2012年10月26日金曜日

2012/10/26

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野生キノコから放射性セシウム

 県は26日、十日町市で採取した野生のキツブナラタケから1キログラム当たり50ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。南魚沼市で採取した野 生のキツブナラタケからも同46ベクレル、刈羽村で採取した野生のクロゲナラタケからは同8ベクレルを検出した。いずれも新基準値(1キログラム当たり 100ベクレル)は下回った。県内で流通する食品のサンプル検査や、県内で飼育、食肉加工された牛の全頭検査などでは検出されなかった。
 検査は26日に実施。対象はほかに、南魚沼市で採取した野生のハタケシメジ、新潟市のキャベツ、ダイコン、燕市のレタス、胎内市のサヤインゲン、田上町 のヒラタケ(菌床)、群馬県のシュンギク、ブロッコリー、埼玉県のカブ、長野県のパプリカ、セロリ、大分県の業者が製造した乾シイタケ、宮城県の業者が製 造したイカ塩辛、村上市荒川で水揚げされたシロザケ(可食部、内臓)。
新潟日報20121026
須賀川市旧西袋村のコメ 国が出荷制限を指示
(福島県)
須賀川市内で収穫されたコメから国の基準値を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、国は25日、旧西袋村のコメについて出荷制限を指示した。須賀川市や県が旧西袋村の農家ごとの管理計画を策定し、それを国が認めれば出荷制限は解除される。
[ 10/26 20:10 福島中央テレビ

山梨3市町村の野生キノコ出荷停止

2012/10/26 19:50
政府は26日、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したとして、山梨県富士吉田市、富士河口湖 町、鳴沢村の野生キノコの出荷停止を県に指示した。厚生労働省によると、東電福島第1原発事故に伴う山梨県の農林水産物の出荷停止は初めて。市場には流通 していない。

福島県川俣町:試験栽培の稲刈り実施 除染の効果を分析

毎日新聞 20121026日 1920分(最終更新 1026日 1928分)
除染した田んぼで育ち収穫される米=福島県川俣町で2012年10月26日、矢頭智剛撮影
除染した田んぼで育ち収穫される米=福島県川俣町で2012年10月26日、矢頭智剛撮影
 東京電力福島第1原発事故の計画的避難区域になっている福島県川俣町の水田で26日、農林水産省が試験栽培の稲刈りをした。稲を分析し、土壌の除染で稲の放射性セシウムがどう減るか調べ、農業再開の参考にする。
 試験栽培をしている同町山木屋地区日向の水田は、事前に表土を3センチ削るなどの除染をした。その結 果、土壌中の放射性セシウムの濃度は83%減の1キロ当たり770ベクレル、空間線量も68%減の毎時0.72マイクロシーベルトになった。刈り取った稲 の分析結果は11月下旬ごろ発表される。
 試験栽培の水田を管理してきた地元の専業農家、本田安子さん(57)は「表土の剥ぎ取りで線量も下がり、稲も安全と期待している。先行き真っ暗だった昨年よりは光が差した」と話していた。【深津誠】

震災がれき、敦賀で県内初試験焼却 安全確認後1月にも本格受け入れ

20121026日午後623分)
拡大一般ごみに混ぜられ、クレーンで焼却炉に投入される震災がれきの木くず=26日、福井県敦賀市櫛川の市清掃センター一般ごみに混ぜられ、クレーンで焼却炉に投入される震災がれきの木くず=26日、福井県敦賀市櫛川の市清掃センター



 東日本大震災で発生した震災がれきの安全性を確認する県内初の試験焼却が26日、福井 県敦賀市櫛川の市清掃センターで始まった。一般ごみとともに約16時間かけて焼却し、29日に焼却灰の放射性セシウム濃度を測定した後、環境省が定める基 準以下なら赤崎最終処分場に埋め立てる。
 がれきは岩手県大槌町で発生した、住宅廃材や倒木などを破砕した木くず約3トン。25日に搬入され、放射線量を測定した結果、周辺の空間放射線量とほぼ同じで異常は見られなかった。
  この日は午前8時半ごろ、焼却炉を起動し同9時ごろから試験焼却を始めた。一般ごみ約47トンと混ぜられた木くずは、クレーンで約1トンずつつかみ上げ て、焼却炉の投入口に入れられた。約800度の高温で、1時間当たり約3トンずつを焼却した。市は放射性セシウム濃度を調べるため、焼却時に出た排ガスや 飛灰も採取した。市では安全性が確認されれば、来年1月にも約900トンの本格受け入れをする予定。
 試験焼却の様子は市民に公開され、市議3人を含む5人が訪れた。また受け入れに反対する市外の住民ら数人が市役所を訪れ、受け入れ撤回などを求める陳情書を提出した。
 同センターで29日午後1時から、市民対象に焼却灰採取の作業を公開する。



福島沖で漁獲された魚、1年前と同程度の汚染 米報道

2012/10/26 13:34

   福島県の沖合いで漁獲された魚の一部は、現在でも1年前と同じ程度汚染されているとの調査結果を、20121026日、ブルームバーグほか米複数メディアが報じた。調査結果の全文は、同日発売の科学誌サイエンスに掲載された。
   記事によると、調査をおこなったウッズ・ホールド・オーシャノグラフィック・インスティチューション(マサチューセッツ州)のケン・ブッセラー氏は、福島沖では表層に生息する魚を除き、魚介類の放射性セシウムの濃度は128月時点で低下していないと指摘。汚染レベルは特に、海底に生息する魚類で高いという。
   水産庁でも同日、「水産物と放射性物質調査」結果を公表した。それによると、海底の粘土に吸着されていない放射性セシウム20+ が、福島沖の底魚から高濃度の放射性セシウム20+ が検出され続ける原因となっていると分析している。ただ、放射性セシウム20+ は 徐々に拡散し、福島沖では低下傾向にあるそうだ。今後は引き続き、海底近くに棲息するヒラメ、カレイ類、タラ類、貝類、ナマコ、エビ類等を含め、広く放射 性物質の調査を行い、また、底層の海水や海底土や川底の泥に含まれる放射性物質濃度のモニタリング結果を注視していくと言う。

放射性セシウム:野生キノコから、富士吉田と富士河口湖でも 国、出荷制限を指示へ /山梨

毎日新聞 20121026日 地方版
 県は25日、富士吉田市と富士河口湖町の野生キノコから食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える同340〜140ベクレルの放射性セシウム10+を検出したと発表した。23日にも鳴沢村の野生キノコから基準を超えるセシウム10+を検出しており、国は3市町村の野生キノコの出荷制限を県に指示する見通し。
 県は鳴沢村での検出を受け、隣接する両市町でキノコ7検体を新たに採って検査。その結果、富士吉田市の キヌメリガサから同340ベクレル、アカモミタケとチャナメツムタケから各同150ベクレル、カヤタケから同140ベクレル、富士河口湖町のシロナメツム タケから同160ベクレルを検出した。同町のクリタケは同36ベクレル、ムキタケは同7・5ベクレルで基準値を下回った。
 県によると、野生キノコは地元の直売所などで販売。県は3市町村で採取や販売を控えるよう呼びかけるとともに、隣接市町村でも検査を進める。横内正明知事は「健康への影響が直ちに表れるような数値ではなく、冷静な対応をお願いしたい」とのコメントを出した。【水脇友輔】

福島沖の魚介類、放射性レベル下がらず 国際調査


  • 2012102618:23 発信地:ワシントンD.C./米国



1026AFP】福島沖で獲れた魚介類に含まれる放射性セシウムの濃度は、原発事故から1年半が経過した後も下がっていないと指摘する米ウッズホール海洋研究所(Woods Hole Oceanographic InstitutionWHOI)の調査論文が25日、米科学誌「サイエンス(Science)」に掲載された。
 WHOIの海洋化学者、ケン・ブッセラー(Ken Buesseler)氏は、日本政府の公式データを基に、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の沖合いで獲れた魚介・海藻類の放射線レベルを調査。依然としてセシウム濃度が高い理由として、福島第1原発から低レベルの放射能漏れが起きているか、汚染物質が海底に堆積している可能性があると結論付けた。
 2011年から国際調査チームを率いて福島第1原発による放射能汚染状況を船で調査してきたブッセラー氏は、福島沖で獲れた魚介類の40%は日本政府の 放射性セシウム基準値に照らして消費用として適さないと試算している。だが同氏はまた、時の経過とともに汚染状況がどのように変化していくかを予測するに は、魚介類の調査だけでは不十分だとも指摘している。
「本当に必要なのは、福島沖でわれわれが目にしていること(魚介類の汚染)の原因となっているセシウムなどの放射性物質の出所や、汚染堆積物について、よりよく理解することだ」(ブッセラー氏)
 研究によると、検出されたセシウムの濃度は魚の種類によって異なるが、海底近くに生息するいわゆる底魚で最も高かった。また、汚染レベルに差はあっても、全ての魚介類でセシウム濃度は下がっていなかったという。
 一方、東北沖で獲れた魚介類の大半は、食べても心配のないレベルのセシウム濃度だったと研究チームは強調している。
 ブッセラー氏は東京大学(University of Tokyo)の植松光夫(Mitsuo Uematsu)教授とともに、1112日から2日間の日程で都内で開かれるシンポジウムで今回の調査結果を発表する予定だ。(c)AFP

旧西袋村のコメ出荷制限 政府が県に指示


201210260940分配信
須賀川市旧西袋村の玄米1袋から食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、政府は25日、原子力災害対策特別措置法に基づき、旧西袋村のコメの出荷制限を県に指示した。
平成24年産米の出荷制限は初。
今後、出荷するためには、県と市が旧西袋村全域の作付面積や収穫量などを盛り込んだ管理計画を策定することが条件。
計画に基づいて全袋検査を実施し、基準値以下であれば出荷可能となる。
23日までに全袋検査を終えたコメは、「安全性は確保されている」(県農林水産部)として回収しない。
旧西袋村の稲作農家数は310戸。
作付面積は計450ヘクタール。
収穫量は約2400トン(8万袋)で、同市全体の約1割。

敦賀で震災がれきの試験焼却始まる 

201210261146
 東日本大震災で、岩手県大槌町で発生したがれきの受け入れを表明している福井県敦賀市の市清掃センターで26日午前、震災がれきの試験焼却が始まった。
 がれきはチップに加工した木くず3トンで、市内の一般ゴミ47トンと交ぜて16時間焼却する。午前8時半ごろに焼却炉を起動、9時ごろから焼却を始めた。
 29日午前に飛灰や排ガス、固化灰などの放射性セシウム濃度を計測後、市内の赤崎最終処分場に埋め立てる。検査結果は、市内最大34カ所で計測する空間放射線量とともに、11月1日に市ホームぺージなどで公表する予定。
 敦賀市は2013年1月ごろから、大槌町から900トンの震災がれきを受け入れる見込み。700トンを受け入れる福井県高浜町も11月4日に木くず3トンを試験焼却する。
(中日新聞)

放射性セシウム:コメ全袋検査で、下限未満でも高く判定 会津の産地、県HP修正求める 測定値にぶれ「風評招く」 /福島

毎日新聞 20121026日 地方版
全袋検査で25〜50ベクレルと判定され、会津若松市が再検査のために保管している玄米
全袋検査で25〜50ベクレルと判定され、会津若松市が再検査のために保管している玄米
コメの全袋検査で、実際は放射性セシウム10+が 測定下限値(1キロ当たり25ベクレル)を下回っているのに、それ以上と判定された例が主要産地の会津地方で3自治体12点あることが分かった。ベルトコ ンベヤー式検査器の測定値のぶれが原因で、会津若松市などは「かえって風評被害を助長する」と、県にホームページ(HP)で公表される数値の修正を求めて いる。【乾達】
 同市のコメは、市独自で昨年検査した255点、今年の県のモニタリング検査55点全てで検出限界値未満 だった。市の独自検査は精度の高いゲルマニウム半導体検出器で計測されたものだ。ところが、全袋検査で25ベクレル以上が続出したため、30ベクレルと判 定された1点を検出器で再検査したところ検出限界値の10ベクレル未満と大きな差が出た。
 新潟県境の西会津町も最大42ベクレルと判定された10点を調べ直したところ全て検出限界値未満だった。磐梯町でも30ベクレルの1点が5・7ベクレルと大幅に低くなった。
 この他にも、喜多方市では全袋検査で25ベクレル以上と判定されたコメ袋を数回同じ検査器にかけたとこ ろ、全て25ベクレル未満と表示されたといい、測定値にぶれが出ている。メーカーによっても精度の違いがあり、猪苗代町では町内で測ったものは全て下限値 未満なのに、業者が他市に持ち出し違うメーカーの検査器で全袋検査したものは10点が25ベクレル以上になったという。指摘を受けたメーカーの一社は「基 準値の100ベクレルを超える可能性がある袋をはじく機械で、数値測定を目的としたものではない」と説明する。
 HPでは、24日までの会津地方の全袋検査は25ベクレル未満約188万点に対し、147点が25〜50ベクレルと判定され、自治体が測定し直した12点も含まれたまま。
 県水田畑作課は「検査の目的は100ベクレル超えを見逃さないことで、本来より高く出ているのなら問題 ない。測定値には誤差があるが、消費者の懸念解消には検査の合格だけでなく、内容を示すことも必要なため、参考値として公表している」と説明。今後は精度 の高い検出器で測定し直したコメは確定値とみなし、HPの数値の修正にも応じる方針だ。
 会津若松市などは修正が認められれば、残るサンプルも再検査する予定だが、すでに流通し検査できないものもあるという。

震災がれき:福井・敦賀市が試験焼却

毎日新聞 20121026日 1104
 福井県敦賀市は26日、岩手県大槌町で発生した震災がれき3トンの試験焼却を始めた。今後、焼却灰の放射性セシウム10+濃度などを測定し、安全性が確認されれば、来年1月ごろから計約900トンを受け入れ、焼却する。
 震災がれきの受け入れは西日本では北九州市に続き2カ所目。他に東北・関東の1都7県と静岡県でも受け入れが始まっている。
 敦賀市清掃センターに25日夕、角材などを破砕した木くずのがれきが搬入され、市の担当者が放射線量の変化を調べて安全性に問題はないと確認した。26日朝から一般ごみと一緒に焼却し、市民限定で公開した。灰の測定結果は市のホームページで公表する。
 同市の河瀬一治市長が今年2月、震災がれきの受け入れ方針を表明。独自の受け入れ基準として、がれきの放射性セシウム10+濃度を国より厳しい1キロ当たり100ベクレル以下に設定し、準備を進めていた。【柳楽未来】

キノコからセシウム 山梨富士吉田、富士河口湖でも

 鳴沢村で採れた野生キノコから食品衛生法の基準を超える放射性セシウムが検出された問題で、山梨県は25日、同村に隣接する富士吉田市と富士河口湖町で採れた野生キノコ7検体のうち5検体からも、基準を超える放射性セシウムを検出したと発表した。
 セシウム汚染の拡大を受け、横内知事が冷静な対応を呼び掛けるコメントを発表する事態となった。
食品衛生法は、一般食品の放射性セシウム濃度の基準を1キロ・グラム当たり100ベクレル以下と定めている。鳴沢村の野生キノコが基準を超えたことを受け、県は24日、富士吉田市と富士河口湖町で野生キノコを採取し、25日に県衛生環境研究所(甲府市)で分析した。
 県林業振興課によると、富士吉田市の4検体すべてから基準を超える放射性セシウムを検出。富士河口湖町の3検体では、シロナメツムタケが基準を超えたが、クリタケとムキタケは基準内だった。同課は「キノコは土壌のセシウムを吸収しやすいため、基準を超えたのではないか」としている。
今回の分析結果を受け、県は県内市町村や直売所に対し、富士吉田市と富士河口湖町の野生キノコを当分の間は食べたり、採取、出荷したりしないよう通知し た。県は、鳴沢村で採れた野生キノコについても同様の通知を出している。県は26日から、3市町村に隣接する自治体でも野生キノコを採取し、検査する方 針。
 横内知事は25日、「健康への影響が直ちに表れる数値ではなく、県民には冷静な対応をお願いしたい」とのコメントを出した。
20121026日 読売新聞)

県が出荷自粛を要請

20121026
 県は24日、階上町で19日にとれた野生キノコのホウキタケから食品衛生法の基準値を超す1キロあたり116ベクレルの放射性セシウムが検出され た、と発表した。十和田市でも5日にとれた野生キノコのチチタケから基準超セシウムが出ており、県は両市町のすべての野生キノコを採ったり、売ったり、食 べたりしないよう関係産直施設や販売店などに出荷自粛を要請した。
 県によると、昨年、県内の野生キノコから基準超のセシウムが出た例はゼロ。今年は10月から29検体の検査をし、うち2検体が基準を超えたことになるが、県保健衛生課は「原因はわからない」としている。

福島県須賀川市の新米/出荷停止

20121025
政府は1025日、福島県須賀川市(旧西袋村の区域に限る。)で産出した2012年産の米について、出荷を差し控えるよう福島県に要請した。
福島県の調査で、須賀川市旧西袋村で生産した2012年産米から、基準値を超える放射性セシウムが検出されたため。

10
21日、須賀川市(旧西袋村)の米の全量全袋検査の結果、1つの米袋からスクリーニングレベル(76ベクレル/kg)を超える放射性セシウムを検出。

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24日には該当の米袋を福島県農業総合センターのゲルマニウム半導体検出器で分析を行った結果、基準値を超える110ベクレル/kgの放射性セシウムを検出した。

敦賀市搬入の震災がれき異常なし 放射線量測定、初の試験焼却へ

20121026日午前656分)
拡大試験焼却のため市清掃センターに搬入された震災がれきの木くず=25日、福井県敦賀市櫛川の市清掃センター試験焼却のため市清掃センターに搬入された震災がれきの木くず=25日、福井県敦賀市櫛川の市清掃センター




 東日本大震災で発生したがれきが25日、福井県内で初めて試験焼却を行う敦賀市櫛川の市清掃センターに搬入された。市の担当者が放射線量を測定した結果、周辺の空間放射線量とほぼ同じ値で、異常は見られなかった。試験焼却は26日午前8時半から行う。
 試験焼却で安全性が確認されれば、市は年明け以降に約900トンの本格受け入れを始める方針。
 搬入されたがれきは、岩手県大槌町で発生した住宅廃材などを破砕した木くず約3トン。市は焼却前の放射性セシウム20+ 濃度を1キロ当たり100ベクレル以下とする基準を設定しており、岩手県で搬出前に行った計測では1キロ当たり13ベクレルだった。
  がれきは「フレコンバッグ」と呼ばれる袋に約250キロずつ小分けされてコンテナに載せ、JRとトラックで運ばれた。清掃センターには25日午後2時ごろ 到着した。市の担当者がコンテナ周辺、袋詰め状態、木くずのそれぞれで放射線量を計測。周辺の空間放射線量とほぼ同じ毎時0・07~0・1マイクロシーベ ルトだった。
 26日午前8時半から一般ごみ約47トンに混ぜて16時間かけて焼却する。焼却灰の放射性セシウム20+ 濃度を調べ、環境省が定める1キロ当たり8千ベクレル以下なら、29日に赤崎最終処分場に埋める。
 26日午前10~12時に焼却の様子、29日午後1時からは焼却灰をそれぞれ市民を対象に公開する。放射線量や放射性セシウム20+ 濃度の検査結果などは市のホームページなどで公開する。ダイオキシンやアスベストなども調べて安全性を確認する。
  この日の作業は市民に公開され、市議2人が訪れた。また清掃センター入り口前には、受け入れに反対する市外の住民約10人が訪れ、作業の公開を求めて警察 や市の担当者に詰め寄る一幕があった。また、県民医連が市に対し、測定データの徹底した情報公開などを求める要請書を提出した。
 県内では高浜町が4日に試験焼却を行う。

20121026日(金)

国、出荷停止を指示へ 県内3市町村の野生キノコ 
富士吉田と富士河口湖 新たに基準値超の放射性物質




鳴沢村で採取した野生キノコか ら国の基準値を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、県は25日、隣接する富士吉田市と富士河口湖町の野生キノコを緊急に検査。最大で基準値の 3・4倍の放射性セシウムが検出された。複数の市町村で基準値を超えたことから、国は近く、原子力災害対策特別措置法に基づき、3市町村のすべての野生キ ノコについて、県に出荷停止を指示する。

 県内で出荷停止が指示されるのは初めて。県は25日、富士吉田市と富士河口湖町に対 … 

震災がれき搬入、試験焼却へ 敦賀、県内で初めて 福井

2012.10.26 02:04
 岩手県大槌町の「震災がれき」について、敦賀市は25日、木材チップ3トンを市清掃センターへ搬入した。空間放射線量を計測し、26日に試験焼却する。問題がなければ年明けにも1年半で計900トンを受け入れる方針。試験焼却は県内初。
 木材チップは、震災で倒壊した家屋の柱や倒木などを細かく砕いたもの。17日に粉砕した際、木材チップは放射性セシウム濃度が1キロあたり13ベクレルで、空間放射線量は1時間あたり0・04~0・03マイクロシーベルトだったという。
 木材チップは特殊加工の袋12個にまとめてコンテナへ入れ、20日にJR貨物で岩手県を出発。25日にJR福井南駅に到着し、敦賀市まで陸上運搬された。
 試験焼却では、敦賀市は放射性セシウム濃度1キロあたり100ベクレル、空間線量率が周辺の値の3倍を超えないという国より厳しい独自基準で判断する。
 試験焼却後、29日午前にセメントで固めた灰を最終処分場で埋め立てる。廃棄物は10分の1の灰へ圧縮されるため、市担当者は「敦賀市の1週間分の量なので、処分場には十分余裕がある」としている。
 現場には、反対派のグループが詰めかけたが、混乱もなく搬入作業を終えた。
福島・須賀川市旧西袋村で収穫された新米の出荷停止を指示

厚労省は25日、福島・須賀川市旧西袋村で収穫された新米について、出荷停止を指示した。
国の新しい基準値を超える放射性セシウムが検出されたためで、2012年の新米に対する出荷停止は、初めてのこととなる。
厚生労働省は今後、適切なコメの管理計画を受け取った段階で、出荷停止を解除する方針。
(10/26 00:42 福島テレビ)



福島・旧西袋村のコメ出荷停止 政府、新基準値で初
2012/10/26 0:27
政府は25日、福島県須賀川市の旧西袋村地区のコメの出荷停止を県に指示した。同地区の農家が生産したコメから国の新基準値(1キログラ ム当たり100ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出されたため。10月からコメに適用された新基準値を上回り、出荷停止が指示されたのは今回が初め て。
 政府は、県が同地区の全てのコメに出荷前の全袋検査を実施する管理計画を作成すれば、出荷停止を解除する見通し。

福島・旧西袋村のコメ、出荷制限=セシウム基準値超えで-政府

 政府は25日、福島県須賀川市の旧西袋村地区で生産されたコメについて、食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出され たことを受け、県に出荷制限を指示した。県は2012年産米のほぼ全てを検査しており、基準値を超えたコメは流通していない。12年産米の出荷制限指示は 今回が初めて。(2012/10/25-21:13

今年度産のコメが初めて出荷停止 福島県須賀川市(10/25 21:55)

政府は、福島県須賀川市の一部地区で今年収穫されたコメについて、国の基準を超える放射性セシウムが検出されたため、出荷停止を指示しました。
  出荷停止となったのは、須賀川市の旧西袋村地区で今年収穫されたコメです。この地区の農家で取れたコメ1袋から、国の基準を上回る1キロあたり110ベク レルの放射性セシウムが検出されました。食品に含まれる放射性セシウムは、4月から新しい基準値が適用されていますが、市場に流通している期間が長いコメ と牛肉には経過措置が取られていて、新基準は10月からの適用になっています。今年度産のコメが出荷停止となるのは初めてです。

福島の一部にコメ出荷停止を指示

10252151

福島県須賀川市で収穫された1袋のコメから、国の基準値を超える放射性セシウムが検出されたことから、政府は25日、福島県に対し、この地域で収穫されたコメを出荷しないよう指示しました。
24日、福島県が自主的に行っている新米の全袋検査で、須賀川市の合併前の旧西袋村で収穫された1袋のコメから、国の基準値を10ベクレル上回る1キログラム当たり110ベクレルの放射性セシウムが検出されました。
これを受けて政府は25日、福島県に対し、この地域で収穫されたコメを出荷しないよう指示しました。
福島県のコメの出荷停止は、ことしになって初めてです。
このコメ袋は市場には流通しておらず、県は24日、市や農協などに対し、この地域で収穫されたコメについて出荷の自粛を要請しています。
今後、政府は、福島県からこの地域で行っている全袋検査の計画などの提出を受け、安全性が確保できると確認できれば、出荷制限を解除することにしています。
201210252130

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基準超え地域のコメを出荷停止指示 今年度産では初




政府は25日、国の基準(1キロあたり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたとして、福島県須賀川市の旧西袋(にしふくろ)村地区で今年度収穫されたコメの出荷停止を県知事に指示した。今年度産の検査での出荷停止指示は初めて。
 基準値を超える同110ベクレルのコメは24日、県が独自に行っている全袋検査で見つかった。今後は過去に高い値が出た地区と同様の管理になり、この地域の農家で保管されている全量を把握するなど厳格な全袋検査計画を作れば、出荷を再開できる。

福島県産コメ 今年初の出荷停止

2012.10.25 20:33
 政府は25日、福島県須賀川市の一部地区のコシヒカリから国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたとして、同地区で今年産出されたコメの出荷停止を指示した。今年収穫されたコメの出荷停止は初めて。
 基準値を超えたのは旧西袋村地区の農家1戸が生産した320袋のうち1袋。1キロ当たり110ベクレルのセシウムが検出された。検査段階のため、流通はしていない。
 福島県は今後、同地区で生産されたコメの保管や出荷などの状況を農家ごとに把握する「管理計画」を策定。再度、全量全袋検査などを行い、安全性が確認されれば、出荷停止の措置を解除される。
富士北麓3市町村の野生キノコ出荷停止へ
(山梨県)
県は富士吉田市と富士河口湖町で採取された野生キノコから国の基準を超える 放射性セシウムが検出されたと発表した。富士吉田市では「キヌメリガサ」から基準値の3倍を超える340ベクレルの放射性セシウムが検出されるなど4種類 の野生キノコが基準値を超えた。また、富士河口湖町でも「シロナメツムタケ」から160ベクレルの放射性性セシウムが検出された。鳴沢村に続き複数の市町 村の野生キノコが基準値を超えたため国は近く県に対し3市町村の野生キノコの出荷停止を指示する見通し。横内知事は「風評被害が起きることがないよう全力 で取り組む」としている。
[ 10/25 19:32 山梨放送]

原木ナメコ、佐野も出荷停止 県内5市町目

(102519:31)
 政府の原子力災害対策本部は25日、佐野市産の露地栽培の原木ナメコについて、原子力災害対策特別措置法に基づき県に出荷停止を指示した。県は同市に対し、あらためて出荷自粛の徹底を求めた。
 県の調査で国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を上回る110ベクレルの放射性セシウム20+ を検出していた。県内では既に日光、矢板、那須塩原、那須の4市町で露地栽培の原木ナメコが出荷停止となっており、佐野市で5市町目。

旧西袋村(須賀川)コメ基準超 24年産

201210251031分配信
県は24日、平成24年産米の全袋検査で、須賀川市旧西袋村の農家が生産したコシヒカリの玄米1袋(30キロ)から、食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
県は同日、須賀川市や米穀業者らに旧西袋村のコメの出荷自粛を要請した。
24年産米で基準値を超えたのは初めて。
同村で生産されたコメは国が義務付けるモニタリング検査で全て基準値以下となっており、県の全袋検査が効果を発揮した形だ。
県によると、基準値を超えたコメは21日の全袋検査で104ベクレルを検出したため、詳細検査を実施。
須賀川市が保管しており、流通していない。
県は土壌や作付け状況などを調べ、原因を究明する。
この農家が生産した他の319袋は全て基準値以下だったため出荷できる。
既に出荷された旧西袋村のコメについて、県は「基準値以下であることを1袋ずつ確認している」として回収はしない。
政府は25日にも原子力災害対策特別措置法に基づき、旧西袋村のコメの出荷制限を県に指示する見込み。

