2012年11月30日金曜日

2012/11/30

失った氷床、20年で4兆トン 南極とグリーンランド

解けた水が流れ込むグリーンランドの氷床の水路(ワシントン大の研究チーム提供・共同)
 【ワシントン共同】南極やグリーンランドの氷床が、過去20年間に計4 兆2600億トン失われ、解け落ちた氷によって世界全体で約1センチの海面上昇が起きたとする推計を、英リーズ大や米航空宇宙局(NASA)などの研究 チームが30日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 地球温暖化の影響が表れやすいとされる北半球のグリーンランドが特に深刻な状況だった。また、海水温の上昇によって陸から海にせり出す棚氷の崩壊が加速していると警告する別の論文を米ワシントン大のチームが同誌に発表した。

2012年11月30日金曜日

極域氷床、速いペースで融解


 新たな研究によると、過去20年間の温度上昇により、極域での氷床の融解ペースが速まっており、その結果、海面が0.5インチ近く上昇した。
 これまでで最も包括的な研究によると、過去20年間の温度上昇により、極域の氷床の融解ペースが速まっており、その結果、海面が0.5インチ(12.5ミリメートル)近く上昇した。
Ian Joughin/University of Washington
氷床の融解ペースが速まっている極域
科学者はこれまで長い間、南極とグリーンランドの氷床が増えているのか減っているのか、はっきりとは分からなかった。過去の衛星を使った観測も範囲が限られたり、方法が定まらないことなどで有効ではなかった。
 専門誌サイエンスに29日、掲載された研究によると、氷床全体の融解によって地球の海面は1992年以降11.1ミリメートル(0.43インチ)上昇し た。これは、この期間の海面上昇の5分の1に相当する。90年代は、氷床融解による海面上昇は全体の約10%にすぎなかったが、この研究のデータは、今で は30%程度にまで達していることを示している。
 気温の上昇はいくつかの形で海面上昇をもたらす。一部の推定では、上昇のほぼ半分は海洋の熱膨張に関連していることが示唆されている。海水が温まれば、 海水の密度が低下して膨らむことになる。また、氷河の融解も海面上昇の要因の一つで、3番目は南極とグリーンランドの氷床の融解の拡大だ。
 特にグリーンランドでは氷床の融解が進んでいる。一つの理由は北半球の海流の温度が高くなり、これがより強力な融解をもたらしている。また、グリーンランドの気温は南極よりもはるかに高く、その結果、これが南極よりも大きな影響を及ぼしている。
Ian Joughin/University of Washington
The midnight sun casts a glow on an iceberg in Disko Bay, Greenland.
英ケンブリッジ大学のピーター・ワドハム海洋物理学教授は「研究結果から推定するに、グリーンランドは海面上昇の重大な要因になりつつある」と話した。 同教授はこの研究には参加していない。同教授はまた、「その影響力は、他の上昇要因に比べて、ますます大きくなりつつある」と指摘した。
 海面上昇問題はここ数カ月、一段と注目されるようになった。10月末に米国東部を襲った暴風「サンディ」による大きな洪水被害は、人口が密集している沿岸地域での海面上昇への不安を再び呼び起こした。
 氷床融解の影響を調べるために科学者らは「マスバランス」を測定しようとした。マスバランスは、氷床の上に降る1年間の雪の量と、融解したりはがれたり する氷の総量との差異を指す。海流の変化や棚氷の力学とその動き、観測地点ごとに異なる気温や海水の塩分濃度など、さまざまな要因を考慮しなければならな いことから、この測定は極めて複雑なものになる。
 その結果、科学者はどの程度の氷床融解が大気の気温上昇により、どの程度が海水温度上昇によるものか、はっきりと捉え切れていない。
 最新のマスバランスは2007年の国連気候変動報告に盛り込まれたが、これは限定的な観測に基づいたもので、多くの科学者は、報告は氷床融解を過少評価していると見ている。
 今回の研究は、これまでの10件以上の測定結果の差異を調整し、これに新しいデータを加えたもので、これまでのものに比べて正確さは倍になっているとい う。英リーズ大学の地球観測学教授で、今回の研究論文の主執筆者であるアンドルー・シェパード氏は「これによっていくつかの確固とした結論を導き出すこと ができる」とし、「南極の氷床が増えているのか減っているのか分からなかったが、今では確信をもって減少していると言える」と強調した。
 07年の国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による報告は、南極とグリーンランドでは同様の量の氷が失われていることを示唆していたが、今回の研究は、氷床融解の3分の2はグリーンランドで、残りが南極で起きていると結論付けた。

大飯原発差し止め求め提訴 福井の住民ら154人
 関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを求め、横断幕を持ち福井地裁へ向かう原告団ら=30日午後

関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を安全性が保証されないまま再稼働させたとして、福井県などの住民154人が30日、関電に運転差し止めを求める訴訟を福井地裁に起こした。

 訴状では「東京電力福島第1原発事故は、原発のリスクが決して許容できるものではないことを明らかにした」と主張。

 また、大飯原発直下にある破砕帯(断層)について、原子力規制委員会の調査では専門家の評価が分かれており「安全側に考えれば、運転しながら調査するのではなく直ちに運転を停止すべきだ」とした。

(共同通信社)('12/11/30


大飯原発差し止め求め提訴
福井の住民ら154人

 関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを求め、横断幕を持ち福井地裁へ向かう原告団ら=30日午後
 関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを求め、横断幕を持ち福井地裁へ向かう原告団ら=30日午後
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を安全性が保証されないまま再稼働させたとして、福井県などの住民154人が30日、関電に運転差し止めを求める訴訟を福井地裁に起こした。
 訴状では「東京電力福島第1原発事故は、原発のリスクが決して許容できるものではないことを明らかにした」と主張。
 また、大飯原発直下にある破砕帯(断層)について、原子力規制委員会の調査では専門家の評価が分かれており「安全側に考えれば、運転しながら調査するのではなく直ちに運転を停止すべきだ」とした。(共同通信)
【 2012年11月30日 17時20分

伊方再稼働させないで 市民団体が知事に署名提出

2012年11月30日(金)

【写真】伊方原発を再稼働させないよう求める署名を中村時広知事宛てに提出する「伊方原発をとめる会」のメンバー=29日、県庁
 原発ゼロを訴える市民グループ「伊方原発をとめる会」は29日、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)を再稼働させないよう求める7万6246人分の署名を中村時広知事宛てに提出した。
 メンバー約40人が県庁で、山口道夫原子力安全対策推進監と面談。使用済みや未使用の核燃料の徹底管理も含めた廃炉計画を、県が国や四電に作成するよう働き掛けることも申し入れた。山口推進監は「知事に伝える」と述べるにとどめた。
 署名活動は6月から県内外で始め、内訳は県内が3万2130人分、県外は4万4116人分。とめる会は東京電力福島第1原発事故から2年となる来年3月までに40万人分の署名を集める方針。

 

 

大飯原発差し止め求め提訴-福井の住民ら154人  (11/30 17:13更新)

関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を安全性が保証されないまま再稼働させたとして、福井県などの住民154人が30日、関電に運転差し止めを求める訴訟を福井地裁に起こした。
 訴状では「東京電力福島第1原発事故は、原発のリスクが決して許容できるものではないことを明らかにした」と主張。
 また、大飯原発直下にある破砕帯(断層)について、原子力規制委員会の調査では専門家の評価が分かれており「安全側に考えれば、運転しながら調査するのではなく直ちに運転を停止すべきだ」とした。

東電TV会議 汚染水放出の混乱浮き彫り
11月30日 17時26分

原発事故直後の対応が記録されたテレビ会議の新たな映像が公開されました。この中には、去年4月、 関係機関への十分な連絡なしに汚染水を海に放出する決定をした際のやり取りがあり、映像からは、政府や東京電力本店が現場の切迫感を十分把握できず、追い 込まれて放出を決断するという、当時の混乱ぶりが確認できます。
新たに公開されたのは、事故から6日目の去年3月16日からの1週間と、去年3月30日からの1週間の、およそ336時間分のテレビ会議の映像で、原則、閲覧による公開で、ほかにおよそ2時間分が報道用に提供されました。
この中には、冷却できなくなった使用済み燃料プールに自衛隊のヘリコプターなどで放水した際のやり取りや、関係機関への十分な連絡なしに汚染水を海に放出し、国内外から批判を浴びた際の対応などが含まれています。
このうち、汚染水の放出については、政府や国会の事故調査委員会が検証結果を公表していますが、実際に現場と本店や政府との間でどのようなやり取りがあったのか十分明らかになっていません。
今 回の公開によって、その一端が見えてきました。例えば、去年3月30日のテレビ会議では、現場の指揮官の吉田所長が、「水の問題がいちばん大きいことは、 すでに1週間近く言っている。限界だ。何とかしてくれ」と、汚染水の海への放出も含めて、緊急に対策を検討してほしいと本店に掛け合っていました。
しかし、本店側の担当者は「決して汚染水を外部に放出しないためにどうすればいいか検討している」と発言し、現場の危機感との間にずれが生じているのが確認できます。
その後、事態が悪化し、放出当日の去年4月4日午前9時のテレビ会議では、吉田所長が「手足を縛られたなかで頑張れと言われても、到底頑張れない」と発言し、状況が一変して、一気に海への放出が決まっていったことが分かります。
一連のやり取りを見ると、政府や本店が現場の切迫感を十分把握できず、汚染水の海への放出という極めて重大な決断を、追い込まれて決めていった混乱ぶりが浮かび上がります。
ただ、こうしたやり取りの多くは閲覧の映像の中にあり、提供された動画の中にはほとんど含まれていませんでした。
こ のほか、去年3月17日、3号機の燃料プールに自衛隊のヘリコプターで上空から放水しようとした際のテレビ会議の映像には、「来たぞ、4機目だ」、「あ あ、霧吹きだ」などと、冷却手段がなくなった燃料プールへの放水に期待しながら見守るしかない現場の苦悩も見て取れます。
今回の公開は、ことし8月以来2回目で、事故対応の検証に欠かせないテレビ会議の映像について、東京電力は事故から1か月に当たる去年4月11日までの分を公開する方針を示していて、残る2週間分について、来年1月下旬をめどに公開するとしています。

汚染水放出に至った経緯は

汚染水の海への放出が決まるまでの経緯を、政府や国会が設置した事故調査委員会の報告書の記述などからまとめます。
発端は、事故から8日後の去年3月19日。6号機の地下の電源設備がある部屋に汚染水が流れ込んでいるのが見つかったことから、検討が始まります。
「電源設備に被害が出ると、重大な事故に至っていない5号機と6号機にも影響が及ぶおそれがある」。こうした危機感から、3月23日には、6号機の地下にたまっている汚染水を海に放出したいと、初めて「海洋放出」を当時の保安院に伝えています。
し かし、放射性物質の濃度が法令で定める基準より高かったため、東京電力はいったん、「海への放出は困難」と判断します。その後、6号機につながる立て坑の 水が地下に流入していることが分かり、今度は、この水の海への放出を検討しますが、こちらも濃度が高く、再び断念します。
一方、この間に重大な事態が発生します。3月24日、3号機の地下にたまった汚染水で、作業員3人が被ばくをする事故が起きます。
原子炉から流れ出た高濃度の汚染水がタービン建屋などにたまっていたことが原因で、東京電力と国は特別チームを作り、汚染水への対策を本格化していきます。
この中で、高濃度の汚染水を放置すれば、立て坑から外に漏れ出るおそれがあるとして、移送先を確保することになり、特別チームは3月28日、別の施設にたまった比較的低い濃度の汚染水を海に放出する方針を固めます。
これに対して、4月1日、特別チームの全体会議で、「汚染水の海への放出は絶対にありえない」という強い意見が出されます。
事態が変わったのはその翌日。最も恐れていた、高濃度の汚染水の海への流出が起きたのです。2号機の立て坑から、ピットと呼ばれる施設を通じて、海に漏れ出ました。
この事態を受けて、翌4月3日に開かれた政府と東京電力の会議の席上、「やむをえず低い濃度の汚染水を海に放出せざるをえないかもしれないが、国民が納得できる説明が必要」という意見が出されます。
そ して、4月4日朝のテレビ会議で、吉田所長が「手足を縛られたなかで頑張れと言われても、到底頑張れる状況にない」と現場の状況を訴えると、一気に海洋放 出に傾き、政府内での了承、原子力安全委員会からの技術的な助言など、事務的な手続きが同時並行で進められ、原子炉等規制法の64条に基づく「危険時の措 置」と判断され、海への放出が決まりました。
こうした一連の経過について、国会の事故調査委員会は「大量の汚染水の処理は当初より予測可能で、十 分な検討や対策が行われていれば、海への放出を余儀なくされる事態は回避できた可能性が十分に考えられる。本店はふかん的、長期的視点から、現場を支援す る役割を十分に発揮できなかった」と指摘しています。また、関係者の理解を完全に得られないまま放出したことについても、「放出計画を適切に説明する時間 的な余裕があれば、こうした事態は避けられた可能性がある」と厳しく指摘しました。

伊方再稼働させないで 市民団体が知事に署名提出

2012年11月30日(金)

【写真】伊方原発を再稼働させないよう求める署名を中村時広知事宛てに提出する「伊方原発をとめる会」のメンバー=29日、県庁
 原発ゼロを訴える市民グループ「伊方原発をとめる会」は29日、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)を再稼働させないよう求める7万6246人分の署名を中村時広知事宛てに提出した。
 メンバー約40人が県庁で、山口道夫原子力安全対策推進監と面談。使用済みや未使用の核燃料の徹底管理も含めた廃炉計画を、県が国や四電に作成するよう働き掛けることも申し入れた。山口推進監は「知事に伝える」と述べるにとどめた。
 署名活動は6月から県内外で始め、内訳は県内が3万2130人分、県外は4万4116人分。とめる会は東京電力福島第1原発事故から2年となる来年3月までに40万人分の署名を集める方針。

高汚染水漏れに「最悪の事態」=テレビ会議映像、追加公開-福島第1原発事故で東電

 東京電力は30日、福島第1原発事故発生後の対応状況が録画されたテレビ会議映像のうち、昨年 4月2日に2号機からの高濃度汚染水流出が確認された瞬間などを含む約336時間分を報道関係者に追加公開した。テレビ会議映像の公開は今年8月、事故発 生当日の昨年3月11日から同15日までの約150時間分に続いて2回目。
 追加公開の映像では、昨年4月2日未明、2号機から高濃度の放射能汚 染水が海に流出しているのを確認した吉田昌郎所長(当時)が「非常に高い線量の水が海に流れているという最悪の状況が確認できています」と緊張した声で報 告する様子などが含まれていた。高濃度汚染水の流出が公表されたのは半日たった同日午後になってからだった。(2012/11/30-16:34)

「おー、当たった」免震棟で歓声 東電が未公開映像を公開

 東京電力は30日、福島第1原発事故直後から記録している社内テレビ会議映像のうち、未公開だった約336時間 分を報道機関やフリー記者に公開した。公開されたのは、本店などで録画された昨年3月16~23日分と、30日~4月6日分で、原子炉建屋への放水作業や 汚染水の海洋放出などをめぐる社内のやりとりが記録されている。
 このうち3月17日に自衛隊のヘリコプターが3号機の使用済み燃料プールに水を投下した際には、第1原発免震重要棟内にいた社員らが作業の手を止めてテレビの生中継を見守り「おー、いった。当たったな」と歓声を上げた。
2012/11/30 16:27   【共同通信

 

 

「おー、当たった」免震棟で歓声-東電が未公開映像を公開  (11/30 16:27更新)

東京電力は30日、福島第1原発事故直後から記録している社内テレビ会議映像のうち、未公開だった約336時間分を報道機関やフリー記者に公開した。公開 されたのは、本店などで録画された昨年3月16~23日分と、30日~4月6日分で、原子炉建屋への放水作業や汚染水の海洋放出などをめぐる社内のやりと りが記録されている。
 このうち3月17日に自衛隊のヘリコプターが3号機の使用済み燃料プールに水を投下した際には、第1原発免震重要棟内にいた社員らが作業の手を止めてテレビの生中継を見守り「おー、いった。当たったな」と歓声を上げた。

避難者に高速無料化3月まで延長  原発事故で国交省

(2012年11月30日午後3時49分)
 国土交通省は30日、東京電力福島第1原発周辺からのを対象にした高速道路の無料化を、来年3月31日まで延長すると発表した。 原発事故の警戒区域や計画的避難区域などに住んでいた人が一時帰宅する交通費を支援するため今年4月から開始し、期限は1月15日までとしていた。
 福島県は、現在の対象地域以外から自主的に避難している人にも無料措置を拡大するよう求めており、国交省の担当者は「復興庁と調整中」と話している。
 支援対象の避難者は、指定した東北、磐越、常磐各自動車道のインターチェンジ計30カ所から出入りすると、首都高速道路など一部路線を除いて無料で通行できる。

 

東日本大震災:輪島クリーンセンター付近住民、震災がれき受け入れ中止要請 /石川

毎日新聞 2012年11月30日 地方版
 輪島市が進める岩手県宮古市の震災がれきの受け入れについて、ごみ処分場「輪島クリーンセンター」が建 つ同市美谷町の住民が29日、放射性物質への不安などを理由として、梶文秋市長に中止を要請した。美谷町の住民は、市との間で同センター敷地内の土地の賃 借契約を結んでおり、中止が聞き入れられない場合、契約を解除する方針。また、市が来月8日に予定している試験焼却に対しても反発しており、事前にがれき の搬入路にバリケードを置くという。
 この日、美谷町の立壁政義区長が同市役所を訪れ、梶市長に対して受け入れ中止を要請し、来月5日までの回答を求めた。「受け入れには到底納得できない」とする立壁区長に対し、梶市長は「地元の意見として検討したい」などと応えた。
 立壁区長らはこの日記者会見を開き、市が受け入れを中止せずに試験焼却を実施した場合、抗議の意思を示すため搬入路にバリケードを置くとの方針を説明。訴訟を起こす可能性もあるとした。
 これまでに輪島市は美谷町地区で説明会を開くなどしたが、住民側は放射性物質への不安などを理由に受け入れに反対する方針を示していた。市は今月26日、住民側に来月8日の試験焼却を通知していた。【宮本翔平】

長浜環境相「不検出か濃度大変低い」 新潟市が震災がれき試験焼却中止で安全性強調

2012.11.30 14:15
長浜博行環境相
長浜博行環境相
 長浜博行環境相は30日の記者会見で、新潟市が住民団体の抗議を受け27日に予定していた震災がれきの試験焼却を中止したことに関し、「試験をお願いしているのは放射性物質濃度が不検出か、大変低いものだ」と述べ、安全性をあらためて強調した。
 新潟市は岩手県大槌町のがれき受け入れに向け、引き続き住民らの理解を求めていく方針。長浜氏は「どうしたら(住民に)納得いただけるのか。市などと相談していく」と、サポートする意向を示した。
新発田市 がれき試験焼却の年内実施を延期
(新潟県)
震災がれきの受け入れを表明している新発田市は、住民の合意が得られていないことなどを理由に、年内の試験焼却の実施を延期することを決めた。

  新発田市は、ほかの4市とともに、岩手県大槌町から震災がれきを受け入れ、来月中に試験焼却を実施する予定だった。しかし、焼却場周辺の6つの自治会が震 災がれきの受け入れ反対を申し入れ、住民説明会の日程が決められない状態が続いていた。新発田市は「住民の合意が得られていない現状では試験焼却を実施で きない」として、年内の実施を延期することを決めた。
 震災がれきをめぐっては、新潟市でも、一部の市民の反対で焼却場へのがれきの搬入ができず、年内の試験焼却が延期されている。[ 11/30 12:16 テレビ新潟

震災がれき処理で米に見舞金4億円

2012/11/30 12:49

 政府は30日、東日本大震災の津波で岩手、宮城、福島の3県から太平洋に流出したがれきの見舞金として、米国政府に500万ドル(約4億 円)を提供すると閣議決定した。長浜博行環境相は閣議後の記者会見で「タイムリーに対応しなければならないこと」と述べ、漂流するがれきが米西海岸に到達 する見通しの12月にも支払う方針だ。
 災害などの不測の事態に備え、使い道を定めず予算計上する予備費から充てる。見舞金については、9月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、野田佳彦首相がクリントン米国務長官と会談した際に表明していた。
 環境省によると、太平洋を漂流している板や漁船などのがれきの総量は推計で約133万トン。12月に290トンが米西海岸に到達、2013年2月に3200トン、同6月には3万3千トンが到達すると予測されている。

東日本大震災:がれき受け入れ、反対署名手渡す 前橋市長に住民有志 /群馬

毎日新聞 2012年11月30日 地方版
 東日本大震災の被災地で発生したがれきの受け入れを巡り、前橋市が29日に開いた市民説明会で、住民有志が受け入れに反対する署名571筆を山本龍市長に手渡した。
 署名は焼却ごみの最終処分場がある同市荻窪町の住民らが中心となって市内全域から集めた。
 署名を手渡した同町の主婦、田代由貴さん(39)は「乳幼児を抱え不安に思う母親たちや風評被害、実害 を恐れる農家の人たちがいる。私自身も12月に子供を出産予定。国が『絶対安全』と言っていた原発が爆発した今、国が進めるがれき処理をもう一度考え直し てほしい」と涙声で訴えた。
 山本市長は「科学的な自信を持ってこの場に臨んでいる。環境負荷が増えるとは思っていない。どうすれば不安を払拭(ふっしょく)できるのか考えていく」と答えた。【塩田彩】
2012/11/30更新

「放射能がれき拡散するな!」の声を暴力で圧殺する橋下市長

関西で、反原発運動への弾圧が続いている。大阪市の震災がれき焼却をめぐって、11月13日「東日本大震災により生じた廃棄物の試験処理説明会」(以下、説明会)が行なわれたが、会場の此花区民ホールで、4人が「建造物侵入」「公務執行妨害」の容疑で逮捕された。
16日には10月5日の関電前抗議行動でAさんを不当逮捕した天満警察署への抗議行動に参加していたBさんが、「公務執行妨害」「器物損壊」の容疑 で令状逮捕されている。また震災がれきが大阪に到着した22日には、がれき保管場所のコンテナ埠頭に不法侵入したとして1人が逮捕された。「反原発運動つ ぶし」に目の色を変え始めた大阪府・市と大阪府警。説明会の模様をレポートする。(編集部一ノ瀬)

大阪市のがれき焼却説明会4人不当逮捕

11月13日。この日は午後7時からの「東日本大震災により生じた廃棄物の試験処理説明会」(以下、説明会)を前に、此花区民ホールの入り口ロビー 付近では、「焼却反対」を訴える人々が早くから詰めかけ、太鼓を打ち鳴らしながら、橋下市長・大阪市への抗議のコールを繰り返していた。
午後5時過ぎ、大阪府警の警官隊が突然押し寄せ、4人を指さして「建造物侵入」「公務執行妨害」容疑で逮捕し連れ去った。4人はいずれも大阪市役所 横で「がれき焼却反対」を訴えている「原発再稼働反対監視テント」や、関西電力前での「関電包囲行動」を中心になって取り組んでいた活動家だ。
「4人の逮捕後も、ロビーで太鼓を打ち鳴らしながら抗議を続けていた人もいたけど、その人たちは何ともなかった。明らかに最初から4人を狙っていた」(目撃者談)。

説明会はがれき焼却強行へのアリバイ作り

これまで多くの団体・個人が、理を尽くして、大阪市や国にがれき焼却の安全性に対する質問を重ねてきた。しかし、返ってくる回答は「国の安全基準を 満たしています」。「がれき焼却について、多くの市民がその事実を知らされず、安全性についての満足な回答もないまま、説明会が強行されることは、大阪市 が『市民に説明した』というアリバイ作り。あとは焼却が強行されてしまう」(阪南大学准教授・下地真樹さん)。
説明会は、参加者の「焼却反対!」コールの大合唱の中で始まった。大阪市はその中でも会場に声が通るスピーカーを用意し、ときおり「お静かに願いま す」との市職員の注意を何度もはさみながら、大阪市環境局長らの説明が淡々と続けられた。また、中之島公会堂での説明会(8月30日、橋下市長や松井知事 も出席)で懲りたのか、質疑 応答での発言を3分に制限。「時間オーバーの場合は、マイクの電源を切ることもあります」と、高圧的な態度だった。
質疑応答では、「がれき焼却は問題ない」と繰り返す大阪市に対して、「市民の命や人権なんて何も考えていない」「会場には、東北から避難してきてい るお母さんもいる。こうした皆さんの不安にどう答えるのか」という声が続出。大阪市の回答は「安全基準内」以上のものではなかった。
その頃、インターネットで、「試験焼却は24日」というニュースが流れた。それを知った参加者から、「説明会も終わらないうちに、焼却日が出ているなんて、どういうことですか?!」との声が上がり、会場は騒然となった。
午後9時前。市側は、「時間になりましたので、これで終了します」と宣言。質疑応答を打ち切り、逃げるように退出。会場の市職員と、ひかえていた大阪府警の警官隊が会場になだれ込み、参加者をに囲い込むようにしながら追い出していった。
「大阪市の役人たちは、自分の責任で話をしている人が誰もいませんでした。国や大阪市は、がれきを全国に拡散させることによって、私たち の健康と引き替えに東電を免罪し、補償さえしようとしているのです」(下地さん)。

追いつめられた原子力ムラ─必死の弾圧

22日には、4人のうちの1人の拘留理由開示公判がおこなわれたが(3人は黙秘を理由に公判が認められず)、「首に黄色いスカーフを巻いている」 「車いすは傍聴の妨害」等の理由で4人の傍聴者が退廷を命じられ、さらに裁判長は傍聴できずに法廷前の廊下に待機している全員に対して、裁判所敷地外への 退去命令を出すなど、前代未聞の嫌がらせがおこなわれた。4人の逮捕は、一連の不当逮捕と一本の線でつながった反原発運動・がれき焼却反対運動にかけられ た弾圧だ。こうした弾圧は、「脱原発」の広がりが原子力ムラを追いつめている証しだ。さらなる「反原発」の声と、弾圧への反撃を!

がれき漂着で米に見舞金=政府

 政府は30日の閣議で、東日本大震災の津波によるがれきが北米沿岸に漂着したことを受け、米国に500万ドルの見舞金を送ることを決定した。2012年度予算の予備費から年内にも出す。(2012/11/30-12:02)
震災がれき試験焼却 岩手県と覚書交わす
動画を再生

 震災がれき試験焼却 岩手県と覚書交わす

(2012年11月30日 11時47分)

 震災がれきの試験焼却に向けて、石井知事は、岩手県と試験焼却の数量などを定めた覚書を交わしたことを明らかにしました。

 「災害廃棄物の試験焼却等の覚書につきましては関係者間の協議が整いまして、28日夕方に交換したところでございます」(石井知事)

 石井知事は、30日の県議会一般質問でこう述べ、28日、岩手県と震災がれきの試験焼却の覚書を交わしたことを明らかにしました。

 覚書は、震災がれきの運搬方法や試験焼却の数量について定めたもので、それによりますと富山地区広域圏でおよそ25トン、高岡市ではおよそ7トンの震災がれきを受け入れるとしています。

 また、試験焼却の流れや放射性物質の測定項目と頻度などを盛り込んだ実施基本計画を30日中にも策定するということです。
2012 年 11 月 30 日 11:34 現在
がれきの試験焼却で覚書交わす
30日中にも実施基本計画を策定し公表へ
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うまく再生されない場合は、こちらをお試しください。
   ニュース動画(512Kbps)
 東日本大震災で発生したがれきの試験焼却に向けて、石井知事は、県内の受け入れ市町村や岩手県と覚書を交わしたと述べ、30日にも実施基本計画を公表することを明らかにしました。

 これは30日の県議会で自民党の五十嵐務議員の質問に答えました。

 がれきの試験焼却は富山市や立山町など5つの市町村で作る富山地区広域圏と高岡市が実施を決めています。

 石井知事は、岩手県や受け入れ市町村などとすでに28日夕方、覚書を交わしたことを明らかにしました。

 覚書では、富山地区広域圏がおよそ25トン、高岡市は7トンのがれきを処理するとし、運搬方法や放射能濃度の測定方法など基本的な枠組みについて合意したということです。

 また、30日中にも実施基本計画を策定し、公表することにしています。

東日本大震災:がれき試験焼却、年明けの可能性−−新発田市長 /新潟

毎日新聞 2012年11月30日 地方版
 東日本大震災で発生した岩手県大槌町のがれき受け入れを検討している新発田市の二階堂馨市長は29日の 定例記者会見で、当初12月中に予定していた試験焼却について、年明けにずれ込む可能性が高いことを明らかにした。焼却場の地元自治会との協議が長引いて いるためとしている。
 同市は、試験焼却を行う新発田広域クリーンセンター(同市藤掛)の周辺6自治会を対象にした説明会の実施後、試験焼却を行う予定。だが、自治会側は「説明会を開くまでもなく反対」との姿勢を示しているという。
 二階堂市長は「今すぐ同意がいただける状態ではないが、引き続き理解を求めていきたい」と話した。【小林多美子】

東日本大震災:試験焼却延期のがれき、岩手県に返却へ−−新潟市 /新潟

毎日新聞 2012年11月30日 地方版
 東日本大震災で発生した岩手県大槌町のがれきを巡り、新潟市が受け入れに反対する住民の抗議活動により 試験焼却を延期したことを受け、岩手県と新潟市は29日、正式に岩手県にがれきを返却する方向で調整に入ったことを明らかにした。これに伴い同市での試験 焼却は年明け以降になる見通し。環境省などによると、住民の抗議活動によって震災がれきが被災地に返却されるのは全国で初めて。
 がれき運搬を管轄する岩手県によると、返却されるのは、新潟市が受け入れを予定していたがれき約21ト ン。具体的な返却時期や方法は、同県とJR貨物を中心に協議している。返却先については「搬出先以外の場所に戻すのは現実的に考えられない」として保管場 所だった同県山田町か大槌町を検討している。
 環境省の担当者は「初のケースなので状況を細かに確認していく必要がある」とし、延期による他のがれき処理に及ぶ影響については「今のところないと考えている」とする。
 がれき運搬費は、岩手県を通じて最終的には国が負担することになる。費用が余計にかかる可能性があるが、新潟市は「詳細な費用や、費用を誰が当面肩代わりするのか、まだ話がない」としている。【山本愛】

東日本大震災:大槌のがれき返送へ 住民抗議、新潟で試験焼却延期 /岩手

毎日新聞 2012年11月30日 地方版
 県は29日、新潟市で予定されていた大槌町の災害廃棄物(がれき)試験焼却が延期されたと発表した。住民の抗議活動により処理施設への搬入を断念したためで、がきれは今後県内に返送される。
 新潟市は県と今月12日に覚書を交わし、27日からの試験焼却を経て本格処理に移行する予定だった。しかし一部住民の激しい抗議に遭い、住民の理解が得られるまで、当面延期することを決定したという。
 県内で発生したがれきを巡っては今年5月、山田町から静岡県島田市に搬送されたがれきに、コンクリート 塊が混入したとして、送り返された例はあるが、住民の抗議活動による返送は初めて。廃棄物特別対策室の松本実・災害廃棄物対策課長は「放射性物質の測定な ど安全対策を徹底しているが、理解が得られず残念」と話している。【金寿英】

【群馬】

住民有志 反対署名を提出 がれき処理 前橋市が報告会

 東日本大震災で発生したがれきの受け入れ問題で、前橋市は二十九日夜、今月初めに実施した試験焼却の報告会を同市日吉町の総合福祉会館で開いた。
 二十日から始まった報告会は三回目となり、今回で最後。市や県などの担当者計約二十人と、市民約五十人が参加した。
 冒頭、最終処分場がある荻窪町の住民有志が山本龍市長に四百人以上の反対署名を提出。同町の女性は「署名の声を無視して強行するのか。がれき処理に使う膨大な費用を防潮堤建設など被災者のために直接使ったらどうか」と求めた。
 山本市長は取材に「反対署名や報告会の声を斟酌(しんしゃく)し、市議会と調整して判断したい」と語った。
  (菅原洋)

テレ東が賞金1000万円を河北新報社に寄付


 テレビ東京は29日、日本放送文化大賞テレビ部門のグランプリ受賞作「明日をあきらめない…がれきの中の新聞社~河北新報のいちばん長い日」の報 奨金1000万円を河北新報社に寄付することを発表した。島田昌幸社長が定例社長会見で明かした。「被災地の復興のために使ってもらいたい」。作品は来年 3月9日に再放送する。
 [2012年11月30日6時12分]

焼却施設、土地契約解除も がれき問題ヘルプ

輪島市が岩手県宮古市の震災がれきの試験焼却を決めたことを受け、ごみ処理施設「輪島クリーンセンター」を抱える美谷町の立壁(たてかべ)政義区 長(64)は29日、輪島市役所で記者会見し、市側が12月5日までに試験焼却を断念しない場合、翌6日に同センターの焼却施設と周辺の土地の賃貸契約を 解除する意向を明らかにした。立壁区長は会見で、「試験焼却について(美谷町との)協定を無視し、突然の通知をしてきた」と憤りをあらわにした。
 輪島市は美谷町と「ごみ処理事業に伴う協定書」を交わしている。
 立壁区長は、協定書には〈1〉他市町村の廃棄物を受け入れない〈2〉疑義が生じた場合は協議の上解決する――の条項が盛り込まれていることを説明。
 そのうえで、「市側は違反しており、断念しない場合は訴訟も考えているし、施設のバリケードも検討している」とした。
 さらに、「長年、輪島市民のごみを受け入れてきた。輪島市のために受け入れているだけで、他の市町村を受け入れるためではない」と強調。今月28日には岩手県と宮古市に宛てて、がれき搬入の中止を求める要請書を発送したことを明かした。
 輪島市によると、市が借り受けているのは、センターの焼却施設の敷地や、埋め立て場へと向かう市道の計約1万3400平方メートルで、美谷町の白山神社と同町の個人が所有している土地という。
 立壁区長は会見後、梶文秋市長を訪ね、がれきの受け入れに反対する文書を提出した。
 梶市長は報道陣の取材に応じ、「まだ書類の内容を確認していない。内部で協議をしていきたい。安全性を改めて確認するのが試験焼却。ぜひ理解していただきたいというのが強い思いだ」と述べた。
(2012年11月30日  読売新聞)

震災がれき試験焼却有害2物質基準以下 敦賀市調査ヘルプ

震災がれきの本格受け入れを表明している敦賀市は、10月26日に行った試験焼却で排ガス中のアスベストとダイオキシン濃度が基準値を下回ったと発表した。震災がれきを受け入れる際の環境省の判断項目にこれら二つは入っておらず、市が独自に測定した。
 市によると、アスベストは検出されず、ダイオキシンは1立方メートルあたり3・9ナノ・グラムと、国の排出基準(5ナノ・グラム)を下回った。市 は年明け早々に岩手県大槌町のがれきを本格的に受け入れる方針。12月一般会計補正予算案に、今年度分の放射線測定費用など247万円を盛り込んだ。支出 分は後日、国が補填(ほてん)する。
 一方、市が試験焼却の日程を公表した10月22日以降、県外を中心に約200件の苦情が電話やメールなどで寄せられたことも明らかにした。
(2012年11月30日  読売新聞)

試験焼却用のがれき 新潟市が岩手返送へ

2012.11.30 02:10
 住民の搬入阻止行動受け、震災がれきの試験焼却延期を決めた新潟市は29日、新潟貨物ターミナル駅(東区)でコンテナ6基に保管中の約21トンについて岩手県側に返送されることになったと発表した。
 岩手県廃棄物特別対策室によると、返送に向けた具体的なスケジュールなどはJR貨物と調整中で、「できるだけ早く戻したい」としている。
 この問題で、泉田裕彦知事は29日の定例会見で「既成事実を積み重ねて力で進めるから住民も力で応じることになる」と述べ、新潟市の対応を批判した。
震災がれき100トン試験焼却 大阪府と市
(大阪府)
東日本大震災で発生したがれき3万6千トンの受け入れを表明している大阪府と市が、29日朝から此花区の舞洲工場で岩手県宮古地区で発生した 100トンを通常の可燃ごみと混ぜて試験焼却を始めた。今回、焼却灰の放射能濃度や排気ガス中の線量データを測定し通常の焼却と比較して安全性が検証され る。大阪市は来週半ばにも出る測定結果で安全性を確認後、焼却灰を北港処分地に埋め立て、さらに検証を行う。来月中にはすべての測定結果が府市のホーム ページで公表され、年明けに住民説明会を行った後、2月には本格的な受け入れが始まる。[ 11/29 19:07 読売テレビ
輪島市の試験焼却計画に反対住民が対抗措置
(石川県)
輪島市が予定している震災がれきの試験焼却をめぐり、焼却施設のある地区の住民が猛反発している。実施の撤回を求め、輪島市との間で交わしている施設の土地の賃借契約を解除する通知を29日、市に提出した。
輪 島市は、岩手県宮古市のがれきのうち、木質系の可燃物の受け入れを検討していて、12月8日に輪島市クリーンセンターで試験焼却を行う計画を打ち出した。 これまで、受け入れに反対してきたクリーンセンターが立地する輪島市美谷町の住民たちは、突如、市が打ち出した試験焼却の実施に猛反発。対抗措置を取るこ とを決めた。クリーンセンターは元々、市が美谷町から土地を借りて運営しているが、試験焼却の実施を撤回しなければ、契約を解除する方針を決めた。29日 は、美谷町の区長らが市役所を訪れ、梶市長に対して12月5日までに実施を撤回しない場合は、施設への通路などを封鎖することを通知した。梶市長は「しっ かりと改めて安全性を確認をするという思いのもと、試験焼却という計画に至った。そこは理解をしていただきたいというのが強い思いだ」と話す一方、「とり あえず文書もいただいたので、協議をしていく」とした。[ 11/29 20:21 テレビ金沢

年内の試験焼却延期へ
新発田市

新発田市の二階堂馨市長は29日の定例会見で、東日本大震災で被災した岩手県大槌町のがれきの試験焼却について「焼却場周辺住民から合意が得られておらず、12月中の実施は難しい」と述べ、延期する意向を明らかにした。延期後の実施時期は未定とした。
 一部市民の反対で焼却場にがれきを搬入できなかった新潟市に続き、受け入れを検討する県内5市のうち2市で試験焼却が延期になった。2市と連携し て受け入れを検討してきた三条、長岡、柏崎の3市は「方針に変更はない」とする一方、5市の連携への影響を懸念する声も聞かれた。
【社会】
県議会12月定例会始まる
(岩手県)
県議会の12月定例会が29日から始まった。初日は本会議が開かれ、震災がれき処理の経費 などを中心とした223億6500万円余りの補正予算案やなど28の議案が提案された。12月県議会の会期は来月12日までで、来月4日に公示、16日投 票の衆議院選挙と期間が重なることから、立候補者への応援が予定されている議員にとっては、かつてない厳しい日程の県議会となりそうだ[ 11/29 19:34 テレビ岩手

ページ更新時間:2012年11月30日(金) 12時28分

■大阪市 岩手県のがれき 試験焼却
 岩手県のがれきの受け入れを進めている大阪市は、環境への影響を調べるため先週、陸揚げされたがれきの試験焼却を始めました。

 試験焼却が行われたのは、大阪市此花区の舞洲工場です。

 市の担当者がまず、がれきの放射線量を測定し、安全性を確かめた上で一般のゴミと混ぜて焼却します。

 「0.09マイクロシーベルト。全然問題ない数値です」(市の担当者)

 市は29日から2日間、岩手県のがれき100トンを試験焼却します。

 工場の敷地内などで、大気中の放射性物質の濃度に変化がないか測定するほか、煙突から出る排ガスや焼却灰についても調査するとしています。

 分析結果が出るまでに数週間かかるということですが、試験焼却で安全性が確かめられれば、市は来年度末までに岩手県のがれき3万6,000トンを受け入れる方針です。
(11/29 19:02)

全国のダイバー、山田の海底清掃 がれきを撤去奉仕




 全国のダイバー約20人が28日、ボランティアで山田町北浜地区の海底を清掃した。被災した大杉神社のみこし通路のがれきも撤去し、関係者を喜ばせた。
 主に関東地方のダイバーが参加し、大杉神社神輿(みこし)会のメンバーや地元漁師らが協力。ダイバーが海底から拾い上げたがれきをトラックに積んだり、自前の船で撤去を支援した。
 海の清掃は、ダイビングライセンスを発行する東京都の「SSIジャパン」と盛岡市のNPO法人「ブルーサポートいわて」(青木亘理事長)による復 興支援。昨夏の普代村を皮切りに5回目で、ダイバーを募り活動を継続している。青木理事長は「陸上のがれきがなくなっても海中にはまだあるという現状を 知ってほしい。支援を続けたい」と誓った。
【写真=海底で見つけたがれきを地元住民に手渡すダイバー(右)】
(2012/11/29
試験焼却延期で 岩手県ががれき引き取りへ
(新潟県)
一部の市民の激しい抗議行動により、新潟市は、震災がれきの試験焼却を年明け以降に見送ったことを29日、岩手県に正式に伝えた。これを受けて、岩手県は新潟市に保管されているがれきを引き取ることを決めた。

 新潟市は、今月26日、岩手県大槌町の震災がれきを江南区の亀田清掃センターに運び入れようとしたが、一部の市民の激しい抗議行動を受けて搬入を断念し、年内の試験焼却を見送った。
 新潟市は29日、岩手県に対し、試験焼却の延期を正式に伝えた。これを受け、岩手県は、新潟市に運んだがれきをいったん引き取ることを決めた。
 がれきが入ったコンテナは、現在、新潟市東区のJR貨物のターミナルに置かれている。岩手県は、貨物列車のスケジュールなどを調整した上で、近くコンテナを運ぶ考えだ。[ 11/29 18:42 テレビ新潟
輪島市がれき試験焼却断念求め地元が賃借契約解通知 (29日)


輪島市が12月8日に実施するとした、岩手県宮古市の震 災がれきの試験焼却について、地元の理解を得ずに一方的に進めたとして、焼却施設のある美谷町が、輪島市に反論書を提出しています。美谷町の立壁政義区長 ら2人は29日、輪島市役所を訪れ、「試験焼却を断念しなければ、輪島市と結んでいる焼却施設の土地の賃借契約を解除する」という内容の通知書を梶文秋市 長に手渡しました。期限は12月5日としています。賃借契約を結んでいるのは、焼却施設と周辺のおよそ1万3000平方メートルで、試験焼却を断念しない 場合は、搬入道路の封鎖も辞さない考えです。また、美谷町は28日、岩手県や宮古市あてにも輪島市へのがれき搬出をやめるよう要望書を提出ました。輪島市 の梶文秋市長は、次のようにコメントしました。震災がれきの受け入れをめぐっては、新潟市が試験焼却用に搬入したがれきについて、施設の管理が不十分など として、地元住民から抗議を受け岩手県大槌町に返す方向で調整しています。 (18:41)

知事、がれき焼却で新潟市を批判

震災がれきの受け入れに反対する市民らの抗議活動を受け、新潟市が試験焼却を延期したことについて、泉田裕彦知事は29日の会見で「住民に説明することが大事だ」と、市側の説明が不十分との見方を示した。
 新潟市では、26日にがれきを運び込む予定だった亀田清掃センター(江南区)で、焼却に反対する市民ら約50人がセンター入り口に立ちふさがり、抗議活動をした。このため、新潟市は試験焼却の延期と、搬出元の岩手県大槌町を軸にがれきを返却する方針を示している。
 知事は「(住民に)聞かれたことに対し、ちゃんと答えてコミュニケーションを大事にすることが重要だ。(焼却に向けた手続きを進めるなど)既成事実を積み重ね、力で進めるから力でとなる」と市の対応を批判した。
【政治・行政】

岩手のがれきを試験焼却 線量をHPで公開へ 大阪市

2012.11.29 12:12
岩手県宮古地区から運び込まれた震災がれき=29日午前10時36分、大阪市此花区の大阪市環境局舞洲工場(山田哲司撮影)
岩手県宮古地区から運び込まれた震災がれき=29日午前10時36分、大阪市此花区の大阪市環境局舞洲工場(山田哲司撮影)
 大阪市は29日、大阪市此花区の人工島「舞洲」にある焼却施設で、東日本大震災で発生した岩手県のがれき約100トンの試験焼却を始めた。焼却は30日正午ごろまで続く予定。
 大阪市によると、がれきに含まれる塩分で炉が傷まないよう普通ごみと混ぜて焼却する。施設にある2炉のうち、片方でがれきを混合したごみを、もう片方で普通ごみだけを燃やし、煙などの放射性物質濃度や線量を測定。市のホームページ(HP)で数日中にそれぞれ公開する。
 大阪市は今回のがれきの焼却灰について、放射性セシウム濃度を測定し安全が確認でき次第、来週中にも此花区の「夢洲」の北港処分地に埋め立てる方針。
 本格的な焼却は来年2月から始め、2014年3月までに最大3万6千トンを処理する計画。
 

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岩手県宮古地区から運び込まれた震災がれき=29日午前9時53分、大阪市此花区の大阪市環境局舞洲工場(山田哲司撮影)
試験焼却のため通常の可燃ごみに混ぜて焼却炉に投入される震災ごみ=29日午前9時44分、大阪市此花区の大阪市環境局舞洲工場(山田哲司撮影)
震災がれきの試験焼却が行われている炉内の様子を映し出す中央制御室のモニター=29日午前10時44分、大阪市此花区の大阪市環境局舞洲工場(山田哲司撮影)

岩手のがれきを試験焼却 線量をHPで公開へ 大阪市

2012.11.29 12:12
岩手県宮古地区から運び込まれた震災がれき=29日午前10時36分、大阪市此花区の大阪市環境局舞洲工場(山田哲司撮影)
岩手県宮古地区から運び込まれた震災がれき=29日午前10時36分、大阪市此花区の大阪市環境局舞洲工場(山田哲司撮影)
 大阪市は29日、大阪市此花区の人工島「舞洲」にある焼却施設で、東日本大震災で発生した岩手県のがれき約100トンの試験焼却を始めた。焼却は30日正午ごろまで続く予定。
 大阪市によると、がれきに含まれる塩分で炉が傷まないよう普通ごみと混ぜて焼却する。施設にある2炉のうち、片方でがれきを混合したごみを、もう片方で普通ごみだけを燃やし、煙などの放射性物質濃度や線量を測定。市のホームページ(HP)で数日中にそれぞれ公開する。
 大阪市は今回のがれきの焼却灰について、放射性セシウム濃度を測定し安全が確認でき次第、来週中にも此花区の「夢洲」の北港処分地に埋め立てる方針。
 本格的な焼却は来年2月から始め、2014年3月までに最大3万6千トンを処理する計画。
 

このニュースの写真

岩手県宮古地区から運び込まれた震災がれき=29日午前9時53分、大阪市此花区の大阪市環境局舞洲工場(山田哲司撮影)
試験焼却のため通常の可燃ごみに混ぜて焼却炉に投入される震災ごみ=29日午前9時44分、大阪市此花区の大阪市環境局舞洲工場(山田哲司撮影)
震災がれきの試験焼却が行われている炉内の様子を映し出す中央制御室のモニター=29日午前10時44分、大阪市此花区の大阪市環境局舞洲工場(山田哲司撮影)

南相馬市、がれき仮置き場確保 旧警戒区域の4ヵ所

 福島第1原発事故で、福島県南相馬市の旧警戒区域に設ける震災がれきの全ての仮置き場の用地が決まった。政府と市が28日までに、地元住民から同意を取り付けた。
 仮置き場は同市小高区村上、塚原、浦尻地区と原町区小沢地区の計4カ所で総面積26.7ヘクタール。塚原地区は造成中で12月に一部搬入を始める。残る3カ所は使用開始が来年度にずれ込む見通し。
 旧警戒区域ではほかに、小高区吉名地区に3カ所(計約1ヘクタール)の家庭ごみの仮置き場を設ける。除染廃棄物の仮置き場の用地は決まっていない。

2012年11月29日木曜日

橋下氏「復興相に自治体の長を」

2012.11.29 02:01
 28日に北東北3県を遊説した日本維新の会の橋下徹代表代行は、盛岡市で街頭演説し、「政治で大切なのは実行力。東日本大震災の復興相には、現場を知っていて組織を動かせる知事や市町村長をあてるべきだ」と提案した。
 橋下氏は、震災がれきの撤去の現状に触れ、「(1年8カ月以上たつのに)24%しか進んでいない。政府組織は機能していない」と批判した。
 全国の多くの自治体が拒否した広域がれき処理に、真っ先に手を上げたのが東京都、大阪府だったことを引き合いに、「口だけの政治ではだめで実行するかが大事だ」と指摘した。
 また、石原慎太郎代表や橋下氏が都知事や大阪府知事の経験者であるとして、「永田町の議員会館にふんぞり返って、組織を動かしたことのない国会議員たちの実行力は期待できない」と自らをアピールした。
廃畳の東京搬出終了
2012.11.29
石巻市から7000トン
最後の5トン積み込み/



 東日本大震災で発生した石巻市のがれきのうち、東京都で処理が行われていた廃畳の搬出作業が28日、終了した。最後の5トンが石巻市雲雀野町の仮置き場からトラックでJR貨物石巻港駅に運ばれ、列車で都内に搬送された。処理も直ちに完了する見通し。

 石巻市で発生した約1万トンの廃畳のうち、腐敗してリサイクルできない分で、搬出量は計約7000トン。当初見込みより250トン少なかった。

 廃畳は発酵などで自然発火しやすいため高く積み上げられず、広い保管スペースを必要とするなどの理由で、処理を委託された県が東京都と東京環境公社に要請し、6月から都内の民間廃棄物業者が処理してきた。

 処理は当初、9月の完了を目指していた。都の担当者は「水分を含むなど処理が難しく、焼却作業を軌道に乗せるのに時間がかかった」と説明。県震災廃棄物対策課の笹出陽康課長は「年内に終わったので順調な方」と話した。

 石巻市は市内7カ所の仮置き場で廃畳を保管し、面積は最大で計1万平方メートルになったという。空いたスペースは、今後解体する家屋のがれき置き場に活用する。

 東京都は来年3月までの計画で、女川町の可燃性がれきと石巻市の建設系混合廃棄物も受け入れている。

がれき処理、19・7%止まり 県の復興統計値



 県は27日、東日本大震災の復旧状況を3カ月ごとの統計値で示す「いわて復興インデックス」の第4回を公表した。がれき処理の進行率は前回より5・6ポイント増の19・7%(10月末現在)にとどまった。復興インデックスは県のホームページで公開している。
 【安全】がれき推計量525万トンに対し、がれき処理の進行率は19・7%。104万トンを処理した。現在は可燃物の処理が中心だが、今後は不燃物や、津波で砂や泥が打ち上げられた「津波堆積物」などの処理が課題になる。
 【暮らし】9月の住宅着工数は209戸。3月以降は2010年の月平均67・8戸の約3倍を上回るペースで推移している。
 【なりわい(産業)】補助事業による新規登録の漁船数は4973隻。整備目標の6800隻に対し、整備率は73・1%だった。
(2012/11/28

東日本大震災:名張市長、伊賀市長にがれき処理協力要請の方針 経過説明し理解を /三重

毎日新聞 2012年11月28日 地方版
 東日本大震災によるがれきの広域処理問題で、伊賀南部環境衛生組合管理者の亀井利克・名張市長は27 日、受け入れに反対を表明している副管理者の岡本栄・伊賀市長に、協力を要請する方針を示した。定例記者会見で「今までの経過についてご説明申し上げて (受け入れに)ご理解いただく」と述べた。
 環境省の要請で鈴木英敬知事は、岩手県久慈市のがれき2000トンの受け入れを表明。名張、伊賀両市で つくる組合は10月、施設周辺の住民代表に試験焼却を提案した。県は伊賀市の産業廃棄物処理業「三重中央開発」に焼却灰の受け入れも要請しているが、岡本 市長は就任後の会見で、市民の意向を理由に反対を表明。「用事があるなら、向こう(亀井市長側)から来られるはず」としていた。
 岡本市長の発言について、亀井市長は「門前払いではなく『話し合いをしましょう』とのメッセージと受け止めている」と語った。12月の組合議会定例会開会までに岡本市長と協議するとし、受け入れに関しては「伊賀市民の思いが最大限尊重されないとならない」と述べた。
 多気町が受け入れを断念したことについては「どのような話し合いで結論が出たか分からないが、他の自治体のことをとやかく申し上げる立場でない」とし、「最大限の努力はする」と受け入れに前向きな考えに変わりはないことを強調した。
 一方、岡本市長は27日の記者会見で「門戸を閉ざしているわけではなく、お話はうかがうが、市民のコンセンサス(合意)は出ている」と、否定的な姿勢は変えなかった。【矢澤秀範、伝田賢史】
〔伊賀版〕


2012年11月30日15時14分

東北電力も値上げ検討開始を表明

 東北電力は30日、電気料金の値上げに向けて検討を始めたと発表した。併せて値上げのタイミングを「2013年度の早い時期」と表明したが、幅は未定。東日本大震災の被災地も値上げの対象にする方向だ。
 値上げの理由について「原発の再稼働が見通せない中、火力燃料費の増加をはじめとする膨大なコスト負担を、これまでのように緊急的な支出の抑制や繰り延べ、自己資本の取り崩しで吸収し続けることは、電力の安定供給に支障を来す」と説明している。

学校給食に地元米使用再開 二本松

2012年11月30日 15時53分配信
二本松市教委は、東京電力福島第一原発事故の放射性物質の影響を考慮し、学校給食で控えていた地元産米の使用を12月から再開する。
市内の小中学校では原発事故の発生前まで地元の米や農産物を積極的に利用していた。
23年産米から当時の食品の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されたため、県学校給食会を通じて北海道や青森県産のコメを契約し、使用した。
二本松市では24年産米の全袋検査が行われ、大部分の検査を終えた20日までは新たな基準値1キロ当たり100ベクレルを超すコメが出ていない。
このため市教委は安全性に一層配慮した検査体制を整え、放射性物質が検出限界値未満のコメと確認した上で使用することにした。
検査方法は、玄米の全袋検査で測定下限値(25ベクレル)未満となったコメのみを精米加工前に給食用米測定所で抽出検査し、検出限界値(10ベクレル)未満のものを精米する。
さらに精米検査も行って同様に限界値(同)未満であることを確認する。

避難者に高速無料化3月まで延長 原発事故で国交省

 国土交通省は30日、東京電力福島第1原発周辺からのを対象にした高速道路の無料化を、来年3月31日まで延長 すると発表した。原発事故の警戒区域や計画的避難区域などに住んでいた人が一時帰宅する交通費を支援するため今年4月から開始し、期限は1月15日までと していた。
 福島県は、現在の対象地域以外から自主的に避難している人にも無料措置を拡大するよう求めており、国交省の担当者は「復興庁と調整中」と話している。
 支援対象の避難者は、指定した東北、磐越、常磐各自動車道のインターチェンジ計30カ所から出入りすると、首都高速道路など一部路線を除いて無料で通行できる。
2012/11/30 15:49   【共同通信

「おー、当たった」免震棟で歓声  東電が未公開映像を公開 

2012年11月30日16時27分
  東京電力は30日、福島第1原発事故直後から記録している社内テレビ会議映像のうち、未公開だった約336時間分を報道機関やフリー記者に公開した。公開 されたのは、本店などで録画された昨年3月16~23日分と、30日~4月6日分で、原子炉建屋への放水作業や汚染水の海洋放出などをめぐる社内のやりと りが記録されている。
 このうち3月17日に自衛隊のヘリコプターが3号機の使用済み燃料プールに水を投下した際には、第1原発免震重要棟内にいた社員らが作業の手を止めてテレビの生中継を見守り「おー、いった。当たったな」と歓声を上げた。

規制委、東電首脳に直接指導へ 原発の安全確保めぐり

2012/11/28 21:04

 東京電力福島第1原子力発電所で水漏れなどのトラブルが相次いでいることを受け、原子力規制委員会は29日、東電の広瀬直己社長を呼んで 体質改善を指示する。規制委が東電首脳を直接呼び出すのは初めて。田中俊一委員長は原子力安全の重要性について「東電の経営陣がどこまで認識しているのか 心もとない」と苦言を呈した。

原子力規制委:被ばく管理の指針策定へ 福島の格差解消

毎日新聞 2012年11月30日 02時30分
 原子力規制委員会は、東京電力福島第1原発事故による福島県民の健康管理体制について、ガイドラインを 策定することを決めた。被ばくの影響を調べる甲状腺検査などをめぐる自治体間の格差をなくし、県民の不安を払拭(ふっしょく)するのが狙い。30日、福島 県立医大などの医療関係者で作る「住民の健康管理検討チーム」の初会合を開き、年内に取りまとめる。
 中村佳代子委員(前日本アイソトープ協会主査)が29日、毎日新聞のインタビューで明らかにした。中村 委員は「ある町では住民全員が(被ばく管理について)ケアされているのに、他の町ではそうなっていない実態がある。自治体間でこうした格差があってはなら ない」と指摘。「統一的なガイドラインを示すことで、福島県民の間の不公平感をなくすよう努力したい」と述べた。
 原子力規制庁によると、甲状腺検査などの被ばく健康管理体制をめぐっては、福島県や市町村によって検査手法や頻度、結果の伝達方法などが異なる。規制委の田中俊一委員長も「各自治体でバラバラになっている状況を、国の責任で(統一的に)やるべきだ」と表明していた。
 中村委員はインタビューで「個別具体的な検査項目や方法などについては触れない」と述べ、ガイドラインが基本的な考え方を自治体に周知するものになるとの見解を示した。【中西拓司】

衆院選へ向け11党首が討論会 

2012年11月30日 14時39分
 党首討論会に臨む(左から)公明党の山口代表、自民党の安倍総裁、野田首相、日本未来の党の嘉田代表、日本維新の会の石原代表、みんなの党の渡辺代表=30日午後、東京・内幸町の日本記者クラブ
写真
 衆院選に向け11党首による討論会が30日午後、東京都内の日本記者クラブで開かれ、脱原発や消費税増税などの問題をめぐり議論した。野田佳彦首 相(民主党代表)は「前へ進むか、後ろに戻るかが問われる選挙だ。2030年代の原発ゼロへ着実に向かう」と強調。自民党の安倍晋三総裁は「政権公約には できることしか書いていない。国民の信頼を政治に取り戻す」と訴えた。
 日本未来の党の嘉田由紀子代表は「10年後までの『卒原発』を目指す」と表明。日本維新の会の石原慎太郎代表は「硬直した官僚支配を変えないと国は良くならない」と指摘した。
(共同)

