2012年11月22日木曜日

2012/11/22

 

原発事故の避難基準 本格検討
11月22日 14時57分

原発事故が起きた際、どのような場合に住民の避難やヨウ素剤の服用を国が指示するのか、原子力規制委員会の基準づくりが22日から本格的に始まりました。
原発事故が起きた際の避難の指示は、去年3月の福島第一原発の事故までは、予測される住民の被ばく線量などをもとに判断することになっていましたが、予測システムが機能せず、避難が混乱しました。
これを受けて、原子力規制委員会は、被ばくを避けるのに重要な避難の指示を確実に実施するための判断基準を新たに作る方針で、22日から外部の専門家による検討チームで本格的な議論を始めました。
22日は住民の避難や甲状腺の被ばくを防ぐためのヨウ素剤の服用の指示が取り上げられ、検討チームは、IAEA=国際原子力機関が定めた基準を参考に、原子炉の状態や実際に計測された放射線量などをもとに日本独自の判断基準を作る方針を確認しました。
福島第一原発の事故では地震や津波との複合災害で放射線量の計測が十分にできなかったことから、外部の専門家からは「モニタリングに加えて予測システムも活用すべきではないか」といった意見も出されました。
検討チームでは、年内をめどに、避難などの判断基準を決めて、各自治体が来年3月までにまとめる避難計画づくりなどに生かしてもらうことにしています。

「石原さんと改革を」「脱原発と言ったのに…」 新生維新に有権者賛否

2012.11.22 14:08
 与野党からの野合批判にさらされる新生「日本維新の会」。大阪府内で維新代表代行の橋下徹大阪市長の街頭演説を聞いた有権者からは賛否の声が聞かれた。
  「大都市をマネジメントしてきた橋下さんと石原(慎太郎)さんが協力して改革を進めてほしい」。同府八尾市の会社員の男性(42)は、原発政策などをめぐ る維新と太陽の党の姿勢の違いについては「橋下さんが『基本は一致している』と言っているのだから気にならない」と話した。
 一方、同府松 原市の主婦(31)は2030年までの原発ゼロを取り下げた橋下氏に落胆した様子。「春先には脱原発依存で民主党政権を倒閣するとまで言っていたのに…」 と述べ、「言葉の上で政策を一致させたように装っても、現実の政治に取り組めばバラバラになる」と批判。東大阪市の主婦、吉井万美子さん(75)も「代表 の石原さんに遠慮して橋下さんの意思が貫けない場面がでてくるかもしれない」と懸念した。
 産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が17、18両日に行った合同世論調査では、合併を「評価しない」が47・1%で、「評価する」の45・9%をわずかに上回った。

原発40万人避難計画資料に誤り 島根県が訂正

2012.11.22 14:37
 島根県は22日、中国電力島根原発(松江市)から30キロ圏内にいる約40万人の県外避難先などをまとめた計画の資料に誤りがあったとして、訂正した。
 誤りがあったのは、21日に発表した住民の避難先の地図で、本来なら松江市の避難先となる広島県福山市の一部と尾道市の因島などが、島根県雲南市の避難先として示されていた。
 県原子力安全対策課は「確認ミス。今後は確認を徹底させたい」としている。

増税撤回、原発ゼロを 社民、政権公約発表

2012.11.22 14:16
 社民党は22日、衆院選政権公約を発表した。基本姿勢に「命を大切にする政治」を掲げ、原発ゼロや、消費税増税の撤回、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加反対を柱に据えた。
 憲法に関し「平和憲法を変えさせない」として改正反対の立場を強調。東日本大震災からの復興で生活、雇用の再建を重視する姿勢を打ち出したほか、衆院議員定数削減をめぐっては、現行制度での比例定数削減に「反対」と明記した。
 自民党について「野党になったことへの反省がなく、再び構造改革と右傾化を強めている」と指摘。日本維新の会など第三極にも「政策抜きに離合集散しているが、タカ派志向は自民党以上だ」と言及した。
2012年11月22日11時38分

「最大地震はM10と推定」 地震学者、予知連で報告


 【瀬川茂子】東日本大震災を起こしたマグニチュード(M)9の地震の30倍のエネルギーを出すM10の巨大地震も起こりうる。こんな推定を、東北大の松 澤暢(とおる)教授が21日の地震予知連絡会で報告した。日本でM9級の地震発生を想定していなかった反省から、科学的に起こりうる最大を考え、想定外へ の対応につなげるのが目的という。
 過去に世界で観測された最大は1960年のチリ地震で長さ1千キロの断層がずれたM9.5だ。松澤教授はさらに大きい断層がずれることを考え、理論上は M10もありうると推定した。もしM10の地震が発生すれば、地下の破壊は20分から1時間も続き、揺れがおさまる前に津波が到達するおそれがある。日本 海溝から千島・カムチャツカ海溝までの3千キロ全部、60メートルずれ動くとするとM10になる。
 また、M11の地震エネルギーは、恐竜絶滅の原因となった小惑星衝突のエネルギーに匹敵、断層の長さが2万キロ以上にもなり、「考えなくてもよい」とした。

都知事選:政党 支持の分かれ目は原発へのスタンス

毎日新聞 2012年11月22日 13時20分
 東京都知事選(12月16日投開票)の告示まであと1週間。9人が立候補を表明したが、政党の支持は前 日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(65)と都副知事の猪瀬直樹氏(66)に集中している。宇都宮氏には保守本流の道を歩んできた小沢一郎氏(70)が 率いる国民の生活が第一(生活)と共産、社民両党が相乗り。支持の分かれ目は原発へのスタンスで、衆院選前の離合集散で違いが見えにくい各党の政策が、都 知事選でくっきり色分けされた。【夫彰子、清水健二】
 宇都宮氏の支持を決めたのは▽生活▽共産▽社民。猪瀬氏支持は▽自民▽公明▽日本維新の会▽みんなの 党。宇都宮氏側の3党はいずれも目標時期を定めた「原発ゼロ」を公約にするが、猪瀬氏側の4党はそこまで踏み込んだ脱原発を打ち出していない。「30年代 に原発ゼロ」を掲げる民主党は自主投票になる公算が大きい。
 関係者によると、共産、社民両党との相乗りは生活内でも異論が出た。しかし、原子力政策で隔たりがあった日本維新の会と太陽の党が合流したのを受け、小沢氏自ら「第三極が野合しているような政治状況の中、脱原発派がバラバラでは話にならない」と主張したという。
 宇都宮氏の元には都議会に議席を持つ地域政党「東京・生活者ネットワーク」や政治団体「緑の党」など、脱原発を訴える勢力も結集しつつある。民主を離党し「みどりの風」に合流した初鹿明博前衆院議員(東京16区)も22日の宇都宮氏の事務所開きに出席予定という。
 一方、猪瀬氏は出馬表明した21日の記者会見で、再生可能エネルギーの利用促進などを唱えつつ原発の是非を明言しなかった。都選出の自民党国会議員は「原発がない東京の知事選の争点にはふさわしくない」と話す。
 山梨学院大の江藤俊昭教授(地方政治論)は「政党がイデオロギーの違いを超え、重要政策で一致・協力す るのは意義のある動きだ。東日本大震災以降、エネルギー政策は選挙の重要な争点。逆に都知事選から衆院選へ向け『原発問題は大事だ』というメッセージにも なるのではないか」と話している。

原発事故の事前対策検討チームが初会合 住民避難やヨウ素剤服用の新基準を議論

2012.11.22 11:25
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は22日、原発事故時の住民避難や、甲状腺被曝(ひばく)を防ぐ安定ヨウ素剤の服用についての新基準を議論す る検討チームの初会合を開いた。年内に取りまとめ、来年1月までに原子力防災の枠組みを定めた「原子力災害対策指針」に反映させる。
 会合では、時間的な尺度から緊急事態を3段階程度に分けて対策を講じることなどが議題となった。放射性物質が放出される前に緊急事態を察知し、対策を講じ始めることが重要との視点からだ。
 また、複数の放射性物質拡散予測シミュレーションを参考に事前対策を検討することの必要性なども議論した。検討チームが取りまとめた内容は、自治体がヨウ素剤の配布範囲や避難計画を策定する際に参考にする。

社民党:衆院選の選挙公約を発表 原発は「直ちにゼロ」に

毎日新聞 2012年11月22日 11時35分(最終更新 11月22日 12時47分)




社民党の福島瑞穂党首=藤井太郎撮影
社民党の福島瑞穂党首=藤井太郎撮影

社民党の福島瑞穂党首は22日午前、党本部で記者会見し、衆院選の選挙公約を発表した。国内の原発の稼働を「直ちにゼロ」にし、新増設を白紙撤回すると明記。核燃料サイクル計画からの撤退や「脱原発基本法」の制定などで「原発ゼロ社会の実現」を掲げた。
 消費増税の撤回実現のため「消費税増税法廃止法案」の制定も主張。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉参加も「断固反対」とした。「平和憲法は変えさせない」と護憲の立場を強調した。
 外交・安全保障では、新型輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備反対▽普天間飛行場の県外か国外移設による即時閉鎖、返還▽日米地位協定の全面改定−−などを盛り込んだ。
 日本維新の会など「第三極」については「政策抜きに離合集散しているが、構造改革とタカ派志向は自民党 以上」と批判した。福島氏は会見で「格差是正、脱原発、憲法で対立軸を示せるのは社民党だ」と強調。候補擁立目標を小選挙区と比例で計30以上とし「議席 増を図る」と述べた。【佐藤丈一】

衆院選:脱原発デモ、参加者に聞く 「顔」より考えの合う人

2012年11月22日
 昨年3月の福島第1原発事故以来、関心が高まる原発政策。各党とも震災前の原発政策の見直しを進めてお り、今回の衆院選でも大きな争点となりそうだ。脱原発を求める市民は、何を基準に選択するのか。盛岡市で行われた脱原発デモの参加者と一緒に歩きながら話 を聞いた。【山中章子】

 ◇「推進派を勝たせたくない」

 ◇「廃止は大前提、他の政策で」

「げーんぱーつ、はーんたい、さいかどー、はーんたい」
 衆議院が解散された16日の午後6時半、シュプレヒコールが寒空に響いた。主催者の掛け声に続き、60人あまりの参加者が、タンバリンなどの楽器を鳴らし、「脱原発」と書いた風船やうちわを掲げて歩き出した。
 同市紺屋町の東北電力岩手支店前にさしかかると、男性が拡声機で「すべての人が幸せに暮らせるエネル ギーを作ることが使命ではないでしょうか!」と呼びかけ、シュプレヒコールもひときわ大きくなった。仕事が終わってから参加する人もいて、約40分後に コースを歩き終わった時は83人になっていた。
 デモの発起人で、生後8カ月の赤ちゃんをおぶい、3歳と8歳の子どもと一緒に先頭を歩く同市の主婦、高 屋敷真琴さん(34)は、以前は特別原発に関心はなかったが、事故後、俳優の山本太郎さんの発言などから、原発の危険性を知ったという。「事故の被害の大 きさはもちろん、無害になるまで何万年もかかると言われる使用済み核燃料の処分方法も問題。どうしてそんなものを作るのか」。これまで投票先を選ぶ基準は 「顔」だったが、「今回は各候補者の事務所に電話して、一番考えが合う人を探す」という。
 寒さを紛らすため、水筒に入れた熱かんを飲みながら歩いた同市の小売業、小島進さん(61)はデモに参 加する理由を「ざんげだね」とつぶやく。「僕らは無尽蔵にエネルギーを使い、本当の豊かさに気づかず高度経済成長を走ってきた。衆院選では、この構造を 作ってきた官僚組織を壊すことだけを期待している」。福島県出身で盛岡市内の会社に勤める女性(29)は「自民党はだめで、民主党も信用できない。ただ原 発推進派を勝たせないために、最も良い投票先を考えたい」と話す。
 「選挙より、デモの方が原発を止める力がある」と信じる参加者もいる。20代の男性会社員は「選挙に行 くより、デモをする方がよっぽどアピールできる」ときっぱり。毎週、岩泉町からデモに参加する畜産加工業、穴田光宏さん(41)も「電力が足りないと言わ れながら、再稼働を阻止できたのはデモの力」とし、「原発はもはや争点ではなく、投票するのに原発廃止は大前提。むしろ他の政策で選びたい」と話した。

 ◇小選挙区で擁立の5党、立場の違い不鮮明

各政党はウェブサイトなどで原発政策を明らかにしているが、県内の小選挙区で候補擁立を決めている5党でも、立場の違いは必ずしも明確でない。
 民主は「2030年代に原発ゼロが可能となるようあらゆる政策資源を投入する」とし、政府の「革新的エネルギー・環境戦略」でも「原発の新設・増設は行わない」などの原則を設けた。一方で大間原発(青森県)の建設再開を容認し、矛盾が指摘されている。
 自民は「再稼働は安全第一の原則の下、すべての原発で3年以内の結論を目指す」とする。「10年以内に新たなエネルギーの安定供給構造を構築する」としているが、「先送り」との批判もある。
 国民の生活が第一は「エネルギー政策の大転換」を掲げ「10年後をめどにすべての原発を廃止」と表明。共産は「即時原発ゼロの実現を図る」とし、原発の輸出禁止も打ち出す。社民は「2020年までに原発ゼロ、2050年には自然エネルギー100%に」と掲げている。

社民が衆院選公約 原発即時停止・増税撤回

2012/11/22 12:36

 社民党の福島瑞穂党首は22日午前、党本部で記者会見し、衆院選公約を発表した。原発の即時稼働停止と新増設の白紙撤回を主張。2050 年の電源構成として再生可能エネルギー100%を掲げた。「消費税増税法廃止法案」を制定して増税撤回を求めるとともに、環太平洋経済連携協定(TPP) への参加に「断固反対」と明記した。
 福島党首は「脱原発、反消費増税、反TPPの『第四極』の要として頑張りたい」と述べた。これらの政策をめぐり、国民の生活が第一など他党とも「緩やかな連携を取りたい」との考えを示した。10年参院選まで使用していた「マニフェスト」の呼称は今回の衆院選からやめた。
 公約ではこのほか、沖縄の米軍普天間基地への垂直離着陸輸送機オスプレイの配備や、集団的自衛権の行使を可能とするための憲法解釈の変更に 反対する姿勢を強調。「平和憲法は変えさせない」として護憲の立場を明確にした。地方消費税の拡充や、所得税の最高税率引き上げも明記。法人税率の引き下 げに反対し、最低賃金の引き上げを訴えた。

生活や社民、共同戦線 反消費増税・脱原発・反TPP
埋没に危機感

2012/11/22付
日本経済新聞 朝刊

 12月16日投開票の衆院選に向け、「第三極」の政党間の合従連衡が活発になっている。小沢一郎代表率いる「国民の生活が第一」は反消費 増税、脱原発、反環太平洋経済連携協定(TPP)の3点セットを旗印に掲げ、減税日本や社民党などと連携に乗り出した。選挙協力を進める日本維新の会とみ んなの党の連合に対抗し、第三極内で存在感を高めたい考えだ。
 「脱原発を推進する候補者を選んでほしい。そのチームによる政権も考え…

