2012年10月31日水曜日

2012/10/31

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中国電、9月中間純損益は赤字=原発停止で燃料費増加〔決算〕

 中国電力=2012年9月中間は、燃料費調整制度による電気料金収入の増加や他社への電力融通により過去最高の売上高となる一方、島根原発1、2号機の停止による原料費の大幅な増加で経常、純損益とも赤字となった。(2012/10/31-16:55

原子力規制委:放射性物質拡散予測図訂正 住民説明会でミスを陳謝−−志賀規制事務所 /石川

毎日新聞 20121031日 地方版
 原子力規制庁の寺田弘司・志賀原子力規制事務所長は、志賀町が同原発で30日、原発の立地する志賀町赤 住の住民を対象に開いた説明会で、原子力規制委の拡散予測の訂正問題について、「ミスがあり、大変心配をおかけした。深くおわび申し上げます」と陳謝し た。同庁は原子力規制委の事務局を担当している。
 この説明会は「赤住区委員会・安全推進連絡会合同会議」。北陸電力が同原発1号機直下の「S−1断層」を対象にした追加調査などについて説明した。【宮本翔平】

へしこ:10月の福井面から /福井

毎日新聞 20121031日 地方版
 もし各原発で福島第1原発事故と同じような事故が起きたら、放射性物質はどう広がるのか。原子力規制委員会がこの予測結果を公表し、毎日新聞は25日の特集面で予測地図を掲載しました。県や立地市町の反応は福井面で報じました。
 驚いたのは、県の反発の強さです。規制委に提出した意見書で、予測を「仮定を重ねた机上のもの」とし て、(1)全原子炉が同時に壊れると仮定(2)各原発で全原子炉が稼働中としている−−など3点の“想定上の問題点”を挙げ、「曖昧な試算結果を単なる 『参考』として示すだけでは、立地地域や広く国民を不安がらせるだけ」と指摘しました。
 この指摘はおかしい。予測はあくまでも予測で、仮定を重ねるのは当然です。県は「試算結果をどう防災計画に反映させるかはっきりしない」とも批判しますが、試算を参考に福島事故以上の最悪の場合を想定し、計画を策定したらいい。そうしてもらわないと住民は不安です。
 事故直後は全体像は分からないものです。最大の反応をして、詳細が分かってきたら実態に即した対応をする。これが原則だと思いませんか?(福井支局デスク・根本毅)

原子力規制委:放射性物質拡散予測図訂正 最遠避難、中能登町に 「防災計画変わりなく」−−自治体間に困惑 /石川

毎日新聞 20121031日 地方版
 国の原子力規制委員会が原発事故時の放射性物質の拡散予測図を訂正したことを受け、北陸電力志賀原発 (志賀町)を抱える県内でも30日、避難対象地域を巡り、自治体間に困惑が広がった。被ばく線量が1週間100ミリシーベルトに達し、国際原子力機関 (IAEA)の避難基準に該当する場所で、同原発から最も遠かった場所は当初、羽咋市内とされたが、中能登町内の地点に変更。自治体の関係者からは「資料 の信頼性に疑問符がつきかねない」などの声がもれた。【松井豊】
 原子力規制委員会は風向と風速の入力ミスがあったとし、訂正により志賀原発から最も遠い場所は、中能登町南部の地点に変更され、羽咋市内からIAEAの避難基準に該当する場所はなくなった。原発からの距離は19・6キロで当初予測と同じだった。
 予測に訂正があったが、中能登町、羽咋市ともに、国が定める緊急防護措置区域(UPZ)30キロ圏内に あり、防災対策の見直しを迫られている。中能登町では、総務課の防災担当者が「データを精査して、しっかりした予測を公表してほしかった。こんなことでは 国の資料の信頼性に疑問符が付きかねない」と困惑の表情。その上で「事故時に迅速な対応を取ることは同じ」とした。羽咋市地域防災対策室は「重要な拡散予 測図が、このような単純なミスで訂正してしまったのは残念」と話し、「高線量で被ばくする地点から外れたとしても、広域避難を前提に防災計画を立てること に、変わりはない」と強調した。

 ◇「奥能登への避難可能」知事、繰り返し発言

一方、県庁で報道陣の取材に答えた谷本正憲知事は「開いた口が塞がらない。原子力規制委は、初めから大きくつまずいた」と不快感を示した。
 また、自身が24日、高い線量の場所が20キロ以内に収まっていた拡散予測を元に「(30キロ圏外にあ り、陸路分断の危機が指摘されていた)奥能登への避難ができるようになった」と発言したことについて、「(訂正後も)20キロ内に収まり、少なくとも UPZの30キロ外に避難すれば、100ミリシーベルトには至らない。奥能登は避難先として十分だ」と繰り返した。
 知事の「奥能登への避難」発言を巡っては、同日の県議会総務企画委員会でも、県議から「予測図に限界や誤差がある中で軽率だ」と批判された。

原子力規制委:放射性物質拡散予測地図修正 県内防災担当者、慎重さ求める声 「影響あまりない」 /富山

毎日新聞 20121031日 地方版
 原子力規制委員会が24日に発表した北陸電力志賀原発(石川県志賀町)など6原発の放射性物質の拡散予測地図を29日に修正したことを受け、県内の防災担当者からも慎重さを求める声が聞かれた。
 志賀原発の予測地図では放射性物質の拡散する地域を反時計回りに22・5度回転させる修正を行った。この修正後も、県内には国際原子力機関(IAEA)が定める避難の判断基準(7日間の被ばく線量が100ミリシーベルト)を超える地域はなかった。
 志賀原発から半径30キロ圏内にある氷見市の池田士寿男防災・危機管理監は「国民の生命を守る大きな組 織にも関わらず、入力データの誤りという初歩的なミスがあったのは意外」と驚いた様子。県防災・危機管理課の柿沢昌宏課長は「修正による県への影響はあま りない」とした上で、「調査については、しっかりとした検証と確認作業を踏まえて発表してもらいたい」と注文をつけた。【大森治幸】

原発重点区域30キロ圏に 泊は13町村 規制委が指針決定

10/31 11:2310/31 15:15 更新)
原子力規制委員会の定例会合で発言する田中俊一委員長(左端)=31日午前、東京都港区
原子力規制委員会の定例会合で発言する田中俊一委員長(左端)=31日午前、東京都港区
 原子力規制委員会は31日午前の会合で、原発事故時の住民避難などの対応を定めた「原子力災害対策指針」を決定し た。東京電力福島第1原発事故を受け、避難に備える防災重点区域を原発から30キロ圏に広げた。同区域は現行の15道府県45市町村から21道府県135 市町村に拡大、北海道電力泊原発(後志管内泊村)でも4町村から13町村に増える。これらの自治体はこの指針と、規制委が近く公表するマニュアルを基に来 年3月までに地域防災計画を策定する。
 従来の防災重点区域は原発から10キロ圏だったが、住民の被ばくを最小限に抑えるため範囲を拡大。複数の原発の30キロ圏が重なる地域もあり、対象人口は72万人から延べ480万人に増える見通し。<北海道新聞10月31日夕刊掲載>

予断許さぬ初調査=危険性指摘の専門家参加-2日に実施、大飯原発断層・規制委

  関西電力大飯原発(福井県おおい町)で敷地内の岩盤の亀裂(破砕帯)が活断層と連動し、重要施設に影響を与える可能性が指摘されている問題で、原子力規制 委員会は11月2日、発足後初めての現地調査を行う。調査団には、以前から危険性を指摘してきた専門家も含まれ、原子力規制庁幹部は「どうなるか全く分か らない」と話す。破砕帯が動く恐れがあると判断されれば、稼働停止を求める声が高まり、「原発ゼロ」が再び実現する可能性もある。
 今回の調査対象は「F-6」と呼ばれる破砕帯。長さ約900メートルで、2、3号機原子炉の間を南北に走る。ずれて動けば真上にある3、4号機の非常用取水路に影響を与える恐れがある。
  非常用取水路は、原子炉で発生した水蒸気の冷却や除熱ができなくなった場合に、海水を取り込んで冷やすための重要な施設。破砕帯が動くかどうかの判断基準 は岩盤の硬さなどで、調査団は関電が行っているボーリング調査などの状況を確認する。(2012/10/31-16:00
原発事故防災重点区域30キロ圏へ拡大
(島根県)
原子力規制委員会は原発事故の際に住民避難の目安となる新たな災害対策指針を 公表し、対策を取る地域が原発から30キロ圏に拡大されることが正式に決まった。新指針は、福島第一原発事故を教訓に、国や電力会社の責任の所在を明確化 するとともに「防災重点区域」を従来の10キロ圏から30キロ圏へと大幅に拡大する。島根原発の場合、原発が立地する松江市の他、出雲市、雲南市、安来市 それに鳥取県の境港市、米子市が新たな対象エリアとなる。鳥取県の平井知事は「これで鳥取県側でも安全対策が必要だと決まった。住民と対話しながら必要な ことをスピーディーにやる」と話した。
[ 10/31 15:20 日本海テレビ]

【社説】繰り返される原発の故障、全面的な安全点検が必要=韓国

201210311543
[ⓒ
中央日報/中央日報日本語版]
  月城原発1号機がまた故障した。 今年に入ってすでに3度目だ。 前日の28日には蔚珍2号機の稼働が中断した。 2日間に原発の故障が2件もあったのだ。 今年1-10月に発生した原発の故障はすでに9件。 2011年の7件、2010年の2件に比べて大きく増えている。 もちろん当局は軽微な故障だと説明する。 これを全的に信じるとしても、故障が頻発していること自体が深刻な問題だ。 国民の不安感が高まるからだ。 そうでなくとも、韓国水力原子力は部品納品関連の不正と職員の覚せい剤投与で信頼を落としている。 こうした状況で頻繁な故障は、より大きな不信と不安につながる。

  
さらに月城1号機は来月、設計寿命30年が終わる。 寿命延長に関して原子力安全委員会の審査を受けなければならない。 しかしすでに社会的な葛藤が深まっている。 寿命延長論と廃棄論が激しく対立しているのだ。 古里原発1号機の寿命延長をめぐる論争ですでに経験したことだ。 こうした中で故障が続けば、廃棄論が強まるしかない。

  
原発の全般的な安全点検が強く求められる。 現在のように部品交換などの処方で済ませる時期ではない。 故障が頻発する原因を精密分析し、対策を講じる必要がある。 故障した部品だけを交換すればよいのか、原発の管理と運営システムに問題はないのかなどを点検することを要求する。 夏季の電力需給を円滑にしようと原発をフル稼働したのが問題なら、この際、維持補修期間も十分に与えるべきだ。 このために電力供給には支障が生じるかもしれない。 特に冬季の電力需要ピーク期を控えているため、当局は大きな負担になるだろう。 しかし最も優先すべきことは原発の安全性とこれに対する国民の信頼だ。

  
安全点検のため電力供給に支障が生じるのなら、需要を抑制する方向に進むしかない。 電気料金の引き上げ、計画停電、節電参加などが不可避であることを国民に十分に説明しなければならない。 何度もいうが、原発は絶対に無理に稼働してはいけない。 福島原発事故は今も国民の脳裏に焼き付いている。

原発防災新指針決定 多くの課題先送り

1031157

国の原子力規制委員会は、原子力災害の際、避難などの対象となる範囲を原発の半径30キロまで拡大するなどとした新たな防災指針を正式に決定しました。
一方で、避難を判断する基準やSPEEDIの活用など、自治体が要望していた多くの課題が年末まで先送りされました。
原子力災害に備えた国の新たな防災指針は、自治体が来年3月までに作る地域防災計画の基本方針となるもので、原子力規制委員会は自治体や専門家の意見を聞いて検討を進めてきました。
31 日の会議で指針の最終案が示され、避難などの対象となる範囲の目安を、これまでの原発の半径およそ10キロから30キロに拡大することや、事故時の放射線 の測定を規制委員会が指揮すること、それに甲状腺の被ばくを防ぐヨウ素剤の服用を規制委員会が判断することなどが盛り込まれたものが正式に決定されまし た。

多くの課題を“先送り”

一方で、住民の避難を判断する放射線量の基準や、放射性物質の拡散を予測するSPEEDIの活用、それにヨウ素剤を事前に配布する範囲など、自治体が要望していた多くの課題が年末まで先送りされました。
田中俊一委員長は「指針を基に、自治体は住民の立場から防災計画を作ってほしい。今後、自治体と直接やりとりし、有効な計画を作っていきたい」と述べました。
規制委員会は、地域防災計画の作成マニュアルを来月中に自治体に提供するなど支援を行っていくとしています。

安定ヨウ素剤事前配布は再検討…規制委が新指針

原子力規制委員会は31日、原発事故時に住民の安全を守るための「原子力災害対策指針」を決定した。 防災対策の重点区域の目安を30キロ圏に拡大したことが柱で、対象は135市町村の約480万人になる。各原発の放射 性物質拡散シミュレーションでは一部で30キロを超える予測もあったが、重点区域のさらなる拡大はしなかった。規制委は年内に住民避難を判断する際の放射 線量の基準などを作り、自治体は来年3月までに地域防災計画を策定する。
 新指針は、規制委が10月3日に提示した案におおむね沿ったものだが、甲状腺を 防ぐ安定ヨウ素剤については、案で示した「50キロ圏の各戸に事前配布」をいったん取り下げ、配布方法や服用基準を今後慎重に検討する。50キロ圏の根拠 に自治体から疑問の声が出たことや、誤用や副作用への対策を検討する必要があると判断したためだ。服用の指示は、規制委がまず判断し、地域の医療関係者に 伝えることにした。
 また東京電力福島第一原発事故の中長期対策として、除染を継続していくことや、住民が潜在的に抱える健康への影響に配慮した適切な対応をとっていくことの重要性を指摘した。
201210311528分  読売新聞)
原発事故防災対策区域30キロに
(青森県)
原子力規制委員会は31日原子力発電所で事故が起きた際の原子力災害対策指針を決定した。福島原発事故を受けて避難に備える原子力災害対策の重点区域を半径10キロから30キロに拡大する。周辺自治体は指針に基づき地域防災計画を来年3月までにまとめる。
[ 10/31 14:42 青森放送]

現代をみる:ノンフィクション時評 10月 なぜ原発を始めたか

毎日新聞 20121031日 東京夕刊
 福島第1原子力発電所の事故を受けて、民主党政権は2030年代の原発稼働ゼロを目指す方針を決めた。毎日新聞が今年9月に行った全国世論調査によれば、これを「支持する」は60%で、「支持しない」の36%を大きく上回った。
 しかし、財界には根強い反対論がある。要するに「電気料金が上がり、企業活動に支障が出る。雇用も守れ ない」といった主張だ。「一番大切なのは安全、生命」とする市民との溝は深い。ある種の「恫〓(どうかつ)」にも聞こえるが、一定の説得力はある。さらに 次の総選挙で、原発を営々と推進してきた自民党が政権を奪い返すかもしれない。「原発ゼロ」政策がひっくり返される可能性もある。
 そもそも原爆でひどい目に遭った国の為政者たちがなぜ、原発を持とうとしたのか。『原発と原爆 「日・米・英」核武装の暗闘』(有馬哲夫著・文春新書)によれば、エネルギー確保のためだけではなく、核武装の選択肢を得るためだった。
 たとえば岸信介首相はその核保有カードをちらつかせて、日米安保改定にこぎつけたと有馬はみる。そしてそのカードはこれからも持っておく必要があると説く。「選択肢がないと選ぶことはできない。実際に選択するかどうかは国民が決めること」だと。
 国民が国策の選択をする場合、正確な情報が不可欠だ。原発にどんな危険があるのか。だが、当事者である 電力会社や国は、しばしば情報開示の義務を怠る。彼らが隠す事実を白日の下にさらし、読者に選択肢を示すのがノンフィクション、ジャーナリズムの役割だ。 しかしマスメディアは結果として、その役割を果たせなかった。
 『原発とメディア−−新聞ジャーナリズム2度目の敗北』(朝日新聞出版)は、朝日新聞が原発容認論をどう展開し、「安全神話」の形成にかかわったかを、編集委員の上丸洋一が振り返る。
 社説や記事の検証のみならず、原発推進の筆を執った先輩の元記者に取材し、現在の視点で厳しく批判す る。<自らの体にメスを入れるかのような緊迫した取材、執筆>だったという。さらに原子力の「平和利用」というフィクションを広げたのはメディアで、それ は戦前「満州国」という虚構創出に加担して以来2度目の敗北だ、とも。
 スリーマイル島、チェルノブイリ、あるいは国内で続発した事故隠し。原発推進にブレーキをかける論調に転換する機会は、あったはずだ。なぜ、できなかったのか。3・11の後、各メディアと書き手が検証しなければならないことだろう。【栗原俊雄】=文中敬称略

日立、英原発会社の「ホライズン」買収を発表

2012/10/31 15:12
   日立製作所は、英国の原子力発電事業会社「ホライズン」を67000万ポンド(約850億円)で買収すると、20121030日に発表した。
   日立はホライズンの株主であるドイツの電力大手イーオンとRWE2社と株式売買契約を結び、11月中にも全株式を取得。ホライズンの事業を引き継ぎ、英国で原発46基を新設する計画。最初の原発を2020年代前半にも稼働させる。
   東京電力・福島第一原発の事故で停滞する原発輸出を加速する狙いがある。英ホライズンはドイツの電力2社が09年に共同出資で設立したが、東電の原発事故後にドイツ政府が脱原発政策に転換したため123月に撤退を表明していた。

東日本大震災:福島第1原発事故 福島知事、東電に改めて賠償実施要請

毎日新聞 20121031日 東京夕刊
 東京電力福島第1原発事故の賠償が進んでいないことを受け、福島県の佐藤雄平知事は31日、県庁で広瀬直己・東電社長と面会し、十分な賠償の早期実施を改めて申し入れた。広瀬社長は「知事の話を重く受け止め、一生懸命努力していく」と答えた。
 佐藤知事は冒頭、「事故の原因者として完全な賠償をするよう何度も要望しているが、不十分な対応と言わざるをえない」と抗議した。【蓬田正志】

重点区域30キロ圏に拡大 浜岡は11市町74万人

(2012/10/31 14:45)
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は31日の定例会合で、原発事故時の防災 対策の枠組みとなる原子力災害対策指針を決定した。東京電力福島第1原発事故を受け、避難に備える「原子力災害対策重点区域」の目安を原発の半径30キロ 圏(現行10キロ圏)に拡大することが柱。中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の周辺などの関係自治体は指針に基づき、重点区域の範囲や住民避難の方法を盛 り込んだ地域防災計画を来年3月までに策定する。ただ対象人口の急増などで難航も予想される。
  重点区域は、現行の15道府県45市町村から21道府県135市町村に拡大。30キロ圏が重なる地域もあり、対象人口は72万人から延べ480万人に増え る。県内は御前崎、牧之原、掛川、菊川、袋井、島田、磐田、焼津、藤枝、吉田、森の11市町が区域内で、対象人口は74万人。
 会合で、田中委員長は「自治体は住民の立場で計画をつくってほしい。自治体とキャッチボールしながら形にしたい」と述べた。
  規制委の放射性物質拡散予測では、中電浜岡、東電柏崎刈羽(新潟県)、同福島第2、関西電力大飯(福井県)の4原発で30キロ圏を超えて高い放射線量にな り、住民避難が必要になる。このため自治体が30キロ圏を超えて重点区域を設ける可能性もあるが、規制委が予測結果を訂正したことから、混乱も生じてい る。
 原発敷地外での放射線量など避難の判断基準や緊急被ばく医療については12月まで先送りした。自治体からは「指針で基準が示されないと、住民の避難誘導など具体的な計画策定は困難」(福井県敦賀市)との声も出ている。
 指針では住民避難の方法を大幅に変更。半径5キロ圏の住民は原子炉冷却水の喪失やメルトダウン(炉心溶融)が起きれば、放射性物質の拡散が始まる前に避難する。30キロ圏は周辺の放射線量など実測値を基に、政府や規制委が避難を判断する。
 5キロ圏の住民は、避難と同時に甲状腺被ばくを避けるため、指示を受けて避難所などで安定ヨウ素剤を服用する。ヨウ素剤の家庭への事前配布や30キロ圏での服用の時期については今後検討する。
 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)は、原子炉からの放射性物質の放出量推定など、活用法を今後検討。自治体には放射線監視装置(モニタリングポスト)の整備や住民への連絡手段の確保などを求めている。

国などの責任明記も…重要課題積み残し 原子力規制委、災害対策指針を決定 (1/2ページ)

2012.10.31 11:54
原子力規制委員会の定例会合で発言する田中俊一委員長(左端)=31日午前、東京都港区
原子力規制委員会の定例会合で発言する田中俊一委員長(左端)=31日午前、東京都港区【拡大】

 原子力規制委員会は31日、自治体が作成する地域防災計画の枠組みとなる原子力災害対策指針を策定した。事故に備え る重点地域を、これまでの原発の半径10キロから30キロ圏に拡大。東京電力福島第1原発事故を経験した福島県の意見を反映し、国や電力会社の災害対策の 責任を明記した。ただ、避難する際の判断基準など具体的な問題は今後の検討課題とした。
 原発立地や周辺自治体は、指針や放射性物資拡散予測シミュレーションを踏まえて、今年度中に防災計画の策定を進める。
  重点地域は15道府県45市町村から、21道府県135市町村に拡大、対象人口は約480万人(一部重複)に上る。ただ拡散シミュレーションでは、東電柏 崎刈羽(新潟県)、福島第2、関西電力大飯(福井県)、中部電力浜岡(静岡県)の4原発で30キロ圏を超える地点で住民避難が必要になる高線量が予想され た。このため重点区域は拡大する可能性もある。
 指針では、原発の半径5キロ圏は、原子炉冷却水の喪失やメルトダウン(炉心溶融)が発生す ると、放射性物質の拡散が始まる前に避難するとした。30キロ圏内は放射線量の上昇などに応じて順次避難範囲を拡大。委員会で聴取した福島県の意見を踏ま え、除染や健康調査は、実情に合わせた対応が必要とした。
 一方、甲状腺被曝(ひばく)を避けるための安定ヨウ素剤配備などの手順や避難に向けた輸送手段の確保、病人や高齢者といった災害弱者の避難基準など重要課題は積み残したままとなった。
 また安全対策に終わりはないとの考えから、「防災訓練などを踏まえて、継続的に改定を進めていく」との一文も加えた。指針で検討課題とされた部分については、今後も委員会で議論を進め、年度内に指針に書き加える予定という。

福島知事、東電に被災者の完全賠償申し入れ
(福島県)
 福島・佐藤県知事は31日朝、「東京電力」の広瀬直己社長を県庁に呼び、改めて、福島第一原発事故の被災者への完全な賠償や県内の原発の全 基廃炉などを申し入れた。  佐藤知事は31日朝、原発事故から1年7か月が過ぎても、賠償問題をはじめ様々な課題が進んでおらず、東京電力の対応が不十分だとして、広瀬社長に改め て申し入れをした。その中では「被災者への完全な賠償」「除染の徹底」「原発事故の完全収束と県内の原発の全基廃炉」など4項目について強く求めている。  佐藤知事は「肝に銘じ、社をあげて、この4項目の実現に取り組んでいただきたい」と述べた。  面会後、広瀬社長は「これからも最大限努力して、皆様から少しは変わったなとご評価いただけるように頑張ってまいりたい」と語った。  面会は僅か10分間で、広瀬社長は31日の中間決算の発表に備え、足早に県庁を後にした。
[ 10/31 14:04 NEWS24]

拡散予測ミスで陳謝 原子力規制委員長「大変申し訳ない」

2012.10.31 11:59

規制委 原発事故指針決定 避難基準示さず

20121031日 夕刊

原子力規制委員会(田中俊一委員長)は三十一日午前、原発の重大事故に備えた自治体の防災計画の基準となる「原子力災害対策指針」を決めた。重点 的に防災対策を進める区域を、原発の半径八~十キロ圏から三十キロ圏に拡大するなど、内容は二十四日に公表した素案とほぼ同じ。検討中の項目も多く、具体 的な内容の詰めが急務になる。 
 指針は、東京電力福島第一原発事故の反省を踏まえて策定。重点区域は現行の十五道府県四十五市町村から二十一道府県百三十五市町村に拡大。対象人口は七十二万人から四百八十万人に増える。三十キロ圏に入る自治体は、指針に基づき、来年三月末までに防災計画をつくる。
 指針では、原発から半径五キロ圏は炉心溶融など重大事故発生で直ちに避難する予防的防護区域(PAZ)とし、その外側の三十キロ圏の緊急時防護区 域(UPZ)は放射線量のモニタリング体制など対策を進め、線量に応じて避難や屋内退避をする。五~三十キロ圏には、放射線防護や食料備蓄を強化した対策 拠点のオフサイトセンター(OFC)を整備する。
 積み残しとなっている項目には、住民避難の判断基準になる放射線量の数値や、放射性物質の拡散状況を国と自治体がどう役割分担してモニタリングするかなど。自治体からは早期に決定を求めているが、「規制委で検討する」との表現にとどまっている。
 事故発生当初、住民の内部被ばくを抑える安定ヨウ素剤をどのタイミングで服用してもらうかは、事故の状況に応じて規制委が判断し、自治体から医療機関に伝達する。
 また、重点区域が三十キロ圏に広がり、避難ルートや避難場所、住民の移動手段の確保などでは、自治体の枠を越えた広域の連携が求められる。これについては「国が積極的・主体的に関与し、調整を行うことが必要」とされ、具体的な検討はこれから。
 避難の判断基準と医療体制整備の要件は年内にまとめ、他は三月末までに結論を出す予定。三十キロ圏の自治体は、指針のほか、二十四日に公表(うち 六つの原発で訂正)された原発ごとの放射性物質の拡散予測マップも参考にした防災計画作りが求められる。ただし、自治体からは「どう使えばいいのか」との 声も出ている。

米原発停止3基に 水位上昇や送電網障害

20121031日 夕刊

 【ニューヨーク=青柳知敏】米原子力規制委員会(NRC)によると、ハリケーンの影響でニューヨーク、ニュージャージー両州で三十日までに原発三基が停止した。
 このうちニュージャージー州のセーラム原発1号機は、川の水位上昇で冷却水に大量の土や草などが入り、冷却用ポンプに異常が起きて三十日朝に手動で停止させた。
 ニューヨーク州のナインマイルポイント原発1号機とインディアンポイント原発3号機は、送電網側のトラブルにより、二十九日夜に自動停止した。

米原発3基が停止 「サンディ」の影響、冷却機能は確保

朝日新聞デジタル朝日新聞デジタル:記事一覧 20121031()1008分配信
 【ワシントン=行方史郎】ハリケーン「サンディ」の影響で、米ニューヨーク州とニュージャージー州で運転中だった原発3基が29日か ら30日にかけて停止した。米原子力規制委員会(NRC)が発表した。いずれも原子炉の冷却機能は確保されており、いまのところ安全上の問題はないとい う。
 ニューヨーク州のナインマイルポイント原発1号機とインディアンポイント原発3号機では原子炉が自動的に緊急停止。いずれも送電網の障害が原因とみられる。ニュージャージー州のセーラム原発1号機は、川から水を取る循環水ポンプが故障し、手動で原子炉を止めた。
原発事故新指針 重点区域30キロ圏に拡大
(東京都)
 原子力規制委員会は31日、原発事故の際に住民避難の目安となる新たな「原子力災害対策指針」を公表した。緊急時に備えてあらかじめ対策を とる地域を原発から半径30キロに拡大することなどが特徴となっている。  新たな指針は、福島第一原発事故の教訓を反映し、国や電力会社の責任の所在を明確化するとともに、緊急時に備えてあらかじめ準備をしておく「防災重点区 域」を、従来の、原発から半径10キロ圏から30キロ圏へと大幅に拡大する。これにより対象となる市町村は3倍に、住民の数は7倍に膨らむ。  また、福島第一原発事故の際、住民避難に混乱が生じた反省から、今後は原発で起きている緊急事態のレベルと実際に測定された放射線量を基に、避難のタイ ミングなどをあらかじめ決めておくよう定めている。  対象となる自治体は、この指針を基に来年3月までに地域防災計画をまとめる方針だが、対象となる区域が広がったことで、避難場所や移動手段の確保など新 たな調整が求められている。
[ 10/31 13:39 NEWS24]

原発防災30キロ圏に、玄海圏内住民は25万人


 原子力規制委員会は31日、原発事故時に住民の安全を守るための「原子力災害対策指針」を決定した。防災対策の重点区域の目安を30キロ圏に拡大 したことが柱で、対象は135市町村の約480万人になる。各原発の放射性物質拡散シミュレーションでは一部で30キロを超える予測もあったが、重点区域 のさらなる拡大はしなかった。規制委は年内に住民避難を判断する際の放射線量の基準などを作り、自治体は来年3月までに地域防災計画を策定する。
     ◇
 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)で従来の重点区域(10キロ圏)に入っていたのは佐賀県玄海町、唐津市、長崎県松浦市。30キロ圏に拡大される と、佐賀県伊万里市、長崎県平戸市、壱岐市、佐世保市、福岡県糸島市の5市の一部が加わる。圏内に住む住民は、30キロ圏内が約25万5000人、50キ ロ圏内は約139万5000人。
 川内原発(鹿児島県薩摩川内市)で10キロ圏は鹿児島県薩摩川内市、いちき串木野市。30キロ圏は同県阿久根市、出水市、さつま町、鹿児島市、日 置市、姶良市、長島町の5市2町の一部が加わる。30キロ圏内の人口は約23万2000人、50キロ圏内は約106万5000人。
20121031日  読売新聞)

大飯“活断層でない” 関電が中間報告

10311432

国内で唯一運転中の福井県の大飯原子力発電所で断層の再調査をしている関西電力は、これまでと変わらず「活断層ではない」とする中間報告を国に提出しました。
国の原子力規制委員会は、大飯原発の断層の現地調査を来月2日に行う予定で、結果によっては停止を求める考えを示していることから、判断が注目されます。
大飯原発には、2号機と3号機の間の地下に長さおよそ900メートルの「F-6破砕帯」と呼ばれる断層があり、関西電力は、国の指示を受けて行っている活断層かどうかを調べる再調査の中間報告を規制委員会に提出しました。
この中で関西電力は、地面を掘って断面を調べるトレンチ調査を敷地の北側の2か所で行い、去年3月の巨大地震前にみずからまとめ、国も認めた「活断層ではない」という評価について、これまでと変わらず「活断層ではない」としています。
関西電力は、最終報告を年内にまとめる予定です。

規制委は初の現地調査へ 判断に注目

国の耐震設計の指針では、活断層の真上に原発の重要な設備を設置することを認めておらず、規制委員会は来月2日、大飯原発の断層を全国で初めて現地で調査します。
規 制委員会は、田中委員長が大飯原発について「黒やグレーが濃い場合は止めていただく」と述べ、結果によっては停止を求める考えを示しているほか、活断層に 関する「12万年前から13万年前以降に活動した」という定義を「40万年前」に拡大する意向を明らかにしていて、その判断が注目されます。

原子炉停止も…「サンディ」、米4原発に影響

【ワシントン=中島達雄】米原子力規制委員会(NRC)は30日、温帯低気圧「サンディ」により、ニュージャージー州とニューヨーク州の原子力発電所計4か所で原子炉停止などの影響が出たと発表した。
 外部への放射性物質の放出はない。
 オイスタークリーク原発(ニュージャージー州)は29日、冷却水用の運河の水位が上昇したため警報を出した。その後、水位は低下している。セーラ ム原発(同)でも30日、川の水位が上昇したため手動で原子炉を停止した。インディアンポイント(ニューヨーク州)とナイン・マイル・ポイント(同)の両 原発では29日、原子炉が自動停止した。外部電源系統が不安定になったのが原因とみられる。
201210311057分  読売新聞)

「サンディ」影響で原発3基が停止 死者は40人に

2012.10.31

サンディは米ニュージャージー州の各地で町を浸水させた (AP)
【拡大】
 温帯低気圧に変化したハリケーン「サンディ」に襲われたニューヨーク市のブルームバーグ市長は30日、記者会見で「われわれにとり未曽有の破壊的 暴風雨だった」と述べた。電力と交通網の復旧を最大課題としたが、公共交通機関の再開はバスの一部にとどまり、地下鉄は全面運休が続いている。
 AP通信によると、死者数は米国とカナダで合わせて40人になった。
 米原子力規制委員会(NRC)は同日、サンディの影響によりニューヨーク、ニュージャージー両州で原発3基が停止し、別の1基でも異常な水位上昇による警戒宣言が出されたと発表した。(共同)

<福島第1原発事故>規制委が検証チーム…解明へ来月発足

毎日新聞毎日新聞:記事一覧 20121031()231分配信
 原子力規制委員会は、東京電力福島第1原発事故の検証チームを11月にも発足させる方針を固めた。政府や国会など四つの事故調査委員会が解明しきれなかった事故原因などについて、継続して検証する。
  各事故調は既に調査を終え、報告書をまとめたが、原子炉内は放射線量が高くて十分な調査ができていない。例えば、地震によって重要機器が損傷した可能性に ついては、政府、民間、東電の各事故調は否定する一方、国会事故調は「可能性を否定できない」と指摘、食い違っている。
 このため、政府事故調が最終報告書を発表した7月、細野豪志・原発事故担当相(当時)は、規制委の事務局である規制庁に事故原因を継続して調査・検証するための部署を設ける考えを示した。しかし、9月の規制庁発足後もたなざらしになっていた。
 チームは、規制庁職員のほか、外部から専門家を招く方針で、人選を進めている。報告書をまとめる時期についても検討している。
  事故原因究明を巡っては、東電柏崎刈羽原発(新潟県)の地元の泉田裕彦知事が、検証や原因究明が終わらない限り再稼働の議論には入らない考えを示すなど再 稼働論議にも影響を与えそうだ。ただし、検証は放射線量が高い原子炉内の調査の進展に合わせるため「終わるまで数十年かかる」(規制庁幹部)との見方もあ る。【岡田英】

関電、大飯原発の断層「活断層でない」 規制委に中間報告

2012/10/31 13:49
関西電力は31日午後、稼働中の大飯原子力発電所(福井県)の敷地内の断層調査の中間報告を原子力規制委員会に提出した。「活断層ではないという評価を覆すデータはない」として従来評価は変えず、一部の専門家が指摘していた活断層の可能性を否定した。
 関電は敷地内を通る「F―6断層」について、旧原子力安全・保安院から調査するよう指示を受け、8月から地盤を掘って断層の活動時期などを調べてきた。最終報告は年内にまとめる方針。
 一方、大飯原発では原子力規制委員会も11月2日、活断層の可能性を指摘している専門家も交えて現地調査する。4日に評価会合を開き、規制委としての見解をまとめる。

「サンディ」の影響で米東部の原発3基が停止、別の1基で警戒宣言

  • 2012103113:31 発信地:ワシントンD.C./米国
米ニュージャージー(New Jersey)州フォークド川(Forked Rive)沿いにあるオイスタークリーク(Oyster Creek)原子力発電所(2011322日撮影、資料写真)。(c)AFP/Stan HONDA

1031AFP】米東部に上陸し各地で猛威を振るった温帯低気圧サンディ(Sandy)による送電網被害や水位上昇の影響で30日、米東部の原発3基が停止したほか、1基が警戒宣言を出した。
 昨年311日の東日本大震災による津波で冷却機能を失った東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所のような事故が心配されているが、関係当局は市民らへの危険はないと説明している。
 ニュージャージー(New Jersey)州の原発運営会社PSEGニュークリアー(PSEG Nuclear)は、悪天候によりほとんどの水循環ポンプが使えなくなったため、同州デラウェア川(Delaware River)沿いのハンコックスブリッジ(Hancocks Bridge)にあるセーレム(Salem)原発1号機が停止したと発表した。
 またニューヨーク(New York)州でも、スクリバ(Scriba)のナインマイルポイント(Nine Mile Point)原発1号機、ブキャナン(Buchanan)のインディアンポイント(Indian Point)原発3号機が停止した。インディアンポイント原発を運営する米電力会社エンタージー(Entergy)は、「外部送電網の問題」が原子炉停止の理由に挙げている。

米最古の原発で警戒宣言
 このほか、ニュージャージー州レーシータウンシップ(Lacey Township)にある、43年前に運転を開始した米国で最も古いオイスタークリーク(Oyster Creek)原発は、周辺の水位が上がって冷却水の取水に影響が出る恐れがあるとして警戒宣言を出した。同原発は定期点検のため停止していた。
 上に挙げた以外の原発の多くは稼働を続けたが、停電などによる電力需要の変化に対応して稼働レベルを下げた原発もあった。
 米原子力規制委員会(Nuclear Regulatory CommissionNRC) は、サンディによる暴風雨の間、継続して全原発の監視を続け、これまでのところはメルトダウン(炉心溶融)の危険はないと説明している。また同委員会は 30日夜、オイスタークリーク原発の周辺の水位は下がりつつあり、同原発への脅威は少なくなったと発表した。(c)AFP












201210311321



(3時間56分前に更新)
福島県の佐藤雄平知事は31日、東京電力の広瀬直己社長を県庁に呼び、福島第1原発事故による損害に対する賠償の完全実施や、除染の徹底を申し入れた。
 佐藤知事は「何度となく要望をしてきたが、不十分な対応と言わざるを得ない」と同社を批判。田畑・森林の汚染や自主避難に関する賠償基準、個人で行った除染に対する賠償方法を示すよう要求した。事故の収束と福島県内の全原発の廃炉もあらためて求めた。
 広瀬社長は「東電の再建は福島が原点。最大限の努力を傾注したい」と回答。会談終了後の取材に対し、除染推進策は「中期経営計画で詰めている。知事の申し入れをできるかぎり反映したい」と述べた。(共同通信)

大飯断層の中間報告提出=規制委に原発の安全性強調-関電

原発事故の対策指針決定 重点区域30キロ圏に拡大

 原子力規制委員会の定例会合で発言する田中俊一委員長(左端)=31日午前、東京都港区
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は31日の定例会合で、原発事故時の防災対策の枠組みとなる原子力災害対策 指針を決定した。東京電力福島第1原発事故を受け、避難に備える「原子力災害対策重点区域」の目安を原発の半径30キロ圏(現行10キロ圏)に拡大するの が柱。関係自治体は指針に基づき、重点区域の範囲や住民避難の方法を盛り込んだ地域防災計画の策定を開始、来年3月までにまとめる。ただ対象人口の急増な どで難航も予想される。
 重点区域は、現行の15道府県45市町村から21道府県135市町村に拡大。対象人口は72万人から延べ480万人に増える。
2012/10/31 10:54   【共同通信
東電・広瀬社長、福島県内10基の原発廃炉は「未定」