東日本大震災:福島第1原発事故 大熊町、全域「警戒区域」から再編 町長、賠償請求できる

毎日新聞 2012年11月30日 東京夕刊
 大熊町の渡辺利綱町長は30日朝、「一つの前進と受け止めている。これまで閉塞(へいそく)感があったので突破口にしたい」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
 避難区域が再編されれば、賠償や除染が本格化する。町は当初、全域を帰還困難区域に再編するよう国に求 めていたが、国から「帰還時期が同一なら賠償に差を出さない」との回答があったため、全域で5年間は帰還しないことを決めた。渡辺町長は「町民はむしろこ れからだと感じると思うが、賠償の一括請求ができるようになるので、生活再建につながるよう後押しし、町外コミュニティー(仮の町)など生活居住環境の整 備にも努力する」と述べた。
 大熊町は居住制限区域と避難指示解除準備区域の周囲にバリケードを設け、4カ所のゲートから対象地区の住民が午前9時〜午後3時の間だけ入れるようにする。町内のパトロールも行う。【乾達】

 

金融、原発政策など巡り論戦 11党首討論会

2012/11/30 16:19

 与野党11党首は30日の日本記者クラブ主催の党首討論会で、経済・金融政策や原発などを巡って論戦を繰り広げた。野田佳彦首相(民主党 代表)はデフレ脱却に向けた物価上昇率目標について「1%が現実的だ。日銀と連携して努力する」と主張。自民党の安倍晋三総裁は「伝統的な日銀の緩和策で はなく、2%の目標を設けてありとあらゆる手段をとる」と強調した。
党首討論会で発言する各党党首(30日、東京都千代田区)
 討論会には新党日本の田中康夫代表を除く11党首が参加した。
 首相は安倍氏が提唱する積極的な金融緩和策について「日銀に財政のファイナンスをさせる発想だ。本道ではない」と批判。安倍氏は「6年前の (安倍政権の時に)インフレ目標を持っていたらデフレ脱却ができた」と重ねて物価上昇目標の設定の必要性を指摘。ただ衆院選後については「私が首相になっ たときに(金融緩和の)手段は言わない。野党だから手段について言及している」と述べた。
 原発・エネルギー政策を巡っては、首相が2030年代までに原発稼働ゼロをめざし、それまでに代替エネルギーの開発などを急ぐ考えを表明。 安倍氏は過去の自民党政権について「安全神話に寄りかかってきたことを反省する。私たちに責任がある」と陳謝するとともに、原発の必要性も指摘した。
 新党「日本未来の党」の嘉田由紀子滋賀県知事は10年後に原発ゼロをめざす方針を強調。日本維新の会の石原慎太郎代表は「せめて10年間の 経済・エネルギーの配分計画を考えずに原発を全廃するのは(あり得ない)」と指摘。維新の政権公約で示した「30年代までにフェードアウトする」との目標 を修正する可能性に言及した。

原発事故被ばく:30キロ圏外避難で100分の1 5キロ圏住民、大量の放出前

毎日新聞 2012年11月30日 東京夕刊

 ◇安定ヨウ素剤、高い効果

原発事故時に周辺住民が避難などをすることで、どの程度被ばくを低減できるかを日本原子力研究開発機構 が予測し、30日、原子力規制委員会に報告した。原発から5キロ圏内の住民は、放射性物質の大量放出前に、原子力災害対策指針で「緊急防護措置区域 (UPZ)」とされた約30キロ圏外へ避難すれば、被ばく量は100分の1以下に抑えられると分析した。【西川拓】
 原発立地・周辺自治体は、これらの分析や、事故時の放射性物質の拡散予測などを参考に来年3月までに地域防災計画を策定する。
 予測は出力110万キロワットの原発で、福島第1原発事故の半分程度の放射性物質が放出される事故が起 きたと想定。代表的な248パターンの気象条件での放射性物質の拡散状況を計算。その上で、原発からの距離ごとの被ばく量を基に、避難や屋内退避、甲状腺 被ばくを防ぐとされる安定ヨウ素剤の服用などの効果を算出した。
 その結果、原発から10〜30キロは1週間の屋内退避で木造家屋なら4割程度、コンクリート製施設なら2割程度の被ばく量になると予測した。安定ヨウ素剤は、放射性物質が放出される前に30キロ圏で服用すれば高い低減効果があると指摘した。
 5キロ圏内では、約30キロ圏外に予防的に避難すると、被ばく線量を国際原子力機関(IAEA)の基準 以下(全身被ばくで1週間で100ミリシーベルト以下など)に抑えられ、避難しない場合に比べ100分の1以下になった。5〜10キロではコンクリート建 物内に退避(2日間)した後に30キロ圏外に避難(7日間)した場合や、10〜30キロでは屋内退避した場合にもIAEAの基準以下に抑えられた。
 同機構の本間俊充・安全研究センター長は「計算はあくまで一例であり、実際にどういうタイミングで避難などの指示が出せるかが重要だ」と話す。

住民95%「帰還困難」に 福島・大熊町の区域再編

2012.11.30 15:16

 政府の原子力災害対策本部は30日、東京電力福島第1原発事故で全域が警戒区域となり、全町民が避難している福島県大熊町の避難区域再編を決定した。再編は12月10日。
全域が警戒区域の自治体の区域再編は初めて。
 町民の約95%が住んでいた地域を「帰還困難区域」にするほか「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3区域に再編する。
 大熊町は復興計画で、区域の種別にかかわらず「5年間は帰らない」と宣言している。
 福島県内の区域再編は川内村、田村市、南相馬市、飯舘村、楢葉町に続き6自治体目。
'12/11/30

脱原発・増税を討論 衆院選に向けて11党首


 衆院選に向け11党首による討論会が30日午後、東京都内の日本記者クラブで開かれ、脱原発や消費税増税などの問題をめぐり議論した。野田佳彦首 相(民主党代表)は「前へ進むか、後ろに戻るかが問われる選挙だ。2030年代の原発ゼロへ着実に向かう」と強調。自民党の安倍晋三総裁は「政権公約には できることしか書いていない。国民の信頼を政治に取り戻す」と訴えた。
 日本未来の党の嘉田由紀子代表は「10年後までの『卒原発』を目指す」と表明。日本維新の会の石原慎太郎代表は「硬直した官僚支配を変えないと国は良くならない」と指摘した。
 このほか山口那津男公明党代表、志位和夫共産党委員長、渡辺喜美みんなの党代表、福島瑞穂社民党党首、鈴木宗男新党大地代表、自見庄三郎国民新党代表、舛添要一新党改革代表が出席した。
 本格的な国政選挙は10年7月の参院選以来で、11年3月11日の東日本大震災後では初めて。東京電力福島第1原発事故を踏まえた今後の原発政策 のほか、民主、自民、公明3党が主導した消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加、低迷する経済の再生策、領土問題を含めた外交を取り上げた。
 衆院選は12月4日に公示、16日に投開票される。衆院選には新党日本も候補者を擁立する予定。
 原発をめぐっては、各党が依存度を減らす方向だが、実現目標で差がある。民主が30年代の原発ゼロを打ち出したのに対し、自民は10年以内に原発を含め最適な電源構成を確立するとしている。日本未来は、段階的に原発依存から脱却する「卒原発」を掲げた。
 消費税増税では、民主、自民、公明3党が「経済状況の好転」を条件に10%への段階的引き上げを推進する立場。日本維新は税率を11%に引き上げた上での地方税化を提唱している。日本未来やみんなは増税の凍結を主張。共産、社民は引き上げに反対している。
2012年11月30日15時3分

原発フェードアウト公約「見直す」 維新・石原代表

 日本維新の会石原慎太郎代表は30日午後の党首討論会(日本記者クラブ主催)で、29日に発表した政権公約に「(原発は)2030年代までにフェードアウト(消えていく)」と盛り込んでいることについて「そういう公約はやっぱり直させます」と語り、見直す考えを示した。
 石原氏は29日、維新代表代行の橋下徹大阪市長とともに記者会見して政権公約「骨太2013~2016」を発表。「脱原発依存体制の構築」「原発政策のメカニズム・ルールを変える」と明記した。政策の実例として「既設の原子炉による原子力発電は30年代までにフェードアウトすることになる」とした。
 石原氏は討論会で、原子力利用の選択肢を失うことは「困る」とした上で、「私はそういう公約はやっぱり直させます。(エネルギー政策などの)シミュレーションをして、そのシミュレーションの中で、原発の淘汰(とうた)を考えていくことだ」と語った。
2012年11月30日 11:00
 嘉田由紀子滋賀県知事率いる日本未来の党は政策要綱を発表した。原発稼動ゼロから全原発廃炉の道筋をつくるとしたほか、東京電力は破たん処理し、国直轄で福島第一原発からの放射能汚染の拡大を防ぎ、損害賠償や被ばく安全に対応するとした。

  また、福井県にある高速増殖炉もんじゅと青森県にある六ヶ所再処理工場は廃止、青森県・大間原発など新増設は禁止。使用済み核燃料の総量規制からなる「卒 原発プログラム」の策定。発送電分離など電力システム改革を貫徹し、公正な競争を促進して地域分散ネットワーク型のエネルギー地域主権を実現する。

 子どもや女性の声なき声を政治に反映させるとして、子ども1人あたり年間31万2000円を中学卒業まで支給(一部は子育て応援券とする)。高校授業料無償化は堅持。

 非正規社員の正規社員化促進。在宅介護支援体制の強化。国民皆保険の堅持と医療保険制度の一元化をめざす。

 消費税増税の凍結。TPP交渉入りに反対。食料自給率50%をめざす。東アジア外交を重視するなどをあげた。

大熊町ほぼ全域を帰還困難区域に 野田政権、再編決定

朝日新聞デジタル 朝日新聞デジタル:記事一覧 2012年11月30日(金)12時20分配信
朝日新聞デジタル
野田政権は30日、原子力災害対策本部の会議を開き、東京電力福島第一原発事故で全域が警戒区域になっている福島県大熊町について、 三つの区域に再編すると決めた。人口約1万1千人のうち96%が住んでいた地区が、5年以上帰れない「帰還困難区域」となる。12月10日午前0時から実 施する。
 避難区域の再編は、福島第一原発の立地自治体では初めて。福島県の対象11市町村では6番目となる。会議で野田首相は「帰還に向けた取り組みを進めている地域を強力に支援していきたい」と述べた。

避難や安定ヨウ素剤は有効 原子力規制委員会が被曝リスクシミュレーション (1/2ページ)

2012.11.30 14:48

原発災害の事前対策などについて開かれた原子力規制委員会の会合=30日午後、東京都港区
原発災害の事前対策などについて開かれた原子力規制委員会の会合=30日午後、東京都港区【拡大】
 原子力規制委員会は30日、原発事故が起きた際、避難や屋内退避、甲状腺被曝(ひばく)を防ぐための安定ヨウ素剤の 投与などの防護対策を講じれば、国際原子力機関(IAEA)が定める防護基準を下回るだけの被曝低減効果が得られるとする、被曝リスクシミュレーション結 果を公表した。規制委が日本原子力研究開発機構(JAEA)に委託したもので、原発事故を想定したシミュレーションの公表は、放射性物質の拡散予測に続い て2回目。
同日開かれた、原発事故の事前対策を検討する専門家会合で示した。シミュレーションは、周辺自治体が今後、地域防災計画を策定する上で参考にする。
  規制委によると、シミュレーションでは出力110万キロワットの原発が事故を起こし、福島第一原発事故の半分程度の放射性物質を放出したと想定。原発から の距離に応じて、どの程度の被曝が生じるかを計算した。また、避難やヨウ素剤の服用など防護対策を講じることで、どの程度の被曝低減効果があるかも試算し た。
 その結果、対策をしないと、原発から約20キロ離れた場所でも、IAEAの防護基準の「7日間で100ミリシーベルト」を超える被曝をする恐れが生じる結果となった。
一方、避難や屋内退避などの対策を講じると、IAEAの基準を下回った。特に10~30キロの地域では、屋内退避だけでも被曝線量は4~2割程度に低減された。放射性ヨウ素による甲状腺被曝についても、安定ヨウ素剤の服用でIAEAの基準を下回ることが確認できたという。 規制委は「複合対策を講じることで十分な被曝低減が見込める」と説明。ただし、福島の事故のように、複数の原子炉が同時に事故を起こす想定はしておらず、今後、自治体からより詳細な試算を求める声が挙がる可能性もある。

原発事故、映像336時間分を公開   2012/11/30 14:11

東電は原発事故直後から記録している会議映像のうち、未公開の336時間分を報道機関に公開した。

未来、党運営は小沢氏頼み…生活に委任致しますヘルプ

日本未来の党(代表・嘉田由紀子滋賀県知事)では29日、同党への合流を決めた「国民の生活が第一」の小沢一郎代表頼みの党運営が、結党2日目にして鮮明になった。
 「私は政治家としての小沢さんを尊敬している。小沢さんの力を日本の政策実現、未来のために使わせていただく」。嘉田氏は29日夜に行われたインターネット番組の党首討論で、小沢氏の話題を自ら切り出し、こう言い切った。
未来の党は当初、「小沢氏が表に出てくると、嘉田さんのクリーンなイメージが壊れてしまう」(嘉田氏周辺)として、“小沢色”を薄めることに努め ていた。嘉田氏も29日朝のフジテレビ番組では、「私が責任を持って表に出て行くので、役員として小沢さんに出ていただくことは考えていない。小沢さんも 『ここで自分はしっかりとひく』と言っている」と反論した。
 その一方で、嘉田氏はこれまで、政党を運営した経験はなく、実務にあたるスタッフもそろっていない。嘉田氏がこだわる「卒原発」の政策作りなどを 除いては、小沢色を隠すことは困難だった。嘉田氏は28日、「生活」に対し、「『未来の党』本部事務を『国民の生活が第一』事務局に委任致しますのでよろ しくお願いいたします」と文書で依頼。29日には小沢氏に近い森裕子参院議員を副代表に起用すると表明し、選挙実務を名実ともに小沢氏らに委ねた。これに 伴い、代表代行だった飯田哲也氏を副代表に事実上、格下げし、担当は原発・エネルギー政策とした。
(2012年11月30日14時33分  読売新聞)

12時間前服用 ヨウ素剤効果 規制委が被ばく防止目安

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 原子力規制委員会は三十日、原発で重大事故が起きた時にどの段階で避難し、内部被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を服用するかについて、原発立地自治体に地域防災計画づくりの目安としてもらうための試算結果を公表した。
 原発五キロ圏内では大量の放射性物質が放出される前に避難することが重要で、同圏外の地域では屋内退避や避難、放出前のヨウ素剤服用を組み合わせることで十分な被ばく防止効果がある、との内容。
 試算は、規制委から委託を受けた日本原子力研究開発機構(JAEA)による。百十万キロワット級原発一基から東京電力福島第一原発事故の約半分の放射性物質が放出された、との想定で計算した。
 試算では、事故から一週間の被ばく線量を一〇〇ミリシーベルト以下にする国際原子力機関(IAEA)の防護基準以下に抑えるためには、五キロ圏内では、格納容器が損傷するような事故が起きると予想された段階で、早期に避難することが不可欠との結果だった。
 五~十キロ圏内ではコンクリート造りの建物に退避と避難、十~三十キロ圏では木造も含めた屋内退避により、被ばく線量はおおむね基準以下になると された。ただ、放射性ヨウ素を吸い込み甲状腺にたまる。これを防ぐため、放出される十二時間ほど前にヨウ素剤を飲めば、甲状腺被ばくは数十分の一~百分の 一に抑えられるとの結果が出た。
 今回の試算は、茨城県東海村周辺の気象データを基に実施。ほかの立地自治体の気象は考慮されておらず、福島第一のような、同時に三基で事故が起きる場合は想定されていない。試算結果をどう受け止めればいいか、自治体を混乱させる可能性もある。
 規制委は先月、これとは別に放射性物質の拡散予測を公表したが、ミスが相次いで発覚している。
平成24年11月30日
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維新公約発表、自主憲法の制定を基本方針に-「地方共有税」創設を打ち出す


picture 衆院選公約について記者会見する日本維新の会の石原慎太郎代表(左)と橋下徹代表代行=29日午後、東京都内のホテル
日本維新の会の石原慎太郎代表と橋下徹代表代行は29日、都内で記者会見し、衆院選公約を発表した。原発政策について「脱原発依存体制の構築」を進める とした上で「既設の原発は30年代までにフェードアウト(消失)することになる」と明記。消費税の地方税化を提唱し、地方交付税に代わる新たな財源調整の 仕組みとして、「地方共有税」の創設も併せて打ち出した。自主憲法の制定も基本方針に盛り込んだ。  維新が太陽の党との合流の際に交わした合意文書に「脱原発」の文言は含まれていなかった。橋下氏の主張で復活したとみられるが、橋下氏は会見で「30年 代までにフェードアウト」は公約には当たらないと説明。「脱原発」に対し、維新と合流した太陽の党のメンバーの慎重論が強いため、位置付けを曖昧にしたと みられる。
 公約は、本体に当たる「骨太2013~2016」と、付属文書の「政策実例」で構成。環太平洋連携協定(TPP)について「交渉に参加する」としつつ、 「国益に反する場合は反対」とも併記。政府と日銀の間で物価安定目標に関するアコード(政策協定)を締結することや、日銀法改正で両者の責任の所在を明確 化することを提唱した。
 内閣の機能強化としては、人事権や予算編成権、組織編成権を内閣に一元化。内閣予算局を新設するとともに、人事院・総務省・財務省の一部を統合し、内閣人事局を設置することをうたった。
 参院改革の第一歩として、自治体首長と参院議員の兼職禁止規定の廃止も盛り込んだ。橋下氏が規定が廃止されれば参院選出馬を検討する考えを示していることを反映したとみられる。
 さらに、集団的自衛権の行使を可能とするための法整備や自衛隊の武器使用基準見直しを盛った。石原氏の意向を踏まえ、自主憲法制定も掲げた。一方、「維新八策」で半減するとした衆院議員定数は、3~5割削減に修正した。


【解説】 第三極の存在感訴え-維新公約、主張の曖昧さ各所に

日本維新の会が29日発表した衆院選公約は、原案に盛り込んだ「2030年代に全原発撤廃」が消えるなど曖昧な内容になった。主張が異なる太陽の党との合流が影を落とした格好だ。  「硬直した中央官僚の支配を壊す」。石原慎太郎代表は公約発表の記者会見でこう強調。橋下徹代表代行も「官僚には絶対できないセンターピンになるようなところをまとめた。一内閣でやったら歴史に残る」と誇らしげに語った。
 公約でも「既成政党は改革を唱えたが状況は悪化するばかりだ。今こそ、大改革が必要だ」と、第三極としての維新の存在意義を訴えている。
 だが、公約の原発政策を見ると「脱原発依存体制の構築」と明記しつつ、「結果として、既設の原発は2030年代までにフェードアウト(消失)することに なる」と人任せのような表現もあり、脱原発に主体的に取り組む決意はうかがえない。しかも、橋下氏は会見で「30年代までのフェードアウト」は公約に当た らないと説明した。
 環太平洋連携協定(TPP)に関しては、太陽との合流前の原案では交渉参加を打ち出していた。しかし、最終版には「ただし、国益に反する場合は反対」との表現が加わり、どっちつかずとなった。
 背景には、合流した太陽が、原発の再稼働や新規建設を容認し、TPPに慎重だったことがある。「小異を捨てて大同に就く」との石原氏の主張を受け入れて合流した以上、橋下氏としても譲歩せざるを得なかった。
 会見で原発政策のぶれを追及された橋下氏は、苦し紛れに「30年代ゼロというのは、自分の気持ちとしては捨てていない」。「表題を書けばいいなら、そん なのはなんぼでも書く。官僚が作るような具体的な工程表を示すのは政治家の仕事ではない」などと記者にかみつく場面も目立った。

放射能問題の活動紹介、相模原の市民グループが12月イベント/座間

2012年11月30日
 福島第1原発事故に伴う放射能汚染の問題に取り組む相模原市内の市民グループ「こどもまもりたい」は12月8日、これまでの取り組みを紹介するイベントを座間市内で開く。

 同日、ハーモニーホール座間(同市緑ケ丘)で開催される「輝け憲法 今こそ九条inざま」の分科会として、隣接の座間市民健康センターに会場を設ける。

 同会は相模原市内で子育て中の親たちが昨年7月に結成。近隣の空間放射線量の測定や土壌汚染の実態を調べ、学校給食の検査や公園の砂場の入れ替えを求めるなど、地元の行政に働き掛けてきた。

 そうした活動を振り返るパネル展示のほか、メンバーが講演に立つ。

 報道カメラマンの能勢広さんが県央地区の汚染状況と行政の対応を説明。内科勤務医の牛山元美さんは、内部被ばくによる健康被害と留意点について話す。

 座間市の麦っ子畑保育園園長、大島貴美子さんは同園での取り組みを紹介し、福島県大玉村から6歳の長女と相模原市内に自主避難中の鹿目(かのめ)久美さんは、いまの思いを語る。

 同会では「未来を担う子どもを守るため、知って、話して、つながりましょう」と来場を呼び掛けている。午前10時からで参加費千円(全体会にも参加可)。問い合わせは、能勢さん電話042(777)5557。

牛肉の損害など1億1400万円請求 原発事故賠償山形県協議会 (2012年11月30日)









 JAグループ東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策山形県協議会は29日、福島第1原発事故の放射性物質汚染による「風評被害」の問題で、東電に対して約1億1400万円の第14次損害賠償請求を30日に行うと発表した。

衆院選巡り11党の党首が討論…日本記者クラブヘルプ

衆院選(12月4日公示―16日投開票)を巡り、各党党首による討論会が30日午後、東京・内幸町の日本記者クラブで行われた。
 野田首相(民主党代表)や自民党の安倍総裁、日本未来の党の嘉田代表、公明党の山口代表、日本維新の会の石原代表ら11党の党首が出席した。
首相は討論会の冒頭、衆院選の争点について「前に進むか、後ろに戻るかが問われる選挙だ」と述べた。「2030年代に原発依存ゼロを目指す。脱原 発に向かう」とも強調した。安倍氏は「私たちに与えられた使命はまっとうな政治を取り戻すことだ。新しい成長戦略を実行することで経済を取り戻す」と強調 した。
 嘉田氏は「福島を忘れてはいけない。原発からまず卒業すること」と述べ、脱原発を訴えた。石原氏は「官僚が支配している政治を直さないと、この国は良くならない」と語った。
(2012年11月30日13時52分  読売新聞)

 

ヨウ素剤、30キロ圏で必要 被ばくリスク予測










2012年11月30日 16時04分
(22分前に更新)
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は30日、東京電力福島第1原発事故と同規模の事故を想定した周 辺住民の被ばくリスク予測を公表した。予測では甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤は、放射性物質が放出される前に30キロ圏で服用する必要性を指摘し、被ば く低減に高い効果があるとした。ヨウ素剤の配布方法などは、規制委が今後検討を進める方針。
 原発の半径5~30キロ圏は、放射性物質の大量放出が想定される発生2日間は屋内退避が有効で、5キロ圏は放出が始まる前に避難すれば被ばく線量を大幅に低減できるとの結果だった。
 規制委は今回の予測をモデルケースとして提示。原発立地や周辺自治体はこのほかに、事故時の放射性物質の拡散予測や避難に必要な時間を試算する避難時間予測も活用し、来年3月までに地域防災計画を策定する。(共同通信)

伊方原発:とめる会、県に7万6246筆の署名提出 /愛媛

毎日新聞 2012年11月30日 地方版
 四国電力伊方原発(伊方町)の再稼働阻止を求める署名活動を進める市民団体「伊方原発をとめる会」(事務局・松山市)は29日、県に1次分7万6246筆を提出した。
 6月から活動を始め、内訳は県内3万2130筆、高知2万筆以上など。未整理を含め全国から約12万筆 が集まっているといい、来年3月までに計40万人を目指す。同会事務局次長の和田宰さんは「(多数の署名は)切実な問題であることの表れ。真剣に受け止め てほしい」と訴えた。【中村敦茂】

四国電力:電気料金値上げ方針 経済、暮らし…懸念広がる /愛媛

毎日新聞 2012年11月30日 地方版
 四国電力が電気料金の値上げの方針を発表した29日、県内でも経済や家庭生活への影響に懸念が広がった。値上げ自体には「仕方ない」との受け止めがある一方、「1社独占」下での料金設定に疑問の声も上がった。
 県商工会議所連合会の白石省三会頭は「電力を安定供給するため、ある程度の値上げはやむを得ない」とし つつ「電力消費の多い産業や中小企業にとっては経営環境は極めて厳しくなり、地域の経済成長にも水を差す」と指摘。四電に「聖域のない合理化・コスト削減 に取り組み、値上げ幅圧縮を」と求めた。
 県産業政策課の高橋正浩課長も「県民の生活、企業に広範囲に影響する。景気も厳しく、ギリギリの企業も多い」と懸念。四電に「しっかり合理化するとともに丁寧な説明を」と要求した。
 年金暮らしの西予市の主婦(78)は「原発には反対だから、値上げは時代の流れ。消費税も上がるし、倹 約するしかない」とあきらめ顔。一方、松山市の会社員の男性(44)は「競争のない1社独占のままでの値上げにはちょっと納得できない」と不満をあらわに した。【中村敦茂】

高速無料化措置を延長=原発事故の避難者対象

国土交通省は30日、東京電力福島第1原発事故による避難者を対象とした高速道路の無料化措置を2013年3月31日まで延長すると発表した。これまでは同年1月15日を期限としていた。(2012/11/30-15:41)

LNG価格に「ジャパンプレミアム」欧米の数倍で買わされ電気料金に転嫁

2012/11/30 16:13

   産出国を舞台に液化天然ガス(LNG)の争奪戦が激しさを増している。とくに日本は、東京電力の福島第1原発事故後にほとんどの原発が停 止中で、火力発電用の燃料に使うLNGが急増している。足元を見透かされて「ジャパンプレミアム」と呼ばれる価格上乗せが当たり前になっているという。欧 米の4倍の輸入価格だ。

「世界最大のお得意さん」なのに足元見られて交渉もできず

   日本は福島第1原発事故以前からLNGの世界最大の輸入国だが、原発停止でさらに急増し、おそらく世界一高いLNG値段で買わされている。 LNGの総輸入額は福島原発事故前の2010年に3兆5000億円だったのが、昨年は5兆4000億円と1兆9000億円も増えた。このLNG輸入額の大 幅増が31年ぶりの貿易赤字の大きな要因になったことは否定できない。しかし、だからといって、総選挙を前に最大の争点になっている「脱原発」論議に水を 差し、曖昧な安全対策のまま原発維持に偏るのは筋違い。
   11月(2012年)に天然ガスが取引された地域別の価格(ドル/ BTU) を比較すると、アメリカ3.50ドル、イギリス10.46ドルに対し、日本は15.42ドルで、液化費用を加えても非常に高い状況になっている。世界最大 の輸入国で、産出国から見ればお得意様であるはずなのに、なぜジャパンプレミアムなどという高い価格を押し付けられているのか。中部電力のケースを例に、 購入交渉の舞台裏を見て見よう。
   60%をLNG火力が占める中電は昨年度は約3000億円燃料費が増加した。当面は電力料金の値上げはしないとしているが、昨年度の決算は創 業以来初の営業赤字になった。水野明久社長は「安く購入できるかは収支に非常に影響を与えるので、経営の最重要課題の一つだ」という。
   中電がLNGの60%を輸入するのはカタールの国営会社「カタールガス」だ。安定確保のため20年以上の長期契約を結んでおり、数年おきに価 格の見直しをしている。原油価格にLNG需要予測などの数字を掛けたものがLNG価格になっている。この数字の見直し交渉で価格を引き下げようとしている が、その交渉策について垣見祐二専務は、「石油価格が高くなるとそれにつられてLNG価格も上がってしまう。その連動の仕方を緩やかにするのが重要な交渉 のポイントと思う」という。
   しかし、カタールで長年、日本との交渉を仕切ってきたアッティーヤ・元エネルギー工業相はNHKのインタビューに、「LNGは石油など他の燃料に比べ極めて割安です。これは取り引きです。価格の決め方に文句を言っても仕方がありません」とにべもない。

調達コスト削減に本気で取り組まない電力会社

   世界の石油・天然ガス市場に詳しい石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之上席エコノミストが生出演し、国谷裕子キャスターの質問に答えた。
   国谷「突出して高い値段でLNG を購入しているわけですが、世界最大の輸入国でありながら、なぜ交渉力がないのかでしょうか」
   野神「日本の大口需要がほぼ100%LNGによって賄われている構造があるからです。欧州ではイギリス、ノルウエー、オランダは域内の天然ガスやロシア、北アフリカからパイプラインで天然ガスを調達し、供給先が多様化しています。
   これに対し、日本の調達市場は寡占化で売り手が限られており、最終的には(相手の言い分を)飲まざるを得ない。足元を見られているんです」
   3度にわたる石油ショック時に、官民挙げて原油調達先を中東だけに頼らず、多様化を図るべきだとの意見が出たが、ノド元過ぎればで教訓は全く生かされなかった。
   国谷「交渉力をつけるために戦略的に取り組んでこなかったのはなぜなのでしょうか」
   野神「日本は安定確保が第一ということで、高い価格であっても消費者に転嫁することでよしとする体制だったことは否定できません。こうした体 制に加えて、電力会社の地域独占ということも価格交渉におけるインセンティブ(鼓舞する気持ち)を働きづらくさせていたことが背景にあります」
   地域独占にあぐらをかき、何でもかでも突っ込んだ挙句に、利益を積み上げる総括原価方式で決める電力料金がそれを支えてきた。ツケをすべて押しつけられる消費者はたまったものではない。
   原発を最大の争点とする衆院総選挙が間もなく公示される。勇ましい中央集権・官僚主導打破も結構だが、まずは具体的な納得できるエネルギー戦略を示して欲しい。
モンブラン
NHKクローズアップ現代(2012年11月29日放送「『ジャパンプレミアム』を解消せよ~密着 LNG獲得交渉~」

控訴審へ・被爆体験者の声:/4 「放射能の灰かぶった」 里輝男さん /長崎

毎日新聞 2012年11月30日 地方版

 ◇里輝男さん(79)=長崎市

「真っ暗になって太陽だけがかすかに赤く見える。雨と灰が降った。あんなのは生まれて初めてやった」。原爆を受けた時の様子をそう証言した。
 67年前、爆心の東約11キロの旧戸石村(現長崎市)で原爆に遭った。山で松やにを採っていると、閃光(せんこう)を感じ「バジャーン」という音がした。爆風で葉っぱが巻き上げられ、とっさに伏せた。辺りは真っ暗になり、太陽だけが赤く見えた。
 「ちょっとしてからですね、灰がものすごくベロベロ降ってきたですね」。体中が真っ黒になった。紙幣も舞い落ち、母が拾った。家に帰ると、爆風で建具が倒れていた。雨も降った。7歳だった妹の山口千枝子さん(74)は庭で灰をかぶった。頭がただれ、髪の毛が抜けた。
 自身も26歳の時、甲状腺がんと診断され手術を受けた。6年ほど前には大腸がんが見つかった。近所の人が何人も白血病で亡くなった、と訴える。体調が悪く、外出がままならない人も大勢いる。
 繰り返し訴えてきたが、6月の長崎地裁判決は、原告の証言の信用性は低い、と切り捨てた。「放射能の灰をかぶったっちゅうのは事実やけん。被爆者として認めてもらいたい」。声を絞り出し、訴えた。
〔長崎版〕

控訴審へ・被爆体験者の声:/4 「放射能の灰かぶった」 里輝男さん /長崎

毎日新聞 2012年11月30日 地方版

 ◇里輝男さん(79)=長崎市

「真っ暗になって太陽だけがかすかに赤く見える。雨と灰が降った。あんなのは生まれて初めてやった」。原爆を受けた時の様子をそう証言した。
 67年前、爆心の東約11キロの旧戸石村(現長崎市)で原爆に遭った。山で松やにを採っていると、閃光(せんこう)を感じ「バジャーン」という音がした。爆風で葉っぱが巻き上げられ、とっさに伏せた。辺りは真っ暗になり、太陽だけが赤く見えた。
 「ちょっとしてからですね、灰がものすごくベロベロ降ってきたですね」。体中が真っ黒になった。紙幣も舞い落ち、母が拾った。家に帰ると、爆風で建具が倒れていた。雨も降った。7歳だった妹の山口千枝子さん(74)は庭で灰をかぶった。頭がただれ、髪の毛が抜けた。
 自身も26歳の時、甲状腺がんと診断され手術を受けた。6年ほど前には大腸がんが見つかった。近所の人が何人も白血病で亡くなった、と訴える。体調が悪く、外出がままならない人も大勢いる。
 繰り返し訴えてきたが、6月の長崎地裁判決は、原告の証言の信用性は低い、と切り捨てた。「放射能の灰をかぶったっちゅうのは事実やけん。被爆者として認めてもらいたい」。声を絞り出し、訴えた。
〔長崎版〕

特集ワイド:原発の呪縛・日本よ! 社会学者・上野千鶴子さん

毎日新聞 2012年11月30日 東京夕刊














上野千鶴子さん=石井諭撮影
上野千鶴子さん=石井諭撮影

<この国はどこへ行こうとしているのか>

 ◇「弱者のまま」選択を−−上野千鶴子さん(64)

「私たちが地球と命を汚しました。私たちは汚れました。もう、たくさんだ。もうこんなこと、やめましょう」
 1月、国際交流NGOピースボートなどが中心となり、市民の手で原発に頼らない社会を築こうと横浜市で 開かれた「脱原発世界会議」。ゲストに呼ばれ、2日間の会議の締めくくりにスピーチに立った上野千鶴子さんが呼びかけた。そして、東京電力福島第1原発事 故以降の日本の先行きを見据え、次のように言い切った。
 「大丈夫。私たちは原発がなくてもやっていける」
 「大丈夫。原発に代わる代替エネルギーや再生可能エネルギーは確実に手に入る」
 だが、三つ目の「大丈夫」だけはニュアンスが違った。「大丈夫かどうかちょっとわからないのは私たちがそれを決めることができるのかどうか」
 汚した「加害者」を自覚するとともに、これからの社会のあり方を決めるのは自分たち一人一人、人ごとではない、と覚悟を促すと、会場を埋めた約1000人から拍手がわき上がった。
 「深い深い後悔からです。環境問題を考え行動していた周囲の仲間は原発は危険、事故は必ず起きるとずっと前から言っていた。それを私は聞いていたのに、何もしてこなかった。こんなことになるとは知らなかったと申し開きはできません」。スピーチの動機をそう話す。
 性差別をなくし女性の権利を広げようと訴えるフェミニズムを通じて「こんな世の中に誰がしたのか」と問い、「おやじ、うざい、はた迷惑」と言い続けてきただけに、自分が「加害者」の側にいたことは「痛恨の思い」だった。
 「母を反面教師にして育つ娘たちがいます。ああはなりたくないと、母の不幸を見て育つんです。そういう娘の一人でした」。自らの母娘関係をきっかけにフェミニズムの世界に入った上野さんにとって、原発問題は遠くにあった。昨年3月15日、東京大学退職の節目に予定されていた最終講義の演題は「不惑のフェミニズム」だった。女性の解放運動であるウーマンリブが日本で社 会的注目を浴びた1970年10月の国際反戦デーから約40年。誤解と偏見のなかで、女性学という新しい学問分野をつくり出した一人である上野さんたちの 取り組みを振り返るつもりだった。運動のバトンを後輩に手渡すためでもあった。「フェミニズムは偏った思想に過ぎず学問とは違う、といまだに考えられてい ます。最終講義の演題は看板に書かれて東大の構内に立てられます。『フェミニズム』と大書された看板が立つのをこの目で見てみたいと思っていました」。そ んな看板が立ったことは一度もなく、以降もおそらくないだろう、とのいたずら心があった。
 あと4日というときに東日本大震災が起きた。「学究生活の中でただ1回」の講義はキャンセルに。このこ とが上野さんを原発問題に向かわせた。世の中がやや落ち着いた7月9日。最終講義は「震災復興支援特別公開講演」に変わり、「生き延びるための思想」を演 題に行われた。「フェミニズムは女が男並みに強くなりたいという思想ではなく、弱者が弱者のままで尊重されるための思想です」と前置きしたうえで、公開講 演で訴えたかったことをこう語る。
 「原発は強者の思想。強者になりたいという志向の産物です。日本が原発を捨てられないのは、核武装の潜 在能力を捨てたくないためであり、国際社会で列強諸国と肩を並べるためです。支配者になりたい、抑圧者になりたい……それは明治維新以来の悲願。そして、 その通りになった」。強者の思想のつけが原発事故であり、いまだに多くの被災者を苦しめる。
 事故は「人災」でもある。「東電では、戦略を立てる人が意思決定の過程で現実をきちっと把握していな い、現場からの報告に耳を傾けない、希望的な観測しかしない。都合の悪い情報は隠蔽(いんぺい)する。誰も責任を取らない。敗戦の構造とそっくりです。太 平洋戦争時の日本軍の組織体質が、戦後の日本企業にそのまま引き継がれています」「奇跡のときは終わったのです」と語気を強める。「人口減少、高齢社会のなかで再分配の政治・社会を目指すときです」。強者の思想に基づく社会では なく、弱者が弱者のままで尊重され、生きていける社会づくり。「女を主題にやってきたことが、高齢社会で介護や障害と結びつきました。環境とかエコロジー とは距離を置いてきましたが、原発事故でつながりました。バラバラにあったものが今、ひとつながりになってきたという実感があります」。原発問題と寄り 添ったことで、上野さんの運動の動機に「子どもたち未来世代への責任」が加わった。
 民主党政権は「2030年代に原発ゼロ」を決めた。「財界の顔色をうかがうならばそうはしたくなかった のでしょうが、国民の意思に抗しきれなくなったという妥協の産物。ぎりぎりの選択をしたという意味では評価できます」。しかし、「原発ゼロ」の閣議決定を 見送ると同時に、大飯原発の再稼働や原発建設の再開と、ぶれ続けた。
 「再稼働問題では、立地県の知事が国の判断に頼るなど自分たちの意思決定を棚上げすることがあった。ひ と任せ政治極まれりという感じです。国民の間にも、原発問題を人ごとのように捉えている空気がまだある。一人一人が『当事者意識』を持つことが必要です。 そのためにも、原発是非を問う国民投票をやった方がいいかもしれません。自分の運命を自分で決める実感が持て、責任を意識することにもなりますから」
 12月15、16日、「脱原発世界会議」が東京と福島で再び開かれる。上野さんが理事長を務めるNPO 法人WANは今回、実行委員会に参加する。東京・日比谷公園で集会、官邸前でデモ、また福島県郡山市では日本政府・国際原子力機関共催の「原子力安全福島 閣僚会議」に合わせる形で「脱原発をめざす首長会議」−−と、2日間にわたり同時多発的に行動する。
 16日は衆院選の投開票日と重なる。実質的に、上野さんが言う原発国民投票になるかもしれない。「今回 の選挙では、WANを中心に女性問題に取り組む団体と個人が連携して『ジェンダー平等政策を求める』全政党アンケートを実施しました。原発問題を含め、女 の声が政治に届かない……それが、今日の社会の行き詰まりをもたらしたと思えてならないからです」
 そう、ひと任せではなく、自分たちで新たな社会を築くときなのだ。【内野雅一】
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 ◇おことわり

次回の「日本よ!」は12月21日に掲載します。
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 ◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を

t.yukan@mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279
==============■人物略歴

 ◇うえの・ちづこ

1948年生まれ。女性学、ジェンダー研究のパイオニアの一人。2009年NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN、http://wan.or.jp/)設立、11年4月から理事長。

 

避難者に高速無料化3月まで延長-原発事故で国交省  (11/30 15:49更新)

国土交通省は30日、東京電力福島第1原発周辺からのを対象にした高速道路の無料化を、来年3月31日まで延長すると発表した。原発事故の警戒区域や計画 的避難区域などに住んでいた人が一時帰宅する交通費を支援するため今年4月から開始し、期限は1月15日までとしていた。
 福島県は、現在の対象地域以外から自主的に避難している人にも無料措置を拡大するよう求めており、国交省の担当者は「復興庁と調整中」と話している。
 支援対象の避難者は、指定した東北、磐越、常磐各自動車道のインターチェンジ計30カ所から出入りすると、首都高速道路など一部路線を除いて無料で通行できる。
2012年11月30日(金)13時29分

ヨウ素剤、30キロ圏で必要
周辺住民被ばくリスク予測 

 原発災害の事前対策などについて開かれた原子力規制委員会の会合=30日午後、東京都港区
 原子力規制委員会(田中俊一委 員長)は30日、東京電力福島第1原発事故と同規模の事故を想定した周辺住民の被ばくリスク予測を公表した。予測では甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤は、 放射性物質が放出される前に30キロ圏で服用する必要性を指摘し、被ばく低減に高い効果があるとした。ヨウ素剤の配布方法などは、規制委が今後検討を進め る方針。

 原発の半径5~30キロ圏は、放射性物質の大量放出が想定される発生2日間は屋内退避が有効で、5キロ圏は放出が始まる前に避難すれば被ばく線量を大幅に低減できるとの結果だった。

 規制委は今回の予測をモデルケースとして提示した。
2012年11月30日13時33分

避難とヨウ素剤、原発事故時に有効 規制委が試算

 【西川迅】原発事故の防災対策を検討する原子力規制委員会の専門家会合が30日開かれ、東京電力福島第一原発と同レベルの重大事故が起きた場合、原発から5キロ圏内の住民は避難、5~10キロ圏内は屋内退避と、対策の組み合わせが有効とする試算結果が示された。安定ヨウ素剤の服用も有効だった。
 110万キロワットの原発1基から大量の放射性物質が放出されるとの想定で、日本原子力研究開発機構が試算した。
 5キロ圏内は異常事態発生後に直ちに避難することで被曝(ひばく)量を100分の1程度に低減。5~10キロ圏内は、2日間屋内に退避して放射性物質を含む雲をやり過ごした後に避難すれば、被曝量を一般家屋なら6割、コンクリート製の建物なら8割程度減らせるという。その結果、国際原子力機関IAEA)の避難の目安となる基準を下回った。

辻恵氏が民主離党へ 日本未来で出馬意向

2012年11月30日 13時08分
 民主党公認で衆院選に大阪17区から立候補する予定だった辻恵前衆院議員は30日、離党して日本未来の党公認で出馬する意向を固めた。同じ大阪 17区から立候補する見通し。同日夕に記者会見する。衆院選候補予定者が公認決定後に他党に移って立候補するのは異例で、民主党に痛手となりそうだ。
  辻氏は共同通信の取材に対し「民主党マニフェスト(政権公約)は、環太平洋連携協定(TPP)や原発問題に関して党内の意見が反映されていない」と民主党 を批判。段階的に原発依存から脱却する「卒原発」やTPP交渉参加反対などを掲げる日本未来の政策を「一緒に戦うのに値する内容だ」と評価した。
(共同)

原発事故での住民被ばく対策試算公表
11月30日 13時33分

原発事故による住民の被ばくを少なくするには、どのような対策を行うのが有効か試算した結果を原子 力規制委員会が公表し、原発からの距離が5キロから30キロの範囲では、屋内退避だけの対策では、甲状腺の被ばく量が国際的な基準を超えるおそれがあると して、放射性物質が放出される前にヨウ素剤を服用する必要があるなどとする結果が示されました。
これは、原子力規制委員会が先月公表した放射性物質の拡散予測に誤りが相次いで見つかるなどして自治体から批判が出たことを受けて、専門機関に依頼し、別の方法で試算したものです。
今 回の試算は、全国の原発ごとではなく、110万キロワット級の原発1基から福島第一原発事故のおよそ半分の量の放射性物質が放出されたと仮定して、避難や 屋内退避などの対策をどのようなタイミングでどのような組み合わせで行うと住民の被ばくを少なくするのに有効か解析しています。
例えば、原発から5キロ以内では、放射性物質の放出前に避難するケースが最も被ばくを減らすことができるとしています。また、5キロから10キロでは、コンクリート製の建物の中で2日間退避したうえで、その後、30キロの外に避難するのが有効だとしています。
一方で、特に子どもに影響が出やすい甲状腺の被ばくを考えた場合、5キロから30キロの範囲では屋内退避だけでは国際的な基準を超えるとして、放射性物質の放出前にヨウ素剤を服用する必要があるとしています。
今回の試算について、規制委員会は「厳しい気象条件で試算しており、基本的に全国の自治体で避難計画づくりに活用できる」としています。
し かし、今回の試算は、複数の原子炉から大量の放射性物質が放出される事態を想定していないうえ、個別の原発の試算ではないため、避難計画をつくる立場の自 治体にとっては、どのように活用すればよいか不明な点も多く、規制委員会には、関係自治体や住民への丁寧な説明が求められます。

野田首相「原発ゼロ着実に」自民・安倍総裁は「国民の信頼取り戻す」

2012.11.30 13:28
党首討論会に臨む(左から)公明党の山口代表、自民党の安倍総裁、野田首相、日本未来の党の嘉田代表、日本維新の会の石原代表、みんなの党の渡辺代表=30日午後、東京・内幸町の日本記者クラブ
党首討論会に臨む(左から)公明党の山口代表、自民党の安倍総裁、野田首相、日本未来の党の嘉田代表、日本維新の会の石原代表、みんなの党の渡辺代表=30日午後、東京・内幸町の日本記者クラブ
 衆院選(12月4日公示、16日投開票)を前に11党首による討論会が30日午後、東京・内幸町の日本記者クラブで開かれた。野田佳彦首相は「前へ進むか、後ろに戻るかが問われる選挙だ。2030年代の原発ゼロへ着実に向かう」と述べた。
 自民党の安倍晋三総裁は「政権公約にはできることしか書いていない。国民の信頼を政治に取り戻す」と語った。

大熊町、住民96%「帰還困難」 原子力災害対策本部が区域再編


 原子力災害対策本部であいさつする野田首相(中央)=30日午前、首相官邸
 政府の原子力災害対策本部は30日、原発事故で全域が警戒区域となり、全ての町民が避難している福島県大熊町の警戒区域を解除し、「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3区域に再編することを決めた。実施は12月10日。
 原則立ち入りができない帰還困難区域内の住民は約3890世帯、約1万560人で、人口全体の96%。
 居住制限区域と避難指示解除準備区域は立ち入りが可能になるが、第1原発が立地する大熊町は復興計画で、区域の種別にかかわらず「5年間は帰らない」と宣言している。

2012/11/30 12:06   【共同通信】

大熊町、住民96%「帰還困難」

[2012年11月30日 12:06]
大熊町、住民96%「帰還困難」
政府の原子力災害対策本部は30日、原発事故で全域が警戒区域となり、全ての町民が避難している福島県大熊町の警戒区域を解除し、「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3区域に再編することを決めた。実施は12月10日。
 原則立ち入りができない帰還困難区域内の住民は約3890世帯、約1万560人で、人口全体の96%。
 居住制限区域と避難指示解除準備区域は立ち入りが可能になるが、第1原発が立地する大熊町は復興計画で、区域の種別にかかわらず「5年間は帰らない」と宣言している。

原発事故被ばく:30キロ圏外避難で100分の1に 

毎日新聞 2012年11月30日 13時14分
 原発事故時に周辺住民が避難などをすることで、どの程度被ばくを低減できるかを日本原子力研究開発機構 が予測し、30日、原子力規制委員会に報告した。原発から5キロ圏内の住民は、放射性物質の大量放出前に、原子力災害対策指針で「緊急防護措置区域 (UPZ)」とされた約30キロ圏外へ避難すれば、被ばく量は100分の1以下に抑えられると分析した。
 原発立地・周辺自治体は、これらの分析や、事故時の放射性物質の拡散予測などを参考に来年3月までに地域防災計画を策定する。
 予測は出力110万キロワットの原発で、福島第1原発事故の半分程度の放射性物質が放出される事故が起 きたと想定。代表的な248パターンの気象条件での放射性物質の拡散状況を計算。その上で、原発からの距離ごとの被ばく量を基に、避難や屋内退避、甲状腺 被ばくを防ぐとされる安定ヨウ素剤の服用などの効果を算出した。
 その結果、原発から10〜30キロは1週間の屋内退避で木造家屋なら4割程度、コンクリート製施設なら2割程度の被ばく量になると予測した。安定ヨウ素剤は、放射性物質が放出される前に30キロ圏で服用すれば高い低減効果があると指摘した。
 5キロ圏内では、約30キロ圏外に予防的に避難すると、被ばく線量を国際原子力機関(IAEA)の基準 以下(全身被ばくで1週間で100ミリシーベルト以下など)に抑えられ、避難しない場合に比べ100分の1以下になった。5〜10キロではコンクリート建 物内に退避(2日間)した後に30キロ圏外に避難(7日間)した場合や、10〜30キロでは屋内退避した場合にもIAEAの基準以下に抑えられた。
 同機構の本間俊充・安全研究センター長は「計算はあくまで一例であり、実際にどういうタイミングで避難などの指示が出せるかが重要だ」と話す。【西川拓】

5~10キロ圏は段階避難を=原発事故、被ばく低減試算を公表-規制委

 原発事故の事前対策を検討する原子力規制委員会の専門家会合が30日開かれ、東京電力福島第1 原発事故と同レベルの事故が起きた際、避難や屋内退避などで、どの程度被ばくを低減できるかを試算したシミュレーション結果が示された。試算では、原発か ら5キロ圏内では異常発生後の速やかな避難が、同5~10キロ圏では屋内退避の後に段階的に避難するのが有効とされた。ヨウ素剤の早期服用の有効性も示さ れた。
 試算結果は、各自治体が定める地域防災計画策定の参考にされる。(2012/11/30-13:07)

原発事故時、10~30キロ圏は屋内退避 自治体防災計画の参考に

2012/11/30 13:00

 原子力規制委員会は30日に開いた検討会で、東京電力福島第1原子力発電所事故と同じ規模の事故が起きた場合、避難などの対策が住民の被 曝(ひばく)をどれだけ減らすか評価した試算を公表した。原発から5キロ以内の住民はすぐに遠方へ避難し、10~30キロ圏は屋内退避が効果が高いとし た。被曝前のヨウ素剤服用の有効性も示された。
 試算結果は地方自治体が来年3月までにつくる防災計画の参考となる。規制委は「ひとつのモデルケース」としている。
 日本原子力研究開発機構が試算した。出力が110万キロワットと平均的な規模の原発で重大事故が起きたと想定。様々な対策をとった場合の住民の被曝量を割り出した。
 原発から5キロ以内の住民については、大量放出が始まる前に30キロ圏外に避難すれば、基準以下の被曝量で済む。5~10キロ圏内は、放射 性物質が大量に通過する2日間ほどは近くのコンクリートの建物内に退避し、その後に30キロ圏外に移動すれば十分に被曝を抑えられる。10~30キロ圏は 屋内への退避で被曝低減効果が見込めるとした。
 すぐに避難しない5~30キロ圏内の住民は、あらかじめヨウ素剤を飲んでおけば、甲状腺の被曝量は基準を下回るという。

前原氏が日本未来の党を批判 「卒原発は空理空論」「きわめて小沢色強い」

2012.11.30 13:00 民主党
 前原誠司経済財政・国家戦略担当相は30日の閣議後会見で、日本未来の党が「卒原発」として10年以内の原発全廃を打ち出していることについて、「10年で原発ゼロまでは使用済み燃料の問題をとっても絶対に無理だろう。空理空論といわざるをえない」と批判した。
 前原氏は「使用済み燃料を中間貯蔵している方々と話し合う中で本当に現実的かどうか確認してほしい」と指摘。そのうえで、民主党が打ち出す「2030年代の原発稼働ゼロ」政策が現実的だとの見方を示した。
 また、子供に対する年約31万円の手当て支給など、日本未来の党の政策に関して、「きわめて小沢(一郎氏)色が強いものになっている、(代表の)嘉田(由紀子滋賀県知事)色を出せるかがポイントになってくると思う」と指摘した。

京都・冬の陣:’12衆院選/3 共産、社民 脱原発、国民の眼力期待 /京都

毎日新聞 2012年11月30日 地方版

 ◇「若者の力で何とか挽回」

衆院解散後初の週末を含む23〜25日の3連休中、共産は「ハンドマイク隊」と称し、全府域の駅前や街角などで党支部メンバーや市町議員らが5〜10分程度、つじ立ちし、政策ビラを街行く人々に配った。約1100ある党支部の3分の1が参加し、延べ約1万カ所に及んだ。
 党府委員長、渡辺和俊は「ビラ配りの反応は良かった。『参考にしたい』と受け取ってくれた」と話す。一方で、「次々政党ができてくる。わけ分からん」。こんなことを言う人も目立ったという。
 連休最終日の25日昼前、京都タワー(京都市下京区)前の大型街宣車の上に、府内唯一の前職で党国対委員長、穀田恵二(65)ら小選挙区の候補予定者が顔をそろえた。
 「最近けっこう宣伝しているが、数日たつともう(政党が)消える。ひどいのになると擁立発表の次の日に候補予定者が『もう辞めた』と」
 穀田が真っ先に言及したのは、日本維新など「第三極」への批判だった。冬晴れの行楽日和。周辺は観光客らでごった返していたが、足を止める人はまばらだった。
 78年まで計28年間府政を担い、「トラさん」の愛称で知られた革新系知事、蜷川虎三の元で力を蓄えた府内の共産。だが近年は、小選挙区制に移行した96年に比例で26万余あった得票が09年の前回選で19万余、10年の参院選で約15万、と組織の弱体化は否めない。
 「原発即時ゼロ」を前面に掲げるが、既成政党や「第三極」の多くが、表現は異にするものの脱原発の方向性を打ち出している。
 「大飯原発の再稼働反対運動を市民団体や母親たちと一緒に戦ってきた。脱原発をうたう政党は多いが、実現できる党を見分ける目が育っていると信じている」。渡辺は力を込めた。
   ◇
 同様に「反原発」を掲げる社民。解散10日後の26日、2区で新人、佐藤大(33)を擁立した。社民は 現在、府議、京都市議ともにゼロ。佐藤も同市議選に2度出馬したが、落選した。厳しい現状を認めつつ、佐藤は「経済的に新自由主義をとるのか、社会民主主 義をとるのかという対立軸が打ち出されていない。若者の力で何とか挽回したい」と存在感をアピールする。
   ◇
 幸福実現も1、4両区に新人を擁立し、「消費税増税反対」などを主張している。(敬称略)【入江直樹、五十嵐和大】=つづく

原発避難者用住宅にも復興交付金
11月30日 12時57分

復興庁は、東日本大震災の被災地の復興事業を財政的に支援する「復興交付金」の第4弾として、7つ の県の72の市町村に対し、およそ7100億円余りを交付することを決め、原発事故で長期間の避難を余儀なくされている人を対象にした、災害公営住宅の整 備事業などが初めて盛り込まれました。
これは、平野復興大臣が閣議のあとの記者会見で発表したものです。それによりますと、復興庁が先月 17日までに申請があった73市町村のおよそ5700億円の事業を審査した結果、「復興交付金」の第4弾として、岩手、宮城、福島など7つの県の72の市 町村に対し、申請額のおよそ1.3倍に当たる7148億円を交付することを決めました。
内訳は、津波被災地向けの災害公営住宅の整備事業に1702億円、住宅の高台などへの集団移転事業に1578億円、水産加工施設の整備事業に302億円などとなっています。
また、原発事故で長期間の避難を余儀なくされている人たちの新しい生活の拠点を別の自治体に作る「町外コミュニティー」を整備するための災害公営住宅の整備事業に、22億円が初めて盛り込まれました。

未来の脱原発は空論=前原氏【12衆院選】

前原誠司国 家戦略担当相は30日午前の記者会見で、日本未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事が2022年の原発ゼロを表明したことについて「10年で本当に原発ゼロ を達成できるのか。(地元自治体が懸念する)使用済み核燃料の(最終処分の)問題だけとっても絶対に無理だろう。空理空論と言わざるを得ない」と批判し た。
 また、年間31万円の子ども手当を公約とする未来の方針に関し「極めて(国民の生活が第一の)小沢(一郎代表)色の強いものになっている。嘉田色をしっかり出せるかどうかが今後のポイントだ」とけん制した。 (2012/11/30-12:43)
2012/11/30更新

経産省テント広場1周年を迎えて

これからも脱原発・反原発の持続的な闘いの共同のひろばに

経産省前テントひろば代表 淵上太郎
「テントひろば」は、昨年9月11日、福島原発事故緊急会議に集まる人々を中心に初めての経産省包囲行動が成ったその日に建てられ、今年9月11日で1年となった。
地震と津波による東電福島第1原発の大事故は、福島県民を中心に筆舌に尽くしがたい深刻な被災をもたらした。原発が決して安全ではなく、事故後の東 電や政府行政の対応も極めて不十分なものでしかなかった。だからこそ多くの人々が脱原発、反原発の要求を掲げて運動に立ち上がった。もちろん、福島原発事 故は収束していない。原発の安全性や事故の検証、原因の究明や責任の追求、損害の賠償など深刻な問題で未解決なまま、故郷に帰りたいという切ない願いを逆 用して、除染で復興といった本末転倒な政策がまかり通ろうとしている。
経産省前テントは当初、持続的・継続的な脱原発、反原発運動の一つの政治的な拠点としてのテントという直観は働いていたものの、こんな形で1年を超 えて建っていることは、誰も予測できなかったことである。しかし昨年の秋、「原発いらない福島の女たち」を中心に福島の女たちが、このテントに事実上合流 することになった。福島の女たちも、一緒に座り込みをさせて欲しい、ということだった。原発事故によって怒りが日常化し、それをどのように日本の具体的な 政治に叩きつけようかと構える福島の女たちに、テントはそういう場所として受け入れられたのだろうと思う。
福島の女たち約100名が昨年10月27日から3日間だがテントに合流し、それを支える全国の女たちが結集した。翌30日からは、今度は全国の女た ちが11月5日まで1週間、残った福島の女たちと共に闘いを継承した。11月5日の夜、テント前でささやかな交流会も行われたが、だれもが「再会」を誓っ ての一時的なお別れの宴であった。福島の女たちとの再開は以外と早く実現し、11月1日から椎名千恵子さんをはじめとする「未来を孕むとつきとおかのテン トひろば行動」が始まり、「とつきとおか」たつ同じ9月11日以降、「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」を生み出した。福島の女たちとの 交流は、むしろわれわれがはげまされ、経産省前テントの役割を次第に自覚させるものともなったのである。
昨年11月11日には土砂降りの雨の中、福島原発事故緊急会議の人々を中心に再度の経産省包囲行動」が成功したが、テントの存在も一定の貢献になっ た。明けて正月には「餅つき大会」を挙行し、更には5月5日に稼働原発が全て無くなるという流れのなかで、本当にこれを闘って実現するべく、瀬戸内寂聴さ ん、澤地久枝さん、鎌田慧さん、落合恵子さんなどの参加をいただきながら、4月17日から延べ100人の人々によって5月5日まで約20日間、「再稼働反 対」のハンガーストライキを敢行した。これは、福井・大飯原発の再稼働に反対して若狭の中嶌哲演住職が福井県庁で3月24日からハンストに入り、福島の女 たちがこれに連帯するリレーハンストに入ったのであるが、今度はわれわれがハンストに合流するといった形になったものである。

