質問があったが、規制庁の中 本敦也火災対策室長は「人的資源が足りず、時期の明示は難しい」と回答した。また、放射性物質による避難者の汚染状況を調べるスクリーニングの詳細な説明 を求めたが、中本氏は「検討が始まったばかり」とした。
 原発の半径30キロ圏に入る自治体は来年3月までに、指針を踏まえた地域防災計画を策定する必要があるが、避難基準も示されておらず、対応に苦慮している。
【 2012年11月20日 22時47分

島根県、40万人の避難計画 原発事故想定で県外も指定

2012/11/21 11:23

 島根県は21日、中国電力島根原子力発電所(松江市)の事故の際、半径30キロ圏内に住む県内4市の約39万6千人を、県内のほか岡山など近隣3県に避難させることを盛り込んだ避難計画を発表した。県によると、県外にも避難先を指定した計画は全国で初めて。
 30キロ圏内に含まれるのは松江市全域と安来、出雲、雲南各市の一部。計画では事故時に住民を、島根県西部に加え鳥取、岡山、広島の4県71市町村に振り分ける。
 避難先でも普段身近に接している人々で生活できるように、地区単位で避難先の自治体へのルートが指定され、公園や学校などを一時的な集合場 所とする「避難経由所」として設置した。一時的な住居とする避難所の確保や、避難先自治体や国との連携を強化することが今後の課題とした。
 島根県は昨年3月の東京電力福島第1原発事故を受け原発避難計画の策定を開始。岡山県などに避難先確保への協力を要請し、今年2月までに避難先となる自治体を確定させた。〔共同〕

経団連、原発ゼロ公約に疑問 民主が原案説明

2012/11/21 11:01

 民主党は21日、経団連と会合を開き、衆院選のマニフェスト(政権公約)の原案を説明した。「2020年度まで平均で名目3%、実質2% 程度の経済成長を実現する」との目標について、経団連側から「30年代の原発ゼロを目指し、燃料コストの負担が見込まれる中でできるのか」との疑問が出 た。温暖化ガスの削減目標を巡っても「原発ゼロで可能なのか」との意見が出た。
 会合には民主党の細野豪志政調会長、馬淵澄夫政調会長代理が出席。馬淵氏は「いかにエネルギーコストをおさえるかは政府の支援が必要だ」と回答し、政府の支援が伴えば目標の実現は可能との考えを強調した。

島根原発事故で40万人避難計画 30キロ圏内、県が発表

中国電力の島根原発=松江市
 島根県は21日、中国電力島根原発(松江市)の事故の際、半径30キロ圏内に住む県内4市の約39万6千人を、県内のほか岡山など近隣3県に避難させることを盛り込んだ避難計画を発表した。
 30キロ圏内に含まれるのは松江市全域と安来、出雲、雲南各市の一部。計画では事故時に住民を、島根県西部に加え鳥取、岡山、広島の4県71市町村に振り分ける。
 避難者が身近な人々と生活できるよう配慮し、避難先は市や町などの自治体ごとでなく、より細かい地区単位で決めた。
 島根県は昨年3月の東京電力福島第1原発事故を受け原発避難計画の策定を開始。

2012年11月21日水曜日

「信頼回復、大飯停止で」=「脱原発」識者らと意見交換-規制委

 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は21日の定例会合で、東京電力福島第1原発事故の民間事 故調査委員会を主導した財団法人理事長の船橋洋一氏や、「脱原発」を訴えるNPO法人環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏らと意見交換を行った。飯田氏 は活断層調査が進む関西電力大飯原発を例に「動かしながら調査が進むのは不自然。ルールに基づいて停止の判断をすれば、信頼につながる」と訴えた。
 出席したのは船橋、飯田両氏のほか、政府事故調査委員を務めた作家の柳田邦男氏や、NPO法人気候ネットワーク(京都市)代表で弁護士の浅岡美恵氏ら。
 田中委員長は冒頭、「独りよがりにならないよう、忌憚(きたん)のない意見をいただける方をお招きした」と述べ、9月の発足から規制委が進めてきた安全基準の策定状況などを説明した。
  これに対し、飯田氏は「規制委の組織で福島事故を防げたか、進展防止ができたかを絶えずチェックしてほしい」と提言。「信頼回復は抽象論ではいかない。き ちんとした調査をして、大飯を止めるという判断をすれば信頼につながる」と述べた。(2012/11/21-11:30)'12/11/21

40万人の避難計画を発表 島根原発事故を想定


 島根県は21日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)での事故を想定し、原発30キロ圏の県内4市に住む約39万6千人の詳細な避難先を公 表した。避難先とする県内と広島、岡山、鳥取県の中国地方4県70市町村ごとに、学校や公園など一時的な避難場所計149カ所を定めた。県外にも避難先を 指定した計画は全国で初めて。
 30キロ圏の松江、出雲、雲南、安来の4市の住民が、公民館や支所単位でまとまって避難する小中高校や公園、道の駅を示した。原子力規制委員会による防災指針の改定で原発30キロ圏が原子力災害対策重点区域となったため、避難場所は全て30キロ圏外とした。
 広島県内では松江、出雲、雲南の3市の受け入れ先として広島、福山市など計14市8町の施設が盛り込まれた。最終的な避難所に向かうまでの経由所との位置付けで、長期間過ごせる避難所は別に確保する。

東日本大震災:福島第1原発事故 広野町、来年度から稲作再開 旧緊急時避難準備区域で初 /福島

毎日新聞 2012年11月21日 地方版
 福島第1原発事故の影響でコメの作付け自粛が続いている広野町の山田基星町長は20日、来年度から本格的に稲作を再開すると発表した。旧緊急時避難準備区域では初の再開となる。基幹産業の復活で全1800世帯のうち、約400世帯を占める農家の帰還を促す。
 今年度試験栽培したコメの全袋検査で実証田509袋、自主流通米912袋(1袋30キロ)中、一部はも みすり機に付着したごみなどで放射性セシウムの値が国の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)に近かったが、9割以上は検出限界値未満だった。町営農再 開検討委などは「自粛せず作付けを促す」と決議した。
 だが自主流通米の販売量は震災前の5分の1程度。町は除染や原発事故収束の前線基地となり、3月の役場帰還後も人口は10分の1程度の589人(335世帯)にとどまる。
 記者会見で山田町長は「一人でも多くの町民に戻ってきてもらうため、営農再開へ種もみ購入や獣害対策、除草など支援策を検討したい。消費者に安全性をPRし、農産物直売所再開などお年寄り中心の野菜農家の支援も考えたい」と話した。
 町は同日、農地所有者600人に再開の通知を郵送。来年2月までに、農地全320ヘクタールにゼオライトを散布し除染を進める。【中尾卓英】

島根原発事故で40万人避難計画 30キロ圏内、県が発表


 中国電力の島根原発=松江市
 島根県は21日、中国電力島根原発(松江市)の事故の際、半径30キロ圏内に住む県内4市の約39万6千人を、県内のほか岡山など近隣3県に避難させることを盛り込んだ避難計画を発表した。
 30キロ圏内に含まれるのは松江市全域と安来、出雲、雲南各市の一部。計画では事故時に住民を、島根県西部に加え鳥取、岡山、広島の4県71市町村に振り分ける。
 避難者が身近な人々と生活できるよう配慮し、避難先は市や町などの自治体ごとでなく、より細かい地区単位で決めた。
 島根県は昨年3月の東京電力福島第1原発事故を受け原発避難計画の策定を開始。
2012/11/21 09:36   【共同通信

島根原発安全協定の改定協議 年度末までに結論

2012年11月21日
鳥取県と米子、境港の両市、中国電力の4者が結ぶ島根原発(松江市鹿島町)の安全協定の改定に関する協議が20日、始まった。県庁で4者が協議会 を開き、県と両市が、4項目を改定して原発立地自治体と同等の内容にするよう申し入れ。中電は持ち帰り検討する考えを伝えた。4者は来年3月までに結論を 出す方針。
 国の原子力災害対策指針で、両市が島根原発の緊急防護措置区域(30キロ圏)に位置付けられたことを受け、平井伸治知事や両市の市長が今月1日、広島市の中電本社で苅田知英社長に改定協議の開始を申し入れていた。
 同県の城平守朗危機管理局長は、中電から「立地と周辺で防災対策の権限は一緒」との認識を聞いた上で、立地自治体並みの権限を持たせる内容への協定の改定を提案した。
 改定を求めたのは、発電所増設や原子炉施設の重要な変更に関する計画などの「報告」を「事前了解」に▽安全確保のため必要がある場合の「現地確認」を「立ち入り調査」に▽「原子炉の運転停止を含む適切な措置」を要求できる規定の付加-など4点。
 中電島根原子力本部の長谷川千晃副本部長は「自治体の皆さまの思いも重々承知している。きょうのところは持ち帰り、また回答したい」と述べた。会 合終了後には「松江市や島根県とは40年以上のお付き合い。一定の重みがあると考えている」とも語り、立地自治体並みの協定内容とすることへの難しさもに じませた。

総務省、地デジチューナーを無償給付 帰宅する原発避難世帯に

2012.11.20 18:49
 総務省は20日、東京電力福島第1原発事故で自宅が緊急時避難準備区域などに指定された世帯が、区域の見直しなどを受けて自宅へ戻る際に、アナログテレビで地上デジタル放送が見られるチューナーを無償給付すると発表した。必要に応じてアンテナ工事などの費用も給付する。
 福島県で地デジに完全移行したのは今年3月末。今になって支援措置を始めることについて総務省の担当者は「避難した人の帰還に向けた取り組みが徐々に進んできており、自治体側からも要望があった」としている。
 申し込み受け付けは来年1月末までだが、延長する方向で調整する。すでに帰宅した世帯についても相談に応じるとしている。問い合わせは総務省地デジチューナー支援実施センター、ナビダイヤル(0570)034037。

環境関連4法来年にも改正へ 放射性物質汚染に対応 

2012/11/21
東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、環境省は大気や水質、海洋の汚染を防ぐための関連法などを改正し、放射性物質による 汚染にも対応できるようにする。具体的には、放射性物質による汚染を適用除外としている規定を削除する。早ければ来年の通常国会に、関連する4法の改正案 を提出する方針だ。
19日の中央環境審議会(環境相の諮問機関)総会で、規定の削除を求める意見を決めた。改正案を提出するのは(1)大気汚染防止法(2)水質汚濁防止法(3)海洋汚染防止法(4)環境影響評価法--の4法。 (本紙1面より抜粋) 

「親身で迅速な賠償を」 佐藤知事ら東電本店で緊急要求


「親身で迅速な賠償を」 佐藤知事ら東電本店で緊急要求
広瀬社長に完全賠償を要求する佐藤知事(右)=東電本店
県原子力損害対策協議会は19日、東京電力福島第1原発事故に伴う損害の完全賠償に向けた緊急要求活動を行った。会長の佐藤雄平知事が東電の広瀬直己社 長に対し、被害者の視点に立った親身で迅速な賠償の実行や十分な賠償期間の確保など7項目を求めた。
 ほかには避難区域再編に伴う賠償や今年1月以降の自主的避難と精神的損害への賠償、風評被害、除染で生じた損害の確実な賠償を要求。被害者の賠償請求権には消滅時効を主張しないよう、あらためて求めた。
 佐藤知事らが東京・内幸町の東電本店を訪れ、広瀬社長に要求書を手渡した。佐藤知事は「被災地の現場感覚を受け止め、誠実かつ迅速に賠償が具現化される よう、しっかりと対応してほしい」と強調。広瀬社長は県内に設ける福島復興本社(仮称)を拠点に事故の責任を果たす考えを示し、「被災現場を確認して迅速 に対応したい」と答えた。
 副会長の瀬戸孝則県市長会長、佐藤正博県町村会長、轡田(くつわた)倉治県商工会連合会長、JAグループ東電原発事故農畜産物損害賠償対策県協議会の但 野忠義副会長も風評被害や放射性物質の汚染で生じた損害の深刻さや避難住民の生活再建、被災事業者の事業再開に向けた賠償の必要性を訴えた。
 同協議会は同日、民主、自民両党や関係省庁にも被害者の実態に沿って賠償が行われるよう要望した。
(2012年11月20日 福島民友トピックス)

東日本大震災:福島第1原発事故 環境省、中間貯蔵施設で説明 楢葉町長「具体性、根拠欠ける」 /福島

毎日新聞 2012年11月21日 地方版
 環境省は20日、原発事故の除染に伴う高濃度汚染土壌などの中間貯蔵施設について、広野、楢葉町を訪問し、2度目の説明をした。
 建設候補地の楢葉町では冒頭、警戒区域の解除で8月に一時帰宅が始まったことを踏まえ、園田康博副環境相が「町民の心配に応えるためにも、調査の必要性を詳細に説明したい」と述べた。松本幸英町長は「最大の迷惑施設。説明責任を果たすべきだ」と応じた。
 会談は非公開で行われた。町によると、中間貯蔵施設の中身▽大量搬入が可能な立地、地形など調査候補地の選定理由▽建設・搬入・維持の各段階での安全確保▽最終処分場への道筋−−などの説明があったという。
 会談後、松本町長は「『町内で出た廃棄物は町内で保管する』という従来の考えに変わりはない。具体性、根拠に欠け、議会や町民に説明できる段階ではない」と突き放した。【中尾卓英】

東日本大震災:福島第1原発事故 土地や建物の損賠請求相談会 県司法書士会、あすから県内6市で /福島

毎日新聞 2012年11月21日 地方版
 福島第1原発事故に伴う被災者の土地や建物の損害賠償請求を支援しようと、県司法書士会(高橋文郎会長)は22日から3日間、「財物賠償説明会」を南相馬市やいわき市など計6市で開く。
 東京電力は財物賠償基準を今年7月に示したが、手続きの詳細や開始時期などは明らかにしていない。同会 によると、建物の修復費用の支払いは登記された建物の所有者だけを対象とし、避難者から「登記されていない建物や、相続手続きがされていない建物は賠償さ れないのか」などと不安の声が寄せられている。
 説明会は、22日=南相馬市民文化会館「ゆめはっと」と会津稽古堂(午後1〜2時)▽23日=いわき明星大と白河市産業プラザ・人材育成センター(午前10時半〜11時半)▽24日=杉妻会館と郡山市総合福祉センター(午前10時半〜11時半)。
 説明会後、各会場で賠償請求全般に関する個別相談会も開く。相談会への出席は予約が必要で、東電への請求書と同意書が必要。予約・問い合わせは、同会事務局電話024・534・7502。【神保圭作】

「原発政策最大争点に」 嘉田知事に聞く

「原発政策を最大の争点に」と語る嘉田知事(大津市・知事公館)
「原発政策を最大の争点に」と語る嘉田知事(大津市・知事公館)
12月4日公示、16日投開票の衆院選では、原発問題が一つの焦点になりそうだ。原発に関してさまざまな発言をしてきた嘉田由紀子滋賀県知事に、衆院選で原発がどう問われるべきか聞いた。
■分かりやすく議論を
 -原発は選挙の争点となりうるか。
  「3・11の福島第1原発事故後、初となる国政選挙だ。原発政策を最大の争点としてほしい。日本は原発政策に毅然(きぜん)とした態度を示すべきだ。海外 でも原発をやめようと政策転換の動きがある中、日本が明確な姿勢を示さなければ国際社会の中で国家としての品格を疑われる」
 「特に滋賀県は、関西圏の命の水源を守っている。県単独で毎年100億円も琵琶湖の保全にかけているが、汚染されれば生態系などが一瞬で崩壊する。リスクを各党に真剣に考えてほしい」
 -具体的に各党に求めたいことは。
 「40年を迎えた原発は廃炉にし、新増設はしない、さらに使用済み核燃料の最終処理体制の方針を示す-の三つは最低限、公約に盛り込んでほしい」
 -日本維新の会が太陽の党と合流し、原発政策が後退したことについては。
  「正直驚いた。3・11以降、関西を引っ張ってきたのが(維新の会代表代行の)橋下徹大阪市長だ。関西電力大飯原発3、4号機の再稼働をめぐっても原発ゼ ロを強調していた。後退したのは残念。仲間を失った感じがする。一つの党になるため政策をここまで妥協すると選ぶ国民は迷う」
 -民主、自民両党の原発政策への評価は。
  「原発の安全神話や利権構造をつくり上げてきた自民は原発政策への反省がない。安全神話の構図の中で、日ごろの防災体制がゼロの状態では、いざ事故が起 こっても何も動かないのは当然だ。民主党は事故発生時、お手上げだったのだろう。組織としてガバナンス(統治能力)の弱さがあった」
 「3・11は予測しなかった災害だったが、大きな問題が見えてきた。その一つが原発政策だ。県民に分かりやすく、どう政策が違うのか大いに議論してほしい」
【 2012年11月21日 10時59分

「原子力 最大争点に」

2012年11月21日
【公約明記求める/嘉田知事】

 嘉田由紀子知事は20日の定例会見で、国内で原発事故が再び起きれば国際的な責任問題になるとの見方を示し、12月16日投開票の総選挙 では「原子力問題を最大の争点にしてほしい」との思いを語った。そのうえで、県内の有権者がしっかり選択できるよう、小選挙区の候補者も原子力政策に対す る考えを公約に明記することを求めた。