原子力規制委:原発事故の初動、3段階で避難準備など検討

毎日新聞 2012年11月22日 11時48分(最終更新 11月22日 12時58分)
 原子力事故の防災対策を話し合う原子力規制委員会の検討チームは22日初会合を開き、原子力施設の事故 進展状況や周辺の放射線レベルに応じ、3段階に分けて住民避難などの初動対応をする「緊急事態区分」の導入について検討を始めた。年内に取りまとめ、原子 力防災の枠組みを定めた「原子力災害対策指針」に反映させる。事故が長期化した場合の区分設定などについても、今後検討する。
 規制委によると、緊急事態区分は、区分1(情報収集など避難に備える段階)▽区分2(避難や安定ヨウ素剤服用について、準備に着手する段階)▽区分3(実際に避難・服用する段階)−−とする。
 規制委は先月策定した原子力災害対策指針で、原子力施設から5キロ圏の「予防防護措置区域」(PAZ) と、30キロ圏の「緊急防護措置区域」(UPZ)を設定。区分1では、PAZ、UPZとも避難などに備える。さらに、PAZについては区分2で避難・屋内 退避とヨウ素剤服用を準備し、区分3では、これらを実行する。UPZでは、区分2で屋内退避を準備し、区分3で実施する。区分の基準となる放射線レベルに ついて国際原子力機関(IAEA)の基準を参考に決める。【中西拓司、岡田英】

原発再稼働「規制委が判断」=自民の選挙公約批判-枝野経産相

枝野幸男経済産業相は22日の閣議後記者会見で、全ての原発について再稼働の可否を3年以内に判断するとした自民党の衆院選公約について、「いつまでに 再稼働の結論を出すのかを示すのは、政治から独立して判断する原子力規制委員会の趣旨に矛盾している」と指摘した上で、「自民党が強く主張した規制委の独 立性について理解していない」と批判した。
 原発依存度など中長期的なエネルギー政策を10年以内に確立するとした点についても「なぜ10年かかるのか意味不明だ。目標を定めないのは、逃げているとしか思えない」と非難した。 (2012/11/22-11:52)

3県またぎ1500施設/原発避難計画

2012年11月22日
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◆住民、遠方に「不安」も◆

 島根原発で事故が起きた場合に、松江市など4市の約39万6千人が県内外に避難する県の広域避難計画が21日、公表された。避難先での生活の場となる施設や避難所運営面などでの連携は、避難先の自治体とさらに詰める。課題や問題は、なお山積している。

 計画では、住民は自家用車やバスで避難先の市町村が指定した「避難経由所」に向かい、当面の生活の場となる避難施設に移る。施設は島根、広島、岡山県で1500カ所に上る見込みで、年度内にまとめる地域防災計画に具体的に示すという。

 県原子力安全対策課の若槻真二・避難対策室長は「まずは行き先を決めて一歩踏み出したという状態。課題は多く、輸送手段も最も大きな課題の一つとして検討していく」とした。

 原発が立地する松江市は、鹿島町が大田市、島根町は奥出雲町、美保関町は岡山県倉敷市、宍道町は広島県福山市など、全市民約20万6千人は県内外の29市町に分散される。小川真・防災安全部長は「市の行政機能をどう確保するか」と話した。

 周辺3市も課題を示した。出雲市の長岡秀人市長は「市は避難と共に、市内の30キロ圏外への受け入れも予定しており、しっかりと準備する。市民は自分のこととして考えてほしい」。

 雲南市の斉藤雅孝・統括危機管理監は「実効性ある計画には、住民への周知や職員がどう動くかが重要。訓練などで体制をつくる」と述べた。 安来市の松本城太郎・統括危機管理監は「避難先に受け入れてもらうには、住民のスクリーニング(放射線量検査)が必要。体制づくりが大きな課題」とした。

 一方、避難する住民は不安を口にした。広島県尾道市が避難先とされた、松江市古志原地区の勝部加代さん(70)は自宅近くで二つのグルー プホームを経営する。「18人の命を預かるが認知症、寝たきりの入居者を連れての避難は難しい。環境変化も認知症によくない」と言い切る。遠距離から通う 職員もおり一緒に避難できるかは不明だ。

 出雲市今市町で飲食店を営む樋野晴久さん(59)は、広島県廿日市市へ避難することになる。自宅兼店舗で母親(85)を介護していて「遠 くまで避難し、体育館のような避難所に母親を連れて行くのは無理。自宅に残るという選択をしなければならないかもしれない。娘夫婦と孫は確実に避難させた い」と話した。

 広域避難先と避難ルートは県原子力安全対策課のホームページ(http://www.pref.shimane.lg.jp/genan/)で見られる。(藤家秀一、岡田和彦、斉藤智子)

原発稼働「直ちにゼロ」=社民が選挙公約発表【12衆院選】

社民党の福島瑞穂党首は22日、党本部で記者会見し、衆院選の「選挙公約」を発表した。公約は「原発稼働を直ちにゼロとする」と明記。消費増税の撤回、 環太平洋連携協定(TPP)参加反対を掲げた。また、憲法改正に反対するとともに、自衛隊に関しては「必要最小限の水準に改編・縮小する」とした。
 同党は2010年の参院選で「マニフェスト」(政権公約)という表現を使ったが、福島氏は会見で、今回使用しなかったことについて「マニフェストと言う言葉は、うそつきと同義語になりつつある」と説明した。 (2012/11/22-12:05)

社民党、増税撤回や原発ゼロが柱

2012年 11月 22日 11:50 JST
 社民党は22日、衆院選政権公約を発表した。基本姿勢に「命を大切にする政治」を掲げ、原発ゼロや、消費税増税の撤回、環太平洋連携協定(TPP)参加反対を柱に据えた。憲法に関し「平和憲法を変えさせない」として改正反対の立場を強調。東日本大震災からの復興で生活、雇用の再建を重視する姿勢を打ち出したほか、衆院議員定数削減をめぐっては、現行制度での比例定数削減に「反対」と明記した。
2012年11月22日

【949回】 放射線治療の現状
抗がん剤の止めどき・その13

筆者 長尾和宏

がんの三大治療のひとつにあげられながら、
馴染みが薄いのが、「放射線治療」です。
日本においては、手術や抗がん剤に比べて
放射線治療の位置が低いように感じます。
がんの治療に放射線を使う患者さんの割合は、
アメリカでは60%ですが、日本では25%です。
利用率に実に2倍以上の開きがあります。
何故でしょうか?
まず、いきなり放射線科に行く診療システムがない。
他の診療科で作成した紹介状を持って
放射線科を受診する方が大半。
その放射線科の中身です。
放射線科の医師の仕事は、画像診断(CTやMRIを読影する仕事)と
放射線治療に分かれます。
内科と外科では仕事が全く違うように、
放射線科のなかでも、「診断」と「治療」では
放射線科といえども全く別の領域なのです。
日本の医学部の放射線科教授の8割は画像診断で、

放射線治療を専門とする教授は少数です。
従って、医学教育も放射線治療医の養成もまったく不充分なのです。
日本には26万人の医師がいますが、
放射線治療専門医は、たった617人。
(2009年8月)。医師400人に1人の割合です。
2人に1人ががんになり、3大治療を受ける時代であるのに、
非常にお寒い数字です。
80余の医学部のうち、放射線治療の講座を持つ医学部は、
たった12校しかありません。
医学部6年間で放射線治療について習うのは、平均300分程度で、
医師国家試験にも放射線治療ほとんど出題されません。
さらに放射線治療機器は数億円単位となり初期投資は莫大です。
放射線治療機器は高価ですが、それを担当する
医師の診療報酬は驚くべき低さです。
器械は高価ですが、それを操作する医師の時給は、最低レベル。
その結果、放射線治療医を目指す医師は極少数となります。
やはり、医者も人の子。
「儲かる」診療科がどうしても人気があります。
世界の人口は65億人です。
その2%にも満たない日本で、全世界の抗がん剤使用量の20%以上が使われている。
日本のがん医療が、いかに抗がん剤に偏っているか・・・
いいも悪いも、それが現実なのです。
(続く)
【PS】
今日は、朝日カルチャーセンター(中之島教室)で講演します。
朝日新聞関連では、1カ月前にも講演させて頂きました。
2カ月連続の朝日新聞社とのご縁です。
どうせ死ぬならがんがいいか?認知症がいいか?
最後に質問させていただきます。
日曜日のお医者さんへの講演会では7:3でした。

筆者プロフィール

長尾さん顔写真
長尾和宏(ながお・かずひろ)
1958年、香川県生まれ。1984年に東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。阪神大震災をきっかけに、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを 開業、院長をしています。最初は商店街にある10坪程度の小さな診療所でした。現在は、私を含め計7人の医師が365日24時間態勢で外来診療と在宅医療 に励んでいます。趣味はゴルフと音楽。著書に「町医者力」「パンドラの箱を開けよう」(いずれも、エピック)などがあります。ツイッターでもつぶやいています。
  • 長尾和宏さんの主な著書

    規制委、原発緊急事態を3区分に 避難基準を検討

     原子力規制委員会(田中俊一委員長)は22日、原発事故時の住民避難や、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の服用についての新基準を議論する検討チームの初会合を開いた。避難の目安とするため事故の深刻度に応じて緊急事態を三つに区分する案を示した。
     案によると、緊急事態の初期段階では、情報収集を急ぎ、次の段階で避難の準備を整える。最終段階では、原発の半径5キロ圏は避難やヨウ素剤の服用を実施し、半径30キロ圏は屋内退避を始める。
     新基準は年内に取りまとめ、来年1月までに原子力防災の枠組みを定めた「原子力災害対策指針」に反映させる。
    2012/11/22 12:21   【共同通信

 

原発の敷地内、インドから輸入の電気自動車全焼




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伊方町の四国電力伊方原発の敷地内で全焼した電気自動車
20日午前9時頃、愛媛県伊方町の四国電力伊方原子力発電所の敷地内の路上で、走行していた電気自動車から出火し、全焼した。
 運転していた男性社員(49)にけがはなかった。現場は同原発2号機から南に約600メートル離れており、施設への影響はないという。
 四電によると、社員が守衛所で行われているゲート交換工事に立ち会うために向かおうとしていたところ、焦げ臭い臭いがしてモーターが止まったた め、下り坂を約100メートル戻った広場に停車。まもなくバッテリーがある助手席の下から煙と炎が上がったという。四電の自衛消防隊が出動して放水し、 25分後に消し止めた。
 電気自動車はインドから輸入された2人乗りで、全長2・6メートル、幅1・3メートル、高さ1・5メートル。原発構内の移動用で、約2か月ぶりに使ったという。八幡浜署などは電気系統の不具合の可能性があるとして調べている。
(2012年11月22日08時04分  読売新聞)
2012年11月22日5時0分

無料検診、原発作業員の3.7% 収束宣言後打ち切り


 【青木美希】東京電力福島第一原発で原発事故から今年9月までに働いた2万4118人のうち、国と東電のがん検診制度を無料で受けられるのは904人で 全体の3.7%にとどまることがわかった。国と東電が、50ミリシーベルト超の放射線を昨年12月の野田政権による事故収束宣言までに浴びた場合に限る、 と期限を切ったからだ。東電は「不安に思う作業員から相談は受ける」という。相談窓口は鈴木正勇弁護士で、電話03・3597・0741。
 収束宣言が出たとはいえ、福島第一原発では高線量下での作業が続く。例えば、9月にも24人が積算50ミリシーベルトを超えたが、特別措置対象の東電社員2人をのぞく22人は、無料のがん検診を受けられない。
 厚生労働省は福島第一原発の作業員を「緊急作業に従事する作業者」とし、うち100ミリシーベルトを超える放射線を浴びた人は、生涯にわたり年1回、無料でがん検診を受けられる制度を昨年10月に設けた。
乱流 総選挙@岐阜

戸惑う「脱原発票」

2012年11月22日
写真
「原発はいらない」などの旗を持ってパレードする参加者ら=18日、岐阜市の金華橋通り
◆政党の主張、違い見えず■手詰まり感
 衆院選で誰に投票すればいいの――。県内で脱原発を訴えてきた人たちが困惑している。第三極の動きが活発になるなか、政党の主張の違いが見えにくかったり、小政党が候補者を立てなかったりするためだ。

◆質問状送り 投票の参考に
 18日、岐阜市中心部で子ども連れの母親たちが「今すぐ原発をなくして」と呼びかけて歩いた。子育て中の母親たちでつくるグループ「命と未来のお散歩 会」が開いたパレードだ。子どもに原発への意見を聞いたボードには、「原発は早くなくして 小4女子」などとメッセージが並んだ。
 企画した女性は「脱原発に向かうきっかけの選挙になってほしいが、主張の違いが見えない」とこぼす。脱原発を掲げる政党でも、実現の時期などはさまざま。同会は、県内の立候補予定者が出そろった段階で、公開質問状を送って投票の参考にするという。
 原発反対のパレードを開く一方、将来の原発依存度について提言してきた市民団体「さよなら原発・ぎふ」。代表の農業石井伸弘さん(40)=北方町=は「手詰まり感がある」と打ち明ける。脱原発の小政党が、地方の小選挙区に候補者を擁立しない可能性があるからだ。
 特定の候補者を結束して支援できない内輪の事情もある。「沖縄の基地や環太平洋経済連携協定(TPP)の問題になると、会員の意見は異なる」。それでも、福井県の美浜、敦賀両原発を廃炉にするのを最優先に政党や自治体へ働きかけていくつもりだ。
 県西部の一部は、両原発から30キロ圏内にある。「民主、自民、第三極のどれも私たちが願う方向性を打ち出していないのが腹立たしい」。大垣市の「放射能に不安を感じる市民の会」代表の船田伸子さんは話す。
 だが、脱原発の可能性は感じている。「今年5月には一時的にせよ原発ゼロが実現した。どんな政権になっても、市民が声を上げ続けなければ原発はなくならない」(志村英司)

■主な政党の原発政策や主張
  民主党・・・2030年代の稼働ゼロ
  自民党・・・再稼働の可否は3年以内に結論
国民の生活が第一・10年後をめどに全廃
  公明党・・・可能な限り速やかにゼロ
  共産党・・・即時ゼロ
日本維新の会・・安全基準などルールの構築
みんなの党・・・2020年代の原発ゼロ
  社民党・・・脱原発
 減税日本・・・脱原発

◆鉢呂氏の元秘書 堀氏を2区擁立-民主党県連-
民主党県連は21日、県内の衆院選挙区で唯一、候補者が決まっていなかった2区に元衆院議員政策秘書の堀誠氏(39)を擁立すると発表した。堀氏は記者会見で、「社会保障や、働く人の雇用と権利にこだわりたい。時間は少ないが、気力、体力すべてを振り絞りたい」と話した。
 堀氏は岐阜市出身。中部大を卒業後、山下八洲夫元参院議員の公設秘書などを務めた。16日の衆院解散まで、党選対委員長の鉢呂吉雄前衆院議員(北海道4区)の政策秘書だった。
 2区を地盤とする前職の橋本勉氏(59)が解散当日に離党を表明し、2区の候補者選びは難航。鉢呂氏の地元で選挙準備をしていた20日夕に打診があり、「急だったが、運命だと思った」と決断したという。
 2区からはほかに、自民前職の棚橋泰文氏(49)、共産新顔の高木光弘氏(53)、減税日本入りした橋本氏が立候補を予定している。
◆自民党県連が選挙対策本部 
自民党県連は21日、衆院選に向けた選挙対策本部を立ち上げた。各選挙区の立候補予定者や秘書らが岐阜市の県連に集まって選挙対策委員会を開き、県連の玄関に看板を立てかけた。
 選対委員会では、県連副会長の岩井豊太郎県議が「自民党が野党に転落してから3年3カ月。5人の候補者全員を当選させ、比例票を増やすことに全力を挙げていただきたい」とあいさつした。