東日本大震災:福島第1原発事故 放射性汚泥保管焼却灰、年内にも搬出 県、業者に処理委託 人工骨材で再利用へ /長野

毎日新聞 20121025日 地方版
 県内各地で放射性セシウム10+を含む汚泥焼却灰が保管状態になっている問題で、県は年内にも、県有2施設に保管中の焼却灰計294・9トンの搬出を始める。県外の産業廃棄物処理業者に月20トンのペースで処理を委託し、道路などのアスファルトの下に敷く人工骨材として再利用する。
 県生活排水課によると、県は7月末、処理業者に焼却灰約18トンを試験処理委託した。その結果、骨材に なってからの放射能濃度が国の安全基準を下回ることが分かり、処理委託が決まったという。委託先は風評被害防止のため非公開。排水課は「やっと保管解消に つながり胸をなでおろしている」と話した。
 県有2施設は、千曲川流域下水道下流処理区終末処理場と同上流処理区終末処理場で、11年5月から焼却 灰の場内保管を開始。その後、上流では同年8月以降、下流では同年10月以降、放射性物質濃度が下がったためセメント工場への搬出を再開した。しかし、工 場への搬出再開前の焼却灰は搬出できず、セシウム10+を1キロ当たり150〜3000ベクレル含む焼却灰が2施設に計294・9トン(9月14日現在)保管されていた。
 県内では長野、上田両市や飯綱町など6市町にある施設でも焼却灰の保管が続いており、県は「各市町とも処理のめどが立ちつつある」という。【渡辺諒】

放射性物質吸着資材に関する効果実証試験の実施

- 民間等から試験対象資材を公募 -
情報公開日:20121025(木曜日)

ポイント

  • 農研機構は、試験対象資材を公募し、土壌中の放射性セシウムを吸着できる民間資材を明らかにするための実証試験を実施します。公募期間は平成241031(水曜日)1113(火曜日)

概要

農研機構は、試験対象資材を公募し、下記のとおり土壌中の放射性セシウムを吸着できる民間資材を明らかにするための実証試験を実施します。これは、 東京電力福島第一原発事故により汚染された農地での営農の再開に向けて、農地の放射性セシウムの除去が重要であり、民間事業者が開発している様々な資材に ついて、その効果を明らかにすることが必要であるためです。

1.公募資材

土壌中に存在する放射性物質を吸着する資材。1申請者が応募できる資材の数は1つに限る。申請者は、資材を無償で提供する。

2.申請手続

申請者は、所定の申請書に資材名および原材料、提案資材の概要、効果を示す事例等を記載して農研機構に申請する(郵送又は持参提出)

3.応募対象

民間事業者等(応募資格要件あり)

4.選考方法

学識経験者による書類審査。審査基準は、新規性、施用量やコストからみた実用上の実現可能性等。採択数は10件まで。

5.試験方法

福島県農業総合センターで実証試験を実施。Ge 半導体検出器により放射性物質を測定し、効果を確認する。

6.結果の公表

本試験の結果については、農研機構が申請者に通知するとともに、公表する。

7.スケジュール

  • 公募期間:平成241031(水曜日)1113(火曜日) ※締め切り日必着
  • 採択可否の通知:平成2411月中
  • 試験終了、結果の通知・公表:平成252月中旬

8.申請書の提出先

305-8517 茨城県つくば市観音台3-1-1独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 総合企画調整部 安本 知子 宛

9.申請書に関する問い合わせ先

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 担当:木村 武
Tel 029-838-7199
Fax 029-838-8525
E-mail:kimurat@affrc.go.jp

10.その他

実証試験の実施要領は別添のとおり。

お問い合わせ

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今年産米で初基準値超え 福島県旧西袋村 (20121025日)






放射性セシウム:須賀川産米基準超 天日干し原因か 1袋だけ検出で /福島

毎日新聞 20121025日 地方版
 須賀川市の農家で収穫したコメ1袋から国の新基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える放射性セシウム10+が検出された問題で、このコメを生産した同市袋田の農家の男性は、取材に対し「よく分からない。何かの間違いではないか」と言葉少なに語った。
 県などは、この1袋だけセシウム10+濃度が高くなった要因について今後調査を進める。考えられる原因の一つに、天日干しが挙げられるという。近所の男性らによると、この農家はコメの味を良くするために天日干しの乾燥を続け、それを“売り”の一つにしていた。
 県などは、天日干しを控えるよう通知していたが、近所の男性は「こだわりの米作りに、違うやり方を強制するわけにもいかなかった。本当に悪いのは事故を起こした東京電力で、彼も被害者だと思う。気の毒だ」と農家男性の心中を気遣った。【泉谷由梨子】

農家「なぜここで…」 早く原因究明を 県など市場のコメ安全強調

福島県の平成24年産米の全袋検査で1キロ当たり100ベクレルの基準値を超える放射性セシウムが初めて検出された24日、コメが収穫された水田 がある須賀川市の旧西袋村の農家に戸惑いが広がった。「なぜここで。細心の注意を払っていたはずなのに…」。出荷制限による一層の遅れも懸念される。農家 からは、原因の早期究明を求める声が上がった。
 地区内の農家設楽宗雄さん(59)は「残念だ。なぜこの地区で」と悔しさをにじませる。
 稲作を始めて40年近くになる。農地に除染資材をまくなど、放射性物質対策には念を入れ、これまで検査が済んだコメは全て検出下限値未満だ。「既に市場に出荷されているコメは全て安全性が確認されている。風評が広がらなければいいが」と不安を抱えている。
 地区の一部で24日も稲刈りが行われていた。全袋検査に加え、今回の出荷制限により例年より時期はかなり遅くなる。作業をしていた50代の農家男性は「出荷がいつになるか見通せず、価格が今後どうなるか心配だ」とため息をついた。
  地区の稲作に取り組む認定農業者らでつくる西袋地区農業振興プロジェクト委員会。稲作普及に向け、ほ場整備などに取り組むため9月に発足したばかりだ。今 後、除染なども進める計画で、委員長を務める渡辺喜吉さん(58)は「基準値超えのコメがどういった経緯で出たのか、原因を究明すべきだ」と力を込めた。
 市によると、基準値を超えるコメが生産された水田の周辺に、放射性物質がたまるような森林などは少ないという。昨年の地区内の検出最大値は1キロ当たり80ベクレル台で、現段階で基準値を超えた原因ははっきりしない。
  市は今後、出荷制限解除に向けた管理計画策定などを急ぐ。橋本克也市長は「地区内の農家が一刻も早く自信を持って市場に出荷できるよう県をはじめ関係機 関・団体と連携して取り組む」とした上で、「東京電力福島第一原発事故にあらためて強い憤りを感じている」とコメントした。
 「基準値を 超えるコメが出る事態は想定内だ。そのようなコメを逃さない体制として全量全袋検査を導入している」。県水田畑作課の天野亘主幹兼副課長は冷静に受け止め る。その上で「だからこそ市場に出回っている本県産米は全てが安全性が確認されていると言える」と強調した。
 コメどころ会津地方のあるJA幹部も「今回のように基準値を超えたコメが水際で抑えられることこそが全袋検査の意義。消費者の安全・安心を確保するためには欠かせない」と話す。
 全袋検査を実施しているJA新ふくしまで現段階で検査が終了したのは3分の1程度。福島市内には昨年収穫したコメから検出した放射性物質が比較的高かった地域もある。
 同JAで検査を担当する丹治基春園芸特産センター長は須賀川市の事例を受け、「厳格な検査の必要性があらためて示された形。一層、緊張感を持って臨まなければならない」と気を引き締める。

消費者 「確実な検査実施を」
 全袋検査で基準値を超える放射性物質が検出されたことに、県内の農家から風評被害を懸念する声が上がり、消費者は検査徹底をあらためて求めた。
 約2ヘクタールの水田で稲作をする福島市の農業遠藤秀夫さん(61)は「対策を講じている中で基準値を超えることはないと思っていた」と受け止めた。その上で「県全体のコメの風評被害につながらなければいいが」と望む。
  1歳の子どもを持つ本宮市の主婦(31)は「他の地域でも検出されるかもしれない」と全袋検査の確実な実施を求めた。福島市の会社員渡辺幸子さん(52) は「検査されていることで県産米は一番安全だと思える」との考えを示す。一方で、「今回の基準値超えで不安に思う人も増えるのではないか」と気をもむ。
 東京に住む娘に地元産農産物を送っているという須賀川市の主婦増子安子さん(59)は「店で買える農産物は安全だと信じている。今後も購入し続ける」と話している。
( カテゴリー:主要

稲刈りに励む西袋地区の農家=24日


階上の野生キノコから基準値超セシウム(2012/10/25 09:01
 青森県は24日、階上町で採取した野生キノコのホウキタケから、食品衛生法の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を上回る116ベクレルの放射 性セシウムを検出したと発表した。県内では今月5日に十和田市で採取したチチタケからも120ベクレルが検出されている。同時期に2度の基準値超過があっ たことから、県は十和田市産と階上町産の野生キノコ全般について、産直施設や青果市場などに出荷自粛を要請。近く、国の出荷制限が掛かる見通しだ。


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コメ初の新基準値超え 須賀川の全袋検査で隔離
県は24日、本年産米の全袋検査で、須賀川市の旧西袋村の農家1戸が生産した玄米1袋から食品の新 基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る1キロ当たり110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。新基準値に移行してから県産米が新基準 値を超えたのは初めて。全袋検査により新基準値を超えた米袋は同市が隔離保管でき、市場流通を事前に食い止める成果が出た。
 県は同日、旧西袋村で収穫されたコメについて同市や集出荷業者らに出荷自粛を要請した。25日にも政府が出荷制限を指示する見通し。全袋検査のため、すでに新基準値以下と確認して出荷したコメは回収しない。
 県によると、21日の全袋検査でこの農家が収穫した玄米320袋のうち「コシヒカリ」1袋から同104ベクレルのセシウムを検出。このため、24日に県 農業総合センターのゲルマニウム半導体検出器で詳細検査した結果、同110ベクレルだった。この農家のほかの米袋は最大同78ベクレルにとどまった。 
(2012年10月25日 福島民友ニュース)

須賀川でコメ1袋から基準超放射性セシウム 県出荷自粛要請

 福島県は24日、福島県須賀川市の旧西袋村地区産のコシヒカリ玄米1袋から国の 基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超す110ベクレルの放射性セシウムが検出されたとして、同地区のコメの出荷自粛を要請したと発表した。基 準値を超えた玄米は市が保管し、市場には出回らない。ことし県内で生産されたコメの出荷自粛要請は初めて。
 県の全袋検査で110ベクレルのセシウムが検出されたのは、同地区の農家1戸が生産した320袋(1袋30キロ)のうち1袋。
 県によると、農家が収穫米を天日乾燥したことが、高めの検出値の原因となった可能性があるという。
 同地区では今月、別の農家が生産したコメから最大99ベクレルのセシウムが出た。昨年も一部から50~100ベクレルを検出し、ことしは重点検査区域になっていた。県は周辺を含め原因調査を進める。
 同地区のコメ農家は約310戸で作付面積は約450ヘクタール。推定生産量は約2400トンで須賀川市全体の1割程度を占める。地区総生産量の3~4割が既に検査を終えて市場に流通しているが、いずれも基準値を下回って安全性が確認されているとして、回収はしない。
 県は須賀川市が同地区のコメの生産や出荷、保管の状況を農家ごとに把握する管理計画を策定し、再度の全袋検査で安全性が確認されれば出荷制限を解除する。
 福島県産米は昨年、県の安全宣言後に当時の国の暫定基準値(500ベクレル)を超すセシウムが県内各地で検出された。県はことし、生産者の直接販売米や自家消費米を含め、全てのコメについて全袋検査を実施している。
 県農林水産部は「初の出荷自粛要請となって残念だが、基準値超えのコメが流通しないシステムが機能していることを裏付けたとも言える」と話している。

地元悲痛「風評被害 売れなくなる」
  福島県のコメ農家の願いは今年も破られた。須賀川市産のコメ1袋から24日、基準値を超える放射性セシウムが検出された。昨年に続き、出荷制限を強いられ る福島米。原発事故から1年半以上経過しても収まらない放射能汚染に、生産、流通関係者はショックや怒りの表情を見せた。
 基準値を超えるコメが生産された同市旧西袋村地区。農家の男性(67)は「国で人を派遣するなりして、対策を取ってほしい」と嘆いた。
 男性は、国や県が推奨するセシウム吸収防止のカリウム入り肥料をまかなかったという。「農家は高齢者ばかり。肥料をまく体力はない」。すべての生産者が、十分なセシウム対策を講じられるわけではない。
 地元では「旧西袋村のコメはもうおしまい。風評被害で売れなくなってしまう」(男性・60歳)と悲痛な声が上がる。
 地元すかがわ岩瀬農協の職員(46)は「全袋検査をしている。基準超えが1袋出ただけで、旧西袋村全体が出荷制限なんておかしい」と憤る。
 須賀川市の水田除染は、対象面積約4400ヘクタールのうち130ヘクタールにとどまっている。国の予算が十分に配分されず、除染業者の確保も難しい。
 福島県生協連の佐藤一夫専務(58)は「全袋検査をしているので、基準を超えたコメは出回らない」と冷静に受け止める。その上で「国の責任で根本的な対策をとらないと来年以降も同じことが繰り返される」と警鐘を鳴らす。
 須賀川市を含む中通り産のコメの取り扱いを見合わせている福島市の米穀店では、男性従業員(45)が「全袋検査をして風評被害が落ち着いてきたところだったのに…。取り扱いを再開したいが、これでまた難しくなった」と肩を落とした。
 須賀川市の橋本克也市長は「誠に残念。今後も生産管理の充実を図っていくのは当然だが、あらためて原発事故に強い憤りを感じる」とコメントした。



20121025日木曜日

【群馬】

放射性廃棄物 県内に9800トン 8000ベクレル以下の汚泥焼却灰など

20121025

 国が処分場設置の責任を持つ指定廃棄物には当たらない、放射性セシウムの濃度が一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル以下の汚泥焼却灰などで、県内 で保管されている量が明らかになった。県企業局関係の水道と工業用水六カ所で約八千八百トン、市町村の下水道汚泥で約千トンの計約九千八百トン。管理型処 分場の新設は厳しく、県や市町村は頭を抱えている。 (池田一成)
 県企業局の関係分では、水道が県央第一(榛東村)、新田山田(みどり市)、東部地域(千代田町)、県央第二(渋川市)の四カ所、工業用水が渋川 (同)、東毛(太田市)の二カ所で、八月末で計八千八百トン。汚泥焼却灰などはコンクリートの構造物に入れ、遮水シートをかぶせるなど厳重に保管されてい る。東京電力福島第一原発事故発生時に近い時期のものほど放射性濃度が下がりにくいという。
 市町村の下水道の焼却灰や汚泥は、九月末現在で千トン弱。
 県が管理する流域下水道での発生分は、今月上旬に県外のセメント業者や中間処理業者に委託して処分を完了したという。
 指定廃棄物以外の処分は市町村に任されている。管理型の産廃最終処分場を造る必要があるが、「時間もお金もかかりすぎ難しい。県外でも同様の悩みを抱えている」(前橋市の担当者)という。
 七月には関東地方知事会の要望として、埼玉県の上田清司知事が、指定廃棄物と一緒に国の最終処分場で処理できるよう要望を行った。
 県も九月定例県議会で、同様の方向で検討を進めることを答弁している。
 環境省は「指定廃棄物より濃度の低いものは市町村の責任で処理する」という立場を変えていない。

玄米規制値超、県「全袋検査が機能」 事前対応策で冷静



 須賀川市産の玄米から24日、今年産の玄米で初めて国の規制値(1キロ・グラムあたり100ベクレル)を超える、1キロ・グラムあたり110ベクレルの放射性セシウムが見つかった。ただ、「安全宣言」を出した後に当時の暫定規制値(同500ベクレル)を超える玄米が見つかった昨年に比べ、今年は農林水産省と県が規制値超の玄米が出た場合の対応をあらかじめ決めており、県は冷静に受け止めている。
規制値超が検出された農家のある地域(旧西袋村)では、すでに国の指示による抽出検査が終了しており、県が導入した全袋検査で規制値超が判明した。県農林水産部の甲斐敬市郎次長は報道陣に「全袋検査の機能が保たれていると理解している」と説明した。
 政府は25日にもこの地域に出荷制限を指示する見通しだが、すでに全袋検査を終えた玄米は出荷できる。今後は須賀川市と県が地域の農家ごとの数量 などを把握する管理計画を作成、国に申請する。認められれば出荷制限が解除され、全袋検査で規制値以下となった玄米は出荷が可能になる。
 昨年はいったん安全宣言を出した後に、福島市や伊達市などの玄米から暫定規制値を超える放射性セシウムが相次いで検出され、行政の不手際が露呈した。
このため県は、今年産の玄米の全袋検査を実施、あらかじめ規制値超のコメが出た場合の対応を決めていた。県水田畑作課は「昨年は暫定規制値を超えれば終わりだったが、今年は袋ごとに検査しており、安全な玄米を見分けられることが決定的な違いだ」としている。
 県内で約2万6000点の抽出検査を指示している農水省の鈴木良典穀物課長は、「多くのデータを集めており、どういった条件で育てたコメが放射性物質を多く含むかを調べやすくなった。規制値を超えるコメが出なくなるように取り組みたい」と話した。
 県によると、玄米を精米して炊くと、セシウム濃度は約10分の1まで低下するという。
◇「安全なコメのみ流通」強調
 規制値超の玄米が見つかった須賀川市では、風評被害を心配する声があがる一方、冷静に受け止める人もいた。
 同市を管内に持つJAすかがわ岩瀬の橋本正和組合長(64)は「予想しておらず、連絡を受けた時は衝撃だった」と話した上で、「全袋検査で安全なコメしか流通させないことを消費者に知ってほしい」と強調した。
 旧西袋村の農家の受け止めは様々だ。専業農家の女性(62)は、「昨年は旧西袋村で暫定規制値を超えたコメは出ず、今年も大丈夫と思っていた。風 評被害が他の農産物に出るかもしれない」と表情を曇らせた。一方で、別の農家男性(54)は「規制値超のコメは市場に流通しない。全袋検査による安全性を 地道に訴えていけば消費者も理解してくれるのでは」と前を向いた。
 市によると、旧西袋村では昨年の抽出検査での放射性セシウムの濃度は最大でも1キロ・グラムあたり50~100ベクレルの範囲だった。今回、市などが規制値超の玄米が見つかった農家に聞き取りを行ったところ、規制値を超えた玄米は天日干しを行い、放射性セシウムの吸収を抑えるカリウム肥料やゼオライトの散布は行っていなかった。
市は24日、農家ごとのコメの数量や出荷状況などを確認するため、地域内の稲作農家約310戸への聞き取りを始めた。28日までに管理計画をまとめ、月内にも政府からの出荷制限の解除を目指す考えだ。
20121025日  読売新聞)



福島のコメ初の基準値超え / 110ベクレル、出荷自粛を要請
 福島県は24日、コメの全袋検査で、須賀川市の農家が出荷した1袋から、食品の新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
 新基準値になってから、福島のコメが100ベクレルを超えたのは初めて。検査段階のため、流通はしていない。県はこの農家がある地域に出荷自粛を要請する。
県によると、全袋検査は玄米の段階で行い、基準値以下であることを確認してから市場に流通させている。この農家は320袋が検査を受けたが、ほかに100ベクレルを超えたものはないという。
201210241248

佐野の原木ナメコ、出荷自粛 栃木


2012.10.25 02:05
 県林業振興課は24日、佐野市産の原木ナメコ(露地)から基準値を上回る放射性セシウムが検出されたことを発表。同市産の原木ナメコの出荷自粛を要請した。23日に採取されたナメコから同110ベクレルのセシウムが検出された。

余録:オーストリアの精神分析学者フロイトは…

毎日新聞 20121025日 0004
 オーストリアの精神分析学者フロイトはウィーンの自宅近くの森を家族らと散歩する時、いつも帽子を持ち 歩いた。途中、ヤマドリタケなどのキノコを見つけるとすぐに帽子を投げてかぶせ、こうみんなに宣言した。「これは私のだぞ!」▲我を忘れてキノコ狩りに熱 中したフロイトだが、夫人は店で買うのを好んだという。どうやら毒キノコを見分ける夫の能力にあまり信を置いていなかったらしい。なるほどその辺がいいか げんなキノコマニアははた迷惑だ▲さてチェルノブイリ原発事故の際には高濃度の放射性物質による汚染が注目されたオーストリアのキノコである。それから四 半世紀、農作物の大半で放射性物質が検出されなくなった昨年も、野生キノコからはなおも比較的高濃度の放射性セシウム10+が検出されている▲秋深まる野山ではキノコ狩りを楽しむ方も多かろう。だが東日本のいくつかの市町村からは野生のショウゲンジやチチタケなどから国の基準を超える放射性セシウムが検出されたとのニュースが伝えられた。当の市町村では野生キノコの出荷・販売が自粛されている▲小川眞さんの「キノコの教え」(岩波新書)によれば、キノコがセシウム10+を吸収しやすいのは欧州では60年代から注目されていた。吸収量が多いのは土から生えるキノコで、それらは放射性セシウム10+を地表で循環させて長い間森林にとどめる役割を果たしてきたという▲森で営まれる生命の循環に入り込んだ放射性物質は、これから長きにわたりそこに居座ることになりそうだ。それをもたらした罪深い人間に身をもって危険を教えてくれる優しきキノコたちである。

福島県のコメ全袋検査で基準値超え、今年初
 福島県は24日、県が実施しているコメの全袋検査で、今年初めて、国の基準を超える110ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。
  基準を超えたのは須賀川市の旧西袋村で栽培されたコメで、県の全袋検査で放射性セシウムが検出されたため詳しい分析をしたところ、国の基準(一キロあたり 100ベクレル)を超える110ベクレルが検出された。このコメを栽培した農家は320袋を検査に出していて、基準を超えたのは1袋だけだったが、その他 のコメからも基準以下ではあるものの、一定の値のセシウムが検出された。県は旧西袋村のコメの出荷自粛を要請したが、既に検査を受けて基準値以下と確認さ れたコメは回収などの必要はないという。
 一方、まだ検査を終えていないコメは、検査体制などを国が確認するまで出荷が制限されることになる。
 今回の事態に、周辺の農家からは「ショックですよ。踏んだり蹴ったりですね。何のために一生懸命がんばっているか、わかりません」といった落胆の声も聞かれた。(10/24 22:00)

-->
20121024192

福島産コメから基準値超えセシウム 県、出荷自粛要請




福島県は24日、同県須賀川市の旧西袋村地区の農家が生産したコメ1袋から、国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える同110ベクレルの放射 性セシウムを検出したと発表した。県は同地区のコメの出荷自粛を要請した。福島県で今年とれたコメで基準値を超えたのは初めて。
 県による全袋検査で、この農家が生産した320袋のうち1袋だけが高めの放射線量を示した。県は「土壌や肥料、栽培方法などを調査し、原因を探る」としている。
出荷自粛要請 放射性セシウム基準超え
(福島県)
福島県が実施しているコメの全袋検査で、須賀川市内のコメから、ことし初めて、国の基準値を超える110ベクレルの放射性セシウムが検出された。
県はこの地区に出荷自粛を要請した。
基準値を超えたのは、須賀川市の旧西袋村で栽培されたコメで、県の全袋検査で放射性セシウムが検出されたため、詳しい分析をしたところ、1キログラムあたり国の基準値の100ベクレルを超える110ベクレルが検出された。
このコメを栽培した農家では320袋を検査に出していて、基準値を超えたのは1袋だけだったが、その他のコメからも基準値以下ではあるものの一定の値のセシウムが検出された。
*周辺の農家インタビュー
「ショックですよ。ふんだりけったりですね。何のために一生懸命がんばっているのか、分かりませんよね
県は旧西袋村のコメの出荷自粛を要請したが、既に検査を受け、基準値以下と確認されたコメは、回収などの必要はないという。
[ 10/24 19:55 福島中央テレビ]
福島・須賀川市のコメ1袋から、今秋初の基準超え放射性セシウム
福島・須賀川市のコメ1袋から、この秋初めて国の基準を超える放射性セシウムが検出された。
国の抽出調査では問題はなかったものの、福島県独自の全袋検査で、基準超えが判明した。
基準を超える、1kgあたりおよそ110ベクレル(Bq)の放射性セシウムが検出されたのは、原発からおよそ60km離れた須賀川市の袋田地区の農家が生産したコメの1袋。
国の調査では、基準を超えているかどうかはわからなかったが、県が独自で行っている全袋検査で確認された。
抽出によって行われる国の検査で問題はなかったが、福島県が独自で進める、国より厳しい全袋検査で基準超えがわかり、問題の袋のコメは流通が止められた。
国の検査で基準を超えた場合、旧市町村単位で出荷停止となるが、県の調査で発覚していることから、今後の出荷について検討している。
この地区のコメの多くは検査が終了し、安全性が確認されたものは、市場に流通している。
(10/24 12:59 福島テレビ)

放射性セシウム:野生キノコから、鳴沢村で基準値超 県産農産物で初 /山梨

毎日新聞 20121024日 地方版
 県は23日、鳴沢村産の野生キノコから食品衛生法の基準(1キロ当たり100ベクレル)を超える同360〜150ベクレルの放射性セシウム10+を検出したと発表した。県産農産物から基準を超える放射性物質が検出されたのは初めて。
 県によると、同村など3町村で今月採った各種キノコ6検体を検査。同村の「ショウゲンジ」から同360 ベクレル、「シロナメツムタケ」から同150ベクレルを検出した。「カヤタケ」など3検体は基準以下の同45〜18ベクレルで、残る1検体は不検出だっ た。昨秋の検査でも野生キノコから同100ベクレル超を検出したが、当時の国の暫定規制値(同500ベクレル)は下回っていたという。
 同村の野生キノコは一部が地元直販所などで販売されているとみられ、県は当分の間、同村内でキノコ採りを控えるよう呼びかけている。【春増翔太】

東日本大震災:福島第1原発事故 須賀川産米から110ベクレル 新基準値上回る−−全袋検査

毎日新聞 20121024日 東京夕刊
 福島県は24日、同県須賀川市の旧西袋(にしふくろ)村で収穫された今年度産米1袋から食品の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウム10+を検出したと発表した。今年度産米で基準値を超えたのは初めて。県は旧同村に出荷自粛を要請する。
 県によると、対象農家は154アールの水田で320袋の米を生産した。21日の全袋検査でうち1袋から 104ベクレルを検出し、より精度の高いゲルマニウム半導体検出器で詳細検査したところ、数値は110ベクレルだった。乾燥は天日干しだったという。旧同 村は昨年産米で50ベクレル超100ベクレル以下を検出した「重点検査区域」に指定されていた。【深津誠】