 会見で嘉田知事は、選挙後にどの政党を中心とした政権が望ましいかを尋ねられ、国出先機関の地方移管や、ひも付き補助金ではなく自由度の 高い一括交付金制度の実現に取り組んだ民主党を評価。一方、自民党に対しては「必要性の低い公共事業にどんどん金を入れるやり方や、原子力政策の反省がな いところに次の一歩はない」と批判した。

 さらに、自民党が公共事業による「国土強靱(きょう・じん)化」を打ち出していることに触れ、「経済活性化のためにハコモノや河川、道路をやるというのは時代遅れだ」と切り捨てた。

野生キノコ 広範囲汚染

2012年11月21日
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盛岡市内のあるスーパーマーケットのキノコ売り場では、東日本大震災以降、野生キノコは並んでいない=20日、盛岡市
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東京電力福島第一原発から遠く離れた岩手県や青森県、長野県、静岡県で今秋、野生キノコから法定基準を超える放射性セシウムが検出されている。原発事故があった昨年は福島だけだったが、今年はずっと広範囲に及んでいる。「こんな遠いところで、なぜ今年に」――。

    ◇

 福島第一原発から北へ250キロにある盛岡市。あるスーパーマーケットでは、震災以前には並んでいた野生キノコが、今年も姿を消したままだ。人気のあった県産の野生マツタケは、すべて輸入物に変わった。

 店長は「キノコの売り上げが増える鍋の季節ですが、野生のキノコを置く予定はありません。お客さんから『(野生のキノコが)ないの?』という声もないですし、安全なものだけ置きたいので」と話す。

 県内では野生以外に、生産農家が栽培したキノコも影響を受けている。

 福島第一原発から170キロの一関市厳美町で農業を営む佐藤敏夫さん(74)は、収入の柱だったシイタケをほとんど出荷できない。5年間、東京電力の補償を受けられるが、不安はその先にある。

 「栽培場にあるほだ木を処分し、枯れ葉と土を取り除くなんて、個人ではどうすることもできない」。5年間栽培できなかったら、荒れてしまって栽培できなくなる。「福島の事故の影響が岩手までくるなんて考えもしなかった」

 岩手県より福島第一原発から遠い青森県十和田市では10月、八甲田山系で採れたチチタケから、食品衛生法が定める基準値(1キロあたり 100ベクレル)を超える120ベクレルの放射性セシウムが検出された。国は出荷制限を指示し、県は市内で採れた全種類の野生キノコの販売を禁じた。

 「客の8割が注文していたキノコの天ぷらや鍋が出せなくなった。経営に大打撃だ」。市内の観光業の男性(42)は途方に暮れる。キノコ料理目当てのリピーターも多いといい、「『青森も放射能がこわい』と風評が立ちかねない。キノコを出せない理由を説明したくもない」。

■昨年より被害深刻

 厚生労働省によると、昨年、野生キノコの出荷が制限されたのは福島県内だけだった。今年は基準値が1キロあたり500ベクレルから100 ベクレルに下がった影響もあるが、福島県を含む東日本の10県93市町村に広がった(19日現在)。うち青森、埼玉、山梨、長野、静岡の5県は、野生キノ コだけに出荷制限がかかっている。

 セシウムの値も各地で昨年より高くなっている。国が要請した検査によると、今年の最大値は青森県が120ベクレル(昨年は60ベクレル)、長野県は2100ベクレル(同1320ベクレル)、栃木県は3千ベクレル(同134ベクレル)だ。

 なぜ1年もたって、野生キノコだけ、このような影響が出てきたのか。

 放射生態学が専門の村松康行・学習院大教授は「詳しいメカニズムは不明だが、菌類であるキノコは植物などに比べ、セシウムを取り込みやす い」と説明。今秋の方がセシウム濃度が上がっていることについては、「昨年は木の幹や葉についていた放射性物質が、雨に流され、キノコが菌糸を張る土壌中 に染み込んだ可能性がある」と話す。

 キノコは種類によって菌糸を張る深さや、セシウムの取り込みやすさが違うため、来年も一部のキノコで検出される可能性があり、「継続した調査が必要だ」とみる。
(水戸部六美、田渕紫織)

■国の出荷制限県内に広がる

県内の野生キノコは、福島第一原発からの距離が比較的近い市町を中心に、食品の基準値を超える放射性セシウムが検出されている。一関、奥州、陸前高田、釜石、大船渡、金ケ崎、平泉、遠野の8市町に対し、国は出荷を制限するように指示を出している。

 また、露地栽培については盛岡や花巻など広い範囲に影響が及んでいる。原木生シイタケは14市町、原木ナメコは5市、原木クリタケは2市に、国の出荷制限指示が出ている。

自治体、予算・避難方法で注文 女川原発防災重点区域拡大

 東北電力女川原発(女川町、石巻市)の事故に備える宮城県など関係自治体による 地域防災計画の見直し協議が20日、本格的に始まった。県が示した防災計画の修正案などについて防災の重点区域となった自治体の首長からは、予算措置の要 望や住民の避難方法の具体化などを求める声が相次いだ。
 県庁であった県防災会議原子力防災部会の計画見直しの初会合には、女川原発30キロ圏の首長ら約30人が出席。女川町の須田善明町長は県の修正案に関連して「(防災機器などの配備を)各自治体に依頼されても困る。国がしっかり予算措置してほしい」と求めた。
  新たに重点区域に加わる東松島市の大沼雄吉副市長は「30キロ圏内に入らない市内の他地域でも、入る地域と同様の(防災)対応を検討してほしい」と範囲拡 大を要請。南三陸町の佐藤仁町長は「(事故時に)周辺自治体に避難できるかが関心事だ」として緊急時の避難方法の具体化を訴えた。
 防災計画の最終案を12月にまとめる県の方針に対しては、美里町の佐々木功悦町長が会合後の取材に対し「策定時期ありきで進めていいのか。福島原発事故の検証をしっかり行った上で計画を見直すべきだ」とした。
 関係自治体は来年3月までに、それぞれ防災計画を策定することが必要。ただ「スケジュールがタイトすぎる」(県原子力安全対策課)ため、盛り込む内容は基礎的な防災対応だけになる見通し。
 涌谷町の安部周治町長は会合後の取材に「防災訓練などに生かせる実効的な計画を作るため(来春以降も)検討を続けなくてはいけない」と話した。

2012年11月21日水曜日
2012年11月21日(水)

自民党本部前で抗議行動

「原発いらない」

反原連よびかけ


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(写真)自民党の本部前で「原発いらない」などコールする抗議参加者=20日、東京都千代田区
約50年間にわたり国策として原発を推進し、原発事故後も「原発ゼロは実現不可能な夢」(自民党・安倍晋三総裁)などと発言し、民意を無視して原 発を推進し続ける自民党に抗議をと、市民が東京都千代田区の同党本部前に集まりアピールしました。首都圏反原発連合が呼びかけたもの。
 参加者は「原発やめろ」などと書いたプラカードを掲げ、ドラムなどの鳴り物の演奏に合わせ「原発いらない」「再稼働反対」と同党本部に向かってコールしました。
 埼玉県飯能市の男性(42)は「原発の責任は民主党だけではないと思って参加しました。自民党が築いてきた古い政治は必要ありません。廃炉まで長いたたかいになると思いますが、あきらめずに声を上げ続けたい」と話しました。
 上京中に抗議行動を知人から知ったという北海道の女性(52)は、「原発NO 泊・大間NO」と書いたプラカードを持参しました。「自民党政権の 時代に原発をつくったのに、事故が起こっても一言の反省もありません。いまだ原発を推進し続けるなんて本当に信じられません」と憤りました。
2012年11月21日(水)

原発被害 すべて賠償を

東電・政府に要求

公害3団体、福島の被害者ら


 全国公害被害者総行動実行委員会、全国公害弁護団連絡会議、公害・地球環境問題懇談会と福島県内各地の「原発事故の完全賠償をさせる会」などは 20日、国会内で東京電力、経済産業省、文部科学省に対し、福島第1原発事故の被害の完全賠償、原状回復、同県内の全原発の廃炉などを求めて交渉しまし た。

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(写真)東電?国との交渉で「完全賠償を」と訴える被害者ら=20日、国会内
福島県内の被災者や全国各地への避難者ら、会場の席数を大きく上回る200人以上が参加。「要請書を社長は見ていないが、これが東電としての回答だ」などと加害者としての自覚と誠意のかけらもない東電側のごうまんな態度に、激しい怒りの声が噴出しました。
 交渉団の要求項目は、▽福島県内の全原発の廃炉▽地域、時間の経過での線引きや期限を区切ることなくすべての被害者への完全賠償▽すみやかな原状回復、除染▽子ども、妊婦をはじめすべての被害者の健康管理・医療体制の整備―など。
 東電側は、賠償について「原子力損害賠償紛争審査会の中間指針にのっとり賠償させていただく」と、従来通りの回答に終始。原発廃炉については「未定である」とのべました。
 参加者からは被害実態を訴える悲痛な声、怒りの発言が相次ぎました。「賠償は加害者でなく被害者が金額を決めて請求するものだ」(楢葉町の女性) 「われわれが求めている額で賠償してもらわなければこれからの生活が成り立たない」(いわき市の男性)「私たちへの説明会に社長が出席してほしい」(子ど もとともに茨城県から沖縄県に避難している女性)
 交渉団の再三の追及で、東電側は引き続きすべての被害者に対して賠償に関する説明会を開くこと、被害者らの要求と声を広瀬直己社長に届け、改めて社長名で文書回答することを約束しました。
 経産省は賠償について「中間指針は最低基準であり、そこに載っていないから支払わないということはあってはならない」と回答。一方、「(原発廃炉 は)設置者の東電が経営状況も勘案して判断すべき」(経産省)、「東電の賠償状況を注視する」(文科省)などの無責任な発言に、「原発を推進してきたみな さんの責任は万死に値する」(いわき市「原発事故の完全賠償をさせる会」の伊東達也代表)と、怒りの声が上がりました。
 参加者らは、「要求が実現するまで東電、国と交渉しよう」と決意を固め合いました。

地域経済、雇用の議論も

公明新聞:2012年11月21日付
あいさつする浜田氏=20日 都内あいさつする浜田氏=20日 都内
原発ゼロ政策 結論よりプロセス重要
浜田氏
公明党の浜田昌良参院政策審議会長は20日、都内で行われた、第8回全国原子力発電所立地議会サミット(主催=全国原子力発電所立地市町村議会議長会)に出席し、あいさつした。

浜田氏は、東京電力福島第1原発事故後、公明党が現場目線から、賠償金仮払い法や福島復興再生特別措置法の成立などをリードしたことを強調した。

ま た、原発の新規着工を認めず、40年運転制限制を厳格運用して、可能な限り速やかに原発ゼロをめざす党の原発政策に触れ、「重要なのは原発をゼロにすると いう結論を議論するのではなくて、そのプロセスだ」と主張。原発立地地域の経済や雇用のほか、電力料金などの多くの課題をしっかり議論していく必要性を訴 えた。

福島でキャビア作り 廃校利用のチョウザメ養殖事業スタート

福島でキャビア作り 廃校利用のチョウザメ養殖事業スタート
廃校の体育館に設置された養殖施設の水槽で泳ぐチョウザメの稚魚
Photo By 共同 
 磐梯山を望む福島県北塩原村で、廃校を利用したチョウザメの養殖事業が始まった。キャビアの新しい産地として売り出し、東京電力福島第1原発事故で落ち込んだ裏磐梯の観光や地場産業を復活させる作戦だ。

 北塩原村の「裏磐梯パイロットファーム」が経営。旧小学校の体育館を改修して容量7トンの水槽を3基設置し、10月から稚魚約7000匹を放した。10万~12万匹に増やす計画という。
[ 2012年11月21日 06:00

原子力災害対策 国へ自治体から憤りの声ヘルプ

地域防災計画の見直しを話し合う「県防災会議」の下部組織「原子力災害対策部会」の第3回会合が20日、富山市で開かれ、国の放射性物質拡散シミュレーションの相次ぐ訂正や、年度内の地域防災計画策定を求める国の方針に対し、自治体から憤りの声が相次いだ。
 部会は石井知事のほか、放射線の専門家、高岡、氷見両市長、警察の代表者らで構成され、氷見市の堂故茂市長は、拡散シミュレーションの訂正につい て「本当に信頼できるのか」と批判。同計画策定についても「広域的な避難計画を立てるだけでも膨大な作業。日程を考えると非常に厳しい」と訴えた。石井知 事も、シミュレーションが風の季節変動などを考慮していない点を指摘。オブザーバーとして出席した原子力規制庁の寺田弘司・志賀原子力規制事務所長に対 し、「もう少し丁寧に説明してもらわないと県民に説明できない」と語気を強め、詳細な資料の作成を求めた。
 県は、国が先月示した「原子力災害対策指針」を踏まえ、地域防災計画に「原子力災害編」を設ける。この日発表された同編の中間報告では、避難基準や被曝(ひばく)医療体制などは国の指針を待って検討するとの内容にとどまった。
(2012年11月21日  読売新聞)

脱原発の党 乱立困惑

2012年11月21日
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毎週金曜日に県庁前で市民が開いている脱原発集会。衆議院が解散した16日も開かれた。思いの受け皿になる政党はどこなのか=福井市大手3丁目
福島第一原発の事故後、原発の存続に反対してきた市民の多くが、今回の衆院選に戸惑っている。原発の是非が大きな争点となる一方、「脱原発」を公約に掲げる政党が乱立気味だからだ。

 9月下旬、「サヨナラ原発福井ネットワーク」の代表だった山崎隆敏氏(63)が、社民党公認で福井1区からの立候補要請を受ける意向を脱 原発運動の仲間に伝えると、「直ちに立候補は断るべきです」と厳しい反応が返ってきた。「応援する」と言う知人もいたが、「市民活動を投げ捨てるのか」と 拒絶感を示す人もいた。

 山崎氏は悩んだ末、「政界はいま保守ばかり。そうじゃない社民党が少しでも伸長するために、批判は覚悟の上で私が役立てないか」と決意。10月に立候補の意思を表明した。

 ただ、共産党も「即時原発ゼロ」を掲げ、同じ福井1区から金元幸枝氏(54)が立候補の意思を表明。民主党や「国民の生活が第一」、公明党、みんなの党などまで、手法や年限に差はあっても「脱原発依存」を公約に掲げる方針だ。

 福井市の会社員女性(36)は「誰に投じたらいいか」と戸惑う。福島の事故後、
「原発は危険だ」と感じ、毎週金曜日に県庁前で市民が開く脱原発集会に参加してきた。

 2009年の衆院選では「税金の無駄遣いをなくしてくれる」と信じ、民主党候補に投票した。でも今は民主党が「2030年代に原発ゼロ」を掲げても、閣議決定をしなかったことで信用できない。女性は「候補者の人柄とか主張をよく見て、ギリギリまで考える」と話す。

 関西電力を相手に大飯原発3、4号機の運転差し止めを求め、30日にも福井地裁に提訴する原告団世話人の松田正さん(63)は、前回の衆 院選前に民主党員になり、選挙の応援もした。しかし原発事故や再稼働問題の対応に疑問を持ち、今回は投票先を変えるという。「きちんと脱原発を訴えてきた 党かを見極める。福井になじみが薄い党は支持しない」と話す。

 受け皿の増加は、票の分散にもつながる。無党派で脱原発運動をしてきた福井大学教授の佐分利豊さん(63)は「原発を止めるという思いの人たちが政党を超えて集まり、候補者を一本化できなかった。次の選挙に向けて反省すべき点だ」と話した。

◆党勢の回復「好機」 共産・全区擁立 社民・独自候補

 福島第一原発の事故後、脱原発を求める世論は広がっている。退潮傾向にある共産党や社民党は党勢回復の好機とみて、「脱原発」の訴えを強めている。両党は比例北陸信越ブロックでの1議席確保を目指す。

 共産党は9年ぶりに県内3小選挙区すべてに公認候補者を立て、比例票を掘り起こす。同党は2003年の衆院選で同ブロックの議席を失って 以降、議席を獲得できていない。前回09年は同ブロックで27万4816票を集めたが、1議席を確保した公明党の33万3084票に及ばなかった。

 党県委員会の南秀一委員長は今回、40万5千票を目標に掲げる。「躍進して日本の政治に衝撃を与えたい」と意気込む。

 社民党は、1996年の衆院選での県内の比例得票数は1万9696票だったが、09年の衆院選は1万1752票まで減った。同党県連合は今回、民主党県連との友好・協力関係を解消し、旧社会党時代の93年以来の独自候補となる山崎氏を公認で立てる。

 脱原発の世論を背景に、今回は県内で2万1千票、同ブロックで31万票の獲得を目指す。同党県連合の若山樹義代表は「山崎氏は環境問題で長く市民運動をしてきた実績がある。表立って脱原発を主張しない人にも受け入れられやすい」と期待する。(山田理恵)

放射線を低減する新材料 信大教授と諏訪の会社が開発 11月21日(水)

記者会見する村上教授(左)と宮沢社長。水と混ぜた遮蔽材料(右)を他の二つの容器の土にかけると、2~3分で固まった
 信大繊維学部(上田市)の村上泰教授と、無機化学製品製造のエヌ・ティー・エス(諏訪市)は20日、放射線を低減する効果がある粉状の遮蔽(しゃ へい)材料を開発したと発表した。東京電力福島第1原発事故で、主に放射性セシウムに汚染された土壌から出る放射線の抑制に役立つと説明。放射性物質が濃 縮されたごみ焼却灰などの処分場に散布するといった使い方も提案した。