脱原発法制定へ緊急集会 賛成候補、HPで公表へ

 市民団体「脱原発法制定全国ネットワーク」は二十一日、国会内で脱原発基本法制定に向けた集会を開き、衆院選で脱原発基本法案に賛成する候補を支援することを確認した。
 国民の生活が第一、社民、減税日本、民主の各党などから賛同する前衆院議員と参院議員十八人が出席した。
 賛成の候補者と当選後は法案成立に努力する契約書を交わし、候補者名をホームページで公表。支援候補であることを示すステッカーを配る。
 脱原発基本法案は二〇二五年三月十一日までに原子力を利用しない電気の安定供給体制を確立することが柱。同ネットワークが呼び掛け、賛同した議員有志で今年九月、法案を提出したが、衆院解散で廃案になった。
 生活の山岡賢次代表代行は「どの党でも結構だから、脱原発基本法を推進する人を選び出してほしい。そういう人が過半数になれば、脱原発チームによる政権をつくることも考えられる」と呼び掛けた。
 社民党の福島瑞穂党首は「法律で脱原発を揺るぎない形にしないといけない。脱原発を国会の意思決定として実現しなければならない」と訴えた。

脱原発法制定へ緊急集会 賛成候補、HPで公表へ

 市民団体「脱原発法制定全国ネットワーク」は二十一日、国会内で脱原発基本法制定に向けた集会を開き、衆院選で脱原発基本法案に賛成する候補を支援することを確認した。
 国民の生活が第一、社民、減税日本、民主の各党などから賛同する前衆院議員と参院議員十八人が出席した。
 賛成の候補者と当選後は法案成立に努力する契約書を交わし、候補者名をホームページで公表。支援候補であることを示すステッカーを配る。
 脱原発基本法案は二〇二五年三月十一日までに原子力を利用しない電気の安定供給体制を確立することが柱。同ネットワークが呼び掛け、賛同した議員有志で今年九月、法案を提出したが、衆院解散で廃案になった。
 生活の山岡賢次代表代行は「どの党でも結構だから、脱原発基本法を推進する人を選び出してほしい。そういう人が過半数になれば、脱原発チームによる政権をつくることも考えられる」と呼び掛けた。
 社民党の福島瑞穂党首は「法律で脱原発を揺るぎない形にしないといけない。脱原発を国会の意思決定として実現しなければならない」と訴えた。
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  • 日立、原発で一世一代の大勝負 リスク覚悟、自社製海外建設の勝算は?
  • 重電3社の電力事業が復調 原発代替、火力の引き合い急増
  • 東芝テック「消せるコピー機」を開発 特殊なトナーを使用
  • 「節電行動」促す家庭向け制御技術 パナソニックと東芝に注目
  • 洋上風力「超有望株」に急浮上 “日陰の技術”一変、日立や東芝など続々参入

    脱原発 崩れたシナリオ 仙谷氏「運動じゃない、政治だ」

    2012年11月22日 07時04分
    新たなエネルギー戦略を決めた政府のエネルギー・環境会議=9月14日、首相官邸で(千葉一成撮影)
    写真
     東京電力福島第一原発事故を受け、脱原発を求める声が高まった今夏、政府は新たなエネルギー戦略で「二〇三〇年代の原発ゼロ」を掲げた。原発がな くなるなら、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルは不要になるが継続に。政府の意欲を疑わせる中途半端な戦略になった。第九部では、なぜこんな内容 になったのか背景を追い、原発ゼロへの確かな一歩を踏み出すには何が足りないのかを探った。
     民主、自民、公明三党間で「近いうちに解散」が合意されて二週間後の八月二十二日午後七時、東京・溜池の高級ホテル内の中華レストランに、六人の男が極秘裏に集められた。招集したのは国家戦略担当相の古川元久(46)だった。
      「六人衆」の一人、伊原智人(44)は原発や核燃料サイクルの旗振り役・経済産業省の元改革派官僚で、核燃サイクルに異を唱え、省を去った経歴の持ち主 だ。元TBSキャスターの下村健一(52)は前首相菅直人(66)の懐刀で、旧ソ連チェルノブイリ原発事故以降、一貫して反原発の立場を取ってきた。
     ほかの四人は富士通総研の高橋洋(43)、エコノミストの河野龍太郎(48)、東京大教授の松村敏弘(47)、政府の国家戦略室の小田正規(44)。原発や核燃サイクルに懐疑的な面々ばかりだった。
     関西電力大飯原発(福井県)3、4号機の再稼働問題の際は、再稼働を進める側にいた古川。しかし、全国の意見聴取会などを通じて原発ゼロへの国民世論の高まりを感じ、一週間前には福島第一原発と周辺の惨状を目の当たりにし、原発ゼロを目指すと決めた。
       ◇  ◇
     古川は食事がテーブルに運ばれる前、それぞれにA4の紙一枚を渡した。
     ・原発ゼロ
     ・四十年廃炉の徹底
     ・原発の新増設禁止
     ・核燃料サイクルの中止
     ・高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃止
     ・原発を国の管理下に置く
     紙には、原発推進派にとっては受け入れがたい方向が箇条書きされていた。どれも理想的ではあるが、電力会社や原発関連施設が立地する自治体の猛反発は想像に難くない。
     驚く六人衆に古川は「これを盛り込んだ新しいエネルギー戦略の原案をみなさんで書いてほしい」と言った。
       ◇  ◇
      六人衆と古川、その秘書官の八人は食事を終えると、ホテル内の会議室に移った。午後九時十五分には経済産業相の枝野幸男(48)、環境相の細野豪志 (41)が合流。原発ゼロに慎重で、古川を重用してきた仙谷由人(66)も姿を現し、それぞれが抱く戦略イメージを口にした。
     紙に目を通した仙谷は「これは野党の国民運動じゃない。政治をやっているんだ」。脱原発運動のように受け取ったのか、党の重鎮で、エネルギー政策を主導してきた仙谷が机を激しくたたき、一同は一瞬静まり返った。
     将来の総発電量に占める原発比率は15%が現実的と考えていた細野も「これが漏れると大変なことになる。紙は回収した方が良い」と世間が波立つことを懸念した。
       ◇  ◇
     六人衆は紙に書かれた通りにはならないと分かっていたが、「核燃サイクルをやめられないから原発を続けるというのは本末転倒。問題から目をそらさず書いてみよう」「いつまでに何省が何を実行するか、しっかり書き込もう」と確認した。
     六人衆はそれからほぼ一日おきにホテルに足を運び、伊原のたたき台を基に、戦略原案の肉付け作業を進めていった。会合は、毎回深夜まで及んだ。
     九月上旬、ようやく新戦略の原案が形になったが、さまざまな横やりで案は姿を変えていった。
     (敬称略、肩書は当時)
    <新 たなエネルギー戦略> 政府は9月14日、原発に依存しない社会の実現に向けた中長期の目標を掲げた。「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あ らゆる政策資源を投入する」との方針を提示。原発の運転期間を40年に制限し、新増設を禁じる一方、安全が確認された原発は重要電源として再稼働させる方 針を示した。使用済み核燃料を再生し、原発で再利用する核燃サイクル事業は維持となり、原発ゼロとの矛盾が指摘されている。
    (東京新聞)

    生活や社民、脱原発などで共同戦線 埋没恐れ協調へ

    2012/11/22 1:34
    日本経済新聞 電子版

     12月16日投開票の衆院選に向け、「第三極」の政党間の合従連衡が活発になっている。小沢一郎代表率いる「国民の生活が第一」は反消費 増税、脱原発、反環太平洋経済連携協定(TPP)の3点セットを旗印に掲げ、減税日本や社民党などと連携に乗り出した。選挙協力を進める日本維新の会とみ んなの党の連合に対抗し、第三極内で存在感を高めたい考えだ。
     「脱原発を推進する候補者を選んでほしい。そのチームによる政権も考え…

    「脱原発依存」で揺れる県内組織

    2012年11月22日
    写真
    「福井総合政策フォーラム21」定期総会後、民主前職の笹木竜三氏、糸川正晃氏、松宮勲氏が質疑を受けた=20日夜、福井市問屋町1丁目
    各党は衆院選に向けて原発政策を次々と公表している。ところが、全国組織や上部団体が「脱原発依存」の支持方針を決定しても、県内の団体や政党は、全国最多の原発14基が立地する現実を前に揺れている。

     民主党は今回の衆院選マニフェストで「2030年代に原発稼働ゼロ」を打ち出す方針だ。だが、党内は厳格な「脱原発」を訴える菅直人前首相らから、関西電力労働組合出身の藤原正司参院議員まで、主張は様々だ。

     20日夜、福井市の県労働福祉会館で、連合福井が民主党県連と選挙運動方針を協議した。その席上、県内3小選挙区に立候補する民主前職3氏に、原発政策への見解を問いただした。

     「柔軟に対応する。場合によっては修正もある」
     原発立地市町を抱える福井3区の松宮勲氏(68)は、「事情聴取」に対してこう強調した。

     質問に立ったのは、関電や日本原子力発電など原発関連産業の労組でつくる県電力総連の幹部だった。「すでに原発の長期停止で雇用への影響 が目立つ。我々の職場を守れない人は支持できない」。そう決意して会議に臨んだ峯森大輔会長(北陸電力)は「我々の業界に理解のある人だ」と松宮氏の回答 を評価した。

     県電力総連は組合員約4150人で、民主党県連の有力な選挙母体となる連合福井の中でも5番目の勢力だ。峯森会長は「民主党を支援するのは基本方針だが、原発への見解次第では各候補者の支援に濃淡をつける」と明言した。

     連合本部は昨年5月、福島第一原発事故を受けて原発推進の方針を凍結。同10月には「原子力に依存しない社会を目指す」方針を決めた。だ が、連合福井の山岸克司会長(北陸電力)は「本部の方針は明確な『脱原発』ではなく、野田首相の言う『30年代ゼロ』と同じではない」との解釈だ。

     連合福井は20日の執行委員会で、民主党から要請を受けて27日に前職3氏に推薦状を出すことを決めた。

     公明党も揺れている。党本部は17日に公表した「衆院選重点政策」で、「原発ゼロの日本へ」と方針を示した。原発の新規着工や40年運転制限の厳格適用、高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を明記した。

     党県本部の石橋壮一郎代表は「福井で『原発ゼロ』という言葉は使わない。(党本部の方針に)強い縛りはない」と話す。嶺南地域の経済や雇用への影響に配慮し、「原子力に依存しない社会を目指す」という訴えにする方針だ。

     敦賀市議会で原発特別委員長を務める公明党の高野新一市議は、党本部の方針を公然と批判している。「反対。当たり前だ。わが党は生活者、 地方を大事する。党本部から批判されようが、腹はくくっている」。原発関連で生計を立てる支援者も多く、「原発ゼロ」は、支援者を裏切ることにつながりか ねない。

     公明党本部の広報部は、県本部の方針について「原子力に依存しない社会を目指すという基本方針の枠内を逸脱しない範囲で、許しえる表現は各県に任せている」との見解を示した。

     原発をめぐる全国組織と地方との「ねじれ」は、農業団体にも及んでいる。

     JA県五連の山田俊臣会長は14日、原発維持を主張する県経済団体連合会の川田達男会長とともに、福井市内で記者会見した。山田会長は「福島の大災害が起きたからもう原発はいらないよ、にはならない」と述べ、「原発ゼロ」を掲げる民主党政権を批判した。

     全国のJAでつくる全国農業協同組合中央会(JA全中)は10月、「将来的な脱原発」を目指すと決議。新潟や佐賀など、定期大会で「脱原発」を打ち出す原発立地県のJAもある。

     一方、福井県では7日の定期大会で「脱原発」を盛り込まなかった。山田会長は「14基を抱える原発立地県の事情、誘致してきた自治体の考え方を重視したい」と説明。JAの政治団体「県農政連」関係者は「原発は県内の農業者の争点にならない」とみる。

     だが、8月末に県庁であった「ふくいの農業のあり方検討会」では、出席した農業者らから「農業への原発対策が取られていない。風評被害で 売れなくなる恐れがある」「原発を動かさないことが最良だが、原発からこう守ると示さないと、福井ブランドも危機になる」と不安の声も上がり、関心の高さ がうかがえた。(足立耕作、根津弥、高橋玲央、室矢英樹)

    市販シイタケから 基準超セシウム

    2012年11月22日
    県は21日、滑川町のJA埼玉中央直売所で11日に販売された原木シイタケから、国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。

     県によると、11日に店頭販売された13袋は完売しており、県はこの生産者に出荷自粛を要請した。流通中の農作物で基準値を超えたのは今年初めて。

    スイス原発、異常発生で停止

    【ジュネーブ時事】スイス北部にあるベツナウ原発の運営会社は21日、原子炉2基のうち2号機の運転が自動停止したと発表した。原子炉のある区画とは別の施設内で異常が起き蒸気が発生したが、安全性に問題はないという。
     運営会社は連邦原子力安全検査局(ENSI)に経緯を報告したと説明。異常が起きた場所を特定・修復し、ENSIの承認を得た後で運転を再開するとしている。(2012/11/22-08:19)

    2012年11月21日22時29分

    原発4本足ロボ、階段も自在 福島第一用に開発


    【動画】4足歩行の原発作業ロボ、東芝が公開
    写真:階段の上り下りも可能な4足歩行の作業用ロボット=21日午後、横浜市磯子区、長島一浩撮影拡大階段の上り下りも可能な4足歩行の作業用ロボット=21日午後、横浜市磯子区、長島一浩撮影

     【福山亜希】福島第一原発で作業するためのロボットを東芝が21日公開した。高さ約1メートル、足は約70センチあり、4本の足を巧みに動かして階段やがれきの上を進む。放射線量が高い原子炉付近の調査などに使う。
     6台のカメラで周りを映し、無線LANを使って離れた場所から操作する。東電から要請があり次第、事故現場で使う。
     この日は原子炉建屋の地下を再現したセットの階段を上って細い通路を歩いたりする姿を披露した。ただ、方向を変える途中で緊急停止し、そのまま公開が打ち切られるトラブルも起きた。担当者は「バランスを検知する装置の不具合。現場投入までに改善する」と話した。

    原発の安全判断「政治の影響受けず」 規制委委員長強調

    2012/11/22 0:38
    日本経済新聞 電子版

     原子力規制委員会の田中俊一委員長は21日の記者会見で、衆院解散・総選挙の影響について「政治は色々変わるが、原発の安全性は変わらな い。きちっとした科学的専門性で判断することに変わりはない」と述べ、政権交代しても影響は受けないとの考えを強調した。独立性を高く保ち、安全性を調査 する方針を貫くことを改めて示した。
     規制委は国家行政組織法3条に基づく「三条委員会」で独立性が高い。田中委員長は、委員長と委員…

    原発避難 経由候補地149か所示す

    島根原発(松江市鹿島町)の重大事故に備え、県が21日に公表した広域避難計画。同原発の30キロ圏内に住む4市の約39万6000人が避難する自治体を決めた。今後、具体的な避難施設や避難手段を決め、国に広域避難に関する法的な枠組みや支援も求める。
     計画では、松江、出雲、安来、雲南4市から30キロ圏外の県内や広島、岡山両県の計3県61市町村に避難する。さらに、4市を94地区に細かく分け、各地区の住民が避難の際に最初の目的地とする「避難経由所」の候補地149か所も示した。
     自家用車での避難も想定しているため、避難経由所は大きな駐車場所を持つ学校や体育館などが選ばれた。土地鑑のない住民でも見つけやすく、避難時の渋滞を緩和するためという。
     福祉施設の入所者ら要援護者は、同じ地域の住民たちと同じ避難先に向かう。島根原発の5キロ圏内に当たる松江市の鹿島、島根両町など4地区は原則、自家用車で避難し、学校にいる児童、生徒らはバスなどで集団避難する。
     今後、具体的な避難施設を決めるが、島根県西部や広島、岡山両県で計約1500か所を想定。県の若槻眞二・避難対策室長は「避難場所や避難手段、避難に必要な時間の検討などを詰めていきたい」と話した。
    (矢沢慎一)
    (2012年11月22日  読売新聞)