ニホンジカから基準超セシウム

20121024
◇県、食肉出荷自粛要請へ
 県は23日、秩父市の山中で捕獲された野生のニホンジカから国の基準(1キロあたり100ベクレル)を超える820ベクレルの放射性セシウムが検出された、と発表した。県はシカの食肉を扱う事業者に対し、県内で捕獲されたシカ肉の出荷自粛を要請する。
 自然環境課などによると、セシウムが検出されたのは、同市浦山で10月21日に「有害鳥獣」の駆除のために捕獲されたニホンジカ。担当者 によると、このシカはセシウムに汚染された草や落ち葉を多く食べた可能性が高いという。シカの食肉は捕獲した本人による自家消費が多く、一般に流通する ケースは多くないとみられる。
 ただ、秩父市内には観光客向けにシカ肉料理をメニューに並べる店もある。猟師に捕獲されたり、ワナにかかったりしたシカを年間20頭ほど 解体して客に出すという観光農園店主(76)は、近くで取れたシイタケやギョウジャニンニクの放射能が不検出だったため、シカは想定外だったという。「そ んなに高い値の放射能がでたら、店に出せなくなる」とショックを受けていた。

今年産米で初の基準値超え=須賀川市産、110ベクレル-福島

 福島県は24日、2012年産米の全袋検査で、同県須賀川市で生産されたコメから食品の放射性セシウムの新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超え る110ベクレルが検出されたと発表した。今年産米の検査で基準値を超えるコメが見つかったのは初めて。基準値を超えたコメは流通していない。
  県によると、須賀川市の旧西袋村地区の農家1戸が今年収穫した玄米320袋の検査で、1袋(30キロ)から110ベクレルが検出され、残りは基準値を下 回った。県は同地区で生産されたコメの出荷自粛を24日中に要請し、今後、国から出荷制限の指示が出る見込み。(2012/10/24-13:20
20121024()

秩父のシカ肉から800ベクレル超のセシウム検出 県が出荷自粛要請

 県は23日、秩父市浦山で21日に捕獲された野生のニホンジカ(雌)の肉から、基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を大 きく上回る820ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。野生動物で基準値を超えたのは県内で初めて。県はニホンジカの食肉を取り扱う業者に対 し、県下全域で出荷・販売の自粛要請をするほか、近隣市町村を通じて住民に肉を食べないよう注意喚起を行う。
 県は福島第1原発事故を受けて、狩猟期が始まる11月15日までをめどに、県猟友会や秩父市などと協力して野生動物(イノシシ、ニホンジカ)の放 射性物質検査を実施している。本年度はこれまで10検体(8月29日~9月30日に捕獲)を調べたが、イノシシは34ベクレル、ニホンジカは22ベクレル が最高値だった。今回の820ベクレルは突出して高い。
 県自然環境課は「文部科学省の航空機モニタリング調査では、捕獲された場所の周辺は比較的放射線の沈着量が高い場所。落ち葉などを継続的に捕食したことで、体内にセシウムが蓄積されて高濃度になったのではないか」とみている。
 同課によると、県内で捕獲されるニホンジカは、有害鳥獣捕獲と狩猟を合わせて年間約1500頭。本年度は有害鳥獣捕獲の一部が食肉として使われた可能性もあるという。県は今後も野生動物の肉について検査を実施する。
 他県では、岩手県陸前高田市で8月に捕獲された野生のニホンジカの肉から、584ベクレルのセシウムが検出されている。
福島のコメで初の新基準値超え   2012/10/24 11:46

コメの全袋検査で、新食品基準値を初めて超える110ベクレルの放射性セシウム20+ 検出と福島県発表。

埼玉のニホンジカから基準値超の放射性セシウム検出

最終更新:201210240950

鳴沢の野生キノコ2種類 基準値超セシウム検出 山梨

2012.10.24 02:05
 県林業振興部によると、鳴沢村で採取した野生キノコの「ショウゲンジ」「シロナメツムタケ」について23日、放射性物質検査を実施したところ、基 準値を超える放射性セシウムが検出された。キノコを含む一般食品の放射性セシウム基準値は100ベクレル。採取したショウゲンジは360ベクレル、シロナ メツムタケは150ベクレルのセシウムが検出された。放射性ヨウ素は不検出。
 県では2種類以外でも鳴沢村内で発生した野生キノコについては当分の間、採取、出荷を控え、鳴沢村以外で採取した野生キノコには適切に表示したうえで流通させるよう求めている。

原因は汚染敷料=肉牛から基準超セシウム-宮城県調査

 宮城県登米市の農家が出荷した肉牛から国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える150ベクレルの放射性セシウムが検出された問題で、宮城県は23日、放射能汚染された敷料を牛が食べたことが原因とする調査結果を発表した。
  県は出荷元の農家への聞き取りや立ち入り調査を実施。調査結果によると、問題の牛は通常の肥育牛と別の牛舎で管理されており、農家はセシウムに汚染された 野草を出荷の10日前から敷料として使用していた。飼料からは基準値を超える放射性セシウムは検出されなかったため、県は牛が敷料を食べたことが原因と結 論付けた。(2012/10/23-22:19

野生キノコから基準値超セシウム=山梨

 山梨県は23日、同県鳴沢村で採取された野生キノコ「ショウゲンジ」と「シロナメツムタケ」から、食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える360ベクレルと150ベクレルの放射性セシウムが、それぞれ検出されたと発表した。
 県内で野生キノコから国の定める一般食品の基準値を超える放射性セシウムが出たのは初めて。
 県によると、県内の直売所や市場で販売されているとみられる。県は当面、鳴沢村の野生キノコ採取や出荷を自粛するよう呼び掛ける。(2012/10/23-20:54

ニホンジカで高濃度セシウム検出 埼玉県が出荷自粛要請

2012.10.23 20:18
 福島第1原発事故を受けて実施している放射性物質検査で埼玉県は23日、秩父市で捕獲された野生のニホンジカの肉から基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える820ベクレルの放射性セシウム10+ を検出したと発表した。県は、県内全域で野生ニホンジカの出荷自粛を要請する。
県によると基準値を超えたのは21日に秩父市浦山で捕獲された野生のニホンジカ。県は23日までに秩父市周辺の野生のイノシシとニホンジカ計11検体を検査した。県内で捕獲されるニホンジカは年間約1500頭で、一部は市場に流通する可能性もあるという。
  文部科学省が昨年11月に行った航空機によるモニタリング調査で、秩父市浦山周辺は1平方メートル当たり300キロベクレルの比較的高い値を計測。県は、 落ち葉や草に沈着した放射性物質をニホンジカが継続的に食べた結果、体内に蓄積されて高濃度になった可能性があるとみている。
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201210222312分 更新

千葉県君津市の管理型最終処分場内の水たまりから 1キログラムあたり最大281ベクレルの放射性セシウムが検出

 20121017日、千葉県君津市管理型最終処分場内の水たまりから1キログラムあたり最大281ベクレル放射性セシウムが検出されていたことが、同市の環境団体の情報公開請求により判明した。
 管理型最終処分場
image from
管理型産業廃棄物最終処分場 君津環境整備センター
 同施設は、福島第一原発事故以降、放射性セシウムを含む下水汚泥が搬入されていた。今回の処分場内の水たまりで放射性セシウムが検出された件について、千葉県では施設の外への放射性セシウムの流出は確認されていないと発表している。
 この問題を指摘した同市の環境団体「放射性物質から生命を守る市民の会」は17日に「水道水など市民生活の安全にかかわる情報」として情報の即時公開を求める請求を君津市に提出している。現在、同施設では放射性セシウム以外の有害物質の漏えいにより廃棄物の搬入が停止している状況である。

放射性セシウム:ソバ、ナメコから基準値超 出荷自粛要請 /岩手

毎日新聞 20121023日 地方版
 県は22日、一関市の旧興田村で生産されたソバから国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る250ベクレルの放射性セシウム10+が検出されたと発表した。農産園芸課によると、ソバの基準値超過は初めて。
 県は今年産のソバについて、検査が終了するまで出荷を自粛するよう8月21日付で全県的に要請していたが、一関市と関連団体「いわい東農業協同組合」に対し22日、出荷自粛の継続を要請した。
 また、林業振興課も同日、陸前高田市で露地栽培された原木ナメコから基準値を超える280ベクレルの放射性セシウム10+が検出されたとして同市に出荷自粛を要請した。【金寿英】

セシウムは基準以下か不検出 焼却灰搬入の大館など3施設

 国の基準を超す放射性セシウムを含む首都圏のごみ焼却灰が大館市と小坂町に運び込まれた問題で、県は22日、両市町の最終処分場など3施設で9月25日に行った立ち入り検査の結果を発表した。
 同町の最終処分場「グリーンフィル小坂」で採取した放流水から放射性セシウム2・8ベクレル(1リットル当たり)を検出、7月25日の前回検査と同じ数 値で国の放流水基準150ベクレル(同)を大きく下回った。同施設の放流水は、昨年7月から今年5月までに実施した8回の検査でも2・3〜4・2ベクレル を検出している。
 同市の最終処分場「エコシステム花岡」と中間処理施設「エコシステム秋田」の放流水は不検出。
 3施設の空間放射線量(地上1メートル)は毎時0・02〜0・06マイクロシーベルトで、本県の通常レベル(0・03〜0・09マイクロシーベルト)の範囲内だった。
2012/10/23 09:02 更新

東日本大震災:藻類やしっくい使う除染法開発

20121023
 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質は、農地だけでなく原発周辺の川底や海底の土も汚染し、農漁業の再生に暗い影を落としている。この事態を打開するため、藻類やしっくいなどを利用した除染方法の開発が進んでいる。【神保圭作】
 理化学研究所や筑波大のチームは、ドーバー海峡に分布する直径1ミリに満たない円石藻(えんせきそう)の仲間がセシウム10+を吸収することに着目。国内の河川や海に分布する約200種類の藻類を放射性でないセシウムを含む水槽で培養し、吸収率を測った。装置は、藻類の入った水中に、大型レンズ(1平方メートル)で集めた太陽光を光ファイバーで送り、光を吸収して増殖した藻類を回収する仕組みになっている。
 その結果、淡水性の藻類の除去率が高い傾向にあり、真正眼点藻類(しんせいがんてんそうるい)が89・2%、アオウキクサが66%だった。ヨウ素やストロンチウムについても、シアノバクテリア類「イシクラゲ」は40%以上除去した。
 セシウム10+吸収の仕組みは未解明だが、セシウム10+は、 植物にとって成長に欠かせないカリウムと、水に溶けやすいなどの点で性質が似ている。筑波大の白岩善博教授(植物代謝生理学)は「カリウムの代わりに吸収 しているのではないか。藻類は乾燥させれば体積が100分の1以下になる。太陽光や藻類を使うのでコストの低さが魅力」と話す。
 チームは現在、福島県南相馬市の水田で実証実験を始め、相馬港(相馬市)や小名浜港(いわき市)でも11月に行う予定だ。セシウムは水田や川底の土粒子に吸着しているため、はぎとり効果のあるアルカリ性の肥料をまき、分離したセシウムを藻に吸収させる計画だ。
 一方、近畿大の森村毅・非常勤講師らは、放射性セシウムを吸着する鉱物ゼオライトを使った建材「ゼオCa(カルシウム)漆喰(しっくい)」を開発した。ゼオライトを混合したしっくいは防臭や脱臭などに優れているが、耐水性に課題があり、それを克服した。この建材をフィルターとして使ったところ、水に溶けたセシウムを99%以上除去できることが確認できた。
 東京大生産技術研究所は、水に溶けた放射性セシウム10+を取り込む顔料「プルシアンブルー」を布繊維に混入。住宅の除染で生じた汚染水を、この布とともにドラム缶などに入れ線量を落とす。
 筑波大の白岩教授は「場所や状況に応じて使い分けてもらいたい」と話す。

室蘭漁協 マダラ出荷あす再開 セシウム基準大幅下回る

10/23 07:10
 【室蘭】室蘭漁協は22日、自主的に控えていたマダラの出荷について、24日に再開することを決めた。出荷されれば13日ぶりとなる。水揚げしたマダラから、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)と同じ放射性セシウム20+ が12日に検出されたことを受け、同漁協は出漁ごとに捕獲したマダラを道の検査に回していたが、検査結果がいずれも基準値を下回ったため。<北海道新聞10月23日朝刊掲載>

放射性セシウム 一関産ソバ基準値超 岩手

2012.10.23 02:02
 県は22日、一関市産のソバから国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出され、出荷規制を要請したと発表した。近く、出荷制限指示が出される見通し。
 同市大東町(旧興田村)のソバで、今月17日に採取した。放射性セシウムは同250ベクレルだった。
 ソバのセシウム検査は9月19日から十数回行われているが、基準値を超えたのは県内では初めて。

専門家:「フクシマ」原発の放射能漏れは続いている


26.10.2012, 16:01



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Photo: EPA

   日本の「フクシマ」原発は少量の放射能を漏らし続けている。米国の「ウッズ・ホウル」海洋学研究所の研究員が、日本東岸の魚類、軟体動物、水中植物の研究をもとに伝えた。

   専門家によれば、セシウム濃度が高いことは、損傷した原子炉からの少量の放射能漏れをその原因としている。太平洋のこの一区画の放射能汚染がこれにかわる理由である可能性もある。
   インターファクス

中間貯蔵施設設置を要望 いわき市、飛灰の保管限界

2012.10.26 19:12
 福島県いわき市の渡辺敬夫市長は26日、市役所で長浜博行環境相と会い、東京電力福島第1原発事故を受けた中間貯蔵施設の早期設置を要望した。
 渡辺市長は、災害がれきの焼却処理で出た1キログラム当たり8千ベクレルを超す放射性セシウムを含む飛灰の一時保管場所が、限界を迎えつつあると説明した。
 会談は冒頭を除き非公開。長浜環境相は終了後の取材に「中間貯蔵施設の安全性や選定基準などを丁寧に説明する」と述べ、調査候補地の福島県双葉、大熊、楢葉の3町に引き続き理解を求める考えを示した。
 環境相はいわき市に仮役場を置く楢葉町の松本幸英町長とも会談したが、中間貯蔵施設について議論はなかったという。松本町長は取材に「(調査受け入れについて)どうこう言う段階にない」と述べた。

東電、山形県に600万円 水道事業で損害賠償

2012.10.26 17:47
 山形県企業局は26日、東京電力福島1原発事故の影響による水道事業の損害賠償額が決定し、11月上旬に東電から約600万円が支払われると発表した。
 支払い内容は、水道用水や工業用水の放射線測定費用や汚泥の埋め立て処分にかかった費用など。今回の支払いは昨年3月から11月末分までで、同局は12月以降の分についても引き続き東電に請求する。

群馬の牛肉で基準値超え 全国2例目

2012.10.26 19:26
 群馬県は26日、県立利根実業高校(沼田市)が出荷した牛肉から、食品の新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える同190ベクレル の放射性セシウムを検出したと発表した。県によると、牛肉で新基準値を超えたのは宮城県に続き全国2例目。流通しておらず、焼却処分する。
 群馬県によると、教育用に飼育していた14歳の雌牛で、飼料の牧草が原因とみられる。
 4~8月は放射性セシウムを含まない牧草が飼料だったが、9月以降は飼料の暫定許容値内で、放射性セシウムを含む牧草を与えていた。4月以降、牛が妊娠しなくなったため出荷した。

フランスの原発で軽度の放射能漏れ


26.10.2012, 10:50



© ru.wikipedia.org/Oserge
© ru.wikipedia.org/Oserge

   フランス北西部マンシュ県の「フラマンヴィル」原発一号機が冷温停止状態にされた。イタル・タス通信がフランス原子力安全局からの引用とともに伝えたところによれば、軽度の放射能漏れを受けての措置だ。

   原発を運用しているエレクトリシテ・ド・フランス社の調べでは、放射能漏れは原子炉の補助回路のひとつで水曜2315、発生した(モスクワ時で木曜0115)。
   原子力安全局は、放射能漏れは補助回路内部の「計器のガラスが壊れたため」だと説明している。
   事故は7段階からなる国際原子力事故評価基準で「レベル1」に指定された。原発内では人員の緊急退避行動プランは発動されない。
   ロシアのマスメディアより
仏原発で放射能漏れ「人体や環境影響なし」
 フランス北部の原子力発電所で24日夜、小規模な放射能漏れ事故があったことがわかった。  事故があったのは、フランス北部・フラマンビル原発。フランス原子力安全局によると、24日夜、原発の循環装置から建屋内に放射能が漏れ、作業員が避難した。25日朝に、放射能漏れは止まったという。  原子炉は、7月末からメンテナンスのため運転を停止中で、事故当時は再稼働に向けた最終段階として燃料を補給し、圧力を操作していた。  フランス原子力安全局は、原子力事故の国際評価の尺度で「レベル1」に相当する事故だと判断し、人体や環境への影響はないとしている。
[ 10/26 14:20 NEWS24]
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原子力規制委:放射能拡散試算 避難準備、「範囲は自治体判断」 規制庁が説明、県は拡大方針 /新潟

毎日新聞 20121026日 地方版
 原子力規制委員会による原発事故の放射10+能 拡散の試算で、柏崎刈羽原発から40・2キロの地点でも避難が必要になり得るとの結果が出た問題で、同委の事務局である原子力規制庁の金子修一・原子力防 災課長が25日、県庁を訪れ、試算の位置づけなどを説明した。避難の準備範囲を、従来の30キロ圏から拡大すべきかについて「選択肢はどちらもありうる。 (県や市町村の)検討をサポートしたい」と発言。対応を自治体に任せる姿勢を示した。
 これに対し、飯沼克英・県防災局長は「試算を受け止めないで防災計画を作るのは難しい」と発言。30キロ圏を目安としている防災計画を改定し、避難を準備する区域を拡大する意向を示した。今後、市町村と相談し、県防災会議で検討するとみられる。
 この日の説明は報道陣に公開された。金子課長は「試算の数字は幅がある。40キロが38キロか42キロ かを議論しても仕方ない。試算に使ったコンピュータープログラムの性質上、地形は考慮できず、風向きなども原発でのデータだけで、周辺地域のデータは使え なかった」と限界を説明。規制委としては30キロ圏という目安を変えないが、県や市町村の判断の参考にするため、試算を公表したと話した。
 さらに報道陣から「試算に基づき原発ごとに避難範囲の目安が作れないか」と問われ、「(試算が)そこまで精緻なものかという問題がある」と答えた。
 これに対し、山田治之・県防災局次長は「説明を聞くと、まだ検討すべきことが多いと感じた。田中俊一・規制委員長は24日の記者会見で『(避難の範囲は)30キロでいい』と言ったが、予断を持った発言で信頼を損なう」と反発した。
 金子課長は「胸に刻みます」と答えた。また今回の試算を超える最悪の想定として「原子炉7基が内蔵する放射10+性物質すべてが放出された」との仮定での試算も可能で、県から要望があれば実施すると話した。
 泉田裕彦知事はこの日、規制庁の説明に先立つ記者会見で「試算は最悪の場合を想定していない。(田中・規制委員長の発言は)安全神話だ」と批判した。【高木昭午、宮地佳那子】

仏原発で放射能漏れ 従業員に被ばくなし

2012/10/26 10:58
【パリ=共同】フランスの原子力安全局(ASN)は25日、フランス北部フラマンビルの原子力発電所で24日夜(日本時間25日午前)、 小規模な放射能漏れが発生し、約6時間後の25日朝に食い止めたことを明らかにした。被曝(ひばく)した従業員はおらず、環境への影響もなかったとしてい る。
 放射能漏れを起こした原子炉は点検や燃料交換のため7月末から停止しており、再稼働に向けた作業の最終段階で放射能漏れが起きた。ASNによると、原子炉から熱を取り出す冷却水に圧力をかけた際に放射能漏れが起きたという。原子炉は現在、冷温停止状態にあるとしている。

来日したチェルノブイリの放射能専門家が、福島市民の前で発した重い警告

[20121026]



この1年半、福島第一原子力発電所から飛散した放射性物質をめぐってさまざまな情報が飛び交い、今なお「心配ない、安全だ」という人と、「危険 だ」という人の間には大きな溝が存在する。なぜなら、誰も福島、いや日本の将来に放射能がどのような影響を及ぼすかを断定することができないからだ―。
10月16日、今、日本が置かれている状況を冷静に見ることができる人物が緊急来日した。
チェルノブイリ原発事故で、国土の広い範囲が汚染されたベラルーシにある民間の研究施設「ベルラド放射能安全研究所」のアレクセイ・ネステレンコ所長である。
ベルラド研究所では、チェルノブイリ事故以来、これまでにホールボディカウンターで45万人以上の子供たちの体内被曝量を測定し、39万件に及ぶ食品の放射能検査を行なってきた。
今回、ネステレンコ氏はそうした多くの実績と分析結果を背景に、10月17日、福島市内で「チェルノブイリから福島に伝えたいこと」と題した講演を行なうために来日。いったい何を語るのか。
まず、ネステレンコ氏はベラルーシで事故後にどのような活動をしてきたのかを振り返った。
「ベラルーシでは国の発表したデータは誰も信用していませんでしたから、最初にすべきこととして、個人が使える線量計を作らねばなりませんでした」
国の言うことは信用できないという構図は、日本と一緒だ。
「次に行なったことは、食品を測定できる『放射能地域センター』を学校などに設置し、各家庭から食品を持っていって測定できる体制をつくりました。また、測定だけでなく、どう調理すればいいかを指導するようにしました」
日本では、個人が自由に食品検査をするまでには至っていない。
「さらに、ホールボディカウンターで人体の測定を始めました。45万人の子供たちの体内被曝を測定した結果、子供たちの体内に放射能が蓄積されてい ることがわかりました。では、蓄積された放射能を減らすためにどうすればいいのか。われわれは放射能を体内で吸着する吸着剤を対策法として考えました。研 究の結果、『ビタペクト』という吸着剤を開発し、これまで130万人以上にビタペクトを提供してきましたが、それを飲むことで子供たちの体内被曝量が減る という大変よい結果が得られています」
ビタペクトの主要成分であるペクチンは、体内でセシウムと結合し、さらに人体の代謝の働きをよくするため、セシウムを体外に排出していく作用があるという。
子供の被曝を避けながら、住民が放射能汚染のなかで生活していくためのこうした活動だが、ベラルーシ政府はまったく協力的ではなかったという。そうした経験からか、ネステレンコ氏は日本政府についても痛烈に批判する。
「日本は(避難区域の放射線量基準を)年間20ミリシーベルトとしていますが、これは国家による自国民に対する犯罪行為だと思います。20ミリシー ベルトであれば国家にとって都合がいい。なぜなら、『20ミリシーベルトまでは安全』と言っておけば、対策をしなくて済むからです」
そして、彼は今、福島が置かれた状況について語り出した。
「将来、福島でどのような病気が増えるのか、また病気の子供が増えるのかといえば、残念ですが、病気の人が増えると思います。ベラルーシでは低量の 汚染地域でも重病の患者が多く出ています。子供の甲状腺がんについて、ベラルーシは悲劇的な状況だというしかありません。低量であっても、放射能は体内に 入ると遺伝子に大きな影響を与え、精子の一部や生殖器の一部が壊れると、それが子供にも遺伝し、さらには孫に影響が出る場合もある。しかし、このような予 測を言うことは、『大丈夫ですよ、何も危険なことは起こりませんよ』と言うよりはいいのではないでしょうか」
福島県内では「放射能は安全だ」と声を上げる人たちも大勢いる。講演の会場に来ていた福島市内在住の主婦もこう語る。
「福島では『放射能は安全』『ここに住んでも大丈夫です』と言われているので、たまにこういう厳しいお話を聞かないと、自分がどう思っていいのか不明確になってしまうんですね。今日は、放射能は人体へ悪影響を及ぼすということの確認のためにも来ています」
ネステレンコ氏はチェルノブイリで得た経験をすべて投入し、福島の未来のために協力したいと語るが、そこには壁があるという。
「現在、福島原発事故について明らかになっている情報が、言ってみれば氷山の一角で、真実が水の中に隠れているからです」
福島は真実を待っている。
(取材・文/頓所直人)

仏原発で放射能漏れ 深刻な影響なし

10/26 08:45
フランス・フラマンビル
フランス・フラマンビル
 【パリ共同】フランスの原子力安全局(ASN)は25日、フランス北部フラマンビルの原子力発電所で24日夜、小規模な放射20+ 能漏れが発生し、25日午前に食い止めたことを明らかにした。環境や作業員の健康への被害はなかったとしている。ダウ・ジョーンズ通信などが伝えた。
 ASNは、放射20+ 能漏れを起こした原子炉は点検や燃料交換のため7月末から停止しており、再稼働に向けた作業の最終段階で放射能漏れが起きたと説明した。
 ASNによると、今回の放射20+ 能漏れは原子力事故の国際評価尺度(INES)でレベル1だった。

20121026日 917号 特集記事

■まだまだ不安! 放射能と学校給食

原発事故後、親たちが心配するのは放射能による子どもの健康への影響です。特に自分で食材を選べない学校給食では、測定や情報開示を求める声が切実です。

●給食の放射能から子どもを守れ!  がんばる埼玉のママたち
 坂井 敦
行政側も測定を行なうところが増えてきましたが、
こうした動きは最初からすんなりといったわけではありません。
母親たちのパワーで行政を動かし、
測定を実現させた埼玉の例をご紹介しましょう。


厚労省の日報ダイジェストを発信する
「マダムトモコ」さんインタビュー
 情報を提供することで子どもの健康を守りたい
 聞き手 市川 はるみ
厚生労働省の食品検査結果を、ダイジェストで発信している「マダムトモコ」さん。
日々積み重ねられる情報の発信が行政との信頼を築き、
それが給食の改善にもつながっています。「マダムトモコ」こと、
「世田谷こども守る会」の堀智子さんにお聞きしました。


黒猫先生にQAで学ぶ
 お勧めの給食検査はこれだ!  まとめ 成澤宗男・編集部
まだまだ安心できない学校給食の放射能問題。
たとえ微量でも給食からの被曝は避けたい。
何を注意すべきか、ブログ「黒猫の戯言」で知られる
給食問題に詳しい「黒猫先生」こと堀田登氏に聞く。


主な自治体の学校給食検査例


子どもにセシウムを食べさせ「ビクビクするな」?  神奈川県ミカン騒動
 成澤宗男・編集部

放射能予測 これで稼働できるのか

20121026

 原発の稼働は無理に近いことがこれではっきりした。原子力規制委員会が公表した放射能の拡散予測は、自治体の地域防災計画作りがいかに困難かを示す。脱原発のピッチを上げるほかない。
 全国十六の原発で東京電力福島第一原発と同様の重大事故があった場合、放射性物質はどう広がるかを規制委が予測した。原発周辺で防災対策を重点的に進める区域を決める参考にするという。
 予測では、東電柏崎刈羽と福島第二、関西電力大飯、中部電力浜岡の四原発で、一週間当たりの被ばく線量が一〇〇ミリシーベルトに達する地域が原発から三十キロ圏外に広がった。とりわけ柏崎刈羽では、四十キロ離れた新潟県魚沼市にまで及ぶことがわかった。
 この積算線量は、国際原子力機関(IAEA)が定めている住民の避難基準だ。規制委は新しい原子力災害対策指針の素案で、重点区域を三十キロ圏とする考えを示しているが、極めて不十分だ。
 実際に福島第一の事故でも、三十キロ以上離れた福島県飯舘村がひどい放射能汚染に見舞われた。その苦い教訓を忘れては困る。住民の安全確保よりも、防災対策の講じやすさを優先させる意図があるとすれば本末転倒も甚だしい。
 今回の予測は、山や谷などの地形を考慮していないし、大ざっぱな気象条件を基にはじき出した目安にすぎない。現実に事故が起きれば、風の向きや強さ、爆発の規模によっては放射性物質がもっと遠くへ、もっと異なる方角へ、と飛び散る恐れが多分にある。
 重点区域の自治体は、来年三月までに実効性のある防災計画を作らねばならない。規制委は原発再稼働の必須条件としている。
 仮に原発から半径三十キロで線引きすると、二十一道府県の百三十五市町村が網にかかる。人口はおよそ四百八十万人に上る。
 日本原子力発電東海第二を抱える茨城県では、最多の九十三万人が対象となる。中電浜岡のある静岡県では、東海道新幹線や東名高速道路の大動脈が走る。中国電力島根が立地する島根県では県庁がある松江市が含まれる。
 有事の際、住民にどう情報を伝えるか。避難経路や輸送手段、避難所は確保できるか。被ばく医療体制は整えられるか。政府が自治体の防災計画作りを支援するにしても、難航は必至だろう。
 安全神話の虚構を作り上げて原発建設を推し進めてきたツケである。災害対策とともに、政府は原発の廃炉計画を作るべきだ。