 村上教授によると、天然の土に含まれる化合物「シリカアルミナ」が主成分。粒子は直径約0・02ミリで、水と混ざりやすく、短時間で粘土状に固まるよ う、特殊な構造に加工してある。水と混ぜて汚染土に吹き付けると、遮蔽材料は土に染み込まずに数分で粘土状の層を形成。セシウムを吸着するとともに、汚染 土を覆って放射線を遮るという。吹き付ける量はセシウムの濃度に応じて加減する。

 諏訪市内で会見した村上教授は「これまでの除染は、削り取って集めた汚染土が放射線を出し続ける問題があった。この遮蔽材料を使えば、削り取らずにその 場で処理できる」と説明。エヌ・ティー・エスの宮沢伸社長は「ガラス質の液体を加えれば、より強く固まる。汚染土の仮置き場で使うのも有効」と述べた。同 じくセシウムを吸着する性質があり、汚染水の浄化などに使われる鉱物「ゼオライト」より安価なことも利点に挙げた。

 村上教授らは5月以降、同原発に近い福島県いわき市の福島高専と樹脂成形を手掛ける北都オーディオと共同で同市で実験し、遮蔽材料の効果を確認したという。今後は被災自治体に採用を働き掛け、エヌ・ティー・エスが供給、北都オーディオが販売を担当して普及を図る計画だ。

福島県立医大に医療拠点 健康管理・被曝治療担う


センター発足を機に、国内で初めて導入されたPET―MRI装置
福島県立医大は20日、県民健康管理調査や被曝(ひばく)医療などを担う新たな拠点として、学内に「ふくしま国際医療科学センター」を発足させた。
 施設の建設を進め、2016年度の全面オープンを目指す。
  同センターは、震災と原発事故を踏まえ、国際的に通用する最先端の災害医療や被曝医療の診断と治療、研究のために計画された。既に実施している健康管理調 査などを担当する「放射線医学県民健康管理センター」や、総合周産期母子医療センターなどの「先端診療部門」、研究者らを育てる「教育・人材育成部門」な ど5部門で構成する。
 20日は発足式が行われ、PET(陽電子放射断層撮影)とMRI(磁気共鳴画像)が一体となったPET―MRI装置が公開された。国内では初の導入で、12月から稼働する。
 医大は発足に伴い、付属病院周辺に4施設を整備する。約300億円の建設費は国の補助や県予算で賄う。16年度までに新たに400人ほどの研究者や医師、看護師らが必要で、今後の人材確保が課題だ。
 菊地臣一理事長は、「数十年にわたり、県民の健康をフォローアップ(継続支援)できる体制がようやく整った。国際的な支援を受けながら取り組んでいきたい」と述べた。
(2012年11月21日 読売新聞)






きょうベラルーシに出発 福島市の視察団


福島市の市民放射線対策先進地視察団は21日、ベラルーシに出発する。旧ソ連(現ウクライナ)で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故で深刻な被害を受けた隣国の放射線対策を学ぶ。
 瀬戸孝則市長を団長に公募に応じた市民15人を含む34人が参加する。
  東京電力福島第一原発事故からの復興に役立てようと市が公募し、学生や小学校教諭、看護師らが選ばれた。各団体から推薦された医師や保育士らも参加する。 小児がんセンターや放射線量が低い地区に設けられた児童保養施設を訪れ、健康管理の現状を視察する。汚染地区での食品や農作物の検査態勢を見たり、地元住 民と意見交換したりする。27日に帰国する予定。
 福島民報社から江花潤記者が同行する。






特定避難の指定解除検討へ 南相馬と伊達で線量減


政府の原子力災害現地対策本部は20日、東京電力福島第一原発事故に伴い局地的に放射線量が高い場所として南相馬市と伊達市に指定した特定避難勧 奨地点と周辺の1804世帯のうち、1584世帯(87.8%)で空間放射線量が減少したと発表した。今後両市と協議し、地点の指定解除を検討する。新た に指定要件を満たす世帯はなかった。
 調査は今年1~2月に実施した。南相馬市の819世帯、伊達市の985世帯で、庭先と玄関先の線量(地上1メートル)を測定した。
 南相馬市の平均値は毎時1.34マイクロシーベルトで前回調査(昨年9月)に比べ同0.21マイクロシーベルト減少した。伊達市の平均値は同1.30マイクロシーベルトで、前回調査(昨年7~8月)よりも同0.49マイクロシーベルト減っている。
  調査時点で年間の積算線量が20ミリシーベルトを超えると推定される毎時3.0マイクロシーベルトを超える世帯は南相馬市で13世帯から6世帯、伊達市で 22世帯から1世帯に減少した。一方、毎時1マイクロシーベルト未満は南相馬市が139世帯から226世帯、伊達市は34世帯から249世帯に増加した。
 政府は特定避難勧奨地点の解除について「年間積算線量が20ミリシーベルトを確実に下回る場合」を要件としている。同本部は今後、あらためて調査した上で具体的な解除地点を決める。

■川内は線量調査し判断
 特定避難勧奨地点は南相馬市の142地点(153世帯)、伊達市の117地点(128世帯)、川内村の1地点(1世帯)が指定されている。同本部は川内村について今後線量調査を実施した上で、解除するかどうか判断する方針。
 調査から約10カ月後の発表になったことについて、同本部は「データの精査に時間を要したことや、特定避難勧奨地点の世帯に結果を説明していたため遅れた」としている。


使用済み核燃料貯蔵庫、早ければ2015年に用地選定=韓国

2012年11月21日10時32分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]


  原子力発電の過程で生まれる高レベル放射性廃棄物の「使用済み核燃料」を保管する場所が早ければ2015年に決まる。これに先立ち世論を取りまとめる公論化委員会が来年上半期に設立される。ずるずる引き延ばされてきた核燃料処理問題が本格化するのだ。

  韓国政府は20日、金滉植(キム・ファンシク)首相主催で知識経済部、教育科学技術部長官らが参加した原子力振興委員会を開き、こう した内容の使用済み核燃料管理案を議決した。政府が使用済み核燃料の管理方向を公式に表明したのは、2004年にこの問題を国民的コンセンサスの下で推進 すると発表してから8年ぶりだ。

  現在月城(ウォルソン)、霊光(ヨングァン)、古里(コリ)、蔚珍(ウルチン)の4地域23基の原子力発電所には使用後に廃棄物とし て出された核燃料棒37万本が「臨時保管」されている。すでに受け入れ可能空間の71%が埋まっている。2016年に古里原発から保管空間が足りなくな る。原発は2024年までに34基に増える。別途の貯蔵庫を作らなければ核廃棄物を道ばたに捨てなければならない状況だ。

  問題は使用済み核燃料が放射線をたくさん放出し忌避対象になっているという点だ。政府が来年4月ごろに公論化委員会を構成し、 2014年までに貯蔵庫建設に対する国民の意見を取りまとめることにしたのもそうした点からだ。知識経済部の趙石(チョ・ソク)次官は、「社会的合意を得 る“過程”が最も重要だ」と明らかにした。委員会が使用済み核燃料保存方式、貯蔵庫の用地選定手続き、該当地域の住民支援策などを政府に勧告すれば政府は これを基に2015年に用地選定委員会を設ける。

  カギは住民の反発だ。政府は1983年から放射性廃棄物対策に乗り出したが、これまで9回にわたり失敗した前歴がある。2003年に 全羅北道扶安(チョンラブクド・プアン)では廃棄場建設をめぐり住民と警察との間で流血衝突まで起きた。当時廃棄場は使用済み核燃料より放射線が少ない中 低レベル放射性廃棄物処理用だったが反発は強かった。このため、「現政権が極度に敏感な核燃料対策を次期政権に押し付けるのではないか」という指摘も出て いる。知識経済部はすでに8月に民間諮問機関から中間貯蔵庫建設と公論化作業などを骨子とした対策の勧告を受けたが、いまになり具体的執行時期を来年上半 期に決めた。知識経済部関係者は、「次期政権に負担を与えるよりは次期政権構成前に議論の枠組みと推進日程を用意するためのもの。使用済み核燃料対策には フランスやカナダも15~16年かかっており、政権の変化に関係なく一貫して推進しなければならない事案だ」と話している。

  ◆使用済み核燃料=原子炉で使用後に残った燃料棒。放射線を大量に含む高レベル廃棄物に分類される。これを地中深くに埋めて永久に処 理するには最低10万年以上が必要だ。韓国政府は永久処理の代わりに50年ほど保管できる「中間保存」を選択した。一方、原子力発電所、病院、研究所で 使った手袋や服などは放射線が少ない中低レベル廃棄物だ。現在慶州に建てられた廃棄場は中低レベル物質を埋める所だ。 

一票を託す:’12しずおか衆院選 小選挙区・戦いの構図/3 3区 /静岡

毎日新聞 2012年11月21日 地方版

 ◇前職に3新人が挑む

前回選挙で自民党の閣僚経験者を倒した民主党前職の小山展弘氏(36)に自民党新人の宮沢博行氏(37)と日本維新の会新人で前磐田市長の鈴木望氏(63)、共産党新人の岡村哲志氏(61)が挑む。
 追い風に乗った前回とは異なり、小山氏は「1期務めて知名度がどれだけ浸透しているか」と、民主党への 逆風の中で危機感を募らせる。解散翌日の17日、掛川市内で開かれた全国お茶まつり静岡大会の式典では、「現職扱い」で来賓席のひな壇に並んだがあいさつ の機会はなかった。18日の日曜日にかけ各地のイベント会場を駆け巡った。
 宮沢氏は2月、磐田市議を辞め選挙準備に全力投入してきた。「新人なので顔と名前がどれだけ知られてい るかまったく分からない」と、自民党に吹く追い風の中だが短期決戦に不安感も。早朝のJR駅頭などで訴えを繰り返す。各地の催し物会場に積極的に足を運び 存在感をアピールする作戦だ。
 浜岡原発の再稼働の賛否を問う住民投票条例制定を求めて活動した「原発県民投票静岡」元代表の鈴木氏は「浜岡原発の廃炉を目指す」と、公示直前に日本維新の会から立候補を決意した。
 前回選挙で候補擁立を見送った共産党だが、御前崎市の旧浜岡町区域という中部電力浜岡原発の立地選挙区であることを重視し、原発問題にかかわってきた岡村氏が脱原発路線を掲げ出馬する。
 再稼働論議を絡め原発問題が争点に浮上しそうだ。【舟津進】
==============
 【3区】

 ◇立候補予定者

小山展弘 36 [元]団体職員 (1)民前
宮沢博行 37 [元]磐田市議    自新
鈴木望  63 [元]磐田市長    維新
岡村哲志 61 党県委員       共新

 ◇前回09年結果

当 小山展弘 民新 154035
  柳沢伯夫 自前 109120
  江頭俊満 諸新   5313
 ※カッコ内数字は当選回数。民=民主、自=自民、維=日本維新、共=共産、諸=諸派

川内原発、免震重要棟建設へ地盤調査ヘルプ


川内原発敷地内で始まったボーリング調査
九州電力は20日、薩摩川内市の川内原子力発電所で、重大な事故が発生した時の指揮所となる「免震重要棟」の建設に向けたボーリング調査を始めた。来年9月までに地盤の強度などを調べて建設場所を決め、2015年度の運用開始を目指す。
 同棟は、東京電力福島第一原発事故を受け、九電が原発の安全性・信頼性向上対策として7月、佐賀県玄海町の玄海原発とともに新設を発表していた。 放射線防護機能を備えた鉄筋コンクリート3階建てで、延べ床面積は約6000平方メートル。非常用の発電機や蓄電池を装備し、全電源喪失時でも復旧作業が できるという。
 調査は川内原発1号機の南東の高台約40か所(海抜13~75メートル)で実施する。20日は海抜40メートルの地点に高さ約8メートルのやぐらが組まれ、掘削作業が始まった。
 九電は予備変圧器の高台への移設も計画しており、移設先選定のボーリング調査も合わせて行うという。
(2012年11月21日  読売新聞)
九電値上げ27日申請 来春実施目指す
 関西電力と九州電力が家庭向け電気料金の値上げを27日に政府に申請する方針を固めたことが20日、分かった。東日本大震災後では東京電力に続く値上げ となる。大半の原発が停止し火力発電の燃料費負担が経営の重荷となっているため。東北、北海道、四国の各電力も値上げを検討する意向を表明しており、家庭 や企業に負担を転嫁する動きが広がりそうだ。
 両社は来春からの値上げ実施を目指しており、実施されれば1980年以来、33年ぶりとなる。
 関西電力は26日に取締役会を開き、申請を決定する方針だ。値上げに対する利用者や政治の反応を見て調整を続ける。
 値上げ幅は家庭向けは平均10~15%程度、認可が必要ない企業向けは平均15~25%程度で最終調整している。
 九州電力の値上げ幅は家庭向けで約10%を検討している。企業向けの料金も値上げする方針。
 両社の申請後、経済産業省の専門家委員会が人件費や燃料費などに関して査定を行う。実際の値上げ幅は申請時より削減される可能性がある。
 関電は2012年9月中間連結決算で、中間期として過去最大の1167億円の純損失を計上。前年同期に比べ燃料費が1800億円増加したことが響いた。
 関電の八木誠社長は10月29日に値上げの検討を始めたと表明。値上げの時期と幅に関しては「今後の原発再稼働や経営効率化、収支の状況を見て検討したい」と説明していた。
 九電は瓜生道明社長が10月30日に値上げを表明。同時に発表した12年9月中間連結決算は原発停止に伴う火力発電燃料費の増加で、純損失が1495億円と過去最大になっていた。
2012年11月21日更新
動く ちば選挙

4区、混戦の様相

2012年11月21日
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JR船橋駅前で演説する衆院選の立候補予定者
衆院選に向けて、野田佳彦首相の地元の4区(船橋市)が混戦の様相だ。争点となっている消費増税、原発再稼働、環太平洋経済連携協定(TPP)で野田氏は最高責任者だけに、各党が対決のため「刺客」を検討している。

 「ここの選挙結果で日本が原発、増税、TPPを認めたことになる」。国民の生活が第一の前職三宅雪子氏は20日、JR船橋駅前で野田氏との対決を前面に出す「第一声」を上げた。

 三宅氏は前回衆院選で群馬4区で民主から立候補。消費増税をめぐって、党執行部と対立し、今夏の生活の立ち上げに加わった。

 国替えについて本人は「自分で決断した」と強調するが、事実上小沢一郎代表のトップダウンによるもので船橋市入りしたのもこの日が初めて。「事務所探しすらこれから」(秘書)という。

 頼りにするのは3区で立候補を予定する生活前職の岡島一正氏だ。父親で衆院議員だった故正之氏が中選挙区時代、旧千葉1区だった船橋市内で数万票得ており、いまだ「岡島党」は残るとされる。

 受けて立つ野田氏側も不安は強い。現在行っているのは不在の本人に代わり、支持者らが主要駅前で、政見を盛り込んだ「かわら版」を配るだけだ。

 同選挙区には自民元職の藤田幹雄氏や共産新顔の斉藤和子氏が立候補を表明。日本維新の会も「擁立を予定している」(県内関係者)。野田氏の陣営幹部は「風に流されやすい『千葉都民』の土地柄。無視できない」と警戒を強める。

(佐々木和彦、重政紀元)

霊光原発周辺住民、安全対策求めデモ


 相次ぐ故障や納品をめぐる不正事件により不安感が高まっている霊光原子力発電所(全羅南道霊光郡)の周辺住民たちが20日、原発作業 員の出勤を阻止し、安全対策を求める集会を開いた後、原発への進入を図った。霊光郡弘農邑の住民約500人はこの日午前、霊光原発の前で「霊光原発の安全 性確保を求める弘農邑決起大会」を開き、原発への進入を図ろうとして、警察と激しいもみ合いを繰り広げた。
 住民たちは原発 の模型を乗せた棺輿(ひつぎごし=遺体を乗せ墓地まで運ぶ御輿)を担ぎ、原発正門前の鉄製フェンスを10メートルほど倒し、原発への進入を図って、一般警 察官や原発の請願警察官(国家機関や公共団体などの請願により配置され、警察官職務執行法に基づき警察官の職務を遂行する)たちと衝突した。進入に失敗し た住民たちは、原発の安全性確保を求め、棺輿や、原子力安全委員会などに見立てたかかしを燃やした。
 一方、住民たちはこの日午前6時から、トラクターなど農機具を原発の3キロ手前の道路に配置し、原発作業員たちの出勤を阻止した。
霊光= 金性鉉(キム・ソンヒョン)記者