    検証・大震災:再生エネと原発、揺れる欧州

    毎日新聞 2012年11月22日 東京朝刊
     東京電力福島第1原発事故後、原発大国フランスも廃炉と向き合いながら再生可能エネルギーの推進を図っている。一方、太陽光エネルギーの先進国と言われながら、行き詰まるスペイン。日本が未来図を描くうえで、両国の今から何を学べるのか。記者が現地を歩いた。
     ◆廃炉、行き場ない廃棄物−−原発大国・フランス

     ◇洋上風力、漁業への影響懸念

    「トリチウムによる汚染の程度が不安だ。安全対策が確立されるまで解体を待つべきだ」。85年にフラン スの原発で初めて解体作業が始まったブレニリス原発の元従業員、ミシェル・マルザンさん(75)は訴える。94年に57歳で退職するまで、この原発で30 年近く勤務した。
     重さ100トンの遠隔操作機を使い、直径10センチ、長さ50センチ、重さ19キロのウラン燃料を毎日 交換するのが仕事だった。出勤日には必ず放射線量を測定したが、放射性物質を呼吸や接触で体内に取り込んだ量は従業員には知らされなかった。最後の9年間 は解体作業に従事し、燃料の抜き取りと放射性物質トリチウムの除去作業に追われた。これまでに元同僚17人のうち8人が40〜50代で亡くなった。

    原発事故処理へ、東芝が四足歩行ロボ開発


    人が立ち入れない原発内部での作業を行うために開発された四足ロボット。階段の昇降もスムーズにこなす(21日午後、横浜市磯子区で)=片岡航希撮影

    原発調査用に開発 四足歩行ロボットを公開
    東芝は、東京電力福島第一原子力発電所の事故処理のため、四足歩行ロボットを開発し、21日、横浜市磯子区の横浜事業所で報道陣に公開した。
     カメラや放射線量の計測器を搭載し、遠隔操作で建屋内を調べる。幅約59センチ、高さ約107センチの大きさで、高さ40センチまでの障害物を乗り越え、階段の上り下りもできる。東芝は、東電に採用を働きかける。
     これまで放射線量の高い場所は車両型ロボットを使っていたが、階段に阻まれることがあった。
     ロボットは、福島第一原発2号機内を再現した仮設セットの階段を上り、狭い通路でカメラ付き小型車を降ろし、周辺を撮影した。
    (2012年11月21日21時10分  読売新聞

    原発避難の課題指摘


    原子力防災訓練の参加自治体・機関の担当者らが出席した意見交換会
    県は21日、九州電力玄海原子力発電所(玄海町)の事故発生の想定で実施した原子力防災訓練(10月28日)について、参加した自治体・機関など との意見交換会を唐津市の県オフサイトセンターで開いた。出席者からは、避難方法などに関して、改善を求める意見が相次いだ。(山根秀太)
     訓練は、玄海原発2、3号機の原子炉が自動停止し、全電源が喪失して炉心の冷却ができなくなったという想定で行われた。参加人員は、当日だけで周辺住民をはじめ、県警や自衛隊などの機関・団体から計約3000人以上が参加した。
     意見交換会には、県、玄海町、玄海原発から半径30キロ圏内の唐津、伊万里両市、住民の避難先となった小城市などの自治体の担当者のほか、福岡、長崎の両県、九電、県警、唐津海保、消防、自衛隊、医療機関、福祉施設などの関係者が出席した。
     訓練で浮かび上がった課題について、唐津市などからは、「風向きを考慮した避難経路が必要」「地域によっては、福岡や長崎方面への避難が現実的」 といった声が聞かれた。また、離島の住民避難に関して、唐津海保は「離島は、海の状況が影響する。海が荒れた時に大型船へ移乗するのは危険が伴う」と指摘 した。
     福祉施設は「入所者が避難するには、特殊な車両を含めた相当数の車両が必要になる。車両の確保をどうするかが求められる」と強調した。
     県消防防災課は「出された意見は、来年の訓練や地域防災計画で生かしていきたい」と話した。
    (2012年11月22日  読売新聞)

    放射性物質拡散予測、業界に丸投げ 孫請けが977万円で作成

    2012.11.21 23:12 放射能漏れ
     原子力規制委員会が10月に公表し、訂正が相次いだ原発事故の放射性物質拡散予測について、作成を委託された独立行政法人原子力安全基盤機構 (JNES)が、原子力業界と関係が深いコンサルタント会社に作業を丸投げしていたことが21日、分かった。風向きなどのデータは電力会社の提供で、試算 は原子力業界に依存していたことになる。
     予測はシー・エス・エー・ジャパン(CSAJ・東京)が作成。信用調査会社によるとCSAJはJNESのほか東北電力の子会社などを主な取引先とし、業界団体「日本原子力産業協会」の会員。
     予測は経済産業省の旧原子力安全・保安院が3月、JNESに委託。JNESは4月、CSAJと976万5千円で随意契約を結んだ。保安院は5月末を報告期限にしたが、規制委が10月24日に公表する直前まで作業に追われたという。

    民主公約方針「原発ゼロ」に批判…経団連説明 

    経団連は21日、東京都内で民主党の政権公約(マニフェスト)に関する説明会を開き、会員企業の約210人が出席した。
     民主党は公約に、実質2%の経済成長を達成する目標を掲げるとともに、「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指す方針を盛り込む方針だが、参加者から「原発ゼロで経済成長ができるという説明に納得いかない」など批判的な意見が大勢を占めた。
    また、別の参加者は、原発の稼働停止で化石燃料の輸入が増加し、電力会社のコスト負担が年間数兆円に上っていることを指摘した上で「原発が止まっ た中で、経済成長を達成するためのエネルギー供給は大丈夫か」と質問した。これに対し、説明役の馬淵澄夫政調会長代理は「相反する困難な課題をしっかりと 成立させていく努力をしていく」と述べるにとどめ、具体策には言及しなかった。
     説明会後、参加者からは「企業は電力料金の値上げなどの負担増に苦しんでいるのに、経済成長ができるという根拠が全く示されず、失望した」(非製 造業社長)といった厳しい意見が相次いだ。一方、「実現できなかった政権公約をきちんと謝った謙虚な姿勢は良かった。今後は、与野党が協力して政策を前に 進める政治体制を作ってもらいたい」(非製造業幹部)と評価する意見もあった。
    (2012年11月21日21時26分  読売新聞)

    島根原発避難計画 県内移動ルート課題

    中国電力島根原子力発電所(松江市)の事故を想定して、島根県が21日に公表した広域避難計画で、県は予備的な避難先と位置付けられた一方で、島 根県から岡山県への避難ルートが鳥取県内を経由することから、多くの避難者がスムーズに移動できるように支援する態勢づくりなどが課題となりそうだ。
     この日、松江市の島根県原子力防災センターで開かれた原子力防災連絡会議では、災害などで島根県西部や岡山、広島両県の避難先が確保できない場合、県が大山、南部、伯耆、日南、日野、江府、若桜、智頭の8町と日吉津村で計約1万5000人を受け入れることが示された。
     県は、当初、島根県から約1万5000人を受け入れる方針で表明していたが、会議後の記者会見で、島根県の若槻眞二・避難対策室長は「鳥取県は同時に被災する可能性があり、出来るだけ負担をかけたくなかった」と説明した。
     一方、島根県がこの日に公表した広域避難計画では、松江市や島根県安来市の約10万人が、鳥取県内の米子自動車道や国道180号、同181号などを経由して、岡山県に避難することになった。両県は今後、避難の想定実験を行うなどして、避難ルートを検証する。
     島根県は今回、公民館などの単位で避難対象区域を公表したが、県は避難対象となる具体的な地区名を明らかにしていない。会議に出席した城平守朗・ 危機管理局長は「避難先とのマッチング作業を進めている最中で、来年2月頃に公表する地域防災計画案で対象地域を示したい」と説明した。
     会議では、避難対象区域の再検討で、米子市の避難者数が8000人増えて3万7000人となったことが報告されたほか、両県の副知事や30キロ圏内の6市の副市長らに連絡会議への出席を求め、国への要望事項などをまとめることを申し合わせた。
    (2012年11月22日  読売新聞)

    関電、原発2基の再稼働想定 値上げ申請時に提出

    2012/11/22 1:30
    日本経済新聞 電子版

     関西電力が2013年夏以降、2基程度の原子力発電所を再稼働する事業計画を策定したことが21日、明らかになった。26日の家庭向け電 気料金の値上げ申請時に経済産業省に提出する13年春からの3カ年計画に盛り込む。ただ、現時点で再稼働の道筋は見えておらず、実現には曲折が予想され る。
     関電が再稼働を検討しているのは高浜原発3、4号機(福井県高浜町、合計出力174万キロワット)。2基が年間を通じて稼働した場…

    滑川のシイタケからセシウムヘルプ

    県農林部は21日、滑川町の農産物直売所で販売していた原木シイタケから、放射性セシウムが国の規制値(1キロ・グラムあたり100ベクレル)を上回る110ベクレルの濃度で検出されたと発表した。厚生労働省が11日にシイタケを買い、検査をして見つかった。
     県はシイタケの生産者に、直売所からの回収と出荷の自粛を要請した。この生産者のシイタケの一部はすでに市場に流通している。
     シイタケは、それが育つほだ木についている放射性物質の影響を強く受けることから、県は生産者にほだ木の検査を行うことを求める。
     また、市町村や農協に対し、ほだ木の検査が終了していない生産者のシイタケを取り扱わないよう指示する。県森づくり課は「原木シイタケの出荷前の調査や市場流通品の検査を強化したい」としている。
    (2012年11月22日  読売新聞)

    Jパワー、大間原発周辺で過去の津波調査

    2012/11/22 0:30

     Jパワーは21日、青森県大間町で建設中の大間原子力発電所周辺で過去に大きな津波が発生したかを確認するため、近く津軽半島や下北半島 の沿岸部で地質調査を始めると発表した。大間町や五所川原市、鰺ケ沢町などの複数地点で掘削や地表面のはぎ取りによって石や土砂といった津波堆積物を採 取、数千年前以降にどのような規模の津波が押し寄せたのかを調べる。

    原子力規制委員会は、脱原発を訴える有識者らと意見交換会を行いました。有識者からは「大飯原発を止めないで調査を続けるのは、不思議な状況だ」などの意見も出ました。

      この意見交換会は、独立性が高い原子力規制委員会が外部から幅広く意見を聞くために田中委員長の発案で開かれ、作家の柳田邦男氏や脱原発を訴える飯田哲也 氏ら5人の有識者が参加しました。規制委員会のこれまでの情報公開を評価する意見もありましたが、飯田氏は「大飯原発を止めないで調査を続けるのは不思議 な状況だ」と現状への疑問を呈しました。これに対し、田中委員長は「現在、(活断層の)調査の最中。結論を待たないで止める止めないの議論はしない。そこ が規制庁の生き様に関わる」と科学的な判断が今後の活動の根幹になると強調しました。

    原発事故備える文化を福井から発信 福島の課題取り組み、研究者ら報告

    (2012年11月22日午前7時05分)
    拡大 福島第1原発事故後の研究課題について、取り組みが発表された福井大原子力セミナー=21日、福井県福井市の同大文京キャンパス 福島第1原発事故後の研究課題について、取り組みが発表された福井大原子力セミナー=21日、福井県福井市の同大文京キャンパス

     福井大附属国際原子力工学研究所と同大大学院原子力・エネルギー安全工学専攻の本年度 原子力セミナー「研究成果報告会」は21日、福井市の同大文京キャンパスで開かれた。同研究所に今年4月発足した「原子力防災・危機管理部門」の研究者ら が報告に立ち、福島第1原発事故後の課題について取り組みを話した。

     学内外の人に同大の原子力分野の研究を知ってもらう狙い。この日は研究所、専攻合わせて6人が成果発表した。

     このうち原子力防災・危機管理部門からは3人が登壇。安田仲宏教授は原発事故後、健康への影響が問題となった低線量被ばくについて「まれな突然変異やがん化について、ベルトコンベヤーなどで工場のように細胞を大量処理する研究手法を提案したい」とした。

     ▽迅速な放射線量把握技術、情報伝達手法▽新しい放射線被ばく評価手法―の研究も紹介し「原子力災害に備える文化を福井から発信したい」とした。

     このほか大堀道広准教授は、原発だけでなく周辺地域の建物も含めた耐震性の向上、渡辺正特命教授は原子炉の安全性を高い精度で評価する手法について進ちょく状況を説明。学生や教員ら約70人が耳を傾けた。

    「津波・原発事故」相談22件・・・法テラス1か月

    日本司法支援センター(法テラス)は、県内初の被災地出張所として10月1日から業務を始めた「法テラス二本松」の1か月間の相談状況をまとめた。相談件数は計106件で、津波や原発事故に関する相談が約2割を占めた。
     内訳は、「家族に関する問題」が34件と最多で、「生活上の金銭の貸し借り」(23件)、「津波・原発事故に関して・その他」(22件)が続いた。ほかは「住まい・不動産」(15件)、「一般の損害賠償」(8件)、「労働事件」(4件)となった。
     同センター福島地方事務所によると、岩手、宮城両県の被災地出張所と比べて、法テラス二本松は津波や原発事故に関する相談が多いのが特徴だ。同事 務所は「岩手、宮城は天災による被害が大きく、時間の経過とともに通常の法律相談が増えた。一方、福島は原発事故の影響が続いており、避難生活や賠償に関 する相談も多い」と分析している。
     弁護士による相談は月~金曜。水曜は司法書士、火・木曜は行政書士や税理士ら各種専門家も行う。震災時に県内に家があった人は無料だが、事前予約が必要。問い合わせは法テラス二本松(050・3381・3803)。
    ◇2か所目、広野にも
     日本司法支援センターは来年3月、広野町に県内2か所目となる被災地出張所「法テラスふたば(仮称)」を開設することを決めた。場所は二ツ沼総合公園の南側を予定している。
     法テラス二本松と同様、県内の弁護士らが、東京電力福島第一原発事故による損害賠償請求や相続、離婚など様々な問題の相談に応じる。隣接するいわ き市などには双葉郡からの避難者も多いことから、同センターは「車内で相談できる移動相談車も配備し、仮設住宅などへの巡回相談にも力を入れていきたい」 としている。
    (2012年11月22日  読売新聞)

    原木シイタケから放射性セシウム 埼玉・滑川町

    2012.11.21 23:04
     埼玉県は21日、滑川町産の原木シイタケから基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性物質が検出されたと発表した。
     県によると今月11日に滑川町の直売所で販売された原木シイタケを買い上げ調査したところ、110ベクレルの放射性セシウムが検出された。県はシイタケを栽培する「ほだ木」の自主検査を行っていない業者の原木シイタケを販売自粛するよう要請したという。