東京電力の広瀬直己社長は、福島県内にある10基の原発を廃炉にするかどうかについて、「未定」とした。
東京電力の広瀬社長は、福島県庁を訪れた。
佐藤雄平知事は「肝に銘じて、社を挙げて、4項目の実現に向けて取り組んでいただきたい」と述べた。
佐藤知事が、福島県内にある10基全ての原発の廃炉を求めたのに対して、広瀬社長は「未定」とした。
広瀬社長は「今後のエネルギー政策等々、全部を見渡して、判断していかなければいけないということで、未定というふうにさせていただいております」と語った。
一方、農地や森林に対する賠償基準の策定などについては、「全社を挙げて取り組みたい」としている。
(10/31 12:40 福島テレビ

ページ更新時間:20121031() 1259


■ 原子力規制委、新防災指針とりまとめ



 福島第一原発の事故の教訓を踏まえ、原子力規制委員会は、原発事故に備えた新たな防災指針をとりまとめました。
 これまでの指針では、防災計画の対象地域は原発から半径10キロの範囲に限られていましたが、新たな指針では、これを半径30キロの範囲に拡大すること や、事故が起きた際の防災対策の拠点となる「オフサイトセンター」を5キロ地点から30キロ地点にすることなどが盛り込まれています。
 各自治体は、新たな指針をもとに来年の3月までに住民の避難方法などを定めた地域の防災計画を作ることになります。
 一方、放射性物質の拡散シミュレーションに誤りがあった問題を受け、田中俊一委員長は、「正確さは信頼にかかわることで大変申し訳ない」と謝罪し、規制庁に再発防止を指示しました。
 シミュレーションは、地域の防災計画づくりの参考になるもので、原発の周辺自治体からは「混乱を招いた」など不信の声が上がっています。(3111:02

新防災指針を策定=避難準備、原発30キロ圏に―規制委

  • 20121031日  12:24 JST
 原子力規制委員会は31日、定例会合を開き、原発事故への対応を定めた原子力災害対策指針(防災指針)を策定した。住民の避難や屋内退避の備えを重点的に行う目安となる区域は、これまで原発の半径8〜10キロ圏内だったが、30キロ圏内に拡大する。
 田中俊一委員長は「この指針に基づき、各自治体には防災計画を住民の立場で作っていただく。有効な計画を作れるかどうか、自治体との作業の中で見直しがあってもいい」と述べた。
 新たな防災指針の策定で、避難準備が必要な区域に含まれる自治体は、従来の15道府県45市町村から21道府県135市町村に増える。原発事故を想定した地域防災計画を策定する自治体も大幅に増加する見通し。
 ただ、今回の指針では、避難指示を発動する基準や甲状腺被ばくを防ぐヨウ素剤の配布などについて具体的に定めていない。避難基準や緊急時迅速放射能影響 予測ネットワークシステム(SPEEDI)の活用法については年内に、ヨウ素剤配布の準備範囲などは来年3月までに順次まとめ、指針を拡充する。
 自治体の計画策定は来年3月が期限とされており、限られた時間で実効性のある備えができるかが問われる。
 規制委の助言などを基に、内閣府は自治体が防災計画を策定する上で参考になるマニュアルを作り、支援する方針。田中委員長はこれまで、地元で計画が策定されないまま原発を再稼働させるのは難しいとの認識を示している。 
[時事通信社]

東日本大震災:福島第1原発事故 第13次農畜産物損賠1億1642万円 きょう東電に請求 /山形

毎日新聞 20121031日 地方版
 福島第1原発事故による風評被害を巡りJA山形中央会などは30日、東京電力に請求する第13次の農畜産物損害賠償請求の概要を発表した。請求額は牛肉関係の販売価格下落による1億1642万円で、31日に東電に請求する。
 請求対象期間は昨年7月8日から今年9月30日までで計218人分。次回は昨年7月8日から今年10月31日までを対象とし、11月30日に請求する予定。【浅妻博之】


賠償完全実施、全原発廃炉を=広瀬東電社長に要望書―佐藤福島知事

  • 20121031日  12:12 JST
 福島県の佐藤雄平知事は31日、県庁を訪問した東京電力の広瀬直己社長に対し、福島第1原発事故に伴う損害賠償の完全実施や県内の全原発廃炉などを求める要望書を手渡した。広瀬社長は「重く受け止め、全社一丸で取り組む」と述べたものの、明確な回答は避けた。
 佐藤知事は、広瀬社長に「原子力災害の原因者としての責任を最後まで完全に果たすべきだ」と強調した上で、東電の対応について「不十分と言わざるを得な い」と批判。要望書で(1)損害賠償の完全実施(2)除染の徹底(3)事故収束と廃炉(4)県の復興・再生への取り組み―の4点の実行を迫った。
 広瀬社長は終了後、記者団に対し、原発廃炉について「今の段階では未定」と改めて慎重な姿勢を表明。除染に関しては「東電も汗をかかないといけない」と語り、社員の除染参加を拡大する方針を示した。 
[時事通信社]
20121031127

原発防災新指針「重点区域30キロ圏」を決定


原子力規制委員会は31日、原発事故に備えて防災対策の重点区域の目安を半径30キロ圏に拡大する原子力災害対策指針を決定した。今後、避難指示を出す 放射線測定値の基準などを年内をめどに定める。甲状腺被曝(ひばく)を防ぐ安定ヨウ素剤を備蓄する地域として当初、「原発から50キロ圏」を検討するとし ていたが、今回は具体的な範囲は盛り込まなかった。
 従来の指針では、半径8~10キロ圏を重点区域の目安にしていたが、東京電力福島第一原発の事故で想定が甘かったことを踏まえ、新指針では5キロ圏を重大事故の発生と同時に即時避難する区域として新たに定め、重点区域も30キロ圏に拡大した。
 原発事故で、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を活用できなかった反省から、重点区域では、事故時の放射線の測定値があらかじめ設定した基準値を超えると、住民避難や屋内退避などの指示を出す。
原子力規制委、災害時の防災指針決定 計画作成地域を30km圏に

原子力規制委員会は、原子力災害が起きた際の防災指針を決定し、避難計画などを作る地域を、原発から半径30kmに拡大した。
これによって、21道府県135市町村の延べ480万人が対象になった。
新しい防災指針では、事故が起きた際、原発から半径5kmについては、直ちに避難する地域とし、避難計画などの防災対策が必要となる地域を、半径30kmを目安に拡大することが決まった。
これにより、防災重点区域は、21道府県135市町村、延べ480万人が対象になった。
各自治体は、この指針をもとに、20133月までに地域の防災計画を作ることが義務づけられているが、県境を越えて避難が必要になる場合もあり、隣接自治体との調整が今後の課題となる。
一方、事故が起きた際に対策をとるべき放射線量の基準や、甲状腺被ばくを防ぐための安定ヨウ素剤を、半径50km圏内の各家庭に事前に配布する案などは、今後の検討事項となり、引き続き議論が続けられる。
(10/31 12:08)

【滋賀】

原発から43キロまで財政支援を

20121031

原発の事故に備えて防災対策を重点的に整備する緊急防護措置区域(UPZ)に関して、国が原発から三十キロを目安とした地域に設定する方針につい て、嘉田由紀子知事は三十日の記者会見で「三十キロを超えた地域にも国の支援や負担を求めていく」と語り、県が地域防災計画で定めた、原発から最大四十三 キロまでの地域への防災対策の整備を国に働き掛けていく考えを示した。
 原子力規制委員会が、UPZはおおむね原発から三十キロ圏内の地域とする原子力災害対策指針を、三十一日にもまとめる方針であるのに対して述べた。
 UPZをめぐっては、県は独自の放射性物質拡散予測で、美浜原発(福井県美浜町)から最大で四十三キロの高島市南部にまで高濃度の放射性物質が降り注ぐと算出したことから、高島、長浜両市でUPZの範囲を三十キロ圏外まで広げた地域防災計画を、今年三月に定めている。
 嘉田知事は「福島第一原発事故では、四十~五十キロでも大きな影響が表れており、三十キロを超えた所でも防護対策を準備する必要がある」と述べた 上で、「防護体制が必要という判断を私どもがする限り、国への財源的措置は求め続けたい。単独の県単予算を入れて体制を整備することは、県民への説明がつ かない」と語った。
 県は今後、防災資機材の整備にかかわる予算要望などを通して、県の立場を訴えていく。
 (中尾吟)

原発避難480万人に 規制委指針「30キロ圏」決定

2012/10/31 11:11
原子力規制委員会は31日、原子力発電所で事故が起きた場合の防災対策をまとめた原子力災害対策指針を決めた。住民の避難区域をこれまで の原発から半径8~10キロ圏内から30キロ圏に広げ、安全対策を強化する。原発の周辺自治体は対策指針をもとに、来年3月までに地域防災計画をつくる。 避難区域の対象は135市町村、約480万人の住民で、自治体の負担は増えそうだ。
 規制委が来春にもまとめる原発の安全基準と並び、自治体の防災計画は原発を再稼働させるための前提条件となる。今後の自治体の対応が原発再稼働の時期を大きく左右しそうだ。
 規制委の田中俊一委員長は「指針づくりを最優先でやってきた。自治体には住民の立場に沿って有効な計画をつくってもらいたい」と表明。自治体との協議次第では「指針を見直すことがあってもいい」と柔軟に対応していく方針も示した。
 新たな対策指針の最大の特徴は、避難区域の設定を変えたことだ。原発事故が起きると放射性物質が広域に拡散する懸念があるため、2つの区域を新たに設ける。
 原発から半径5キロ圏は、原子炉冷却水の喪失や炉心溶融が起きた場合、放射性物質が広がる前にすぐに避難する区域とする。30キロ圏は放射 線量の上昇度合いに応じて避難する地域とする。東京電力福島第1原発事故の際、放射性物質が約20キロ圏に及んだ経緯を踏まえ、現在は一律8~10キロ圏 の避難区域を見直す。
 事故時に国や自治体、電力会社の拠点になるオフサイトセンターを5~30キロ圏内に移し、放射性物質を防護するフィルターなどを設けることも促す。福島第1の同センターは原発から約5キロと近かったうえ、放射線防護の対策も欠けていた。
 避難を判断する基準や緊急医療体制、甲状腺被曝(ひばく)を防ぐ安定ヨウ素剤の投与基準などは今回の指針に盛り込まず、年内をめどに決める方針。具体策がまとまった項目から順次、自治体に示し、少しでも早く防災計画づくりに着手してもらう考えだ。
 新指針で自治体の負担が増すのは確実だ。30キロ圏で一律に線引きすれば、対象となる自治体はいまの15道府県45市町村から21道府県135市町村に拡大する。住民ものべ約73万人からのべ約480万人に増える。
 特に区域内に数十万人規模の人口を抱える原発の周辺自治体は、多くの住民を安全に避難させるのは難しい。避難ルートや避難場所の確保など、近隣の自治体との調整も必要となる。
 さらに自治体を混乱させるのが、規制委が公表した放射性物質の拡散予測だ。全国16カ所の原発で福島第1事故並みの炉心溶融を想定したところ、東電柏崎刈羽や関西電力大飯など4原発で30キロ圏を超えて拡散する可能性があると分析した。
 田中委員長は避難区域について「30キロ圏で十分」と強調している。ただ、今回の予測は地形などを考慮しておらず、あくまで簡易版。自治体が求める詳細なデータとはいえず、自治体は判断材料が乏しい中で防災計画づくりを迫られる。

大型ハリケーン、米と加で死者43人に 原発でも異常発生、停止

2012.10.31 12:00
30日、ニューヨーク・マンハッタン島南部で、天井近くまで浸水したままのトンネル(共同)
30日、ニューヨーク・マンハッタン島南部で、天井近くまで浸水したままのトンネル(共同)【拡大】

 【ニューヨーク=黒沢潤】ハリケーン「サンディ」が変化した温帯低気圧による米国、カナダでの死者は30日夕現在、43人に達した。米NBCテレビによれば、約820万世帯・事業所で停電となったほか、広い地域で冠水などの被害が出た。
 ニュージャージー州内の原子力発電所では、冷却水循環ポンプに異常が起きたため、手動で稼働を停止した。ニューヨーク州内の原発2カ所も、送電関連の異常で自動停止した。
 一方、運休停止が続いていたニューヨーク市の地下鉄には沿岸部の塩水が入り込み、ブルームバーグ市長によれば、完全復旧には4、5日かかるという。
 また、ニューヨーク大学の関連病院に入院していた患者215人は停電のため、別の医療施設に緊急搬送された。
 北西部に針路を取る「サンディ」の最大風速は弱まっているものの、オバマ大統領は30日、ワシントン市内の赤十字事務所で、「この暴風雨は過ぎ去っていない。市民は地元当局の指示に従ってほしい」と警戒を呼び掛けた。
 米国防総省によると、バージニアなど計7州で約6700人の州兵が動員され、緊急事態に備え、6万人以上が待機した。

事故時の放射性物質拡散、6原発で予測訂正
原子力規制委、風向きデータ誤入力

2012/10/30
日本経済新聞 朝刊
東京電力福島第1原子力発電所のような事故が全国の16原発で起きた場合の放射性物質の拡散を予測した地図について、原子力規制委員会は 29日、東電柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)など6原発で地図を訂正すると発表した。風向きのデータ入力を誤ったのが原因という。各自治体は規制委の地図 を参考に、地域防災計画の策定を始めたばかり。今回の訂正で混乱が広がりそうだ。
 訂正したのは柏崎刈羽のほか日本原子力発電東海第2…

原発再稼働、地元との調整役迷走(真相深層)
規制委「安全性は判断」 政府「事業者に責任」

2012/10/26
日本経済新聞 朝刊
原子力規制委員会が発足して1カ月。24日には原子力発電所で深刻な事故が起きた際の放射性物質の拡散予測を公表したが、そもそも迷走している課題がある。定期検査などで停止した原発の再稼働をだれが、どう決めるかだ。
不透明な手続き
 電力会社は電気事業法54条で、原発の定期検査を受けることが義務づけられている。同法は来年7月までに、原発の安全確保策を定めた原子炉等規制法に引き継がれる。電力会社は法令上は、定…

原子力規制委:拡散試算ミスを陳謝

毎日新聞 20121031日 1150分(最終更新 1031日 1153分)
 原子力規制委員会が公表した原発事故時の放射性物質の拡散試算に誤りがあった問題で、田中俊一委員長は31日の定例委員会で、「国民に関係する情報提供は委員会の信頼に関わる。初っぱなから誤りがあったことは国民に大変申し訳ない」と陳謝した。
 田中委員長は「人間は過ちを犯す。今回の件を反省材料に、根本的なことも含めて再発防止策を検討してほしい」と、事務局の原子力規制庁に指示した。
 試算は委員会の指示で、原子力安全基盤機構(JNES)が実施。16原発について、過酷事故時の放射性物質の拡散状況を試算した。しかし、東電柏崎刈羽原発など6原発で風向のデータを取り込む際に誤りがあり、拡散方向がずれていた。【西川拓】

拡散予測の誤り 規制委員長が陳謝

10311156

拡散予測の誤り 規制委員長が陳謝

原発事故が起きた際の放射性物質の拡散予測の試算に6つの原発で誤りが見つかった問題が、31日開かれた原子力規制委員会に報告され、田中俊一委員長は「正確な情報提供は信頼に関わるもので、最初から誤りがあり、大変申し訳ない」として陳謝しました。
原子力規制委員会は、原発事故が起きた際の放射性物質の拡散予測の試算を巡り、新潟県の柏崎刈羽原発など6つの原発の結果を誤って発表し、自治体から批判の声が上がっています。
31日に開かれた原子力規制委員会の会合で、事務局の原子力規制庁から誤りが見つかった経緯や原因について報告されました。
これについて田中委員長は、「正確な情報提供は私たちの信頼にかかわる大変重要な課題だ。初っぱなから誤りがあり、国民の皆さんに大変申し訳ない」と述べて陳謝しました。
そのうえで田中委員長は、「試算は『急いで出して欲しい』という声があり公表したが、もう少し慎重にすべきだったと内心思っている。ミスが続けばますます信頼は失われるので今回の反省にたって再発防止策をまとめてほしい」と指示しました。
また、田中委員長は「試算結果は、地形が考慮されず、被ばく量の評価も問題があり、防災上のツールとしては不十分だ」述べ、より現実的な試算が行えるシステムの開発が必要だという考えを示しました。
このあとの記者会見で田中委員長は、「試算は『だいたいこの範囲まで事前の準備が必要だ』という参考資料だと思う。福島でも、谷の左右や山の上と下で放射性物質による汚染状況は大きく異なるので、私自身は今回の試算がそんなに役に立つとは思っていない」と述べました。
原子力規制庁は、実際に試算を行った独立行政法人に詳しい経緯を調べさせるなどして、再発防止策を2週間をメドにまとめることにしています。

「消費者事故調」スタート、早くも受付24件 トップに「原発事故調」の畑村氏

2012/10/31 11:51
   製品や食品など消費者が身の回りで起きる事故の再発を防止するため、原因調査に当たる「消費者安全調査委員会」(消費者事故調)が 2012101日、発足し、3日の初会合で、東京電力福島第1原発事故で政府の事故調査・検証委員会委員長を務めた畑村洋太郎・東大名誉教授を委員長 に選出した。
   被害者や遺族の要望を受けて設置が決まったもので、広範な消費者事故を第三者の立場で調査する初めての専門機関だ。ただ、予算と人員が限られる中、刑事責任を追及するのが仕事の警察などとの調整など課題は多い。

省庁縄張りの「スキマ事案」も手がける

   被害者や遺族らからの調査申し出についての電話相談の受け付け(0335079268)も始まり、さっそく多数の相談が寄せられ、4週間 余りで24件の調査依頼を受け付けている。この中には2005年に東京都港区で起きたパロマ工業製のガス瞬間湯沸かし器による中毒事故関係者の申し出も含 まれる。
   航空・鉄道・船舶の事故は運輸安全委員会が担当するが、消費者事故調はこれ以外のすべての事故が調査対象。家電などの製品に関する事故や食品 関係の被害、介護現場の事故など幅広く、こんにゃく入りゼリーの窒息死などは厚生労働省なのか農林水産省なのかなど、所管省庁が曖昧な「スキマ事案」も手 掛ける。
   消費者事故調は7人の委員(首相が任命)で構成し、①調査する事故の選定、②調査結果の公表、③関係省庁への改善策の提言――などをする。予 め登録した各分野の専門家数十人の中から、事案ごとに23人を専門委員や臨時委員に任命して具体的な調査をすることになる。技術的な分析は国民生活セン ターの商品テスト部などに委託することもある。
   製品の技術的な問題だけでなく、事故に至った背景も含めて調べるのが大きなポイント。そのために、関係者への聞き取りや立ち入り検査などの強 い権限があり、他の役所が調査した結果に意見を言うこともできる。業者が立ち入りを拒んだり、虚偽の報告をした場合は30万円以下の罰金を科すという罰則 も設けられている。

「年間100件」が目標だが・・・

   こうした消費者事故調に、過去の事故関係者の期待は大きい。例えばエレベーター事故などでは、エレベーター製造元や管理会社の法人や従業員が 業務上過失致死傷などで起訴され、事故の直接の原因となった技術的欠陥は一応、解明されても、業者の管理体制、メーカーと保守業者の関係の欠陥なども含め た総合的な原因までは、警察の捜査だけではなかなか明らかにならない。遺族がその点の調査を求めても、警察は権限外とし、資料開示要求にも「捜査の秘密」 として詳しい証拠は出さず、管轄の官庁は「証拠物がないから解明は無理」と逃げ、往々にして堂々巡りになる。
   原因企業に情報を求めるのは「損害賠償訴訟などの絡みもあって、なかなか協力が得られない」(司法関係者)。消費者事故調が、こうした壁を破り、「原因を徹底的に解明し、真の再発防止策を生み出す力になる」(同)可能性がある。
   ただ、課題もある。事務方の消費者庁は年間100件程度の調査を目標というが、消費者事故調の予算は年2億円弱と限られ、専門委員となる実動 部隊の選任もまだ進んでいない。畑村委員長は就任後の記者会見で「私見だが、丁寧にやるには、100件は難しいのではないか」と語っている。
   警察との関係も問題だ。捜査は、あくまで関係者の刑事責任追及が目的で、刑事責任に関係がなければ、調べた内容が公表されるとは限らない。一 方、「事故関係者が安心して証言するためには、消費者事故調の報告書を刑事事件の捜査や裁判の証拠に使わないルールが必要」と関係者は指摘する。運輸関係 の事故調査と同様、永遠のテーマだ。
   この点について、少なくとも、捜査機関が押収した証拠を消費者事故調が閲覧や検証できるよう、運輸安全委員会のような証拠品の取り扱いに関す る覚書を捜査機関側と結んでおくことが不可欠というのが関係者の一致した見方。消費者庁も「覚書は検討を進めている」(阿南長官)といい、早急に詰める必 要がありそうだ。

【震災関連死対策】遺族「遅すぎる」 定住先整備急げ 心疾患増え死者増懸念


 震災関連死で復興庁が国と県による検証・対策チームを設ける方針を示した30日、認定を受けた遺族からは「今ごろになってつくっても遅すぎる」と の声が上がった。東京電力福島第一原発事故で避難している高齢者らはストレスの続く生活に不安を抱き、一刻も早く定住できる環境づくりを望む。医療関係者 は東日本大震災後に心不全や狭心症などの心疾患が増えていることを指摘し、関連死が今後も増える可能性を訴えている。
■行政対応に疑問
 震災関連死の検証・対策チームを設けることについて川内村の仮設住宅で暮らす村内の女性(75)は「もっと早く取り組んでもらいたかった」と悔しがった。
 郡山市の仮設住宅にいた昨年10月、夫(77)を病気で亡くした。長引く避難生活の中で体力が落ち、持病の治療も十分にできずに病状が悪化した。その後、震災関連死の認定を受けた。
 震災から1年7カ月余りも経過した今になって、ようやく震災関連死の防止に動きだした行政の対応に疑問も感じる。「何とかならなかったのか」と悲しみは募るばかりだ。
■たまるストレス
 富岡町から大玉村の仮設住宅に避難している渡辺広勝さん(75)は「避難者が2人集まれば原発事故について話し合う。行く先の見えない将来にストレスは増すばかり」とため息をついた。
 渡辺さんは震災と原発事故以降、避難先は5カ所目となった。避難生活の長期化に伴い精神的な苦痛は増大している。国や東京電力などを信じることができず、将来を悲観する避難者もいるという。
 「国は古里を除染すると言っているが、除染が終わり、本当に帰還できる日がくるのか」。渡辺さんは多くの避難者の気持ちを代弁する。安心して生活するために「一刻も早く災害公営住宅を造ってほしい」と強く望んでいる。
 南相馬市小高区から避難し、福島市の借り上げ住宅で義父(92)と2人で暮らす女性(61)は避難先で震災前と同じ生活をしようと思っても、環境が変わってストレスがたまり難しいと実感している。
 数日前、義父は女性に「こんな所では死にたくない」とつぶやいた。「最後はどこで暮らせばいいのか。考えても答えが出ない」。女性は故郷の写真を見詰めながら時間だけが過ぎるもどかしさを感じている。
■一体で支援を
 福島市の大原綜合病院付属大原医療センターの石橋敏幸院長代理(57)は「震災関連死は今後も増える恐れがある」と警鐘を鳴らす。
 石橋氏は同センターの心疾患の入院患者の人数を分析。その結果、死に至る危険性が高い心不全と狭心症の患者数が震災後、増えていることが分かった。震災 前の平成22年は心不全143人、狭心症266人だったが、震災後の23年は心不全199人、狭心症285人、24年は6月までの半年だけで心不全84 人、狭心症212人だった。
 原発事故に伴う避難生活や放射線の影響を心配した日常の中で、偏った食生活、運動不足、ストレス、睡眠不足などによる糖尿病や高血圧の悪化から心疾患を引き起こしたケースが目立つという。
 石橋氏は「震災の影響が大きいと考えられ、死亡すれば震災関連死に当たる可能性がある」との見方を示した上で、「個人が注意するだけでなく、行政が医療機関と一体となってサポートする必要がある」と強調した。

東日本大震災:福島第1原発事故 東電、観光業者対象に損賠請求説明会−−来月5日 /青森

毎日新聞 20121031日 地方版
 東京電力は、福島第1原発事故による風評被害で観光客が減った損害賠償の請求に関する説明会を、11月5日午後1時半から青森市安方1の県観光物産館アスパムで開く。県内の観光業者(個人、法人含む)が対象。
 東電は今月18日、福島県を除く東北5県の観光業者に対し、昨年3月11日から今年2月末までに生じた損害の50%を風評被害分として一律に賠償することを決めた。説明会は、この基準に基づく申請方法や書類の書き方などを説明する。賠償額の交渉は行わない。
 当日は、全体説明会(午後3時まで)のほか、個別相談会(同4時まで)も行う。東電は観光連盟などの関係団体を通じて参加案内を出しているが「団体に入っていない業者も参加を」と呼びかけている。
 申し込みは2日までに東電東北補償相談センターへ電話(0120・993・010)かファクス(022・217・0242)で。【酒造唯】

米原発業界、緊急対応は及第点-ハリケーン襲来で大きな試練

  1030日(ブルームバーグ):大型ハリケーン「サンディ」の影響は原子力発電所にも及び、東海岸の原発では緊急措置が取られた。2011年の福島第一原発事故以後で原発の緊急対応が試される最大の機会となったが、及第点には達したようだ。
東海岸では原子炉3基が停止されたほか、ニュージャージー州オイスタークリーク原発ではサンディによる水位上昇と原子炉を冷却するための外部からの電力供 給停止で、警報が発令された。サンディの進路や大きさに関する予報で、原発運営各社や連邦当局の対応が可能になったとアナリストらは指摘する。
デール・クレイン元米原子力規制委員会(NRC)委員長はインタビューに対し、「ハリケーンの接近が分かっていたため、行動することができた」と説明。「行動は比較的容易だっただろう。原発は常にハリケーンに備えている」と述べた。
米国の原発安全基準に批判的な人々は、燃料交換のために運転を停止していたオイスタークリーク原発など複数の原発が止まっていたことが大事故の回避につな がったと指摘。より強いハリケーンが原発を襲う可能性があることから、政府は原発について一段と厳しい基準を課す必要があると主張している。
原題:Nuclear-Power Industry Clears Sandy’s Post-Fukushima Test(1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Mark Drajem mdrajem@bloomberg.net;ワシントン Kasia Klimasinska kklimasinska@bloomberg.net;ニューヨーク Christine Harvey charvey32@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Jon Morgan jmorgan97@bloomberg.net
更新日時: 2012/10/31 11:20 JST

30km480万人!原子力災害対策重点区域が拡大(10/31 11:22)

原子力規制委員会が、原発事故が起きた際の新たな対策の指針をまとめました。避難に備える区域が原発から30キロ圏に拡大され、対象となる人口は480万人に上ります。
  31日の会合で示された新たな指針では、これまで原発から10キロ圏としていた「原子力災害対策重点区域」が30キロ圏に拡大されました。事故の際に避難 準備の対象となる自治体は3倍の135市町村となり、対象人口も7倍の480万人となります。全国の自治体はこの指針に基づき、先週に発表された放射能拡 散シミュレーションなども参考にしたうえで、来年3月までに避難方法などを盛り込んだ防災計画を見直すことになります。原子力規制委員会は、各自治体から 年内に計画案を提出させ、具体的な対策について協議するということです。

第2部(1) 悲鳴上げる製造業 電力不足もう限界…

2012.10.31 11:24 1/3ページ)
自動車の骨格部品の生産に欠かせない3千トンプレス機=福岡県みやこ町のユニプレス九州
自動車の骨格部品の生産に欠かせない3千トンプレス機=福岡県みやこ町のユニプレス九州
 甲子園球場がすっぽり入る3万9千平方メートルの工場建屋に整然と並ぶ高さ十数メートル、重さ3千トンの巨大プレス機。これら21台は轟音(ごうおん)を響かせながら鋼材を次々に型抜きし、曲げて絞り、センターピラーなど複雑な形状の自動車の骨格部品に変えていく。
 福岡県みやこ町の山間部に10万平方メートルの敷地を有する自動車部品メーカー「ユニプレス九州」は、九州を国内生産の拠点とする日産自動車に欠かせない重要部品メーカーだ。15キロ離れた日産自動車九州(福岡県苅田町)などに、乗用車1台あたり数千点の部品を収める。
 まさに九州経済の牽引車といえる存在だが、唐突に危機が訪れた。九州電力の玄海、川内両原子力発電所の全面停止による電力不足である。
 
エアコン停止
 ユニプレス九州の数々の大型機械の動力源はもちろん電気。年間電力消費量は一般家庭4千戸分に匹敵する1400万キロワット時に上る。
 それだけに今夏の政府や九州電力からの10%の節電要請は大打撃となった。
 工場では、電力使用量が一定量を超えたらアラームがなる警報装置を設置したり、ディーゼルエンジン式コンプレッサーを導入するなどさまざまな節電対策を実施。費やした費用は1千万円をはるかに超える。
 それでも10%削減は達成できなかったため、ついに工場内のエアコンを止めた。日によって工場内の温度は40度近くまで上がったが、従業員はみな汗だくとなって業務を続けた。
  工場内の従業員がそれほど苦労しているのに事務所棟だけが涼しい顔はできない。事務職員たちも今夏はほぼエアコンなしで乗り切った。当時、政府や国会がエ アコン設定温度を「28度」にして節電アピールするニュースを従業員たちはどんな気持ちで見ていたか、想像に難くない。
 「なんとか10%節電を達成できたが、まさに綱渡りでした。社員に本当に苦労を強いてしまい、今も胸が痛みます。でもこれがギリギリ限界。これ以上、節電要請されれば生産量を減らすしかない…」
 太田秀樹管理部長はこう打ち明けた。
  実際、幸運だったこともある。日産自動車は9月から、主力商品である小型乗用車「ノート」の本格生産を始めた。ユニプレス九州も9~10月は増産に追われ 工場をフル稼働させた。もし増産時期が夏場と重なったり、残暑が長引いたらどうなっていたのか。そう考えると太田氏は背筋が凍る思いだという。
 
ちらつく値上げ
 だが、危機は去ったわけではない。原発停止に伴う燃料コストの大幅増で赤字に陥った九州電力は、来春から電気料金を10%値上げする方向で調整を進めている。このまま原発が再稼働できなければ、さらなる電気料金値上げも覚悟しなければならない。
 ユニプレス九州の年間電気料金は2億円でコスト全体の12%を占める。長引く円高の打撃もあり、コスト削減は限界に近い。電気料金上昇に伴う納入価格の値上げは望むべくもない。太田氏は「電気料金10%値上げでも会社への打撃はとてつもなく大きい」と漏らす。
 しかもこのまま原発を再稼働できないならば、来夏も節電を要請される公算が大きい。ユニプレス九州は社内の省エネ委員会で工場内の太陽光パネル設置や、ディーゼル発電機の導入などさまざまな対策を検討し、試算した。
 だが、結果は「ノー」だった。いずれも1キロワット当たりのコストが2倍以上となり採算が合わないからだ。太田氏はこう語った。
 「実感したのは『電力会社から買う電気って本当に安いんだな』ということだけでした。原発を動かさず、電気料金が今後も上がり続ければ、ひどい目に遭うのは結局、九州経済を支える中堅・中小の製造業者なんですよ」

  九州電力の全原発停止は、電力供給不足に加え、来春の電気料金値上げを招き、九州産業界は今後この二重苦に立ち向かわざるを得なくなった。九州の主力産業 の一つに成長した自動車製造などの第2次産業だけでなく、農業などの第1次産業、そして第3次産業にも原発停止の影響はジワリと拡大する。その実態を追っ た。

規制委に不信、噴出 放射能拡散予測の訂正

20121031
修正された拡散予測図=原子力規制委員会提供
柏崎刈羽原発で重大事故があったら、放射性物質がどう拡散するかの予測が誤っていたとして、原子力規制委員会は29日夜、予測図を修正して公表した。振り回された市や県からは、地元への説明を後回しにする規制委の姿勢や予測手法について、強い不信の声が上がった。
     ◇
 長岡市の森民夫市長は30日、修正を受けて臨時の記者会見を開き、「社会的影響や、市民が不安に思う気持ちに対して、国が極めて鈍感」と憤った。データの入力ミスで誤ったことについても「あってはならない」と断じた。
 修正で、長岡市の栃尾地域は広い範囲に放射性物質が拡散すると予測された。市中心部と栃尾地域の間には東山連峰があるが、森市長は、予測は地形を考慮していないなどとして、精度に疑問も呈した。
 栃尾地域で145人を預かる双葉保育園(長岡市谷内2丁目)の星野正子園長(64)は「原発から30キロと言えば栃尾に入る手前くらいと 安心していたが、まさか範囲に入るなんて」。栃尾郵便局前で野菜を売っていた60代の農家女性は、修正のニュースをテレビで見たが、「どこに逃げたらいい かという話は一切出ていない」と怒った。地元酒蔵に勤める武藤光則さん(51)は「コメや水は酒造りに欠かせない。風評被害が怖い」と話した。
 魚沼市は修正後も市中心部近くまで拡散すると予測された。大平悦子市長は30日、「きちんとした説明もせず、誤った情報を流すことへの認識が甘いのではないか」と語った。
 見附市は修正によって市中心部にも拡散すると予測された。久住時男市長は30日、市全域を防災対策の重点区域とする予定だったので、修正によって防災対策の方針が「大きく変わることはない」と説明した。
 十日町市は市中心部近くまで拡散するとされたが、修正で「拡散予測ライン」にかからなくなった。関口芳史市長は30日、「振り回されない ようにしたい。福島の事故をみても、気象条件次第で放射性物質は広く拡散するのだから、ラインを引いて安心するべきではない」と語った。
     ◇
 「原子力規制庁が信頼に足る組織かどうか、疑問符がつきかねない事態だ」。泉田裕彦知事も30日の記者会見で厳しく批判した。
 知事は29日、規制委から県に訂正連絡があった約2時間前に、規制委事務局である規制庁の池田克彦長官と会い、原子力災害への対応強化を求めていた。その際、予測の訂正について伝えられることはなかった。
 知事は会見で、「もし長官が報告を受けていて一言も言及しなかったとなればデータを的確に早く開示する意識を欠いている」と指摘し、「事実関係を把握して、体質改善を求めたい」と述べた。
 規制委が原子力安全基盤機構(JNES)に分析を任せていたことを「丸投げ」と表現し、「規制委にチェックする能力があるのかどうか疑問符がつく」とも指摘した。
 県は、規制庁職員から市町村の担当者が直接、予測の説明を受けられる場をつくろうと考えている。規制庁の金子修一原子力防災課長も29日 夜に同庁であった会見で「対面でお話しできればおわびしたい。魚沼市についてはインパクトが大きい。個別にご説明し、声を受け止めていきたい」と語った。
     ◇
※修正された拡散予測図の見方
 福島第一原発のような深刻な事故が柏崎刈羽原発で起きたと想定し、屋外にいた場合、国際原子力機関が避難基準とする「1週間で100ミリ シーベルト」の被曝(ひ・ばく)量に達する地点を各方位ごとに距離とともに示している。円は、防災対策の重点区域の目安となる30キロ圏。30キロ圏外で は、原発から東北東(図のENE)は31.6キロ離れた見附市中心部、東(E)は40.2キロの長岡市栃尾地域、東南東(ESE)は35キロの魚沼市広神 地域、南東(SE)は35.4キロの魚沼市堀之内地域まで拡散するとの予測に変わった。

年度内に検証報告 県技術委座長が意向

20121031
 柏崎刈羽原発の安全性を見極めるため、福島第一原発事故の検証をしている県技術委員会が30日、県自治会館で開かれ、座長の鈴木賢治・新潟大教授 は、今年度内に、事故検証についての報告書をまとめる考えを示した。現地も視察した上で、国会や政府などの事故調査委員会による報告書の内容も取り入れ、 提言の形でまとめたい考えだ。
 泉田裕彦知事は、県技術委に委ねた福島の事故の検証が終わらない限り、柏崎刈羽原発の再稼働について検討に入らない考えを示している。技術委の報告書がまとまれば、再稼働問題は新たな局面に入る。
 技術委はこの日、政府の事故調査・検証委員会で委員長を務めた畑村洋太郎東大名誉教授と、技術顧問を務めた淵上正朗氏(コマツ顧問)の2人を招き、報告書の説明を受けた。
 委員からは、報告書の提言をどう生かすかや、原発の危険性を指摘する少数意見をどう扱うか、といった質問が上がった。畑村氏は「国民全体 で真剣に受け止めて実行していかなければいけない」「確率論だけを振り回して判断するのはおかしいと(事故が)教えている」などと応じた。(水野梓)

仙台市:原発事故発生時、独自対策を検討−−防災会議部会 /宮城

毎日新聞 20121031日 地方版
 原発事故発生時の対応などを協議する仙台市防災会議の原子力防災部会が30日、同市役所で初めて開かれ た。同市中心部は東北電力女川原発から50〜60キロの圏内にあり、避難者の受け入れや迅速な情報伝達の必要性について話し合われた。同市は、策定中の地 域防災計画の原子力災害対策編として今年度末までに暫定案をまとめる。
 福島第1原発の事故を受けた会議で、国の災害対策指針や県の防災計画に合わせ、市独自の対策を検討する。
 有識者やPTA関係者ら17人が出席。委員からは「避難者の大部分は仙台に来る。県と連携して対策を考 えることが大事」「子供たちの事を考え、避難も念頭に検討するべきだ」「除染の体制について盛り込みたい」などの意見が出た。委員の一人の中畑直人・東北 電力仙台営業所長は「(東北電の)役割は迅速な情報提供。国の論議を注視しつつ、計画内容の検討を進めたい」と述べた。【金森崇之】