米ウラン濃縮施設への出資、燃料安定確保に道筋


 多国籍ウラン濃縮業者ウレンコが米国に保有するウラン濃縮施設への出資を韓国が積極的に検討する背景にはさまざまな理由がある。
 韓国は1978年に古里原発1号機が稼働し始めて以降、原発23基を持つ世界5位の原子力大国だ。しかし、韓米原子力協定に基づき、ウランの濃縮を行うことが禁じられており、使用済み核燃料の再処理もできない。
■安定的な燃料確保が課題
  韓国はウラン鉱粗製物(イエローケーキ)をオーストラリア、カナダなど7カ国から毎年4000トン輸入し、海外の4社に濃縮を依頼している。韓国独自での ウラン濃縮ができないためだ。韓国はウラン鉱粗製物の輸入と濃縮に毎年9000億ウォン(約680億円)を支出しており、対策が求められている。韓国政府 は2008年にまとめた「国家エネルギー基本計画」に基づき、海外の濃縮施設への出資を推進してきた。韓国政府関係者は20日「ウラン濃縮業者の株式を取 得すれば、安定的に原子力燃料を確保し、輸入価格を低下させることができるメリットがある」と指摘した。
 このため韓国は2009年、フランスのアレバ(AREVA)の株式2.5%を取得する契約を結んだ。経営状態が悪化している米国ウラン濃縮公社(USEC)も韓国からの出資を望んでいるとされる。
李河遠(イ・ハウォン)記者

島根原発事故で40万人避難計画
30キロ圏内、県が発表

 中国電力の島根原発=松江市
 中国電力の島根原発=松江市
島根県は21日、中国電力島根原発(松江市)の事故の際、半径30キロ圏内に住む県内4市の約39万6千人を、県内のほか岡山など近隣3県に避難させることを盛り込んだ避難計画を発表した。
 30キロ圏内に含まれるのは松江市全域と安来、出雲、雲南各市の一部。計画では事故時に住民を、島根県西部に加え鳥取、岡山、広島の4県71市町村に振り分ける。
 避難者が身近な人々と生活できるよう配慮し、避難先は市や町などの自治体ごとでなく、より細かい地区単位で決めた。
 島根県は昨年3月の東京電力福島第1原発事故を受け原発避難計画の策定を開始。(共同通信)
【 2012年11月21日 09時40分

伊方原発敷地内で火災/愛媛県通じ連絡

2012年11月21日
県は20日、愛媛県庁から「四国電力伊方原子力発電所内の道路で電気自動車が発火した」との連絡を受けたと発表した。放射能の流出など環境への影響はないという。

 連絡によると午前9時ごろ、電気自動車から発煙しているのが見つかったが、自衛消防隊が消し止めた。愛媛県から大分県に連絡があったのは約2時間後の午前11時すぎだった。

 今回の連絡は、昨年9月に両県が交わした確認書に基づいている。放射能放出や原子炉停止、救急車の出動など社会的影響の大きい事案は、四電から通報を受けた愛媛県が大分県に連絡することになっている。

島根原発事故で40万人避難計画 30キロ圏内、県が発表

2012年11月21日 09時58分
 中国電力の島根原発=松江市
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 島根県は21日、中国電力島根原発(松江市)の事故の際、半径30キロ圏内に住む県内4市の約39万6千人を、県内のほか岡山など近隣3県に避難させることを盛り込んだ避難計画を発表した。
 30キロ圏内に含まれるのは松江市全域と安来、出雲、雲南各市の一部。計画では事故時に住民を、島根県西部に加え鳥取、岡山、広島の4県71市町村に振り分ける。
 避難者が身近な人々と生活できるよう配慮し、避難先は市や町などの自治体ごとでなく、より細かい地区単位で決めた。
 島根県は昨年3月の東京電力福島第1原発事故を受け原発避難計画の策定を開始。
(共同)

東通原発の破砕帯、来月13、14日に調査 原子力規制委

2012.11.20 19:51
東北電力東通原発の現地調査について議論する原子力規制委員会の臨時会合=20日午後、東京都港区
東北電力東通原発の現地調査について議論する原子力規制委員会の臨時会合=20日午後、東京都港区
 原子力規制委員会は20日、東北電力東通原発(青森県)にある断層(破砕帯)が活断層かどうか調べるため、12月13、14日に専門家調査団が現地調査を行うことを決めた。同月20日に評価会合を開き、活断層の有無を判断する。
 規制委の現地調査は、すでに実施した関西電力大飯原発(福井県)と、来月1、2日に予定されている日本原子力発電敦賀原発(同)に次いで3例目。東通原発の敷地内には複数の断層が見つかっているが、東北電力はいずれも活動性はないとしている。
 現地調査を行うのは、規制委の島崎邦彦委員長代理をはじめ、粟田泰夫産業技術総合研究所主任研究員▽金田平太郎千葉大准教授▽熊木洋太専修大教授▽佐藤比呂志東京大地震研究所教授の計5人。

高い放射線量と日本調査団 台湾の廃棄物貯蔵の島で

2012.11.20 19:03 アジア・オセアニア
20日、台北市内の記者会見で、台湾の離島、蘭嶼での放射線量調査の結果を発表する首都大学東京の加藤洋准教授(左)と桜美林大の中生勝美教授(共同)
20日、台北市内の記者会見で、台湾の離島、蘭嶼での放射線量調査の結果を発表する首都大学東京の加藤洋准教授(左)と桜美林大の中生勝美教授(共同)
 原発などから出た低レベル放射性廃棄物の貯蔵施設がある台湾南東部の離島、蘭嶼で放射線量の調査を11月10~11日に行った日本の調査チームが20日、台北で記者会見し、放射線量が高い地点があることを確認したと発表した。
 記者会見には野党、民主進歩党で原発問題を担当する立法委員(国会議員)も同席し、政府に対し島民の不安解消のため、蘭嶼全島で放射線量を徹底的に調査し、島民全員の健康検査を行うよう要求した。
 調査したのは、首都大学東京の加藤洋准教授(放射線学)と桜美林大の中生勝美教授。島北部の、かつて医療施設だった建物の壁付近で、毎時104マイクロシーベルトを記録した。その場に10時間いると、一般人の年間線量限度とされる1ミリシーベルトを超える。
 ただ一緒に調査をした台湾当局の測定器では自然の放射線量の範囲内だったこともあり、加藤准教授らはさらに綿密な調査が必要と指摘した。(共同)

コメの作付け 福島・広野町再開へ

 福島県広野町は20日、福島第1原発事故で自粛している町内のコメの作付けを来年再開することを決めた。町は旧緊急時避難準備区域で作付けは3年ぶり。
 町内39カ所の田で試験栽培したコメから検出された放射性セシウムの値が国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を下回ったことを受けた。町は来年3月までに、町内の水田全240ヘクタールの除染を予定。種もみの購入費補助も検討している。
 山田基星町長は「学校の保護者の同意が得られれば、給食でも町内産米を使いたい」と述べた。
 町は昨年に引き続き、今年も作付け自粛を町内の農家に要請したが、3戸の農家が稲作を再開し、独自の流通ルートで県内外に出荷した。
 コメの作付けをめぐっては同県川内村が来年の再開を決め、南相馬市も一部再開する方向で検討している。

2012年11月21日水曜日
関電・九電 値上げ申請へ

関西電力と九州電力は、家庭向け電気料金の値上げを27日に政府に申請する方針を固めました。関西電力 と九州電力は原発への依存度が高く、大半の原発が停止し、火力発電の燃料費の負担が大きくなっているため、来年、春からの値上げを目指しています。料金を 原価から見直す本格的な値上げは1980年以来、33年ぶりとなります。

九電値上げ、27日に認可申請へヘルプ

九州電力は、電気料金の値上げについて、27日に経済産業省へ認可申請する方針を固めた。家庭向けの値上げ幅は平均10%台前半で最終調整してお り、経産省などの審査を経て来年4月の実施を目指す。認可の必要がない企業などの大口向けは10%台後半とする方向で、家庭向けと同時に値上げしたい考え だ。
 値上げ幅を算定する前提として、来年度中に川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1、2号機に加え、玄海原発(佐賀県玄海町)4基のうち1基程度の再稼働を盛り込む方針だ。
 電力業界では東京電力が今年5月、家庭向けで平均10・28%の値上げを申請したが、経産省などの査定で人件費などの追加削減を要請され、最終的に8・46%に圧縮された。九電も追加リストラを求められ、値上げ幅を申請時より引き下げられる可能性が高い。
(2012年11月21日  読売新聞)12月13、14日に東通原発敷地内の断層調査(2012/11/21 08:45)  原子力規制委員会(田中俊一委員長)は20日、東北電力東通原発の敷地内断層の活動性を評価するため、12月13、14の2日間、現地調査を実施するこ とを決めた。同20日に評価会合を開き、断層の活動性を判断する。規制委の現地調査は、既に実施している関西電力大飯原発(福井県)、日本原子力発電敦賀 原発(同、12月上旬予定)に続き3カ所目。

総選挙の3大争点は「消費税」「原発」「TPP」

2012.11.21

自民党の安倍晋三総裁【拡大】
 12月16日の総選挙では何を争点にすべきか。すばりいえば、消費税、原発、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)だと思う。

 まず消費税。野田佳彦首相は8月に消費税増税法案等が成立したら「近いうちに国民の信を問う」と述べたが、これが今回の総選挙の原点だ。

  実際、消費税はいろいろな点についてリトマス試験紙の役割を果たす。まず景気であるが、消費税増税法案には景気条項がある。「実質経済成長率2%、名目経 済成長率3%」というものだ。これを無視して消費税増税を強行するかどうか、この最低条件を達成できるかどうかなど、政権運営で重要な点をチェックでき る。

 地方分権の本気度も試せる。第3極の日本維新の会やみんなの党は消費税を地方税化せよと主張している。ヒト、モノ、カネを地方に移譲しなければ本格的な地方分権はできず、そのために消費税は必須だからだ。

  社会保障をどのように運営するかもわかる。民自公は消費税を社会保障に充てるというが、そのような国は世界にない。社会保障を消費税でまかなうか、保険料 や所得税でまかなうかは社会保障の本質論である。ちなみに、前者であれば所得再分配機能が少なく、給付と負担の関係も明確でないが、後者では再分配機能が ワークし、給付と負担の関係も明確だ。

 第2に原発。自公は今の原子力村を温存したいので、どうしても脱原発に及び腰になる。一方、民主 は威勢よく原発ゼロといったものの、実態は今の原発体制を維持することが透けている。国民の気持ちの多くは、どのようにゼロに収束させていくかであろう。 経済への悪影響をできるだけ少なくしながら、その解をうまく提示できるかどうか。第3極も独自に戦略を練れる分野だ。

 最後にTPP。解散を打ち出した野田首相はTPPを争点にしたいようだが、自民党も安倍総裁がTPPに前向きな姿勢を打ち出している。14日の本コラムでも書いたように、今の段階では、TPPの交渉参加しかありえない。

  「TPP反対」の人は、今の段階では「TPP交渉への参加」に反対だから、TPP交渉に日本が必ず負けるという前提に立っている。「日中韓FTA」、 「ASEAN+」から発展した「RCEP」、「日EUのEPA」などの貿易交渉については文句を言わないようだから、他の交渉では必ず日本が勝つという前 提なのだろうか。

 TPPに反対する自称「国を愛する保守」もいるが、かなり内弁慶な人で、国内でひたすら反対スローガンを叫んでいるだ けの人たちだろう。こうした外交姿勢は、竹島や北方四島問題で、日本の固有の領土と叫んでいるだけで満足している人々と似ているところがある。このため、 TPPをきっかけとして外交まで、政治家のスタンスがわかる。

 これら3つの問題への対応をみれば、国民は自分のスタイルにあった政党を選び出せるだろう。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)





甲状腺診療態勢を強化 センター内に専門組織


福島医大は、東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響などで県民の甲状腺に異常が生じた場合の診療態勢を強化する。
 ふくしま国際医療科学センターの先端診療部門に、専門的に対応する「甲状腺センター」を設置し、県民健康管理調査の甲状腺検査で異常が確認された県民に対し、早急に精密検査や治療を施す。平成28年度から本格的に診療する。
 また、25年度から教育・人材育成部門に甲状腺内分泌学講座を設ける。最先端の診断や治療などの研究と技術開発を担う人材を育てる。放射線医学県民健康管理センターでは甲状腺がんのメカニズム解明に取り組む。





東電に7億4000万円請求 福島の医療機器会社が提訴


東京電力福島第一原発事故の影響で取引を断られて損害を受けたとして、福島市の医療機器製造・販売会社「パワーテック」は20日までに、東電に対して約7億4000万円の損害賠償を求め福島地裁に提訴した。
  訴状によると、同社は昨年1月、タイの企業と継続的な売買契約を締結した。原発事故後、タイの企業から「風評被害で輸入は難しい」と連絡があり、昨年4月 には正式に取引を拒否された。同社は原発事故による風評被害で被った損害額9億9700万円のうち、既に東電が賠償に応じた約2億円を差し引いた約7億 4000万円を求めている。
 東電は「個別の訴訟に関するコメントは差し控える。事情をよく聴いた上で真摯(しんし)に対応したい」としている。

ふくしま国際医療科学センター:被ばく医療担い発足

2012年11月21日
 東京電力福島第1原発事故や東日本大震災を受け、住民の被ばく医療や健康管理を担う「ふくしま国際医療 科学センター」の発足式が20日、福島市の福島県立医大であった。最新鋭のがん画像診断装置を備えた「先端臨床研究センター」や、災害・地域医療の人材育 成機関を新設するなどして、健康不安解消を目指す。
 14〜16年度に新設2組織や新病棟など計4棟を建設、順次運用を始める計画。事業費約314億円は国 と県が賄う。被ばく線量を減らす方法などを調査研究し、同研究センターには、がんの位置や大きさを三次元で精密に特定できる最新装置「PET−MRI」を 国内で初めて導入する。

キャビアで裏磐梯復活を 福島・北塩原村

2012.11.20 14:50
 磐梯山を望む福島県北塩原村で、廃校を利用したチョウザメの養殖事業が始まった。キャビアの新しい産地として売り出し、東京電力福島第1原発事故で落ち込んだ裏磐梯の観光や地場産業を復活させる作戦だ。
 北塩原村の「裏磐梯パイロットファーム」が経営。旧小学校の体育館を改修して容量7トンの水槽を3基設置し、10月から稚魚約7千匹を放した。10万~12万匹に増やす計画という。
 キャビアを出荷するのは7、8年後が目標。大川博国事業部長は「北塩原といえばチョウザメと言われるような観光資源にしたい」と話した。

原発、現状の事故想定でいいのか 規制庁の説明に自治体


 原発事故時の放射性物質の拡散予測などについて原子力規制庁が説明する会合=20日午後、京都市
 岐阜、滋賀、京都の3府県と関西広域連合の防災担当者らを対象に、原発事故時の「原子力災害対策指針」や放射性 物質の拡散予測について原子力規制庁が説明する会合が20日、京都市内で開かれた。参加者からは、現状の事故想定でいいのかといった質問や正確なデータ提 示を求める声が出た。
 和歌山県は「拡散予測は東京電力福島第1原発事故を想定しているが、それを超える事故を想定した予測はしないのか」と質問したが、規制庁の中本室長は必要ないとの見方を示した。
 会合は福井県内の原発から半径30キロ圏内に一部が含まれる3府県が主催した。
2012/11/20 20:55   【共同通信
 

放射能調査:風船を飛ばし、事故時どこまで飛散 浜岡原発訴訟原告団が25日 /静岡

毎日新聞 2012年11月21日 地方版
 中部電力浜岡原発(御前崎市)の廃炉などを求め静岡地裁に提訴している原告や弁護団は25日、浜岡原発 付近から風船を飛ばし、事故が起きた際に放射能がどれだけ拡散するか調べる「風船プロジェクト静岡」を同市港のマリンパーク御前崎で行う。原告の一人で主 催する寺井久美子さん(51)は、「風船という目に見える形で、どこに放射能が来るか実感できる。多くの人に協力してほしい」と話している。
 連絡先の紙をつけた1000個の風船を飛ばし、拾った人に連絡をもらって風船がどこに飛んだか統計を取る。弁護団の富樫早苗弁護士は、「風船と放射能はもちろん違うが、一つの指標になると思う」と話している。環境に配慮し自然に分解する風船を使うという。
 25日は午前11時から風船を飛ばす予定で、無料で一般参加も可能。雨天、荒天は延期。問い合わせや風船を拾った場合はプロジェクト事務局(080・4526・4280)へ。【平塚雄太】






いわきのイノシシ3万3000ベクレル 過去最高


県は20日、野生鳥獣の肉に含まれる放射性物質の検査結果を発表した。いわき市のイノシシ1頭から、これまでで最高となる1キロ当たり3万3000ベクレルの放射性セシウムが検出された。浜通りのイノシシの肉は既に、国から出荷制限の指示が出ている。
  これまでの最高値は、6月に二本松市のイノシシの肉から検出された2万5000ベクレルだった。いわき市のカルガモ1羽から130ベクレル、福島市のマガ モ1羽から860ベクレル、檜枝岐村のニホンジカ1頭から190ベクレルの放射性セシウムが検出された。県は同日、カルガモの肉はいわき地区、マガモの肉 は県北地区、ニホンジカの肉は南会津地区で自家消費を控えるよう新たに要請した。
 国は既に中通りと浜通りのイノシシの肉、中通りと会津のツキノワグマの肉、県内全域のヤマドリの肉の出荷制限を指示している。

今秋はずっと広範囲

2012年11月21日
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秋田県産など出荷制限のない地域の野生キノコが並んだ八百屋の店先=青森市古川
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出荷制限がかかっている市町村
東京電力福島第一原発から200キロ以上離れた青森県や長野県、静岡県で今秋、野生キノコから法定基準を超える放射性セシウムが検出されている。原発事故 があった昨年は福島だけだったが、今年はずっと広範囲に及んでいる。「こんな遠いところで、なぜ今年に」。各地の観光地や飲食店に衝撃が広がっている。