原発再稼働の動きがある限りテントも続く

5月5日、わが国の稼働原発はゼロとなった。全国の脱原発運動が闘って得たものであった。われわれは、原発ゼロの日を子どもたちへ、ということで、その歓びを素直に表す祝日として迎えた。
だが7月1日、大飯原発3・4号機の再稼働が強行された。テントひろばも、全国的な資金援助のもとで、3度にわたって福井・大飯の現地にかけつけ、 抗議の声を挙げた。われわれのことだけでなく、大飯の原発近くに建てられた「再稼働反対監視テント」に結集した若者たちの身体をはった「36時間にわたる 阻止闘争」も特筆しておかねばならないことである。
福島原発事故は何も解決していない。6万人を超える人々が県外に避難している現実がある。福島第1原発1・4号機には未だに人が立ち入れず、現状を維持するのが精一杯である。それでも再稼働を言うか!? 何が復興なのか!? また、多くの人々は、今でも「(再稼働した)大飯原発を止めろ」と言っている。もともと6月末までは止まっていたのだから、止められないはずはない、ということだ。
経産省に突き刺さった小さな棘は、全国の人々の共感と支援のもとで成長してきたが、再稼働反対の運動はまだまだ続く。「命より金だ、経済だ、電気 だ」という原発再稼働の動きがある限り、テントも続く。テントの存在を巡って、右翼等の執拗な妨害・脅迫、そして未だに一般市民国民より一段上の立場にい ると誤解している経産省官僚などとの攻防は厳しさを加えるかもしれない。しかし、大飯原発に見られるように、再稼働ありきの立場から、伊方や泊、志賀、川 内原発の再稼働を目論む輩がいるかぎり、われわれが自らの意志でこのテントを引き払うことはない。
経産省前テントひろばは1周年を迎え、改めて「3・11福島原発大事故」の原点に還りつつ、脱原発、反原発の持続的な闘いの共同のひろばとしての役割を果たしていきたいと決意している。
福島・大熊町、警戒区域の見直しで大部分が「帰還困難区域」に
東京電力・福島第1原子力発電所がある福島・大熊町は、12月10日に現在の警戒区域が見直され、大部分が「帰還困難区域」に再編されることになった。
これは、30日朝の政府の会議で決まったもので、大熊町は、放射線量などによって、3つの区域に見直される。
このうち、5年間は戻ることができない「帰還困難区域」に該当するのが、およそ3,890世帯と、全体の97%を占めている。
それ以外の区域の住民には、町が通行証を発行して、自由に出入りができるようになる。
避難生活を送る大熊町の住民は「戻ったとしても、農業もできなければ、何もできない」と語った。
福島県内で避難区域が再編される自治体は、6つ目となる。

(11/30 12:38 福島テレビ)

自民党の「原発に関する政策」があいまいで結局よく分からない件


2012.11.30 12:30:00 記者 : 夕刊ガジェット通信

自民党の「原発に関する政策」があいまいで結局よく分からない件
衆院選を控えて、自民党の「本当の姿」がつぎつぎと明らかになっている。というか、自民の中にもいろいろな意見の議員がいるのに、安倍晋三総裁のみ が暴走しているようにも見える。民主党が失墜した上で選挙ができるというのに、このまま安倍氏が舵取りを続ければ、好感度は下がり続けてしまうような気が する。
とりわけ、原発に関する自民党の政策がひどい。2012年11月27日付の時事通信によると、自民党は「原子力に依存しなくて良い経済・社会構造の 確立を目指す」としている。しかし、「原発の存廃については『10年以内に持続可能な電源構成のベストミックスを確立する』」とあいまいな表現を使い、原 子力政策の明確な目標を定めていない。
党内には、河野太郎氏のように脱原発を進めようとする議員もいるし、世論も脱原発を歓迎する方向に向かいつつある。福島第1原発事故が起き、その影 響が現在も色濃く残る状況を考えれば、そうなるのは当然の話である。だが、安倍氏には、経済界が発信する原発推進の声が重要なのだ。
安倍氏や経済界のおエラいさんは、今日も黒塗りの高級車を乗って移動し、美味いものを食べ、なにひとつ不自由のない生活を送っている。他方、11月 28日付の河北新報によれば、福島県には「現在も県内約10万人、県外約5万9000人の避難民」がおり、不自由だらけの暮らしを続けているのである。
そもそも、原発事故が起きた上に、原発が稼働すれば必ず発生する核のゴミをどう処理するのかも、まともに決まっていない。11月27日のNHKの報 道によると、原発から出る「高レベル放射性廃棄物」を受け入れるかどうか、NHKがアンケート調査したところ、「受け入れを検討する」と回答した都道府県 はひとつもなかった。ことほどさように、原発には現在進行形で解決すべき問題が山積みなのだ。
ならば、大地震と原発事故を経験した国の国政選挙で、各政党が原発をどうするのかという意思を有権者に表明することは、ある意味では義務と言っても いい。それをないがしろにしてしまったら、「国防軍」や「教科書検定の見直し」などと手品のような政策を提案されても、結局は有権者に背を向ける自己満足 の政党だと思われても仕方がなかろう。
(谷川 茂)

福島・大熊町の警戒区域見直し決定
11月30日 12時34分

政府は、原発事故の影響で全域が警戒区域に指定されている福島県大熊町について、来月10日に、町内の9割以上の住民の自宅がある地域を、長期にわたって居住を制限する「帰還困難区域」に指定するなど、3つの区域に見直すことを決めました。
政府は、原発事故の影響で警戒区域や計画的避難区域に指定されている自治体について、放射線量に応 じて3つの区域への再編を進めています。このうち、全域が警戒区域に指定されている大熊町について、30日に開いた原子力災害対策本部の会議で、来月10 日に区域を見直すことを決めました。
具体的には、町内の96%の住民の自宅がある地域を、原則、長期にわたって居住を制限する「帰還困難区域」に、それ以外の地域を、引き続き避難を求める「居住制限区域」や、住民の早期帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」に指定することにしています。
会議で、野田総理大臣は「帰還に向けた取り組みを進めている地域について、その取り組みを強力に支援をしていきたい」と述べました。
「居 住制限区域」や「避難指示解除準備区域」では、今後、住民の立ち入りが自由になりますが、町全体のインフラの復旧が必要なことから、実際の避難指示の解除 までにはさらに時間がかかる見通しです。このため、政府は、避難指示の解除時期に応じて全額になるかどうかが決まる、住宅や土地の損害賠償について、町の 全域を全額賠償とする方針で最終調整を進めています。
 国は30日午前、福島第一原発事故の影響で立ち入りが禁止されている福島・大熊町について、「警戒区域」の指定を解除し、新たな3区域に見直すことを決めた。

 国は、30日午前に開かれた原子力災害対策本部で、事故後、全域で住民の立ち入りが禁止されている大熊町について、来月10日午前0時をもって警戒区域の指定を解除することを決めた。

 大熊町は、放射線量に応じて「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3区域に再編されるが、実際には、住民の96%は5年後も戻ることが困難とされる帰還困難区域に家がある。

 事故後に避難指示が出された11市町村のうち、これで6つが見直されたことになり、国は残る5市町村についても見直しを急ぐ方針。(11/30 12:22)
2012年11月30日12時20分

大熊町ほぼ全域を帰還困難区域に 野田政権、再編決定

図:帰還困難区域などの状況拡大帰還困難区域などの状況
 野田政権は30日、原子力災害対策本部の会議を開き、東京電力福島第一原発事故で全域が警戒区域になっている福島県大熊町について、三つの区域に再編すると決めた。人口約1万1千人のうち96%が住んでいた地区が、5年以上帰れない「帰還困難区域」となる。12月10日午前0時から実施する。
 避難区域の再編は、福島第一原発の立地自治体では初めて。福島県の対象11市町村では6番目となる。会議で野田首相は「帰還に向けた取り組みを進めている地域を強力に支援していきたい」と述べた。
 大熊町は引き続きほぼ全域で住めない状況が続くが、住民のうち約370人は5年以内の帰還を目指す「居住制限区域」に、約20人は早期帰還を目指す「避難指示解除準備区域」に含まれた。一方、同町議会は9月、住民の分断を避けるため、2017年3月まで全域で帰還しないとする復興計画案を可決している。

日本未来の党 全原発廃炉に道筋 もんじゅも


2012年11月30日 

 嘉田由紀子滋賀県知事率いる日本未来の党は政策要綱を発表した。原発稼動ゼロから全原発廃炉の道筋をつくるとしたほか、東京電力は破たん処理し、国直轄で福島第一原発からの放射能汚染の拡大を防ぎ、損害賠償や被ばく安全に対応するとした。

 また、福井県にある高速増殖炉もんじゅと青森県にある六ヶ所再処理工場は廃止、青森県・大間原発など新増設は禁止。使用済み核燃料の総量規制からなる 「卒原発プログラム」の策定。発送電分離など電力システム改革を貫徹し、公正な競争を促進して地域分散ネットワーク型のエネルギー地域主権を実現する。

 子どもや女性の声なき声を政治に反映させるとして、子ども1人あたり年間31万2000円を中学卒業まで支給(一部は子育て応援券とする)。高校授業料無償化は堅持。

 非正規社員の正規社員化促進。在宅介護支援体制の強化。国民皆保険の堅持と医療保険制度の一元化をめざす。

 消費税増税の凍結。TPP交渉入りに反対。食料自給率50%をめざす。東アジア外交を重視するなどをあげた。 記事本文
記事提供:EconomicNews

異例 公認後に他党移籍で立候補 民主候補 日本未来で出馬意向

 民主党公認で衆院選に大阪17区から立候補する予定だった辻恵前衆院議員は30日、離党して日本未来の党公認で出馬する意向を固めた。

 同じ大阪17区から立候補する見通し。同日夕に記者会見する。衆院選候補予定者が公認決定後に他党に移って立候補するのは異例で、民主党に痛手となりそうだ。

  辻氏は共同通信の取材に対し「民主党マニフェスト(政権公約)は、環太平洋連携協定(TPP)や原発問題に関して党内の意見が反映されていない」と民主党 を批判。段階的に原発依存から脱却する「卒原発」やTPP交渉参加反対などを掲げる日本未来の政策を「日本の政治を変えるため一緒に戦うのに値する内容 だ」と評価した。

 辻氏は、日本未来に合流する「国民の生活が第一」の小沢一郎代表に近い。消費税増税法案の衆院採決で反対し、党員資格停止2カ月の処分を受けた。その後もTPPなどで野田政権に異を唱え、日本未来に加わる山田正彦元農相らと「反野田」勉強会をつくった。
[ 2012年11月30日 13:37
ヨウ素剤、30キロ圏で必要 周辺住民被ばくリスク予測 
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は30日、東京電力福島第1原発事故と同規模の事故を想定した周辺住民の被ばくリスク予測を公表した。予測では甲状 腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤は、放射性物質が放出される前に30キロ圏で服用する必要性を指摘し、被ばく低減に高い効果があるとした。ヨウ素剤の配布方法 などは、規制委が今後検討を進める方針。
 原発の半径5~30キロ圏は、放射性物質の大量放出が想定される発生2日間は屋内退避が有効で、5キロ圏は放出が始まる前に避難すれば被ばく線量を大幅に低減できるとの結果だった。
 規制委は今回の予測をモデルケースとして提示した。
2012年11月30日 13時32分
ヨウ素剤、30キロ圏で必要
 原発災害の事前対策などについて開かれた原子力規制委員会の会合=30日午後、東京都港区

避難や安定ヨウ素剤は有効 原子力規制委員会が被曝リスクシミュレーション

2012.11.30 13:36 (1/2ページ)
原発災害の事前対策などについて開かれた原子力規制委員会の会合=30日午後、東京都港区
原発災害の事前対策などについて開かれた原子力規制委員会の会合=30日午後、東京都港区
 原子力規制委員会は30日、原発事故が起きた際、避難や屋内退避、甲状腺被曝(ひばく)を防ぐための安定ヨウ素剤の投与などの防護対策を講じれ ば、国際原子力機関(IAEA)が定める防護基準を下回るだけの被曝低減効果が得られるとする、被曝リスクシミュレーション結果を公表した。規制委が日本 原子力研究開発機構(JAEA)に委託したもので、原発事故を想定したシミュレーションの公表は、放射性物質の拡散予測に続いて2回目。
 同日開かれた、原発事故の事前対策を検討する専門家会合で示した。シミュレーションは、周辺自治体が今後、地域防災計画を策定する上で参考にする。
  規制委によると、シミュレーションでは出力110万キロワットの原発が事故を起こし、福島第一原発事故の半分程度の放射性物質を放出したと想定。原発から の距離に応じて、どの程度の被曝が生じるかを計算した。また、避難やヨウ素剤の服用など防護対策を講じることで、どの程度の被曝低減効果があるかも試算し た。
 その結果、対策をしないと、原発から約20キロ離れた場所でも、IAEAの防護基準の「7日間で100ミリシーベルト」を超える被曝をする恐れが生じる結果となった。
一方、避難や屋内退避などの対策を講じると、IAEAの基準を下回った。特に10~30キロの地域では、屋内退避だけでも被曝線量は4~2割程度に低減された。放射性ヨウ素による甲状腺被曝についても、安定ヨウ素剤の服用でIAEAの基準を下回ることが確認できたという。 規制委は「複合対策を講じることで十分な被曝低減が見込める」と説明。ただし、福島の事故のように、複数の原子炉が同時に事故を起こす想定はしておらず、今後、自治体からより詳細な試算を求める声が挙がる可能性もある。

2012-11-30 05:29 この記事を転送する この記事を印刷する

ヨウ素剤、30キロ圏で必要

 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は30日、東京電力福島第1原発事故と同規模の事故を想定した周辺住民の被ばくリスク予測を公表した。予測では甲状 腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤は、放射性物質が放出される前に30キロ圏で服用する必要性を指摘し、被ばく低減に高い効果があるとした。ヨウ素剤の配布方法 などは、規制委が今後検討を進める方針。

共同通信社

 原発災害の事前対策などについて開かれた原子力規制委員会の会合=30日午後、東京都港区<br />
  •  原発災害の事前対策などについて開かれた原子力規制委員会の会合=30日午後、東京都港区
  •  原発災害の事前対策などについて開かれた原子力規制委員会の会合=30日午後、東京都港区<br />

ヨウ素剤、30キロ圏で必要
周辺住民被ばくリスク予測 

原子力規制委員会(田中俊一委員長)は30日、東京電力福島第1原発事故と同規 模の事故を想定した周辺住民の被ばくリスク予測を公表した。予測では甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤は、放射性物質が放出される前に30キロ圏で服用する 必要性を指摘し、被ばく低減に高い効果があるとした。ヨウ素剤の配布方法などは、規制委が今後検討を進める方針。
 原発の半径5~30キロ圏は、放射性物質の大量放出が想定される発生2日間は屋内退避が有効で、5キロ圏は放出が始まる前に避難すれば被ばく線量を大幅に低減できるとの結果だった。
 規制委は今回の予測をモデルケースとして提示した。

 

「フェードアウト」について

2012年11月30日 11:19

日本維新の会の選挙公約が「日替わり」状態になっている。

少し前に、「今度の選挙では告示前日まで選挙公約が二転三転するだろう」とあるメディアに書いた。どうしてもこれだけは実現したいという政策があるわけで はなく、どうしても議席が欲しいから選挙に出ている人たちにとって喫緊の問題は「どういう政策を掲げれば票が集まるか」だからである。

日本維新の会の選挙公約「骨太2013-2016」では焦点の原発問題については「結果的に30年代までにフェードアウト」という意味のよくわからない文 言を採用した。「30年代までに原発ゼロ」は当初橋下市長自身の主張だった。先月24日にそう言明した。その後、原発推進派の石原慎太郎の太陽の党との合 流合意で「脱原発依存」についての言及そのものが消えた。

それによって、維新の会の支持者のうち「脱原発」政策に好感していた人々の支持が目減りした。危機感を持った維新の会は、原発についての公約を再び掲げることにした。「結果的に原子力発電は2030年代までにフェードアウトする」というのがそれである。

これはこの政党の原発政策をみごとに表わしている。それについて書きたい。

この文の主語は誰が読んでも「原子力発電」である。原子力発電が人格を持っていて、おのれの意思によって、2030年代までに「徐々に見えなくなる」。そ う書いてある。「明日の夕方までには雨は上がるでしょう」というようなのと同じ表現である。諸般の事情でたぶんそうなるだろうという「見込み」を語ってい るだけで、政党の主体的関与については何一つ語っていない。だから、仮にこの文の通りに原発が「フェードアウト」しなかった場合でも、それは「原子力発 電」の側の事情であって、フェードアウトを予測した政党には何の責任もない。

もっと重要なのは「フェードアウト」という英語の動詞の語義である。あるかなしか不分明であるというのが「フェードアウト」という語のニュアンスである。 あるかないかわからないのであるから、「フェードアウト」した原発はまだその辺で稼働しているかも知れない。視野から消えれば、視野の外に存在していて も、立派な「フェードアウト」である。フェードアウトのかんどころか存否の事実を問うていないことにある。だから、「フェードアウト」は「しぼむ」「衰え る」の意味で用いられる。 この場合はもちろん事物的には存在する。

量的に減じたり、目立たなくなっても、「フェードアウト」である。この文言を考えた維新の会の人間はそういうことを全部わかっていてこの語を選んだはずである。だから、石原代表にもそう説明したはずである。

「石原さん、ご心配なく。『フェードアウト』っていうのは『なくなる』っていう意味じゃありませんよ。たぶん有権者はそう誤解して『脱原発』だと思い込む でしょうけれどそうじゃありません。全発電量のうち原発のシェアが1%でも減れば立派な『しぼみ』です。あちこちにちらばって建っていた原発を少しまとめ て一目に立たないところにまとめれば、これも立派な『おぼろげ』です。そういうことなんですよ。こんな英語にころっと騙されるやつがバカなんです」

そう説明されて、有権者はほんとにバカだからなあと笑顔を交わしている石原慎太郎と橋下徹の姿が想像できるようである。

大熊町、住民96%「帰還困難」 原子力災害対策本部が区域再編 2012年11月30日

 政府の原子力災害対策本部は30日、原発事故で全域が警戒区域となり、全ての町民が避難している福島県大熊町の警戒区域を解除し、「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3区域に再編することを決めた。実施は12月10日。

 原則立ち入りができない帰還困難区域内の住民は約3890世帯、約1万560人で、人口全体の96%。

 居住制限区域と避難指示解除準備区域は立ち入りが可能になるが、第1原発が立地する大熊町は復興計画で、区域の種別にかかわらず「5年間は帰らない」と宣言している。(共同)

川俣町旧飯坂村などのコメ出荷制限解除

2012年11月30日 10時40分配信

政府は29日、原子力災害対策特別措置法に基づき、食品衛生法の基準値を超える放射性セシウムが検出された福島市旧立子山村と川俣町旧飯坂村の平成24年産米の出荷制限を解除した。
県と両市町が両地域全域の作付面積、収穫量、検査業務などを盛り込んだ管理計画を策定し、政府に提出した。
県の計画に基づき管理され、全袋検査で基準値以下と確認されたコメに限り、政府は出荷を認めた。
福島市旧立子山村の農家の玄米1袋から110ベクレル、川俣町旧飯坂村の農家の玄米5袋から110〜160ベクレルが検出されていた。
2012年11月30日 11:27
<銘柄ウオッチ>
  ノア <3383> (名セ)は、28円高の2976円と続伸し、11月12日につけた年初来安値2590円からの底上げを鮮明化している。
   電力各社の値上げ申請が相次ぎ、12月16日に投開票日を迎える総選挙の争点にも卒原発・脱原発・原発再稼働などが急浮上していることから、省エネ効果 の高いLED照明への関心度が再び高まっているが、LED照明機器事業を単一セグメントとする同社業績へのフル寄与期待で超割安修正買いが増勢となってお り、今6月期第1四半期(1Q)業績が、赤字着地したことも織り込み済みと評価されている。
  同社は、2011年2月末で半導体事業を凍結しLED照明機器事業のみの単一セグメントとなったが、大手家電量販店のヤマダ電機 <9831> の新設店舗など向けに大量・継続受注が行われ、前期業績は4期ぶりに黒字転換した。
   LED照明市場は、2010年の700~800億円規模から2011年に1300~1400億円規模に倍増、2015年にはさらに3000億円規模に成 長すると予測されているが、それだけに参入企業も増加し競争が激化、価格低下も起こっている。そのなかでも高所照明の直管型のLED照明機器の価格低下は なく、同社は、この高所照明に重点を置き営業展開を強めている。
  また官公庁向けでも街路灯、防犯灯などで全国的に入札案件が増加しており、これへの対応も進める。新規事業として展開を強めている太陽光パネル販売事業とともに同社業績を押し上げることになる。
   業績も、今期1Q業績は、当初見込んでいた受注の確保、商品の納入の大幅遅れで苦戦、純利益は300万円の赤字(前年同期は4700万円の黒字)と落ち 込んだが、通期業績は期初予想に変更はなく、純利益は1億1000万円(前期比2.6倍)と連続高変化を見込んでいる。
  株価は、年初来 安値から1Q赤字業績で悪材料出尽くし・織り込み済みとして400円幅の底上げをしているが、PERは2倍台と大きく評価不足となっている。動きの軽快な 銘柄から一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

前原戦略相「未来の党は空理空論」

2012/11/30 11:34

 前原誠司国家戦略相は30日の閣議後の記者会見で、日本未来の党が2022年に原発ゼロを目指すとしていることについて「(使用済み核燃料の処理など)バックエンドの問題をみても10年では絶対に無理。空理空論と言わざるを得ない」と批判した。
 中学卒業までの子ども1人当たり年間31万2000円の手当を支給し、一部をバウチャー(利用券)の「子育て応援券」で対応する未来の政策に関しても「極めて『小沢色』が強い。『嘉田色』を強く出せるかが今度のポイントだ」とけん制した。

福島・大熊町を3区域に再編 住民の9割超が帰宅困難

2012/11/30 11:31

 政府の原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)は30日、東京電力福島第1原発事故で全町民が避難している福島県大熊町について「帰還困難区域」など3区域に再編することを決めた。再編は12月10日付。
 町民の9割超が住んでいた地区は帰還困難区域となり、放射線量が高いため、5年間は立ち入りが規制される。
 区域の見直しは今年4月以降、原発周辺の5市町村で実施済みで、大熊町で6例目。全域が警戒区域となっている自治体での再編は初めて。
 帰還困難区域のほかは、数年後の帰還を目指す「居住制限区域」と早期の帰還を目指す「避難指示解除準備区域」に分けられる。
 大熊町は復興計画で、区域の種別にかかわらず「5年間は帰らない」と宣言している。
2012年11月30日 11時00分 更新

日本維新の会 自主憲法制定など公約に


 日本維新の会が公約を発表した。自主憲法制定を 前面に出したほか、エネルギー政策では先進国をリードする脱原発依存体制を構築するとし、電力市場の自由化、発送電の分離、結果として2030年代までの 原発消失とした。脱原発依存を掲げなければ選挙戦不利との判断も働いたのではとの見方もある。



 外交・安全では実質的な防衛費GDP1%枠の撤廃や日米同盟の深化、自衛隊の武器使用基準の見直し、集団的自衛権の行使や領海統治などを定める国家安全保障基本法整備など。



 国家システムでは道州制への移行、自治体首長と参議院議員の兼職禁止規定の廃止、憲法96条を改正し、首相公選制、参院廃止の実現、衆議院議員定数の3割から5割の削減などをあげた。



 経済では名目成長率3%以上をめざすとしたほか、TPP交渉に参加(国益に反する場合は反対)。法人税減税などをあげた。
2012年11月30日11時10分

「顔は嘉田さん、中身は以前の民主」石破・自民幹事長


■石破茂・自民党幹事長
 嘉田さんという滋賀県の知事さん。「日本未来の党」というよくわからない党を作った。「卒原発」。これだけが目的らしい。あとは何が何だかよくわからない。
 しかし、よく見てみると、3年3カ月前に民主党が公約したこと。それがそのまま、日本未来の党の政策なのだ。よく見てください。ほとんど一緒だから。子ども手当なんか、全く一緒だから。
 それもそのはずで、顔は嘉田さんだけど、あの党を動かすのは、間違いなく小沢一郎さんだ。顔は嘉田さん、名前は未来。だけど中身は3年3カ月前の民主党そのもの。動かしているのは小沢一郎さん。
 有権者の皆さん方がご判断になることだが、もう一度あれを繰り返すのか。私が国会議員になって27年、この27年は、小沢さんが党を作っては壊し、党を 作っては壊し。その度に、その度に、政治は大混乱に、日本は大混乱に陥った。そのような失敗を繰り返すようなことがあってはならない。(神奈川県小田原市 内での街頭演説で)

前原戦略相、脱原発「10年でゼロまでは絶対に無理」

2012/11/30 11:10

 前原誠司国家戦略相は30日午前の閣議後の記者会見で、脱原発を実現する時期を巡って「10年でとてもじゃないが、原発ゼロまでは使用済 み燃料やバックエンド(後処理)の問題だけをとっても絶対に無理だ」との認識を示した。10年以内の原発ゼロを掲げる日本未来の党を批判した。
 「原発のない社会を多くの人が望んでいる。だから、民主党も2030年代原発ゼロを目指す」と主張した。一方で「バックエンドの問題を本当 に10年間で解決できるのか」と指摘。「本当にそれが現実的かどうかということについて、しっかりと(原発の立地自治体や使用済み燃料を中間貯蔵してる自 治体と)話し合いをするなかで確認して欲しい」と語った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕

福島に特別支局開設

 東京新聞(中日新聞東京本社)は12月、福島市に福島特別支局を開設します。東北地方で初めての支局です。東北地方では新聞を発行していません が、中日新聞グループの取材拠点として、今後も震災と原発事故の報道に力を入れていきます。科学取材の経験が長い編集委員を福島に常駐させます。
 支局開設にあたっては、地元紙・福島民報社の協力をいただき、福島民報ビル4階に支局を置きます。放射能汚染との厳しい闘いや、復興へ向けての頑張りなどを被災地から詳しく伝えます。ご期待ください。
 東京新聞
2012年11月30日 11時00分 更新

日本未来の党 全原発廃炉に道筋 もんじゅも



 嘉田由紀子滋賀県知事率いる日本未来の党は政策要綱を発表した。原発稼動ゼロから全原発廃炉の道筋をつくるとしたほか、東京電力は破たん処理し、国直轄で福島第一原発からの放射能汚染の拡大を防ぎ、損害賠償や被ばく安全に対応するとした。



  また、福井県にある高速増殖炉もんじゅと青森県にある六ヶ所再処理工場は廃止、青森県・大間原発など新増設は禁止。使用済み核燃料の総量規制からなる「卒 原発プログラム」の策定。発送電分離など電力システム改革を貫徹し、公正な競争を促進して地域分散ネットワーク型のエネルギー地域主権を実現する。



 子どもや女性の声なき声を政治に反映させるとして、子ども1人あたり年間31万2000円を中学卒業まで支給(一部は子育て応援券とする)。高校授業料無償化は堅持。



 非正規社員の正規社員化促進。在宅介護支援体制の強化。国民皆保険の堅持と医療保険制度の一元化をめざす。



 消費税増税の凍結。TPP交渉入りに反対。食料自給率50%をめざす。東アジア外交を重視するなどをあげた。

総選挙、ツイッター上の関心は原発 朝日新聞分析

朝日新聞デジタル 朝日新聞デジタル:記事一覧 2012年11月30日(金)5時25分配信
朝日新聞デジタル
【竹下隆一郎、杉本崇、守真弓、奥山晶二郎】朝日新聞は、短文を気軽につぶやけるネットサービス「ツイッター」上で、11月 22~28日の1週間、選挙を話題にした80万件以上のつぶやきを分析した。それぞれ、どんな政策課題に触れているかを調べると、原発関連が圧倒的に多 く、環太平洋経済連携協定(TPP)の3倍に上っていた。
 ツイッター上では、選挙に関連して原発に関心が集まっている実態が浮き彫りになった。ただし、この中には原発への賛否双方のつぶやきが含まれている。

東日本大震災:田村市都路地区の小中校や幼稚園、来年度の授業再開断念 /福島

毎日新聞 2012年11月30日 地方版
 田村市の冨塚宥〓(ゆうけい)市長は29日、都路地区の旧緊急時避難準備区域にある小中学校や幼稚園に ついて、来年度からの授業再開を断念すると明らかにした。保護者から除染工事の効果に対する疑念が続出、再開を求める声が皆無だったためという。また、同 区域のコメの作付け決定については、環境省が試験栽培の結果「放射線量に問題はない」としたことを受け、来春の作付けを容認する。広野町、川内村に次いで 3番目となる。
 都路地区は、旧警戒区域(96戸)と旧緊急時避難準備区域(882戸)に分かれ、旧準備区域内に三つの小中学校と幼稚園、保育所が一つずつある。地区の児童・生徒約250人は現在、帰還した中学生1人を除き、避難先の市内の仮設校舎などで学んでいる。
 冨塚市長によると、地区の校舎や校庭の放射線量は仮設校舎とほぼ同レベル。市教委は「健康上の不安はな い」と判断し、複式学級の導入を視野に来年度から授業を再開する準備を始めた。しかし、今月12日の保護者説明会で、放射線への不安から帰還に悲観的な意 見が続出。同地区には路線バスもなく、再開は不可能と判断した。
 一方、来春からの稲作再開については、環境省が旧緊急時避難準備区域の4カ所でコメの試験栽培を実施。市によると、「1キロ当たり40ベクレル以下」だった。区域内の農家から再開希望も多く、3年ぶりの稲作が行われる見込みとなった。【栗田慎一】
火星の放射線で人は死なない:キュリオシティの調査結果
火星表面の放射線は、国際宇宙ステーション内とほぼ同じ量だ。しかし、無害であるという確信を得るためには、火星にたどり着くまでの旅も考慮に入れなくてはならない。人類が火星に足を踏み入れる日は近づいているのだろうか?
TEXT BY ANNA LISA BONFRANCESCHI
PHOTOGRAPH BY NASA
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI


WIRED NEWS (ITALIAN)

「宇宙飛行士は、火星で特別なリスクなしに生き延びることができるだろう」。サウスウエスト・リサーチ・インスティテュートのドン・ハスラーは、赤い惑星表面の放射線レヴェルに関するデータを解説しながらこう断言した。キュリオシティに搭載されたRAD(Radiation Assessment Detector:高エネルギー粒子測定装置)によって測定されたのだ。

実際、RADが観測した放射線量は国際宇宙ステーションの内部で宇宙飛行士が受ける量に近く、火星に向かう長い旅の間にキュリオシティによって検出された量の約半分に等しい。

従って、「Space.com」が伝えているように、火星の大気(少なくともいまのところ、メタンガスは見つかっていないようだ)は、地球の大気よりもずっと厚みがないが(地球の大気のわずか1%だ)、それでも宇宙からやってくる粒子や紫外線の到達を防ぐことはできる。

特に火星の放射線のレヴェルは、1日の火星の大気の濃淡の変化に従って上下するようで、3%から5%の変動がある。大気圧もまた、朝はより高く、夜はより低くなるが、これは太陽のもたらす熱と関連している。

しかし専門家たちが説明しているように、火星表面の放射線レヴェルが低いとわかっても、この惑星に宇宙飛行士を派遣するのにまだ十分な根拠にはならない。実際に火星に行って、滞在して、戻ってくる旅のなかで乗組員たちが受ける放射線量の総量を計算する必要があるだろう。

さらにキュリオシティからは、赤い惑星の気候条件についてのデータがほかにも届いている。REMS(Rover Environmental Monitoring Station:ローヴァー環境監視ステーション)という装置は、竜巻に似た事象の存在を発見した。これは短期間の気圧の低下、風の方向や速度の急速な変 化、気温の上昇といった特徴をもっていて、これとともに自動探査車によって紫外線レヴェルの低下が検出された。

しかし軌道上から観測される場合とは違って、 キュリオシティが地表のゲールクレーター付近で大きな視覚的変化を発見したわけではないようだ。科学者たちの仮説によれば、おそらく地球で起きるものとは 違って、火星の竜巻は目に見えるようなかたちで塵を巻き上げないのだろう。

さらにREMSは、火星の大気の気圧と厚みの1日の変化に加えて、予想されていた季節の変化も見つけ出した。事実、冬に南半球の氷床の中に閉じ込められていた二酸化炭素が、春に気圧の上昇に従って解放されている。
未来の党誕生、「卒原発」めぐり3区に波紋
 12月4日の衆院選公示直前に、「卒原発」を旗印に誕生した新党「日本未来の党」。玄海原発(佐賀県東松浦郡玄海町)を抱える佐賀県の各政党や立地地域 が入る佐賀3区にも波紋を広げている。将来や即時の「脱原発」を主張する政党は比例票の争奪に神経をとがらせ、「自共対決」の構図となっている3区の有権 者からは「未来」の候補擁立を期待する声も上がった。
 「保利王国」と呼ばれる3区の自民党・保利耕輔陣営。熊本大成選対本部長は「仮に未来が候補者を立てても、勝敗まで脅かされることはない」と静観しつ つ、「維新の会よりは影響が出るだろう。福島の事故後、原発に対して慎重な有権者は3区でも少なくない」と動向を気にする。
 県連の福島光洋幹事長は「原発は経済雇用を含めて全体的な政策の中で考えるべき。即止める、即稼働という話じゃない」と10年以内に結論を出す党の方針を強調した。
 「きのう、きょう出てきたような政党が原発をなくせるのか」。「即時ゼロ」を訴える共産党の山口勝弘陣営幹部は対決姿勢をあらわにする。「3区に立てば 一定の票が流れるかもしれないが、根のない風頼みの政党。驚異ではない」と語気を強めた。県委員会の今田真人書記長も「原発が大きな争点なのは間違いない が、それ以外の政策がはっきりしていないのは政党として無責任だ」と批判した。
 2030年代の原発ゼロを自民党との対立軸に据える民主党は3区の候補擁立を見送っている。県連の内川修治幹事長は「比例票に影響がないとは言えないが、将来的に政策の不一致が見えている。原発だけで組むのは国民不在ではないか」とけん制する。
 3区擁立を断念した社民党県連の徳光清孝幹事長は「脱原発の政策を打ち出しており、比例票での影響は無視できない」と警戒。「再稼働に対する考え方や政党としての活動実績で違いをアピールしたい」と話した。
 公明党県本部の伊藤豊代表は「比例票への影響は全く未知数。原発の将来は経済などを含めた全体的な政策の中で考えるべきで、争点を特化すれば分かりやすくなるが、逆に問題を矮小化しないか」と疑問を投げかけた。
 一方、反原発を主張する市民は未来の党の誕生を歓迎する。玄海原発プルサーマル裁判の会の石丸初美代表は「埋没しかけていたので、これで脱原発の国民投 票みたいになる」と期待。8月に唐津市で脱原発講演を企画した映像ディレクターの鍵山博之さん(38)は「10年後に原発ゼロというのは一定の猶予がある し、結論を先延ばししないという決意も感じる」と共感、「保守王国の地域で当選は厳しいだろうけど、出れば応援したい」と歓迎した。
2012年11月30日更新

東日本大震災:川内村、旧緊急時避難準備区域の稲作自粛解除へ /福島

毎日新聞 2012年11月30日 地方版
 川内村が今年度、旧緊急時避難準備区域で実施した、水稲の放射性セシウムの玄米への移行調査の結果がま とまり、すべての検体が国の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を大幅に下回った。これを受け、村は26日、同区域でコメの作付け自粛を解除し、来年 の作付けを決めた。広野町に次いで2番目となる。
 村は今年、耕起の方法やセシウムを吸着する鉱物の散布量を七つに分けて、田んぼ30カ所で栽培を依頼。 イノシシ被害を受けた1カ所を除く29カ所から31検体を採取した。国の検査機関が11月、ゲルマニウム半導体検出器で調べた。30検体が検出限界値未満 で1検体が7・7ベクレルだった。検出限界値は5・0ベクレル。
 村農村振興課は「村の基幹産業のコメ作りの復活で帰還に弾みがつく」と期待する。【深津誠】
2012年11月30日(金)

TPP・消費税・原発

重要争点で違いくっきり

ネット初の党首討論

志位委員長が発言


 日本共産党の志位和夫委員長は29日、インターネット初の「党首討論会」(ニコニコ動画)に出演し、10党党首で討論しました。116万人が視聴。消費税、原発、環太平洋連携協定(TPP)をめぐって自民党型政治に固執する党との違いが鮮明になりました。

 「わが党が訴えたいこと」として志位氏は「アメリカいいなりと財界中心という古い自民党型政治を断ち切る改革に踏み出し、国民が主人公といえる新 しい日本への改革に取り組むときがやってきた」と強調。「提案し、行動する党。日本共産党を大きく伸ばしていただきたい」と訴えました。

TPP

TPP問題では、民主党の野田佳彦代表は「国益を守り、守るべきものは守る」といいながら交渉参加を示唆。これに対し志位氏は「TPPは2国間の FTA(自由貿易協定)とは違って、守るべきものが守れない仕組みになっている。例外なき関税ゼロが大原則です。最近参加したメキシコやカナダも丸のみが 条件になっているんです。農業は壊滅します。非関税障壁も撤廃され医療、雇用、食の安全も危険にさらされます。絶対反対です」とのべました。

消費税

消費税増税について最初に発言した志位氏は、「この大不況に大増税をかぶせたら、13・5兆円もの負担増となり、日本経済の底が抜けてしまいま す」と強調。1997年に5%に引き上げたことで税収は90兆円から76兆円に激減したことをあげ、「消費税増税は暮らしも財政も経済も壊すもので中止す べきです。私たちは消費税に頼らない別の道を提案しています」と主張しました。
 これに関し自民党の安倍晋三総裁は「志位さんがいわれた97年の事例は参考にしている。デフレ進行中は上げない」と釈明しました。
 野田代表は「(社会保障は)タダではない。給付と負担がある。みんなで等しく分かち合わないと」と実施する考えを表明。これに対して志位氏は「な ぜ不公平税制を正そうとしないのか。富裕層に減税をばらまいた結果、所得税は1億円を超えると負担率は下がります。法人実効税率は大企業が19%で中小企 業が26%です」とのべ、「不公平税制をただして富裕層や大企業に応分の負担を求めることが必要です。社会保障の抜本的拡充は所得税の累進強化で財源はつ くればいい」と主張しました。

原発

原発をめぐって野田氏は「安全が確認されたものは再稼働する。重要電源として位置づける」、自民・安倍氏は「足元の電力需要にどうこたえていくか」とのべ、原発に固執する姿勢を示しました。
 志位氏は「即時ゼロを実現しながら、再生エネルギーの爆発的普及に取り組みたい」と表明。再稼働をすすめれば10年以内に福島事故と同じような大 事故が起きるという原子力委員会の試算を紹介し、「事故が起こったらだれが責任を取るのか。直ちにゼロになくす政治的決断をやってこそ、再生可能エネル ギーの本腰いれた普及もすすむと考えます」とのべました。
 討論の最後に志位氏は、憲法9条を守る問題が重要な争点になっているとのべ、「9条は世界に誇る宝であり、守り抜いていきたい」と強調しました。
2012年11月30日(金)

独 再生エネ17%増 前年比

雇用 1年で1.3万人増


 2022年までにすべての原発の稼働完全停止を決定したドイツで、今年も風力や太陽光などによる再生可能エネルギーによる発電量が着実に増えています。
 ドイツ環境省や経済省、民間などでつくる「再生可能エネルギー作業グループ」(AGEE)が10月末に発表したもの。それによると、第1四半期か ら第3四半期までの再生可能エネルギーの発電量は、1061億キロワット時で、昨年同時期の909億キロワット時よりも17%増えました。
 太陽光発電の伸びがもっとも大きく、昨年の165億キロワット時から249億キロワット時と51%増。風力発電は7%増で350億キロワット時ですが、その中でも将来の主力といわれる洋上風力発電は18%伸びました。
 再生可能エネルギーは、発電量に暖房用の給湯などを加えた総エネルギー量でも昨年同時期に比べ10%増え、2467億キロワット時となっています。
 ドイツでは、再生可能エネルギーの発電量の割合は1998年に4・7%だったものが、05年に初めて2桁を超え10・2%。10年には16・4%と着実に増加、11年には20・3%となっています。
 これに対して、原発は福島第1原発事故直後に17基中8基の稼働を停止し、その発電量の割合は10年の22・4%から翌年は17・7%に低下しています。
 ドイツ環境省がまとめたところによると、再生可能エネルギーによる11年の発電量は1231億キロワット時。この分野での雇用者数は増加が続いており、11年は前年より1万3200人増で、38万1600人となりました。
 また、再生可能エネルギー利用により、温室効果ガスのCO2の発生量を11年には、年間1億3000万トン削減することができたとしています。
2012年11月30日(金)

みんなの党「アジェンダ」発表

TPP交渉参加明記


 みんなの党は28日に衆院選公約「アジェンダ」を発表しました。
 公約には、「関税ゼロ」を大前提として農業、地域経済に壊滅的打撃を与えるTPP(環太平洋連携協定)交渉に参加し、「攻めの開国」を行うと明 記。消費税増税は「凍結」としました。「将来的な増税を一切否定するわけではありません」とも述べ、増税時期だけを問題にする立場を改めて示しました。
 「増税の前にやるべきことがある」として掲げたのは、民意を切り捨てる国会議員の定数削減(衆院180減、参院142減)や国家公務員10万人削減など。道州制導入後に、国会は一院制(定数200人)にするとしています。
 「原発ゼロ」を掲げていますが、2020年に電力完全自由化で市場原理に任せれば原発がゼロになるというもの。「原子力規制委員会が定める世界標準の新基準に適合しない限り原発の再稼働は認めない」とし、基準に適合すれば再稼働を容認する姿勢です。
 憲法については改定手続きの要件を緩和。道州制導入や政党規定を新設して「政党法」を制定することや、首相公選制導入、非常事態法制整備の明記を盛り込みました。
 雇用に関しては、解雇規制の緩和や、日雇い派遣原則禁止の見直しなど、労働者派遣法のさらなる緩和を盛り込みました。
2012年11月30日(金)

小池氏 原発・年金語る

フジ系


 日本共産党の小池晃政策委員長は29日のフジテレビ系列「とくダネ!」に出演し、原発や年金問題などについて、「日本未来の党」の嘉田由紀子代表や新党改革の舛添要一代表らと議論しました。

原発

「即時ゼロ」 1955年からずっと反対

嘉田氏は、原発ゼロの時期について「イメージは義務教育。小学校6年、中学校3年、9年で卒業したい。2022年にゼロにする」と述べました。
 司会の小倉智昭氏から、原発政策について他党との違いを問われた小池氏は次のように語りました。
 小池 私たちは即時(ゼロ)。極端に聞こえるかもしれませんが、今、事実上止まっています。大飯原発だって活断層があると言われて いるわけだから、これも止める。(再び)事故がおきたら大変なことになります。政府の原子力委員会が、過酷事故が10年以内に再びおこる可能性があると試 算までだしている。私は待っている時間はないと思っていますから、やはり即時ゼロ。ここが違う。
 もう一つは、昨日、今日、原発ゼロと言いだしたのではなく、共産党は1955年の原子力基本法の時から、ずっと反対している。全ての原発建設に反対してきた。即席の脱原発じゃないということが決定的に違います。
 小倉氏の「本当に(原発を)ストップしてやっていけるのか」との質問に対し小池氏は、北海道電力も泊原発を止めたままで今冬は乗り切れると発表し ていることや、猛暑の夏も大飯原発を動かさなくても余裕があったと指摘。福島ではいまだに16万人が避難していることをあげ、「やはり即時ゼロ。そのため に知恵も力も集めるのが政治の責任だ」と強調しました。
 小倉氏は「原発のおひざもとの浪江町とかを見るとつらいものがある。このままで良いのかと実感するのは確か」と述べました。
 さらに小池氏は、原発ゼロで自然エネルギーへの転換に踏み出せば地域経済にもメリットがあると指摘。「遠くの原発から長い送電線を引っ張ってくる より、水力にしても風力にしても(地域に)お金が落ち、雇用を生みだす。ドイツは原発の13倍の雇用を生んでいます」と語りました。

年金

減らない安心できる年金、次に最低保障年金

年金について番組では「払っても確実にもらえるのかどうかわからない」と述べる若者や、「年金だけでは(生活が)苦しい」と述べる高齢者の声を紹介しました。
 舛添氏は、先の国会で高齢者の暮らしを直撃する年金削減法案が成立したことを評価し、「高齢者の方も我慢してください」などと述べました。
 小池氏は、国民年金の平均月額が5万円を下回るなど減り続けていることを指摘し、「最大の問題は頼れない年金になっている」「日本に住んでいたら 誰でも国がここまでは保障するという制度をつくっていく必要がある」と強調。まず減らない安心できる年金とし、次に最低保障年金をつくるとした2段階の改 革案を紹介するとともに、その財源を示しました。
 小池 年金の財源は第1段階として年金削減を止めて「減らない年金」にするために、これまで優遇されてきた富裕層、大企業に頑張って負担してもらいたいと思います。
 さらに第2段階として、抜本的に年金制度を変えて、最低保障年金制度をつくるための財源まで全部金持ち、大企業だけでとは思っていません。そこは 国民全体で支えていこうと。そうするとすぐ(他党は)消費税と言うが、消費税は逆進的な税金ですから、所得再配分としての社会保障の財源にしてはならな い。私たちは、国民全体で支える場合も、所得税を1・5%ないし、15%くらいで累進的に上乗せし、年金を支える所得税の改革をしようという提案をしてい ます。
 小池氏はまた、「年金というのは年金の枠内だけで考えても答えがでない」とも述べ、年金の支え手を増やすため、正規雇用と非正規、男女間の均等待遇など雇用問題と一体的に解決しなければならないと強調しました。
2012年11月30日(金)

主張

東京都知事選第一声

都民の力で希望の都政実現を


 首都の代表を決める東京都知事選が29日告示され、5日後に公示される総選挙と同じ12月16日の投票日に向け激戦がスタートしました。各候補が 第一声をあげましたが、選挙戦は、「人にやさしい東京をつくる会」の宇都宮けんじ氏(日本弁護士連合会前会長)と猪瀬直樹前東京都副知事との正面対決の様 相です。石原慎太郎前知事時代の「都民に冷たい」都政を転換し、都民が主人公の都政を実現することが焦点です。

石原都政の転換が焦点

13年半にわたって「福祉切り捨て・大企業開発優先」政治を続けてきた石原都政からの転換を実現するのか、それとも石原都政の継承を許すのか―。選挙戦の構図は第一声でも鮮明です。
 宇都宮氏の第一声には、「今度こそ都政を変えたい」と願う広範な都民が結集し、「東京に住んでよかったと思える町をつくりたい」と熱く訴える宇都 宮氏に、大きな声援と期待が寄せられました。多くの個人、団体、政党代表とともに日本共産党の志位和夫委員長も参加し、力を合わせ、がんばると表明しまし た。
 宇都宮氏の掲げる基本政策は、いずれも広範な都民の願いに正面からこたえたものです。東京から「脱原発」をすすめることは「原発ゼロ」の日本を実 現する大きな力になります。原発から撤退し、再生可能エネルギーの普及・促進など新たな産業を生み出すことは、雇用を創出し、東京に働く場を増やすことに もなります。
 首都直下地震に備えた「壊れないまち、燃えない住宅」政策は、都民の安心の基礎をつくるものです。特別養護老人ホームや認可保育園の増設など「人の命を守り、暮らしを守るところに予算をつぎ込む」という宇都宮氏の訴えは多くの都民に歓迎されています。
 41年間の弁護士活動でつねに弱い人の立場にたって貧困撲滅や原発事故の被害者救援に奔走してきた宇都宮氏が都知事になれば、都民が希望をもって暮らせる「人にやさしい東京」が実現できることは間違いありません。
 一方、石原都政を副知事として支えてきた猪瀬氏の第一声には、自民、公明両党の幹部や、前知事で日本維新の会代表の石原氏、維新の会代表代行の橋下徹大阪市長らがずらりとならびました。文字通り石原都政を継承する布陣です。猪瀬氏も都政の継承が看板です。
 高齢者福祉費の割合を全国2位から45位の最低水準に転落させたお年寄りいじめの都政、小児病院を統廃合して親も子も苦しめた都政を引き継ぐことを売り物にし、悪政をさらに推進することを公言する候補者・政党にこれ以上都政を任せるわけにはいきません。

未来かかるたたかい

12月4日には総選挙が公示され、首都東京は史上初の総選挙と都知事選の同時選挙という大激戦に突入します。総選挙は60年間にわたる「アメリカいいなり」「財界中心」の自民党型政治をすすめてきた政党と日本共産党との対決です。
 都知事選で都政の転換を実現するとともに、各党が力を集中する首都東京の総選挙で日本共産党が躍進すれば日本の政治が大きく変わります。日本共産党は、日本の未来を左右する首都の二つの歴史的なたたかいに勝利するために、全力を尽くす決意です。
2012年11月30日(金)

宇都宮さんで

「人にやさしい東京」を

志位委員長が応援


 石原慎太郎前知事の辞職に伴う東京都知事選が29日、告示されました。投票は総選挙と同日の12月16日。広範な都民から推された前日本弁護士連 合会会長の宇都宮けんじさん(66)=日本共産党、日本未来の党、社民など支持=は千代田区有楽町マリオン前で第一声を上げました。日本共産党の志位和夫 委員長が応援に駆けつけました。

 知事選にはほかに、石原氏が後継指名した猪瀬直樹前副知事(66)=公明、維新支持、自民支援=、前神奈川県知事の松沢成文氏(54)らが立候補。石原都政を転換して「人にやさしい都政」を取り戻すのか、石原都政の継続を許すのかの真っ向対決です。
 マイクを握った宇都宮さんは、弁護士としてサラ金の多重債務者救済、「年越し派遣村」、東日本大震災・福島原発事故の被災者救援などに取り組んだ 経験を述べ、「この経験から石原都政13年7カ月を評価すると、何と都民に冷たい都政であったかを痛感しました。何としても石原都政を変えねばならないと 決意しました」と語りました。
 宇都宮さんは、東京から脱原発を進めることや、都の豊かな財政を活用した「誰もが人らしく生きられるまち」の実現、教育現場に自由を取り戻して子どもたちのための教育を再建すること、憲法を擁護し、東京から平和のメッセージを世界に発することを力説しました。
 また、石原都知事のトップダウンの手法を批判し、「私は都民の意見を聞いて、一つひとつ課題を解決したい」と語り、「皆さんが立ち上がれば都政を変えられます。みなさんと一緒にたたかいます」と訴えました。
 応援演説に立った志位氏は宇都宮さんについて、弱者の生活と権利を守ってきたすばらしい弁護士で「都知事にこれ以上の方はいない」と紹介。「かつ てない都民の共闘が広がっています。個人、政党、団体、みんなの力を合わせ、『人にやさしい東京』を宇都宮けんじさんで取り戻しましょう」と呼びかけまし た。
 社民党の福島瑞穂党首、日本未来の党の東祥三前衆院議員らが応援のマイクを握りました。菅直人前首相があいさつしました。


2012年11月30日(金)

大飯停止求め提訴

京都地裁に 近畿5府県など1109人


 関西電力大飯原発の運転差し止めなどを求め、市民らが29日、京都地裁に提訴しました。原告には京都、大阪、兵庫、奈良、滋賀などから1109人が名を連ねています。
 大飯原発1、2、3、4号機の運転差し止めや、損害賠償を求めています。訴訟の目的として、「日本に住む私たちにとってきわめて危険な原発の運転 を止めさせる第一歩として、関電の大飯原発の運転差し止めを求めるとともに、危険な大飯原発を違法に稼働させ続ける国、関電の責任を問う」としています。
 呼びかけ人の「京都脱原発弁護団」の出口治男代表は記者会見で、今年6月に大飯原発が再稼働した事態を踏まえ、「安全神話に基づくこれまでの司法 の判断は破たんした。活断層の新たな知見も報告された。安全性が明確でない原発の運転はただちにやめるべきだ」と強調しました。
 大阪市立大学名誉教授の宮本憲一氏は「福島原発事故の検証は不十分。政府のエネルギー政策も決まらないのに再稼働は極めて異常」と告発しました。
 京都府立大学元学長の広原盛明氏は、都市計画専門の立場から、「原発事故は、都市計画に必要な土地の資源をだめにし、未来にまであらゆる可能性を閉ざす」と訴えました。
 福島から京都に避難してきた原告の女性(47)は「故郷から引き離されるストレスははるかに強い」と発言。伏見区から夫婦で原告団に参加した男性(79)は「原発近くのマンションに兄弟が住んでいる。人ごとではない」と話しました。
2012年11月30日(金)

維新の公約

自民党とうり二つ


 憲法を平然と踏みにじる言動を繰り返してきた石原慎太郎前東京都知事と橋下徹大阪市長が「大同につく」といって維新に合流した結論は、「自主憲法の制定」でした。
 29日に発表した維新の衆院選公約「骨太」には、自民党綱領やその基本政策とうり二つの言葉が、ずらりと並びました。
 「自主憲法の制定」のほか、「集団的自衛権の行使」、「(領土に対する)実効支配力を強化」「自衛隊の武器使用基準の見直し」―。海外での戦争を可能とする集団的自衛権の行使については、「国家安全保障基本法の整備」とまで明記し、自民党への同調ぶりを強調しました。

死の商人

橋下氏は会見で、武器輸出について「日本が一番の急所を持っておきながら、そういう武器が世界各国に流れていったら強力な安全保障だ」とのべ、武器輸出禁止原則をまったく無視し、「死の商人」へすすむ道筋を示しました。
 また、経済対策として、解雇規制の緩和に加え、最低賃金制度の廃止を新たに明記。競争至上主義を強調して、「他の党には示せないものだ」(橋下氏)と誇ってみせました。
 原発政策については、「結果として、既設の原子炉による原子力発電は2030年代までにフェードアウトする」と明記しました。これは再稼働を容認しつつ、政治決断としての「原発ゼロ」を投げ出す姿勢と、新型原子炉による発電に固執するものです。

官僚任せ

記者会見で、橋下氏は「(原発ゼロへの)具体的工程表は霞が関の組織、専門家に作ってもらうしかない」と述べ、官僚まかせの「決められない」姿勢 と政策力の欠如を露呈。「プランを出せないのに10年後にゼロとか、即ゼロとか、そんなバカな選挙をやるのか」とのべ、「原発ゼロ」実現へのプロセスから 逃げる姿勢を示しました。
 しかし、原発事故の危険性、使用済み核燃料処理の困難、原発なしでも今夏の猛暑を乗り切れた実績などから、国民的には「即時ゼロ」を求める声が多数です。原発再稼働を許さず即時ゼロを実現する―この日本共産党の立場こそ、最も現実的で責任ある立場です。(中祖寅一)

売れ続ける福島原発「事故調報告書」

[文]杉本崇、北林晃治  [掲載]2012年11月28日
書店に平積みにされた国会の東京電力福島第一原発事故調査委員会の報告書=東京都港区浜松町2丁目 拡大画像を見る
書店に平積みにされた国会の東京電力福島第一原発事故調査委員会の報告書=東京都港区浜松町2丁目
表紙画像 著者:東京電力福島原子力発電所事故調査委員会  出版社:徳間書店 価格:¥ 1,680
    脱原発が衆院選の争点になる中、「東京電力福島第一原発事故は人災」と断じた国会の事故調査委員会報告書が、じわりと部数を伸ばしている。先に出版された民間事故調の報告書も約10万部の売れ行きだ。事故から1年8カ月。報告書が静かに売れている理由とは。

    ■3万5千部 避難者も購入

      東京・JR浜松町駅近くの書店。9月に出版された国会事故調の報告書はいまも原発関連コーナーで平積みになっている。会議録などを収録したCD―ROM付 き594ページで税込み1680円。版元の徳間書店によると、初版は5万部刷ったためコストがかさみ、3万部以上売れないと赤字と心配されたが、これまで に約3万5千部が売れた。同社は「堅いテーマでこれだけの部数が出ればまずまずではないか」。
     複数の書店データでみると、最も売れているのは東 京で、神奈川と福島が続く。福島県内に7店舗ある岩瀬書店の幕田八千代・中合店店長は「福島市や郡山市に避難している人が買っていく。メディアが原発事故 を取り上げる機会も減ったが、地元には忘れてはいけないという思いが強い」と話す。

    ■HPに公開、出版求める声

     なぜ出版されたのか。
      民間有識者10人から成る国会事故調は7月、衆参両院議長に報告書を提出。首相官邸、東電双方の対応を批判し、事故を「自然災害ではなく人災」と明記し た。ホームページ(http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3856371/naiic.go.jp)でも公 開されたが、書籍化を求める声が寄せられ、「国民に出来るだけ安く広く販売する」という条件の競争入札で徳間書店に決まった。
     福島第一原発事故をめぐっては、政府、民間、東電の各事故調査委もそれぞれ報告書をまとめた。
     昨年5月に菅直人政権(当時)が設置した政府の事故調査・検証委員会(委員長、畑村洋太郎・東大名誉教授)は、国や東電は安全を最優先にする「安全文化」が欠けていたと指摘した。報告書はホームページ(http://icanps.go.jp/)で読める。
      一方、大学教授や弁護士らによる「福島原発事故独立検証委員会」(民間事故調)は今年2月に報告書を公表、3月に刊行された。過去の政策や既得権益構造も 追及するとして立ち上がり、特に国の原子力安全規制が国際的に遅れていたことを「ガラパゴス化」として厳しく批判した。
     民間事故調を作った財団 の予算では報告書を2千部しか作れず、公表時の記者会見で配り終えた。そこで、より多くの人に読んでもらおうと、出版社のディスカヴァー・トゥエンティワ ンに書籍化を依頼。412ページ、1575円で、10万部に届きそうという。委員長を務めた北澤宏一氏は「国民がいかに不安の中に置かれていたのか、政府 による公式発表では満足できなかったということの反映ではないか」と見ている。
     また、東電も社内の事故調査委員会で検証し、報告書はホームページ(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/interim)に掲載しているが、想定外の大津波が事故の原因と主張。自己弁護に終始している。