原発事故:防災重点地域30キロ圏内に拡大 対策指針決定

毎日新聞 20121031日 1104分(最終更新 1031日 1118分)
 原子力規制委員会は31日の定例会で、原発事故の際の防災重点地域を、原発から半径30キロ圏内(現行 8〜10キロ)に拡大することなどを盛り込んだ「原子力災害対策指針」を決定した。放射性物質の拡散を予測するSPEEDIの新たな活用方法など、6項目 を今後の課題に挙げて議論を続ける。
 指針は「原発事故などに起因する放射性物質、または放射線の異常な放出により生じる被害」を原子力災害 と規定。その収束対応に当たっては「原子力事業者が一義的責任を有する」と定め、初めて電力会社の責任を明記した。原発事故時は、すぐ避難する5キロ圏の 「予防防護措置区域」(PAZ)と、事故が悪化すれば避難対応する30キロ圏の「緊急防護措置区域」(UPZ)の2段階で対応する。
 しかし、避難指示を発動するかの目安とする放射線基準と、事故の拡大状況を見極める基準の策定や、甲状 腺被ばく対策を重点的に進めるPPA(放射性ヨウ素防護地域)の範囲設定などについては、SPEEDIの活用方法とともに決定を保留した。全文について 「今後継続的な改定を進める」と明記した。【中西拓司】

東日本大震災:福島第1原発事故 政府の事故調元委員長報告−−県技術委 /新潟

毎日新聞 20121031日 地方版
 東京電力柏崎刈羽原発の安全管理について議論する県の技術委員会(座長=鈴木賢治新潟大教授)は30 日、新潟市内で今年度3回目の会合を開き、福島第1原発事故の政府事故調査・検証委員会の元委員長、畑村洋太郎・東京大名誉教授▽同委の元技術顧問、淵上 正朗・コマツ顧問の報告を受け、質疑応答した。
 同委では、国会▽政府▽東電▽民間の4機関の事故調査報告書を元に福島事故の検証をしている。
 畑村元委員長は地震は想定したが、津波を想定していなかったことや、想定外の出来事に対応できる人の教育ができていなかったことなどを挙げた。
 次回は東電の報告を受ける。鈴木座長は、できれば今年度中に議論を終え、泉田裕彦知事に議論の結果を反映した柏崎刈羽原発の安全管理などについて提言したいとしている。【宮地佳那子】

国際社会が声上げて…双葉町長スイスで現状報告

【ジュネーブ=石黒穣】東京電力福島第一原発事故で全域が警戒区域となった福島県双葉町の井戸川克隆町長は30日、スイスのジュネーブで民間活動団体(NGO)が開いたイベントに参加し、事故の現状を報告した。
 井戸川町長は、次の大きな地震で再び放射能が拡散する不安を訴え、「被曝を避ける以外に安全はない」と語って、原発周 辺の広範な地域の住民が国の負担で移住できるようにする必要があると強調。その実現に向け、「(日本政府に対して)国際社会が声を上げてほしい」と求め た。
201210311059分  読売新聞)
原子力災害対策指針を決定   2012/10/31 10:31
原子力規制委は原子力災害対策指針を決定。重点区域の目安が原発の半径30キロ圏に拡大。

川内村で共同購入・宅配を開始 コープ

201210310941分配信
1月に「帰村宣言」した川内村で30日、コープふくしま(今野順夫理事長)による共同購入・個人宅配サービスが始まった。
配送は毎週火曜日の週1便で、初日は33世帯が注文した。
コープふくしまは東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を考慮し配送エリアを同村まで拡大した。
食材はコープふくしま郡山支部から配送され、初日は仮設住宅や役場などの共同購入と個人宅合わせて12カ所に食料品や日用品などが届けられた。
今野理事長は同日、村役場を訪れ、遠藤雄幸村長に事業開始を報告した。
今野理事長は「事業再開を目指す既存の商店とは取り扱う商品が異なる。
村民の選択肢が増え帰村を後押しできると思う」などと語った。
遠藤村長は「地元の商店と共存共栄を図ってほしい」と話した。

事業者に直接交付 国の企業立地補助金

201210311032分配信
政府が平成25年度に創設する方針の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」制度の概要が30日、分かった。
国の基金を設けて直接、事業者に補助する。
補助率は津波浸水地域を「2分の1以内」、東京電力福島第一原発事故による避難区域を「3分の2以内」とし、制度の申請期間は3年、運用期間は5年とする方向で調整している。
経済産業省によると、補助対象は主に製造業で、用地の取得や建屋建設、生産設備の設置など初期の立地経費とする。
一定の雇用創出が交付の条件。
申請と運用の期間は避難区域の再編状況を踏まえ、延長することも検討する。
経産省は補助金の総額について、財務省など関係省庁と協議している。
制度は主に本県と岩手、宮城両県の東日本大震災による津波で大きな被害を受けた地域と、東京電力福島第一原発事故による避難区域が設定された地域を対象とする方針。
ただ、県は原発事故による産業への影響は県内全域に及んでいるとともに、避難者が各地にいることから、対象地域を「県内全域」とするよう求めている。
平野達男復興相は30日の佐藤雄平知事との会談後に記者会見し、政府が平成25年度に創設する方針の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」の補助対象地域について、県と事務レベルで早急に協議する意向を示した。
平野復興相は会談で、津波被災地と東京電力福島第一原発事故の避難区域が対象の補助制度とする考えを伝えた。
一方、佐藤知事は補助対象地域を県内全域とするよう求めたという。
これを受け、平野復興相は会見で「佐藤知事は県内全域との強い意向を持っている。
事務的な協議を進める」との考えを語った。

Jヴィレッジ“復活”へ 取締役会で計画案

201210311032分配信
Jヴィレッジ(楢葉町・広野町)を運営する日本フットボールヴィレッジは30日、福島市のコラッセふくしまで取締役会を開き、東京電 力福島第一原発事故の対応拠点になっている同施設について、本来の役割であるサッカーのトレーニングセンターとして復活させることを目標とした復興計画案 を承認した。
復興計画には(1)雇用を伴う地域再生への貢献をする(2)福島に対する風評被害払拭への大きな力になる(3)サッカーのさらなる振興と、地域住民の健康増進への貢献をするの3つの基本理念を掲げた。
風評被害対策では、宿泊滞在し、スポーツ活動に支障のないレベルまで除染が進めば、日本サッカー協会などの協力を得て日本代表やJリーグクラブの合宿誘致を目標に掲げた。
取締役会後、高田豊治副社長は記者会見で「Jヴィレッジが再開されれば、福島復興の一つのシンボルとして全国にメッセージを発信できる」と強調した。
再開時期の見通しについては「原発事故の収束作業の推移に大きく関わり、現時点でスケジュールを示すことはできない」と明言を避けた。
一方で、「機材や作業員の中継基地としての役割が移転すれば復興できる。
楢葉町は平成26年春に役場機能を戻すと聞いているので、そう遠くない時期に再開させたい」と述べた。

コンクリートボックス認める 汚染土壌

201210311032分配信
長浜博行環境相兼原発事故担当相は30日、除染で生じた汚染土壌の仮置き方法としてコンクリートボックスの使用を認めるとともに、設置の可否の判断を福島環境再生事務所に委ねると発表した。
除染加速に向けた対応策「除染推進パッケージ」に掲げた、同事務所への権限移譲の第一弾の措置となる。
除染ガイドラインでは、汚染土壌の保管方法として盛り土をしてシートをかぶせる方法などが示されている。
しかし、福島市は「台風などで吹き飛ぶ可能性もあり、安心できない」とボックスの使用を要望。
同省は「過剰な対策」として補助対象にしていなかった。
しかし、同市では住宅密集地に仮置き場を設けざるを得ない地区も多く、住民の安心確保が除染の進捗(しんちょく)を左右する。
従来、ガイドラインに含まれていない案件は本省が可否を判断しているが、地域の実情を把握している再生事務所に委ねることが適当と判断した。
同省は、設置基準として(1)住宅密集地であること(2)地域の空間線量率が一定程度高い、とし、今後、ガイドラインなどに盛り込む方針。
ただ、ボックスの大きさなど詳細な基準はあえて設けず、再生事務所が総合的に判断する。
長浜氏は同日、福島市で瀬戸孝則市長と会談した後、記者団に「権限移譲の第一弾の措置。
今後も実証的に採用可能な案件は追加していく」との考えを示した。
また、環境省は同日、ガイドラインと補助金支払いなどに関する「除染関係Q&A」(事例集)を改訂した。
ため池の放射線測定に対する財政措置の範囲、未舗装道路の除染方法など新たに約30項目を追加した。
同省は項目の中で、「必要かつ合理的な措置の範囲で財政措置の対象とする」などと記している部分についても、再生事務所の判断とする方針。

震災関連死 県内1121人 国県合同検証

201210311035分配信
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴い体調を崩して亡くなり、「震災関連死」と県内で認定された人は、9月末までに全国の約49%に当たる1121人に上る。
認定された人のうち震災から1年以上経過して死亡したのは全国で40人で、そのうち本県が35人を占めた。
平野達男復興相が30日、明らかにした。
復興庁は原発事故による避難の長期化が影響しているとみて、国、県合同の検証・対策チームを来月にも発足させ、本格的な対策に乗り出す。
9月30日時点で災害弔慰金の支給を受けた人を集計した。
全国の認定者は2303人で本県が全体の48・7%を占めている。
復興庁による集計は今年3月31日時点に次いで2回目で、県全体では前回より360人増えた。
原発事故の避難区域が自治体の全域、もしくは一部に設定された双葉郡8町村と南相馬市、飯舘村、田村市の11市町村の合計は985人で、県全体の87・9%に上った。
双葉郡8町村では609人に上り、全体の54・3%を占めた。
市町村別では、南相馬市が336人(前回比54人増)で県内最多。
浪江町が192人(101人増)、富岡町119人(44人増)だった。
県によると、震災後1年以降に亡くなった35人は、ほとんどが避難区域からの住民。
本県の震災関連死者数は岩手県の3・47倍、宮城県の1・38倍に上り、県内の直接死と関連死を合わせた死者数2972人(10月30日現在)の4割弱に当たる。

協力体制など議論/県原子力防災委が会合

20121031
 外部の有識者でつくる県原子力防災専門委員会が30日開かれ、原発に関する情報共有のための仕組みとして、嘉田由紀子知事が11月に政府に設立を働きかける予定の国と事業者、地方自治体、住民が参加した「連携協力体制」のあり方について意見交換をした。
 連携協力体制は、9月に発足した原子力規制委員会設置法の付則で整備が求められている。この日の専門委で県は、嘉田知事が8月に視察した フランスの「地域情報委員会」(CLI)を参考に、原発の立地自治体や周辺自治体で構成され、国や原発事業者から提供を受けた情報を住民に伝える組織のイ メージを示した。
 委員からは、情報を確実に自治体や住民に伝えるために提供する情報を法律で定めることや、住民との距離を縮めるために支部を設ける案が出 された。一方で、CLIの決定と自治体の決定の整合性を保つ方法や、原発への立ち入り調査と再稼働時の事前了解などの権限をどう盛り込むのか、などの課題 が示された。

北電赤字予想 断層再調査 延長追い打ち

20121031

中間決算を発表する久和社長(右)=富山市の北陸電力本店で

志賀の再稼働不透明感増す 業績低迷の可能性

北陸電力(富山市)の二〇一三年三月期の連結業績予想が二期連続の赤字見通しになったのは、節電や景気低迷による電気の需要減少に加え、断層再調 査の長期化で年度内の志賀原発(石川県志賀町)の再稼働が困難になったためだ。再調査は最長で来年六月末までずれこむ。北電の業績は下降線をたどる可能性 がある。(坂本正範)
 「あきらめていません」。北電の久和進社長は三十日、本店での記者会見で志賀原発の来年度中の再稼働について問われ、早期の運転再開への意欲をあらためて口にした。
 志賀原発1号機の原子炉建屋直下にある「S-1断層」が活断層かどうか確認する再調査について、北電は二十五日に計画を変更した。最終報告は早く て来年三月末、長引けば六月末になる。さらに、新設された原子力規制委員会が原発の安全基準をまとめるのは来年七月の予定で、S-1断層が活断層でないと 認められてもすぐに再稼働とはいかない。
 再稼働が見通せない影響は、配当にも表れている。北電は投資家には安定的に配当する方針。九月中間決算では前年同期と同額の二十五円の配当を決め た。しかし、十月以降の半年分は「未定」として見送った。昨年は安全性が確認できれば再稼働という見通しがあったが、今年は「規制委員会の安全基準がどう なるか見えない」(久和社長)ためだ。
 家庭や企業に節電意識が定着して販売電力量の大きな伸びが期待できない中、志賀原発の停止で火力発電のコストは増え続ける。北電は八月に緊急対策 本部を立ち上げ、さらなる効率化に取り組んでいるが、再稼働の行方に不透明感が一段と増し、北電の業績には逆風が強まっている。

日立がイギリスの原発会社を買収 海外展開に活路(10/31 10:41)

原発事業で海外進出を狙う日立製作所が、イギリスの原子力発電事業会社を買収し、現地で会見を行いました。
 日立・電力システム社、石塚達郎社長:「ホライズン社の発行済み全株式に対する、売買契約の締結をしました」
  日立が買収したのは「ホライズン・ニュークリア・パワー」で、買収額は約850億円です。これにより、日立は新たな原発をイギリスで2カ所建設する計画を 引き継ぐことになります。運転開始は、2020年代前半を目標にしているということです。日立は福島の原発事故以来、国内の新規原発の工事が中断したこと などから、昨年度は電力全体で約340億円の赤字を計上しています。こうした背景もあり、日立は海外展開に原発事業の活路を見いだそうとしています。

九電料金値上げ 利用者の理解を得るには

2012103110:36 カテゴリー:コラム > 社説
 九州電力が、電気料金値上げの方針を正式表明した。原発稼働停止に伴う財務状況の悪化は、経費の削減だけでは対応不可能、との判断だ。
 電力業界では既に東京電力が値上げに踏み切り、関西電力も検討を表明している。値上げの動きは電力各社に広がっており、利用者への影響が懸念される。
 私たちは現下の情勢に照らして一定程度の値上げはやむを得ないと考える。
 ただし前提がある。利用者の理解を得るためにも、電力会社は人件費削減を含む徹底した合理化策を打ち出すべきだ。中期的な経営を展望するためにも「2030年代の原発ゼロ」を目指す政府は、その間の原発再稼働の基準づくりなどの行程を、具体的に示す必要がある。
 九電の財務状況は確かに深刻だ。
 本年度4~9月期連結決算の赤字は1495億円と過去最悪になった。原発6基を抱える九電の場合、火力発電用の燃料費が年間約4千億円増える。このまま原発が再稼働しなければ、14年3月期には負債が資産を上回る債務超過に陥る恐れもあるという。
 九電に対する市場の信用力は急速に低下している。料金値上げで収支を改善しなければ銀行の融資が厳しくなり燃料費購入に支障が出かねない-とする会社側の懸念は、分からないではない。
 九電は関電と並んで原発比率が高い。その分、燃料費負担もかさむ。
 かつての「原発推進」という国策に積極的に協力したことが、国策変更の痛手をより深くするかたちだ。九電側には釈然としない思いがあるかもしれない。
 九電は経費削減にも努めている。本年度は設備投資の削減や資産売却などで約1300億円を目標にコスト削減中。13年3月期の期末配当も、創業以来61年ぶりに見送る公算が大きい。
 だが合理化努力が十分とはいえまい。
 電力会社は地域独占を認められた企業だ。競争のリスクがないため、経営体質は高コストに流れがちになる。
 最大のポイントは「人件費」だろう。
 電力業界の給与水準は総じて他産業より高い。その人件費は、総括原価方式で電気料金に事実上転嫁される。
 政府は先にまとめた電気料金制度見直し案の中で、従業員年収の「他の大企業並み」への削減を求めている。既に料金を値上げした東電の場合は、平均年収を590万円へと大幅に引き下げた。
 福島原発事故を起こし巨額公的資金の注入を受けた東電と、九電など他の電力を一様に取り扱うわけにはいくまい。
 ただ九電も、従業員の昨年度平均年収は833万円と地元で最高水準に近い。福利厚生も手厚い。電気料金を値上げするからには、九州の他の大企業や公益企業と比較して給与水準を見直すべきだ。
 値上げの申請から認可までには、公聴会や政府の厳しい審査が控える。給与を含む合理化にどこまで踏み込めるか。九電が求められるハードルは高い。
2012/10/31付 西日本新聞朝刊=

津波対策の進展調査

公明新聞:20121031日付
高さ10メートルの堤防設置工事を視察する党新潟県本部の議員ら=29日 柏崎刈羽原子力発電所高さ10メートルの堤防設置工事を視察する党新潟県本部の議員ら=29日 柏崎刈羽原子力発電所
党新潟県本部 東電柏崎刈羽原発を視察
国内の原子力発電所が東京電力福島第1原発と同等の事故で放射性物質を放出した場合の避難範囲の試算 が公表され、原発事故対策への関心が高まっていることから公明党新潟県本部(志田邦男代表=県議)は29日、同県柏崎市・刈羽村の東電柏崎刈羽原子力発電 所を訪れ、津波対策の進捗状況などを視察した。県内各地の議員が参加し、同発電所の長野信哉、嶋田昌義両副所長らと質疑応答も行った。
同 発電所では安全対策について説明を受けた。それによると、従来、津波の想定を3.3メートルとしてきたが、福島第1原発事故を受けて、高さ15メートルの 津波を前提に、津波の侵入・衝撃を防ぐ堤防、原子炉建屋への浸水を防ぐ防潮壁などを設置中。このほか電源や注水・冷却機能の確保など安全対策を進めてい る。
一行は、堤防設置現場などを視察。さらに、原発事故発生時に敷地外で応急対策を行うオフサイトセンター(柏崎市内)なども訪問した。視察を終えた志田代表は「各自治体でも今後、避難対策が議論される。各議会で実りある議論を進めたい」と話した。

県境越え避難計画を 原発災害で県に要望へ
 唐津市の坂井俊之市長は30日の定例会見で、県内避難を前提とした原子力災害時の暫定行動計画について「人間の本能として、近い福岡側に逃げるのではな いか。もっとリアリティーのある実践的な計画がいる」と述べ、福岡県や長崎県を交えた広域連携を進めるように、佐賀県に要望する考えを強調した。
 28日に行われた県原子力防災訓練では、福岡県糸島市と隣接しながらも、佐賀市経由で鳥栖市や基山町に避難する計画になっている唐津市浜玉町の住民や、漁船での移動が可能な離島関係者などから「福岡に逃げる方が早い」などの声が出ていた。
ただ、県境を越えた避難の場合、受け入れ側の準備の問題もあり、坂井市長は「県を通じ、福岡県側に働きかけることになる。県レベルで広域連携を協議するように、近く知事に要望したい」と語った。
20121031日更新

東日本大震災:福島第1原発事故 除染方法、現場で判断 迅速化へ権限移譲 長浜環境相、川内村長に説明 /福島

毎日新聞 20121031日 地方版
 長浜博行環境相は30日、川内村の遠藤雄幸村長と会談し、除染を迅速に進める対策「除染推進パッケージ」について、福島再生事務所(福島市)に権限を委譲し、国の除染ガイドラインに無くても現場で判断できるようになることを説明した。
 これまでは、ガイドラインにない除染方法を採用するには、本省との調整で時間がかかり、対応が遅れがちだった。このため、除染の判断基準を明確にするパッケージを公表し、現場の実情にあった除染を進める。
 同省は除染で出た廃棄物を現場保管する際、コンクリートボックスを使用しても良い基準を「高線量で仮置き場が無く、住宅密集地などで保管が困難な場合」などと公表した。
 さらに、除染ガイドラインや補助金支給の運用に関するQ&Aによる事例集も公表。「年1ミリシーベルト以下に下がるまで財政措置があるか」「こどもの生活環境の芝生の張り替えは可能か」「測定器購入の費用は対象か」などの質問に回答している。
 遠藤村長は、森林や湖沼の除染方針を示すよう要望書を提出。これに対し長浜氏は「知見を積み上げ早期に 判断する」と応じた。再生事務所への権限委譲については「今まで(環境省が)タイムリーではないという声があったので、現場への裁量権を望んでいたので、 評価したい」と話した。【深津誠】

東日本大震災:福島第1原発事故 子や孫を守りたい 湯川村民一丸で除染完了 仮置き場受け入れ英断 /福島

毎日新聞 20121031日 地方版
 県内で最も面積が小さい湯川村が30日、県内トップを切って生活圏の除染作業を終えた。「子どもたちを 守りたい」。この一点で住民の思いがまとまり、他の自治体が頭を痛める仮置き場確保の突破口となった。さらに、住民が自主的に民家や通学路などの除染に参 加したことで一挙に進んだ。【乾達】
 湯川村は南北を会津若松、喜多方両市に挟まれた会津盆地の穀倉地帯。16平方キロに約3400人が暮ら す。福島第1原発から100キロ以上離れているが、放射線量は昨年末時点で除染の目安となる年間追加被ばく量1ミリシーベルト(毎時0・23マイクロシー ベルト)をわずかに超えていた。周辺では、除染が必要な地域と見られれば、観光などへの風評被害を招くとして除染自体を見送った自治体も多い。それでも大 塚節雄村長は「子どもを持つ家庭が安心できるようにしたい。風評被害も減るはずだ」と実施に踏み切った。
 仮置き場の確保は容易ではなかった。昨年11月、学校の除染に着手したのに、村が示す候補地はことごとく近隣住民から拒否された。その結果、今年3月に除染を終えた中学校は、除去した土を校庭の端に埋めて保管せざるを得なくなった。
 そんな中、小学校近くの農家から「子どもたちが遊ぶ校庭に放射能を残してはならない。うちの土地を使っ てほしい」と申し出があった。住宅地から離れてはいたが、近隣からは不安の声も上がった。「子や孫のために」。最後の決め手はこの一言だった。住民の男性 (60)は「集落の真ん中に学校があり、みんな毎日響いてくる子どもの声を聞いたり、スポーツする姿を見ている。誰でも放射能が近くにあるのは嫌だ。子ど もの姿が目の前になければまとまらなかっただろう」と、決断が正しかったと振り返る。
 4月から仮置き場3100平方メートルに土砂の搬入が始まり、小学校は5月の連休明けまでに除染を完了した。
 民家については、ホットスポットになりやすい雨どいの下に絞り、希望する住民が自ら土を除去した。袋に 入れ集落の集積所に運べば、村が仮置き場に持っていく仕組み。業者に任せれば同意書作りや順番待ちで時間がかかるが、全900戸のうち450戸が一斉に進 め約1カ月で終えた。各地区の住民が通学路のどぶさらいや草刈りも行った。農家の男性(68)は「夏休みに小学生の孫を心配なく迎えられた」と話す。

東日本大震災:福島第1原発事故 コープ、川内村へ配達開始 食品、日用品を事前予約で /福島

毎日新聞 20121031日 地方版
 コープふくしま(福島市)は30日、川内村への食品や日用品の配達を始めた。せっかく帰村しても店が閉まったままでは、不便なため。戸別配達が始まり、住民の帰村促進への期待も広がっている。
 村は昨年の福島第1原発事故で一時全村避難した。今年4月に役場や小学校が再開したものの、再開した店 はほとんどない。震災前は隣の富岡町に買い出しに行っていたが、原発事故で富岡町が警戒区域になり、今は小野町、田村市などまで1時間以上かけて買い物に 行く住民が多い。
 コープは震災前、川内村へ配達をしていなかったが、隣接する田村市都路地区への配達と合わせて、範囲を拡大。村の会員33世帯で週1回、仮設住宅など12カ所で事前予約を受けた食品や日用品を配達する。食品や衣料品など約5000点から選べるという。
 遠藤雄幸村長は「村内でいろいろな商品を買えるようになれば、選択肢も広がり帰村にも良い影響がある」と話した。【深津誠】

東日本大震災:福島第1原発事故 南相馬、ジャンボタクシー運行 旧警戒区域へ一時帰宅 /福島

毎日新聞 20121031日 地方版

 ◇高齢者ら「助かる」

福島第1原発事故の被害が続く南相馬市は30日、市内の仮設住宅に避難している一部住民の一時帰宅送迎 用に、ジャンボタクシー(乗客9人乗り)の無料運行を始めた。対象は今年4月まで警戒区域だった同市小高区と原町区の一部。警戒区域解除で立ち入りは自由 になったが、居住は禁止されており、車を運転しない高齢者などの要望が強かった。
 タクシーは事前予約制で週3日運行し、定員は1日27人。午前8時過ぎから仮設住宅を巡回し、同10時までに自宅へ。4時間の滞在を想定して迎えに行き、午後3時をめどに仮設住宅に戻る。バスに比べて車体が小さいため、自宅前まで送迎できる利点があるという。
 この日朝、2台が出発、30キロ圏外の同市鹿島区の仮設住宅を起点に巡り、13人を乗せた。住民は飲料 水などを持参。さっそく利用した吉田仁さん(81)、タカ子さん(81)夫妻は「(解除後)戻れたのは3、4回。車がないので助かります。自宅の窓を開け て空気を入れ替えたい。1週間に1回は帰りたいね」と話した。【高橋秀郎】

海外に“活路” 日立が英で原発建設へ

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 日立製作所は、イギリスで原発建設を受注する見通しを発表しました。日本での需要が落ち込むなか、海外に活路を見いだす戦略です。
 日立製作所は30日、イギリスの2か所で原発の建設を目指すと発表しました。ドイツの企業が進めてきた事業をおよそ850億円で買収し、大型の原子炉を最大で6基建設するという大プロジェクトです。
 「海外で我々の培った技術を発展させて、最終的には日本の原子力事業は、また昔のように伸びていく。それまでは海外で頑張ると」(日立GEニュークリア・エナジー 海外事業戦略担当 中根雅彦 部長)
 経済効果を期待するイギリス政府は記者会見に閣僚を派遣する歓迎ぶりでしたが、周辺住民からは反発の声が上がっています。
 「フクシマを設計した日本の人たちが、この場所で原発の新規建設を許されることになると聞き、ぞっとしました」(原発計画地の周辺住民)
 こうした声を受け、日立側は・・・
 「福島での経験を反映した形の原子炉を持ってくる予定です。電源の強化、あるいは冷却水の確保といったことを適用する」(日立製作所 石塚達郎 執行役常務)
 海外に活路を見いだそうとする日本産の原発ですが、安全性については、やはり、厳しい視線にもさらされています。(3108:15

米3原発が停止

ハリケーンで

【ワシントン共同】米原子力規制委員会(NRC)は30日、ハリケーン「サンディ」の影響により東部ニューヨーク、ニュージャージー両州で原発3基が停止し、別の1基でも異常な水位上昇による警戒宣言が出されたと発表した。非常用電源が作動するトラブルもあった。
 ニュージャージー州のセーラム原発1号機は、川の水位上昇によって冷却用ポンプに異常が起き手動停止。ニューヨーク州のナインマイルポイント原発1号機とインディアンポイント原発3号機は、送電網側のトラブルにより自動停止した。
(
20121031()

原発ゼロこそ明日への責任

経団連前抗議行動

財界に声ぶつけたい




 首都圏反原発連合は30日、東京都千代田区の経団連会館前で3回目の抗議行動をおこないました。前日の所信表明で野田佳彦首相は「原発即時ゼロ」 を無責任だと攻撃し、日本経団連の米倉弘昌会長は浜岡原発(静岡県)や泊原発(北海道)の再稼働を押し付けようとしています。1100人(主催者発表)の 参加者は、激しい怒りの声をあげ、「原発の即時廃止を」と訴えました。

(写真)経団連会館前で「原発やめろ」と訴える人たち=30日、東京都千代田区
行動開始から抗議行動の列はのび続け、「原発いらない」「新設・増設ふざけるな」などと書かれた手製のアピールグッズをかかげた参加者が次々と やってきました。ドラム隊の演奏にあわせて「原発やめろ」「大飯をとめろ」「大間はやめろ」「経団連だまれ」「電気は足りてた ウソつくな」と唱和しまし た。スピーチでは「(経団連は)経済団体ではなくて利権団体だ」「経団連こそ企業倫理に反している」などの声があがりました。  「原発即時0」とプリントしたプラカードをかかげた東京都江東区の男性(37)は「即時原発ゼロでは明日への責任は果たせないなんて話すような首 相にはいくら怒っても怒り足りない。原発ゼロ以上の明日への責任の果たし方なんてありません。それを首相だけでなく、後ろで糸をひいている経団連にも直接 ぶつけたくてきました」と話しました。
 「原発を一刻もはやくなくしたい」と横浜から友人と一緒に参加した女性(32)は「官邸前行動には何度か参加しましたが、経団連前でも行動すると ツイッターで知って来ました。事故を起こした福島第1原発では、今も作業員が日々被ばくし続けています。原発は、あってはいけない」と話しました。
20121031()

石原新党との連携めぐり変転

消費税・原発“小異でない” みんなの党江田幹事長




 石原新党との連携をめぐり、みんなの党の対応が二転三転しています。
 みんなの党の江田憲司幹事長は30日の記者会見で、石原慎太郎東京都知事が結成する新党との連携について「(政策の)小異を捨てることはやぶさか ではないが、消費税や原発の問題は決して小異ではない。こうした問題をゆるがせにして連携することはない」と述べ、少なくとも消費税と原発政策の一致が必 要との考えを示しました。
 みんなの党が「脱原発」「消費増税反対」を掲げているのに対し、石原新党の母体となる、たちあがれ日本は2012年版政策宣言で「原発容認」「経済政策と消費増税の一体的推進」をうたっています。
 同党の渡辺喜美代表は、28日のテレビ番組で石原新党との連携について「基本政策、政治理念が一致していればいい」などとし、「(石原氏は)中央 集権体制打破と言っている。私が言ってきたことと全く同じだ」「(小異を)捨てるのは当然だ」と語って連携に前向き姿勢を示していました。江田幹事長の会 見発言は、これを否定するものです。
 もともと渡辺氏は、石原氏の都知事辞職・新党結成宣言を表明した会見翌日の26日には、消費税をめぐる考え方の隔たりを例に、石原氏との連携に慎重な考えを示していたのです。
 石原氏は同じ26日の会見で、たちあがれ日本と、維新の会、みんなの党の「大連合」を呼びかけ、「原発や消費税は大事だが、ささいな問題だ」と言 い放ちました。しかし原発推進、消費税増税を公言する石原氏とたちあがれ日本との「大連合」が可能なら、民主・自民との「大連合」と大差ありません。石原 発言に対し「原発と消費税が“ささいなもの”とは、どういう感覚なのか」という批判が広がっています。
 「ささいなもの」という石原氏の認識を「小異」としてみんなの党が共有すれば、世論の批判を浴びるのはまぬがれません。これを意識してか30日の 会見で江田幹事長は、「たちあがれ日本の政策そのままであれば、わが党とは相いれない部分が多い」と指摘。連携の可否は「新党がどういう基本政策を打ち出 すかにかかっている」と語りました。
 「維新」が選挙互助会化して失速、石原新党が浮上、「第三極」大連合構想の打ち上げ―。次々と目新しい動きが出ては、たちまち混迷に落ち込むの は、浮き草政治に対する強い国民の不信があるからです。もともとみんなの党は、極端な新自由主義の推進を掲げ、環太平洋連携協定(TPP)参加促進、労働 者派遣法改正反対など、大企業本位の政策という点でもっとも徹底した立場です。 (中祖寅一)
20121031()

流用、原発輸出調査にまで

復興予算から5億円




 東日本大震災からの復興のために編成された2011年度3次補正予算に、経済産業省が、ベトナムへの原発輸出に向けた「調査等委託費」を5億円計 上していたことが30日までに明らかになりました。復興とは無縁な経費です。過酷事故の危険がある原発を輸出するために税金をつぎ込むやり方は、被災者を はじめ国民から怒りを呼ぶことは必至です。

「実施中」と経産省

調査等委託費5億円は「インフラ・システム輸出促進調査等委託費」約85億円の中に計上されています。原発、鉄道などのインフラや技術の輸出を促すとして3次補正予算に盛り込まれた項目です。
 「調査」は、すでに日本が受注することが決まっているベトナムのニントゥアン第2原発の建設を進めるためのものです。委託先は、敦賀原発(福井県 敦賀市)などを運営する日本原子力発電です。掘削や航空写真を用いて行われ、活断層の有無や地質を調べます。経産省によると、現在「実施中」です。
 復興予算に原発輸出関連費が盛り込まれたことについて、経産省資源エネルギー庁原子力政策課の担当者は「被災地域での企業に幅広い経済効果があ る」と話しています。「(原発輸出に)関係するプラントメーカーや協力企業などに経済効果が及ぶ。電力会社も関わってくれば、その協力企業にも効果が及ぶ ことになる」としています。

原発海外輸出 政府財界が計画推進

財界・電力業界など原発利益共同体は、世界各国への原発輸出を計画しています。原発を含む「インフラ海外展開」は、野田政権が7月31日に閣議決定した「日本再生戦略」の柱の一つです。
 ヨルダンやフィンランドなどへの原発輸出を狙う三菱重工は「(原発は)世界的には重要な電力源として存続する。需要に応えて原子炉を供給していく 責務がある」と積極的な姿勢を示しています。開発した原子炉が、ヨルダンの原子力委員会から「要求に適合していると評価された」と強調しています。
 三菱重工は2007年、同社の原子力事業本部に「原子力輸出部」を創設しました。「世界的な原子力発電プラント市場の興隆にスピーディーに対応していく」ことが目的です。
 東芝も、米国で34年ぶりに新規建設に着手。中国でも建設を進め、来年、運転を開始する予定です。原発事業の17年度売上目標を1兆円としています。
 日立製作所は、ポーランドなどへの輸出を視野に入れています。一方、リトアニアで計画している原発建設については、同国の国民投票で6割超が反対という結果でした。
 日本共産党は「『即時原発ゼロ』の実現を」の提言(9月25日発表)のなかで、「原発の輸出政策を中止し、輸出を禁止すること」を求めています。

日立、英ホライズン買収で原発事業に一段と注力へ

  • 20121031日  10:08 JST
 【東京】日立製作所は30日、英国の原子力発電事業会社ホライズンを112000万ドル(約892億円)で独電力大手RWEとイーオンから買収すると 発表した。日立は利益率の低い家電事業への依存を減らし、潜在的な収益力があるインフラ事業に注力する取り組みを続けており、今回の買収もその一環だ。 
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英国ウェールズ・ワイルファの原発(30日)
 買収総額は69600万ポンド(約890億円)で、背景には、原発事業からの売上高を10年間で2倍以上に増やしたいという日立の狙いがある。ホライズンは、英国の2カ所で46基の原子炉建設を計画している。 
 日立の原発事業が全社売上高に占める比率は今のところわずかで、2%にも満たない。しかし、同社は多大なリストラコストを払って改革を続けており、主軸 を家電事業から発電所建設や鉄道車両製造といった世界のインフラ事業に移すことを目指している。家電では日本の同業他社の多くが苦戦している。 
 アナリストは、日本での原子力事業は20113月の福島第1原発事故以降失速しており、今回のホライズン買収が日立の原子力事業の活性化につながると みている。このほか、英国など海外市場で新たな成長機会を探ることにより、同社のグローバル化推進にも役立つだろうという。 
 日立の石塚達郎執行役常務は、ホライズン計画の一環で予定されている原発の建設費用の詳細を明らかにしなかった。 
 石塚氏はロンドンで開かれた記者会見で、原発で発電した電力の保証価格を英政府はまだ設定していないと指摘し、同社として「価格が公正な水準に決まる」よう望んでいると述べた。 
 この案件は英政府にとって非常に重要だ。英政府は、原子力をエネルギー政策の中核に据え、古い石炭火力発電所や原発を入れ替える計画を打ち出しているからだ。 
 日本の原発事故を受け、果たして日本の企業が原発事業会社の適切な買い手なのかという質問に対し、エドワード・デイビー英エネルギー気候変動相は、日本企業によるホライズン買収に「非常に満足している」と述べた。 
 同相は、新設される予定の原子炉の設計が、福島の原子炉よりずっと先進的だと付け加えた。 
 日立はカナダのエンジニアリング・建設大手SNCラバリンと企業連合を組み、東芝の子会社の米ウェスティングハウスとの受注競争で勝った。
 同社によると沸騰水型軽水炉の先進技術を使い1300万キロワットの原子炉を23基建設する計画だ。 2020年代の前半に最初の原子炉が稼働を開始する予定。英国内での部品の組み立ても検討している。
 同社の羽生正治執行役常務は、同社は電力会社ではないため原発を建設する場所が欲しかったと、ホライズンを買収した理由を語った。英国政府が原発の技術を承認するまでに約5年かかるという。
 法律事務所ピルズベリーの原子力プロジェクト担当責任者ジョージ・ボロバス氏は、「今回の買収合意は、新しいが既に確立された重要な原子力市場(つまり英国)に参入できるという意味で、日本の原子炉メーカーにとって大きな前進だ」と述べた。
 しかし、同氏は日本で原子力依存からの脱却が進むと、日本の原子炉メーカーの長期的な競争力に問題が生じる恐れがあると指摘。それは、潜在的な顧客が長期的コミットメント(関与)や協力関係を持続する能力を疑問視しかねなくなるからだと述べた。
 同氏は「原子力は非常に長期にわたるコミットメントを必要とする。これは日本の原子炉メーカーと日本政府が考慮しなければならない点だ」と述べた。 
 英政府は原子力推進を促しているものの、欧州の景気後退を受け、こういった高額なプロジェクトへの資本の投入がより困難になっていた。 
 RWEとイーオンは今年3月、英国での原発新設計画を撤回し、ホライズンを売却する意向を明らかにした。RWEはその際、世界的な経済危機によってこの ような大規模で高額なプロジェクトに対する資金が集まらなくなったことと、ドイツが原発依存からの脱却を加速したために同社の収益が打撃を受けたことを理 由に挙げた。
記者: Kana InagakiKonstantin Rozhnov  