 福島第一原発から北へ350キロ離れた十和田市。10月、市内の八甲田山系で採れたチチタケから、食品衛生法が定める基準値(1キロあた り100ベクレル)を超える120ベクレルの放射性セシウムが検出された。国は出荷制限を指示し、県は市内で採れたナメコやクリタケなど全種類の野生キノ コの販売を禁じた。

 「客の8割が注文していたキノコの天ぷらや鍋が出せなくなった。経営に大打撃だ」。十和田市の観光業の男性(42)は途方に暮れる。キノ コ料理目当てのリピーターも多いといい、「『青森も放射能がこわい』と風評が立ちかねない。キノコを出せない理由を説明したくもない」。

 青森市で採れたサクラシメジでも同月、基準値をわずかに超えた。県が出荷しないよう指示すると、同市産の野生キノコは店頭から一斉に消えた。

 青森駅近くで八百屋を営み、キノコ研究家でもある手塚豊さん(61)は、野生キノコの扱い自体をやめた。「青森市外で採ったとうそを言われたら、責任がとれない。秋の味覚を提供できないのは本当に残念」と話している。

 山梨県では名物にも影響が及んでいる。ほうとう店「天下茶屋」(同県富士河口湖町)は、人気の野生キノコ入りをメニューから外した。キノ コほうとうの季節は、秋の観光シーズンと重なる。男性店主(70)は「店にも痛手だけど、食べられずにがっかりする観光客をみるのもつらい」とこぼした。

■10県で出荷制限

 厚生労働省によると、昨年、野生キノコの出荷が制限されたのは福島県内だけだった。今年は基準値が1キロあたり500ベクレルから100 ベクレルに下がった影響もあるが、福島県を含む東日本の10県93市町村に広がった(19日現在)。うち青森、埼玉、山梨、長野、静岡の5県は、野生キノ コだけに出荷制限がかかっている。

 セシウムの値も各地で昨年より高くなっている。国が要請した検査によると、今年の最大値は青森県が120ベクレル(昨年は60ベクレル)、長野県は2100ベクレル(同1320ベクレル)、栃木県は3千ベクレル(同134ベクレル)だ。

 なぜ1年もたって、野生キノコだけ、このような影響が出てきたのか。

 放射生態学が専門の村松康行・学習院大教授は「詳しいメカニズムは不明だが、菌類であるキノコは植物などに比べ、セシウムを取り込みやす い」と説明。今秋の方がセシウム濃度が上がっていることについては、「昨年は木の幹や葉についていた放射性物質が、雨に流され、キノコが菌糸を張る土壌中 に染み込んだ可能性がある」と話す。

 キノコは種類によって菌糸を張る深さや、セシウムの取り込みやすさが違うため、来年も一部のキノコで高い濃度が検出される可能性があり、「継続した調査が必要だ」とみる。(水戸部六美)

◇野生キノコの検査◇

 野生キノコの放射性セシウム検査は現在、国が東日本17都県に要請している。種類の見分けが難しいため、同一県内で1種類でも基準値を超 えた市町村が複数あると、当該市町村の全種類に出荷制限がかかる。山の除染が進まず、これまでに解除になった例はない。出荷制限を無視して販売すると、食 品衛生法違反で回収措置がとられ、悪質な場合は200万円以下の罰金または2年以下の懲役刑となる。

一関の大豆から基準超セシウム

2012年11月21日
県は20日、一関市の旧磐清水村で収穫した大豆から国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える130ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。大豆の基準値超えは初めて。県は一関市などに対し、旧磐清水村の大豆について出荷自粛を継続するよう要請した。

首都圏焼却灰あす搬入再開

2012年11月21日
小坂町が受け入れ再開を決めた首都圏の焼却灰について、最終処分場の親会社DOWAエコシステム(東京)は20日、千葉県市川市の30トンを22 日に搬入すると発表した。焼却灰から国の基準を上回る放射性セシウムが検出され、中断した搬入作業は、1年4カ月ぶりに再開する。

 DOWAによると、焼却灰を積んだトラック3台が21日に市川市を出発。東北道で小坂町に向かう。処分場到着後、放射性物質の濃度や車両の空間放射線量に問題がなければ、焼却灰を埋め立てるという。

 来年3月末までに、市川市の千トン、千葉県流山市の200トン、埼玉県川口市の1600トンの焼却灰搬入が予定されている。

 受け入れ再開をめぐっては、細越満小坂町長が受け入れ時のセシウム濃度を国の基準の半分以下にするなどのDOWAの管理案や環境保全協定をもとに、「町民の安全は確保される」と判断。搬入再開を認めた。

南相馬の除染に遅れ

2012年11月21日
●仮置き場の確保難航

 南相馬市と環境省福島環境再生事務所は20日、市内の生活圏除染について、見直しをしたスケジュールを示した。市は除染終了時期を1年遅らせ、環境省はスタート時期を7カ月遅らせる。いずれも仮置き場の確保が難航しているためだ。

 この日に市内で開かれた、復旧・復興の進捗(しんちょく)状況説明会で明らかにされた。

 市内の除染は、旧警戒区域を環境省が、それ以外は市が担当する。市は当初、生活圏の除染を2014年3月までに終了する予定だった。しか し、原町区、鹿島区各1カ所の仮置き場設置に住民の同意が得られず、比較的放射線量が高い西部の5行政区でメドが立っただけだ。このため、1年遅れの15 年3月を終了時期とする見直しをした。

 一方、環境省は今年9月に本格除染を開始する予定だった。仮置き場は数カ所に分散し、計約80ヘクタール必要と試算したが、いまだ決まら ず、開始時期を13年4月以降に改めた。14年3月とする終了時期は変更しなかった。大村卓・福島環境再生事務所長は「作業員を増やすことで、いまのとこ ろ当初の計画で終了できる」としている。

 説明会には約150人の住民が参加、市、県、環境省の担当者が説明した。住民からは「住民が除染した廃棄物を早く片づけてほしい」「東京方面への常磐自動車道や国道6号を早く開通させてほしい」などの要望が寄せられた。

東電福島第一原発、セシウム吸着装置屋外配管から漏水

掲載日 2012年11月21日
東京電力は20日、福島第一原発の地下にたまった放射能汚染水からセシウムなどを除去する第2セシウム吸着装置で、屋外の配管から水が漏れていたと発表した。漏れた量や放射性物質の濃度などは調査中という。
 東電によると20日8時頃、巡回中の社員が4号機近くの建屋にあるセシウム吸着装置で、建屋外側の配管から水が漏れているのを発見した。漏れた水はコンクリート上にたまっていた。
 東電は8時25分すぎ、吸着装置の運転を停止。10時10分に水漏れが止まったことを確認した。東電は、漏れた水はコンクリート上にとどまり、付近に側溝がないことから、海への流出はないとしている。

新潟市長が浄水汚泥を視察

2012.11.21 02:08
 新潟市の篠田昭市長は20日、市内の信濃川浄水場などを訪れ、初めて放射性物質を含む浄水汚泥の保管状況を視察した。
 県内の水道 事業者は県などの指示で浄水汚泥を放射性セシウム濃度に応じ3段階に分けて保管。1キロ当たり100ベクレル以下は糸魚川市内の企業2社の間でセメント材 料として有効利用する計画が進んでいる。篠田市長は「維持費もかさみ宙ぶらりんではいけない。他の市町村と意見交換し、連名で来年3月11日までに(処理 の)方向を示すよう県に要望したい」と話した。

首都圏の焼却灰、22日搬入再開 小坂、市川市から30トン

 小坂町の最終処分場グリーンフィル小坂を運営するDOWAエコシス テム(東京・佐々木憲一社長)は20日、町が先月受け入れ再開に合意した首都圏の焼却灰のうち、千葉県市川市の灰をあす22日、同処分場に搬入すると発表 した。首都圏からの搬入は、国の基準を超える放射性セシウムを含む灰が埋め立てられ、町が受け入れを中止した昨年7月以降、1年4カ月ぶり。

 同社などによると、同日搬入される灰は約30トンでトラック3台に分けて運ばれる。出発前に1台ごとに空間放射線量を測定。搬出基準の「1時間当たり0・5マイクロシーベルト以下」を確認した上で、21日昼ごろ同市を出発する予定。

 町と処分場が合意した管理計画は、搬出元の焼却場で採取した灰の放射性セシウム濃度を、月1回測定することを義務付けている。同市の今月16日の測定結 果では、放射性物質が凝縮する飛灰が1キロ当たり1728ベクレル、燃えがらなどの主灰が同323ベクレル。いずれも搬出基準の「同3500ベクレル以 下」を満たした。今回は主灰だけを搬出する予定。
(2012/11/20 22:57 更新

建屋から176リットル漏れ回収=福島第1の汚染水―東電


 東京電力は20日、福島第1原発の地下にたまった放射能汚染水を浄化処理する第2セシウム吸着装置の建屋から、176リットルの汚染水が建屋外壁に隣接するコンクリート敷地上に漏れたと発表した。
 同日午前8時ごろ社員が発見し、装置の運転を停止して約2時間後に漏水を止め、拭き取って回収した。近くに側溝はなく、海への流出はなかった。吸着装置にたまった空気を抜くための配管から漏れており、東電が原因を調べている。 
[時事通信社]
三春町の一部地域 コメの出荷制限解除
(福島県)
国の基準値を超える放射性物質が検出された三春町の一部地域のコメの出荷制限が解除された。
三春町旧沢石村の1戸の農家が生産した玄米から、ことしの全袋検査で最も高い値となる最大360ベクレルの放射性セシウムが検出され、国が出荷制限を指示していた。
その後、町と県が地区の生産量などを確認して作成した「管理計画」で条件が整ったとして、きのう、出荷制限が解除され、全袋検査で基準を下回ったコメから出荷が再開される。
これで、県内のコメで出荷が制限されている地区はなくなった。
県は、市場で新米と認められる年内の出荷販売に向けて、福島のコメのPRを進めたいとしている。[ 11/20 20:08 福島中央テレビ





福島のNPO団体が発表
風のない日に24時間タオルを干しただけで、5ベクレル/kgのセシウムが付着する。16日、福島のNPO団体、CRMS市民放射能測定所が、こんな測定結果を発表した。
セシウム
やはり降下物が付着
福島県内や東北、関東地方では現在も放射性降下物が降り注ぐ。地面に落ちたものが風などで舞い上がることもあり、呼吸器からの内部被曝が懸念される。

日常使用する衣類やタオル類などの洗濯においても、外干しでは、干している間にセシウムなどの放射性汚染物質が付着するのでは、との心配が大きい。

福島県で食品の放射能測定やホールボディカウンターによる体内残留放射能量測定を中心に活動するNPO法人、CRMS市民放射能測定所では、福島市内で濡れタオルを外干ししたらどれほどのセシウムが付着するか、実験を行った。

たった24時間で検出
実験では、なるべく一般的な状況に近くなるよう、濡れタオル2枚を民家の二階ベランダで外干しした。24時間後に取り込み、セシウム濃度を測定したところ、セシウム134が1.94ベクレル/kg、セシウム137が2.90ベクレル/kg検出された。

タオルを干したのは、福島市の笹谷地区。タオルは新品で、風もさほど強くない日だったとのこと。

外部リンク

◆CRMS福島レポート
http://crms-fukushima.blogspot.jp/
2012年11月20日18時6分

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放射能汚染水浄化装置から水漏れ 福島第一原発


写真:高濃度放射能汚染水の浄化装置から漏れた汚染水=20日午前、福島第一原発、東京電力提供拡大高濃度放射能汚染水の浄化装置から漏れた汚染水=20日午前、福島第一原発、東京電力提供

 東京電力は20日、福島第一原発から出る高濃度放射能汚染水を浄化する装置から、汚染水が漏れたと発表した。漏れた量は約176リットル。漏れた水には1リットルあたり102万ベクレルの放射性セシウムが含まれていた。海への流出は確認されていないという。
 水漏れがあったのはサリーという装置。東電によると、同日午前8時ごろ、装置の空気を抜くための配管から、水が漏れているのを社員が見つけた。約30分 後に装置を止め、午前10時10分に水漏れが止まった。漏れた水は、屋外のコンクリート上にとどまっていた。原子炉への注水に影響はなかった。

【群馬】

放射性物質の危険性を懸念 前橋で震災がれき試験焼却報告会

 東日本大震災で発生したがれきの受け入れ問題で、前橋市は二十日夜、今月初めに実施した試験焼却の報告会を同市六供町の六供清掃工場で開いた。放射性物質の危険性を懸念する意見が目立った。
 焼却したのは、岩手県宮古地区の三一・六トン。同工場で一般ごみにがれきを約一割混ぜて焼き、十三日に同市荻窪町の最終処分場に灰四〇・九トンを埋め立てた。市は放射線量などに問題はなかったとしている。
 報告会には、山本龍市長ら市や県の幹部・担当者計約二十人と、市民計約四十人が参加。呼吸器系専門の医者という女性は「教育施設も多い六供町の人 口密集地において、老朽化して建て替えも検討した清掃工場で、燃やしても大丈夫か。飛灰の放射性物質の数値は大きいが、測定は正確なのか」と追及。
 男性は「県内を含めて他の自治体が処理の必要性がなくなって相次いでやめているのに、市が今さら受け入れてどうするのか」と指摘した。 (菅原洋)

カネカが放射性物質の洗浄剤を開発 福島の除染対象区域へ供給

2012/11/20 23:00

 カネカは、同社の発酵・精製技術を生かした放射性物質の洗浄剤を開発し、東京電力・福島第一原子力発電所の事故による除染対象区域への本 格的な供給を始めた。道路や建物などの除染において、低濃度の希釈水溶液として用いることで、汚染物質を飛散・拡散させることなく効率的に回収できるとい う。
新開発の洗浄剤を用いた除染の原理
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新開発の洗浄剤を用いた除染の原理
 カネカはこれまで、除染対象区域内でこの洗浄剤の実験を行い、除染効率を検証してきた。除染効果や環境への影響の有無を検証できたことから、除染現場での採用が決まった。
 新開発の洗浄剤の特徴は、主成分の界面活性剤を微生物の発酵によって生成していることである。一般的な洗浄剤の界面活性剤は化学的に合成している。
 新開発の洗浄剤は低濃度でも大きな洗浄効果を得られるので、使用量が少なくて済む。さらに、生分解性にも優れるため、環境への影響が小さいという。回収した洗浄水の洗浄成分は沈殿・除去できる性質なので、洗浄成分を除去した上で排水することが可能である。
(日経ものづくり 高野敦)
[Tech-On! 2012年11月20日掲載

ヨウ素防護地域示せず 原発事故想定説明会 規制庁「検討中」

原子力規制庁の幹部から説明を受ける京都府と滋賀、岐阜両県の職員(京都市上京区)
原子力規制庁の幹部から説明を受ける京都府と滋賀、岐阜両県の職員(京都市上京区)
原発事故を想定した対策や放射性物質の拡散シミュレーションに対する原子力規制庁の説明会が20日、京都市上京区のホテルで開かれた。 京都府のほか、滋賀、岐阜両県の職員が出席し、放射性ヨウ素防護地域(PPA)の範囲などについて質問したが、「検討中」などの回答が多く、十分な説明に はならなかった。
 原子力規制委員会が10月、原発事故に備える対策を重点的に取る区域を原発の半径30キロを目安とすることを定めた指針や、原発ごとの拡散シミュレーションを公表。これを受け、福井県の若狭湾に立地する原発の半径30キロ圏に入る3府県が合同で説明を求めた。
  指針に盛り込まれる予定の安定ヨウ素剤の服用を対策の中心とするPPAの範囲について、出席者から「いつごろ示されるのか」と質問があったが、規制庁の中 本敦也火災対策室長は「人的資源が足りず、時期の明示は難しい」と回答した。また、放射性物質による避難者の汚染状況を調べるスクリーニングの詳細な説明 を求めたが、中本氏は「検討が始まったばかり」とした。
 原発の半径30キロ圏に入る自治体は来年3月までに、指針を踏まえた地域防災計画を策定する必要があるが、避難基準も示されておらず、対応に苦慮している。
【 2012年11月20日 22時47分
阿賀野川浄水場に保管された汚泥を視察する篠田昭新潟市長=20日、新潟市江南区
  • 阿賀野川浄水場に保管された汚泥を視察する篠田昭新潟市長=20日、新潟市江南区
  • 阿賀野川浄水場に保管された汚泥を視察する篠田昭新潟市長=20日、新潟市江南区

新潟市長が浄水場視察
県に要望書提出へ

東京電力福島第1原発事故後に放射性物質を含む汚泥が浄水場などにたまっている 問題で、新潟市の篠田昭市長は20日、市内の阿賀野川、信濃川の2浄水場内部を初めて視察した。篠田市長は「県の意向で仮置きしている一部の汚泥について は、来年3月までに処理の見通しを示してもらいたい」と述べ、年内に県に要望書を提出する考えを示した。
 国は自治体に、放射性セシウム濃度が1キログラム当たり100~8千ベクレルの汚泥は管理型処分場に埋め立てるように求めている。これに対し泉田裕彦知事は東電が引き取るべきだと主張しており、新潟市は浄水場での仮置きを続けている。
 