    ■真相の追及、願いを反映か

      報告書をどう役立てるか。国会事故調の委員長を務めた元日本学術会議会長の黒川清氏は「福島原発事故は終わっていない。世界から、将来を担う子供たちか ら、我々一人ひとりが問われている。国民に広く読んでもらいたい」。徳間書店の力石幸一出版局長は、「何が悪かったのか、事故を評価しないと歴史を前に進 められない。反原発デモに参加する若者にも読んで欲しい」。
     政府・民間・国会の3事故調の報告書を読んだ一橋大の斉藤誠教授(マクロ経済学)は 「紙媒体としてこれだけ多く買われているのは、詳細な部分を読み込んで、事故は本当はどうだったのかを知りたいという意思の表れではないか。事故の重要な 教訓は詳細な部分にこそ含まれている。いまも原発事故を冷静に問い直そうとしている人々がいることに希望を感じている。また、要旨を作ったり、専門用語を 詳しく説明したりと、どの報告書も市民に伝える意思を感じた」と話す。

    国会事故調ホームページ
    東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会ホームページ
    東京電力・福島原子力事故の社内調査情報ページ




















    自民、吉野氏は比例中国 復興へ特例、本人受諾


    12月4日公示、16日投開票の衆院選で、自民党は29日、比例中国ブロックの単独候補として、本県5区への立候補を目指していた前職(比例東 北)の吉野正芳氏(64)を名簿登載すると発表した。東京電力福島第一原発事故で被害を受けた本県の復興に主眼を置いて政治活動する衆院議員を確保するた めの特例的な措置で、吉野氏は当選圏と予想される名簿上位に登載される見通しだ。吉野氏は、党本部の決定を受け入れた。
     党県連は党本部に対し、比例東北に「原発事故災害復興枠」を設け、吉野氏を名簿登載するよう要請していた。しかし、被災県である東北地方の他県連から異論が相次ぎ、調整が難航していた。
      裁定は安倍晋三総裁(山口県4区)、石破茂幹事長(鳥取県1区)らに移ったが、両氏をはじめ党役員の多い中国地方の比例枠で吉野氏を処遇する案が浮上し、 関係者の了承を得た。同党は衆院選の政権公約で「原発事故からの復興」を重点課題に掲げており、吉野氏が比例中国で当選すれば、その後は再び福島県内を拠 点に原発事故からの復興のため活動を続けてもらう考え。
     吉野氏は福島市の県連会館で記者会見し、「福島の復興が自分の使命。ありがたく、うれしく思う」と、党の決定に従う考えを示した。

    NIRS テクノフェア2012
    ~放射線科学の新たな展開のために~

    2012年11月30日10時
    独立行政法人 放射線医学総合研究所

    概要

    独立行政法人 放射線医学総合研究所(理事長:米倉義晴、以下、放医研)は、NIRSテクノフェアを12月6日、午後1時30分より放医研講堂で開催します。
     本イベントは、「放射線科学の新たな展開のために」をサブテーマとして、各機関の技術者や研究者が携わっている技術や研究に関する実験機器や装置を展示して、展示者と参加者相互の情報交換によりコラボレーションを推進するために行います。
     今回は、放医研や千葉県内の大学、研究所等から、「昨年の東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえた放射線防護に関する研究開発」を中心に展示内容を 選定しています。また、例年通り、それ以外の「放射線の医科学利用とその周辺技術に関する研究開発」に関する展示内容も紹介しております。具体的には東電 福島原発事故での経験を反映した支援車・大型救急車・検査測定車の展示、福島の汚染事業に資するホットスポット検出器の展示、信頼性のあるデータを提供す るための食品関連事業者向け放射性物質測定の実務者研修会・技能試験・個人認証等、25件が出展されます。
     このテクノフェアについて、取材をご希望される方は、整理の都合上、添付の「取材を希望される皆様へのお願い」をお読みの上、12月4日16時までにFAXでご登録ください。
    参考資料[PDF 281KB]

    リンク

    NIRS テクノフェア2012

    プレスリリースのお問い合わせ
    ご意見やご質問は下記の連絡先までお問い合わせください。
    独立行政法人 放射線医学総合研究所 企画部 広報課
    Tel:043-206-3026 Fax:043-206-4062




















    厳しさ肌で感じて Jヴィレッジに復興本社 避難者、東電に注文

    東京電力が「福島復興本社」をJヴィレッジ(楢葉・広野町)に設置すると決めた29日、避難住民は、避難区域の厳しい状況を幹部ら社員が直接肌で 感じて対応するよう求めた。除染、賠償の進まない現状に不満を抱えており、双葉郡に寄り添う姿勢を打ち出したことは評価しつつも、「ポーズだけでは意味が ない」と実行力の発揮や対応の迅速化に期待している。
     「東電は被災地の現状を理解していない」。会津若松市の仮設住宅で暮らす大熊町の無職高瀬重子さん(64)は、社員は県内に住み、地域の厳しさ、苦しみを身を持って知る機会にするべきだと考える。
      新聞に掲載される環境放射線量の測定値を見るたびに深いため息が出る。毎時24.87マイクロシーベルト-。自宅近くの放射線量は高い数値を示し続ける。 27日に一時帰宅で自宅に足を踏み入れると、建物は東日本大震災の揺れにも耐えていた。戻る家はあるのに戻れない悔しさが込み上げる。
     復興本社には福島本部を構成する5つの組織のうち主要部門の企画総務部が置かれ、社員30人程度が勤務する。楢葉町商工会長の渡辺清さん(63)は「期待より人数は少ないが、復興本社があれば人の出入りは増える」とみる。
     8月の避難区域再編で町の大部分は避難指示解除準備区域となり、すぐに寝具クリーニング業の工場を再稼働させたが、ほかの事業者の再開はなかなか進まない。避難指示解除後の住民帰還に向けた下地づくりにつながることを望む。
     Jヴィレッジに近い広野町の6号国道沿いで飲食店を経営する白土喜久男さん(55)も「Jヴィレッジに東電社員が通勤することが町民の不安解消につながり、住民帰還が進むかもしれない」と期待する。
      東電は復興本社で地域のニーズをきめ細かくすくい上げ、除染や復興支援を強化する考えだ。会津美里町の仮設住宅で暮らす楢葉町の小山咲子さん(58)はJ ヴィレッジ近くで営んでいた民宿の再開を待ち望んでおり、「普段通りの町に早く戻すため効果を発揮してほしい」と願った。
     復興本社には賠償手続 きの権限も一定程度移譲される。福島市の借り上げ住宅に避難する富岡町の三瓶一義さん(67)は、賠償交渉で東電側の受け答えに誠意が感じられず気分を害 したという避難者の声を周囲でよく聞く。「県内に住む社員なら、もっと避難者の気持ちに寄り添う対応ができ、賠償のスピードも上がるのでは」と指摘した。

    ■寄り添う姿勢評価 楢葉、広野町
      Jヴィレッジがある楢葉、広野両町は、原発事故で大きな被害を受けた双葉郡内に設置するという決定を歓迎した。楢葉町の松本幸英町長は「被災者に寄り添 い、難局を少しでも良い方向に進めたいという意気込みと理解した」と話し、「除染や賠償などの問題に迅速に対応できる」と期待感を示す。
     東電に町内設置の要望書を出していた広野町の山田基星町長は既存施設を活用することについて「コスト面だけでなく、すぐ復興に取り掛かれる」とメリットを挙げ、「多くの課題が残っているが、解決に向けて一歩前進した」と受け止めた。
     復興本社をめぐっては県内で誘致合戦が繰り広げられ、広野の他、福島、郡山、いわき、南相馬の4市が手を挙げていた。南相馬市の桜井勝延市長は「原子力災害からの克服に最前線で取り組んできた本市に設置されなかったのは残念」とコメントした。
      郡山市の原正夫市長は「双葉郡は原発事故で最も被害を受けている地域で妥当」と理解を示した。いわき市の渡辺敬夫市長は「廃炉に向けた取り組みや安全対策 で十分な機能を発揮してもらいたい」と望む。福島市の幹部は「迅速な意思決定ができる体制を早急に構築してほしい」と求めている。
    カテゴリー:主要




















    福島復興本社が入るJヴィレッジの本棟
    福島復興本社が入るJヴィレッジの本棟

    放射線測定所始めます - 来年3月に開設/奈良の市民団体

    2012年11月30日 奈良新聞
    県内初の試みを紹介する奈良・市民放射能測定所設立準備会のメンバー=29日、県庁
     市民が持ち込んだ食品などを放射線測定の対象とする「奈良市民放射能測定所」が来年3月、奈良市学園北2丁目に設けることが計画されている。12月15、16日の両日にはプレイベントとして「無料測定まつり」を開く。
     行政に頼らず、市民自らが放射線量の測定を行って、正しい知識と判断力を身に着けようと市民グループが企画。同様の施設は全国に約80カ所あり、関西では京都市に設立されている…

    前回比89%地点で低下 県の森林空間線量調査8~11月

    県が8~11月に実施した森林の空間放射線量調査で、前回調査(昨年11~12月)と比較可能な350地点のうち、313地点(89%)で放射線量が低下した。29日に福島市の杉妻会館で開かれた県森林審議会で示された。
      県平均と各方部の放射線量(地上1メートル)、樹皮(同)の放射性セシウム濃度は下記の通り。放射線量の県平均値は毎時0.61マイクロシーベルトで、前 回よりも0.22マイクロシーベルト下がった。森林除染は進んでいないため、自然減衰とみられる。樹皮のセシウム濃度は放射線量に比例して高くなる傾向が みられた。
     調査は県内925地点で実施した。東京電力福島第一原発から80キロ圏外は10キロ四方、80キロ圏内は4キロ四方で一地点を調べた。4キロ四方のうち、毎時1マイクロシーベルトを超える地点は1キロ四方で調査した。避難区域は調べていない。


    ◎方部別の空間放射線量
    (単位は1時間当たりのマイクロシーベルト)

         平均   最大   最小
    全 県 0.61 2.61 0.08
    県 北 0.79 2.07 0.16
    県 中 0.43 0.95 0.13
    県 南 0.42 0.85 0.13
    会 津 0.16 0.28 0.10
    南会津 0.13 0.18 0.08
    相 双 0.71 2.61 0.17
    いわき 0.40 1.83 0.16


    ◎方部別の樹皮のセシウム濃度
    (単位は1キロ当たりのベクレル)

          平均     最大      最小
    全 県 1,711 13,093   検出せず
    県 北 3,383  9,350  1,082
    県 中 1,337  2,721    168
    県 南 1,066  1,993    567
    会 津   188    376     98
    南会津    -  検出せず  検出せず
    相 双 4,170 13,093  1,759
    いわき 2,051  5,718    249
    カテゴリー:主要




















    森林の空間放射線量調査結果などが示された審議会
    森林の空間放射線量調査結果などが示された審議会

    問われる自助努力 企業や家庭に打撃/四電料金値上げ

    2012/11/30 09:45四国電力が電気料金の値上げを表明した。電気料金の値上げは不況にあえぐ企業や家庭を直撃する。四電は人件費削減などの自助努力を免罪符に値上げに踏み切る構えだが、利用者の理解を得るのは容易でない。
    【→参照記事】

     原発停止に伴う火力発電所の燃料費増大で2012年9月中間決算が150億円の最終赤字となり、原発の早期再開も難しい現状を踏まえた措置。値上げに関 しては、東京電力が9月から実施に踏み切っているほか、関西、九州両電力は今月、来年4月からの値上げを申請しており、今回の動きは他の電力会社に追随し た格好だ。

     しかし、値上げが電力の安定供給のためとはいえ、長引く不況で多くの企業が原価高騰を価格転嫁できずに苦しむ中、「燃料費がかさんだので」という説明だけでは理解は得られない。

     原燃料費調整制度に基づき、燃料価格に合わせて月々の電気料金を決定できる電力会社に、徹底したコスト意識がどこまで浸透しているのかとの疑問はぬぐえ ず、グループ会社への工事発注が競争力を欠いているとの批判もある。さらに東電の値上げ申請の際には、電力会社社員の給与の高さを指摘する声も上がった。

     四国新聞社と時事通信社が今夏、県民1千人を対象に実施した合同世論調査では「さらなる自助努力を進め、値上げはすべきでない」との回答が6割を超えた。県民の多くは、値上げに走る電力会社に一層のコスト削減を求めている。

     四電は本年度、投資の抑制と経費削減で計250億円を圧縮。10月には経営効率化特別委員会を設け、さらなる合理化を進めるとしているが、29日の会見ではリストラ策の全体像は示されなかった。

     四電が、どこまで身を切る努力ができるのか。利用者はそこを見ている。

    (報道部・福原健二)

    警察官と家族の手記 1日発売 震災、原発事故対応 県警監修

    東日本大震災、東京電力福島第一原発事故に対応した警察官と、その家族が記した手記を集めた「ふくしまに生きる ふくしまを守る~警察官と家族の手記」は12月1日に発売される。県警本部が監修し、福島民報社が編集協力している。
     震災時の警察活動の記録収集・保存を目的に設置された県警の「記録推進室」が震災直後から数カ月間で集めた警察官と家族の手記の中から70編と、救助や被災者支援の様子を捉えた110枚の写真を添えた。郡山市出身の俳優西田敏行さんが推薦文を寄せた。
      手記集はA5判、310ページでフルカラー。価格は1000円(税込み)。約1万5000部を発行する。発行元は県警察互助会。県内書店をはじめ福島民報 販売店、福島民報社事業局出版部、郡山本社、支社・支局で販売する。12月中にJR東日本管内の主要駅構内の書店やコンビニでも取り扱いを始める。
     問い合わせは福島民報社出版部024(531)4182へ。
    カテゴリー:主要




















    発売される「ふくしまに生きる ふくしまを守る~警察官と家族の手記」
    発売される「ふくしまに生きる ふくしまを守る~警察官と家族の手記」

    大熊町も3区域に再編へ=住民の96%は帰還困難-政府

    東京電力福島第1原発事故で、政府の原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)は30日午前、本部会合を開き、全域が警戒区域となっている福島県大熊 町について、少なくとも5年は戻れない帰還困難区域(年間線量50ミリシーベルト超)など3区域に再編することを決めた。同原発の立地自治体としては初め てで、周辺11市町村の中では6番目になる。
     内閣府によると、大熊町の人口は11月時点で約1万1000人。住民の96%が住んでいた地区は帰 還困難区域に再編され、居住できない状況が長く続くことになる。同町の大半が同区域となり、生活基盤の復旧も早期に見込めないことから、政府は全住民に対 し、土地・家屋の不動産について事故直前の評価額で一括賠償する方向で調整しているという。(2012/11/30-11:44)

    【北陸発】

    エネ、一体改革で持論 富山1区 立候補予定4人が討論会

    公開討論会に臨む富山1区の立候補予定者=29日、富山市内で
    写真
     十二月四日公示の衆院選の富山1区立候補予定者による公開討論会が二十九日、富山市内のホテルであり、四人が原発・エネルギー問題などのテーマで持論を展開した。ただ、四人は互いの主張を順番に述べるだけで、具体的な論戦を交える場面はなかった。(衆院選取材班)
     出席したのは、民主前職の村井宗明さん(39)と自民新人の田畑裕明さん(39)、共産新人の山田哲男さん(65)、無所属新人の吉田豊史さん (42)。四人は中日新聞社が実施したアンケート「中日投票ナビゲーション(略称・票ナビ)」で、将来的な原発のあり方に関して回答。村井さんは「二〇三 〇年代にはゼロに」、田畑さんは「減らしても残す」、山田さんと吉田さんは「できるだけ早くゼロに」と答えている。
     村井さんは、次世代エネルギー源として注目されるメタンハイドレートの採掘と太陽光発電の技術革新を通じて「グリーンエネルギー革命を断行した い」ときっぱり。田畑さんは「原発停止は、使用済み核燃料がプルトニウムとして永遠に残ることを意味する。責任ある対応が求められる」として原発と関連技 術の必要性を唱えた。
     再生可能エネルギーの普及開発を重視する山田さんは「地域経済への波及効果は原発よりも大きい」との持論を展開。吉田さんも「地方として、さまざまなエネルギーを生産することに大きな意味を見つけていかねばならない」と訴えた。
     消費税増税を柱とする社会保障と税の一体改革については、田畑さんが「福祉への安定財源が確保できる」と評価。法案の採決を棄権した村井さんは「徹底的に行政のコストを削減しなければ、消費税(増税)に苦しむ人は納得してくれない」と強調した。
     山田さんは「大企業への優遇税制を改めない限り、受け入れない」と断言。吉田さんも「時期として正しいとは思えない」と批判した。
     四人は国家観と景気・経済対策に対する持論も披露した。
     公開討論会は、日本青年会議所北陸信越地区富山ブロック協議会が開催。百人(主催者発表)が出席したが、解散・総選挙の日程が急に決まり、四百人が収容できる会場は空席も目立った。

    「宇宙線」NASAと共同研究…慶大先端研

    慶応大先端生命科学研究所(先端研、山形県鶴岡市)は、米航空宇宙局(NASA)エイムズ研究所と共同で、宇宙線の耐性メカニズム解明のための研究を行うと発表した。
     宇宙線は、宇宙から地球上に降り注ぐ放射線で、人が大量に浴びると、DNAなどの分子が破壊され、がん化や細胞が死んでしまうことが分かってい る。NASAは将来、宇宙での長期の有人探査を計画しており、研究の成果は、宇宙線から人体を守ることに応用されることが期待される。
     発表によると、共同研究は、宇宙空間を飛び交う紫外線に耐性を持つ菌を研究するエイムズ研究所のリン・ロスチャイルド教授らと実施。先端研は細胞 内の代謝で作られる物質・メタボロームの解析技術で高い評価を受けており、この技術を活用して菌の色素の仕組みを調べることで宇宙線にも応用できるとして いる。
     先端研の冨田勝所長は「宇宙だけでなく、地上でも放射線から人体を守る仕組みが解明できる可能性もあり、大きな成果が期待できる」と話している。
    (2012年11月30日  読売新聞)

    宇都宮氏応援に菅さんキターッ!


    石原慎太郎氏(80)の辞職に伴う東京都知事選は29日告示され、18日間の選挙戦の火ぶたが切られた。
     無所属で元日弁連会長の宇都宮健児氏(65)はこの日、東京・有楽町で街頭演説を行い、約13年半の石原都政を批判した。福祉施設が減少したこと をあげ「石原都知事は弱者を切り捨ててきた。上から目線、思いつきで行動してきた」と約300人の聴衆に訴えた。同氏のキャッチフレーズは「人にやさしい 都政」で、石原氏との違いをアピールしていく考え。また応援には民主党の菅直人前首相らも駆け付けた。菅氏は宇都宮氏が掲げる脱原発について「原発ゼロに することは可能。まず東京からゼロにしましょう」と述べた。
     [2012年11月30日8時35分 紙面から

    エネルギー問題と地域経済 大分政経懇話会

    [2012年11月30日 09:34]
    講演する橘川武郎氏
    大分政経懇話会11月例会は28日に別府市のホテル白菊、29日に中津市のグランプラザ中津ホテルであり、一橋大学大学院商学研究科教授の橘川(きっかわ)武郎(たけお)氏が「エネルギー問題と地域経済」と題して講演した。要旨は次の通り。
     野田政権は「2030年代に原発ゼロ」の方針を打ち出したが、核燃料サイクル政策や大間原発(青森県)の建設をいずれも継続するなど、一貫性がない。拙速な原発廃止宣言は総選挙を意識したものだろうが、具体性に欠けるため、国民は不信感を抱いている。
     来年夏には原子力規制委員会が原発の新しい安全基準を決定する見通し。九州電力の電気料金の値上げ申請は、新しい安全基準をクリアすることを前提に、原 発を順次再稼働させることを見越したものだ。すぐに再稼働できない場合、住民は引き続き、さらなる値上げか再稼働かの選択を迫られることになるだろう。
     日本は資源の乏しい国。技術力の確保という観点からも、原発という選択肢を安易に放棄すべきではない。ただ、使用済み核燃料の最終処分場の問題などを考えると、2050年ごろまでの過渡的な(電力確保の)手段にとどめることが現実的だ。
     技術革新による再生可能エネルギーの拡充や省エネ社会の実現には不確定な要素が多い。地域や用途に合わせて発電方法を選択し、足りない部分については原発で補うという考え方が大切になる。
     米国が採掘技術を確立した新型天然ガス「シェールガス」の登場もあり、国内、海外とも引き続き化石燃料による火力発電が中心となるだろう。日本は国際競争力を高め、燃料を安く安定的に確保する仕組みを整えなければならない。
     京都議定書に代わる地球温暖化防止策の新たな枠組みの構築を目指すため、世界トップクラスの日本の技術を各国と共有し、地球規模で二酸化炭素削減に取り組むことも必要だ。
     メガソーラー建設など各地で進められている再生可能エネルギーの活用に向けた取り組みは、国のエネルギー政策に対する国民や企業の関心の表れ。潜在能力の高い地熱や風力、太陽光を生かすため、固定価格買い取り制度の充実や規制緩和を進めることが大切だ。

    12月合同例会のお知らせ
    ▼大分会場 19日(水)正午 トキハ会館
                 作家 佐藤優氏
              「日本を取り巻く領土問題」

     大分政経懇話会のご加入についてのお問い合わせは大分市府内町3の9の15、大分政経懇話会事務局(TEL097-538-9646)へ。

    針状ダイヤモンド電極でがんバイオマーカーを簡便に生体内測定

    ポイント

    • がんバイオマーカーには組織採取の困難さや前処理時間などの問題点がある
    • 組織採取なしで簡便な、がんバイオマーカーのマウス生体内検出に成功
    • 診断法への応用でがんの新たな治療法が期待される
    JST 課題達成型基礎研究の一環として、慶應義塾大学 理工学部の栄長 泰明 教授は、慶應義塾大学 医学部の佐谷 秀行 教授らと共同で、針状に加工した導電性のダイヤモンドを電極(ダイヤモンド電極注1))として用いることで、がんのバイオマーカー注2)の1つである還元型グルタチオン(GSH)注3) の濃度をマウスの生体内で直接測定することに成功しました。
    GSHは、がん細胞の治療抵抗性注4)に 関わる重要なバイオマーカーであり、がん組織内における濃度や増減を知ることは治療の効果を判定する上で非常に有用であると期待されています。また、がん 組織の中のGSH濃度が低ければ、薬剤や放射線治療の治療効果が上がることが動物実験で明らかになっています。そのため、人でもがん組織中のGSHが低下 しているかどうかを見ることで、治療の効果を事前に推定できる可能性もあります。しかし、従来の方法では、がん組織を体内から採取する必要があるため、組 織採取の困難さや前処理に時間がかかるなどの問題点があり、医療現場では使われていません。がん治療における有効性の検証や診断技術の開発に向け、生体内 でGSH濃度を計測できる簡便な方法が期待されていました。
    本研究グループは、ダイヤモンド電極を針状に加工し、直接がん組織に挿入することで、生体内のGSH濃度の変化を簡便に検出できる方法の開発に成功しました。
    今後、放射線や化学療法などのがん治療においてGSH濃度をリアルタイムでモニタリングが可能となり治療効果の迅速な判定方法の開発が実現すれば、新しい「簡易かつ高感度な病態診断法」としての利用が期待されます。
    本研究成果は、平成24年11月29日(英国時間)に英国オンライン科学誌「Scientific Reports」で公開されます。
    本成果は、以下の事業・研究領域・研究課題によって得られました。
    戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)
    研究領域 「元素戦略を基軸とする物質・材料の革新的機能の創出」
    (研究総括:玉尾 皓平 理化学研究所 基幹研究所 所長/同研究所 グリーン未来物質創成研究領域 領域長)
    研究課題名 「革新的環境改善材料としての導電性ダイヤモンドの機能開発」
    研究代表者 栄長 泰明(慶應義塾大学 理工学部 教授)
    研究期間 平成23年4月~平成28年3月
    JSTはこの領域で、持続可能な社会の構築のために解決すべき資源・エネルギー・環境問題に元素戦略を共通概念とする物質科学・物性科学の観点から 取り組み、既存の延長線上にない物質・材料の革新的機能の創出を目指します。上記研究課題では、レアメタルフリーである炭素材料「導電性ダイヤモンド」に 着目し、環境問題を解決する次世代の革新的環境改善材料としての機能開発、機能解明からデバイス創製までを目指します。

    <研究の背景と経緯>

    放射線や化学療法といった従来のがん治療の多くは、がん細胞内に活性酸素種を発生させることでがん細胞を死滅させ、治療効果をもたらすと考えられて います。還元型グルタチオン(GSH)は、細胞傷害性のある活性酸素種を除去して細胞を保護する働きを持つ抗酸化物質として知られています。これまでの研 究から、がん細胞は正常組織と比較して高濃度のGSHを持ち、がん治療によって発生した活性酸素種を速やかに除去してしまうため、がん治療に対して抵抗性 を示すことが分かってきました。このことから、がん組織のGSH濃度変化を測定できる方法が開発されれば、放射線や化学療法などの治療の効果判定に役立て ることができると考えられます。
    しかしながら、従来の動物実験で行われてきたGSHの測定では、生体から組織を採取した後に前処理を行うため、測定までに時間がかかるという問題が あります。さらに、専用の光学測定機器を使用する必要があるため、簡便にGSHの変化をモニターできる方法を開発することが期待されています。一方、これ までに研究グループは、ホウ素を含んだダイヤモンド(ダイヤモンド電極)を化学電極として用いたときに優れた特性を持つことを発見し、次世代の電気化学セ ンサーとして期待できることを報告してきています。

    <研究の内容>

    本研究では、マイクロサイズに加工したダイヤモンド電極を作製し(図1)、これを用いて生体内で直接GSH濃度を測定する方法の確立を目指しました。
    GSH、および酸化型グルタチオンの測定
    酸化電位の高いGSHを電気化学的に酸化しようとすると、カーボン電極、白金電極などの通常の電極材料では酸素発生が優勢となり、GSH自身の酸化 は観測されません。しかし、ダイヤモンド電極は、水が電気分解しにくい特徴を持つため、酸素発生が起こりにくく、2.0V以上の高い電位においてもGSH の酸化に起因する酸化電流を観測することができました。通常の電極材料では、このような高い電位では、酸素発生による電流値と重なってしまい、測定が不可 能でありましたが、本研究では、2.3Vにおける電流値の濃度変化をモニターすると比例関係が得られ、GSH測定が可能であることが分かりました(図2)。
    グルタチオンは、細胞内に還元型(GSH)と酸化型の2つの姿で存在し、酸化還元反応で互いに変換されています。このため、潜在的なGSH量の評価 のためには、酸化型グルタチオン(GSSG)の量も測定する必要があります。GSSGをGSHと同様に測定したところ、GSHに比べて酸化電流の立ち上が りが、より高電位側に観測されましたが、やはり2.3Vにおける電流値の濃度変化をモニターすると比例関係が得られ、酸化型グルタチオンも測定が可能であ ることが分かりました。
    さらに、GSHとGSSGの酸化電位が異なることを利用して、それらの分離検出ができることが分かりました。すなわち、酸化電位を1.3Vに固定すると、GSHでは酸化電流値が観測されるのに対し、GSSGでは酸化電流値が観測されない、ということが示されました(図3)。
    生体内(in vivo)測定
    マウスの皮下に作製したがん組織について、ダイヤモンドマイクロ電極を挿入し、1.3Vをかけたクロノアンペロメトリー注5)により酸化電流を測定しました。
    具体的には、ヒト口扁平上皮のがん細胞(HSC-2細胞)をマウスの皮下に移植して作製したがん組織と、マウスの正常な皮下組織のそれぞれに電極を 挿入し、両者を比較しました。マウスのがん組織における電流値は、健康なマウスに比べて、3体とも高い値を示し、がん組織が高いグルタチオン濃度を示すこ とが分かりました(図4)。
    さらに、3体のうち2体には、これらがん組織に活性酸素種を発生する放射線を照射し、GSH濃度を測定しました。その結果、放射線照射を行わなかっ た1体については、グルタチオン濃度は変化せず、放射線照射を行ったマウスについては、その照射量に応じてGSH濃度の減少が観測されました(図5)。このことから、放射線照射後に発生する活性酸素種によりがん組織内のGSHが消費され減少したことが、ダイヤモンドマイクロ電極を用いたGSHの直接測定によって分かりました。

    <今後の展開>

    がん治療の効果判定に有用と期待される「GSH」濃度、並びに「GSH-GSSG比」が、がん組織中にて簡便に測定できることから、将来的には実際 に患者におけるがん治療後の濃度動態がどのように変化するかを直接モニタリングし、治療効果判定や治療計画の立案に有用な診断法の1つとなることが期待さ れます。また、最近注目されている「がん幹細胞」と呼ばれるがん組織の大本になる細胞は、GSHを多く産生しているために、治療に抵抗性が高いことが分 かっており、がんの再発や転移の起源となります。これらがん幹細胞の機能や存在や治療に対する効果を評価する意味でも、この測定法は極めて有用であると考 えられます。
    これまでの研究成果から、ダイヤモンドマイクロ電極は、材料としての安定性に優れ、炭素材料であることから生体適合性に優れています。さらにダイヤ モンド構造により、電極表面で物質の吸着も抑えられるという特徴などもあり、次世代の生体計測に欠かせない材料となりえることが従来から期待されてきまし たが、今回、このような生体における物質の直接測定に応用できる可能性を示すことができました。今後は、グルタチオンのみならず、医学生物学的に物質動態 の測定が求められるその他の物質においても、ダイヤモンドマイクロ電極を用いた測定の可能性を探ることや、超高感度化を目指した電極設計を行っていくこと で、さらに「簡易かつ高感度な病態診断法」の開発につながる可能性が期待されます。

    <付記>

    本研究は、佐谷 秀行 慶應義塾大学 医学部 教授(JST 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)「人工多能性幹細胞(iPS細胞)作製・制御等の医療基盤技術」研究領域(研究総括:須田 年生 慶應義塾大学 医学部 教授)における研究課題「人工癌幹細胞を用いた分化制御異常解析と癌創薬研究」)との共同研究で行われました。

    <参考図>

    図1

    図1 ダイヤモンドマイクロ電極

    電極の先端の直径は、約20マイクロメートル(μm:100万分の1m)。
    図2

    図2 GSH濃度測定

    GSH濃度を変化させた際のサイクリックボルタモグラム(A)と、それぞれの濃度における電流値の検量線。2.3Vにおける電流値をプロットしたもの(B)。0~10mMの範囲で良好な検量線が得られている。
    図3

    図3 GSHの選択的な測定

    1.3Vをかけた場合のそれぞれの電流値のプロット。酸化型グルタチオン(GSSG)は電流値が観測されないが、還元型グルタチオン(GSH)では良好な検量線が得られている。この電位ではGSHを選択的に測定できていることが分かる。
    図4

    図4 生体内におけるクロノアンペロメトリー測定

    1.3Vをかけた後の電流値をモニターしたもの。がん組織では、健康な組織に比べ、GSH濃度が高いことが分かる。
    ヌードマウスの皮下にヒト口腔内がん細胞を100万個移植し、2週間後に増殖した腫瘍組織と、周辺の健康な組織の中のGSH濃度を腫瘍内あるいは正常組織内に針を刺入することで測定した。
    図5

    図5 マウスのがんに放射線を照射した際のがん組織内GSH濃度の変化

    放射線の線量依存的にがん組織のGSH濃度の減少が認められた。
    ヌードマウスの皮下にヒト口腔内がん細胞を100万個移植し、2週間後に増殖した腫瘍を持つマウスに放射線(2Gyあるいは6Gy)を照射し、3時 間後に照射した腫瘍組織、照射しなかった腫瘍組織、および周辺の健康な組織の中のGSH濃度を組織内に針を刺入することで測定した。放射線の照射線量依存 性に腫瘍組織内のGSH濃度の減少が認められ、放射線照射によって組織内の酸化ストレスが上昇し、GSHが消費されたことを測定することができた。

    <用語解説>

    注1) ダイヤモンド電極
    本来絶縁体であるダイヤモンドに、不純物としてホウ素を添加することで導電性を付与し、これを電極として利用したもの。電極材料として従来利用さ れている炭素電極、白金電極などに比較して、水溶液中での電位窓が広い、バックグラウンド電流が小さいなどの優れた電気化学特性を持つため、センサー、水 処理をはじめとした応用が期待されている。耐久性など、ダイヤモンド本来の物理化学特性も兼ね備えるため、次世代の新しい電極材料として期待されている。
    注2) がんバイオマーカー
    がん細胞の存在や治療に対する抵抗性などを評価することのできる客観的指標のこと。バイオマーカーによって、治療法の選択や効果の判定を迅速かつ正確に知ることができ、そのような有用なバイオマーカーを見いだすことは新たな薬剤の開発と同様に極めて重要である。
    注3) グルタチオン(GSH)
    グルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸が結合したトリペプチドであり、生体内で抗酸化作用を担う主たる分子である。
    注4) 治療抵抗性
    がんに対して抗がん剤や放射線を用いて治療を行ったときに、これらの治療に対して反応しない、つまり殺すことのできないがん細胞が存在することがある。この性質を治療抵抗性と呼ぶ。
    注5) クロノアンペロメトリー
    測定対象物質が酸化する一定電位を加え、その際に流れる電流値の時間変化をモニターする方法。ここでは、一定電流を示すときの電流値がグルタチオン濃度を反映している。

    <論文タイトル>

    “In vivo assessment of cancerous tumors using boron doped diamond microelectrode”
    (ダイヤモンドマイクロ電極を用いた生体内におけるがん評価の方法)

    <お問い合わせ先>

    <研究に関すること>

    栄長 泰明(エイナガ ヤスアキ)
    慶應義塾大学 理工学部 教授
    〒223-8522 神奈川県横浜市港北区日吉3-14-1
    Tel:045-566-1704 Fax:045-566-1697
    E-mail:
    渡辺 剛志(ワタナベ タケシ)
    慶應義塾大学 理工学部 助教
    〒223-8522 神奈川県横浜市港北区日吉3-14-1
    Tel:045-563-1151(+内線42935) Fax:045-566-1697
    E-mail:

    <JSTの事業に関すること>

    古川 雅士(フルカワ マサシ)
    科学技術振興機構 戦略研究推進部
    〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
    Tel:03-3512-3531 Fax:03-3222-2066
    E-mail:東通原発の断層活動性あらためて否定(2012/11/30 09:14)
    東北電力が調査現場を公開したs―19小断層=29日、東通村の東北電東通原発敷地内
    東北電力は29日、東通原発敷地内に存在する断層の活動性評価をめぐり、国の指摘を受けて進めている追加調査の中間報告を、原子力規制委員会に提出し た。一部専門家が活動性を指摘している敷地南側の3地点に関して、地層の掘削やボーリングなどを実施した結果として、いずれも活動性を否定する見解をあら ためて示した。規制委が12月に行う現地調査、その後の審議状況も踏まえ、来年3月に最終報告を取りまとめる予定。
    【写真説明】
    東北電力が調査現場を公開したs―19小断層=29日、東通村の東北電東通原発敷地内

    2012年11月30日 922号 特集記事

    ■緊急寄稿

     編集委員七人が考える選挙の争点


    ●国会前の怒りの声を聞け!

     首相官邸前。国会前。霞が関の官庁前。路上では、ひとびとが連日のように声をあげている。声はもはや原発再稼働反対にとどまらない。TPPなどいろいろな政治争点について、ひとびとは集まって声をあげる。そして解散する。また、集まる。
     それが今年に入ってからの日常風景になった。
     大きなきっかけとなった六月二九日金曜日の夜、私も路上に溢れて官邸へと歩き出す集団にいた。再稼働をした野田政権への怒りはなく、なにものか への高揚や共感がそこにはあった。そもそも怒りとは自分の思い通りにならないときに湧いてくる。それゆえ怒りは自分への怒りでもあった。今の政治が私たち の声を反映する仕組みではなかったと確信した今、怒りは変質した。
     選挙で勝てば政党や政治家がすべてのみそぎを終えてやりたい放題の特権が与えられる。そもそも私たちは民主主義をそう勘違いするように教え込ま れていたが、その騙しこそが終わっている。もはや納得されえない。日本には第一党の与党は存在しえなくなっている。声に耳をふさぐ政治家は逆にもっと耳を 澄まさなければならないはずだ。それは本来、後援会や財界の声でもない。経済成長をぶらさげるゴマカシももう通じない。
     今週は一二月一六日の東京都知事選に出馬表明をしている宇都宮健児さん以外の編集委員七人に緊急寄稿をお願いした。本誌編集委員たちは情況をどのように考えているのか。興味深い。
     3・11後、初めての国政選挙なのである。

    平井康嗣・本誌編集長

    ●民主主義を問い直す
     3・11以降の実践に希望
     雨宮処凛



    ●アベくんが招く
     最悪シナリオは想定している
     石坂 啓



    ●危険と矛盾への対処を
     押しつけられてたまるか
     落合恵子



    ●CATで選ぼう
     佐高 信



    ●誰の名前を書くのか、
     その人の品格が問われる
     田中優子



    ●政治改革のなれの果てに
     中島岳志



    ●悪の「本流」に
     より近いのはいったい誰か
     本多勝一

    維新の公約 タカ派色に懸念を残す 11月30日(金)

     日本維新の会が衆院選の公約を発表した。自主憲法制定や集団的自衛権行使に向けた法整備を掲げるなどタカ派色の濃い内容だ。

     日中関係はかつてなく緊迫している。石原慎太郎氏は尖閣諸島を東京都が購入するとし、緊張を高める流れをつくった。中国とどのような関係を築いていくのか、石原氏と橋下徹氏は丁寧に説明する必要がある。

     公約の特徴の一つは、外交・安全保障政策である。▽集団的自衛権の行使や領海統治などを定める国家安全保障基本法の整備▽実質的な防衛費の国内総生産(GDP)1%枠の撤廃―などを盛り込んでいる。自主憲法制定と合わせ、自民党と共通する方向といえる。

     尖閣について中国に国際司法裁判所への提訴を促し、日本の正当性を勝ち取るとしている。一つの選択肢だが、軍事力の強化と取られかねない公約と合わせ、かえって緊張を高める懸念がある。こじれた関係をどう修復するか、この点の説明を求めたい。

     石原氏は憲法を破棄し、新憲法をつくると述べていた。かつて橋下氏は憲法破棄は「権力者が絶対に踏み越えてはならない一線だ」と批判していたはずである。どのように折り合ったのかも、両氏に聞きたいところだ。

     特徴の二つ目は、市場原理に基づいた競争力の強化だ。全ての産業分野で競争政策3点セットを徹底するとし、(1)補助金からバウチャー(利用券)へ、供給者から消費者優先へ(2)新規参入規制の撤廃、緩和(3)敗者の破綻処理―を掲げている。

     公共事業や補助金頼みではなく、規制緩和などによって競争力を高めていく観点は重要だ。だが「混合診療解禁」といった政策には疑問が募る。やり方によっては医療格差を広げるなど暮らしの安心の土台を壊す恐れがある。

     特徴の三つ目は、脱原発が曖昧になったことである。公約は脱原発依存メカニズムや発送電分離などによって、結果として「2030年代までにフェードアウト」としている。合流前の「30年代までに既存の原発を全廃」よりも後退した印象は否めない。

     第三極をめぐる動きは、嘉田由紀子滋賀県知事の「日本未来の党」結党で、未来、維新、みんなの党の三つに分かれつつある。慌ただしい動きに有権者には戸惑いがある。各党は公約の中身を分かりやすく伝えてもらいたい。

    都知事選 首都のビジョンどう描く 11月30日(金)

     「首都の顔」を選ぶ東京都知事選が告示され、新人9人が立候補した。国政に転身する石原慎太郎氏の辞職に伴う選挙である。

     都は人口1300万人余、総予算額12兆円近い。経済規模で韓国に並ぶ。その知事は大きな権限を持つことになる。

     強い個性とリーダーシップを発揮した石原氏の後、新都政は少なからず変化を迫られるだろう。各候補は建設的にビジョンを競ってほしい。

     選挙戦は石原氏に後継指名された長野市出身の前副知事、猪瀬直樹氏に、元神奈川県知事の松沢成文氏、元自民党総務会長の笹川尭氏、元日弁連会長の宇都宮健児氏らが挑む構図である。

     4期13年半に及んだ石原都政の評価が争点の一つになる。

     石原氏には、国への強い対抗心と、大衆受けを意識した面が見られた。その施策の結果は功罪半ばする。

     手腕を発揮した政策としては、1期目のディーゼル車の排ガス規制や、大手銀行への外形標準課税が挙げられる。

     ブレーンを活用しトップダウンで都庁官僚を動かす手法で、財政の立て直しも図った。一時期の景気回復に支えられたとはいえ、人員や歳出の削減を徹底した効果が大きい。

     失敗例は2期目から目立った。一つは新銀行東京である。貸し渋りから中小企業を救うとしながら、ずさんな融資で経営難に陥った。計1400億円をつぎ込んだのに、当初の狙いとは程遠い銀行になった。盛り上がりを欠いた五輪招致でも世論を読み違えた。

     福祉分野では現金給付型の政策を改め、民間参入を促したが、予算削減により「福祉切り捨て」との批判を招いた。

     日の丸・君が代を強制した学校教育の管理強化も現場に混乱をもたらした。

     他県から見ると、企業が集まる東京は税収面でも圧倒的優位にあるのに、さらに一極集中を進めようとした、と映った。

     首都移転に反対し、国に都市再生への集中投資を迫ったからだ。次の都政には、全国とのバランスや影響力を自覚してほしい。

     高齢化は都内でも切実な問題である。孤独死が増えている。災害に強い都市づくりも急がなければならない。

     首都圏の電力を賄うため地方に立地する原発の問題にどう取り組むかも問われてくる。

     各候補には総選挙に埋没することなく中身の濃い論戦を求める。

    特集社説2012年11月30日(金)

    「日本未来の党」発足 意義ある脱原発勢力の結集

     来月4日の衆院選公示を直前に控え、脱原発を最重要政策に掲げる「日本未来の党」が発足した。代表に就任した滋賀県の嘉田由紀子知事の呼び掛けに、早速「国民の生活が第一」など脱原発を公約とする政党が合流を決めた。
     前衆院議員と参院議員を合わせて70人超が参加する意向で、民主党と自民党に対抗する第三極の中では最大の勢力になる。衆院選には100人規模で候補者を擁立するという。選挙の構図を塗り替える大きな動きだ。
     これまでばらばらだった中小の政党が脱原発の実現に向けて協力し、一つにまとまる意義は大きい。
     乱立する政党に有権者は困惑していた。政党間の協議でこれを整理し、脱原発を求める民意の受け皿を用意しようという再編行動は、国民の思いと政 治をつなぐ効果が期待されよう。脱原発勢力の結集を契機とし、有権者は原発政策をあらためて注視したい。各党・候補者も大いに論争し有権者の前で競うべき だ。
     今回の総選挙は東京電力福島第1原発の事故後、初めての国政選挙である。本来ならば原発政策が最大の争点であるはずだが、離合集散にかまけて十分な議論がなされていたとは言い難い。
     民主党は「2030年代に原発ゼロ」とするが、閣議決定できず、関西電力大飯原発の再稼働なども認めた。自民党の安倍晋三総裁は「原発ゼロは無責任」と表明した。日本維新の会は石原慎太郎氏との合流に伴い、従来の脱原発主張を大幅に修正した。
     嘉田氏が新党設立の理由を「今のままだと選ぶ政党がない」と述べたのは、こうした現実を指してのことだろう。「未来」の基本政策としては22年までの10年以内に段階的に原発ゼロを実現する「卒原発」の考えを表明した。
     より重要なのは、スローガンだけでなく廃炉までのスケジュールと道筋を明確にするとともに、現実化する手だてを示すことだ。原発再稼働をどう判 断するか、廃炉後の立地地域の支援策、再生可能エネルギー普及方法など、理念に基づく具体策。その説得力いかんで新党が脱原発勢力の結集軸となりうるか、 見えてくるだろう。
     懸念材料は、原発以外の政策がよく見えないことだ。時間は限られるが、丁寧なすり合わせ抜きでは政党として民意を背負うことは難しい。
     今夏の国民的な合意を踏まえ、脱原発を求める民意の受け皿を真剣につくるなら、原発ゼロを目指す他党とのいたずらな対立は民意を損ねる。
     総選挙後も視野に入れた、さらなる広範な連携の模索があっていい。「選挙目当て」といった疑念を行動で晴らすことにもつながるのではないか。

    電気料金引き上げ 年明けに申請 四電

    2012年11月30日(金)
     四国電力の千葉昭社長は29日、高松市の本店で会見し、電気料金の引き上げについて「伊方原発の早期再稼働は困難で、値上げの検討を開始せざるを得な い」と述べ、年明けに政府へ申請する方針を表明した。伊方原発の全基停止による火力発電の燃料費負担増で悪化した業績を値上げで回復する狙い。
     値上げは政府の認可が必要な家庭向けとともに、認可が必要ない企業向け大口料金も検討する。実施時期や幅は「値上げを一日でも後にしてほしいと の利用者の声があり、ぎりぎりまで効率化や合理化に努めて見極めたい」として明言は避けた。家庭や企業に負担を転嫁することに「多大な迷惑を掛け、誠に心 苦しい」と陳謝した。
     利用者の理解を得るため、年間600億円超の人件費の削減や資材調達費の見直し、遊休地の処分などを検討する。本年度は経費と投資を合わせ 250億円のコスト減に取り組み、役員報酬20%削減の継続や今冬の管理職賞与を前年比15~23%カットなどの人件費圧縮に努めるとした。

    脱原発、増税を討論 衆院選へ11党首 日本記者クラブ

    2012.11.30 08:08
     衆院選に向け11党首による討論会が30日午後、東京都内の日本記者クラブで開かれる。本格的な国政選挙は2010年7月の参院選以来で、11年 3月11日の東日本大震災後では初めて。東京電力福島第1原発事故を踏まえた今後の原発政策のほか、民主、自民、公明3党が主導した消費税増税、環太平洋 連携協定(TPP)交渉参加、低迷する経済の再生策、領土問題を含めた外交をめぐり激論となるのは必至だ。
     衆院選は12月4日に公示、16日に投開票される。
      出席するのは野田佳彦首相(民主党代表)、安倍晋三自民党総裁、嘉田由紀子日本未来の党代表、山口那津男公明党代表、石原慎太郎日本維新の会代表、志位和 夫共産党委員長、渡辺喜美みんなの党代表、福島瑞穂社民党党首、鈴木宗男新党大地代表、自見庄三郎国民新党代表、舛添要一新党改革代表。

    10党党首 初の論戦 「脱原発」で直接対決

     衆院選で候補者を擁立する十二の政党のうち十の党首が二十九日、討論を行った。野田佳彦首相(民主党代表)と自民党の安倍晋三総裁をはじめ、各党 の党首が直接論戦をするのは衆院解散後初めてだ。「卒原発」を旗印に結党を宣言した日本未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事にとっては討論デビューの舞 台。この日集まった党首の討論で、最も熱い議論が展開された衆院選の原発政策に焦点をあてて分析する。 (衆院選取材班)

    維新が公約発表 原発やTPP 正反対の主張 折衷

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     日本維新の会の石原慎太郎代表と橋下徹代表代行は二十九日、都内で記者会見し、衆院選公約「骨太2013-2016」を正式に発表した。政策に隔 たりがあり、発言に齟齬(そご)があった石原、橋下両氏の折衷案ともいえる内容で、維新が目指す社会像は見えにくい。二人の距離が近づく気配はない。  (金杉貴雄、藤川大樹)
     石原氏は「こんな小さなこまごまとした政策の話をしても仕方がないだろ」と、二人の隔たりを記者団に突かれるのを避けるかのように、三十分あまりで橋下氏を残したまま席を立った。
     橋下氏の日本維新の会と石原氏の太陽の党が今月、合併するまで、二人は原発、消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)などの主要政策で、意見が大きく異なっていた。両党の顔である二人が譲った形跡がないままつくった公約は、おのずから分かりにくいものとなった。
     原発政策では、電力自由化や発送電分離を進めるとしたが、もともと維新が検討していた「二〇三〇年代原発ゼロ」は見送った。政策実例集で「三〇年代までにフェードアウト」と記述したが、橋下氏は「実例集は議論途中のもので、今後変わる」と公約ではないと説明した。
     太陽との合併後も橋下氏は「原発ゼロを目指す」と主張していたが、石原氏は「脱原発はセンチメント」「(橋下氏の発言は)個人的発言」と原発ゼロを目指す考えがないことを表明。二人の正反対の主張がそのまま公約に反映され、中途半端な中身となった。
     TPPについては、石原氏は「反対」と明言していたが、二十日の講演で「原則的に賛成」と転換。一方、橋下氏は結党時にまとめた党綱領「維新八 策」に「TPP参加」と明確に盛り込み「政策のセンターピン」とまで言っていたが、公約では「交渉参加」に弱まり「国益に反する場合は反対」という表現ま で付け加えられた。
     逆に、憲法については「維新八策」には改憲の発議要件の緩和としか書いていなかったが、公約では「自主憲法の制定」と踏み込んだ。「現憲法破棄」を主張する石原氏の持論が影響したとみられ、憲法解釈で禁じられている集団的自衛権の行使の容認も明記した。
     二人は、自民党の安倍晋三総裁とも共通する新自由主義的な経済政策では同じだ。公約にも徹底した競争政策の導入や労働市場の流動化が明確に打ち出された。
     原発政策などの公約があいまいになったことや数値目標が入っていないことについて、橋下氏は「書くだけなら何でも書けるが、実行できるかが問題。政治家の役割は官僚ではできない大きな方向性を示し、官僚にプランを作らせ実行することだ」と反論した。

    三菱重と日立 原発事故転機、海外強化へ

    火力発電事業の統合を発表し、握手する三菱重工業の大宮英明社長(左)と日立製作所の中西宏明社長=29日、東京都千代田区で
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     発電事業でライバル関係にあった三菱重工業と日立製作所が火力発電の事業統合に踏み切ったのは、東京電力の福島第一原発事故で脱原発の動きが加速 しているためだ。国内では原発の代替として火力が発電の中心となり、経済成長が続くアジアなど新興国でも火力発電の需要が急増している。両社は、世界的に 火力発電事業の競争力を高める必要があると判断した。
     「五年、十年先を考えれば日本で消耗戦するより、一緒になって海外で戦う必要がある」。東京都内で二十九日に両社が開いた記者会見で、三菱重工の大宮英明社長は火力発電事業の統合の必要性を強調した。
     背景にあるのは、原発事故だ。大宮社長は「(原発停止で)統合を決心したわけではない」と語ったが、国内では各地の原発が停止し、環境への負荷が 低減されるガスタービンをはじめとする火力発電の需要が高まっている。資源エネルギー庁によると、発電量全体に占める割合で火力は東日本大震災前に60% 程度だったが、二〇一一年十二月に86%まで増加した。九月には経済産業省が、火力発電所の新設や建て替えを大手電力会社がする際に競争入札を義務付け、 外資にも門戸が開かれた。発電事業の競争は激化している。
     一方、海外でもシェールガスの産出を背景に、米国で火力発電の需要が増加。欧州でも脱原発を掲げるドイツで火力へのシフトが進む。
     深刻な電力不足に悩むインドや中国をはじめとした新興国でも電力需要が急増しており、都市基盤(インフラ)整備案件の受注増が期待できる。
     日立の中西宏明社長は今回の統合が「日本最強の組み合わせ」だと強調。「海外のメジャープレーヤーに打ち勝ち、世界で安定的な電力供給をサポートする」と力を込めた。新会社は互いに強みをもつ技術や製品の販売網も補い合うことができる。
     ただ、海外では国を挙げて発電などインフラ事業を各国に売り込む独シーメンスや米ゼネラル・エレクトリック(GE)が二強として、すでに地位を築 いている。韓国や中国などのメーカーも価格競争力を高めており、「世界の三強に入る」(大宮社長)には、技術力や価格面での一層の競争力が必要となる。  (神野光伸、須藤恵里)

    原発事故時の住民避難時間を予測へ 21道府県、防災計画に反映

    (2012年11月30日午前7時17分)
     原発事故時に避難対象区域の住民が原発から半径30キロ圏外への避難を終えるまでにかかる時間を、各地域の人口分布や道路状況、季節や天候などを考慮して予測する国内初の取り組みを関係道府県が始めたことが29日、分かった。

      対象となるのは原発立地や周辺の21道府県で、来年1~2月ごろに個別に試算を終え、3月までに策定する地域防災計画に合わせて結果を公表する見通し。福 井県危機対策・防災課は「避難予測の具体的な活用法などを原子力規制委員会が説明してない」とし、現段階では着手していない。

     最後の避難車両が脱出するまでの時間などを求める。原子力規制委員会が10月に公表した放射性物質の拡散予測、30日に規制委の会合で報告される被ばくリスク予測と組み合わせて地域防災計画づくりに役立てるのが目的だ。費用は内閣府の交付金を用いる。

      避難時間予測は、指示を受けて避難を開始するまでの準備時間、実際の移動時間、戸別訪問などで避難が完了したことを確認するのに要する時間を足し合わせた もの。季節や天気、曜日や時間帯などで複数のシナリオを設定し、それぞれのケースで避難車両の台数や道路の混雑状況などをコンピューターで推計する。

     事故の規模や進展によって5キロ圏の住民だけが避難する場合や、一定時間の屋内退避後に避難する場合なども予測する。従来は公共車両での避難が勧められてきたが、昨年3月の東京電力福島第1原発事故を教訓に、自家用車での避難も想定する。

    原発止める会の世話人が県議補選へ 福井市選挙区、木下氏出馬表明 

    (2012年11月30日午前7時02分)
    拡大 福井県議補選への出馬を表明した木下建一郎氏 福井県議補選への出馬を表明した木下建一郎氏

     7日に告示される県議補選福井市選挙区(欠員2)に、「福井から原発を止める裁判の会」原告世話人の木下建一郎氏(34)=同市木田1丁目、写真=が29日、出馬すると表明した。

     木下氏は中京大大学院卒。着物販売会社と機械メーカーに勤めた後、2010年からはインターネットのフリーライターとして活動。東京電力福島原発事故後は裁判などで反原発を訴えている。無所属で出馬する方針。

     県庁で記者会見し、原発のある福井の選挙で、原発再稼働の是非などが議論のテーマになっていない点を指摘。「原発付近に住んでいる人や土地を脅かしてまで経済を維持することが大切なのか」と述べ、反原発に取り組む考えを示した。

     県議補選の投開票は、衆院選と同じ16日。木下氏を含め5人が立候補を表明している。

    第三極の政策、違い鮮明 選挙後の連携見据え

    (1/2ページ)
    2012/11/30 3:30
    日本経済新聞 電子版

     第三極の衆院選に向けた政策が29日までにほぼ固まった。日本維新の会が「骨太2013~16」、みんなの党が「アジェンダ」を発表。日 本未来の党も政策要綱の原案をまとめた。原発や環太平洋経済連携協定(TPP)など主な争点は政策の違いが明確で、選挙戦だけでなく選挙後の連携も見据え た各党の立ち位置を反映している。
     「30年代に原発ゼロというのは自分の気持ちとして捨てていない。でも、オプション(選択肢)がで…

    10党首が討論で激突 原発、消費税、TPPで応酬(11/30 05:50)


    インターネットの動画サイトで10党の党首が参加して討論会が開かれ、消費税増税や原発政策で激しいやり取りが繰り広げられました。

    ※テレ朝コンプリート/データ放送でご覧の方へ
    このニュースの動画は、PCサイトなどの「ANNニュース」でご覧になれます。

    電気料金:関電・九電値上げ審査開始 「身を切る努力」焦点に

    毎日新聞 2012年11月30日 東京朝刊
     経済産業省の有識者会議「電気料金審査専門委員会」(委員長・安念潤司中央大法科大学院教授)が29日 開かれ、関西電力が平均11・88%、九州電力が同8・51%で申請した家庭向け電気料金値上げの審査が始まった。人件費や調達費削減の取り組みが十分か どうかが最大の焦点となる。値上げ幅の圧縮を求める声は強いが、原発事故などで厳しい目にさらされた東京電力とは状況が異なっており、東電ほどの圧縮が実 現するかは見通せない。
     「電気は生活と産業の糧だ。身を切る経営努力をしてほしい」。出席した兵庫県の井戸敏三知事は、関電の値上げ申請に対し人件費の圧縮を強く求めた。消費者団体からもいっそうのコスト削減を求める声が上がった。
     ただ、こうした声がどこまで反映されるかは微妙だ。経産省には電力会社の人件費を「従業員1000人以 上の大企業並み」とする査定方針があり、従来より16%を削減する関電、21%削減する九電とも「基準にのっとっている」と見ている。東電が値上げ申請し た際もこの基準をクリアしていたが、東電には公的資金が投入されたことが重視され、管理職の年収の削減幅は申請時の25%から30%に拡大されて、値上げ 幅もさらに圧縮された。
     調達費の削減も焦点となりそうだ。東電の査定では、資材調達などで入札の導入を拡大して約10%のコストが削減できるとされたが、関電と九電は7%程度にとどまっており、削減余地はある。
     一方、この日の会合では、両社の不要不急の資産売却を求める声も上がったが、電気事業に関係ない資産は原価に計上しないのが原則のため、値上げ幅の圧縮効果は限られる。
     内閣府の消費者委員会も専門調査会で消費者の立場から値上げを検証する。来年1月下旬には経産省の公聴会が予定されている。両社は来年4月の値上げを目指している。【小倉祥徳】

    遊説録:後ろで操る小沢さん−−自民・石破茂幹事長

    毎日新聞 2012年11月30日 東京朝刊
     (29日)
     滋賀県知事の嘉田(由紀子)さんが新しい党を作った。とにかく「卒原発で一緒になろう」と。他の政策は どうなったんだ。社会保障は? TPPは? 消費税は? 外交は? 安全保障はどうなった。頭は嘉田さんだが、後ろで操っているのは間違いなく小沢一郎さ んだ。(香川県綾川町の街頭演説で)