    原発向け4足歩行ロボ 東芝、汚染水にも対応

    2012/11/21 19:55

    階段を上る東芝の4足歩行ロボット(21日、横浜市)=共同
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    階段を上る東芝の4足歩行ロボット(21日、横浜市)=共同
     東芝は21日、東京電力福島第1原子力発電所の放射線量の多い場所での作業に役立つ「4足歩行ロボット」を開発、報道陣向けに公開した。汚染水の漏洩が疑われる場所での確認作業などが可能になる。
     横浜事業所(横浜市)で公開した4足歩行ロボットは福島第1原発を模した作業現場で階段を上ったり、アーム(腕)部分を使い高解像度のカメラ搭載の小型走行車を運行したりできる。電波による遠隔操作型で、テレビゲーム機のようなコントローラーで操縦する。
     本体の外形寸法は長さ62.4センチ、横幅58.7センチ、高さ106.6センチ。段差22センチの階段を上り下りできるほか、20キロまでの積載物を運搬できる。連続歩行時間は約2時間。
     東芝は今後、東電に対して採用を提案していく。東芝はこれまで車輪回転型ロボットで実績があるが、4足歩行型は初めて。「段差の大きな場所や狭い空間での作業に適している」(原子力システム設計部)という。

    原発安全基準 火災対策義務化へ
    11月22日 0時40分

    原発安全基準 火災対策義務化へ
    原子力発電所の運転再開の判断の前提になる新たな安全基準を検討している国の原子力規制委員会は、これまで原発内部で火災が起きた際の対策が不十分だったとして、設備への影響評価や、電源ケーブルの防火対策の強化などを法律で義務づけることを決めました。
    原発の火災対策を巡っては、1970年代にアメリカで、安全上、重要な設備を動かす多くのケーブル が焼けて、原子炉の冷却に影響が出たことから、アメリカでは、安全基準で原発内部で火災が起きた際の影響評価を義務づけていますが、日本では義務づけはな く、対策が不十分だという指摘があります。
    これを受けて原子力規制委員会は、21日に開いた新たな安全基準を作る専門家の会議で、原発内部の火災対策を強化する方針を決めました。
    具体的には、原発内にある可燃物や、延焼の危険性がある区域を特定したうえで、火災が起きた場合、安全上、重要な設備にどのような影響がでるのか評価することや、原発内の電源ケーブルについては、原則、燃えにくいものに取り替えることを法律で義務づけるとしています。
    専門家の会議では、今後、テロや航空機の落下などについても、具体的に検討し、来年7月までに、新たな安全基準をまとめるとしています。

    島根原発避難計画 万全受け入れ環境整備

    ◇県と関係市町村調整
     中国電力島根原発(松江市)の重大事故を想定し、21日に公表された島根県の広域避難計画。30キロ圏内に住む約39万6000人が対象で、岡山 では、松江、安来両市民のうち10万1200人を全27市町村で受け入れることになっており、県は「万一の事故に備え、いち早く万全の受け入れ体制を築き たい」としている。
     計画によると、岡山、倉敷、高梁市など13市町で松江市民のうち6万5000人を、津山、真庭、赤磐市など14市町村で安来市民のうち3万6200人をそれぞれ受け入れる。
     県危機管理課によると、規模の大きい自治体や島根県に近い自治体で受け入れ人数を多くしており、国道180号や米子自動車道などを避難経路に設 定。学校や総合グラウンド、文化センターなど駐車場が多い施設を「避難経由所」とし、避難者は同経由所まで自家用車やバスで移動した後、小学校や公民館な どの一次避難所に分散して向かうという。
     避難者の中には、高齢者や障害者など「要援護者」が8060人いると想定しており、多目的トイレや冷暖房が備わっている公的施設などが一次避難所として使えないか、県と関係市町村で調整している。
    (2012年11月22日  読売新聞)

    原子力規制委:福島原発事故「検証チーム」発足まだ先

    毎日新聞 2012年11月21日 20時46分
     原子力規制委員会の田中俊一委員長は21日の記者会見で、東京電力福島第1原発事故の原因究明や検証に ついて、「廃炉作業をしながら少しずつ原因を明らかにしていく必要がある。長期的に取り組む」と述べた。だが、放射線量が高い原子炉内を本格的に調査でき るまでには時間がかかることから、早期に発足させることを検討してきた「検証チーム」は、当面見合わせることにした。
     田中委員長は「原子炉内まで調べる必要があるが、あと2、3年かかると思う」と指摘。そのうえで「今後、検討の態勢は整えたい」と述べた。
     政府や国会など四つの事故調査委員会は既に調査を終え、報告書をまとめた。地震によって重要機器が損傷した可能性については、政府、民間、東電の各事故調は否定したが、国会事故調は「可能性を否定できない」と指摘するなど、食い違いが生じている。【岡田英】

    「脱原発で補償を求めない」ドイツ“原発の町”の町長

    津田大介 津田大介:記事一覧 2012年11月21日(水)16時02分配信
    森ゆうこ参院議員(左)と小嶋裕一氏 森ゆうこ参院議員(左)と小嶋裕一氏
    津田大介
    「脱原発で税収が落ちても、国に補償を求めることはない」――原発を抱えるドイツの町、エッセンバッハの町長はそう語ったそうです。津 田大介さんのブロマガと連動して、3日間連続でお送りしたニコニコ生放送『小沢一郎ドイツ脱原発視察 現地取材リポート』。最終日となった2012年10月20日の放送では、引き続きネオローグの小嶋裕一記者と「国民の生活が第一」の森ゆうこ参院議員が、 現地ドイツより生中継で登場しました。(企画・制作:ドワンゴ)

    小沢代表や森議員ら「国民の生活が第一」の議員団が、現地時間の10月 17日から19日にかけて、ドイツを視察しました。2022年に向けて脱原発の舵を切ったドイツの取り組みを調査するためです。これに津田さんが率いる 「ネオローグ」の小嶋裕一記者が同行取材しました。小嶋記者のいるドイツと東京・高円寺のネオローグの事務所をネット回線で結び、小嶋記者と津田さんがテ レビ電話をする形式で、3日間連続で現地レポートが生放送されました。今回はその最終日になります。

    最終日は、廃炉が決定したエッセン バッハのイザール原子力発電所をはじめ、ドイツにおける再生可能エネルギーシフトの成功モデルと言われるメルケンドルフなどを訪れています。当日、視察で 訪れた場所のVTRを交えつつ、脱原発の動きを進めるドイツの現状をレポートしました。日本からはジャーナリストの津田大介さんが、ドイツの取り組みの問 題点や、日本でエネルギーシフトを進めていくための課題について、視聴者からのコメントを反映させながら2人に聞きました。

    柏刈原発のあ る新潟県が選挙区の森議員は、長年、脱原発を訴えてきたコッペル連邦議会議員の取り組みを紹介しました。彼によれば最近は、むしろ日差しが強かったり、風 が強い日には電力が余っていることが問題になっており、政府の補助金を減らしていくべきではないかという議論もあるそうです。森議員は、「コッペル議員は 毎日毎日、新しいステージに行っている」と感慨を込めて語りました。一方、小嶋記者は「ドイツの経済界や政界など、いろいろな人が脱原発への問題を抱えつ つも、これを必ずやり遂げるんだという合意・コンセンサスがきっちり形成されている点が、日本と大きく違うと感じた」とコメントします。原発立地地域であ るエッセンバッハの町長が、「脱原発で税収が落ちても、国に補償を求めることはない」と語ったことは、そのコンセンサスの一例と言えるでしょう。

    放 送ではこのほか、ベルリン郊外にある太陽光発電所を視察する小沢代表らの様子がVTRで紹介されました。電気料金の値上げや企業の税負担など、ドイツは脱 原発に伴う痛みを受け入れつつ、既にエネルギーの4分の1を再生可能エネルギーへとシフトしています。その取り組みから、日本がこれから進むべき道へのヒ ントを探りました。この番組の全文書き起こし記事は、津田大介チャンネルに会員登録すると閲覧できます。
    津田大介の「メディアの現場」 「【原発立地地域の町長「補償を求めない」】津田大介の「メディアの現場」特別号外ブロマガ編vol.8」より

    広河隆一さん、原発・戦場写真展










    来場者に戦場で写真を撮影した状況を説明する広河隆一さん(奥)=久米島博物館

    2012年11月22日 10時00分
    (32分前に更新)
     【久米島】戦場やチェルノブイリ、福島などで起きた原発事故等を撮影してきたフォトジャーナリストの広河隆一さんの写真展「チェルノブイリ・福島そして世界の戦場」が、久米島博物館で開かれている。25日まで。
     広河さんは7月、久米島に福島の子どもたちの保養施設「沖縄・球美の里」を設立。これまでに多くの子どもたちが久米島に短期保養で訪れているが、福島原発事故で被災した子どもたちの保養の重要性が、まだあまり知られていないことから今回の写真展と音楽会を企画した。
     写真展ではパレスチナやアフガニスタン、イラクで撮影した戦場での兵士や被害に遭った一般住民や子ど もたち、福島原発事故やチェルノブイリで被災した子どもたちの写真などが展示されている。広河さんが一枚一枚、そのときの状況や写真に収めた人のその後な どを詳しく説明をすると、来場者は真剣な顔つきで写真を見つめていた。
     初日は、町民や球美の里に来ている子どもたちや母親、スタッフも会場に来場し、食い入るように写真を見つめていた。
     親子で来場した町在住の英会話講師のシサレリ・トムさん(42)は「広河さんの活動や写真はネットで も見ていた。素晴らしい活動をしていると尊敬の気持ちを持っている。福島の子どもたちに、自分はまだ何もしていないと気付かされた。もっとたくさんの人に 知ってもらって考えてもらいたい」と話した。
     息子のスカイくん(久米島西中1年)は「戦場の写真を見て、怖くて気分が悪くなった。チェルノブイリの写真を見て福島の子どもたちのことを考えた」と話した。(祖根洋子通信員)

    “脱原発”連携 衆院選で過半数目指す
    11月21日 19時2分

    “脱原発”連携 衆院選で過半数目指す
    国民の生活が第一や社民党など“脱原発”を目指す超党派の議員と市民グループの関係者らが国会内で集会を開き、来月の衆議院選挙で脱原発の実現を目指す勢力で過半数を獲得することを目指し、連携して活動していくことで一致しました。
    集会には、“脱原発”を目指す国民の生活が第一、社民党、減税日本、民主党の有志の国会議員およそ20人と市民グループの関係者ら、およそ80人が出席しました。
    この中で、国民の生活が第一の山岡代表代行は、「国民の7割が原発に反対しているにもかかわらず、国民の声を代弁する国会議員は、国民の意に反して7割が原発を推進しており、国民の意思と政治家のやっていることが全く違う」と指摘しました。
    そのうえで、山岡氏は、「来月の衆議院選挙では、脱原発を推進しようという人を選んでほしい。そういう人が過半数になれば、脱原発チームによる政権を作ることも考えられる」と述べました。
    また、社民党の福島党首は、「原発を止めるだけでは、いつでも再稼働する可能性があるので、法案で脱原発を揺るぎない形にしなければならない。原発をゼロにすることを定める『脱原発基本法案』を成立させたい」と述べました。
    そして、会合では、来月行われる衆議院選挙で、脱原発の実現を目指す勢力で過半数を獲得することを目指し、連携して活動していくことで一致しました。

    関電、原発再稼働想定で値上げ幅算出

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     来年春からの電気料金の値上げを国に申請する方針を固めている関西電力が、値上げ幅を算出する際の前提として、新たに高浜原発2基の再稼働を想定していることが分かりました。

     関西電力は国の認可が必要な家庭用の電気料金については1割、企業向けは2割の値上げを軸に検討していて、週明けに国に申請する方針です。

     こうした中、値上げ幅を算出する際の前提として、現在稼働している大飯原発3・4号機に加え、来年度から福井県の高浜原発の3号機と4号機の再稼働を想定していることがわかりました。

     関電は原発の停止によって火力発電用の燃料費が膨らみ、経営状況が急速に悪化。経営を安定させる一方で値上げ幅を圧縮するためには、さらなる原発の再稼働が必要と判断したとみられます。(22日00:42)

    大飯原発断層“方向性出せる”
    11月21日 17時40分

    大飯原発断層“方向性出せる”
    国内で唯一運転している、福井県の大飯原子力発電所の断層を検証している国の原子力規制委員会の島 崎邦彦委員は、NHKのインタビューに応じ、「関西電力に指示した追加調査によって、完全ではなくても一定の方向性は出せる」と述べ、追加調査の結果が出 しだい、活断層かどうかの結論を導き出す考えを明らかにしました。
    原子力規制委員会は、大飯原発の敷地を走る断層が活断層かどうかを検証するため、現地調査を行ったうえで、評価する会議を開きましたが、データ不足から専門家の見解が分かれ、関西電力に追加調査を求めています。
    規 制委員会の島崎委員は、NHKの単独インタビューに応じ、「関西電力に指示した追加調査や専門家の現地調査によって、完全ではなくても一定の方向性は出せ る。科学の力を結集すれば、誰もが納得できる判断に到達できる」と述べ、追加調査の結果が出しだい、活断層かどうかの結論を導き出す考えを明らかにしまし た。
    一方、調査のために大飯原発の運転停止を関西電力に求めるかどうかについては、「規制委員会としては結論に至っておらず、田中委員長も『判断するにはまだ早い』と考えている」と述べ、規制委員会として、現段階では運転停止を求めない考えを示しました。
    原発の断層を巡っては、福井県の敦賀原発と青森県の東通原発でも、規制委員会の専門家グループが来月、現地調査を行うことになっています。

    安倍カラー濃く=原発、TPP踏み込まず-自民公約【12衆院選】

    自民党が21日発表した衆院選公約には、集団的自衛権行使容認や教科書検定制度見直しなど、保守色が強い安倍晋三総裁の主張がふんだんに盛り込まれた。ただ、意見集約が難しい原発政策や環太平洋連携協定(TPP)については、あいまいさが残った。
     「私たちの政権公約を貫くものは『できることしか書かない』ということだ。民主党マニフェスト(政権公約)はほとんど実現されず、国民の信頼は失われた」。安倍氏は公約発表の記者会見で自民党の「政権担当能力」をアピールした。
     安倍カラーが特に濃く出たのが、外交・安全保障政策だ。憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を可能にすることや、自衛隊の人員・装備・予算の拡充を明記。安倍内閣当時に目指した国家安全保障会議(日本版NSC)の設置も盛り込んだ。
      教育改革も安倍氏の看板政策で、近隣のアジア諸国への配慮を目的に教科書検定基準に定められている「近隣諸国条項」の見直しを明記。「日教組の影響を受け ている民主党には真の教育再生はできない。子どもたちが日本の伝統文化に誇りを持てる内容の教科書で学べるよう検定基準を抜本的に改善する」とした。
     ただ、党内には「右傾化」への懸念もある。衆院選で支持が偏りかねないためで、ある候補者は「がちがちの自民党員や右寄りの人たちにしか受けないのではないか」と漏らす。
      一方、原発政策は、国民の関心が強いにもかかわらず踏み込まなかった。民主党が「2030年代の原発稼働ゼロ」を打ち出そうとする中、自民党は「10年以 内に持続可能な電源構成のベストミックスを確立する」と判断を先送り。脱原発を求める声が強い世論と、原発を残したい財界の双方を意識した苦し紛れの表現 だ。TPPも、党内の意見対立を踏まえて「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対する」とどっち付かずとなった。
     「日本を取り戻す。新しい自民党だからこそできる政策だ」。安倍氏は会見で胸を張ったが、強い保守色と、重要政策で方向性が定まらない点が有権者にどう受け止められるかは不透明だ。(2012/11/21-21:24)