【神奈川】

米原子力艦船の放射能漏れ想定 避難訓練に市民ら400人

20121026

衣類に放射性物質が付着したかどうかの測定を体験する訓練参加者(左)=横須賀市の横須賀オフサイトセンターで
横須賀市は二十五日、米海軍の原子力艦船での災害による放射能漏れ事故を想定した避難訓練を、同市小川町で実施した。住民や市職員ら約四百人が参加した。
 午前九時すぎ、屋内退避指示が出たとして訓練を開始。市職員が拡声器で「放射性物質の放出が予測されます。安全な場所に移動します」と呼び掛け、原子力災害時に関係機関の拠点となる「横須賀オフサイトセンター」に約三十人を誘導した。
 センターでは、参加者が衣類に放射性物質が付着しているかの測定を体験。放射性ヨウ素を吸い込んだ場合、内部被ばくを防ぐヨウ素剤の服用を判断す る問診票も受け取った。続いて市危機管理課の担当者が、放射性物質の知識や災害時の対応などを説明。参加者からは「基地の艦船から放射能が漏れたら、横須 賀にいられない。どこへ避難したらいいのか」などの質問があった。
 生後一カ月の長男と訓練に参加した会社員飯村優子さん(41)は「こういう訓練は市の責任者と意見を交わす機会にもなる。放射能対策は市民の目で見て足りない点もあるが、行政と市民が協力してできることからやっていきたい」と話した。
 訓練は原子力空母「ジョージ・ワシントン」配備後の二〇〇八年から毎年実施している。 
  (中沢佳子)
[放射10+ 能拡散予測] 防災計画に反映したい
( 10/26 付 )
 原子力規制委員会は、東京電力福島第1原発事故と同じ程度の過酷事故が川内原発(薩摩川内市)など全国の原発16カ所で起きた場合の放射10+ 性物質の拡散予測を公表した。
政府側が過酷事故を想定し、全国の原発の拡散予測を公表したのは初めてである。そのこと自体、福島の事故が起きるまで、国も電力会社も原発の「安全神話」にあぐらをかいていたことを物語っている。
 規制委が個別の原発ごとにデータを示したことは福島の教訓を生かすためだ。事故で放射性物質による汚染が想定される自治体は、作成する原子力防災計画に予測を反映させなければならない。
 予測は1年間の風向きや風速、降雨量などから放射10+ 性 物資が拡散する方位や距離を計算した。地形や拡散する途中の風向きの変化は考慮していない。事故後1週間の積算被ばく線量が100ミリシーベルトに達する 地点と原発との距離を方位別に地図で示した。積算被ばく線量100ミリシーベルトは国際原子力機関(IAEA)が定めた避難基準だ。
川内原発では、100ミリシーベルトになる地点は原発から最も遠い21キロ地点の阿久根市のほか、12.5キロの薩摩川内市、12.2キロのいちき串木 野市などの4カ所だった。いずれも、規制委が事前に事故に備える新たな「原子力災害対策重点区域」の目安とする原発から半径30キロ圏に収まっている。
 川内、福島第1を除いた全国の14原発では、柏崎刈羽(新潟県)など4原発で30キロを超える地点があった。
 規制委は30キロ圏外の地域で防災計画を作成するかどうかを含め、予測の活用方法は原則的として立地、周辺自治体が判断すべきだという姿勢である。しかし、関係する自治体に「どこで線引きをするか」などといった混乱が広がることも懸念される。
 予測は各自治体が防災計画をつくるよりどころとなるが、原発の周辺自治体から「データを渡されただけで不明な点が多い」「どう活用したらいいのか分から ない」など、不満や不安の声が上がっているのも無理はない。規制委は予測の根拠や活用の仕方など丁寧に説明すべきだ。データを示しただけで、重大な決断を 求めるのはかなり酷な話ではないか。
 とりわけ重点区域が拡大することで、これまで原子力防災とは関係がなかった住民や自治体にとっては、避難方法やルートの策定、避難先の確保など単独で解決できる問題ではない。規制委は地元の視点に立って、説明や相談などの支援にあたることが重要だ。

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 会場からは「日本の放射20+ 線量の基準をどう見るか」「水道水は飲んでも大丈夫か」などの質問が出た。
セミナーのテーマは各回ごとに異なる。スケジュールなどは県ホームページに掲載されている。参加無料。
 問い合わせは県生協連、電話028・624・6650。

社説:放射能拡散予測 危険度評価の一助に

毎日新聞 20121026日 0130
 仮定をおいた予測なので、確かに限界はある。それでも、原子力規制委員会が公表した全国の原発の「放射10+性物質拡散予測地図」は、当然、示されるべきデータだった。
 ここを出発点に、国の防災指針や、自治体の地域防災計画の策定に本腰を入れたい。あわせて、原発のリスクに改めて向き合い、脱原発依存を進めるためのひとつの手がかりともしたい。
 今回の予測図は、「福島第1原発事故と同量の放射10+性物質が飛散した場合」と「各原発の原子炉すべてで炉心溶融が起きた場合」を想定している。過去1年間に観測された風雨のデータを使い、事故後1週間の被ばく量が100ミリシーベルトに達する地点を試算した。国際基準で緊急避難が必要となる線量だ。
 その結果、大飯、柏崎刈羽、浜岡、福島第2の4原発では、原発から30キロを超える地域までが避難対象 となった。30キロ圏は新たな国の防災指針で重点的に事故に備える地域だ。7基の原子炉が建ち並ぶ柏崎刈羽原発の場合、40キロ離れた「米どころ」の魚沼 市も避難対象となる可能性が示された。影響の大きさにとまどった人もいるだろう。
 今回の予測には地形の情報が入っていない。拡散は事故時の気象にも左右され、当然、予測通りにはならない。だが、思い返せば福島第1原発事故でも影響は30キロを超えた。むしろ、考えておかなくてはならないのは、影響が今回の試算を超える事故も起こりうるということだ。
 現実の事故の影響が同心円状に広がるわけではないという事実も改めて肝に銘じておきたい。福島の事故では飯舘村など北西方向に汚染が広がった。その時の気象や地形に応じた避難対策が取れるようにしておかなくてはならない。予測地図の精度を上げることも検討課題だ。
 原発立地自治体は、来年3月までに地域防災計画をまとめることを求められている。今回の予測地図はそのための参考資料として規制庁などが作製した。公表を受け、自治体からは国の事前説明が不十分という声が上がっている。
 確かに、国は予測の根拠や意味を十分に説明する必要がある。ただ、国の画一的な方針に従うだけでなく、地域の特性を考慮した柔軟な防災対策を立てることが自治体の役割だ。国はそれを十分に支援してほしい。
 私たちはこれまで、原発のリスクを横並びで判定し、リスクの高いものから廃炉にすることを提案してきた。拡散予測地図は、相対的なリスク判定の手がかりにもなるだろう。リスクの「見える化」は、人々の意識も変える。限界を知った上で、有効利用していきたい。

仏原発、再稼働の過程で放射能漏れ レベルは1

掲載日時2012/10/26 (金) 01:03
配信日時2012/10/26 (金) 00:53
共同通信が伝えたところによると、フランス当局はフランス北部フラマンビルの原子力発電所で24日夜に小規模な放射能漏れが発生したことを明らかにした。点検などのため7月末から停止しており、再稼働に向けた作業の最終過程で放射能漏れが起きたと説明。
フランスの原子力安全局(ASN)は国際評価尺度(INES)のうち最も深刻度の低いレベル1としている。

仏原発の放射能漏れは「レベル1」再稼働への作業中 

2012.10.26 00:58 放射能漏れ
 フランス北部フラマンビルの原子力発電所で24日夜、発生した小規模な放射能漏れについて、フランスの原子力安全局(ASN)は25日午前に食い 止めたことを明らかにした。環境や作業員の健康への被害はなかったとしている。ダウ・ジョーンズ通信などが伝えた。ASNは、放射能漏れを起こした原子炉 は点検や燃料交換のため7月末から停止しており再稼働に向けた作業の最終段階で放射能漏れが起きたと説明した。
 ASNによると、今回の放射能漏れは原子力事故の国際評価尺度(INES)でレベル1だった。同尺度はレベル0(尺度以下)からレベル7(深刻な事故)までに分類され、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と東京電力福島第1原発事故は最悪のレベル7。
 レベル1は「逸脱」とされ、日本国内では高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故や、5人が死亡、6人が重軽傷を負った関西電力美浜3号機の蒸気噴出事故がある。(共同)

仏原発で放射能漏れ=外部に影響なし


浪江町、東電に6億円請求

2012.10.25 19:02
 東京電力福島第1原発事故で全町避難している福島県浪江町は25日、上下水道事業などの減収分や避難の費用として、東電に約6億2千万円の賠償を請求した。
 対象は平成24年3月末までの費用で、今後も追加して賠償を求める。
 馬場有町長は二本松市内の仮役場で東電の担当者に請求書を手渡し「東電が自ら損害を把握しに来るべきで、被害者の私たちから請求しなければ支払わない姿勢は間違っている」と強く批判。東電側は「内容を見て速やかに支払わせていただく」と回答した。

たんぽぽ舎です。【TMM:No16262012年10月25日() 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
                               転送歓迎
━━━━━━━
★1.原子力事故防災は無理だ。廃炉で安心へ
  福島級事故がおきたら...全国16原発放射能予測に思う(柳田真)
★2.新聞・雑誌から
 ◇全国16原発 初の放射能予測
  4原発、30キロ外も避難線量 原子力規制委福島級事後を想定
  (1024日 朝日新聞夕刊より)
 ◇来夏電力、余剰分5% 「原発追加稼働なし」で試算
  今夏、節電が原発15基分を実現した。(1025日 朝日新聞より)
★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
 ◇11月4日、千葉県流山市、「様々なメディアから「真実」を
  読み解こう!~元報道ディレクター水島宏明氏が語る現実~」
 ◇今週末から11月初旬まで、安部芳裕講師による無料講演
  『なぜ脱原発・反増税・反TPPが必要か』(自由が丘・中野)
★4.原発事故で、子どもたちがバスで逃げる訓練を見て、むなしい。
  一刻も早く原発ゼロへ!(天辰 たんぽぽ舎会員)
━━━━━━━
◆10/27() 討論会:総力でつながろう!! 再稼動阻止!大飯を止めよう!
主催 再稼働阻止全国ネットワーク準備会 18時から、スペースたんぽぽ
参加費500円 http://tppsa.sakura.ne.jp/wp/?p=1829
━━━━━━━
┏┓
┗■1.原子力事故防災は無理だ。廃炉で安心へ
 │  福島級事故がおきたら...全国16原発放射能予測に思う
 └────(柳田真 たんぽぽ舎)
○国の原子力規制委員会(国会承服いまだなし。不当で原子力ムラ中心の人
 事)が24日、福島級の事故が起きたら―の全国16原発の放射能拡散予測を公
 表した。初めての公表。30キロ外でも放射能高線量の地域が4つも並ぶ。東
 電柏崎刈羽原発事故で新潟県魚沼市40km、中部電力浜岡原発事故で静岡県の
 掛川市、関西電力大飯原発事故で32kmの京都市、南丹市他。
○原発で過酷事故が起きた場合の被曝を想定した国は、本来なら原発を作る前
 に住民に見せるべきであった。電力会社も国も「絶対安全」と言って見せず
 にきた。ソ連チェルノブイリ事故(1986年)が起こったにもかかわらず。公
 表していれば、原発反対運動は大きく違っていたはず。
○福島級の事故が次に起きた時どう逃げるか?
 たとえば大飯原発は、唯一の橋は倒壊するし、渋滞の幹線道は高線量だし、
 柏崎市は冬の雪道は通行止めだし、、、。
 もし、近隣する原発が共に事故を起こしたら(たとえば若狭湾は原発銀座と
 いわれる程、10数の原発が林立している)放射能はこれよりもっともっと巨
 大なものとなり、手の打ちようがない。
○規制委員会は原子力事故の防災対策を30キロ圏自治体は作れと言っている。
 再稼働の前提だといって各自治体に迫っている。30キロ圏内の全国135自治
 体(480万人の人口)は苦慮している。
○はっきりいって、原子力過酷事故の防災は無理である。巨大な放射能放出と
 戦える生物はいない。武器はない。一番の防災は超危険物をやめることだ。
 もとから断つことだ。原発を廃炉にすることである。これが唯一、安心の道
 である。原発なしでも電気は大丈夫。現在の状況(50原発中。稼働原発2基
 のみ。その2基もなしで大丈夫)が証明している。今後の再稼働なんてとん
 でもない。原発即時廃止こそ日本を救う道だ。
○日本人の習性か。「予想はできるが考えたくないこと、イヤな事は考えな
 い」で来た。多くの人にも是非再考してほしい。原子力ムラ(実は原子力利
 権共有帝国)をここまでのさばらせてきた原因の一端は我々のうちにあるこ
 とを。
┏┓
┗■2.新聞・雑誌から
 └────
◆全国16原発 初の放射能予測
 4原発、30キロ外も避難線量 原子力規制委福島級事後を想定
 (1024日 朝日新聞夕刊より)
 原子力規制委員会は24日、全国16カ所の原発で東京電力福島第一原発事故の
ような深刻な事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測を公表した。関西電力
大飯原発(福井県)など4原発が、規制委が新たに防災の重点区域の目安とし
た原発から半径30キロより広い地域で、避難の基準となる積算被曝線量に達し
た。原発によっては従来の想定を超えた広い範囲を重点区間にした防災計画づ
くりが迫られる。
 国が全国の原発で大事故を想定した被害を予測し、公表したのは初めて。目
安の範囲を超えたのは、大飯原発のほか、東電柏崎刈羽原発(新潟県)、福島
第二原発(福島県)、中部電力浜岡原発(静岡県)。
 規制委はこれまで重点区域としていた原発から半径810キロを、福島の事
故を受けて国際原子力機関(IAEA)の基準に合わせて30キロに拡大。これを受
け、自治体は来年3月までに防災計画を見直す。(後略)
◆来夏電力、余剰分5% 「原発追加稼働なし」で試算
 今夏、節電が原発15基分を実現した。(1025日 朝日新聞より)
 政府の電力需給検証委員会は24日、沖縄をのぞく全国の来夏の電力について、
これ以上原発を動かさなくても5.4%ほど余り、「電力不足のならない」との
見通しを示した。節電意識が定着してきたのに加え、原発の代わりに火力発電
を動かすためだ。
 検証委が示した試算では、来夏が猛暑だった2010年夏並みの暑さでも、必要
な電力は最大でも10年より1割弱ほど少ない16583万キロワットにとどまる見
通し。今夏、原発15基分にあたる約1500万キロワットもの節電を実現できたこ
とが大きい。
 これに対し、各電力会社が発電できる電力は、関西電力大飯原発34号機
(福井県おおい町)以外の原発を止めたままでも17478万キロワットに達す
る。火力発電を増やすためだ。電力にどれだけ余裕があるかを示す「予備率」
は万が一に備えて必要な3%を上回り、検証委は「電力不足にならない」と説
明している。
 ただ、景気が良くなって必要な電力が増えることなどを「リスク」として指
摘した。検証委は節電意識が緩むことがないように呼びかけている方針だ。
(後略)
┏┓
┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
 └────
◆様々なメディアから「真実」を読み解こう!
 ~元報道ディレクター水島宏明氏が語る現実~
日時 11月4日(日)14時~16時
場所 流山市生涯学習センター4F C401会議室
  (TX 線「流山セントラルパーク駅」下車3分)
参加費:無料、定員:50名 ※要申込み(電話またはメールで)
 -----
 「テレビの原発報道はひど過ぎる。報道現場が良くなる一助になれば」と
 今年3月にテレビ報道の現場を去り、その限界を告白した元 日本テレビ
 報道ディレクター水島宏明氏。
 現在はジャーナリストとして、学生に本来のジャーナリズムについて教
 えている。
 ドキュメンタリーを数多く手掛けてきた経験から見えてきたこと、「人」を
 大切にした取材をされる姿勢やその思いを語っていただく。
 ○原発報道におけるテレビの限界
 ○生活保護バッシング
 ○一人の人の叫びに耳を傾けて
 ○情報の受け手として、私たちはこうありたい
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 ≪ お申込みの際の必要事項 ≫
 ・参加を希望する企画名、参加者氏名・性別・メールアドレス
 ・電話番号・住所をそえてお申込みください。
 
 NPO法人 流山おやこ劇場 http://n-oyako.sakura.ne.jp/
 Tel 04-7152-0446 (月・水・金 10:0015:00)
 Eメール:n-oyako@jasmine.ocn.ne.jp
◆『なぜ脱原発・反増税・反TPPが必要か』
 安部芳裕講師による、無料講演
 (プロジェクト99% 自由が丘・中野タウンミーティング)
 ホームページ http://project99.jp/?p=3834
≪自由が丘 日程≫
 1026日(金)18:30開場 19:0021:00
 1027日(土)13:30開場 14:0016:00
 [参加費]無料
 [会場]サスティナブル経済研究所
  世田谷区奥沢5-20-14 小堀自由が丘マンション401号室
  自由が丘駅南口より徒歩2分
≪中野 日程≫
 112日(金)18:30開場 19:0021:00
 113日(土)9:00開場 9:3011:30
 [参加費]無料
 [会場] スマイルなかの(中野区社会福祉会館) 3階 会議室B
  東京都中野区中野5-68-7 中野駅北口より徒歩5分
【お申し込み】
 プロジェクト99% info@project99.jp
 Tel & Fax : 03-6421-2920
┏┓
┗■4.原発事故で、子どもたちがバスで逃げる訓練を見て、むなしい。
 │  一刻も早く原発ゼロへ!
 └────   (天辰 たんぽぽ舎会員)
 泊とか大飯などで福島級の原発事故発生想定して子供達が大型バスに乗って、
放射能被曝から逃れるために郷土から出て行く訓練をさせられていたが、なん
とむなしく悲しい恐ろしい訓練をさせられていることか!こうなっちゃいけな
いから、原発ゼロ目標政策に基づいて、一刻もはやく各原発廃炉宣言をして大
地震襲来に耐えられる処置を講じなければならないのに、なんとゆうことかと
驚きあきれ、あきれてばかりではいられない、なんとか、国民の皆様にわかっ
ていただかなければ、あきらめずに手を打っていかなければとおもうところで
す。
──────────
【編集部より】
 メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
 「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、タイトル及び内容を400字
 以内で、またその他投稿に関しては400800文字以内でタイトル及び内容を
 お送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。
 なお、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の
 都合上すべてを掲載できない場合があります。予めご了承ください。
──────────
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放射能分析センター開所 郡山農産物直売所


201210250955分配信
郡山市喜久田町の農産物直売所「ベレッシュ」は24日、店頭で販売する農作物の放射性物質を測定する放射能分析センターを施設内に開所した。
独自に検査態勢を構築することで販売する農作物全ての品目の検査が可能となり、消費者の安全・安心向上につなげる。
同直売所によると、県内の直売所で放射能分析センターを併設するのは珍しいという。
県の「ふくしまの恵み安全・安心推進事業」で購入した検査機器は2台でヨウ化ナトリウムシンチレーション検出器と呼ばれる機械を使用している。
1品目約20分で測定し、1日約40検体を検査する予定。
当面はJAや自治体などによる検査を受けていない品目のみを対象とする。
年度内に機器を1台追加し、全ての品目を対象とする予定。
開所式は同日、同センターで行われ、武田博志社長があいさつした。
橋本剛一こおりやまの恵み安全対策協議会長と丹治一郎郡山商工会議所会頭、吉田長一郎郡山市直売所連絡協議会長らが祝辞を述べた。
出席者がセンターの看板を除幕し、開所を祝った。安全協定枠組み焦点/放射能拡散予測
20121025
中部電力浜岡原発=8月14日、御前崎市、本社ヘリから、堀英治撮影
■11市長の6首長「拡大すべき」
 浜岡原発で深刻な事故があった場合の防災対策重点区域が、同原発から30キロ圏の11市町に拡大されることで、これまで10キロ圏の4市だけが結んでいた中部電力との安全協定がどうなるかも焦点になる。
  現在は同原発から10キロ圏の御前崎、牧之原、掛川、菊川の4市が「浜岡原発安全等対策協議会(4市対協)」を構成し、中部電と安全協 定を結んでいる。拡散予測の公表を受け、朝日新聞が24日、11市町の首長や担当職員に聞いたところ、30キロ圏の6市町の首長が安全協定の枠組みを拡大 すべきだとの考えを示した。
 藤枝市の北村正平市長は「(中部電力とは)4市も含めた全11市町で対応するのが当然だ」と答えた。北村市長は4市以外の7市町と県で昨年12月に発足させた「市町原子力防災対策研究会」の呼び掛け人だ。
 また、浜岡原発の「廃炉」を訴える吉田町の田村典彦町長は「防災重点区域が30キロに拡大されるのであれば、対策協議会の枠組みも30キロ圏にすべきだ」と主張した。
 このほか、「市民の安全・安心を確保するため、国の方針(30キロへの拡大)に基づいた体制づくりは当然必要」(渡部修・磐田市長)▽ 「範囲が広がれば関係市町が同じ考えで取り組むべきだ」(清水泰・焼津市長)▽「重点区域を30キロ圏にするのであれば、拡大すべきだ」(村松藤雄・森町 長)と、いずれも拡大を求める声が相次いだ。
 袋井市の原田英之市長は「交付金は4市を対象とし、再稼働問題を含む原発の安全確保対策については、11市町のうち希望する市町が参加する新たな協議会を設置すべきだ」との考えを示した。
 一方、島田市の桜井勝郎市長は「浜岡原発の安全性を深刻にとらえているのは地元4市。4市を信じて任せるのがいい」と現状維持がよいとした。
 「4市対協」のメンバーでは、立地市の御前崎市の鈴木雅美・原子力政策室長が「4市対協は安全対策と地域振興に取り組んできた長い歴史がある。他の市町と同列で考えていいのか」と拡大には疑問を呈した。
 浜岡原発の「永久停止」を主張する牧之原市の西原茂樹市長は「4市以外の市町が別に、中部電力と安全協定を交渉するのはあっていい」と答えた。
 菊川市の太田順一市長は明確な答えは避けたが、「福島第一原発の事故をみれば幅広い協議会にならざるを得ない」とし、掛川市の松井三郎市長は「防災重点区域に入る市町の考えを聞きながら考えたい」と答えた。
 ■迫る期限 課題山積
 《解説》原子力規制委員会の発足が遅れ、ようやく今回の拡散予測が示された。県や浜岡原発周辺の市町は、原発事故を想定した防災計画作り へ乗り出す環境が整った。これまで、原発の過酷事故を想定した計画はなかった。安定ヨウ素剤は、地元の御前崎市ですら配布されていない状況だ。
 状況を一変させたのは昨年の福島第一原発事故だ。浜岡原発の事故では、放射性物質は30キロ圏を超えて拡散するとされ、試算に基づいた、まったく新たな防災計画作りが求められる。
 公表された予測結果では、放射性物質は主に海上に拡散するとされたが、あくまで試算でしかない。県は風向き次第で内陸側へ拡散する可能性を指摘しており、原発から30キロ圏を防災対策重点区域とする方針だ。
 圏内には74万人が住む。膨大な人数をどう避難させるのか。避難場所や避難ルートの確保、県境をまたいだ広域避難も必要となるだろう。
 防災計画策定の期限は来年3月とされる。県と11市町は難しい課題を突きつけられている。(古賀大己)
 ◇原発事故の防災対策重点区域 東京電力福島第一原発事故を受けて、原子力規制委員会はこれまでの目安だった原発の半径8~10キロから、国際原子力機関(IAEA)の基準に合わせた半径30キロに拡大する。これを受け、関係自治体は来年3月までに防災計画を見直す。

 会場からは「日本の放射20+ 線量の基準をどう見るか」「水道水は飲んでも大丈夫か」などの質問が出た。
セミナーのテーマは各回ごとに異なる。スケジュールなどは県ホームページに掲載されている。参加無料。
 問い合わせは県生協連、電話028・624・6650。

社説:放射能拡散予測 危険度評価の一助に

毎日新聞 20121026日 0130
 仮定をおいた予測なので、確かに限界はある。それでも、原子力規制委員会が公表した全国の原発の「放射10+性物質拡散予測地図」は、当然、示されるべきデータだった。
 ここを出発点に、国の防災指針や、自治体の地域防災計画の策定に本腰を入れたい。あわせて、原発のリスクに改めて向き合い、脱原発依存を進めるためのひとつの手がかりともしたい。
 今回の予測図は、「福島第1原発事故と同量の放射10+性物質が飛散した場合」と「各原発の原子炉すべてで炉心溶融が起きた場合」を想定している。過去1年間に観測された風雨のデータを使い、事故後1週間の被ばく量が100ミリシーベルトに達する地点を試算した。国際基準で緊急避難が必要となる線量だ。
 その結果、大飯、柏崎刈羽、浜岡、福島第2の4原発では、原発から30キロを超える地域までが避難対象 となった。30キロ圏は新たな国の防災指針で重点的に事故に備える地域だ。7基の原子炉が建ち並ぶ柏崎刈羽原発の場合、40キロ離れた「米どころ」の魚沼 市も避難対象となる可能性が示された。影響の大きさにとまどった人もいるだろう。
 今回の予測には地形の情報が入っていない。拡散は事故時の気象にも左右され、当然、予測通りにはならない。だが、思い返せば福島第1原発事故でも影響は30キロを超えた。むしろ、考えておかなくてはならないのは、影響が今回の試算を超える事故も起こりうるということだ。
 現実の事故の影響が同心円状に広がるわけではないという事実も改めて肝に銘じておきたい。福島の事故では飯舘村など北西方向に汚染が広がった。その時の気象や地形に応じた避難対策が取れるようにしておかなくてはならない。予測地図の精度を上げることも検討課題だ。
 原発立地自治体は、来年3月までに地域防災計画をまとめることを求められている。今回の予測地図はそのための参考資料として規制庁などが作製した。公表を受け、自治体からは国の事前説明が不十分という声が上がっている。
 確かに、国は予測の根拠や意味を十分に説明する必要がある。ただ、国の画一的な方針に従うだけでなく、地域の特性を考慮した柔軟な防災対策を立てることが自治体の役割だ。国はそれを十分に支援してほしい。
 私たちはこれまで、原発のリスクを横並びで判定し、リスクの高いものから廃炉にすることを提案してきた。拡散予測地図は、相対的なリスク判定の手がかりにもなるだろう。リスクの「見える化」は、人々の意識も変える。限界を知った上で、有効利用していきたい。

仏原発、再稼働の過程で放射能漏れ レベルは1

掲載日時2012/10/26 (金) 01:03
配信日時2012/10/26 (金) 00:53
共同通信が伝えたところによると、フランス当局はフランス北部フラマンビルの原子力発電所で24日夜に小規模な放射能漏れが発生したことを明らかにした。点検などのため7月末から停止しており、再稼働に向けた作業の最終過程で放射能漏れが起きたと説明。
フランスの原子力安全局(ASN)は国際評価尺度(INES)のうち最も深刻度の低いレベル1としている。