    東日本大震災:福島第1原発事故 被ばく管理、指針策定 福島県内の格差解消へ−−原子力規制委

    毎日新聞 2012年11月30日 東京朝刊
     原子力規制委員会は、東京電力福島第1原発事故による福島県民の健康管理体制について、ガイドラインを 策定することを決めた。被ばくの影響を調べる甲状腺検査などをめぐる自治体間の格差をなくし、県民の不安を払拭(ふっしょく)する。30日、福島県立医大 などの医療関係者で作る「住民の健康管理検討チーム」の初会合を開き、年内に取りまとめる。
     中村佳代子委員(前日本アイソトープ協会主査)が29日、毎日新聞のインタビューで明らかにした。中村 委員は「ある町では住民全員が(被ばく管理について)ケアされているのに、他の町ではそうなっていない実態がある。自治体間でこうした格差があってはなら ない」と指摘。「統一的なガイドラインを示すことで、福島県民の間の不公平感をなくすよう努力したい」と述べた。
     原子力規制庁によると、甲状腺検査などの被ばく健康管理体制をめぐっては、福島県や市町村によって検査手法や頻度、結果の伝達方法などが異なる。規制委の田中俊一委員長も「各自治体でバラバラになっている状況を、国の責任で(統一的に)やるべきだ」と表明していた。
     中村委員はインタビューで「個別具体的な検査項目や方法などについては触れない」と述べ、ガイドラインが基本的な考え方を自治体に周知するものになるとの見解を示した。【中西拓司】

    活断層あらためて否定 東通原発断層調査、東北電が現場公開

    原発敷地内の断層について説明する東北電の担当者
     東北電力は29日、青森県東通村の東通原発敷地内の断層について、追加調査の状況を原子力規制委員会に報告した。同日、調査現場を報道関係者に公開し、「地震を引き起こす活断層ではない」とする従来通りの見解を示した。
     対象となっている断層は、発電所主要設備の2キロ南にある「F-3」「s-14」「s-19」の3カ所で、トレンチ(試掘溝)やボーリングで調査。F-3周辺の斜面の断層の有無や、s-14とs-19が地下深部に連続しているか、などを調べている。
      現地公開で東北電は「s-14、s-19ともに地下深部に達しておらず、地震を起こす断層ではない。F-3を含む三つの断層周辺の地層のずれは、岩盤中の 粘土が水を吸収して膨らむ膨潤作用によるものだ。活断層によるものではない」とあらためて説明した。規制委で「膨潤作用という解釈は世界的にまれだ」との 指摘が出ている点に関しては、東北電は「確かに全国的に報告はない。なぜ東通にあるのか、理由を説明するのは難しい」と述べるにとどめた。
     追加調査は7月から実施しており、今月中にまとめる予定だった。規制委が12月13、14日に現地調査することになり、最終報告は来年3月に延期となった。

    2012年11月30日金曜日

    原発、消費税など5人が論戦展開 秋田3区公開討論会

    幅広いテーマで論戦を繰り広げた5人
     衆院選秋田3区の立候補予定者5人を集めた公開討論会が29日、秋田県横手市民会館で開かれた。市民有志による実行委員会が主催し、約100人が参加した。
     民主党新人の三井マリ子氏(64)は消費税の増税について「社会保障制度の充実を進めるために必要だ」と主張した。
     自民党元議員の御法川信英氏(48)は「景気回復が最優先。交通基盤を整備する」と強調した。
     生活から日本未来の党に合流した前議員京野公子氏(62)は「原発ゼロ、環太平洋連携協定(TPP)と消費増税に反対する」と述べた。
     日本維新の会新人の村岡敏英氏(52)は「人材や財源を中央から地方に移す」と中央集権体制の打破を訴えた。
     共産党新人の佐藤長右衛門氏(68)は「農村の衰退にTPPが追い打ちをかける」と反対姿勢を鮮明にした。

    2012年11月30日金曜日

    東電、Jヴィレッジに復興本社-石崎副社長「県民に寄り添う」

    掲載日 2012年11月30日
    【福島】東京電力は29日、2013年1月1日付で設置する福島復興本社を福島県双葉郡楢葉町のスポーツ施設 「Jヴィレッジ」内に置くと発表した。代表に就く石崎芳行副社長と企画総務部などの約30人が常駐。県内の発電所や事業所に在籍する東電社員4000人超 をまとめ、福島第一原子力発電所事故に伴う賠償や除染など被災者支援にあたる。
     29日、福島県庁で会見した石崎副社長はJヴィレッジへの復興本社設置について「県内の首長から多くの設置要請があったが、東京電力の都合ではなく、原発に近い双葉郡内で県民に寄り添ってしっかりとした対応を考えた」と述べた。
     また「賠償への対応が遅いとおしかりを受けているのは十分に承知している。復興本社に賠償のあらゆる権限を持たせスピード化し、賠償についても柔軟に対応していく」と一層迅速な対応を約束。

    四国電、電力料金を値上げへ-地元、理解示すも影響を不安視

    掲載日 2012年11月30日 06時00分
     四国電力は29日、電力料金の引き上げの検討を始めたと発表した。すでに値上げを申請した関西電力、九州電力 と同様、原子力発電所の再稼働が遅れていることによる収支悪化が主要因。2012年度で約250億円のコスト削減に取り組んでいるが、代替火力燃料の追加 負担増にはとても及ばないとして、値上げは不可避と主張した。
     同社では伊方原発(愛媛県伊方町)停止に伴う費用増が一日当たり4―5億円、通年では1000億円以上になる と想定。効率化の取り組みだけでは、収支改善が困難と判断した。値上げの開始時期や上げ幅などは今後、検討して決める。値上げに際しては、役員報酬のさら なる削減や人件費の引き下げなどを進めるなど、最大限の効率化施策を料金原価に織り込むとしている。

     地元中小の声/理解示すも影響不安視

     四国電力の電気料金値上げの方針を受け、管内の中小企業からは「原発が稼働していないから、致し方ない」と理解を示す声が多く寄せられた。ただ、値上げ分の転嫁が難しいなど経営への影響は避けられず、不安視する経営者が多い。
     ナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市)の村本宜彦社長は、四国電力の電気料金引き上げに「原発に反 対し、かつ値上げ反対では虫が良すぎる」と安易な脱原発の提唱をいさめる。その上で「震災、洪水、世界的不況と不運続きだが、値上げを吸収できる高付加価 値の技術や製品開発、すなわち“脱コモディティー(日用品)”が製造業が生き残る唯一の方法であり、結果として国際競争力強化にもつながる」と力を込め る。
     電力会社側に対しても「値上げによって経営を安定させ、電力の安定供給に努めるとともに、シェールガス発電所の建設など、電力を安価に供給する方策を検討し、早期に実現してほしい」と期待感を込めて要望する。
     トーコー(香川県東かがわ市)の東和男会長も「伊方原発が稼働していないこともあり、値上げは致し方ない」と 理解を示す。原発は「二酸化炭素排出の少ないクリーンなエネルギー。安全安心が証明されれば原発を稼働してほしい」と続ける。しかし国に対しては「原発で のテスト結果を国民に詳細に説明、政策をはっきり示すべきだ」と厳しい。
     アクト(徳島県吉野川市)の尾北俊博社長は「値上げはある程度致し方ない」としながらも、「値上げ分の商品転 嫁は難しいのではないか」と心配する。「材料メーカーから仕入れ分を値上げ要請してくるかもしれない」と不安を募らせる。国には「成長戦略が見えない。方 針、将来のビジョンを」としばらくは我慢の時をと覚悟を決める。
     菅機械産業(松山市)の菅英治社長は「仕入れコストの値上がりが予想される」と経営への影響を危惧する。「値上がり分を販売価格に転嫁したいが、現状では難しい」としている。
     谷口金属熱処理工業所(愛媛県西条市)の谷口裕久社長は「値上げは致し方なし」としながらも「海外、例えば中国や韓国と比べてどうななのか、競争力の低下につながらないか」と懸念する。「最も不安なのが、国として将来のエネルギー政策が見えないことだ」と強調した。

    慶大、がん放射線療法の効き目を針状ダイヤ電極で測定-マウス実験で成功

    掲載日 2012年11月30日
    慶応義塾大学理工学部の栄長泰明教授と同医学部の佐谷秀行教授らは、針状に加工したダイヤモンドの電極で、が ん組織の放射線療法の効きやすさを測定することにマウスの実験で成功した。がん細胞に作られる還元型グルタチオン(GSH)の濃度を指標に測定する。放射 線療法などに今回の測定技術を組み合わせれば、効果的ながん治療が可能になる。
     ホウ素を添加した導電性のダイヤモンドを直径20マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の針状に加工した。この電極をがん組織に差し込んで電圧を与える。すると、GSH濃度に応じて変化する電流を拾うことができる。
     開発したダイヤモンド電極を使い、皮下組織にがん細胞を移植したマウスで、がん組織のGSH濃度を測定することに成功した。

    機械

    JEMIMA、年度内に放射線測定器の測定値の比較判定表を作成

    掲載日 2012年11月30日
    日本電気計測器工業会(JEMIMA)は、異なる検知方式による放射線測定器の測定値に関する判定表を2012年度内にまとめ、公表する。
     東京電力の原子力発電所事故以降に環境中の放射線測定ニーズが急増し、輸入製品を含め多くの測定器が一般に普及している。検知方式はシンチレーション 式、ガイガーミュラー計数管(GM管)式、半導体式などがあり、それぞれ測定方法や検出感度・特性が異なるという。検出値の違いが風評被害につながる懸念 があるため、検知方式ごとの判定表を早急にまとめる。
     放射線測定器の検知方式は、ヨウ化ナトリウム(NaI)シンチレーション式、ヨウ化セシウム(CsI)シンチレーション式、GM管式、半導体式などがあ る。それぞれに測定対象の適正や検出感度・特性などが異なるため、方式に合う測定手法を踏まえた検出値の判定評価が重要になる。

    経産省、関電・九電の電気料金を査定

    掲載日 2012年11月30日 06時00分
     経済産業省は29日、電気料金審査専門委員会を開き、国の認可が必要な家庭向け料金引き上げを申請した関西電 力と九州電力の査定に着手した。両社は新料金原価算定期間である2013―15年の3年間に、行政指導で停止している原子力発電所の再稼働を織り込んでい る。原発が予定通り再稼働できない場合、再値上げの可能性がある。
     同委員会に出席した関電の八木誠社長は委員の質問に対し、「状況を見ながらになる」と、次期政権の方針次第で 再値上げを判断することを示唆した。両社の新料金査定では原価に占める割合が大きい燃料費や人件費などのコスト圧縮努力が、需要家である国民の理解を得ら れる内容かどうかが問われる。

    発信箱:風を読む力=青野由利

    毎日新聞 2012年11月30日 東京朝刊
     嘉田由紀子・滋賀県知事の新党結成に、二つの風を感じた。ひとつは行き詰まり感のあった政界に吹き込む 風。背景はいろいろだとしても、「選びたい政党がない」という気分をくんで「卒原発」を旗印に結党したセンスはなかなかのもの。風の行方を読もうと右往左 往する政治模様も興味深い。
     もうひとつは、嘉田さんの地元・琵琶湖に吹く本物の風。マキタ、キタ、マニシ、ニシビアラシ。「ここの漁師さんは昔から風に名前を付けている」。大飯原発の再稼働が論争になった5月、環境社会学者でもある嘉田さんから聞いた話だ。
     琵琶湖の北西、福井県・若狭湾には原発14基が建ち並ぶ。ここで事故が起きれば、風に乗って琵琶湖に被 害が及ぶ。福島の事故を思えば、放射性物質の飛散に備えないわけにいかない。ところが国は拡散予測のために必要な情報を出してくれない。嘉田さんは業を煮 やし、県独自で計算したという。これも身近な風に注目してきたからこそだろうか。
     事故に備える防災重点地域は拡大が決まり、今、原子力規制委員会が広範囲の拡散予測地図を公表してい る。データを出してくれなかったころよりましだが、問題は、ミスが続き、修正が繰り返されていること。ヨウ素剤を飲むタイミングなどの参考情報も公表する というが、「国の計算は信じられない」となれば、地域の防災計画作りには役立たない。
     考えてみれば、原発事故が再び起きた時、住民に寄り添えるのは国より地元。住民を守る真剣さも自治体が勝るような気がする。とすれば、風を読む力は地元にこそ。国には徹底して基本情報を公開してもらい、自治体が活用できるようにするのも一つの手かもしれない。(論説室)

    発信箱:風を読む力=青野由利

    毎日新聞 2012年11月30日 東京朝刊
     嘉田由紀子・滋賀県知事の新党結成に、二つの風を感じた。ひとつは行き詰まり感のあった政界に吹き込む 風。背景はいろいろだとしても、「選びたい政党がない」という気分をくんで「卒原発」を旗印に結党したセンスはなかなかのもの。風の行方を読もうと右往左 往する政治模様も興味深い。
     もうひとつは、嘉田さんの地元・琵琶湖に吹く本物の風。マキタ、キタ、マニシ、ニシビアラシ。「ここの漁師さんは昔から風に名前を付けている」。大飯原発の再稼働が論争になった5月、環境社会学者でもある嘉田さんから聞いた話だ。
     琵琶湖の北西、福井県・若狭湾には原発14基が建ち並ぶ。ここで事故が起きれば、風に乗って琵琶湖に被 害が及ぶ。福島の事故を思えば、放射性物質の飛散に備えないわけにいかない。ところが国は拡散予測のために必要な情報を出してくれない。嘉田さんは業を煮 やし、県独自で計算したという。これも身近な風に注目してきたからこそだろうか。
     事故に備える防災重点地域は拡大が決まり、今、原子力規制委員会が広範囲の拡散予測地図を公表してい る。データを出してくれなかったころよりましだが、問題は、ミスが続き、修正が繰り返されていること。ヨウ素剤を飲むタイミングなどの参考情報も公表する というが、「国の計算は信じられない」となれば、地域の防災計画作りには役立たない。
     考えてみれば、原発事故が再び起きた時、住民に寄り添えるのは国より地元。住民を守る真剣さも自治体が勝るような気がする。とすれば、風を読む力は地元にこそ。国には徹底して基本情報を公開してもらい、自治体が活用できるようにするのも一つの手かもしれない。(論説室)

    都知事選がついに告示 “豪華応援団”に猪瀬氏かすんだ!?

    東京都知事選が告示 猪瀬氏と応援者
    東京都知事選が告示 猪瀬氏と応援者
    Photo By 共同 
     石原慎太郎氏(80)の辞職に伴う東京都知事選は29日告示され、無所属で元神奈川県知事の松沢成文氏(54)、無所属で前副知事の猪瀬直樹氏 (66)=公明、維新支持=ら新人9人が届け出た。投開票は衆院選と同じ12月16日。都知事選が衆院選と重なるのは初めて。

     争点は、約13年半続いた石原都政の評価や原発・エネルギー政策など。届け出後、猪瀬氏はJR新宿駅前で街頭演説し「東京を安全、安心な都市にする」と 決意表明。日本維新の会の代表となった石原氏と橋下徹大阪市長のほか、自民党の石原伸晃前幹事長らがそろい踏みし、「圧勝させてください」と支援を訴え た。ただ、聴衆からは「応援は豪華だけど猪瀬氏が一番地味でかすんでいた」との声も漏れた。

     松沢氏は県知事の経験を語り「今度は世界一の大都市、東京のマネジメントを任せてもらいたい」と力説した。
    [ 2012年11月30日 06:00

    事故調提言反映か 有識者会議で検証へ
    11月30日 5時56分

    事故調提言反映か 有識者会議で検証へ
    東京電力福島第一原子力発電所の事故で、国会や政府の事故調査委員会が“事業者のとりこ”などと批判し抜本的な改善を求めた、原発の安全規制や防災態勢などがどう変わったかを検証する政府の有識者会議が、来月設置されることになりました。
    福島第一原発の事故を検証した国会や政府の事故調査委員会は、ことし7月にまとめた最終報告で、原 子力安全・保安院などが本来の役割を果たせず、“事業者のとりこ”になっていたなどと批判し、独立性が高く専門性を持った規制組織にすることや、政府の危 機管理態勢を見直すことなどを提言しました。
    これを受けて政府は、原子力の専門家や原子力に慎重な意見を持つ有識者などによる会議を作り、提言が各省庁などでどのように反映されているか検証することを決めました。
    会議のメンバーには、政府、国会、民間の各事故調の委員長が全員入り、民間事故調の委員長の北澤宏一さんが座長を務める予定です。有識者会議では、来年3月までに5回程度会合を開き、安全規制や防災態勢などについて検証結果を取りまとめるとしています。

    四電、料金値上げ表明/10%前後、年明け申請へ

    2012/11/30 09:42

    電気料金の値上げを発表する千葉社長=香川県高松市丸の内、四国電力本店
    電気料金の値上げを発表する千葉社長=香川県高松市丸の内、四国電力本店
    四国電力の千葉昭社長は29日の定例会見で、電気料金の値上げを表明した。伊方原発(愛媛県伊方町)の全面停 止で火力発電所の燃料費負担が増大し、収支が悪化しているためで、国の認可が必要な家庭向けのほか、認可のいらない企業向けも対象。年明けにも国に申請 し、値上げの実施は来春以降になる見通し。値上げ幅は平均10%前後を軸に検討が進みそうだ。認可が必要な本格値上げとなれば、第2次石油危機時の 1980年以来、33年ぶりとなる。

     四電の2012年9月中間決算は、火力発電所の燃料費が600億円余分にかかり、150億円の最終赤字に転落。原発が稼働できないままでは1日4~5億円の燃料費負担が発生し、13年3月期決算は経常ベースで800億円程度の赤字になる見込み。

     こうした厳しい経営環境を踏まえ、千葉社長は「値上げ回避には年明けの早い段階で原発が稼働するしかない」としていたが、原発再開の見通しは立たず、経営効率化を進めても、収支改善には値上げが避けられないと判断した。

     値上げ幅について、千葉社長は「現時点では感触は持っていない」としながらも、関西電力が家庭向けを平均11・88%、九州電力が8・51%、それぞれ値上げ申請したことに触れ、「似通ったものになる可能性がある」と述べた。

     実施時期は「これから検討する」とする一方、申請時期については「年明け後になるだろう」との見通しを示した。通常、国は申請後4カ月程度をかけて妥当性を検討するため、値上げは早くても来春以降になる見込み。企業向けも家庭向けと同時期に行う。

     四電は本年度、100億円の投資抑制と150億円の経費削減を目指しており、値上げに際しては、さらに人件費にも切り込んで一層のコスト圧縮を図る。千葉社長は「合理化策がまとまった段階で全体像を示す」とし、リストラ策の提示で理解を求める考えを強調した。

    第三極の政策 公約の信頼高める努力を

    2012年11月30日 10:41 カテゴリー:コラム > 社説
     民主、自民の二大政党に対抗する「第三極」勢力の合従連衡が大詰めを迎え、衆院選に向けた基本政策や政権公約も明らかになってきた。
     滋賀県の嘉田由紀子知事が代表となって「卒原発」を旗印とする新党「日本未来の党」を結成した。石原慎太郎代表と大阪市長の橋下徹代表代行が率いる日本維新の会は衆院選公約を発表した。
     両党とも第三極の中核と位置づけられる新党である。有権者の関心も高い。既成政党とはどこがどう違うのか。また、その政策が「絵に描いた餅」になる懸念はないのか。公約の信頼性を高める工夫と努力をあらためて求めたい。
     日本未来の党は「国民の生活が第一」と「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」が合流し、「みどりの風」の前衆院議員が参加した。いずれも脱原発を掲げた政党だ。
     日本未来の党がまとめた政権公約の要綱案によると、エネルギー政策では「直面する課題に責任ある対応をし、全ての原発が確実に廃炉となる『卒原発』を目指す」と明記した。
      手本はドイツだという。ただ、原発全廃を目指して太陽光など再生可能エネルギーの普及に力を入れた結果、ドイツでは電気料金が値上がりしている。またドイ ツでは電力が不足すれば、隣国から電力供給を受けることも可能だが、日本はそうはいかない。こんな課題をどう克服するのか、具体的に提示してほしい。
      中学卒業までの子どもに年間31万2千円の手当を支給し、一部を「子育て応援券」として家庭に配布する政策も掲げた。民主党が前回衆院選の政権公約で掲げ た「子ども手当」をほぼ踏襲した内容だ。国民は失敗を目の当たりにしただけに、明確な財源の裏付けがない限り説得力を持たせるのは難しいのではないか。
     一方、日本維新の会は「脱原発依存体制の構築」を公約に盛り込んだ。既存の原発は「2030年代までにフェードアウトする(消えていく)」としている。
     橋下代表代行はかつて「原発30年ゼロ」と公言したが、合流した旧太陽の党との合意文書では「脱原発」の文字が消えた。今度は事実上の復活である。日本未来の党の結成を受け練り直したとすれば、右往左往した印象は否めない。
     また、消費税を地方税化し、税率を11%に引き上げるとした。このうち、6%は自治体間の財政調整のために創設する「地方共有税」としている。
     エネルギー政策も税財政問題も具体的な道筋を示す工程表が知りたいところだが、橋下氏は「政治家は方向性を決めて官僚に指示するのが仕事だ」と語った。
     突然の衆院解散・総選挙で新党グループにとって準備の時間が足りないのは分かる。とはいえ、政治理念を具体化する政策とそれを集大成した公約こそ、有権者の判断材料だ。既成政党との政策論争を活発にするためにも、もっと踏み込んだ判断と見解を示してもらいたい。
    =2012/11/30付 西日本新聞朝刊=

    東京・冬の陣:’12知事選 告示 焦点の5候補、第一声(その1) 都政、誰に託す /東京

    毎日新聞 2012年11月30日 地方版
     初めて衆院選との「ダブル選」になった知事選(12月16日投開票)が29日、告示された。都庁で立候 補を届け出た焦点の5候補は、さっそく繁華街などへと繰り出し、辞職した石原慎太郎前知事(80)への評価や原発問題に対するスタンス、それぞれの独自政 策などについて熱く語った。28日現在の有権者数は約1076万人。

     ◇東京から脱原発を−−宇都宮健児氏

    石原都政13年7カ月を評価すると、都民に冷たい都政だった。変えなきゃいけない。
     首都東京から脱原発を推進し、原発のない社会を作りたい。東京は東京電力福島第1原発で発生させた電力の最大の消費地であり、事故を起こした東電の大株主。都は、原発事故の被害者を最大限支援する責任がある。
     都は47都道府県でも特に貧困と格差が広がっている。都の余裕ある財政であれば、もっともっと福祉に力を入れることができる。誰もが人間らしく、自分らしく生きられる東京を作りたい。
     また、子どもたちが生き生きと学び、いじめのない学校を作りたい。そのために教育現場に自由を取り戻す。憲法は守り、平和な首都東京を作り上げる。
     新銀行東京や尖閣諸島購入計画など「上から目線」で思いつき的な政策を押しつけるのではなく、都民と共に政策を練り、課題を解決する。それが本当の民主主義で、リーダーシップだ。=午前10時40分、有楽町駅前で

     ◇国に言うこと言う−−猪瀬直樹氏

    今、皆さんが見ている風景。デパート、高層ビルがある。もし大きな地震があったらどうするか。「民間企 業も72時間の備蓄をしよう」と帰宅困難者条例を作った。1000人働いているなら、1100人分の備蓄をするのが大切。道を歩いている人も自分のビルに 避難させ、水や毛布を差し上げる。助け合う東京を作りたい。
     東京は韓国ぐらいのGDP(国内総生産)や予算を持っている。総理大臣は毎年代わるが、東京が日本の持 続可能性を確保していかねばならない。縦割りの官僚機構は復興予算にもいちいちひも付きの理由をつける。それでは地方自治はできない。国に対して言うべき ことを常に言う。地下鉄一元化もそうだ。
     東京電力の改革をしながら、民間の資金を呼び込み、メガソーラーも含めて新しい電力を作っていかなければならない。歴史の知識と石原前知事の下で学んだ都政の方法論を生かしながら、東京を、日本を変える。=午前11時40分、新宿駅西口で

    ◇創造力で経済再興−−中松義郎氏

    私は他の候補の誰よりも創造力、新しいものを作り出す力を持っている。前知事の(路線の)継続をする発展性のない他の候補に対して、私は全く新しい東京を作る。今、東京も国も経済が落ち込んでいる。他の候補は従来と同じ。私は新しい産業を興し、新しい雇用も生み出す。
     五輪招致は、外国に尊敬される人が知事にならなければできない。これまでは無駄なお金を使った。私のよ うに外国人から尊敬される人が知事になって、初めて東京に五輪が来る。また、原発事故に伴う除染作業は、現在のやり方では費用ばかりかかる。これも私が 持っている創造力、発明力で解決できる。
     国際力、創造力を兼ね備え、「外国に対して決して負けない」という愛国心を持ち合わせている人が知事に 最適だ。いかに日本を良くするかを考えているのは私のみ。私に投票していただくことで、東京が良くなり、日本が良くなり、皆様が良くなる。=午前10時 半、渋谷・ハチ公前で
    ==============

     ◇知事選立候補者(届け出順)

    マック赤坂(まっくあかさか)  64 諸 新
     スマイル党総裁▽スマイルセラピー協会会長[歴]伊藤忠商事社員▽貿易会社社長▽京大
    椙杜徳馬(すぎのもり・とくま) 46 諸 新
     歌手▽幸福実現党青年局長[歴]トヨタ社員▽青学大
    松沢成文(まつざわ・しげふみ) 54 無 新
     [元]神奈川県知事▽筑波大学客員教授▽スモークフリージャパン代表理事▽首都圏政策研究所代表理事[歴]神奈川県議▽衆院議員▽慶大
    笹川尭(ささがわ・たかし)   77 諸 新
     [元]科学技術担当相▽都民のくらしを守る会代表▽献血供給事業団会長▽全日本空手道連盟会長▽マリンスポーツ財団会長[歴]衆院議員▽自民党総務会長▽明大中退
    宇都宮健児(うつのみや・けんじ)66 無 新
     弁護士▽反貧困ネットワーク代表▽オウム真理教犯罪被害者支援機構理事長[歴]東京弁護士会副会長・日本弁護士連合会会長▽東大中退=[未][共][社][ネ]
    猪瀬直樹(いのせ・なおき)   66 無 新
     作家▽[元]都副知事[歴]政府税制調査会委員・行政改革断行評議会委員・道路公団民営化推進委員会委員▽明大院=[自][公][維]
    中松義郎(なかまつ・よしろう) 84 無 新
     発明家▽国際創造学者▽日本ビジネスインテリジェンス協会名誉顧問[歴]三井物産社員▽日本ペンクラブ国際委員▽東大
    吉田重信(よしだ・しげのぶ)  76 無 新
     [元]ネパール大使▽日中関係問題研究所所長[歴]外務省国際交流部長▽上海総領事・バンクーバー総領事・ブルネイ大使▽東大
    五十嵐政一(いがらし・まさいち)81 無 新
     コンサルタント会社社長▽観光会社社長▽セリーマレーシア協会副理事長▽県立福井工業学校
    ……………………………………………………

     ◇一覧の見方◇

    ▽氏名(原則実名だが一部通称)▽年齢(投票日現在)▽党派(諸=諸派、無=無所属)▽現元新の別▽職 業・肩書、[歴]以下は経歴と学歴▽=以下は推薦、支持。[自]=自民、[未]=未来、[公]=公明、[維]=維新、[共]=共産、[社]=社民、 [ネ]=生活者ネットワーク
    〔都内版〕

    東北電「活断層でない」と報告 東通の地層ずれで


     報道陣に公開された、東北電力東通原発敷地内の地層のずれを調査した現場=29日午後、青森県東通村
     東北電力は29日、国の指示で調査中の東通原発(青森県東通村)敷地内の地層のずれについて「活断層ではない」とする中間報告を原子力規制委員会に提出した。
     東北電はこの日、調査現場を公開し活動性が議論になっている2カ所について「岩盤の劣化部分が地下水を吸って膨 張し、上の砂利の層をずらした」との見解を説明。ボーリング調査では、ずれは地下10メートル前後の表層部で途切れており「地下数キロまでつながる、地震 を起こすような断層とは違う」と主張した。
     ただ東北電によると「膨張で説明できる事例が全国的にはほとんどない」といい、規制委内には膨張説を疑問視する見方がある。
    2012/11/29 21:39   【共同通信

    安全確保を東電社長に指示 原発トラブルで規制委


     原子力規制庁を訪れ、池田克彦長官(右端)に説明する東京電力の広瀬直己社長(左端)=29日夕、東京都港区
     原子力規制委員会(田中俊一委員長)は29日、東京電力福島第1原発事故前から東電の原発でトラブルが相次いでいることについて、東電の広瀬直己社長に対し、安全確保には経営陣が深く関与するよう指示した。
     規制委事務局の原子力規制庁の池田克彦長官が同日夕、規制庁で広瀬社長に「現場で起きた問題点は経営層に確実に情報が上がることが重要。経営陣も参画した意思決定が必要だ」と指摘。2002年に発覚した東電のトラブル隠し以降の対応状況などを聴取した。
     広瀬社長は「原子力の安全は最重要の経営課題と認識し、積極的に取り組む」と述べた上で約30分にわたり説明。
    2012/11/29 21:01   【共同通信

    福島知事、調査受け入れ 中間貯蔵施設「建設は別問題」


     福島県の佐藤雄平知事は28日、福島第1原発事故の除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設の立地調査を受け入れると表明した。調査候補地の同県双葉郡の町村長との協議で明らかにし、町村長も事実上同意した。

     候補地は同県大熊町(9カ所)、双葉町(2カ所)、楢葉町(1カ所)の計12カ所。佐藤知事は協議後、「中間貯蔵施設は除染に重要。政府から施設の安全性証明には調査が必要との説明があり、苦渋の決断をした」と述べた。
     受け入れ条件として(1)調査と施設建設は別問題で建設を受け入れたわけでない(2)政府は候補地3町に丁寧に説明する(2)政府は調査状況を適時報告する-ことを挙げた。
     調査開始時期は未定。環境省の説明では、期間は約3カ月間で現地踏査、ボーリング、線量測定、交通量調査などを実施する。
     環境省は9月以降、県と双葉郡の町村に候補地の選定理由、調査概要を個別に説明した。施設の基本構造や地震、津波に対する安全性、放射線の安全性に関する調査業務を既に発注している。
     知事と町村長の協議は福島市であり、7町村長が出席したが、候補地3町の中で双葉町の井戸川克隆町長が欠席した。佐藤知事によると、20日に井戸川町長と会談して意見を聴いたという。佐藤知事は「欠席は残念だ」と述べた。
     大熊町の渡辺利綱町長は「安全確保について国から踏み込んだ説明が欲しい。町内に賛否両論あるので丁寧な説明を求める」と話した。
     長浜博行環境相は「施設の設置主体として安全性や今後の進め方を地元に説明する責任を果たす。早く調査できるよう努力する」と語った。
     中間貯蔵施設は昨年8月、政府が県に立地を要請した。計画では2015年1月に廃棄物の搬入を始める。最終処分は30年以内に福島県外で実施する方針で、実効性を確保するため法制化する。

    2012年11月29日木曜日

    福島県いわき市 水産物も「見える化」 水揚げごと検査 安全性訴え

    2012.11.30 07:39 (1/3ページ)
    放射性物質検査のため、つみれ状にしたサンマを袋に詰める福島県漁協の職員。1検査につき約20匹のサンマをさばく必要があり、検査には約2時間かかる=福島県いわき市の小名浜魚市場(平沢裕子撮影)
    放射性物質検査のため、つみれ状にしたサンマを袋に詰める福島県漁協の職員。1検査につき約20匹のサンマをさばく必要があり、検査には約2時間かかる=福島県いわき市の小名浜魚市場(平沢裕子撮影)
     日本有数のカツオ・サンマの水揚げ地、福島県いわき市の小名浜港。東京電力福島第1原発事故による放射性物質(放射能)汚染への懸念から、同港に 水揚げされた水産物は安く買いたたかれ、消費者からも敬遠される状況が続いているという。これを打開しようと、同市は今月から水産物の「見える化」に向け た取り組みを開始。徹底した情報公開で市場に出回っている水産物の安全性を訴えている。(平沢裕子)
    遠い海域で漁獲
    原発事故後、福島県漁業協同組合連合会(いわき市)は福島県沖の沿岸域での操業自粛を決定。現在もいわき市沿岸では商業漁業は行われていない。このため、小名浜港に揚がるサンマやカツオは北海道沖などいわき市から遠く離れた海域で取れたものだ。
      同市内に水揚げされた魚は、漁船ごと・魚種ごとにNaIシンチレーション検出器で、放射性物質の簡易検査を実施。国が決めた基準値は1キロ当たり100ベ クレルだが、半分の同50ベクレルを超えた場合はゲルマニウム半導体で精密検査。結果が出るまで出荷を止め、基準値を超えた水産物は流通させない体制を整 えている。しかし、水揚げ地がいわき市ということで、市場や消費者から敬遠される状態がいまだに続いているという。
     同漁協の野崎哲会長は「検査でND(検出下限値、同10ベクレル以下)と説明しても、市場では『小名浜で揚がったものはだめ』と、上場(じょうば) (競りにかけられること)に上げてもらえなかったこともあった。本当は(ステータスである)築地市場に出せる高品質の魚も今は見送っている状況だ」と打ち 明ける。
     小名浜水産加工業協同組合の小野利仁組合長も「特に東京と福島県内の消費者に根強い不安があるようで、震災前は100円で売れたものが50~60円でしか売れない。それでも商品を出し続けないとお客さんがいなくなってしまう」。
    特設サイト開設
    いわき市は昨年10月、「見える化プロジェクト」を立ち上げ、市内で収穫された農産物の放射性物質検査や除染の取り組みなどの情報を広く発信してきた。今 月からは水産物にも拡大、特設Webサイトを開設し、放射性物質の検査方法や検査結果、出荷制限などの情報を随時発信。首都圏などでのPRイベントにも力 を入れている。
     同プロジェクトの一環として先月、市役所に開設した「見せる課」の西丸(さいまる)巧課長は「福島県以外の港では週1回の モニタリング検査なのに対し、小名浜に揚がった魚は漁船1隻につき1回の水揚げごとに検査をし、基準値を超えたものが市場に出回らないよう万全の体制を 取っている。このことを知らない流通関係者や消費者も多い。情報をきめ細かく発信することで、安全・安心につなげたい」と話している。
    カツオなど回遊魚 基準値超の放射性セシウム検出されず
    魚の放射性セシウムは、エサや海水から取り込まれることが分かっている。
     原発事故で海洋に直接流入した放射性セシウムは、現在は拡散して低濃度になっており、主にプランクトンをえさとするアジやサバ、イワシ、カツオなどの回遊魚では基準値を超える放射性セシウムは検出されていない。
     一方、海底近くにすみ海底生物をえさとするカレイやヒラメは、漁獲場所によっては基準値を超え、出荷制限となっているものもある。
     東京海洋大学海洋科学部の石丸隆教授は「水産物の放射性セシウムの汚染を心配する人は多いが、食品にはもともと放射性カリウムを含むものも多い。検出されるセシウムはカリウムに比べて少ないものがほとんどで、心配には及ばない」と話している。

    記者の目:原発とメディア=日下部聡(東京社会部)

    毎日新聞 2012年11月30日 東京朝刊

     ◇問われる原点「誰のために報道」

    連載「この国と原発 第4部 抜け出せない構図」で今年1月、「政官業学結ぶ原子力マネー」を特集した ところ、読者から「メディアが抜けている」との指摘を少なからずいただいた。2月に毎日新聞労働組合などの主催で開かれたシンポジウム「メディアは何を伝 えたか〜検証・原発事故報道」でも、河野太郎衆院議員がこう語った。
     「(東京電力福島第1原発)事故以前、マスコミは完全に原子力ムラのスポークスマンだったと思う。(中略)電力会社からの広告宣伝費は汚れている金だという認識はあったと思う。その汚れたお金にみんな手を伸ばした」
     実際はどうだったのか。当事者として事実とデータに基づいて検証し、読者の疑問に答えなければならない のではないか。そう考えて、毎日新聞を中心に事故前までのメディアと原発の関係を検証した同連載第7部「メディアの葛藤」(10月22日〜11月4日、毎 日jpにアーカイブを収録)を同僚と担当した。
     内部にいるからといって、記者は全てを知っているわけではない。通常の取材と同じように関係者から話を 聞き、資料を収集する作業を重ねた。メディアは原発関連の広告宣伝も請け負い、原子力に肯定的な報道もあったことが分かった。だが、「原子力ムラのスポー クスマン」でもなかった。現実は常に複雑で微妙なものだと思う。

     ◇同じ媒体でも賛否異なり

    毎日新聞では70年代、原発推進広告を初めて掲載しようとした時期に、原発に詳しい記者が上司から原発推進の特集記事の執筆を依頼されていた。民放はCMだけでなく、政府丸抱えの原発推進番組も流していた。
     しかし、その同じ媒体で、原発の危険性や原子力政策の問題点を指摘する記事や番組も発信されていた。
     記者や編集者は一糸乱れず会社に従って動いているわけではない。子細に見れば報道内容はモザイク模様だ。
     原発推進派とみなされてきた読売新聞にも、72年12月18日朝刊に「どうしても不安−−原発乱造」と いう10段の大きな記事が載っている。政府の原発増設政策に疑問を呈し「原子力発電所は、それ自体、放射能制御技術の巨大な実験室であり、そこでの失敗 は、地球的規模の汚染と、子々孫々まで取り返しのつかぬ悪影響を生む可能性をはらんでいる」と書かれている。
    問題は、こうした問題提起型の報道がいずれも散発的で、福島の大惨事を防ぐ力にならなかったことだ。連載で評論家の武田徹氏が指摘したように、メディアには「不作為の責任」があると思う。  大きな要因の一つは、報道現場にいる者の無関心だったと考えている。私自身、福島の事故前は原発の実態 にほとんど関心を寄せてこなかった。「難しそうだ」と、敬遠していたといってもいい。反省しなければならない。一部の熱心な記者やディレクターが地道に追 い続けていた、というのが実情だった。
     09年の政府世論調査では8割が原発を容認していた。メディアもこうした空気と無縁ではなかったと思う。「『原発もの』は視聴率が取れなかった。他にニュースがあると外されやすかった」と複数の民放幹部が振り返った。
     90年代から原発の問題点を指摘する記事を書いてきた大島秀利・毎日新聞大阪本社編集委員は連載で「自己規制こそ最大の敵と自戒している」と語った。裏を返せば、報道する側は常にその誘惑にさらされているということだ。

     ◇無意識のうちに同一思考の危険

    原発報道に限ったことではない。他メディアが同調しない中で問題提起型の報道をするのは相応のエネルギーがいる。取材相手との関係悪化というリスクを背負うからだ。気を緩めれば、安易な道を選びたくなる。私のささやかな経験からもうなずける話だ。
     もう一つは、無意識のうちに取材先と同じ思考に染まってしまう可能性だ。
     連載で毎日新聞東京経済部の三沢耕平記者は、東電を担当した時期を振り返って「限られた相手との狭い取材環境の中で、原発は安全だと思い込んでいた。価値観の違う世界と、つながりを持つことが必要だと痛感した」と語った。本質的な指摘だと思う。
     メディアが奉仕しなければならないのは読者や視聴者だ。しかし、ともすれば目の前の相手との関係にばかり目が行き、読者・視聴者を置き去りにしてきた面はなかっただろうか。
     惨事を防げなかった原発報道は「誰のために報道しているのか」という原点を、私たちに鋭く問いかけている。
    ==============
     ご意見をお寄せください。〒100−8051毎日新聞「記者の目」係/kishanome@mainichi.co.jp

    クローズアップ2012:維新公約、鈍る切れ味 合流優先のツケ

    毎日新聞 2012年11月30日 東京朝刊
     日本維新の会(石原慎太郎代表)が29日発表した衆院選公約「骨太2013−2016」は、焦点のエネ ルギー政策で、「原発ゼロ」について「結果としてフェードアウト(消滅)する」とするなどあいまいさが目立つ内容になった。政策の異なる旧太陽の党との合 流が影を落とし、党綱領の維新八策からの後退感は否めない。政策の切れ味は鈍り、既成政党との違いも見えにくくなった。

     ◇脱原発、あいまい表現 TPP参加、条件付き

    「2030年代ゼロというのはまだ僕は気持ちとしては捨ててない。でもプランができていない。実行できるかが問題だ」
     維新の橋下徹代表代行は東京都内であった記者会見で、脱原発の「30年代ゼロ」目標について繰り返し言及し、いらだちを見せた。
     念頭にあるのは脱原発を掲げて結党した日本未来の党だ。代表の嘉田由紀子・滋賀県知事は、維新を原発政 策が後退したと批判して、争点化を狙っており、意識せざるを得ない。橋下氏は嘉田氏の「10年後の全原発廃炉」方針を「言うだけでやれなければ今まで(の 民主党政権)と同じになる」と攻撃。あげくには「原発政策で政党間の違いなんか全然ない。自民党も民主党も言ってることは皆同じ」とまで言い切り、争点に はならないと主張した。
     しかし、そもそも「30年代ゼロ」の年限目標にこだわっていたのは橋下氏自身だ。10月24日には「30年代ゼロの方向性を目指すべきだ」と宣言。同26日には「脱原発のメカニズムだけでは、ずっと原発が続くこともある」と述べ、目標年限の必要性も強調していた。
     だが、旧太陽との合流の際に合意した基本政策では「脱原発依存」の表現さえ抜け落ち、みんなの党の渡辺 喜美代表からも「脱原発を捨てた」と批判を受けた。危機感を抱いた浅田均政調会長は今月22日、旧太陽の片山虎之助参院議員に目標年限の復活を打診した が、片山氏は「決めうちする言葉は書くべきではない」と拒否した。
     未来の副代表は、もともと橋下氏の原発政策のブレーンだった飯田哲也・環境エネルギー政策研究所長だ。それだけに未来から脱原発で攻撃されるのは痛い。一方で内部には石原氏ら原発推進の旧太陽系を抱える。
     最終的に「脱原発依存」は復活したが、年限は骨太に付属する「政策実例」に「結果として30年代に フェードアウト(消滅)する」と書き込む玉虫色の決着になった。維新の原発政策は迷走の度合いを深めており、選挙対策を重視して政策より合流を優先した 「野合」のしっぺ返しを受けている。
     渡辺氏は29日、維新の原発政策について「(旧太陽の母体となった)旧たちあがれ日本系に配慮したからか、あいまいな表現が散見される」とするコメントを発表した。
     政策の変遷は脱原発だけではない。維新八策では参加を明記した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)は、「国益に反する場合は反対」という条件がつくまでに後退した。衆院定数の半減方針も「議員定数3割から5割削減」と変わった。【高山祐、林由紀子】

     ◇強い保守色、成長重視路線 自民との違い薄れる

    骨太は冒頭で「前例と既得権益にしばられない大改革(グレートリセット)」を掲げ、既存政党との違いを アピールした。ただ、原発政策やTPPでは民主、自民両党との違いは薄れた。「二枚看板」の石原、橋下両氏の行政経験がアピールしやすい地方分権や統治機 構改革を強調する内容だ。
     「小さい細々した話をしても仕方がない。要するに、この硬直した中央官僚の支配を壊すんだ」。石原氏は29日の記者会見で冒頭から「中央集権打破」の必要性をまくしたてた。
     その象徴が、消費税の地方税化と、地方交付税に代わる新たな財政調整制度となる地方共有税の創設だ。公務員制度改革についても「東京都政、大阪府政、市政でやったことを国でもやる」と2人の実績をアピールした。
     外交・安全保障では石原氏の意向を反映し自主憲法制定のほか、領土・領海の実効支配力強化、集団的自衛権の行使など保守色の強い政策が並んだ。ただ、自民党も国防軍や、集団的自衛権の行使などを政権公約に盛り込んでおり、差異は見えにくくなっている。
     経済財政政策でも、日銀法改正や「名目成長率3%以上」に言及した点は自民党と同じ。「財政金融一体の経済政策」による成長重視路線も自民党に近い。TPPも自民党の「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対」と大差なくなった。
     違いが見えにくくなったのは、年限や数値目標など具体的な手順をほとんど盛り込まなかったことも原因だ。橋下氏は会見で「政治家は大きな方向性を示す。行程表を作るのが仕事ではない」と強調したが、あいまいさを残すことで、選挙後の他党との連携の幅を広げる狙いもある。
     石原氏周辺は衆院選後をにらんで「自民党との関係を絶つわけにはいかない」と話す。一方で維新内には選挙後はみんなの党との連携を探る動きもある。選挙結果次第で立ち位置を探りたい維新の現状が反映しているが、路線対立の火種となる可能性もある。【坂口裕彦、田所柳子】

    都知事選:告示 原発政策、アピール合戦 「新銀行」「五輪」で温度差

    毎日新聞 2012年11月30日 東京朝刊
     29日に告示された東京都知事選は9人が立候補を届け出て、12月16日の投開票に向けた舌戦がスター トした。今回の都知事選は任期途中での「都政投げ出し」と、衆院選(4日公示)とのダブル選という初めての事態が重なる。有権者は五輪招致や新銀行東京な どの都政課題と、めまぐるしく離合集散する政党間で二分化しつつある原発政策など国政課題の両軸で「首都の顔」を選ぶことになる。【加藤隆寛、佐々木洋】
     告示後の「第一声」で、政党の支援を受ける前日本弁護士連合会会長、宇都宮健児氏(66)と前副知事、猪瀬直樹氏(66)の両陣営は、さながら原発政策を巡る各党のアピール合戦の様相を呈した。
     「国民の声が政治に反映できるよう、私たちは『脱原発戦線』を取る」。午前10時50分、有楽町駅前。嘉田由紀子・滋賀県知事が結成した「日本未来の党」に合流した東祥三前衆院議員は、宇都宮氏の応援に立った選挙カーの上で語気を強めた。
     東氏は小沢一郎氏が率いていた「国民の生活が第一」の幹事長。陣営には▽民主党の菅直人前首相▽共産党の志位和夫委員長▽社民党の福島瑞穂党首−−らが顔をそろえ、国政では見られない「共闘」をPRした。
     その10分後、新宿駅西口に日本維新の会代表の石原慎太郎前都知事と代表代行の橋下徹大阪市長が猪瀬氏 の応援に登場した。橋下氏は「口ばっかりじゃ変わらない。実行するのはしんどい」と、他陣営をけん制。猪瀬氏が原発の是非は語らず東京電力改革の実績を強 調すると、自民党都連の石原伸晃会長、公明党都本部の高木陽介代表もマイクを握って猪瀬氏をたたえた。
     各政党がここ数日内に公表した選挙公約は「未来」結党の動きが一つの潮目となり、こぞって脱原発に言及 している。太陽の党との合流で脱原発の文言を一時外した維新も主張を復活させ、各党の違いは見えにくい。だが、都知事選で主要政党はくっきりと二分され た。前神奈川県知事、松沢成文(しげふみ)氏(54)の陣営はこうした動きについて「具体的な政策を示さない議論は不毛」と批判する。
     一方、都政課題に関しては猪瀬氏が石原都政継承、宇都宮氏と松沢氏、元自民党総務会長の笹川尭(たか し)氏(77)の3人が刷新を訴える。こうした構図は猪瀬氏が「継続」、3氏が「見直し」を掲げる新銀行東京の扱いで明らかだが、それ以外の政策はスタン スがまちまちだ。2020年五輪の招致は4氏の中で宇都宮氏だけが「場合によっては見直す」という慎重姿勢。沖縄・尖閣諸島の購入に向けた約15億円の寄 付金については▽海上保安庁に寄付(松沢氏)▽寄付者に聞いて適切に処理(笹川氏)▽寄付者に返すのが筋(宇都宮氏)▽条件付きの国への譲渡(猪瀬 氏)−−と全員の見解が異なる。有権者は、候補者の主張の中身を一つ一つ吟味することが求められる。

     ◇時代反映、政策変遷の都政

    無党派層が多い東京都は、これまで時代を反映した新知事を生んできた。過去6人は福祉などのソフト重視派と公共事業などのハード重視派が、振り子のように交互に登場した。
     戦後復興を託された安井誠一郎氏の後任として高度成長期に就任した東(あずま)龍太郎氏は、64年の東 京五輪に向けインフラ整備を促進。だが五輪後は大気汚染が深刻化し、革新系の経済学者、美濃部亮吉氏に交代。美濃部氏は公害条例制定や高齢者の公共交通費 無料化など福祉の充実を進めたが、財政赤字に転落し、元自治官僚の鈴木俊一氏にバトンが渡った。
     鈴木氏は手堅い行政運営で財政健全化を果たしたものの、バブル景気に入ると都庁舎などのハコモノ建設が急増し、財政赤字に。後任に元参院議員の青島幸男氏が就き、世界都市博の中止を決断した。
     99年に初当選した石原氏は、ハコモノを抑える一方で羽田空港国際化や環状道路整備に取り組み、自動車 排ガス規制などの独自政策も展開。在任中の約13年半で都の基金残高は10倍近い約8400億円に増えたが、生活保護世帯数は約22万世帯と倍増、完全失 業者数や保育所の待機児童数は減らせなかった。高齢化も進み、65歳以上人口は1・4倍の約263万人に達する。
     中央大学の佐々木信夫教授(行政学)は今回の都知事選について「石原都政は後半、五輪招致や尖閣諸島購 入など国家レベルの政策に軸足が移った。地方自治体が本来やるべき福祉、教育、少子化対策など、都民に身近な政策にどう取り組むかが問われるのでは」と話 している。【柳澤一男】
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     ◇都知事選立候補者(届け出順)

    マック赤坂          64 スマイル党総裁   諸新
    椙杜徳馬(すぎのもり・とくま)46 幸福実現党員    諸新
    松沢成文(しげふみ)     54 [元]神奈川県知事 無新
    笹川尭(たかし)       77 [元]科技担当相  諸新
    宇都宮健児          66 [元]日弁連会長  無新=[未][共][社]
    猪瀬直樹           66 [元]副知事    無新=[自][公][維]
    中松義郎           84 発明家       無新
    吉田重信           76 [元]ネパール大使 無新
    五十嵐政一          81 観光会社社長    無新
    …………………………………………
     【名鑑の見方】左から氏名(原則実名だが一部通称)▽年齢(投票日現在)▽職業・肩書▽公認政党▽現職・新人の別▽囲み文字は推薦・支持政党。[自]=自民、[未]=未来、[公]=公明、[維]=維新、[共]=共産、[社]=社民
    2012年11月29日 11時00分 更新

    みんなの党がアジェンダ 20年代に原発ゼロ


     みんなの党は28日、2012アジェンダを発表した。消費税増税凍結、デフレ脱却、経済復活、原発ゼロ、地域主権型道州制を大きな柱にしている。
     特に消費税増税の凍結をし、国会議員や官僚がまず身を切ることを公約にあげ、衆議院は議員数を300人までに180人減らし、参議院は242人を100人に142人減らす。あわせて国会議員の給与を3割、ボーナスを5割カットするとしている。
     議員自らの身を切る姿勢にあわせ、公務員と民間の格差是正へ公務員の給与・退職金・年金を民間レベルに引き下げる。
     原発は2020年代にゼロにする。そのため、発送電分離で新規参入しやすくし、市場原理が働くようにする。新規原発禁止と40年廃炉を行う。
    経済復活では名目4%以上の成長で10年で所得を5割アップさせる。低所得者層に給付つき税額控除を導入。生活保護制度の不備・悪用を解消。公務員の女性管理職の倍増。
     震災復興の加速へ、復興庁を霞ヶ関から被災地に移転し、決済権を持つ専任大臣を常駐。
     地域主権型道州制を新しい日本の形にするため、地方の自立に必要な人・財源・権限を地方自治体に移譲。外国人参政権には反対。
     外交では日米同盟を機軸に、国土・国民を守る。尖閣・竹島・北方領土問題は国際法に則して解決。
     財源については不要資産の売却、全国の約20万戸の公務員宿舎や独法が持つ国有資産を売却する。歳入庁を創設し、社会保障制度を改革するなどをあげた。
    2012年11月29日 11時00分 更新

    脱原発 政府方針が最も現実的と藤村官房長官



     藤村修官房長官は28日の記者会見で、脱原発の実現に向けて、政府・与党の方針は「政府として最も現実的な方法だと確信している」としたうえで「国として現実的なものを提示し、それを実現していくことが大切」とした。
    ロイター
    東京電力の福島第一原発
     政府は2030年代には原発稼動ゼロをめざし、あらゆる政策資源を総動員するとしている。
    民主党は27日発表したエネルギー政策で「原発ゼロで生まれ変わる日本」をあげ、原則として原発については40年運転制限を厳格に適用する。原発の新設・増設は行わない。原発再稼動は原子力安全規制委員会の安全確認を得たもののみとするとしている。
    2012年11月29日 11時00分 更新

    民主が公約 衆参で議員115人程度削減へ

    国内 最新ニュース

     民主党は衆議院選挙で の公約を発表した。エネルギー政策では「2030年代に原発稼動ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」とし「40年運転制限制度の厳格適 用」「原子力規制委員会が安全確認したもののみ再稼動する」「原発の新設・増設は行わない」ことを「原則」とした。「原則でなく、例外を認めない公約にし てほしかった」との声もある。
     一方、東電福島第一原発の廃炉などのため、原子力技術の継承、開発、人材確保と育成は国の責任で取り組み、そのための計画を今年度中に作成することも公約にあげた。
     公約は大震災からの復興を重点に、社会保障、経済、エネルギー、外交・安全保障、政治改革の5分野を柱に組み立てている。
     経済では2020年までに400万人以上の雇用の創出、外交・安全保障では日米同盟の深化、アジアとの共生をあげ、「専守防衛の原則の下、動的防衛力の強化、防衛大綱に基づき精強な防衛力を着実に整備する。主権は断固守る」などをあげた。
    政治改革では衆議院議員定数を75議席、参議院議員定数を40議席程度削減するとしたほか、現職国会議員引退時に3親等以内の親族がそのまま同一選挙区から立候補することを党の内規で今後も禁止する(世襲の禁止)などをあげた。企業・団体献金は禁止するとした。

    経済、原発で論戦へ=衆院選へきょう党首討論-日本記者クラブ【12衆院選】

    12月4日公示、16日投開票の衆院選を前に、各党党首による討論会が30日午後、東京・内幸町の日本記者クラブで開かれる。衆院選に向け、政権を争う 民主、自民両党に、既成政党と一線を画す「第三極」勢力が絡んで12党が乱立。経済対策や消費増税、原発を含むエネルギー政策、外交・安全保障など幅広い テーマで論戦が交わされる見通しだ。
     討論会には、野田佳彦首相(民主党代表)、自民党の安倍晋三総裁、日本未来の党の嘉田由紀子代表、公明党の山口那津男代表、日本維新の会の石原慎太郎代表、共産党の志位和夫委員長、みんなの党の渡辺喜美代表、社民党の福島瑞穂党首、国民新党の自見庄三郎代表、新党大地の鈴木宗男代表、新党改革の舛添要一代表が出席する。新党日本も衆院選に候補者を擁立する予定だが、田中康夫代表は出席しない。
     衆院選は民主党が政権交代を果たした2009年8月以来で、同党は初めて政権与党として国民の審判を受ける。約3年3カ月の政権運営に対する評価も論戦の対象となりそうだ。(2012/11/30-10:52)

    知事「卒原発」の持論展開

    ◇長浜で原子力防災シンポ
     日本未来の党代表の嘉田知事は29日、原子力防災をテーマとした県主催のシンポジウムに出席した。持論の「10年後の卒原発」に触れる場面もあり、参加者からは「県の行事が党のPRの場になった」との冷ややかな声も聞かれた。
     シンポは、今月16日の衆院解散の前から予定されており、日本原子力発電・敦賀原発(福井県敦賀市)から最短13キロに位置する長浜市で実施、約 130人が参加した。嘉田知事は、学識者や福島県からの避難者とともにパネリストを務め、原発リスクの情報共有などをテーマに意見交換した。
     新党の発足直後でもあり、会場からは「卒原発は実現できるのか」との質問も。コーディネーターが「原発の是非はテーマではない」と制したが、嘉田知事は「10年間で再生可能エネルギーなどのポイントをクリアし、原発から卒業したい」などと説明した。
     終了後、同市の主婦(66)は「知事の思いは理解できるが、党代表の立場で答えているように聞こえ、違和感があった。知事と党代表の両立は難しいのではないか」と疑問を投げかけた。
    (2012年11月30日  読売新聞)

    「考慮すべき活断層ない」 東通の追加調査

    東北電力は29日、国から再調査の必要性を指摘されていた東通原発敷地内にある複数の破砕帯(断層)の調査の状況を発表した。現時点では、「敷地内の断層は、耐震設計上考慮すべき活断層ではない」と判断しているという。
     東通原発の敷地内で主に問題になっているのは、断層近くの斜面1か所と小断層2か所。いずれも主要施設直下にはないが、同社は旧経済産業省原子力安全・保安院の意見聴取会で専門家の指摘を受け、7月から調査している。
     同社は、主要施設の南にのびる「F―3断層」近くの斜面について、活断層と関連があるかどうか調べた結果、関連はないとした。「s―19小断層」 はボーリング調査の結果、地層の亀裂は地下数十メートル程度で途切れ、深部に達していないことが判明。「s―14小断層」の調査で地層に変形が見つかった が、地下水で膨らんだ「膨潤」によるものだという。
     原子力規制委員会が12月13、14日に行う現地調査の事前会合で、同社が主張する「膨潤」に対し、一部専門家から「聞いたことがない」との指摘が上がっている。同社は規制委の現地調査などをふまえて来年3月に最終報告をまとめる。
    (2012年11月30日  読売新聞)

    汚染牧草の混合焼却 開始・・・遠野市




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    焼却炉の中で一般ゴミと混ぜられる汚染牧草(29日、遠野市綾織町の焼却施設で)
    遠野市は29日、放射性セシウムに汚染された約1500トンの牧草の焼却処理を始めた。牧草を1日1トンずつ一般ゴミに混ぜて燃やし、6年かけて 市内の最終処分場に埋める予定。本田敏秋市長は「市民の安全を確保するため、今後も厳重に管理し、検査データを公表して市民の理解を得たい」と話してい る。
     市は8月に試験焼却を実施。灰の放射性物質濃度が国の基準(1キロ・グラム当たり8000ベクレル)を大きく下回ったとして、本格的に焼却処理する方針を決めた。9月から畜産農家や焼却施設近くの住民らに説明を続け、セシウム濃度の測定や裁断する前処理施設も設置した。
     この日は、1キロ・グラム当たり238ベクレルのセシウムが検出された汚染牧草122キロ・グラムが同市綾織町の焼却施設に運び込まれ、地域の代表者らが見守る中、一般ゴミ用の焼却炉に投入された。
     作業に立ち会った区長の菊池仙さん(71)も、自宅の倉庫に牧草120束(1束約15キロ・グラム)の保管を強いられている。「当初は煙が(汚染されていないか)心配だったが、異常がないということでホッとした」と話した。
    (2012年11月30日  読売新聞)2012.11.30 05:00