    ガス抜き? 原発に批判的な有識者らと意見交換 原子力規制委

    2012.11.21 13:41
    原子力規制委員会に出席した浅岡美恵氏、飯田哲也氏、津田知子氏、船橋洋一氏(左から)=21日、東京都港区(荻窪佳撮影)
    原子力規制委員会に出席した浅岡美恵氏、飯田哲也氏、津田知子氏、船橋洋一氏(左から)=21日、東京都港区(荻窪佳撮影)
     原子力規制委員会(田中俊一委員長)は21日、発足後約2カ月間の活動や今後の課題について、原発に批判的な意見を持つ人を含む5人の有識者との 会合を初めて開いた。有識者からは国内で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県)の運転停止を求める意見も上がったが、意見を反映させる具体的な仕組 みはなく、“ガス抜き”との批判も出そうだ。
     田中委員長は冒頭、「(規制委は)政府から独立した機関だが、独りよがりになることを厳に慎みたい」と会の目的を説明。
      脱原発を訴えるNPO法人「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長は、現在敷地内の断層を調査している大飯原発について「あそこだけ動いて調査が進む というのはおかしい。止める判断をすれば信頼回復につながる」と強調。電源開発(Jパワー)が青森県に建設中の大間原発の工事中止も求めた。
      一方、東京電力福島第1原発事故を検証する政府の事故調査・検証委員会のメンバーで、作家の柳田邦男氏は「事故の教訓が出そろっておらず、国民の信頼に結 びついていない」と、事故調査の継続を要請。温暖化防止に取り組むNPO法人「気候ネットワーク」の浅岡美恵代表は「原発の依存が温暖化対策の推進を妨害 してきた」と、省エネや再生可能エネルギーの拡大を訴えた。

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    原子力規制委員会で意見を述べるNPO法人気候ネットワーク代表の浅岡美恵氏=21日、東京都港区(荻窪佳撮影)

    2012.11.21 18:56

    東芝、原発用の4本足ロボットを開発

    階段を上る東芝の4本足ロボット=21日午後、横浜市磯子区
    階段を上る東芝の4本足ロボット=21日午後、横浜市磯子区【拡大】
     東芝は21日、放射線量が高く人が近づけない場所でも、遠隔操作で調査や作業ができる4本足のロボットを開発したと発表した。横浜事業所(横浜市)でこの日、報道陣に公開した。廃炉に向けた作業が続いている東京電力福島第1原発で使用するよう東電に売り込んでいる。
    足が長く、バランスも取りやすい四足歩行の特長を生かし、22センチの段差がある階段でも昇降できる。このため、車輪などを使う従来型のロボットで到達が困難だった場所にたどり着けるという。
     重量は約65キロあり、障害物などがなければ時速1キロで進む。カメラや放射線量の測定装置を搭載しており、計20キロの荷物を運べる。
     操作には無線を使い、ロボットのカメラで撮影した画面を見ながら動かす。狭い場所にある配管などの状態を撮影できる「小型走行車」をつないで使うこともできる。
     ただ、公開時にはロボットが旋回中に傾いて動かなくなる場面があった。東芝は「今後も、詰めの調整を進める」と説明した。(共同)

    滋賀知事:原発政策、「仲間失った感じ」 橋下・大阪市長“後退”に

    2012年11月21日
     嘉田由紀子滋賀県知事は20日の定例記者会見で、日本維新の会と太陽の党の合流で示された原発政策について「原発ゼロを強調していた橋下徹大阪市長がかなり後退した。仲間を失った感じ」と語り、合流に伴う「妥協」に疑問を投げかけた。
     維新と太陽が合意した基本政策では「脱原発」の記述はなく、嘉田知事は「手法は残してあるが、目標が抜 けているので分かりにくい。関西広域連合で同じ方向を向いてきた立場からすると、後退は残念」と述べた。今回の衆院選では、東日本大震災後初の国政選挙と して「国際的責任として原発を最大の争点にしてほしい」と要望した。
     また、維新が掲げる道州制について「2000万人の『関西州』は大きすぎる。滋賀にどれだけ目配りできるのか、かなり危惧を持っている」と反対の立場を示しつつ、選挙での論戦を「自分たちの暮らしがどうなるか、大いに議論する大事なチャンス」と位置付けた。【姜弘修】

    母乳の放射性物質検査 那須塩原市が半額助成 来年から 栃木

    2012.11.22 02:05
     ■幼児・妊婦の尿検査も
     那須塩原市は来年1月から、母乳などの放射性物質検査費用(1万5千円)の半額を助成する方針を固めた。12月市議会に放射能対策事業として、139万5千円を補正予算案に盛り込み提案する。
     同市によると、母乳検査は市内に住む授乳中の女性(約1500人)が対象。ほかに、市内在住の0~6歳の未就学児(約6700人)と妊婦(約1千人)を対象とした尿検査も行う。それぞれ2%程度が検査を希望すると見込み、予算措置した。
      検査は母乳や尿を市内の保健センターを通して検査機関に送り、同機関から本人に検査結果が郵送される。助成回数は年度内に1人1回だが、放射性物質が検出 された場合は一定期間をおいて再検査を勧め、2回までは検査費用を助成する方針。同市では「検査費用の助成を通して市民の放射性物質に対する不安の軽減に つなげたい」としている。

    東芝、原発作業の四足歩行ロボット開発

    動画を他のプレイヤーで見る

     電機メーカー大手の東芝は、東京電力・福島第一原発で使用する遠隔操作が可能な四足歩行ロボットを開発し、報道陣に公開しました。

     東芝が開発した四足歩行のロボットは遠隔操作が可能で、放射線量が高く人が作業できない場所や、狭い場所の撮影に使用できるほか、段差のある場所でも作 業が可能です。また、2時間の連続運転が可能で、放射線量が極めて高い場所での作業を10時間以上、300日続けても壊れない設計だということです。

     東芝はこのロボットを東電の福島第一原発で使用する計画で、今後も原発などの作業に対応したロボットの開発を進める方針です。(21日21:58
    2012年11月22日5時3分

    進化する原発ロボ-世界が日本に注視


    東京電力の福島第一原子力発電所の事故処理に向け、原発対応ロボットが進化している。21日、東芝は4足歩行ロボを公開した。千葉工業大学なども既存ロ ボを改良した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2013年2月に複数のロボを連携して運用する体制を整える計画で、各社・機関が実用化 を急いでいる。建屋内でのロボ活用は高度技術が求められるだけに、世界が日本の動きを注視している。(政年佐貴恵)
     「4足歩行により、急な傾斜や垂直面の移動、高所作業などクローラー型ロボにはできなかったことをできるようにした」。東芝の柳瀬悟郎磯子エンジニアリングセンター原子力システム設計部部長は、新型ロボ公開の席でこう自信を示した。
     原発事故処理では作業員の放射線被ばくが最大の課題になる。NEDOが11―12年度に取り組んでいるのが「災害対応無人化システム研究開発プロジェク ト」だ。作業員の代わりにロボを用いて無人化する。メンバーには日立製作所や三菱重工業などが名を連ねており、遠隔操作用の通信技術や高所作業用の移動 車、ガンマカメラなどを開発している。
     プロジェクトの特徴はコンソーシアム形式で開発を進めている点。ここには過去の反省がある。これまでも災害対応ロボは開発されていたが、運用するケース がなく、研究レベルの開発にとどまっていた。災害現場の作業ニーズと乖(かい)離しており、原発事故時に使えるロボはなかった。このため現場でのメンテナ ンスや訓練を含めた活用を重視。NEDO技術開発推進部の川島正氏は「使いながら技術を育てたい」と継続的な運用を求めている。
     プロジェクトの一環として千葉工大が開発した小型先行探査型移動ロボ「サクラ(櫻)」は、42度の傾斜を昇降し、幅70センチメートルの階段で旋回でき る。高性能カメラやマイクを搭載し、主に大型ロボが移動しにくい原発の地下施設で、水漏れ箇所などの状況把握に利用する計画だ。またサイバーダイン(茨城 県つくば市)は作業員の被ばく量をほぼ半減できるロボスーツ「災害対策用HAL」を開発した。上半身に最大50キログラムを積載できる強化フレームを取り 付けたほか、ステンレス製の防護服と熱中症予防のための冷却システムを搭載している。ロボ単体での試験は終盤に差し掛かっており、13年からロボを組み合 わせた実証試験を始める計画だ。
     原発ロボの実用化により、近年、多発している化学などのプラント事故の復旧にも役立つ。日本のロボ産業のすそ野も広がる。
     《4足歩行で段差楽々-東芝》
     東芝の4足歩行ロボットは可搬重量20キログラムで、22センチメートルの段差を昇り降りできる。建屋内での環境調査などを想定して開発した。2013 年度に可搬重量80キログラム以上、段差50センチメートル、垂直のはしごを登れるように性能を向上する計画だ。積算耐放射線量は約300グレイ。例えば 格納容器内で1日10時間程度使用した場合、約300日間稼働できる。無線で操作し、通信が弱くなると基地局に戻る。小型走行車を運んでカメラで状況を把 握したり、アームロボや計測器を搭載して作業したりできる。サイズは長さ624ミリ×幅587ミリ×高さ1066ミリメートルで、重量65キログラム。

    李大統領 原発に否定的な次期大統領候補を懸念

    2012年11月21日22時03分
    [ⓒ聯合ニュース]


      【アブダビ聯合ニュース】アラブ首長国連邦(UAE)を訪問中の李明博(イ・ミョンバク)大統領は21日、大統領選(12月19日投開票)の候補者が原発建設に対して否定的な公約を出していることに懸念を示した。

        原発の輸出を推進している李大統領は、記者団との懇談会でUAEから受注した計200億ドル(1兆6448億円)の原発4基について言及。今後60年間に 管理サービスや運営費だけで180億ドルに上るビジネスだとした上で、原発に否定的になることは原発輸出競争国のフランスや日本を喜ばすことになるとの見 解を示した。

       李大統領はUAEが新たに原発を建設するプランを持っていることに触れ、「来年後半が重要な時期になるが、次期政権がどうするかは分からない」とし、大統領退任後の受注競争の行方を心配した。

    14地点で堆積物調査 原発襲う津波を試算ヘルプ

    電源開発は21日、過去の津波の時期や規模を推定するための堆積物調査に関し、ボーリング調査を大間町と五所川原市、鰺ヶ沢町の6地点、崖の表面部などをはぎ取る調査を大間町とむつ市の8地点で行うと発表した。
     大間原発は標高12メートルに位置し、3メートルの防潮堤を設置する予定。同社は原発を襲う津波を最大4・4メートルと試算しているが、過去の津 波を調べることで、試算のためのデータを拡充する。特に日本海側のデータが不足しているため、五所川原市と鰺ヶ沢町の4地点でボーリング調査を行う。堆積 物調査は準備が整い次第開始し、来春に終了する予定。
    (2012年11月22日  読売新聞)

    原発建屋内も4本足歩行で…東芝が新型ロボット(11/21 18:57)


     がれきが散らばった原発の建屋内も4本の足で歩きます。

     東芝は、福島第一原発での作業を想定した4本足の ロボットを発表しました。階段や建屋内の障害物も乗り越えて歩けるため、これまで届かなかった高い場所での作業も可能になります。ロボットは無線で遠隔操 作でき、高い放射線量で人が作業できない場所でも撮影したり、線量をはかることができます。東芝は、東京電力の要請があればすぐにでも投入できるとしてい ます。

    李大統領 UAE原発1・2号機の着工式に出席

    2012年11月22日08時54分
    [ⓒ聯合ニュース]


      【アブダビ聯合ニュース】アラブ首長国連邦(UAE)を訪問中の李明博(イ・ミョンバク)大統領は21日午後、ムハンマド皇太子と共に、現地で開かれた原子力発電所1・2号機の着工式に出席した。

       同工事は韓国型原発4基をアブダビの西側地域に建設する韓国初の超大型原発建設事業だ。韓国電力公社が受注し、2009年12月に契約を締結。2017年に1号機が完工される予定で、2020年までに4基が建設される。

       10月末現在の全体工程率は約23%で、順調に進められている。UAE原子力公社(ENEC)は年末まで3・4号機に対する建設許可を申請し、来年から本格的な工事に入る予定だ。

    4足歩行で原発作業=東芝がロボット開発


     東芝は21日、原子力発電所で使う4足歩行のロボットを開発したと発表した。無線で操作し、人が近づけない原子炉周辺の放射線量調査などが可能。東京電力に対し、福島第1原子力発電所での活用を提案している。
     ロボットにはカメラ6台と線量計を搭載し、時速1キロで2時間歩行する。重さ20キロの荷物も運べる。がれきを避けて歩き、階段の上り下りもできるた め、車輪などを使う従来機では入れない場所に行ける。狭い場所には、ロボットから小型リモコン車を走らせることも可能だ。 
    [時事通信社]

    原発ゼロ、消費増税凍結を=生活・東祥三幹事長【12衆院選】













    時事通信社のインタビューに答える国民の生活が第一の東祥三幹事長=20日、東京都江東区
     -衆院選の意義をどう考えるか。
     私たちが民主党を出るきっかけになったのは、民主党政権が国民と約束していなかった消費増税の法案だった。 民主党は今まで散々批判し続けてきた自民党や公明党との3党合意によって消費増税法を成立させた。ここに全て凝縮された問題がある。国民不在の全く無責任 な政治が今の現状だ。争点はこの政治を変えることができるかどうかだ。
     有権者自身も問われている。自分自身が消費増税に反対だと言いながら、賛成している政党や政治家に投票してしまうというのでは、有権者も民主党を批判できなくなる。
     -選挙戦で訴えるポイントは。
     国民の命と暮らしを守る「原発ゼロ」、暮らしに直結する消費増税の凍結だ。原発と消費増税というのは深く官僚主導の政治に連なっており、その権化だ。地域のことは地域の人たちが、国が担わなければならない役割は国が担うという中央集権体制の打破を主張する。
     -環太平洋連携協定(TPP)については。
     TPPは聖域なき関税を撤廃するということだが、それは誰しもが望んでいることだ。それ自体は否定しない。しかし、政府は徹底的な情報公開も、国内の関連業種との話し合いも一切やってない。だから駄目だと言っている。
     -前職は50人近くだが、獲得目標議席数は。
     それぐらいは取る覚悟だ。公認する人全員(当選)というのが理想だ。民主党を離れた人で、ぜひ(生活に)入りたいという人もいる。そういう動き全体が明確になった時点で初めて目標値は言うことができる。
     -日本維新の会の石原慎太郎代表ら「第三極」の動きをどうみるか。
     石原氏は「脱官僚」主義と言っている。しかし、今のエネルギー行政に国民の6割強が反対しているのに、応えていない。消費増税にも賛成だと言っている。そう言う意味で(維新は)第三極になり得ない。
     -みどりの風や新党「反TPP」結成の動きは。
     (脱原発など)同じ政策ならとてもいいことだ。選挙区でバッティングしないようにしたい。(2012/11/21-16:36)

    40万人の避難計画 島根原発30キロ圏内 県外も指定は全国初

    2012.11.21 14:13
    島根県は21日、中国電力島根原発(松江市)の事故の際、半径30キロ圏内に住む県内4市の約39万6千人を、県内のほか岡山など近隣3県に避難させることを盛り込んだ避難計画を発表した。県によると、県外にも避難先を指定した40万人規模の計画は全国で初めて。
     30キロ圏内に含まれるのは松江市全域と安来、出雲、雲南各市の一部。計画では、事故時に住民を島根県西部に加え鳥取、岡山、広島の4県70市町村に振り分ける。
     避難先でも普段身近に接している人々で生活できるように、地区単位で避難先の自治体へのルートが指定され、公園や学校などを一時的な集合場所とする「避難経由所」として設置した。今後の課題としては、一時的に住む避難所の確保や避難先の自治体との連携強化などを挙げた。