仏原発の放射能漏れは「レベル1」再稼働への作業中 

2012.10.26 00:58 放射能漏れ
 フランス北部フラマンビルの原子力発電所で24日夜、発生した小規模な放射能漏れについて、フランスの原子力安全局(ASN)は25日午前に食い 止めたことを明らかにした。環境や作業員の健康への被害はなかったとしている。ダウ・ジョーンズ通信などが伝えた。ASNは、放射能漏れを起こした原子炉 は点検や燃料交換のため7月末から停止しており再稼働に向けた作業の最終段階で放射能漏れが起きたと説明した。
 ASNによると、今回の放射能漏れは原子力事故の国際評価尺度(INES)でレベル1だった。同尺度はレベル0(尺度以下)からレベル7(深刻な事故)までに分類され、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と東京電力福島第1原発事故は最悪のレベル7。
 レベル1は「逸脱」とされ、日本国内では高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故や、5人が死亡、6人が重軽傷を負った関西電力美浜3号機の蒸気噴出事故がある。(共同)

仏原発で放射能漏れ=外部に影響なし


浪江町、東電に6億円請求

2012.10.25 19:02
 東京電力福島第1原発事故で全町避難している福島県浪江町は25日、上下水道事業などの減収分や避難の費用として、東電に約6億2千万円の賠償を請求した。
 対象は平成24年3月末までの費用で、今後も追加して賠償を求める。
 馬場有町長は二本松市内の仮役場で東電の担当者に請求書を手渡し「東電が自ら損害を把握しに来るべきで、被害者の私たちから請求しなければ支払わない姿勢は間違っている」と強く批判。東電側は「内容を見て速やかに支払わせていただく」と回答した。

たんぽぽ舎です。【TMM:No16262012年10月25日() 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
                               転送歓迎
━━━━━━━
★1.原子力事故防災は無理だ。廃炉で安心へ
  福島級事故がおきたら...全国16原発放射能予測に思う(柳田真)
★2.新聞・雑誌から
 ◇全国16原発 初の放射能予測
  4原発、30キロ外も避難線量 原子力規制委福島級事後を想定
  (1024日 朝日新聞夕刊より)
 ◇来夏電力、余剰分5% 「原発追加稼働なし」で試算
  今夏、節電が原発15基分を実現した。(1025日 朝日新聞より)
★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
 ◇11月4日、千葉県流山市、「様々なメディアから「真実」を
  読み解こう!~元報道ディレクター水島宏明氏が語る現実~」
 ◇今週末から11月初旬まで、安部芳裕講師による無料講演
  『なぜ脱原発・反増税・反TPPが必要か』(自由が丘・中野)
★4.原発事故で、子どもたちがバスで逃げる訓練を見て、むなしい。
  一刻も早く原発ゼロへ!(天辰 たんぽぽ舎会員)
━━━━━━━
◆10/27() 討論会:総力でつながろう!! 再稼動阻止!大飯を止めよう!
主催 再稼働阻止全国ネットワーク準備会 18時から、スペースたんぽぽ
参加費500円 http://tppsa.sakura.ne.jp/wp/?p=1829
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┗■1.原子力事故防災は無理だ。廃炉で安心へ
 │  福島級事故がおきたら...全国16原発放射能予測に思う
 └────(柳田真 たんぽぽ舎)
○国の原子力規制委員会(国会承服いまだなし。不当で原子力ムラ中心の人
 事)が24日、福島級の事故が起きたら―の全国16原発の放射能拡散予測を公
 表した。初めての公表。30キロ外でも放射能高線量の地域が4つも並ぶ。東
 電柏崎刈羽原発事故で新潟県魚沼市40km、中部電力浜岡原発事故で静岡県の
 掛川市、関西電力大飯原発事故で32kmの京都市、南丹市他。
○原発で過酷事故が起きた場合の被曝を想定した国は、本来なら原発を作る前
 に住民に見せるべきであった。電力会社も国も「絶対安全」と言って見せず
 にきた。ソ連チェルノブイリ事故(1986年)が起こったにもかかわらず。公
 表していれば、原発反対運動は大きく違っていたはず。
○福島級の事故が次に起きた時どう逃げるか?
 たとえば大飯原発は、唯一の橋は倒壊するし、渋滞の幹線道は高線量だし、
 柏崎市は冬の雪道は通行止めだし、、、。
 もし、近隣する原発が共に事故を起こしたら(たとえば若狭湾は原発銀座と
 いわれる程、10数の原発が林立している)放射能はこれよりもっともっと巨
 大なものとなり、手の打ちようがない。
○規制委員会は原子力事故の防災対策を30キロ圏自治体は作れと言っている。
 再稼働の前提だといって各自治体に迫っている。30キロ圏内の全国135自治
 体(480万人の人口)は苦慮している。
○はっきりいって、原子力過酷事故の防災は無理である。巨大な放射能放出と
 戦える生物はいない。武器はない。一番の防災は超危険物をやめることだ。
 もとから断つことだ。原発を廃炉にすることである。これが唯一、安心の道
 である。原発なしでも電気は大丈夫。現在の状況(50原発中。稼働原発2基
 のみ。その2基もなしで大丈夫)が証明している。今後の再稼働なんてとん
 でもない。原発即時廃止こそ日本を救う道だ。
○日本人の習性か。「予想はできるが考えたくないこと、イヤな事は考えな
 い」で来た。多くの人にも是非再考してほしい。原子力ムラ(実は原子力利
 権共有帝国)をここまでのさばらせてきた原因の一端は我々のうちにあるこ
 とを。
┏┓
┗■2.新聞・雑誌から
 └────
◆全国16原発 初の放射能予測
 4原発、30キロ外も避難線量 原子力規制委福島級事後を想定
 (1024日 朝日新聞夕刊より)
 原子力規制委員会は24日、全国16カ所の原発で東京電力福島第一原発事故の
ような深刻な事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測を公表した。関西電力
大飯原発(福井県)など4原発が、規制委が新たに防災の重点区域の目安とし
た原発から半径30キロより広い地域で、避難の基準となる積算被曝線量に達し
た。原発によっては従来の想定を超えた広い範囲を重点区間にした防災計画づ
くりが迫られる。
 国が全国の原発で大事故を想定した被害を予測し、公表したのは初めて。目
安の範囲を超えたのは、大飯原発のほか、東電柏崎刈羽原発(新潟県)、福島
第二原発(福島県)、中部電力浜岡原発(静岡県)。
 規制委はこれまで重点区域としていた原発から半径810キロを、福島の事
故を受けて国際原子力機関(IAEA)の基準に合わせて30キロに拡大。これを受
け、自治体は来年3月までに防災計画を見直す。(後略)
◆来夏電力、余剰分5% 「原発追加稼働なし」で試算
 今夏、節電が原発15基分を実現した。(1025日 朝日新聞より)
 政府の電力需給検証委員会は24日、沖縄をのぞく全国の来夏の電力について、
これ以上原発を動かさなくても5.4%ほど余り、「電力不足のならない」との
見通しを示した。節電意識が定着してきたのに加え、原発の代わりに火力発電
を動かすためだ。
 検証委が示した試算では、来夏が猛暑だった2010年夏並みの暑さでも、必要
な電力は最大でも10年より1割弱ほど少ない16583万キロワットにとどまる見
通し。今夏、原発15基分にあたる約1500万キロワットもの節電を実現できたこ
とが大きい。
 これに対し、各電力会社が発電できる電力は、関西電力大飯原発34号機
(福井県おおい町)以外の原発を止めたままでも17478万キロワットに達す
る。火力発電を増やすためだ。電力にどれだけ余裕があるかを示す「予備率」
は万が一に備えて必要な3%を上回り、検証委は「電力不足にならない」と説
明している。
 ただ、景気が良くなって必要な電力が増えることなどを「リスク」として指
摘した。検証委は節電意識が緩むことがないように呼びかけている方針だ。
(後略)
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┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
 └────
◆様々なメディアから「真実」を読み解こう!
 ~元報道ディレクター水島宏明氏が語る現実~
日時 11月4日(日)14時~16時
場所 流山市生涯学習センター4F C401会議室
  (TX 線「流山セントラルパーク駅」下車3分)
参加費:無料、定員:50名 ※要申込み(電話またはメールで)
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 「テレビの原発報道はひど過ぎる。報道現場が良くなる一助になれば」と
 今年3月にテレビ報道の現場を去り、その限界を告白した元 日本テレビ
 報道ディレクター水島宏明氏。
 現在はジャーナリストとして、学生に本来のジャーナリズムについて教
 えている。
 ドキュメンタリーを数多く手掛けてきた経験から見えてきたこと、「人」を
 大切にした取材をされる姿勢やその思いを語っていただく。
 ○原発報道におけるテレビの限界
 ○生活保護バッシング
 ○一人の人の叫びに耳を傾けて
 ○情報の受け手として、私たちはこうありたい
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 ≪ お申込みの際の必要事項 ≫
 ・参加を希望する企画名、参加者氏名・性別・メールアドレス
 ・電話番号・住所をそえてお申込みください。
 
 NPO法人 流山おやこ劇場 http://n-oyako.sakura.ne.jp/
 Tel 04-7152-0446 (月・水・金 10:0015:00)
 Eメール:n-oyako@jasmine.ocn.ne.jp
◆『なぜ脱原発・反増税・反TPPが必要か』
 安部芳裕講師による、無料講演
 (プロジェクト99% 自由が丘・中野タウンミーティング)
 ホームページ http://project99.jp/?p=3834
≪自由が丘 日程≫
 1026日(金)18:30開場 19:0021:00
 1027日(土)13:30開場 14:0016:00
 [参加費]無料
 [会場]サスティナブル経済研究所
  世田谷区奥沢5-20-14 小堀自由が丘マンション401号室
  自由が丘駅南口より徒歩2分
≪中野 日程≫
 112日(金)18:30開場 19:0021:00
 113日(土)9:00開場 9:3011:30
 [参加費]無料
 [会場] スマイルなかの(中野区社会福祉会館) 3階 会議室B
  東京都中野区中野5-68-7 中野駅北口より徒歩5分
【お申し込み】
 プロジェクト99% info@project99.jp
 Tel & Fax : 03-6421-2920
┏┓
┗■4.原発事故で、子どもたちがバスで逃げる訓練を見て、むなしい。
 │  一刻も早く原発ゼロへ!
 └────   (天辰 たんぽぽ舎会員)
 泊とか大飯などで福島級の原発事故発生想定して子供達が大型バスに乗って、
放射能被曝から逃れるために郷土から出て行く訓練をさせられていたが、なん
とむなしく悲しい恐ろしい訓練をさせられていることか!こうなっちゃいけな
いから、原発ゼロ目標政策に基づいて、一刻もはやく各原発廃炉宣言をして大
地震襲来に耐えられる処置を講じなければならないのに、なんとゆうことかと
驚きあきれ、あきれてばかりではいられない、なんとか、国民の皆様にわかっ
ていただかなければ、あきらめずに手を打っていかなければとおもうところで
す。
──────────
【編集部より】
 メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
 「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、タイトル及び内容を400字
 以内で、またその他投稿に関しては400800文字以内でタイトル及び内容を
 お送り下さい。宛先は、magazine@tanpoposya.net です。
 なお、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の
 都合上すべてを掲載できない場合があります。予めご了承ください。
──────────
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放射能分析センター開所 郡山農産物直売所

201210250955分配信
郡山市喜久田町の農産物直売所「ベレッシュ」は24日、店頭で販売する農作物の放射性物質を測定する放射能分析センターを施設内に開所した。
独自に検査態勢を構築することで販売する農作物全ての品目の検査が可能となり、消費者の安全・安心向上につなげる。
同直売所によると、県内の直売所で放射能分析センターを併設するのは珍しいという。
県の「ふくしまの恵み安全・安心推進事業」で購入した検査機器は2台でヨウ化ナトリウムシンチレーション検出器と呼ばれる機械を使用している。
1品目約20分で測定し、1日約40検体を検査する予定。
当面はJAや自治体などによる検査を受けていない品目のみを対象とする。
年度内に機器を1台追加し、全ての品目を対象とする予定。
開所式は同日、同センターで行われ、武田博志社長があいさつした。
橋本剛一こおりやまの恵み安全対策協議会長と丹治一郎郡山商工会議所会頭、吉田長一郎郡山市直売所連絡協議会長らが祝辞を述べた。
出席者がセンターの看板を除幕し、開所を祝った。安全協定枠組み焦点/放射能拡散予測
20121025
中部電力浜岡原発=8月14日、御前崎市、本社ヘリから、堀英治撮影
■11市長の6首長「拡大すべき」
 浜岡原発で深刻な事故があった場合の防災対策重点区域が、同原発から30キロ圏の11市町に拡大されることで、これまで10キロ圏の4市だけが結んでいた中部電力との安全協定がどうなるかも焦点になる。
  現在は同原発から10キロ圏の御前崎、牧之原、掛川、菊川の4市が「浜岡原発安全等対策協議会(4市対協)」を構成し、中部電と安全協 定を結んでいる。拡散予測の公表を受け、朝日新聞が24日、11市町の首長や担当職員に聞いたところ、30キロ圏の6市町の首長が安全協定の枠組みを拡大 すべきだとの考えを示した。
 藤枝市の北村正平市長は「(中部電力とは)4市も含めた全11市町で対応するのが当然だ」と答えた。北村市長は4市以外の7市町と県で昨年12月に発足させた「市町原子力防災対策研究会」の呼び掛け人だ。
 また、浜岡原発の「廃炉」を訴える吉田町の田村典彦町長は「防災重点区域が30キロに拡大されるのであれば、対策協議会の枠組みも30キロ圏にすべきだ」と主張した。
 このほか、「市民の安全・安心を確保するため、国の方針(30キロへの拡大)に基づいた体制づくりは当然必要」(渡部修・磐田市長)▽ 「範囲が広がれば関係市町が同じ考えで取り組むべきだ」(清水泰・焼津市長)▽「重点区域を30キロ圏にするのであれば、拡大すべきだ」(村松藤雄・森町 長)と、いずれも拡大を求める声が相次いだ。
 袋井市の原田英之市長は「交付金は4市を対象とし、再稼働問題を含む原発の安全確保対策については、11市町のうち希望する市町が参加する新たな協議会を設置すべきだ」との考えを示した。
 一方、島田市の桜井勝郎市長は「浜岡原発の安全性を深刻にとらえているのは地元4市。4市を信じて任せるのがいい」と現状維持がよいとした。
 「4市対協」のメンバーでは、立地市の御前崎市の鈴木雅美・原子力政策室長が「4市対協は安全対策と地域振興に取り組んできた長い歴史がある。他の市町と同列で考えていいのか」と拡大には疑問を呈した。
 浜岡原発の「永久停止」を主張する牧之原市の西原茂樹市長は「4市以外の市町が別に、中部電力と安全協定を交渉するのはあっていい」と答えた。
 菊川市の太田順一市長は明確な答えは避けたが、「福島第一原発の事故をみれば幅広い協議会にならざるを得ない」とし、掛川市の松井三郎市長は「防災重点区域に入る市町の考えを聞きながら考えたい」と答えた。
 ■迫る期限 課題山積
 《解説》原子力規制委員会の発足が遅れ、ようやく今回の拡散予測が示された。県や浜岡原発周辺の市町は、原発事故を想定した防災計画作り へ乗り出す環境が整った。これまで、原発の過酷事故を想定した計画はなかった。安定ヨウ素剤は、地元の御前崎市ですら配布されていない状況だ。
 状況を一変させたのは昨年の福島第一原発事故だ。浜岡原発の事故では、放射性物質は30キロ圏を超えて拡散するとされ、試算に基づいた、まったく新たな防災計画作りが求められる。
 公表された予測結果では、放射性物質は主に海上に拡散するとされたが、あくまで試算でしかない。県は風向き次第で内陸側へ拡散する可能性を指摘しており、原発から30キロ圏を防災対策重点区域とする方針だ。
 圏内には74万人が住む。膨大な人数をどう避難させるのか。避難場所や避難ルートの確保、県境をまたいだ広域避難も必要となるだろう。
 防災計画策定の期限は来年3月とされる。県と11市町は難しい課題を突きつけられている。(古賀大己)
 ◇原発事故の防災対策重点区域 東京電力福島第一原発事故を受けて、原子力規制委員会はこれまでの目安だった原発の半径8~10キロから、国際原子力機関(IAEA)の基準に合わせた半径30キロに拡大する。これを受け、関係自治体は来年3月までに防災計画を見直す。




放射能拡散予測に不安新た

20121025
東海第二原発で事故が発生した場合の放射性物質の拡散予測図=原子力規制委員会提供
国が初めて明示した事故の被害予測は、住民に原発と隣り合わせで生きる現実をあらためて突きつけた。原子力規制委員会が24日に公表した放射性物 質の拡散試算では、東海第二原発から13キロ離れた地点でも被曝(ひ・ばく)限度を超えた。行政の避難計画作りには難題が山積し、再稼働への包囲網は狭 まっている。
 予測は、福島第一原発事故と同規模の事故が東海第二原発で起きたと仮定し、出力に応じて試算したもの。16方角ごとに、1週間の被曝線量が100ミリシーベルトに達する地点を示す。浴びるとがんで死亡するリスクが0・5%高まるという高い線量だ。
 東海村のほぼ全域と、ひたちなか市の西南部、那珂、常陸太田、日立の各市の一部が100ミリシーベルトに達するとされた。

敦賀原発 国の放射能拡散想定

20121025
岐阜県が予測した放射性物質の拡散予想図
◆知事「すぐに使えぬ」
 国の原子力規制委員会が、県境から25キロの場所にある福井県の敦賀原発が事故を起こした場合の放射性物質の拡散想定を公表した。ただ、県はすでに独自の想定を持ち、古田肇知事は「(国の想定は)県としてはすぐには使えない」という。なぜなのか?
◆県データ「最悪」も
『1週間と1年間』
 国の想定で示された具体的な情報は、1週間の被曝(ひ・ばく)線量が100ミリシーベルトになる最も遠い地点だけだった。一方、県は、外部被曝に限定して年間の被曝線量が100ミリシーベルト以上になる地点を示した。国に比べると低い基準だ。
 県によると、いずれも国際原子力機関(IAEA)が示した基準で、国は「すぐに避難」、県のものは「1週間ほどで避難」にあたるという。
 このため、国の想定では、県内で基準に到達した地点は出なかった一方、岐阜県のものでは、試算のケースによっては大垣市や揖斐川町、関ケ原町の3市町で基準を超えた。また、県の試算では、20ミリシーベルト以上100ミリシーベルト未満の地点も示した。
 また、国の試算では最悪ケースの上位3%が除かれているが、県は最悪のケースも取り出した。県幹部は「国は統計上の異常値を省いた」とみている。
『地形考慮せず』
 国の想定は地形を考慮せず、ずっと平面が広がる。気象条件も簡略化した。一方、県は1キロ四方で地形や天候を考慮する。
 県の試算ケースは、風に乗った放射性物質が県境の伊吹山地にぶつかって南下し滋賀県経由で関ケ原町に入るなど、地形の影響を受けるケースも見られた。県原子力防災室は「岐阜県は山間地が多く、西風の影響もある。その影響を考えてシミュレーションした」。
『放出量』
 放射性物質の放出量は、規制委の想定の方が多い。国の想定は、福島第一原発の事故で起きた総放出量が一度に放出したと仮定した。県の想定は福島第一原発から放射性物質が出ている期間のうち、1日あたりの放出量が最も多かった日を目安に計算した。
 古田知事は国の想定について「我々の想定よりも過酷な状況を想定に入れていて、参考になる」。ただ、現状では岐阜県への影響が分からないため、国に対して、より低い線量でのデータ公表や、地形や気象条件に考慮した新たな想定をつくるよう求めていくという。(増田勇介)

新たに7市町「要対策」/放射能拡散予測

20121025
島田市が独自に備蓄している安定ヨウ素剤。市内12カ所の救護所で、鍵のかかる棚などで管理している=島田市保健福祉センター
「示された予測は可能性の一つ。風向き次第で多くの放射性物質が内陸にも拡散しかねない」。原発から30キロ圏の市町の防災担当者たちは口々に指摘した。
 浜岡原発の10キロ圏の4市(御前崎、掛川、菊川、牧之原)に加え、原発災害への対策が必要なのは焼津、藤枝、島田、袋井、磐田、吉田、森の7市町。7市町は原発災害向けの避難訓練もしたことがない。
 11市町は今後、県と協議して防災対策重点区域の範囲を決める。そして今年度中に原発災害時の地域防災計画を作成し、人体への放射性ヨウ素の吸収を妨げるための安定ヨウ素剤の備蓄なども必要になる。特に原発から5キロ圏では即時避難の準備が必要だ。
 今回の予測では最大30・9キロまで避難が必要な積算被曝線量に達する。島田、藤枝、焼津、掛川、袋井の5市は、重点区域の範囲を、原発 から30キロで線引きせず、市域全体に広げるよう求めている。藤枝市は「市内でヨウ素剤の備蓄などの対策がある地域と、無い地域があるのは住民の理解が得 られない」とする。
 ヨウ素剤は本来、県が重点区域内の分を用意するが、掛川、菊川、牧之原、島田、袋井の5市は独自に市内全域分のヨウ素剤を用意したという。
 福島第一原発の事故前は、原発事故の影響を10キロ圏内だけと想定。避難対策は4市内の10キロ圏(約8万人)だけで、ヨウ素剤を備蓄し、コンクリート施設内に住民を退避させ、必要なら自衛隊やバス協会のバスで避難させる、などの内容だった。
 だが30キロ圏の対策は、根本的な見直しが必要になる。各市町は「他市や他県への避難が必要になるなど広域での協議が不可欠。国、県の方針が決まってから、一から始めなければならない」とする。

放射能予測 原発事故対策に厚みを(10月25日)

 国内の原発で東京電力福島第1原発事故に匹敵する事故が起きた場合の放射20+ 性物質の拡散シミュレーション(予測)を、原子力規制委員会が発表した。
 北海道電力泊原発(後志管内泊村)では、国際原子力機関(IAEA)が避難を求める高い放射20+ 線量が、南東約20キロまで及ぶ結果が出た。事故による放射20+ 能汚染の深刻さを思い知らされるデータである。
規制委は原発防災の重点区域を8~10キロ圏から30キロ圏に拡大する方針で、関連自治体に対し来春までに地域防災計画を作るよう求めている。
 IAEAの避難基準は、一般人の被ばく限度の100年分をわずか1週間で浴びてしまうほどの高い線量だ。泊原発で同様の事態に陥れば、避難は8~10キロ圏では収まるまい。大幅な拡大が必要になるはずだ。
 後志管内の関連自治体に、防災計画を策定する上での検討材料を提供した意味はある。
 ただ、予測は原発周辺の過去の気象観測データを使ってはいるが、地形を考慮せず、あくまで仮定に仮定を重ねたものにすぎない。
 風の向きや強さ、放射20+ 性物質の放出量によって汚染の範囲や深刻度は大きく変化する。今回の予測が、発生し得る最大値を示しているわけではないことも認識しておきたい。
地域防災計画をより綿密なものにするために国や道は今後、地形も加味し、事故の規模や状況の設定を変動させた詳細なシミュレーションを提示する責務がある。
 福島第1原発事故では、放射20+ 性物質が流れた飯舘村の方向に逃げて無用の被ばくを重ねた人が大勢いた。この悲劇は繰り返してはならない。
そのためにも、その日の気象と放出量から汚染の広がりを割り出す「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」が適正に活用される体制を早急に確立する必要がある。
 放射20+ 線量を実測するモニタリングポストも、東日本大震災時と同様に、被災して使い物にならないなら無用の長物だ。規制委はその改善指導や監視の責任を負っていることを忘れてはならない。
函館をはじめ道南の住民は、対岸の青森県で建設が再開された大間原発に不安を募らせている。なぜ、同じ予測を実施しなかったのか。規制委はこの疑問に答えるべきだ。
 一方、東電柏崎刈羽原発(新潟県)で、高濃度汚染が泊原発の倍に相当する40キロまで達するなど、道外4原発で30キロ圏を超えるケースがあることが判明した。
 30キロ圏を一律の目安とすることはもはや意味を失ったと言っていい。新たな議論を強く求めたい。

放射20+ 能拡散予測】国と自治体で対策万全に
201210250822
 東京電力福島第1原発のような過酷事故が、仮に他の原発で起これば周辺地域はどうなるのか。
 原子力規制委員会が全国16原発ごとの放射20+ 性物質の拡散予測を公表した。
 それによると、東電柏崎刈羽(新潟県)では、事故後1週間の積算被ばく線量100㍉シーベルトの地点が、東南東側の40㌔を超す地域まで広がるという。
 東電福島第2と関西電力大飯(福井県)、中部電力浜岡(静岡県)の3原発も、30㌔を超す地点(海上含む)で高線量の被ばくが予測されている。
 福島の事故前、事前に事故対策をしておく「原子力災害対策重点区域」は原発の半径8~10㌔圏だった。
 規制委は、福島事故の反省から30㌔圏に拡大する方針だが、柏崎刈羽など4原発はその区域を越えて影響が及ぶ可能性がある。
 新たに被害地域に入る住民の不安は当然大きいだろう。だが福島の事故では、政府などの想定の甘さで、住民避難が遅れるなど大混乱した。避難先で無用な被ばくをした住民も多い。
 そうした教訓から規制委は、原発全基がメルトダウン(炉心溶融)を起こすなど最悪の事故を想定している。二度と「想定外の事態」を招かないためにも、今回の予測を住民も冷静に受け止めたい。
 そこで肝心なのが、新たな予測を踏まえた自治体や国の事前対策だ。
 重点区域に入る自治体は、来年3月までに避難方法などを定めた原発防災計画をまとめなければならない。
 しかし30㌔圏へのエリア拡大で、対象自治体は現在の45市町村から3倍ほどに膨らむという。30㌔圏を超える地域にも影響が及ぶとすれば、関係する自治体はさらに増えるだろう。
 原発事故を想定していない自治体の中には、専門知識が少ない市町村もある。原発専門家を派遣するなど、計画づくりへの国の積極的な関わりが必要だ。放射20+ 性物質の拡散は、地形や気象条件が影響して大きく変わる。自治体の境界を越えた広域対策を進める上でも国の支援が求められる。
 規制委にも注文がある。今回の予測は、風向きや風速など気象データのみでの計算だ。使ったソフトも簡易版で精度に限界があるという。完璧な予測は難しいだろうが、地形などを加味したさらに詳しい想定が必要だろう。
 最悪の事態に備えるためにも、専門家として知恵の見せどころだ。

福島県 子どもの放射能 尿検査せず 秘密裏に「困難」結論?