【社会】
浄水場の汚泥処理 県に方針明示を要請へ
(新潟県)
去年3月に起きた福島第一原発の事故の影響で、県内の浄水場に放射性物質を含んだ汚泥がたまり続けている問題で、新潟市の篠田市長は20日、他の市町村と共同で、来月上旬にも県に対し汚泥処理の方針を打ち出すよう要請する考えを明らかにした。

 新潟市の篠田市長は20日、汚泥が仮置きされている市内の浄水場を初めて視察した。
  市内の7か所には放射性物質を含む汚泥があわせて1万9000トン仮置きされていて、1キロあたり100ベクレルを超えるものはコンクリート製の保管施設 などに入れられている。国は、100ベクレルを超え8000ベクレル以下の汚泥については管理型の処分場に埋め立てることを認めているが、県は市町村に対 し、浄水場から移動しないよう求めている。
 視察を終えた篠田市長は、市町村と共同で、来月上旬にも県に対し、具体的な汚泥処理の方針を打ち出すよう要請する考えを明らかにした。大震災から2年となる来年3月11日をめどに、県は汚泥処理の明確な方針を示してほしいと述べている。
[ 11/20 18:46 テレビ新潟]
「試験焼却時に対策を」母親らが要請
(新潟県)
今月27日から震災がれきの試験焼却を行う新潟市に対し、焼却場の近くに住む母親などで作る市民グループが20日、放射性物質の影響が子どもに及ばないよう対策を求める署名を提出した。

 新潟市は、震災がれきの試験焼却を今月27日から江南区の亀田清掃センターで、29日から西区の新田清掃センターで実施する計画だ。
  これに対し、江南区の焼却場周辺に住む母親などで作る市民グループは20日、放射性物質の影響が子どもたちに及ばないよう対策を求める署名を市に提出し た。署名は1192人分で、試験焼却の際に外での活動を控えたり窓を開けないなどの対策を、市から学校や保育施設に呼びかけることなどを求めている。
 この市民グループは現在も署名を集めていて、試験焼却までにもう1度、集まった署名を市に提出する予定だ。
[ 11/20 18:48 テレビ新潟]
発表日 | 2012.11.20  情報源 | 環境省  カテゴリ | エネルギー >> 原子力

環境省 被災地の地下水質モニタリング調査 放射性物質濃度の測定結果を公表(第9報)


 環境省は、平成24年11月20日、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県及び千葉県内の地下水の放射性物質濃度の測定結果を第9報として公表した。
 今回公表したのは、平成24年9月24日~10月2日に福島県内おいて採水した132地点の放射性ヨウ素(I-131)、放射性セシウム(Cs-134、Cs-137)及び11地点の放射性ストロンチウム(Sr-89、Sr-90)の測定結果。
 結果は公表によると、放射性ヨウ素、放射性セシウム及びストロンチウム全て不検出であった。
 環境省では今後も福島県及びその近隣地域において、県や市町村等の関係機関と調整を行い、継続的に地下水の放射性物質濃度のモニタリング調査を実施するとしている。【環境省】

畜産物の汚染対策などでシンポジウム 農研機構

 農研機構は自給飼料と畜産物への放射性物質移行と、その低減技術について、研究成果を生産者や一般に広く紹介するシンポジウム「自給飼料および畜産物への放射性物質移行とその低減技術」を開く。
 12月5日13時から東京都港区の南青山会館で、基調講演は農水省生産局畜産部・小倉弘明氏の「安全な畜産物の生産に向けて」。続いて研究課題別に7氏から報告がある。
 農研機構は原発事故による自給飼料や畜産物への放射性セシウム汚染対策技術の研究開発に取り組んでいる。 これらの成果を報告し、広く一般に理解してもらう目的。
 参加費無料。申し込みは農研機構畜産草地研究所のホームページから。問い合わせは(TEL:029-838-8249)まで。

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(2012.11.20)

福島県立医大、国際医療センター発足 健康調査などの拠点に

2012/11/21 6:04

 福島県立医科大学は20日、放射性物質による健康調査や放射線医学の拠点となる「ふくしま国際医療科学センター」を発足した。福島市にある大学の敷地内に研究施設などを建設する。東日本大震災からの復興を医療の面から支える。
 発足したセンターは主に5つの役割を持つ。東京電力福島第1原子力発電所事故で広がった放射性物質による県民の健康調査や最先端の医療機器によるがんの診断、医療産業振興や人材育成などに取り組む。
 約300億円かけて大学敷地内に4つの研究施設を建設。2015年度から運用を始める。磁気共鳴画像装置(MRI)と陽電子放射断層撮影装置(PET)を組み合わせた診断装置を国内で初めて導入。がんのより正確な診断に威力を発揮する。

川内など3市村、政府が解除検討

2012年11月21日
政府の原子力災害現地対策本部と県は20日、南相馬、伊達両市の特定避難勧奨地点周辺のモニタリング調査の結果を公表した。

 調査は今年1~2月。避難勧奨地点が153世帯ある南相馬市では、昨年の前回調査と比較可能な811世帯のうち、670世帯で放射線量が 減少し、86世帯で上昇、残りは横ばいだった。勧奨地点が128世帯ある伊達市では、980世帯のうち、914世帯で減少、33世帯で上昇した。

 設定の目安となる毎時3マイクロシーベルトを上回る世帯も、前回の計35から計7に減った。政府は、これらの地域の放射線量は全体的に減ったと判断。今後、両市と協議して指定の解除を検討する。

 勧奨地点は、南相馬、伊達両市のほか、川内村にも1世帯が設定されている。政府は、川内村の勧奨地点も、除染で線量が低下したと判断し、近く解除する方針を決めている。住民は震災後に避難したという。

福島 終わらぬ除染 線量が再び上昇

 東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性物質を除去する作業(除染)を終えた福島県の山あいの地域で、除染後しばらくすると放射線量がまた上が るケースが出ている。風雨で運ばれた放射性物質が、道路脇や軒先に再びたまり、線量を上げているとみられる。除染の難しさが顕在化した形で、住民からは 「何度除染すればいいのか」と悲鳴にも似た声が上がっている。 (榊原智康)
 福島市東部の大波地区では、半年前に除染したが、局地的に線量の再上昇が起こっている。町会長を務める栗原俊彦さん(71)の測定では、ある民家 の軒先では事故後、毎時一〇マイクロシーベルト(〇・〇一ミリシーベルト)以上の線量があり、今年三月に除染で一・八マイクロシーベルトにまで低下した。 だが、十月には七・八マイクロシーベルトにまで戻った。
 別の民家前の道路脇でも、除染で一・五マイクロシーベルトに下がったが、十月には一〇マイクロシーベルトにまで上昇した。
 いずれの値も地表付近の値で、腰辺りの高さだと値はぐんと落ちるが、生活圏に線量を放つ物質が残っていることが不安材料であることに変わりはない。
 同市の除染担当者は「屋根や雨どいの除染で、取り切れずに残った放射性物質がはがれて、雨で下に移動し、軒先などに濃縮された可能性がある」と分 析する。大波地区では、民家の除染は進んだが、地区の大部分を占める森林はほぼ手付かず。山の斜面から水や土砂が流れ込むような道路脇などでは、除染をし ても、また放射性物質が流れ込み、線量の再上昇につながっているとみられる。
 山のふもとにある福島市渡利地区でも除染した道路の側溝に再び砂などがたまり、三~四マイクロシーベルトの線量に上がった場所がある。
 市役所の出張所などの計測データでは、除染後は大波、渡利両地区とも線量が大幅に下がっている。ただ、除染後に線量が再上昇する地点があるのは事 実で、きめ細かな対応が必要になる。東北大の石井慶造教授(放射線工学)は「ある程度汚染されてしまった地域では、除染は一度では終わらない。息の長い取 り組みが必要だ」と話している。

県立医大に医療拠点 健康管理・被曝治療担う




  • ヘルプ

センター発足を機に、国内で初めて導入されたPET―MRI装置
県立医大は20日、県民健康管理調査や被曝(ひばく)医療などを担う新たな拠点として、学内に「ふくしま国際医療科学センター」を発足させた。施設の建設を進め、2016年度の全面オープンを目指す。
 同センターは、震災と原発事故を踏まえ、国際的に通用する最先端の災害医療や被曝医療の診断と治療、研究のために計画された。既に実施している健 康管理調査などを担当する「放射線医学県民健康管理センター」や、総合周産期母子医療センターなどの「先端診療部門」、研究者らを育てる「教育・人材育成 部門」など5部門で構成する。
 20日は発足式が行われ、PET(陽電子放射断層撮影)とMRI(磁気共鳴画像)が一体となったPET―MRI装置が公開された。国内では初の導入で、12月から稼働する。
 医大は発足に伴い、付属病院周辺に4施設を整備する。約300億円の建設費は国の補助や県予算で賄う。16年度までに新たに400人ほどの研究者や医師、看護師らが必要で、今後の人材確保が課題だ。
 菊地臣一理事長は、「数十年にわたり、県民の健康をフォローアップ(継続支援)できる体制がようやく整った。国際的な支援を受けながら取り組んでいきたい」と述べた。
(2012年11月21日  読売新聞)

特定避難勧奨一部解除へヘルプ

政府の原子力災害現地対策本部は20日、避難指示区域外で局地的に放射線量が高い「特定避難勧奨地点」のうち、放射線量の下がった場所の指定解除に向けて、自治体と本格的な協議を始める考えを示した。
 同本部はこの日、伊達、南相馬両市内の同地点周辺の放射線量(1~2月)を発表した。指定の基準となる毎時3マイクロ・シーベルト以上となったの は南相馬市が819地点のうち6地点、伊達市が985地点のうち1地点となり、それぞれ昨年9月の調査より7地点、21地点減った。同本部は「どの程度の 段階になれば解除するのかも含め協議中だ。自治体により状況が違うので、一つずつ段階を踏みたい」としている。
 特定避難勧奨地点は、警戒区域や計画的避難区域の外で年間被曝(ひばく)線量が20ミリ・シーベルトを超える恐れがある場所に、政府が避難を促すために指定した。伊達市128世帯、南相馬市153世帯、川内村1世帯の計282世帯が指定されている。
(2012年11月21日  読売新聞)

エヌ・ティー・エスと信州大 放射線とじ込める材料開発

2012/11/21 2:46

 化学品製造のエヌ・ティー・エス(諏訪市)は信州大学繊維学部の村上泰教授と共同で、放射線を一定程度とじ込める材料を開発したと発表し た。除染のためにはぎ取った土の保管場所などで、この材料を混ぜた水をまくと、粘土状の材料が表面に堆積して放射線を閉じ込めるという。現在、実証実験中 で、来年2月の実用化を目指す。
 シリカアルミナという成分が含まれる粘土のような酸性の土を、20マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルほどに微粒化する。この粉 体材料を水中で均一に分散するように加工し、水と一緒に汚染土にまく。水は土に吸収されて、表面に残った粘土状の材料が膜のような状態となって放射線をと じ込める仕組みだ。
 広さ1平方メートルに対し、粉体材料400グラムを含む2リットルの液で封じ込められるという。実験ではベータ線やガンマ線を7~8割強程度低減できたとしている。
福島県いわき市の企業や福島高専などと共同で線量が高い土壌サンプルを使い、実証実験を進めている。田畑や汚染土の仮置き場などでの使用を想定し、現地自治体や建設会社に売り込む

台湾  2012年11月21日(水曜日)
高い放射線量と日本調査団、廃棄物貯蔵の島で[社会]

【台北共同】原発などから出た低レベル放射性廃棄物の貯蔵施設が……

「移住費用は国が負担すべき」カルディコット博士

投稿者: ourplanet 投稿日時: 火, 11/20/2012 - 12:18
ノーベル平和賞を受賞したIPPNW(核戦争防止国際医師会議)の生みの親で、医師のヘレン・カルディコット博士が19日、東京都内で会見し、子どもや妊婦は高線量地域から速やかに避難すべきと訴えた。
 
「福島の事故は人類の歴史上最悪の産業事故」と切り出したカルディコット博士は、現在も直、放射線量の高い地域に人が住んでいる日本の状況について、「日 本政府が守っているのは国民ではなく東電」と厳しく批判。「ロシア政府は積極的に避難させて、国民を守った」と、チェルノブイリ事故後のソ連政府の対応よ りも、問題があるとの考えを示した。
 
また、福島県が実施している18歳以下の子どもに対して行っている甲状腺検査で、40%の子どもになんらかの異常が見つかっている問題に関して、小児科医 である博士は「極めて稀な数値」と指摘。子どもや妊婦、また子どもを産める若い女性たちに対して、「移住のための費用を国が負担すべき」と強調した。
 
活動家としても、医師としても著名なカルディコット博士だが、衆議院議員会館で開催された記者会見に参加したジャーナリストはわずか20人ほど。国会が解 散したことも影響し、マスメディアからの参加はほとんどなかった。しかし、前日、都内で開催された市民向けの講演会は満席状態だったことと比べると、大き な温度差がある。
 
博士は、こうした日本のメディアの姿勢に関しても「責任を果たしていない」と言及。原発作業員の放射線被害に関する情報が公開されていないことにもついて「それが可能になるかどうかはメディアによるところが大きい」と情報公開の必要性を訴えた。
特定避難勧奨地点 8割で放射線量下がる
(福島県)
年間の積算放射線量が20ミリシーベルトを超える恐れがある「特定避難勧奨地点」について、国が南相馬市と伊達市の再調査を行った。
その結果、8割以上の地点で空間線量が下がっていることが分かった。
国では、年間で20ミリシーベルトを超える恐れのある南相馬市の153世帯、伊達市の128世帯を「特定避難勧奨地点」に指定し、定期的な環境放射線モニタリング調査を行っている。
今回の調査では、全体の8割に当たる1,584地点が、前回の調査よりも放射線量が下がっており、「除染の効果や自然に下がった結果」としている。
国は、線量が下がっている場所に関しては、今後、各自治体と協議の上、解除するかどうか検討する事にしている。
[ 11/20 20:10 福島中央テレビ]

高い放射線量と日本調査団 台湾の廃棄物貯蔵の島で

2012.11.20 19:37

20日、台北市内の記者会見で、台湾の離島、蘭嶼での放射線量調査の結果を発表する首都大学東京の加藤洋准教授(左)と桜美林大の中生勝美教授(共同)
20日、台北市内の記者会見で、台湾の離島、蘭嶼での放射線量調査の結果を発表する首都大学東京の加藤洋准教授(左)と桜美林大の中生勝美教授(共同)【拡大】
 原発などから出た低レベル放射性廃棄物の貯蔵施設がある台湾南東部の離島、蘭嶼で放射線量の調査を11月10~11日に行った日本の調査チームが20日、台北で記者会見し、放射線量が高い地点があることを確認したと発表した。
記者会見には野党、民主進歩党で原発問題を担当する立法委員(国会議員)も同席し、政府に対し島民の不安解消のため、蘭嶼全島で放射線量を徹底的に調査し、島民全員の健康検査を行うよう要求した。
 調査したのは、首都大学東京の加藤洋准教授(放射線学)と桜美林大の中生勝美教授。島北部の、かつて医療施設だった建物の壁付近で、毎時104マイクロシーベルトを記録した。その場に10時間いると、一般人の年間線量限度とされる1ミリシーベルトを超える。
 ただ一緒に調査をした台湾当局の測定器では自然の放射線量の範囲内だったこともあり、加藤准教授らはさらに綿密な調査が必要と指摘した。(共同)

福島医大に被ばく医療拠点 健康調査や放射線研究

(11/20 19:08)
「ふくしま国際医療科学センター」が発足し、看板を掛ける菊地臣一学長(右)=20日午後、福島市の福島県立医大 「ふくしま国際医療科学センター」が発足し、看板を掛ける菊地臣一学長(右)=20日午後、福島市の福島県立医大
東京電力福島第1原発事故を受けた被ばく医療の拠点として、福島県立医大(福島市)に県民健康管理調査や放射線の研究に取り組む「ふくしま国際医療科学センター」が20日、発足した。
 センター長を兼任する菊地臣一学長は「今後数十年にわたる検査態勢が完成した。今日がスタートだ」と意気込みを述べた。
 センターの機能は健康管理調査のほか、広島大と協力した被ばく線量モニターの開発、最新鋭の機器を使ったがん診断など。約300億円をかけ2015年度までに新しく四つの施設をつくり、約600人の態勢で取り組む。

関西電力、美浜原発1・3号機などから燃料を取り出し・保管へ

2012年11月21日(水) 08時00分

関西電力は、美浜発電所1、3号機、高浜発電所1号機、大飯発電所1号機の4プラントから計画的に装荷した燃料を取り出し、使用済燃料ピットに保管すると発表した。

4プラントでは現在、必要な検査や所定の点検が終了した後、燃料を原子炉に装荷した状態で安定的に冷却しながらプラントの保管管理を行っている。

しかし、この保管状態を維持するため、燃料を装荷していないプラントに比べ、多くの機器の運転とその制御・監視を行っている。

原子力規制委員会は今後の原発再稼働に向けては新しい安全基準を策定する予定で、当面、4プラントについては定期検査の状況が続く見通しと判断、燃料を取り出し・保管することでコスト低減を図る。