北電 赤字70億円予想 志賀停止長期化響く

20121031

2013年3月期連結業績予想で純損益が70億円の赤字になると述べる久和社長=30日午後、富山市の北陸電力本店で

3月期過去最大

北陸電力(富山市)は三十日、二〇一三年三月期の通期(一二年度)の連結業績予想が、最終的に七十億円の赤字になる見通しだと発表した。断層の再 調査が長引いて志賀原発(石川県志賀町)を年度内に再稼働できないことや、冬の渇水で水力の発電量が減ることなどで代替の火力発電の燃料費が増えるため。 赤字は二期連続。赤字額は過去最大だった一二年三月期の五十二億八千八百万円を上回る。(坂本正範)
 家庭や企業の節電が続き、景気低迷で工場などで使う電気が減ると見込み、販売電力量は前期より約九億キロワット時少ない二百八十億キロワット時程 度と想定。これにより、売上高に相当する営業収益は前期比2・0%減の四千八百五十億円、営業利益はゼロと予想した。志賀原発の再稼働が見通せないとし て、年間の配当予想は出さなかった。
 同時に発表した一二年四~九月の中間連結決算は、営業収益が3・3%増の二千四百九十五億六千四百万円。営業利益が54・8%増の二百三十六億五千百万円、純利益は三・二倍の百二十一億四千七百万円。中間配当は二十五円とした。
 節電などで販売電力量が減ったが、全国的な電力需給逼迫(ひっぱく)に対応するため卸電力取引所を通じて他の電力会社へ売った収入があった。人件費など経費削減も反映された。
 久和進社長は富山市の本店で記者会見し「大変厳しい。赤字の縮小に最大限努力する」と述べた。

料金「当面は維持」

電気料金について久和社長は「できるだけ現行料金を維持したい」と述べ、当面は値上げする考えがないことを明らかにした。理由として「社会全般の経済活動に大きな影響がある。円高、デフレが続く中、産業界に迷惑をかけないよう最大限努力しなければならない」と述べた。
 志賀原発1号機直下の「S-1断層」については「廃炉に結び付く活断層でない」と強調、「志賀原発を再稼働すれば料金値上げのお願いをしないでいい。安全基準に適合するよう取り組み、早く再稼働したい」と述べた。

九電、料金値上げ表明 火力燃料費かさむ
 九州電力の瓜生道明社長は30日、電気料金の値上げについて「実施時期、幅などの具体的な検討を開始した」と表明した。東日本大震災後、原発停止に伴う 火力発電の燃料費の増加で収益が落ち込み、業績が悪化しているためとしている。実施すれば、本格的な値上げは第2次石油危機後の1980年以来となる。
 福岡市内で開いた中間決算発表の記者会見で明らかにした。値上げ幅などは明言しなかったが、家庭向けは10%程度で調整、早ければ11月にも政府に申請 し、来年4月からの実施を目指す見通し。値上げ幅は政府の許可がいらない企業向けが「家庭よりも大きくなる可能性が大」(瓜生社長)とした。
 瓜生社長は「原発が再稼働しなければ、年度を通して大幅な赤字が避けられず、財務状況も極めて厳しくなる。当社の使命である電力の安定供給に大いに支障を来す」と検討開始の理由を説明した。
 2012年9月中間連結決算は、純損失が1495億円(前年同期133億円)と過去最悪を記録。原発停止の影響で、燃料費と購入電力料が計2530億円 (前年同期840億円)増加した。13年3月期通期の業績見通しは「未定」としているが、現在のペースでは14年度にも債務超過に陥る可能性があるとい う。
値上げについて、瓜生社長はこれまで「最後の最後の手段」と述べてきた。既に1200億円の経費節減策を発表しているが、値上げへの理解を得るため、さ らに検討する方針。瓜生社長は「お客さまに負担を強いる以上は、人件費にもしっかりとした切り込みをやっていかざるを得ない」と述べた。
20121031日更新

原発事故での拡散予測ミスで陳謝 原子力規制委員長

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は31日の定例会合で、各原発が過酷事故を起こした場合の放射性物質の拡散予測のうち、6原発で誤りがあった問題について「(規制委発足後)しょっぱなから誤りがあり、大変申し訳ないと国民の皆さんに陳謝したい」と述べた。
 田中委員長は「こうしたことが続くと、ますます国民の信頼をなくす。根本的な原因を含めて検討してほしい」と、規制委の事務局である原子力規制庁に指示した。
 また、今回使った予測プログラムは地形の影響などを反映できないため「今後は、より精緻なプログラムの開発も必要だ」と付け加えた。
2012/10/31 11:51   【共同通信

東通原発想定津波 見直す可能性

20121031
 東北電力は30日、10月中に予定していた東通原発の津波評価の国への報告を延期する、と発表した。東通原発を襲う可能性のある津波について、同 社は「最大10・1メートル」としていたが、県の検討会が10月に「最大11・6メートル」との計算を出しており、県の検討などを参考に津波の高さを見直 す可能性もあるという。
 東北電力は4月、独自の津波予測モデルを使い、津波の最大の高さを従来の8・8メートルから10・1メートルに上げた。だが、県の津波予測モデルではさらに1・5メートル上回っており、県からデータ提供をうけ、計算手法の違いを分析中という。
 同社の津波予測モデルと、国が南海トラフ巨大地震対策で使った津波予測モデルも計算方法が違うといい、対応を検討している。
 同社は、津波の最大の高さを見直す可能性を示唆する一方、東通原発は標高13メートルの敷地にあり、さらに3メートルの防潮堤も設置予定なので、「津波の高さが大幅に上がらない限りは、原発の安全性に問題はない」としている。

純損失70億円見通し

20121031
会見する久和進社長=北陸電力本店
北電今年度決算
原発再稼働なし前提
 北陸電力は30日、2012年度上半期(4~9月)の連結決算を発表した。志賀原発(石川県志賀町)の運転停止が続いて火力発電の燃料費 がかさんだものの、販売電力収入の増加や人件費削減により10年度以来2年ぶりの増収増益となった。一方、12年度通期では、志賀原発が再稼働しない前提 で、純損失は過去最大の70億円になる見通しを明らかにした。
 通期での純損失は、連結で初めて純損失となった11年度(52億円)に続き2年連続になる。久和進社長は会見で「大変厳しい収支状況。赤字幅削減のため最大限努力したい」と述べた。
 上半期では、売上高は2495億円(前年同期比80億円増)、経常利益は187億円(同92億円増)、純利益は121億円(同82億円 増)と好調な業績だった。それでも、下半期は積雪の影響で水力発電量が減少し、燃料費が増加することなどから、12年度通期では純損失に転じる見通しだと いう。
 また、志賀原発の再稼働時期について久和社長は「年度内の再稼働は難しい」と述べ、少なくとも13年3月末までの再稼働は断念する考えを示した。
 志賀1号機の原子炉建屋直下を通る「S―1断層」の調査が遅れていることなどが理由。ただ、来年度中の再稼働については「諦めていない」と明言した。
 一方、志賀原発から「30キロ圏内」の富山県や石川県七尾市など、周辺自治体との安全協定締結に向けた協議は数カ月間開かれていない。こ の点に関しては「富山県知事選や七尾市長選があって中断しているところがあるが、今後も継続してお話しさせていただきたいと思っている」と話した。
 収支が悪化する見通しの中、電気料金値上げの可能性については「経済活動に大きな影響がある。現行料金をできるだけ維持するように努力したい」とした。(下山祐治)
記事入力 : 2012/10/31 09:44

月城原発の稼働停止、原因は操作ミス

8年目の職員が2年目の職員に作業を任せ

今月29日、月城原子力発電所1号機で稼働が停止した原因は、作業員の操作ミスだったことが分かった。
  韓国水力原子力(以下、韓水原)=韓国電力公社の子会社=は30日「運転担当者が遮断装置を誤って操作したため、一部の機器の電源が入らず、冷却水系統に 異常が発生し、発電機が止まった」と発表した。韓水原の関係者は「自主的な調査の結果、本来作業を行わなければならない配属8年目の職員が、2年目の部下 に作業を任せ、指示を誤って理解した部下が違うスイッチを作動させたことが分かった」と説明した。
 今年2月、古里原発1号 機で発生した大規模な停電事故と同じような事態が再び起こったことになる。古里原発の事故当時も、不慣れな協力会社の社員が作業の手順を無視し、遮断装置 を作動させたため、12分にわたって停電した。10年以上の経験がある技術者2人が行う作業を、テストとして6年目の技術者に行わせたため、問題が発生し たのだ。
チョ・ジェヒ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

米ハリケーン「サンディ」が原発にも影響、運転停止や出力低下相次ぐ

2012103100:53 JST






 [ニューヨーク 30日 ロイター] 米ハリケーン「サンディ」の影響は原発にも及び、これまでに複数の施設で運転停止や出力低下を余儀なくされている。
 
 このうち、ニュージャージー州オイスタークリーク原発(エクセロン(EXC.N: 株価, 企業情報, レポート))は、サンディの接近で付近の水位が上昇したことから、警報が発令された。原子力規制委員会(NRC)が定める4段階の緊急事態の中で下から2番目の深刻なレベルで、警報は米東部時間30日午前の時点で解除されていない。
 エクセロンは声明で、原発施設への危険性はなく、一般市民の健康、安全に対する危険もないと表明。連邦緊急事態管理局(FEMA)のフューゲート長官は30日朝のテレビ番組で「現時点で差し迫った危険はなく、施設周辺での防護措置は講じていない」と語った。
 
 ニューヨーク州インディアンポイント原発3号機(エンタジー(ETR.N: 株価, 企業情報, レポート))が送電網の変動に伴い29日午後10時41分頃、自動停止したほか、ニュージャージー州セーレム原発1号機(パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ(PEG.N: 株価, 企業情報, レポート))も30日午前1時10分に手動停止した。ニューヨーク州ナインマイルポイント原発1号機(コンステレーション・エナジー・ニュークリア・グループ)も停止し、ペンシルベニア州リメリック原発(エクセロン)などが出力を低下させた。

放射能予測訂正】規制委よ しっかりせよ
201210310829
 こんなことでは、原子力規制行政の信頼回復などとても望めない。
 原子力規制委員会が、全国16原発で過酷事故が起きた場合の放射性物質拡散予測を公表したのは今月24日だ。
 それから1週間足らずで、東京電力柏崎刈羽(新潟県)など6原発の予測に誤りがあったことが分かった。いずれも拡散方角にずれがあった。
 規制委から試算を指示された独立行政法人・原子力安全基盤機構が、電力会社から提供されたデータを入力ミスしていたのが原因だという。
 早々に予測が異なるという間違いは重大だ。自治体からはデータ全体の信頼性を疑問視する声が出ている。規制委は早急に、関係自治体に経緯を含めて詳しい説明をする必要がある。
 ただ、信頼性の問題に加えて心配なのは、間違いを最初に指摘したのが規制される側の電力会社だった点だ。
 規制委と、その事務局の原子力規制庁は、指摘されるまでミスに気付かなかったことになる。
 規制庁幹部は「緊張感を持った仕事の仕方がまだまだ足りない」と謝罪したが、「緊張感不足」などという言葉では簡単に片付けられない。
 規制委発足から約1カ月半。なぜ原発の規制機関を省庁から独立させて一元化し、強い権限を持たせたのか。福島第1原発事故を防げなかった反省があったはずだ。
 旧規制組織の経済産業省原子力安全・保安院は電力会社との「なれ合い」が問題になった。国会事故調は、保安院が東電の「虜(とりこ)」となり、福島事故前から監視や監督機能が崩壊していたと断定した。
 その反省に立つのなら、今回の拡散予測では電力会社のデータを慎重に検証し、間違いなく活用すべきだった。保安院当時と変わらない仕事ぶりだとすれば、規制委を設けた意味はない。
 原発の新安全基準を議論する規制委の外部専門家でも問題が出ている。外部専門家が、電力会社から受け取った報酬などの有無を公開する内規が守られていないという。透明性確保からも情報公開は当然で、なぜ決まりが守られないのか、規制委の姿勢を疑う。
 規制委の発足後、田中俊一委員長は「地に落ちた(規制行政の)信頼の回復」を最優先課題とした。そうであるならば、もっとしっかりしてもらいたい。多くの職員を抱える規制庁を含めて、役割の重要さを再認識すべきだ。

予防点検も短縮、大停電を防ごうとフル稼働…韓国原発のジレンマ(2)

201210310909
[ⓒ
中央日報/中央日報日本語版]
  韓国大統領選挙を控えて原発を眺める視線は以前より冷たくなった。大統領候補の視線も友好的でない。朴槿恵(パク・クネ)セヌリ党候補は原発の追加建 設に“条件付き反対”だ。朴槿恵候補は24日、中央選管委に提出した政策公約で、「従来の原発は国民の安全と環境を最優先に考慮し、徹底して管理するもの の、新たな原発を追加で建設することには慎重でなければならない」と指摘した。

  
文在寅(ムン・ジェイン)候補、安哲秀(アン・チョルス)候補は「脱原発」の方向だ。原発の追加建設はもちろん、老朽原発の寿命延長 にも反対している。文在寅候補は27日、中央日報のインタビュー書面答弁で、「新規原発を建設せず、寿命が終わった老朽原発も、安全な廃炉手続きを踏むよ うにする」と明らかにした。安哲秀候補も選管委政策資料で「原発は廃棄費用などを考慮すれば決して安くない」と述べた。両候補は原発の空席を再生可能エネ ルギーと需要管理で埋めると述べた。

  
それで足りない電気を十分に供給できるだろうか。明知大のチョ・ソンギョン教授(エネルギー工学)は「今年の冬は停電を覚悟しなけれ ばならないほど電力状況がよくない」とし「こうした状況を国民に説明し、原発再整備・廃炉などに関する社会的な合意を引き出す必要がある」と述べた。

予防点検も短縮、大停電を防ごうとフル稼働…韓国原発のジレンマ(1)

201210310909
[ⓒ
中央日報/中央日報日本語版]
  原発の拡大か縮小か。韓国が「原発ジレンマ」に陥った。慶尚北道慶州の月城1号機が29日夜に故障で停止したからだ。1月と9月に続いて今年に入って 3回目だ。今年の原発の故障は計9件。3件に1件が月城1号機で起きている。月城1号機は来月、設計寿命(30年)を迎えるが、延長を推進している。「老 朽原発」の象徴的存在でもある。前日の28日には慶尚北道の蔚珍1号機が止まった。連日、事故が発生し、不安感も強まっている。

  
原発の故障は主に変圧器・電力制御素子などの異常のためだ。韓国水力原子力(韓水原)の処方は「部品交換」だった。韓水原は30日、 「国内原発1基当たりの故障件数は2006-2010年、年平均0.39件にすぎない」と安全性を強調した。フランス(3.3件)、米国(0.9件)より 少ないということだ。

  
問題は電力が必要な時に集中的に事故が発生している点だ。今年9件の故障のうち、夏季の電力消費が急増した7月以降が8件にのぼる。 整備期間は短くなったが、停電を避けようと原発をフル稼働し、無理が生じたという分析が出ている。権恩嬉(クォン・ウンヒ)議員(セヌリ党)は「各原発に 計画された“予防整備”期間が大幅減り、故障が増えた。2000年には平均50日だった整備期間が昨年は31日に減った」と指摘した。

  
環境団体は部品交換が“一時しのぎ”にすぎないと主張している。イ・サンホン慶州環境運動連合事務局長は「月城1号機のように問題が 多い原発は早く閉鎖し、原発に依存する電力政策も稼動率を減らす方向に変更する必要がある」と述べた。23基の原発の全面的な見直しを要求する声もある。

  
選択は容易ではない。冬季の停電危機が目の前に迫っている。来年1月の寒波で最大電力需要は8000万キロワットと予想されている。 供給能力は8200万キロワットだ。月城1号機の発電容量は70万キロワット。この規模の原発2基が停止すれば直ちに「停電事態」となる。昨年9月のよう な大停電が再発すれば、11兆ウォン(約800億円)以上の被害が発生する。韓国は電力問題で“離れ島”だ。電気が足りないからといって欧州のように隣国 から借りてくることもできない。

  
原発は最も安いエネルギーだ。このため政府は現在34%の原発の比率を2030年までに58%に増やそうとしている。日本は昨年3月 の福島原発事故後、原発の稼働を中断した。その代価は大きかった。対外取引用の外貨が底を突いた。今年上半期貿易収支は45兆ウォンの赤字で、過去最悪と なった。火力発電用の原油・液化天然ガス(LNG)輸入がそれぞれ26%増、11%増となったからだ。

《原発ゼロの冬に》計画停電 準備盛らず

20121031

■需給検証委 政府に判断委ねる
 政府は今冬の電力不足に備え、道内の節電目標を一昨年冬に比べ7%以上とする方向で最終調整に入った。ただ、30日の会合で議論を終えた 有識者による政府の需給検証委員会は、報告書に大型火力発電所がトラブルで停止した場合や節電の具体的な対応策、計画停電の準備の是非は盛り込まなかっ た。11月上旬に開催される関係閣僚によるエネルギー・環境会議に判断が委ねられることになった。
 報告書は「北海道の特殊性」として「寒冷地での電力不足が生活に甚大な影響を及ぼす可能性がある」と強調。節電に加え、北海道電力と利用者の需要を抑制する契約を促す必要性に触れたが、「(そうした)努力をすべきだ、との指摘もなされた」との表現にとどめた。
 供給面では、寒さが最も厳しくなる来年2月でも電力の供給予備率は5・8%で、電力の安定供給の目安となる予備率3%を確保できる、とする北電の見通しを了承した。
 だが、需給検証委の議論の中で委員からは「道内では一定水準の予備率を確保すればよいというわけではなく、火発が故障で停止すると途端に供給力が落ちる」と課題も指摘された。
 報告書は、道内と本州を結ぶ海底ケーブル「北本連系線」で電力融通を受けられるのは最大60万キロワットだけ、と説明。道内では2011 年度に発電所のトラブルなどで96万キロワット分の発電が出来なくなった事例を掲げ、同じような事態が今冬起きると、本州から融通を受けても予備率はマイ ナス0・4%と一気に電力不足が起きる、とした。
 それでも、報告書は「リスクを織り込んだ一段の対策が求められる。適切な節電目標を設定するとともに地元自治体や経済界などの協力を得つつ、さらなる需給両面の対策を促していくべきだ」とだけ提言した。
 需給検証委の終了後、内閣府副大臣の白眞勲委員長らは、大型火発が万一、トラブルで停止した場合の対策はエネ環会議での議論を経て政府が 決定する、とだけ記者団に説明した。また、今冬の計画停電をめぐって道は「回避へ最大限の努力を」と国に求めている。報告書は計画停電の必要性や、万一に 備えて準備をすべきかどうかにも触れていない。この点について、国家戦略室の担当者は「検証委では議論がなかったので、報告書には盛り込まなかった」と説 明した。
 (綱島洋一)

九電が値上げ表明、家庭向け平均10%程度

電気料金の値上げに理解を求め、頭を下げる瓜生道明・九州電力社長(30日午後3時42分、福岡市中央区で)=貞末ヒトミ撮影

 九州電力の瓜生道明社長は30日、福岡市内で記者会見し、電気料金の値上げについて「具体的な検討を開始した」と正式表明した。原子力発電所の全6基が停止し、業績が悪化しているためだ。具体的な値上げ率や実施時期は約1か月をかけて検討するとしている。
 家庭向け料金の値上げ率は平均10%程度で調整しており、11月末にも経済産業省に認可申請し、来年4月から実施したい考えだ。九電が来年実施すれば、政府の認可が必要な値上げとしては、第2次石油危機時の1980年以来33年ぶりとなる。
 認可が必要ない企業など大口向けの値上げも来年4月からの実施を目指しており、値上げ率は平均20%近くになる可能性がある。
20121031日  読売新聞)

電気料値上げ 政府は厳しいチェックを 1031日(水)

関西電力と九州電力が電気料金の値上げを目指す考えを明らかにした。
 原発の停止により、火力発電の燃料費がかさんでいることが主な理由である。年内に申請し来年4月の実施を目指す。
 原発停止のつけを家庭や企業に安易に回すのは許されない。人件費をはじめとするコストダウンの努力は十分か、政府は厳しくチェックしてもらいたい。
 電力各社のうち東京電力は9月に値上げを実施している。家庭向けは平均8・46%、標準家庭で月額347円の負担増になった。
 原発停止の長期化により、電力会社の経営が厳しさを増しているのは事実だ。ことし9月の中間決算は、関西が1167億円、九州は1495億円の赤字になった。いずれも、中間期としては過去最悪の数字である。
 燃料費がかさむ事情はほかの電力会社も変わらない。値上げは関西や九州の話、と無関心を決め込んではいられない。
 東北は被災地への配慮から、北陸、中部、中国の各社は財務に比較的余裕があることから、差し当たりは値上げを避ける構えでいるものの、いつまで踏みとどまれるか分からない。
 電気料金は大きく、自由化された企業部門と家庭向けの規制部門に分けられる。家庭向けの値上げには政府の認可が要る。
 東京電力の家庭向け値上げでは、同社に公的資金を注入した事情もあって、経済産業省がコストなどを査定。消費者庁の意見も聞く二段構えの態勢で、上げ幅を申請より2ポイントほど圧縮させた。
 関西、九州の場合も、上げ幅を可能な限り小さくすべきなのは無論である。経営全般にわたる洗い直しが必要になる。
 中でも問題となるのは燃料費だ。電力業界は天然ガスを世界標準より高い価格で買っている。経産省によると、新型ガス「シェールガス」の生産で価格が低下 している米国市場に比べると約6倍の高水準だ。電力業界による高値の天然ガス輸入は、日本が昨年、31年ぶりの貿易赤字を計上する要因の一つにもなった。
 コストに利益を上乗せして料金に反映させる「総括原価方式」に寄り掛かり、安く買う努力が甘くなっていたのではないか。そんな疑問がわいてくる。
 これまでどんな経営努力を重ねてきたか、これからどう重ねるか。関西、九州電力は詳しく説明すべきである。値上げを認めるのはそれからだ。

 国際  福島双葉町長、国連で訴え 原発事故は終わっていない

 30日、ジュネーブの国連欧州本部で、スライドを使って原発事故の状況を説明する福島県双葉町の井戸川克隆町長(共同)
 【ジュネーブ共同】国連人権理事会で日本の人権状況を審査する会合が開かれるのを前に、東京電力福島第1原発事故で警 戒区域となっている福島県双葉町の井戸川克隆町長が30日、ジュネーブの国連欧州本部で、非政府組織(NGO)主催の会合に出席し、日本政府は収束宣言を 出したが「原発事故はまだ終わっていない」と訴えた。
 31日の人権に関する「普遍的審査」制度に基づく対日作業部会では、各国から原発事故後の日本政府による健康対策が取り上げられる可能性もある。
(共同通信社)('12/10/30

【原子力防災対策】国と地方が連携せよ(10月31日)

東京電力福島第一原発事故を受け、県と市町村は防災対策の見直しを迫られている。原発立地地域を除く大半の市町村には、事故前に原子力担当の部署がなかった。各市町村ともに専門的な知識や資機材、人材の蓄積が乏しい。
 原発事故の被害が広がった原因の一つは国、県、市町村の連携不足だった。手探りを続ける市町村に対して、国と県の積極的な助言が必要だ。
  原子力規制委員会は、防災対策の区域などを盛り込んだ指針を31日にもまとめる。県も、市町村の手本となる地域防災計画の一部を修正する。原発から半径5 キロと30キロを目安にした取り組みに加え、50キロ程度も引き続き検討する見通しだ。距離に応じて、避難の時期や方法、安定ヨウ素剤の予防服用などの対 応に差が出るためだ。
 市町村の地域防災計画に原子力災害対策編を設ける県内の重点地域は、事故前まで原発立地地域の6町だった。県は13市町村 に暫定的に拡大する案を明らかにした。30キロ圏を中心に、福島第一原発事故で住民が避難したり、屋内退避を求められたりした地域が含まれている。残る 46市町村には、住民への情報伝達や他の市町村からの避難者受け入れなどを地域防災計画に入れるように要請する。
 原発から50キロ圏内の地域に位置する県内の市町村数と震災前の人口は、福島第一原発が26市町村の約51万6千人、福島第二原発が24市町村の約58万2千人に上る。県人口の4分の1強に当たる。
 他県の原発との距離も考えることが欠かせない。茨城県の東海第二の50キロ圏には、いわき、塙、矢祭の各市町の一部が入る。新潟県の柏崎刈羽から会津地方の県境は最短で50キロ余りだ。
 福島第一原発事故による放射性物質は地形や風向きなどの影響を受け、同心円状には広がらなかった。30キロ以上、離れた市町村であっても、重点地域より高い放射線量を観測した場所がある。
 50キロ圏の防護策は屋内退避や安定ヨウ素剤の予防服用などが想定されるが、まだ固まっていない。このため、市町村からは「防護策の範囲や避難の基準を具体的に示してほしい」との意見が出始めている。
 国は地域の実情に応じた防災対策を県や市町村に促している。だが、福島第一原発事故は、個別の市町村による原子力防災に限界があることを浮き彫りにした。国や県が市町村の計画作りや訓練に関わり、より良い対策に結び付けるべきだ。(安田 信二)

ハリケーン「サンディ」でサレム原発が運転停止


31.10.2012, 03:44



АЭС \'Найн майл\' Nine Mile сша север нью-йорк

Photo: en.wikipedia.org

米国ニュージャージ州では30日、ハリケーン「サンディ」の影響を受けてサレム原発の原子炉が運転を停止した。運営会社のパブリック・サービス・エレクトリック・アンド・ガス社が明らかにした。

   付近の河川から原子炉に水をくみ上げる6つのポンプのうち4つが故障したため、運転を停止せざるをえなくなった。
   ニュージャージ州では同じくハリケーンの影響でダムが決壊している。このためムナチ、リトル・フェリー、カールシュタットの3都市が浸水し、水位が1.5メートルにも達している。
   ニューヨーク付近ではハリケーンは長さ50メートルの給水タンカーを海岸へと打ち上げた。
   ニューヨーク、ワシントンなどの大都市では橋、トンネルが封鎖され、公共の交通手段や地下鉄も運転を見合わせているほか1万5000本以上の空の便が欠航している。
   ニューヨーク州、ニュージャージ州では災害ゾーンが宣言された。
   タス通信、リアノーボスチ通信、インターファックス通信
20121031830

楢葉町の湯「やっぱりいいね」 警戒区域解除で再開



一時帰宅の住民に無料開放し、営業再開した温泉施設「しおかぜ荘」=29日、福島県楢葉町、山本裕之撮影

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で営業を休止していた福島県楢葉町の日帰り温泉施設「しおかぜ荘」が29日、営業を再開した。8月に警戒区域が解除され、宿泊はできないものの立ち入りが自由になったため、町が配管などの修理を進めてきた。
 太平洋を望む高台の天神岬にある施設は、黒褐色の天然温泉が人気で、最多で年間約18万人が訪れていた観光名所。当面、町民と町の除染作業にあたる人たちなどが利用できる。
 同県いわき市の借り上げ住宅に避難中の佐藤秀男さん(69)は、片付けのため楢葉町の自宅に立ち寄ったあと、施設を訪れた。「湯冷めしないし、肌がスベスベになる。やっぱりいいですね」と喜んでいた。
平成241031


原子力規制委、拡散予測は6原発で誤り-計算結果の方位にミス、要避難の最遠地点は長岡市に


 原子力規制委員会は29日、24日に公表した各原発の事故時の放射性物質の拡散予測結果について、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)など6 原発で方位などが間違っていたと訂正した。当初の公表では、柏崎刈羽原発から東南東に40・2キロ離れた新潟県魚沼市が避難が必要な最遠地点だったが、正 しくは東側で、同県長岡市内だった。
 規制委の事務局機能を担う原子力規制庁の森本英香次長は「科学的な見地から防災対策に資するシミュレーションをつくるという委員会の事務局として、このようなミスをしたのは大変申し訳ない」と謝罪。関係する自治体には連絡と謝罪を終えたという。
 ミスがあったのは、柏崎刈羽原発のほか、日本原電東海第2(茨城県東海村)、北陸電力志賀(石川県志賀町)、日本原電敦賀(福井県敦賀市)、九州電力玄海(佐賀県玄海町)、川内(鹿児島県薩摩川内市)の計6原発。
 いずれも、処理を担当した原子力安全基盤機構(JNES)が、各原発の風向データを入力する際、方位を表すコード番号が原発ごとに違うことに気付かずに入力。計算結果の方位が、南南西が南に、東が東北東にずれるような形で誤っていた。
 また、玄海、川内両原発では、気象データの中で欠落した部分についての処理を誤ったため、一部の地点で拡散距離が最大300メートル長くなったり、短くなったりした。
 規制庁は、24日午前に試算結果を公表。26日午後に北陸電力から指摘を受けて再調査を開始。6原発の誤りが判明したという。

原子力規制庁、2週間内に原因究明を-原子力規制委の訂正問題


 原子力規制委員会が公表した全国原発の放射性物質拡散予測で訂正が相次いだ問題で、事務局を務める原子力規制庁の森本英香次長は30日の定例記者会見で、2週間以内に原因究明と再発防止策の公表を行う方針を示した。
 また規制庁は、拡散予測の計算をした原子力安全基盤機構(JNES)に対しても、同じ期間内に原因究明などを行うよう指示した。JNESは一部の作業を外部に委ねていたといい、今回のミスと関連がないか報告を求める。
 森本次長によると、規制委の田中俊一委員長は29日、規制庁に原因などを調べるよう指示。同庁は今後チェック態勢を見直し、訂正の対象となった自治体などに直接謝罪するという。
 拡散予測は24日に公表されたが、規制委は同日夜、5原発で高線量の恐れがある自治体名に誤りがあったと訂正。29日には、6原発で高線量が想定される方位などにずれがあったとして、訂正発表をしていた。

官房長官、規制委は真摯に説明を


 藤村修官房長官は30日午前の記者会見で、全国の原発での重大事故を想定して原子力規制委員会が公表した放射性物質の拡散予測の一部に誤りがあったこと について「極めて残念だ。規制委は、さらなる混乱を招くことがないように、地方自治体に対して真摯(しんし)かつ丁寧に説明してほしい」と求めた。

米3原発が停止 ハリケーン「サンディ」影響


温帯低気圧が上陸したニュージャージー州のリッジフィールドで車に倒れかかる木
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共同
米原子力規制委員会(NRC)は30日、ハリケーン「サンディ」の影響により東部ニューヨーク、ニュージャージー両州で原発3基が停止し、別の1基でも異常な水位上昇による警戒宣言が出されたと発表した。非常用電源が作動するトラブルもあった。
 ニュージャージー州のセーラム原発1号機は、川の水位上昇によって冷却用ポンプに異常が起き手動停止。ニューヨーク州のナインマイルポイント原発1号機とインディアンポイント原発3号機は、送電網側のトラブルにより自動停止した。
  ナインマイルポイント2号機は、2系統ある外部電源の一方が停止して非常用電源が起動したが原子炉は運転を続けた。 一方、定期検査で停止中だったニュー ジャージー州のオイスタークリーク原発は、冷却水の取水口近くの水位が高潮などのため異常上昇して規定値を超えたため警戒宣言が出た。警戒レベルは4段階 の下から2番目で、水位は低下傾向にある。(共同)
[ 2012103107:46

【栃木】

2012とちぎ知事選 あす告示 防災・原発など争点

20121031

路上に設置された知事選のポスター掲示板=宇都宮市で
東日本大震災後初めてとなる知事選が十一月一日、告示される。自民、公明両党が推薦し、三選を目指す現職の福田富一氏(59)に、共産党公認の元 県議野村節子氏(59)が挑む構図。民主党やみんなの党が擁立を見送った結果、前回と同じ構図になった。震災と東京電力福島第一原発事故を踏まえ、両氏と も防災や経済対策の強化を訴える。支援に回る自公、共産各党も、次期衆院選をにらんで支持を訴える構えだ。
 福田氏は、震災対応が落ち着いた今年五月に三選出馬を表明。財政健全化を進めた二期八年を「おおむね満足している」と自己評価し、公約集には防 災・減災対策、再生可能エネルギー促進など新たに進める五十一項目を盛り込んだ。目立った失政はないとされる福田氏だが、選挙戦では震災後の県政運営の方 向性が問われる。
 一方、十月に入って出馬表明した野村氏は「暮らし、福祉に温かい県政への転換」を強調する。福田氏の財政健全化路線を「保育や福祉など、県民に とって切実な事業の補助金が削られている」と批判。原発ゼロ方針など次期衆院選の争点になり得る主張も掲げ、指定廃棄物の最終処分場問題では「白紙撤回」 を求めている。
 一日午前八時半から県庁で立候補の届け出を受け付け、十七日間の選挙戦に入る。福田氏は衆院栃木1~5区の区割りに合わせ、午前十時半から大田 原、鹿沼、足利、小山、宇都宮各市の順に計五カ所で出陣式を開催。野村氏は午前十時、宇都宮市の東武宇都宮駅北口で第一声を上げる。
 このほか、県議補選那須塩原市・那須町選挙区、小山市・野木町選挙区が九日、宇都宮市長選が十一日にそれぞれ告示。知事選と同じ十八日に投開票される。 (神田要一)

原発事故「許せぬ殺人行為」=住民避難は苦渋の決断-福島・双葉町長

日立 イギリスの原発会社を買収



日立製作所は、イギリスの原子力発電事業会社の「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収すると発表 しました。買収額はおよそ850億円で、手続きは来月中に完了する予定です。日立は、ホライズンの計画を引き継ぎ、イギリス国内の2ヵ所で130万kW級 の原発を、合わせて4から6基建設する方針で、2020年代前半の運転開始を目指します。

地方にも波及する大衆迎合

2012.10.31 07:40 1/2ページ)[from Editor
 停止している原子力発電所の再稼働問題が地方政治の場でホットなテーマになっている。先日の新潟県知事選では東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題が最大の争点とされ、静岡県では中部電力浜岡原発の再稼働の是非を県民投票にかける条例案が提出された。
  東電の福島第1原発事故の記憶がいまだ生々しいなかで、原発が立地する地域の住民の関心が高いのは至極当然だろう。そして原発再稼働には地元自治体の同意 が不可欠なのも事実だ。しかし、原発政策は国家の安全保障問題そのものだ。地方がその命運を左右するには重すぎる。ましてや住民投票には到底なじまない。
  にもかかわらず、そうした本質論について、地方の為政者らは口をつぐんでしまっている。新潟県の泉田裕彦知事は、3選を果たしたいまなお再稼働問題につい ては明言を避けている。静岡県の川勝平太知事は「16万5千人の署名は重い」として、県民投票条例案に賛成意見を付けて県議会に提出した。
 ちなみに静岡県では県民投票の実施コストを約10億円と見積もっている。仮に投票を実施するなら、増税でもしない限り、そのコスト分は社会保障関 係など他の予算を削らざるを得ないのではないか。物事の是非を判断する場合にはメリット、デメリットを比較考慮する必要がある。知事がそのことを県民に示 すことなく賛意を表明したのは軽率といわざるを得ない。「来年7月の知事選を見据えたパフォーマンス」との見方もあながち否定はできないだろう。また、条 例案を否決したとはいえ、終始本質論を避けて「法制度上の不備」などを理由にした県議会も褒められたものではない。
 とはいえ、原発に対する国の方針が定まらないなかでは、知事らがいくら「国レベルの問題だ」と県民に説明しても説得力が乏しいのも事実だ。特に政権が脱原発に傾く世論におもねるなかでは、中央の大衆迎合政治が地方にも波及しているとみるべきだろう。
 今必要なのは、政府が早急に「エネルギー資源の乏しい日本には少なくとも当面原発は必要だ」と国民に説明することではないか。そうでなければ地方政治は、ますます「脱原発」の姿勢を先鋭化させざるを得なくなる。
 新潟県の泉田知事が再稼働の是非について一貫して「国の検証が先決だ」と語るのは、「国が早く方針を示すべきだ」というメッセージだと解すべきだろう。(地方部次長 福島徳)

原発輸出、日立の賭け 英発電会社買収を発表

2012/10/31 2:21
日本経済新聞 電子版
日立製作所は30日、英国の原子力発電事業会社「ホライズン」を6億7000万ポンド(約850億円)で買収すると発表した。東京電力の 原子力発電所事故で停滞する原発輸出を加速する狙いだが、建設でなく発電会社の買収は異例。リスクを負ってでも東芝などに対して劣勢に立っている自社方式 軽水炉の普及を優先する考えだ。
 日立はホライズンの株主である独電力大手イーオン、RWEの2社と株式売買契約を結び、11月中に全…

線量計 隠し現場へ 実態暴けぬ厚労省調査

201210310704
東京電力福島第一原発で起きた、線量計を鉛カバーで覆って被ばく線量をごまかした問題を受け、厚生労働省が実施してきた聞き取り調査の結果が三十 日、公表された。意図的なごまかしはなかったとの内容。だが、本紙の取材に対し、元作業員の男性は、原発で働き続けるため線量計を持たずに現場に行ってい たことを新たに証言した。既に、鉛カバーを作って線量をごまかそうとした別の作業員の実例も報じたが、二人とも聞き取りはされていない。
 新たに線量ごまかしの実態を語ったのは、福島県いわき市の二十代男性。事故発生間もない昨年四月から福島第一の緊急作業に加わった。現在は被ばく線量の問題などで解雇され、現場を離れた。
 当初に担当した収束作業は、3号機タービン建屋内で、放射線量が不明の汚染水を手作業で捨てたり、大型の工作機を分解したり、海側で配管を修繕したりする内容。どの現場も線量は高く、たった一日で一般の人が許される数年分の放射線を浴びる日が相次いだ。
 これでは「五年間で一〇〇ミリシーベルト」(年平均で二〇ミリシーベルト)という作業員の被ばく線量限度をあっという間に使い果たし、働けなくなってしまう。男性は、線量の低い場所での作業に変えてくれと所属会社に頼んだが、聞き入れられなかった。
 そこで、男性は原発敷地内にある所属会社倉庫の缶の中に線量計を隠したままで作業にいくことを思いついた。同じことをした同僚もいた。男性は自分用に被ばく線量を記録しており、線量計を隠した日は「-」印を付けていた。
 男性の記録を見ると、昨年四月からの五カ月間で、線量計を隠したまま作業したのは約二十回に上った。被ばく線量が高そうな作業で線量をごまかすと発覚するため、低そうな作業を狙った。
 それでも、男性の被ばく線量は五カ月で四〇ミリシーベルトを超えた。「線量の高い作業ばかりやらせておいて、線量が増えたといきなり解雇された。解雇か線量隠しかを迫られているようなもので、被ばく隠しをするしかなかった」と語った。
 一方、同様の動機で鉛カバーを自作していたベテラン作業員は「仕事を失わないため、必死だった。分からないよう慎重にやっていた。厚労省のような聞き取り調査では、実態はなかなか分からない」と話した。
(東京新聞)