20121025

 福島原発事故を受けた県民健康管理調査で、子どもの内部被ばくを把握できる尿検査が行われていない。専門家でつくる公開の検討委員会でも検査の是 非がほとんど議論されてこなかった。ところが今月に入り事前の「秘密会」の開催が公となり、尿検査をめぐる議論の不透明さも判明。検査を求めてきた保護者 らは不信を募らせている。 (中山洋子、林啓太)

放射能拡散予測 「要避難」想定、4市町



 原子力規制委員会は24日、原発事故が起きた際の放射性 物質拡散シミュレーションを公表。北陸電力志賀原発(志賀町)では、避難が必要な事故後7日間積算被曝(ひばく)線量100ミリ・シーベルトに達する範囲 は、志賀町、七尾市、羽咋市、中能登町の4市町だった。原発から最も離れているのは羽咋市の19・6キロで、避難想定域の原発から半径30キロ圏内に収 まった。原発周辺自治体は、今回の結果を参考に来年3月までに防災計画を策定する。
 1週間の積算被曝量100ミリ・シーベルトは、国際原子力機関(IAEA)が避難を求める基準。シミュレーションでは、志賀原発1、2号機で炉心溶融が起きて放射性物質が漏れる場合などを想定。台風など極端なケースを除いて平均化した昨年1年間の気象データを基に、地形の起伏は考慮せず、16方位で算出した。
志賀原発では全炉心溶融が起きた場合、100ミリ・シーベルトに達する地点は、陸側では中能登町で18・4キロ、七尾市で16・0キロなどだった。避難想定域30キロ圏内の輪島市や穴水町、宝達志水町では100ミリ・シーベルトには達しない想定となった。
 仮に東京電力福島第一原発事故並みの放射性物質が漏れた場合、拡散する範囲は陸側は羽咋市方面の20・2キロ、海側は真西に19・3キロなどの想定となった。
原子力規制委員会は今回、県などにデータの詳細を説明しておらず、谷本知事は「原発立地地域に詳細な説明があってしかるべきだ」と問題視した。
 拡散範囲が避難想定域の30キロ圏内に収まったことについては、「これまで進めてきた地域防災計画の策定作業は妥当性がある」とし、想定は今後の策定作業の参考とする意向だ。
 また、陸路分断による孤立化が懸念される奥能登地域で100ミリ・シーベルトに達した市町が無かったことから、谷本知事は「いざとなれば、奥能登に避難できる」との認識を示した。
 一方、輪島市の梶文秋市長は「今回のシミュレーションで奥能登地域が孤立化することが明白となった。実際に事故が発生した場合の市民の避難手段を国、県が確立してほしい」とコメントした。
 七尾市は「被害が甚大であることが科学的に実証された」と受け止め、今後も北電に立地自治体と同等の安全協定締結を求めていく考えを強調した。
 拡散範囲内となった中能登町は「被害の現実感が出たが、あくまで参考値」とし、範囲外の穴水町は「安心はできない」として、これまで通り防災計画の策定作業を進める方針。
20121025日  読売新聞)
20121025523

4原発、30キロ圏外も避難線量 全原発の放射能予測




 原子力規制委員会は24日、全国16カ所の原発で東京電力福島第一原発事故のような深刻な事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測を公表した。予測結果 を公表したことで、停止した原発の再稼働に向けたハードルが増えた。事故の影響の深刻さが改めてわかったほか、影響が及ぶと想定される対象自治体の数と人 口が増え、住民避難などを定めた自治体の防災計画づくりが困難になるためだ。再稼働する原発の可否を判別するふるい分けにもつながりそうだ。
■再稼働へ高いハードル
 今回の拡散予測では、東京電力柏崎刈羽、福島第二、関西電力大飯、中部電力浜岡の4原発で、事故から1週間の総被曝(ひばく)線量が100ミリシーベルト超の地域が30キロ以遠に及ぶことがわかった。

放射能拡散予測 現実に即した防災計画を

2012.10.25 05:02
 「汚染の限界」を示すはずが「汚染の予告」と誤解される可能性を孕(はら)んでいるのではないか。
 原子力規制委員会が24日に公表した「放射性物質拡散シミュレーションマップ」を見ての危惧である。
 国内の原子力発電所で、東京電力福島第1原発並みの過酷事故などが起きた場合に、住民の避難が必要となる範囲を発電所ごとに地図上で示している。
 作成の目的は、各自治体が来年3月までに策定する地域ごとの防災計画作りの参考資料にしてもらうことにある。
 マップにはシミュレーションの結果、「避難基準」である7日間で100ミリシーベルト以上の被曝(ひばく)となる範囲が多角形で囲まれるような形で示されている。
 規制委は改定中の原子力災害対策指針で、原発からの半径30キロ圏内を事故に備える重点区域としているが、シミュレーションでは関西電力大飯原発や東電の柏崎刈羽原発などで、要避難区域が部分的に30キロを超えている。
 そうした地域の住民は、強い不安を感じかねない。規制委や原子力規制庁は、くれぐれも丁寧に説明していくことが必要だ。
 またマップの作成にあたっては、地形についての情報が考慮されていない。風向きなどについても各地域の年間を通じた傾向に基づくものであるために、事故時の風向き次第で異なる汚染の分布も生じ得る。
 このようにマップの精度や信頼性には、さまざまな限界がある。そのことは担当した規制庁も補足しているが、ショッキングな情報ほど独り歩きしやすいことを忘れてもらっては困る。
 このマップを提示された自治体の側も、困惑するはずだ。実効性のある地域防災計画の策定に有効につながるかどうか、疑問が残る。柏崎刈羽原発のケースでは適用された前提条件の影響で、汚染範囲が過剰に拡大する結果ともなっている。
 シミュレーションの全般の傾向を見る限り、避難が必要となりそうな地点は多くの原発で20キロ圏内外に収まっている。そうした見方も忘れてはなるまい。
 さらにもうひとつ。放射性物質の大量放出をもたらす水素爆発の再発防止策は各原発で講じられている。これを考慮しない防災計画は現実離れしかねない。

放射能拡散予測 原発で最悪の事故防ぐ一助に(1025日付・読売社説)

 全国16の原子力発電所で重大事故が起きた場合に、放射性物質がどう拡散するか。政府の原子力規制委員会が、その予測地図を公表した。
政府はこれまで、住民の不安をることを恐れ、こうした予測を実施していなかった。だが、防災対策で最悪事態を想定するのは必要なことだろう。
 原発の周辺自治体は、来年3月までに防災計画を策定することになっている。関係自治体は、予測結果を参考に、作業を着実に進めねばならない。
 規制委は、今回の予測が現実の地形を考慮しておらず、複雑な風向変化を反映していないため、あくまで目安と位置づけている。
 予測結果が無用な不安を広げぬよう、規制委は関係自治体に丁寧に説明し、防災計画作りを後押ししてもらいたい。
 気がかりなのは、東京電力柏崎刈羽原発と関西電力大飯原発など4原発に関する予測結果だ。
 規制委は、策定作業中の新防災指針案で、事前の対策を求める重点区域を、原発から半径30キロ圏とする方針を示している。
 だが、事故後1週間の積算線量が避難の国際基準とされる計100ミリ・シーベルトに達する地域を見ると、4原発では30キロ圏の外側にも広がっている。柏崎刈羽では、約40キロ離れた新潟県魚沼市にまで影響が及ぶ、と予測された。
 田中俊一規制委員長は、「重点区域は30キロ圏で足りる。それ以上は事故時に(放射線量を)実測して対応すればいい」との見解を示している。混乱を避ける意味で、妥当な考え方と言えよう。
とはいえ、防災対策は自治体が主体的に決めるものだ。県などが区域を広げれば、県境をまたぐ避難や物資輸送、避難地確保も問題となる。政府も関係自治体間の調整を支援する必要があろう。
 拡散の予測技術自体についても、規制委は今後、さらに性能の向上を目指すべきだ。
 高度な予測が可能になれば、防災対策の一層の充実につながるうえ、事故時の避難対策にも役立つのではないか。
 もとより、こうした事故を起こさないことが大切だ。
 すでに各地の原発で、津波対策や非常用電源の強化など緊急安全対策が施されており、東電福島第一原発事故の発生前に比べ、当面の安全性は向上している。活断層の確認なども始まっている。
 規制委は、再稼働の判断材料とするためにも、検討中の新たな安全基準を早急に整備すべきだ。
201210250203分  読売新聞)
20121025046

地形・風向き影響、精度に限界 放射能拡散予測

今回の放射能拡散予測の方法
福島第一原発事故時の空間線量と今回放射能予測

今回の拡散予測は、道府県が原子力防災の重点区域を設定する際に、参考資料として役立てるためのものだ。これまでは原発を中心に円状に線引きして設定していたが、実際の事故では、放射性物質の広がり方は天候などに左右され、円にはならないからだ。
 予測では、放射性物質の放出量として、東京電力福島第一原発事故での放出量をもとに各原発ごとの出力に応じて増減させた値を使った。気象情報は過去に各原発で観測した年間データを用いた。
 16方位ごとに、国際原子力機関の避難基準となる1週間あたりの被曝(ひばく)量が100ミリシーベルトとなる距離を求めた。事故を受けた福島県での計 画的避難区域の設定基準は、国際放射線防護委員会が緊急時の暫定的な被曝線量の低減目標とする「年間積算線量が20ミリシーベルト」。これと比べて「1週 間で100ミリシーベルト」は相当高い値だ。
 規制委は福島第一原発についても、事故前の状態を仮定して予測した。1週間で100ミリの避難基準に達する最大の距離は18.7キロだった。事故後に実 測した積算線量の推計でも、最大の距離は20キロ以内に収まっていたため、規制委は「今回の試算方法はおおむね妥当」とした。
 拡散予測は通年の傾向を表しており、必ずしも個別の事故と比較できないが、福島第一原発について、事故の約1カ月後に福島県で実測された空間放射線量の地図と比べると、陸側に拡散した地域の形状は結果として予測と似ていた。
 ただ、予測は地形データを用いておらず、飛散する方向も放出開始時点の風向きが1週間続くと仮定。方角によっては風が吹く頻度が少ないため、避難基準値に達する地点を十分な精度で示せず、予測値の信頼性には限界がある。
 規制委は今後、地形データなども考慮に入れた詳細な予測も検討する。田中委員長は、大事故に備えてどの範囲まで準備すべきかの参考情報とし、「あくまでもシミュレーション。やたらと不安には思わないでほしい」と話す。

2012/10/26 まなぶ講演会 もうけは東電?放射能も東電のもの~「原発の町を追われて」上映(浦和)

第四十五回 まなぶ講演会
「もうけは東電?放射能も東電のもの」
   ドキュメンタリー映画「原発の町を追われて~避難民・双葉町の記録」
    製作者 堀切さとみさんに聞く
  福島第一原発のお膝元にあり、311直後、全世帯が避難勧告を受けた双葉町。
  町は役場機能を埼玉県加須市に移し、旧騎西高校を拠点に避難生活を送っています

  原発とともにあった双葉町の人々はふるさとを追われ、今なにを思うのか。
  避難所で出会った人たちの映像と、製作者の思いに学びます。
  「原発の町を追われて」(四十分)上映
  映画製作者 堀切さとみさん(さいたま市在住)トーク
   
   日時 2012年 十月二十六日(金) 十八時三十分~
   会場 浦和コミュニティーセンター 第十四集会室 
       (JR浦和駅・東口徒歩0分 パルコ十階)
   参加費 五百円(資料代)
    
   主催 まなぶ講演会さいたま地区実行委員会 
   連絡先 0488330919(荒畑方)
  
  まなぶ講演会は 
   「学習 反合理化 社会主義」を基調に、毎年全国各地で開かれてきました。
   その開催を担ってきたまなぶ友の会は職場や地域で学習し、何でも話し合える
   大衆学習運動を追求しています。今講演会にぜひお誘い合わせの上、ご参加くだ
さい。   
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焼却炉のフィルターをくぐり抜ける放射能
拡大する管理なき被曝労働(1

福島第一原発事故以降、各地にばらまかれた放射性物質によって、さまざまな労働現場が放射線被曝を強いられる事態になっているといわれる。だが、その実態はほとんど知られていない。そうした知られざる被曝労働の一端を明らかにする。

焼却炉から飛散する放射能

消音器の外観
 「焼却炉にはバグフィルター(工業用集じん装置)があるから、外に焼却灰が出ていかない? そんなはずありませんよ」
 9月中旬、匿名を条件に取材に応じてくれたある会社の社長は言い切った。
 「これを見てください」
 そう言って出した数枚の写真には、円筒状の外装にロケット状の吸音体を格納した、飛行機のジェットエンジンにも似た金属設備が写っている。
 社長は続ける。
修理後の消音器
 「これはサイレンサ。消音器です。焼却施設の騒音が煙突から出ていかないようにするもので、それなりの規模の焼却炉には必ずついています。消音器 は電気集じん機やバグフィルターといった集じん設備の後ろ、煙突のすぐ手前に取り付けます。ですから、消音器を通る排ガスはきれいになった状態で通過する はずです。でも見てください。これがうちで修理した消音器なのですが、修理前はこれです」
修理前の消音器
 社長が指さした写真はジェットエンジンの前部のような消音器の吸入口を撮影したものだ。今年になって修理したという、修理後の消音器はきれいな銀 色の金属製品だが、修理前のものは全面に薄茶色の粉じん状のものがこびりついていて、まるで磁石に砂鉄をくっつけたようにこんもりとしている。
 「すごいでしょう。これ、みんな焼却灰です。バグフィルターで焼却灰の99.99%が除去されていると言いますが、実際にはこういうものが外に出て行っているんです」
20113月の福島第一原発事故で降り注いだ放射性物質により、日本の相当な地域が汚染された。身の回りのさまざまな場所に降り積もった放射性 物質は、雨水や汚水に入り込み、下水処理場に流れ込む。一方、生活の中から出るゴミにも放射性物質は紛れ込み、それらはゴミ処理施設に持ち込まれる。
 そうして下水処理の残渣(ざんさ)である下水汚泥やゴミを燃やす焼却炉、さらに高温で溶かしてしまう溶融炉は放射性物質の集積地点となった。こう した社会インフラに放射性物質が移動することは、普段の生活の場から放射性物質が排除されるため、住民にとってありがたい話だ。
 ところが、前出の社長の証言からも分かるように、焼却処理や溶融処理で出た焼却灰は、バグフィルターをすり抜け、私たちの生活空間へ再び舞い戻ってくる。それは、焼却灰に含まれている放射性物質の一部が、その地域に拡散するということだ。

環境省の欺瞞

昨年5月以降、汚染地域の下水汚泥の焼却施設やゴミ焼却施設の焼却灰から放射性セシウムなどが高濃度に検出される事例が相次いだこともあって、下水・ゴミ焼却炉による放射性物質の再飛散が問題になってきた。
 昨秋以降、岩手・宮城の被災地の震災がれきを全国で広域的に処理する方針を政府が強く推し進めるようになって、各地で反対の声が上がった。「放射能汚染が拡散するのではないか」「被曝が増えるのではないか」と、その安全性に疑問の声が上がっている。
 とくに震災がれきの量が大幅に減って、広域処理の必然性が少なくなってきたにもかかわらず、強引に広域処理を進める行政の姿勢に北九州市や大阪市、静岡市などで反対運動が続いている。
 こうした住民の疑問に対する行政側の反論が、冒頭のバグフィルターや電気集じん機といった排ガス処理設備の有効性だ。
 ゴミを焼却して出る有害な焼却灰は、ほとんど炉の下に落ちる主灰だが、一部は排ガスとともに飛んでいく。排ガスといっしょに流れていく焼却灰を飛 灰という。飛灰は主灰に比べても、ダイオキシンや重金属が濃縮されており、より有害性が高い。下水汚泥の場合は、「流動床式」という焼却炉を採用してお り、炉の構造上、ほぼすべての焼却灰が排ガス側に流れていく。飛灰も主灰も混ざった状態といってよい。
 では、現在問題になっている放射性セシウム134と同137はどうか。セシウムは沸点が671℃のため、放射性セシウムの一部も気化したり、液体 となって排ガスとともに流れていくことになる。これを焼却炉の外に出さないよう、バグフィルターや電気集じん機といった集じん設備が取り付けられている。 これによって排ガス中の焼却灰や飛灰を除去する。
 昨年6月以降、環境省は「バグフィルターで99.9%の放射性セシウムを除去できる」と説明してきた。8月以降はバグフィルターでの除去後の排ガスの放射性物質や他の有害物質の測定結果がほとんど「不検出」だったことから、「周辺環境への影響はない」と断言した。
 同11月にはこれが「99.99%」とさらに高性能との説明になった。広域処理や汚染地域での焼却処理の安全性をめぐる議論がいまも続いているわ けだが、放射性セシウムを含む焼却灰が外に出ているのか、それがどの程度かという、集じん設備の有効性が焦点の一つとなっている。
 すでに述べたように消音器は、バグフィルターや電気集じん機といった焼却炉の排ガス処理設備よりもさらに後、煙突の直近に取り付けられる。つまりバグフィルターなどできれいになったはずの排ガスだけがそこを通る建前だ。
 消音器の修理を手がけるこの会社社長は、冒頭で示したように、そんな議論を現場の感覚で一蹴した。そしてこうも話すのである。
 「消音器にくっついているのはほんの一部のはずです。排ガスが流れると消音器に静電気が発生する。それでごく一部がへばりついているだけなんで す。消音器の内部に溜まっているのは排ガスとして煙突から放出しているほんの一部で、大部分は大気中に放出しているのです。放射能が外に出ているってこと ですよ」
 この会社が今年修理した消音器は下水汚泥の焼却施設に設置されていたものだ。会社が特定されてしまう可能性があるため詳細を明かせないのだが、東 日本の放射能汚染がそれなりにある地域で、下水汚泥焼却灰の放射性セシウム濃度は1キロあたり数千ベクレル単位である。決して少ないものではない。
 この社長はゴミ焼却炉の煙道に消音器のメンテナンスで入ったこともあり、その経験からこう語る。
 「消音器の内部や煙突手前の煙道に焼却灰が10キロは溜まっています。新設の焼却炉でも1年でこうなるんです。そこから考えると、煙突から放出している焼却灰は実際にはその何十倍にもなると思います」

知らされぬ放射能汚染

すでに述べたように、この会社が今年になって修理した消音器は原発事故後少なくとも9ヵ月は焼却炉に設置されていた。その焼却炉の焼却灰からは事 故からいまに至るまでつねに1キログラムあたり数千ベクレル単位で放射性セシウムが検出されている以上、消音器にもそうした汚染灰が付着していたり、積 もっていただろうことはまず間違いない。その修理では直接消音器に触れて作業することになる以上、放射性物質による外部被曝のみならず、内部被曝の可能性 も高い。
 ところが、そうした可能性を指摘すると、社長は「えっ」と絶句した。そして、しばらくしてこう言った。
 「考えたこともありませんでした。灰に何が含まれているかを自治体や元請けから知らされたことは一度もないんです」
 それは昨年の福島第一原発事故以降も変わっておらず、明らかに放射能汚染があるはずの今年の受注でも同じだというのには驚かされる。
 「作業の時はマスクをしてます」と社長が言うので、防じんマスクはしていたのなら安心だと思ったら、違った。
 「風邪の時つける普通のマスクです」
 このように、本来必要な曝露防止措置もしていなかった。当然、被曝量の管理など思いもよらないことだ。
 すでに紹介したように、社長は排ガスとして出ていく放射能のことを口にしていた。消音器に残された焼却灰にも当然それが含まれることは想像がつくはずだ。だとすれば、ある程度の知識はあったのではないか。そうした疑問を口にすると、社長はこう答えた。
 「厚さ6ミリの耐腐食性がもっとも高いステンレスに2年で穴が開いてこうなっちゃうんですよ。絶対普通じゃないとは思っていた。表面は鉄が腐食し ているような、何十年もたってさびているような状態。そこについているさびみたいなものを触ったら表面は固いんですが、ぼろっと崩れて、中はサラサラ。す ごい細かいパウダー状なんです。これはバグフィルターとかを通過してきたものだよね、とは思っていた。そのほこりをすくってみたら重いんです。それで重金 属じゃないかと思った。今だったら、それに放射性物質も含まれているんじゃないかということくらいは、なんとなく感じていた。でも元請けからも何もいって こないので具体的には何も知りませんでした」
 この会社が今年請け負った、消音器が設置されていた焼却施設の下水汚泥焼却灰の放射能濃度についても、むろん社長は知らなかった。
 原発事故のことは知っていても、それがどのように自分の仕事に影響を及ぼしているかを知ることは容易ではない。今回のように測定データが明確にある場合ですら、情報を握っている発注側がそれを知らせない。そんな異常な状態が許されている。

大飯など30キロ超も要避難=事故想定、放射能予測―防災計画策定の基礎に・規制委

20121024
 原子力規制委員会(田中俊一委員長)は24日、各地の原発が東京電力福島第1原発事故並みの放射性物質を放出した場合、住民の避難が必要となる範 囲を試算した結果を公表した。規制委は改定中の原子力災害対策指針(防災指針)で、半径30キロ圏内を避難準備などの対策が必要な範囲としているが、試算 では現在唯一稼働中の関西電力大飯原発(福井県おおい町)をはじめ、東電柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)などで30キロ以遠も避難が必要となる可能 性が示された。
 田中委員長は同日の委員会で「今後、防災計画を作る上での基礎資料になる」と述べた。試算を参考に、原発周辺の自治体は事故時の避難や訓練計画を盛り込んだ地域防災計画を策定する。 
  規制委は、福島事故で1〜3号機から放出された放射性物質の総量を基準に、全国16原発で(1)同じ量が10時間以内に一挙に放出された場合(2)放出総 量を各原発の合計出力に合わせ増減した場合―の2通りを想定した。1年間の風向と風速のデータから放射性物質が飛ぶ距離と方位を計算し、人がとどまった場 合に予測される内部・外部被ばくの総量を算出。原発からの方位ごとに、被ばく量が避難基準(7日間で100ミリシーベルト)を上回る確率が高い範囲を示し た。
 試算結果では、出力の大きい柏崎刈羽原発で東南東に40.2キロ(新潟県魚沼市)までが要避難地域となったほか、大飯原発では南32.2キロ(京都府南丹市)まで、福島第2原発でも南32.5キロ(福島県いわき市沖)までが避難地域に含まれる結果となった。
  日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)、関西電力高浜原発(同県高浜町)、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)でも、避難が必要となる地域がそれぞれ隣接 する滋賀県、京都府、福岡県に及んだ。規制委は「広域調整が必要な地域は、国が協議の場を作り、複数道府県で調整する」としている。
[時事通信社]
原子力規制委、放射能ハザードマップを公表
(愛知県)
 原子力規制委員会が24日、静岡県の浜岡原発など全国16か所の原発の放射能ハザードマップを公表した。福島第一原発と同様の事故が起きた 場合、放射性物質がどこまで拡散するかを試算したもので、健康に影響があるとされる目安の被ばく量に達している地点を示している。ハザードマップの公表を 受けた各自治体の反応は? 原子力規制委員会は、全国の原発で福島原発と同様の事故が起きた場合、被ばく量が7日間で100ミリシーベルトとなる地点を風 向きなどを考慮して算出した。100ミリシーベルトを超える被ばくをすると、ガンの発症のリスクが高まるとされている。試算によると、静岡県にある中部電 力浜岡原発については、静岡県内では御前崎市の一部などで100ミリシーベルトに達する地点があるものの、東海3県では100ミリシーベルトに達する地点 はないとされた。また、福井県の敦賀原発から避難が必要な目安とされる30キロ圏内に一部地域が入る岐阜県揖斐川町も、今回の試算では影響が及ばないとさ れた。これに対し、揖斐川町の宗宮孝生町長は「風向きとか、春夏秋冬のいろんな条件がそういった形で今度の発表も含めて防災対策の参考にしたい」と話し、 原発事故を想定した放射能ハザードマップの早期公表を求めていた名古屋市の河村たかし市長は「延々とずるずる時間をかけて出したものが、これなら全く不十 分ですよ」といい、今回の試算では市民生活に与える影響が分からないと不満をあらわにした。原子力規制委員会ではこの日公表した試算について「あくまでも 目安として、各自治体の防災計画を立てる上で参考にしてほしい」としている。
[ 10/24 19:47 中京テレビ]
放射能拡散シミュレーションを公表
(鹿児島県)
原子力規制委員会は24日、全国各地の原発で福島第一原発のような事故が起きた 場合、放射性物質がどこまで拡散するかを試算したマップを公表した。この試算は、自治体がまとめる地域防災計画の参考にしてもらおうと行われたもので、全 国の原発で福島第一原発並みの事故が起きた場合、被ばく量が7日間で100ミリシーベルトとなる地点を、年間の気象条件や原発の出力をもとに算出した。地 形は考慮されていない。100ミリシーベルトを超える被ばくをすると、ガン発症のリスクが高まるとされている。試算によると川内原発では、被ばく線量が 100ミリシーベルトとなる地点が、最大で原発から21キロ離れた阿久根市まで及ぶものの、国が防災重点区域の目安としている30キロ圏内に収まっている ことが分かった。一方、県が去年公表した暫定的な災害対策計画では、半径20キロの範囲で重点的な対策がとられている。マップの公表を受け伊藤知事は、 「現時点では国から詳細な説明を受けていないが、来月行われる国からの説明を踏まえた上で今後の地域防災計画の改訂に生かしたい。」とコメントしている。
[ 10/24 19:50 KYT鹿児島読売テレビ]
201210241244

田んぼ持って逃げられぬ 新潟・魚沼も放射能拡散圏内



柏崎刈羽原発の拡散予測モデル
柏崎刈羽原子力発電所の地図

「田んぼは持って逃げられない。生活基盤が奪われる」。新潟県魚沼市のコメ農家の坂大貞次さん(64)は、柏崎刈羽原発の放射能拡散予測を厳しい表情で受け止めた。
 魚沼市は「魚沼産コシヒカリ」の産地で、防災対策の重点区域の目安となる30キロ圏の外だった。24日公表の拡散予測では、福島第一原発並みの事故が柏 崎刈羽原発で起きた場合、市中心部だけでなく原発から東南東に40.2キロ離れた山間部まで1週間の被曝(ひばく)量が100ミリシーベルトに達すると試 算された。
 JA北魚沼の三浦哲郎理事長も「逃げなくて済む農家があっても『魚沼産』というだけで売れなくなる。ブランドどころの話ではない」。市中心部の商店街で も動揺が広がり、理容業男性(71)は「魚沼は原発の風下。事故があれば放射性物質が飛んでくるとのうわさはあった。もっと早く伝えてほしかった」とし、 不動産会社役員の男性も「どう避難するのかを同時に示してくれないとパニックになる」と話した。

福島のコメ初の基準値超え 全袋検査で110ベクレル

2012.10.24 12:42
 福島県は24日、コメの全袋検査で、須賀川市の農家が出荷した1袋から、食品の新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。
 新基準値になってから、福島のコメが100ベクレルを超えたのは初めて。検査段階のため、流通はしていない。県はこの農家がある地域に出荷自粛を要請する。
 県によると、全袋検査は玄米の段階で行い、基準値以下であることを確認してから市場に流通させている。この農家は320袋が検査を受けたが、ほかに100ベクレルを超えたものはないという。
 福島県は昨年、東京電力福島第1原発事故のため、当時の基準値の1キログラム当たり500ベクレルを超えるコメが見つかったため、今年は全袋の検査に踏み切った。

検証・大震災:福島の放射能除染 持って行ってもらえない 「ブルーシート」住民不安

毎日新聞 20121024日 東京朝刊
 東京電力福島第1原発事故から1年7カ月以上たっても除染が進まない。現地で何が起きているのか。この間、国はどう動いたのか。

 ◇「ブルーシート」住民不安

福島市中心部から約1・5キロの渡利地区は県庁から阿武隈川を渡ってすぐのところにある。除去土を家の敷地に保管する青いシートが目立つ一帯を歩くうち、こんな話を耳にした。「シートを塀で囲ったところがある」
 現場は交通量の多い国道114号沿い。道の両側に、除去土を青いシートで覆った大小二つの山がある。そ れぞれ高さ1・5〜2メートルほどの金属製の塀で囲われていた。片方の山の持ち主、菅野イチさん(82)は5月、自家菜園をつぶして保管場所にした。庭に は目障りなので置きたくなかった。業者からは埋めるよう勧められたが断った。「一度埋めると、もう持って行ってもらえないのではと思った。目に見える所に 置いた方がいい」
 塀を設置したのは市だった。往来の激しい場所で、いたずらを防ぐためだと説明する。一方で、ある市職員はこんな言葉を口にした。「ブルーシート病」。市内では、青いシートを見ると除去土を思い浮かべ「近づくと汚染される」と敏感になっている人が少なくないという。
住民の不安を解消するには最低でも仮置き場の設置が必要だ。だが、渡利地区では決まっていない。住宅が点在し、民家から遠い候補地が少ないのだ。そ のうえ、地区内の道路部分だけでも総延長が100キロ以上あり、側溝やのり面の土砂だけでも2万平方メートルの仮置き場が必要だと試算している。
 市は候補地の測量も実施しているが、決定したとしても難点が残る。道路など現場で保管できない土砂を運び出すのが最優先で、残ったスペースに住宅除染の除去土を入れるからだ。渡利地区の住宅全ての除去土を持ち込める余裕があることが、ブルーシートが消える条件になる。
 市職員が苦しい胸の内を明かす。「最初に手掛けた分だけ運び出すと、住民間で不公平になる。痛み分けじゃないが、我慢してもらって現場保管でいくしかないと理解をいただくようにしている」
 同地区の太田常雄さん(66)宅ではシートに当たる日差しの照り返しも強く、白内障を患う母イネさん(88)にはまぶし過ぎる。遮光性のカーテンに替え、日中も閉めたままだ。