    島根原発40万人避難計画…県が公表

    島根県は21日、県東部の松江市にある中国電力島根原発の重大事故に備えた広域避難計画を公表した。原発から30キロ圏内に住む4市の約39万6000人を、県西部地域と岡山、広島両県の計3県61市町村に避難させる。県外を含めた避難計画は全国で初めて。
     30キロ圏内には松江市のほか、出雲、安来、雲南各市と、鳥取県米子、境港両市が含まれる。島根県は、県内だけでは受け入れできないとして、他県と調整していた。
     計画では▽島根県西部に12万5450人▽岡山県に10万1200人▽広島県に16万8900人が避難する。全市民約20万人が避難対象になる松 江市からは島根県西部の11市町、岡山県内の13市町、広島県内の5市町の、計29市町に散らばることになる。今後、具体的な避難施設などを決める。
     米子、境港両市の住民については、鳥取県内での避難計画が決まっている。
    (2012年11月21日  読売新聞)

    東芝、福島原発向けの4足歩行ロボットを開発

    2012年11月21日(水) 17時18分
    東芝・4足歩行のロボットの画像
    東芝・4足歩行のロボットの画像
    東芝・小型走行車の画像
    東芝は、福島第一原子力発電所向けに、人が作業できない場所での調査・復旧作業を実施する4足歩行のロボットを開発した。

    新開発したロボットは、カメラや線量計を搭載し、遠隔操作で原子力建屋内の状況把握をすることができる。

    同社が独自開発した不整地や段差での歩行を制御するアルゴリズムと多関節構造を採用。4足で障害物を避けながら歩行するとともに、階段を登り降りできるため、従来の車輪やクローラタイプのロボットでは到達困難だった場所で作業が可能となる。

    また、新開発したロボットから有線で接続し、狭隘路の先や構造物の陰にある設備・機器・配管の状態を撮影する小型走行車も開発した。

    同社は今後も作業ロボットの技術開発を進め、遮蔽体の搬入・設置、止水作業、障害物搬出等の応用動作に対応できるよう改良を進めていく。

    《纐纈敏也@DAYS》
    東芝・4足歩行のロボットの画像
    東芝・小型走行車の画像

    原発調査で4本足のロボット開発
    11月21日 20時44分

    原発調査で4本足のロボット開発
    廃炉に向けた作業が続く東京電力福島第一原子力発電所で、内部の放射線量が高く、障害物のある場所でも詳しく調査できるよう、新たに4本足で動く作業用のロボットが開発されました。
    開発されたのは、無線で動く高さがおよそ1メートルの作業用のロボットで、カメラなどを内蔵した箱型の機器の下に、長さ70センチの4本の足を備えています。
    4本の足を無線で操作することで、従来のロボットが乗り越えることが難しかった障害物も高さ40センチ程度ならまたぐことができ、階段の上り下りも可能になっています。
    また、箱型の機器に付いた6つのカメラを使って、さまざまな角度の映像を撮影することができるうえ、放射線量を調べる線量計も備えられています。
    さらに、ロボットの最上部にはカメラが付いた小型の車が装備され、アームで降ろして、配管の裏側などの狭い場所も調査ができるということです。
    開発した東芝によりますと、このロボットは放射線量の高い場所でも300日間使えるということで、30年後から40年後が目標とされる福島第一原発の廃炉に向けた調査に活用してもらうよう東京電力に提案しています。
    開発に当たった東芝原子力システム設計部の柳瀬悟郎部長は、「今後は、重い荷物を運べるロボットや、複雑な作業ができるロボットなども開発したい」と話しています。

    「原発は嫌だ。でも値上げも嫌だ」論の愚昧(会議所ニュース11/21号)

    (会議所ニュース11/21号掲載記事)
     日本商工会議所では、原子力発電を含む多様な電源構成の維持の必要性を訴えている。「原発ゼロ」を掲げる人々は、それにより発生する影響を十分に認識しているのだろうか。今回は、21世紀政策研究所の澤昭裕氏の執筆記事を紹介する。

     「原発は嫌だ。でも値上げも嫌だ」論の愚昧
     国際環境経済研究所 所長 澤 昭裕 氏

      ⇒全文は、http://eco.jcci.or.jp/wp-content/uploads/2012/11/cci-news1121.pdfをご覧ください。

    <要約>
    ◆政治家や官僚が「原発ゼロ」に向かう事情
     「世論」は、足りないものを強く求める傾向がある。エネルギー政策についていえば、福島原発の後は、まずは安全性、次は経済性(料金値上げ反対)だっ た。その世論に迎合する形で政府が脱原発を強行して、その結果停電が起こりそうだとなれば、今度は安定供給を求めるだろう。世論とはそういう移り気なもの だ。足もとの世論の動向に左右されずに、エネルギー政策全般の整合性に目を配るのが、政治や行政の責任ではないだろうか。
    ◆何も決めずに先送りしたのと同じ
     政府のエネルギー・環境会議が定めた「革新的エネルギー・環境戦略」では、再生可能エネルギーを大量に導入するため、全量固定買取価格制度(フィードイ ンタリフ=FIT)を運用し、政府予算も大きく伸ばすことが予定されている。しかし、これらの施策による電気料金や税金などの経済的負担がどの程度に国民 に掛かってくるかは、明示されておらず、それを国民の前に提示するのは、今年末を「目途」として先送りされている。このような政策提示の仕方は、これまで 見たことがない。さらに、再生可能エネルギー、特に風力と太陽光などは精緻に積み上げられた再生可能エネルギー開発計画があるわけではない。結局、この計 画は「気合いの目標」でしかないのである。電力供給設備投資や省エネが実現できなければ、電力需給の逼迫は避けられない。その際には電気料金は高騰する。
    ◆国民経済や雇用の観点こそが重要だ
     日本に原子力発電が必要な理由は、量の安定供給の問題だけではなく、まさに国民経済や雇用の観点からなのである。地域経済の中枢を担い、これまで日本の 製造業を支えてきた優れた技術を有する企業でも、血と汗がにじむコスト削減努力を不断に続けている製造現場からすれば、1%の電気料金のアップでさえ大き く響くのである。日本は国際的に電気料金が高いと言われながらも、原子力発電があって、何とかこれまでの電気料金でやってこられた面もある。結局、肝心要 の議論は、原発を止めることでどこまで日本経済がもつか、なのである。
    ◆革新的な技術開発が進まない恐れ
     再生可能エネルギーの導入を促進するために、7月からわが国に導入されたFITだが、この制度は問題が多い。第一の問題点は、ユーザー負担があまりに高 すぎることだ。法律上、導入後3年間は、事業者の利益が実質的に保証されることになっていることもあり、買い取り価格はロビイングしていた側でさえ驚くほ ど有利なものになったといわれている。第二の問題点は、この制度では革新的な技術の開発が進まない、ということだ。仮に極めてチャレンジングな研究開発に 取り組んだとすれば、それが実用化される数年先には買い取り価格は下がっているだろうから、その投資は回収できないのである。さらに、同じ太陽光発電事業 者間での競争もないため、自らコストダウンのための技術開発をしようという気になるはずがない。
     再生可能エネルギーは質、量、コストのいずれの面でも未熟な段階にある。開発や実用化への挑戦自体は歓迎だが、根拠もなく過度の期待を抱くのは危険な賭けというほかない。
    ◆ファイナンス問題
     東日本大震災で明らかになったのは、国の基準を守ったからといって、原発事故を起こした電力会社はその損害賠償責任を免れないということだ。電力会社の みが無限賠償の責任を負う現行制度のままでは、ファイナンス面の問題が生じ、電力会社への民間投資や融資は停滞してしまうだろう。設備産業である電力会社 は、資金調達が行き詰まれば、新規の発送配電設備や関連情報システムに必要な投資を行なうことが困難になる。もちろん、原子力事業を継続することも難しく なってくるはずだ。

    (参考)
      ▽人々は「ゼロリスク」を本当に求めていたのか(会議所ニュース11/11号)
          http://eco.jcci.or.jp/news/6816.html
      ▽原発再稼働の現場-大飯原発を例にして-(会議所ニュース11/11号)
         http://eco.jcci.or.jp/news/6805.html
      ▽電力供給を支える現場力-関西電力海南発電所の苦闘-(会議所ニュース11/1号)
         http://eco.jcci.or.jp/news/news_front/6718.html
      ▽「今冬のエネルギー動向に関するアンケート調査」札幌商工会議所(会議所ニュース11/1号)
         http://eco.jcci.or.jp/news/6677.html
      ▽電機と電気―経営と生活(会議所ニュース10/21号)http://eco.jcci.or.jp/news/6597.html'12/11/21

    「残留放射線」評価で平行線


     厚生労働省の原爆症認定制度の在り方に関する検討会の第17回会議が20日、省内であった。焦点である残留放射線の健康影響の評価をめぐり委員間で議論は平行線をたどった。
     認定制度の改善を訴える荒井史男弁護士は影響について「認定基準に取り込めるほど科学的知見が熟していない」と指摘。科学の進歩も視野に、審査時に個別に判断するしかないと主張した。
     これに対し、日本被団協の坪井直代表委員は被爆体験から「影響があるのは間違いない」と強調。田中熙巳(てるみ)事務局長も、現行制度の改善で影 響をくみ取れる手だてが示されていないと主張。制度を廃止し、放射線との関連が認められる病気に被爆者がかかれば、支給額を増す新手当の創設を繰り返し訴 えた。
     終了後に記者会見した田中事務局長は「現行制度の改善案はいまだに中身があいまい。一つ一つ決めていく道筋を座長に提案したい」と述べつつも、疲労感を隠さなかった。
     原爆症認定制度の見直しは、裁判によらずに被爆者を救済するため、被団協の要請を受けるかたちで進めている。検討会は2010年12月に設置。来夏までの具体化を目指している。

    オーストリアはなぜ原発の閉鎖ができたのか?(大貫 康雄)

    運転直前閉鎖した原発で太陽光発電

    オーストリアが70年代に建設した「ツヴェンテンドルフ原発」は、巨額の経費をかけた末に、完成直前に国民投票で閉鎖された。
    以来、この「元原発」はオーストリアの非原発・脱原発政策の象徴となり、各国から見学者が多く訪れる施設となっている。その閉鎖の33年後、電力会社と地元の人たちとの共同事業で元原発が、新たに太陽光発電基地としても動き出した。
    オーストリアでも70年代は多くの人が原発の安全性に疑問を持たず、与党、最大野党の双方とも原発推進だった。
    ツヴェンテンドルフ原発の閉鎖は30年以上も前に決断されたので、今は経緯を知る人も少ないが、当時としては画期的な「事件」だった。
    オーストリアは今、世界でもきっての反原発、再生可能エネルギー推進国家になっている。この大転換の歴史を改めて振り返ってみよう。

    地元市民が太陽光発電の出資者となる

    1)「ツヴェンテンドルフ元原発が太陽光発電基地へ」というニュースは、NHKなども報じたので知る人も多いだろう。元原発を所有する電力会社は地元の人たちに出資を募り、地元の人は太陽光パネル1枚当たり日本円にして3万円相当を支払って13年間の所有権を得る。
    電力会社は出資者に毎年パネルの使用料を支払い、13年後には出資者はさらに1枚当たり9000円相当を支払う。パネル設置など工事費は電力会社が負担する、というもの。
    市民参加型の再生可能エネルギー発電はヨーロッパで増えており、ツヴェンテンドルフも、この方式を採用したとみられる。低金利時代には有利な投資でもある。
    ツヴェンテンドルフは人口4000人未満と聞くが、参加した人たちは多かったようだ。
    ツヴェンテンドルフ元原発はウィーンから西北に30数km。現在、世界からの見学者が多く、研修施設などに利用されている。これからは元原発の太陽光発電基地としても訪れる人が増えるだろう。

    原発推進が当たり前だった50〜60年代

    2)ツヴェンテンドルフ「元原発」は、建設費に1000億円相当の経費をかけている。
    原発運営の国営企業も作られている。それが回収されることなく、つまり一度も放射能に汚染されることなく、閉鎖された経緯はひとつの奇跡と言っても良いほどだ。
    1950年~60 年代は、アイゼンハワー米大統領の原子力の平和利用宣言(53 12月8日)など、大国によって原子力発電の安全神話が作られた時期。オーストリアも例外なく大半の国民が原発の安全性に疑問を持たない時代だった(54 年3月1日には、ビキニでの水爆実験で第五福竜丸などが被曝し、無線長の福山愛吉さんが亡くなる悲劇が起きた。この悲劇から日本では原水禁運動が始まるきっかけとなるが、国際的には矮小化されている)。
    原発計画は60年代末から検討され、議会の全会一致の決議で6基建設に踏み出す。ツヴェンテンドルフ原発はオーストリア最初の原発として72年から建設が始まる。
    しかしその後、ドイツにある同じ沸騰水型の原発2基で故障がおきて、運転停止したのを契機に原発技術への疑問が起きる。
    またドナウ川が氾濫した際、格納容器まで水につかる危険性が指摘される。さらに原発敷地の地下に断層があることも判り、ツヴェンテンドルフ原発計画に対し、知識人や地元の人たちの懸念が高まっていく。
    アルプス山中の地下深くに、原発の使用済み核燃料、核(放射性)廃棄物を貯蔵する施設を作る計画が知られると、予定地とされた近隣の村々から強い反対論が起き、この計画も行き詰る。
    一時は核廃棄物をイランが買い取るとの話も出たが、イラン革命で当時のパーレビー国王が追放されて立ち消えになる。
    原発の安全性や核廃棄物の安全貯蔵に対する反対論が無視できなくなり、74年第2基の原発建設が延期になる。

    反原発に傾いていった70年代

    3)こうした原発反対の声の高まりに危機感を抱いた政府は76年、「原発は安全」との情報キャンペーンを始める。
    ところが、新聞各紙が政府の一方的なキャンペーンに逆に初めて原発批判の記事を載せ始めた(この視点、姿勢が日本のメディアでは考えられない)。
    これで一般の人たちが原発の実態をよく知るきっかけになり、ツヴェンテンドルフ原発の建設が進むにつれ「原発運転開始」への懸念が強まっていく。
    そして、人々は初めて以下のような原発の負の側面を知ることになる。
    *放射能の人体への深刻な影響
    *原発の技術は未完成のもの
    *核廃棄物の安全管理・貯蔵の困難さ
    *「核の平和利用」と軍需産業の関係
    *事故の際、的確な住民避難が不可能なこと
    77年4月、ザルツブルクで「核のない未来を目指す国際会議」が開かれ、日本の原水禁運動の関係者が広島・長崎・ビキニの被曝の実相を語り、オーストリアの人たちに放射能被害の深刻さを知らせたことも、反核の世論の盛り上げに貢献した、と言われている。
    77年秋には、初めて規模の大きいツヴェンテンドルフ反対デモが行われる(オーストリアの反原発デモは終始、非暴力に徹していた)。
    この最中、政府は原発推進色の濃い「原発報告」を議会に提出。しかし国民は逆に反発。
    *  多くの問題点を無視し、国民を騙すもの。裏付けとなる研究・調査も不十分などの反論が続出
    原発推進の野党保守党までもが、ツヴェンテンドルフに限っては安全が十分とは言えないと言い出す。
    こうした事態に78年6月、クライスキー首相は「11月5日に国民投票を実施」すると発表する一方で、原発推進キャンペーンに多額の費用をかけていく。原子力関連業界もキャンペーンを強化する。