燃料取り出し後は、引き続き、これまでプラント停止中に運転してきた機器などの点検や安全性向上対策工事を実施するとしている。

【東京】

「震災・原発のあとでも、アート。」 新進芸術家4人が企画展

「震災・原発のあとでも、アート。」に参加した芸術家ら。左から3人目が勅使河原純さん=三鷹市で
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 都内で活躍する新進気鋭の芸術家四人による企画展「震災・原発のあとでも、アート。 ミタカからの視座」が、三鷹市下連雀三のスタジオR1で開か れている。東日本大震災、福島第一原発事故に心を痛めながら創作を続ける四人が、出品作品にメッセージを込めた。二十五日まで。 (梅村武史)
 企画したのは元世田谷美術館副館長で美術評論家の勅使河原純さん(64)。「今こそアートが必要」という勅使河原さんの呼びかけに若手、中堅芸術家が呼応した。
 「震災後、芸術家に何ができるのか、できないのか、葛藤を繰り返した」という中野浩二さん(35)は彫刻作品十四点を並べる。画家、門田光雅さん(32)は抽象画十点を出品。「私が抱くグレーな感覚を作品に投影した」という。
 写真家の安田豊さん(33)は家族の日常スナップを多数展示し「日々の出来事一つ一つの大切さを伝えたかった」と話す。開発好明さん(46)は、 仮設住宅を巡って収録した被災者のインタビュー映像を公開した。故郷を離れた人々が失っていく方言を記録する貴重なフィールドワークを続ける。
 勅使河原さんは「震災後一年八カ月が経過した今は心を落ち着かせて整理する時期だと思う。ここに来れば心に響く作品が必ずある」と来館を呼びかけている。
 二十四日午後六時から勅使河原さんと芸術家四人がギャラリートークを開く。入場無料。問い合わせは勅使河原さん=電0422(38)9308=へ。 

【東京】

福島・双葉町民追った映画公開 24日文京、台東で上映会

「撮影中は、人は大変なときでも寛容になれると知った」と話す舩橋さん=文京区で
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 東京のため電気をつくってきた被災地の人々は原発事故後、どんな暮らしを強いられているのか-。福島県双葉町から役場ごと避難した住民を追ったド キュメンタリー「フタバから遠く離れて」のリレー上映会が二十四日、文京区と台東区の三カ所で開かれる。原発が争点となる総選挙と都知事選が近いだけに、 主催者は少しでも多くの人に見てほしいと期待する。 (竹上順子)
 撮影したのは、文京区に住む映画監督の舩橋淳(ふなはしあつし)さん(38)。昨年三月末、放射線の影響や避難区域について国や専門家の意見がはっきりしない中、双葉町が約二百五十キロも離れた埼玉県加須市に避難すると知り、「判断に哲学を感じた」のがきっかけという。
 四月上旬から避難先の旧騎西高校に通い、避難所の暮らしや一時帰宅の様子を撮った。十二月に政府の出した事故「収束」宣言に違和感を覚え、作品の 発表を決めた。撮影したフィルムは三百時間に及び、一度は「避難所の時間をそのまま感じてほしい」と十一時間に編集したが、より多くの人に見てもらえるよ う、九十六分にまとめ上げた。
 「避難者をかわいそうという人もいるが、自分たちの使う電気が生産されていた場所。無関係じゃない」と舩橋さん。雇用の創出や交付金などで原発設 置のリスクは覆い隠されてきたが「暮らしや故郷、未来を奪われた住民の姿から、時間軸方向の事故被害に気づいてほしい」と力を込める。
 上映会は、地元の住民でつくる実行委員会が企画した。昨年末から今年二月にかけ、原発稼働の是非を問う都民投票の署名活動をした人たちが中心だ。実行委員の植松明子さん(53)=台東区=は「事故から時間がたち、忘れかけている人も多い」と意義を語った。
 当日は、今も撮影を続ける舩橋さんや、福島からの避難者も話をする。開始時間と場所は▽午後二時、台東区谷中五の谷中コミュニティーセンター(要予約)▽同五時半、文京区千駄木五の谷根千「記憶の蔵」▽同九時、同区白山五のジャズ喫茶「映画館」。
 資料代千円など。予約は「ひがし広場」ホームページから。問い合わせは、実行委員会=電050(3059)6328=へ。

鳥取県など、中国電と原発の安全協定改定 協議開始

2012/11/21 6:01
日本経済新聞 電子版

 鳥取県と米子、境港の両市は20日、中国電力と結んでいる島根原子力発電所(松江市)に関する安全協定の立地自治体並みへの改定に向け、 協議を開始した。国の原子力災害対策重点地域が原発の半径30キロ圏に拡大し、両市が圏内に含まれるためで、来年3月までの改定を目指す。ただ、中国電は 慎重な姿勢で、協議は難航が予想される。
 20日、鳥取市の鳥取県庁で1回目の協議があった。3県市側から城平守朗県危機管理局長、米…

安達・経産事務次官:政府エネ戦略目標「原発ゼロでない」

毎日新聞 2012年11月21日 東京朝刊
 経済産業省の安達健祐事務次官は20日、政府の革新的エネルギー・環境戦略について「グリーンエネル ギー拡大への政策資源投入の目標を定めたもので、原発ゼロを目標としたものではない」と発言した。同戦略は「30年代に原発をゼロにするためにあらゆる政 策を総動員する」と定めている。【中山裕司】

国民新党:TPP交渉参加「慎重に」 重要政策の骨子

毎日新聞 2012年11月21日 東京朝刊
 国民新党は20日、衆院選で掲げる重要政策の骨子を発表した。最重要課題として、郵政事業の「ユニバー サルサービスの維持向上と、地域間格差の是正」を掲げた。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について交渉参加を容認しつつ「慎重に対応」とした。原 発政策に関しては「当面の原子力利用を維持しつつ、原発への依存度を減らす」との表現となっている。
 骨子は郵政事業について「郵便、貯金、保険の一体的運営による効率の確保」のほか、パスポートの申請・交付など公益サービスの実施を掲げた。教育分野では「すべての若者に修学機会を確保する大学奨学金などの充実」を掲げた。【影山哲也】

女川原発防災重点区域 宮城県、30キロ圏に拡大


 宮城県は20日、県庁で開いた県防災会議原子力防災部会の初会合で、東北電力女 川原発(宮城県女川町、石巻市)の事故に備える県地域防災計画(原子力災害対策編)の修正案を示した。東京電力福島第1原発事故を受けた国の原子力災害対 策指針を踏まえ、防災の重点区域を半径約10キロ圏から30キロ圏に拡大した。
 避難が必要な放射線量など具体的な判断基準や被ばくに対応する医療体制は、国が決定を12月下旬に先送りしたことから盛り込まれなかった。このため修正案は課題の多い内容となった。
 県は関係自治体の意見を聴くとともに、国の対応を待ち12月下旬に最終案をまとめ、来年2月に修正版として決定する予定。30キロ圏の各自治体は同3月までに、県の計画を参考に、それぞれの地域防災計画を修正することが義務付けられる。
 重点区域設定案は図の通り。立地自治体の女川町、石巻市に加え、30キロ圏にある東松島、登米2市と、南三陸、涌谷、美里の3町が新たに重点区域に入る。
 5キロ圏は事故時の即時避難に備える区域(PAZ)、30キロ圏は放射線の測定値などを基に避難を検討する区域(UPZ)となる。
 重点区域の設定は行政区単位で行う方針で、対象人口は現在の約1万8000人から約20万8700人に大幅に増える見通し。30キロ圏に隣接する行政区を含めるかどうかは関係自治体の意見も踏まえて検討する。
 避難基準を盛り込めなかったことに関し、若生正博副知事は会合で「国の基準が明確になっていない部分もあり、なるべく早く示してほしい」と原子力規制委員会に注文を付けた。

2012年11月21日水曜日

原発再稼働問題/「周辺同意」は時代の要請だ

 原発再稼働の是非を議論する場合、どこまでを「地元」として扱い、それぞれの自治体に意見を求めるべきなのか。
 新たに原子力災害対策重点区域(原発から10~30キロ圏)に含まれることになった全国の市町村へのアンケートでは、約60%が「周辺自治体の同意も得る必要がある」と回答し、「立地自治体のみでいい」を大きく引き離した。
  原発問題での「同意権」をどの範囲まで認めるかは、ことし7月に再稼働した関西電力大飯原発(福井県)でも議論になり、結局は県と立地自治体に限られた形 になった。これまで基本的に国-県-立地市町村という枠組みに限定されてきたが、周辺市町村をないがしろにするようなことはもはやできない。
 福島第1原発事故による放射能汚染は極めて広範囲に及び、原発からの距離だけでは危険性の予測が不可能なことが証明された。
 せめて30キロ圏については、立地自治体と同様に再稼働させるかどうかの判断材料にすべきだ。より広範な住民の意見を吸い上げることが、これからの原子力にはどうしても欠かせない。裾野を広げた新たな地元同意の枠組みをつくるのは、国や県の役割だ。
 原子力災害に備え避難などを盛り込んだ防災計画を策定する重点区域はこれまで、原発から10キロ圏が目安だった。だが、国の原子力規制委員会は30キロ圏まで拡大する方針を打ち出し、全国の90市町村(21道府県)が新たに含まれることになった。
 このうち東北分は合わせて13市町村。青森県の野辺地町と宮城県の登米、東松島市、涌谷、美里、南三陸町。福島県のいわき、南相馬、田村市、小野町、葛尾、川内、飯舘村だった。
 今月、共同通信がまとめたアンケート(福島県分を除く83市町村が対象)では、過半数の47の自治体が再稼働に当たって「30キロ圏の全自治体」の同意を求めるべきだと回答した。「立地自治体のみ」は10自治体にすぎない。
 事故時の放射性物質の拡散と強制避難を考えれば、10キロも30キロも大差ない。福島第1原発事故では、30~40キロ離れた飯舘村も汚染によって全住民の避難を強いられた。
 新たに重点区域に含まれる自治体が再稼働問題での発言権を求めるのは、当然の成り行きだ。被災する可能性を抱え防災対策を求められているのに、原発問題に何の関与もできないのはおかしい。
 83市町村のうちの約70%は、各電力との安全協定締結も求めている。美里町は東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に反対する姿勢を打ち出しているが、それでも安全協定は必要との立場だ。「脱原発実現までの安全確保」が目的だという。
 安全協定を結べば相応の発言力が得られるだろう。だが、協定の有無にかかわらず、周辺自治体の意思は最終判断の要件と位置付けなくてはならない。
2012年11月21日水曜日

被災3県沿岸、医師ら1200人超減 被災や原発事故影響

 東日本大震災で大きな被害が出た岩手、宮城、福島3県の沿岸部で、病院に勤務する医師や看護師らが震災前と比べ、昨年10月時点で1200人以上減っていたことが20日、厚生労働省のまとめで分かった。
 同省は「病院が津波で流されたことや、東京電力福島第1原発の影響も含め、医師や看護師らも職を失ったり避難したりしたためと考えられる。現在は状況が回復しつつある」としている。
 厚労省が同日公表した医療施設調査と病院報告(年報)によると、3県の沿岸部にある計八つの医療圏では震災前と比べ病院が14、診療所が88の計102施設減少した。
 病院勤務の医療従事者をみると、医師数は2010年10月時点の1084.1人(常勤換算、以下同)に対し、昨年10月時点は980.0人に、看護師、准看護師数は7232.7人から6082.5人に減少した。
 東京電力福島第1原発が立地する福島県大熊町や双葉町を含む「相双医療圏」では、医師数が171.2人から81.9人と半数以下に、看護師、准看護師数も1125.8人から447.2人と震災前の約4割となった。

2012年11月21日水曜日

福島の7町村長、色紙に一言 力量不足、対応遅れ指摘


 政府の福島第1原発事故対応への評価を一言で表すと? 衆院選を前に、原発事故で全住民が避難している福島県の7町村の首長に聞き、色紙に書いてもらった。直筆の文字に込められたのは、事故から1年8カ月が過ぎても古里に戻れる日が見えない憤り、いら立ち、嘆きだった。
 お粗末。責任者不在と突き放したのは井戸川克隆双葉町長。「われわれが求めたことに具体的に反応せず、ごみ置き場(中間貯蔵施設)を造らせてくれと言う。大臣も役人も次々に交代し、このままでは双葉町は消えてしまう」と語る。
 馬場有浪江町長は無力と記した。「政府の危機管理能力のなさが緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の非公開や避難指示の遅れを招いた」と説明する。
 早急に事故収束図れ!!とペンを走らせたのは松本幸英楢葉町長で、感嘆符を二つ重ねた。「国の全ての対応が遅い。命に関わる問題だ。強いて評価するなら原子力安全・保安院を解体して原子力規制庁をつくったこと」と述べる。
 遠藤勝也富岡町長は有言不実行と書く。「中間貯蔵施設や賠償の問題が片付かないのは、民主党に官僚を使いこなす力量がなかったから。福島を置き去りに解散したことには不信と疑念しかない」と不満を漏らす。
 渡辺利綱大熊町長は怒と一文字。「理由は発生後の初期対策。避難も含めて対応が悪い。今日に至るまでの情報公開や伝達の遅れ、賠償の取り組みが遅い」とコメントを寄せた。
 松本允秀葛尾村長は五里霧中との印象を抱いた。「復興政策に具体性がない。帰村の際の放射線量の基準が示されていない。森林除染も進まない。予算もカネを付けただけで生きる使い方を示さない」とこぼす。
 興と評したのは菅野典雄飯舘村長。復興に明け暮れたことと、興した(交代した)ばかりの政権を掛けた。「若い政権で柔軟性があった。本気で向き合えばきちんと応えてくれたが、政策は机上の数字の域を出なかった」と振り返る。


◎評価30~65点「不能」の採点も

 7首長には採点もしてもらった。井戸川双葉町長は採点不能と手厳しい。「零点ではないが、評価しようがない」と言う。馬場浪江町長は30点。「評価点は仮設住宅の設備改善。あとは全て駄目」とばっさり。
 35点を付けたのは松本楢葉町長で「赤点」と素っ気ない。遠藤富岡町長、渡辺大熊町長、松本葛尾村長はいずれも40点だった。
 菅野飯舘村長はただ一人、65点と比較的高評価。「本当は50点だが、政権交代してすぐ原発事故が起きたハンディを考慮してプラス15点」と話す。

2012年11月21日水曜日

青森・東通原発:断層、来月13日から調査 同20日に評価

毎日新聞 2012年11月21日 東京朝刊
 原子力規制委員会は20日、東北電力東通原発(青森県)の敷地内にある断層が活断層かどうか、12月13、14日に現地調査すると決めた。結果は同月20日に評価する。活断層と判断されれば、耐震安全性の見直しを迫られ、再稼働が遠のく。
 現地調査は、関西電力大飯、日本原子力発電敦賀原発(いずれも福井県)に続き3例目。
 地震学が専門の島崎邦彦委員長代理と外部専門家4人による計5人の調査団を派遣する。外部専門家は、粟 田泰夫・産業技術総合研究所主任研究員▽金田平太郎・千葉大准教授▽熊木洋太・専修大教授▽佐藤比呂志・東京大地震研究所教授。南側にある複数の断層が活 断層かどうかを調べる。規制委の事務局である原子力規制庁によると、これらの断層の上に原子炉などの重要施設は建っていない。
 東北電は「地層に水が入り込んで膨張したもの」として、活断層ではないと主張している。【岡田英】

関西電力・九州電力:値上げへ 家庭・企業向け、来春にも実施

毎日新聞 2012年11月21日 東京朝刊
 関西電力は20日、26日に取締役会を開き、家庭向け電気料金の値上げを決定する方針を固めた。同日に も政府に認可申請を行い、来年4月にも実施する見通し。政府の認可を必要としない企業向けについても値上げを決める。電気料金の値上げは第2次オイル ショック後の1980年以来となる。
 一方、九州電力も20日、検討していた電気料金の値上げ申請を27日の取締役会で決めた後、瓜生(うりう)道明社長が同日中に枝野幸男経済産業相あてに申請することを決めた。
 発電電力量に占める原発の比率が約5割(10年度)と高い関電は、代替となる火力発電用の燃料費負担が大幅に膨らんでおり、12年9月中間連結決算で中間期として過去最悪となる最終(当期)損益1167億円の赤字を計上するなど、業績悪化が続いている。
 通期でも大幅な赤字計上は避けられず、政府の試算では14年3月期にも債務超過に陥る可能性が指摘されている。
 値上げ幅は家庭向けが15%程度、企業向けは20〜30%を軸に検討を進めている。社員の給与カットを含めた人件費の削減や広告宣伝費、寄付金の見直しなど経営効率化策も提示したうえで、経産省に申請する。【横山三加子、中山裕司】日立の原発輸出方針はギャンブル。成算ありや?