 ◇仮置き場、風評恐れ

福島市渡利地区で、8月8日夜に行われた除染の進め方に関する住民説明会には、約50人が集まった。 「3年後に中間貯蔵施設ができない場合はどうする」「10年、20年と自宅に置く可能性があるのか」。詰め寄る住民に、市の草野利明防災専門官は「分から ない」と答えるほかなかった。
 除去土は一定地域ごとに仮置き場に留め置き、「3年後(15年1月)をメドに運用開始」と国が表明した 中間貯蔵施設に搬入する。だが、双葉郡に設置する予定の中間貯蔵施設は見通しが立っておらず、仮置き場で何年保管するのかは分からない。それが仮置き場設 置のハードルを上げる。渡利地区を含む多くの場所で決まらない大きな理由だ。
 中通り地方のある自治体では住民が仮置き場の候補地を選び、自治体と地権者、行政区長らで話し合った。 「国は3年後というが、実際に搬出するとなると順番待ちなどで時間がかかる。だから5年間(仮置き場として)貸してください」。自治体側がそう求めると、 地権者は「本当に5年か」と念を押した。約2週間後、自治体に区長から電話が入った。「5年という『確約書』がほしい。これは住民の総意だ」。結局、確約 書は出さなかったものの、自治体の担当者は「住民にとって先行きの分からない状態が、そのまま国への不信につながった」と振り返る。
 同じ中通りのある自治体で、仮置き場の設置がようやく決まった今夏、住民からこんな相談が持ちかけられた。「仮置き場の場所や規模は一切公表しないでほしい」。この地区は県外向けの野菜を栽培している。自治体の担当職員は言う。「仮置き場は放射10+性物質がたまっているという極端なイメージを持たれてしまう。住民は風評被害を恐れている」。この自治体は仮置き場の場所や規模を明らかにしていない。
福島市大波地区は稲作地帯だ。3月6日、地区の集会所は殺気立っていた。
 昨年11月16日にコメから暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射10+性セシウムが検出され、国内初の出荷停止になった。集会で、県や市の担当者はセシウムを吸着させるゼオライトを田んぼに散布し、稲への移行を防ぐ方法を説明した。
 だが、稲作農家は「移行を防ぐだけでは田んぼの完全除染にならない」と怒りをぶつけた。
 そのころ、地区に白い大型トレーラーが止まり、サングラス姿の米国人男性らが掃除機のような機械で舗装 面をなぞり始めた。20年以上の汚染除去実績があるという米国の会社のデモンストレーションだ。特殊な化学物質を使いセシウムなどを吸着するという。除染 費用はかなり割高だが、「東京ドーム1杯分を除染しても廃棄物はガスボンベ約1本分。放射10+性物質を9割以上取り除ける」との触れ込みだった。
 地区の農家は役員会を開いて代理店の説明を改めて聞き、市にこの方法を採用するよう求めた。だが、国の除染ガイドラインにはなく、採否は宙に浮いたままだ。
 原発事故後、内外企業からの除染技術の「売り込み」は、県に対してだけでも約570件。「町の発明家」のような個人からの提案もあり、信頼性を見極めるのは極めて難しい。
こんな「騒動」の中、大波地区町会連合会長の佐藤秀雄さん(65)は「今度、国の規制を超えたら大波はおしまい」と心配する。秋晴れの10月9日、佐藤さんはこうべを垂れた稲穂を鎌で刈った。「『大』を付けてもいいぐらいの豊作だねえ」
 手刈りは約40年ぶり。ただしこれは、学術研究用の試験栽培だ。35アールの田んぼのうち、今年の作付けは1アールだけ。研究用以外の余ったコメは廃棄処分し、離乳食から佐藤さんのコメを口にしてきた小学生の孫たちにも食べさせられない。
 市のごみ収集車が近くに来た。本当なら1カ月ほど乾燥させる稲穂が無造作に投げ込まれた。「昔は田んぼに落ちた一つの穂でも拾ったもんだ」。ごみ同然に扱わざるをえない稲。佐藤さんの表情がこわ張った。

 ◇効率阻む「お役所仕事」

昨年7月、伊達市の半沢隆宏・放射10+能対策政策監付次長は専門家から耳慣れない手法を聞かされた。「ショットブラスト」。道路の白線を消す際、細かい鉄球を路面にぶつけて削り取る手法で、削った微粒子も機械が吸い込む。市内の富成小学校で実証実験を行うと、路面の放射10+線量は約3分の1に低下し、高圧洗浄より効果があることが確認された。
 しかし8月26日に国が公表した「市町村による除染実施ガイドライン」では明記されず、約4カ月後の 12月14日に公表された「除染関係ガイドライン」(本ガイドライン)でようやく認められた。ところが、伊達市がこの手法で除染を進めることを環境省主体 の国の「福島除染推進チーム」に改めて示すと「全てショットブラストで行うのか」と問いただされた。
 高圧洗浄の5倍の費用がかかるともされ、県が除染作業ごとの基準単価を示した「除染対策事業実施要領」 にも盛り込まれていない。実施要領になければ、通常は交付金の対象外。市は「高線量域でショットブラストを効果的に使う」と回答し、推進チームから何とか 了解を取り付け、交付金対象事業と認めさせた。環境省の除染担当幹部は「金は何倍もかかるのに除染効率がわずかに上がるだけのことを何でもやっていいわけ ではない」と懸念を隠さない。
 市町村との調整のため福島市に今年1月開設された環境省の出先機関「福島環境再生事務所」へのいらだちも地元には根強い。市町村が除染手法の可否を問い合わせると、本省に上げられ1カ月以上回答を待たされることも多かったからだ。
 福島市教委は6月8日、福島第一小学校で比較的線量が高い側溝のふたが開かないため、ふたを壊した上で 側溝自体を取り換えるよう求めた。再生事務所が側溝自体の取り換えは認めず、ふたを壊すことだけを認める文書を送付したのは2カ月半後の8月21日。市教 委は夏休み中の作業希望も伝えていたのに間に合わず、作業に入れなかった。
 再生事務所の担当者は「実施要領が決まった後、個別に協議して何かを足すという今回の形は、これまでの役所のやり方ではあり得ない」と困惑する。従来の「役所の文化」からなかなか離れられないことが、混迷の続く一因となっている。
 福島第一小の側溝は今もコーンで囲まれ、立ち入りが制限されている。

 ◇作業員「高給」の仙台へ

昨年9月、伊達市の半沢次長は焦っていた。「福島の1年の分母は12カ月ではない。雪が降るから9カ月」。冬に除染の行く手を阻まれるのは確実だった。
 年度内に200戸は手を付けたい。地元の業者の感触を探ったが「全然人がいない」とつれない。県内の土 木建設工事の公共事業費は当初予算ベースで97年度の2339億円をピークに震災直前は6割減の990億円まで落ち込んでいた。そのさなかに震災は起き た。復興事業は東日本で活況を呈しているが、福島からは労務単価がより高い仙台へ作業員が流れた。
 伊達市で民家除染の実証実験を応札した準大手ゼネコンではこんなこともあった。現場の所長が作業員を集 めるため、名古屋などの旧知の業者に声をかけた。「うちはこれだけ出してくれたら行く」。需給関係が逆転し、下請け側の言い値をのんだ。所長の30年にわ たる現場経験で初めてのことだった。
 伊達市の発注は想定の5分の1、40戸にとどめるしかなかった。
 住民への説明にも時間がかかる。「面的な除染なので1軒やらないところがあると効果が出ないんです」。 今年8月の住民説明会で、福島市の草野専門官はそう説いた。住民の中には高齢などを理由に「必要がない」という人もいる。「何としても同意をいただく方向 で説得します」。草野専門官が告げると「脅しているのか」と反発された。
 住民との打ち合わせや現場を監督する「監理員」の不足も課題だ。一度に100カ所ほどの現場が同時にできるため、市職員だけでは手が回らない。市は今年5月、県測量設計業協会県北支部に外部委託し、84人に増えたが、目標の200人まではまだ遠い。
 一方、警戒区域や計画的避難区域を対象とした国直轄の除染は7月27日に田村市都路地区で始まった。家 屋除染は進んでいない。土壁や老朽化した屋根は高圧洗浄に耐えられない。雑巾を使った手作業による拭き取りに変更したが、屋根瓦を拭き取る作業は特殊な技 能が必要で、瓦職人を集めなければならず、8月下旬の着手予定は遅れている。
 地区の8割以上は山林で、区長の坪井和博さん(64)は、やり場のない思いを抱く。「森林が手つかずなら線量はすぐに戻る。やらないよりましだが、膨大な国費が使われていることを思うと、気持ちは複雑だ」

 ◇「最後の課題は土壌浄化」

■適用法律がない
 震災翌月の昨年4月5日、自民党の文教族、馳浩(はせひろし)衆院議員は福島県内の学校を視察中、ふと疑問が頭をよぎった。「校庭の表土をはいだ後の土はどう処理するんだ」。帰京後、環境省や文部科学省、内閣府に尋ねたが、いずれも「所管法令上、放射10+性物質の処理は適用除外」、つまり「法律がないため手出しできない」との回答だ。危機感を覚えた馳議員は元環境相の鴨下一郎衆院議員に声をかけ、党内にプロジェクトチーム(PT)を発足させた。
 一方、民主党でも環境部門会議の座長だった田島一成衆院議員が同様の事態に気づき、4月25日に開かれた原発事故対策PTの第1回会合に乗り込んで「立法化が必要だ」と訴えた。これらの動きは民主、自民、公明3党による「放射10+性物質汚染対処特別措置法」の策定作業につながった。
 環境省内では除染の「勉強会」がひそかに発足していた。同省はイタイイタイ病のカドミウム汚染を扱う法律を所管する。土壌汚染を浄化して農地を取り戻すのが目的だ。省内の技術系職員らはこうした経験から「最後に残る課題は土壌汚染」と予測していた。
 ■各省庁押し付け合い
 5〜6月の時点では内閣府の原子力災害対策本部が汚染汚泥などの処理を通知し、除染関連の打ち合わせも 主催していたが、「原災本部の中核は(原発推進の)経済産業省。そこが前面に出ると批判を浴びるのは明らかだ」(他省庁の複数の幹部)として除染の主役に はならなかった。
 とはいえ環境省は、農水省や国土交通省のような事業官庁ではない。マンパワーも足りない。省内では当 初、「カドミ汚染のように基準は環境省が作り、実際に事業を行うのは農水省など他省庁」という構図を描いていた。このため特措法の素案作成を担当した環境 省は、主語を「環境省」と「国」に使い分けた。幹部は「『国は』と書いたところは、環境省はしないという意味だった」と明かす。
 8月17日、民主、自民、公明は特措法案の3党合意にこぎつけた。ところが、文科省から注文が出た。文 科省は校庭の除染に乗り出す一方、「処分場の確保は主務官庁の環境省が一元的に実施すべきだ」として「国」の部分を「環境省」に書き換えるよう求めていた が、改めて念押ししてきたのだ。
 野党との合意後に政府内から不満が出る異例の事態。翌18日、江田五月環境相(当時)から説得の電話を 受けた高木義明文科相(同)は「3党合意した法文の修正は無理だろうが(実務的な内容を定める)『基本方針』を作る時に(『国』を『環境省』に変更するよ う)お願いします」と要請して矛を収めた。だが、8月26日に特措法が国会で成立した後も、省庁間の歩調の乱れは続き、政府の態勢づくりは遅れる。
 ■処分場説得に失敗
 8月27日、前日に退陣表明した菅直人首相(同)が福山哲郎官房副長官(同)らの説得もあって「最後の 仕事」として佐藤雄平・福島県知事を県庁に訪ね、除去土の「中間貯蔵施設」の県内設置を要請。佐藤知事は「突然の話じゃないですか。困惑している」と抗議 した。だが、そう話す知事の手元に、やりとりの「シナリオ」を記したとみられるメモがあるのを、後ろに立つ記者たちは気づいていた。
 首相来県の前日には、県庁記者クラブで「知事が来県に反対しているらしい」との情報が飛び交った。知事の「突然の話」との発言とは裏腹に事前に首相からの要請内容を把握し、水面下で駆け引きが続いていたことをうかがわせる。
 除去土を巡っては6月9日、環境省の南川秀樹事務次官が佐藤知事を急きょ訪ね、「最終処分場」の設置を要請したことで知事は不信感を募らせていた。その2カ月あまり後の会談で、菅首相は中間貯蔵施設の要請と併せて「最終処分場は県外」と知事に示すしかなかった。
 地元説得の失敗続きの裏では、こんなこともあった。
 民主、自民とも当初、除去土の置き場として東京電力福島第1原発の敷地内を想定していた。東電の了解は得たものの、最後まで地元の自治体と議員らは反対を貫いた。結局、この話は頓挫した。
 ■環境省ノウハウなく
 除染の道筋が見えない中で9月8日、環境省で「除染に関する関係省庁打ち合わせ」が開かれた。
 環境、国交、農水、防衛、厚生労働、文科各省と、内閣府の原子力被災者生活支援チームから課長級職員らが出席し、政府内の役割分担を決める「基本方針」を話し合った。
 環境省案は「除染は基本的に各省で全て個別にやってほしい」との従来通りの内容。各省は「それでは誰も マネジメントしないことになり、ばらばらになってしまう。環境省が一元的にやらないと困る」と反発した。「縄張り」を意識して、除染事業に手を挙げるか内 部で意見が分かれる省庁もあったが、二の足を踏むのは除染事業の困難さが容易に想像できたからだった。
 結局、11月11日に公表された基本方針は「関係省庁から人材面も含めた協力を得ながら、環境省が行う」ことでようやく落ち着く。原発事故からすでに8カ月が過ぎていた。
 事業の発注経験が少ない環境省は政務三役の一人が自室に関係省庁の担当者を集め、「事業の発注仕様書を 下さい」と異例の協力を求め、頭を下げた。仕様書は発注する仕事の詳細を定め、企業の応札価格にも影響するため、通常は「門外不出」だ。「ご苦労されてい るな」。他省庁の幹部は半ば同情した。
 実際、どんな基準で除染を進めるのか。政府は9月、年間5ミリシーベルト以下の除染に補助はしない方針を決める。これに県内自治体から猛反発を受け、専門家の立場で放射10+線防護について勧告する「国際放射10+線防護委員会」の基準に合わせ、「1ミリシーベルト以下」に変更した。
 環境省も当初、除染の基準を「当面は5ミリシーベルト以下にして、その後、1ミリシーベルト以下を目指す」と考えていた。「当面」が消えたことで、幹部は頭を抱えた。
 「除染の範囲がものすごく広くなってしまう」
 環境省が除染の「基本方針」決定を受けて、ようやく除染のガイドラインを発表したのは昨年12月14 日。翌1月初め、環境省福島環境再生事務所を設置し、除染作業の窓口業務を始めた。しかし、除染方法をめぐって自治体から要請があっても本省の判断を仰ぐ のに時間がかかり、自治体からの反発を招いた。環境省は今年6月、一定程度、再生事務所に判断を委ねる通知を出したが、スピード感はさほど変わらない。
 中間貯蔵施設の設置場所もいまだに決まらず、除染作業の進捗(しんちょく)の大きな妨げになっている。

 ◇大学辞め福島を支援する研究者 家庭向けの方法紹介

学者はどう動いたのか。最初に除染マニュアルを作った研究者と、農地除染に取り組む現場を訪ねた。
 昨年3月11日、東京電力福島第1原発の異常を知った徳島大講師(当時)の佐瀬卓也さん(40)は「出番が来てしまった」と覚悟した。放射10+線の測定や健康への影響の研究者。しかも出身は福島県会津若松市だ。
 14日、文部科学省から全国の国立大病院に放射10+線 測定者の派遣要請が届いた。だが、文科省の指示は揺れる。「羽田集合」「待機」などと二転三転し、最後は事実上、各大学に判断を任せた。現地の状況が不明 で、大半の大学は組織としての派遣を見送った。徳島大も判断に迷った。佐瀬さんは「専門家が今働かないでいつ働くんだ」と、福島県に直接かけあい、県の要 請を受けて大学からの派遣を実現させた。
 放射線に詳しい研究者が所属する大半の学会も、電力会社から研究費や人材を受け入れているせいか、動きは鈍い。佐瀬さん所属の日本放射10+線安全管理学会は電力業界との関係が薄く、15日に放射10+線の影響を分析・評価する委員会を設置することを決めた。佐瀬さんは「土壌班」の副班長になる。
 30日、大学からの第1陣として、付属病院の放射線医と2人で福島県入り。任されたのは、白河市などの 避難所に集まった人の検査だった。4月下旬、現場では研究者の姿は少なく、住民から「身の回りの汚染を何とかしたい」という思いをぶつけられるようになっ た。6月、学会のメーリングリストに「土壌班で、住民自ら自宅で取り組める除染マニュアルを作りたい」と提案した。
 佐瀬さんが心がけたのは「線量計がなくても汚染場所を見つけられ、家庭で手に入るものでできる除染法の 紹介」だ。当時は、線量計を持つ住民はわずか。実家や親類の家で実験を繰り返し、高線量の場所の見つけ方、タワシや洗剤など身近な道具で可能な除染方法を 編み出した。高圧洗浄は「放射10+性物質をまき散らし、近隣とのトラブルにつながる」と勧めなかった。
 完成したマニュアルは7月29日、学会のホームページで公開された。専門家によるマニュアルとしては最 初。福島県内の自治体から相談が来たほか、関東地方の少なくとも23自治体がそれぞれのガイドラインで同学会のマニュアルを参考にした。5カ月後の12月 14日、ようやく環境省の除染ガイドラインが公表された。線量計や重機、大規模な作業が必要となる内容に、佐瀬さんは「対象が住民か、行政か、業者かが分 かりにくい」と感じた。
 佐瀬さんは今年3月末、研究と福島支援の両立が難しくなり、大学を辞め、福島県放射10+線災害対策アドバイザーに就任した。徳島県内の民間企業に勤めながら、休日を中心に白河市へ通い、市職員や住民の相談に乗る。
 9月1日、同市が開いた乳幼児を持つ世帯向けの講演会。赤ちゃんを抱く親たちが不安げな表情で会場を埋めた。佐瀬さんは語りかけた。「私は今40歳ですが、少なくともあと40年、福島の皆さんの不安が消える日まで、支援を続けることを約束します」

 ◇最大20マイクロシーベルトの農家で闘う専門家 昔からの除草具、効果

昨年6月5日、空間放射10+線量が最大毎時20マイクロシーベルトに上る飯舘村佐須地区の農家に、研究者ら18人が集まった。農家の菅野宗夫さん(61)は研究者たちに言った。「私の家屋や農地など持っているものをすべて使ってもらっていい。世界に役立ててほしい」
 それに先立つ4月下旬、菅野さんは村を訪れた閣僚に「日本の英知を投入し、放射10+能除去を国家プロジェクトとしてやってほしい」と訴えていた。だが、国は動かない。そこで、知人を介して田尾陽一・工学院大客員研究員(71)ら大学教授や放射10+線技師などの専門家に集まってもらったのだ。菅野さんの自宅、農地、山林の除染に取りかかったものの、高圧洗浄機を使っても期待したほどの低下は見られなかった。
 年が明け、田尾さんらは農地除染の検討を始め、雪が残る3月末にメンバーが菅野さんの家でこたつを囲ん だ。凍った農地の表面をはげば線量が下がると考えたが、実際は下がらない。有効と考えられたのは、表面の汚染土をすき込む「代かき」。だが、耕運機を使う と深く掘り返され、深い部分のきれいな土にも汚染が広がってしまう。
 メンバーが頭を抱えていた時、菅野さんが思い出した。「田車がある」。田車とは、田の除草のための道具で、深さ5センチ程度の表層だけをかき混ぜる。放射10+性セシウムは、表層に吸着していることが知られ、田車で表層をかき混ぜ、泥水を別の田に流せば、セシウムを除去できると考えた。翌日、田車で菅野さんの農地を耕すと線量が約8割も減った。農林水産省の研究者も「こんなに効果があるとは」と驚いた。
 9月、田尾さんらは菅野さん宅の裏に広がる屋敷林の枝打ちをし、住宅から20メートル離れた山林の落ち 葉などを取り除いた。環境省ガイドラインは、落ち葉除去や枝打ちは、森林の境界から20メートルを目安に実施すると書く。しかし、線量はあまり下がらな い。「30メートル以上の高い木もあり、手が届かない場所に汚染がこびりついているのではないか。一つずつ実験し、提案したい」。田尾さんら研究者の闘い は続く。
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 この特集は町田徳丈、樋岡徹也、石丸整、井上英介、遠藤拓、神足俊輔、松田真、神保圭作、藤野基文、比嘉洋、永山悦子、足立旬子、田中泰義、川上克己、尾中香尚里、栗田慎一、種市房子が担当しました。(グラフィック 勝又雄三、編集・レイアウト 長谷川典義)

いわき転入の女性 コメの放射能検査を視察

20121024
農協で新米検査をみる女性たち=いわき市平下神谷
●「自分の目で確認」
 夫の転勤などでいわき市に引っ越してきた女性たちが23日、今年の市内産米の放射線検査を視察した。いわきでの新しい生活に慣れるようにとNPOなどが15年以上前から毎年開いているお茶会「転入女性交流のつどい」の特別企画で、見学ツアーを催すのは初めて。
 参加したのは30~60代の7人。農協で全袋検査の機器や作業の様子を見学し、農協職員に「検出下限はどのくらいか」「今までどんな数値が出ているのか」などと質問していた。一行は米の乾燥施設を見た後、水産加工場でかまぼこ作りも体験した。
 東京から夫と引っ越して来たという妊娠8カ月の女性(31)は「(放射線は)目に見えないので来る前は不安だった。家族で毎日食べるものだから、自分の目で確認しに来ました。これだけ検査してれば、まあ大丈夫かな」と話した。
 市によると、今年9月末まで1年間の転出者数は8596人、転入は6302人。転入のうち、女性は2553人だという。
 今年度の「つどい」は、2月19日を予定している。主催したNPO「NCWCいわき転入女性の会」は、生活情報を入手し友達をつくる場として、別に昼食会や趣味の講座も開いている。参加希望者は代表の関内さん(080・6015・1851)へ。
3市町村の野生キノコ出荷停止
(山梨県)
富士北麓の3市町村で採取された野生のキノコから基準値を超える放射性物質が検出され た問題で26日、国が県に出荷停止を指示した。出荷停止の指示を受けたのは富士吉田市と富士河口湖町、鳴沢村で採れるすべての野生のキノコ。出荷停止の期 間は当分の間としている。出荷停止の解除には市町村ごとに3カ所以上を検査し、その全てが基準値以下になることが条件。ただ山梨県は「野生キノコの最盛期 は過ぎていて検査用のキノコの確保が難しい」として今シーズン中の解除は困難な見通し。一方、県は26日、鳴沢村の鳴沢菜、富士吉田市と忍野村、富士河口 湖町のダイコンなど5品目の放射性物質検査を行った。いずれも放射性物質は不検出。
[ 10/26 23:18 山梨放送]
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放射性セシウム:黒毛和牛で新基準超える値検出 群馬

毎日新聞 20121026日 2258分(最終更新 1026日 2337分)
 群馬県は26日、県立利根実業高(沼田市)が出荷した黒毛和牛から食品の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える同190ベクレルの放射性10+セシウムを検出したと発表した。県によると、全国で牛肉の新基準値が適用された10月以降、基準値超えは2例目。全頭検査で判明し、流通していないという。
 県によると、牛は繁殖用の14歳雌。4〜8月はセシウムを含まない輸入飼料を与えていたが、9月以降は新許容値(同100ベクレル)を下回る同32ベクレルの牧草を与えていたという。【奥山はるな】

中間貯蔵施設「さらに説明必要」=環境相、いわき市長と会談-福島

 長浜博行環境相は26日、福島県いわき市で渡辺敬夫市長と会談し、放射性廃棄物の中間貯蔵施設 の早期設置について要望を受けた。環境相は会談後、「(関係町村に)施設の安全性と(候補地の)選定基準の問題でさらに説明が必要だ」と述べ、設置のスケ ジュールなどは回答しなかったことを明らかにした。記者団の取材に応じた。
 環境相はまた、「丁寧な説明をするということは、とかく時間がかかってくる問題だ」と語り、設置にはさらに時間を要するとの認識を示した。(2012/10/26-21:50

原発事故防災区域「柔軟に対応」 21道府県に説明へ 規制庁

2012.10.26 19:13
 原発事故に備えて事前に対策をとる「原子力災害対策重点区域」の設定をめぐり、原子力規制庁の森本英香次長は26日の記者会見で「基本は自治体の 判断。地形などを考慮し、柔軟な対応があると思う」と述べ、原発の半径30キロ圏という目安にとらわれずに重点区域を決めることができるとの見解を示し た。
 16原発で東京電力福島第1原発事故と同様の過酷事故が発生した場合の放射性物質の拡散予測では、東電柏崎刈羽(新潟県)で約40キ ロ離れた魚沼市でも高線量に達するとの結果が出たが、区域設定について原子力規制委員会の田中俊一委員長は「30キロ圏で十分」との見解を示していた。
 規制庁は、拡散予測に対し関係自治体から「説明が不十分」と批判が出ていることを受け、各原発30キロ圏の市町村を抱える21道府県の防災担当者を集めた説明会を来月2日に開催する。

島根原発:放射性物質拡散予測 「データどう活用」困惑も 知事「国に詳細説明求む」 /島根

毎日新聞 20121026日 地方版
 原子力規制委員会が24日に公表した中国電力島根原発(松江市)で重大事故が起きた際の放射性10+物 質拡散予測。国際原子力機関(IAEA)が定める避難基準である「事故後1週間の内部・外部被ばくの積算線量100ミリシーベルト」に達する最も遠い地点 は、原発から南東24・2キロの安来市内だった。他のすべての地点も国が新たに定める半径30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)の内側だった。一方、全 国の県庁所在地で唯一、原発を抱える松江市は、中心部がいずれも放射線の大きな影響を受けることも示された。県や同市では「結果をどのように活用すればい いのか」と困惑が広がっている。【曽根田和久】
 被ばくの累積線量が100ミリシーベルトを超えればがんで死亡する確率は0・5%上がるとされ、健康への影響から避難や屋内退避が必要となる。
 今回の公表では、二つの想定で、陸側ではいずれも原発の東から南南東に放射性10+物質が拡散していくという予測が示された。
 ◆安来中心部まで
 島根原発で福島第1原発事故と同様の事故が起きた場合、100ミリシーベルトに達する最も遠い地点は、同原発から南東の安来市内。東南東でも23・8キロの中海に達し、ほぼ同じ方角で約25キロの場所にある同市役所に迫っていた。
 一方、南から西北西では統計上意味のあるデータが計算できず、どの距離まで拡散するか示されなかった。
 今回の試算は地形を考慮しておらず、放出も地上付近で起きたと仮定しており、信頼性には限界がある。また、同原発西側の拡散地点が示されなかったことで、住民の避難意識に影響の出る可能性もある。
 ◆位置づけ確認を
 公表された予測について、県の原子力防災担当、細田晃・総務部参事は「いろいろな仮定に基づくデータだが、拡散が30キロ以内に収まったことは、県の対策に対する一つの傍証になるのではないか」と評価。一方で「原発西側の地域で『放射性10+物質が飛んでこない』という見方をされてはいけない。住民にどのように分かりやすく見ていただけるか。活用の仕方も含めて国に教えてもらわないといけない」と懸念を示した。
 溝口善兵衛知事は、「シミュレーションの位置づけなど国に十分確認する必要がある。松江市、鳥取県など 周辺自治体と国に詳細な説明を求めたい」とのコメントを発表。島根原発が立地する松江市の松浦正敬市長も「どう参考にすればいいか不明。解析結果の詳細な 説明が必要」との談話を出した。