日立、英原発会社を850億円で買収-20年代の運転目指す




掲載日 20121031日 0600
 日立製作所は30日、英国の原子力事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」を6億7000万ポンド(約 850億円)で買収すると発表した。英国内に改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を4―6基建設、2020年代前半の運転開始を目指す。当面は日立が全株式 を保有するが、電力会社や投資家などから出資を募り、持ち株比率を5割以下にし、日立はプラント機器メーカーとして収益を稼ぐビジネスモデルに転換する。 国内で新設需要が期待できず、大型買収により海外開拓を進めることにした。(3、12面に関連記事)
 11月中にホライズンの株式を独電力会社エーオン、同RWEの2社から取得する。その後、英政府と建設に向け た各種許認可手続きに入る。プロジェクト推進に向け、英バブコック、同ロールスロイス、カナダ・SNCラバリンと協力覚書を結んだ。原子力事業で合弁を組 む米ゼネラル・エレクトリック(GE)と協力する方針も表明した。
 ホライズンは建設が始まるまでの約5年間は売り上げが発生しない。原発1基の建設には4000億―5000億円かかり、追加の資金調達が必要になる。日本で建設・運転実績のあるABWRを提案、プロジェクトの遅延を回避する考えだ。
 日立は発電事業者になる考えはなく、中村豊明副社長は「鉄道事業など他の事業投資に支障が出るようなことは避ける」と話し、株式の売却基準を明確化するという。

日立が英社買収、「発電所をつくる場が欲しかった」-羽生執行役常務




掲載日 20121031日 0600
 日立製作所の羽生正治執行役常務は30日会見し、英原子力事業会社ホライズンの買収について「プラントメー カーとして発電所をつくる場が欲しかった」と述べた。政府系金融機関など広く出資を募り、出資比率を50%以下に引き下げたい方針だ(1面参照)。会見の 主なやりとりは以下の通り。

会見する羽生正治執行役常務
―どう事業のスキームを描きますか。
「ホライズンは原発の運営会社であり、人材などを拡充して事業会社として育てる。日立は投資家であり、電力会社からEPC(設計・調達・建設)業務を受ける」
―原発会社を運営する事業面でのリスクは。
「原子力発電事業をやるわけではなく、発電所をつくる場が欲しかった。炉型を改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)にしてもらえれば買収する意思を伝えていた。一定の投資回収を求めるが大きな期待をもたない」
―リトアニアなど他国の交渉の進捗状況は。
「リトアニアが原子力新設計画を継続するならば当社は付いていく。英国と時期が重なっても日本で複数プラントを並行して手がけた例ある。能力的、実績的に心配していない」
―投資回収の時期は。
「18年で償却を考えている。建設が了承されるまでの5年間は人件費など発生するが膨大な金額にはならない。建設が始まればそれなりの金額になり、一社で賄うの大変だ。投資家を募るため魅力ある会社に育てられるかが一番の肝だ」

東日本大震災:震災関連死2303人 半数が福島県民

毎日新聞 20121031日 東京朝刊
 東日本大震災の影響で体調を崩すなどして死亡した震災関連死者が9月30日現在で2303人に上り、うち福島県民が約半数に当たる1121人だったことを平野達男復興相が30日、明らかにした。
 福島県庁で佐藤雄平・同県知事と会談した後、記者団に語った。
 平野氏は「深刻に捉えなければいけない」と語り、県と合同で検証・対策チームを作ることで合意したことも明らかにした。
 復興庁などによると、今年3月11日〜9月30日に40人が震災関連死で亡くなり、うち35人が福島県民だった。福島第1原発事故に伴う避難区域に指定された自治体で多く、南相馬市336人▽浪江町192人▽富岡町119人−−などとなっている。【蓬田正志】

この国と原発:第7部・メディアの葛藤/7 温暖化対策との関連づけ

毎日新聞 20121031日 東京朝刊

 ◇リスク語らぬまま

東京電力福島第1原発事故まで、原発は地球温暖化対策の柱とされていた。原発と地球温暖化対策は、いつからセットで語られるようになったのだろうか。
 87年以降の記事を収録している毎日新聞の記事データベース(東京本社発行紙面)で「原発または原子 力」「地球温暖化」をキーワードに検索すると、最も古い記事は89年4月18日朝刊の「環境対策をサミットで−−ブリックス・IAEA事務局長」だった。 国際原子力機関事務局長が当時の竹下登首相に「途上国での火力発電増加は地球温暖化を招く」として、先進国首脳会議で原発を含めた環境対策を取り上げるよ う申し入れた、という22行の小さなベタ(1段見出し)記事だった。
 「政府や産業界、電力業界が環境と経済成長の両立に原子力が有効だと言い出したのは地球サミットのころ から」と、桝本晃章(ますもとてるあき)・元東京電力副社長(74)は言う。地球サミットとは92年6月にブラジル・リオデジャネイロで開かれた国連環境 開発会議のことだ。
 世界から189カ国・地域の代表が参加し、153カ国によって気候変動枠組み条約が調印された。その結 果「CO2(二酸化炭素)が増えるのはよくない。原子力はいいんじゃないかという社会的雰囲気になり、(86年の)チェルノブイリ原発事故で激しかった反 原発運動も下火になった」と桝本氏は見る。
 ただ、キーワード検索で記事が急増するのは97年12月の地球温暖化防止京都会議の前後からだ。96年までは年に1〜23本だったのが、97年は67本となった。
 温室効果ガスを90年比で5%以上削減する日本政府案の実現には、10年までに原発20基の新設が必要 との見解を通商産業省(当時)が示したことや、これに対して疑問の声が上がっていることなどを報じた。以降、年間30本前後の記事が載るようになり、 07〜10年には57〜77本と再び増える。
 温暖化対策のための原発推進を積極的に訴える記事はない。しかし、世界的に原発が復権する「原子力ルネ サンス」や政府、産業界の動きを紹介する中で、「地球温暖化防止への関心も高まる中、原発回帰の流れが強まっており……」とするなど、温暖化対策の一つに 原発があるという前提の書き方が目立つようになる。そこでは、原発事故のリスクに目が向けられることはなかった。
 07年12月に行われた温暖化問題についての毎日新聞の世論調査では「温暖化防止には原子力発電が有効と言われています。原子力発電の増設に賛成ですか」という質問が用意された。それは「学界の雰囲気が変わった」と指摘される時期とほぼ符合する。
 国立環境研究所の野尻幸宏・地球環境研究センター上級主席研究員(55)は「IPCC(国連の気候変動 に関する政府間パネル)の3次から4次報告書のあたりで『相場観』が変わった」と話す。01年に第3次、07年に第4次報告書が出され、いずれも温暖化に よる影響を前回の報告書より厳しく予測した。
 野尻氏は「90年代に考えていたより厳しい削減が必要になり、00〜11年の間に原発を頭から否定する研究者は減ったようだ」と話す。
 これに対し、地球温暖化問題に取り組んできたNPO法人「気候ネットワーク」代表の浅岡美恵弁護士 (65)は「温暖化対策は火力や石炭発電を減らしながら再生可能エネルギーを開発するような総合的な政策が必要なのに『CO2を排出しない』という原発の メリットだけが限定的に強調されてきた」と語る。
 そして「再生可能エネルギーの開発を進めさせないために原発が利用されてきたようなもので、こうした矛盾点を再三指摘してきたが取り上げられることはなかった」とメディアに厳しい言葉を投げ掛けた。
 経済部出身の今松英悦(えいえつ)・元毎日新聞論説委員(63)は「温室効果ガスの削減は、経済成長を損なわずに達成しなければならないというのが政府と経済界の論理。『原発はまあ、必要なんだろう』というのが、大方の経済記者の考え方だった」と振り返る。
 ただ、地球サミットのあった92年から福島第1原発事故までの間、毎日新聞の社説は「温暖化防止 原子力頼みはおかしいぞ」(97年12月29日)▽ 「安易に原発に頼らない低炭素社会の姿を描くべきだ」(07年7月27日)−−など、温暖化対策に原発を絡めることを批判している。=つづく

Jヴィレッジの機能回復目指す 運営会社が復興計画了承

 日本フットボールヴィレッジの取締役会が30日、福島市であり、福島第1原発事故でサッカーのナショナルトレーニングセンターの機能を休止しているJヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)の機能回復を目指す復興計画を了承した。
 復興初期は合宿など宿泊を伴う利用は見込めないとして、県内からの日帰り利用を中心に営業を再開するとしている。
 Jヴィレッジは原発事故で東京電力に貸し出され、事故収束作業の前線基地になっている。収束のめどは立っていないが、取締役会では楢葉、広野両町の避難者の帰還が進むことを前提に、数年内の営業再開を図る工程案が示されたという。
 高田豊治副社長は「施設周辺の放射線量は低く、復興は可能だ。県や東電など主要株主と協議し、早期に具体的な工程を決めたい」と話した。
 福島県復興計画は「Jヴィレッジは事故収束後の状況を見て除染を進め、再開を目指す」としている。



20121031日水曜日

災害関連死、福島で調査 復興相方針、検証チーム設置へ

 平野達男復興相は30日、福島第1原発事故と東日本大震災で福島県の災害関連死者数が多い背景や原因を調べる検証・対策チームを設置する考えを示した。視察先の福島県で報道陣に明らかにした。
 平野氏らによると、9月末現在の全国の関連死者数は2303人。うち福島県が1121人と最多で2番目の宮城県の802人、3番目の岩手県の323人を大きく上回っている。
 福島県では震災、原発事故から1年が過ぎた後の関連死者が35人と全国(40人)の大半を占めている。平野氏は「深刻に受け止める必要がある。なぜこうした状況なのか、県と共に調べる」と話した。
 復興庁が8月にまとめた関連死に関する報告は、福島県では原発事故による長距離、複数回の避難が関連死を招いたとみている。
 平野氏は佐藤雄平知事と県庁で会談。津波浸水区域と原発事故避難区域が対象の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」の適用について「津波被災地中心にしたい」と述べ、原発事故避難区域を含む全県への適用を求める県の要望には消極姿勢を示した。



20121031日水曜日

みんなの党・江田氏「石原氏との連携、政策一致が必要」

20121031
 みんなの党の江田憲司幹事長(衆院8区)は30日の定例会見で、同党に「秋波」を送っている石原慎太郎都知事との連携について、「消費税、原発は国民の 関心が一番高い課題。方向性を一致しないと有権者の選択肢になりえない」と述べ、消費増税問題や原発関連の基本政策が一致しない限り、連携はありえないと の認識を示した。
 石原氏は先週、「大眼目は官僚による硬直した日本支配を壊すこと。原発政策や消費増税への対応は大事だが、ささいな問題だ」「薩摩と長州は戦争したが、 倒幕して近代国家をつくるため大連合した」と表明。個別政策で違いがあっても、みんなの党や日本維新の会との選挙協力を進めるべきとの考えを語った。江田 氏は会見でこの点を問われると、「消費税、原発の問題は決して小異でない。現下の最重要課題だ。こういう問題をゆるがせにして連携することはありえない」 と強調。
 さらに、「何をするのかを一致させないと、選挙後に新政権で足の引っ張り合いが起きる。そこに官僚がつけ込んで官僚主導の政治にするのがこれまでの例だった。それをみんなの党がやったら、完全に国民の信を失う」と述べた。



東日本大震災:福島第1原発事故 最終処分場問題 候補、事前に公表要望−−宮城知事

毎日新聞 20121031日 東京朝刊
 放射性物質を含む焼却灰などの「指定廃棄物」の最終処分場建設問題で、村井嘉浩・宮城県知事は30日、 長浜博行環境相を訪ね、候補地を1カ所に絞り込む前に公表し、関係自治体の合意を得るよう求める要望書を提出した。長浜環境相は閣議後の記者会見で「なる べく要望に沿う形でやりたい」と述べた。
 指定廃棄物は、1キロ当たり8000ベクレル超の放射性物質を含む焼却灰や下水汚泥など。宮城、栃木、 群馬、茨城、千葉の各県に国が最終処分場を建設する方針で、環境省は9月、栃木県矢板市と茨城県高萩市にそれぞれ候補地を提示した。ところが、事前の説明 がなかったため両市から猛反発を受けた。
 このため村井知事は、選定基準や候補地の絞り込みについて順次、候補地が複数ある段階で関係自治体と合 意形成を図るよう求めた。ほかに、候補地は国有林だけでなく公有地も検討する▽候補地自治体の地域振興策を支援する▽安全性について国が市町村長に説明す る機会を早急に設ける−−ことなどを要望した。【比嘉洋】

北電 今年度赤字70億円予想

業績予想などを発表する北陸電力の久和進社長(右)ら
 北陸電力(本店・富山市)は30日、2012年9月中間連結決算を発表した。経常利益は前年同期比97・5%増の187億円で2年ぶりの増収増益 となったが、通期の業績予想については、連結決算で経常利益が100億円の赤字、税引き後利益が70億円の赤字になるとの見通しを示した。
 単体でも経常利益130億円の赤字、税引き後利益で90億円の赤字の予想で、1951年の設立以来、最大の赤字幅になる見通し。
 北電によると、通期の業績予想は、志賀原発(石川県志賀町)の今年度中の再稼働が無理だと判断した上で「節電の影響が続いて販売電力量が減ること や、今年は渇水の影響で水力発電による発電量の減少などを見込んだ」としている。税引き後利益の赤字は2年連続となる見込みだ。
 一部の電力会社は財務の悪化などから電気料金値上げを実施、または値上げ方針を表明しているが、記者会見した久和進社長は「電気料金は経済活動に 大きな影響を与える。維持できるように努力していきたい」と、当面は料金体系を据え置く方針を示した。久和社長は業績悪化の要因が志賀原発にあるとして、 「早く再稼働できるように頑張っていきたい」と語った。
 一方、中間連結決算については、販売電力量が前年同期比3・3%減の136億2000万キロ・ワット時だったものの、卸電力取引所での販売電力収 入の増加などで、売上高にあたる営業収益が同3・3%増の2495億円になった。人件費などの削減や減価償却費の減少で経常費用を同0・5%減の2324 億円に抑制したことで、経常利益の大幅増につながったとしている。
20121031日  読売新聞)

被曝線量試算訂正「敦賀」風向きを誤入力


 原発事故時に放射性物質が拡散する範囲を予測したシミュレーション結果のうち、原子力規制委員会は日本原子力発電敦賀原発(敦賀市明神町)の予測図を訂正した。
 シミュレーションでは、敦賀原発で二つの原子炉が同時に炉心溶融を起こしたと想定。敷地内で観測された風向きなど、昨年1年間の気象データを使い、国際的な避難基準(7日間の積算被曝(ひばく)線量が100ミリ・シーベルト)に達する地点を予測した。
 だが、担当者が16方位に分けた風向きを本来より反時計回りに1方位(22・5度)ずらして誤入力したという。それにより、最も遠くて約20キロ南東の滋賀県長浜市とされた当初予測が、実際には南南東の敦賀市内だったと分かった。
 これに対し、県の防災担当者は「規制委は時間がない中で仕事をしているのだろうが、当事者の自治体にとっては影響が大きい」と困惑していた。
20121031日  読売新聞)

放射性物質拡散予測「訂正」自治体戸惑う


 原発事故が起きた際の放射性物質拡散シミュレーションについて原子力規制委員会が29日夜、志賀原発(志賀町)など6原発のデータを訂正したことで、県内でも拡散方向が変わり、該当する自治体などからは30日、規制委への不信の声があがった。
 規制委が24日に公表した予測図では、避難が必要となる1週間の積算被曝(ひばく)線量が100ミリ・シーベルトに達する場所のうち、原発から 16方位で最も遠い地点を示していた。ところが、データの訂正により、北陸電力の志賀原発の場合は、それぞれの地点が反時計回りに22・5度ずつずれるこ とになった。これにより、最も遠い地点は羽咋市から中能登町に移った。
 中能登町の担当者は「あくまで目安とする予定だったので大きな影響はないが、こんなことがあると信頼性がなくなる」と戸惑いを隠さない。羽咋市の 担当者も「何を信用していいのかという気持ち。防災の計画を立てる必要もあり、順序立てて、しっかりとした説明が欲しい」と求めた。
 今回の訂正は、北陸電力が26日に、規制委に対して方角の誤りを指摘したのがきっかけだった。規制委が再チェックしたところ、各原発から提出され た気象データは、「北」を「1番」や「16番」と表すなど、方角の表記が統一されていなかったため、入力ミスにつながったという。
 県には29日午後6時頃に規制委から「間違えていたので正しいデータを送った。2時間後に発表する」と連絡があった。県危機対策課は「非常に大事な情報なので、精査してから、しっかり責任を持って発表してほしい」と注文をつけた。
 志賀町では、30日に開かれた地元の赤住地区の住民と北陸電力との会議で、規制委の志賀原子力規制事務所の寺田弘司所長が「入力ミスなどがあり、大変ご心配をおかけし、この場をおかりして深くおわびします」と陳謝した。
 ◇「開いた口ふさがらぬ」知事が不信感
 谷本知事は30日、規制委の予測に誤りがあったことについて県庁で記者団に対し「開いた口がふさがらない。今度ある説明会での説明は本当に正しい のか、疑問すらわいてくる」と、規制委への不信感をあらわにした。続いて、この日行われた県議会総務企画委員会で、佐藤正幸委員(共産)が、規制委による 最初の発表の際に知事が「いざとなれば、奥能登に避難できる」と発言したことを撤回するよう求めたことについて、質問を受けた。
 これに対して、知事は発言の撤回を否定し、「規制委が権威のある発表をされた。規制委は防災対策の責任を負っている役所だ。それを信用しなければ誰を信用するのか」と反論した。
20121031日  読売新聞)

原発建設を続ける中国


30.10.2012, 15:36



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Photo: ru.wikipedia.org/风之清扬/cc-by-sa 3.0

中国では福島第1原発事故後、一時中断されていた原発建設が再開される。これは中国国務院の会議終了後、同国政府の表した声明で明らかにされた。

   公式的な発表では同国が15年までに建設する原発は海岸線地帯に国際的な安全基準に全て則って行なわれる。原子力エネルギーの安全な発展を保証するため、 政府は総合的な厳しい点検を行なった。政府レベルで採択された2015年までのエネルギー発展国家プログラムでは、中国は再び原発建設を国の経済発展計画 に含めている。
   専門家の意見では再開された原発建設プログラムは露中のこの分野における協力発展の新たな可能性を約束するものだ。現在中国はまず田湾原発の商業目的使用 を開始した。この原発はロシア人専門家の参加を得て作られたものだ。田湾原発の3、4号基は12年末には運転を開始する。6月にプーチン大統領が中国を訪 問した際、重要な合意文書に署名が行なわれている。そのなかに原子力エネルギー分野における露中協力のロードマップがある。これはロスアトムと中国原子力 エネルギー局との間で取り交わされたものだ。原発建設協力の続行以外にロードマップでは、宇宙で利用する原発エネルギーシステムの創設において協力を図る ことに注意が傾けられている。
   こうした一方で露中は協力を行なうだけでなく、国際原子力市場において競争を行なう可能性がある。
   エネルギー安全保障センターのアントン・フロプコフ所長はVORからのインタビューに対し、原発建設の安全性について発注者らを納得させるには中国は十分な努力を行なっていないとして、次のように語っている。
   「国際市場で十分に戦いうるプレーヤーとなるためには中国は第3世代のより安全性の高い原子炉を有していなければならない。私が思うにこの先5年、中国が なんらかのものを国際市場に提供しうることはないだろう。ロシアと韓国はこの間、さらなる競争力をつけるであろう。ただし、福島の原発事故前は中国はこれ からの数年で国際市場により積極的に打って出ることのできるプレーヤーとなるだろうと思われていた。」
   フロプコフ氏は、このため中国は主に国内市場に努力を傾けるだろうと推測している。現在、中国では原発で作られる電力量は国全体の電力生産量の2%以下た らず。温室効果ガスの放出量を削減し、化石燃料の輸入削減に努める中国にとっては、原子力エネルギーの意味は著しく増大している。

日立 英原発事業会社買収で海外強化へ

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日立 英原発事業会社買収で海外強化へ

イギリスで原子力発電所の建設を計画する発電会社を買収することを決めた大手電機メーカーの「日立製作所」はロンドンで記者会見し、イギリスなどの関連メーカーとも提携して原発事業に取り組む方針を強調しました。
イギリス国内の2か所に最大で6基の原発の建設を計画している発電会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」をおよそ850億円で買収することを決めた日立製作所は、30日、イギリス政府などと共同でロンドンで記者会見を開きました。
イ ギリス政府は、日本の原発事故のあとも原子力をエネルギー政策の柱の1つとする方針を変えておらず、会見でデービーエネルギー・気候変動相は「安全性に懸 念はなく、雇用などの経済効果が高い」と強調しました。一方、日立は、今後、イギリスなどの関連メーカーや電力会社と提携を深めていくことを明らかにし、 日本での原発事業の先行きが不透明さを増すなか、海外での原発事業のノウハウを蓄積していく考えを示しました。
日立は、リトアニアでも原発建設の受注に向けて交渉を進めてきましたが、国民投票で建設反対が多数を占めたことを受けて、リトアニア政府が計画を見直す可能性が出ています。
こうしたことから、海外での原発事業を拡大するうえでは、各国の政府の方針とともに国民世論の動向も大きな鍵になりそうです。

北陸電の最終赤字70億円 13年3月期、火力燃料費かさむ

2012/10/31 0:15
北陸電力30日、2013月3月期の連結最終損益が70億円の赤字(前期は52億円の赤字)になる見通しと発表した。志賀原子力発電所(石川県志賀町)の停止が続 き、燃料費がかさむ。志賀原発では直下に活断層の疑いが指摘され、最短でも13年3月末まで岩盤などを再調査するため13年3月期中の原発再稼働が不可能 になった。4~9月期の配当は前年同期比据え置きの25円を維持する一方で、期末配当は未定とした。
 最終赤字は32年ぶりに最終赤字に転 落した前期に続き2期連続。売上高は2%減の4850億円と従来予想を変更しなかった。節電影響や企業向けの大口需要の減少などで販売電力量は3%減の見 通し。ただ前期と比べ水力発電の発電量が少なく、火力発電向け燃料費がかさむ。燃料費は前期並みの約1400億円を見込む。

日立製作所、原発会社「ホライズン」を850億円で買収

日立製作所は30日、英国の原子力発電事業会社の「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収すると正式に発表した。買収額は6億7000万ポン ド(約850億円)。東京電力福島第1原発事故を受け、日立の国内原発事業は赤字に転落しており、海外に収益源を求める狙いがある。
 ホライズンの株式を保有するドイツ電力大手のRWEとエーオンから全株式を取得する。買収手続きは11月中に完了する予定だ。
 日立は、ホライズンの計画を引き継ぎ、英国の2か所で130万キロワット級の原発を計4~6基建設する方針だ。最初の1基については2020年代前半の運転開始を目指す。
 30日に都内で記者会見した羽生正治執行役常務は「日立が原子力発電事業をするのではない。発電所を建設する場を確保したかった」とし、将来的に ホライズンの株式を引き受ける出資者を募り、過半数の株式を売却する考えを明らかにした。国内外から原発の運営ノウハウを持った人材を集め、ホライズンを 原発事業会社に育てていくという。
 原発の建設費用については積算中として公表しなかった。通常、原発の建設費は1基当たり4000億~5000億円とされており、政府系金融機関からの資金調達も検討する。
 デービー英エネルギー・気候変動相は30日、ロンドン市内で記者会見し、日立による買収を歓迎した。原発事故を受けた安全性への懸念について、デービー氏は「英政府は福島の事故について詳細に検討し、教訓を学んでいる。安全性への心配はない」と強調した。
 ホライズンは、RWEとエーオンが09年に設立したが、ドイツ政府の脱原発方針を受け、今年3月に売却する方針を表明していた。

日立、858億円で英原発会社を買収 11月中に完了 (1/2ページ)

2012.10.31 05:00
 日立製作所は30日、英国の原子力発電事業会社の「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収すると正式に発表した。買収額は6億7000万ポンド(約858億円)で、11月中に買収の手続きを完了する予定。
 東京電力福島第1原発事故の影響で国内での新設が見込めないため、海外での事業展開を強化し、原発事業の継続につなげる考えだ。
 日立はホライズンの計画を引き継ぎ、英国の2カ所で130万キロワット級の原発を計4~6基建設する。1基目は2020年代前半の運転開始を目指す。買収後、エンジニアリング会社などから出資を募り、ホライズンへの出資を5割以下にとどめる方針。
 ホライズンは、ドイツ電力大手のRWEとエーオンの2社が09年に設立したが、ドイツ政府の脱原発方針を受け、今年3月に売却方針を表明していた。
都内で会見した日立の羽生正治常務は買収の狙いについて「発電所をつくる場を求めた」と説明。買収によって、英社の原発計画に日立製の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)が採用されることが確実になり、国内需要の減少を補えるという。
 日立は20年度の原発事業の売上高を12年度見通しと比べ2.5倍の3600億円に引き上げ、このうち半分を海外で稼ぐ計画。
 ただ、受注がほぼ内定していたリトアニアでは、10月に行われた国民投票で建設反対が6割超を占め、事業の先行きが不透明になっている。
 日立は事業会社の買収で海外展開に弾みをつけ、計画達成を目指すが、原発は40年の保守管理業務に加え、事故などのリスクもある。ドイツやイタリアが脱原発を進めるなか、原発建設の費用をいかに調達するかも課題となるだけに、日立は大きな賭けに出たといえそうだ。

英の原発会社を買収=日立、海外展開を加速

 日立製作所は30日、英国の原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収すると発 表した。ホライズンの事業を引き継ぎ、英国の2カ所で130万キロワット級の改良型沸騰水型原子炉(ABWR)を計4~6基建設する。原発の最初の稼働は 2020年代前半になる見込みだ。
 東京電力福島第1原発事故の影響で国内の原発事業の拡大が見込めない中、日立は原発事業の海外展開加速を狙う。海外初の受注を狙うリトアニアでは原発建設計画が揺らいでいるが、今回の買収で海外事業の拡大に弾みを付ける。
  ホライズンの株主である独電力大手RWEとエーオンの2社はドイツ政府の脱原発政策を受け、売却先を探していた。日立は11月中に全株式を買い取る。羽生 正治執行役常務は記者会見で、買収額は「6億7000万ポンド(約850億円)」と明らかにした。(2012/10/30-19:51

本来のスポーツ施設へ Jヴィレッジ復興計画承認

Jヴィレッジを運営する「日本フットボールヴィレッジ」は30日、福島市で取締役会を開き、原発事故の収束作業の拠点となっているJヴィレッジを、本来のサッカーを中心としたスポーツ施設に戻すことを目指す復興計画を承認した。
 計画には、本格的な事業再開に伴う雇用の創出で地域に貢献することや、日本代表やJリーグの合宿を誘致して風評被害を払拭する一助となることなどの基本理念が盛り込まれた。
 終了後、記者会見した高田豊治副社長は、「施設周辺の空間線量は毎時0・1~0・3マイクロ・シーベルト程度と低い。きちんと除染すれば、合宿に も十分対応できる」と説明した。原発事故後、県内ではサッカー競技場が不足し、施設の利用再開を望む声が寄せられているという。
 ただ、タイムスケジュールについては、事故収束作業の進み方に影響されるとして、具体的な言及はなかった。
 高田副社長は「復興計画をつくることで、全国のサッカー関係者や地域住民に対して、Jヴィレッジは復興するんだというメッセージを発信したい」と話した。
20121031日  読売新聞)

除染、村民雇用義務付け 飯舘村で一部地域

原発事故による国直轄の除染作業が行われている飯舘村は、村の一部地域の除染について、受注業者に対し、村民を作業員として雇用することを義務付ける。30日に開かれた村議会臨時会で決定した。環境省によると、国直轄の除染で地元住民の雇用を義務付けるのは初めて。
 大手ゼネコンによる受注が多い除染では、「地元への経済効果が期待できない」との声があがっており、村の取り組みは注目を集めそうだ。
 村民の雇用を義務付ける除染の対象となるのは、村西部の須萱地区の約1万5000平方メートルで、工期は来年3月まで。村が国から委託を受ける形で発注する。入札で大手ゼネコン「大成建設」(東京都)への発注が決まり、作業費約15億5000万円は全額、国が負担する。
 同社は、作業員の一定人数を村振興公社を通じて雇う。公社で事前に希望者を募ったところ、建設業者や一般住民など約100人の応募があったという。
 国直轄で除染を行うのは計11市町村で、同村を含めた4市町村で作業が始まっている。
 同省は、受注業者に対し、下請けなどで地元業者を採用するよう促しているが、強制力はない。
 村は「国直轄の除染が終わっても、また除染が必要になるかもしれない。一時的な雇用だけでなく、村の除染産業の育成にもつなげたい」としている。
20121031日  読売新聞)

Jヴィレッジ再びサッカー施設へ 福島原発事故の対応拠点   2012/10/30 20:24

 東京電力福島第1原発事故の対応拠点になっている「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)の運営会社は30日、福島市で取締役会を開き、本来の役割であるサッカーのトレーニングセンターとして復活させることを目標とした計画案を承認した。
 高田豊治副社長は記者会見で「全国のサッカー関係者や福島県民にJヴィレッジが復興していくというメッセージを発信できる」と強調した。
 再開時期の見通しは示さなかったが「(機材や作業員の)中継基地としての役割が移転すれば復興できる。10年も考えていない。もっと早く復興させたい」と述べた。

石川のニュース 【10310336分更新】

北電、初の連続赤字 13年3月期予想

北陸電力は30日、2013年3月期の通期業績予想について連結の純損益が70億円 の赤字になると発表した。最終赤字は前期に続いてで、2期連続は初めて。赤字額は過去 最大となる。志賀原発の停止で火力発電を増発し、燃料費がかさんでいるのが要因で、節 電の影響などで販売電力量が減ることも影響するとみている。
 北電は通期の損益予想を未定としていたが、志賀原発は1号機直下の「S-1断層」の 再調査で今期中の停止が確定したため予想値を発表した。
 連結の純損失70億円は前期の52億8800万円から拡大する。経常損益は10億3 600万円の黒字から100億円の赤字に転じる見通し。売上高に当たる営業収益は48 50億円で、7月の前回予想から据え置いた。
 販売電力量は節電の影響や産業用の低下を見込み、前回予想から5億キロワット時減の 280億キロワット時と設定した。単体の損益予想は純損失が90億円、経常損失が13 0億円となる。
 久和進社長は電気料金について「収支は非常に厳しいが、値上げは社会全般、経済活動 に影響する。円高やデフレで不況が続いており、当面は現行料金の維持に努めたい」と述 べた。
九州電力、早ければ来春からの値上げを検討
(福岡県)
 「九州電力」は30日、記者会見を行い、電気料金の値上げに向けて具体的な検討に入ったことを明らかにした。実施時期や値上げ幅についてはこれから検討するとしているが、早ければ来年春からの値上げを見据えて検討する方針。  九州電力では、原発の停止による火力発電所の燃料費の増加などで、中間決算(今年4~9月)は1495億円の赤字になった。この状態が続けば、2014年度中に債務超過に陥る見通しになったとしている。  九州電力は、値上げの内容をできるだけ早いうちに詰め、国に申請する見通し。
[ 10/31 2:33 NEWS24]

日立が英の原発事業会社ホライズン買収、海外展開強化

2012103023:44 JST
[東京/ベルリン 30日 ロイター] 日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)は30日、英国で原子力発電所建設を計画している事業会社ホライズン・ニュークリア・パワーを買収すると正式に発表した。買収額は6億7000万ポンド(約854億円)。東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第一原発事故の影響で国内での原発新設が難しいなか、日立は買収により海外での事業拡大を図る。
日立は、ホライズンの株式を保有する独電力・エネルギー大手RWE(RWEG.DE: 株価, 企業情報, レポート)と同業エーオン(EONGn.DE: 株価, 企業情報, レポート) から全株式を取得し、11月中に買収を完了する予定。RWEとエーオンは買収額を6億9600万ポンドと発表したが、日立の羽生正治執行役常務によると、 その金額にはホライズンが保有する現金が含まれており、現金が両社に戻されるため、日立が拠出する買収費用は2600万ポンド下回る。
都内で会見した羽生常務は、買収目的について「発電所を建設する場が欲しかった」と説明。また、当初は出資比率が100%となるが、5年ほ どかかると想定している許認可取得後の原発建設時には出資パートナーを募る予定で、最終的には過半数の株式を売却したい意向を示した。高額になる原発建設 費用を抑えるとともに、日立が現状では事業として関われない電力会社などのパートナーを探す予定。
日立は今後、ホライズンの事業計画を引き継ぎ、英国の2カ所での130万キロワット級の改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を計4―6基建設する。このうち最初の1基は2020年代前半の運転開始を目指す。日立は原発建設と稼働後の保守・管理を請け負う方針。
原発建設費用は精査中として公表しなかった。原発の建設費は1基5000億円前後とされており、資金調達の具体的な手段については、財務アドバイザー(FA)のみずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)と米投資銀行エバコア・パートナーズと相談中で、政府系金融機関からの調達も検討する。羽生常務は、投資回収には18年程度かかる見通しで、出資と融資の割合は3対7を想定していると語った。
ホライズンはRWEとエーオン2社が出資し、英国で原発事業を展開するため2009年に設立した。しかしドイツ政府が脱原発政策に転じたのを受け、今年3月に売却する方針を表明、買い手を探していた。
日立は20年度の原子力事業の売上高を1600億円だった11年度に比べ、約2.3倍となる3600億円に増やす目標を掲げている。日立の 受注が内定していたリトアニアでの原発建設計画が10月の国民投票で反対多数となるなど、海外での事業環境も先行き不透明感が強まっており、今回のホライ ズン買収で海外開拓に弾みをつけたい考えだ。
(ロイターニュース 白木真紀;編集 大林優香)
*内容を追加して再送します。
日立、英原発事業開発会社のホライズンを買収
2012103021:53
 日立製作所は30日、英国の原子力発電事業開発会社であるホライズン・ニュークリア・パワー社をホライズン社の株主である独E.ONと 独RWEから買収することを決定し、ホライズン社の発行済み全株式に対する売買契約を締結したと発表した。今後、同契約に基づき、11月中の買収完了に向 けた手続きを進める。同買収により、日立は英国における新規原子力発電所建設プロジェクトを推進していく。
 また、建設プロジェクトの計 画・推進に向け、日立は英国の原子力業界有数のBabcock InternationalRolls Royce、カナダの建設エンジニアリング会社であるSNCLavalin社と協力覚書を締結した。日立は、日立GEニュークリア・エナジー社、GE日 立ニュークリア・エナジー社、グローバル・ニュークリア・フュエル社はもとより、世界中の原子力関連企業と協力し、同建設プロジェクトを進めていく。
  英国は低炭素社会の実現をめざし、2007年以降、原子力発電設備の導入を支持している。同国内では、現在16基の原子力発電設備が稼動し、同国内の全発 電電力量の約2割を供給しているが、既存設備の老朽化・建替時期の到来により、原子力発電設備の新規建設に向けた動きが今後活発化すると想定されている。
  今回のプロジェクトでは、ホライズン社が保有する英国内のアングルシー島ウィルファおよびグロスターシャー州オールドベリーの2ケ所において、1,300 メガワット級の原子力発電設備をそれぞれ23基建設する予定であり、そのうち最初の原子力発電所は2020年代前半の運転開始をめざしている。
 日立は、ホライズン社の買収が完了し次第、英国政府の炉型審査プロセスに入り、協力企業と共にプロジェクトの準備を進める。
  日立は、英国政府が推進する低炭素社会の実現に向けた政策に賛同し、今後ホライズン社を通じて英国における原子力発電所の建設を推進するにあたり、世界で 唯一運転実績を持つ第三世代の原子炉である改良型沸騰水型原子炉(ABWR)技術を用いた発電設備を建設していく。ABWRはすでに他の国々で型式認証を 取得している技術であり、日本では計画通りに建設された4基の稼働実績がある。
 建設段階では各予定地で建設作業員として5,000人から 6,000人、運営開始後はサイト毎に約1,000人の雇用を創出することを想定している。また、過去の経験に基づき、当初の建設では費用の約6割の資 材、人財およびサービスの調達を地域で行い、以降の建設ではその割合が増えると想定している。
 また、日立は英国においても建設工程を支え るモジュール式建設技術を導入し、英国にモジュール組立て施設を設立する。さらに、世界に通用する先進の原子力技術を普及すべく、地元の教育機関や英国内 の研究機関等と連携し、人財の育成や建設予定地の経済発展の一端を担っていく。

日立 英原発事業会社を買収へ

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日立 英原発事業会社を買収へ

大手電機メーカーの「日立製作所」は、海外での原子力発電事業を強化するため、イギリスで原発の建設を計画している発電会社を日本円にしておよそ850億円で買収すると発表しました。
発表によりますと「日立製作所」は、来月、ドイツの電力会社2社からイギリスの発電会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」のすべての株式を6億7000万ポンド(日本円でおよそ850億円)で買い取り傘下におさめます。
「ホライズン」は、イギリス国内の2か所で最大6基の原発の建設を計画していますが、親会社の2社は、本社のあるドイツで脱原発の動きが加速していることを受けて、株式の売却先を探していました。
日立は、今後、イギリス政府の認可を受けたうえで、自社のプラントを使った原発の建設を進め、2020年代前半の運転開始を目指す方針です。
日 立は、国内の原発事業の先行きが不透明さを増しているうえ、原発の建設工事の受注を目指しているリトアニアでは、国民投票で建設反対の票が多数を占めるな ど、国内外で事業が難航しています。こうしたなか、日立は今回の買収で事業を進めるためのノウハウを取得するなど、海外での原発事業を強化し、今後は先進 国だけでなく新興国などでの受注にもつなげたいとしています。
九電も料金値上げ表明 原発停止長期化で大幅赤字   2012/10/30 17:23