    国民投票により原発の閉鎖が決まる

    4)さて、この政府と原子力業界の攻勢に対し、反原発の活動家たちは金もなく、まだ少数派だったが、唯一行動力があり、智恵があり、熱意があった。そのため効果的な活動ができたようだった。
    「原発に反対の母の会」、「反原発教師の会」、物理学者の会生物学者の会芸術家の会宗教者の会など多様な集団が声を上げ、各地にこれらの団体の活動の調整センターが作られる。
    与党・社会民主党支持者は困った挙句、「首相は支持するがツヴェンテンドルフは反対」のスローガンをひねり上げ、各地でツヴェンテンドルフ原発反対の活動を展開する。
    国民投票の直前、ツヴェンテンドルフ原発は98%完成していた。アメリカから極秘裏に核燃料が運び込まれたとの緊迫した情報がもたらされる。
    11月5日当日、有権者の3分の2が国民投票に足を運ぶ。
    結果は大方の予想を覆し、ツヴェンテンドルフ反対が31.6%、賛成が31.09%、棄権35.9%、無効1.5%と出た。棄権を除く有効投票の内、50.5%が反対、49.5%が賛成)。僅か3万票足らずでツヴェンテンドルフ原発の閉鎖が決まった
    際立ったのは、若者たち、特に若い女性たちが反原発だったこと。またツヴェンテンドルフの建設現場や、原発運営に作られた国営企業で働く人が多い地元や周辺の町村の人たちの間でも原発反対が多かったことだった。
    国民投票の前、クライスキー首相が「原発が否定されたら辞任」を口にしたのを受けて、本来原発推進の最大野党の保守党支持者の一部が首相を更迭する機会と見て「原発反対」票を投じたことも逆転劇を助けた面がある(しかしクライスキー首相は辞任しなかった)。
    いずれにせよ国民の審判は下った。この国民投票の結果を受けて、政府は「原発で発電された電力の使用を禁止する法案」(以後、反原発法と略)をオーストリア議会に提出。国民投票から1カ月余り、議会は12月15日、全会一致で法律を可決する。
    原発運営に作られた国営会社は即刻解体ソ連のウラン企業や、アメリカ・エネルギー省との契約は解除。フランス・コジェマ社との核燃料再処理契約も解除。コジェマ社の株式は外国企業に売却。
    (こういう果断な決断こそ「決められる政治」というべきだろう。この迅速な決断と処理は、今の日本では到底考えられない。日本ならば恐らく、「原発が98%完成したのに……」などと「原子力村」がまことしやかな理由を挙げ、経費回収まで原発運転、などと言いかねないだろう。ましてアメリカ・エネルギー省との契約解除など対米従属の政府では考えられないだろう)

    EU全域の脱原発を訴えるオーストリア首相

    5)ただ、この法律には議会の3分の2の賛成で法律を廃棄できる、との条項が付けられる。
    オーストリアが最初の原発を完成直前に閉鎖を決定して3ヶ月後、79年3月28日にスリーマイル島原発事故が起きる。メルトダウンまで起きた深刻な事故だった。
    しかしツヴェンテンドルフ原子力業界や原発推進派は、この3分の2条項を利用して「反原発法」を廃止すべく様々な活動を展開し、反原発活動家には気の抜けない年月が続く。
    原発推進派が最終的に原発建設を断念するのは86年のチェルノブイリ原発事故が起きてからだった。
    オーストリアの反原発運動を担った人の中からは、環境活動家フレダ・マイスナー=ブラウ氏(女性)や教師マチルダ・ハラ氏(女性)のように反原発・反核活動が評価されて「核の無い未来」賞(Nuclear Free Future Award)の受賞者を出している。
    マイスナー・ブラウ氏はオーストリア緑の党の創設者でもあり、95年ウィーンでの第1回国際人権法廷を主宰するなどして、オーストリアでの同性愛者差別を禁止する法の制定にも貢献している。
    今やオーストリアの反原発は国民的課題となった感がある。単に再生可能エネルギー利用推進の政策だけではない。非原発・脱原発は国民全体の安全にも関わる現実の問題があるからだ。
    隣国チェコやスロヴァキアなどで原発建設が計画され、万が一事故となると自国に深刻な影響が及ぶのは必至だからだ。
    東京電力福島第一原発事故から1年目の今年3月11日、ヴェルナー・ファイマン首相は「今年中に少なくともEU加盟国の6カ国以上で、EU全域を脱原発にするべく署名活動を始める」と発表している。EUのリスボン条約では少なくとも百万以上の署名が集まれば、EU委員会は何らかの立法手続きをして各国に諮ることになる。
    第三者が見るところ、現状でEU全域の脱原発可は凡そ不可能だろう。何といっても各国それぞれの国内事情、エネルギー政策があるし、他国からみれば「原発問題では常軌を逸したオーストリア」と映る。
    しかし、今やEU第一の国ドイツが脱原発を明確にし、イタリアも国民投票で二度と原発を作らなくなった。周辺各国も積極的な原発推進者は減少傾向にある。ヨーロッパ議会にも反原発の議員が増えている。予想外の展開もあり得る。
    何と言っても33年前、不可能を可能にした国民であり、放射能汚染無き環境を少しでも広げたい、その可能性を追求する姿勢は多くの示唆を与える。
    【NLオリジナル】

    迫る総選挙

    脱原発・反増税、訴え一貫

    2012年11月22日
    写真
    共産党県委員会の千葉信男委員長
    ■政党幹部に聞く――3(共産党県委員長・千葉信男氏)

     ――衆院選の争点をどのように考えていますか。

     原発再稼働、消費税増税、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加、オスプレイ。民主党政権が国民の声を無視して進めようとしているこれらの是非を問う選挙になる。これだけ争点がはっきりしている選挙はありません。

     ――それらの政治課題への共産党の立場を。

     すでに「提言」という形でまとめています。たとえば消費税ならば、すべて反対ということではなく、まず大企業や富裕層へ負担を課す。もう一つは経済再建で税収を増やす。消費増税ではなく、この2本柱で財政再建ができると訴えています。

     ――原発問題では、即時にすべての原発の稼働停止を訴えています。電力は賄えるのですか。

     原発を止めたら電力が足りなくなる、経済が失速するといって海外や財界から圧力がかかりますが、現にこの夏は原発がなくても乗り切れた。官邸前のデモもそうですが、原発をなくせという声が広がっている。こういう世論の声を受けて「即時ゼロ」を訴えます。

     ――国会議員が自ら身を切る一票の格差是正のための「0増5減」や、比例の定数削減にも反対しています。

     我々はこれらは「身を切る」のではなく、「民意を切る」ことだと考えます。今の小選挙区制度では民意が正しく反映されません。「0増5 減」は小手先の制度改変。むしろ小選挙区制度を固定化させる懸念すらあります。「身を切る」ために我々が主張しているのは、定数削減ではなく、320億円 の政党助成金を廃止することです。

     ――2003年以来、9年ぶりに県内全3選挙区に候補者を立てますね。

     政権交代から3年あまり。民主党も自民党と変わらないことが明らかになりました。はっきりとした反消費増税、脱原発という選択肢を全選挙 区で有権者に示したい。党の目標は(解散前の)9議席からの倍増。現在、志位和夫委員長の1議席にとどまっている南関東ブロックで、2議席獲得に向けて しっかりと比例票を取り込みたい。

     ――第三極との差別化をどう考えていますか。

     日本維新の会も脱原発を引っ込め、消費増税を掲げている。既成政党と変わりません。そういう意味で、共産党はそれらの課題で際だった主張をしていると自負しています。

    (板垣麻衣子)

    2012年11月22日11時38分

    「最大地震はM10と推定」 地震学者、予知連で報告


     【瀬川茂子】東日本大震災を起こしたマグニチュード(M)9の地震の30倍のエネルギーを出すM10の巨大地震も起こりうる。こんな推定を、東北大の松 澤暢(とおる)教授が21日の地震予知連絡会で報告した。日本でM9級の地震発生を想定していなかった反省から、科学的に起こりうる最大を考え、想定外へ の対応につなげるのが目的という。
     過去に世界で観測された最大は1960年のチリ地震で長さ1千キロの断層がずれたM9.5だ。松澤教授はさらに大きい断層がずれることを考え、理論上は M10もありうると推定した。もしM10の地震が発生すれば、地下の破壊は20分から1時間も続き、揺れがおさまる前に津波が到達するおそれがある。日本 海溝から千島・カムチャツカ海溝までの3千キロ全部、60メートルずれ動くとするとM10になる。
     また、M11の地震エネルギーは、恐竜絶滅の原因となった小惑星衝突のエネルギーに匹敵、断層の長さが2万キロ以上にもなり、「考えなくてもよい」とした。

    世界最大級の地震はM10前後
    11月22日 5時18分

    世界最大級の地震はM10前後
    世界で起こりうる最大級の地震について、地球の大きさや地形から、最大でマグニチュード10前後の規模が考えられるという分析結果を東北大学の専門家がまとめました。
    この分析結果は、21日に都内で開かれた地震の専門家の会合で、東北大学大学院の松澤暢教授が報告しました。
    それによりますと、地球の大きさや巨大地震を起こす可能性のあるプレート境界の断層の長さなどから、考えられる地震の規模は最大でマグニチュード10前後だとしています。
    マグニチュード10は去年3月の巨大地震の32倍の規模で、これまで知られているなかで世界最大の1960年に南米チリ沖で起きたマグニチュード9.5の地震を上回ります。
    例えば、北アメリカからカムチャツカ半島、そして、日本の南にかけての海溝沿い8800キロの断層が20メートルずれ動くとマグニチュード10になるとしています。
    松澤教授は、こうした地震が起こると、揺れの長さは20分から1時間ほど続き、揺れが収まる前に津波が来て何日も続くことが考えられると指摘しました。
    そ のうえで「マグニチュード10が絶対、起こると考えている訳ではない。東日本大震災でマグニチュード8クラスまでしか起こらないと思っていたらマグニ チュード9が起きたので、僅かでも可能性があるならば、どういうことが起こるか事前に理解しておくことは必要だ」と話しています。

    UPDATE1: チリ中部でM6.1の地震、被害報告なく鉱山は通常操業

    2012年 11月 22日 07:48 JST





     [サンティアゴ 21日 ロイター] チリ中部で21日、地震が発生した。米地質調査所(USGS)によると、震源は、中部の港湾都市バルパライソの南南西106キロ。当初、地震の規模はマグニチュード(M)5.9と発表されていたが、その後M6.1に修正された。
     チリ緊急事態局は「けが人や基本的サービス、インフラのトラブルの情報は入っていない」とコメント。
     また海軍は、同地震による津波の心配はないとしている。
     世界最大の銅鉱山会社であるチリ銅公団(コデルコ)の広報担当者によると、同社の鉱山は通常通りの操業を続けている。
     今回の地震では、首都サンティアゴでも強い揺れを観測した。

    必要があれば名称変更も…地震予知連


     地震学者らでつくる地震予知連絡会は21日、東日本大震災を予測できなかった反省を踏まえ、組織の名称や役割について検討する作業部会の設置を決めた。
     1969年に発足した同連絡会は、国土地理院に事務局があり、地震学者らが地震予知に関する観測や研究結果などについ て情報交換を行ってきた。会長の平原和朗・京都大教授は21日の記者会見で「地震予知は現実に難しい。組織の役割を再確認し、必要があればそれに見合う名 前に変えたい」と話した。
    (2012年11月21日21時20分  読売新聞)

    地震:宮城県南三陸町で震度4=午前2時42分

    毎日新聞 2012年11月22日 10時22分(最終更新 11月22日 10時31分)
     22日午前2時42分ごろ、宮城県沖を震源とする地震があり、同県南三陸町志津川で震度4を観測した。気象庁によると、震源の深さは約50キロ、地震の規模を示すマグニチュードは4.8と推定される。主な各地の震度は以下の通り。
     震度3=同県気仙沼市、涌谷町、登米市、南三陸町歌津、大崎市、岩沼市、石巻市、東松島市、女川町、岩手県大船渡市、陸前高田市、一関市

    気球飛ばし状況把握 境港など南海地震想定し訓練

    2012年11月21日
    南海トラフ地震を想定した国交省中国地方整備局の地震・津波訓練が20日、鳥取県内で行われた。境港市では、港湾施設の地盤沈下や液状化を想定し、出先事務所の職員らが初動対応や気球空撮システムを使った被害状況の確認などに取り組んだ。
    気球空撮システムを使って港湾施設の被害状況を把握する訓練に取り組む国交省職員=20日、境港市昭和町
    訓練は、午前8時に中国地方全域で震度6弱の地震が発生、鳥取県内では、境港湾・空港整備事務所(境港市)と日野川河川事務所(米子市)の管内で甚大な災害が発生したという想定。
     境港市の重要港湾・境港を所管する境港湾・空港整備事務所には災害対策支部が設置され、職員が3班に分かれて現地に出向き、港湾施設の被災状況を 点検。同事務所に配備される気球空撮システムを使い、液状化で職員が近づけない竹内地区の被災状況を上空からの映像で確認した。
     また、大型船が利用する昭和南地区の港湾施設が地盤沈下で使用できなくなり、完全復旧までに3カ月程度かかるという想定で復旧方針の立案も行った。
     一方、国交省日野川河川事務所では、皆生海岸(米子市)の護岸の崩壊などを想定し、被害情報の収集や広島の中国地方整備局への連絡などを訓練。また、水道管の破裂を想定し、排水ポンプなど必要な機材の手配なども確認した。

    本当に怖いのは南海トラフ巨大地震より「富士山噴火」?

    地震には発生する“順番=シナリオ”がある

    2012年11月13日(火)

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     内閣府発表の「南海トラフ巨大地震」被害想定を受け、静岡県下田市の防災関係機関や街の人々を緊急取材した“チームぶら防”。どこか雲をつかむような南 海トラフ巨大地震とその被害想定に対してメスを入れてきた、防災の鬼こと防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏が最後に語ったのは、最悪でありながら現 実味を帯びた、ある“シナリオ”だった。
    寝姿山の展望台から臨む下田湾。幕末の1854年12月23日に起きた安政東海地震では、推定6~7メートルの津波が押し寄せ、下田の街を壊滅させた。果たして、そんな苦い歴史は繰り返されるのか…
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    静岡県下田市を訪れ、これまで3回にわたって内閣府が発表した「南海トラフ巨大地震」の被害想定がもたらした衝撃と、その真の狙いについて追究してきたチームぶら防。下田編の最後となる今回は、2つの話題を取り上げてみたい。
     1つは「南海トラフ巨大地震は実際に起きるのか?」。そしてもう1つは「今、切迫性が高まっている本当の“危機”は何なのか?」という疑問だ。あえて根 本的なテーマに立ち返った理由は、街を歩きながら話を聞いた下田で暮らす人々の多くが、「そんな巨大地震は起きるの?」といった素朴な疑問を抱いているか ら。そして何より、「もう諦めちゃうよ」と笑い飛ばす表情の裏に、どう備えるべきかといった防災の基本を見失いかけている心情が垣間見え、渡辺氏はより強 い危機感を募らせたからだ。
     今回発表された南海トラフ巨大地震の想定震源域に近く、津波や地震によって大きな被害を受けると考えられる地域に住んでいれば、誰しも「ホントにそんな 巨大地震は来るの?」と疑いたくなるのは当然だ。特に東海地震の危険性について子供の頃から教え込まれてきた静岡県民なら、東海地震を今回想定の南海トラ フ巨大地震に置き換えて考えてしまう方も多いだろう。
    下田市内を散歩する観光客の多くが足を止める蔵のような建物。そこは、明治20年創業という下田市内でも老舗の酒屋、「土藤(つちとう)商店」。こちらで南海トラフ巨大地震に対する思いを伺った

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