政権交代をみこんだ? 原発メーカーを買収した日立の思惑


2012.11.21


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今期はなん基気になる基の日立。(「日立製作所HP」より)
日立製作所がリスクの高い賭けに出た。英国の原子力発電事業会社、ホライズン・ニュークリア・パワーを買収する。買収額は6億7000万ポンド(約850 億円)。原発のプラントメーカーである日立が、原子力発電所の運営に踏み込む決断をしたのだ。だが、発電事業を担う電力会社は未定。出口なき大博打といえ る。賭けは吉と出るか、それとも凶か。  2011年3月11日の東京電力福島第1原発事故以来、国内での原発建設は完全にストップした。30年代に原発の稼動ゼロを目指す政府の方針の下 では、原発の新設は見込めない。日立は原発事業からの撤退さえ取り沙汰されていた。その矢先に海外での原発事業の拡大である。自公政権が復活して、原発が 再稼働することを見越した決定なのか。
 きっかけはドイツ政府が11年、脱原発政策にカジを切ったことだろう。ドイツ政府の方針を受け、ホライズンの親会社であるドイツの電力会社RWEと同業オーエンの2社が12年3月、全株式売却の方針を表明した。
 当初、ホライズンの買収は中国企業が有力視されていた。バックにつく中国政府の資金支援が期待できるからだ。しかし、実質的な原発の発注者である 英国政府が安全保障にかかわる問題として、中国企業(=中国政府)の手に落ちることに対して警戒感を強めた。このため中国企業は撤退した。
 そこで代わって浮上してきたのが日本勢だ。現在、世界の主な原発メーカーは6社。日立、東芝、三菱重工業と日本企業が半数を占める。日立は米ゼネラル・エレクトリック(GE)と事業を統合し、東芝は米ウェスチングハウスを傘下に収めた。
 入札に最後まで残ったのは、日立と東芝の日本企業2社だった。結果として条件交渉で高い値段を出した日立がホライズンを買収することが決まった。 独2社の株式売却の表明からわずか7カ月という短期間での交渉だったため、日立はパートナー企業を募ることができず単独での入札となった。
「エネルギー分野の新たな事業者として歓迎する」。日立のホライズン買収に英国のキャメロン首相は直ちにコメントを出した。
 10月30日、会見した日立の羽生正治執行役常務は「日立が原子力発電事業をやるわけではない。プラントメーカーとして発電所をつくる『場』が欲 しいだけ」と説明した。当初は出資比率が100%だが、5年ほどかかると想定している建設許認可取得後の原発建設時にパートナーを募る予定。最終的に出資 比率を5割未満まで引き下げる方針を示した。発電を担う電力会社を出資のパートナーと想定している。

●変わりゆく世界のエネルギー政策

話は戻るが、ホライズンはRWEとオーエンが出資。英国で原発事業を展開するために09年に設立された。英国では現在16基の原発が稼動し、全発 電電力量の約2割をまかなっているが、設備の老朽化が進んだことで新規の原発建設に向けた動きが高まっていた。これをビジネスチャンスと捉え、ドイツの2 社が英国に進出した。
 ホライズンは英国の2カ所で130万キロワット級の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を計4-6基建設する計画を進めていた。日立が今後、ホライズンの事業計画を引き継ぐ。最初の1基は、20年代前半の運転開始を目指す。日立は原発建設と稼動後の保守・管理を請け負う。
 プロジェクトの総事業費は200億ポンド(約2兆6000億円)に達するとみられている。資金調達の具体的な方法については、財務アドバイザー の、みずほフィナンシャルグループと米投資銀行エバコア・パートナーズと協議中。日本の政府系金融機関からの資金調達を検討する。羽生常務は「投資回収に は18年程度かかる見通しで、出資と融資の割合は3対7を考えている」とした。
 巨大な事業となるだけにリスクは大きい。ホライズンの親会社であるドイツの電力会社2社が撤退を決めたのは、ドイツ政府が脱原発政策に転じたのが 一因だが、「(英国政府の)財政難で短期的なリターンが得られないと判断したから」(電力担当の国内証券会社のアナリスト)だという。
 日立はプラントメーカーであり、発電を担う電力会社の参加なくしてプロジェクトは成り立たない。だが、パートナーとなってくれる電力会社を見つけるのは容易ではない。
「安価な火力発電燃料が大量に採掘できるシェールガス革命が進行中のため、米国の電力会社はリスクの高い原発ビジネスに及び腰。フランスのオランド政権は 7割以上ある原発依存度を5割に引き下げる公約を掲げた。ドイツは脱原発だ。欧米の電力会社は、よほどの利益が見込めない限り、おいそれとは手を上げない だろう」(前出のアナリスト)。東京電力が健在なら英国進出も考えられたが、総合商社にその度胸はない。 日立は20年度(21年3月期)の原子力発電事業の売上高を11年度(12年同期の1600億円)に比べて、2.3倍に相当する3600億円に増やす目 標を掲げている。ところが、日立が、受注が内定していたリトアニアでの原発建設計画が、10月末の国民投票で反対派が6割を超え、計画は凍結された。海外 での事業展開に黄色信号が灯っている。  原子力発電プラント事業は、国内、海外とも先行きは厳しい。にもかかわらず日立は大勝負に出た。業績への影響は許認可を得る5年後以降に顕在化する。勝ち負けが分かるのは、その先だ。
(文=編集部)

原発廃炉解体などレーザー開発急ぐ




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水中で照射されたレーザーで中央部が切断されたステンレスの板(敦賀市のレーザー共同研究所で)
原子炉の解体と溶融した核燃料の除去に応用できる2種類のレーザー技術の開発を、日本原子力研究開発機構のレーザー共同研究所(敦賀市木崎)が進 めている。いずれも世界初の試みで、廃炉作業中の新型転換炉「ふげん」(同市明神町)や東京電力福島第一原発での実用化を目指すという。(島田喜行)
 原子炉の解体は、放射線を遮るために冠水させ、厚さ30センチのステンレスを切断する必要があり、最難関の作業とされる。金属製のカッターでは時 間がかかり、高温のプラズマで溶かして切る方法では、切断幅が5ミリほどで溶けたかすが大量に出るため、回収に手間がかかる難点があった。
 同機構は切断幅が1~2ミリで、切る深さも精度よく調節できるレーザー光に着目。2009年に同研究所を設立し、若狭湾エネルギー研究センター(同市長谷)などとの共同開発を始めた。
 レーザーには水中で散乱する性質があるが、同研究所は、照射口の先端から高圧の空気を噴射して水中に空洞を作り、その中にレーザーを通す手法を開発。現在は厚さ6センチまでの切断に成功している。
 レーザーは光ファイバーを通じて100メートル程度先まで伝送できるため、放射線量の低い場所からの遠隔操作も可能という。同研究所は、この技術の実用化を急ぎ、ふげんの原子炉を解体する作業を23年度に始めたい考えだ。
 一方、福島第一原発の廃炉で大きな障壁になっている特殊な酸化金属をレーザー光で破砕する実験も行われている。
 核燃料を覆うジルコニウムの酸化物で、岩石のように硬い。溶融した核燃料と共に炉の底にたまっており、炉を解体する前に水中で細かく砕いて外部に取り出す必要がある。
 同研究所はレーザー光を瞬間的に一点に集中させる技術を開発。すでに、同程度の硬さの鉱物を破砕することに成功している。今年度から3年間で基礎データを集め、東電が燃料の取り出しを始める期限とする21年までに技術を確立したい意向という。
 同研究所の大道博行所長は「今後大きな課題となる原発の廃炉に、レーザーを利用できる可能性が高まっている。福島第一原発の廃炉作業にも精いっぱい貢献できるよう努力したい」と話している。
(2012年11月21日  読売新聞)
2012年11月20日 11時00分 更新

維新の原発ゼロの公約撤回は残念と菅元総理

国内 最新ニュース


 脱原発か、そうでないか、エネルギー政策への国民の思いを総選挙で問いたいとする菅直人元総理は19日、「日本維新の会が原発ゼロをめざすという公約を撤回したのは残念だ」とした。 菅元総理は脱原発推進のための環境整備に「送電網の整備、発送電の分離、電力会社からの原発部門の切り離し、核廃棄物をこれ以上増やさないで無害化するためのバックエンドを担う組織を再構築することが必要」としている

電気自動車が全焼 伊方原発内




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全焼した電気自動車(20日午前10時36分、伊方町の四国電力伊方原発で)
20日午前9時頃、伊方町の四国電力伊方原子力発電所の敷地内の路上で、走行していた電気自動車から出火し、全焼した。運転していた男性社員(49)にけがはなかった。現場は同原発2号機から南に約600メートル離れており、施設への影響はないという。
 四電によると、社員が守衛所で行われているゲート交換工事に立ち会うために向かおうとしていたところ、焦げ臭い臭いがしてモーターが止まったた め、下り坂を約100メートル戻った広場に停車。まもなくバッテリーがある助手席の下から煙と炎が上がったという。四電の自衛消防隊が出動して放水し、 25分後に消し止めた。
 電気自動車はインドから輸入された2人乗りで、全長2・6メートル、幅1・3メートル、高さ1・5メートル。原発構内の移動用で、約2か月ぶりに使ったという。八幡浜署などは電気系統の不具合の可能性があるとして調べている。
(2012年11月21日  読売新聞)

立地自治体並み4項目要望 県と米子・境港市、中電にヘルプ

島根原発(松江市)の安全協定改定に関する協議会が20日、県庁で初めて開かれ、県と米子、境港両市は、立地自治体と同様に立ち入り調査など4項 目を認めるよう中国電力に求めた。同電力島根原子力本部の長谷川千晃副本部長は「自治体の思いを受け止め、社内でしっかり検討したい。来年3月までに一定 の結論を出したい」とした。
 島根側には現在、立ち入り調査をはじめ、▽原発の増設に関する事前了解▽核物質の輸送日時や経路等の詳細な情報の提供▽立ち入り調査の結果、適切な措置を求めることができる――の4項目が認められている。
 協議会で同電力は、津波対策として発電所構内全域を高さ15メートルの防波壁で囲むなど安全対策を講じているなどと説明。防災業務計画の改定なども行っており、県が策定する地域防災計画と整合性を図ることなども確認した。
 県は「再稼働や稼働については、周辺住民の意見を聞いてほしい」と要望。長谷川副本部長は「思いは承知している。真摯(しんし)に対応したい」と答えた。
(2012年11月21日  読売新聞)

川内原発免震重要棟建設へボーリング調査




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川内原発敷地内で始まったボーリング調査
九州電力は20日、薩摩川内市の川内原子力発電所で、重大な事故が発生した時の指揮所となる「免震重要棟」の建設に向けたボーリング調査を始めた。来年9月までに地盤の強度などを調べて建設場所を決め、2015年度の運用開始を目指す。
 同棟は、東京電力福島第一原発事故を受け、九電が原発の安全性・信頼性向上対策として7月、佐賀県玄海町の玄海原発とともに新設を発表していた。 放射線防護機能を備えた鉄筋コンクリート3階建てで、延べ床面積は約6000平方メートル。非常用の発電機や蓄電池を装備し、全電源喪失時でも復旧作業が できるという。
 調査は川内原発1号機の南東の高台約40か所(海抜13~75メートル)で実施する。20日は海抜40メートルの地点に高さ約8メートルのやぐらが組まれ、掘削作業が始まった。
 九電は予備変圧器の高台への移設も計画しており、移設先選定のボーリング調査も合わせて行うという。
(2012年11月21日  読売新聞)

【滋賀】

知事、衆院選「原発最大の争点に」と訴え

 嘉田由紀子知事は二十日の定例会見で、衆院解散で事実上始まった今回の衆院選は「安全神話」が崩れた福島原発事故後、初の国政選挙であることを強調し、「原発問題を最大の争点にしてもらいたい」と訴えた。
 嘉田知事は福島事故で、安全をないがしろにする「原子力ムラ」と、電力供給体制を含めた原発の利権構造が明らかになったと指摘。「次の原発事故が 起きたら国際的にも倫理的にも日本の存在感がなくなる」と主張。大事故を起こした国家として原発政策に毅然(きぜん)とした態度を示すことが不可欠とした 上で、嘉田知事は「原発問題を国政の最重要課題に」と訴えた。
 福井県の原発で事故が起こり、関西府県に水を供給する琵琶湖に放射性物質が降り注げばパニックになることを心配し、「国政政党に訴えていきたい」と力を込めた。
 関西電力大飯原発の再稼働問題で共に、安全性の担保を国や関電に迫った橋下徹大阪市長の日本維新の会の政策から、太陽の党との合流で「脱原発」の文言が消えたことには「急に後退した。仲間を失った感じがする」と残念がった。
 衆院選では、特定政党を応援しない方針の嘉田知事だが、民主政権が「国出先機関の事務・権限の移譲に関する特例法案」を閣議決定し、改革を進めた ことなどは評価。子育てを社会で支える理念にも「一歩、二歩踏み込んでもらった」と述べる一方、「ダム問題は中途半端だった、やめるなら、しっかり戦略を 持ってほしい。次の一歩に期待したい」とも語った。
 (梅田歳晴)

【滋賀】

<衆院選>県内各地の情勢-2区-

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 2区に含まれる湖東地域は民主前職の地盤。長年の政治経験があり知名度の高い民主前職に、自民元職、共産とみんなの党の両新人が攻勢をかける。民 主前職は党への向かい風から、いかに個人支持票を固められるか。第三極の新人の参戦で、支持なし層や前回衆院選で離れた「自民支持」層の票がどう動くかが 焦点となる。
 〇五年の郵政選挙の自民追い風の下でも六万七千票を手堅く得た民主前職の田島一成さん(50)。国政転出前は彦根市議を二期、県議を一期務め、同 市を中心に持っている根強い支持層を固めていく。衆院解散の十六日には、今選挙に向け「政治家として自分自身の覚悟を問い、それを支持してもらえるかどう かの戦い」と決意を語った。
 政権で環境副大臣を務めた時に、半世紀以上手付かずだった水俣病被害者救済に着手したことなどを実績として訴える。十九日の駅立ちでは「粉骨砕身努力してきた二十二年間の政治生活。日本の国民生活のために努力を続ける覚悟」と強調した。
 自民元職の上野賢一郎さん(47)は、1区から出馬した前回選挙では民主前職の川端達夫さん(67)さんに及ばなかったものの、〇五年の郵政選挙では九万四千票を獲得して川端さんを破った経緯がある。
 1区から、出身地の2区にくら替えした今回、党の県議十人の全面支援を背景に自民支持者や保守層の票固めを急ぐ。日課のつじ立ちに加え、小まめに 地域イベントに顔を出し、「地元の上野」を強調。県議や自民系市議の紹介で、企業や団体へのあいさつ回りも精力的にしてきた。「金融緩和による経済と外交 立て直しを訴え、違いを明確にする」と力を込める。
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 共産は、元県立高校職員の中川睦子さん(54)が、反原発や環太平洋連携協定(TPP)参加と消費増税の反対を訴え、住民の暮らしや安全に関わる 問題を争点に挑む。福井県の原発から近く、高齢化も進む中、住民の不安感の受け皿となることで、陣営は支持の広がりを期待する。
 「消費増税はとんでもない。原発をなくして子どもたちの未来を守りたい。これが地域の声」。十八日の街頭演説では、こう声を張り上げた。解散後は地元での街宣や街頭演説、支援者訪問を繰り返している。
 自民、民主、共産の争いに、第三極のみんなの党も加わる。元環境省技官の世一(よいち)良幸さん(52)は、地盤がなく街頭演説が中心だが、陣営幹部を務めるかつての新党さきがけ支持者の人脈や、中学・高校時代の同級生を頼りにあいさつ回りをこなしてきた。
 消費増税反対と脱原発、脱官僚を掲げて「みんなの党はしがらみがなく、実行力がある」と主張。一方で、日本維新の会との連携も口にし「民主はばらまき、自民は公共事業頼り」と、第三極に期待する支持なし層の取り込みを狙う。

重電3社の電力事業が復調 原発代替、火力の引き合い急増 (1/2ページ)

2012.11.21 05:00

日立製作所は今月、扇島パワーが15年度に稼働させる火力発電の新設工事を受注した。写真は2号機=横浜市鶴見区
日立製作所は今月、扇島パワーが15年度に稼働させる火力発電の新設工事を受注した。写真は2号機=横浜市鶴見区【拡大】
 大手重電3社の電力事業の業績が回復しつつある。2013年3月期の電力事業の営業損益見通しは全社そろって上方修 正。東京電力福島第1原発事故で原発関連の収支が厳しい半面、それを補うためにフル稼働する火力発電のメンテナンス需要が急増しているためだ。原発代替で 火力発電の新設が相次ぎ、先行きの受注も底堅い。ただ、電力会社の業績悪化を背景に入札時の価格競争が激化するなど逆風も吹く。安定した収益を上げるため の基盤づくりをいかに強化できるかが鍵を握っている。
東芝は9月中間決算に合わせて、電力関連事業の13年3月期の売上高と営業利益予想を従来見通しから上方修正した。火力発電向けのタービンの販売が好調なためで「下期も好調を見込む」(久保誠専務)という。
  日立も電力部門の売上高と営業利益を上方修正。前期は欧州での火力発電向けタービン材の不具合に伴う費用計上で営業赤字に転落したが、中村豊明副社長は 「収益管理を徹底した結果、安定した事業になってきた」と話す。三菱重工もガスタービンの受注が好調で、営業利益を増額修正した。
 重電3 社はいずれも、当面は国内の老朽火力発電の補修事業などに加え、今後は国内外での引き合いが急増する新設需要の取り込みを急ぐ。日立は今月、扇島パワー (横浜市)が15年度に稼働させる火力発電の新設工事を受注し、三菱重工も当面の受注が1兆円を超えるなど、今後の成長力は備えている。

 一方で、電力事業をめぐる世界のライバルとの市場争奪戦は激しさを増すばかり。米ゼネラル・エレクトリック(GE)は東芝と組んで、中部電力から高効率のガス発電設備を受注したほか、独シーメンスは沖縄電力からガスタービンを受注した。

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