九電も料金値上げ表明 原発停止長期化で大幅赤字  九州電力の瓜生道明社長は30日の記者会見で、電気料金値上げについて「実施時期や幅の具体的な検討を始めた」と表明した。原発停止が長引き、火力発電に よる燃料費がかさみ、財務内容が悪化したと説明している。2012年9月中間連結決算は純損失1495億円と過去最悪だった。
 29日の関西電力に続く値上げ表明。全国の電力会社に値上げの動きが広がっており、利用者への影響が懸念される。
 九電の値上げが実施されれば1980年以来。瓜生社長は「原発が再稼働しなければ、通期(決算)も大幅な赤字は避けられない。経費の削減では対応は不可能だ」と理由を述べた。
【写真説明】 記者会見する九州電力の瓜生道明社長=30日午後、福岡市中央区
201210302150

消費者相、電気料金値上げ「適切に検証」


関西電力や九州電力など電力各社が家庭向け電気料金の値上げを検討していることについて、小平忠正消費者相は30日の記者会見で、「東京電力の値上げでの経験を踏まえ、申請内容を適切に検証していきたい」と述べ、消費者庁としても厳しくチェックする考えを示した。
 値上げは経済産業相が認可する仕組みだが、消費者相にも、経産相と共同で「物価問題に関する関係閣僚会議」にはかる権限がある。今春の東電の値上げ申請では、松原仁消費者相(当時)が原価に盛り込む人件費などの削減を強く求めたこともあり、値上げ幅の圧縮につながった。
 この日の会見で、小平氏は「経産省は業界との接点、窓口だが、消費者庁としては消費者の目線から適正な料金設定なのか検討していきたい」と語った。

幸せの学び:<その30> 漁師の妻の言葉=城島徹

20121031
日高町に隣接する由良町の雄大な海の景観
日高町に隣接する由良町の雄大な海の景観
「子孫にきれいな海を残すためにも原発には反対します」。この言葉を聞いていなければ、国や電力会社が 説く原発の「安全神話」をうのみにしていたかもしれない。四半世紀余り前のことだが、原発誘致に揺れ動いた和歌山県日高町で取材したとき、漁師の妻はそう つぶやいたのだ。現場で学んだ記憶をたどってみたい。
 紀伊半島では関西電力が5カ所で原発建設を計画した。日高町には1967年に構想が浮上。最初の場所で 計画が頓挫すると、75年には紀伊水道に突き出た小浦崎の先端に2基の原発を建設する計画が持ち上がった。建設に向けた調査に伴う漁業補償金など約7億円 が関電から示され、誘致の是非をめぐり地元は推進派と反対派に割れた。関電の接待や招待旅行もあって次第に反対派が切り崩され、人間関係もずたずたにな る。現地から約15キロの湯浅町に駐在していた私も応援取材に駆りだされた。
 84617日、農村環境改善センターで開かれた比井崎(ひいざき)漁協総会。興奮した面々が集まる 会場で組合員の妻(58)は控えめに口を開いた。「関電の招待でグリーン車に乗せてもらって福井の原発を見に行きました。でも良いところばっかり見せられ たように思えたし、何か気味の悪い印象を受けました」。分断された人々の苦悩が慎重な話しぶりにうかがえたが、その言葉をメモしながら思った。「えたいの 知れぬものを拒絶しようという直感ではないか」
 反対派の中心に「ハマちゃん」と呼ばれる漁師がいた。濱一己さん。人なつこい笑顔が印象的で、小浦崎か ら1キロも離れていない場所で民宿を営んでいた。「日高町原発反対連絡協議会」事務局長として運動をけん引し、京大原子炉実験所の小出裕章助教ら原発反対 派の研究者たちとも共闘するが、反対運動をズシリと下支えしたのは漁師の妻たちだった。(※文章は続きます。恐縮ですが、下の「次のページへ」をクリック してください)
日高町の原発は立地寸前のところで踏みとどまる。チェルノブイリ原発事故(86年)を契機に周辺自治体ま で反対運動が広がり、漁協は建設拒否を決定。90年に原発反対を掲げる町長の当選によって論争は収束に向かい、05年に国が小浦の「開発促進重要地点」指 定を解除したことでピリオドが打たれた。日高町はいま、きれいな海で取れる天然の高級魚クエが観光客の人気を集めている。
 福島の原発事故を経験したいま、原発が一基も建設されなかった紀伊半島で聞いた「きれいな海を守りたい」という言葉が青海原の光景とともによみがえる。【城島徹】

日立、原発会社850億円で買収 英国で最大6基建設

2012103017:20

 日立製作所は30日、英国の原子力発電事業会社の「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収すると正式に発表した。買収額は6億7000万ポン ド(約850億円)。東京電力福島第1原発事故を受け、日立は国内の原発事業が赤字に転落しており、海外に収益源を求める狙いだ。
 日立は、ホライズンの計画を引き継ぎ、英国の2カ所で130万キロワット級の原発を計4~6基建設する。最初の1基については2020年代前半の運転開始を目指す。
 ホライズンは、ドイツ電力大手のRWEとエーオンの2社が09年に設立したが、ドイツ政府の脱原発方針を受け、今年3月に売却する方針を表明していた。

原発事故予測訂正 規制委対応に不快感 新潟

2012.10.31 02:26
 ■首長ら「何の説明もない」
 東京電力柏崎刈羽原子力発電所の事故発生時の放射性物質拡散シミュレーションが訂正されたのを受け、 新たに拡散範囲に入った見附市など関係自治体の首長は30日、相次いで記者会見し、「国からは何の説明もない」などと不信感をあらわにした。訂正発表直前 の29日午後に原子力規制委員会を訪問していた泉田裕彦知事も30日の会見で、事務局である原子力規制庁の長官らとの会談時に今回のデータの誤りによる修 正について一切言及がなかったことを指摘し、強い不快感を示した。
                   ◇
 規制委の訂正で柏崎刈羽原発から30キロを超える地点に新たに加わった見附市の久住時男市長は会見し、「今回の件は残念。組織として整理し、私どものよりどころになる組織になってほしい」と注文をつけた。
 拡散範囲のうち最も遠い地点が魚沼市から長岡市に変更され、範囲が拡大した長岡市の森民夫市長も会見した。森市長は「社会的影響や市民の不安に極めて鈍感。シミュレーションを出すなら対応策をセットで出すべきだ」と批判した。
 県内市町村は11月2日に研究会を予定通り開き、原子力防災計画を策定する際の共通概念をまとめる方針だが、拡散シミュレーションをめぐる混乱により、各市町村が来年3月の計画策定を目指して独自に進める作業に影響が及びそうだ。
 一方、泉田知事は会見で規制委について「信頼に足る組織かどうか疑問符が付きかねない事態だ」とこき下ろした。泉田知事は今月29日に上京し、規制庁の池田克彦長官と会談したほか、規制委の田中俊一委員長とも面会したが、両者から訂正についての報告はなかったという。
 泉田知事は「報告を受けていながら言及しなかったとしたら、住民の安全に対する意識を欠いている」と怒りを爆発。長官らに報告が伝わった経緯などを確認した上で、規制委に改善を求める考えだ。

知事選あす告示 現新の一騎打ちか 福田県政2期どう評価 栃木

2012.10.31 02:27
 任期満了に伴う知事選は11月1日、告示される。これまでに立候補を表明したのは3選を目指す無所属現職の福田富一氏(59)=自民、公明推薦= と共産新人の元県議、野村節子氏(59)の2人。福田氏は2期8年の実績を基に、東日本大震災からの復興と「災害に強いとちぎづくり」を掲げ、野村氏は原 発ゼロを訴え、「県民に冷たい県政から温かい県政に」と、福田県政を批判する。両氏の現新一騎打ちになる公算が大きく、現職と共産新人との戦いは、平成 20年の前回選挙と同じ構図。
                   ◇
 東日本大震災や福島第1原発事故に伴う風評被害からの復興への取り組み、防災や地域経済振興などを含め、福田県政2期8年の評価が主な争点となる。
 5月下旬に立候補を表明した福田氏は、旧49市町村単位に地区後援会を組織し自民党県議を中心に、市町議、首長らが選対幹部を構成。態勢づくりに余念がない。福田氏は既に地区後援会が開催する集会などに全て顔を出し、告示に向けて万全の準備を整えている。
  選挙戦について、陣営の選対本部長、石坂真一自民党県連幹事長は「福田知事本人が今後4年間に何をするかを訴え、県民に聞いてもらうことに尽きる」と、有 権者に政策を評価してもらうことで、投票行動に結びつけたい意向だ。それが懸案の投票率のアップにつながり、ひいては福田氏の信任を厚いものにするとの狙 いがある。
 一方の野村氏は「県民が主人公の温かい県政を」と訴える。福田知事が県財政の再建を目指し策定した「とちぎ未来開拓プログラム」による支出削減で、保育や福祉サービスが切り捨てられたと批判している。
  さらに陣営では「原発ゼロ」「消費税増税と環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加反対」など国政問題も選挙戦の争点に浮上させたい意向だ。陣営の選対 本部長、小林年治党県委員長は「間もなくある衆院選で大きな国政の問題となることに、県民が審判を下せる」と述べ、「県民の立場で政治をするのは誰かと考 えれば、知事選でも国政選でもおのずと答えは出てくる」と自信を示している。
 有権者数は男80万6847人、女82万3340人の計163万187人(9月2日現在)。

九電、10%値上げへ 中間決算 1495億円の赤字、過去最悪

2012.10.31 02:17
 九州電力の瓜生道明社長は30日の記者会見で、電気料金値上げについて「実施時期や幅の具体的な検討を始めた」と正式に表明した。昨年末から全原 発が停止し、火力発電の燃料費がかさみ財務内容が悪化した。11月末にも10%の値上げを経済産業省に申請し、来年4月からの値上げに踏み切る見通し。同 日発表した平成24年9月中間連結決算は過去最悪となる1495億円の最終赤字だった。
 九電関係者によると、10%の値上げは一般家庭用として検討しており、大口向けはこれを上回る値上げとなる見込み。九電の電気料金値上げは昭和55年以来となる。
 瓜生氏は「原発が再稼働しなければ、通期(25年3月期)決算は4千億円を超える赤字となる」と明言。「経費削減も進めるが、現実的に対応が不可能な水準だ」と語り、値上げへの理解を求めた。
  電気料金値上げは九州産業界への打撃も大きい。瓜生氏は「特に電気使用量の多い業種の場合、九州からの撤退もあるかもしれない。経済が沈滞する恐れもある と思う」と強い懸念を表明した。その上で「九州電力が破綻すれば電力の供給ができなくなり、お客さまに与える影響はより深刻だ。原発が動いて私どもの体力 が戻るまで値上げをお願いするしかないと思っている」と述べた。
 九電は値上げ申請に合わせて、さらなる人件費削減や遊休資産売却などを進める方針。
 九電の中間決算は売上高が前年同期比2・8%増の7630億円だったが、原発停止に伴い燃料費や他社からの購入電力料が計2500億円増加した。7~18%のボーナスカットや設備投資見直しなどを進めたが、コスト削減は51億円にすぎなかった。
 25年3月期の業績予想は「原発の運転再開時期が不透明」だとして公表を見送ったが、年間配当はゼロになる見込み。このまま原発ゼロが続けば、九電は26年度の早い時期にも債務超過に陥り、資金調達は極めて困難になる。

震災関連死2303人に 9月末時点、福島県内が半数

2012/10/31 2:17
平野達男復興相は30日、東日本大震災をきっかけに体調を崩して亡くなり「震災関連死」と認定された人が9月末までに全国で2303人に達し、うち福島県内は1121人だったことを明らかにした。福島県庁で佐藤雄平知事と会談した後、記者団に述べた。
 平野氏は福島県が約半数を占めたことを「深刻な事態」と指摘。復興庁と県による対策チームを設置することで佐藤知事と合意したと説明した。
 復興庁によると、3月末時点で認定された関連死は1632人だったが、その後市町村の把握が進んだ。震災から1年以上たって亡くなったのは40人で、うち福島県内は35人だった。
 平野氏は「東京電力福島第1原発の事故により福島県では避難の距離が長くなり、何回も転々としたことが背景にある」と分析している。
 会談では、福島県の再生に向けて企業を誘致する補助金についても意見交換。平野氏は来年度以降、津波や原発事故の影響がない地域は対象外とするよう提案したのに対し、佐藤知事は引き続き県全域を対象とするよう求めた。〔共同〕

米ハリケーン、東部で原発3基停止 「安全な状態」

2012/10/31 2:09
【ニューヨーク=小川義也】米原子力規制委員会(NRC)は30日、ハリケーンから強い温帯低気圧に変わった「サンディ」の影響で、 ニューヨーク州とニュージャージー州にある3つの原子力発電所が稼働を停止したと発表した。強風による送電網の不具合や高潮による水位の上昇が原因とみら れるが、いずれの原発も「安全な状態にある」という。周辺水位が異常に上昇し、29日夜に警戒宣言が出されたニュージャージー州の別の原発についても引き 続き監視を続けている。
 運転を停止したのは、インディアンポイント原発3号機(ニューヨーク州)、ナインマイルポイント原発1号機(同)、セーレム原発1号機 (ニュージャージー州)の3基。NRCによると、インディアンポイント原発とナインマイルポイント原発は自動停止、セーレム原発は手動で運転を停止したと いう。
 29日夜に警戒宣言を出したニュージャージー州のオイスタークリーク原発の警戒レベルは4段階あるNRCの基準の下から2番目。同原発は燃 料補給と定期点検のため休止中。使用済み核燃料の通常の方法による冷却に支障が出る可能性があるが、30日午前現在、同原発も「安全な状態にある」として いる。
 NRCはサンディの影響を受ける可能性があるニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルベニア、コネティカット、メリーランド各州の合計9つの原発について態勢を強化して監視を続けている。

米原子炉2基が停止=冷却ポンプ故障など

 【ニューヨーク時事】米原発運営会社PSEGニュークリアは30日、ニュージャージー州のセーレム原発の冷却水循環ポンプ六つのうち四つがハリケーン「サンディ」の影響で機能しなくなったとして、同日未明に原子炉2基のうち1号機を手動停止したと発表した。
 停止作業中、原子炉に問題は発生せず、停止後も安定している。2号機は燃料装填(そうてん)のため今月14日から停止中だった。
  一方、電力大手エンタジーは30日の声明で、ニューヨーク州のインディアンポイント原発3号機が29日夜、電気システムの不具合が原因で自動停止したこと を明らかにした。放射能漏れはなく、作業員や周辺住民の安全に影響はないとしている。不具合と「サンディ」との因果関係は不明。(2012/10 /31-01:23

放射性物質の拡散予測ミス、規制委に批判相次ぐ

2012/10/31 1:22
原子力規制委員会による放射性物質の拡散予測の地図に訂正が相次いだ問題を受け、事務局である原子力規制庁の森本英香次長は30日、「2 週間後をメドに原因を究明する」と語り、再発防止策もまとめる考えを示した。拡散予測は原発周辺の地方自治体が防災計画を作る際に参考にする重要な情報。 規制委は火消しを急ぐが、能力不足への懸念も強まっている。
 森本氏は記者会見で「(能力が足りないといわれれば)指摘の通り」と認め、関係する自治体を中心に「ご迷惑をおかけしたことを改めておわび する」と陳謝した。実際に拡散予測を作成した独立行政法人「原子力安全基盤機構(JNES)」に対し報告を求めることも明らかにした。規制庁はJNESへ の業務の委託状況も含めて内部管理体制を再点検する。
 6原発で高い放射線量の地点のずれなどがあった地図の誤りに気付いたのは北陸電力。北陸電は規制庁に志賀原発(石川県)の気象データを提供 しており「(風向きと)予測地図が異なるのではないか」と連絡したという。規制庁が安全対策を指導しなければならない電力会社からミスを指摘される失態 に、政府内からも「極めて残念」(藤村修官房長官)などと厳しい声が広がる。
 地図上の訂正の対象となった自治体からも批判が相次いだ。泉田裕彦新潟県知事は「規制委の能力に疑問符がつくことになりかねない」と懸念を 表明。長岡市の森民夫市長は30日午前の記者会見で「(規制委から)今日になっても謝罪の電話1本ないのは常識がない」と切り捨てた。原子力規制庁は「新 潟県には連絡した」(原子力防災課)と釈明。市町村には県から説明してもらうとの考えが背景にあり、直接の連絡を求める市町村との認識にずれがある。
 9月に発足した規制委では田中俊一委員長を含む5人の委員人事が国会の同意を得ていない状態が続く。独立性を保つうえで情報の収集や公開の 能力に疑問符がつけば、原子力行政への信頼回復は遠い。藤村官房長官は「さらなる混乱を招くことのないよう真摯かつ丁寧な説明をしていただきたい」と注文 をつけた。
日立、英原発事業会社・ホライズンを買収
(東京都)
 「日立製作所」は30日、イギリスの原子力発電事業会社「ホライズン」を、株主であるドイツの電力大手2社から約850億円で買収すると発 表した。  ホライズンがイギリス国内に保有する2か所の土地に、原子力発電所を4基から6基建設する予定で、2020年代前半の運転開始を目指している。  今回のプロジェクトは、ドイツが脱原発路線に転換し、株主の2社が手放すことになったことから、日立製作所が買収に名乗りを上げたもの。日本では新規の 原発建設が厳しい中、海外での展開を進めていきたい考え。  これを受けて、枝野経産相は、今回の買収を歓迎するコメントを発表した。枝野氏は、福島第一原発事故の経験と教訓を世界と共有することで、原子力安全の 向上に貢献していくことは、政府として責務だとした上で、「日立がホライズン・ニュークリア・パワー社を通じて、原子力安全の向上に貢献することを期待し ている」としている。
[ 10/30 23:44 NEWS24]
2012103115

線量管理「不適切」19件 東電・元請けに調査指示


【多田敏男】東京電力福島第一原発の被曝(ひばく)隠し問題で、厚生労働省は30日、データの誤入力や線量計の未装着など19件の不適切な事例が新たに見つかったと発表した。ただ、調査対象は極めて限定的で、全容解明にはほど遠い内容だ。
 鉛カバーで線量計を覆う被曝隠しが7月に発覚したことを受け、東電は27件の不適切事例があったと発表していた。その後、厚労省は昨年11月から今年6 月までに高線量の場所で働いた作業員のうち、電子型とバッジ型の線量計をともにつけていた延べ1813人を独自に抽出。両線量計の記録が25%以上差があ る28人に絞って聞き取りした。そのうち19人について、大手建設会社の担当者がデータを誤入力したり、線量計を外して作業したりする問題が発覚した。厚 労省は「調査人員に限りがあり、特に疑わしい事例しか調べなかった」としている。
 厚労省は30日付で東電と元請け37社にデータの調査や再発防止を指示した。

再び国内稼働ゼロの可能性も 規制委、大飯原発を2日調査

2012.10.31 00:29 1/2ページ)
 原子力規制委員会は11月2日、国内で唯一稼働している関西電力大飯原発(福井県)に調査団を派遣し、敷地内にある断層が活断層かどうか調べる。 今回の調査団には原発内の断層の危険性を強く訴える学者も参加。規制委は4日の会合で調査結果を評価し、活断層である可能性が高ければ、運転停止を求める 方針で、国内の稼働原発は再びゼロとなる可能性がある。一方で、規制委が停止命令を出す際の法的根拠はあいまいなままで、どう判断するかに注目が集まる。
 調査団のメンバーは、規制委の島崎邦彦委員長代理(地震学)を中心に5人の専門家で構成される。その中で目を引くのが、国の審査の甘さを指摘し続けてきた渡辺満久・東洋大教授(変動地形学)だ。
  大飯原発では、F-6断層と呼ばれる破砕帯が、2号機と3号機の間にあり、非常時に冷却用の海水を取り込むための重要施設「非常用取水路」の直下を通る。 渡辺氏は自身の論文などで活断層ではないとする関電の主張をことごとく否定。「活断層の可能性を否定できない」と再調査を求めてきた。
 規制委が渡辺氏を調査団に加えたのは、危険性を指摘する専門家も入れることで調査の客観性を高める狙いからだ。10月23日に行われた調査の事前会合では、渡辺氏が「少なくとも活断層かどうか白黒つけるべきだ」と発言するなど存在感を示している。
 これに対し、規制委の田中俊一委員長は、活断層の判断について、明確な根拠のある「黒」だけでなく、明確ではない「濃いグレー」でも原発の運転停 止を求めることを明言。エネルギー政策や経済的問題などを考慮せず、安全かどうかだけで判断し必要ならば運転停止を求める構えだ。
 規制委は来年7月までに策定する新安全基準で運転停止命令を出せるようにする。だが、現時点では規制委が強制力を持って運転停止を命令できる明確な法的根拠はない。
 この点について、規制委事務局である原子力規制庁の森本英香次長は権限の曖昧さを認めた上で、「これからの議論だ」と述べ、原子炉等規制法の準用や行政指導による要請を視野に入れている。
 炉規法では「急迫した危険がある場合」に必要な措置を命ずることができる規定はあるが、地震はいつ起きるか分からず、活断層があるだけでは急迫性を判断するのは困難とみられる。
 規制委は大飯原発の調査後、北陸電力志賀原発(石川県)、日本原子力発電敦賀原発(福井県)など5施設の断層調査を予定。活断層があると判定された場合、いかなる根拠で停止命令を下せるかも大きなポイントだ。(原子力取材班)

原発のまちから豊橋へ(下)

人の思いやりや優しさに触れる。次第に前向きになれた
2012/10/31
 青木さんにどうしても訊(たず)ねたいことがあった。「原発についてどう思っているのか」。 小学校の教員時代に、社会科見学で原発を見に行った。児童たちの前で、職員が「原発は絶対安全です」と説明をしていた。福島の人々は子どもの頃から“原発は安全...
家族で城見物に行った時のもの

「慈しみを受けて」の書。何度か書き直した

2012/11/01 憲法を考える講演とお芝居の夕べ(東京・池袋)

「憲法を考える講演とお芝居の夕べ」
生かそう憲法!暮らしの中へ
脱原発!反貧困・格差!消費税増税反対!
昨年秋から精力的に国会で「憲法審査会」が開かれ、この国を再編しようと、憲法
「改正」の準備がなされています。原発、貧困格差問題は何ひとつ解決されないまま、原発再稼働、オスプレイ配備、消費増税、そしてその先に戦争の出来る国 づくりのための憲法改悪が待ち受けています。身近な問題を風刺と笑いで展開する憲法劇の上演とジャーナリストの立場から分かり易く憲法の現状を語られる山 口正紀氏の解説と講演、福島からの報告です。この機会にぜひ憲法について一緒に考えてみませんか!
日時:2012年11月1日(木)18時30分開会(18時開場)
場所:豊島区民センター(コア池袋)6階文化ホール
JR池袋駅東口下車徒歩5分、 豊島公会堂(みらい座いけぶくろ)となり
参加費:前売券1000円(当日券1300円)
(申込先:呼び掛け人 または 吉田雅明 ☎090―1663―4538)   
<プログラム> 憲法の歌、闘い・平和の歌/憲法劇「お父さんは正義の味方っ!」新改訂版上演(「憲法寄席」創作集団)/講演 「今、憲法が危ない」 山口正紀(ジャーナリスト)/福島からの報告「脱原発を目指して」(木田節子)/挨拶・アピール

呼びかけ人 石川大我(豊島区議会議員)/栗木黛子(元大学教授)/小泉尚之(北部労協議長)/嶋根徹(東京清掃第4地連議長)/広田貞治(元都議会議 員)/藤生敏晴(平和憲法を守る豊島の会)/水谷泉(前豊島区議会議員)/村上典子(豊島区議会議員)/山口菊子(豊島区議会議員) 敬称略 50音順 
 韓国  20121031日(水曜日)
小型原発技術を米に初輸出、韓電原子力燃料[公益]
韓国の原子力技術が、初めて米国に輸出される。米国で開発中の小……

九電、財務悪化止まらず 電気料金値上げ申請へ

2012/10/31 0:06
九州電力は30日、電気料金の値上げを政府に申請する方針を表明した。九電が保有する全ての原子力発電所の運転停止で燃料費が膨らみ、 2013年3月期には4千億円規模の赤字になる見通しなど、財務悪化に歯止めがかからないためだ。九電は値上げへの理解を得るため、人件費などのコスト削 減の取りまとめを急ぐが、抜本的な打開策には程遠い。
 「内部留保をみると14年度に入って早いうちに債務超過になる」――。瓜生道明社長は30日の記者会見で、値上げの申請に踏み切る理由をこう説明した。
 同日発表した12年4~9月期の連結決算は、燃料費や購入電力料が1772億円(単体)増えたことが響き、最終損益が1495億円の赤字 (前年同期は133億円赤字)。電力会社は電力需要が減少する下半期の方が業績が悪くなることを考慮すると、13年3月通期の連結最終赤字は4千億円規模 となる見通しだ。
 原発が再稼働しない状況が続けば8881億円(12年3月期末)にのぼった純資産を2年強で食いつぶす――。経営破綻への危機感が、当初は「最後の手段」(瓜生社長)としていた値上げ申請に追い込んだ。
 値上げへの理解を得るために、取締役の役員報酬の削減幅を現在の35%から50%に引き上げるとともに、人件費削減にも乗り出す見通しだ。ただ、経営合理化に向けた余地はそれほど多く残されていない。
 12年3月期の九電単体の人件費は1679億円。仮に人件費を2割削減したとしても、削減により得られる資金は約340億円にすぎない。 「政府の命令で原発を止めたことで業績が悪化しているなか、大幅に人件費を削減すれば従業員の士気が持たない」(九電幹部)との声も漏れる。
 赤字を解消するためには電気料金を3割程度引き上げる必要があるが、政府は値上げ幅が妥当かどうかを厳しく査定する方針で、申請通り値上げが実現できるかは不透明だ。
 九電は、発電電力量に占める原発比率を10年度の39%から20年度に50%に引き上げる計画を掲げたままだが、その見直しにも「現時点ではまだ時間がかかる」(瓜生社長)のが実情だ。打つ手が限られている中、九電は難しいかじ取りが迫られる。
'12/10/31

九電、料金値上げ表明 原発停止で燃料費かさむ

九州電力の社長は30日の記者会見で、電気料金値上げについて「実施時期や幅の具体的な検討を始めた」と表明した。原発停止が長引き、火力発電による燃料費がかさみ、財務内容が悪化したと説明している。2012年9月中間連結決算は純損失1495億円と過去最悪だった。
 29日の関西電力に続く値上げ表明。原発の比率が高い北海道電力、四国電力も検討するなど値上げの動きが広がっており、利用者への影響が懸念される。
 九電は11月中にも政府に値上げを申請し、来春からの実施を目指す。実施されれば1980年以来、33年ぶり。瓜生社長は「原発が再稼働しなければ、通期(決算)も大幅な赤字は避けられない。経費の削減では対応は不可能だ」と理由を述べた。
 上げ幅については「(原価の算定期間である)3年間で原発再稼働をどう織り込むかを今後検討する」と語った。九電は家庭向けで10%を軸に調整し、政府の認可が必要ない企業向けも値上げを検討する。
 中間決算では、燃料費と購入電力料が前年同期より計1772億円増加した。瓜生社長は原発停止が続けば、14年度には債務超過に陥るとの見方を示した。
 九電は既に発表している1200億円規模の経費削減策に加え、数百億円の上積みを目指す。人件費は「しっかりした切り込みをせざるを得ない」として、社員給与や役員報酬の削減を検討する。
 13年3月期の業績予想や配当予想は未定としたが、値上げを前提に配当するのは困難として、年間を通して無配とする方針だ。

福島原発作業員の線量計データ19件「不適切」 厚労省調査

2012.10.30 18:40
 東京電力福島第1原発の復旧作業員が線量計を鉛板カバーで覆っていた問題を受け、厚生労働省は30日、作業員の線量計データの不適切な管理が下請け会社7社で計19件あったことを明らかにした。
  厚労省は、昨年11月~今年6月までの間に、1カ月間の被爆量が5ミリシーベルトを超える作業を行っていた作業員の線量計データを分析するよう東電に指 示。東電は、のべ1813件のデータのうち8社28件の線量計測定値に疑義があると報告した。厚労省がこの28件についてヒアリング調査などで調べたとこ ろ、2件でデータ入力時の誤りが見つかり、線量計の使用方法ミスによるデータの誤りなどを含め、計19件が不適切だった。
 厚労省は同日、東電と復旧作業に携わった下請け会社37社に線量計やデータを正しく管理するよう指導。「鉛板カバーをつけるなどの意図的なケースは見つからなかったが、今後も調査したい」としている。

拡散予測ミス、再発防止策作りへ…原子力規制庁

原子力規制委員会が原発事故時に放射性物質が拡散する範囲を予測したシミュレーションの一部を訂正した問題で、事務局の原子力規制庁は30日、記者会見を開いて原因究明と再発防止策作りを行うと発表した。
 2週間以内に規制委の田中俊一委員長に報告する。規制庁の森本英香次長は「チェック体制が甘かった」と改めて謝罪した。
 今月24日公表されたシミュレーションは、電力会社が各原発の敷地で測定した16方位の風向きや降雨量などの気象データをもとに、国際原子力機関(IAEA)が避難基準とする7日間の積算線量が100ミリ・シーベルトに達する地域を方位ごとに地図で示した。
 しかし規制委によると、実際に作成したのは、規制委が委託した独立行政法人「原子力安全基盤機構」(東京)で、規制庁はシミュレーション結果を照合・確認することはせず、生のデータも持っていなかった。
201210302341分  読売新聞)

リトアニア「次期首相」が原発建設「計画に反対」 日本の情報開示に不満

2012.10.30 23:39 1/2ページ)
 【ビリニュス=佐々木正明】リトアニア議会選で勝利をおさめ、次期首相就任が確実視される野党、社会民主党のブトケビチュス党首(63)は29 日、首都ビリニュス市内で産経新聞の取材に応じ、同国北東部ビサギナスで計画されている日立製作所製の原発建設について“練り直す”考えを示した。また、 「われわれは新しいエネルギー戦略を準備している」と語った。
 東京電力福島第1原発事故後、初の日本メーカーの原発プラント輸出となる建 設計画について、ブトケビチュス氏は「われわれは原子力エネルギーに反対しているのではなく、(現政府が立案した)この計画に反対しているのだ」と説明し た。ただ、建設計画の存廃については明言しなかった。
 反対理由についてブトケビチュス氏は、計画の総事業費や詳細な工程が明確でないことを挙げた。また、「われわれは今後、専門家から意見を聞き、エネルギー分野の問題点について議論する」と述べた。
社会民主党はエネルギー資源に関して「実現に最も迅速性がある」として、他のバルト国家を巻き込んだ液化天然ガス(LNG)プラントの建設にも関心を示している。
 ブトケビチュス氏は福島第1原発事故について「日本政府は十分な情報開示を行っていない」と日本の対応に不満を示した。その上で「(日本の)野党の意見を聞いてみたい」と述べた。
 リトアニアで14日と28日に行われた議会選で社会民主党は与党、祖国同盟・キリスト教民主党を抜いて第一党に躍り出た。連携を深めてきた労働党と「秩序と公正」を含めた野党3党の議席数は、新内閣発足に必要な過半数に達した。



原発廃炉の専門機関設置を / 原子力委が見解案
 原子力委員会(近藤駿介委員長)は30日、東京電力福島第1原発事故の廃炉計画について、将来的には廃炉の専門機関を設置することや、新たな自然災害に備えた安全対策を国や東電に求める見解案をまとめた。今後、国民からの意見を聞いた上で、正式な見解とする。
 案は、廃炉計画が効果的に実施されているかをチェックする第三者機関をつくり、進捗状況などを定期的に住民に説明するよう求めた。その上で、廃炉専門機関などの最適な運営体制を確立するべきだとしている。
原子炉の冷却設備や使用済み燃料プールの安全対策は、自然災害に備え絶えず見直すよう求めている。
201210301320

九電も値上げ表明 地域間料金差、変動の恐れも

2012/10/30 23:03
九州電力が30日、電気料金を引き上げる方針を明らかにした。前日には関西電力が値上げを表明。原子力発電の比率が高い2社はこれまで相 対的に電気料金が安かったが、原発停止の影響で収益が急速に悪化し、値上げに追い込まれた。地域間の電気料金格差が大きく変動し、工場やオフィスなどの顧 客離れが加速する可能性もある。
 瓜生道明社長は同日の決算会見で、料金引き上げについて「申請をしないという選択肢は難しい」と強調。原発が再稼働しない状況では「財務体質が極めて厳しく、電力の安定供給に支障をきたす」と説明した。
 値上げ時期や値上げ幅については、今後の収支や原発再稼働の見通しなどを見ながら決めるが、家庭用で10%前後、企業向けで20%超を軸に検討するとみられる。11月末にも政府に申請し、来年4月からの実施を目指すとみられる。
 値上げを巡っては東京電力が4月以降に実施済みで、値上げ幅は企業向けが14.9%、家庭用が8.46%。検討に着手した関電は時期、値上 げ幅ともに固めていないが、企業向けで2~3割、家庭用で1割強の値上げ幅となりそうだ。北海道、東北、四国の3電力も値上げを検討中だ。
 原発比率が低い中部、中国、北陸の3電力は値上げしない方針。原発がない沖縄電力も同様だ。このうち水力比率が高い北陸電以外は火力の比率 が相対的に高いため、電気料金も高めだった。しかし、関電や九電が値上げしたあとは、料金の格差が縮小あるいは逆転する可能性がある。
 九州経済同友会の石原進代表委員(九州旅客鉄道会長)は「企業の海外流出、倒産をもたらし雇用の喪失に結びつく」と懸念を表明。超円高など に対応するため九州への生産シフトを進めていた日産自動車の幹部は「ライバルである韓国・現代自動車との差が開く」と危機感を募らせる。
 電力各社の料金格差が変動することで、ほかの電力会社に購入先を切り替える「越境契約」が進む可能性もある。

九電も料金値上げ表明 原発停止長期化で大幅赤字

 記者会見する九州電力の瓜生道明社長=30日午後、福岡市中央区


 九州電力の瓜生道明社長は30日の記者会見で、電気料金値上げについて「実施時期や幅の具体的な検討を始めた」 と表明した。原発停止が長引き、火力発電による燃料費がかさみ、財務内容が悪化したと説明している。2012年9月中間連結決算は純損失1495億円と過 去最悪だった。
 29日の関西電力に続く値上げ表明。全国の電力会社に値上げの動きが広がっており、利用者への影響が懸念される。
 九電の値上げが実施されれば1980年以来。瓜生社長は「原発が再稼働しなければ、通期(決算)も大幅な赤字は避けられない。経費の削減では対応は不可能だ」と理由を述べた。
2012/10/30 17:23   【共同通信

【リトアニア議会選】政権交代!原発建設に影響

 2012103023:00 
67議席をめぐって決選投票
バルト三国のリトアニアで28日、議会選(定数141)の決選投票が行われた。投票が締め切られる20時の1時間前までに260万人、約30%の有権者が投票を終えた。これは、2週間前に行われた第1回投票よりもはるかに低い投票率である。

14
日の第1回投票では73議席が確定し、野党・労働党と社会民主党が12位を占めた。第2回投票の暫定集計結果によると、中道左派の社会民主党が38議席を獲得し、第1党となった。
リトアニア議会選
Image:Andrius Kubilius by Baltic Development Forum次期首相には社会民主党のブトケビチウス党首が就任する見通し。おそらく社民党は29議席を獲得した左派・労働党と11議席を獲得したロランダス・パスカス元大統領率いる「秩序と公正」と連立政権を組むことが予想される。
クビリウス首相率いる与党、祖国同盟・キリスト教民主党は緊縮政策が反発を受けて33議席にとどまり、第2党に転落した。
新政府は原発建設に反対
連立を組む野党3党は、国内での根本的な政策転換を表明している。特に、最低賃金の引き上げや低いエネルギー価格、所得税における累進課税を約束。
リトアニアでは、第1回投票が行われた14日に原発の是非を問う国民投票も同時に行われ、反対が63%に上った。この原発建設にあたっては、日立製作所が建設事業権を取得している。
1党になる社会民主党のブトケビチウス党首は、第1回投票後、原発建設を推進しない立場を明らかにしていた。

外部リンク
ドイツ国営放送ARDターゲスシャウ
http://www.tagesschau.de/ausland/litauen140.html
日立、英原発事業会社を11月中に買収へ 買収額はおよそ850億円
日立製作所は、イギリスの原発事業会社を11月中に買収することを発表した。
日立が買収するのは、イギリスの原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」で、11月中の買収完了を目指す。
買収額は67,000万ポンド、日本円でおよそ850億円にのぼる。
羽生常務は「ホライズンを買って、日立が原子力発電事業をやると申し上げているのではない。基本的に私どもはプラントメーカー。発電所を造る場が欲しいというのが一番の理由」と述べた。
日立はホライズンの事業を引き継ぎ、イギリス国内の2カ所で、あわせて4基から6基の原子炉を建設する予定で、早いもので2020年代前半の運転開始を見込んでいる。
東京電力・福島第1原発の事故により、国内での事業拡大が困難なため、海外での事業展開を加速させたい狙い。
(10/30 18:23