    TPP交渉参加&脱原発 日本維新、公約正式発表

     日本維新の会は29日、衆院選公約「骨太2013-2016」を正式発表した。「賢く強く」がキーワードで、経済・財政、社会保障、国家システム、エネルギー供給、外交安全保障の5項目からなる。
    経済・財政では、デフレ対策として政府と日銀の間で物価安定目標に関するアコード(政策協定)の締結を提案するほか、TPP(環太平洋連携協定)交渉参加などをうたう。
     エネルギー政策は、脱原発依存体制の構築を掲げ、「結果として、原子力発電は2030年代までにフェードアウト」との見通しを示す。
     そのほか、集団的自衛権行使の容認、地方共有税の創設などによる中央集権打破、議員定数の最大5割削減などが盛り込まれている。
    (紙面から)

    東電、復興本社をJヴィレッジに 原発事故賠償手続きなど迅速化

    2012.11.30 05:00

     東京電力は29日、福島第1原発事故の賠償や除染作業を加速するため、来年1月1日に発足する「福島復興本社」を事 故収束作業の拠点になっている「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)に設置すると発表した。福島第1原発と同じ双葉郡内に置くことで、事故の被害者に 寄り添う姿勢を強調する狙いがある。
    復興本社では東京の本店などから増強する約500人と、県内の火力発電所などの人員も含め、2013年末までに4000人以上の体制となる。これまで本店で行っていた賠償の個別判断などを復興本社が担い、手続きを迅速化する。
     代表に就く石崎芳行副社長は同日、福島市内で会見し、「福島に根を下ろし全力を尽くす」と述べた。
     Jヴィレッジでは企画総務部門の約30人が勤務。賠償の相談や除染、現地の復興支援などは福島市内に本部を置き、いわき市、郡山市、会津若松市、南相馬市にも事務所を構える。
     Jヴィレッジは原発事故後、作業員の事務所や駐車場などとして利用している。ただ、数年以内に元のサッカーのトレーニングセンターとして返還する必要があり、その際は同じ双葉郡内に復興本社を移転する。

    原発巡りネット上で党首が論戦
    11月30日 5時2分

    原発巡りネット上で党首が論戦
    衆議院選挙を前に、10党の党首がインターネット上の番組の公開討論会に出席し、原子力政策を巡っ て、野田総理大臣は、「『将来は原発をゼロにして欲しい』というのが国民の覚悟だ」と述べ、着実に脱原発を進める考えを示したのに対し、自民党の安倍総裁 は、原発事故の原因を徹底的に調査したうえで、10年以内に最適な電源構成を確立する考えを示しました。
    野田総理大臣は、「『将来は原発をゼロにして欲しい』というのが国民の覚悟だと受け止め、2030 年代に原発稼働ゼロを目指す方針を閣議決定した。大震災の前まで、エネルギー供給の30%近くを原発に依存しておきながら、すぐにゼロにしたり、10年後 にゼロにするのは困難だ。着実に脱原発に向かっていきたい」と述べました。
    自民党の安倍総裁は、「安全神話に基づいて原子力政策を進めたことは深 刻に反省しているが、安い価格で安定的な電力を得た結果、高度経済成長を勝ち得た。原発事故の原因を徹底的に調査したうえで、原子力規制委員会で科学的に 判断し、3年以内に原発を動かすのかを決めるとともに、10年間で最適な電源構成を考えていきたい」と述べました。
    日本未来の党の嘉田代表は、 「原発を卒業するためのカリキュラムを準備し、10年後の原発ゼロを目指す。代替エネルギーの開発を進めるとともに、日本全体のエネルギー使用量を節約す ることなどを考えている。合流する国民の生活が第一の小沢代表を政治家として尊敬しており、その力を政策実現のために使いたい」と述べました。
    公明党の山口代表は、「新規の原発を造ることに国民の理解は得られず、原発はいずれゼロにならざるを得ない。また、厳格な安全基準を確立して、既存の原発を丁寧にチェックし、国民の理解を得ながら運転再開の是非を判断していくべきだ」と述べました。
    共産党の志位委員長は、「原子力規制委員会は、運転再開した福井県の大飯原発の直下にも活断層がある可能性が否定できないとしており、運転再開して事故が起きたら、誰が責任を取るのか。共産党は『即時原発ゼロ』を実現する」と述べました。
    みんなの党の渡辺代表は、「徹底した電力事業の自由化を行い、規制緩和で競争相手を増やすことで電力料金は下がり、消費者は原発による電源を選ばなくなる。電力会社は原発を諦め、2020年代に原発はゼロになる」と述べました。
    社民党の福島党首は、「東日本大震災後、初めての衆議院選挙で脱原発の声を高め、なんとしても国政で実現したい。原発の再稼働反対でも頑張っていく」と述べました。
    新党大地の鈴木代表は、「我々は『原発ゼロ』だ。ロシアからパイプラインをひいて、北海道に天然ガスの備蓄基地をつくれば、エネルギーは確保できる」と述べました。
    新党日本の田中代表は、「原発を再稼働しなければ、即時に脱原発が実現できる。毎年の電気は、火力と水力発電だけで賄える」と述べました。
    一方、国民新党は、当面、原子力規制委員会が安全性を確認した原発に限って運転再開を認めたうえで、将来的には依存度を減らし、再生可能エネルギーに代えていくとしています。
    また、この討論会に党首が出席しなかった政党では、日本維新の会は、既存の電力会社から送電網を切り離して、新規事業者の参入を促す「発送電分離」に取り組むことなどによって、脱原発依存体制の構築を進めるとしています。
    新党改革は、近い将来には原発をなくすため、再生可能エネルギーの開発を進めるなどとしています。
    来 月4日の衆議院選挙の公示を前に各党の党首らは、30日も日本記者クラブで開かれる討論会に臨むことにしており、デフレからの脱却に向けた経済対策と消費 税率の引き上げ、TPP=環太平洋パートナーシップ協定への対応や、外交・安全保障政策などを巡って論戦が交わされる見通しです。

    「家計きつい」「影響検討を」・・・四電値上げ

    四国電力の千葉昭社長が電気料金の値上げ方針を表明した29日、経済界や市民からは負担増を懸念する声が相次いだ。
     3人暮らしで、電気代は月約2万円という高松市扇町の主婦(50)は「不景気で夫の給料も上がらず、家計はきつくなる一方。人件費などの経費をカットして、できるだけ値上げを抑えてほしい」と不満を口にした。
     建設用クレーン大手タダノ(高松市)の広報担当者は「値上げ分を商品価格に上乗せすることは難しい。経費削減で吸収するしかない」。JR四国は 「(原発が長期停止している)今の状況から、値上げはやむを得ないが、原油価格の動向と併せ、収支に及ぼす影響の検討を急ぐ」とした。
     香川経済同友会の乾篤之代表理事は「四国電力にさらに身を切るコストダウンを求める」としたうえで、「政府には、原発再稼働に向けて議論を戦わせ、将来にわたる明確なエネルギー計画の方向性も数字で示してほしい」とのコメントを出した。
    (2012年11月30日  読売新聞)

    四国電力 値上げを正式表明

    2012.11.30 05:00

     四国電力は29日、電気料金の値上げ方針を正式に表明した。年明けにも申請する。伊方原発(愛媛県伊方町)の再稼働 にめどがつかず、代替火力発電の燃料費を自力で賄い切れなくなると判断した。値上げ表明は、すでに実施した東京、申請済みの関西、九州に続き4電力目とな る。
    申請審査には4カ月程度かかるため、値上げの実施は4月以降になる見通し。認可されれば、第2次石油危機で燃料費が高騰した1980年以来33年ぶり。家庭向けと同時に、企業向けも引き上げる。
     値上げ幅は検討中だが、原発の全停止で四国電力の燃料費は年間1000億円以上増加している。全てを料金転嫁すれば、平均十数%の値上げになるという。
     会見した千葉昭社長は値上げについて「心苦しい限り」と陳謝。人件費の削減を含めた合理化を進め、値上げ幅を圧縮していく姿勢を示した。
    2012年11月30日00時56分

    石原路線 是非問う 東京知事選、原発・五輪・新銀行

    知事選が29日告示され、9人が立候補を届け出た。2年半の任期を残して突然辞職した石原慎太郎・前知事の路線継続か、それとも転換か。高齢化、防災、エネルギー問題など山積みの課題にどう対処するのか。投開票日は12月16日。衆院選とダブル選挙になる。
     選挙戦は、石原氏から後継とされた新顔で前副知事の猪瀬直樹氏に、前神奈川県知事の松沢成文氏、元衆院議員の笹川尭氏、前日弁連会長の宇都宮健児氏、発明家の中松義郎氏ら、新顔が「刷新」を訴えて対決する構図だ。
     石原氏が4期13年余りの在任中に進めた五輪招致や新銀行東京などの政策に対する評価のほか、電力消費地の知事として原発に対するスタンスも争点だ。また、急速に進む高齢化への対応、景気対策、防災、教育などについても問われる選挙になる。
     選挙戦初日の29日、各候補は朝から街頭に立ち、支持を訴えた。猪瀬氏は副知事として仕えた石原氏との二人三脚ぶりをアピール、猪瀬氏以外の主な候補者はいずれも石原都政を批判した。
     今回の知事選は、主要政党が公認や推薦候補を出しておらず、いずれも支持にとどまる。国政与党の民主は、独自候補擁立を目指したものの、最終的に自主投票を決定。ただ、民主の支持基盤である連合東京は猪瀬氏支援を決めている。
     一方、国政野党の自民、公明のほか、日本維新の会も、猪瀬氏を支持する。これに対し、未来、共産、社民などは「脱原発」を訴える宇都宮氏を支持している。松沢氏、笹川氏、中松氏は特定の政党からの支持はうけていない。
     もともと無党派層が多数を占めるといわれる東京では、政党色を極力薄める候補が多い。今回の選挙でも無党派層の動向が当選の行方を左右するカギになりそうだ。
     一方、首都・東京の強大な権力を握る人を選ぶ知事選は、毎回、多数の候補者が立候補する。9人の候補者は過去17回の選挙で、6番目に少ない。過去最多は、石原氏が初当選した1999年の19人だ。

    都知事選告示 原発再稼働と教育を語れ

    2012.11.30 03:17 主張
     東京都知事選が29日告示された。今回は国政進出を決めた石原慎太郎前知事の辞任に伴う選挙だ。4期13年半の石原都政がどう引き継がれるかが問われている。
     とりわけ首都機能の強化と教育改革は石原氏が最優先で進めてきた政策の柱だ。各候補は選挙戦を通じて石原後の都政をどう進めるのか明確に論じてほしい。有権者もまた、強力な指導力が要求される首都の新たな顔選びにあたっては、冷静で現実的な判断が求められている。
     原発政策は、都知事選でも重要な争点に浮上している。特に、首都の電力供給の大黒柱を担う東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働は重要だが、その是非をめぐる主張は大きく分かれる。
     告示前の合同会見で、前神奈川県知事の松沢成文氏は原発について「電力不足は企業の海外流出につながり、一時的には認めざるを得ない」と述べた。副知事の猪瀬直樹氏は原子力規制委員会の体制づくりが先決とした。両氏は原発を否定しない立場だ。
     これに対し、前日弁連会長の宇都宮健児氏は「再稼働すべきでない」とし、元自民党総務会長の笹川堯氏は「最終的に脱原発」と述べている。
     東京は中央省庁や主要企業の本社が集中し、人口1300万を数える巨大都市だ。今年度予算は国家予算の8分の1にあたる11兆円強に上り、国内総生産(GDP)の5分の1を生む。電力消費量も全国の1割以上を占める。
     その東京で、住民や企業にコスト面でも多大な犠牲を強いる脱原発政策は本当に可能なのか。首都機能の維持からも、求められるのは有権者の賢明な選択だ。
     教育問題では、松沢氏が「一般教員への民間人登用」を提案し、宇都宮氏が「教育現場での国旗・国歌『強制』反対」を唱えている以外、他の候補からは、具体的な主張が聞こえてこない。
     石原氏は「大人が子供を叱る」など「心の東京革命」を訴え、徳育を充実させた。今春から高校の日本史を必修化し、日本が米国と開戦したのは「安全保障」のためだったとする連合国軍最高司令官、マッカーサー元帥の証言などを載せた独自教材を作成した。
     こうした石原都政の教育改革をさらに進めるのか、あるいは別方向に切り替えるのか。各候補は、はっきりと語ってほしい。

    社説:維新の会公約 中身が大ざっぱ過ぎる

    毎日新聞 2012年11月30日 02時32分
     日本維新の会が政権公約を発表した。争点のエネルギー政策で脱原発依存体制の構築を掲げ、消費税の地方税化など統治システムの改革を打ち出した。
     民主、自民に対抗するいわゆる第三極として進出をうかがう維新の会だが、原発など基本政策などをめぐり 石原慎太郎代表と橋下徹代表代行の認識がどこまで一致しているかの懸念がなおつきまとう。スローガン重視の公約からは個別政策の中身や、実現する手順のイ メージがつかみにくい。政権を担うに値する説明を尽くすべきである。
     旧太陽の党との合流で政策が「グレーになった」との指摘も出る中での公約発表だけに注目された。「自主憲法の制定」を盛り込むなど、保守色では石原氏に配慮した。
     その一方で、旧太陽の党との合流過程で外した「脱原発」の表現が復活、政策文書に「原子力発電は2030年代までにフェードアウトすることになる」と記した。双方の力点を尊重したということだろう。
     だが、有権者が政策を判断するにはなお材料不足と言わざるを得ない。公約発表の記者会見で石原氏から「脱原発」路線に積極的に賛成するような発言はなかった。
     橋下氏は脱原発依存の道筋を示す工程表の提示は行政、官僚機構の作業を経なければ不可能と強調した。大きな目標期限を示し、実現の手順をできるだけ具体的に説明することは脱原発を論じるうえで欠かせない。選挙での論戦はその説得力が有権者に吟味される場であるはずだ。
     自主憲法を掲げる一方で、政策集に列記されたのは首相公選制など橋下氏が重視する統治機構改革が中心だ。やはり両氏は「なぜ改憲か」のスタート地点が違うのではないか。
     公約で気になるのは政策の方向に力点を置く一方で、個別政策が説明が省略されたまま列記される傾向だ。確かに09年の民主党マニフェストが破綻したように過剰に「数値」「期限」にこだわる傾向は見直し、公約は総論も重視していくべきだ。
     だからといって、政党が公約に掲げた政策の説明を尽くす責任がなくなるわけでないのは当然だ。国民生活に影響の大きい社会保障の制度改革など、より具体的にビジョンや手順を説明することが広範な理解を得るためには不可欠であろう。
     中央集権打破を掲げる維新の会が各種世論調査で一定の支持を集めているのは政治の停滞打破への期待のあ らわれだろう。首相候補となるかについて石原氏は明言しなかったが、政権の枠組みも併せて重要なポイントだ。強烈なキャラクターで押しまくるだけではな く、政権の姿や政策をていねいに語ってほしい。

    増税・原発・TPPで舌戦

    衆院公開討論会で3人

    2012年11月30日号
    討論会に出席した斉田氏、林氏、小泉氏(左から)
    討論会に出席した斉田氏、林氏、小泉氏(左から)
    衆院神奈川11区の立候補予定者3人による公開討論会が27日、三浦市民ホールで開かれた。青年経済人によるまちづくり団体の三浦青年会議所(三浦 JC)が、政策本位による政治選択の浸透を狙い主催した。3人は来場した約200人を前に、TPP(環太平洋経済連携協定)やエネルギー政策、社会保障な どをテーマに、党の政策や持論を述べた。

     出席したのは、前職の小泉進次郎氏(31・自民)、新人の林公太郎氏(30・民主)、新人の斉田道夫氏(64・共産)の3人。討論のコーディネーターは、横須賀市出身でもある経済評論家の池田健三郎氏が務めた。

     重要政策として林氏は「雇用・社会保障・子ども子育て」、小泉氏は「震災復興・経済(雇用)・外交安保」、斉田氏は「不況打開・原発ゼロ・安保」をそれぞれあげた。テーマごとの討論でも、各自が党の政策や持論を展開。互いに質問をぶつける場面も見られた。

    経済政策・TPP

     TPPについて斉田氏は産地である三浦市の状況を踏まえながら「参加すれば日本の農業漁業は壊滅的な打撃を受ける。断固反対する」と明確に打ち出し、小 泉氏は「交渉参加に賛成。交渉の中で勝ち取るべきは勝ち取る」と主張。林氏は「原則賛成の立場だが、その中身は種類が多く国民に示すことが大事」と語っ た。

    社会保障・消費税

     社会保障については財源の確保に踏み込んだ主張が続いた。

     小泉氏は「消費税を上げても社会保障は切り込まなければならない。年金の支給開始年齢や、70〜74歳の病院での自己負担割合を引き上げるべき」と問題 提起。林氏は「高齢者に手厚い保障をしないのはおかしい。消費増税5%のうちの3%は、今の社会保障を維持するため」と説明した。一方で斉田氏は「自己負 担を増やしたり消費税率を上げたりするのではなく、大企業や富裕層の優遇税制を止めることが必要」と持論を展開した。

    エネルギー政策

     エネルギー政策では、3氏とも原発のあり方や代替エネルギーに言及した。

     林氏は「民主党の政策(マニフェスト)として、2030年代に原発稼動をゼロにする。現実的に今すぐ全ての原発を停めると、経済に影響が出る」と主張し たのに対し、斉田氏は「政府は即時原発ゼロを決断し、再生可能エネルギーに転化するべき。(電力の)地産地消ができ、雇用も生まれる」と述べ、民主党との 違いを鮮明にした。小泉氏は「誰もが(原発)ゼロを望んでいる。経済基盤の維持や最終処分のあり方などクリアすべき課題はある。太陽光や風力などの可能性 を追求すべき」と語った。

    政策を動画で配信

     地元の横須賀青年会議所(横須賀JC)では、立候補予定者の政策提言を動画で配信する準備を進めている。外交、環境(エネルギー)、社会保障、震災復興などに関する持論や取組む姿勢を立候補予定者に語ってもらう。

     今月28日までに民主党の林公太郎氏と共産党の斉田道夫氏は取材を了承しているが、自民党の小泉進次郎氏は辞退している。 

     撮影した動画は日本青年会議所(日本JC)が開設しているWEBサイト「e-みらせん」(http://www.e-mirasen.jp/)で12月3日から閲覧できる。

    市民放射能測定所 来年3月に開設 奈良

    2012.11.30 02:14
     食品などの放射線量を市民自ら測定する「奈良市民放射能測定所」が来年3月、奈良市学園北の「医療問題研究会」に開設されることになり、県内の放 射線技師や主婦ら約30人でつくる設立準備室が29日、発表した。準備室は約100万円の測定器を購入する予定。測定値は、近く開設するホームページで公 表するという。
     会員制で年会費4千円。会員は2千円で、測定は年1回無料。一般の利用も可能で、使用料は4千円。
     準備室メンバーは「自ら測定することは、国や行政任せの状況から、自分の生活は自分で守るといった自律した生活をつくる第一歩になる」と話している。
     12月15、16両日の午前10時~午後4時、同研究会で「無料測定まつり」が開かれる。問い合わせは、準備室の辻本誠さん((電)090・6059・5202)。

    SPEEDI受信設備導入費など提案 滋賀

    2012.11.30 02:13
     ■11月定例県議会開会
     11月定例県議会が29日開会し、原発事故発生時に国が放射能の拡散予測を発信する、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」の受信設備導入費を盛り込んだ、約2億4千万円の一般会計補正予算案など33議案が提案された。
     県は、県庁と高島合同庁舎、湖北合同庁舎の3カ所にSPEEDIの受信設備を設置する予定。国の原子力災害対策指針で、防災重点地域が原発から半径30キロ圏内に拡大され、県の一部が含まれたことから導入が決まった。
     嘉田由紀子知事は提案理由の説明で、「SPEEDIのデータを活用し、県が独自に実施した放射性物質拡散予測との比較検証を行い、防護体制の確立や防護資機材の整備などを進めていきたい」と述べた。
     会期は12月26日まで。衆院選(同4日公示、同16日投開票)と重なったため、当初の予定より5日間延長された。代表質問は同3日、一般質問は同19、20の両日に予定されている。
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    原発0(ゼロ)、借金に頼らない日本を

    民主党第4総支部長 荻原 隆宏(おぎわら たかひろ)

    2012年11月30日号
    安らぎと希望の国へ4つの「始める」宣言!はじめよう「脱原発」

     2030年代に稼働する原発をゼロにして、子ども達に原発のない日本を残します。太陽光発電をはじめ、地熱や潮力など、自然エネルギーを利用した代替エ ネルギーを早急に開発するために、あらゆる政策資源を投入します。地震大国での原発稼働は、リスクもコストもあまりに高くつきます。

    はじめよう「デフレ脱却」

     借金に頼らない、国として価値ある財産こそ子ども達に残せる国にしたい。足腰の強い経済をつくるため、利潤を圧迫するデフレを解消することから始めなければなりません。モノとヒトが活発に動くよう、あらゆる経済政策を展開します。

    はじめよう「世界との連携」

     世界に存在感のある日本を子ども達に引き継ぎます。

     そのために国益を確保しつつ、TPPやFTA等、国家間の自由公正な経済活動を確立する姿勢が求められます。世界が日本に要請するもの、それは「開かれた日本」を始めることです。

    はじめよう「本物の地方分権」

     私、おぎわら隆宏は、これまで市議の仕事を通じ、現在の日本は地方の思いが中央に十分届いていない中で政策が決められていることを痛感しました。

     中央集権から地方分権国家へと着実にかじを切らなければ、国民の思いをしっかりと反映する力強い日本は作れません。国法レベルで行政に頼りきりの自治を改め、住民意思に基づく自由でしなやかな自治制度を地方に展開することで、国力の基礎を高めていきます。

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    原発ゼロの選択肢を国民へ

     前衆議院議員 阿部知子

    2012年11月30日号
     今の日本の政治をみなさんはどう思われますか?人々の生活や景色を一変させた昨年の東日本大震災以来、多くの国民は「脱原発」を望んできました。しかし時間の経過とともに、民主も自民もこれまでの言葉とは裏腹に、現実には原発再稼働や建設を推進するようになりました。

     国民にとって経済や環境など、多くの面で良いはずの脱原発政策。しかし残念ながら今回の選挙でその選択が出来ないような状況です。各党政策の違いはあれ ど、今は日本にとって非常事態。国会議員は政党を超えて「脱原発」の方針のもと、まとまって政治を行っていくべきです。原発のない社会を作るメリットとは 何か、これからの世代のためにもみなさんと一緒に考えていきましょう。

    地方経済の活性化

     原発に代わるエネルギーとして注目を集める再生可能エネルギー。地方には豊かな自然があります。原発に依存した現在の経済から、この豊かな自然環境を活 用した再生可能エネルギーへの政策転換で再び地方を活性化させることが十分に可能です。ドイツでは日本の原発事故以来、国としてエネルギー政策の転換がい ち早く進められています。原発事故で住環境や健康面で甚大な被害を受け、現在もなお苦しめられ続けている被災地。再生可能エネルギーならこれらの心配もあ りません。

    人間の復興

     現在、政府の震災復興予算はがれき処理や道路建築など利権が生じるハード面での支援ばかりになっています。もちろんそれも大切ですが、人々の暮らしへのフォローが進んでいません。

     震災以前の生活環境を取り戻すことが何よりの復興支援です。それには一人ひとりが本来の仕事を取り戻し、誇りを持って働くことができるようになること。 そのためには復興予算の割り振りを見直すべきです。まず子どもの貧困や教育に対するサポートを充実させ、心のケアを行っていくことが急務です。加えて日本 全体でも派遣労働のような雇用制度の規制を行うことにより、女性が出産後も働ける職場環境をつくることで日本の出生率改善にもつながるはずです。

     大人たちが幸せでなければ、子どもたちも幸せになれません。社会問題になっている児童虐待やいじめ問題などの根幹にあるのは大人たちの不幸せによるものです。大局的に見ても原発は日本の不良債権であり、再生エネルギー活用は日本の未来への希望なのです。

    阿部知子事務所
    神奈川県藤沢市鵠沼石上1-13-13 藤沢共同ビル1階
    TEL:0466-52-2680
    FAX:0466-52-2681
    http://www.abetomoko.jp/
    東北電「活断層でない」と報告-東通の地層ずれで  (11/29 21:40更新)
    東北電力は29日、国の指示で調査中の東通原発(青森県東通村)敷地内の地層のずれについて「活断層ではない」とする中間報告を原子力規制委員会に提出した。
      東北電はこの日、調査現場を公開し活動性が議論になっている2カ所について「岩盤の劣化部分が地下水を吸って膨張し、上の砂利の層をずらした」との見解を 説明。ボーリング調査では、ずれは地下10メートル前後の表層部で途切れており「地下数キロまでつながる、地震を起こすような断層とは違う」と主張した。
     ただ東北電によると「膨張で説明できる事例が全国的にはほとんどない」といい、規制委内には膨張説を疑問視する見方がある。
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    原発に頼らない新エネルギー政策

    みんなの党 神奈川9区(多摩・麻生)支部長椎名つよし

    2012年11月30日号
     私は、国会事故調で実際に調査を行う過程で、日本の原子力政策の歪みを見てきました。この経験から、私は「人生のテーマ」として、原発に頼らない新エネルギー政策の立案に従事したいと考えるようになりました。

     私は、発送電の分離をして電力自由化を実現することで、2020年代には原発を市場から淘汰することを目指します。そのために新規の原発設置を認めず、また国際標準の安全基準に適合しないかぎり再稼動を認めません。

     原発が担うベース電源としての役割は短期的に化石燃料で代替します。しかし、再度のオイルショックを避けるためにもエネルギー自給率の向上は忘れてはな りません。中長期的には地熱を中心に風力や太陽光などの新エネルギーに集中投資をし技術革新を促す事で、安価で安定的に電力供給できる新エネルギー技術を 確立します。また、スマートグリッドの導入により需給調整をし、ピーク時の需要を減らします。総合的に原発に頼らないエネルギー政策が必要と考えます。

    みんなの党 神奈川9区(多摩・麻生)支部長 椎名つよし

    三菱重・日立、電力事業統合を発表 原発・交通も視野に

    2012/11/30 1:29

     三菱重工業と日立製作所は29日、火力発電設備を中心に電力システム事業を統合すると発表した。2014年1月に新会社を設立し、電力需 要が伸びる新興国などで受注拡大を目指す。三菱重工の大宮英明社長は「良い組み合わせがあれば今後も協業を進める」と表明。原子力発電や都市交通システム でも事業統合を視野に入れ、日立との連携を深める考えを示した。
    事業統合について記者会見し握手する三菱重工の大宮社長(左)と日立の中西社長(29日、東京都千代田区)
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    事業統合について記者会見し握手する三菱重工の大宮社長(左)と日立の中西社長(29日、東京都千代田区)
     両社は電力システム事業の統合に向け、近く準備委員会を設置する。統合新会社には三菱重工が65%を出資し、連結子会社とする。日立の出資比率は35%。
     統合するのはガスタービンやボイラーなどの火力発電設備のほか、二酸化炭素や有害物質を抑える装置、地熱発電燃料電池事業など。売上高を合計すると1兆1千億円に達する。
     記者会見した大宮社長は「国内で消耗戦をするより、一緒に海外で戦うことを選んだ」と説明。日立の中西宏明社長も「製品の信頼性が高く、価値観を共有できる日本最強の組み合わせだ」と述べ、海外で激しく受注を競ってきたライバルが手を結ぶ意義を強調した。
     原子力発電分野は今回、統合を見送った。日立は米ゼネラル・エレクトリック(GE)と事業統合し、三菱重工は仏アレバと提携しているため。ただ、三菱重工と日立はこれまで原子力技術の基礎研究や、東京電力福島第1原発の事故処理で協力した実績がある。
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     大宮社長は「国内の原発再稼働の見通しがもう少しはっきりした段階でお互いに話をしたい」と述べた。中西社長も「今後の発展を見極めてどういう形の協業がいいか考える」と語り、将来の統合に含みを持たせた。
     電力システム事業の売上高(11年度実績)は三菱重工が9553億円、日立が8324億円。三菱重工にとっては連結売上高の3割強、営業利益の約8割を占める主力事業だ。合計するとシーメンス(約2兆9千億円)、GE(約2兆5千億円)の事業規模に近づく。
     日立は欧米の重電大手に比べIT(情報技術)や制御技術に強い。中西社長は「三菱重工の(重電部門の)ノウハウと日立のIT基盤を合体させることで、新たなビジネスの展望が開ける」と自信をみせた。
     電力以外にも協業が広がる可能性がある。低床式路面電車など都市交通システムについて「補完関係がある」(大宮社長)と指摘、事業統合を検討する考えを示した。
     三菱重工と日立は00年に製鉄機械部門の統合で合意し、11年には水力発電機器事業を統合した。街全体でエネルギー効率を高めるスマートシティー事業に共同で取り組むなど、社会インフラ分野を中心に協力関係を築いてきた。
    東京都知事選告示 選挙戦の火ぶたが切られる
    12月16日に投票が行われる東京都知事選が29日告示され、候補者たちの第一声が上がった。
    松沢成文候補は「都民に開かれた、そして民主的な都政を、東京都民の皆さんと一緒につくっていきたい」と話した。
    笹川 堯候補は「私は必ず、役人に給料以上の働きをしてもらいたい。それをさせるのが政治家であり、都知事の仕事だと思います」と語った。
    宇都宮 健児候補は「何としてでも、首都東京から、脱原発を推進して、原発のない社会をつくりたい」と話した。
    猪瀬直樹候補は「みんなできることをやりましょうと。東京の安心・安全をどうやってつくるのか。これが今、一番大事なことです」と語った。
    ほかにも、マック赤坂候補、トクマ候補、中松義郎候補、吉田重信候補、五十嵐 政一候補が届け出を済ませており、立候補したのは全部で9人となった。
    1,000万人を超える都内の有権者へ向け、政策アピールが始まった。
    焦点は、石原都政の継続か見直しか。
    29日夜、BSフジの「PRIME NEWS」で行われた討論会では、経営再建中の新銀行東京について、副知事を務めていた猪瀬候補と、ほかの3人の候補者との間で、主張が分かれている。
    投票日まで18日、長い選挙戦の火ぶたが切られた。
    (11/30 01:32
    大飯原発の運転差し止め求め提訴-1100人が京都地裁に  (11/29 20:27更新)
    原発で事故が起きれば、取り返しのつかない被害が生じるとして、京都や大阪など17都府県の住民約1100人が29日、関西電力大飯原発1~4号機(福井県おおい町)の運転差し止めや損害賠償を関電や国に求め、京都地裁に提訴した。
     訴状では、東京電力福島第1原発の事故によって、過酷な事故が起これば、甚大な損害が発生することが明らかになったと指摘。大飯原発の直近や地下には断層があり、原子炉が地盤の隆起などで破壊される可能性があると訴えた。
     その上で、原発は安全や平和に暮らす権利に重大な脅威を与えていると主張。
    日本維新の会が公約を発表 日本未来の党は卒原発以外に目玉公約
    日本維新の会は29日、石原代表と橋下代表代行が記者会見し、「日本を賢く強くする」というキャッチフレーズで公約を発表した。
    一方、日本未来の党も、卒原発以外の目玉公約を表明した。
    バウチャー方式、子育て応援券とは。
    29日、日本維新の会の公約発表は、記者の機先を制するような発言で始まった。
    石原代表は「あんまり、小さなこまごました政策を話してもしょうがないんだよ」と述べた。
    「骨太2013-2016 『日本を賢く強くする』 ~したたかな日本~」とし、基本方針は、自主憲法を制定、消費税は地方税化、議員定数は3割から5割減としている。
    「骨太」と、何やら小泉政権時代をほうふつとさせるようなタイトル。
    このネーミングに、関係者は「竹中さんがだいぶかんでいる」と語った。
    一方、TPP(環太平洋経済連携協定)については。
    2011年10月、当時の石原都知事は「僕、反対。あんなものはね、アメリカの策略でね」と述べていた。
    9日、橋下氏は「交渉参加もだめだ、だめだっていうような声が出てるのはね、これ主権国家としては、本当に恥ずかしいですよ」と語っていた。
    合流前、かみ合わなかったTPPへの姿勢は、結局、TPP交渉参加と、石原代表が歩み寄りながら、「国益に反する場合は反対」とも付け加えられた。
    さらに、原発については。
    9月、当時の石原都知事は「30年までに、原発全部変えるっていうのはね、これはもう、ただのセンチメントで」と述べていた。
    10月、橋下氏は「2030年代にゼロ。そういう方向性、やっぱり目指していくべきなんじゃないか」と語っていた。
    原発問題では、脱原発依存体制の構築とし、政策実例の中では、既存の原子炉による原子力発電は、2030年代までにフェードアウトすることになるとした。
    橋下代表代行は「僕らのもの、『骨太』ね。薄っぺらいように思うかもしれませんけど、一内閣でそんだけやったら、もう歴史に残る内閣ですよ。書きゃいいってもんじゃないんですから」と述べた。
    一方、日本未来の党では、卒原発以外の目玉公約が発表された。
    嘉田代表は「子ども手当ですね、ここは1つ、目玉になると思っております」と述べた。
    中学卒業まで、子ども1人あたり年間31万2,000円の手当を支給するというもの。
    これはかつて、民主党が掲げた子ども手当の額と同じだが、嘉田代表によると、大きな違いがあるという。
    嘉田代表は「わたしたちは、バウチャーというもので出していけたらと思っております」と述べた。
    現金ではなく、保育園やベビーシッターの利用時に使う子育て応援券をイメージしているということだが、くわしい内容は12月2日に発表するという。
    (11/30 01:23

    都知事選告示 東京の将来像示す政策論議を(11月30日付・読売社説)

    東京都知事選が告示された。4期13年半に及んだ「石原都政」の継承か転換かを問う選挙だ。
     衆院選と同じ12月16日に投開票される。異例の同日選となり、投票率アップが見込まれる。無党派層の投票動向が焦点となるだろう。有権者は各候補の主張を見極め、首都の将来へ1票を投じてほしい。
     9人が立候補を届け出た。有力4候補のうち、突然辞職した石原慎太郎前知事から後継指名を受けたのが、前副知事の猪瀬直樹氏だ。自民党が支援し、公明党、日本維新の会が支持している。
     日弁連前会長の宇都宮健児氏は日本未来、共産、社民の各党から支持を受けている。前神奈川県知事の松沢成文氏、元自民党総務会長の笹川尭氏は、特定の政党の支援を受けていない。
     政権党であり、都議会でも最大会派の民主党は独自候補を擁立できず、自主投票を決めている。
     石原都政の継承を訴える猪瀬氏に対し、他の3氏は刷新を主張する。最も対立しているテーマが、石原都政の「負の遺産」である新銀行東京をどう再建するかだ。
     中小企業の資金繰り支援のため石原前知事の肝煎りで設立されたが、ずさんな融資や業績低迷で経営難に陥った。すでに1400億円の都税をつぎ込んでいる。
     経営再建を掲げる猪瀬氏に対し、他の3氏は銀行の売却や清算を公約している。これ以上、都民の負担を増やすわけにはいくまい。4氏には、より具体的で迅速な対応策を示してもらいたい。
     原子力発電については、宇都宮氏と笹川氏が「脱原発」を打ち出している。
     東京は電力の大消費地であり、電力の安定供給が崩れれば、都市機能はマヒする。知事には都民生活を守る責務がある。原発の代替エネルギーを確保する見通しがない現状での脱原発は、無責任な主張ではないか。
     2020年の夏季五輪招致に関しては、宇都宮氏以外の3氏が積極的な姿勢を示している。宇都宮氏は「都民の意見を聞いた上で判断したい」と慎重な構えだ。
     五輪は日本全体を元気づける起爆剤ともなろう。新知事は招致活動の先頭に立ってもらいたい。
     首都直下型地震への備えを急がねばならない。帰宅困難者対策をより充実させる必要がある。
     独り暮らしのお年寄りの増加など、急速に進む高齢化対策は待ったなしだ。
     東京が抱える様々な問題について、活発な論戦を期待したい。
    (2012年11月30日01時28分  読売新聞)

    維新の会公約 二枚看板だけの戦いにするな(11月30日付・読売社説)

    政策が生煮えで、急ごしらえであることは否めない。これで国政を担えるのだろうか。
     日本維新の会が衆院選政権公約を発表した。
     石原慎太郎代表は、記者会見で「硬直した中央官僚の支配を壊す」と述べ、国のあり方を抜本的に見直すことを唱えた。
     かつて民主党も「霞が関の既得権益を一掃する」と大言壮語したものの、多くの公約を実現できなかった。維新の会にも、似たような危うさを感じざるを得ない。
     石原、橋下徹両氏の個性だけでは有権者は判断できない。やはり、説得力のある実行可能な政策に練り上げていく必要がある。
     公約は、借金依存の財政について「維持不可能」と断定した。
     しかし、財政再建を実現する道筋は不透明である。年に1兆円ずつ増える社会保障費についても新たな財源は、年金目的の特別相続税の新設などとあるだけだ。しかも、社会保障を支えてきた消費税は地方税化するという。
     公約を読む限りでは、財政危機への対応や、持続可能な年金、医療制度の構築について、有効な処方箋を示したとは言えない。
     原発政策は揺れているように見える。「脱原発依存」を掲げ、既存の原発は「結果として、2030年代までにフェードアウトする」と言及したが、曖昧だ。
     原発の再稼働問題への対応を明記していないことも問題である。当面、原発を活用するのなら、公約にそう書き込むべきだ。
     憲法改正を打ち出したのは結構だが、人気投票に陥りがちな「首相公選制」や、極めて難しい「参院廃止」などを具体例として挙げたのは理解に苦しむ。
     全体として、公約が分かりにくいのは、すぐに着手する政策と、中長期の課題を一律に並べているからだ。実現の優先順位を明確にしてもらいたい。
     一方、アジアの発展を取り込むための環太平洋経済連携協定(TPP)について「交渉参加」を掲げたのは評価できる。これに備えて農業にメスを入れ、競争力を高めようとする姿勢も妥当である。
     例えば、民主党政権が創設した戸別所得補償を専業農家に限定することや、農協組織の大幅見直しを目指すという。
     外交・安保政策では、集団的自衛権の行使を盛り込んだ。これは外交の基軸である日米同盟の深化に欠かせない。ぜひ実現を図ってもらいたい。
    (2012年11月30日01時28分  読売新聞)
    10党の党首が一堂に会して党首討論 消費税増税や脱原発で激論
    29日夜、インターネット動画サイト主催で、10党の党首による党首討論が行われた。
    討論会では、選挙の争点となる消費増税や脱原発の是非などについて激論が交わされた。
    日本維新の会の石原代表と、新党改革の舛添代表は欠席した。
    主催者は「都合がつかなかった」としている。
    討論は、消費増税に及んだ。
    共 産党の志位委員長は「こんな大不況のときに大増税をしたら、どうなるか。国民に13.5兆円もの負担増を強いる。これは結局、所得をそれだけ奪うというこ とですから、日本経済の底がドーンと抜けてしまうことになる」、「1997年に消費税を5%に引き上げたとき、当時若干上向きだった景気が、一気に不景気 になった。その引き金を引いて、国と地方の税収は結局、90兆から76兆に減ってしまった。ですから、増税は暮らしも経済も財政も壊すので、これは中止す べきだ」と述べた。
    日本未来の党の嘉田代表は「現状における消費税増税には、凍結でございます。まず、不況下における増税により、より経済が悪化するということがございます。今やるべきことは、歳出を徹底的に削減をし、無駄をなくすこと」と語った。
    自 民党の安倍総裁は「経済の状況が悪い状況、いわばデフレがどんどん進行していくという中においては、われわれ消費税は上げません。しかし毎年1兆円、年 金、医療、介護、そして子育ての給付が増えています。それに対応していくという責任感を、わたしたちは持たなければいけない。すでに900兆円近い借金が あります。この金利の問題もあります。世界の信任を得ながら、財政再建を目指して、ただこれは税金を上げるだけではなく、経済を成長させて、デフレから脱 却しなければ、残念ながら税収は増えていきません。われわれは、デフレ脱却について、今までのレベルではない、新しい、日銀の伝統的な方法ではない、新た な次元のデフレ脱却政策を進めていきたい」と述べた。
    民主党の野田代表は「どなたでも人生のどこかで、社会保障のサービスは受けざるを得ません。 年金、医療、介護、子育て。それは、ただではありません。給付があるということは、負担がある。今までは、現役世代中心に過重な負担があった。でも、支え る側が少なくなっているときに、これは持続可能性がありません。今、現役世代では、もう任せきれないから、将来世代のポケットに手を突っ込んで、今、社会 保障を賄っているわけです。これも持続可能性がありません。だとすると、どなたもどこかで社会保障の出番を待つならば、みんなで等しく分かち合おうという のが、消費税なんです」と語った。
    公明党の山口代表は「中核は消費税でありますけれども、消費税については、制度設計にあたって、低所得者対策、 中でもわれわれは、軽減税率を採用すべきだと、8%段階から取り入れるべきだと考えております。軽減税率は、ヨーロッパで長い経験を有しております。生活 必需品、食料品など、国民の皆さんにもアンケートを取ったところ、600万人を超える方々から、賛同の署名をすでにいただきました。国民から理解を得られ やすい、そういう軽減税率が、最もふさわしいと思います」と述べた。
    みんなの党の渡辺代表は「消費税が社会保障の財源であるという大前提が間違っ ている。社会保障は、所得の再分配というのであれば、これは所得税の体系の中でやればいいだけのこと。こういう税は全額、地方の財源にするのがふさわしい のであります。われわれは、まず税と保険料の一体改革を提案します。歳入庁を作れば、保険料の取りっぱぐれが、およそ10兆円ぐらい回収できるようにな る」と語った。
    新党大地の鈴木代表は「時の鳩山代表は『4年間は消費増税の議論はしない』。間違って菅首相がなったら、消費増税なんですか」と述べた。
    新党日本の田中代表は「財政規律を守るために、消費税を上げるとおっしゃった。しかし今国会において、民主党は財政規律を破る赤字国債、特例国債を、国会の審議なしで3年間、青天井で出せるということを決められた」と語った。
    国 民新党の自見代表は「誰も消費税なんか上げろと言いたくない。しかし、わたしは1997年、3%から5%に上げたときも、内閣の郵政大臣でした。いかに消 費税というのは、景気の悪いときに上げると。だーっと北海道拓殖銀行、山一證券、崩壊しましたからね。いかに消費税というものの恐ろしいことかわかってい ますけども、わたしはなんで賛成したかといいますと、わたし本職は医者なんです。高齢化社会で、毎年毎年きちっと高齢化社会に向かって、医療、福祉、年 金、介護とお金が要るんです」と述べた。
    さらに、選挙の大きな争点になっている原発政策にも話は及んだ。
    日本未来の党の嘉田代表は「原子力発電所、卒業しようと訴えております。ドイツは、10年後にゼロを目指しています。日本未来の党も、原子力発電所から卒業するためのカリキュラムを準備して、10年後を目指して卒業してまいります」と述べた。
    自 民党の安倍総裁は「安全神話の中にあったということは、深刻に反省をしています。しかし、原子力政策を推進してきた結果、廉価でそして安定的な電力を得 て、われわれはこの経済成長を勝ち得てきました。原子力規制委員会において、科学に基づいて判断をして、そして3年以内に動かすかどうか、全て決めていき ます」と語った。
    新党日本の田中代表は「再稼働しなければ、即時脱原発です。火力と水力だけで、毎年電気は賄える消費量なわけです。そして廃炉こ そ、新しい公共事業です。脱原発ではなく、縮原発、卒原発。これではまるで御用学者がワーディングに、学会発表でこだわっているようなものだと思っており ます」と述べた。
    新党大地の鈴木代表は「わたしは、原発ゼロの裏づけのエネルギーとして、天然ガスを主張している。天然ガスといえば、サハリンで す。サハリンからパイプラインを引いて、稚内に持ってきて、苫小牧には1万haの土地が空いていますから、そこで一大エネルギーの備蓄基地を造ればいい」 と語った。
    民主党の野田代表は「2030年代に原発稼働ゼロを目指す。そのためにあらゆる政策、資源を総動員をするということを、方針として閣議 決定しました。安全基準は、規制委員会がしっかり作ったうえで、安全性が認められたものだけ、再稼働を行う。それについては、重要電源として位置づける」 と述べた。
    社民党の福島党首は「総理にお聞きしたい。2030年代原発ゼロを目指すとおっしゃったが、大間、島根3号、東通について、ゴーサイン を出したわけでしょう。でも、2020年に例えばできたとして、2030年代に原発ゼロだったら、10年も動かさないんですか。支離滅裂ですよ。そういう のはもう、設置許可をかつてやったとしても造らない。上関原発もやめる、活断層があるところは廃炉、その決断をしてくださいよ。矛盾していると思いません か」と語った。
    これに対し、民主党の野田代表は「工事許可を与えたり、設置許可をすでに政府がしたものについては動かしていきます。ただし、新規に稼働させるかどうかについては安全性の基準、チェックが必要ですから、それは規制委員会の判断があります」と述べた。
    10党の党首が、政策に火花を散らした公開討論会。
    総選挙の公示まで、あと5日に迫っている。
    (11/30 01:08

    原子力規制委員会は、東京電力の原子力発電所でトラブルが相次いでいることを受けて、廣瀬直己社長を呼び、原子力の安全管理への経営姿勢をただしました。

      東電では、20日に福島第一原発の浄化装置から汚染水が漏れるなどトラブルが相次いでいます。今回の聴取は、原子力規制委員会の田中俊一委員長が、「東電 の経営陣が原子力をどこまで認識しているか、大変、心もとない。きちんとした覚悟を聞いておくべきではないか」と発言したことを受けて行われました。規制 委の事務局を担う原子力規制庁の池田克彦長官は、廣瀬社長に対して30分間にわたって、安全ルールを徹底するため、事故対策に経営陣も参画することなどを 具体的に指示しました。これに対し、廣瀬社長は「大変申し訳ないこと。安全に対する取り組みや姿勢を末端までしっかり共有させていかねばならない」と話し ました。規制当局が事業者の経営姿勢にまで踏み込んで改善を求めるのは異例です。

    中国 2015年までに原発発電量を41ギガワットに拡大


    29.11.2012, 20:00
    印刷する 知り合いにメールで教える ブログに書く
    Тяньваньская АЭС китай аэс китай
    © Photo: ru.wikipedia.org/风之清扬/cc-by-sa 3.0

       中国政府は、2015年までに稼動する原子炉の数を41基にする意向。中国における原発の発電量は、42ギガワットに達する見込み。これは、世界の原発発電量の10%にあたる。中国核能行業協会の張華祝理事長が、珠海市で開かれたセミナーで伝えた。

       理事長によると、中国では現在、6つの原発で15基の原子炉が稼動しており、その発電量は中国全体の電力の1.85パーセント、世界の原発発電量の3.5パーセントにあたり、今後数年間で、新たにおよそ20基の原発が建設されるという。
       理事長は中国の原発について、全体として「稼動状況は良好で、入念に選ばれた場所に建設されている」と述べ、中国の原発の安全性を高く評価した。理事長 はこれに関連し、2011年に日本の福島第一原発で起こったような事故が、中国で発生する恐れは極めて少ないとの考えを表した。
     イタル・タス

    【衆院選・政策チェック】嘉田知事の「日本未来の党」では、日本に未来はない。「卒原発」で日本が壊れる


    嘉田由紀子・滋賀県知事を代表とする、新党「日本未来の党」が誕生した。「卒原発」を旗印とする政党である。だが、原発ほどの大量の電力を継続的に生み出せる新たな発電技術が確立しない中での「卒原発」では、日本に未来はない。

    2012/12/01 記者会見:12 .1脱原発法賛成候補者公表(東京・御茶ノ水)

    私たち「脱原発法制定全国ネットワーク」は衆議院選挙後の国会で脱原発法の制
    定を目指しています。
    法の制定のためには法制定に賛同する国会議員が、国会内の多数とならなければ
    なりません。
    法案の成立のためには、次の国政選挙で脱原発と脱原発法制定の是非が争点とな
    らなくてはなりません。
    このたび、脱原発法に賛成する衆院選の候補者の一覧を公表する運びとなりました。
    公式ホームページにて確認することができます。
    脱原発法の賛成議員及び候補者を多くの選挙民に知っていただけるよう、是非取
    材していただけますよう、お願いいたします。

    日 時:12月1日(土)16:00~16:50
    会 場:連合会館(旧 総評会館)502号会議室(5階)
    〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11
    (地下鉄千代田線・新御茶ノ水駅/丸ノ内線・淡路町駅/都営地下鉄新宿線・小
    川町駅/丸ノ内線と都営新宿線をご利用の方は千代田線方面へいずれもB3出口よ
    り徒歩0分 JR中央線・総武線 御茶ノ水駅(聖橋出口)徒歩5分
    出 席:河合弘之(脱原発法制定全国ネットワーク代表世話人)
    木村 結(脱原発法制定全国ネットワーク代表世話人)
    海渡雄一(脱原発法制定全国ネットワーク事務局長)
    只野靖(脱原発法制定全国ネットワーク事務局次長)ほか
      
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    連絡先:脱原発法制定全国ネットワーク
    TEL:03-5511-4386(事務局直通)
    03-5511-4400(さくら共同法律事務所)
    FAX:03-5511-4411
    TEL:03-3341-3133(東京共同法律事務所)
    FAX:03-3355-0445

    公式サイト:http://www.datsugenpatsu.org/
    Email:datsugenpatuhounet@gmail.com

    2012/12/01 No Nukes! We are the 99% 社会を変えYO!ユースフォーラム(東京・日比谷)

    No Nukes! We are the 99% 社会を変えYO!ユースフォーラム

    12月1日~2日にかけて、日比谷図書文化館でユースフォーラムをおこないます。全国からの幅広い層のみなさんのご参加呼びかけます。

    原発・戦争・貧困・根っこは同じ。99%が立ち上がるとき、1%の支配は明らかになった。 中東の民主主義革命、ヨーロッパ反緊縮財政、アメリカのオキュパイ・ウォールストリート、日本の脱原発運動・・・。グローバル資本主義との闘いは世界とつ ながっている。世界の闘いと連帯し、大飯原発を停止し原発ゼロを実現するとともに、原発を推進してきた資本、財界の責任を追及しよう。本企画は、戦争・貧 困・原発の生み出す資本主義システムを暴露し、全国の若者が要求を持ち寄ることで、トータルな社会変革を目指していきます。ぜひ、一緒に参加して、この社 会を変えていきましょう。

    12/1(土)
    13:00-13:45 上映「IVAW明日へのあゆみ」
    13:45-17:00 アーロン・アッシュ講演&茶話会
    17:00-18:00 コンサート

    12/2(日)
    10:30- 日比谷図書文化館 地下ホール
    2日めのシンポジウムでは原発・イラク・
    奨学金の各テーマで運動に取り組んでいる若者からの報告をうけ、1%が
    どのように富を収奪しているのか、構造を暴き、対抗していくための運動に
    ついてみんなで議論していきます。

    14:00 日比谷公園図書館前集合
          丸の内オキュパイアクション!経団連前行動・三井住友前抗議アクション
           *ストリートシアター劇などを各企業前でおこないます。
            原発大好き経団連&三井住友銀行に放射能缶をお返しだ!

    16:00 日比谷公園(西幸門のあたり)集合 銀座デモ
          子どもたちに原発のない未来をプレゼントしよう!サンタクロースデモ
           *赤サンタ、黒サンタも登場!飛び入りサンタも大歓迎*


    主 催:ZENKOユースフォーラム実行委員会
    参加費:2日通しチケット1000円
    ウェブサイト http://youthforum.digi2.jp/
    ---------------------------------
    全交事務局 土屋
    090-5646-4273
    tsuchinoko1@gmail.com

    2012/12/01 反原発×反弾圧トークイベントVol.1~原発やがれき拡散反対で逮捕!? どうして?みんなで話そう!(東京・新宿)

    『反原発×反弾圧トークイベントVol.1
    原発やがれき拡散反対で逮捕!? どうして?みんなで話そう!』

    日時:12月1日(土)14時半~17時
    場所:カフェ・ラバンデリア(新宿三丁目駅)。
    地図:http://cafelavanderia.blogspot.jp/search/label/MAP
    ワンドリンクオーダーをお願いします
    呼びかけ:園良太(「2.9竪川弾圧」当事者。http://d.hatena.ne.jp/Ryota1981/)
    内容予定:不当逮捕の映像上映/現地からがれきや関電への抗議がなぜ激しく不当逮捕
    されるかの背景分析/東京の昨年からのデモ弾圧報告/最近の江東区竪川弾圧などの報告/
    みんなでどうすれば良いかを話し合い
    (弾圧は続発するため、毎月第一土曜日にラバンデリアでの定例開催を考えてます。ぜひご協力下さい)

    ※13時~新宿東口アルタ前広場で、大阪の不当逮捕や江東区竪川の強制排除に抗議アピールします。
    プラカードや横断幕歓迎、ぜひご参加を!