 ◇示されない地点も

今回の予測は、福島第1原発1〜3号機から放出された放射性10+物 質と同量が放出されたケース(図左)▽島根原発で同様の事故が起きたケース(図右)−−の二つで示された。いずれのケースでも、島根原発を中心に16方位 でIAEAが定める避難基準に達する最も遠い地点を算出。1年間の風向や風速、降雨量などの気象データを用いて計算した。
 まれに起こる極端な気象条件での拡散を排除するために上位3%についてはデータから除外。風があまり吹 かず、統計的に意味のある数値が計算できなかった方角は、地点が示されていない。原子力規制委員会が示した地図上では地点と地点が線で結ばれているが、便 宜上示されているだけとなっている。
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 ■視点

 ◇高濃度汚染、計画早急に

中国電力島根原発で事故が起きた際の放射性10+物質拡散予測は、原発周辺の起伏や河川、湖といった地形が考慮されていない。結果をどこまで信頼できるか不明だが、松江市の中心部がIAEAの避難基準を超え、高濃度に汚染される可能性は一定程度示された。
 市中心部は県内で最も人口が多く、県庁や市役所、県警本部など中枢機関が集中しており、事故対応の司令塔となる拠点も抱える。松江刑務所や日銀松江支店などもあり、各施設は事故時の業務継続計画を早急に立てなければならない。
 一方、中国電も事故が起きた際、どの地域にどのような影響が及ぶのか、積極的に情報を公開するべきだ。広範囲に及ぶ高濃度汚染の可能性が示された以上、「事故を起こさないよう努力している」というこれまでの説明だけでは不十分だ。【曽根田和久】

放射性セシウム:黒毛和牛で新基準超える値検出 群馬

毎日新聞 20121026日 2258分(最終更新 1026日 2337分)
 群馬県は26日、県立利根実業高(沼田市)が出荷した黒毛和牛から食品の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える同190ベクレルの放射性10+セシウムを検出したと発表した。県によると、全国で牛肉の新基準値が適用された10月以降、基準値超えは2例目。全頭検査で判明し、流通していないという。
 県によると、牛は繁殖用の14歳雌。4〜8月はセシウムを含まない輸入飼料を与えていたが、9月以降は新許容値(同100ベクレル)を下回る同32ベクレルの牧草を与えていたという。【奥山はるな】

中間貯蔵施設「さらに説明必要」=環境相、いわき市長と会談-福島

 長浜博行環境相は26日、福島県いわき市で渡辺敬夫市長と会談し、放射性廃棄物の中間貯蔵施設 の早期設置について要望を受けた。環境相は会談後、「(関係町村に)施設の安全性と(候補地の)選定基準の問題でさらに説明が必要だ」と述べ、設置のスケ ジュールなどは回答しなかったことを明らかにした。記者団の取材に応じた。
 環境相はまた、「丁寧な説明をするということは、とかく時間がかかってくる問題だ」と語り、設置にはさらに時間を要するとの認識を示した。(2012/10/26-21:50

原発事故防災区域「柔軟に対応」 21道府県に説明へ 規制庁

2012.10.26 19:13
 原発事故に備えて事前に対策をとる「原子力災害対策重点区域」の設定をめぐり、原子力規制庁の森本英香次長は26日の記者会見で「基本は自治体の 判断。地形などを考慮し、柔軟な対応があると思う」と述べ、原発の半径30キロ圏という目安にとらわれずに重点区域を決めることができるとの見解を示し た。
 16原発で東京電力福島第1原発事故と同様の過酷事故が発生した場合の放射性物質の拡散予測では、東電柏崎刈羽(新潟県)で約40キ ロ離れた魚沼市でも高線量に達するとの結果が出たが、区域設定について原子力規制委員会の田中俊一委員長は「30キロ圏で十分」との見解を示していた。
 規制庁は、拡散予測に対し関係自治体から「説明が不十分」と批判が出ていることを受け、各原発30キロ圏の市町村を抱える21道府県の防災担当者を集めた説明会を来月2日に開催する。

島根原発:放射性物質拡散予測 「データどう活用」困惑も 知事「国に詳細説明求む」 /島根

毎日新聞 20121026日 地方版
 原子力規制委員会が24日に公表した中国電力島根原発(松江市)で重大事故が起きた際の放射性10+物 質拡散予測。国際原子力機関(IAEA)が定める避難基準である「事故後1週間の内部・外部被ばくの積算線量100ミリシーベルト」に達する最も遠い地点 は、原発から南東24・2キロの安来市内だった。他のすべての地点も国が新たに定める半径30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)の内側だった。一方、全 国の県庁所在地で唯一、原発を抱える松江市は、中心部がいずれも放射線の大きな影響を受けることも示された。県や同市では「結果をどのように活用すればい いのか」と困惑が広がっている。【曽根田和久】
 被ばくの累積線量が100ミリシーベルトを超えればがんで死亡する確率は0・5%上がるとされ、健康への影響から避難や屋内退避が必要となる。
 今回の公表では、二つの想定で、陸側ではいずれも原発の東から南南東に放射性10+物質が拡散していくという予測が示された。
 ◆安来中心部まで
 島根原発で福島第1原発事故と同様の事故が起きた場合、100ミリシーベルトに達する最も遠い地点は、同原発から南東の安来市内。東南東でも23・8キロの中海に達し、ほぼ同じ方角で約25キロの場所にある同市役所に迫っていた。
 一方、南から西北西では統計上意味のあるデータが計算できず、どの距離まで拡散するか示されなかった。
 今回の試算は地形を考慮しておらず、放出も地上付近で起きたと仮定しており、信頼性には限界がある。また、同原発西側の拡散地点が示されなかったことで、住民の避難意識に影響の出る可能性もある。
 ◆位置づけ確認を
 公表された予測について、県の原子力防災担当、細田晃・総務部参事は「いろいろな仮定に基づくデータだが、拡散が30キロ以内に収まったことは、県の対策に対する一つの傍証になるのではないか」と評価。一方で「原発西側の地域で『放射性10+物質が飛んでこない』という見方をされてはいけない。住民にどのように分かりやすく見ていただけるか。活用の仕方も含めて国に教えてもらわないといけない」と懸念を示した。
 溝口善兵衛知事は、「シミュレーションの位置づけなど国に十分確認する必要がある。松江市、鳥取県など 周辺自治体と国に詳細な説明を求めたい」とのコメントを発表。島根原発が立地する松江市の松浦正敬市長も「どう参考にすればいいか不明。解析結果の詳細な 説明が必要」との談話を出した。

 ◇示されない地点も

今回の予測は、福島第1原発1〜3号機から放出された放射性10+物 質と同量が放出されたケース(図左)▽島根原発で同様の事故が起きたケース(図右)−−の二つで示された。いずれのケースでも、島根原発を中心に16方位 でIAEAが定める避難基準に達する最も遠い地点を算出。1年間の風向や風速、降雨量などの気象データを用いて計算した。
 まれに起こる極端な気象条件での拡散を排除するために上位3%についてはデータから除外。風があまり吹 かず、統計的に意味のある数値が計算できなかった方角は、地点が示されていない。原子力規制委員会が示した地図上では地点と地点が線で結ばれているが、便 宜上示されているだけとなっている。
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 ■視点

 ◇高濃度汚染、計画早急に

中国電力島根原発で事故が起きた際の放射性10+物質拡散予測は、原発周辺の起伏や河川、湖といった地形が考慮されていない。結果をどこまで信頼できるか不明だが、松江市の中心部がIAEAの避難基準を超え、高濃度に汚染される可能性は一定程度示された。
 市中心部は県内で最も人口が多く、県庁や市役所、県警本部など中枢機関が集中しており、事故対応の司令塔となる拠点も抱える。松江刑務所や日銀松江支店などもあり、各施設は事故時の業務継続計画を早急に立てなければならない。
 一方、中国電も事故が起きた際、どの地域にどのような影響が及ぶのか、積極的に情報を公開するべきだ。広範囲に及ぶ高濃度汚染の可能性が示された以上、「事故を起こさないよう努力している」というこれまでの説明だけでは不十分だ。【曽根田和久】

防災計画は自治体判断尊重 長浜環境相、原発事故予測で

2012.10.26 13:38
 長浜博行環境相兼原子力防災担当相は26日、原発事故に備え各自治体が策定する地域防災計画について「計画の策定範囲は自治体の判断で決められるもの。環境省からこうしなさいと言うつもりはない」と述べ、個々の判断を尊重する考えを示した。閣議後の記者会見で答えた。
 原子力規制委員会が24日、全国の原発で過酷事故が起きた場合の放射性10+ 物質の拡散予測を公表、計画策定の目安とされる原発から30キロ圏を超える地域でも高線量となる予測が出るなど自治体から戸惑いの声が出ている。
長浜氏は、拡散予測に関し「資料に基づくアドバイスやどう考えるかという相談には乗っていきたい」と支援する姿勢も強調。予測結果については「規制委は独立性の強い機関。発表されたものに良いとか悪いとか言う権限を有していない」と言及を避けた。
【株式評論家の視点】東洋建の湖沼除染は大材料、除染は陸から水底へ、株評価これから
2012102613:47
<銘柄の見所>
  東洋建設 <1890> が急反転相場に突入してきた。ここへきては、「湖沼等における底質の除染システムが完成」が発表されたことをきっかけに、好感買いが高まっている。放射性 物質(セシウム)が堆積した河川、湖沼、海洋、水路などの水域の底質除染システムについて、環境省の実証事業において効果を確認した。放射性物質は地上の 除染が進み、今は水底の堆積が問題となっており、先行きの展開に大いに期待がかかるところ。PBR0.9倍と出遅れが目立っていた株価の水準訂正高を促す きっかけになったようだ。
  一方、今2013年3月期は営業利益34億円と、前期比80%の大幅増益が見込まれている。公共投資は前年度 に引き続き震災復興関連による社会資本整備事業を中心に増加傾向にあり、民間投資についても、被災した設備の修復や建替え需要などにより、堅調に推移して いることが背景。震災復興需要は今期だけでなく、ロングランで業績に反映される方向にある。株価の戻りも息の長いものとなる公算もある。(株式評論家・隆 盛)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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原子力防災計画見直し

20121026
原子力規制庁の金子修一・原子力防災課長(中央)が、県の担当職員らに拡散予測の考え方を説明した=県庁
柏崎刈羽原発で福島第一原発事故のような深刻な事故が起きた場合、高濃度の放射性物質が30キロを越えて拡散するとした原子力規制委員会の予測に ついて、泉田裕彦知事は25日の記者会見で「何らかの対応が必要と受け止めている」と述べた。県は予測を踏まえて市町村と話し合い、8月に修正した原子力 防災計画を見直す方針だ。
 拡散予測では、7基ある柏崎刈羽原発は全国の原発の中で最も広範囲に広がるとの結果となった。防災重点区域の目安の30キロを越え、東南 東方向に40・2キロ離れた魚沼市の山間部にも届く試算となった。一方、規制委の田中俊一委員長は30キロという目安の見直しは不要との考えを示した。
 会見で泉田知事は予測の扱い方を確認する必要があるとした上で、「前提は最悪ではなく、福島の事故並み。最悪を想定するなら、全部の放射 性物質が出たらどうなるか、との予測もいるのでは」と指摘し、「安全神話をやめるのが今後の対策の基本にならなければならない」と述べた。
 また、自治体に具体的な説明がないまま公表されたことについては「委員に自治体行政に詳しい人が入っていないのが問題」と不満を示した。
 規制委のもとの原子力規制庁職員3人は25日午後、県庁を訪れ、拡散予測の考え方や内容を説明。同庁の金子修一・原子力防災課長は、予測 はあくまで県が重点区域を決める際の参考材料だとし、「大きな発電所は多少リスクがあるという認識で、区域の設定をする必要がある」と述べた。
 これに対し、県防災局の山田治之局次長は「規制委にはもっと真剣に取り組んで頂きたい。立地地域の信頼を勝ち得るためにも予断を持った発 言はどうか」と注文。飯沼克英局長も「公的機関が出す以上、一定の意味を持つ」として県や市町村への十分な説明や配慮を求めるとともに、最悪の事故など別 のシミュレーションもするよう求めた。
 説明を受けた後、飯沼局長は市町村と意見交換した上で「必要な原子力防災計画の見直しは行うことになるだろう」と述べた。(水野梓)
【アナリストの眼】注目の東洋建設、洋上風力発電に水底除染の一大テーマ
2012102610:30
<業績&株価分析>
  海洋土木工事が主力の東洋建設 <1890> に注目したい。復興需要関連、社会インフラ・港湾整備関連に加えて、浮体式洋上風力発電や放射性物質除染関連というテーマ性が浮上し、株価は底値圏から急反発の態勢となっている。
  9月4日には、洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究会として「地域振興型アクア・ウインド事業化研究会」の設立に参画することを発表した。10年後に数百MW(メガワット)規模の洋上ウインドファームの建設を目指すとしている。
   そして10月24日には、放射性物質(セシウム)が堆積した底質(河川、湖沼、海洋、水路等の水域において水底を構成している堆積物)の除染システムを 実用化し、環境省の実証事業において効果を確認したと発表した。汚染底質の回収および浄化コストについては、従来工法と同程度となる目途がついたため、こ のシステムを多方面にわたって稼働させていくとしている。
  なお、第2回優先株式の普通株式への転換が完了したことに伴い、発行済株式総数を適正化するため10月1日付で株式5株を1株に併合し、単元株数を1000株から100株に変更している。
   株価の動きを見ると、10月12日と15日に年初来安値204円を付ける場面があったが、その後は急反発している。25日には、前日の放射性物質除染シ ステム実用化の発表も材料視して動意付き、前日比21円(9.21%)高の249円まで急騰する場面があった。終値は247円だった。日足チャートで見る と、抵抗線だった25日移動平均線を一気に突破して、強基調へ転換の形となった。12日と15日の年初来安値204円から見れば21~22%上昇した水準 だが、材料性が豊富であり、目先的には人気持続の可能性があるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞 社=Media-IR)

放射性物質:管理区域外の配管から検出−−原研・大洗研究センター試験炉 /茨城

毎日新聞 20121026日 地方版
 日本原子力研究開発機構は25日、大洗研究開発センター(大洗町)の材料試験炉(JMTR)で、放射線管理区域外の配管表面から放射性10+物質が検出されたと発表した。環境や人体への影響はないという。
 同機構によると、19日午後2時40分ごろ、排水系統の検査を行っていたところ、職員が廃液移送管(ステンレス製、肉厚2・8ミリ)の表面にわずかなにじみを確認。25日にトリチウム最大61ベクレルを確認した。
 廃液移送管は、ウラン燃料の保管などに使用した排水を廃液タンクへ送る配管。表面にはサビがあり、同機構は「非常に小さな穴が開いていた可能性がある」としている。今後、詳しい調査を行い原因を調べる。【杣谷健太】

放射性物質の拡散シミュレーション 原子力規制委

20121026() 0800

福島第一原子力発電所3号機(撮影:2011年3月16日)の画像


福島第一原子力発電所4号機(撮影:2011年3月16日)の画像

泊原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
東通原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
東通原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
女川原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
女川原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
福島第二原子力発電所。放射性物質がサイト出力に対応した放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
福島第二原子力発電所。放射性物質がサイト出力に対応した放射性物質量と同じと仮定した計算。
東海第二原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
東海第二原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
柏崎刈羽原子力発電所。放射性物質がサイト出力に対応した放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
柏崎刈羽原子力発電所。放射性物質がサイト出力に対応した放射性物質量と同じと仮定した計算。
浜岡原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
浜岡原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
志賀原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
敦賀原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
敦賀原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
美浜原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
美浜原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
大飯原子力発電所。放射性物質がサイト出力に対応した放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
大飯原子力発電所。放射性物質がサイト出力に対応した放射性物質量と同じと仮定した計算。
高浜原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
高浜原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
島根原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
島根原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
伊方原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
伊方原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
玄海原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
玄海原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。
川内原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(1〜3号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。の画像
川内原子力発電所。放射性物質が福島第一原子力発電所(13号機)の放射性物質量と同じと仮定した計算。

 原子力規制委員会の平成24年度(2012年度)第7回会議が開催され、新たな原子力安全規制制度の整備などについて話し合われた。そのさい、日本各地の原子力発電所で事故が起こったと仮定した、放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果が明らかにされた。
 東日本大震災での東京電力福島原発事故を踏まえ、原子力安全委員会報告(123月)では、防災対策を重点的に充実するべき地域の目安を見直し、原子力施設から概ね30kmとした。従来は810km
 拡散シミュレーションは、原子力発電所の事故により放出される放射性物質の量、放出継続時間などを仮定し、周辺地域における放射性物質の拡散の傾向を推定した。 道府県が防災計画を策定するにあたり、重点的に対策する地域の選定に参考すべき情報となる。
 しかし今回のシミュレーションは、個別・具体的な放射性物質の拡散予測ではなく、総体としての拡散の傾向を表したものであり、目安として参考にすべき データであるとされる。初期条件の設定(放射性物質の放出シナリオ、気象条件、シミュレーションの前提条件など)や評価手法によって解析結果は異なる。
 今回のシミュレーションは地形情報を考慮しておらず、気象条件についても、ある一方向に継続的に放射性物質が拡散するとしている。気象データも各個所で実測した1年分データを用いており、すべての気象条件をカバーしていない。
 いっぽう初期条件は、福島原発事故の状況をベースとしてより厳しい条件を想定した。放射性物質の放出量は、福島原発13号機の3基分が一度に放出した と仮定、放出継続時間は、放出量が最も多かった同2号機と同じ10時間とした。放出高さは地表面近傍の濃度が大きくなる0m(地上放出)。被ばく推定値 は、外部被ばく及び内部被ばくの両方を考慮した。
 評価手法は、米国NRCにおいても放射線被ばくや拡散を評価する際に使用する「MACCS2」を利用した。「SPEEDI」解析では地形情報・風向分布など様々なパラメータを用いるため解析に時間が必要だからだ。
 シミュレーションは放射性物質が拡散する方位、距離を計算した。方角を16方位に区分、実効線量が線量基準に達する確率が気象指針(原子力安全委員会決 定、19821月)に示された97%に達する距離を試算した。線量基準は、外部・内部の被ばく経路の合計で実効線量が7日間で100ミリシーベルト。こ れはIAEAにおいて避難が必要とすべき線量基準に準拠する。


 
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福島沖で漁獲された魚、汚染レベルは1年前と変わらず-調査


  1026日(ブルームバーグ):昨年の東日本大震災による福島第一原発事故で放射性物質が放出された福島県の沖合で捕れた魚は、現在でもなお1年前と同じ程度汚染されているとの調査結果が公表された。
26日発行の科学誌「サイエンス」に掲載された調査によると、海底に沈殿する放射性物質が魚介類を汚染しており、汚染レベルは特に海底に生息する魚介類で高かった。調査を行ったウッズ・ホールド・オーシャノグラフィック・インスティチューション(マサチューセッツ州)の科学者ケン・ブッセラー氏は、海底に放射線源が継続的に残り、長期間影響を及ぼすことをこの結果は示唆していると指摘した。
同氏は「これは放射線源が完全に遮断されても、今後数十年間にわたり堆積物は汚染された状態が続くことを意味する」と説明。海底に生息する魚介類の漁獲が禁止されている福島県沖では、魚の40%が国の食品安全基準値を超えているという。
ブッセラー氏の調査によると、福島第一原発から放出された放射性物質の80%余りが、原子炉冷却用に使われた水から沖合、または直接海に流れ出た。同氏は 海面付近に生息しているであろう魚を除き、魚介類の放射性セシウムの濃度は8月時点で低下していないと指摘。同月に福島県沖近くで漁獲された2匹のアイナ メは、1キログラム当たり2万5000ベクレルを超える線量が検出されたという。日本政府が設定した基準値は同100ベクレル。
同氏は「セシウムやその他放射性物質の放出量と吸収量を把握することが、魚介類の長期的な傾向を予測する上で必要だ」とし、こうした知識がより良い判断を助け、国民の懸念を和らげるとともに、地域の漁業の安全性回復につながる可能性があるとの認識を示した。
原題:Fish Caught in Fukushima is As Tainted as a Year Ago,Study Says(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 Kanoko Matsuyama kmatsuyama2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Jason Gale j.gale@bloomberg.net
更新日時: 2012/10/26 07:00 JST

近畿の原子力防災に反映困難と知事 規制委の放射性物質拡散予測

20121026日午前657分)
 福井県の西川知事は25日、原子力規制委員会が公表した原発事故の放射性20+ 物質の拡散予測に関し「前提が十分議論されていない。近畿全体として防災計画に反映するのかという点では、よくわからない状況だ」と述べ、あいまいな国の対応を批判した。近畿ブロック知事会議のあいさつで述べた。
  知事は「再稼働問題、原子力防災、使用済み燃料処分などについて、国の方針や責任の所在をはっきりしてもらうことが重要。あいまいなままでは近畿としても 困る」と指摘。防災対策についても「現実を踏まえ、本当に地方に参考になるような考え方をだしてもらわなければならない」と語った。
 一方、関西広域連合長の井戸敏三兵庫県知事は同会議後の記者会見で、広域連合として原子力防災計画を年度内に取りまとめると説明。広域避難の在り方を主眼に置く考えを示した。
 井戸知事は記者団に対し「国の指針を待つべきものは盛り込みにくいが、広域避難は基本的な考え方を整理できる」と語り、福井県とも事務レベルで協議しながら計画づくりを進めるとした。
 放射性20+ 物質の拡散予測を防災計画にどう反映するかについては「全く整理できていない。一つのシミュレーションとして受け止めるしかない」と述べた。

放射性廃棄物の長期保管手法を開発

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放射性廃棄物の長期保管手法を開発

福島などで放射性物質を含む汚泥や焼却灰などの保管が深刻な問題となるなか、北九州市立大学などの研究グループが、高い濃度の汚染廃棄物を低コストで長期保管する手法を開発し、環境省は、近く、保管技術としては初めて実用化に向けた実証試験を行うことを決めました。
この手法は、北九州市立大学の伊藤洋教授らの研究グループが開発しました。
ポリエチレンで出来た高さ15センチほどの建材に土砂などを詰めて、汚染廃棄物の周りに階段状に積み上げ、囲いを作ります。
さらに上下に吸着剤を置いて放射線を遮蔽する仕組みです。
この手法で高さ3メートルほどの囲いを作り、1キロあたり4万6000ベクレルの放射性物質を含む汚泥で実験した結果、97%以上の放射線量を遮蔽する効果が確認できたということです。
保管する廃棄物の量に応じて大きさが調整できるうえ、設置費用は廃棄物1立方メートル当たり1万5000円程度と比較的安く、研究グループは50年の長期保管も可能だとしています。
こ の手法について、環境省は、近く福島県で実証試験を行うことを決め、実用化に向け効果や経済性などを検証することにしています。環境省によりますと、保管 技術の実証試験はこれが初めてだということで、伊藤教授は「焼却灰や汚泥だけでなく、将来的には福島第一原発の敷地内にある高レベルの廃棄物の遮蔽にも応 用したい」と話しています。

放射性物質の拡散予測 規制庁、新潟県に説明

2012/10/26 3:30
原子力規制庁は25日、新潟県庁を訪れ、原子力規制委員会が24日に公表した放射性物質の拡散予測結果について説明した。予測の前提条件などについて解説した上で、地域防災計画の見直しに生かしてもらうよう話した。ただ、県側には予測結果に困惑も出ている。
 予測の中で東京電力柏崎刈羽原発の影響が大きいため、立地自治体の中で最初に説明に訪れた。拡散予測の前提条件として東電福島第1原発事故と同程度の事故よりも厳しい条件を想定していることなどを説明した。
 これまで避難対象地域ではなかった魚沼市などが、拡散予測地図では避難が必要になる地域となっている。防災計画の見直しを迫られかねないこ とについて、規制庁の金子修一原子力防災課長は「予測はいろいろな前提を置いているので、前提をどう地元で評価するのか議論してもらいたい」と説明した。
 予測は一例にすぎないという説明だが、県は今後、より緻密な拡散予測の調査を求める方針だ。
 同庁の説明に先立ち開かれた定例会見で、泉田裕彦知事は予測地図について、「(規制委員会の)田中俊一委員長の発言で分かりにくいところが ある。準備がいるのかいらないのか、受け取る側として困惑する発言になっている」と述べた。また、魚沼市の対策について「豪雪地域なので(避難方法など) 技術的な点を挙げればきりがない。財源の問題も出てくる」と述べた。

県、原子力防災計画再修正へ 豪雪地帯、避難どうする 新潟

2012.10.26 02:01
 原子力規制委員会が東京電力柏崎刈羽原子力発電所の事故発生時の放射性物質拡散シミュレーションを公開したのを受け、原子力規制庁が25日、急遽 (きゅうきょ)、県庁を訪れ、シミュレーション結果ついて説明した。改めて、国が防災対策を重点的に行う目安の範囲としている半径30キロについて変えな い方針を伝えたが、拡散の範囲が目安を10キロも上回り40キロ地点まで影響が及ぶことを重く受け止め、県は今後、8月に見直した原子力防災計画を再修正 することを決めた。
 ◆規制庁「30キロ範囲」
 来県した原子力規制庁の金子修一原子力防災課長は、放射性物質の拡散が原発 から40・2キロ地点(魚沼市)に達したことについて、「原発の規模も含めかなり大きく見積もった結果だが、少し幅を持って受け止めてほしい。ほとんどの シミュレーションはおおむね30キロの範囲だ。30キロ目安は変える必要はないと考えている」と述べた。
 応対した飯沼克英・県防災局長は 事前説明がなく周辺自治体で困惑しているのを踏まえ、「一つのシミュレーションに過ぎないと理解しているが、立地自治体、周辺自治体にとって影響は大き い。公的機関が公表する以上、一定の意味を持つわけだから十分に配慮もしてほしい」と求めた。金子課長は「できるだけ早く県内自治体向けに説明会を開きた い」と答えた。
 ◆知事「最悪も考慮」
 説明に先立ち、泉田裕彦知事は同日の会見で「魚沼市は豪雪地帯であり、避難のあり方が課題になってくる。何らかの対策をとることが必要だ」と述べ、原子力防災計画を再修正する考えを示した。同計画は今夏に見直したばかりだが、最悪の拡散シミュレーションも踏まえる。
 柏崎刈羽原発の原子炉は全7基。合計出力は約820万キロワットに達し、一般家庭約235万世帯が使う電気を作る世界最大の原発。約86万世帯の県を参考にすると、電気の供給能力は県約3県分に相当する。

材料試験炉施設で放射性物質を検出 茨城・大洗研究開発センター

2012.10.26 02:02
 日本原子力研究開発機構(原子力機構)は25日、大洗研究開発センターの材料試験炉施設内で、非管理区域にある廃液移送管の表面に微量の放射性物 質を検出したと発表した。従業員や環境への影響はないという。原子力機構は、表面にさびができ、小さな穴が開いた可能性もあるとみて調べている。


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