福島第一作業員の被曝線量、不適切な管理19件

東京電力福島第一原発事故の復旧現場で、福島県の建設会社が作業員の線量計を鉛のカバーで覆わせていた問題を受け、厚生労働省が行った作業員の線量管理の実態調査の結果が30日、公表された。
 鉛のカバーのような意図的な線量の隠蔽はなかったが、線量の誤入力など、19件の不適切な管理の事例があり、同省は東電や主要な元請け37社に再発防止を指導した。
 調査は、昨年11月から今年6月にかけて、1か月当たり5ミリ・シーベルトを超えて被曝した延べ1813人の作業員を対象に行った。
 作業員は、作業日ごとの被曝線量の記録用と、1か月間の累積被曝線量の記録用の二つの線量計で線量を管理。調査では、両方の線量計の差が25%以 上ある不審な事例が28件見つかった。うち19件では累積被曝線量を誤って少なくデータ入力するなどの不適切な事例があったが、意図的な隠蔽までは認めら れなかった。
201210302258分  読売新聞)
拡散予測にミス 原子力規制庁長官、JNESに再発防止策報告を指示
原発事故を想定した放射性物質の拡散予測が誤っていたことを受け、原子力規制庁の池田長官は、作成したJNES(原子力安全基盤機構)に対し、再発防止策を2週間以内に報告するよう指示した。
この問題は、先週規制庁が発表した放射性物質の拡散予測の方向や数値に誤りがあったとして29日、訂正したもの。
この事態を受け、原子力規制庁の池田長官は、シミュレーションの試算をしたJNESに対して、原因究明と再発防止策について2週間以内に報告するよう指示したという。
また、原子力規制庁としても、JNESが作成した資料が間違っているという疑いを持たずに公表し、自治体を混乱させたとして、チェック体制を含めて、再発防止策を2週間以内に公表するとしている。
予測結果の訂正については、来週、影響が大きかった新潟県の魚沼市や長岡市などを規制庁の職員が直接訪れて、説明や謝罪をする方針。
(10/30 19:45
江田幹事長、第3極結集には消費税と原発政策の一致必要との考え
みんなの党の江田幹事長は、30日の記者会見で、東京都の石原知事が目指す第3極の結集のためには、少なくとも消費税や原発政策の政策で一致することが必要との考えを示した。
み んな・江田幹事長は「この消費税の問題や原発の問題は決して小異ではない。現下の最重要課題だ。こうした問題をゆるがせにして連携をするということは、あ りません」と述べ、石原知事が結成する新党との連携や、第3極の結集について、少なくとも消費税と原発政策の一致が必要だとの認識を示した。
みんなの党が「脱原発」、「消費税増税反対」を掲げているのに対し、石原新党の母体となるたちあがれ日本は、原発や消費税増税を容認している。
江田幹事長は、基本政策が一致しない場合、「どの政党が政権をとっても、途端に内輪もめが起きる」と指摘したうえで、みんなの党の渡辺代表が、石原知事の話を聞くことは「やぶさかではない」と述べた。
(10/30 18:55



上期大赤字の関西電力は料金値上げ方針表明(1) - 12/10/30 | 22:29


 関西電力が電気料金値上げについて「検討を始めた」と正式表明した。家庭向け、企業向けとも同時の値上げとする方針。規制分野である家庭向けでは国の認可が必要であり、申請に向けた手続きに入る。
 10月29日の定例会見で、八木誠社長は「大飯発電所3、4号機に続く再稼働ができない状況が今後も続くと、財務体質が大幅に悪化し、電気の安定供給に支障をきたしかねない」などと、値上げ検討の必要性を訴えた。
 関電の12年4~9月期(今上半期)の営業損失は1554億円、純損失は1167億円と、それぞれ過去最大規模の赤字に膨らんだ。
 原発の稼働が大飯原発3、4号機だけにとどまり、上期の原発稼働率は前年同期の58.1%から、10.5%へと急落。火力発電の代替稼働で燃料費が前期比で1681億円増加、また他の電力会社などからの購入電力料も同1062億円のコストアップとして響いた。
 関電の火力発電には、発電コストの高い石油火力が比較的多い。またLNG火力発電でも、効率のよい「コンバインドサイクル」方式は堺港と姫路第一のみ。原油、LNG価格の高止まりも、収益悪化の重しとしてのしかかる。
 第2四半期の7~9月の3カ月だけをみると、営業損失は第1四半期(4~6月)の1405億円から149億円まで急改善した。大飯3、4号機再稼働の効果が大きいが、それでも9月20日に公表した業績見通しよりも赤字幅は145億円縮小している。
 ただ、関電は、この差を「販売電力量が想定より上振れて、収入が増えたのが主因」と説明している。そのとおりだとすると、効率化策などで基調が改善に向かいつつあるとは、まだ判断がつきかねる状況にある。
 また、上半期の純損失が1167億円に抑えられたのは、将来の税負担軽減を見込んで繰延税金資産を計上しているため。上期末時点で繰延税金資産の残高は4305億円(単体ベース)まで積み上がっているが、四半期ごとの監査法人との協議では、「長期的な視点に立って回収可能性の議論をしている」という。
資金繰りは厳しい。上期のフリーキャッシュフロー(営業CF+投資CF)は2377億円のマイナスと前期同期比で1722億円悪化。上期9月末の有利子負債残高は4兆0901億円にまで増加している。
  原発の追加稼働のメドも立たない。関電は「今期中の再稼働も当然あきらめていない」とするが、原子力規制委員会の田中俊一委員長は、新たな安全基準を来年 7月までに策定する考えを語っている。アナリストの中には「地方自治体の防災計画との関係でさらに再稼働のハードルが高くなった」と見る向きもある。
 関電は値上げ幅、値上げ時期については明言を避けている。申請にあたっては、今後の3年分の原価計算を提出する必要があり、これからの原発の再稼働をどう織り込むかによって料金値上げの必要性や度合いも大きく変わってくる。
  認可の審査にあたって焦点となるのが人件費なども含めた経営効率化の度合い。賠償責任を負う東京電力とは違う、との声もあるが、消費者の理解を得るために は納得性のあるリストラ策を提示する必要がある。申請段階でのリストラ、効率化が不十分となった場合、会社側の想定よりも審査が長引くとの見方もある。
(水落 隆博 =東洋経済オンライン)

被曝管理「不適切」19件 福島第1収束作業で厚労省調査

2012/10/30 22:26
厚生労働省は30日、東京電力福島第1原発事故の収束作業にあたる業者が作業員の被曝(ひばく)線量を適正に管理しているかどうかを調べ た結果を公表した。意図的な偽装は確認されなかったが、線量データの入力ミスや測定値を低く計算するなど、不適切な管理が19件あった。
 調査は、福島県の建設会社が警報付き線量計(APD)を鉛カバーで覆っていた問題を受けて実施。昨年11月~今年6月の間、作業員の1カ月の被曝線量が5ミリシーベルトを超えた1813件を対象に、元請け業者からヒアリングするなどした。
 厚労省によると、線量データの修正が必要だったのは13件。元請け業者がAPDやバックアップ用に携行する累積線量計「ガラスバッジ」の測 定値をパソコンに誤入力するなどしていた。1カ月の被曝線量が6.8ミリシーベルトだったのに2.8ミリシーベルトと入力した事例もあった。
 このほか、APDとガラスバッジを一緒に携行しないなどの不適切な管理が6件あった。
 調査結果を受け、厚労省は30日、東京電力と元請け業者37社に対し、被曝線量データ管理方法の点検や再発防止などを指導した。

民主党大久保潔重副幹事長に直接取材

Posted by Erika Ohgushi on 10/26/12 • Categorized as 特集
8月3日、我々全日本大学新聞連盟では、民主党副幹事長で内閣委員会筆頭理事も務める大久保潔重参議院議員に取材を行った。そこで、以下に取材内容を御紹介したい。
―理想とされる国家像とは。
「私は『自立と共生』を理想的な国家のテーマとしています。
まず『自立』についてですが、理想とすべき国家とは自立した国家のことです。自立した国家には、自立した社会や個人が必要となります。そのため理想的な国家の建設には、個人個人が自立をしていくことが必要だと思います。
 次に、『共生』についてですが、そもそも共生とは日本らしい言葉であると思います。人と自然との共生が環境であり、人と人との共生が平和なんですね。日本は常に、この環境と平和の分野でリーダーシップをとっていくべきだと思います」
―民主党へのマニフェスト違反との批判については。
「確かに不況下の日本において、多くの国民は民主党政権に対し、国民の生活を第一に考えた政策を実行してくれると期待しました。少なくともその期待とは、 この不況下において増税を行うことではないでしょう。ですから、民主党は原点に帰り、国民の生活を第一に考えた政策を実行すべきであると思います」
―民主党の分裂で、野党が発言力を増してきているが。
「政権交代は日本にとって珍しいことでした。政権交代が起こるくらいに、国民は民主党に期待したのです。その一方で、自公政権時代の負の遺産を引き継いで 与党となった民主党が、多大な負担を背負うことになったのもまた事実です。しかし、民主党はそこで歯を食いしばって、困難な状況下に置かれようとも国民の 期待に応えるよう努めることが重要なのです。そのためにはマニフェストで国民に約束したことを実行すべきだったのですが、遺憾ながらそのマニフェストを忘 れてしまったのではないだろうかという側面が現在の民主党には見え隠れしています。だからこそ支持率も下がってしまったのでしょう。ですが、かといって長 期間に亘り政権与党であった自民党の方が政治を担うべきかと問われれば、そうは思いません。そうであれば民主党が原点回帰して党を再建することの方が、国 民のためになると思います」
―公務員改革に対し、若者からの批判の声は非常に大きいが。
「私は国家の歳出を何でもかんでも減らせば良いとは思っていません。しかし世論は政府に対して、歳出をできる限り減らすよう求めていますね。私も国会議員 の一人として給料を大幅に減らされて苦しい状況にあります。また公務員の定数や給与の削減に関しても世論の強い要望を受け実行しましたが、これでは優秀な 人が公務員を目指さなくなってしまうでしょう。なので、公務員改革は適切に行うことが大事だと思いますが、現在のように取りあえず減らせば良いということ ではないと思うのです。
―では次に原発問題に関して伺いますが、多くの国民が原発の停止を求めていることについては。
「非常に難しい問題であると思います。定期検査中の原発を再稼働するには、より厳しい安全性を確保すると共に、福島原発の事故原因追究を詳しく行うことが 必要です。これらを国民に明らかにしてからでなければ、電力が足りないという理由だけで原発を再稼働すべきではないと思います。また将来的な目線で考えれ ば、もう新規の原発を造ることはないという政府指針がありますから、既存の原発の耐用年数が過ぎれば、最終的には日本に原発は無くなることになります。し かし私は国民の声を鑑みて、一般的な原発の耐用年数である40年の半分くらい、つまり20年後には日本から原発を無くして、新しいエネルギーへシフトする のが良いと考えています」
 
―最後に、大学生へのメッセージを。
「大量の情報が溢れる情報化社会の中で、大学生には積極的に情報をとりに行って欲しいですね。そして、得ることができた大量の情報の中から本質を見極めら れる眼力も、同時に養って欲しいと思います。そのためには勉強も必要だし、仲間や友人たちと議論することや、いろんな人の意見を聞くことが大切となってき ます。人の意見を聞けば人それぞれ意見が異なり、時にはまったく正反対のことを言う人たちもいます。しかし、その正反対の意見を許容する度量を持ち、どの 情報が正しいかを判断しその判断に対してきっちり責任を持てるようになって欲しいと思います。自分の行動に対して責任を取るという行為こそが自立への第一 歩となるのです。その個人の自立が理想国家、理想社会創造の礎となるのです」
(配信=全日本大学新聞連盟)
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不適切な被ばく線量管理19件 厚労省が原発作業調査

 厚生労働省は30日、東京電力福島第1原発事故の収束作業に当たった作業員の被ばく線量管理を実態調査した結果、線量計の不具合など不適切とみられるケースが19件あったと発表した。同省は東電と、元請け会社37社に被ばく線量管理の徹底などを指導した。
 作業を請け負った福島県の建設会社が、線量計を鉛板のカバーで覆うよう作業員に指示した問題が7月に発覚したのを受けて調査した。厚労省は「鉛板カバーのような意図的な事案は確認できなかった」としている。
2012/10/30 20:45   【共同通信

20121031日付 《日経産業新聞》

2012/10/30 22:00
全文は日経産業新聞1031日付に掲載しています。
中国の影、日立が漁夫の利 英原発会社買収
 日立製作所は30日、英国の原子力発電事業会社「ホライズン」を約850億円で買収すると発表した。実は買収レースの陰の主役は原発ビジネ スで本格的な海外進出を狙う中国の国有企業だった。原発という国の重要インフラに中国が関わることへの英国政府の警戒感もあり、日立がホライズンを手中に 収めたが、原発でも中国の台頭が鮮明になった。
[News Edge面]

東芝テック、タブレット型POSにクレジット決済機能 来年メド
 東芝テックはタブレット(多機能携帯端末)を使ったPOS(販売時点情報管理)端末にクレジットカードの決済機能を加える。2013年にも カードを読み取って決済できる周辺機器を導入し、タブレットとの一体販売を始める。タブレット型のPOS端末は6月に販売を開始。利便性を高めて都市部の 専門店などでの利用を見込む。
[デジタル・ハード面]

曙ブレーキ、専用機から汎用機に 米拠点の加工設備
 曙ブレーキ工業は米テネシー州クラークスビルの工場にあるブレーキの加工設備を、従来の専用機から汎用の機械に切り替える。ブレーキの種類 が違っても同じ設備でつくれるようにして、受注量の変動に対応しやすくする。投資額は約50億円で、同社が北米の各拠点で進める生産再編の一環。環境変化 に強い体制を整え、北米事業の立て直しを急ぐ。
[自動車面]

日立建機子会社、地雷除去機 アフリカで大型受注
 日立建機の子会社、山梨日立建機(山梨県南アルプス市、雨宮清社長)はアフリカから地雷除去機の大型受注を獲得した。アンゴラ向けで20台 を受注。2013年中に納入する。同社は1995年に建設機械をベースとした除去機の開発を開始、現地の需要に合わせ、農機具の機能を持たせるなど工夫を 重ねている。今回で累計受注は100台を超え、世界大手として実績を積む。
[機械面]

前田道路、段差やヒビの補修、舗装強度1.5
 前田道路は段差やヒビなど道路の傷みを強固に補修する新しい手法を開発した。石や砂の粒で作る補修材をセメントで固めることで、はがれや摩 耗に対する強度を従来の約1.5倍に増した。固まるまで時間がかかり、車の通りの多い道路では使えなかったセメントの反応時間を樹脂で早めることで実用化 した。道路の維持管理を担う地方自治体や舗装の工事会社に売り込む。
[住建・不動産面]
新潟知事「規制庁に疑問符」拡散予測修正で
(東京都)
 原子力規制委員会が29日、放射能の拡散シミュレーションに入力ミスがあったとして修正したことを受け、原発を抱える自治体からは不満や戸惑いの声が上がっている。  原子力規制委員会が当初、公表した拡散シミュレーションは、柏崎刈羽、東海第二、志賀、敦賀、玄海、川内の6つの原発で、気象データの入力ミスにより放射性物質が拡散する方角などに誤りがあることがわかり、29日に修正版が公表された。  柏崎刈羽原発では、高い放射線量が想定される最大距離が、原発から東南東に40.2キロ離れた新潟・魚沼市から東方向の新潟・長岡市に修正されたほか、新たに新潟・見附市でも防災指針の目安となる30キロ圏をこえて放射性物質が広がる可能性が示された。  柏崎刈羽原発を抱える新潟県の泉田裕彦知事は30日、「原子力規制庁が信頼に足る組織かどうかということに疑問符がつきかねない事態ということだと思っています」と述べた。  原子力規制庁は2週間以内に再発防止策をまとめる方針。
[ 10/30 20:51 NEWS24]

日立、英原発事業会社を買収=海外展開を加速

20121030
 日立製作所は30日、英国の原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」を買収すると発表した。日立はホライズンの事業を引き継ぎ、英国の 2カ所で改良型沸騰水型原子炉(ABWR)を計4〜6基建設する方針。新設原発の最初の稼働は2020年代前半になる見込みだ。
 日立はホライズンの株主であるドイツの電力大手RWEとエーオンの2社と株式売買契約を締結した。11月中に全株式の取得を終える予定で、買収額は非公表だが、650億〜700億円程度とみられる。
 東京電力福島第1原発事故の影響で国内の原発事業の拡大が見込めない中、日立は原発事業の海外展開加速に向けホライズン買収を決めた。 
[時事通信社]
記事提供:時事通信社

九電料金値上げ表明 11月にも国へ申請

2012103100:13 カテゴリー:経済 九州 > 福岡
 九州電力の瓜生道明社長は30日、電気料金の値上げについて「実施時 期や(値上げ)幅の具体的な検討を開始した」と正式表明し、来月末にも国に申請する方針を示した。九電管内では原発6基が全て停止し、火力燃料費が急増。 財務状況が大幅に悪化する中、原発再稼働の見通しが立たないため、値上げは不可避と判断した。

日立製作所:英の原発事業会社買収を発表 850億円で

毎日新聞 20121030日 2119分(最終更新 1030日 2222分)
 日立製作所は30日、英国で原子力発電所の建設を計画する原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パ ワー」を、設立母体で株主の独電力大手エーオン、RWEの両社から買収すると正式に発表した。買収額は6億7000万ポンド(約850億円)で、2020 年代前半の運転開始を目指す。東京電力福島第1原発事故などの影響から国内の原発事業が赤字に転落した日立は、海外で収益源を育てる狙い。
 来月中にホライズンの全株式を取得する。今後、英国西部の2カ所で、130万キロワット級の原発を計4〜6基建設する方針だ。英国のキャメロン首相は「日立を英国エネルギー分野の新たな主要事業者として歓迎する」とのコメントを発表した。
 炉型は、中部電力浜岡原発5号機などと同じ改良型沸騰水型(ABWR)とする。英国では日立と米ゼネラ ル・エレクトリック(GE)の合弁会社が「高経済性・単純化沸騰水型原子炉」(ESBWR)と呼ばれる次世代炉の設計認証を申請中だが、日本国内で建設実 績があるABWRの方が、建設認可を得るには有利と判断した。ただ認可には5年程度かかる見通しという。
 海外での原発建設では、建設に加え、発電から保守・管理を請け負う運営会社選びも課題となる。日立は欧 米などの複数の電力会社と提携し、ホライズン自体を運営会社にもする考え。記者会見した羽生(はにゅう)正治常務は「我々も一緒になって強化し、この会社 を育てあげる」と述べた。
 一方、日立の原発海外受注を巡っては、受注をほぼ確実にしているリトアニアで今月14日、国民投票で6 割が原発建設計画に反対するなど先行きに不透明感が出ている。羽生常務は「(建設は)同国が決めることなので何とも言えない」としたうえで、英国とリトア ニアで原発建設が同時並行で進むことにも「国内で実績もあり、心配はしていない」と述べた。【大久保陽一、ロンドン坂井隆之】

九州電力:値上げを正式に表明 11月にも経産相に申請

毎日新聞 20121030日 2113分(最終更新 1030日 2314分)
電気料金値上げの検討について、記者会見で説明する九州電力の瓜生道明社長=福岡市中央区で2012年10月30日午後3時42分、野田武撮影
九州電力の瓜生(うりう)道明社長は30日、電気料金の値上げについて「どんな経営努力をしても(業績 悪化に)対応できる水準ではなくなってきている」と述べ、経済産業相に申請することを正式に表明した。九電は11月にも申請し、来年4月の値上げ実施を目 指す。値上げ幅は家庭向けで約10%を軸に検討中で、企業向けも同時に申請する予定。【中山裕司】
 九電が来年値上げすれば、第2次オイルショック後の1980年以来33年ぶりとなる。
 九電が30日発表した12年9月中間連結決算は、最終(当期)損失が1495億1700万円(前年同期 は133億1300万円の損失)と過去最悪の大幅赤字となった。原発停止によって、燃料費が前年同期比1224億円増、他電力会社からの購入電力料が 547億円増と膨らみ、業績を悪化させた。
 原発の再稼働がなければ、九電は14年3月期にも債務超過に陥る可能性があり、電気料金を値上げして赤 字幅を抑える狙い。また瓜生社長は、4月から実施中の1200億円の経費削減に、数百億円を上積みする方針を示し、社員の給与削減についても「しっかり切 り込む」と述べた。
 九電の全発電量に占める原発の割合は、東京電力福島第1原発事故前は約4割を占め、関西電力(約5割)に次いで高かった。関電は大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が稼働しているため、同決算の赤字幅は九電が関電を上回った。
 九電は今後、原発再稼働の時期などを含めた電力需給計画などを策定し、家庭向けの値上げ幅を正式に決める。

海外に活路…日立が英の原発会社を買収と発表

日立製作所は30日、英国の原子力発電事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」を6億7000万ポンド(約850億円)で買収し、原子炉4~6基の建設計画を引き継ぐと発表した。
 ホライズンに出資する独電力2社から全株式を11月中に買い取った後、原発関連会社や投資ファンドに共同出資を募り、日立が主導権を握りながら国際的な企業連合を築きたい考えだ。
 東京電力福島第一原発事故で、国内の原発着工が滞る中、日立は海外での原発建設に活路を見いだす。
 東芝や三菱重工業も、トルコやフィンランドなどで原子炉の新規受注を目指しており、日本勢の海外受注が今後も加速しそうだ。
 ホライズンは昨年、英国内2か所で原発建設の認可を受けた。それぞれで出力130万キロ・ワット級の原子炉2~3基を建設し、2020年代前半から稼働させる計画だ。
201210302058分  読売新聞)



英原発大手買収で日立が得る海外への活路 - 12/10/30 | 20:40


 日立製作所は30日、英国の原子力発電事業開発会社ホライズン・ニュークリア・パワー社を買収すると発表した。買収額は6億7000万ポンド(約850億円)で、11月中の買収完了を目指して手続きを進める。
 英国では現在16基の原発が稼働し、全発電電力量の約2割をまかなっている。が、設備の老朽化が進んだことで、新規建設に向けた動きが高まっていた。このため2020年代前半の運転開始を目指し、英国2カ所で1300メガワット級の原発設備を4~6基建設する予定が進んでいる。
 計画に異変が生じたのは今年3月末。ホライズン社 の大株主だったドイツ企業が、ドイツの脱原発方針を受けて株売却の方針を表明した。複数社がプロジェクト引き継ぎに名乗りを上げる中、最後まで残ったのが 日立と東芝の日本企業2社だった。条件交渉の結果、日立がホライズン社を射止めることとなった。株売却表明からわずか7カ月という短期間での交渉だったた め、パートナー企業を募ることもできず日立単独での入札になったという。
 業績への影響は、当面先となりそうだ。英国での建設が始まる前に許認可を取る必要がある。その間にホライズン社を通してパートナー企業を募ることで、出資比率は5割未満まで引き下げる方針。「日立が原子力発電事業をやるわけではない。プラントメーカーとして、発電所を作る場が欲しいだけ」(羽生正治執行役常務=写真=)。脱原発へ向かう日本に依存せず、海外展開に活路を見出そうとしている。
  日立はリトアニアでも原発建設計画を掲げているが、10月末の国民投票で原発反対派が6割を超えるなど黄色信号が灯っている。国内で建設中の原発も停止中 で、工事再開のメドはまったくたっていない。だからこそ今回のホライゾン社買収で、英国の原発建設を手にした意味合いは大きい。
(前田 佳子 =東洋経済オンライン)

九電が値上げ方針表明 33年ぶり、来春めざす 20121030

記者会見する九州電力の瓜生道明社長=30日午後、福岡市中央区
九州電力の瓜生道明社長は30日、福岡市の本社で開いた記者会見で電気料金を値上げする方針を表明した。値上げが実施されれば、認可が必要な家庭向けで1980年以来、33年ぶりとなる。
 会見では値上げ幅や時期は明言しなかったが、家庭向けの値上げ率は10%程度となるもよう。年内にも値上げ申請し、早ければ2013年4月からの実施を目指す。認可の必要がない大口の企業向けも値上げする方針で、値上げ率は家庭向けを上回るとみられる。
 九電は、原発停止による代替の燃料費負担が重く、財務内容が悪化。同日発表した12年9月中間連結決算では純損失は1495億1700万円(前年同期は 133億1300万円の赤字)と過去最大。燃料費は前年同期に比べ1224億円増、購入電力料は547億円増と膨らんだ。
 瓜生社長は現在の状況が続けば14年度に債務超過に陥るとし、「値上げしなければ、電力の安定供給に支障をきたす」と理解を求めた。今後、社員の給与削減を含め、本年度の1200億円をさらに数百億円上回る規模の経費削減に取り組む考えも示した。
 9月中間決算の売上高は前年同期比2・8%増の7630億200万円。経常損失は1510億3500万円(前年同期は190億4800万円の赤字)で経 常、純損益とも2年連続の赤字。中間無配で、期末配当も「料金を値上げして(配当を)実施するのは難しい」(瓜生社長)として見送る方針。(井村知章)

個人線量計の適正管理指導=福島第1の東電と元請けに-厚労省

 東京電力福島第1原発で作業員の個人線量計に鉛カバーを付ける不正があった問題を受け、厚生労働省は30日、実態調査を行った結果を発表した。新たな不 正は確認されなかったが、線量データ記録が不正確だったり、線量計の着用方法が不適切だったりしたケースがあり、同省は東電と元請け会社37社に文書で再 発防止を指導した。
 警報付きの個人線量計に鉛カバーを付ける不正は作業員の被ばく量を低く見せ掛けることが目的で、昨年12月に福島県の下請け 会社が行い、今年7月に発覚した。厚労省の調査対象は、簡易型積算線量計と警報付き線量計の同時運用を始めた昨年11月から今年6月までの線量データ記 録。(2012/10/30-20:29

北陸電力、13年3月期純損益予想70億円の赤字〔決算〕

 北陸電力は 30日、2013年3月期連結業績予想について、これまで未定としていた経常損益を100億円の赤字、純損益を70億円の赤字になる見通しだと発表した。 志賀原発は年度内の運転休止が続くとみられ、冬期も節電の影響が続くほか、産業用の電力需要も低調に推移する見通し。久和進社長は、電気料金について「収 支的には厳しいが、できるだけ維持できるよう最大限の努力をしたい」と述べ、現段階での値上げ検討に消極的な姿勢を示した。(2012/10 /30-18:20
2012/10/30(火曜) 20:09

米・ニュージャージー州の核施設、ハリケーン接近で運転休止の可能性

米・ニュージャージー州の核施設、ハリケーン接近で運転休止の可能性
大型のハリケーン・サンディの接近により、アメリカ東部・ニュージャージー州にある原発が運転停止になる恐れが出ています。

フランス通信の報道によりますと、ハリケーン・サンディがニュージャージー州に接近しているため、29日月曜、同州の原発の上層幹部は非常事態宣言を発令し、ハリケーン接近を理由に運転停止となる可能性があることを明らかにしました。
この原発は、商業目的によるアメリカで2番目の規模を誇る原発です。
ハリケーン・サンディにより、アメリカとカナダで少なくとも67名の死亡者が出ている他、アメリカ東海岸地域に接近していることから、この地域の6600万人の住民の暮らしに影響が出ています。
IRIBの報道によりますと、ハリケーン・サンディの影響で、空の便ではアメリカ東海岸地域の国内線と、アメリカ北東海岸方面行きの国際線が欠航となり、大勢の旅行客の足に影響が出ています。
この報道によりますと、空の便に加え、鉄道やバスが運航停止となり、そして海の便も欠航しているということです。
さらに、このハリケーンにより、ワシントンやニューヨークでは合わせて13万世帯が停電となっています。

除染の冊子を作成=福島の住民に配布-環境省

2週間内に原因究明=拡散予測の訂正問題―規制庁

  • 20121030日  18:12 JST
 原子力規制委員会が公表した全国原発の放射性物質拡散予測で訂正が相次いだ問題で、事務局を務める原子力規制庁の森本英香次長は30日の定例記者会見で、2週間以内に原因究明と再発防止策の公表を行う方針を示した。
 また規制庁は、拡散予測の計算をした原子力安全基盤機構(JNES)に対しても、同じ期間内に原因究明などを行うよう指示した。JNESは一部の作業を外部に委ねていたといい、今回のミスと関連がないか報告を求める。
 森本次長によると、規制委の田中俊一委員長は29日、規制庁に原因などを調べるよう指示。同庁は今後チェック態勢を見直し、訂正の対象となった自治体などに直接謝罪するという。
 拡散予測は24日に公表されたが、規制委は同日夜、5原発で高線量の恐れがある自治体名に誤りがあったと訂正。29日には、6原発で高線量が想定される方位などにずれがあったとして、訂正発表をしていた。 
[時事通信社]

拡散予測:ミスの原因、規制庁がJNESに報告要請

毎日新聞 20121030日 1953分(最終更新 1030日 2042分)
 原子力規制委員会が公表した原発事故の放射性物質の拡散予測地図に間違いがあった問題で、規制委の事務 局、原子力規制庁の池田克彦長官は30日、計算作業を担当した独立行政法人・原子力安全基盤機構(JNES)の中込良広理事長に対し、ミスの原因究明と再 発防止策を報告するよう求めた。規制庁の内部調査も含め、2週間以内に公表する。
 規制庁の前身の経済産業省原子力安全・保安院は今年1月から予測地図の作製を始めたが、実際の計算作業 はJNESに委託。JNESは今春、各電力会社から、原発所在地の気象データを取り寄せたが、16方位を表す数字コードを東西南北などに変換する際、一部 がずれたという。
 その結果、6原発の拡散試算について1方位分(22.5度)間違えた。さらに九州電力の2原発については拡散距離も誤ったまま24日に公表した。ミスは26日になって北陸、九州の両電力の指摘で発覚した。
 金子修一・規制庁原子力防災課長は30日の記者会見で「計算条件の設定などは、規制庁がJNESに指示し、JNESが主体で計算した」と強調、他機関への「丸投げ」を否定した。【中西拓司】

「英インフラに多大な貢献」=日立の原発事業買収歓迎-キャメロン首相

 【ロンドン時事】英国のキャメロン首相は30日、日立製作所が英原発事業会社「ホライズン・ ニュークリア・パワー」の買収を発表したことを受け、声明を発表した。この中で、「日立の投資は電力供給というわが国にとって極めて重要なインフラ整備に 貢献をするものだ。英エネルギー部門の新たな主要プレーヤーとして日立を温かく歓迎したい」と述べた。(2012/10/30-18:16

「リスクは高まらない」 放射性物質拡散範囲拡大の見附市長が見解 新潟

2012.10.30 19:42
新たに拡散範囲に加わった見附市の久住時男市長は「防災計画の方針は大きく変わらない」とアピールした=新潟県見附市役所
新たに拡散範囲に加わった見附市の久住時男市長は「防災計画の方針は大きく変わらない」とアピールした=新潟県見附市役所
 原子力規制委員会が新潟・柏崎刈羽原子力発電所の事故時の放射性物質拡散シミュレーションを訂正したことを受け、新たに30キロ圏を超えて拡散範 囲が広がった同県見附市の久住時男市長は30日緊急会見し、「現時点でリスクが高くなることはない」と述べ、市民に冷静な対応を呼びかけた。
 同市は原発から30キロ圏内に市域の3分の1、人口にすると約65%が含まれている。今回のシミュレーションの修正で拡散範囲が原発の東北東31・6キロ圏内まで広がり、市街地の大部分が含まれることになった。
  久住市長は「当初から市全域を緊急時防護措置区域(UPZ)として放射線の防護対策や避難に関する防災計画を策定する予定のため、今回の訂正で方針が大き く変わることはない」と指摘。引き続き、全市町村で構成する原子力安全対策研究会の中で、原子力防災対策に取り組んでいく意向を示した。
 また、拡散シミュレーションで試算ミスを行った原子力規制委員会に対し、久住市長は「今回の件は残念。組織として整理し、私どものよりどころになる組織になってほしい」と注文をつけた。

九電、値上げ方針表明=年内にも認可申請

  • 20121030日  19:42 JST
 九州電力の瓜生道明社長は30日、2012年9月中間決算発表の記者会見で、家庭向けと企業向けの電気料金の値上げに向け、具体的に検討を始めると発表した。家庭向け料金は年内にも政府に認可申請を行う見通し。九電は経費削減を強化し、利用者の理解を求めていく考えだ。
 関西電力も29日に値上げの検討に入る方針を表明しており、原発停止による燃料費増加を背景とした値上げの動きが広がってきた。 
[時事通信社]

拡散予測、6原発で誤り 原子力規制委が謝罪 電力会社指摘で発覚


 放射性物質の拡散予測図の訂正について記者会見する原子力規制庁の森本英香次長=29日夜、東京都港区
原子力規制委員会は29日、今月24日に公表した各地の原発で過酷事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測をめぐり、東京電力柏崎刈羽原発 (新潟県)や九州電力玄海(佐賀県)、川内(鹿児島県)など6原発の予測に誤りがあったと発表した。いずれも放射性物質が拡散する方角がずれていたほか、 玄海、川内では拡散距離も最大で0・3キロ誤っていたとして訂正した。  公表後1週間足らずでの訂正で、規制委は「地元に混乱を与えて大変申し訳ない」と謝罪、関係自治体に訂正内容を説明した。他の3原発は日本原子力発電東海第2(茨城県)、敦賀(福井県)、北陸電力志賀(石川県)。
 24日の公表の際にも地元から「事前に説明がない」などと不満が寄せられており、今回の訂正で混乱がさらに広がりそうだ。
 今回の誤りは、予測の基となる気象データを提供した電力会社から「(拡散の)方角がずれているのではないか」と指摘を受けて発覚した。規制対象で ある電力会社に指摘されるまで誤りに気付かなかった点について、規制委 の事務局である原子力規制庁の森本英香(もりもと・ひでか)次長は「とても残念だ。規制対象を十分指導できる体制になっておらず遺憾だ」と述べた。
 拡散予測では、事故から1週間で積算被ばく線量が100ミリシーベルトに達し、国際基準で住民避難が必要となる最も遠い地点を16方位ごとに地図 上に示していたが、6原発では1方位ずつずれていた。柏崎刈羽は、当初の発表では東南東40・2キロの新潟県魚沼市が最も遠い地点としていたが、東40・ 2キロの同県長岡市に訂正した。
 規制委によると、電力会社から提供された風向きなどの気象データの記載方法が原発ごとに異なっていることに規制委側が気付かず、これを予測プログラムに入力する際にミスしたという。
 規制委は拡散予測を公表した24日にも住民避難が必要となる市町村名の一部に誤りがあったと発表していた。
 (共同通信)
2012/10/30 10:25
県の技術委員会 政府事故調の報告書を議論
(新潟県)
 柏崎刈羽原発の安全性を検討する県の技術委員会は、福島第一原発の事故原因の検証を進めている。30日、政府の事故調査委員会がまとめた報告書について議論が交わされた。
  30日の会合には、福島第一原発における政府の事故調査委員会の元委員長など2人が招かれ、検証結果が報告された。畑村洋太郎元委員長は「東京電力は津波 を想定しておらず、複数の原子炉が同時に被災することを考えられなかった」と指摘。「想定外の事故が起きたときに、防災ではなく、被害を最小に抑える減災 の対策をとることが必要」と述べた。政府の報告書をめぐり、出席した技術委員会の委員からは、「想定を超える事故に対応する組織や人材を具体的にどう作る のか」「とりまとめた内容を政府が原子力防災に生かそうという動きが見えない」などの意見が出された。
 次回の会合では、東京電力の担当者を招き、事故調査の報告を受ける方針だ。その上でさらに検証を進め、今年度中に提言をとりまとめたいとしている。
[ 10/30 18:52 テレビ新潟

拡散予測の訂正で報告を指示 入力ミスのJNESに

10/30 19:01
 原子力規制委員会が原発事故の際の放射性物質の拡散予測で誤ったデータを公表した問題で、規制委事務局の原子力規制庁は30日、拡散予測を作成した独立行政法人「原子力安全基盤機構(JNES)」に、原因究明と再発防止策を2週間以内に報告するよう指示した。
 拡散予測は、規制庁から発注を受けたJNESが、電力会社から各原発での風向きや風速など気象データの提供を受け、予測プログラムで試算する際に間違ってデータ入力した。間違いが発覚したのは北陸電力の指摘がきっかけだった。
 規制庁の森本英香次長は30日の記者会見で「自治体、関係者に重ねておわびしたい」とあらためて陳謝した。

米エクセロン、NJ州オイスタークリーク原発に警報発令

2012103014:13 JST
[ニューヨーク 30日 ロイター] 米原子力規制委員会(NRC)によると、ハリケーン「サンディ」の影響で付近の水位が上昇していることから、米発電大手エクセロン(EXC.N: 株価, 企業情報, レポート)は29日、ニュージャージー州のオイスタークリーク原子力発電所(615メガワット級)に警報を発令した。
警報は、NRCが定める4段階の緊急事態の中では下から2番目の深刻度となる。
同原発については元々、燃料交換のために運転を停止している。NRCスポークスマンは水位上昇がこのまま続き、原子炉のサービス水ポンプに影響が及ぶ事態となった場合は、必要に応じて消防ホースからの水を使って使用済み燃料プールの冷却を行うとしている。
NRCスポークスマンはまた、米電力大手コンステレーション・ニュークリア・エナジー・グループが29日、ニューヨーク州にあるナインマイル・ワン原発(630MW)の運転を停止したと発表した。
グリッドへの電力供給に不具合が生じたことが理由と説明したが、サンディとの関連があるかどうかは明らかにしなかった。

燃料費の負担重く 九電 電気料金値上げへ

2012103016:16
九州電力は30日、電気料金の値上げについて具体的な検討に入ることを表明しました。
原発再稼働の見通しが立たない中、燃料費の負担が増え、経営状況が厳しくなったことを値上げの理由としています。
「これまで最後の選択肢として考えていた電気料金の見直しについて、実施時期・幅などの具体的検討に入った。
」九州電力の瓜生道明社長はこのように述べ、電気料金の値上げについて具体的な検討に入ったことを明らかにしました。
値上げの時期や具体的な値上げの幅については今後、原発再稼働の見通しや経営状況を踏まえた上で判断するとしています。
値上げを実施する場合は、一般家庭向け企業向けどちらも対象で、今後家庭向けに必要な経産省への認可申請に向け内容を検討する方針です。
30日に発表された九州電力の今年9月の中間連結決算は、最終損益が1495億円の大幅な赤字となりました。
業績悪化は原発の停止によって火力発電の燃料費などが1年前に比べ1772億円増加したことが要因です。
九電は、このまま電気料金を据え置けば、2014年度にも債務超過に陥ることから今回の判断に至ったとしています。



北陸電力、中間決算を発表 (30)



北陸電力は、30日、中間決算を発表しました。電力販売 は好調で、上期は連結決算で121億円の黒字となっています。北陸電力が発表した4月から9月までの中間決算は、他社への電力販売が好調だったことから、 売上高は2,495億円で、去年に比べて80億円増えました。また人件費や諸経費を削減したことから経常利益は、187億円、純利益も121億円と前年を 大きく上回りました。しかし、これから下期にかけて、火力発電所の燃料費がかさむこと、また志賀原発の再稼働の見通しが立たないことを踏まえ、通期では、 経常利益が100億円の赤字を、純利益も70億円の赤字と過去最悪の赤字決算を見込んでいます。なお電力料金については、当面、現状を維持したいとしてい ます。 (19:16)
201210301348