    11月13日に大阪市の放射線がれき受入説明会の会場で、4人が不当逮捕されました。
    会場に突入した公安と機動隊が、何もしていない4人を指差し「あいつをやれ!」と狙い撃ちした、
    とんでもない弾圧!
    関西では10月から大飯原発再稼働反対行動で後から1人、関電抗議で2人と、不当逮捕が
    連発され、すでに2人が起訴されています。これに東京から抗議するために、11月18日夜に
    仲間と新宿でデモをやりました。http://www.ustream.tv/recorded/27113424
    経産省前テントひろばからも抗議声明:http://tentohiroba.tumblr.com/post/36566697431/4

    その後も現地はひどい!22日にはがれきの搬入を撮影・抗議した1人が新たに不当逮捕。
    裁判所が勾留する理由を私達に話す「開示公判」では、傍聴者が4人も法廷から暴力退廷させられ、
    最後は傍聴できずに廊下にいた50人が裁判所の外に追い出されました。隣の部屋には何と機動隊
    が隠れており、裁判所でも不当逮捕するつもりもあった。

    そして東京も去年から反原発デモで20人以上不当逮捕が続いてきたのを皆さん覚えていると思います。
    僕自身も2回不当逮捕されました。そして今、江東区竪川でも江東区が野宿の仲間を追い出すために
    前代未聞の2度目の行政代執行を狙い、「12月3日~7日にやる」と最後通告してきました。

    これらのあまりに酷いことから想像されるのは、
    ・原発問題やがれき問題の、選挙を前にしたタブー化(もちろんこれからはもっとそうなる)
    ・大阪は橋下体制。もし橋本や石原、自民党が政権についたら、社会運動がどんな目に合うかの先取り
    ・警察、検察、裁判所の一体化と、公平でなきゃいけない裁判所の暴走
    ・中央政府だけじゃなく、地方自治体も独裁化し、何でもかんでも格差の拡大、強制排除、不当逮捕をしてくること

    などなどじゃないでしょうか。これでは本当に今回の4人は起訴→何ヶ月も長期勾留されちゃうよ!
    それが決まるのは12/4まで。引き続き何かやらなきゃ!
    でも関東でこの問題の注目が高いとはいえません。それはなぜ「不当逮捕」なのか、それを
    やられたら監獄でどんなひどい目にあうかが、分かりくくさせられているからだと思います。
    そこで今度は、こうした「なぜ?何?どうすれば?」を気軽に学び合い、話し合いましょう。
    こうした場を継続させ盛り上げて、全ての不当逮捕された仲間を取り戻し、自分たちの身も守っていこう。
    どなたでもご参加ください。

    ★参考:
    ◆11.13がれぎ弾圧の救援会http://blog.goo.ne.jp/garekitaiho1113
    →今日締め切り、救援署名にご協力を!
    https://docs.google.com/spreadsheet/viewform?formkey=dDRLMWwzTGRid0NvWklRSDlBQTd3QXc6MQ&ifq
    ◆関西電力前の救援会:http://rescuekandenmae.blog.fc2.com/
    ◆大飯不当逮捕の救援会:http://oikyuen.blog.fc2.com/
    ◆がれき反対現地行動:http://occupyosaka.net/archives/55
    ◆がれき弾圧の「勾留理由開示公判」の恐るべきレポート
    http://www.hige-toda.com/x/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=7194;id=01
    ◆江東区の竪川強制排除、12/3~7に反対!:http://san-ya.at.webry.info/
    ◆「2.9竪川弾圧救援会」http://solfeb9.wordpress.com/
    ページ更新時間:2012年11月30日(金) 06時53分
    ■ 規制庁、東電に安全意識徹底を指示

    東京電力の原子力発電所でミスやトラブルが相次いでいることを受け原子力規制庁は、東京電力の広瀬社長ら幹部を呼び社内に安全意識を徹底させるよう指示しました。

     東京電力をめぐっては、柏崎刈羽原発で燃料集合体の部品が変形したり、各原発で点検ミスが出たりするなど、福島第一原発の事故前からトラブルが相次いでいました。

     こうしたことについて原子力規制庁は29日、東京電力の廣瀬直己社長ら幹部を呼び社内に安全意識を徹底させるよう指示しました。

     「安全に対する取り組みや姿勢を、末端まで共有させていかないといけない」(東京電力 広瀬直己社長)

     原子力規制庁は、今後各原発を視察し、安全に対する意識が浸透しているか確認していくということです。(30日01:17)
    ページ更新時間:2012年11月30日(金) 09時57分
    ■ 福島第一原発事故、避難の実態調査始動
    福島第一原発事故、避難の実態調査始動
    福島第一原発事故における避難の実態調査の準備会合が行われ避難の経緯や実態を検証し、来年秋をめどに取りまとめる方針が決まりました。

     「原発の避難者16万人に対しては若干の基礎的な調査をやったきり、ほとんど手付かずということで、国の責任で調査をすることが必要」(平野復興相)

     福島第一原発事故の避難実態の調査に関する準備会合には平野復興大臣や5人の有識者らが出席しました。調査会合は事故の発生を受けて周辺住民16万人の避難がどのように行われたか検証するものです。

     平野復興大臣は会見で、「記録としてまとめることじたいに大きな意味がある」と強調したうえで、「それを世界に発信することが今回の事故を経験した日本の責任だ」と述べました。

     調査結果は来年の秋をめどにとりまとめる方針で、東南海沖地震や首都直下型地震などの大規模災害に備えた避難対策に反映させたい考えです。(29日19:18)

    「書くだけなら誰でもできる」維新公約発表 橋下氏、メディア批判炸裂

    2012.11.30 00:19 (1/2ページ)日本維新の会
    衆院選公約を発表する日本維新の会の石原代表(左)と橋下代表代行=29日、東京・赤坂(三尾郁恵撮影)
    衆院選公約を発表する日本維新の会の石原代表(左)と橋下代表代行=29日、東京・赤坂(三尾郁恵撮影)
     日本維新の会の石原慎太郎代表と橋下徹代表代行が29日午後、衆院選公約を発表する記者会見で、公約について「細かく詰めるつもりはない」(橋下 氏)などと居直ったり、メディア批判を炸裂(さくれつ)させたりした。一方で、公約を同日未明に事実上公表してしまう混乱もみせ、党運営の未熟さもさらけ 出した。
     記者会見の冒頭、石原氏は「こまごました政策を話してもしようがないんだよ」と報道陣を牽制(けんせい)。橋下氏も、原発政策の 工程について「工程表は役人が作る。政治家は方向性を示す。役割分担だ」と発言した。メディアには「書くだけでいいのなら誰でも書ける。大作家の石原代表 にいくらでも文章を書いてもらう」とかみついた。
     石原氏も「シミュレーションを役人にやらせるのは君らだ!」「メディアはちまちました片言隻句を批判する」などと橋下氏に続いた。
     今回の公約は、党の「二大看板」が29日昼に共同発表する予定だったが、大阪側で29日未明に突如、公表された。
     幹部によると、28日夜になって「東京側が公約をマスコミに配布したらしい」との噂が大阪側で駆け巡ったのが理由だという。
     石原氏は28日午後に最終版を目にし、「骨太2013-2016」を「長い」、「政策実例」については「細かすぎる」とそれぞれ注文を付けた。しかし、反映されることはないままの公表となり、代表よりも大阪側が「上位」という党の性格もあらわになった。

    維新公約発表 旧太陽の“精神”反映し、現実路線

    2012.11.30 00:17 (1/2ページ)
    日本維新の会の衆院選公約「骨太2013-2016」を発表した石原慎太郎代表(左)と橋下徹代表代行=29日、東京都港区赤坂(三尾郁恵撮影)
    日本維新の会の衆院選公約「骨太2013-2016」を発表した石原慎太郎代表(左)と橋下徹代表代行=29日、東京都港区赤坂(三尾郁恵撮影)
     日本維新の会が発表した衆院選公約「骨太2013-2016」は、旧太陽の党の“精神”ともいえる自主憲法制定が盛り込まれたほか、原発政策や環 太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など主な政策は「維新八策」と旧太陽の主張を融合させた現実的な内容となった。一方、「骨太」とは別に維新八策をほぼ 反映した「政策実例」もあわせて公表。旧太陽との合併で「公約が後退した」と批判されるのをかわすためとみられるが、逆に曖昧さを際立たせた感も否めな い。
     憲法改正に関しては、代表の石原慎太郎前東京都知事が「現行憲法の破棄」を主張していたのに対し、代表代行の橋下徹大阪市長は「憲法 改正要件の緩和」を訴えるなど温度差があった。結局、旧太陽の母体となったたちあがれ日本が掲げていた「自主憲法の制定」との表現をとり、橋下氏が配慮し た形だ。
     原発政策では、「脱原発依存」という維新八策の言葉が骨太にそのまま盛り込まれた。橋下氏は29日の記者会見で、10年後の「卒原発」を掲げる日本未来の党を念頭に、「10年後に原発をゼロにすると言えばいいという政治なら、いくらでも言える」と述べた。
     一方、政策実例には「既設の原子炉による原子力発電は2030年代までにフェードアウト(徐々に削減)する」と明記した。橋下氏が訴えていた「2030年代までの原発ゼロ」を踏まえたのだ。
      旧太陽側は「原発ゼロは20年代にできるかもしれない。今から決め打ちのようなことは書くべきではない」と主張。石原氏が「脱原発」には慎重姿勢をみせて いたこともあり、骨太で「原発ゼロ」との表現は見送られた。しかし、原発政策が衆院選の焦点になる中、橋下氏には「脱原発」の姿勢を何らかの形で示す必要 があった。
    政策実例について、太陽側は「『アイデアプール』であり、その中から今後、取捨選択と優先順位をつけていく」と説明。一方、橋下氏は「『30年代ゼロ』はまだ自分の気持ちとしては捨てていない」と語った。 TPPにおいても、骨太には「交渉参加、ただし国益に反する場合は反対」とあるが、政策実例では単に「交渉参加」とした。地方分権では、政策実例には骨太にない「大阪都構想」を盛り込んだ。
     みんなの党の渡辺喜美代表は「橋下氏がご苦労された感がある。みんなの党の合意に近づいてきた」と評価した。(原川貴郎)
    2012年11月29日23時56分

    地元は福島なのに比例中国から 自民前職、嘆く支援者


     東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島県が地元の自民党前職、吉野正芳氏(64)が、衆院選で比例中国ブロックに回ることになった。 吉野氏とまったく縁のない地方だが、党本部は「原発は全国で考えなければいけない問題。当選可能性が高いブロックにした」。支持者は「復興のために活動し てほしいのに」と嘆いた。
     吉野氏の地元は福島5区のいわき市。前回は福島3区に回り、比例区で復活当選した。党本部は5区で今回も元職坂本剛二氏(68)を公認候補に。自民県連は「県内唯一の前職として原発災害の対応に尽くしてきた」と、比例区での厚遇を求めていた。
     29日夕、いわき市であった集会では支援者から「そんな遠くへ行って、どう支援するのか」「被災地を一番よく回っていたのに、ひどすぎる」と党本部の決定に恨み節が漏れた。
    '12/11/30

    原発依存低下、年限に幅 論戦の構図固まる


     日本維新の会が29日、政権公約を示し、国民の生活が第一などが合流する日本未来の党の政権公約の要綱案もまとまり、先に衆院選公約を発表した民主党や自民党などと合わせ、衆院選(12月4日公示)における政策論戦の構図が固まった。
     自民党も含め原発への依存を減らす方向を示しているが、目標や年限では幅が大きい。消費税増税では、先の通常国会で成立した法律に基づいて進めるか、凍結・反対かで分かれた。ただ、単なるスローガンの違いだけでなく、実現性や手順が問われることになる。
     原発政策で、民主党は2030年代の原発稼働ゼロを必ず実現すると強調したのに対し、日本維新は「30年代までにフェードアウトすることになる」 との表現にとどめた。自民党は「エネルギー受給の安定に万全を期す」との観点から「10年以内」にエネルギー戦略を確立すると訴えた。
     消費税では、民主、自民両党は先の通常国会での公明党を含めた3党合意を踏まえ、税率10%への段階的引き上げと低所得者対策の実施を明記。日本維新は税率11%と、地方税化を盛り込んだ。
    九電 電気料金値上げ 国が審査
    (長崎県)
    九州電力が申請した電気料金の値上げが適正かを審査する経済産業省の委員会が開かれました。

    電 気料金審査専門委員会は、値上げ申請を審査する上での今後の検討課題を話し合います。九州電力の瓜生社長は経営悪化の状況を説明し、コスト削減をした上で の料金の値上げに理解を求めました。一方、委員などからは、さらなる経営努力と透明性を求めるとともに、原発の再稼動に頼らない新たな基準を作るべきとの 指摘がありました。今後は、人件費や燃料調達費など、個別項目での議論が行われる予定です。[ 11/29 23:16 長崎国際テレビ

    東北電力、東通原発断層「活断層ではない」 地質調査を公開

    2012/11/29 23:51

     東北電力は29日、東通原子力発電所(青森県東通村)の敷地内の断層が「(地震を起こす)活断層ではない」との調査結果を原子力規制委員会に報告するともに、新たに7月から実施している追加的な地質調査の現場を報道陣に公開した。
    地層を露出させた東通原発の掘削調査現場(青森県東通村)
     公開したのは、溝を掘って露出させた十数万年前以降の地層を調べている掘削調査現場3カ所。いずれも地層のずれやゆがみが肉眼で確認できる が、東北電は岩盤が水を含んで膨らむ「膨潤」によるもので、断層活動の結果ではないとした。露出地層を走る小さな断層についても、地震を起こす地下深部と の連続は認められないとしている。
     東北電は今年3月、原子力安全・保安院(当時)に今回と同様の報告をした。だが、同報告が国の意見聴取会で調査が不十分などと指摘されたため、7月から新たに掘削調査やボーリング調査、地中レーダー照射などの地質調査をしていた。
     規制委は12月中旬、今回報道陣に公開された掘削調査現場3カ所を中心に現地調査する。東北電は規制委の調査結果も踏まえて最終報告書を来年3月にとりまとめる。
     東日本大震災以降、活断層が存在する可能性が指摘されている原子力施設は東北電の東通原発を含めて全国で6カ所。規制委が活断層の存在を確認すれば、原発の再稼働は困難で、廃炉になる可能性が高くなる。

    【都知事選告示】
    五輪、新銀行、原発…都民の選択は?

    2012.11.29 23:19 (1/3ページ)
    都知事選に立候補した猪瀬直樹氏が八王子駅前で街頭演説。集まった有権者=29日午後、東京都八王子市(松本健吾撮影)
    都知事選に立候補した猪瀬直樹氏が八王子駅前で街頭演説。集まった有権者=29日午後、東京都八王子市(松本健吾撮影)
     巨大な権力を持つ東京都知事の座にふさわしいのは-。29日告示された都知事選には新人9人が立候補を届け出た。無所属で元神奈川県知事の松沢成 (しげ)文(ふみ)氏(54)、諸派で元自民党総務会長の笹川堯(たかし)氏(77)、無所属で元日弁連会長の宇都宮健児氏(66)=未来、共産、社民支 持、無所属で前副知事の猪瀬直樹氏(66)=公明、維新支持=ら主要候補は早速、街頭へ飛び出し、支持を求めた。景気対策、原発、新銀行東京問題など石原 慎太郎前知事(80)の残した課題をどうするか。有権者の選択が問われる。
     ■トクマ氏 尖閣上陸を強調 
     幸福実現党の音楽家、トクマ氏(46)は午前10時半から、千代田区のJR有楽町駅前で第一声。「東京は世界の都市に比べて防災、防衛力が手薄。地下に首都高速を作り、シェルターも作る。教育では、自虐史観を払拭したい」などと訴えた。
      9月に尖閣諸島に上陸したトクマ氏。「慰霊碑の周りを掃除し、鎮魂の歌をささげてきた」とアピールし、「本来なら『(尖閣)上陸』でなく『訪問』であるべ き。今までの政治家が弱腰外交を続けてきたからだ。このままで日本は大丈夫ですか」と危機感をあらわにした。演説の途中に、東京への愛を歌詞に盛り込んだ 曲も熱唱。聴衆からは手拍子が起きた。
     友人で元ザ・ブルーハーツの河口純之助氏(51)も駆けつけ、「尖閣諸島は日本のものだと言ってくれた男に支援をお願いします」と熱弁をふるった。
    ■松沢氏 「民力を都政に」 松沢氏は午前10時から港区虎ノ門の選挙事務所で出陣式に臨み、対抗馬の猪瀬氏をイメージした「イノシシ鍋」を食べて“験担ぎ”。選挙ポスターには「政党の談合にNO! 都民の力にYES!」との文字もあり、強い対抗意識をにじませた。
      同11時前には、老朽化のために地下化すべきだと公約を掲げている首都高速が頭上を走る、日本橋(中央区)で第一声。ダークスーツ、赤と緑のクリスマス柄 のネクタイでマイクを握って「日本橋の川辺を復活させたい」「合言葉は『民力を都政に』。東京のマネジメントを託してもらい、みなさんと開かれた都政をつ くりたい」と声を高めた。
     また、都の審議会の女性委員の割合が2割にとどまることを指摘し、「これは全国で最低の比率。まずは女性の副知事を作り、女性の感性を都政に生かしたい」などと述べた。
    ■笹川氏 絆を育くもう
     笹川氏は朝、母と妻の墓前で出陣を報告。台東区雷門の選挙事務所に着くと「さわやかな気持ちだ」と話し、青空を見上げた。
     午前10時半、同区浅草の浅草寺雷門前での第一声には、女優の浅香光代さんも応援に駆けつけた。
     観光客も足を止め、ごったがえす中でマイクを握り、「東京は世界一の街。互いに絆をはぐぐみ、子を無事に育て、お年寄りに声を掛け合う街にしよう」と、下町育ちの親しみやすさを全面に押し出した。
     また、平成21年まで23年間務めた衆院議員時代を語り、「警察官の装備を充実し、監獄法の改正で容疑者の人権を守った」と双方に目配りした実績を強調した。
     19年の柏崎刈羽原発事故に対応した経験にも触れ、「都民一人一人に節電をお願いし、産業界の元気を維持しつつ、穏やかにゼロにしたい」と呼びかけた。■宇都宮氏 「脱原発統一候補」
     日本未来の会、共産党、社民党の支持を受ける宇都宮氏は、新宿区四谷の事務所近くの掲示板に「脱原発統一候補」と書かれた自身のポスターを自らの手で張ってから午前10時半、JR有楽町駅近くで第一声に臨んだ。
     「東京を、日本を変え、世界に脱原発を発信する選挙」と訴えると、自主投票を決めた民主党から菅直人前首相が「脱原発の先頭に立ってもらいたい」と応援のマイクを握り、共産の志位和夫委員長、社民の福島瑞穂党首も駆けつけた。
      宇都宮氏は、貧困問題にも言及。「石原都政の13年、暮らしが楽になりましたか。新銀行東京につぎ込んだ1400億円があれば保育所を700作ることがで きる。人間らしい生活ができる東京をつくる」と訴えると、「消費増税反対」のボードを掲げた人々が「そうだ!」などと声援を送っていた。
     ■猪瀬氏 正統後継アピール
     猪瀬氏は午前10時、都庁舎も手がけた建築家、丹下健三氏設計という西新宿のビルの事務所で出陣式に出席。「改革をスピードアップさせることが石原都政を受け継いだ私の使命」と“正統後継”を強調した。
     同11時半すぎに第一声を行ったJR新宿駅西口では、はちまきやたすきを身に着けずに、グレーのスーツ姿で地下鉄一元化や職員給与削減など、副知事としての実績を列挙した。
     選挙カーには日本維新の会代表となった石原氏と橋下徹代表代行、石原伸晃自民都連会長、高木陽介公明都本部代表が上がったほか自公民の都議も応援に駆けつけ、聴衆も数百人に。
     作家としての出世作が戦後の東京の歩みを考察した『ミカドの肖像』だったことに触れ「宿命的なものを感じる」「東日本大震災を歴史的に受け止めなければいけない」と、作家の感性をにじませた。

    復興本社、Jヴィレッジに=沿岸部再建の象徴―東電


    2012年11月29日

    東京電力は29日、福島第1原発事故の被災者支援で来年1月に発足させる「福島復興本社」を、事故対応の拠点となっているスポーツ施設「Jヴィ レッジ」(福島県楢葉、広野両町)に置く方針を固めた。復興本社の代表に就く石崎芳行副社長が同日、福島市内で記者会見して発表する。
     東 電は復興本社の設置場所について、県庁所在地の福島市とする案や、原発事故で多大な被害を受けた沿岸部とする案などを検討。海沿いに立地し、福島第1原発 に近いJヴィレッジに復興本社を置くことで、事故対応を重視する姿勢を示すとともに、沿岸部の再建の象徴と位置付ける狙いもあるとみられる。
     復興本社は、現地の実情に応じた賠償や除染などの被災者支援を行うため、事故対応の権限を本社から委譲される予定。福島県内では現在、約3500人の東電社員が勤務しているが、来年1月の発足以降に順次増強し、最終的には約4000人規模とする。 
     Jヴィレッジは、事故直後から作業員らの活動拠点になっていた。
    [時事通信社]

    【九州から原発が消えてよいのか?】第3部(1) 8・51%値上げ「焼け石に水」  (1/4ページ)

    2012.11.29 23:08

    家庭向け電気料金値上げの申請書を、資源エネルギー庁の高原一郎長官(左)に手渡す九州電力の瓜生道明社長=27日午後、経産省
    家庭向け電気料金値上げの申請書を、資源エネルギー庁の高原一郎長官(左)に手渡す九州電力の瓜生道明社長=27日午後、経産省【拡大】
     「原発再稼働の時期が決まらなければ、原価算定なんかできっこない」「こんな人件費削減を労組は飲むでしょうか?」-
    福岡市中央区の九州電力本社の一室で、経営企画本部やお客さま本部などに所属する二十数人の精鋭部隊が厳しい表情で議論を続けた。11月に入って幾夜徹夜を重ねたか、分からない。
     料金値上げ申請の「Xデー」は11月27日。直前まで議論の中身はもちろん、メンバー構成や会議場所さえもトップシークレット。メンバーは原発稼働率や火力発電用の燃料調達費などを何十通りもシミュレーションし、料金の基準となる原価を計算した。
     その結果、弾き出した値上げ率は、家庭用電気料金を平均8・51%、企業向け平均14・22%。経済産業相に値上げを認められれば、来年4月から標準的な家庭で月額378円上がり、月額7021円となる見通しだという。
     料金を原価から見直す本格的な値上げは第2次石油危機の昭和55年以来、実に33年ぶりとなる。メンバーの1人はこう打ち明けた。
     「これまで経験した料金改定作業は値下げばかり。膨らみ続ける赤字の解消策とはいえ、九州すべてに負担をかける値上げ作業は精神的にしんどかった…」
    消えた2割値上げ
     玄海、川内の計6基の原発の停止により火力発電の燃料費が膨らみ、九電は電気を作れば作るほど赤字となる体質に陥った。
      平成24年度の燃料費は、原発が動いていた22年度に比べ5千億円も増加し、25年3月期(24年度)連結決算では九電史上最悪の3650億円の最終赤字 となる見通しとなった。6500億円あった内部留保は24年度末に600億円にまで減り、このままでは25年度に資本金まで食いつぶし、26年度早々に債 務超過、つまり事実上の倒産状態に陥る。
     「値上げ幅が圧縮されれば、さらなる資産売却などキャッシュ回収に努めざるを得ない。さらに来年7月の川内原発の再稼働が遅れ、財務状況が悪くなれば、再値上げの申請に追い込まれる」
    政府が迷走を続ければ、大幅な再値上げはすぐそこに迫っている。
    公益企業の義務とは
     「赤字に陥ったからといってすぐ値上げに走る電力会社は甘えている」-。
     九電の値上げ申請にこんな声も上がっているが、勉強不足というしかない。
      電気事業法では、家庭用電気料金を「総括原価方式」で算定することを義務づけている。人件費や燃料費、減価償却費など事業に必要な51項目のコストと、資 金調達による支払い利息などの事業報酬の合計を「総原価」とし、これを基に料金を算出する仕組みで、不当に利益を乗せたり、逆に割り引くことはできないの だ。
     「経営努力をしなくても地域独占の電力会社が儲かる仕組み」との批判も根強いが、その一方で、電力会社は「電力の安定供給」を義務付けられ、遠隔地など採算の合わないエリアからの撤退は許されない。
     例えば、九州には人が住む離島が22ある。この一つ一つに発電施設を設置し、各家庭まで送電線を敷かなければならない。この離島分の23年度収支は170億円の赤字だった。
     九電幹部はこう語った。
     「普通の企業が赤字になりリストラを迫られれば、まず不採算部門から撤退するでしょ。でも公益企業である我々にその選択肢はありません。管内にあまねく電気を送る。それが我々のプライドなんです」
     人口の多寡や密度による採算を度外視し、エリア内すべてに同一料金でインフラサービスを提供する。総括原価方式は「ユニバーサルサービス」を担保する有効な手法だといえ、ガスや鉄道、水道などにも広く適用されている。
    とはいえ、人件費を含め血のにじむようなコスト削減しても年間5千億円にも膨らんだ燃料費をカバーすることはできな い。不採算部門から撤退することもできない。大幅な再値上げを回避し、経営危機から脱却するため残された手段はただ一つ。「原発再稼働」。これは九州経 済、そして住民の生活にも直結する。 「財務基盤強化には原発の再稼働が不可欠。安全対策を着実に実施し、地元の理解を得て、早期再稼働を目指して参りたい」
     普段ならば記者会見の合間に柔和な表情を見せる瓜生氏だが、27日は一度も頬を緩めることはなかった。

      「脱原発コスト」が、来年4月から九州857万の全電気利用者にのしかかることになった。政権与党の民主党は12月4日公示16日投開票の衆院選で 「2030年代の原発ゼロ」をマニフェストに掲げた。マニフェストを次々に反故にし、迷走を続けたことにより、多くの国民の心は離れてしまった。なんとか 「脱原発」でつなぎ止めようという下心はみえみえだが、「原発ゼロ」の先に待ち受けるのは、天井知らずの電気料金値上げと産業・家計の崩壊ではないか。
    都知事選 17日間の選挙戦がスタート
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    2012年11月29日


     石原氏の辞職に伴う東京都知事選挙には9人が立候補し、きょうから17日間にわたる選挙戦が始まりました。各候補者は第一声を上げ、有権者に支持を訴えました。
     江戸の魅力を取り戻すことを政策に掲げる前神奈川県知事の松沢成文氏は、選挙戦スタートの地を日本橋に選びました。江戸の中心・日本橋を覆う首都高の地 下化や、寄付金で江戸城天守閣の復元など独自色を示すほか、国会議員を10年、神奈川県知事を8年務めてきた実績をアピールし、13年余り続いた石原都政 を批判します。『民力を都政に』を合言葉に、新銀行東京の清算や病院や交通の現業部門を民営化するなど、民間の力を導入して肥大化した都庁を刷新すると主 張します。松沢氏は「東京には新しいリーダーシップが必要。これまでの独善的・閉鎖的な都政ではなく、都民に開かれた民主的な都政を東京都民の皆さんと一 緒につくっていきたい」と訴えました。また、神奈川県知事時代に受動喫煙防止条例や多選禁止条例などを全国で初めて成立させたとして、東京でもこの2つの 条例を実現させたいと訴えました。
     元衆院議員の笹川尭氏は台東区浅草の雷門前での演説で選挙戦をスタートさせ、幼少時代を過ごしたこの地を選びました。街頭演説では1986年から 2009年まで衆院議員を務め国務大臣に任命された実績などをアピールし、「高齢者が安心して年を重ねられる街、世界一の街にしたい」などと訴えました。 笹川氏は「誰しもが老いる。安心して老える街・東京をつくりたい」「国会議員もやった。官庁もリードした。中小零細企業もたたき上げで江戸川区平井に町工 場をつくったのが私の第一歩。そういう点で私以外に都知事の適任者はいない」と支持を呼び掛けました。笹川氏は「育ててくれた東京に恩返しがしたい」とし て、都知事選に出馬したとしています。『決断と実行力』をスローガンに掲げ、新銀行東京の抜本的見直しや原発に依存しない社会の実現を目指すとしていま す。
     前・日弁連会長の宇都宮健児氏は、脱原発の旗印の下、石原都政からの転換を図ると訴えます。宇都宮氏は弁護士としての41年間の実績を基に「東日本大震 災の被災者、福島原発事故の被害者の救済のために、全国の弁護士たちとともに全力を挙げて支援活動、救済活動に取り組んできた。私が掲げる政策は、何とし てでも首都・東京から脱原発を推進して原発のない社会をつくりたいということ」と訴えました。第一声には「卒原発」を掲げる日本未来の党の東・前衆院議員 のほか、共産党の志位委員長や社民党の福島党首、民主党の菅元総理も応援に駆け付け、脱原発を呼び掛けました。また、宇都宮氏は貧困問題に長く関わってき た経験を強調し、待機児童の解消や特養老人ホームの整備など福祉の充実も訴えています。
     前副知事の猪瀬直樹氏は、選挙事務所で支援者などにあいさつをし、都庁から程近い新宿西口で第一声に臨みました。日本維新の会の石原代表や橋下代表代 行、自民党東京都連の石原会長ら、支援する政党や団体の幹部も応援に駆け付ける中、企業に3日分の食料などの備蓄を義務付けた帰宅困難者対策条例の制定な どを副知事としての実績としてアピールし、安心・安全の街をつくると訴えました。猪瀬氏は「東京の安心・安全をどうやってつくるのか、これが今一番大事な こと」「歴史的な知識を生かしながら、国との戦い、石原知事の下で都政の方法論を学んだ」と訴えました。猪瀬氏は石原都政の継承を強調し「さらに改革のス ピードを上げる」と主張しています。応援に入った石原前知事は「猪瀬氏はタフで発想力がある後継者。東京のリーダーにしてほしい」と有権者に支持を訴えま した。
     都知事選にはこの他、うつ病や自殺対策を公約に挙げている諸派で団体役員のマック赤坂氏、幸福実現党の党員でロックミュージシャンのトクマ氏、『世界に 輝く強い東京を創る』をスローガンに掲げる無所属で発明家の中松義郎氏、元外交官でネパール駐在の大使を務めた無所属の吉田重信氏、40年以上にわたりマ レーシアでの事業経験がある無所属の会社経営・五十嵐政一氏が立候補しています。

    ■東京都知事選挙 立候補者(届け出順・敬称略)
    マック赤坂(64,諸・新)
    トクマ(46,諸・新)
    松沢成文(54,無・新)
    笹川尭(77,諸・新)
    宇都宮健児(66,無・新)
    猪瀬直樹(66,無・新)
    中松義郎(84,無・新)
    吉田重信(76,無・新)
    五十嵐政一(81,無・新)

    年明けに値上げ申請へ=四国電力、燃料費増で―人件費カット拡大


    2012年11月29日

    四国電力は29日、家庭向けおよび企業向け電気料金の引き上げを検討すると発表した。伊方原発(愛媛県伊方町)の停止で火力発電用の燃料費が増し ており、合理化努力だけで収支改善を図るのは困難と判断した。高松市の本社で記者会見した千葉昭社長は、政府に申請する時期について「年明けになる」との 見通しを示した。値上げ幅は「これから検討する」と述べるにとどめた。 
     同社は値上げに理解を得るため、人件費の圧縮など効率化を進める。管理職の冬の賞与は前年に比べて15〜23%減らし、現在2割カットしている役員報酬もさらに削減する方向。一般社員を含めて給与の減額も検討する。
      東京電力福島第1原発事故後、原発再稼働のめどが立たず、電力各社の収益は悪化。四国電力は、燃料費や他社からの電力購入費が年間1000億円以上増加す ると見込まれ、経営環境が不透明なため2013年3月期の業績予想を「未定」としている。千葉社長は会見で「苦しい状況を理解してほしい」と訴えた。
    [時事通信社]
    四国電社長、値上げ申請を表明 火力発電燃料費の負担増え
     四国電力の千葉昭社長は29日の記者会見で、電気料金の値上げに関し「具体的検討に踏み切らざるを得ないと判断した」と述べ、申請する方針を表明した。原発の停止で代わりに動かす火力発電の燃料費の負担が増えており、値上げで損益を改善する。
     東日本大震災後では東京電力が値上げを実施し、関西、九州の各電力は申請に踏み切った。東北電力は30日に値上げ方針を表明する見通しで、家庭や企業に負担を転嫁する動きがさらに広がる。
     四国電力は伊方原発(愛媛県伊方町)が停止し、再稼働のめどは立っていない。2012年9月中間連結決算の純損益は150億円の赤字。
    2012年11月29日 17時03分
    四国電社長、値上げ申請を表明
     記者会見する四国電力の千葉昭社長=29日午後、高松市
    たんぽぽ舎です。【TMM:No1674】
    2012年11月29日(木)-2地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
    
                              転送歓迎
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    ★1.脱原発の総選挙がいよいよ発進!  (上)
       【明日、15時開催 第3回「脱原発の大合流」】
       11月30日午後3時 参議院議員会館へ集合!
    ★2.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
          ◆12/14-16「私たちを抜きに、福島のことを決めるな!」
      ◆12/16シンポジウム『3.11以降の社会運動が問うもの』
    ★3.新聞・雑誌より3つ
      ◆電力5社が次々と電気料金一斉値上げの怪しいタイミング
          「原発再稼働が遅れれば再値上げも」だって
                    (日刊ゲンダイ11月29日号より)
      ◆中学生以下に年31万円 未来公約 もんじゅ廃止明記
                    (11月29日東京新聞より抜粋)
          ◆未来、副代表に森氏 小沢氏執行部入りを否定
                                   (11月29日朝日新聞より抜粋)
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    ※12/2役立つ反原発基本講座第19回「浜岡原発は廃炉に-自治体が結論を」
     日 時:12月2日(日)15:15より
     講  師:三上 元さん(静岡県湖西市長)
      会 場:「スペースたんぽぽ」  参加費:1000円
      主  催:反原発自治体議員・市民連盟(たんぽぽ舎気付、TEL 03-5211-7199)
    ※12/2宇都宮けんじ勝手連第2回討論集会
     日 時:12月2日(日)19:00より
     会 場:「スペースたんぽぽ」  参加費:500円
      主  催:脱原発市民&都・区職員OBの宇都宮けんじ勝手連
              (東京都千代田区三崎町2-2-13-502室 TEL 03-3261-1128)
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    ┗■1.脱原発の総選挙がいよいよ発進!  (上)
     |  【明日、15時開催 第3回「脱原発の大合流」】
     |  11月30日午後3時 参議院議員会館へ集合!
     └──── 脱原発の大合流
    
    テレビでは分からない、未来の党結成を小島先生が解説!
    そして、私たち一人一人にできることを見つけ出そう
    11月30日午後3時 参議院議員会館へ集合!
    
    脱原発の未来をつかもうと、みんなが頑張ってきた。
    日本未来の党が出来上がった。
    脱原発の私たちには、まぶしい光として原子力ムラにとってはキラー光線として
    さあ、どうなるんだ? ワクワクが止まらない!
     今現在進行中の未来の党の結成、脱原発の大合流を青山学院大学の小島先生に、
    詳しく解説していただきます。
    みなさん、是非ご参加を!IWJのUst生中継もきっとありますので、検索!
    
    第46回衆議院選挙 脱原発総選挙、発進! 第3回「脱原発の大合流」
    
    ■日時:11月30日(金)15時~16時 
    ■会場:参議院議員会館講堂(東京都千代田区永田町1‐7‐1) 
        *14時30分から参議院議員会館入り口でパス配布
    ■プログラム(予定)
    1.脱原発の政治グループの結集が具体化 小島敏郎
    2.脱原発という選択権の行使、具体的にどうするか 竹村英明
    3.「脱原発つうしんぼ」の広がりと、脱原発の大旋風 マエキタミヤコ
      ほか、関係者交渉中 
    
     (次号へ続く)
    
    主催:脱原発の大合流
       〒151‐0063 東京都渋谷区富ヶ谷1-46-7
              プレミアブラン代々木公園706(サステナ内)
                     FAX 03-5465-1714
    
    ※事故情報編集部注:脱原発の選挙が迫りました。時宣に合った文章なので、
     又、転載歓迎の前文もあり、掲載します。やや長いので上・下の2回に分けて掲載します。
     読者からのご意見を歓迎します。
    
    
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    ┗■2.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
     | ◆12/14-16「私たちを抜きに、福島のことを決めるな!」
     | ◆12/16シンポジウム『3.11以降の社会運動が問うもの』
     └──── 
    
    ◆12/14-16「私たちを抜きに、福島のことを決めるな!」
     「原発いらない福島の女たち」から皆さんへ。
     女たちはIAEAと政府主催の「福島閣僚会議」に抗議し、
     次のような非暴力アクションを全力で展開します。
     どうぞ、共に行動に参加して下さい。
                     「女たち」のブログ:http://onna100nin.seesaa.net/
    【12月14日(金)】
    1.県庁前行動&デモ(呼びかけ:女たち)
      13:30申し入れ&スピーチ、かんしょ踊り 15:00デモ行進
    2.広瀬隆講演会(主催:脱原発福島ネット、他)18:00郡山市労働福祉会館
    【12月15日(土)】
    1.ビッグパレット包囲(呼びかけ:女たち、他)
        午前~午後 歌・ダイイン・リレートーク・かんしょ踊り等、
    2.IAEAへ申し入れ(主催:フクシマ・アクション・プロジェクト)
    3.脱原発をめざす首長会議(主催:同) 13:00労働福祉会館
    4.フリーステージ&交流会 18:00ビッグアイ(郡山駅西口)
    【12月16日(日)】
    1.フクシマ・アクション・プロジェクト市民会議(主催:同)
      13:00郡山女子大
    2.フリーステージ&交流会 18:00ビッグアイ
    
    
    ◆12/16シンポジウム『3.11以降の社会運動が問うもの』ご案内
    
     日 時:12月16日(日)13:30~18:00(開場13:00)
     会 場:専修大学1号館3F 301教室
     資料代:500円
     「第1部 現地からの報告」
      ・福島から…伊藤延由さん(飯館の新天地を求める会)
      ・静岡から…加藤一夫さん(ビキニ市民ネット焼津)
      ・東京から…八木健彦さん(経産省前テントひろば)
     「第2部 問題提起と討議」
      ・榎原均さん 「社会運動の地殻変動とわれわれの課題」
      ・白川真澄さん「緑の党は何をめざすか」
      ・市田良彦さん「国家の政治─運動の政治」
     主 催:ルネサンス研究所  連絡先:松田(090-4592-2845)
     会場アクセス「交通」
     ・水道橋駅(JR)西口より徒歩7分
     ・神保町駅(地下鉄/都営三田線、都営新宿線、半蔵門線)出口A2より徒歩3分
     ・九段下駅(地下鉄/東西線、都営新宿線、半蔵門線)出口5より徒歩3分
    
    
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    ┗■3.新聞・雑誌より3つ
     └──── 
    
    ◆電力5社が次々と電気料金一斉値上げの怪しいタイミング
     「原発再稼働が遅れれば再値上げも」だって
                  (日刊ゲンダイ11月29日号より)
    
     「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とばかりに、電力会社が一斉に電気料金
    値上げを言い始めた。国民の多くはア然としたのではないか。
     関西電力が家庭向けで11.88パーント、企業向けで19.23パーセントの値上げを
    発表すると、きのう(27日)は九州電力が値上げを表明。東北、北海道、四国の
    3電力会社も追随して値上げを発表する。関電の場合、標準家庭で月600円も高
    くなる。家計は火の車だし、倒産企業が出てくるのは必至だ。
     関電は申し訳程度に、社員の年収を790万円から664万円に16パーセント削減す
    る計画も盛り込んだが、国税庁の調査によると昨年の民間サラリーマンの平均年
    収は409万円だ。なぜ電力社員の高給を国民が肩代わりしなければならないのか。
     しかも、この値上げのタイミングは実に怪しい。ジャーナリストの横田一氏が
    こう言う。「折しも選挙戦に突入し、脱原発をめぐって第三極がまとまろうとい
    う矢先の電気料金値上げです。『脱原発なら電気料金がハネ上がるぞ、それでも
    いいのか』と国民を脅しているようなもの。原発推進の安倍自民党を応援する意
    味合いもあるのでしょう。そもそも、彼らの言う『原発は一番安い』は大ウソで
    す。電力会社はこの期に及んでも、原発コストに原発事故が起きた際に必要な経
    費を加味していません。それを含めれば、原発が最も高額になるからです。電力
    会社をめぐっては、社員でありながら地方議員を兼ねて、"原発推進"を代弁し、
    給料の二重取りをしていたケースもゾロゾロ発覚している。安易な値上げなんて、
    とんでもない話です」
     九電の瓜生社長は値上げに加え、「原発再稼働が遅れれば、再値上げの検討も
    あり得る」なんて"ドーカツ発言"までしていた。
     こんなデタラメを許してはダメだ。
    
    
    ◆中学生以下に年31万円 未来公約 もんじゅ廃止明記
                  (11月29日東京新聞より抜粋)
    
     嘉田由紀子滋賀県知事が代表を務める「日本未来の党」の政権公約の要綱案が
    29日、明らかになった。中学卒業までの子どもに年間31万2千円(月2万6千円)
    の手当を支給、一部を「子育て応援券」として各家庭に配布すると明記した。
    (中略)
     これに先立ち、民放番組では「現金支給以上に、保育園、ベビーシッターの利
    用券とか、子育てに利用できる体制が大事。子育て応援券は、滋賀県で全国に先
    駆けて実施している」と実績を強調した。民主党政権が始めた高校授業料の無償
    化も堅持する。(中略)
    卒原発の推進では、福井県敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」や青森県六ケ所
    村の使用済み核燃料再処理工場の廃止を明記した。民主党政権が建設着工を認め
    た大間原発(青森県)の新増設も禁止する。
    
    
    ◆未来、副代表に森氏 小沢氏執行部入りを否定
                             (11月29日朝日新聞より抜粋)
    
     日本未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事は29日、党副代表に国民の生活が第
    一の森ゆう子参院幹事長(56)を起用する意向を示した。
     生活の小沢一郎代表については「(小沢氏)本人の意思」として総選挙後の人
    事見直しでも執行部入りを見送る考えを示した。(後略)

    小沢氏“脱原発で新政権樹立目指す”
    11月29日 22時42分

    小沢氏“脱原発で新政権樹立目指す”
    国民の生活が第一の小沢代表は水戸市であいさつし、来月の衆議院選挙について、合流する「日本未来の党」の代表を務める滋賀県の嘉田知事を先頭に、脱原発などで一致する勢力で過半数を獲得し、新たな政権の樹立を目指す考えを示しました。
    この中で小沢代表は「嘉田知事の考えは、基本的に私たちが目指す政策と一致しており、この人ならば、将来必ず国政の政治家としてリーダーとして立派にやっていけると以前から思っていた」と述べました。
    そ のうえで小沢氏は、来月の衆議院選挙について、「嘉田氏を先頭に立てて、私も精いっぱい全国民にお願いをして歩きたい。この選挙は日本の将来の分岐点にな ると思うので、何としても国民の命と暮らしを守る視点に立った、真の国民サイドの政権を打ち立てたい」と述べ、脱原発などで一致する勢力で過半数を獲得 し、新たな政権の樹立を目指す考えを示しました。
    さらに小沢氏は、「自民党の安倍総裁、日本維新の会の石原代表や橋下代表代行、それに民主党の幹 部の話を聞くと、戦前の大政翼賛会を志向している感じがする。石原氏に至っては核武装の話までしており、このまま放っておくと、次の政権は危険な偏った政 権になる。これを阻止するためには、日本未来の党が躍進することが何よりも大事だ」と述べました。

    9新人の争いに=東京都知事選告示


    2012年11月29日

    都知事選告示、9新人届け出
    石原慎太郎前知事(80)の辞職に伴う東京都知事選が29日告示され、午後5時に立候補の届け出を締め切った結果、新人9人による争いが確定した。13年半にわたる「石原都政」の継承か転換かが最大の焦点。投開票日は衆院選と同じ12月16日で、初のダブル選となる。
      立候補したのは届け出順に、諸派で政治団体代表のマック赤坂氏(64)、諸派でミュージシャンのトクマ氏(46)、無所属の松沢成文前神奈川県知事 (54)、諸派の笹川堯元科学技術担当相(77)、無所属の宇都宮健児前日弁連会長(66)=未来、共産、社民支持=、無所属の猪瀬直樹前都副知事 (66)=公明、維新支持=、無所属で発明家の中松義郎氏(84)、無所属で元ネパール大使の吉田重信氏(76)、無所属で会社社長の五十嵐政一氏 (81)の9人。
     自民党は、石原氏が後継指名した猪瀬氏を支援する。また、「卒原発」を掲げる嘉田由紀子滋賀県知事(62)が代表を務め る「日本未来の党」が宇都宮氏支持に回り、脱原発勢力の結集を狙う第三極の動きが都知事選にも波及した形となっている。民主党は候補擁立を断念し、自主投 票で臨む。 
    ◇東京都知事選立候補者
    マック赤坂 64 政治団体代表 諸新
    トクマ   46 歌手     諸新
    松沢 成文 54 前神奈川知事 無新
    笹川  堯 77 元衆院議員  諸新
    宇都宮健児 66 前日弁連会長 無新
    猪瀬 直樹 66 前都副知事  無新
    中松 義郎 84 発明家    無新
    吉田 重信 76 元外交官   無新
    五十嵐政一 81 会社社長   無新
        (届け出順、年齢は投票日現在)
    [時事通信社]

    四国電力:値上げ方針を表明 原発停止で燃料費負担増え

    毎日新聞 2012年11月29日 22時10分
     四国電力(本店・高松市)の千葉昭社長は29日、電気料金を値上げする方針を表明した。経済産業省への 申請は来年1〜3月の見込みで、値上げ幅は原発の再稼働時期の見極めと人件費を含む経費削減を進めて決めるとしている。人件費などを含めた原価を見直す値 上げは、第2次石油ショック後の1980年以来33年ぶりとなる。
     千葉社長は同日の記者会見で「当社の置かれた状況をなんとか理解してもらいたい」と話した。
     通期配当は未定としているが、千葉社長は「値上げという最後の手段に踏み切ることは、株主を含めた利害関係者に痛みを分かつこと」と厳しい見通しを示した。
     伊方原発(愛媛県伊方町)が停止中の四電は、約600億円の火力発電の追加燃料費が負担となり、12年9月中間決算(連結)で約150億円の最終損失を計上した。【広沢まゆみ】

    維新の脱原発「意志感じぬ」=民主・細野氏【12衆院選】


     民主党の細野豪志政調会長は29日、日本維新の会が打ち出した既設原発の2030年代までのフェードアウト(消失)について「国家としての意志が感じら れない」と批判、「われわれは30年代にゼロにすることを目指すとはっきり示した」と述べ、民主党の脱原発政策の実効性を強調した。千葉県柏市内で記者団 に語った。
     また、細野氏は「第三極」とされる政党の動向に関し「選挙直前で生き残りの方便と感じなくもない部分がある」とけん制した。 
    [時事通信社]

    暗闇の登別「泊原発なければ冬乗り切れぬ」 北海道大規模停電ルポ

    2012.11.29 21:48 (1/2ページ)自然災害
    登別の温泉旅館では、発電機でついたわずかな灯りを頼りに営業再開に向けた準備が夜まで続いた=29日夜、北海道登別市(大竹直樹撮影)
    登別の温泉旅館では、発電機でついたわずかな灯りを頼りに営業再開に向けた準備が夜まで続いた=29日夜、北海道登別市(大竹直樹撮影)
     暴風雪の影響で北海道登別市などの大規模停電被害は29日も続いた。北海道を代表する観光地、登別の温泉街はひっそりと静まりかえり、夜のとばり が降りると信号も消えた街を暗闇が覆った。衆院選を戦う各党に「脱原発」の動きが目立つ中、ひとたび大規模停電に陥れば市民生活が脅かされる現実を見せつ けている。(大竹直樹)
     「街は死んだような状態だ。町中真っ暗で電話もタクシー無線も通じない。商売あがったりだ」。JR登別駅前で客待ちをしていたタクシー運転手の加藤昭夫さん(65)が嘆く。
     夜、小雪が舞う登別温泉街に着くと、観光客の姿はなく、凍(い)てつく強風が土産物店のシャッターを揺らしていた。
      営業休止となった老舗旅館「第一滝本(たきもと)館」の上田俊英総支配人(55)は「電気がなければ暖房も使えず、館内放送さえできない。宿泊客の連絡先 もパソコンの中で、連絡を取るのも一苦労だ。山奥でラジオも入らず、情報も不足している」と話す。登別観光協会によると、営業休止による被害総額は4億円 を超えるという。
     避難所となっている同市の施設では、急遽(きゅうきょ)設置された非常用発電機が轟音(ごうおん)を立てていた。28日 夜には氷点下5・7度の厳しい冷え込みの中、242人が不安な一夜を過ごした。寝付かれずロビーにいた漁師の丹後武美さん(62)は「自宅にいたが、寒く て耐えられなかった。電気のある生活に慣れていたが、今回ほど電気の必要性を実感したことはない」。
    27日に11月の観測史上最大となる瞬間風速39・7メートルの暴風雪に見舞われた都市部の室蘭市では、停電で思わぬ被害もあった。「坂の多い室蘭では、道路の融雪設備が停電で使えなくなり、道が凍り付いた」と室蘭観光協会の仲嶋憲一事務局長(38)は話す。 北海道では泊原発が定期検査に入り、道内の稼働原発はゼロだ。「布団にくるまって寒さをしのぐしかなかった。北海道の冬は泊原発がなければ乗り切れないのでは」。室蘭市のオール電化住宅に住む和田山忠生さん(72)は電気のありがたみを実感していた。

    このニュースの写真

    観光客の姿もなく、暗闇と静寂に包まれる登別の温泉街=29日夜、北海道登別市(大竹直樹撮影)
    停電で旅館が軒並み休業し、観光客の姿が消えてひっそりと静まりかえる登別の温泉街=29日、北海道登別市(大竹直樹撮影)

    安全確保を東電社長に指示  原発トラブルで規制委

    (2012年11月29日午後9時06分)
     原子力規制庁を訪れ、池田克彦長官(右端)に説明する東京電力の広瀬直己社長(左端)=29日夕、東京都港区  原子力規制庁を訪れ、池田克彦長官(右端)に説明する東京電力の広瀬直己社長(左端)=29日夕、東京都港区
     原子力規制委員会(田中俊一委員長)は29日、東京電力福島第1原発事故前から東電の原発でトラブルが相次いでいることについて、東電の広瀬直己社長に対し、安全確保には経営陣が深く関与するよう指示した。
     規制委事務局の原子力規制庁の池田克彦長官が同日夕、規制庁で広瀬社長に「現場で起きた問題点は経営層に確実に情報が上がることが重要。経営陣も参画した意思決定が必要だ」と指摘。2002年に発覚した東電のトラブル隠し以降の対応状況などを聴取した。
     広瀬社長は「原子力の安全は最重要の経営課題と認識し、積極的に取り組む」と述べた上で約30分にわたり説明。
    関電・九電が申請の料金値上げ幅を審査する政府専門委始まる
    関西電力と九州電力が申請した、2013年4月からの家庭向け電気料金の値上げ幅を審査する、政府の専門委員会が始まった。
    兵庫県の井戸知事は「節電に私たちを含めて協力してきたわけだが、そのうえに負担が強いられる」と語った。
    電気料金審査専門委員会では、関西電力が11.88%、九州電力が8.51%の値上げ幅が妥当かどうかを審査する。
    両社は値上げにあたって、社員の平均年収を650万円程度に削減するなど、1,000億円規模の合理化策を示しているが、出席者や委員からは、人件費のさらなる削減や競争入札の拡大など、いっそうの合理化策が必要との意見が相次いだ。
    一方、関西電力の八木社長は、値上げをしない場合、純資産が5,000億円程度目減りする見通しを示したうえで、原発再稼働の必要性を訴えた。
    関西電力の八木社長は「安全が確保されたプラントを再稼働したいという思いは変わりません」と話した。
    専門委員会は今後、関係会社との契約の在り方や燃料の調達方法などを審査し、値上げ幅の圧縮を目指す。
    (11/29 15:50

    福島2地区のコメ、出荷制限解除=政府


     政府は29日、福島県川俣町の旧飯坂村地区と福島市の旧立子山村地区の2012年産米に対する出荷制限を解除した。県が同日提出した管理計画を評価、今 後は県の検査で放射性セシウムが基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下なら出荷できる。政府は26日に出荷制限を福島県に指示していた。 
    [時事通信社]

    「原発消失」公約でない=石原、橋下氏が会見―維新【12衆院選】


     日本維新の会の石原慎太郎代表と橋下徹代表代行は29日午後、都内で記者会見し、衆院選公約「骨太2013〜2016」を正式に発表した。橋下氏は、公 約に政策実例として掲げた「既設の原発は30年代までにフェードアウト(消失)」は、公約には当たらないと軌道を修正。エネルギー政策に関する公約は、あ くまで「脱原発依存体制の構築」や「電力市場の自由化」だと説明した。
     橋下氏は、「骨太」後半部分に列挙した「政策実例」について「決まったことではない。議員がアイデアとして出したもので、まだまだ議論の余地がある」と 述べ、実現を約束したわけではないことを強調。脱原発に対しては、維新と合流した太陽の党のメンバーの慎重論が強いため、位置付けを曖昧にしたとみられ る。 
    [時事通信社]

    福島の避難実態調査、経路など解明へ 政府

    2012/11/29 21:39

     政府は29日、東京電力福島第1原発事故で住民がどのように避難したか実態調査することを決めた。福島県では事故後の避難の仕方にバラツ キがあった。避難者へのアンケートや自治体などへの聞き取りを通じ、避難経路や頼った情報などを解明する。来年秋をメドに報告書をまとめる。
     住民が効率よく避難する方法を見いだし、各自治体が策定中の防災計画に反映する。同日有識者による準備会合を開催。記者会見した平野達男復興相は「次の巨大災害に備える上で教訓になる」と強調した。
     宮城県や岩手県では住民がある程度まとまって避難していたが、福島県では放射線への不安などから個別に判断して避難する例が目立った。避難先を10回以上移した住民もいる。
     「東京電力」は29日、福島第一原発事故の賠償業務などを迅速に進めるための「福島復興本社」を、福島県の広野町と楢葉町にまたがる「Jヴィレッジ」に置くことを明らかにした。Jヴィレッジは現在、事故の収束に向けた作業の拠点にもなっている。

     来年1月に業務を開始する予定の復興本社に関しては、県内の複数の自治体が誘致を申し入れていたが、東京電力は避難区域の住民の帰還支援業務を強化するため、Jヴィレッジへの設置を決めたという。(11/29 21:15)

    主体性なき「脱原発」=維新公約、合流が影【12衆院選】

    日本維新の会が29日発表した衆院選公約は、原案に盛り込んだ「2030年代に全原発撤廃」が消えるなど曖昧な内容になった。主張が異なる太陽の党との合流が影を落とした格好だ。
     「硬直した中央官僚の支配を壊す」。石原慎太郎代表は公約発表の記者会見でこう強調。橋下徹代表代行も「官僚には絶対できないセンターピンになるようなところをまとめた。一内閣でやったら歴史に残る」と誇らしげに語った。
     公約でも「既成政党は改革を唱えたが状況は悪化するばかりだ。今こそ、大改革が必要だ」と、第三極としての維新の存在意義を訴えている。
      だが、公約の原発政策を見ると「脱原発依存体制の構築」と明記しつつ、「結果として、既設の原発は2030年代までにフェードアウト(消失)することにな る」と人任せのような表現もあり、脱原発に主体的に取り組む決意はうかがえない。しかも、橋下氏は会見で「30年代までのフェードアウト」は公約に当たら ないと説明した。
     環太平洋連携協定(TPP)に関しては、太陽との合流前の原案では交渉参加を打ち出していた。しかし、最終版には「ただし、国益に反する場合は反対」との表現が加わり、どっちつかずとなった。
     背景には、合流した太陽が、原発の再稼働や新規建設を容認し、TPPに慎重だったことがある。「小異を捨てて大同に就く」との石原氏の主張を受け入れて合流した以上、橋下氏としても譲歩せざるを得なかった。
      会見で原発政策のぶれを追及された橋下氏は、苦し紛れに「30年代ゼロというのは、自分の気持ちとしては捨てていない」。「表題を書けばいいなら、そんな のはなんぼでも書く。官僚が作るような具体的な工程表を示すのは政治家の仕事ではない」などと記者にかみつく場面も目立った。
     維新との合流を拒否したみんなの党の渡辺喜美代表は29日、太陽のメンバーを念頭に「明らかに理念、政策が違う人たちが混在しているだけに、今後、党内の一致結束が望まれる」と文書でコメントした。(2012/11/29-23:57)

    【放射能漏れ】
    焼却灰持ち込みで関係市に要望書 我孫子市議会議長 千葉

    2012.11.29 21:14
     千葉県の柏、松戸、流山3市で発生する放射性物質に汚染された焼却灰を手賀沼終末処理場(我孫子、印西市)に一時保管することについて、我孫子市 議会の川村義雄議長は29日、3市の市長あてに、「焼却灰の持ち込みは行わず、自区内処理を進めること」などとする要望書を提出した。
     要望書では、「同処理場では下水道から出る放射性物質に汚染された汚泥焼却灰も保管しており、一般焼却灰も保管することは市民の理解が得られない」と指摘。「(国による)最終処分場の候補地も決まらず、事実上同処分場が最終保管場所になる懸念もある」としている。
     同処理場では仮保管施設5棟の工事が進められ、1棟はすでに完成した。県資源循環推進課によると、各市とはルートや業者の選定など搬入の手続きを協議中という。
    東京電力 福島復興本社はJヴィレッジに
    (福島県)
    「顔が見えない」「対応が遅い」などの批判を払拭するため、本社機能を「Jヴィレッジ」に移し、除染や賠償、復興支援などを迅速に進める。
    *福島復興本社の代表に就任する東京電力・石崎芳行副社長
    「被災された方々への賠償・除染・復興推進といった業務を中心として迅速かつ一元的にこの福島復興本社で意志決定をいたしまして県民の皆様の色々なご要請にきめ細かくお答えをすると」
    東電の福島復興本社は、東京の本社機能を県内に移すことで、原発の廃炉作業のほか、除染や賠償、復興支援などを迅速に進める目的で設置される。
    来年1月に業務を開始する復興本社は、広野町と楢葉町にまたがる「Jヴィレッジ」に設置される。
    復興本社の設置に伴い、来年末までに新たに500人の職員を増やし、総勢4,000人以上の体制となる。
    一方、復興本社が設置される楢葉町の町長も、あらためて、復興への素早い対応を求めた。
    *楢葉町・松本幸英町長インタビュー
    「被災地に寄り添った形でだね、しっかりと取り組むという事業者(東京電力)の(姿勢の)現れであると。(Q.復興本社に期待することは?)町民の一番の関心事である、賠償関係ですね、それをですね、迅速に進めて頂くよう願っているところであります」
    また、石崎副社長は、会見の中で「年末年始に避難指示区域に宿泊する人たちをサポートするため、1,000人規模の支援体制を組みたい」などと語り、来年1月の業務開始を待たずに動き出す姿勢を示している。[ 11/29 20:14 福島中央テレビ
    2012年11月29日21時2分

    大飯原発運転差し止め求め提訴 京都府民ら1109人


     【村上晃一】京都府などの住民ら1109人が29日、関西電力を相手取り、大飯原発(福井県おおい町)1~4号機の運転差し止めを求めて京都地裁に提訴した。同時に関電と国に対し、原発の停止まで、原告1人あたり毎月1万円の損害賠償も求めている。
     弁護士らでつくる「京都脱原発弁護団」が9月から1万人を目指して原告を募っており、東京、愛知、大阪、福岡など17都府県から参加があった。
     訴状で原告側は、大飯原発の真下にある活断層によって関電の想定以上の大地震が起きる可能性があると主張。原発事故が起きれば数十万人が避難を強いら れ、文化遺産の宝庫・京都に人が住めなくなると訴えている。3、4号機の再稼働を認めた国の責任も追及する。関電は「訴状が届いていないのでコメントでき ない」との談話を出した。

    大飯原発:運転差し止め求め提訴 京都地裁に1109人

    毎日新聞 2012年11月29日 21時01分(最終更新 11月29日 21時18分)




















    大飯原発の(右から)1、2、3、4号機=竹内紀臣撮影
    大飯原発の(右から)1、2、3、4号機=竹内紀臣撮影

    関西電力大飯原発(福井県おおい町)1〜4号機について、関西圏の住民を中心に1109人が29日、関電や国を相手取り、運転差し止めと原告1人当たり月1万円の慰謝料を求める訴訟を京都地裁に起こした。
     京都の弁護士らが中心になり、原告団を公募。呼びかけ人には、裁判官時代に北陸電力志賀原発2号機の運転差し止めを命じた井戸謙一弁護士(滋賀弁護士会)や安斎育郎・立命館大名誉教授らが名を連ねている。
     訴状によると、大飯原発で東京電力福島第1原発と同レベルの事故が起これば、多くの人が健康被害を受ける危険があるとして人格権侵害を主張。また、福島原発事故後、安全性を判断する法的基準がないままに国が大飯原発3、4号機の再稼働を決めたのは違法、としている。
     関西電力は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【田辺佑介】

    “安全対策は東電経営陣が積極的に”
    11月29日 21時1分

    “安全対策は東電経営陣が積極的に”
    東京電力の原子力発電所で、安全上問題となるようなトラブルや法令違反が相次いでいるとして、国の原子力規制委員会は29日、廣瀬直己社長を呼び、「安全対策には経営陣が、より積極的に参加すべきだ」と厳しく求めました。
    原子力規制委員会の事務局を務める規制庁の池田克彦長官は29日夕方、東京電力の廣瀬社長を呼び、非公開で30分余りにわたって聴取しました。
    こ の中で池田長官は、新潟県にある柏崎刈羽原発で、核燃料を束ねた集合体の一部に破損が見つかるなど、東京電力の原発で安全上問題となるようなトラブルや、 法令違反が相次いでいることを問題にし、安全確保に向けた社内体制や、経営層の関わりなどについてただしたということです。
    聴取を終えたあと取材に応じた池田長官は、「組織改革は、経営陣の積極的な取り組みが末端にまで徹底できるかが大きな鍵になる。今後の安全対策には、経営陣も、より積極的に参加するよう要請した」と述べました。
    廣瀬社長は「ご迷惑をおかけして申し訳ない。経営陣にとって、原子力改革が最優先課題で、トップの考えが組織の末端まで行き渡るよう、具体的な取り組みを始めたい」と話しました。

    東通原発 断層調査現場を公開
    11月29日 20時45分

    青森県にある東通原発で、国の原子力規制委員会が、敷地を走る断層が活断層かどうかを調べる現地調査を来月行うのを前に、東北電力が断層の調査現場を公開しました。
    東通原発の敷地を走る断層について、東北電力は、ことし3月、「活断層ではない」とする報告をまとめましたが、専門家から「データが不足している」と指摘され、国の指示を受けて敷地の南側を中心に追加調査を行っています。
    29 日に公開されたのは、地面を掘って断面を見るトレンチ調査の現場4か所で、このうち「s-14」と呼ばれる断層は、地下に延びる亀裂を境に、地層におよそ 90センチの段差が出来ています。これについて東北電力は「古い粘土層が水を含んで膨張した結果出来たもので、活断層ではない」と説明していますが、規制 委員会の現地調査に参加する専門家は、「粘土が膨張した場合でも、これほど大きな段差が出来るのは考えにくい」と指摘しています。
    東北電力は、ほかの断層についても、これまでの分析で活断層は確認できなかったと説明しています。規制委員会は、東通原発での現地調査を来月13日から行い、東北電力は現地調査を踏まえたうえで、来年3月に最終的な調査結果を取りまとめたいとしています。