電気値上げ全国に拡大 関電が表明、各社も検討





【津阪直樹、上地兼太郎】北海道、東北、関西、四国、九州の5電力会社が企業向け、家庭向け電気料金値上げの検討に入った。原発の代わりに火力発電を動 かし、燃料費がかさんでいるからだ。東京電力はすでに値上げしており、家庭や企業が「脱原発」のためのコストを負担する流れが全国に広がる。
 関西電力の八木誠社長は29日の記者会見で「大飯原発(福井県おおい町)に続く再稼働ができない状況が続くと財務体質が大幅に悪化する。値上げの具体的 な検討を開始した」と話した。年内にも具体的な計画をまとめ経済産業省に申請する。関電が来年値上げすれば、第2次石油危機後の1980年以来33年ぶ り。
 政府の認可が必要な家庭向けと、個別交渉で価格が決まる企業向けのいずれも来年4月からの値上げを軸に検討する。値上げ幅は家庭向けが10%程度、企業向けが20~30%で調整する。

アメリカ原発のハリケーン対策

  [2012/10/30]
Photograph by Stan Honda AFP/Getty Images
 巨大ハリケーン「サンディ」の進路上には、アメリカで最も古いオイスタークリーク原子力発電所が立地している。
 ニュージャージー州南東部のアトランティックシティから約60キロ北にあるオイスタークリークは、630メガワット(MW)、60万世帯分の発電能力を 持つ。汽水の入り江「バーネガット湾」から約2キロの沿岸に位置しており、設計は津波によって破壊された日本の福島第一原子力発電所と共通だ。業界関係者 や規制当局は1029日、未曽有の大型ハリケーンに直面するオイスタークリークなど20以上の原発について、最悪の事態にも耐えられる準備が整っている と主張した。
 オイスタークリークを運営する電力大手エクセロンの広報担当者スザンヌ・ダンブロシオ(Suzanne D'mbrosio)氏は、「直撃の可能性が少しでもあるとわかった時点で、すぐに準備を始めた」と話す。なお、オイスタークリークの原発は2年に1度の 燃料交換のため、先週から運転を停止している。

政府の検査官を派遣
 アメリカの原子力規制委員会(NRC)は、国内104の原発すべてに検査官を2人ずつ駐在させている。オイスタークリークなど、ハリケーンの進路内の9 原発には、衛星通信システムを持った検査官が追加で派遣された。NRCによれば、予想される高潮に耐えられるよう、すべて万全の対策が講じてあるという。
 さらに、主要な業界団体「原子力エネルギー協会(NEI)」の広報担当者トム・カウフマン(Tom Kauffman)氏は、ハリケーンの被害を受けた場合でも核燃料の崩壊熱を制御できるよう、最低7日間は冷却装置に給電可能なディーゼル発電機を用意す ると述べた。20113月、福島第一原発で核燃料が損傷し、建屋が爆発したのは、この極めて重要なバックアップ電源が正常に作動しなかったからだ。
 アメリカの原子力業界は、1979年に発生したペンシルバニア州スリーマイル島原発事故以来、安全性向上のために多数の対策を実施してきた。カウフマン 氏は、「原子力をめぐる状況は日本と全く異なる」と断言する。オイスタークリークは福島第一と同じゼネラル・エレクトリック(GE)社の沸騰水型原子炉 で、マークI型の格納容器を使用している。しかしアメリカでは、すべてのマークI型に耐圧強化ベントを採用しており、事故発生の場合でも、格納容器内の圧 力が危険なレベルまで上昇しないという。それでも、福島第一の事故後、ベントのシステムに対する懸念の声が上がり、業界は確実性と信頼性を向上させると約 束した。
「不測の事態も想定に入れて取り組んできた」とカウフマン氏は語る。

自然災害への対応
 アメリカでは、時速75マイル(秒速約33.5メートル)以上の風が予想される場合は原発を停止する。風によるダメージを懸念しているのではなく、一帯 が停電し、冷却を予備のディーゼル発電機に依存する事態に追い込まれる可能性があるからだ。ハリケーン「アイリーン」が大西洋沿岸を直撃した20118 月、オイスタークリークはこの理由で停止している。
「特に珍しい状況ではない。過去にも竜巻や強風、洪水を切り抜けている」とカウフマン氏は話す。
 福島第一後、アメリカの原子力業界は、電力や水を喪失した場合でも運転を続けられるよう、発電機やポンプ、ホース、バッテリーといったバックアップ装置 を整備すると約束した。しかし、整備はまだ完了していない。また、オイスタークリークを含む複数の原発では、使用済み核燃料の安全性に関する懸念も指摘さ れている。保管する冷却プールに非常用電源が義務づけられていないからだ。使用済み燃料棒は放射能を持ち、何十年にもわたって大量の熱を発生させる。冷却 を続けなければプールの水が蒸発し、損傷した燃料棒が放射性物質を放出する悪夢のシナリオが待っている。

Marianne Lavelle for National Geographic News
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20121030


九州電力が電気料金値上げ検討を表明 [18:43]

九州電力は30日、原発の停止による業績の悪化を受けて、電気料金値上げの検討を始めることを明らかにしました。来年4月から一般家庭で10パーセント程 度の値上げを軸に検討しているとみられ、実施されれば月額およそ600円の負担増になる見込みです。値上げの検討を表明した背景には、原発に代わる火力発 電用の燃料費が大幅に増加したことなどによる収支の悪化があります。九電の瓜生社長は「このまま原発が再稼働しなければ早ければ来年度中に債務超過に陥る 恐れがある」と述べた上で、値上げの時期や幅について「早めの結論が必要」としていて、来年4月からの値上げをめざし、来月中にも国に申請するものとみら れます。

村長「完全な除染を」=福島県川内村を視察-長浜環境相

 長浜博行環境相は30日、福島県川内村を訪問し村役場で遠藤雄幸村長と会談した。遠藤村長は、 東京電力福島第1原発事故を受けた除染作業で森林や湖沼などの完全な除染と、環境省の出先機関である福島環境再生事務所の分室設置などを要望した。村長に よると、環境相は「早期に判断する」と述べたという。(2012/10/30-18:52



現在
北電決算、通期は過去最大の赤字





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 中間期としては増収増益ですが、通期の業績予想は過去最大の赤字となる見通しです。
 久和社長は「現行の電気料金を維持できるよう最大限努力する」と話しました。
 北陸電力の中間期の連結決算によりますと、販売電力量は4.4パーセント減少しましたが、全国的に電力需給が逼迫するなかで他社への販売電力収入が増加したことなどから売上高に当たる営業収益は2495億円と80億円増加しました。
 また、人件費の削減や減価償却費の減少により、経常利益は187億円と92億円増加し、中間期としては2年ぶりの増収増益となりました。
 しかし、同時に発表した今年度通期での業績予想は連結では100億円、単体では130億円と過去最大幅の経常損失を見込んでいます。
 景況の悪化や節電に伴う管内の販売電力量の減少や火力発電の燃料費の増加などがその理由だとしています。
 会見で久和進社長は厳しい状況だが赤字幅の縮小に最大限努力したいと述べました。
 久和社長「100億というレベルは今まで最も大きな赤字幅、過去最悪の決算になる可能性がある」「我々のできる範囲は最大限努力していかなきゃならんということで、現行料金をできるだけ維持するよう最大限努力していきたい」
 志賀原子力発電所については、活断層の可能性が指摘されている原子炉建屋直下のS‐1断層の再調査や、原子力規制委員会が原発の新しい安全基準を検討していることなどから今年度中の再稼働はできないと判断しています。
 久和社長はS‐1断層について、「廃炉に結びつくような活断層ではないと思っている」とし、「徹底的に調査をして安全性を再確認してもらいたい」と述べました。

東電OL殺害事件と福島第1原発事故を結びつけた佐野眞一氏の作家的想像力
20121030
 29日の初公判で即日結審した再審で、東京高検が無罪主張に転じたことから強盗殺人罪で無期懲役が確定していたネパール人ゴビンダ・プラサド・マ イナリさん(46)の無罪が確実となった1997年の東電OL殺害事件。週刊朝日「ハシシタ」の連載打ち切りでいまや時の人となった感のあるノンフィク ション作家佐野眞一氏には、文庫化もされた「東電OL殺人事件」という著書がある。昨年9月に開かれたマイナリさんの支援集会に出席した佐野氏は、こんな 話をしていた。
 「事件当初から冤罪という立場で、この本を書いた。ドレフュス事件(19世紀末にフランスで起こった、ユダヤ人を被害者とする世界的に有名な冤罪 事件)の二の舞いを防げたらと思って、あえて被害者の実名を出した。その〇〇さん(集会でも実名)が、14年もかかってダイイング・メッセージを出してい たのではないかと文学的に見立てた」
 「3・11も、この事件に陰に日にからんでいるのではないか。〇〇さんは東電の中枢中の中枢、企画部というエリートが集まる部署にいて、上司が勝 俣(恒久・元社長、前会長)だった。彼女が疲れて会議で寝てしまっても、勝俣や南(直哉元社長)は、彼女が夜の仕事をしていることを知っていたので、普通 なら怒るところを、ただただニヤニヤしていた。原発事故の謝罪の場で彼らが見せない、そういうものを(東電OL殺害事件が)あぶり出した気がしてならな い」
 東京電力福島第1原発事故と東電OL殺害事件をめぐっては、被害者が「原発に懐疑的だから消された」などといったトンデモ説もまことしやかにネッ ト上で語られた。もちろん、佐野氏はそのような見方はしていないが、原発事故によって東電の体質を象徴する人物として批判の矢面に立たされた勝俣氏が、事 件の被害者と接点があったということが、作家としての想像力を刺激したのだろう。
 この事件は、原発事故が起きた2011年に再審開始を導く証拠が浮上し、再びスポットライトを浴びた。何かの因縁があるのかも知れないが、ダイイング・メッセージとはかなり大胆な発想に思える。

ハリケーン「サンディ」の影響で原発停止


30.10.2012, 13:27



ハリケーン「サンディ」の影響で原発停止

Photo: EPA

   ニューヨーク州北部のハイン・マイル原発で出力630メガワットの原子炉が操業停止に追い込まれた。原子力整備連邦委員会によると、停止の原因はエネルギーシステムに電力を送り込む系統の故障。

   ハリケーン「サンディ」が猛威を振るう大西洋岸の電力状況に問題が生じたか否かは今のところ不明。

「経営の厳しさ、福島の事故でやむを得ず」 電力値上げに枝野経産相

EUが輸入規制縮小

農水省は東京電力福島第一原発事故の発生に伴うEUの輸入規制について放射性物質検査証明が必要な品目の縮小などの規定改定があり、1030日から適用されることを29日発表した。
 適用期間は26年3月31日まで。改定内容は次の通り。
 (1)放射性物質検査証明が必要な品目について
  ▽静岡県は全品目から茶・キノコ類に縮小。▽山梨県は全品目からキノコ類に縮小。▽9都県(群馬、茨城、栃木、宮城、埼玉、東京、千葉、神奈川、岩手)は 全品目からキノコ類、茶、水産物、山菜類(一部)、野菜、果物、穀類に縮小。▽福島県産の食品や(1)の該当品目を50%以上含む加工品について放射性物 質検査証明が必要。
 (2)(1)以外の地域・品目の産地証明の添付が必要。
 (3)酒類の全面規制を解除。
 (4)EU側でのサンプリング抽出率▽検査証明対象品目5%以上、▽産地証明の対象商品10%以上を一律5%に変更。
(2012.10.31

原子力規制委:放射性物質拡散予測誤り 知事「チェック甘い」 関電値上げも「納得できず」 /滋賀

毎日新聞 20121031日 地方版
 嘉田由紀子知事は30日の定例記者会見で、原子力規制委員会が24日に公表した原発事故時の放射性物質 拡散予測に誤りがあった問題に「チェックが甘いままデータを出した。もっと責任を感じてほしい」と苦言を呈した。また、関西電力が電気料金値上げを表明し たことには「納得がいかない。中長期的な方向性を示してほしい」と批判した。【姜弘修】
 規制委の誤りには福井県の敦賀原発の試算も含まれる。嘉田知事は「被害を受けるかもしれない住民なり地域の立場からしたら、誤ったデータを出してもらうと困る」とし、規制委に対し「何をやっているのか、当事者の思いになってと申し上げたい」と述べた。
 一方、関電の値上げ表明には「構造的に原発を止めて火力発電にすれば、おのずと燃料費は上がる。短期的 に燃料費が足りないから値上げする、を毎年繰り返すのでは納得がいかない」と指摘。「家庭にとっては独占企業で他に選択肢がない。社会的に納得されるプロ セスが大事」と、関電の説明責任に言及した。

農研機構シンポジウム「自給飼料および畜産物への放射性物質移行とその低減技術」

情報公開日:20121031(水曜日)
20113月の東日本大震災後の東京電力福島第一原子力発電所事故による、自給飼料や畜産物の放射性セシウム汚染について、汚染問題への対応経過や汚染 低減対策の技術開発の現状と効果および関係した研究成果を報告し、生産者や自治体の普及指導機関をはじめ一般の方々に理解していただくことを目的としま す。
参加費は無料ですが、事前に以下の方法による参加申込みが必要です。

開催日時

2012(平成24)125(水曜日)1300分~1630

開催場所

南青山会館大会議室 (東京都港区南青山5-7-10)

参集範囲

農林水産省、独立行政法人、都道府県、大学、団体、民間等の関係者

申込方法

下記申し込みフォームにより申込み下さい。
https://pursue.dc.affrc.go.jp/form/fm/naro073/sympo

参加費

無料

定員

先着200(定員に達し次第申し込みを締め切らせていただきます)

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お問い合わせ

    ()農研機構 畜産草地研究所 企画管理部業務推進室交流チーム 〒305-0901 つくば市池の台2 Tel:029-838-8249 Fax:029-838-8606

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放射性セシウム:県が7市町村の野生キノコ追加検査 放射性物質、基準下回る /山梨

毎日新聞 20121031日 地方版
 鳴沢、富士吉田、富士河口湖の3市町村の野生キノコから国の基準を上回る放射性セシウムが検出された問 題で、県は29、30日に周辺7市町村の野生キノコの追加検査を実施した。いずれも基準を上回る放射性物質は検出されなかった。一方、3市町村に国から指 示された出荷制限は長期的に続くとみられる。
 県林業振興課によると、26〜29日に甲府市、都留市、笛吹市、身延町、西桂町、忍野村、山中湖村で採 取した野生キノコ14品目を県衛生環境研究所で検査。山中湖村産のヌメリイグチから1キログラム当たり54ベクレルの放射性セシウムが検出されるなどした が、いずれも原子力災害対策特措法が示す基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を下回った。
 ただし、3市町村産の野生キノコにかかった出荷制限が解除される見通しは立っていない。国の原子力災害対策本部は7月、放射性物質の検出に伴う農水産物の出荷制限について、「1市町村で3回検査をしてすべて基準値を下回る」などを解除の条件とする「考え方」を示した。
 しかし、林野庁経営課によると、野生キノコに関しては昨年9月に福島県で初の出荷制限が指示されて以 来、今月30日までに東日本の9県88市町村で同様の指示があったが、いずれも解除されていない。野生キノコが取れる山林は、除染が進まず条件が変わらな いことに加え、データが少なく、「安全と言うためには『考え方』以上に慎重にならざるを得ず、解除は当分難しい」(同課)という。【春増翔太】

原子力規制委:放射性物質拡散試算訂正 自治体、怒り・当惑 「間違った理由説明を」 /新潟

毎日新聞 20121031日 地方版
 「驚いた」「あきれた」「国の詳しい説明がほしい」。原子力規制委員会による原発事故の放射性物質拡散の試算が誤っていた問題で、誤りの発表と訂正から一夜明けた30日、県内の自治体には混乱や当惑が広がった。【神田順二、湯浅聖一、高木昭午、宮地佳那子】

 ◇魚沼市

「シミュレーションが魚沼市民に与えた不安は大きい。簡単に間違っていました、という話はないでしょう」。魚沼市の大平悦子市長は、30日朝、登庁すると怒りを見せた。
 「(事故の影響が市内に及ぶという)発表が企業誘致など地域振興に大きく影響することを認識しているのか」と規制委の姿勢に疑問を示し、「(試算の意味や)なぜ間違ったかの理由を説明に来てほしい」と訴えた。
 防災を担当する市総務課は「市内の影響場所は、柏崎刈羽原発から40・2キロ地点までではなく、約35 キロの2地点までに訂正された。しかし30キロ圏外にも影響が及ぶのは変わらない。同じ市内でこちらは屋内退避、あちらは避難と線は引けず、市全域で避難 の計画を作るしかない」と話す。

 ◇十日町市

当初は市内の原発から35・4キロ地点まで影響が及ぶとされた十日町市。訂正で、試算上は市内に影響地 点がなくなった。しかし市防災安全課は「試算は全ての事故状況や気象条件を網羅しているわけではなく、地点が消えて一安心、とは言えない。(従来の避難範 囲の目安だった)30キロで線を引いても実際に事故が30キロで止まる保証はない。市全域で避難を想定しておくしかない」と言う。

 ◇長岡市

原発から40・2キロ地点は当初の魚沼市ではなく、長岡市内に訂正され、同地点周辺の旧栃尾市地域が新 たに含まれることになった。森民夫市長は「(規制委から)訂正の電話1本もない。政府は市民が不安に思うことに鈍感だ。(危険を示す情報は)対策と合わせ て市民に説明すべきだ」と憤りをあらわにした。
 策定作業中の防災計画への影響については「風向とSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)のデータに基づいて計画を立てているので、今回の件で大きく見直す必要はない」との認識を示した。
 旧栃尾市地域では不安や戸惑いが広がった。元栃尾市長の杵渕衛さん(79)は「人口の流出や風評被害が心配だ」と言う。

 ◇見附市

見附市は訂正で、市内の31・6キロ地点まで影響が及ぶとされた。久住時男市長は記者会見し、訂正発表 の早さを評価したが「規制委は自治体や国民が信頼できる組織になってほしい」とも注文した。市企画調整課は「市域は20〜40キロ圏に広がり、以前から市 全域の避難を検討してきた。31・6キロと言われても防災上の影響は特にない」と話す。

 ◇県

規制委の事務局を務める原子力規制庁が誤りを県に電話連絡したのは29日午後5時ごろ。泉田裕彦知事は同3時に同庁を訪れ、池田克彦・同庁長官と面談したばかりだった。
 泉田知事は30日の記者会見で「(面談時に長官が)知らなかったなら組織としてどうか。逆に報告を受け ていて言及しなかったならデータを早く開示する意識を欠く」と指摘。さらに「(試算の実務を担った)原子力安全基盤機構から出てきたものを(規制庁に) チェックする能力があるか疑問」とし、同庁の姿勢と能力を疑った。
 県原子力安全対策課は「県も市町村も非常に混乱している。試算の前提もまだ不明瞭だ。誤りの経緯と合わせて国から再度、詳しい説明を聞き対応を考えたい」と話している。



苫小牧で食の安全・安心セミナー、放射性物質の影響は
20121031日(水)朝刊】

 胆振総合振興局が主催する「食品中の放射性物質に関する食の安全・安心セミナーin苫小牧」が30日、苫小牧市民活動センターで行われ、胆振管内の消費者が道内産の食品と放射性物質の影響について理解を深めた。
国は今年4月から食品中の放射性セシウムの新しい暫定基準値を導入している。セミナーは、新基準値の健康影響の評価などの道民理解が狙い。今回は胆振消費者大会・胆振総合振興局消費生活地域協議会(胆振消費者協会連合会主催)の一環のセミナーとして行われた。
 セミナーには、苫小牧市内のほか室蘭、伊達、登別の消費者協会から約80人が出席。道立衛生研究所理化学部の青柳直樹主査らが「放射能と食の安全~これ だけは知っておこう~」「本道海域における水産物の安全性について」などと題して講演。「マダラを除く本道海域の水産物から放射物質は検出されていない か、検出されても極めて微量」などと説明した。
 また、今月12日に室蘭沖で1キログラム当たり100ベクレルのマダラが見つかった件については「今後もしっかりとした監視が必要。さらに100ベクレルの意味を正しく理解すること」などと解説した。
 出席者からは「100ベクレルの基準値は、今後もより厳しい目で認識していくことが必要だと思った」などの意見があった。
(高橋昭博)

長岡市長「市民の不安に鈍感」 放射性物質拡散シミュレーション訂正の政府を批判

2012.10.30 19:39
原子力規制庁の資料を手に、「政府には政治がない。それが今回のていたらくにつながった」と批判する長岡市の森民夫市長
原子力規制庁の資料を手に、「政府には政治がない。それが今回のていたらくにつながった」と批判する長岡市の森民夫市長
 原子力規制委員会が新潟・柏崎刈羽原子力発電所の事故時の放射性物質拡散シミュレーションを訂正したことを受け、拡散範囲が広がった同県長岡市の 森民夫市長は30日緊急会見し、「社会的影響や市民の不安に極めて鈍感。シミュレーションを出すなら対応策をセットで出すべきだ」と指摘、政府の対応を厳 しく批判した。
 規制委員会が自ら拡散シミュレーションの精度や信頼性に限界を指摘していることに対し、森市長は「自分たちで信用ならんといっているようなもの。長岡なら東山連峰があるのに、地形を考慮していないとはどういうことか。よくシャーシャーと言える」と怒りを爆発。
 また、政府から訂正の連絡がなかったことを明らかにし、「謝罪の電話一本もない。常識がない」と切り捨て、今後説明を求めていく方針を示した。
 長岡市の防災計画について、森市長は原発の30キロ圏で策定を進めていることを強調。「今後、栃尾地域が30キロ圏並みにきちんと避難計画を立てることになるが、避難計画の骨子は変わらない。栃尾地域にはしっかり説明していく」と述べた。

藤村官房長官:放射性物質拡散試算誤りに「極めて残念」

毎日新聞 20121030日 1408分(最終更新 1030日 1502分)
藤村修官房長官
藤村修官房長官
藤村修官房長官は30日午前の記者会見で、原子力規制委員会が放射性物質の誤った拡散試算を公表したこ とについて、「極めて残念だ。自治体の関心が非常に高く、規制委はさらなる混乱を招くことがないよう丁寧な説明をしてほしい」と批判した。規制委を所管す る長浜博行環境相も会見で「防災計画を策定する自治体の担当者はたいへん敏感だ。慎重な対応を願っている」と述べた。【小山由宇】

密封された放射性同位元素の紛失について(TEMサービス株式会社)


  • 20121030日 第1
 本年1030日(火曜日)16時頃、TEMサービス株式会社から文部科学省に対し、密封された放射性同位元素(コバルト602.5メガベクレル)を紛失したとの連絡がありました。なお、本件による放射線障害のおそれはありません。                

1.報告者

事業所名

TEMサービス株式会社

住所

福岡県北九州市門司区大久保1丁目613

2.経緯

1)平成241030(火曜日)16時頃、TEMサービス株式会社から文部科学省に対し、以下の連絡があった。
  • 本年10月中旬、同社が密封された放射性同位元素(コバルト602.5メガベクレル)を装備する携帯用液化ガスレベルメーターを確認したところ、当該放射性同位元素を含む先端部(長さ約30センチメートルの棒状の部品)を紛失していたことが判明した。
  • 同社は、当該レベルメーターを用いて船舶に搭載されている消火器内の二酸化炭素量を計測する業務を行っており、計測業務を行った際、船舶内に当該先端部を置き忘れた可能性がある。
  • 紛失判明後、同社は当該先端部を置き忘れた可能性のある船舶に対し、当該先端部の所在について問い合わせ、現在確認を行っている。
2)上記連絡を受け、直ちに、文部科学省から同社に対し、当該放射性同位元素を置き忘れた可能性のある船舶に、当該放射性同位元素が残置されている可能性がある部屋に必要以上に人を立ち入らせないよう注意喚起するよう指示した。

3.紛失した放射性同位元素

状態

長さ約30センチメートルの金属棒の先端に放射性同位元素が装備された状態

核種と数量

コバルト602.5メガベクレル

個数

1個 

4.放射性同位元素による影響等

 上記の放射性同位元素から1メートル離れた場所で1時間作業した場合、0.76マイクロシーベルト程度であり、放射線障害のおそれはない。

5.当省の対応

 文部科学省は同社に対し、厳重注意を行うとともに、当該放射性同位元素の紛失に至った経緯、原因、再発防止対策等をとりまとめ、報告するよう求めました。また、紛失した放射性同位元素の発見・回収に全力を尽くすよう指示しました。
INESに係る暫定評価)                                                   
基準1
基準2
基準3
総合評価
レベル0
レベル0
基準1:人と環境への影響
基準2:施設における放射線バリアと管理への影響
基準3:深層防護への影響

お問い合わせ先

科学技術・学術政策局放射線対策課放射線規制室

南山、田村
電話番号:03-5253-4111(内線4044

(科学技術・学術政策局放射線対策課放射線規制室 )

【静岡】

小山の野生キノコから基準値超セシウム

20121031

◆県が周辺市町での採取と摂取自粛呼び掛け

静岡県は三十日、同県小山町の野生キノコから食品衛生法の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。県は同町と周辺自治体での野生キノコの採取と摂取の自粛を呼び掛けている。
 基準値を超えたのは二十六日に採取されたユキワリで、一キログラム当たり三五〇ベクレルの放射性セシウムが検出された。県衛生課は東京電力福島第一原発事故の影響としている。市場などへの流通は確認されていない。
 県は同町周辺の富士宮市、御殿場市、裾野市などのキノコも調査する。二十三日と二十五日に山梨県鳴沢村、富士吉田市、富士河口湖町の野生キノコか ら基準値を超す放射性セシウムが検出されたため、隣接する小山町のキノコを検査した。同時に検査したヌメリイグチ、コムラサキシメジは基準値以下だった。

青森市産の野生キノコに出荷制限(2012/10/31 09:04
 青森市で採取されたサクラシメジから国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、国の原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)は30日、同市産の野生キノコに出荷制限を指示した。
 青森県内の野生キノコに対する出荷制限は、十和田市と階上町に次いで3例目。指示を受け県は同日、県内の青果市場や産直施設などに取り扱いを控えるよう要請した。(田村祐子)


【神奈川】

放射性セシウム 水や土も定点計測 川崎市のHPでデータ公開

20121031

 福島第一原発事故による影響をみるため、川崎市は市内の河川水や海水、地下水、土壌に含まれる放射性セシウムを定点で年二回計測する環境モニタリ ングを始めた。データを十一月上旬以降に市のホームページで公開する。川崎区、中原区、麻生区の三地点で毎時測っている大気中の放射線量と合わせ、環境状 況がチェックできることになる。
 水と土は八月に採取し、測定結果は十月に出た。
 水は、多摩川、麻生川など河川十二地点、浮島沖など海水三地点、稲田公園(多摩区)など地下水三地点で、いずれも検出限界値(一キログラム当たり 〇・六九ベクレル)以下だった。土は中原、麻生両区役所中庭と幸スポーツセンターの三カ所で採取。一キログラム当たり二九七~一〇五ベクレルで、市環境対 策課は「放射性物質汚染対処特措法の指定廃棄物の基準(同八〇〇〇ベクレル)を大きく下回った」。
 大気は、昨年三月十六日に川崎区で毎時〇・一三四マイクロシーベルトと最高値を記録。事故後の本格的な降雨を受けて同二十一~二十三日に毎時〇・一〇マイクロシーベルトを超えたが、その後は低下し、三十日午後三時は同〇・〇四一マイクロシーベルトになっている。
 環境対策課は「あくまで一般的な測定で、ホットスポットとは別だが、定点計測で半減期などの影響をみていく」としている。 (山本哲正)

野生キノコから初 基準値超セシウム 静岡・小山町

2012.10.31 02:24
 県は30日、小山町で採取した野生キノコ1種類から食品衛生法の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された と発表した。東京電力福島第1原発事故の影響によるものとみられ、県は県全域に関係機関を通じて当分の間、同町内の野生キノコの採取と摂取を差し控えるよ う要請している。県内で野生キノコから基準値を超える放射性物質が検出されたのは初めて。
 県によると、山梨県の鳴沢村で23日、富士吉田市と富士河口湖町でも25日に、野生キノコから基準値を超える放射性セシウムが検出された。
 国は原子力災害対策特別措置法に基づいて26日に山梨県知事に対し3市町村の野生キノコの出荷停止を指示している。
  県ではこうした動きを受けて同日、富士吉田市に隣接する小山町須走に生育する野生キノコを採取して検査。3検体の検査結果で、食用のユキワリから350ベ クレルと基準値を超える放射性セシウム(134と137の合計値)を検出した。ほかはヌメリイグチからは87ベクレル、コムラサキシメジが60ベクレル だった。
 県では山梨県の3市町村に隣接する富士宮市、御殿場市などの野生キノコの検査も実施するという。

日本で新しい原子力災害対策指針、決定


31.10.2012, 12:43



日本で新しい原子力災害対策指針、決定

Photo: EPA

   日本で水曜、原子力発電所の災害対策に関する新しい指針が決定された。それによれば、原発から半径30km圏が防災対策の「重要区域」が設定され、原発事故の際には沈静化のために作業が行われねばならない。

   この結果、特別措置の対象区域に居住する市民の数は、480万人にまで増大した。新しい基準によれば、原発事故の際、原発から半径5kmに住んでいる人は全員、即時避難しなければならない。
   さらに、彼らの避難は、専門家による放射線濃度の測定に先立って行われねばならない。原発から半径30km圏内に住んでいる市民の避難勧告発令の決定は、 危機の度 合いに応じてなされる。日本のマスメディアの調べでは、新しい指針は国際標準に合致したものとなっている。
   巨大津波に引き起こされた20113月の「フクシマ第一」原発事故後、特別措置の対象区域は当初、事故原発から半径20kmと設定された。
   イタル・タス

 原子力災害対策指針を公表

(201210311654) 国の原子力規制委員会が、原子力発電所で事故が起きた場合の対策をまとめた新たな防災指針を公表しました。
 避難などの対象範囲を原発の半径10キロから30キロに拡大することが柱ですが、避難指示の判断基準などは明らかになっておらず、県や氷見市は、国の動きの鈍さに困惑しています。
 原子力規制委員会がまとめた指針では、重点的に防災対策を進める地域、UPZを従来の10キロから30キロに拡大。
 これによって、富山県では氷見市の3分の2、人口でおよそ2万人がUPZ圏内に入ります。
 指針では5キロ圏内を「すぐに避難する地域」に設定しているのに対し、30キロ圏内は、「放射線量の上昇の度合に応じて避難する地域」としています。
 避難が必要かどうかについては、放射線のモニタリングの結果をもとに原子力規制委員会が判断し、自治体に伝えることにしています。
 しかし、避難を判断する基準や、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の投与基準は、今回の指針に盛り込まず、年内をメドに決めることにしています。
 また、たたき台に盛り込まれ、その後、検討事項となっている安定ヨウ素剤の50キロ圏内への配布についても、指針には盛り込まれず、年度内にまとめるとしました。
 政府は関係する自治体に対し、指針をふまえた防災計画を年度末までにまとめるよう求めています。
 県内では県と氷見市が防災計画の協議を進めていて、国の指針が出るのを待っていました。
 今後の具体的な検討事項としては、30キロ圏内の住民への連絡手段や、避難ルートや場所、手順の決定、被ばく医療体制の整備などがあります。
 また、高齢者や障害者など災害時に援護を要する住民に対して、避難所のほかに一時滞在できる施設を整備することも今後の検討課題となります。
 県は、年内にも原子力災害対策の部会を開きたい考えですが、年度末までに防災計画を取りまとめるには、あまりにも情報が少なすぎます。
 計画策定の期限とされている年度末まであと5か月。
 わずかな時間で実効性のある計画にできるかどうかは、不透明な状況です。



「福島 決して忘れない」

20121031

◎被爆者・広瀬方人さん、福島で語る
【斎藤靖史】原発事故による放射線の影響に不安を抱える福島市の女子高校生と交流を続ける長崎市の被爆者広瀬方人(まさひと)さん(82) が、福島市で小中学生やその家族ら150人に長崎原爆の体験を語った。「世界中の人が頑張ってほしいとメッセージを送り続けている。私たちは決して福島を 忘れない」と語りかけた。
 講演は、福島市教育委員会の依頼で27日にあった。
 広瀬さんは昨年10月、修学旅行で長崎を訪れた福島市内の女子高生たちに被爆体験を語った。福島に戻った高校生から届いた感想文には、将来の出産への不安などがつづられていた。
 「被災地に寄り添う被爆者の気持ちを伝えたい」。今年5月、被爆者に呼びかけて高校生たちへの手紙を集め、8通を高校に送った。中には、「低線量被曝(ひばく)の影響があるかもしれないことを考えるべきだ」といった内容もあった。
 ところが、その手紙は生徒たちには届かなかった。子供たちが放射線を過度に不安視しないようにという学校側の配慮だった。
 「一方的な思いで手紙を送り、申し訳なかった」。広瀬さんは一部の生徒と今もメールのやりとりを続けているが、手紙を送る活動は見合わせることにした。
 一方で「放射能は怖くない」「心配していたら生きていけない」という感想文の言葉は、不安のあまりやけを起こしているように思えて、今も気にかかる。
 「福島の大人でさえも、高校生の複雑で不安な気持ちを知らないのでは」
 広瀬さんは講演で、原爆の爆風ではけが一つなかった伯母が、いとこを捜しに爆心地付近に入って急死したこと、67年たった今でも続く被爆者の苦しみと核兵器廃絶の願いを語った。
 質疑応答の中で広瀬さんは放射線との向き合い方について、「福島は放射線を測り、科学的根拠のもとに復興をめざしている。内部被曝の危険性を避ける知恵を働かせながら暮らすことが大事」と呼びかけた。
 広瀬さんは「私は核兵器をなくすという使命を感じ、支えてくれる人がいると実感し、元気になった」と話し、続けた。「これからも決して福島を忘れないというメッセージを送りたい」
'12/10/31

原発事故の対策指針決定 規制委、重点区域30キロ圏に拡大

原子力規制委員会(委員長)は31日の定例会合、 原発事故時の防災対策の枠組みとなる原子力災害対策指針を決定した。東京電力福島第1原発事故を受け、避難に備える「原子力災害対策重点区域」の目安を原 発の半径30キロ圏(現行10キロ圏)に拡大するのが柱。関係自治体は指針に基づき、重点区域の範囲や住民避難の方法を盛り込んだ地域防災計画の策定を開 始、来年3月までにまとめる。ただ対象人口の急増などで難航も予想される。
 重点区域は、現行の15道府県45市町村から21道府県135市町村に拡大。30キロ圏が重なる地域もあり、対象人口は72万人から延べ480万人に増える。
 規制委の放射性物質拡散予測では、東電柏崎刈羽(新潟県)、福島第2、関西電力大飯(福井県)、中部電力浜岡(静岡県)の4原発で30キロ圏を超えて高い放射線量が予想され、住民避難が必要になる。このため関係自治体が30キロ圏を超えて重点区域を設ける可能性もある。
 放射線量など避難判断の基準の決定は12月まで先送りした。自治体からは「指針で基準が示されないと、住民の避難誘導など具体的な計画策定は困難」(福井県敦賀市)との声も出ている。

元校長が手作り…茨城の地域情報紙が発行15年

地域の話題を発信し続ける江口さん。手にしているのは「町報おおはし」の第185号(日立市大和田町で)
 茨城県日立市大和田町に、15年間ほぼ毎月発行されている手作り情報紙がある。
 「地域の今やこれからを考えるきっかけになる話題を提供できれば」と、住民の元高校長が公民館報として一人で編集を続ける「町報おおはし」だ。東 日本大震災後には、津波など災害対応を「隣人との話題に」と呼びかけた。毎号、必ず同じ言葉を掲載する。「支えあいは向こう三軒両隣」――。
 編集しているのは、1995年に県立里美高校(現県立太田二高里美校)の校長を最後に教職を退いた江口勇さん(78)。90年に第1~5号が発行 されて以降、休刊していた大橋公民館報を退職後に引き継ぎ、97年6月27日付「町報おおはし」(第6号)として復活させた。以来、ほぼ毎月1回発行し、 約100世帯に配っている。
 B4判1枚だが、内容は盛りだくさん。第185号となる最新の11月1日付では、「高齢者と地域」のタイトルで自身の思いを伝える記事を掲載。 「地域を良くするためには、高齢者が自ら参画し、世の中に迎合しない意見を述べ、行動することが必要」と訴えた。地域の行事の紹介、空間放射線量、読者の 投稿も掲載し、「おおはし文芸」という俳句コーナーもある。
 江口さんは「独断と偏見で、気楽に発行させてもらっているので続いている」と笑いつつ、「住民に地域の課題を共有してもらえればと思い、自分なりの問題意識を持って編集している」とも語る。
 東日本大震災後には、定期号に加え、たびたび号外も発行した。自身が持っていた機器で地域の放射線量を測って載せたり、過去の水害を紹介し、「津波も水害も同じ、高所へ」と呼びかけたりした。
 町内に住む主婦武弓隆子さん(73)は「震災後、山崩れへの行政の対応や、放射線を分かりやすく説明した記事などが掲載され、本当に心強かった」と言い、毎月、発行を楽しみにしているという。
20121031日  読売新聞)

子ども関連施設が放射線を再測定、きょう26日から/相模原

20121026
 相模原市は、小中学校や公園など子ども関連施設の空間放射線量を26日から再測定する。昨年同時期に続く調査で線量の変化を確かめ、暫定基準値(毎時0・23マイクロシーベルト)を超えた場合は除染を行う。
 対象は837施設で測定箇所は4千地点以上。効率化のため昨年より調査地点を6割程度に減らすが、比較的線量の高かった毎時0・15マイクロシーベルト以上の地点は放射性物質がたまりやすいと見て、すべて計り直す。
 昨年の調査では25公園の45地点で基準値を超え、小中学校では除染後も23校42地点で基準値を上回った。
 再調査は12月中旬まで行われ、測定結果は順次市のホームページで公表する。

豪州の畜産農家が苦境に、インドの攻勢で輸出トップから転落も

  • 20121031日  17:18 JST
【シドニー】オーストラリアの畜産農家がインドにシェアを奪われつつある。牛肉価格が底値水準で推移・・・