    四国電力 料金値上げの検討開始
    11月29日 20時45分

    四国電力の千葉昭社長は29日の記者会見で、愛媛県の伊方原子力発電所の運転再開の見通しが立たないなか、悪化した収支や財務体質の改善を図るため、電気料金の値上げの検討を始めたことを明らかにしました。
    この中で千葉社長は、伊方原発の運転停止に伴って火力発電の燃料費が大幅に増えたことなどから、1日当たり4億から5億円、今年度1年間で1000億円以上のコスト増が見込まれることを明らかにしました。
    そ のうえで千葉社長は「伊方原発の早期の運転再開は見込みがたく、財務基盤が著しく悪化し、電力の安定供給にも支障を来すことが懸念される。最後の手段と考 えていた電気料金の値上げについて、具体的な検討に踏み切らざるをえないと判断した」と述べ、悪化した収支や財務体質の改善を図るため、電気料金の値上げ の検討を始めたことを明らかにしました。
    ただ、値上げの幅や時期については「今後、検討していく」と述べるにとどまりました。
    また、千葉社長は値上げに先だって徹底した合理化が不可欠だとして、この冬のボーナスを管理職で最大23%カットするほか、現在、2割カットしている役員報酬をさらに削減することを明らかにしました。
    電気料金の値上げは、東京電力がことし9月からすでに実施しているほか、関西電力と九州電力が来年4月からの値上げを経済産業省に申請しています。

    安全対策の徹底、東電社長に指示 規制庁長官

    2012/11/29 20:38

     原子力規制庁の池田克彦長官は29日、東京電力の広瀬直己社長と面会し、東京電力福島第1原子力発電所の事故対応を含めて安全対策を徹底 するよう指示を出した。東電では柏崎刈羽原発の機器の不備や福島第1原発の水漏れなど、トラブルが相次いでいる。池田長官は「安全対策を最優先とする経営 陣の意向を組織の隅々まで徹底することが必要だ」と要請した。
     広瀬社長は面会後、記者団に対し「原子力改革が最優先課題だ。事故対応をしっかりやる、安全対策を徹底していくことを伝えた」と述べた。'12/11/29

    賠償・除染に全力と東電 福島本社、1月1日設立


     東京電力は29日、福島第1原発事故を受けた福島本社を「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)内に置くと正式発表した。設立は来年1月1日。
     代表に就く石崎芳行いしざき・よしゆき副社長は福島市で記者会見し「賠償、除染についていろいろな要請にお応えする。福島に根を下ろし、全力を尽くす」と述べた。
     Jヴィレッジの敷地は楢葉町と広野町にまたがり、1997年に東電が福島県に寄付。スタジアムやホテルがあり、サッカーのナショナル・トレーニングセンターとして利用されていた。
     しかし、原発事故後は収束作業の拠点になり、作業員の宿泊場所や駐車場などとして使われている。
     福島本社は、東電が11月7日に設置方針を発表した。

    自民党の「原発に関する政策」があいまいで結局よく分からない件

      [2012/11/29]



    衆院選を控えて、自民党の「本当の姿」がつぎつぎと明らかになっている。というか、自民の中にもいろいろな意見の議員がいるのに、安倍晋三総裁のみが暴走 しているようにも見える。民主党が失墜した上で選挙ができるというのに、このまま安倍氏が舵取りを続ければ、好感度は下がり続けてしまうような気がする。

    とりわけ、原発に関する自民党の政策がひどい。2012年11月27日付の時事通信によると、自民党は「原子力に依存しなくて良い経済・社会構造の確立を 目指す」としている。しかし、「原発の存廃については『10年以内に持続可能な電源構成のベストミックスを確立する』」とあいまいな表現を使い、原子力政 策の明確な目標を定めていない。

    党内には、河野太郎氏のように脱原発を進めようとする議員もいるし、世論も脱原発を歓迎する方向に向かいつつある。福島第1原発事故が起き、その影響が現 在も色濃く残る状況を考えれば、そうなるのは当然の話である。だが、安倍氏には、経済界が発信する原発推進の声が重要なのだ。

    安倍氏や経済界のおエラいさんは、今日も黒塗りの高級車を乗って移動し、美味いものを食べ、なにひとつ不自由のない生活を送っている。他方、11月28日 付の河北新報によれば、福島県には「現在も県内約10万人、県外約5万9000人の避難民」がおり、不自由だらけの暮らしを続けているのである。

    そもそも、原発事故が起きた上に、原発が稼働すれば必ず発生する核のゴミをどう処理するのかも、まともに決まっていない。11月27日のNHKの報道によ ると、原発から出る「高レベル放射性廃棄物」を受け入れるかどうか、NHKがアンケート調査したところ、「受け入れを検討する」と回答した都道府県はひと つもなかった。ことほどさように、原発には現在進行形で解決すべき問題が山積みなのだ。

    ならば、大地震と原発事故を経験した国の国政選挙で、各政党が原発をどうするのかという意思を有権者に表明することは、ある意味では義務と言ってもいい。 それをないがしろにしてしまったら、「国防軍」や「教科書検定の見直し」などと手品のような政策を提案されても、結局は有権者に背を向ける自己満足の政党 だと思われても仕方がなかろう。

    (谷川 茂)
    日本維新の会、「日本を賢く強くする」と題した衆院選公約を発表
    日本維新の会は29日、石原代表と橋下代表代行が記者会見し、「日本を賢く強くする」と題した、衆議院選挙の公約を発表した。
    29 日昼すぎ、石原代表は「あのね、あんまり小さな細々した政策を話しても、しょうがないんだ。みんな、各党勝手なこと言っててね、できっこないものもある し、できそうなものもあるしね」、「中央の官僚のね、硬直した価値観と発想で作った規定は、本当に時代に通じない」と語った。
    橋下代表代行は「今 回の『骨太』というのは、そんな具体的な工程表とか、行政官僚がつくるようなこと、そんなことは示していません。政治家が、行政官僚に指示を出す。そし て、行政官僚では絶対できないようなポイント、センターピンになるようなところをまとめました」と話した。
    日本維新の会の公約は、「自主憲法の制定」や「日本を賢く強くする」ことを基本方針に、「経済財政」、「エネルギー」など、5つの分野で構成された。
    経済財政政策では、TPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加方針を明記する一方、「国益に反する場合は反対」とした。
    エネルギー政策では、「先進国をリードする脱原発依存体制の構築」、「原発政策のメカニズム・ルールを変える」ことを掲げ、「原子力発電は、2030年代までにフェードアウトする」と明記した。
    外交・安全保障政策では「集団的自衛権の行使を可能とする法整備」を盛り込んだ。
    そして、消費税については、地方税化を提唱し、地方交付税に代わる新たな財政調整の仕組みとして、「地方共有税」の創設もあわせて打ち出した。
    維新の会の公約については、民主党から疑問の声が相次いだ。
    神 奈川・横浜市での街頭演説で、野田首相は「きょう、維新の会が政権公約をまとめたそうですが、『最低賃金は撤廃』と書いてありました。これは驚きますね。 一生懸命、成長を果たそうとしても、賃金がずっと下がり続けている。それが、大きなデフレの要因です。そんなときに、最低賃金すら撤廃したら、おかしいと 思いますよ」と述べた。
    民主党の細野政調会長は「(脱原発依存で)2030年代という年限を示したことは評価できると思います。ただ『フェードアウト』という言葉からは、国家としての意思は感じられませんね。そこが、私どもとの違いではないかなと」と語った。
    岡 田副総理は「自主憲法(制定)というのは、今の憲法がだめだという前提かなと思うんですね。それは、戦後の歴史を無視していると思う。もちろん問題があれ ば、憲法を改正することに、私は後ろ向きではありません。しかし、根っこから否定する議論はいかがなものか」と話した。
    (11/29 20:17
    九電の電気料金値上げ 経産省で委員会開催
    (鹿児島県)
    九州電力が国に申請した電気料金の値上げが適正かどうか審査する経済産 業省の委員会が29日、東京で開かれた。出席した九電の瓜生道明社長は、経営悪化の状況を説明し値上げの必要性を訴えた。「電気料金審査専門委員会」には 有識者などが出席し、電気料金の値上げが適正かどうか審査する。委員会には九州電力と関西電力の社長も出席し、経営悪化の状況を説明。値上げの必要性を訴 えた。27日に九電が国に申請した電気料金の値上げは、来年7月以降、川内原発と玄海原発が再稼働するという想定のもと申請された。値上げの幅は家庭向け で平均8.51パーセントで、子ども2人を抱える一般家庭では月に約380円の値上げとなる。29日の委員会では、九電にさらなる経営努力と情報の透明性 を求めるとともに、原発の再稼働に頼らない新たな基準を作るべきとの指摘があった。今後は、電気料金を決める基準となる「人件費」や「燃料調達費」など、 項目ごとに議論が交わされる。九電の瓜生社長は、「お客さまへのご負担をお願いする料金改定なので相当覚悟してしっかり情報を開示して、きっちり説明責任 を果たす必要性があると感じている」と取材に応じた。[ 11/29 19:26 KYT鹿児島読売テレビ

    福島本社、Jヴィレッジ内に 東電発表、1月1日設立

     東京電力は29日、福島本社を「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)内に置くと発表した。設立は来年1月1日。

     福島本社は福島第1原発事故の賠償や除染を進めるためとして、東電が11月7日に設置方針を発表。石崎芳行副社長が代表に就くことが決まっている。

     石崎副社長は福島市で記者会見し「賠償、除染についていろいろな要請にお応えする。福島に根を下ろし、全力を尽くす」と述べた。

     Jヴィレッジ内には、石崎副社長を含む30人程度が常駐。福島、いわき、郡山、会津若松、南相馬の5市にも事務所を置く。

     被災した県民から「遅い」と批判の声が出ている賠償金の支払いでは、東京の本店がしている審査を福島本社で行い、石崎副社長は「スピードを上げる」と表明した。

      Jヴィレッジは第1原発の南約20キロにあり、敷地は楢葉町と広野町にまたがる。東電が造り1997年、地域振興の名目で福島県に寄付。スタジアムやホテ ルがあり、運営会社「日本フットボールヴィレッジ」がサッカーのナショナル・トレーニングセンターとして利用していたが、事故後は作業員の宿泊場所や駐車 場などになっている。

     福島本社をめぐっては、南相馬市や福島市、郡山市、いわき市などが、それぞれ地元への設置を求める要望書を東電に提出し“誘致合戦”の様相を呈していた。

     楢葉町の松本幸英町長は「近くに本社が来ることで、除染や賠償などが迅速に進むはずだ」と述べた。
    [ 2012年11月29日 19:58

    東電社長らから直接聴取=安全確保への認識ただす-規制委









































    原発でのトラブル続発を受け、原子力規制委員会に呼ばれた東京電力の広瀬直己社長(左端)ら=29日午後、東京都港区
     原子力規制委員会は29日、東京電力の原発でトラブルが相次いだことを受け、同社の広瀬直己社長らを規制委に呼び、経営陣の原子力の安全に対する認識や、再発防止への取り組みなどについて聴取した。
     規制委側は事務局機能を担う原子力規制庁の池田克彦長官らが対応。冒頭、池田長官は「トップとして安全確保にどのような問題意識をお持ちか、覚悟や存念を聞かせてほしい」と求めた。
     これに対し、広瀬社長は「原子力の安全は最重要課題と認識している。現在の取り組みについてお話しし、併せてご指導をたまわりたい」と述べた。
     会合後、取材に応じた池田長官は「経営陣の意向がどれだけ徹底するか現場も含めて視察し、徹底していないとすれば、重ねて指示を出したい」と述べた。(2012/11/29-19:53)
    ページ更新時間:2012年11月29日(木) 22時14分
    ■ 東電、福島復興本社をJヴィレッジに

    原発事故の除染や賠償を行う福島復興本社について、東京電力は福島県のJヴィレッジに拠点を置くことを正式に決めました。

     これは福島復興本社の代表になることが決まっている東京電力の石崎副社長が会見で明らかにしたものです。

     福島県双葉群にあるJヴィレッジは現在、原発作業員の中継基地となっていますが、東京電力ではサッカーのトレーニング施設として再開するまでの数年間は福島復興本社の拠点にしたいと話しています。

     福島復興本社は、原発事故で被災した住民の賠償や除染などを迅速に進める目的で、本社のほか福島県内の5か所に支所を設け、年明けから合わせて4000人規模の社員が業務にあたることになります。(29日20:56)

    トレセン復活は凍結か Jヴィレッジで日本協会

     東京電力が29日、福島本社をJヴィレッジ内に設置すると発表したことで、日本サッカー協会が目指したナショナルトレーニングセンター強化拠点としての 復活が凍結される可能性が出てきた。日本協会は談話などを発表せず、広報担当者も「現時点で話せることはない」と言葉少なだった。

     Jヴィレッジは日本代表などの合宿地として使われ、09年には文部科学省がサッカーの強化拠点に指定した。中高一貫のエリート選手育成校、JFAアカデミー福島も置かれた。

     アカデミーは昨年の福島第1原発事故後、静岡県御殿場市に移った。日本協会の田嶋幸三副会長は昨秋、「福島に戻ることが前提」と撤退しないことを明言していた。今後は「3年、5年は帰れない」としていた見通しを変更し、完全移転を検討することにもなりそうだ。
    [ 2012年11月29日 19:30

    Jヴィレッジに復興本社=「双葉郡に置くのが筋」―東電副社長


     東京電力は29日、福島第1原発事故の被災者支援を担う「福島復興本社」について、来年1月1日付で福島県楢葉町のスポーツ施設「Jヴィレッジ」に設置すると発表した。
     Jヴィレッジがある楢葉町を含む双葉郡では住民の大半が避難生活を余儀なくされている。復興本社代表に就く石崎芳行副社長は福島県庁で記者会見し、「双葉郡に置くのが筋と考えた」と語った。
     復興本社はJヴィレッジの既存施設を活用。常駐するのは企画・総務関係の約30人。除染や復興、広報などの部門は福島市内の拠点に残す。復興本社発足に伴い、来年1月に約80人、同年末までに約500人を増員し、全体では4000人以上の体制で賠償や復旧に対応する。 
    [時事通信社]
     石原慎太郎前知事の突然の辞職による東京都知事選が29日、告示され、9人が立候補を届け出た。13年半にわたる「石原都政」の是非を問う選挙戦がスタートした。

     前神奈川県知事・松沢成文候補「これまでの独善的な閉鎖的な都政ではなく、都民に開かれた民主的な都政を、東京都民の皆さんと一緒につくっていきたい」

     元衆議院議員・笹川尭候補「色々な経験をした人が知事を務めないと。東京は世界一のまちです。これからも世界一を続けよう」

     前日弁連会長・宇都宮健児候補「私が掲げる政策、それは何としてでも首都・東京から脱原発を推進して、原発のない社会をつくりたい」

     前東京都副知事・猪瀬直樹候補「石原前知事のもとで学んだ都政の方法論。東京を安心・安全の都市にしていくため、都知事選に立候補したわけであります」

     この他、29日午後4時30分現在、マック赤坂候補、トクマ候補、中松義郎候補、吉田重信候補、五十嵐政一候補が東京都選挙管理委員会に立候補の届け出を済ませている。

     今回の都知事選は、13年半の「石原都政」の継承か、見直しかが主な争点となっている。

     20年のオリンピック招致については、松沢、笹川、猪瀬の3候補が推進の立場を取る一方、宇都宮候補は見直し・検討との考えを示している。

     経営再建中の「新銀行東京」については、石原都政の継承を訴える猪瀬候補が現状を改善し、継続するとの考えだが、松沢、笹川、宇都宮の3候補は、整理・清算など見直しの考えを示している。

      首都のエネルギー政策については、松沢候補は「脱原発依存」の立場から大規模な太陽光発電の推進を、笹川候補は「脱原発」の立場から代替エネルギーの開発 や節電家電の活用を訴える。また、宇都宮候補は「脱原発」を強く訴え、天然ガスを利用した火力発電などに転換すべきだとしている。猪瀬候補は、電力の自由 化や原発の廃炉技術促進などを主張し、原発を否定はしていない。

     都知事選は、衆院選と同じ来月16日に投開票される。(11/29 19:01)『論!争点』2012衆院選 「脱原発」どう考える・・・?!
    動画を再生

     『論!争点』2012衆院選 「脱原発」どう考える・・・?!

    (2012年11月29日 19時04分)

     ここ数日の『第三極』2分化の動き、そのきっかけになったのが『脱原発』、『未来の党』は『卒原発』と言っていますが、要するに「今後、原発をどうするか」についての各党のスタンスです。

     そこで、29日のシリーズ『論!争点』は『脱原発』を取り上げます。

     実は、ほとんどの政党が『脱原発』に近い公約を掲げているわけですが、その中身は、必ずしも一緒というわけではありません。

     ※データ放送の方は、チューリップテレビのホームページから動画をご覧ください。
    四国電力 値上げ方針表明
    (愛媛県)
    四国電力は29日、家庭向けや企業向けの電気料金について値上げする方針を表明した。火 力など原発に代わる燃料費の負担が増え続け四国電力では今年度、800億円程度の赤字となり、2014年度中にも債務超過に陥る事が懸念される。四国電力 では値上げ幅について未定としているが、原子力比率がほぼ同じ関西電力と九州電力は来年4月から11㌫から8㌫程度の値上げを既に申請していてこうした規 模になる見通し。一方で千葉社長は、夏に引き続いて冬のボーナスを一般社員で7㌫、管理職は15から23㌫カット。役員報酬についてもこれまでの20㌫か らさらに切り込むなど、合理化を徹底する考えを示し理解を求めた。値上げの申請は早ければ来年1月中に行われ、5月以降の実施となる見通し。[ 11/29 18:44 南海放送
    遠野市で汚染牧草の本格焼却始まる (2012年11月29日 14:22 更新)
    福島の原発事故による放射性物質を含む汚染牧草の焼却が、今日から遠野市で始まりました。県内の市町村としての本格的な焼却処理は今回が初めてです。
    現在遠野市では1500トンを越える汚染牧草を抱えています。
    市では、農家の負担軽減や、風評被害を防ぐため8月に試験焼却を実施。
    その後、住民への説明会を開き本焼却に、こぎつけたものです。
    今朝は、ブロック状の「コンパクト牧草」122キロを細かく裁断、隣接するごみ焼却炉へ投入し、一般ゴミと混ぜて焼却を開始しました。
    今後、1日1tのペースで焼却が続けられます。
    市内の汚染牧草1500トンの焼却が全て終わるのは最も長い場合で、6年後の予定です。
    市では現在農家が保管している牧草の集中保管施設の整備を来年2月までに完了したいとしています。

    第三極の「脱原発」警戒=「民主は現実的」とけん制-野田首相【12衆院選】

     「2030年代原発ゼロ」を掲げる野田佳彦首 相(民主党代表)が、より急速な「脱原発」を目指す第三極勢力の動きに警戒感を強めている。衆院選(12月4日公示-16日投開票)に向け、「脱原発か続 原発か」を争点にし、自民党との対決姿勢を示してきた首相だが、第三極とは脱原発の方向性が同じ。無党派層の票が分散し、民主票が食われる懸念があるため だ。首相は29日の街頭演説で、民主党の「原発ゼロ」への主張を「現実的な歩み」と強調、第三極へのけん制を始めた。
     「『脱原発』を語る第三 極、第四極の動きも出てきた。ドイツを参考にしているようだ」。首相は29日の神奈川県藤沢市内の街頭演説でこう切り出した。その上で「ドイツは陸続きの 国だ。仮にエネルギー政策に失敗し、見通しを誤っても隣のフランスが助けてくれる。日本は島国だ。失敗は許されない」と述べ、「30年代に原発稼働ゼロ」 を目指す民主党の政策の方がより「現実的」とばかりに聴衆に訴えた。
     藤沢市を含む衆院神奈川12区からは、日本未来の党から阿部知子前衆院議員(前社民党政審会長)が出馬を予定。未来代表の嘉田由紀子滋賀県知事は「卒原発」を旗印に、民主党よりも目標期限が早い10年後の「22年原発ゼロ」を打ち出した。首相の発言が未来を意識していることは明らかだ。
      第三極では、日本維新の会も29日発表した公約に「既設の原発は30年代までにフェードアウト(消失)」と明記。みんなの党も「20年代ゼロ」を掲げた。 こうした各党の「脱原発合戦」に、ある民主党候補は「無党派層が第三極に一気に向かってしまう」と危機感を募らせている。
     首相は28日までは、 原発政策について態度を明示しない自民党をやり玉に挙げていた。同党の政権公約は「10年以内に電源構成のベストミックスを確立する」とあいまいで、首相 は原発維持の姿勢があるとみて繰り返し批判。これは、選挙戦を「脱原発」対「原発推進」の構図に持ち込む狙いがあった。しかし、第三極勢力の急速な台頭 で、首相も戦略の修正を余儀なくされたようだ。(2012/11/29-18:55)

    福島県福島市内のモニタリングポスト。(撮影/Greenpeace・Jeremie Souteyrat)
    国際環境NGOグリーンピース・ジャパンでは海外から放射線専門家であるスタッフを招き一〇月一六日から一九日まで福島県福島市と飯舘村で、それぞれ三一五カ所、九五カ所の放射能調査を行なった。調査は今回で一三回目。
     福島市に関しては「市民と科学者の内部被曝問題研究会」が福島県内のモニタリングポスト周辺を計測して「文部科学省のモニタリングポストは意図的 に低線量を提示か」と問うていたのを受けたもの。モニタリングポストから〇メートル、五メートル、一〇メートルの各地点を計測した。結果、計測した四〇カ 所のモニタリングポストの七割以上で、設置地点より周辺のほうが高い数値が出た。明らかにモニタリングポストのごく周辺のみを除染しているところや鉄板や コンクリートを「台」にしてある例もあり、それが数値が低く出る原因だという可能性があると思われた。これでは住民に誤った安心感を与えることになる。グ リーンピースは一〇月二三日に記者会見を開き、政府にモニタリングポストの再評価を求めた。
     こうした市民の動きに応えたのか、一一月七日になって政府が、モニタリングポストの表示線量が低いのは、装置脇の鉛のバッテリーが原因として、六七五台について改修工事の実施を明らかにした。
     しかし、「そこだけ除染」や他の「遮蔽物」については検証されておらず、何よりも大事な意図は解明されていない。
     放射線防護の基本は、汚染源から離れることであり、本来こうした地域では、避難・移住がサポートされるべきなのである。
    「汚染を過小評価し、賠償額が増えてしまうので避難する人々の増大を防ぎたい」――という意図が政府になかったのかを問うべきだ。
     今回の放射能調査の計測データは http://www.greenpeace.org/japan/monitoring/13th/
    (鈴木かずえ/グリーンピース・ジャパン エネルギー・核問題担当、11月16日号)

    一刻も早く具体策を~平野大臣に福島の被害者訴え

    投稿者: ourplanet 投稿日時: 水, 11/28/2012 - 14:32
    東京電力福島第一原発事故の被害者や支援者らは28日、現在、基本方針策定中の法律「原発事故子ども・被災者支援法」に対して、一刻も早く基本方針策定をし実施をして欲しいと平野復興大臣に要望書を提出、政府と交渉を行った。
     
    今回政府に要望したのは、原発事故の被害者や支援者などを含む25の市民団体。復興庁で平野達男復興大臣と面会し、汚染地域で暮らす人の「避難の権利」な どを訴えた。また、福島県が12月28日で、県外への借り上げ住宅支援について新規受付を終了すると発表したことに対して、打ち切りをしないよう求める 5218筆の要望書を提出。福島から福岡へ母子避難をした宇野朗子さんは、「避難をする人への支援が薄くなることに、大変危機感を感じている。避難を考え ている人の状況を把握して欲しい」と訴えた。平野大臣は「意見を受け止め検討していく」としている。
     
    原発事故子ども・被災者支援法は、汚染地域で暮らす人たちの「避難の権利」や子どもや妊婦の医療費を減額したり免除したりすることなどが盛り込まれており、市民や議員らの働きかけにより今年6月21日に成立。しかし、基本方針策定が遅れ具体的な支援はまだ行われていない。
     
    平野大臣との面会後、市民と政府の直接交渉が行われた。
     
    支援対象地域の基準は年間5ミリシーベルト?
     
    市民らは原発事故子ども・被災者支援法の支援対象地域について、年間1ミリシーベルト以上の被ばくが推定される地域は、全て支援対象地域に指定欲しいと強 く訴えたものの、これに対して、復興庁の水野靖久参事官は、「政府の中では、5ミリシーベルトという話も聞くが、どんな数字でも根拠を明確にしていかなけ ればならない」と回答した。
     
    被ばく量低減のための保養プログラムと移動教室
     
    福島県内で暮らしている子どもたちの被ばく量低減のため、支援対象地域の学校単位、学級単位で放射線量の低い地域に移動して授業を受ける「移動教室」や民 間の保養プログラムの支援などを求めた。水野靖久参事官は、どちらも重要性を認識して検討中とし、「移動教室の事業は、文部科学省の方で、24年度の予算 を遥かに上回る数倍の予算要求を25年度にしている。文部科学省でも真剣に検討している」と説明した。
     
    高速道路の無料措置
     
    原発事故の被害者の高速道路の無料措置について、国交省の担当者は、「要望が多く、大臣から実施に向けて検討するように指示を受けている」と話した。
     
    原発事故子ども・被災者支援法市民会議の代表 中手聖一さんは、「今回の選挙で被災者支援が争点になっていない。各党があまり力を入れておらず、孤立感、怖いと感じる。まだ事故からは2年も経っておらず、被害は続いている」と被災者支援への動きに注目して欲しいと訴えた。
     
    関連リンク
    原発事故子ども・被災者支援法市民会議
    http://shiminkaigi.jimdo.com
     
    関連番組
    2012年10月19日配信
    「移動教室に復興予算を」〜福島・伊達の校長ら国に訴え
    http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1456
    2012年6月14日配信
    【被災者支援法】1ミリ目指す〜「避難の権利」へ大きな一歩
    http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1381
    日本維新の会、政権公約発表 「既存原発フェードアウト」
    日本維新の会は29日、「骨太」と題した政権公約を発表し、「既存の原発は、2030年までにフェードアウトする」という方針を掲げた。
    29日午後、日本維新の会の公約発表会見が開かれた。
    その第一声で、石原代表は「あんまり小さな、こまごました政策話してもしょうがない。みんな各党、勝手なこと言っててね、できっこないものもあるし」と述べた。
    また、橋下代表代行は「僕らの骨太ね。薄っぺらいように思うかもしれませんけど、一内閣でそんだけやったら、もう歴史に残る内閣ですよ。書きゃいいってもんじゃないんですから」と述べた。
    この公約は、「骨太2013-2016」・「日本を賢く強くする」というキャッチフレーズで、自主憲法の制定を基本方針に掲げた。
    経済・財政、国家システム、エネルギーなど、5つの分野で構成され、消費税については地方税化、議員定数は3割から5割削減としている。
    そんな中で注目が集まったのは、石原代表と橋下代表代行の持論が異なっていた、TPP(環太平洋経済連携協定)と、原発に関する表記だった。
    そもそもTPPに関して、石原代表は、都知事時代の2月、「こんなちゃんちゃらおかしい話、都民の生命を預かる者として、許すわけにはいかないね」と、明確に反対していた。
    一方の橋下代表代行は9日、「交渉参加も駄目だ駄目だというような声が出ているのは、主権国家として、本当に恥ずかしいですよ」と述べていた。
    そして、今回の公約では、「TPP交渉参加」と石原氏側が歩み寄った形の一方で、「国益に反する場合は反対」と、慎重な表現も添えられた。
    そ して、原発についても、橋下代表代行は10月、「2030年代ゼロ。そういう方向性は、目指していくべきなんじゃないかと」と述べたのに対し、9月、当時 都知事の石原代表は、「30年までに原発全部変えるといったら、ただのセンチメント(感傷)で。安保について全く知らないのに、安保反対って騒いだ連中と よく似ている」と述べていた。
    その結果、公約集に表記されたのは、「脱原発依存体制の構築」だった。
    一方で、あわせて発表された政策実例の中では、「結果として、既設の原子炉による原発は、2030年代までにフェードアウトすることになる」と書かれていた。
    これについて、橋下代表代行は「政策実例、これは決まったことではありません。いろんな議員が、アイデアとして出したものを、政策実例とやっていますから。これからまだまだ、議論の余地はあるものだと」と述べた。
    さらに具体的な内容について、記者が質問しようとすると、石原代表は「全くね、あなたわかっていないね。統合的に各省が集まって、そういうシミュレーションしなかったら、原発の比重なんて、勘案して出てくるもんじゃないんだよ」と述べた。
    各省庁の担当者や専門家らに、細かいプランを出させて、シミュレーションしなければ、公約として具体的な数字は出せないと主張した。
    民主党の細野政調会長は「2030年代という年限を示したことは、評価できると思う。ただ、『フェードアウト』という言葉からは、国家としての意志は感じられない」と述べた。
    みんなの党の渡辺代表は「橋下さんは、最初から原発ゼロとずっと言ってきてまして。原発をフェードアウトという表現などは、苦心のあとがよく表れている」と述べた。
    一方、日本未来の党では、「卒原発」以外の目玉公約が判明した。
    それは「子ども手当」。
    嘉田代表は「子ども手当ですね。ここは1つ、目玉になると思ってます」と述べた。
    中学卒業までの子どもに、1人あたり、年31万2,000円の手当を支給するというもの。
    どこかで見覚えのある名前と数字。
    2009年民主党のマニフェストに掲げられた、あの子ども手当の額と同じだが、嘉田代表によると違いがあるという。
    嘉田代表は「(民主党の)子ども手当のときに、例えば1人、2万6,000円出しても、親御さんは、パチンコに使ってしまうとか。わたしたちは、バウチャーというもので、出していけたら」と述べた。
    日本未来の党では、保育園やベビーシッターを利用する際に使える、子育て応援券をイメージしているというが、この財源については明らかになっていない。
    めまぐるしい第3極の動きに、自民党・安倍総裁は「トイレに行っている間にも、新しい党ができていたり、新しい党がなくなっていたりということになりますので、今、いちいち論評するのには意味がないのではないか」と述べた。
    (11/29 18:46

    復興本社の設置を発表=東電


     東京電力は29日、福島第1原発事故の被災者支援のための「福島復興本社」を来年1月1日付でスポーツ施設「Jヴィレッジ」(福島県楢葉、広野両町)内に設置すると発表した。 
    [時事通信社]

    九電値上げに知事ら意見

    (2012年11月29日 16:04)
    九州電力が申請した家庭向け電気料金値上げの妥当性を審査する専門委員会が29日、経済産業省で開かれました。
    九電の瓜生社長は「原発再稼働が見通せず、現行料金では大幅に増加する燃料費を賄うのは極めて困難」と訴えたのに対し、福岡県の小川知事は「住民の 生活や企業の競争力に多大な影響が懸念される」と述べ、ほかの出席者からも「さらなる人件費の圧縮」や「値上げはゼロがいい」といった声が挙がりました。
    審査結果は消費者庁の審議なども踏まえ、来年2月に新料金が認可される見通しです。

    都知事選:9人が立候補 投開票は12月16日

    毎日新聞 2012年11月29日 18時32分(最終更新 11月29日 22時26分)




















    東京都知事選が告示され、候補者の街頭演説を聞き終えて拍手する人たち=東京都新宿区で2012年11月29日、宮間俊樹撮影
    東京都知事選が告示され、候補者の街頭演説を聞き終えて拍手する人たち=東京都新宿区で2012年11月29日、宮間俊樹撮影

    石原慎太郎氏(80)の辞職に伴う東京都知事選が29日告示され、9人が立候補を届け出た。投開票は 12月16日で、都政史上初めて、衆院選(同4日公示)とのダブル選になる。約13年半続いた石原都政の継続か刷新かが最大の争点で、主な立候補者が掲げ る原発政策に有権者がどんな判断をするかも注目される。
     主な立候補者のうち、前神奈川県知事の松沢成文(しげふみ)氏(54)は前回都知事選で石原氏の後継含みで出馬を決め、その後に辞退した。今回は都庁のリストラを掲げるなど「脱石原色」が強い。
     元自民党総務会長の笹川尭(たかし)氏(77)は09年に政界を一度引退したが、石原氏の辞職で出馬を決めた。五輪招致は継続、累積赤字を抱える新銀行東京は見直しを掲げる。
     新党「日本未来の党」と共産党、社民党が支持する前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(66)は脱原発を前面に打ち出す。石原都政を「弱者切り捨て」と批判する。
     前都副知事の猪瀬直樹氏(66)は自民党、公明党、日本維新の会が支持。石原都政継承の立場を取り、脱原発の是非を議論する前に電力会社改革を進めるべきだと主張する。【清水健二】

     ◇都知事選立候補者(届け出順)

    マック赤坂64 スマイル党総裁    諸新
    椙杜 徳馬(すぎのもり・とくま)46 幸福実現党員 諸新
    松沢 成文(しげふみ)54 元神奈川県知事 無新
    笹川 尭(たかし)77 元科技担当相 諸新
    宇都宮健児66 元日弁連会長 無新=[未][共][社]
    猪瀬 直樹66 元副知事 無新=[自][公][維]
    中松 義郎84 発明家     無新
    吉田 重信76 元ネパール大使 無新
    五十嵐政一81 観光会社社長  無新
    ……………………………………………………………………………
    【名鑑の見方】左から氏名(原則実名だが一部通称)▽年齢(投票日現在)▽職業・肩書▽公認政党▽現職・新人の別▽[ ]文字は推薦・支持政党。[自]=自民、[未]=未来、[公]=公明、[維]=維新、[共]=共産、[社]=社民

    新人9人が届け出 東京都知事選










    2012年11月29日 18時30分
    (17時間51分前に更新)
     石原慎太郎氏(80)の辞職に伴う東京都知事選は29日告示され、無所属で元神奈川県知事の松沢成文 氏(54)、諸派で元自民党総務会長の笹川尭氏(77)、無所属で元日弁連会長の宇都宮健児氏(66)=未来、共産、社民支持、無所属で前副知事の猪瀬直 樹氏(66)=公明、維新支持=ら新人9人が届け出た。衆院選と同じ12月16日に投票、即日開票される。都知事選が衆院選と重なるのは初めて。
     争点は、約13年半続いた石原都政の評価や原発・エネルギー政策、都が出資する新銀行東京の経営問題など。石原氏から後継指名された猪瀬氏に宇都宮氏らが挑む構図で、衆院選を見据えた各党の動きも注目される。
     ほかの立候補者は諸派の団体役員マック赤坂氏(64)、諸派の歌手トクマ氏(46)、無所属の発明家中松義郎氏(84)、無所属の元外交官吉田重信氏(76)、無所属の会社経営五十嵐政一氏(81)。(共同通信)

    東電 福島復興本社の設置を発表
    11月29日 18時18分

    東電 福島復興本社の設置を発表
    東京電力は、福島第一原発の事故に伴う対応を強化するために新たに福島県内に設立する「福島復興本社」を、福島県楢葉町にある原発事故の収束作業の拠点となっている「Jヴィレッジ」に置き、賠償の審査などを行うと発表しました。
    29日は「福島復興本社」の代表に就任する石崎芳行副社長が福島市内で会見を開き、概要を明らかにしました。
    それによりますと、東京電力は福島第一原発の事故に伴う賠償や除染などの対応を強化するため、東京の本社機能の一部を福島県内に移して、来年1月に新たに「福島復興本社」を設立するということです。
    福島復興本社は、楢葉町にある運動公園で、原発事故の収束作業の拠点となっている「Jヴィレッジ」に置き、除染や賠償などを専門に担当する部署は福島市内に置くということです。
    東京電力は来年度末をめどに東京の本店から新たに500人を異動させる予定で、これによって福島県内では4000人を超える規模の人員が配置されるということです。
    権限も大幅に本店から移し、これまで東京の本店で行っていた賠償の審査業務の一部を復興本社が担うほか、3か月に一度、東京から下河邉会長などを招いて賠償や除染などの基本的な方針を決めるということです。
    代表に就任する石崎副社長は「福島県の人たちと直接対話をしながら復興のために尽くすのが新しい東京電力の使命です。きめ細かく対応できるよう、これからの行動でしっかり示していきたい」と話していました。

    首相“脱原発は民主が現実的”
    11月29日 18時18分

    首相“脱原発は民主が現実的”
    野田総理大臣は神奈川県藤沢市で街頭演説し、エネルギー政策について「『脱原発』を語る第3極、第4極の動きも出てきたが、日本は島国であり、着実に進めていかなければならない」と述べ、2030年代の原発稼働ゼロを目指す民主党の政策が最も現実的だと強調しました。
    この中で野田総理大臣は、エネルギー政策について「『将来は原発をゼロにしてほしい』という国民の 覚悟を受けて、2030年代に原発稼働ゼロを目指すことを閣議決定した。『脱原発』に向かって政策を前に進めていくのか、10年間立ち止まって考える自民 党のように、今の政策を惰性で続ける『続原発』か、皆さんの選択にかかっている」と述べました。
    そのうえで野田総理大臣は、「日本未来の党」の代 表を務める滋賀県の嘉田知事が、10年後の2022年を目標に原発を廃止したいという考えを示していることに関連して、「『脱原発』を語る第3極、第4極 の動きも出てきたが、違いがある。ドイツを参考にしているようだが、ドイツは2000年から脱原発を進めており、原発も十数基しかない。さらに地続きであ り、仮に失敗したり、見通しを誤っても、隣のフランスが助けてくれる。日本は島国であり、失敗は許されず、着実に進めていかなければならない」と述べ、 2030年代の原発稼働ゼロを目指す民主党の政策が最も現実的だと強調しました。
    また野田総理大臣は、横浜市での街頭演説で、日本維新の会が衆議院選挙の政権公約として最低賃金の廃止を検討していることについて「驚いた。賃金が下がり続けていることがデフレの大きな原因であり、そんなときに最低賃金すら撤廃したらおかしい」と批判しました。

    原発事故、周辺住民などの避難の実態調査へ

    < 2012年11月29日 18:06 >
    政府は29日朝、福島第一原発事故の際に周辺の住民などがどんな情報を基に、どのように避難したのか詳しい実態調査を行うため、復興庁でその準備会合を開いた。
      福島第一原発事故では、大勢の住民や自治体そのものが福島県内や県外に避難するという前例のない事態になったが、その経緯や実態については統一的な詳しい 調査が行われていなかった。今後の原子力災害や大規模災害対策、避難計画に生かすため、政府としてこうした記録を残すことになった。
     今後は原発周辺の住民らが事故の後、どのような情報や指示を基に、どういう判断をして避難行動をとったのか、ヒアリングやアンケートを行う。また、調査に当たる有識者による現地の視察と合わせて、来年秋頃に結果を取りまとめる方針。
    ニュース動画をみる

    嘉田知事の「卒原発」第3極新党を歓迎する(藤本順一)

    来月4日の衆院選告示を前にもう一つ、第3極に新たな結集の動きが出てきた。
    「脱原発」を掲げた新党の結成を検討している滋賀県の嘉田由紀子知事(62)の下に「国民の生活が第一」(小沢一郎代表)や「みどりの風」(谷岡郁子共同 代表ら)、「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(河村たかし・山田正彦両共同代表)らが大同団結して民主VS自民、公明両党に「日本維新の会」を 加えた三つ巴と言われる選挙戦の構図に割って入ろうというのだ。
    嘉田知事は「脱原発」の他に「TPP参加凍結」「消費税増税凍結」などを公約の柱にする方針であり、政策的には各党に大差はないから合流は充分に可能であ る。少なくとも選挙優先で政策を度外視して合流した「日本維新の会」(石原慎太郎代表、橋下徹代表代行)よりは解りやすいし、きっと国民有権者も歓迎して くれるに違いない。
    さて、そうなると気になるのが残る第3極の身の振り方だが、「みんなの党」(渡辺善美代表)と「日本維新の会」の合流話は暗礁に乗り上げている。ネックになっているのは選挙区事情によるところが大きい。
    「日本維新の会」は26日時点で149人、「みんなの党」は60人の公認候補を決めている。このうち22人が小選挙区で競合することになるから共倒れは必至だ。
    だったら「じゃんけんで決めてもいい」と合流要請した橋本代表代行の発言に渡辺代表が不快感を示したのは周知のとおりだ。だからといってこのまま選挙戦に 突入すれば、「みんなの党」は2分化した第3極の中で埋没してしまうことにもなりかねない。政策的な一致を見出せるものなら、選挙区調整の小異を捨てギリ ギリまで合流に向けた努力を続けてもらいたい。
    何より政党の数が14もあるのは異常だ。第3極新党の乱立は民主VS自民の2大政党を利するだけである。その分、当落に影響を与えない死票が増えて国民有 権者の意志が国政に反映されなくなる危険を孕む。本来ならば、2大政党がウィングを広げて国民の多様なニーズに応えるべきだが、民主、自民両党共に純化路 線に向かっているようだから期待できない。
    近い将来、定数是正、削減だけといわず、衆参両院の在り方を含めた抜本的な選挙制度の改革が待たれるところだ。
    【東京スポーツ「永田町ワイドショー」11月26日入稿原稿)より】

    公約「細かく詰めない」 橋下氏、変転にも居直り

    自主憲法制定掲げる 橋下氏と石原氏
    東京都知事選の猪瀬直樹候補の出陣式に駆けつけた日本維新の会の石原代表(左)と橋下代表代行
    Photo By 共同 
     環太平洋連携協定(TPP)や企業献金禁止などをめぐり、めまぐるしく変転した日本維新の会の公約。「既存政党にない価値観」と胸を張った維新八策だっ たが、公約原案では自説を封じた。そして29日、東京都内のホテルで正式発表した橋下徹代表代行は「細かく詰めるつもりはない」と述べ、100人以上の報 道陣を前に居直った。

     「こまごました政策を話してもしょうがないんだよ」。冒頭で石原慎太郎代表が切り出すと、マイクを握った橋下氏は笑顔で石原氏に向き合い「その通りです」。

     維新八策で掲げたTPP交渉参加や企業献金の禁止は公約原案から抜け落ちたものの、最終的には復活した。しかし、声高に叫んでいた脱原発は期限を明記しないまま。

     具体的な説明を求められても「政治家は方向性を示し、役人が工程表を作る。役割分担だ」とはぐらかし続けた。2009年衆院選のマニフェスト(政権公約)を守れなかった民主党を引き合いに「細かく書けばいいってもんじゃない」とまくし立てた。

      嘉田由紀子滋賀県知事が結成した日本未来の党が掲げる「卒原発」でクローズアップされるエネルギー政策。記者から質問が相次いだが、橋下氏は「マニフェス トをどこまで重要視しなければいけないのか」と激しい語気で応じ、会見終盤には「公約は法的な約束じゃない」とまで言い切った。
    [ 2012年11月29日 18:04
    家庭向け電気料金値上げ 四国電力、料金値上げ申請の方針
    本格的な冬を前に、電力会社が次々と家庭向け電気料金の値上げを申請している。
    関西電力の八木社長は「電気料金(値上げ)のお願いをさせていただきたいと」と述べた。
    九州電力の瓜生社長は「料金改定について、しっかり説明するので、どうぞご理解を」と述べた。
    関西電力と九州電力が申請した家庭向け電気料金の値上げについて、29日、政府の専門委員会が審査を始めた。
    値上げ幅は、関西電力が平均11.88%、九州電力は平均8.51%としている。
    福岡・須恵町の工場経営者からは「今度、値上げというので、非常にショックを受けている」との声が聞かれた。
    今回の値上げにあたり、関西電力は、稼働中の大飯原発に加えて、高浜原発3・4号機の再稼働を前提に、九州電力も、川内原発など4機の再稼働を前提としているが、これが実現しない場合、さらなる値上げを申請する可能性もあるという。
    大阪では、「赤字なのでと言われて、(電気料金を)上げられても、納得いく説明がほしい」、「庶民は、受け入れざるを得なくなるんじゃないですか」などと話した。
    また、四国電力も29日午後、「具体的検討に踏み切らざるを得ない」と判断したとして、電気料金の値上げを申請すると発表した。
    高松市民は、「大変です。切り詰めていかないといけない」、「苦しいのは当然、値上がりしたら」などと話した。
    続々と値上げの波が押し寄せる家庭向けの電気料金。
    東京電力ではすでに、9月に平均8.46%の値上げをした。
    関西電力と九州電力、四国電力も続き、これで全国の電力会社10社のうち、4社が値上げを打ち出したことになる。
    (11/29 18:02日本未来の党 県連組織を検討
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     日本未来の党 県連組織を検討

    (2012年11月29日 17時46分)

     衆議院選挙公示まであと5日、県内でも第三極をめぐって新たな動きです。

     「生活を離党して日本未来の党に入る」(広野ただし参議院議員)

     広野ただし参議院議員は29日、このように述べ、「国民の生活が第一」を離党し「日本未来の党」に入党したことを明らかにしました。

     日本未来の党は滋賀県の嘉田由紀子(かだ・ゆきこ)知事を代表に28日、正式に発足。

     『卒原発』を旗印に『国民の生活が第一』のほか、『減税日本・反TPP・脱原発を実現する党』が合流を決定。

     『みどりの風』も前衆議院議員を『未来の党』から出すなど、勢力の結集を目指しています。

     広野氏は、支持拡大にむけ、県内でも日本未来の党の県連組織を立ち上げたいとしていて「国民の生活が第一」の県連役員と来月2日に協議する予定です。

     一方、日本未来の党が連携を呼びかけているみんな党。

     組織委員長の柴田巧(しばた・たくみ)参議院議員は連携は、政策面だけにとどまるとの見方を示しました。

     「政策が一致する部分では連携、協調していく部分はあるが、具体的な選挙協力までは進んでいかないのではないか」(柴田巧参議院議員)

     これで、民主党、自民党、日本維新の会など12党が争う構図が固まった衆院選。

     第3極が県内選挙区にどのような影響を及ぼすのか注目です。

    三菱重・日立:火力発電分野の統合合意-原発事業の協力示唆


    11月30日(ブルームバーグ):三菱重工業日立製作所 は29日、火力発電事業などを統合し、共同運営することで基本合意したと発表した。統合は2014年1月1日をめどとしている。世界的に環境意識が高まる 中でエネルギーと環境という課題を解決できる技術を持つ両社の強みを生かし、独シーメンスや米ゼネラル・エレクトリック(GE)など海外勢に対する競争力 を強化するのが狙い。
    日立の中西宏明社長は同日夕の会見で「市場がグローバル化していることが今回の統合の一番の背景」と述べた。三菱重は東南アジアや中東などを中心に、出力 15万キロワット程度の大型ガスタービン分野が強い。一方で日立はそれ以下の中小型機種を主力とし、欧州やアフリカで強みを持っている。そのため、補完的 な事業展開が可能になり、世界市場で従来より競争力が発揮できると判断した。
    両社の発表文書によると、同事業の売り上げ規模は約1兆1000億円となる見通し。三菱重が65%、日立が35%を出資して合弁会社を設立し、両社の火力 発電事業を集約する。火力発電事業以外には地熱発電や環境装置、燃料電池の各事業も統合。13年4月下旬に予定されている最終合意時までに、統合方法の詳 細を詰めるとしている。
    会見に同席した三菱重の大宮英明社長は、この出資比率について「現在の資産の問題から、将来利益の展望も含めた議論をしっかりやったうえで決めた」と説 明。しかし、資産評価の過程で、「調節しろはでるかもしれない」として、出資比率の調整があり得ることも示唆した。
    大和住銀投信投資顧問の窪田真之シニアファンドマネジャーは、この統合について「非常にポジティブ」と評価。「事業に成長のポテンシャルがあり、統合する ことで競争力は増す」と指摘した。さらに、新会社の出資比率がそれぞれ65%と35%になっていることは「50:50では意思決定が上手くいかないことも あり、この比率であればスムーズな意思決定が可能になる」と話した。
    全体の経営統合ない
    三菱重と日立はすでにホームエレベーターや水力発電の分野で統合などによる提携関係にあり、火力発電という主要な事業分野を統合することで両社の関係はよ り強固なものとなる。大宮氏は両社の全体的な経営統合について「それはない」と明確に否定。しかし、原子力事業については「国内の原発再稼働の見通しがつ かないので、はっきりした段階で何ができるか話したい」と協力関係を構築する可能性を示唆した。
    原子力発電事業では三菱重が仏大手アレバと提携関係にある一方、日立はGEと事業統合している。また、都市交通分野の協力では「作業を進めている。いろいろな形で協業できると期待している」ことを明かした。
    日立は大型のガスタービン供給でGEと協力関係にある。中西氏は「今後もこの関係は維持する」とし、新会社との競合が起こる可能性があることを指摘した。「GEとも率直な話をしたうえで、妥当な解を作っていきたい」と話した。
    記事に関する記者への問い合わせ先:東京 岡田雄至 yokada6@bloomberg.net;東京 Chris Cooper ccooper1@bloomberg.net
    記事についてのエディターへの問い合わせ先:Neil Denslow ndenslow@bloomberg.net;Alexander Kwiatkowski akwiatkowsk2@bloomberg.net
    更新日時: 2012/11/30 00:00 JST

    中国の原子力発電容量、15年までに世界全体の10%に=新華社

    2012年11月29日(木)16時07分

    [上海 29日 ロイター] 中国の原子力発電容量は、2015年までに42ギガワット(GW)まで拡大する見通しだ。国営新華社が業界団体幹部の話として報じたもので、これは世界の原発発電容量の10%を占める数字。
    中国核能行業協会の張華祝理事長によると、15年または16年に多少ずれ込んだ時点で、中国国内では41基の原子炉が稼働していると見込まれる。
    同理事長は新華社に対し「中国は(15年までに)新たに約20の原発を建設する。安全な原発の利用と建設場所の慎重な選定から、福島のような事故が発生する可能性は低い」と述べた。
    中国政府は、福島での原発事故を受けて約20カ月にわたり原発の新設プロジェクトの認可を停止していたが、先月、15年までに国内の沿岸部に限って若干数の原子炉建設を承認する方針を示していた。
    中国国内では現在、6つの原発で15基の原子炉が稼働中で、発電量は世界全体の原発の発電量の約3.5%を占めている。

    増税翼賛体制を打破=みんな・渡辺喜美代表【党首インタビュー】









































    インタビューに答えるみんなの党の渡辺喜美代表=東京・永田町の衆院第2議員会館
     -今回の衆院選の意義は。
     民主、自民、公明3党の談合体制が続くのか、壊れるのかだ。われわれはこの談合体制、増税翼賛体制の打破を目指す。
     -訴えたい政策は。
     消費増税凍結、原発ゼロ、公務員制度改革、地域主権型道州制を掲げ、民主、自民両党との違いを訴えていく。
     -「脱原発」について、新党「日本未来の党」の主張や日本維新の会の姿勢をどう見るか。
      未来の脱原発には、みんなのような確かな工程表がまだ出ていない。一方、みんなは経済成長と原発ゼロを両立するアジェンダ(政策課題)を掲げている。維新 は表向きの政策とは別に、(合流した)旧たちあがれ日本系の人が明らかに原発続行を考えている。彼らが政権を担ったとき、内部対立が激しくなるのではない か。
     -維新との合流を断念した一番の理由は原発政策の相違か。
     それだけではない。旧たちあがれ系の人は消費増税の法案に賛成しており、公務員制度改革にも非常に後ろ向き。明らかに理念と政策が違うからだ。
     -今後の維新との連携の在り方は。
      維新は旧たちあがれと一緒になり、若干方向性が変わってきた。しかし、みんなとの政策協議を再開し、29日発表の衆院選公約では、かなり元の線に戻ってい ると橋下徹代表代行は言っている。(橋下氏とは)政策理念と政策が一致しているから、お互いに相乗効果が発揮できる連携を模索している。
     -未来の嘉田由紀子代表からの政策協議呼び掛けに応じるか。
     政策協議ではなく、「お会いしたい」という話だった。みんなの政策はもう決まっており、変えようがない。
     -未来や維新との選挙後の連携、合流以外の形とは。
     国会での共同行動もアジェンダの一致する範囲でないとできない。だから争点ごとに組む相手を変えていく「クロス連合構想」を言ってきた。
     -選挙後、政権の枠組みにどう関わるか。
     選挙結果が全て。選挙の結果は国民の意思だから、選挙結果を見て、その後どう動くか判断する。今から誰と組むとか、首班指名は誰が誰に投票する、ということは言わない。(2012/11/29-16:11)

    民主・細野政調会長が柏などで応援演説 汚染焼却灰対策言及せず

    2012.11.29 21:33
    民主党政権の成果を強調、支持を訴える細野政調会長=29日、松戸駅東口(江田隆一撮影)
    民主党政権の成果を強調、支持を訴える細野政調会長=29日、松戸駅東口(江田隆一撮影)
     民主党の細野豪志政調会長が29日、千葉県の市川、松戸、柏市の駅頭で街頭演説を行い、衆院選での同党への支持を呼びかけた。細野氏は原子力防災 担当大臣を務めたことから、放射性物質汚染問題への発言が注目されたが、汚染焼却灰の処分問題が深刻化している松戸市では具体的対策への言及はなかった。
      細野氏は午後2時からJR市川駅前などで、選挙区の同党立候補予定者とともにマイクを持ち、民主党政権の成果を強調。県内の汚染焼却灰対策には触れなかっ たが、原発問題については「原発ゼロを言う党は多いが実現性がない。発電と送電を分離して、再生可能エネルギーを買い取れるシステムを作ることが必要だ」 と訴えた。

    大熊町、住民96%「帰還困難」 原子力災害対策本部が区域再編 11月30日(金)12:10

     政府の原子力災害対策本部は30日、原発事故で全域が警戒区域となり、全ての町民が避難している福島県大熊町の警戒区域を解除し、「帰還困難区域」「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」の3区域に再編することを決めた。実施は12月10日。
     原則立ち入りができない帰還困難区域内の住民は約3890世帯、約1万560人で、人口全体の96%。
     居住制限区域と避難指示解除準備区域は立ち入りが可能になるが、第1原発が立地する大熊町は復興計画で、区域の種別にかかわらず「5年間は帰らない」と宣言している。

    維新公約、苦心の変節 石原&橋下氏はメディア批判を炸裂

    2012.11.30


    日本維新の会・政権公約発表 記者会見する日本維新の会の石原慎太郎代表と橋下徹代表代行(右)=29日午後(三尾郁恵撮影)【拡大】
     日本維新の会(維新)が、衆院選公約「骨太2013-2016」を発表した。石原慎太郎代表が率いた旧太陽の党側の意向と、橋下徹代表代行(大阪市長)の旧維新の思いを込めた折衷案といえ、公約発表に当たっては、寄り合い所帯ゆえのゴタゴタも目立った。

     「細々した政策を話してもしようがないんだよ! 大切なことは、硬直した官僚の支配体制を壊すことだ」

     石原氏は29日午後、都内のホテルで開かれた公約発表の記者会見で、こう報道陣を牽制した。橋下氏も「工程表は役人がつくる。政治家は方向性を示す」といい、その後、ともにメディア批判を炸裂させた。

     主役が不機嫌になった背景は後述するとして、公約は党内外の反発や批判を意識して、苦心を重ねた後がうかがえる。

     憲法改正については、石原氏は「現行憲法の破棄」を主張し、橋下氏は「憲法改正要件の緩和」を訴えていた。結局、旧太陽の母体となったたちあがれ日本が掲げていた「自主憲法の制定」との表現が取られた。

      原発政策では、「脱原発依存」という維新八策の言葉が盛り込まれた。石原氏が「脱原発」に慎重姿勢をみせ、一時、後退感があったが、滋賀県の嘉田由紀子知 事が代表を務め、小沢一郎代表の「国民の生活が第一」が丸ごと合流する「日本未来の党(未来)」が「卒原発」を強く打ち出したことも影響してか、「脱原 発」の姿勢を示した。

     さらに、政策実例には「既設の原子炉による原子力発電は2030年代までにフェードアウト(徐々に削減)する」と明記した。橋下氏が訴えていた「2030年代までの原発ゼロ」を踏まえたものだ。

     旧太陽と旧維新で主張が分かれたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)でも、骨太には「交渉参加、ただし国益に反する場合は反対」とした。

     「野合」「変節」批判を避けながら、党内をまとめる苦肉の策の表現といえそうだが、公約発表では微妙な党内事情を感じさせる出来事もあった。

     公約は当初、石原、橋下両氏が29日昼に共同発表する予定だったが、28日夜、「東京側が公約をマスコミに配布したらしい」という噂が大阪側で広がり、29日午前0時過ぎ、在阪の報道各社に前倒しで文書だけ発表されてしまったのだ。

     維新は大丈夫なのか。

    ■関連記事
     ⇒維新、公約発表 未来を意識「脱原発依存」盛り込む

    東日本大震災:焼却灰保管問題 県施設へ搬入しないで 我孫子市議長が松戸、柏、流山市に要望 /千葉

    毎日新聞 2012年11月30日 地方版
     東葛地域の高濃度の放射性セシウムに汚染された焼却灰の保管問題で、我孫子市議会の川村義雄議長は29 日、汚染灰の保管に苦しむ松戸、柏、流山市の市長らに対し、県が手賀沼終末処理場(我孫子・印西市境)で建設中の一時保管施設に灰を搬入しないよう求める 要望書を提出した。
     同議会は再三、建設計画の白紙撤回を県に求めたが、県は「あくまで国が最終処分場を確保する15年3月末までの一時保管」として建設に着手し、まもなく完成する。
     一方、環境省が、最終処分場の候補地の提示期限とした9月末以降現在まで、国側の動きは全くない。このまま3市から一時保管施設に汚染灰が搬入されれば、「事実上の最終処分場になりかねない」との危機感から、3市に働きかけて搬入ストップを狙った。
     この日、川村議長は3市を訪問し、松戸市の本郷谷健次市長ら各市幹部に、放射性物質を含む下水道の汚泥焼却灰がすでに2000トンも保管中の手賀沼終末処理場に、新たに汚染灰が搬入されることは市民の理解が得られないことなどを説明、理解を求めた。
     これに対し、灰がたまるのを恐れ、柏市南部クリーンセンターの稼働を現在、停止中の同市の秋山浩保市長 は「清掃行政を維持していくため、一時保管をお願いせざるを得ない」とコメント。松戸市も「灰の保管は限界を超え、ごみ収集に重大な影響が懸念される」と し、両市は従来通り、施設が完成し、県との受け入れ協定締結後、搬入する方針だ。【橋本利昭】